(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174162
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】ヘアドライヤ及びヘアドライヤの温度帯および風量表示方法
(51)【国際特許分類】
A45D 20/10 20060101AFI20241206BHJP
A45D 20/12 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
A45D20/10 101
A45D20/10 104
A45D20/12
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024172763
(22)【出願日】2024-10-01
(62)【分割の表示】P 2021058642の分割
【原出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小柳 智裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 凌
(57)【要約】
【課題】吹き出す風の温度、風量を確認しやすいヘアドライヤを提供する。
【解決手段】ヘアドライヤ(100)は、吹出口(70)から吹き出される風の2種類以上の温度帯の各種類を色の種類に対応付けて表示する表示部(15)を備え、前記送風部(14)から送風される風の2種類以上の風量を、前記温度帯に対応付けられた色の種類以外の表示用パラメータを用いて、前記表示部(15)に表示する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風部と、
前記送風部から送風される風の温度帯および風量を発光により表示する表示部と、を備え、
前記送風部は、送風する風の前記温度帯および前記風量がそれぞれ2種類以上であり、かつ前記温度帯および前記風量を個別に制御可能であり、
前記表示部は、前記送風部から送風される風の前記温度帯の種類を、前記発光の第1態様で表示し、かつ、前記送風部から送風される風の前記風量の種類を、前記発光の第2態様で表示し、
前記第1態様は、前記温度帯の種類に対応付けられた色の種類での前記発光であり、
前記第2態様は、前記風量の種類に対応付けられた、前記発光の強弱の種類、前記発光の点滅速度の種類、前記発光の点滅パターンの種類の少なくとも一つでの前記発光である、ヘアドライヤ。
【請求項2】
前記温度帯および前記風量の少なくとも一方を切替え可能な操作部を有し、
前記操作部は、前記表示部が配置されている側と同じ側に設けられている、請求項1に記載のヘアドライヤ。
【請求項3】
前記表示部は、
前記送風部からの風を吹き出す吹出口の配置領域に設けられている、請求項1または2に記載のヘアドライヤ。
【請求項4】
前記送風部からの風を吹き出す吹出口から送風対象までの距離を検出する距離センサをさらに備え、
前記表示部は、
前記距離センサによって検出された距離に応じて、前記温度帯の色を切替える、請求項1~3の何れか1項に記載のヘアドライヤ。
【請求項5】
送風部と、前記送風部から送風される風の温度帯および風量を発光により表示する表示部と、を備えたヘアドライヤの温度帯および風量表示方法であって、
前記送風部は、送風する風の前記温度帯および前記風量がそれぞれ2種類以上であり、かつ前記温度帯および前記風量を個別に制御可能であり、
前記表示部に、前記送風部から送風される風の前記温度帯の種類を、前記発光の第1態様で表示させ、かつ、前記送風部から送風される風の前記風量の種類を、前記発光の第2態様で表示させ、
前記第1態様は、前記温度帯の種類に対応付けられた色の種類での前記発光であり、
前記第2態様は、前記風量の種類に対応付けられた、前記発光の強弱の種類、前記発光の点滅速度の種類、前記発光の点滅パターンの種類の少なくとも一つでの前記発光である、温度帯および風量表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアドライヤ及びヘアドライヤの温度帯および風量表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヘアドライヤは、吹き出す風の温度および風量を使用者に認識させるための機能を有している。例えば特許文献1に開示された加熱送風機では、吹き出す風の風量を把持部に設けられたスライドスイッチのスライド位置で認識させ、吹き出す風の温度を本体部の側面に表示することで認識させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のヘアドライヤでは、使用者が吹き出している風の風量を確認する場合には、把持部のスライドスイッチの位置を確認することになり、風の温度を確認する場合には、本体部の側面の温度表示部を確認することになる。このように、使用者は、吹き出す風の温度、風量を確認するために、異なる位置にある表示を見る必要があり、不便であった。
【0005】
本発明の一態様は、上記を鑑みてなされたヘアドライヤを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るヘアドライヤは、送風部と、前記送風部から送風される風の温度帯および風量を発光により表示する表示部と、を備え、前記送風部は、送風する風の前記温度帯および前記風量がそれぞれ2種類以上であり、かつ前記温度帯および前記風量を個別に制御可能であり、前記表示部は、前記送風部から送風される風の前記温度帯の種類を、前記発光の第1態様で表示し、かつ、前記送風部から送風される風の前記風量の種類を、前記発光の第2態様で表示し、前記第1態様は、前記温度帯の種類に対応付けられた色の種類での前記発光であり、前記第2態様は、前記風量の種類に対応付けられた、前記発光の強弱の種類、前記発光の点滅速度の種類、前記発光の点滅パターンの種類の少なくとも一つでの前記発光であることを特徴としている。
