(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174183
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】中空床版の補修方法および中空床版
(51)【国際特許分類】
E01D 22/00 20060101AFI20241206BHJP
E01D 19/12 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
E01D22/00 A
E01D19/12
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024173171
(22)【出願日】2024-10-02
(62)【分割の表示】P 2021092155の分割
【原出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】508321823
【氏名又は名称】株式会社イノアック住環境
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(74)【代理人】
【識別番号】100147854
【弁理士】
【氏名又は名称】多賀 久直
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 大輔
(57)【要約】
【課題】品質を向上する。
【解決手段】橋梁10における中空床版16の補修に際して、中空床版16の空洞部24に通じる通孔28を、空洞部24の長さ方向に複数形成する。次に、通孔28に挿入したノズル30から空洞部24における長さ方向の一方へ向けて発泡体材料Mを噴射する。先の通孔28よりも空洞部24における長さ方向の他方へ位置する別の通孔28に挿入したノズル30から空洞部24における長さ方向の一方へ向けて発泡体材料Mを噴射することを繰り返す。これにより、発泡体材料Mから発泡して得られる発泡体Fを、空洞部24に充填して、中空床版16を補修する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋梁における中空床版の空洞部に通じる通孔を、該空洞部の長さ方向に複数形成し、
前記通孔に挿入したノズルから前記空洞部における長さ方向の一方へ向けて発泡体材料を噴射し、
前記通孔よりも前記空洞部における長さ方向の他方へ位置する通孔に挿入した前記ノズルから前記空洞部における長さ方向の一方へ向けて発泡体材料を噴射し、
前記発泡体材料から発泡して得られる発泡体を、前記空洞部に充填する
ことを特徴とする中空床版の補修方法。
【請求項2】
前記空洞部の長さ方向の一方において最も端に位置する前記通孔よりも前記長さ方向の他方に位置する前記通孔から、前記発泡体材料の供給を開始する請求項1記載の中空床版の補修方法。
【請求項3】
前記発泡体材料を噴射する位置を、前記ノズルから遠い場所から前記ノズルに近い場所に変える請求項1または2記載の中空床版の補修方法。
【請求項4】
橋梁における中空床版の空洞部に通じる通孔を塞ぐ蓋部と、
前記空洞部および前記通孔に充填された発泡体と、を備え、
前記発泡体を供給するノズルが、前記中空床版に残っていない
ことを特徴とする中空床版。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、橋梁における中空床版の補修方法および中空床版に関するものである。
【背景技術】
【0002】
中空床版は、軽量にできることから、橋梁において広く採用されている。多数の円筒型枠を設置した状態でコンクリートを打設することで、中空床版におけるコンクリートの内側に、円筒状の空洞部を形成している。
【0003】
中空床版は、円筒型枠の設置不良やコンクリートの充填不良などの施工に起因して、空洞部の上側のコンクリートの強度が不足する場合がある。また、中空床版上に設けられるアスファルト等の舗装面は、一定期間ごとに張り替えが行われる。張り替えの際に、空洞部の上側のコンクリートが削り取られるため、コンクリートの強度が低下してしまう。前述したような場合、中空床版を補修する必要がある。
【0004】
中空床版の補修方法としては、中空床版における中空部の長手方向に沿って複数の充填用の孔を、上面の舗装面から中空部に向って下向きに穿孔し、この孔からスタティックミキサーを挿入し、スタティックミキサーからウレタン液を垂れ流す方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法は、スタティックミキサーの周りから発泡体を充填するので、発泡体にスタティックミキサーが接着してしまい、スタティックミキサーを切断して発泡体内に残さなくてはならない。このように、発泡体内に異物が残るため、品質が悪化するおそれがある。
【0007】
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、品質がよい中空床版の補修方法および中空床版を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る中空床版の補修方法は、
