(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174157
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241206BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20241206BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G07G1/12 321Z
G07G1/12 321K
G07G1/06 B
G07G1/01 301E
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024172696
(22)【出願日】2024-10-01
(62)【分割の表示】P 2021007272の分割
【原出願日】2021-01-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)販売及び実施による公開1 販売・実施日(公開日)2020年 7月17日 販売先 愛知県経済農業協同組合連合会 実施先(店舗) 愛知県経済農業協同組合連合会直営店「JA GREEN ガーデンセンター不二」(愛知県春日井市松本町1-1-1) (2)販売及び実施による公開2 販売・実施日(公開日)2020年 9月 1日 販売先 あいち三河農業協同組合(愛知県岡崎市坂左右町字葦ノ部18番地1) 実施先(店舗) あいち三河農業協同組合直営店「JAあいち三河 幸田憩の農園」(愛知県額田郡幸田町大字大草字上六篠22-1)
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】内野 志穂美
(72)【発明者】
【氏名】宮下 昌彦
(57)【要約】
【課題】顧客に対して適切に特典を付与すること。
【解決手段】商品販売データ処理装置は、第1取得手段と、保持制御手段と、取引処理手段と、書込手段と、表示制御手段とを備える。第1取得手段は、媒体から会員情報を取得する。保持制御手段は、前記会員情報を保持手段に保持させる。取引処理手段は、複数の取引を処理可能である。書込手段は、取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む。表示制御手段は、前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで表示可能である。保持制御手段は、アクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、保持手段から当該会員情報を削除する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体から会員情報を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段と、
複数の取引を処理することが可能な取引処理手段と、
前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段と、
前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段と、
を備え、
前記保持制御手段は、
前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、前記保持手段から当該会員情報を削除する、
ことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記媒体ごとの会員情報を管理する管理装置から会員情報を取得する第2取得手段を備え、
前記保持制御手段は、
前記第1取得手段または前記第2取得手段によって取得された会員情報を前記保持手段に保持させ、
前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に前記保持手段に保持される会員情報が前記第2取得手段によって取得された会員情報である場合、前記保持手段に当該会員情報をそのまま保持させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記書込手段は、
前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に前記保持手段に保持される会員情報が前記第2取得手段によって取得された会員情報である場合、前記媒体への前記特典情報の書き込みを行わない、
ことを特徴とする請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記保持制御手段によって会員情報が削除された後、前記表示制御手段によって非アクティブ表示された取引が再びアクティブ表示される際に、前記第1取得手段による会員情報の取得を要求する要求手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
店員の操作により商品を登録する登録装置と、前記登録装置によって登録された商品を示す登録情報を用いて顧客の操作により商品の精算を行う複数の精算装置と、を備えた商品販売データ処理システムであって、
前記登録装置は、
媒体から会員情報を取得する第1取得手段と、
前記媒体ごとの会員情報を管理する管理装置から会員情報を取得する第2取得手段と、
前記第1取得手段または前記第2取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段と、
複数の取引を処理することが可能な取引処理手段と、
前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段と、
前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段と、
精算に必要な情報を前記精算装置へ送信する送信手段と、
前記保持制御手段は、
前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に、前記保持手段に保持される会員情報が前記第1取得手段によって取得された会員情報である場合には前記保持手段から当該会員情報を削除し、
前記送信手段は、前記第2取得手段によって会員情報が取得された場合、前記精算に必要な情報と、前記第2取得手段によって会員情報が取得された旨の情報を送信し、
前記精算装置は、
前記送信手段によって送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した情報に、前記第2取得手段によって会員情報が取得された旨の情報が含まれる場合、その旨を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項6】
前記登録装置は、
前記登録情報の出力の指示を受け付ける指示受付手段を備え、
前記書込手段は、前記指示受付手段によって前記指示が受け付けられることによって、前記媒体に前記特典情報を書き込む、
ことを特徴とする請求項5に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項7】
前記指示受付手段が前記指示を受け付ける前に会員情報が前記保持手段に保持されていない場合、前記第1取得手段による会員情報の取得を要求する要求手段を備える、
ことを特徴とする請求項6に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項8】
店員の操作により商品を登録する登録装置と、前記登録装置によって登録された商品を示す登録情報を用いて顧客の操作により商品の精算を行う複数の精算装置と、を備えた商品販売データ処理システムの前記登録装置であって、
媒体から会員情報を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段と、
複数の取引を処理することが可能な取引処理手段と、
前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段と、
前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段と、
を備え、
前記保持制御手段は、
前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に、前記保持手段に会員情報が保持されている場合、前記保持手段から当該会員情報を削除する、
ことを特徴とする登録装置。
【請求項9】
店員の操作により商品の登録を行い、顧客の操作により商品の精算を行う商品販売データ処理装置であって、
媒体から会員情報を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段と、
複数の取引を処理することが可能な取引処理手段と、
前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段と、
前記取引処理手段による複数の取引のうち、いずれかの取引を保留状態にさせる保留手段と、
を備え、
前記保持制御手段は、
前記保留手段によって取引が前記保留状態にされる際に、前記保持手段に会員情報が保持されている場合には前記保持手段から当該会員情報を削除する、
ことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項10】
商品販売データ処理装置に用いられるコンピュータを、
媒体から会員情報を取得する第1取得手段、
前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段、
複数の取引を処理することが可能な取引処理手段、
前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段、
前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段、
として機能させ、
前記保持制御手段は、
前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、前記保持手段から当該会員情報を削除する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
店員の操作により商品を登録する登録装置と、前記登録装置によって登録された商品を示す登録情報を用いて顧客の操作により商品の精算を行う複数の精算装置と、を備えた商品販売データ処理システムの前記登録装置に用いられるコンピュータを
媒体から会員情報を取得する第1取得手段、
前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段、
複数の取引を処理することが可能な取引処理手段、
前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段、
前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段、
として機能させ、
前記保持制御手段は、
前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に、前記保持手段に会員情報が保持されている場合には前記保持手段から当該会員情報を削除する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
店員の操作により商品の登録を行い、顧客の操作により商品の精算を行う商品販売データ処理装置に用いられるコンピュータを、
媒体から会員情報を取得する第1取得手段、
前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段、
複数の取引を処理することが可能な取引処理手段、
前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段、
前記取引処理手段による複数の取引のうち、いずれかの取引を保留状態にさせる保留手段、
として機能させ、
前記保持制御手段は、
前記保留手段によって取引が前記保留状態にされる際に、前記保持手段に会員情報が保持されている場合には前記保持手段から当該会員情報を削除する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置、商品販売データ処理システム、登録装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顧客の来店頻度を高めるために、各店舗においてポイント等の特典を付与するサービスが行われている。例えば、顧客に会員カード(ポイントカード)を与え、取引において顧客に会員カードの提示を促し、当該会員カードにポイントを付与したり、付与したポイントを用いて取引したりすることが行われている。
【0003】
関連する技術として、顧客が商品を購入したときでなくても、その後にポイントを顧客自らで個人の情報処理装置を用いて蓄積するようにした特典ポイント管理方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、近年では、複数の取引を切り替えて処理したり、複数の取引を同時に並行して処理したりすることが可能なPOSレジスタが普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、複数の取引を処理した際に、本来ポイントを付与すべき顧客とは異なる顧客にポイントを付与してしまうことがあり、よって、適切にポイントを付与することができないことがある、という問題があった。例えば、先の顧客が会員カードを提示して取引を行っている際に、次の顧客の取引が開始されることにより、複数の取引を処理したとすると、次の顧客に付与すべきポイントを先の顧客に付与してしまうおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、顧客に対して適切に特典を付与することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理装置は、媒体から会員情報を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段と、複数の取引を処理することが可能な取引処理手段と、前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段と、前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段と、を備え、前記保持制御手段は、前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、前記保持手段から当該会員情報を削除する、ことを特徴とする商品販売データ処理装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。
【
図2】POSレジスタ3の概略の外観の一例を示す説明図である。
【
図3】POSレジスタ3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】管理サーバSvが記憶する会員情報テーブル400の一例を示す説明図である。
【
図5】ストアコントローラ2が記憶する商品マスタ500のデータ構成の一例を示す説明図である。
【
図6】POSシステム1における動作例の概略を説明する模式図である。
【
図7】POSレジスタ3が行う新規取引開始処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】POSレジスタ3が行う商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】POSレジスタ3が行う複数取引処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】POSレジスタ3が行う精算開始処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】POSレジスタ3が行うポイント付与処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】店員側表示部21または客側表示部23に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図13】店員側表示部21または客側表示部23に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図14】店員側表示部21または客側表示部23に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図15】店員側表示部21または客側表示部23に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図16】店員側表示部21または客側表示部23に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図17】店員側表示部21または客側表示部23に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図18】POSレジスタ3が発行するレシートの一例を示す説明図である。
【
図19】実施形態2に係るPOSシステム1900のネットワーク構成図である。
【
図21】POS端末装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図22】セルフ精算仕様における動作の概略を説明する模式図である。
【
図23】登録POS端末装置20aが行うポイント付与処理の一例を示すフローチャートである。
【
図24】精算POS端末装置20bが行う精算処理の一例を示すフローチャートである。
【
図25】対面精算仕様における動作の概略を説明する模式図である。
【
図26】実施形態3に係るPOS端末装置20が行う複数取引処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。POSシステム1は、商品販売データ処理システムの一例である。
図1に示すように、POSシステム1は、管理サーバSvと、ストアコントローラ2と、POSレジスタ3とを備える。各装置は、通信回線6を介して、有線または無線により接続されている。通信回線6は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などである。管理サーバSvと、POSレジスタ3とは、ストアコントローラ2を介して通信するものとする。ただし、これに限らず、管理サーバSvと、POSレジスタ3とは、直接通信してもよい。なお、
図1において、POSレジスタ3の台数は、複数台を示しているが、1台であってもよい。
【0010】
管理サーバSvは、管理装置の一例である。管理サーバSvは、顧客に関する情報や、店舗Stに関する情報、商品に関する情報などの各種情報を管理するサーバ装置である。顧客に関する情報は、例えば、会員登録された顧客の会員情報などを含む。会員情報は、顧客の顧客情報や、付与したポイント情報などを含む(