【0007】
本発明の一態様に係る風量表示方法は、送風部と、前記送風部から送風される風の温度帯および風量を発光により表示する表示部と、を備えたヘアドライヤの温度帯および風量表示方法であって、前記送風部は、送風する風の前記温度帯および前記風量がそれぞれ2種類以上であり、かつ前記温度帯および前記風量を個別に制御可能であり、前記表示部に、前記送風部から送風される風の前記温度帯の種類を、前記発光の第1態様で表示させ、かつ、前記送風部から送風される風の前記風量の種類を、前記発光の第2態様で表示させ、前記第1態様は、前記温度帯の種類に対応付けられた色の種類での前記発光であり、前記第2態様は、前記風量の種類に対応付けられた、前記発光の強弱の種類、前記発光の点滅速度の種類、前記発光の点滅パターンの種類の少なくとも一つでの前記発光であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、吹き出す風の温度、風量を確認しやすくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示すヘアドライヤの要部を拡大した正面図である。
【
図5】
図1に示すヘアドライヤにおける吹出し風の温度表示を説明する図である。
【
図6】
図1に示すヘアドライヤの制御ブロック図である。
【
図7】
図1に示すヘアドライヤにおける吹出し風の風量表示を説明する図である。
【
図8】
図1に示すヘアドライヤにおける距離センサの測定状況に応じた吹出し風の温度表示およぶ風量表示を説明する図である。
【
図9】
図1に示すヘアドライヤにおける吹出し風の風量表示を説明する図である。
【
図10】
図1に示すヘアドライヤにおける吹出し風の風量表示を説明する図である。
【
図11】
図1に示すヘアドライヤにおける吹出し風の風量表示を説明する図である。
【
図12】
図1に示すヘアドライヤにおける吹出し風の風量表示を説明する図である。
【
図13】
図1に示すヘアドライヤにおける吹出し風の風量表示を説明する図である。
【
図14】本発明の変形例にかかるヘアドライヤの外観構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0011】
(ヘアドライヤの全体構成)
図1は、本実施形態にかかるヘアドライヤ100の外観構成を示す斜視図である。ヘアドライヤ100の各構成要素の形状および位置関係などを説明するにあたって、便宜上、ヘアドライヤ100を
図1などに示すようなX(X1-X2)方向(左右方向)、Y(Y1-Y2)方向(上下方向)、Z(Z1-Z2)方向(前後方向)という三方向の座標軸で規定する。
図2は、
図1に示すヘアドライヤ100の正面側(Z1側)から見たときの外観を示す。
図3は、
図1に示すヘアドライヤ100の側面側(X2側)から見たときの外観を示す。
【0012】
ヘアドライヤ100は、本体部20と、本体部20の下方に設けられる把持部30とにより構成されている。本体部20の背面部20bには図示していない吸気口が設けられている。本体部20の内部には通風路(図示せず)が形成されている。通風路には、後述する送風機1およびヒータ2を含む送風部14およびイオン発生ユニット3等が配置されている(
図6参照)。送風機1が運転を開始すると、本体部20の背面部20bの吸気口を通過した空気が吸入され、当該本体部20の正面部20aの吹出口70から吹き出される。なお、イオン発生ユニット3は、帯電粒子発生部の一種である。帯電粒子発生部は、イオン発生ユニットに限定されるものではなく、放電により、イオン、電子、オゾン、ラジカル、活性種などを発生させる放電装置であればよい。また、帯電粒子発生部がイオンを発生させる場合は、正イオンと負イオンの両方を発生させる構成であっても、正イオンあるいは負イオンの何れか一方を発生させる構成であってもよい。
【0013】
本体部20の正面部20aには、当該本体部20の前端の開口を塞ぐように円盤状の前側パネル40が配設されている。前側パネル40は、4つのLED51~54を搭載した基板を有し、これらLED51~54によってLED表示部50を構成する。LED表示部50に設けられたLED51~54は、それぞれが点灯することにより、選択されたヘアドライヤ100の運転モードを示している。ユーザによりヘアドライヤ100の運転モードが選択されると、その運転モードに対応したLED51~54の何れかが点灯する。
【0014】
前側パネル40は、湾曲した凹面形状になっている。さらに、この湾曲した凹面形状を有する前側パネル40では、左右方向(X方向)の端部(すなわち、左側端部および右側端部)の方が、上下方向(Y方向)の端部(上端部および下端部)よりも、側面視および上面視(または下面視)において前方側(Z1側)に位置している。すなわち、本体部20の上下方向(Y方向)の端部は、本体部20の左右方向(X方向)の端部よりも、風の流れの上流側(Z2側)に凹んでいる。
【0015】
前側パネル40は、左右の外周部に円弧状の切欠きを有しており、この切欠き部分が吹出口70となっている。吹出口70は、第1吹出口71と第2吹出口72とにより構成される。送風機1からの風は、吹出口70から吹き出される。前側パネル40を含む本体部20の正面部20aの詳細は後述する。
【0016】