橋梁における中空床版の空洞部に通じる通孔を、該空洞部の長さ方向に複数形成し、
前記通孔に挿入したノズルから前記空洞部における長さ方向の一方へ向けて発泡体材料を噴射し、
前記通孔よりも前記空洞部における長さ方向の他方へ位置する通孔に挿入した前記ノズルから前記空洞部における長さ方向の一方へ向けて発泡体材料を噴射し、
前記発泡体材料から発泡して得られる発泡体を、前記空洞部に充填することを要旨とする。
【0009】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る中空床版は、
橋梁における中空床版の空洞部に通じる通孔を塞ぐ蓋部と、
前記空洞部および前記通孔に充填された発泡体と、を備え、
前記発泡体を供給するノズルが、前記中空床版に残っていないことを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る中空床版の補修方法によれば、品質を向上できる。
本発明に係る中空床版によれば、品質がよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に係る中空床版を示す断面図である。
【
図2】実施例の中空床版を一部切断して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る中空床版の補強方法および中空床版につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明では、橋梁において道幅となる方向を横方向といい、橋梁において道が延びる方向を長さ方向と指称する。
【実施例0013】
図1および
図2に示す橋梁10は、山の谷間を流れる河川の上に架け渡されたRC(鉄筋コンクリート)床版橋を例示している。橋梁10は、地盤から立ち上がる橋脚12(橋台であってもよい。)に支持された主桁14の上に設けられた中空床版16を備えている。主桁14は、橋梁10において横方向に離して並列配置されている。また、隣り合う主桁14,14の間に横桁(図示せず)が横方向へ延びるように設けられている。なお、主桁14および横桁としては、コンクリート製や鋼製などが用いられるが、実施例ではH形鋼によるものを例示している。中空床版16の上面には、アスファルト等による路面20が設けられている。また、中空床版16の側縁部には、側壁や高欄22(実施例)などの転落防止手段が設けられている。
【0014】
図1および
図2に示すように、中空床版16は、円筒型枠によって形成された空洞部24を有している。実施例の中空床版16には、長さ方向へ延びる空洞部24が横方向に並べて複数配置されている。そして、後述する補修後の空洞部24には、発泡体Fが充填されている。発泡体Fとしては、ポリウレタン系フォーム、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系フォームや、ポリスチレン系フォームなどを単独または組み合わせて用いることができ、圧縮強度が高い硬質発泡体が好ましい。また、発泡体Fの気泡構造としては、独立気泡構造のものが水を通さないので好ましい。発泡体Fとしては、経済性などの観点から、現場でA液(ポリオール)とB液(イソシアネート)とを混合してポリウレタンフォームを形成する、所謂現場発泡ポリウレタンフォームを用いることが好ましい。
【0015】
発泡体Fとしては、その密度が、例えば20kg/m3~60kg/m3の範囲にある軽量なものを用いることが好ましい。また、発泡体Fとしては、その圧縮強度が高いものであると、補修後に中空床版16の補強ができるので好ましい。
【0016】
図3~
図8を参照して、空洞部24に発泡体Fを充填する中空床版16の補修方法について説明する。まず、中空床版16における空洞部24を囲う鉄筋コンクリート26を、ドリルビットやコアドリル等で穿孔し、中空床版16の表面から空洞部24に通じる通孔28を形成する。通孔28は、中空床版16の上面から上下方向に形成しても、中空床版16の側面から横方向に形成してもよいが、実施例の通孔28は、中空床版16の下面から空洞部24まで上下方向に鉄筋コンクリート26を貫通するように形成している。実施例のように、通孔28を中空床版16の下面から形成すると、路面20の舗装を開削する必要がなく、交通への影響を抑えることができるので好ましい。
【0017】
通孔28の大きさは、発泡体材料Mを注入するためのノズル30(
図3(c))を通すことができればよく、例えば直径32mm程度の大きさの通孔28とすることができる。また、通孔28の大きさは、鉄筋コンクリート26の配筋ピッチよりも小さいことが好ましい。鉄筋コンクリート26の配筋ピッチよりも通孔28が小さいと、通孔28の形成時に鉄筋の切断を減らすことができる。
【0018】
