IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社JVCケンウッドの特許一覧

<>
  • 特開-測定装置 図1
  • 特開-測定装置 図2
  • 特開-測定装置 図3
  • 特開-測定装置 図4
  • 特開-測定装置 図5
  • 特開-測定装置 図6
  • 特開-測定装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174143
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/08 20060101AFI20241206BHJP
   G01S 15/42 20060101ALI20241206BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G08B21/08
G01S15/42
A47K3/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024172480
(22)【出願日】2024-10-01
(62)【分割の表示】P 2020160169の分割
【原出願日】2020-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】山田 康之
(57)【要約】
【課題】室内の対象者が立ち上がる際の頭部の上昇速度を正確に測定する。
【解決手段】測定装置は、室内の天井部に設けられ、超音波を発信する発信部と、室内で
反射された超音波を受信する受信部と、室内に対象者が存在する場合、対象者の頭部で反
射された超音波の受信結果に基づいて対象者の頭部高さ位置を算出し、算出結果に基づい
て頭部の上昇速度を算出する演算部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の天井部に設けられ、超音波を発信する発信部と、
前記室内で反射された前記超音波を受信する受信部と、
前記室内に対象者が存在する場合、前記対象者の頭部で反射された前記超音波の受信結果に基づいて前記対象者の頭部高さ位置を算出し、算出結果に基づいて前記頭部の上昇速度を算出する演算部と、
前記上昇速度が閾値を超えたか否かを判定し、前記上昇速度が閾値を超えたと判定した場合に前記対象者に注意喚起情報を報知する報知制御部と
を備える測定装置。
【請求項2】
前記上昇速度の前記閾値は、前記室内の気温及び気温分布の少なくとも一方に基づいて変更可能である
請求項1に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室の天井に設けた発信部から超音波を発信して浴槽の水面と対象者の頭部との間の距
離を測定し、その測定結果に基づいて浴槽内の対象者の沈水状態を判定する技術が知られ
ている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-34763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
浴槽内で対象者が沈水する一因として、ヒートショックが挙げられる。ヒートショック
は、例えば対象者が浴槽から急激に立ち上がった場合に発生することがある。対象者の立
ち上がり速度を検出するため、例えば浴槽内の湯の水深の変化を検出すること等が提案さ
れている。しかしながら、対象者が立ち上がる際に湯から出ていく体の部位の体積変化が
一様ではないことや、水面の揺れが安定するまでに時間を要すること等、頭部の上昇速度
を正確に検出することが困難である。また、浴室内に限られず、他の室内においても同様
に、室内の対象者が立ち上がる際の頭部の上昇速度を正確に検出する技術が求められてい
る。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、室内の対象者が立ち上がる際の頭部の上
昇速度を正確に測定することが可能な測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る測定装置は、室内の天井部に設けられ、超音波を発信する発信部と、前記
室内で反射された前記超音波を受信する受信部と、前記室内に対象者が存在する場合、前
記対象者の頭部で反射された前記超音波の受信結果に基づいて前記対象者の頭部高さ位置
を算出し、算出結果に基づいて前記頭部の上昇速度を算出する演算部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、室内の対象者が立ち上がる際の頭部の上昇速度を正確に検出すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る測定装置の一例を模式的に示す図である。