把持部30には、ユーザがヘアドライヤ100を動作させるための操作を行う操作部60が設けられている。操作部60は4つのボタン61~64を備える。一番下のスライド式ボタンが、ON/OFFボタン(電源スイッチ)61であり、ヘアドライヤ100の動作をON/OFFするボタンである。ON/OFFボタン61がオンされることで、送風機1が運転を開始する。ON/OFFボタン61がオフされることで、送風機1が運転を停止する。ON/OFFボタン61がオンされることで、ヒータ2をオンするモードではヒータ2もオンし、イオン発生ユニット3をオンするモードではイオン発生ユニット3もオンする。ON/OFFボタン61がオフされることで、ヒータ2がオンしているモードではヒータ2がオフし、イオン発生ユニット3をオンするモードではイオン発生ユニット3もオフする。
【0017】
ON/OFFボタン61の直ぐ上に位置するオルタネイト動作するプッシュ式ボタンが、1ショット冷風ボタン62である。温風が吹き出されている状態で1ショット冷風ボタン62が1度押されると、ヒータ2がオフされ、吹き出される風は冷風となる。冷風が吹き出されている状態で1ショット冷風ボタン62が1度押されると、ヒータ2がオンして、吹き出される風が温風となる。なお、1ショット冷風ボタン62は、当該1ショット冷風ボタン62を押している間だけヒータ2がオフとなるように、モーメンタリ動作するプッシュ式のボタンであってもよい。
【0018】
1ショット冷風ボタン62の上に位置する2つのプッシュ式ボタンは、動作モードを変えるモード変更ボタン63と風量を変える風量変更ボタン64である。モード変更ボタン63を押す毎に、例えば、後述する第1ドライモード1→第2ドライモード2→第3ドライモード3→冷風モード→美容モード→おまかせモード→第1ドライモードというように、ローテーション式(サイクリック)にモードを変更することができる。同様に、風量変更ボタン64を押す毎に、例えば、風量大(TURBO)→風量中(DRY)→風量小(SET)→風量強(TURBO)というように、ローテーション式(サイクリック)に風量を変更することができる。
【0019】
把持部30の下部には、先端部にコネクタ(図示せず)を有する電源コード80が引き出されている。ヘアドライヤ100は電源コード80(正確にはコネクタ)がコンセントに差し込まれることで、電源部(図示せず)が給電可能な状態となる。なお、電源コードによる給電に代えて、バッテリによる給電としてもよい。
【0020】
(ヘアドライヤ100の正面構造)
図4は、
図1に示すヘアドライヤ100における本体部20の正面部20aの拡大図である。
図5は、
図4に示す表示部15における表示色が吹き出す風の温度によって変化していることを説明するための図である。
【0021】
ヘアドライヤ100の正面部分は、本体部20の正面部20aで構成されており、正面部20aに前側パネル40が設けられている。Z1側から見て前側パネル40の左側(X1側)には、前側パネル40の外周に沿うようにして第1吹出口71が設けられている。また、Z1側から見て前側パネル40の右側(X2側)には、前側パネル40の外周に沿うようにして第2吹出口72が設けられている。
【0022】
前側パネル40の中心に略円板状の中央部40aが設けられ、中央部40aの中心に距離センサ6が設けられ、中央部40aの周囲に表示部15が設けられている。中央部40aは、第1吹出口71および第2吹出口72が設けられている左右方向(X方向)の端部よりも凹んでいる。
【0023】
表示部15は、中央部40aの外周に環状に設けられており、温風/冷風などのように、吹出口70から吹き出される風の温度を示す温度表示部である。具体的には、表示部15は、送風機1から送風される風の2種類以上の温度帯の各種類を色の種類に対応付けて表示する。表示部15は、例えば温風が吹き出される場合には、表示部15は赤色となり、冷風が吹き出される場合には、表示部15は青色となるように表示する。また、温風と冷風の中間の温度の風が吹き出される場合には、表示部15は緑色となるように表示する。なお、本実施形態では、表示部15は、中央部40aの外周全体に環状に設けられているが、別の実施形態では、中央部40aの外周下半分に半環状に設けられてもよいし、中央部40aの外周上半分に半環状に設けられてもよい。表示部15は、環状、半環状以外に、例えば、丸型、角型、点など、どのような形状であってもよい。
【0024】
表示部15は、具体的に、例えば赤色のLED(light emitting diode:発光ダイオード)ランプ、青色のLEDランプ、および導光部材などで構成されたLED発光部5を有している。導光部材は、環状の形状を有しており、中央部40aの外周を取り囲むように配置されている。赤色のLEDランプおよび青色のLEDランプは、導光部材の後方側に配置されている。
【0025】
従って、吹出口70から温風が吹き出される場合には、表示部15の赤色のLEDランプが点灯し、
図5の符号1051に示すように、赤色光が導光部材によって拡散されて環状に発色する。また、吹出口70から冷風が吹き出される場合には、表示部15の青色のLEDランプが点灯し、
図5の符号1053に示すように、青色光が導光部材によって拡散されて環状に発色する。さらに、吹出口70から温風と冷風の中間の温度の風が吹き出される場合には、表示部15の赤色のLEDランプと青色のLEDランプが同時に点灯し、
図5の符号1052に示すように、赤色と青色が混色した緑色光が導光部材によって拡散されて環状に発色する。これにより、使用者は、吹き出される風の温度を点灯している表示部15の色により容易に識別することができる。
【0026】
ここで、ヘアドライヤ100は、動作モードとして、ホットモード、コールドモード、スカルプモード、センシングモードを有している。従って、動作モードとしてホットモードが選択されている場合には、吹き出す風は高温(例えば95℃程度)であるので、表示部15は赤色で表示され、動作モードとしてコールドモードが選択されている場合には、吹き出す風は室温とほぼ同じなので、表示部15は青色で表示され、スカルプモードが選択されている場合には、吹き出す風は中温(例えば75℃程度)であるので、表示部15は緑色で表示される。なお、センシングモードが選択されている場合には、吹き出す風の温度が距離(ヘアドライヤ100から送風対象までの距離)に応じて変化するので、表示部15の表示色も距離に応じて変化する。