図4参照)。また、管理サーバSvが管理する店舗Stに関する情報は、店舗Stごとの売上や来店客数などの情報を含む。また、管理サーバSvが管理する商品に関する情報は、店舗Stごとの商品の在庫数や商品の販売数などの情報を含む。
【0011】
ストアコントローラ2は、店舗Stにおける商品の管理、販売実績の集計、顧客の管理などの事務処理を行う管理装置である。ストアコントローラ2は、会員情報や、商品ごとの商品情報を格納した商品マスタ500(
図5参照)を記憶する。商品マスタ500は、詳細については後述するが、例えば、商品コード、商品名、価格などを商品ごとに対応付けた商品情報を記憶したデータテーブルである。
【0012】
POSレジスタ3は、商品販売データ処理装置の一例である。POSレジスタ3は、商品の登録処理を行う商品登録処理部と、登録した商品の精算処理を行う精算処理部と、を備えるキャッシュレジスタ装置である。商品登録処理部は、顧客が買い上げる買上対象の商品(以下「買上商品」という場合がある。)を登録し、登録情報を生成する。精算処理部は、商品登録処理部によって生成された登録情報を用いて、買上商品の合計金額(以下「買上金額」という場合がある。)で精算を行う精算処理を実行する。
【0013】
なお、POSシステム1は、店員が所持する可搬型の端末装置を含んでいてもよい。可搬型の端末装置は、例えば、スマートフォンや携帯電話である。可搬型の端末装置は、POSレジスタ3からの呼出要求に応じて、その旨を通知したり、着呼したりする。これにより、POSシステム1において、店員が顧客のサポートを迅速に行うこと可能になる。なお、可搬型の端末装置は、各店員に貸与されるものでもよいし、各店員が所有するものでもよい。
【0014】
(POSレジスタ3の外観例について)
図2は、POSレジスタ3の概略の外観の一例を示す説明図である。
図2(a)は、店員(オペレータ)側から見たPOSレジスタ3の斜視図である。
図2(b)は、客側から見たPOSレジスタ3の斜視図である。
図2(a)および
図2(b)に示すように、POSレジスタ3は、店員側表示部21と、キー操作部22と、客側表示部23と、カード決済部24と、印刷部25と、カード読取書込端末26とを備える。
【0015】
店員側表示部21は、店員が操作するタッチディスプレイである。店員側表示部21は、プリセットキーなどが表示され、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
【0016】
キー操作部22は、各種キーが設けられたキーボードである。各種キーは、数量や金額の入力を行うための数字キー、商品を登録するための商品に対応するキー、会計を締めるための締めキー等の操作キー(ハードウェアキーやボタン)である。キー操作部22は、店員から種々の入力を受け付ける。
【0017】
客側表示部23は、顧客に向けて種々の情報を表示するタッチディスプレイである。客側表示部23は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。例えば、客側表示部23は、年齢確認の必要な商品が登録された場合には、年齢確認画面を表示し、顧客から年齢確認の操作を受け付ける。
【0018】
カード決済部24は、接触型のカード(例えば、磁気カード)を用いて決済を行う決済機構である。カード決済部24によって読み取られるカードは、例えば、クレジットカードや、プリペイドカードなどである。例えば、カード決済部24は、カードの情報を読み取り、読み取った情報を用いて、決済を行うことが可能である。
【0019】
印刷部25は、買上げ対象の商品の明細書を各種帳票(レシート)として印刷するプリンタ装置である。また、印刷部25は、レシートのほかにも、領収書など各種書類を印刷することが可能である。
【0020】
カード読取書込端末26は、非接触型のカード(例えば、ICカード)を用いて決済を行う決済機構である。カード読取書込端末26によって読み取られるカードは、例えば、クレジットカード、会員カードMc、プリペイドカードなどである。会員カードMcは、付与されたポイント数(ポイント情報)を記憶する。カード読取書込端末26は、例えば、会員カードMcに記憶された累計のポイント数を読み取るとともに、会員カードMcに更新後のポイント数を書き込むことが可能である。また、カード読取書込端末26は、表示ディスプレイや操作部を備える。表示ディスプレイは、ポイント数や残額を表示する。また、操作部は、使用するポイント数を受け付ける。
【0021】
なお、本実施形態において、POSレジスタ3は、カード決済部24と、カード読取書込端末26とを一の機能部に集約させてもよい。すなわち、いずれか一方の機能部を他方に具備させてもよい。
【0022】
図3は、POSレジスタ3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、POSレジスタ3は、
図2に示した各部のほか、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、通信部34と、スキャナ部35と、ドロア36とを備える。
図3に示す各部は、内部バスおよび通信線を介してそれぞれ接続されている。
【0023】
CPU31は、中央演算処理装置であり、ROM32に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POSレジスタ3の動作を制御する。
ROM32は、読み出し専用メモリであり、本実施形態に係る商品販売データ処理プログラムなどの各種プログラムをはじめとして、CPU31が利用する各種の情報を記憶する。
【0024】
RAM33は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM33は、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶する。外部から取得した情報は、例えば、ストアコントローラ2が記憶する商品マスタ500(
図5参照)から取得した商品情報501や、会員カードMcから取得したポイント情報などである。また、処理において生成した情報は、例えば、商品登録処理において生成した登録情報や、精算処理において生成した精算情報などを記憶する。なお、POSレジスタ3は、RAM33のほかにも、ハードディスクなどの他のメモリを備えていてもよい。
【0025】
通信部34は、ストアコントローラ2や、他のPOSレジスタ3との間において、情報を送受信する。
【0026】
スキャナ部35は、商品に付されているコード情報(例えば、バーコードや2次元コード)や、会員カードの会員コードや店員の名札に付された店員コードを光学的に読み取る。また、スキャナ部35は、このほかにも、商品の注文シートに表記されたコード情報を読み取る。また、スキャナ部35は、これらに加えて、他のPOSレジスタ3において生成された登録情報がコード化された会計券(登録商標)や、品券類や、各種カードに印刷されているコードを読み取る。
【0027】
ドロア36は、顧客から受け取った紙幣および貨幣を収納する収納部である。ドロア36は、キー操作部22の操作に応じて引き出されるようになっている。
音声出力部37は、音声を出力する。例えば、音声出力部37は、商品を読み取ったときの音や、キー操作部22の操作音や、警告音や、音声ガイダンスやなどを出力する。
【0028】
なお、POSレジスタ3は、不図示の自動釣銭機を備えてもよい。自動釣銭機は、現金による決済を行う機構である。自動釣銭機は、紙幣や硬貨の預金投入口と、紙幣や硬貨の釣銭排出口とを有する。自動釣銭機は、預金投入口への投入金額や、投入金額と買上金額との差分である釣銭金額を算出し、算出した釣銭金額を釣銭排出口から排出する。なお、預金投入口および釣銭排出口は、客側に向いて配置されていてもよく、すなわち、顧客が現金を投入して、顧客が釣銭を取り出すようにしてもよい。
【0029】
(会員情報テーブルの一例について)
次に、
図4を用いて、管理サーバSvが記憶する会員情報テーブル400の一例について説明する。
図4は、管理サーバSvが記憶する会員情報テーブル400の一例を示す説明図である。
図4に示すように、会員情報テーブル400は、顧客識別情報と、顧客名と、電話番号と、顧客ランクと、ポイント数との各項目を含む。
【0030】
顧客識別情報は、顧客を一意に識別する識別情報であり、例えば、会員番号である。顧客識別情報は、例えば、会員登録された際に割り当てられる情報である。
顧客名は、顧客の氏名やニックネームなどである。
電話番号は、顧客の自宅に設けられる固定電話の電話番号や、顧客が所持するスマートフォンなどの電話番号などである。
【0031】
顧客ランクは、顧客の購入実績に応じたランクである。顧客ランクは、例えば、「A~C」の3段階で表される。顧客ランクは、例えば、所定期間内の購入金額や来店頻度などに応じて決定される。例えば、顧客ランク「A」は、最も優良度の高い会員を示す。顧客ランク「C」は、最も優良度が低い会員を示す。顧客ランク「B」は、顧客ランク「A」よりも優良度が低く、顧客ランク「C」よりも優良度が高い会員を示す。
【0032】
ポイント数は、買い物を行ったことによって顧客に付与された累計のポイント数である。ポイント数は、例えば、購入金額や購入頻度などに応じて付与される。また、ポイント数は、例えば、曜日、日にち、購入した商品などに応じて異なる値が付与される場合もある。
【0033】
なお、会員情報テーブル400は、上記の項目のほかにも、住所、メールアドレス、生年月日などの項目を含んでいてもよいし、購入金額や購入した商品などの購入履歴の項目を含んでいてもよい。
【0034】
会員情報テーブル400に示す各項目に情報を設定することにより、会員情報401(401a、401b、…)がレコードとして記憶される。一例を挙げると、会員情報401aは、顧客識別情報が「C0000001」であり、顧客名が「寺岡太郎」であり、電話番号が「090-7777-4444」であり、顧客ランクが「A」であり、ポイント数が「3850」であることを示している。
【0035】
また、本実施形態において、会員情報401は、会員カードMcにも記憶される。具体的には、例えば、会員情報401aは、顧客名「寺岡太郎」が有する会員カードMcにも記憶される。同様に、会員情報401bは、顧客名「寺山二郎」が有する会員カードMcにも記憶される。
【0036】
(商品マスタのデータ構成について)
次に、
図5を用いて、ストアコントローラ2が記憶する商品マスタ500について説明する。
図5は、ストアコントローラ2が記憶する商品マスタ500のデータ構成の一例を示す説明図である。商品マスタ500は、会員ランクごとの各商品の商品情報を記憶したテーブルを示す。
【0037】
商品マスタ500は、会員ランクと、商品コードと、商品名と、価格(会員価格や会員ランク別の価格)との項目を含む。各項目に情報が設定されることにより、商品情報501がレコードとして記憶される。なお、商品マスタ500に示す各項目は一例に過ぎず、この他にも、例えば、商品の分類を示す項目や、割引対象の場合に割引率を示す項目や、年齢確認の要否を示す項目など、他の項目が含まれていてもよい。
【0038】
会員ランクは、「A」、「B」、「C」のうちのいずれかと、非会員とを示す。商品コードは、商品に一意に割り当てられる識別情報である。商品名は、商品の名称である。会員ランクAの価格は、会員ランクAの顧客に対して適用される価格を示す。一例を挙げると、商品情報501aは、商品ランク「A」の顧客に適用され、商品コードが「12345678」であり、商品名が「レタス」であり、価格が「¥198」であることを示している。
【0039】
なお、
図5に示す各商品の価格について補足しておく。商品名「レタス」の価格は、会員ランクにかかわらず、一律「¥198」であることを示している。具体的には、「レタス」は、会員および非会員にかかわらず、同じ価格(非会員価格)であることを示している。また、商品名「牛乳」の価格は、会員と、非会員とで異なる。具体的には、「牛乳」の価格は、会員価格「¥190」と、非会員価格「200」とがあることを示している。また、商品名「かぼちゃ」の価格は、会員ランクに応じて異なる価格であることを示している。具体的には、「かぼちゃ」の価格は、会員と非会員とで異なり、さらに、会員ランク「A」、「B」、「C」ごとに異なる価格であることを示している。
【0040】
(POSシステム1における動作例)
次に、
図6を用いて、POSシステム1における処理の流れや人(店員、顧客)の動作について説明する。
図6は、POSシステム1における動作例の概略を説明する模式図である。
図6(A)に示すように、POSレジスタ3は、店員の操作を受け付けて買上商品の登録処理を行う。また、POSレジスタ3は、登録処理において生成した登録情報を用いて、店員の操作を受け付けて精算処理を行う。精算処理では、決済種別に応じた精算が行われる。例えば、現金決済の場合、店員が顧客から受け取った現金の入力やお釣りの算出などが行われる。また、クレジットカードのカード決済の場合、接続された決済端末などに当該クレジットカードを差し込みカード番号の読み取りや、読み取ったカード番号を暗号化して送信することなどが行われる。
【0041】
ここで、POSレジスタ3は、複数の取引を切り替えて処理することが可能である。具体的には、POSレジスタ3は、先の顧客(以下「前客」という。)の精算処理を行っているときに、次の顧客(以下「次客」という。)の買上商品の登録処理を行うことが可能である。
【0042】
また、POSレジスタ3は、取引に応じたタブ(以下「取引タブ」という場合がある)を表示する。例えば、POSレジスタ3は、前客の買上商品の登録処理を行っているときや、前客の精算処理を行っているときは、前客の取引に対応する取引タブをアクティブ表示する。
【0043】
ここで、タブは、現在処理中の取引画面を示すものであり、操作可能な状態を示す。また、タブは、登録途中で一旦待機(保留)している他の取引の有無を確認するための表示領域を含む。また、タブは、画面上のアクティブ(メイン)の取引領域と、非アクティブの(他の)取引領域とを切り替える操作を受け付ける機能を有する。また、タブは、現在処理中であるか、待機中であるかが視認可能に表示される。なお、本実施形態では、複数の取引が、画面上においてタブで表示されるが、これに限らない。例えば、 複数の取引が、それぞれの画面に分割されて表示されるようにしてもよい。ただし、この場合でも、複数の取引のうち一の取引をアクティブ表示とし、他の取引を非アクティブ表示として区別できるようにし、当該取引が表示された領域やメカキーの押下などによって、相互に表示切替え可能であればよい。
【0044】
また、前客が会員カードMcを所持している場合、前客(または店員)は、会員カードMcをカード読取書込端末26に読み取らせる。本実施形態では、原則、取引の開始から取引の終了まで、会員カードMcがカード読取書込端末26に置かれた状態で取引が行われる。カード読取書込端末26は、会員カードMcに記憶されているポイント情報を読み取ると、ポイント数を客側表示部23や店員側表示部21に表示したり、取引において使用するポイント数を受け付けたりする。
【0045】
前客の精算処理が完了すると、POSレジスタ3は、会員カードMcに、今回の取引において、付与されたポイント数や使用したポイント数が更新されたポイント情報を書き込む。そして、前客は、カード読取書込端末26にかざしている会員カードMcの取り忘れに注意して、買物を終える。この後、次客に対して、同様に、POSレジスタ3は、登録処理と精算処理とを開始する。POSレジスタ3は、次客の買上商品の登録処理を開始すると、例えば、次客の会員情報401を保持し、次客の取引に対応する取引タブをメインの取引タブとして、アクティブ表示する。
【0046】
ここで、POSレジスタ3は、複数の取引を切り替えて処理することが可能であることから、例えば、
図6(B)に示すように、前客が財布から現金を取り出すのに手間取っているような場合、店員は、次客の登録処理を開始させることがある。このとき、POSレジスタ3は、前客の取引に対応するタブ(以下「前客取引タブ」という場合がある。)を非アクティブ表示にし、次客の取引に対応するタブ(以下「次客取引タブ」という場合がある。)をアクティブ表示にする。なお、次客取引は、前客取引の商品の登録途中で開始されるようにしてもよいし、前客取引の仮締め処理を行うことによって開始されるようにしても良い。
【0047】
なお、次客取引タブは、もともと表示されていてもよい。具体的には、次客取引タブは、前客の登録中に、他のタブ(複数のタブのうちいずれかのタブ)が押下されると、前客取引タブが保留状態(非アクティブ表示)にされて、押下されたタブが次客取引タブとして、アクティブ表示されるようにしてもよい。また、これに限らず、次客取引タブは、前客の登録中に、「次客登録」を示す操作指示(タッチキーやメカキーなどの押下)を受け付けることによって、取引画面が生成されて、アクティブ表示されてもよい。また、前客取引タブと次客取引タブとの各タブを切り替え可能とするのは、精算が完了していない前客取引が一旦保留された場合、または、小計まで終了した処理が保留(仮締め)状態とされる場合である。
【0048】
(ポイントの付与が適切に行われない場合について)
ここで、ポイントの付与が適切に行われない場合がある。これについて説明すると、
図6(B)に示したように、POSレジスタ3が次客の登録処理を開始したことにより、複数の取引を切り替えて処理したとする。この場合、例えば、前客の会員カードがカード読取書込端末26に読み取られている状態であれば、次客に付与すべきポイントを前客に付与してしまうおそれがある。このため、本来ポイントを付与すべき顧客とは異なる顧客の会員カードMcにポイント情報を書き込んでしまうことがある。以下、本実施形態に係るPOSシステム1が適切にポイントを付与することを可能にしたことについて詳述する。
【0049】
(POSレジスタ3の機能的構成)
まず、POSレジスタ3の機能的構成について説明する。POSレジスタ3は、第1取得部と、第2取得部と、入力受付部と、保持制御部と、取引処理部と、書込部と、送信制御部と、表示制御部と、要求部とを備える。各部は、POSレジスタ3のCPU31によって実現される。すなわち、POSレジスタ3のCPU31が所定のプログラム(商品販売データ処理プログラム)を実行することにより、各部の機能を実現する。また、POSレジスタ3は、保持部(以下「会員情報保持部」という。)を備える。会員情報保持部は、例えば、RAM33によって実現される。
【0050】
第1取得部は、媒体から会員情報401を取得する。媒体は、会員情報401を記憶する。媒体は、例えば、会員カードMcである。ただし、媒体は、会員カードMcに限らず、会員情報401を記憶する可搬型の端末装置(例えば、スマートフォン)などであってもよい。
【0051】
保持制御部は、第1取得部によって取得された会員情報401を会員情報保持部に保持させる。なお、会員情報401を保持するとは、会員情報401を一時的に記憶することである。本実施形態において、会員情報保持部は、一の会員情報だけ保持することが可能であり、複数の会員情報401を保持することがないものとする。保持制御部は、第1取得部によって会員情報401が取得された場合、当該会員情報401を会員情報保持部に保持させる。
【0052】
