(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174187
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024173215
(22)【出願日】2024-10-02
(62)【分割の表示】P 2020128240の分割
【原出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊本 憲幸
(57)【要約】
【課題】基板を支持する複数のハンドを有する搬送機構を備える基板処理装置、および複数のハンドを有する搬送機構による基板搬送方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置100は、1枚の基板Wをそれぞれ支持する10個の第1支持部を有する第1支持部群を備え、複数枚の基板が載置される基板載置部29と、基板を処理する複数個の処理ユニット21と、1枚の基板をそれぞれ支持する5つの第1ハンド9を有し、複数枚の基板を収容するキャリアCから基板載置部に基板を搬送する第1搬送機構7と、1枚の基板をそれぞれ支持する2つの第2ハンド25を有し、基板載置部から複数個の処理ユニットに基板を搬送する第2搬送機構23と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の基板をそれぞれ支持する10個の第1支持部を有する第1支持部群を備え、複数枚の前記基板が載置される基板載置部と、
前記基板を処理する複数個の処理ユニットと、
1枚の基板をそれぞれ支持する5つの第1ハンドを有し、複数枚の前記基板を収容するキャリアから前記基板載置部に前記基板を搬送する第1搬送機構と、
1枚の基板をそれぞれ支持する2つの第2ハンドを有し、前記基板載置部から前記複数個の処理ユニットに前記基板を搬送する第2搬送機構と、を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1搬送機構は、25枚の基板を収容できる前記キャリアから前記基板を前記基板載置部に搬送する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1搬送機構は、5つの前記第1ハンドで前記基板載置部から前記キャリアに前記基板をさらに搬送し、
前記第2搬送機構は、前記処理ユニットから前記基板載置部に前記基板をさらに搬送する、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2搬送機構は、前記2つの前記第2ハンドを含む、合計4つの前記第2ハンドを有し、
前記第2搬送機構は、4つの前記第2ハンドのうちの2つを用いて前記基板載置部から前記処理ユニットに前記基板を搬送し、4つの前記第2ハンドのうち、残り2つを用いて前記処理ユニットから前記基板載置部に前記基板を搬送する、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板載置部は、1枚の基板をそれぞれ支持する10個の第2支持部を有する第2支持部群をさらに備え、
前記第1搬送機構は、5つの前記第1ハンドで前記キャリアから前記第1支持部群に基板を搬送し、5つの前記第1ハンドで前記第2支持部群から前記キャリアに基板を搬送し、
前記第2搬送機構は、4つの前記第2ハンドのうちの2つを用いて前記第1支持部群から前記処理ユニットに前記基板を搬送し、4つの前記第2ハンドのうち、残り2つを用いて前記処理ユニットから前記第2支持部群に前記基板を搬送する、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記基板載置部において、前記第1支持部群が下段に配置され、前記第2支持部群が上段に配置される、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記基板載置部から前記処理ユニットに前記基板を搬送する2つの前記第2ハンドが上下方向に連続し、かつ前記処理ユニットから前記基板載置部に前記基板を搬送する2つの前記第2ハンドが上下方向に連続するように、4つの第2ハンドが上下方向に間隔を空けて配置されている、請求項4~6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
4つの前記第2ハンドのうち、下段において上下方向に連続する2つの前記第2ハンドが前記基板載置部から前記処理ユニットに前記基板を搬送し、上段において上下方向に連続する2つの前記第2ハンドが前記処理ユニットから前記基板載置部に前記基板を搬送する、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