図2図2は、制御部の一例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、測定装置による測定動作の一例を示す図である。
図4図4は、測定装置による測定動作の一例を示す図である。
図5図5は、測定装置による測定動作の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態に係る測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本実施形態に係る測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る測定装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形
態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には
、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
図1は、本実施形態に係る測定装置100の一例を模式的に示す図である。図1に示す
ように、測定装置100は、発信部10と、受信部20と、検出部30と、制御部40と
を備えている。本実施形態において、測定装置100は、例えば浴室50内に配置される
。浴室50は、浴槽51と、天井部52とを含む。また、浴室50の壁部には、浴槽51
内の湯温の調整等、各種操作が可能な端末53が取り付けられる。端末53は、例えば音
声を出力するスピーカ等の報知部53aを有する。
【0011】
発信部10は、浴室50内の天井部52に設けられる。発信部10は、浴室50内に超
音波Sを発信する。発信部10は、例えば浴槽51に浸かっている対象者Pに向けて超音
波Sを発信する。
【0012】
受信部20は、浴室50内の天井部52に設けられ、浴室50内で反射された超音波S
を受信する。受信部20は、上記の対象者Pの頭部Hで反射された超音波Sを受信する。
受信部20は、超音波Sを受信して受信信号を生成する。
【0013】
検出部30は、浴室50内に対象者Pが存在するか否かを検出する。検出部30として
は、例えば対象者Pの画像を取得するカメラ等の撮影装置が用いられる。本実施形態にお
いて、検出部30は、取得した対象者Pの画像を用いて対象者Pが識別可能な程度の解像
度を有する撮影装置が用いられる。なお、検出部30としては、上記構成に限定されず、
例えば低解像度の撮影装置が用いられてもよいし、光センサ等の測定装置が用いられても
よい。
【0014】
制御部40は、測定装置100の動作を統括的に制御する。制御部40は、CPU(C
entral Processing Unit)等の処理装置と、RAM(Rando
m Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等
の記憶装置を有する。図2は、制御部40の一例を示す機能ブロック図である。図2に示
すように、制御部40は、発信制御部41と、信号取得部42と、演算部43と、報知制
御部44と、記憶部45とを有する。
【0015】
発信制御部41は、発信部10による超音波の発信動作を制御する。発信制御部41は
、例えば1秒間に10回程度、発信部10から超音波Sを発信させることができる。信号
取得部42は、受信部20で受信された超音波Sの受信信号を取得する。
【0016】
演算部43は、検出部30の検出結果に基づいて、浴室50内に対象者Pが存在するか
否かを判定する。浴室50内に対象者Pが存在する場合、対象者Pの頭部Hで反射された
超音波の受信結果に基づいて対象者Pの頭部高さ位置を算出する。演算部43は、算出し
た頭部高さ位置に基づいて頭部Hの上昇速度を算出する。具体的には、超音波Sが発信さ
れる1回ごとの頭部高さ位置を算出し、算出した頭部高さ位置の時間変化に基づいて、頭
部Hの上昇速度を算出する。
【0017】
報知制御部44は、検出部30の検出結果に基づいて、浴室50内に対象者が存在する
場合、浴室50内に存在する対象者を識別し、識別情報を取得する。この識別情報は、例
えば検出部30がカメラ等の撮影装置である場合、撮影された対象者の顔等の画像であっ
てもよい。識別情報については、上記に限定されず、他の種類の情報であってもよい。報
知制御部44は、演算部43で算出された上昇速度が閾値を超えたか否かを判定する。上