取引処理部は、複数の取引を処理することが可能である。複数の取引は、例えば、前客と次客との2つの取引である。なお、複数の取引は、2つの取引に限らず、3つ以上の取引であってもよい。例えば、取引処理部は、前客と、次客と、次々客との3つの取引を処理することも可能である。この場合、3つの取引タブが表示されることになる。
【0053】
書込部は、会員カードMcに特典情報を書き込む。特典情報は、例えば、付与するポイント情報(ポイント数)である。ただし、特典情報は、これに限らず、割引を示す情報や、提供する物品を示す情報などであってもよい。なお、本実施形態では、特典情報をポイント情報として説明する。書込部は、取引処理部による取引が完了した際に会員情報保持部に会員情報401が保持されている場合、当該会員に付与するポイント情報を会員カードMcに書き込む。カード決済(クレジットカード、電子マネー、コード決済など)の場合、書込部は、カード決済が完了した時点で、ポイント情報を会員カードMcに書き込んでもよい。
【0054】
表示制御部は、店員側表示部21に、複数の取引のそれぞれに対応する取引タブを表示し、各取引タブを、アクティブ表示と、非アクティブ表示とで表示することが可能である。アクティブ表示は、複数の取引タブのうち一の取引タブを操作可能な状態であることを示す表示である。非アクティブ表示は、一の取引タブ以外の他の取引タブを操作不可能な状態であることを示す表示である。
【0055】
表示制御部は、アクティブ表示している取引タブを非アクティブ表示にすることがある。例えば、前客取引タブをアクティブ表示にして精算を行っているときに、前客が財布から現金を取り出すのに手間取っており、次客の登録処理が開始される場合がある。この場合、表示制御部は、前客取引タブを非アクティブ表示にして、次客取引タブをアクティブ表示する。取引タブのアクティブ表示/非アクティブ表示の切り替えは、次客の登録処理が開始されることに応じて自動で切り替わることも場合もあるし、店員の操作に応じた手動切り替えの場合もある。
【0056】
保持制御部は、表示制御部によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に、保持部に会員情報401が保持されている場合には保持部から当該会員情報401を削除する。具体的には、保持制御部は、表示制御部によってアクティブ表示されている取引タブが非アクティブ表示される際に、会員情報保持部に保持される会員情報401が第1取得部によって取得された会員情報401である場合には会員情報保持部から当該会員情報401を削除する。これにより、複数の取引のうち、処理対象の取引が変更された場合には、会員カードMcにポイントを付与しないようにすることができる。したがって、本来ポイントを付与すべき会員とは異なる会員の会員カードMcに、ポイント情報を書き込んでしまうことを抑えることができる。
【0057】
なお、会員情報401を削除するタイミングは、次客取引タブがアクティブ表示(次客登録画面が有効)になるタイミングであり、具体的には、例えば、次客登録ボタンが押下されたタイミングや、他の取引タブが押下されたタイミングである。また、これに限らず、会員情報401を削除するタイミングは、次客取引タブがアクティブ表示されて、さらに、次客取引において、一番目の商品が登録されたタイミングとしてもよい。具体的には、会員情報401を削除するタイミングは、次客登録が有効になり、且つ、プリセットキーで商品が登録されたり、商品バーコードがスキャンされたりするなど、一商品の登録が開始された時としてもよい。)
【0058】
(管理サーバSvから会員情報401を取得する場合について)
顧客が会員カードMcを所持していない場合には、管理サーバSvから会員情報401を取得する。これについて、具体的に説明する。第2取得部は、会員カードMcごとの会員情報401を管理する管理サーバSvから会員情報401を取得する。ここで、
図4に示したように、会員情報401は、会員番号および電話番号に関連付けられている。なお、会員情報401は、会員番号および電話番号のうち少なくともいずれか一方が関連付けられていればよい。
【0059】
入力受付部は、会員番号および電話番号のうちのいずれか一方の入力を受け付ける。入力受付部は、例えば、店員側表示部21から、当該入力を受け付ける。例えば、店員は、顧客に電話番号を尋ね、顧客が回答した電話番号を店員側表示部21から操作入力する。なお、入力受付部は、客側表示部23から、顧客の操作によって、当該入力を受け付けるようにしてもよい。入力受付部は、操作入力によって当該入力を受け付けることに限らず、音声入力によって当該入力を受け付けるようにしてもよい。
【0060】
なお、入力受付部が受け付ける情報は、会員情報の絞り込みに用いられる情報であればよい。すなわち、入力受付部が受け付ける情報は、会員番号および電話番号に限らず、例えば、生年月日や、住所や、郵便番号、メールアドレスなどであってもよい。ただし、入力受付部が受け付ける情報は、テンキーから入力される情報とするのであれば、数字のみの組み合わせであることが望ましい。
【0061】
第2取得部は、入力受付部によって受け付けられた当該入力に基づいて、管理サーバSvから会員情報401を取得する。具体的には、第2取得部は、入力受付部によって当該入力が受け付けられると、入力された情報を用いて、管理サーバSvへ問合せを行う。管理サーバSvは、入力された情報を含む会員情報401を特定する。管理サーバSvは、特定した会員情報401をPOSレジスタ3へ送信する。これにより、第2取得部は、管理サーバSvから会員情報401を取得することが可能である。
【0062】
保持制御部は、第2取得部によって会員情報401が取得された場合、当該会員情報401を会員情報保持部に保持させる。すなわち、保持制御部は、第1取得部または第2取得部によって取得された会員情報401をRAM33の会員情報保持部に保持させる。保持制御部は、表示制御部によってアクティブ表示されている取引タブが非アクティブ表示される際に、会員情報保持部に保持される会員情報401が第2取得部によって取得された会員情報401である場合には会員情報保持部に当該会員情報401をそのまま保持させる。すなわち、保持制御部は、管理サーバSvから取得した会員情報401については、そもそも会員カードMcへのポイントの付与を対象としていないことから、会員情報保持部にそのまま保持させる。
【0063】
(管理サーバSvへの会員情報401の送信について)
POSレジスタ3は、管理サーバSvに最新の会員情報401を管理させるために、更新した会員情報401を管理サーバSvへ送信する。具体的には、送信制御部は、取引処理部による取引が完了した際に、会員情報保持部に保持される会員情報401が示す会員に付与するポイント情報を管理サーバSvへ送信する。会員情報保持部に保持される会員情報401が、第1取得部によって取得された会員情報401である場合も、第2取得部によって取得された会員情報401である場合も、送信制御部は、ポイント情報を管理サーバSvへ送信する。管理サーバSvは、ポイント情報を受信すると、対応する会員情報401のポイント数を更新する。
【0064】
(会員カードMcへ会員情報401を書き込まないことについて)
また、POSレジスタ3は、非アクティブ表示されることにより、会員カードMcへ会員情報401を書き込まない場合がある。これについて、具体的に説明する。書込部は、表示制御部によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に、会員情報保持部に保持される会員情報401が第2取得部によって取得された会員情報である場合には、会員カードMcへのポイント情報の書き込みを行わない。これは、第2取得部によって取得された会員情報401が会員情報保持部に保持されている場合とは、そもそも会員カードMcを所持していなことが前提となっていることから、会員カードMcがカード読取書込端末26にかざされている可能性が低いためである。さらに、仮に、会員カードMcがカード読取書込端末26に読み取られていたとしても、当該会員カードMcが、ポイントの付与対象となる顧客とは異なる顧客(例えば、次客)の会員カードMcである可能性が高いためである。
【0065】
なお、書き込みを行わないとは、書き込みを禁止することや、書き込みを無効にすることである。例えば、書き込みを受け付ける書き込みボタンを表示させるようにした場合、書き込みを行わないとは、書き込みボタンが押下されたとしても書き込みを禁止するようにしてもよいし、書き込みボタンを非表示やグレイアウトさせることによって当該ボタンの押下を無効にしてもよい。また、会員カードMcがカード読取書込端末26に読み取られている状態で、現計キー(締めキー)が押下されると、会員カードMcにポイント情報の書き込み行うようにしてもよい。例えば、本実施形態のように、会員番号の照合機能がない会員カードMcがカード読取書込端末26に読み取られている状態であれば、どの会員カードMcに対しても、書き込みが行われるようにしてもよい。一方で、会員カードMcがカード読取書込端末26に読み取られていない状態であれば、ポイント情報を書き込めないので、「カードを置いてください」等のエラー表示を行うようにすればよい。
【0066】
(会員情報401の取得の要求について)
POSレジスタ3は、会員情報401の取得を要求する場合がある。これについて、具体的に説明する。要求部は、取引の開始後に、会員情報401の取得を要求する。要求部は、精算が開始される前までに、具体的には、精算開始ボタンが押下される前までに、会員情報401の取得を要求する。精算開始ボタンは、例えば、「現計キー」や「非現金の精算開始ボタン」である。これにより、精算において、会員価格や、会員ランクに応じた価格を反映させることができる。要求部は、例えば、客側表示部23に「会員カードをカードリーダに読み取られて下さい」や「精算完了まで会員カードをカードリーダに置き放しにして下さい。」といった報知による要求を行う。要求部による要求は、音声を含んでもよい。
【0067】
なお、POSレジスタ3は、精算が開始された後に、会員情報401を取得する場合もある。この場合、POSレジスタ3は、再度精算(再計算)を行って、会員価格や、会員ランクに応じた価格を反映させるようにすればよい。
【0068】
(再びアクティブ表示された際に会員情報401の取得の要求について)
POSレジスタ3は、再びアクティブ表示する際に、会員情報401の取得を要求する場合がある。これについて、具体的に説明する。表示制御部は、非アクティブ表示している取引タブを、再びアクティブ表示にすることがある。例えば、次客取引タブをアクティブ表示して商品登録を行っているときに、前客の精算準備が整い、前客の精算処理が開始される場合がある。この場合、表示制御部は、店員の操作に応じて、前客取引タブをアクティブ表示にして、次客取引タブを非アクティブ表示する。
【0069】
要求部は、保持制御部によって会員情報401が削除された後、表示制御部によって非アクティブ表示された取引が再びアクティブ表示される際に、第1取得部による会員情報401の取得を要求する。例えば、要求部は、保持制御部によって前客の会員情報401が削除された後、表示制御部によって前客の取引が再びアクティブ表示される際に、第1取得部による前客の会員情報401の取得を要求する。具体的には、要求部は、例えば、客側表示部23に「精算完了後にポイントを付与するので、会員カードをカードリーダに読み取られせて下さい」といった報知による要求を行う。
【0070】
なお、表示制御部によって非アクティブ表示された取引が再びアクティブ表示されたとしても、保持制御部によって会員情報401が削除されていない場合が想定され、すなわち、管理サーバSvから会員情報401を取得していたこと場合が想定される。この場合、要求部は、会員情報401の要求を行わないようにすればよい。
【0071】
(POSレジスタ3が行う新規取引開始処理の一例)
図7は、POSレジスタ3が行う新規取引開始処理の一例を示すフローチャートである。
図7において、POSレジスタ3は、新規取引の開始であるか否かを判断する(ステップS701)。新規取引の開始とは、例えば、会員カード読取ボタン1207(
図12参照)が押下されることである。ただし、新規取引の開始は、これに限らず、登録開始を示すボタンが押下されることや、商品のスキャンなどであってもよい。POSレジスタ3は、新規取引の開始となるまで待機する(ステップS701:NO)
【0072】
新規取引の開始となると(ステップS701:YES)、POSレジスタ3は、会員カードMcをカード読取書込端末26へかざすことを促す報知を行う(ステップS702)。そして、POSレジスタ3は、会員カードMcがかざされたか否かを判断する(ステップS703)。会員カードMcがかざされた場合(ステップS703:YES)、POSレジスタ3は、未更新フラグがONであるか否かを判断する(ステップS704)。未更新フラグは、過去(例えば前回)の取引において会員カードMcを所持していなかったことにより、会員カードMcに記憶されているポイント情報が最新のポイント情報に更新されていないことを示すフラグである。
【0073】
未更新フラグがOFFである場合(ステップS704:NO)、すなわち、会員カードMcに記憶されているポイント情報が最新のポイント情報に更新されている場合、POSレジスタ3は、ステップS707に進む。一方、未更新フラグがONである場合(ステップS704:YES)、すなわち、会員カードMcに記憶されているポイント情報が最新のポイント情報に更新されていない場合、POSレジスタ3は、会員カードMcから得られた会員番号を用いて、管理サーバSvに対して、最新のポイント情報の送信要求を行う(ステップS705)。
【0074】
そして、POSレジスタ3は、管理サーバSvから最新のポイント情報を受信して、会員カードMcのポイント情報を更新する(ステップS706)。次に、POSレジスタ3は、会員カードMcから会員情報401を取得し(ステップS707)、ステップS711へ進む。
【0075】
ステップS703において、会員カードMcがかざされていない場合(ステップS703:NO)、具体的には、例えば、会員カードMcがかざされず、会員カードMcの読み取りを行わない旨を受け付けた場合、POSレジスタ3は、管理サーバSvから会員情報401を取得する旨を受け付けたか否かを判断する(ステップS708)。管理サーバSvから会員情報401を取得する旨を受け付けない場合(ステップS708:NO)、すなわち、例えば、取引を行う顧客が非会員である場合、POSレジスタ3は、ステップS712へ進む。一方、管理サーバSvから会員情報401を取得する旨を受け付けた場合(ステップS708:YES)、すなわち、取引を行う顧客が会員であり、会員カードMcを不所持である場合、POSレジスタ3は、電話番号または会員番号の番号入力を受け付けて、管理サーバSvに対して、会員情報の送信要求を行う(ステップS709)。
【0076】
そして、POSレジスタ3は、管理サーバSvから会員情報401を受信することにより、会員情報401を取得する(ステップS710)。次に、POSレジスタ3は、RAM33の会員情報保持部に会員情報401を保持させる(ステップS711)。そして、POSレジスタ3は、新規取引を示すタブをアクティブ表示にし(ステップS712)、新規取引開始処理を終了する。
【0077】
(POSレジスタ3が行う商品登録処理の一例)
図8は、POSレジスタ3が行う商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
図8において、POSレジスタ3は、商品をスキャン等したか否かを判断する(ステップS801)。商品をスキャン等とは、例えば、スキャナ部35によって商品に付されたバーコードが読み取られることや、店員側表示部21やキー操作部22から商品に対応するボタンが押下されることである。
【0078】
POSレジスタ3は、商品をスキャン等するまで待機する(ステップS801:NO)。POSレジスタ3は、商品をスキャン等した場合(ステップS801:YES)、取引を行う顧客が会員であるか否か、具体的には、会員情報保持部に会員情報401が保持されているか否かを判断する(ステップS802)。会員情報保持部に会員情報401が保持されていない場合(ステップS802:NO)、すなわち、取引を行う顧客が非会員である場合、POSレジスタ3は、商品マスタ500を参照し、非会員価格で商品を登録し(ステップS803)、商品登録処理を終了する。
【0079】
ステップS802において、会員情報保持部に会員情報401が保持されている場合(ステップS802:YES)、すなわち、取引を行う顧客が会員である場合、POSレジスタ3は、商品マスタ500を参照し、当該商品の価格が会員価格であるか否かを判断する(ステップS804)。当該商品の価格が会員価格ではない場合(ステップS804:NO)、例えば、商品マスタ500の「レタス:¥198」である場合、POSレジスタ3は、ステップS803に進む。当該商品の価格が会員価格である場合(ステップS804:YES)、POSレジスタ3は、会員ランクに応じた価格があるか否かを判断する(ステップS805)。
【0080】
会員ランクに応じた価格がある場合(ステップS805:YES)、例えば、商品マスタ500の「かぼちゃ」である場合、POSレジスタ3は、会員ランクに応じた価格で商品を登録し(ステップS806)、商品登録処理を終了する。一方、会員ランクに応じた価格がない場合(ステップS805:YES)、例えば、商品マスタ500の「牛乳」である場合、すなわち、会員に一律に適用される価格(会員価格)である場合、POSレジスタ3は、会員価格で商品を登録し(ステップS807)、商品登録処理を終了する。
【0081】
(POSレジスタ3が行う複数取引処理の一例)
図9は、POSレジスタ3が行う複数取引処理の一例を示すフローチャートである。
図9において、POSレジスタ3は、取引タブのアクティブ表示の切替えがあったか否かを判断する(ステップS901)。取引タブのアクティブ表示の切替えは、アクティブ表示の切替え操作を受け付けることや、新たに次客の登録が開始されることで行われる。POSレジスタ3は、取引タブのアクティブ表示の切替え操作があるまで待機する(ステップS901:NO)。
【0082】
なお、ステップS901の処理の前に、POSレジスタ3は、複数の取引の処理中であるか否かを判断するようにしてもよい。複数の取引の処理とは、例えば、前客の処理(精算処理または登録処理)と、次客の処理(登録処理)とが切り替えて行われる処理である。POSレジスタ3は、複数の取引の処理中となるまで待機し、複数の取引の処理中となると、ステップS901の処理を開始するようにしてもよい。
【0083】
取引タブのアクティブ表示の切替え操作があった場合(ステップS901:YES)、POSレジスタ3は、取引タブのアクティブ表示と、非アクティブ表示との切替え処理を行う(ステップS902)。そして、POSレジスタ3は、会員情報保持部が会員情報401を保持しているか否かを判断する(ステップS903)。会員情報保持部が会員情報401を保持していない場合(ステップS903:NO)、すなわち、非アクティブ表示となった取引タブに対応する顧客が非会員である場合や、保持していた会員情報401が既に削除済みである場合、POSレジスタ3は、複数取引処理を終了する。