1枚の基板をそれぞれ支持する10個の第1支持部を有する第1支持部群を備え、複数枚の前記基板が載置される基板載置部と、複数枚の基板を収容するキャリアと、前記基板を処理する複数個の処理ユニットとの間で前記基板を搬送する基板搬送方法であって、
1枚の基板をそれぞれ支持する5つの第1ハンドを有する第1搬送機構によって、前記キャリアから前記基板載置部に前記基板を搬送する第1工程と、
1枚の基板をそれぞれ支持する2つの第2ハンドを有する第2搬送機構によって、前記基板載置部から前記処理ユニットに前記基板を搬送する第2工程と、を含む、基板搬送方法。
【請求項10】
前記第2搬送機構は、前記2つの前記第2ハンドを含む、合計4つの前記第2ハンドを含み、
前記第2工程において、前記第2搬送機構は、4つの前記第2ハンドのうちの2つを用いて前記基板載置部から前記処理ユニットに前記基板を搬送し、
4つの前記第2ハンドのうち、残り2つを用いて、前記第2搬送機構により、前記処理ユニットから前記基板載置部に前記基板を搬送する第3工程と、
5つの前記第1ハンドを用いて前記第1搬送機構により、前記基板載置部から前記キャリアに前記基板を搬送する第4工程と、をさらに含む、請求項9に記載の基板搬送方法。
【請求項11】
前記基板載置部は、1枚の基板をそれぞれ支持する10個の第2支持部を有する第2支持部群をさらに備え、
前記第1工程において、前記第1搬送機構は、5つの前記第1ハンドで前記キャリアから前記第1支持部群に前記基板を搬送し、
前記第2工程において、前記第2搬送機構は、4つの前記第2ハンドのうちの2つを用いて前記第1支持部群から前記処理ユニットに前記基板を搬送し、
前記第3工程において、前記第2搬送機構は、4つの前記第2ハンドのうち、残り2つを用いて前記処理ユニットから前記第2支持部群に前記基板を搬送し、
前記第4工程において、前記第1搬送機構は、5つの前記第1ハンドで前記第2支持部群から前記キャリアに基板を搬送する、請求項10に記載の基板搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された基板処理システムは、第1処理ユニット、第2処理ユニット、主搬送装置、第1搬送装置、および、第2搬送装置を備える。
【0003】
主搬送装置は、ウェハを保持する複数(5つ)のウェハ保持部を備える。主搬送装置は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持部を用いてカセットと受渡ブロックとの間で複数枚のウェハを同時に搬送することができる。
【0004】
第1搬送装置は、1つのウェハ保持部を備える。そして、第1搬送装置は、ウェハ保持部を用いて、受渡ブロックからウェハを取り出して第1処理ユニットへ搬送する処理と、第1処理ユニットによって処理されたウェハを第1処理ユニットから取り出して受渡ブロックへ搬送する処理とを行う。従って、ウェハ保持部は、処理前のウェハと処理後のウェハとで共用される。
【0005】
第2搬送装置は、1つのウェハ保持部を備える。そして、第2搬送装置は、ウェハ保持部を用いて、受渡ブロックからウェハを取り出して第2処理ユニットへ搬送する処理と、第2処理ユニットによって処理されたウェハを第2処理ユニットから取り出して受渡ブロックへ搬送する処理とを行う。従って、ウェハ保持部は、処理前のウェハと処理後のウェハとで共用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一実施形態は、基板を支持する複数のハンドを有する搬送機構を備える基板処理装置、および複数のハンドを有する搬送機構による基板搬送方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一実施形態は、1枚の基板をそれぞれ支持する10個の第1支持部を有する第1支持部群を備え、複数枚の前記基板が載置される基板載置部と、前記基板を処理する複数個の処理ユニットと、1枚の基板をそれぞれ支持する5つの第1ハンドを有し、複数枚の前記基板を収容するキャリアから前記基板載置部に前記基板を搬送する第1搬送機構と、1枚の基板をそれぞれ支持する2つの第2ハンドを有し、前記基板載置部から前記複数個の処理ユニットに前記基板を搬送する第2搬送機構と、を備える、基板処理装置を提供する。
【0009】
一つの実施形態において、前記第1搬送機構は、25枚の基板を収容できる前記キャリアから前記基板を前記基板載置部に搬送する。