昇速度の閾値は、浴室50内の気温及び気温分布の少なくも一方に基づいて設定される。
また、当該上昇速度の閾値は、浴室50内の気温及び気温分布の少なくも一方に基づいて
変更可能である。浴室50内の気温分布については、例えば、天井部52から浴槽51の
上縁部の高さ位置までの、浴室50内における上下方向の一区間の気温分布であってもよ
いし、天井部52から浴室50の床部までの、浴室50内における上下方向の全区間の気
温分布であってもよい。報知制御部44は、上昇速度が閾値を超えたと判定した場合、算
出された上昇速度と、浴室50内の対象者の識別情報とを記憶部45に記憶する。
【0018】
また、報知制御部44は、検出部30の検出結果と、記憶部45に記憶された上昇速度
及び識別情報とに基づいて、上昇速度が閾値を超えた対象者(以下、特定対象者と表記す
る)が浴室50内に存在するか否かを判定する。浴室50内に特定対象者が存在すると判
定した場合、報知制御部44は、報知部53aを介して特定対象者に対して注意喚起情報
を報知する。本実施形態では、上記のように対象者Pの頭部Hの上昇速度が閾値を超えた
と判定された場合、次回以降に浴室50内に対象者Pが存在するときに当該対象者Pに注
意喚起情報が報知される。
【0019】
注意喚起情報としては、例えば、浴槽51から立ち上がる際の立ち上がり速度を抑える
ように特定対象者に促す音声情報である。報知部53aが表示装置を含む場合、注意喚起
情報は、文字及び画像の少なくとも一方による情報であってもよい。つまり、浴槽51か
ら立ち上がる速度が速い場合、対象者Pが立ち上がった際にヒートショックを起こす可能
性が高くなる。本実施形態では、対象者Pに注意喚起情報を報知することで、浴槽51か
ら立ち上がる際の立ち上がり速度が速めであることを予め対象者Pに知らせることができ
るため、対象者Pに例えばゆっくり立ち上がる等の適切な行動をとらせることができる。
したがって、ヒートショックの発生を低減させることができる。
【0020】
記憶部45は、各種情報を記憶する。記憶部45は、例えばハードディスクドライブ、
ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部45として、リム
ーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。記憶部45は、例えば閾値を超
える上昇速度と、当該上昇速度で頭部を上昇させた対象者Pの識別情報とを記憶する。
【0021】
記憶部45は、受信部20で生成された受信信号を取得する処理と、浴室50内に対象
者Pが存在する場合、対象者Pの頭部Hで反射された超音波Sの受信信号に基づいて対象
者Pの頭部高さ位置を算出する処理と、当該算出結果に基づいて頭部Hの上昇速度を算出
する処理とをコンピュータに実行させる温度測定プログラムを記憶する。
【0022】
次に、上記のように構成された測定装置100の動作を説明する。発信制御部41は、
所定の入力に基づいて、発信部10から超音波Sを発信させる。発信部10は、発信制御
部41の制御により、例えば1秒間にm回の周期で超音波を発信する。
【0023】
図3は、測定装置100による測定動作の一例を示す図である。図3では、対象者Pが
浴槽51に浸かった状態を示している。発信された超音波Sは、対象者Pの頭部Hによっ
て反射され、受信部20により受信される。受信部20は、超音波Sを受信して受信信号
を生成する。信号取得部42は、受信部20により生成された受信信号を取得する。
【0024】
演算部43は、検出部30の検出結果に基づいて、浴室50内に対象者Pが存在するか
否かを判定する。図3に示すように検出部30により対象者Pが検出される場合、演算部
43は、浴室50内に対象者Pが存在すると判定する。演算部43は、浴室50内に対象
者Pが存在すると判定した場合、対象者Pの頭部Hで反射された超音波の受信結果に基づ
いて対象者Pの頭部高さ位置H1を算出する。演算部43は、発信部10から発信される
上記の周期ごとに頭部高さ位置の算出を行い、算出した頭部高さ位置を記憶部45に記憶
する。演算部43は、算出した頭部高さ位置に基づいて、頭部Hの上昇速度を算出する。
図3に示す例において、演算部43は、対象者の頭部高さ位置がH1でほぼ一定であるた
め、上昇速度はほぼ0と算出する。演算部43は、算出した上昇速度を記憶部45に記憶
する。
【0025】
図4は、測定装置100による測定動作の一例を示す図である。図4では、対象者Pが
浴槽51から立ち上がった状態を示している。上記の周期で発信部10から例えばn回発
