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特開2024-174172コンテンツ出力装置、コンテンツ出力方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174172
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】コンテンツ出力装置、コンテンツ出力方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
G01C21/26 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024173004
(22)【出願日】2024-10-02
(62)【分割の表示】P 2024503219の分割
【原出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2022028205
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】飯澤 高志
(72)【発明者】
【氏名】倉持 敬太
(72)【発明者】
【氏名】山中 敦博
(72)【発明者】
【氏名】栃原 敬介
(57)【要約】
【課題】多様なコンテンツを容易にユーザに提供する。
【解決手段】コンテンツ出力装置は、自車位置に基づいて、地物に関する地物情報を取得する地物情報取得部と、前記地物の種類毎に予め用意された定型文を取得する定型文取得部と、取得した地物情報に含まれる単語を、前記定型文に挿入してコンテンツを生成するコンテンツ生成部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置に基づいて、地物に関する地物情報を取得する地物情報取得部と、
前記地物の種類毎に予め用意された定型文を取得する定型文取得部と、
取得した地物情報に含まれる単語を、前記定型文に挿入してコンテンツを生成するコンテンツ生成部と、
を備えるコンテンツ出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの出力において利用可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置などにおいて、POI(Point of Interest)に関するコンテンツをユーザに対し提供するような技術が知られている。特許文献1では、車両の外部にある識別記号を撮像し、識別記号に関連付けられたコンテンツをユーザに提供する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-106968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまで、コンテンツはPOI毎に作成しており、その内容は固定化していた。また、あるPOIについての多様なコンテンツをユーザに提供するためには、その分コンテンツを作成する必要があり、時間を要していた。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、多様なコンテンツを容易にユーザに提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載の発明は、コンテンツ出力装置であって、自車位置に基づいて、地物に関する地物情報を取得する地物情報取得部と、前記地物の種類毎に予め用意された定型文を取得する定型文取得部と、取得した地物情報に含まれる単語を、前記定型文に挿入してコンテンツを生成するコンテンツ生成部と、を備える。
【0007】
また、請求項に記載の発明は、コンテンツ出力装置が実行するコンテンツ出力方法であって、自車位置に基づいて、地物に関する地物情報を取得する地物情報取得工程と、前記地物の種類毎に予め用意された定型文を取得する定型文取得工程と、取得した地物情報に含まれる単語を、前記定型文に挿入してコンテンツを生成するコンテンツ生成工程と、を備える。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、コンピュータを備えるコンテンツ出力装置により実行されるプログラムであって、自車位置に基づいて、地物に関する地物情報を取得する地物情報取得手段、前記地物の種類毎に予め用意された定型文を取得する定型文取得手段、取得した地物情報に含まれる単語を、前記定型文に挿入してコンテンツを生成するコンテンツ生成手段、としてコンピュータを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例に係る音声出力装置の構成例を示す図。
図2】音声出力装置の概略構成を示すブロック図。
図3】サーバ装置の概略構成の一例を示すブロック図。
図4】サーバ装置の機能構成の一例を示すブロック図。
図5】サーバ装置に格納されている地物情報テーブルの一例を示す図。