【0010】
一つの実施形態において、前記第1搬送機構は、5つの前記第1ハンドで前記基板載置部から前記キャリアに前記基板をさらに搬送する。また、前記第2搬送機構は、前記処理ユニットから前記基板載置部に前記基板をさらに搬送する。
【0011】
一つの実施形態において、前記第2搬送機構は、前記2つの前記第2ハンドを含む、合計4つの前記第2ハンドを有する。そして、前記第2搬送機構は、4つの前記第2ハンドのうちの2つを用いて前記基板載置部から前記処理ユニットに前記基板を搬送し、4つの前記第2ハンドのうち、残り2つを用いて前記処理ユニットから前記基板載置部に前記基板を搬送する。
【0012】
一つの実施形態において、前記基板載置部は、1枚の基板をそれぞれ支持する10個の第2支持部を有する第2支持部群をさらに備える。前記第1搬送機構は、5つの前記第1ハンドで前記キャリアから前記第1支持部群に基板を搬送し、5つの前記第1ハンドで前記第2支持部群から前記キャリアに基板を搬送する。前記第2搬送機構は、4つの前記第2ハンドのうちの2つを用いて前記第1支持部群から前記処理ユニットに前記基板を搬送し、4つの前記第2ハンドのうち、残り2つを用いて前記処理ユニットから前記第2支持部群に前記基板を搬送する。
【0013】
一つの実施形態においては、前記基板載置部において、前記第1支持部群が下段に配置され、前記第2支持部群が上段に配置される。
【0014】
一つの実施形態においては、前記基板載置部から前記処理ユニットに前記基板を搬送する2つの前記第2ハンドが上下方向に連続し、かつ前記処理ユニットから前記基板載置部に前記基板を搬送する2つの前記第2ハンドが上下方向に連続するように、4つの第2ハンドが上下方向に間隔を空けて配置されている。
【0015】
一つの実施形態において、4つの前記第2ハンドのうち、下段において上下方向に連続する2つの前記第2ハンドが前記基板載置部から前記処理ユニットに前記基板を搬送し、上段において上下方向に連続する2つの前記第2ハンドが前記処理ユニットから前記基板載置部に前記基板を搬送する。
【0016】
この発明の一実施形態は、1枚の基板をそれぞれ支持する10個の第1支持部を有する第1支持部群を備え、複数枚の前記基板が載置される基板載置部と、複数枚の基板を収容するキャリアと、前記基板を処理する複数個の処理ユニットとの間で前記基板を搬送する基板搬送方法を提供する。この方法は、1枚の基板をそれぞれ支持する5つの第1ハンドを有する第1搬送機構によって、前記キャリアから前記基板載置部に前記基板を搬送する第1工程と、1枚の基板をそれぞれ支持する2つの第2ハンドを有する第2搬送機構によって、前記基板載置部から前記処理ユニットに前記基板を搬送する第2工程と、を含む。
【0017】
一つの実施形態において、前記第2搬送機構は、前記2つの前記第2ハンドを含む、合計4つの前記第2ハンドを含む。前記第2工程において、前記第2搬送機構は、4つの前記第2ハンドのうちの2つを用いて前記基板載置部から前記処理ユニットに前記基板を搬送する。前記方法は、4つの前記第2ハンドのうち、残り2つを用いて、前記第2搬送機構により、前記処理ユニットから前記基板載置部に前記基板を搬送する第3工程と、5つの前記第1ハンドを用いて前記第1搬送機構により、前記基板載置部から前記キャリアに前記基板を搬送する第4工程と、をさらに含む。
【0018】
一つの実施形態において、前記基板載置部は、1枚の基板をそれぞれ支持する10個の第2支持部を有する第2支持部群をさらに備える。前記第1工程において、前記第1搬送機構は、5つの前記第1ハンドで前記キャリアから前記第1支持部群に前記基板を搬送する。前記第2工程において、前記第2搬送機構は、4つの前記第2ハンドのうちの2つを用いて前記第1支持部群から前記処理ユニットに前記基板を搬送する。前記第3工程において、前記第2搬送機構は、4つの前記第2ハンドのうち、残り2つを用いて前記処理ユニットから前記第2支持部群に前記基板を搬送する。前記第4工程において、前記第1搬送機構は、5つの前記第1ハンドで前記第2支持部群から前記キャリアに基板を搬送する。
【0019】
この明細書には、次のような特徴の基板処理装置も開示されている。
【0020】