信された超音波Sは、対象者Pが立ち上がる動作を行う間、対象者Pの頭部Hによって反
射され、受信部20により受信される。受信部20は、超音波Sを受信して受信信号を生
成する。信号取得部42は、受信部20により生成された受信信号を取得する。
【0026】
演算部43は、対象者Pの頭部Hで反射された超音波の受信結果に基づいて、上記の周
期ごとに対象者Pの頭部高さ位置H2、H3、…、Hnを算出する。演算部43は、算出
した頭部高さ位置を記憶部45に記憶する。演算部43は、算出した頭部高さ位置に基づ
いて、頭部Hの上昇速度を算出する。図4に示す例では、対象者の頭部高さ位置がH1か
らHnまで変化している。したがって、演算部43は、超音波Sがn回発信されるまでの
時間(n/m)と、対象者の頭部高さ位置の変化量(Hn-H1)とに基づいて上昇速度
を算出することができる。演算部43は、算出した上昇速度を記憶部45に記憶する。
【0027】
図3及び図4に示す例において、報知制御部44は、検出部30の検出結果に基づいて
浴室50内に存在する対象者を識別し、識別情報を取得する。また、報知制御部44は、
演算部43で算出された上昇速度が閾値を超えたか否かを判定する。報知制御部44は、
上昇速度が閾値を超えたと判定した場合、算出された上昇速度と、浴室50内の対象者の
識別情報とを記憶部45に記憶する。
【0028】
報知制御部44は、検出部30の検出結果と、記憶部45に記憶された上昇速度及び識
別情報とに基づいて、特定対象者が浴室50内に存在するか否かを判定する。図5は、測
定装置100による注意喚起動作の一例を示す図である。図5に示すように、浴室50内
に特定対象者P1が存在すると判定した場合、報知制御部44は、報知部53aを介して
特定対象者P1に対して注意喚起情報Iを報知する。特定対象者P1に注意喚起情報を報
知することで、浴槽51から立ち上がる際の立ち上がり速度が速めであることを予め特定
対象者P1に知らせることができる。このため、特定対象者P1は、例えばゆっくり立ち
上がる等の適切な行動をとることができる。これにより、ヒートショックの発生を低減さ
せることができる。
【0029】
次に、本実施形態に係る測定装置100の動作の流れを説明する。図6は、本実施形態
に係る測定装置100の測定動作の一例を示すフローチャートである。図6に示すように
、発信制御部41は、発信部10から超音波Sを射出させる(ステップS10)。超音波
Sは、浴室50内で反射され、受信部20で受信される(ステップS20)。受信部20
は、超音波Sの受信信号を生成し、生成した受信信号を制御部40に送信する。信号取得
部42は、受信信号を取得する。演算部43は、浴室50内に対象者Pが存在するか否か
を判定する(ステップS30)。演算部43は、対象者Pが存在しないと判定した場合(
ステップS30のNo)、処理を終了する。演算部43は、対象者Pが存在すると判定し
た場合(ステップS30のYes)、取得された受信信号に基づいて対象者Pの頭部Hの
高さ位置を算出し(ステップS40)、算出結果に基づいて頭部Hの上昇速度を算出する
(ステップS50)。演算部43は、算出した上昇速度を記憶部45に記憶する。
【0030】
報知制御部44は、上昇速度が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS60)。報
知制御部44は、上昇速度が閾値を超えないと判定した場合(ステップS60のNo)、
処理を終了する。報知制御部44は、上昇速度が閾値を超えたと判定した場合(ステップ
S60のYes)、上昇速度が閾値を超えた対象者Pである特定対象者P1の識別情報と
、当該上昇速度とを記憶部45に記憶する(ステップS70)。
【0031】
図7は、本実施形態に係る測定装置100の注意喚起動作の一例を示すフローチャート
である。図7に示すように、報知制御部44は、浴室50内に特定対象者P1が存在する
か否かを判定する(ステップS80)。報知制御部44は、浴室50内に特定対象者P1
が存在しないと判定した場合(ステップS80のNo)、処理を終了する。当該ステップ
S80のNoの判定には、上記の測定動作において上昇速度が閾値を超えていないため特
定対象者P1の識別情報が記憶されていない場合を含む。報知制御部44は、浴室50内
に特定対象者P1が存在すると判定した場合(ステップS80のYes)、端末53の報
知部53aから注意喚起情報を報知させて(ステップS90)、処理を終了する。
【0032】
以上のように、本実施形態に係る測定装置100は、浴室50内の天井部52に設けら