図6】サーバ装置に格納されている定型文の一例を示す図。
図7】コンテンツ出力装置において行われる処理を説明するためのフローチャート。
図8】サーバ装置に格納されている地物情報テーブルの他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの好適な実施形態では、コンテンツ出力装置は、自車位置に基づいて、地物に関する地物情報を取得する地物情報取得部と、前記地物の種類毎に予め用意された定型文を取得する定型文取得部と、取得した地物情報に含まれる単語を、前記定型文に挿入してコンテンツを生成するコンテンツ生成部と、を備える。
【0011】
上記のコンテンツ出力装置は、自車位置に基づいて、地物に関する地物情報を取得し、前記地物の種類毎に予め用意された定型文を取得し、取得した地物情報に含まれる単語を、前記定型文に挿入してコンテンツを生成する。これにより、多様なコンテンツを容易に作成することが可能となる。
【0012】
上記のコンテンツ出力装置の他の一態様は、前記地物の種類ごとに複数の定型文が用意されており、前記定型文取得部は、前記複数の定型文からランダムに1つの定型文を選択する。この態様では、コンテンツ出力装置は、地物の種類に合わせた多様なコンテンツを作成することが可能となる。
【0013】
上記のコンテンツ出力装置の他の一態様は、地物に関する単語を含む地物情報テーブルを地物の種類毎に記憶した記憶部を備え、前記地物情報取得部は、前記自車位置から所定範囲内にある対象地物を決定し、前記対象地物の種類に対応する地物情報テーブルを取得し、前記コンテンツ生成部は、前記地物情報テーブルから、前記対象地物に対応する単語、及び、前記対象地物以外の地物に対応する単語を取得して前記コンテンツを生成する。この態様では、コンテンツ出力装置は、クイズ形式のコンテンツを作成することが可能となる。
【0014】
上記のコンテンツ出力装置の他の一態様は、前記対象地物以外の地物に対応する単語は、コンテンツ中に含まれる選択肢である。この態様では、コンテンツ出力装置は、クイズ形式のコンテンツを作成することが可能となる。
【0015】
上記のコンテンツ出力装置の他の一態様は、前記コンテンツ生成部は、前記地物情報テーブルに含まれる単語から、前記対象地物以外の地物に対応する単語をランダムに取得する。この態様では、コンテンツ出力装置は、クイズ形式の多様なコンテンツを作成することが可能となる。
【0016】
上記のコンテンツ出力装置の他の一態様は、地物に関する単語を含む情報テーブルを地物の種類毎に記憶した記憶部を備え、前記地物情報テーブルは、各地物について、複数のカテゴリの単語を記憶しており、前記地物情報取得部は、前記自車位置から所定範囲内にある対象地物を決定し、前記対象地物の種類に対応する地物情報テーブルを取得し、前記コンテンツ生成部は、前記地物情報テーブルから、前記対象地物に対応する複数のカテゴリの単語を取得して前記コンテンツを生成する。この態様では、コンテンツ出力装置は、地物の名前や地物の特徴などの情報を含むコンテンツを容易に作成することが可能となる。
【0017】
本発明の他の好適な実施形態によれば、コンテンツ出力装置が実行するコンテンツ出力方法は、自車位置に基づいて、地物に関する地物情報を取得する地物情報取得工程と、前記地物の種類毎に予め用意された定型文を取得する定型文取得工程と、取得した地物情報に含まれる単語を、前記定型文に挿入してコンテンツを生成するコンテンツ生成工程と、を備える。これにより、多様なコンテンツを容易に作成することが可能となる。
【0018】
本発明の他の好適な実施形態によれば、コンピュータが実行するプログラムは、自車位置に基づいて、地物に関する地物情報を取得する地物情報取得手段、前記地物の種類毎に予め用意された定型文を取得する定型文取得手段、取得した地物情報に含まれる単語を、前記定型文に挿入してコンテンツを生成するコンテンツ生成手段としてコンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記のコンテンツ出力装置を実現することができる。このプログラムは、記憶媒体に記憶して取り扱うことができる。
【実施例0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0020】
<システム構成>
[全体構成]
図1は、実施例に係る音声出力システムの構成例を示す図である。本実施例に係る音声出力システム1は、音声出力装置100と、サーバ装置200とを有する。音声出力装置100は、車両Veに搭載される。サーバ装置200は、複数の車両Veに搭載された複数の音声出力装置100と通信する。
【0021】
音声出力装置100は、基本的に車両Veの搭乗者であるユーザに対して、経路探索処理や経路案内処理などを行う。例えば、音声出力装置100は、ユーザにより目的地等が入力されると、車両Veの位置情報や指定された目的地に関する情報などを含むアップロード信号S1をサーバ装置200に送信する。サーバ装置200は、地図データを参照して目的地までの経路を算出し、目的地までの経路を示す制御信号S2を音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、受信した制御信号S2に基づいて、音声出力によりユーザに対する経路案内を行う。