図3(b)に示すように、複数の通孔28を、空洞部24の長さ方向に離して形成している。以下の説明では、空洞部24における長さ方向の一方を「前」といい、空洞部24における長さ方向の他方を「後」と指称する。そして、実施例では、空洞部24の前側から発泡体Fの充填を開始し、空洞部24における充填開始位置よりも後側の位置で発泡体Fの充填を終了している(
図4~
図7参照)。なお、発泡体Fの充填開始箇所は、空洞部24の閉塞端に限らず、空洞部24の途中位置など、中空床版16において補修が必要な箇所に設定すればよい。
【0019】
実施例では、発泡体材料供給用の通孔28(特に区別する場合は供給用通孔28A1~28A4という。)に加えて、空洞部24における前側および後側のそれぞれに対応して、確認用の通孔28(特に区別する場合は確認用通孔28Bという。)を形成している。供給用通孔28A1~28A4の間隔は、特に限定するものではないが、例えば1.5m~3.0m程度に設定することができる。供給用通孔28A1~28A4の間隔は、発泡体F(発泡体材料M)の流動性、発泡体材料Mの充填量および充填速度などとの関係で設定することが可能である。例えば、発泡体材料Mの充填量および充填速度との関係において発泡体材料Mを噴射してから発泡固化するまでに2m程度広がる流動性を有する発泡体Fであるならば、供給用通孔28A1~28A4の間隔を2m程度にすればよい。また、空洞部24において最も前側に位置する第1の供給用通孔28A1を、空洞部24における発泡体Fの充填開始位置から後側へ2m程度離して設ければよい。
【0020】
空洞部24において最も前側に位置する第1の供給用通孔28A1からノズル30を挿入し、ノズル30の先端を空洞部24の内側に入れる。図示しない供給装置にホースを介して繋がるノズル30から、空洞部24の前側へ向けて発泡体材料Mを噴射する(
図4(a)参照)。このとき、発泡体材料Mを、ノズル30が通る第1の供給用通孔28A1から遠いところ(ノズル30から遠い位置)に噴射し、ノズル30が通る第1の供給用通孔28A1に近いところ(ノズル30から近い位置)へ噴射するように、発泡体材料Mの噴射位置を段階的に変えてもよい。
【0021】
ノズル30は、先端が例えば鉤状に折れ曲がる形状(実施例)や横向きに噴射孔を設けるなどによって、通孔28の貫通方向と交差する方向(長さ方向の一方)へ向けて、発泡体材料Mを噴射可能になっている。空洞部24への発泡体材料Mの供給は、ノズル30を通した通孔28から離れた位置に発泡体材料Mを噴射可能であればよく、発泡体Fの流動性(実施例では2m程度)よりも発泡体材料Mを遠くに飛ばせる方式が好ましい。このような方式としては、例えば、ノズル30において主剤と硬化剤とを高圧下で衝突混合して得られた液状の発泡体材料Mを噴射可能な衝突混合方式を用いることが可能である。発泡体材料Mをノズル30から連続的または間欠的に噴射することが可能であるが、発泡体材料Mを間欠的に噴射することで、発泡体材料Mの垂れ等の作業場の不具合が生じ難いので好ましい。
【0022】
空洞部24に噴射された発泡体材料Mが発泡して膨張し、空洞部24の前側から発泡体Fが充填されていく(
図4(b)参照)。このとき、ノズル30を通した第1の供給用通孔28A1の前側にある確認用通孔28Bから余分な空気を逃がすことができる。また、確認用通孔28Bから発泡体Fの充填度合いを確認できる。例えば、確認用通孔28Bに発泡体Fが入ったり、確認用通孔28Bから外側へ発泡体Fが漏れたりするなどによって、発泡体Fの充填度合いを目視で簡単に確認可能である。所定量の発泡体材料Mを噴射した後、ノズル30を第1の供給用通孔28A1から抜く(
図4(c)参照)。空洞部24からのノズル30の退避は、発泡体Fが第1の供給用通孔28A1に到来する前に行うとよい。なお、空洞部24のサイズは判っているので、発泡体材料Mの供給量や、発泡体Fが第1の供給用通孔28A1に到来するタイミングを簡単に算出することができる。
【0023】
次に、第1の供給用通孔28A1の後側に位置する第2の供給用通孔28A2からノズル30を挿入し、ノズル30の先端を空洞部24の内側に入れる。ノズル30から、空洞部24の前側へ向けて発泡体材料Mを噴射する(
図5(a)参照)。空洞部24に噴射された発泡体材料Mが発泡して膨張し、先に充填された発泡体Fに続けて空洞部24の前側から発泡体Fが充填されていく(
図5(a)参照)。このとき、ノズル30を通した第2の供給用通孔28A2の前側にある第1の供給用通孔28A1から余分な空気を逃がすことができる。また、第1の供給用通孔28A1から発泡体Fの充填度合いを確認できる。所定量の発泡体材料Mを噴射した後、ノズル30を第2の供給用通孔28A2から抜く(
図5(b)参照)。
【0024】
このように、ノズル30を挿入する供給用通孔28A1~28A4を順番に後側へ切り替えて、各供給用通孔28A1~28A4に挿入したノズル30から空洞部24の前側へ向けて発泡体材料Mを噴射する(
図4~