【0084】
一方、会員情報保持部が会員情報401を保持している場合(ステップS903:YES)、すなわち、非アクティブ表示となった取引タブに対応する顧客が会員である場合、POSレジスタ3は、当該会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401であるか否かを判断する(ステップS904)。
【0085】
会員情報保持部に保持される会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401である場合(ステップS904:YES)、POSレジスタ3は、会員情報保持部から当該会員情報401を削除し(ステップS905)、複数取引処理を終了する。一方、当該会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401ではない場合(ステップS904:NO)、すなわち、会員情報保持部に保持される会員情報401が管理サーバSvから取得した会員情報401である場合、POSレジスタ3は、当該会員情報401をそのまま保持し(ステップS906)、複数取引処理を終了する。
【0086】
(POSレジスタ3が行う精算開始処理の一例)
図10は、POSレジスタ3が行う精算開始処理の一例を示すフローチャートである。
図10において、POSレジスタ3は、精算開始であるか否かを判断する(ステップS1001)。精算開始であるとは、例えば、店員側表示部21に表示される精算開始ボタン(例えば、小計ボタン)が押下されることである。POSレジスタ3は、精算開始となるまで待機する(ステップS1001:NO)。
【0087】
精算開始となると(ステップS1001:YES)、POSレジスタ3は、精算処理を実行する(ステップS1002)。精算処理では、例えば、決済種別の選択や、決済種別の選択に応じた決済が行われる。例えば、現金の決済種別を受け付けた場合には、現金による決済が行われ、クレジットカードの決済種別を受け付けた場合には、クレジットカードによる決済が行われる。
【0088】
そして、POSレジスタ3は、今回の取引おける会員が会員カード所持の会員であるか否かを判断する(ステップS1003)。会員カード所持の会員である場合(ステップS1003:YES)、POSレジスタ3は、会員カードを所持している会員用のレシート(
図18(A)の所持用レシート1800)を発行し(ステップS1004)、一連の処理を終了する。
【0089】
一方、会員カード所持の会員ではない場合(ステップS1003:NO)、すなわち、会員カード不所持の会員である場合、POSレジスタ3は、会員カードを所持していない会員用のレシート(
図18(B)の不所持用レシート)を発行し(ステップS1005)、一連の処理を終了する。不所持用レシートには、後日ポイントを付与する旨が印刷される。
【0090】
(POSレジスタ3が行うポイント付与処理の一例)
図11は、POSレジスタ3が行うポイント付与処理の一例を示すフローチャートである。
図11において、POSレジスタ3は、精算終了であるか否かを判断する(ステップS1101)。精算終了とは、決済の完了である。例えば、決済種別が現金の場合、現計キーが押下されることである。また、決済種別がクレジットカードである場合、POSレジスタ3がクレジットカードサーバと通信して、クレジットカードでの決済が完了することである。なお、精算終了とは、これに限らず、レシートの発行としてもよいし、自動釣銭機を用いた場合には釣銭の払出が行われることとしてもよい。
【0091】
POSレジスタ3は、精算終了となるまで待機する(ステップS1101:NO)。精算終了となると(ステップS1101:YES)、POSレジスタ3は、会員情報保持部に会員情報401が保持されているか否かを判断する(ステップS1102)。会員情報保持部に会員情報401が保持されている場合(ステップS1102:YES)、POSレジスタ3は、当該会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401であるか否かを判断する(ステップS1103)。
【0092】
会員情報保持部に保持されている会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401である場合(ステップS1103:YES)、POSレジスタ3は、カード読取書込端末26にかざされている会員カードMcに、今回付与するポイントを含むポイント情報を書き込む(ステップS1104)。そして、POSレジスタ3は、ポイント情報を管理サーバSvへ送信し(ステップS1105)、ポイント付与処理を終了する。
【0093】
ステップS1103において、会員情報保持部に保持される会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401ではない場合(ステップS1103:NO)、すなわち、管理サーバSvから取得した会員情報401である場合、POSレジスタ3は、会員カードMcへのポイント情報の書き込みを行わない(ステップS1106)。これにより、仮に次客の会員カードMcがカード読取書込端末26にかざされたとしても、当該会員カードMcに前客のポイント情報を書き込まないようにすることができる。
【0094】
さらに、POSレジスタ3は、未更新フラグをONにし(ステップS1107)、ステップS1105に進む。なお、未更新フラグは、会員カードMcに記憶されているポイント情報が最新のポイント情報に更新されていないことを示すフラグであり、言い換えれば、次回の会員カードMcを用いた取引において、最新のポイント情報に更新させるようにするためのフラグである。
【0095】
ステップS1102において、RAM33の会員情報保持部に会員情報401が保持されていない場合(ステップS1102:NO)、本取引において会員情報401が既に削除されたか否かを判断する(ステップS1108)。本取引において会員情報401が既に削除されていない場合(ステップS1108:NO)、すなわち、取引を行う顧客が非会員である場合、POSレジスタ3は、ポイント情報の書き込みを行わずに、ポイント付与処理を終了する。
【0096】
本取引において会員情報401が既に削除されている場合(ステップS1108:YES)、すなわち、取引を行う顧客が会員であり、取引タブのアクティブ表示から非アクティブ表示への切替えがあった場合、POSレジスタ3は、前客の会員情報401の取得要求を行う(ステップS1109)。当該取得要求において、POSレジスタ3は、例えば、前客の会員カードMcをカード読取書込端末26へ読み取らせることを促す旨の報知を行う。
【0097】
そして、POSレジスタ3は、会員カードMcから会員情報401を取得したか否かを判断する(ステップS1110)。POSレジスタ3は、会員情報401を取得するまで待機する(ステップS1110:NO)。なお、POSレジスタ3は、会員情報401の取得要求を行ってから一定時間、カード読取書込端末26が会員情報401を読み取らない場合、そのままポイント処理を終了してもよく、すなわち、ポイント情報の書き込みを行わずに、ポイント付与処理を終了してもよい。ステップS1110において、会員情報401を取得した場合(ステップS1110:YES)、取得した会員情報401を会員情報保持部に保持させ(ステップS1111)、ステップS1104に進む。
【0098】
(POSレジスタ3の画面例)
次に、
図12~
図17を用いて、POSレジスタ3の画面例について説明する。
図12~
図17は、店員側表示部21または客側表示部23に表示される画面の一例を示す説明図である。
図12(A)は、登録開始画面1200を示す。
図12(A)において、登録開始画面1200では、顧客(前客)の取引を示す前客取引タブTB1がアクティブ表示されている。登録開始画面1200は、登録商品表示領域1201と、登録商品一覧領域1202と、金額表示領域1203と、プリセットキー1204と、小計ボタン1205と、次客登録ボタン1206と、会員カード読取ボタン1207とを含む。
【0099】
登録商品表示領域1201は、店員が直近に登録した商品を表示する領域である。登録商品一覧領域1202は、店員が登録した商品の一覧を表示する領域である。金額表示領域1203は、登録した商品の合計金額を表示する領域である。プリセットキー1204は、複数の商品にそれぞれ対応するキーを備え、各キーが店員に押下されることによって、対応する商品の登録を受け付ける。また、プリセットキー1204は、野菜、果物、精肉などの種類ごとのタブを備え、各タブが押下(選択)されることによって、押下された種類に対応するキーに切り替わる。
図12(A)では、野菜の種別のタブが選択された状態を示している。
【0100】
小計ボタン1205は、商品登録の終了を受け付けるボタンである。小計ボタン1205は、全ての商品の登録が完了すると、店員によって押下される。次客登録ボタン1206は、次客の登録を開始させることにより、前客の取引と次客の取引とを切り替えて行うことを受け付けるボタンである。
【0101】
会員カード読取ボタン1207は、カード読取書込端末26にかざされた会員カードMcから、会員情報の読み取り開始を受け付けるボタンである。本実施形態では、新規登録の開始時に、会員カード読取ボタン1207が押下される。会員カード読取ボタン1207が押下されると、店員側表示部21には
図12(B)に示す報知画像1210が表示され、また、客側表示部23には
図13に示す報知画面1300が表示される。
【0102】
図12(B)において、報知画像1210は、会員カードMcをカード読取書込端末26へかざすことを促す報知を示す。店員が顧客に会員カードMcの提示を求め、顧客が会員カードMcを所持していない旨を申し出たとする。顧客が会員であれば、店員は、会員不所持ボタン1211を押下する。会員不所持ボタン1211が押下されると、
図16(B)や
図17(A)に示す画面に移行し、電話番号検索や会員番号検索によって、管理サーバSvから会員情報401を取得することが可能である。一方で、顧客が会員でなければ、店員は、非会員ボタン1212を押下する。この場合、顧客には特典が付与されずに取引が行われることになる。
【0103】
図13(A)は、客側表示部23に表示される報知画面1300を示す。報知画面1300は、顧客に対して、会員カードMcをカード読取書込端末26へかざすことを促す報知を示す。顧客が会員カードMcをカード読取書込端末26へかざすと、POSレジスタ3は、会員情報401を読み取る。
【0104】
図13(B)は、会員情報401が読み取られ、さらに商品が登録された際の店員側表示部21の登録画面1310を示す。登録画面1310は、会員情報表示1311を含む。会員情報表示1311は、会員カードMcから読み取った会員情報401に基づく表示である。会員情報表示1311は、例えば、顧客名とポイント数とを含む表示である。会員情報表示1311は、会員情報保持部に会員情報401が保持されていることを示す。また、登録画面1310において、登録商品表示領域1201および登録商品一覧領域1202は、「かぼちゃ」が登録されていることを示している。金額表示領域1203には、「かぼちゃ」の金額が表示されている。
【0105】
ここで、次客登録ボタン1206が押下されて、次客の取引への切替えが行われたとする。次客の取引への切替えが行われるのは、例えば、登録画面1310が示す取引を行う顧客(前客)が途中で、追加購入する商品を取りに売場まで行った場合などが挙げられる。また、この他にも、例えば、精算時に前客が現金を取り出すのに時間を要している場合が挙げられる。次客登録ボタン1206が押下されると、例えば、
図14(A)に示す次客登録開始画面1400に遷移する。
【0106】
図14(A)は、次客登録開始画面1400を示す。次客登録開始画面1400では、次客の取引を示す次客取引タブTB2がアクティブ表示されており、前客の取引を示す前客取引タブTB1が非アクティブ表示されている。次客登録開始画面1400は、前客の登録開始画面1200と同様に、各表示領域1201~1203や各ボタン1204~1207が表示されている。
【0107】
図14(B)は、次客登録画面1410を示す。次客登録画面1410において、登録商品表示領域1201および登録商品一覧領域1202は、「レタス」が登録されていることを示している。金額表示領域1203には、「レタス」の金額が表示されている。次客登録画面1410において、前客取引タブTB1が押下されると、
図15(A)に示す登録画面1500に遷移する。
【0108】
図15(A)に示す登録画面1500は、
図13(B)に示した登録画面1310と比較して、会員情報表示1311に表示される内容が異なる。具体的には、
図15(A)に示す登録画面1500では、会員情報表示1311が削除されていることが表示されている。これは、前客取引タブTB1がアクティブ表示から非アクティブ表示に切り替わったことにより、会員情報保持部に保持されている会員情報401が削除されたためである。なお、
図15(A)に示す登録画面1500では、会員情報表示1311に何も表示されていなくてもよい。登録画面1500において、小計ボタン1204が押下されると、店員側表示部21には
図15(B)に示す報知画像1510が表示され、また、客側表示部23には
図13に示した報知画面1300が表示される。
【0109】
図15(B)において、報知画像1510は、会員カードMcをカード読取書込端末26へかざすことを促す報知を示す。なお、報知画像1510は、
図12(B)に示した報知画像1210と比較して、会員不所持ボタン1211や非会員ボタン1212が表示されていない点で異なる。これは、前客の会員情報401を削除した履歴があることから、前客が会員カードMcを所持していることが明らかであるためである。なお、報知画像1510においても、会員不所持ボタン1211や非会員ボタン1212を表示するようにしてもよい。顧客が会員カードMcをカード読取書込端末26へかざすと、POSレジスタ3は、会員情報401を読み取る。
【0110】
図16(A)は、会員情報401が読み取られ、さらに精算が完了した際に、客側表示部23に表示される取引終了画面1600を示す。取引終了画面1600は、会員カードMcに付与されたポイントが記憶させたことや、累計ポイント数が表示されている。これにより、顧客は、付与されたポイントが会員カードMcに記憶されたことを把握することができる。
【0111】
図16(B)は、電話番号を用いた会員情報401の検索画面1610を示す。検索画面1610において、プリセットキー1204のタブ1204aが選択されており、会員情報呼出ボタン1204bが表示されている。POSレジスタ3は、例えば、会員情報呼出ボタン1204bが押下されると、キー操作部22から電話番号(11桁)の入力を受け付ける。店員は、顧客に電話番号を尋ね、顧客の回答を入力する。入力された電話番号は、金額表示領域1203に表示される。電話番号が入力され、再び会員情報呼出ボタン1204bが押下されると、POSレジスタ3は、管理サーバSvへ電話番号を送信し、会員情報401の問い合わせを行う。
【0112】
管理サーバSvは、会員情報テーブル400を参照し、電話番号(11桁)を用いて、会員情報401を検索し、検索結果をPOSレジスタ3へ送信する。POSレジスタ3は、検索結果が1名であれば、検索結果が示す顧客の会員情報401を表示する。また、POSレジスタ3は、例えば、検索結果が複数人であれば(例えば、家族など)、複数人の氏名を表示する。そして、店員は、顧客に氏名を尋ね、表示されている複数人の氏名の中から、顧客の回答に応じた氏名を選択する。そして、POSレジスタ3は、選択された顧客の会員情報401を表示する。
【0113】
図17(A)は、会員番号を用いた会員情報401の検索画面1700を示す。検索画面1700において、プリセットキー1204のタブ1204aが選択されており、会員情報呼出ボタン1204bが表示されている。POSレジスタ3は、例えば、会員情報呼出ボタン1204bが押下されると、キー操作部22から会員番号(8桁)の入力を受け付ける。店員は、顧客に会員番号を尋ね、顧客の回答を入力する。入力された会員番号は、金額表示領域1203に表示される。会員番号が入力され、再び会員情報呼出ボタン1204bが押下されると、POSレジスタ3は、管理サーバSvへ会員番号を送信し、会員情報401の問い合わせを行う。
【0114】
管理サーバSvは、会員情報テーブル400を参照し、会員番号(8桁)を用いて、会員情報401を検索し、検索結果をPOSレジスタ3へ送信する。POSレジスタ3は、検索結果が1名であれば、検索結果が示す顧客の会員情報401を表示する。
【0115】
図17(B)は、管理サーバSvから会員情報401を取得した場合において精算が完了した際に、客側表示部23に表示される取引終了画面1710を示す。取引終了画面1710は、今回付与されたポイントが会員カードMcに記憶されていないこと(未記帳であること)や、次回の買物において会員カードMcの提示を促すことや、累計ポイント数が表示されている。これにより、顧客は、付与されたポイントが管理サーバSvでは記憶されているものの、会員カードMcに記憶されていないことを把握することができる。
【0116】
(POSレジスタ3が発行するレシートについて)
図18は、POSレジスタ3が発行するレシートの一例を示す説明図である。
図18(A)は、会員カードMcにポイントを記憶させた場合に発行される所持用レシート1800を示す。
図18(B)は、会員カードMcにポイントが未記帳である場合に発行される不所持用レシート1801を示す。
【0117】
所持用レシート1800および不所持用レシート1801は、一般情報1810と、会員情報1811とを含む。一般情報1810は、例えば、購入日時、店員名、商品名、金額、税額といった内容や、精算において授受された金額の内容などを含む。
【0118】
また、会員情報1811は、会員番号、前回までの累計ポイント数、本日付与されたポイント数、および、更新された累計ポイント数を含む。また、
図18(B)に示す不所持用レシート1801において、会員情報1811は、未記帳分のポイント数を含む。また、不所持用レシート1801は、通知情報1812を含む。通知情報1812は、後日ポイントを付与する旨を示す。
【0119】
このような所持用レシート1800および不所持用レシート1801を発行することにより、顧客は、自らの会員番号を把握できるとともに、ポイント数についても確認することができる。また、会員カードMcにポイントが未記帳である場合には、不所持用レシート1801に示すように、その旨を印字するようにしたので、次回の取引において会員カードMcの会員情報401を更新させることを促すことができる。
【0120】
以上説明したように、本実施形態のPOSレジスタ3は、アクティブ表示されている取引タブが非アクティブ表示される際に、会員カードMcから取得した会員情報401がRAM33の会員情報保持部に保持されている場合に、会員情報保持部から当該会員情報401を削除するようにした。これにより、仮に、前客の精算処理を開始した後に次客の登録処理を開始した場合でも、次客に付与すべきポイント情報を前客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。したがって、本来ポイントを付与すべき顧客に適切にポイントを付与することができる。