【0022】
また、音声出力装置100は、ユーザとの対話により各種の情報をユーザに提供する。例えば、音声出力装置100は、ユーザが情報要求を行うと、その情報要求の内容又は種類を示す情報、及び、車両Veの走行状態に関する情報などを含むアップロード信号S1をサーバ装置200に供給する。サーバ装置200は、ユーザが要求する情報を取得、生成し、制御信号S2として音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、受信した情報を、音声出力によりユーザに提供する。
【0023】
[音声出力装置]
音声出力装置100は、車両Veと共に移動し、案内経路に沿って車両Veが走行するように、音声を主とした経路案内を行う。なお、「音声を主とした経路案内」は、案内経路に沿って車両Veを運転するために必要な情報をユーザが少なくとも音声のみから把握可能な経路案内を指し、音声出力装置100が現在位置周辺の地図などを補助的に表示することを除外するものではない。本実施例では、音声出力装置100は、少なくとも、案内が必要な経路上の地点(「案内地点」とも呼ぶ。)など、運転に係る様々な情報を音声により出力する。ここで、案内地点は、例えば車両Veの右左折を伴う交差点、その他、案内経路に沿って車両Veが走行するために重要な通過地点が該当する。音声出力装置100は、例えば、車両Veから次の案内地点までの距離、当該案内地点での進行方向などの案内地点に関する音声案内を行う。以後では、案内経路に対する案内に関する音声を「経路音声案内」とも呼ぶ。
【0024】
音声出力装置100は、例えば車両Veのフロントガラスの上部、又は、ダッシュボード上などに取り付けられる。なお、音声出力装置100は、車両Veに組み込まれてもよい。
【0025】
図2は、音声出力装置100の概略構成を示すブロック図である。音声出力装置100は、主に、通信部111と、記憶部112と、入力部113と、制御部114と、センサ群115と、表示部116と、マイク117と、スピーカ118と、車外カメラ119と、車内カメラ120と、を有する。音声出力装置100内の各要素は、バスライン110を介して相互に接続されている。
【0026】
通信部111は、制御部114の制御に基づき、サーバ装置200とのデータ通信を行う。通信部111は、例えば、後述する地図DB(DataBase)4を更新するための地図データをサーバ装置200から受信してもよい。
【0027】
記憶部112は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ(ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含む)などの各種のメモリにより構成される。記憶部112には、音声出力装置100が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。上述のプログラムは、経路案内を音声により行うためのアプリケーションプログラム、音楽を再生するためのアプリケーションプログラム、音楽以外のコンテンツ(テレビ等)を出力するためのアプリケーションプログラムなどを含んでもよい。また、記憶部112は、制御部114の作業メモリとしても使用される。なお、音声出力装置100が実行するプログラムは、記憶部112以外の記憶媒体に記憶されてもよい。
【0028】
また、記憶部112は、地図データベース(以下、データベースを「DB」と記す。)4を記憶する。地図DB4には、経路案内に必要な種々のデータが記録されている。地図DB4は、例えば、道路網をノードとリンクの組合せにより表した道路データ、及び、目的地、立寄地、又はランドマークの候補となる施設を示す施設データなどを記憶している。地図DB4は、制御部114の制御に基づき、通信部111が地図管理サーバから受信する地図情報に基づき更新されてもよい。
【0029】
入力部113は、ユーザが操作するためのボタン、タッチパネル、リモートコントローラ等である。表示部116は、制御部114の制御に基づき表示を行うディスプレイ等である。マイク117は、車両Veの車内の音声、特に運転手の発話などを集音する。スピーカ118は、運転手などに対して、経路案内のための音声を出力する。
【0030】
センサ群115は、外界センサ121と、内界センサ122とを含む。外界センサ121は、例えば、ライダ、レーダ、超音波センサ、赤外線センサ、ソナーなどの車両Veの周辺環境を認識するための1又は複数のセンサである。内界センサ122は、車両Veの測位を行うセンサであり、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、ジャイロセンサ、IMU(Inertial Measurement Unit)、車速センサ、又はこれらの組合せである。なお、センサ群115は、制御部114がセンサ群115の出力から車両Veの位置を直接的に又は間接的に(即ち推定処理を行うことによって)導出可能なセンサを有していればよい。