【0027】
(ヘアドライヤ100の制御ブロック図)
図6は、ヘアドライヤ100の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、ヘアドライヤ100は、例えばマイクロコンピュータからなる制御部10と、該制御部10に接続された送風部14、イオン発生ユニット3、操作部60、記憶部4、表示部15、距離センサ6等を備えている。
【0028】
制御部10は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるコンピュータ装置からなる。制御部10は、送風部14の送風機1における風量を制御する風量制御部11,送風部14のヒータ2の発熱量を制御する加熱制御部12、表示部15のLED発光部5の点灯を制御するLED点灯制御部13を含んでいる。制御部10は、記憶部4に記憶されている情報・プログラムに従いヘアドライヤ100の各部の動作を制御する。記憶部4には、制御部10がヘアドライヤ100の各部を制御する際に用いる情報・プログラム等が格納されている。
【0029】
送風部14は、送風機1とヒータ2とを備える。送風機1は、吸気口から空気を吸込み、吹出口70から吹き出される風を生み出す。送風機1の回転は制御部10の風量制御部11にて制御される。風量制御部11は、例えば、強、中、弱といった各風量レベルに設定された設定値に基づいて送風機1を回転させることで、風量の異なる風を作り出す。
【0030】
ヒータ2は、送風機1にて生み出された風に熱を供給して温める。ヒータ2の発熱量は制御部10の加熱制御部12にて制御される。加熱制御部12は、例えば、高温、中温、低温、冷温といった各風温レベルに設定された設定値に基づいてヒータ2に発熱させることで、温度の異なる風を作り出す。
【0031】
イオン発生ユニット3は、イオンを発生させるユニットである。一例として、イオン発生ユニット3は、針状の放電電極と、放電電極の周囲を囲む円環状の誘導電極とを備えている。放電電極と誘電電極との間に電圧が印加されてコロナ放電が発生し、放電電極の周囲にH+(H2O)m等のプラスのイオンと、O2-(H2O)n等のマイナスのイオンとの両方を発生させる。発生したプラスのイオンとマイナスのイオンとは、通風路を流れる空気に混入されて、吹出口70から放出される。
【0032】
距離センサ6は、送風対象者であるユーザとヘアドライヤ100との距離を測定するセンサである。例えば距離センサ6は、ユーザの毛髪のうち、ヘアドライヤ100によって送風されている部位と、当該ヘアドライヤ100との距離を測定する。
【0033】
距離センサ6としては、例えば、距離センサ6からユーザの毛髪における特定の部位までの赤外光の飛行時間(距離センサ6が照射した赤外光が特定部位に当たり反射して戻ってくるまでの時間)に基づいて、上述の距離を測定するToF(Time Of Flight)方式の距離センサが挙げられる。
【0034】
なお、ユーザとヘアドライヤ100との距離を測定するために用いるのは、上記のToF(Time Of Flight)方式の距離センサ6に限定されない。例えば、GPS、反射ドップラーセンサ、カメラ(不図示)及びドットプロジェクター(不図示)を利用してユーザとヘアドライヤ100との距離を測定してもよい。これらによっても、ユーザとヘアドライヤ100との距離を好適に測定することができる。
【0035】
また、ヘアドライヤ100は、距離センサの代替として使用可能なセンシング手段、または、距離センサと組み合わせて使用可能なセンシング手段として、放射温度センサ、赤外線センサ等の温度センサ、3D加速度センサ、9軸センサ等の姿勢センサ等を備えていてもよい。
【0036】
表示部15は、複数種類の温度帯のそれぞれに対応付けた色で発光するLEDランプを光源とするLED発光部5を含む。LEDランプとしては、上述した通り、赤色LEDランプと青色LEDランプとを使用する。LED発光部5は、送風機1が吹き出す風の温度の温度帯に応じた色で発光するように制御部10のLED点灯制御部13によって制御される。
【0037】
表示部15は、LED発光部5のLEDランプの発光により、吹き出す風の温度を表示するだけでなく、吹き出す風の風量を表示するようになっている。本実施形態では、風量としては、強、中、弱の3種類である。従って、表示部15は、吹き出す風の風量それぞれを、吹き出す風の温度帯に対応付けられた色の種類以外の表示用パラメータによって表示する。
【0038】
(表示部15を用いた風量表示)
図7は、ヘアドライヤ100における吹出し風の風量表示を説明する図である。表示部15は、風量に応じた表示を、温度表示の色の種類以外の表示用パラメータとして、LEDランプの明るさを用いる。ここでは、風量大(TURBO)、風量中(DRY)、風量小(SET)の3種類の風量を表示する例について説明する。具体的には、
図7に示すように、表示部15が温風を示す赤色を表示しているとき、風量大の場合、符号1071に示すように最も明るく表示し、風量小の場合、符号1073に示すように最も暗く表示する。また、表示部15は、風量中の場合、
図7の符号1072に示すように、風量大の場合と風量小の場合のLEDランプの明るさの中間の明るさで表示する。
【0039】
一般に、ユーザが、吹き出す風の温度、風量を確認するために、異なる位置にある表示を見る場合、操作に集中できず、操作間違いを起こす可能性があったが、上記の構成であれば、このような操作間違いを起す可能性を軽減できる。すなわち、上記の構成であれば、ユーザが、表示部15の色と、明るさを確認するだけで、ヘアドライヤ100から吹き出している風の温度帯と風量とを容易に把握することができる。つまり、ユーザは、目線を変えずに、ヘアドライヤ100から吹き出す風の温度、風量を同時に確認できる。これにより、操作に集中でき、操作間違いを起す可能性を軽減することができる。