【0121】
また、本実施形態において、POSレジスタ3は、アクティブ表示されている顧客の取引タブが非アクティブ表示される際に、会員情報保持部に保持される会員情報401が管理サーバSvから取得した会員情報401である場合には当該会員情報401をそのまま保持させるようにした。これにより、仮に、カード読取書込端末26に次客の会員カードMcがかざされたとしても、当該会員カードMcの会員情報401を会員情報保持部に保持させないようにすることができる。したがって、前客のポイント情報を次客の会員カードMcに書き込むことを抑えることができ、前客に適切にポイントを付与することができる。
【0122】
また、本実施形態において、POSレジスタ3は、アクティブ表示されている取引タブが非アクティブ表示される際に、会員情報保持部に保持される会員情報401が管理サーバSvから取得した会員情報401である場合には、会員カードMcへのポイント情報の書き込みを行わないようにした。これにより、仮に、カード読取書込端末26に次客の会員カードMcがかざされたとしても、当該会員カードMcに前客のポイント情報を書き込まないようにすることができる。したがって、前客のポイント情報を次客の会員カードMcに書き込むことを抑えることができ、前客に適切にポイントを付与することができる。
【0123】
また、本実施形態において、POSレジスタ3は、前客の会員情報401が削除された後、前客の取引タブが再びアクティブ表示される際に、前客の会員情報401の取得を要求するようにした。これにより、会員情報保持部に前客の会員情報401を再度保持させることができる。したがって、前客のポイント情報を前客の会員カードMcに適切に書き込むことができる。
【0124】
また、本実施形態において、POSレジスタ3は、会員番号および電話番号のうち少なくともいずれか一方の入力を受け付けるようにし、当該一方の入力に基づいて、管理サーバSvから会員情報401を取得するようにした。これにより、顧客が会員カードMcを不所持の場合でも、当該顧客に付与したポイントを適切に管理することができる。
【0125】
(他の実施形態および変形例)
以下に、他の実施形態および変形例について説明する。なお、他の実施形態および各変形例では、上述した実施形態1で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、各実施形態および各変形例に示す構成をそれぞれ組み合わせることも可能である。具体的には、例えば、各実施形態と各変形例との全てを含む構成とすることも可能であるし、各実施形態と各変形例とのうち2以上を組み合わせた構成とすることも可能である。
【0126】
(実施形態2)
まず、実施形態2について説明する。上述した実施形態1では、店員の操作によって精算処理を行うPOSレジスタ3を用いたPOSシステム1について説明した。実施形態2では、POSレジスタ3に代えて又は加えて、精算専用のPOS端末装置20で顧客の操作によって精算処理(セルフ精算)を行うPOSシステム1900について説明する。
【0127】
図19は、実施形態2に係るPOSシステム1900のネットワーク構成図である。POSシステム1900は、商品販売データ処理システムの一例である。
図19に示すように、POSシステム19は、管理サーバSvと、ストアコントローラ2と、複数のPOS端末装置20とを備える。各装置は、通信回線6を介して、有線または無線により接続されている。管理サーバSvと、POS端末装置20とは、ストアコントローラ2を介して通信するものとする。ただし、これに限らず、管理サーバSvと、POS端末装置20とは、直接通信してもよい。
【0128】
実施形態2において、POS端末装置20は、複数台配置される。POS端末装置20は、動作モードを切り替えることが可能である。動作モードは、例えば、商品登録が行われる登録モードと、精算が行われる精算モードとを含む。登録モードのPOS端末装置20(以下「登録POS端末装置20a」という場合がある。)は、店員が配置され、当該店員による商品の登録が行われる。精算モードのPOS端末装置20(以下「精算POS端末装置20b」という場合がある。)は、登録専用モードのPOS端末装置20において生成された登録情報を用いて、顧客による精算が行われる。登録POS端末装置20aは、登録装置の一例である。また、精算POS端末装置20bは、精算装置の一例である。
【0129】
(POS端末装置20の構成例)
次に、
図20および
図21を用いて、POS端末装置20の構成について説明する。
図20は、POS端末装置20の外観を示す図である。
図20(A)は、POS端末装置20を店員側から見た斜視図である。
図20(B)は、POS端末装置20を客側から見た斜視図である。
図21は、POS端末装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
図20および
図21において、同一部分には同一符号を付している。
【0130】
以下、
図20を参照しつつ、
図21に示したPOS端末装置20の各構成について説明する。POS端末装置20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、カメラ216と、カード読取書込端末217とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0131】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末装置20の動作を制御する。各種プログラムは、本実施形態に係る商品販売データ処理プログラムを含む。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0132】
RAM203は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶する。この情報は、例えば、注文した商品を登録する登録処理において生成した登録情報や、登録した商品を精算する精算処理において生成した精算情報などを含む。
【0133】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。例えば、ハードディスク204は、カメラ216によって撮像された撮像結果(例えば、動画)を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行する商品販売データ処理プログラム等の各種のプログラムを記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0134】
客側表示部205は、顧客用のタッチディスプレイである。客側表示部205は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部206は、顧客用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、客側スキャナ部206は、商品に付されているバーコード(商品コード等)や、お会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を光学的に読み取る。客側スキャナ部206は、上記に加えて、品券類(商品券、クーポン券、優待券)や、各種カード(例えば、会員カード、ポイントカード等)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を読み取ってもよい。なお、商品の登録は、客側スキャナ部206によるコードの読み取りによる登録に限らない。例えば、客側表示部205に、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)を表示し、当該プリセットキーが顧客によって操作(押下)されることによって、商品の登録を行うことも可能である。
【0135】
カード決済部208は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード、ポイントカード等)による決済機構である。カード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備える。カード認識部は、各種カードの情報を磁気的または電気的に読み取る。読み取られた情報は、買上商品の支払いに用いられる。なお、カード認識部は、例えば、ポイントカードの保有ポイントを使用する場合など、今回の買上商品の支払いにおいて使用する情報を認識することも可能である。また、カード認識部は、例えば、ポイントカードにポイントを付与する場合など、今回の買上商品の支払いに使用しない情報を認識することも可能である。
【0136】
なお、本実施形態のカード決済部208は、カード認識部、表示部、および操作部を備えるが、これに限らず、少なくともカード認識部を備えるものであればよい。また、本実施形態のカード認識部は、接触型のカード(ICカード、磁気カード)および非接触型のカード(ICカード)のいずれも認識することが可能であるが、少なくともいずれか一方を認識することが可能であればよい。
【0137】
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構である。釣銭機209は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。具体的には、釣銭機209は、
図2に示すように、紙幣投入口209aと、硬貨投入口209bと、お釣り返却レバー209cと、紙幣排出口209dと、硬貨排出口209eとを備える。釣銭機209は、紙幣投入口209aに投入された紙幣、および硬貨投入口209bへ投入された硬化の投入合計金額を算出し、投入合計金額と買上金額との差分である釣銭金額を算出し、お釣り返却レバー209cの操作を受け付けると、紙幣排出口209dまたは硬貨排出口209eから釣り銭を排出する。
【0138】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイである。店員側表示部210は、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。店員側表示部210には、例えば、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)が表示され、当該プリセットキーが店員によって操作(押下)されることによって、商品の登録が行われる。
【0139】
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、店員側スキャナ部212は、商品に付されているバーコードや、店員の名札に付された店員コードを光学的に読み取る。店員側スキャナ部212は、上記に加えて、お会計券に印刷されているコードや、品券類や、各種カードに印刷されているコードを読み取ってもよい。
【0140】
なお、商品の登録は、店員側スキャナ部212によるコードの読み取りによる登録に限らない。例えば、POS端末装置20は、キー操作部を備えてもよく、当該キー操作部に、商品に対応するキーを配置しておき、当該キーが店員に操作(押下)されることによって、当該商品の登録を行ってもよい。
【0141】
印刷部213は、精算伝票(レシート、領収書、食券)や、指示伝票などの各種書類を印刷して出力する。
【0142】
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンスや報知音などを出力する。音声ガイダンスや報知音は、商品の登録や精算に係る音のほか、指示伝票の発行に係る音を含む。
通信部215は、他の装置(ストアコントローラ2や、他のPOS端末装置20)と情報を送受信するインタフェースである。
【0143】
カメラ216は、客側から見て、客側表示部205の右上に取り付けられている。カメラ216は、動画、または静止画を連続的に撮像するカメラである。カメラ216には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(charge coupled device)カメラを用いることが可能である。カメラ216は、支払手続における顧客の操作状況を撮像する。具体的には、カメラ216は、顧客が所持する紙幣や硬貨、釣銭機209、手の動作などを撮像する。
【0144】
カード読取書込端末217は、非接触型のカード(例えば、ICカード)を用いて決済を行う決済機構である。カード読取書込端末217によって読み取られるカードは、例えば、クレジットカード、会員カードMc、プリペイドカードなどである。カード読取書込端末217は、例えば、会員カードMcに記憶された累計のポイント数を読み取るとともに、会員カードMcに更新後のポイント数を書き込むことが可能である。また、カード読取書込端末217は、表示ディスプレイや操作部を備える。表示ディスプレイは、ポイント数を表示する。また、操作部は、使用するポイント数を受け付ける。
【0145】
(セルフ精算仕様における動作)
次に、
図22を用いて、POSシステム1900のセルフ精算仕様における動作について説明する。
図22は、セルフ精算仕様における動作の概略を説明する模式図である。具体的には、
図22は、セルフ精算仕様おける処理の流れや人(店員、顧客)の動作を表した模式図である。
図22では、POS端末装置20-1を登録モード(登録POS端末装置20a)とし、POS端末装置20-2、20-3を精算モード(精算POS端末装置20b、20c)とした場合について説明する。
【0146】
図22(A)に示すように、登録POS端末装置20aは、店員側で顧客(前客)の買上商品の登録を行う。また、登録POS端末装置20aは、前客の買上商品を登録しているときは、前客取引タブをアクティブ表示する。
【0147】
また、前客が会員カードを所持している場合、登録処理が行われている間に、前客(または店員)は、会員カードMcをカード読取書込端末217に読み取らせる。カード読取書込端末217は、会員カードMcから会員情報401を読み取ると、ポイント数を客側表示部23や店員側表示部21に表示したり、使用するポイント数を受け付けたりする。また、登録POS端末装置20aおいて、店員による商品登録が行われている場合、精算POS端末装置20b、20cは、待機状態にある。
【0148】
登録POS端末装置20aは、登録処理が完了した場合、店員の操作に応じて、
図22(B)に示すように、精算POS端末装置20b、20cに登録情報を送信する。例えば、登録POS端末装置20aは、精算POS端末装置20b、20cのうち、いずれか一方(例えば、精算POS端末装置20b)の指定を店員から受け付ける。
【0149】
精算POS端末装置20bは、登録POS端末装置20aから登録情報を受信すると、買上商品の合計金額などを客側表示部205に表示する。そして、顧客(前客)は、
図22(B)に示すように、精算POS端末装置20bに移動して、精算POS端末装置20bにおいて精算を行う。具体的には、顧客は、決済種別を選択して、釣銭機209へ現金を投入したり、カード決済部208にクレジットカードを挿通させたり、客側スキャナ部206やカード読取書込端末217にICカード(電子マネー)をかざすなどして、精算を行う。
【0150】
また、登録POS端末装置20aは、登録情報をコード化して印刷したお会計券の発行を受け付けることも可能である。例えば、顧客が精算POS端末装置20bにお会計券を読み取らせると、精算POS端末装置20bは、買上商品の合計金額などを客側表示部205に表示する。
【0151】
登録POS端末装置20aは、登録情報を出力(送信または印刷)すると、会員カードMcに、今回の取引において、付与されたポイント数や使用したポイント数が更新されたポイント情報を書き込む。そして、顧客は、カード読取書込端末217にかざしている会員カードMcの取り忘れに注意して、買物を終える。この後、同様に、登録POS端末装置20aは、次客の買上商品について、登録処理を開始する。登録POS端末装置20aは、次客の買上商品の登録処理を開始すると、次客取引タブをアクティブ表示する(
図22(B)参照)。
【0152】
(実施形態2においてポイントの付与が適切に行われない場合について)
ここで、実施形態2においても、ポイントの付与が適切に行われない場合がある。これについて説明すると、登録POS端末装置20aは、複数の取引を切り替えて処理することが可能である。例えば、前客の登録処理の途中で、前客が追加する商品を売場に取りに行ったとする。この場合、店員は、次客の登録を開始させる。これにより、登録POS端末装置20aは、前客の取引と次客の取引とを切り替えて処理することになる。
【0153】
登録POS端末装置20aが複数の取引を切り替えて処理した際に、例えば、前客の会員カードがカード読取書込端末217にかざされている状態であれば、次客に付与すべきポイントを前客に付与してしまうおそれがある。このため、本来ポイントを付与すべき顧客とは異なる顧客の会員カードMcにポイント情報を書き込んでしまうことがある。以下、実施形態2に係るPOSシステム1900が適切にポイントを付与することを可能にしたことについて詳述する。
【0154】
(実施形態2に係る登録POS端末装置20aの機能的構成について)
実施形態2において、登録POS端末装置20aは、実施形態1のPOSレジスタ3に具備される各機能部(第1取得部、第2取得部、入力受付部、保持制御部、取引処理部、書込部、送信制御部、表示制御部、要求部)を備える。さらに、登録POS端末装置20aは、これらに加えて、指示受付部と、送信部とを備える。また、精算POS端末装置20bは、受信部と、印刷部とを備える。各部は、POS端末装置20のCPU201によって実現される。すなわち、POS端末装置20のCPU201が所定のプログラム(商品販売データ処理プログラム)を実行することにより、各部の機能を実現する。また、登録POS端末装置20aは、会員情報保持部を備える。会員情報保持部は、例えば、RAM203によって実現される。
【0155】
実施形態2においても、実施形態1と同様に、保持制御部は、表示制御部によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に、会員情報保持部に会員カードMcから読み取った会員情報401が保持されている場合には保持部から当該会員情報401を削除する。
【0156】
(レシートへの後日ポイントを付与する旨の印刷について)
送信部は、精算に必要な情報を精算POS端末装置20bへ送信する。送信部は、第2取得部によって会員情報401が取得された場合、精算に必要な情報と、第2取得部によって会員情報401が取得された旨の情報を送信する。第2取得部によって会員情報401が取得された旨の情報は、例えば、会員カードMcを不所持である旨の情報である。
【0157】
精算POS端末装置20bの受信部は、送信部によって送信された情報を受信する。印刷部は、受信部が受信した情報に、会員カードMcを不所持である旨の情報が含まれる場合、その旨を印刷する。具体的には、印刷部は、