【0031】
車外カメラ119は、車両Veの外部を撮影するカメラである。車外カメラ119は、車両の前方を撮影するフロントカメラのみでもよく、フロントカメラに加えて車両の後方を撮影するリアカメラを含んでもよく、車両Veの全周囲を撮影可能な全方位カメラであってもよい。一方、車内カメラ120は、車両Veの車内の様子を撮影するカメラであり、少なくとも運転席周辺を撮影可能な位置に設けられる。
【0032】
制御部114は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などを含み、音声出力装置100の全体を制御する。例えば、制御部114は、センサ群115の1又は複数のセンサの出力に基づき、車両Veの位置(進行方向の向きも含む)を推定する。また、制御部114は、入力部113又はマイク117により目的地が指定された場合に、当該目的地までの経路である案内経路を示す経路情報を生成し、当該経路情報と推定した車両Veの位置情報と地図DB4とに基づき、経路案内を行う。この場合、制御部114は、経路音声案内をスピーカ118から出力させる。また、制御部114は、表示部116を制御することで、再生中の音楽の情報、映像コンテンツ、又は現在位置周辺の地図などの表示を行う。
【0033】
なお、制御部114が実行する処理は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、制御部114が実行する処理は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、制御部114が本実施例において実行するプログラムを実現してもよい。このように、制御部114は、プロセッサ以外のハードウェアにより実現されてもよい。
【0034】
図2に示す音声出力装置100の構成は一例であり、図2に示す構成に対して種々の変更がなされてもよい。例えば、地図DB4を記憶部112が記憶する代わりに、制御部114が通信部111を介して経路案内に必要な情報をサーバ装置200から受信してもよい。他の例では、音声出力装置100は、スピーカ118を備える代わりに、音声出力装置100とは別体に構成された音声出力部と電気的に又は公知の通信手段によって接続することで、当該音声出力部から音声を出力させてもよい。この場合、音声出力部は、車両Veに備えられたスピーカであってもよい。さらに別の例では、音声出力装置100は、表示部116を備えなくともよい。この場合、音声出力装置100は、表示に関する制御を全く行わなくともよく、有線又は無線により、車両Ve等に備えられた表示部と電気的に接続することで、当該表示部に所定の表示を実行させてもよい。同様に、音声出力装置100は、センサ群115を備える代わりに、車両Veに備え付けられたセンサが出力する情報を、車両VeからCAN(Controller Area Network)などの通信プロトコルに基づき取得してもよい。
【0035】
[サーバ装置]
サーバ装置200は、音声出力装置100から受信する目的地等を含むアップロード信号S1に基づき、車両Veが走行すべき案内経路を示す経路情報を生成する。そして、サーバ装置200は、その後に音声出力装置100が送信するアップロード信号S1が示すユーザの情報要求及び車両Veの走行状態に基づき、ユーザの情報要求に対する情報出力に関する制御信号S2を生成する。そして、サーバ装置200は、生成した制御信号S2を、音声出力装置100に送信する。
【0036】
さらに、サーバ装置200は、車両Veのユーザに対する情報提供やユーザとの対話を行うためのコンテンツを生成し、音声出力装置100に送信する。ユーザに対する情報提供は、主として車両Veが所定の運転状況になったことをトリガとしてサーバ装置200側から開始するプッシュ型の情報提供である。また、ユーザとの対話は、基本的にユーザからの質問や問いかけから開始するプル型の対話である。但し、ユーザとの対話は、プッシュ型のコンテンツ提供から開始する場合もある。
【0037】
図3は、サーバ装置200の概略構成の一例を示す図である。サーバ装置200は、主に、通信部211と、記憶部212と、制御部214とを有する。サーバ装置200内の各要素は、バスライン210を介して相互に接続されている。
【0038】
通信部211は、制御部214の制御に基づき、音声出力装置100などの外部装置とのデータ通信を行う。記憶部212は、RAM、ROM、不揮発性メモリ(ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含む)などの各種のメモリにより構成される。記憶部212は、サーバ装置200が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部212は、地図DB4を含んでいる。