図7(a)参照)。これにより、空洞部24に噴射された発泡体材料Mが発泡して膨張し、空洞部24の前側から順番に発泡体Fが充填されていく。このとき、ノズル30を通した第4の供給用通孔28A4の後側にある確認用通孔28Bから余分な空気を逃がすことができる。第4の供給用通孔28A4から空洞部24に挿入したノズル30から所定量の発泡体材料Mを噴射した後、ノズル30を第4の供給用通孔28A4から抜く(
図7(b)参照)。そして、第4の供給用通孔28A4および第4の供給用通孔28A4の後側にある確認用通孔28Bに発泡体Fが入ったり、確認用通孔28Bから外側へ発泡体Fが漏れたりするなどによって、空洞部24に発泡体Fが充填したことを確認できる。
【0025】
次に、通孔28から外側に漏れた発泡体Fを除去する。そして、通孔28を蓋部32によって塞ぐ(
図8参照)。蓋部32は、光や水などの発泡体Fに悪影響を与える要因を排除できるものであることが好ましい。蓋部32としては、例えば、樹脂を通孔28に露出する発泡体Fに塗布した塗膜、通孔28を塞いだモルタルあるいはシール材、通孔28に取り付けた樹脂製や金属製等の部材などを単独または組み合わせて用いることができる。
【0026】
前述した補修方法は、供給用通孔28A1~28A4に挿入したノズル30から前側へ向けて発泡体材料Mを噴射することを、供給用通孔28A1~28A4の挿入位置を後側へ順番に移動して行っている。これにより、空洞部24の前側から後側へ向けて発泡体Fを順に充填することができるので、補修後の空洞部24内に空気溜りを生じ難くすることができる。このように、中空床版16の発泡体F内に空気溜まりが生じ難いので、中空床版16の品質を向上することができる。また、ノズル30が通る程度の比較的小さい通孔28を形成すればよいので、中空床版16を構成する鉄筋コンクリート26に対する影響を最小限にすることができる。更に、補修工事が大掛かりになることを回避できると共に、補修後の通孔28等の復旧工事が簡単であり、短い工期で補修を行うことができる。また、ノズル30に発泡体Fが到来する前にノズル30を取り出すので、ノズル30と発泡体Fとが接着することを回避でき、ノズル30を発泡体Fに残す必要がない。このように、中空床版16の発泡体F内に異物となるノズル30が残っていないので、中空床版16の品質を向上することができる。
【0027】
前述した補修方法は、空洞部24の内側で発泡体材料Mを発泡固化して発泡体Fを形成しているので、空洞部24の壁面と発泡体Fとの間に発泡体F特有の接着力が働くことになる。このように、発泡体Fが空洞部24の壁面に強固に接着していることで、発泡体Fによって中空床版16を補強することができる。
【0028】
前述したように、空洞部24の前側に位置する確認用通孔28Bよりも後側に位置する第1の供給用通孔28A1から、発泡体材料Mの供給を開始している。このように、空洞部24の長さ方向の一方において最も端に位置する確認用通孔28Bよりも長さ方向の他方に位置する第1の供給用通孔28A1から、発泡体材料Mの供給を開始することで、発泡体Fの充填時に確認用通孔28Bから空気を逃がすことができ、確認用通孔28Bにより発泡体Fの充填度合いを簡単に確認することができる。
【0029】
発泡体材料Mを噴射する位置を、ノズル30から遠い場所からノズル30に近い場所に変えることで、空洞部24の前側から後側へ向けて発泡体Fを順に充填することができる。
【0030】
前述したように、空洞部24の後側に位置する確認用通孔28Bよりも前側に位置する第4の供給用通孔28A4で、発泡体材料Mの供給を終了している。このように、空洞部24の長さ方向の他方において最も端に位置する確認用通孔28Bよりも長さ方向の一方に位置する第4の供給用通孔28A4で、発泡体材料Mの供給を終了することで、発泡体Fの充填時に確認用通孔28Bから空気を逃がすことができ、確認用通孔28Bにより発泡体Fの充填度合いを簡単に確認することができる。
【0031】
前述のように補修することで、中空床版16は、中空床版16の空洞部24に通じる通孔28を塞ぐ蓋部32と、空洞部24および通孔28の一部または全部に充填された発泡体Fとを備えることになる。そして、発泡体Fを供給するノズル30が、中空床版16に残っていない。このように、中空床版16の発泡体F内に異物となるノズル30が残っていないので、中空床版16の品質を向上することができる。また、前述したように発泡体Fを充填した空洞部24に空気溜りが生じ難く、空洞部24に発泡体Fが適切に充填されているので、発泡体Fによる補強などの機能が効果的に得られ、これによっても中空床版16の品質を向上できる。
【0032】
(変更例)
前述した事項に限らず、例えば以下のようにしてもよい。なお、本発明は、実施例および以下の変更例の具体的な記載のみに限定されるものではない。
(1)実施例では、空洞部の長さ方向の両側に確認用通孔を設けたが、これに限らず、確認用通孔の何れか一方または両方を省略してもよい。
(2)発泡体材料の噴射は、スプレーガンによるスプレーであってもよい。
前記空洞部の長さ方向の一方において最も端に位置する前記通孔よりも前記長さ方向の他方に位置する前記通孔から、前記発泡体材料の供給を開始する請求項1記載の中空床版の補修方法。