【0040】
(表示部15を用いた距離表示)
図8は、ヘアドライヤ100における距離センサ6の測定状況に応じた表示部15における吹出し風の温度表示およぶ風量表示を説明する図である。
【0041】
距離センサ6は、美容対象者であるユーザとヘアドライヤ100との距離を測定する。具体的には、ユーザとヘアドライヤ100の表示部15との間の距離を測定する。距離センサ6によって測定された距離が長い、すなわち、ヘアドライヤ100からユーザまでの距離が遠い場合には、
図8の符号1081に示すように、表示部15を赤色に表示し、ヘアドライヤ100からユーザまでの距離が近い場合には、
図8の符号1083に示すように、表示部15を青色に表示する。そして、ヘアドライヤ100からユーザまでの距離が、符号1081に示す場合と符号1083に示す場合との間の距離である場合、
図8の符号1082に示すように、表示部15を緑色に表示する。すなわち、表示部15は、距離センサ6によって検出された距離に応じて、温度帯の色を切替えるようになっている。
【0042】
図8に示す例では、表示部15の表示色によって、ユーザとヘアドライヤ100との間の距離を示しているが、間接的にヘアドライヤ100が吹き出す風の温度も示している。つまり、ユーザに対して吹き付ける風の温度を距離に関係無く同じにするためには、ヘアドライヤ100から遠い程、吹き出す風の温度を高くし、ヘアドライヤ100から近い程、吹き出す風の温度を低くする必要がある。従って、
図8の符号1081に示すように、ユーザからヘアドライヤ100が遠くにある場合には、表示部15は赤色表示によって距離を示しているものの、吹き出す風の温度が高いことも示している。同様に、表示部15の他の色の表示によって、距離を示すと共に、吹き出す風の温度を示している。すなわち、ヘアドライヤ100がユーザの近くにある場合には、表示部15は青色表示によって距離を示しているものの、吹き出す風の温度が低いことも示している。ユーザからヘアドライヤ100の距離が遠い場合と近い場合の中間である場合には、表示部15は緑色表示によって距離を示しているものの、吹き出す風の温度が中温であることも示している。
【0043】
なお、
図8に示す場合においても、風量については、表示部15のLEDランプの明るさで示す。以下の各実施形態では、ヘアドライヤ100から吹き出す風の風量をLEDランプの明るさ以外の表示用パラメータによって表示部15に表示する例について説明する。
【0044】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。本実施形態では、光の強弱(明暗)、光の点滅速度(LED点滅速度)、光の点滅パターン(LED点滅間隔)のうち、光の点滅速度および光の点滅パターンを、表示部15に表示するための表示用パラメータとした例について説明する。
【0045】
(風量表示:LED点滅速度)
図9は、表示部15のLEDランプの点滅速度で風量を示した図である。具体的には、制御部10のLED点灯制御部13は、風量が大きい程、LEDランプの点滅速度が速く、風量が小さい程、LEDランプの点滅速度が遅くなるように、表示部15のLED発光部5におけるLEDランプの点灯制御を行なう。すなわち、LED点灯制御部13は、風量大(TURBO)の場合、LEDランプの明暗の切り替る間隔が最も短く、風量中(DRY)の場合、LEDランプの明暗の切り替る間隔が次に短く、風量小(SET)の場合、LEDランプの明暗の切り替る間隔が最も長くなる矩形波の制御信号を表示部15のLED発光部5に送信する。
【0046】
LED発光部5に送信された制御信号は、明暗の期間が1:1の矩形波の制御信号である。これにより、LED発光部5のLEDランプの明時間と暗時間とが同じになる。
【0047】
以上のように、風量に応じた点灯制御信号を生成することによって、表示部15において表示されている色と、表示されている色の点滅速度を確認するだけで、ヘアドライヤ100が吹き出す風の温度、風量の確認を、目線を移動させることなく同時に行なうことができる。つまり、ユーザは、表示部15を見るだけで容易に、表示部15の色によって吹き出す風の温度を把握し、表示部15のLEDランプの点滅速度によって吹き出す風の風量を把握することができる。特に、風量に関しては、LEDランプの点滅速度で表示しているため、点滅速度が速ければ風量が大きいこと、点滅速度が遅ければ風量が小さいことをユーザは直感で把握することが可能となる。
【0048】
なお、LEDランプの明暗を制御するための制御信号として、
図9に示すように、明暗の期間が1:1の矩形波の制御信号に限定されるものではなく、風量の大小が分るようにLEDランプの点滅速度を制御できればどのような波形の制御信号であってもよい。例えば、矩形波ではく、正弦波の制御信号を用いてもよい。また、LEDランプの暗時は、当該LEDランプを低発光にしてもよいし、消灯するようにしてもよい。さらに、制御信号として、矩形波における明暗の期間が1:1に限定されるものではなく、2:1、1:2等の他の比率であってもよい。
【0049】
(風量表示:LED点滅間隔)
図10は、表示部15のLEDランプの点滅間隔で風量を示した図である。具体的には、制御部10のLED点灯制御部13は、風量が大きい程、LEDランプの点滅間隔が短く、風量が小さい程、LEDランプの点滅間隔が長くなるように、表示部15のLED発光部5におけるLEDランプの点灯制御を行なう。すなわち、LED点灯制御部13は、風量大(TURBO)の場合、LEDランプの点滅間隔が最も短く、風量中(DRY)の場合、LEDランプの点滅間隔が次に短く、風量小(SET)の場合、LEDランプの点滅間隔が最も長くなる矩形波の制御信号を表示部15のLED発光部5に送信する。