れ、超音波Sを発信する発信部10と、浴室50内で反射された超音波Sを受信する受信
部20と、浴室50内に対象者Pが存在する場合、対象者Pの頭部Hで反射された超音波
Sの受信結果に基づいて対象者Pの頭部高さ位置を算出し、算出結果に基づいて頭部Hの
上昇速度を算出する演算部43とを備える。
【0033】
この構成によれば、対象者Pの頭部Hで反射された超音波Sの受信結果に基づいて対象
者Pの頭部高さ位置を算出し、算出結果に基づいて頭部Hの上昇速度を算出するため、水
深の変化を検出する構成に比べて、浴室50内の対象者Pが立ち上がる際の頭部Hの上昇
速度を正確に検出することが可能となる。
【0034】
本実施形態に係る測定装置100は、浴室50内に存在する対象者Pを識別する識別部
である報知制御部44と、上昇速度が閾値を超えた対象者Pの識別情報を記憶する記憶部
45と、報知制御部44による識別結果及び記憶部45に記憶された識別情報に基づいて
、上昇速度が閾値を超えた特定対象者P1が浴室50内に存在する場合に注意喚起情報を
報知する報知部53aとを更に備える。この構成によれば、頭部の上昇速度が閾値を超え
る対象者に対して確実に注意喚起の情報を報知することができる。
【0035】
本実施形態に係る測定装置100において、上昇速度の閾値は、浴室50内の気温及び
気温分布の少なくも一方に基づいて変更可能である。この構成によれば、浴室50内の気
温及び気温分布の少なくとも一方に応じた閾値が設定されるため、ヒートショックの発生
をより確実に低減することができる。
【0036】
本実施形態に係る測定装置100において、浴室50内には、浴槽51が配置され、演
算部43は、浴槽51に浸かっている状態から立ち上がる際に対象者Pの頭部Hで反射さ
れた超音波Sの受信結果に基づいて上昇速度を算出する。この構成によれば、浴槽51に
浸かっている状態から立ち上がる際の対象者Pの立ち上がり速度を効率的に測定できる。
【0037】
本実施形態に係る測定装置100において、注意喚起情報は、浴槽51で立ち上がる際
の立ち上がり速度を抑えるように対象者Pに促す情報である。この構成によれば、特定対
象者P1に対して注意喚起情報を報知することで、ヒートショックの発生を低減させるこ
とができる。
【0038】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、測定装置100が
浴室50内に配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。測定装置1
00は、浴室50内とは異なる室内に配置されてもよい。
【0039】
また、上記実施形態において説明した測定装置100は、例えば検出部30において対
象者が浴槽51に浸かっていることが検出される場合、発信部10から対象者の頭部及び
浴槽51内の水面に向けて超音波Sを発信し、反射波を受信部20で受信することにより
、制御部40において対象者の頭部と水面との距離を求め、求めた結果に基づいて対象者
が溺水状態であるか否かを判定する溺水判定装置として用いられてもよい。
【0040】
また、上記実施形態において説明した測定装置100は、特定対象者P1が次回以降に
浴室50内に存在する場合に注意喚起情報を報知する構成を説明したが、これに限定され
ない。例えば、対象者Pの頭部Hの上昇速度が閾値を超えたことが検出された場合、その
時点で対象者Pに対して注意喚起情報を報知してもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、測定装置100が検出部30の検出結果に基づいて対象者P
を識別し、当該対象者Pの識別情報を取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定
されない。対象者Pの識別及び識別情報の取得については、検出部30とは異なる手段、
例えば制御部40に対して不図示の入力部等により対象者Pの識別情報を入力することに
より行う構成であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
H…頭部、H1,H2,H3…位置、I…注意喚起情報、P…対象者、P1…特定対象
者、S…超音波、10…発信部、20…受信部、30…検出部、40…制御部、41…発
信制御部、42…信号取得部、43…演算部、44…報知制御部、45…記憶部、50…
浴室、51…浴槽、52…天井部、53…端末、53a…報知部、100…測定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7