一つの例において、基板処理装置は、基板載置部と、複数個の処理ユニットと、搬送機構とを備える。基板載置部には、複数枚の基板が載置される。複数個の処理ユニットの各々は、前記基板を処理する。搬送機構は、前記基板載置部と前記処理ユニットとの間で前記基板を搬送する。1搬送サイクルにおいて、前記搬送機構は、前記基板載置部から前記処理ユニットによる処理前のN(Nは2以上の整数)枚の前記基板を受け取って、前記N枚の基板を前記複数個の処理ユニットのうちのN個の処理ユニットに搬入するとともに、前記N個の処理ユニットによる処理後のN枚の前記基板を前記N個の処理ユニットから搬出して、前記N枚の基板を前記基板載置部に渡す。前記搬送機構は、複数個のハンドを備える。複数個のハンドの各々は、前記基板を支持する。前記複数個のハンドは、第1非共用ハンドと、第2非共用ハンドと、前記第1非共用ハンドと前記第2非共用ハンドとの間に配置されるM(Mは1以上の整数)個の共用ハンドとを含む。前記第1非共用ハンドと前記M個の共用ハンドと前記第2非共用ハンドとは、前記第1非共用ハンドから前記第2非共用ハンドまで上下方向に沿って連続して配置される。前記1搬送サイクルにおいて、前記M個の共用ハンドは、前記処理ユニットによる処理前の前記基板と処理後の前記基板とを異なるタイミングで支持する。前記1搬送サイクルにおいて、前記第1非共用ハンドは、前記処理ユニットによる処理前の前記基板のみを支持する。前記1搬送サイクルにおいて、前記第2非共用ハンドは、前記処理ユニットによる処理後の前記基板のみを支持する。前記搬送機構が前記基板載置部から前記N枚の基板を受け取った状態において、前記第2非共用ハンドは前記基板を支持しておらず、前記M個の共用ハンドおよび前記第1非共用ハンドは前記基板を支持している。
【0021】
一つの例においては、基板処理装置において、前記1搬送サイクルにおいて、前記M個の共用ハンドおよび前記第1非共用ハンドは、前記基板載置部から前記基板を受け取ることが好ましい。前記1搬送サイクルにおいて、前記第2非共用ハンドは、前記処理ユニットから処理後の前記基板を搬出することが好ましい。前記1搬送サイクルにおいて、前記M個の共用ハンドのうち前記第2非共用ハンドに隣接する共用ハンドは、前記第2非共用ハンドによって前記基板が搬出された前記処理ユニットに、処理前の前記基板を搬入することが好ましい。前記1搬送サイクルにおいて、前記第2非共用ハンドに隣接する前記共用ハンドは、前記共用ハンドによって処理前の前記基板が搬入された前記処理ユニットと異なる前記処理ユニットから、処理後の前記基板を搬出することが好ましい。
【0022】
一つの例においては、基板処理装置において、前記M個の共用ハンドと前記第1非共用ハンドと前記第2非共用ハンドとの合計個数は、N+1個、であることが好ましい。M=N-1であることが好ましい。
【0023】
一つの例においては、基板処理装置において、前記複数個のハンドの総数は、2N個であることが好ましい。
【0024】
一つの例においては、基板処理装置において、N=2、であることが好ましい。
【0025】
一つの例においては、基板処理装置において、前記搬送機構を制御する制御部をさらに備えることが好ましい。前記搬送機構は、前記制御部の制御を受けて、第1基板搬送モードおよび第2基板搬送モードのいずれかのモードで動作することが好ましい。前記第1基板搬送モードは、前記2N個のハンドのうち前記N+1個のハンドが、前記M個の共用ハンド、前記第1非共用ハンド、および、前記第2非共用ハンドとして使用されるモードであることが好ましい。前記第2基板搬送モードは、前記2N個のハンドのうち、N個のハンドが前記処理ユニットによる処理前の前記基板のみを支持するために使用されるとともに、他のN個のハンドが前記処理ユニットによる処理後の前記基板のみを支持するために使用されるモードであることが好ましい。
【0026】
一つの例においては、基板処理装置において、前記複数個のハンドの総数は、N+1個であることが好ましい。
【0027】
この明細書には、次のような特徴の基板搬送方法も開示されている。
【0028】
一つの例においては、基板搬送方法は、複数枚の基板が載置される基板載置部と前記基板を処理する複数個の処理ユニットとの間で前記基板を搬送する搬送機構によって実行される。基板搬送方法は、1搬送サイクルにおいて、前記基板載置部から前記処理ユニットによる処理前のN(Nは2以上の整数)枚の前記基板を受け取って、前記N枚の基板を前記複数個の処理ユニットのうちのN個の処理ユニットに搬入するとともに、前記N個の処理ユニットによる処理後のN枚の前記基板を前記N個の処理ユニットから搬出して、前記N枚の基板を前記基板載置部に渡す工程を含む。前記搬送機構は、各々が前記基板を支持する複数個のハンドを備える。前記複数個のハンドは、第1非共用ハンドと、第2非共用ハンドと、前記第1非共用ハンドと前記第2非共用ハンドとの間に配置されるM(Mは1以上の整数)個の共用ハンドとを含む。