図10の場合、風量大(TURBO)の点滅3回を基準として、風量中(DRY)の場合、風量大の点滅3回から点滅1回を間引いて、2回点滅、1回無点滅、2回点滅、1回無点滅を繰り返す制御を行っている。風量小(SET)の場合、風量大の点滅3回から点滅2回を間引いて、1回点滅、2回無点滅、1回点滅、2回無点滅を繰り返す制御を行っている。
【0050】
以上のように、風量に応じた点灯制御信号を生成することによって、表示部15において表示されている色と、表示されている色の点滅間隔を確認するだけで、ヘアドライヤ100が吹き出す風の温度、風量の確認を、目線を移動させることなく同時に行なうことができる。つまり、ユーザは、表示部15を見るだけで、表示部15の色によって吹き出す風の温度を把握し、表示部15のLEDランプの点滅間隔によって吹き出す風の風量を把握することが容易に行える。特に、風量に関しては、LEDランプの点滅間隔で表示しているため、点滅間隔が短ければ風量が大きいこと、点滅間隔が長ければ風量が小さいことをユーザは直感で把握することが可能となる。
【0051】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。本実施形態では、表示部15における表示面積を、表示部15に表示するための前記表示用パラメータとした例について説明する。
【0052】
(風量表示:表示部15の表示面積)
図11は、表示部15のLEDランプの表示面積(LEDランプが点灯している領域)で風量を示した図である。具体的には、制御部10のLED点灯制御部13は、風量が大きい程、LEDランプの表示面積を大きく、風量が小さい程、LEDランプの表示面積を小さくなるように、表示部15のLED発光部5におけるLEDランプの点灯制御を行なう。すなわち、LED点灯制御部13は、風量大(TURBO)の場合、LEDランプの表示面積が最も大きく、風量中(DRY)の場合、LEDランプの表示面積が次に小さく、風量小(SET)の場合、LEDランプの表示面積は最も小さくなる制御信号を表示部15のLED発光部5に送信する。
【0053】
具体的には、表示部15の表示領域を円周方向に3つの等面積の領域に分割して、それぞれの領域に対応するようにLEDランプを設け、表示部15の表示領域におけるLEDランプの点灯数、すなわち表示領域の面積によって風量を区別する。すなわち、風量大(TURBO)の場合、
図11の符号1111に示すように、表示部15の表示領域の全てを点灯するようにし、風量中(DRY)の場合、
図11の符号1112に示すように、表示部15の表示領域の3分の2を点灯し、風量小(SET)の場合、表示部15の表示領域の3分の1を点灯する。これにより、ユーザは、表示部15の表示領域において点灯している割合(表示面積)を見るだけで、風量を把握することができる。
【0054】
以上のように、風量に応じた点灯制御信号を生成することによって、表示部15において表示されている色と、表示部15のLEDランプの表示面積を確認するだけで、ヘアドライヤ100が吹き出す風の温度、風量の確認を、目線を移動させることなく同時に行なうことができる。つまり、ユーザは、表示部15を見るだけで、表示部15の色によって吹き出す風の温度を把握し、表示部15の表示面積Dランプの点灯面積によって吹き出す風の風量を把握することが容易に行える。特に、風量に関しては、LEDランプの表示面積によって直感的に把握することが可能となる。
【0055】
なお、本実施形態では、表示部15の表示領域を3つの領域に分割した例について説明したがこれに限定されるものではなく、風量を直感で把握できる程度に表示部15の表示領域の分割数を決めればよい。例えば、風量が4段階の場合、表示部15の表示領域を円周方向に4つの等面積の領域に分割して、それぞれの領域に対応するようにLEDランプを設ければよい。
【0056】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0057】
(風量表示:表示部15の一部)
図12は、表示部15の表示領域の一部を風量表示用にした例を示す図である。具体的には、表示部15を2つの領域(第1領域15a、第2領域15b)に分ける。第1領域15aは、吹き出す風の温度帯に応じた色で表示する領域であり、第2領域15bは、吹き出す風の風量に応じて表示する領域である。第2領域15bは、第1領域15aよりも狭い領域とし、さらに、3つの表示領域に分割している。この第2領域15bのそれぞれの表示領域には、対応するLEDランプがそれぞれ設けられており、LEDランプの点灯数によって風量の大小を表現している。ここでは、4個のLEDランプを設け、それぞれのLEDランプの点灯制御を行なう。
【0058】
制御部10のLED点灯制御部13は、風量が大きい程、第2領域15bのLEDランプの点灯数が多くなるように、風量が小さい程、第2領域15bのLEDランプの点灯数が少なくなるように、表示部15のLED発光部5におけるLEDランプの点灯制御を行なう。すなわち、LED点灯制御部13は、風量大(TURBO)の場合、第2領域15bの3つの表示領域に対応する全てのLEDランプを点灯させ、風量中(DRY)の場合、第2領域15bの2つの表示領域に対応するLEDランプを点灯させ、風量小(SET)の場合、第2領域15bの1つの表示領域に対応するLEDランプを点灯させる制御信号を表示部15のLED発光部5に送信する。このように、表示部15の一部の領域である第2領域15bの3つの表示領域におけるLEDランプの点灯数によって風量を区別する。なお、第2領域15bは、第1領域15aと同じ色で表示される。