【0039】
制御部214は、CPU、GPUなどを含み、サーバ装置200の全体を制御する。また、制御部214は、記憶部212に記憶されたプログラムを実行することで、音声出力装置100とともに動作し、ユーザに対する経路案内処理や情報提供処理などを実行する。例えば、制御部214は、音声出力装置100から通信部211を介して受信するアップロード信号S1に基づき、案内経路を示す経路情報、又は、ユーザの情報要求に対する情報出力に関する制御信号S2を生成する。そして、制御部214は、生成した制御信号S2を、通信部211により音声出力装置100に送信する。
【0040】
図4は、サーバ装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。サーバ装置200は、機能的には、地物情報取得部221と、定型文取得部222と、コンテンツ生成部223と、を含む。サーバ装置200は、コンテンツ出力装置の一例である。
【0041】
サーバ装置200は、音声出力装置100から車両の現在位置情報(以下、「自車位置」と呼ぶ。)を取得する。自車位置には緯度経度などの情報が含まれている。
【0042】
サーバ装置200の地物情報取得部221は、取得した自車位置の緯度経度の情報を基に、自車位置から所定範囲内にあるPOI(以下、「対象地物」とも呼ぶ。)を決定する。そして、地物情報取得部221は、地図DB4から、後述する地物情報テーブルを取得する。地物情報取得部221は、地物情報テーブルを定型文取得部222と、コンテンツ生成部223へ出力する。
【0043】
地物情報テーブルは、POI(以下、「地物」とも呼ぶ。)に関する単語や文章などを含んだテーブルである。地物情報テーブルは、地物の種類毎に予め作成され、地図DB4に記憶されている。地物情報取得部221は、対象地物を決定した後に、地図DB4から、対象地物の種類に対応する地物情報テーブルを取得する。
【0044】
図5は、地物情報テーブルの一例を示す。地物情報テーブルには、緯度経度と、地物の種類と、地物名と、特徴とが含まれている。
【0045】
「緯度経度」は、地物の位置を示す。「地物の種類」は、地物を種類別に分けたものである。「地物の種類」には、河川、駅、道路などがあり、例えば、対象地物が荒川の場合は、地物の種類は河川となり、対象地物が町屋駅の場合は、地物の種類は駅となる。「地物名」は、地物の名前であり、「特徴」は、地物の特徴を表す単語や文章などである。図5は、地物の種類が河川である場合の地物情報テーブルであり、特徴の一例として、河川法による管理区分の種類が示されている。なお、特徴は複数あってもよく、例えば、地物情報テーブルに列を追加し、川幅の値などを追加してもよい。
【0046】
定型文取得部222は、地物情報取得部221から取得した地物情報テーブルを基に、地図DB4から、後述する定型文を取得する。定型文取得部222は、取得した定型文を、コンテンツ生成部223へ出力する。コンテンツ生成部223は、地物情報取得部221から取得した地物情報テーブルと、定型文取得部222から取得した定型文とを基に、コンテンツを生成する。コンテンツ生成部223は、生成したコンテンツを音声出力装置100に出力する。音声出力装置100は、コンテンツ生成部223から取得したコンテンツをユーザに対して音声出力する。
【0047】
定型文は、コンテンツの基となるデータである。定型文は、地物の種類毎に予め1つ又は複数作成され、地図DB4に記憶されている。定型文取得部222は、地物情報取得部221から取得した地物情報テーブルを基に、地物の種類を参照して、その地物の種類に対応する定型文を取得する。なお、地物の種類に対応する定型文が複数ある場合は、定型文取得部222は、複数の定型文の中から1つの定型文をランダムに選択する。
【0048】
図6(A)は、定型文の一例を示す。定型文には、所定の文言が維持される固定部と、対象地物などによって文言が変化する変数部とが含まれる。図6(A)は、地物の種類が河川であり、河川に対応した定型文1~3が示されている。定型文1~3の[地物名]と[特徴]は変数部であり、それ以外の部分は固定部である。
【0049】
図6(B)は、コンテンツの一例を示す。コンテンツは、コンテンツ生成部223が、地物情報テーブルに含まれる単語や文章を、定型文の変数部に挿入することによって生成される。図6(B)の例1~3は、対象地物が「荒川」である場合のコンテンツ例であり、コンテンツ生成部223が、図5の地物情報テーブルに含まれる単語を、図6(A)の定型文の変数部に挿入することによって生成されたものである。
【0050】
例えば、図6(B)の例1は、図6(A)の定型文1を用いて生成されたコンテンツである。定型文1は経路案内の定型文であり、「[特徴]、[地物名]を渡りました。」という文章からなる。定型文1の[特徴]と[地物名]には、対象地物の特徴と対象地物の地物名が挿入される。例1では、コンテンツ生成部223は、定型文1の[特徴]と[地物名]に、対象地物の特徴である「一級河川」と、対象地物の地物名である「荒川」をそれぞれ挿入している。これにより、「[一級河川]、[荒川]を渡りました。」という経路案内のコンテンツが生成される。