図18(B)の不所持用レシート1801に示したように、後日ポイントを付与する旨を示す通知情報1812を印刷する。
【0158】
(ポイント情報を書き込むタイミングについて)
登録POS端末装置20aは、会員カードMcにポイント情報を書き込むタイミングを登録情報の出力タイミングとしている。これについて、具体的に説明する。指示受付部は、登録情報の出力の指示を受け付ける。登録情報の出力は、例えば、精算POS端末装置20bへの送信による出力である。指示受付部は、例えば、小計ボタンまたは送信ボタンの押下により、登録情報の出力の指示を受け付ける。ただし、登録情報の出力は、これに限らず、お会計券の発行による出力としてもよいし、メモリカードなどの記憶媒体への出力としてもよいし、他の装置(例えば、スマートフォン)への送信による出力としてもよい。
【0159】
書込部は、指示受付部によって登録情報の出力の指示が受け付けられることによって、会員カードMcにポイント情報を書き込む。すなわち、実施形態2では、書込部は、精算POS端末装置20bにおいて行われる精算の完了前に、会員カードMcにポイント情報を書き込む。このように、実施形態2に係るセルフ精算の場合、精算完了のタイミングでポイントが付与されるのではなく、小計ボタンまたは送信ボタンの押下タイミング(登録情報が送信されるタイミング)でポイントが付与される。
【0160】
なお、精算POS端末装置20bは、カード読取書込端末217を備えなくてもよい。すなわち、登録POS端末装置20aのみがカード読取書込端末217を備えていればよい。
【0161】
(会員情報401の取得の要求について)
登録POS端末装置20aは、ポイント情報を書き込む前に、会員情報401の取得要求を行う。これについて、具体的に説明する。実施形態2では、指示受付部によって登録情報の出力の指示が受け付けられることによって、会員カードMcにポイント情報が書き込まれる。このため、登録情報の出力の指示が受け付けられる際に、会員カードMcがカード読取書込端末217に読み取られていない場合には、会員カードMcにポイント情報を書き込むことができない。特に、会員カードMcへのポイント情報の書き込みが行われずに、事後的に、顧客から当該書き込みに関する申し出があったとすると、再び登録可能な状態(以下「登録ステータス」という場合がある。)に戻すこととなり、店員にとっては面倒である。なお、以下において、取引におけるステータスを、再び登録ステータスに戻すことを「呼び戻し」という場合がある。
【0162】
要求部は、指示受付部が登録情報の出力の指示を受け付ける前に会員情報保持部に会員情報401が保持されていない場合、会員情報の取得を要求する。具体的には、要求部は、第1取得部による会員情報の取得、または、第2取得部による会員情報の取得を要求する。
【0163】
ここで、登録POS端末装置20aから精算POS端末装置20bへ登録情報を送信したものの、精算が完了する前に、例えば、顧客が追加する商品がある旨を申し出たり、購入をキャンセルする商品がある旨を申し出たりしたとする。この場合、登録POS端末装置20aは、登録情報の呼び戻しを行う。すなわち、この場合、取引におけるステータスは、精算ステータスから、再び登録ステータスに戻る。登録POS端末装置20aは、次客の登録を行っている場合には、複数の取引を切り替えて処理することとなる。すなわち、次客取引タブがアクティブ表示されている場合には、次客取引タブを非アクティブ表示にして、前客取引タブを再びアクティブ表示にすることが可能になる。
【0164】
なお、前客取引タブは、登録POS端末装置20aから精算POS端末装置20bへ前客の登録情報が送信されると、非アクティブ表示になり、精算が完了すると消去される。ただし、登録POS端末装置20aから精算POS端末装置20bへ前客の登録情報が送信されると、前客取引タブは、非アクティブ表示されることに限らず、消去されるようにしてもよい。このように、前客取引タブを消去するようにする構成では、登録POS端末装置20aは、前客取引タブを再表示させるために、前客取引の登録情報を特定する必要がある。例えば、登録POS端末装置20aは、未精算一覧の登録情報の中から、前客取引の登録情報を受け付けるようにしてもよいし、登録情報の送信先となった精算POS端末装置20bの号機指定を受け付けるようにし、当該号機指定に対応する登録情報を特定するようにしてもよい。また、未精算一覧を表示することに限らず、例えば、「非アクティブ未精算」のタブを表示するようにし、店員から対応するタブの押下を受け付けることにより、前客取引タブがアクティブ表示されるようにしてもよい。
【0165】
保持制御部は、表示制御部によってアクティブ表示されている取引タブが非アクティブ表示される際に、会員情報保持部に保持される会員情報401(次客の会員情報401)が第1取得部によって取得された会員情報401である場合には会員情報保持部から当該会員情報401を削除する。このため、複数の取引のうち、処理対象の取引が変更された場合には、次客の会員カードMcにポイント情報を付与しないようにすることができる。これにより、本来ポイントを付与すべき会員とは異なる他の会員の会員カードMcに、ポイントを付与してしまうことを抑えることができる。
【0166】
呼び戻しによる前客の登録処理が行われると、再び、指示受付部は、登録情報の出力の指示を受け付ける。さらに、書込部は、指示受付部によって登録情報の出力の指示が受け付けられることによって、会員カードMcにポイント情報を書き込む。これにより、呼び戻し前に既に書き込んだポイント情報を更新することが可能である。具体的には、呼び戻した取引(取引情報)には会員番号が関連付けられている。このため、会員カードMcから会員番号を取得することによって、既にポイントを付与した取引情報を特定することができる。これによりポイント数を減算して、最終的に確定したポイント数を付与することができる。すなわち、一度ポイント付与したカードに差分のポイントを付与することができることから、重複してポイントを付与しないようにすることができる。
【0167】
なお、指示受付部によって登録情報の出力の指示が受け付けられた際に、前客の会員情報401は、既に会員情報保持部から削除されている。このため、要求部は、第1取得部による前客の会員情報の取得を要求すればよい。すなわち、要求部は、保持制御部によって会員情報401が削除された後、表示制御部によって非アクティブ表示された取引が再びアクティブ表示される際に、第1取得部による会員情報の取得を要求する。これにより、精算が完了する前に登録情報に変更が生じたとしても、当該変更に応じたポイント情報を顧客に付与することができる。
【0168】
(登録POS端末装置20aが行う各処理)
次に、登録POS端末装置20aが行う各処理について説明する。なお、登録POS端末装置20aは、実施形態1に示した「新規取引開始処理」(
図7参照)、「商品登録処理」(
図8参照)、「複数取引処理」(
図9参照)と同様の処理を行い、「精算処理」(
図10参照)については行わない。また、「ポイント付与処理」(
図11参照)については、登録POS端末装置20aは、実施形態1とは異なる処理を行う。以下に、登録POS端末装置20aが行うポイント付与処理について説明する。
【0169】
(登録POS端末装置20aが行うポイント付与処理の一例)
図23は、登録POS端末装置20aが行うポイント付与処理の一例を示すフローチャートである。
図23において、登録POS端末装置20aは、登録完了であるか否かを判断する(ステップS2301)。登録完了とは、登録完了を示すボタン(例えば、小計ボタン)が押下されることである。なお、登録完了は、小計ボタンの押下に限らず、精算POS端末装置20bへ登録情報を送信させるための送信ボタンの押下であってもよい。また、送信ボタンは、小計を受け付ける機能と、登録情報の送信を受け付ける機能との両方を受け付けるボタンであってもよい。
【0170】
登録POS端末装置20aは、登録完了となるまで待機する(ステップS2301:NO)。登録完了となると(ステップS2301:YES)、登録POS端末装置20aは、会員情報保持部に会員情報401が保持されているか否かを判断する(ステップS2302)。会員情報保持部に会員情報401が保持されている場合(ステップS2302:YES)、登録POS端末装置20aは、当該会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401であるか否かを判断する(ステップS2303)。
【0171】
当該会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401である場合(ステップS2303:YES)、登録POS端末装置20aは、カード読取書込端末217にかざされている会員カードMcに、今回付与するポイントを含むポイント情報を書き込む(ステップS2304)。そして、登録POS端末装置20aは、ポイント情報を管理サーバSvへ送信する(ステップS2305)。さらに、登録POS端末装置20aは、登録情報の送信先となる精算POS端末装置20bを受け付けたか否かを判断する(ステップS2306)。
【0172】
登録POS端末装置20aは、登録情報の送信先となる精算POS端末装置20bを受け付けるまで待機する(ステップS2306:NO)。登録POS端末装置20aは、登録情報の送信先となる精算POS端末装置20bを受け付けると(ステップS2306:YES)、登録情報を精算POS端末装置20bへ送信し(ステップS2307)、ポイント付与処理を終了する。
【0173】
一方、ステップS2303において、会員情報保持部に保持される会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401ではない場合(ステップS2303:NO)、すなわち、管理サーバSvから取得した会員情報401である場合、登録POS端末装置20aは、会員カードMcへのポイント情報の書き込みを行わない(ステップS2308)。これにより、仮に、次客の会員カードMcがカード読取書込端末217にかざされていたとしても、当該会員カードMcに会員情報401を書き込まないようにすることができる。
【0174】
さらに、登録POS端末装置20aは、未更新フラグをONにし(ステップS2309)、ステップS2305に進む。なお、未更新フラグは、会員カードMcに記憶されているポイント情報が最新のポイント情報に更新されていないことを示すフラグであり、言い換えれば、次回の会員カードMcを用いた取引において、最新のポイント情報に更新させるようにするためのフラグである。
【0175】
ステップS2302において、RAM203の会員情報保持部に会員情報401が保持されていない場合(ステップS2302:NO)、登録POS端末装置20aは、前客の会員情報401の取得要求を行う(ステップS2310)。当該取得要求において、登録POS端末装置20aは、例えば、前客の会員カードMcをカード読取書込端末217へ読み取らせることを促す旨の報知や、管理サーバSvから会員情報401を取得する旨の報知を行う。
【0176】
そして、POS端末装置20は、会員カードMcから会員情報401を取得したか否かを判断する(ステップS2311)。POS端末装置20は、会員情報401を取得するまで待機する(ステップS2311:NO)。なお、POS端末装置20は、会員情報401の取得要求を行ってから一定時間、カード読取書込端末217が会員情報401を読み取らない場合、そのままポイント処理を終了してもよく、すなわち、ポイント情報の書き込みを行わずに、ポイント付与処理を終了してもよい。ステップS2311において、会員情報401を取得した場合(ステップS2311:YES)、取得した会員情報401を会員情報保持部に保持させ(ステップS2312)、ステップS2303に進む。
【0177】
(精算POS端末装置20bが行う精算処理の一例)
図24は、精算POS端末装置20bが行う精算処理の一例を示すフローチャートである。
図24において、精算POS端末装置20bは、精算開始であるか否かを判断する(ステップS2401)。精算開始であるとは、例えば、登録POS端末装置20aから登録情報を受信することである。ただし、精算開始であるとは、これに限らず、客側表示部205に表示される精算開始ボタンが押下されることとしてもよいし、お会計券を読み取ることとしてもよい。
【0178】
精算POS端末装置20bは、精算開始となるまで待機し(ステップS2401:NO)、精算開始となると(ステップS2401:YES)、精算処理を実行する(ステップS2402)。精算処理では、決済種別の選択や、決済種別の選択に応じた決済が行われる。例えば、現金の決済種別を受け付けた場合には、現金による決済が行われ、クレジットカードの決済種別を受け付けた場合には、クレジットカードによる決済が行われる。
【0179】
さらに、精算POS端末装置20bは、精算が完了したか否かを判断する(ステップS2403)。精算が完了すると(ステップS2403:YES)、精算POS端末装置20bは、ステップS2406へ進む。なお、精算が完了すると、その旨(精算完了通知)を管理サーバSvへ送信するようにしてもよい。この場合、管理サーバSvは、精算が完了したことを管理するようにしてもよく、具体的には、例えば、会員カードMcを不所持である場合、精算が完了したことをもって正式に会員情報401のポイント数を確定させるようにしてもよい。また、精算完了通知は、精算POS端末装置20bから管理サーバSvへ送信されることに限らず、登録POS端末装置20aを介して、管理サーバSvへ送信されるようにしてもよい。
【0180】
精算が完了しない場合(ステップS2403:NO)、精算POS端末装置20bは、呼び戻しの要求があるか否かを判断する(ステップS2404)。呼び戻しの要求がない場合(ステップS2404:NO)、精算POS端末装置20bは、ステップS2403に戻る。
【0181】
呼び戻しの要求がある場合(ステップS2404:YES)、精算POS端末装置20bは、呼び戻しを行うために、精算中断情報を登録POS端末装置20aへ送信する(ステップS2405)。なお、精算中断情報は、管理サーバSvや、不図示の取引管理装置などの他の装置へ送信されてもよい。また、呼び戻しを行う主体は、登録POS端末装置20aであるが、不図示の取引管理装置であってもよい。また、精算中断情報を他の装置へ送信するようにした場合、精算POS端末装置20bから他の装置へ精算中断情報を送信することに限らず、登録POS端末装置20aを経由して他の装置へ精算中断情報を送信するようにしてもよい。
【0182】
そして、精算POS端末装置20bは、今回の取引おける会員が会員カード所持の会員であるか否かを判断する(ステップS2406)。会員カード所持の会員である場合(ステップS2406:YES)、精算POS端末装置20bは、会員カードを所持している会員用のレシート(
図18(A)の所持用レシート1800)を発行し(ステップS2407)、一連の処理を終了する。
【0183】
一方、会員カード所持の会員ではない場合(ステップS2406:NO)、すなわち、会員カード不所持の会員である場合、精算POS端末装置20bは、会員カードを所持していない会員用のレシート(
図18(B)の不所持用レシート)を発行し(ステップS2408)、一連の処理を終了する。不所持用レシートには、後日ポイントを付与する旨が印刷される。
【0184】
以上説明したように、実施形態2に係る登録POS端末装置20aは、アクティブ表示されている取引タブが非アクティブ表示される際に、会員カードMcから取得した会員情報401がRAM203の会員情報保持部に保持されている場合に、会員情報保持部から当該会員情報401を削除するようにした。これにより、仮に、前客の登録処理が完了する前に次客の登録処理を開始した場合でも、次客に付与すべきポイント情報を前客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。また、仮に、次客の登録処理が行われているときに前客の登録処理が再開された場合に、前客に付与すべきポイント情報を次客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。したがって、本来ポイントを付与すべき顧客に適切にポイントを付与することができる。
【0185】
精算POS端末装置20bは、登録POS端末装置20aから受信した情報に、会員カードMcを不所持である旨の情報が含まれる場合、その旨を印刷するようにした。これにより、次回の取引において会員カードMcの会員情報401を更新させることを促すことができる。
【0186】
また、実施形態2に係る登録POS端末装置20aは、登録情報の出力の指示を受け付けることによって、会員カードMcにポイント情報を書き込むようにした。これにより、精算が正式に行われると見なして、商品登録が完了した段階で、会員カードMcにポイント情報を書き込むため、ポイント情報の書き込みを簡単に行うことができる。
【0187】
また、実施形態2に係る登録POS端末装置20aは、登録情報の出力の指示を受け付ける前に、会員情報保持部に会員情報401が保持されていない場合、会員情報の取得を要求するようにした。ここで、仮に、精算完了後に顧客からポイント情報の書き込みを要求する旨の申し出があったとすると、当該顧客の取引を検索するのに店員は手間を要してしまう。実施形態に2によれば、精算が開始される前に、ポイントを付与することができるため、このような検索に係る手間を抑えることができる。
【0188】
(実施形態3)
次に、実施形態3について説明する。上述した実施形態2では、精算POS端末装置20bで顧客による精算処理(セルフ精算)が行われるPOSシステム1900について説明した。実施形態3では、このような構成に代えて又は加えて、店員が登録を行うPOS端末装置20において店員に対面して顧客による精算処理(対面精算)が行われるPOSシステム1900について説明する。なお、実施形態3では、対面精算とセルフ精算とを併用することが可能であり、例えば、混雑状況に応じて、精算POS端末装置20bへ商品情報を送信してセルフ精算を行わせたり、POS端末装置20で対面精算を行わせたりすることが可能である。
【0189】
(対面精算仕様における動作)
次に、
図25を用いて、POSシステム1900の対面精算仕様における動作について説明する。
図25は、対面精算仕様における動作の概略を説明する模式図である。具体的には、
図25は、対面精算仕様おける処理の流れや人(店員、顧客)の動作を表した模式図である。
図25では、POS端末装置20は、対面精算モードの動作モードで動作する。
【0190】
図25(A)に示すように、POS端末装置20は、店員側で顧客(前客)の買上商品の登録を行う。また、POS端末装置20は、前客の買上商品を登録しているときは、前客取引タブをアクティブ表示する。
【0191】
また、前客が会員カードを所持している場合、登録処理が行われている間に、前客(または店員)は、会員カードMcをカード読取書込端末217に読み取らせる。カード読取書込端末217は、会員カードMcからポイント情報を読み取ると、ポイント数を客側表示部23や店員側表示部21に表示したり、使用するポイント数を受け付けたりする。