【0059】
これにより、ユーザは、表示部15の第2領域15bの3つの表示領域におけるLEDランプの点灯数を見るだけで、風量を把握することができる。
【0060】
以上のように、風量に応じた点灯制御信号を生成することによって、表示部15の第1領域15aにおいて表示されている色と、表示部15の第2領域15bのLEDランプの点灯数を確認するだけで、ヘアドライヤ100が吹き出す風の温度、風量の確認を、目線を移動させることなく同時に行なうことができる。つまり、ユーザは、表示部15を見るだけで、表示部15の第1領域15aの表示色によって吹き出す風の温度を把握し、表示部15の第2領域15bのLEDランプの点灯数によって吹き出す風の風量を把握することが容易に行える。特に、風量に関しては、第2領域15bにおいて点灯しているLEDランプ数、すなわち表示領域数によって直感的に把握することが可能となる。さらに、風量を点灯しているLEDランプの数だけでなく、点灯しているLEDランプの明暗も、風量のパラメータとしていれてもよい。これにより、風量を細かに伝えることが可能となる。例えば、3つのLEDランプのうち2つのLEDランプが点灯している場合に、点灯している2つのLEDランプの明暗を調整するようにして、風量を細かに表示することが可能となる。このようにすれば、風量の段階が増えた際に、第2領域15bのLEDランプの数を増やさずに対応することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、表示部15の第2領域15bを3つの表示領域に分割した例について説明したがこれに限定されるものではなく、風量を直感で把握できる程度に表示部15の第2領域15bの表示領域の分割数を決めればよい。
【0062】
また、上記の例では、表示部15の第2領域15bの表示色を、吹き出す風の温度に応じて同じ色に表示された第1領域15aの表示色と同じ色とした例、すなわち第2領域15bの表示色を吹き出す風の温度に応じた色とした例について説明した。以下の変形例では、第2領域15bの表示色を吹き出す風の温度に応じた色以外の色で表示した例について説明する。
【0063】
(変形例)
図13は、表示部15の表示領域の一部を風量表示用にした例を示す図である。
図13に示す表示部15の第1領域15aは、
図12に示す表示部15の第1領域15aと同じであり、表示部15の第2領域15bは、
図12に示す表示部15の第2領域15bと異なる。ここで、第2領域15bの表示色は、第1領域15aの表示色(赤、緑、青)以外の色、例えば白とする。
図12に示す表示部15と異なるのは、第2領域15bの表示色だけであり、吹き出す風の風量に応じたLEDランプの点灯制御は同じである。
【0064】
すなわち、制御部10のLED点灯制御部13は、風量大(TURBO)の場合、第2領域15bの3つの表示領域に対応する全てのLEDランプを点灯させ、風量中(DRY)の場合、第2領域15bの2つの表示領域に対応するLEDランプを点灯させ、風量小(SET)の場合、第2領域15bの1つの表示領域に対応するLEDランプを点灯させる制御信号を表示部15のLED発光部5に送信する。このように、表示部15の一部の領域である第2領域15bの3つの表示領域におけるLEDランプの点灯数によって風量を区別する。
【0065】
これにより、ユーザは、表示部15の第2領域15bの3つの表示領域におけるLEDランプの点灯数を見るだけで、風量を把握することができる。しかも、表示部15の第1領域15aと第2領域15bとは表示色が異なるため、第1領域15aと第2領域15bの表示色が同じ場合に比べて、吹き出す風の温度と、吹き出す風の風量との確認を、容易に行なうことができる。
【0066】
本発明の一態様は、目線をほぼ移動させることなく、吹き出す風の温度と、吹き出す風の風量とを同時に確認できるようにすることを目的としているため、
図1に示すヘアドライヤ100のように、吹き出す風の温度と、吹き出す風の風量とを表示する表示部15を本体部20の正面、すなわち吹出口70の形成面(配置領域)に設け、さらに、操作部60が表示部15が配置されている側と同じ側に設けられている。
【0067】
なお、表示部15は、
図1に示すようにヘアドライヤ100の吹出口70の形成面に設ける必要はなく、当該表示部15によって吹き出す風の温度と風量とが表示できれば、他の場所に設けてもよい。表示部を他の場所に設けた変形例について説明する。
【0068】
〔変形例〕
図14は、本発明の変形例にかかるヘアドライヤ200の外観構成を示す斜視図である。
【0069】
ヘアドライヤ200は、基本的に
図1に示すヘアドライヤ100と同じであり、
図14に示すように、本体部220と、本体部220の下方に設けられる把持部230とにより構成されている。本体部220は、背面部220bには吸気口が設けられて、前面部220aには図示しない吹出口が設けられており、吸気口から取り入れた空気を吹出口から風(イオンを含んでいてもよい)を吹き出すようになっている。
【0070】
把持部230には、ユーザがヘアドライヤ200を動作させるための操作を行う操作部260が設けられている。操作部260は複数の操作ボタンが設けられており、これらの操作ボタンを操作して、ヘアドライヤ200のON/OFFや、運転モードの設定等を行なう。
【0071】
本体部220の側面には、表示部215が設けられており、吹き出す風の温度の温度帯に応じた色を表示する。この表示部215のLEDランプの明るさを変えることで、吹き出す風の風量を示すようにする。
【0072】
この場合、表示部215は、本体部220の正面(吹出口の形成面)に設けられておらず、本体部220の側面に設けられているが、ユーザは、表示部215に表示される色と、その色の明るさから、吹き出す風の温度と、吹き出す風の風量とを目線を移動しないで確認することができる。