【0051】
図6(B)の例2は、図6(A)の定型文2を用いて生成されたコンテンツである。定型文2はクイズ形式の定型文であり、「先ほど通過した川は何だったでしょうか。1番[地物名]、2番[地物名]。」という問題部分と、「正解は[地物名]です。」という回答部分からなる。なお、定型文2の問題部分の[地物名]には、クイズの選択肢として、対象地物の地物名と、対象地物以外の地物名とが挿入される。定型文2の回答部分の[地物名]には、クイズの正解として、対象地物の地物名が挿入される。
【0052】
例2では、コンテンツ生成部223は、定型文2の問題部分の[地物名]に、対象地物の地物名である「荒川」と、対象地物以外の地物名である「利根川」をそれぞれ挿入している。また、コンテンツ生成部223は、定型文2の回答部分の[地物名]に、対象地物の地物名である「荒川」を挿入している。これにより、「先ほど通過した川は何だったでしょうか。1番[荒川]、2番[利根川]。」、「正解は[荒川]です。」というクイズ形式のコンテンツが生成される。
【0053】
図6(B)の例2では、定型文2の問題部分の[地物名]に、対象地物の地物名である「荒川」と、対象地物以外の地物名である「利根川」がそれぞれ挿入されているが、対象地物以外の地物名は、図5の地物情報テーブルからランダムに選ばれる。コンテンツ生成部223は、地物情報テーブルの地物名の列から、対象地物以外の地物名をランダムに1つ取得し、定型文2の問題部分の[地物名]に挿入する。これにより、定型文2の問題部分の[地物名]には、「利根川」以外にも、対象地物以外の地物名として「入間川」や「越中島川」が挿入される場合があり、クイズの選択肢を変化させることが可能となる。
【0054】
図6(A)の定型文2の問題部分には[地物名]が2か所あり、図6(B)の例2では、「1番[荒川]、2番[利根川]」の順に地物名が挿入されているが、地物名を挿入する順番は、コンテンツ生成部223によってランダムに決定される。これにより、クイズの選択肢の順番を変化させることが可能となる。
【0055】
図6(B)の例3は、図6(A)の定型文3を用いて生成されたコンテンツである。定型文3はクイズ形式の定型文であり、「先ほど通過した[地物名]は[特徴]でしょうか。」という問題部分と、「正解は[特徴]です。」という回答部分からなる。なお、問題部分の[地物名]には、対象地物の地物名が挿入され、問題部分の[特徴]には、クイズの選択肢として、対象地物の特徴もしくは対象地物以外の地物の特徴が挿入される。また、回答部分の[特徴]には、クイズの正解として、対象地物の特徴が挿入される。
【0056】
例3では、コンテンツ生成部223は、定型文3の問題部分の[地物名]に対象地物の地物名である「荒川」を、定型文3の問題部分の[特徴]に対象地物以外の地物の特徴である「二級河川」を挿入している。また、コンテンツ生成部223は、定型文3の回答部分の[特徴]に対象地物の特徴である「一級河川」を挿入している。これにより、「先ほど通過した[荒川]は[二級河川]でしょうか。」、「正解は[一級河川]です。」というクイズ形式のコンテンツが生成される。
【0057】
なお、図6(B)の例3では、コンテンツ生成部223は、定型文3の問題部分の[特徴]に、対象地物以外の地物の特徴である「二級河川」を挿入しているが、[特徴]に挿入される単語は、図5の地物情報テーブルからランダムに選ばれる。コンテンツ生成部223は、地物情報テーブルの特徴の列から、地物の特徴をランダムに1つ取得し、定型文3の問題部分の[特徴]に挿入する。これにより、定型文3の問題部分の[特徴]には、「二級河川」以外にも、「一級河川」が挿入される場合があり、クイズの内容を変化させることが可能となる。
【0058】
図6(B)の例2、例3のようなクイズ形式のコンテンツの場合、コンテンツ生成部223は、問題部分と回答部分のうち、まず、問題部分のみを音声出力装置100に出力する。音声出力装置100は、コンテンツ生成部223から取得した問題部分をユーザに対して音声出力する。その後、ユーザから問題部分に対する回答があった場合は、コンテンツ生成部223は、回答部分を音声出力装置100に出力する。このとき、コンテンツ生成部223は、ユーザが正解している場合は「正解です。」というメッセージを回答部分の前に追加して、音声出力装置100へ出力してもよいし、「正解です。」というメッセージのみを音声出力装置100へ出力してもよい。また、コンテンツ生成部223は、ユーザが不正解の場合は「不正解です。」というメッセージを回答部分の前に追加して、音声出力装置100へ出力してもよい。
【0059】
[処理フロー]