【0192】
POS端末装置20は、買上商品の合計金額などを客側表示部205に表示する。POS端末装置20は、
図25(A)に示すように、顧客の操作に応じて精算処理を行う。POS端末装置20は、登録処理が行われている間に、精算処理を開始させることも可能である。具体的には、精算処理は、例えば、一の商品が登録された後に実行可能になる。なお、精算処理は、登録処理が完了した後に実行可能となってもよい。精算処理において、顧客は、決済種別を選択して、釣銭機209へ現金を投入したり、カード決済部208にクレジットカードを挿通させたり、カード読取書込端末217にICカード(電子マネー)をかざすなどして、精算を行う。
【0193】
POS端末装置20は、精算が完了すると、会員カードMcに、今回の取引において、付与されたポイント数や使用したポイント数が更新されたポイント情報を書き込む。そして、顧客は、カード読取書込端末217にかざしている会員カードMcの取り忘れに注意して、買物を終える。この後、同様に、POS端末装置20は、次客の買上商品について、登録処理と精算処理とを開始する。POS端末装置20は、次客の買上商品の登録処理を開始する。
【0194】
また、POS端末装置20は、
図25(B)に示すように、複数の取引を同時に並行して処理することが可能である。具体的には、POS端末装置20は、顧客による精算が完了する前でも(お釣りが取り出されたり、レシートが出力されたりする前でも)、次の顧客の買上商品を登録することが可能である。つまり、POS端末装置20は、自装置における精算処理中に、次客の買上商品を登録することが可能である。
【0195】
なお、POS端末装置20は、次客の取引を登録ステータスとし、前客の取引を精算ステータスとし、各取引を同時に並行して処理する。具体的には、前客の精算処理において、現金決済の場合、顧客が購入金額以上の入金を終えた時点で「精算完了」ボタンが表示(有効)になる。このため、入金を待機している状態から、入金の途中では、保持部に会員情報401が保持されていても破棄しない。非現金決済の場合も同様であり、具体的には、客側表示部205に、決済方法の選択画面を表示しているときや、客側表示部205に前客の精算処理の画面を表示しているときには、会員情報401を保持する。一方で、前客の精算を中断(保留)すると、客側表示部205の表示画面は、次客の登録情報に切り替わる。このとき、POS端末装置20は、前客の会員情報401を削除するようにしている。
【0196】
(実施形態3においてポイントの付与が適切に行われない場合について)
ここで、実施形態3においても、ポイントの付与が適切に行われない場合がある。これについて説明すると、POS端末装置20は、複数の取引を並行して処理することが可能である。例えば、前客の精算処理と、次客の登録処理とを並行して処理しているときに、前客から商品のキャンセルを受け付けたとすると、前客の取引を精算ステータスから登録ステータスに戻して、キャンセル(登録処理)を行うことになる。
【0197】
すなわち、POSレジスタ3が複数の取引(前客の取引と次客の取引)を同時に処理することとなる。このとき、例えば、次客の会員カードがカード読取書込端末217に読み取られている状態であれば、前客の登録処理を行うことにより、前客に付与すべきポイントを次客に付与してしまうおそれがある。このため、本来ポイントを付与すべき顧客とは異なる顧客の会員カードMcにポイントを書き込んでしまうことがある。以下、実施形態3に係るPOSシステム1900が適切にポイントを付与することを可能にしたことについて詳述する。
【0198】
(実施形態3に係るPOS端末装置20の機能的構成について)
実施形態3において、POS端末装置20は、実施形態1のPOSレジスタ3に具備される各機能部(第1取得部、第2取得部、入力受付部、保持制御部、取引処理部、書込部、送信制御部、表示制御部、要求部)を備える。さらに、POS端末装置20は、これらに加えて、保留部を備える。各部は、POS端末装置20のCPU201によって実現される。すなわち、POS端末装置20のCPU201が所定のプログラム(商品販売データ処理プログラム)を実行することにより、各部の機能を実現する。また、POS端末装置20は、会員情報保持部を備える。会員情報保持部は、例えば、RAM203によって実現される。
【0199】
実施形態3において、保持制御部は、取引が非アクティブ表示される際に会員情報保持部から会員情報401を削除するのではなく、保留部によって取引が保留状態にされる際に会員情報保持部から会員情報401を削除するようにしている。以下、具体的に説明する。
【0200】
保留部は、取引処理部による複数の取引のうち、いずれかの取引を保留状態にさせる。保留状態とは、具体的には、登録ステータスの取引が複数ある場合に、登録処理を一時的に保留させる状態である。例えば、前客が追加する商品を売場に取りに行った場合、店員は、前客の取引を保留状態にし、次客の登録処理を開始させる。保留状態となった取引タブは、非アクティブ表示される。一方で、登録処理が行われる取引タブ(保留状態となっていない取引タブ)は、アクティブ表示される。
【0201】
ここで、精算処理中は、保留状態とはならない。以下に、具体的に説明する。POS端末装置20は、精算処理と、登録処理とを同時に並行して処理することが可能である。次客の登録処理が行われているときに、前客の精算処理が行われている場合、店員側表示部210において、前客取引タブは非アクティブ表示されることになる。また、前客の精算処理が行われている場合、客側表示部205には精算用の画面が表示され、顧客の操作に応じて精算処理が行わる。このため、精算処理中は、保留状態とはならない。
【0202】
保持制御部は、保留部によって取引が保留状態にされる際に、会員情報保持部に会員情報401が保持されている場合には会員情報保持部から当該会員情報401を削除する。具体的には、保持制御部は、保留部によって取引が保留状態にされる際に会員情報保持部に保持される会員情報401が第1取得部によって取得された会員情報401である場合、会員情報保持部から当該会員情報401を削除する。一方で、保持制御部は、保留部によって取引が保留状態にされる際に会員情報保持部に保持される会員情報401が第2取得部によって取得された会員情報401である場合、会員情報保持部から当該会員情報401を削除せずに、そのまま保持させる。
【0203】
また、書込部は、保留部によって取引が保留状態にされる際に会員情報保持部に保持される会員情報401が第2取得部によって取得された会員情報である場合には、会員カードMcへのポイント情報の書き込みを行わない。
【0204】
また、要求部は、保持制御部によって会員情報401が削除された後、保留部によって保留状態にされた取引の保留状態が解除される際に、第1取得部による会員情報の取得を要求する。保留状態の解除とは、登録処理が再び行われることである。
【0205】
(実施形態3に係るPOS端末装置20が行う各処理)
次に、実施形態3に係るPOS端末装置20が行う各処理について説明する。なお、実施形態1に示した各処理のうち、実施形態3では、「複数取引処理」(
図9参照)が異なる。すなわち、実施形態3に係るPOS端末装置20は、実施形態1に示した、「新規取引開始処理」(
図7参照)、「商品登録処理」(
図8参照)、「複数取引処理」(
図9参照)、「精算処理」(
図10参照)と、同様の処理を行う。以下に、POS端末装置20が行う複数取引処理について説明する。
【0206】
(POS端末装置20が行う複数取引処理の一例)
図26は、実施形態3に係るPOS端末装置20が行う複数取引処理の一例を示すフローチャートである。
図26において、POS端末装置20は、複数の取引のうち保留状態へ移行する取引があるか否かを判断する(ステップS2602)。保留状態へ移行する取引とは、複数の登録ステータスの取引のうち、非アクティブ表示される取引である。POS端末装置20は、保留状態へ移行する取引があるまで待機する(ステップS2601:NO)。なお、ステップS2601の処理の前に、POS端末装置20は、複数の取引の同時並行中であるか否かを判断してもよい。複数の取引の同時並行中とは、例えば、前客の処理(精算処理または登録処理)と、次客の処理(登録処理)とが並行して行われることである。
【0207】
POS端末装置20は、複数の取引の同時並行中となるまで待機し、複数の取引の同時並行中となると、ステップS2601の処理を開始するようにしてもよい。ステップS2601において、保留状態へ移行する取引がある場合(ステップS2601:YES)、POS端末装置20は、会員情報保持部が会員情報401を保持しているか否かを判断する(ステップS2602)。会員情報保持部が会員情報401を保持していない場合(ステップS2602:NO)、すなわち、保留状態に移行する取引に対応する顧客が非会員である場合や、保持していた会員情報401が既に削除済みである場合、POS端末装置20は、複数取引処理を終了する。
【0208】
一方、会員情報保持部が会員情報401を保持している場合(ステップS2602:YES)、すなわち、非アクティブ表示となった取引タブに対応する顧客が会員である場合、POS端末装置20は、当該会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401であるか否かを判断する(ステップS2603)。
【0209】
会員情報保持部に保持される会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401である場合(ステップS2603:YES)、POS端末装置20は、会員情報保持部から当該会員情報401を削除し(ステップS2604)、複数取引処理を終了する。一方、当該会員情報401が会員カードMcから取得した会員情報401ではない場合(ステップS2603:NO)、すなわち、会員情報保持部に保持される会員情報401が管理サーバSvから取得した会員情報401である場合、POS端末装置20は、当該会員情報401をそのまま保持し(ステップS2605)、複数取引処理を終了する。
【0210】
以上説明したように、実施形態3のPOS端末装置20は、取引が保留状態にされる際に、会員カードMcから取得した会員情報401がRAM203の会員情報保持部に保持されている場合に、会員情報保持部から当該会員情報401を削除するようにした。これにより、仮に、前客の取引が保留状態にされて、次客の登録処理が開始される場合でも、次客に付与すべきポイント情報を前客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。また、仮に、前客の登録処理が再開されることにより、登録処理中の次客の取引が保留状態にされる場合でも、前客に付与すべきポイント情報を次客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。したがって、本来ポイントを付与すべき顧客に適切にポイントを付与することができる。
【0211】
また、実施形態3に係るPOS端末装置20は、取引が保留状態にされる際に、会員情報保持部に保持される会員情報401が管理サーバSvから取得した会員情報401である場合には当該会員情報401をそのまま保持させるようにした。これにより、仮に、カード読取書込端末217に次客の会員カードMcがかざされたとしても、当該会員カードMcの会員情報401を会員情報保持部に保持させないようにすることができる。したがって、前客のポイント情報を次客の会員カードMcに書き込むことを抑えることができ、前客に適切にポイントを付与することができる。
【0212】
また、実施形態3に係るPOS端末装置20は、取引が保留状態にされる際に、会員情報保持部に保持される会員情報401が管理サーバSvから取得した会員情報401である場合には、会員カードMcへのポイント情報の書き込みを行わないようにした。これにより、仮に、カード読取書込端末217に次客の会員カードMcがかざされたとしても、当該会員カードMcに前客のポイント情報を書き込まないようにすることができる。したがって、前客のポイント情報を次客の会員カードMcに書き込むことを抑えることができ、前客に適切にポイントを付与することができる。
【0213】
また、実施形態3に係るPOS端末装置20は、前客の会員情報401が削除された後、保留状態が解除された際に、前客の会員情報401の取得を要求するようにした。これにより、会員情報保持部に前客の会員情報401を再度保持させることができる。したがって、前客のポイント情報を前客の会員カードMcに適切に書き込むことができる。
【0214】
(変形例1)
次に、実施形態1~3の変形例1について説明する。上述した実施形態1~3では、原則、取引の開始から取引の終了まで、会員カードMcがカード読取書込端末26に置かれた状態で取引が行われる構成ついて説明した。変形例1では、取引の開始時に会員であるか否かの宣言を受け付けるようにし、取引が完了す時だけ、会員カードMcをカード読取書込端末26に読み取らせて書き込みが行われる構成について説明する。なお、変形例1では、POSレジスタ3を例に挙げて説明するが、POS端末装置20についても同様である。
【0215】
変形例1において、POSレジスタ3は、取引の開始時に会員であるか否かの宣言を受け付けるようにする。当該宣言は、店員側表示部210から受け付けてもよいし、客側表示部205から受け付けてもよい。また、当該宣言は、「会員」、「非会員」、「会員カード不所持の会員」の3つの選択肢の中からひとつを選択されるようにすればよい。
【0216】
POSレジスタ3は、「会員」または「会員カード不所持の会員」が選択された場合(以下「会員宣言された場合」という。)、会員価格を反映させて、商品登録処理および精算処理を行うようにすればよい。また、POSレジスタ3は、会員宣言された場合、例えば、客側表示部205は、会員価格と、非会員価格とを表示してもよい。例えば、会員価格が¥190であり、非会員価格が¥200である牛乳を登録したとすると、POSレジスタ3は、両方の価格を表示する。
【0217】
また、POSレジスタ3は、精算時に会員であることが証明されない場合には、非会員価格となる旨(購入価格が高くなる旨)を通知するようにしてもよい。会員であることが証明されない場合とは、会員カードMcが提示されない場合や、管理サーバSvから会員情報401を取得できない場合である。例えば、会員宣言を行ったものの、実際には非会員だった場合には、購入価格が高くなる旨を通知するようにしてもよい。
【0218】
精算が完了するときに、カード読取書込端末26が会員カードMcを読み取って、会員情報401を更新させる。なお、「会員カード不所持の会員」の場合、精算が完了するときに、POSレジスタ3は、電話番号等の入力を受け付けて、管理サーバSvから会員情報401を取得すればよい。
【0219】
また、POSレジスタ3は、取引の開始時に会員であるか否かの宣言を受け付けるだけでなく、会員ランクを受け付けるようにしてもよい。これにより、会員ランクを反映させた会員価格で、登録処理および精算処理を行うことができる。この場合においても、精算時に会員ランクが証明されない場合には、会員ランクが下のランクである場合の価格や非会員価格(購入価格が高くなる旨)を通知するようにしてもよい。すなわち、Aランクの宣言を行ったものの、実際にはCランクだった場合には、購入価格が高くなる旨を通知するようにしてもよい。
【0220】
以下、実施形態総括を記載する。
[技術分野]商品販売データ処理装置、商品販売データ処理システム、登録装置、およびプログラム
本発明は、商品販売データ処理装置、商品販売データ処理システム、登録装置、およびプログラムに関する。
[背景技術]
近年、顧客の来店頻度を高めるために、各店舗においてポイント等の特典を付与するサービスが行われている。例えば、顧客に会員カード(ポイントカード)を与え、取引において顧客に会員カードの提示を促し、当該会員カードにポイントを付与したり、付与したポイントを用いて取引したりすることが行われている。
関連する技術として、顧客が商品を購入したときでなくても、その後にポイントを顧客自らで個人の情報処理装置を用いて蓄積するようにした特典ポイント管理方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、近年では、複数の取引を同時に並行して処理することが可能なPOSレジスタが普及している。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2003-141405号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来技術では、複数の取引を同時に並行して処理した際に、本来ポイントを付与すべき顧客とは異なる顧客にポイントを付与してしまうことがあり、よって、適切にポイントを付与することができないことがある、という問題があった。例えば、先の顧客が会員カードを提示して取引を行っている際に、次の顧客の取引が開始されることにより、複数の取引を同時に並行して処理したとすると、次の顧客に付与すべきポイントを先の顧客に付与してしまうおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、顧客に対して適切に特典を付与することができる技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
【0221】
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理装置は、媒体から会員情報を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段と、複数の取引を処理することが可能な取引処理手段と、前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段と、前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段と、を備え、前記保持制御手段は、前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、前記保持手段から当該会員情報を削除する、ことを特徴とする商品販売データ処理装置である。
上記構成によれば、仮に、前客の精算処理を開始した後に次客の登録処理を開始した場合でも、次客に付与すべきポイント情報を前客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。したがって、本来ポイントを付与すべき顧客に適切にポイントを付与することができる。
【0222】
(2)上記(1)の構成において、前記媒体ごとの会員情報を管理する管理装置から会員情報を取得する第2取得手段を備え、前記保持制御手段は、前記第1取得手段または前記第2取得手段によって取得された会員情報を前記保持手段に保持させ、前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に前記保持手段に保持される会員情報が前記第2取得手段によって取得された会員情報である場合、前記保持手段に当該会員情報をそのまま保持させてもよい。