【0073】
なお、表示部215における風量表示として、実施形態2のようにLED点滅間隔やLED点滅速度としてもよいし、実施形態3のように表示面積としてもよい。あるいは、実施形態4やその変形例のように、表示部215の表示領域における一部を風量表示の表示領域としてもよい。
【0074】
なお、前記の各実施形態では、ヘアドライヤ100(200)は、動作モードとして、ホットモード、コールドモード、スカルプモード、センシングモードを有する例について説明したが、これに限定されるものではなく、他の動作モードであってもよい。他の動作モードであっても、吹き出す風の温度に応じて、表示部15の表示色を変えればよい。
【0075】
また、風量として、風量大(TURBO)、風量中(DRY)、風量小(SET)の3種類の例を示したが、これに限定されるものではなく、2種類の風量であってもよいし、4種類以上の風量であってもよく、それぞれの風量を表示部15によって表示できればよい。
【0076】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るヘアドライヤは、送風部14と、前記送風部14から送風される風の2種類以上の温度帯の各種類を色の種類に対応付けて表示する温度表示部(表示部15)と、を備え、前記温度表示部(表示部15)は、前記送風部14から送風される風の2種類以上の風量を、前記温度帯に対応付けられた色の種類以外の表示用パラメータによって表示する。
【0077】
上記の構成によれば、ユーザは温度表示部の色と、色の種類以外の表示用パラメータを確認するだけで、吹き出している風の温度帯と風量とを容易に把握することができる。これにより、ユーザは、目線を変えずに吹き出す風の温度、風量を確認できる。
【0078】
本発明の態様2に係るヘアドライヤは、上記態様1において、表示用パラメータは、前記温度表示部における、光の強弱、光の点滅速度、光の点滅パターンの少なくとも一つであればよい。
【0079】
上記の構成によれば、温度表示部において、光の強弱、光の点滅速度、光の点滅パターンの少なくとも一つを確認するだけで、吹き出す風の風量を、吹き出す風の温度と同時に確認することが可能となる。
【0080】
本発明の態様3に係るヘアドライヤは、上記態様1または2において、前記表示用パラメータは、前記温度表示部における表示面積であってもよい。
【0081】
上記構成によれば、温度表示部における表示面積を確認するだけで簡単に吹き出す風の風量を同時に確認することができる。
【0082】
本発明の態様4に係るヘアドライヤは、上記態様1~3の何れか1態様において、前記温度帯および前記風量の少なくとも一方を切替え可能な操作部60を有し、前記操作部60は、前記温度表示部(表示部15)が配置されている側と同じ側に設けられていてもよい。
【0083】
上記構成によれば、操作部操作しているユーザは、目線を操作部から少し移動させるだけで、吹き出す風の温度と、吹き出す風の風量とを確認することができる。
【0084】
本発明の態様5に係るヘアドライヤは、上記態様1~4の何れか1態様において、前記温度表示部(表示部15)は、前記送風部14からの風を吹き出す吹出口70の配置領域に設けられていてもよい。
【0085】
上記構成によれば、温度表示部が送風部からの風を吹き出す吹出口の配置領域に設けられていることで、吹き出す風を正面から吹き付ける場合に、温度表示部を、目線をほとんど移動させることが見ることが可能となる。これにより、吹き出す風の温度と、吹き出す風の風量との確認を、吹き出す風を浴びながら容易に確認することが可能となる。
【0086】
本発明の態様6に係るヘアドライヤは、上記態様1~5の何れか1態様において、前記送風部14からの風を吹き出す吹出口70から送風対象までの距離を検出する距離センサ6をさらに備え、前記温度表示部(表示部15)は、前記距離センサ6によって検出された距離に応じて、前記温度帯の色を切替えてもよい。
【0087】
上記構成によれば、距離センサによって送風対象までの距離が検出されるので、吹き出す風の温度および風量を送風対象に対して適切に設定することが可能となる。
【0088】
本発明の態様7に係るヘアドライヤの風量表示方法は、送風部14と、前記送風部14から送風される風の2種類以上の温度帯の各種類を色の種類に対応付けて表示する温度表示部(表示部15)と、を備えたヘアドライヤ100の風量表示方法であって、前記送風部14から送風される風の2種類以上の風量を、前記温度帯に対応付けられた色の種類以外の表示用パラメータを用いて、前記温度表示部(表示部15)に表示する。
【0089】
上記構成によれば、ユーザは温度表示部の色と、色の種類以外の表示用パラメータを確認するだけで、吹き出している風の温度帯と風量とを容易に把握することができる。これにより、ユーザは、目線を変えずに吹き出す風の温度、風量を確認できる。
【0090】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 送風機
2 ヒータ
3 イオン発生ユニット
4 記憶部
5 LED発光部
6 距離センサ
10 制御部
13 LED点灯制御部
14 送風部
15 表示部(温度表示部)
15a 第1領域
15b 第2領域
20 本体部
20a 正面部
20b 背面部
30 把持部
40 前側パネル
40a 中央部
50 LED表示部
51~54 LED
60 操作部
61 ON/OFFボタン
62 1ショット冷風ボタン
63 モード変更ボタン
64 風量変更ボタン
70 吹出口
71 第1吹出口
72 第2吹出口
80 電源コード
100 ヘアドライヤ
200 ヘアドライヤ
215 表示部
220 体部
220a 前面部
220b 背面部
230 把持部
260 操作部