前記第1非共用ハンドと前記M個の共用ハンドと前記第2非共用ハンドとは、前記第1非共用ハンドから前記第2非共用ハンドまで上下方向に沿って連続して配置される。前記N枚の基板を前記基板載置部に渡す前記工程では、前記1搬送サイクルにおいて、前記M個の共用ハンドは、前記処理ユニットによる処理前の前記基板と処理後の前記基板とを異なるタイミングで支持し、前記1搬送サイクルにおいて、前記第1非共用ハンドは、前記処理ユニットによる処理前の前記基板のみを支持し、前記1搬送サイクルにおいて、前記第2非共用ハンドは、前記処理ユニットによる処理後の前記基板のみを支持し、前記搬送機構が前記基板載置部から前記N枚の基板を受け取った状態において、前記第2非共用ハンドは前記基板を支持しておらず、前記M個の共用ハンドおよび前記第1非共用ハンドは前記基板を支持している。
【0029】
一つの例においては、基板搬送方法において、前記N枚の基板を前記基板載置部に渡す前記工程では、前記1搬送サイクルにおいて、前記M個の共用ハンドおよび前記第1非共用ハンドは、前記基板載置部から前記基板を受け取り、前記1搬送サイクルにおいて、前記第2非共用ハンドは、前記処理ユニットから処理後の前記基板を搬出し、前記1搬送サイクルにおいて、前記M個の共用ハンドのうち前記第2非共用ハンドに隣接する共用ハンドは、前記第2非共用ハンドによって前記基板が搬出された前記処理ユニットに、処理前の前記基板を搬入し、前記1搬送サイクルにおいて、前記第2非共用ハンドに隣接する前記共用ハンドは、前記共用ハンドによって処理前の前記基板が搬入された前記処理ユニットと異なる前記処理ユニットから、処理後の前記基板を搬出することが好ましい。
【0030】
一つの例においては、基板搬送方法において、前記M個の共用ハンドと前記第1非共用ハンドと前記第2非共用ハンドとの合計個数は、N+1個、であることが好ましい。M=N-1であることが好ましい。
【0031】
一つの例においては、基板搬送方法において、前記複数個のハンドの総数は、2N個であることが好ましい。
【0032】
一つの例においては、基板搬送方法において、N=2、であることが好ましい。
【0033】
一つの例においては、基板搬送方法において、前記搬送機構は、第1基板搬送モードおよび第2基板搬送モードのいずれかのモードで動作することが好ましい。前記第1基板搬送モードは、前記2N個のハンドのうち前記N+1個のハンドが、前記M個の共用ハンド、前記第1非共用ハンド、および、前記第2非共用ハンドとして使用されるモードであることが好ましい。前記第2基板搬送モードは、前記2N個のハンドのうち、N個のハンドが前記処理ユニットによる処理前の前記基板のみを支持するために使用されるとともに、他のN個のハンドが前記処理ユニットによる処理後の前記基板のみを支持するために使用されるモードであることが好ましい。
【0034】
一つの例においては、基板搬送方法において、前記複数個のハンドの総数は、N+1個であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置の内部を示す平面図である。
【
図3】
図1のIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】本実施形態に係る基板処理装置を示す側面図である。
【
図5】本実施形態に係る処理ユニットの内部を示す側面図である。
【
図6】本実施形態に係る基板処理装置の第1搬送機構、基板載置部、および、第2搬送機構を示す側面図である。
【
図7】本実施形態に係る基板処理装置が実行する第1基板搬送方法の全体的な流れの一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る基板処理装置が実行する第1基板搬送方法の前段を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る基板処理装置が実行する第1基板搬送方法の後段を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係る基板処理装置が実行する第2基板搬送方法の全体的な流れの一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る基板処理装置が実行する第2基板搬送方法の前段を示すフローチャートである。
【
図12】本実施形態に係る基板処理装置が実行する第2基板搬送方法の後段を示すフローチャートである。
【
図13】本実施形態に係る基板処理装置が実行する第1基板搬送方法を一般化して説明するための図である。
【