上記構成によれば、仮に、カード読取書込端末26に次客の会員カードMcがかざされたとしても、当該会員カードMcの会員情報401を会員情報保持部に保持させないようにすることができる。したがって、前客のポイント情報を次客の会員カードMcに書き込むことを抑えることができ、前客に適切にポイントを付与することができる。
【0223】
(3)上記(2)の構成において、前記書込手段は、前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に前記保持手段に保持される会員情報が前記第2取得手段によって取得された会員情報である場合、前記媒体への前記特典情報の書き込みを行わないようにしてもよい。
上記構成によれば、仮に、カード読取書込端末26に次客の会員カードMcがかざされたとしても、当該会員カードMcに前客のポイント情報を書き込まないようにすることができる。したがって、前客のポイント情報を次客の会員カードMcに書き込むことを抑えることができ、前客に適切にポイントを付与することができる。
【0224】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかの構成において、前記保持制御手段によって会員情報が削除された後、前記表示制御手段によって非アクティブ表示された取引が再びアクティブ表示される際に、前記第1取得手段による会員情報の取得を要求する要求手段をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、会員情報保持部に前客の会員情報401を再度保持させることができる。したがって、前客のポイント情報を前客の会員カードMcに適切に書き込むことができる。
【0225】
(5)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品販売データ処理システムは、店員の操作により商品を登録する登録装置と、前記登録装置によって登録された商品を示す登録情報を用いて顧客の操作により商品の精算を行う複数の精算装置と、を備えた商品販売データ処理システムであって、前記登録装置は、媒体から会員情報を取得する第1取得手段と、前記媒体ごとの会員情報を管理する管理装置から会員情報を取得する第2取得手段と、前記第1取得手段または前記第2取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段と、複数の取引を処理することが可能な取引処理手段と、前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段と、前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段と、精算に必要な情報を前記精算装置へ送信する送信手段と、前記保持制御手段は、前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に、前記保持手段に保持される会員情報が前記第1取得手段によって取得された会員情報である場合には前記保持手段から当該会員情報を削除し、前記送信手段は、前記第2取得手段によって会員情報が取得された場合、前記精算に必要な情報と、前記第2取得手段によって会員情報が取得された旨の情報を送信し、前記精算装置は、前記送信手段によって送信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した情報に、前記第2取得手段によって会員情報が取得された旨の情報が含まれる場合、その旨を印刷する印刷手段と、を備えることを特徴とする商品販売データ処理システムである。
上記構成によれば、仮に、前客の登録処理が完了する前に次客の登録処理を開始した場合でも、次客に付与すべきポイント情報を前客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。また、仮に、次客の登録処理が行われているときに前客の登録処理が再開された場合に、前客に付与すべきポイント情報を次客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。したがって、本来ポイントを付与すべき顧客に適切にポイントを付与することができる。また、次回の取引において会員カードMcの会員情報401を更新させることを促すことができる。
【0226】
(6)上記(5)の構成において、前記登録装置は、前記登録情報の出力の指示を受け付ける指示受付手段を備え、前記書込手段は、前記指示受付手段によって前記指示が受け付けられることによって、前記媒体に前記特典情報を書き込むようにしてもよい。
上記構成によれば、精算が正式に行われると見なして、商品登録が完了した段階で、会員カードMcにポイント情報を書き込むため、ポイント情報の書き込みを簡単に行うことができる。
【0227】
(7)上記(6)の構成において、前記指示受付手段が前記指示を受け付ける前に会員情報が前記保持手段に保持されていない場合、前記第1取得手段による会員情報の取得を要求する要求手段を備えてもよい。
仮に、精算完了後に顧客からポイント情報の書き込みを要求する旨の申し出があったとすると、当該顧客の取引を検索するのに店員は手間を要してしまうが、上記構成によれば、精算が開始される前に、ポイントを付与することができるため、このような検索に係る手間を抑えることができる。
【0228】
(8)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である登録装置は、店員の操作により商品を登録する登録装置と、前記登録装置によって登録された商品を示す登録情報を用いて顧客の操作により商品の精算を行う複数の精算装置と、を備えた商品販売データ処理システムの前記登録装置であって、媒体から会員情報を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段と、複数の取引を処理することが可能な取引処理手段と、前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段と、前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段と、を備え、前記保持制御手段は、前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に、前記保持手段に会員情報が保持されている場合、前記保持手段から当該会員情報を削除する、ことを特徴とする登録装置である。
上記構成によれば、仮に、前客の精算処理を開始した後に次客の登録処理を開始した場合でも、次客に付与すべきポイント情報を前客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。したがって、本来ポイントを付与すべき顧客に適切にポイントを付与することができる。
【0229】
(9)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品販売データ処理装置は、店員の操作により商品の登録を行い、顧客の操作により商品の精算を行う商品販売データ処理装置であって、媒体から会員情報を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段と、複数の取引を処理することが可能な取引処理手段と、前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段と、前記取引処理手段による複数の取引のうち、いずれかの取引を保留状態にさせる保留手段と、を備え、前記保持制御手段は、前記保留手段によって取引が前記保留状態にされる際に、前記保持手段に会員情報が保持されている場合には前記保持手段から当該会員情報を削除する、ことを特徴とする商品販売データ処理装置である。
上記構成によれば、仮に、前客の取引が保留状態にされて、次客の登録処理が開始される場合でも、次客に付与すべきポイント情報を前客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。また、仮に、前客の登録処理が再開されることにより、登録処理中の次客の取引が保留状態にされる場合でも、前客に付与すべきポイント情報を次客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。したがって、本来ポイントを付与すべき顧客に適切にポイントを付与することができる。
【0230】
(10)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、商品販売データ処理装置に用いられるコンピュータを、媒体から会員情報を取得する第1取得手段、前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段、複数の取引を処理することが可能な取引処理手段、前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段、前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段、として機能させ、前記保持制御手段は、前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、前記保持手段から当該会員情報を削除する、ことを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、仮に、前客の精算処理を開始した後に次客の登録処理を開始した場合でも、次客に付与すべきポイント情報を前客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。したがって、本来ポイントを付与すべき顧客に適切にポイントを付与することができる。
【0231】
(11)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、店員の操作により商品を登録する登録装置と、前記登録装置によって登録された商品を示す登録情報を用いて顧客の操作により商品の精算を行う複数の精算装置と、を備えた商品販売データ処理システムの前記登録装置に用いられるコンピュータを媒体から会員情報を取得する第1取得手段、前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段、複数の取引を処理することが可能な取引処理手段、前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段、前記複数の取引のうち一の取引に関して操作可能な状態であることを示すアクティブ表示と、前記一の取引以外の他の取引に関して操作不可能な状態であることを示す非アクティブ表示とで各取引を表示可能な表示制御手段、として機能させ、前記保持制御手段は、前記表示制御手段によってアクティブ表示されている顧客の取引が非アクティブ表示される際に、前記保持手段に会員情報が保持されている場合には前記保持手段から当該会員情報を削除する、ことを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、仮に、前客の登録処理が完了する前に次客の登録処理を開始した場合でも、次客に付与すべきポイント情報を前客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。また、仮に、次客の登録処理が行われているときに前客の登録処理が再開された場合に、前客に付与すべきポイント情報を次客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。したがって、本来ポイントを付与すべき顧客に適切にポイントを付与することができる。
【0232】
(12)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、店員の操作により商品の登録を行い、顧客の操作により商品の精算を行う商品販売データ処理装置に用いられるコンピュータを、媒体から会員情報を取得する第1取得手段、前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段、複数の取引を処理することが可能な取引処理手段、前記取引処理手段による取引が完了した際に前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する特典情報を前記媒体に書き込む書込手段、前記取引処理手段による複数の取引のうち、いずれかの取引を保留状態にさせる保留手段、として機能させ、前記保持制御手段は、前記保留手段によって取引が前記保留状態にされる際に、前記保持手段に会員情報が保持されている場合には前記保持手段から当該会員情報を削除する、ことを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、仮に、前客の取引が保留状態にされて、次客の登録処理が開始される場合でも、次客に付与すべきポイント情報を前客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。また、仮に、前客の登録処理が再開されることにより、登録処理中の次客の取引が保留状態にされる場合でも、前客に付与すべきポイント情報を次客の会員カードMcに書き込んでしまうことを抑制できる。したがって、本来ポイントを付与すべき顧客に適切にポイントを付与することができる。
【0233】
なお、上記において説明した各装置(POSレジスタ3、POS端末装置20等)における各機能(入出力、記憶、処理(判断含む))の全部または一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。
【0234】
具体的には、上述した説明では、POSレジスタ3が、第1取得部と、第2取得部と、入力受付部と、保持制御部と、取引処理部と、書込部と、送信制御部と、表示制御部と、要求部とを備える構成について説明した。また、POS端末装置20が、これらの機能部と、送信部と、受信部と、印刷部と、指示受付部と、保留部とを備える構成について説明した。これらの機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらの機能部のうち全部または一部が、ストアコントローラ2に具備されていてもよいし、管理サーバSvに具備されていてもよいし、クラウドサーバ(不図示)などこれら以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。例えば、これらの機能部の全てを一のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0235】
具体的には、例えば、POSレジスタ3やPOS端末装置20に代えて、ストアコントローラ2やクラウドサーバ(不図示)が、商品登録後の情報(登録データ)を記憶してもよい。また、例えば、POSレジスタ3やPOS端末装置20に代えて、ストアコントローラ2やクラウドサーバが、ポイント付与処理等(
図11、
図23参照)の各種処理を実行してもよい。すなわち、例えば、
図11のフローチャートのステップS1104において、POSレジスタ3が実行するものとして説明した会員カードMcに会員情報401を書き込む処理は、ストアコントローラ2やクラウドサーバが実行してもよい。
【0236】
上記に関連し、POSレジスタ3やPOS端末装置20は、商品の登録に関しては、入出力のインタフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、POSレジスタ3やPOS端末装置20は、各種の入力(操作者の操作、スキャナ等のデバイスによる検出)を受け付け、入力情報(操作情報、スキャン情報等)をクラウドサーバに送信し、当該入力情報に基づくクラウドサーバの処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
【0237】
なお、以上に説明したPOSシステム1、1900、POSレジスタ3、およびPOS端末装置20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0238】
1、1900…POSシステム、3…POSレジスタ、20…POS端末装置、21、210…店員側表示部、23、205…客側表示部、24、208…カード決済部、26、217…カード読取書込端末、31、201…CPU、32、202…ROM、33、203…RAM、36…ドロア、209…釣銭機。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体から会員情報を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段と、
複数の取引を処理することが可能な取引処理手段と、
前記取引処理手段の前記処理により取前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する更新後の特典情報を前記媒体に書き込む書込手段と、
を備え、
前記取引処理手段は、商品の登録処理を含む前記処理を行い、
前記保持制御手段は、前客の登録処理中に次客の登録処理が開始されると、前記保持手段に会員情報が保持されている場合、前記保持手段から当該会員情報を削除する、
ことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記媒体ごとの会員情報を管理する管理装置から会員情報を取得する第2取得手段を備え、
前記保持制御手段は、
前客の登録処理中に次客の登録処理が開始された場合において、前記保持手段に保持される会員情報が前記第2取得手段によって取得された会員情報である場合、前記保持手段に当該会員情報をそのまま保持させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
新規取引を開始時に前記第1取得手段によって会員情報が取得された場合、当該会員に付与する特典情報が最新の特典情報であるか否かを判別する判別手段を備え、
前記書込手段は、前記判別手段による判別の結果、当該会員に付与する特典情報が最新の特典情報ではない場合、前記管理装置に記憶されている最新の特典情報に更新する、
ことを特徴とする請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
商品販売データ処理装置に用いられるコンピュータを、
媒体から会員情報を取得する第1取得手段、
前記第1取得手段によって取得された会員情報を保持手段に保持させる保持制御手段、
複数の取引を処理することが可能な取引処理手段、
前記取引処理手段の前記処理により取前記保持手段に会員情報が保持されている場合、当該会員に付与する更新後の特典情報を前記媒体に書き込む書込手段、
として機能させ、
前記取引処理手段は、商品の登録処理を含む前記処理を行い、
前記保持制御手段は、前客の登録処理中に次客の登録処理が開始されると、前記保持手段に会員情報が保持されている場合、前記保持手段から当該会員情報を削除する、
ことを特徴とするプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置、およびプログラムに関する。