図7は、サーバ装置200において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この処理は、図3に示すサーバ装置200の制御部214が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。なお、この処理は、音声出力装置100による経路案内中に所定時間毎に繰り返し実行される。
【0060】
まず、地物情報取得部221は、音声出力装置100から自車位置を取得する(ステップS11)。次に、地物情報取得部221は、自車位置に基づいて対象地物を決定し、地図DB4から対象地物の種類に対応する地物情報テーブルを取得する(ステップS12)。地物情報テーブルには、地物の緯度経度と、地物の種類と、地物名と、地物の特徴などが含まれている。次に、定型文取得部222は、地物情報テーブルから地物の種類を参照し、その地物の種類に対応する定型文を取得する(ステップS13)。なお、地物の種類に対応する定型文が複数ある場合は、定型文取得部222は、複数の定型文の中からランダムに1つの定型文を選択する。
【0061】
次に、コンテンツ生成部223は、地物情報取得部221から取得した地物情報テーブルに含まれる地物名及び地物の特徴と、定型文取得部222から取得した定型文とを用いて、コンテンツを生成する(ステップS14)。コンテンツ生成部223は、生成したコンテンツを音声出力装置100へ送信する(ステップS15)。音声出力装置100は、受信したコンテンツを、音声出力によりユーザに提供する。
【0062】
コンテンツ生成部223が生成したコンテンツがクイズ形式のコンテンツであり、クイズに対して、ユーザからの回答があった場合(ステップS16:Yes)は、コンテンツ生成部223は、クイズの正解を音声出力装置100へ送信(ステップS17)し、その後、処理は終了する。一方、コンテンツ生成部223が生成したコンテンツが、クイズ形式のコンテンツではなくユーザからの回答を要しない場合や、クイズ形式のコンテンツであるがユーザからの回答がない場合(ステップS16:No)は、所定の時間経過後に処理は終了する。なお、クイズ形式のコンテンツであるがユーザからの回答がない場合は、コンテンツ生成部223は、所定の時間経過後に正解を音声出力装置100へ送信してもよい。
【0063】
[変形例]
(変形例1)
サーバ装置200は、車両が対象地物を通過する前にコンテンツを出力するか、もしくは車両が対象地物を通過した後にコンテンツを出力するかなど、コンテンツを出力するタイミングによって、定型文の内容を決定してもよい。例えば、車両が対象地物である荒川を通過する前にコンテンツを出力する場合は、サーバ装置200は、「これから通過する[荒川]は[二級河川]でしょうか。」というコンテンツを出力する。一方、車両が対象地物である荒川を通過した後にコンテンツを出力する場合は、サーバ装置200は、「先ほど通過した[荒川]は[二級河川]でしょうか。」というコンテンツを出力する。このように、サーバ装置200は、「これから」や「先ほど」など、時間に関する言葉を含む定型文を予め作成し、コンテンツを出力するタイミングによって、適切な定型文を選択するようにしてもよい。
【0064】
(変形例2)
上記の実施形態では、サーバ装置200は、河川に関するコンテンツをユーザに提供しているが、提供するコンテンツの内容はこれに限らず、サーバ装置200は、あらゆる分野のコンテンツを生成することができる。図8は、地物情報テーブルの他の一例を示す。図8は、地域と地域の名産品を表す地物情報テーブルである。サーバ装置200は、例えば、「[地物名]の名産品は、[特徴]です。」や、「[地物名]といえば、[特徴]が有名です。」などの名産品に対応する定型文を予め作成しておく。これにより、サーバ装置200は、図8の地物情報テーブルと上記の定型文を用いて、「[川越市]の名産品は、[川越サツマイモ]です。」や、「[宇都宮市]といえば、[ギョーザ]が有名です。」という名産品に関するコンテンツを生成することができる。
【0065】
上述した実施例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータである制御部等に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記憶媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記憶媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。
【0066】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0067】
4 データベース
100 音声出力装置
200 サーバ装置
111、211 通信部
112、212 記憶部
113 入力部
114、214 制御部
115 センサ群
116 表示部
117 マイク
118 スピーカ
119 車外カメラ
120 車内カメラ
221 地物情報取得部
222 定型文取得部
223 コンテンツ生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8