図14】本実施形態に係る第2搬送機構が2N個の第2ハンドを備える場合において、第2ハンドの総数と、第1基板搬送方法で使用する第2ハンドの数と、第2基板搬送方法で使用する第2ハンドの数との関係を示す図である。
【
図15】本実施形態に係る第2搬送機構がN+1個の第2ハンドを備え、Nが奇数の場合において、第2ハンドの総数と、第1基板搬送方法で使用する第2ハンドの数と、第2基板搬送方法で使用する第2ハンドの数との関係を示す図である。
【
図16】本実施形態に係る第2搬送機構がN+1個の第2ハンドを備え、Nが偶数の場合において、第2ハンドの総数と、第1基板搬送方法で使用する第2ハンドの数と、第2基板搬送方法で使用する第2ハンドの数との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図面には、説明の便宜のため、三次元直交座標系(X、Y、Z)を適宜記載している。そして、図中、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。また、実施形態の説明において、第1方向DX、第2方向DY、および、第3方向DZを適宜使用する。第1方向DXと第2方向DYと第3方向DZとは互いに直交する。一例として、第1方向DXおよび第2方向DYは水平方向に略平行であり、第3方向DZは鉛直方向に略平行である。説明の便宜上、第3方向DZを「上下方向DZ」と記載する場合がある。
【0037】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る基板処理装置100を説明する。
図1は、本実施形態に係る基板処理装置100の内部を示す平面図である。なお、本実施形態では、図面および説明を簡略にするために、吸気系および排気系を省略する。
【0038】
図1に示す基板処理装置100は基板Wを処理する。基板Wは、例えば、半導体ウェハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、または、太陽電池用基板である。
【0039】
基板処理装置100は、インデクサー部1と処理部20とを備える。処理部20はインデクサー部1に隣接して配置される。インデクサー部1は、処理部20に基板Wを供給する。処理部20は、基板Wを処理する。インデクサー部1は、処理部20から基板Wを回収する。
【0040】
インデクサー部1は、複数のキャリア載置部3(例えば、4つのキャリア載置部3)を備える。複数のキャリア載置部3は第1方向DXに沿って配置される。複数のキャリア載置部3には、それぞれ、複数のキャリアCが載置される。複数のキャリアCの各々は、複数枚の基板Wを収容する。本実施形態では、一例として、複数のキャリアCの各々が25枚の基板Wを収容する。キャリアCは、例えば、FOUP(front opening unified pod)である。
【0041】
インデクサー部1は、第1搬送室5を備える。第1搬送室5は、複数のキャリア載置部3と処理部20との間に位置している。
【0042】
インデクサー部1は、少なくとも1つの第1搬送機構7を備える。本実施形態では、一例として、インデクサー部1は1つの第1搬送機構7を備える。第1搬送機構7は、第1搬送室5に配置される。第1搬送機構7は、基板Wを搬送する。具体的には、第1搬送機構7は、各キャリアCと処理部20との間で基板Wを搬送する。
【0043】
第1搬送機構7は、複数の第1ハンド9と、第1ハンド駆動部11を備える。なお、
図1には、1つの第1ハンド9だけを示し、他の第1ハンド9の記載は簡単のため省略する。各第1ハンド9は、1枚の基板Wを支持する。本実施形態では、各第1ハンド9は、1枚の基板Wを水平姿勢で支持する。第1ハンド駆動部11は、各第1ハンド9に連結される。第1ハンド駆動部11は、各第1ハンド9を移動する。第1ハンド駆動部11は、複数の電動モーターを備えている。
【0044】
次に、
図1および
図2を参照して、各第1ハンド9および第1ハンド駆動部11を説明する。
図2は、
図1のII-II線に沿った断面図である。
【0045】
図2に示すように、複数の第1ハンド9は、上下方向DZに沿って配置される。本実施形態では、一例として、第1搬送機構7は5つの第1ハンド9を備える。実際には、後述するように、複数の第1ハンド9は、上下方向DZに間隔をあけて配置される。第1ハンド駆動部11は、複数の第1ハンド9の上下方向DZの間隔を維持しつつ、複数の第1ハンド9を移動する。各第1ハンド9は、キャリアCから未処理の基板Wを受け取って、未処理の基板Wを処理部20に搬送する(第1工程)。また、各第1ハンド9は、処理部20によって処理された処理後の基板Wを処理部20から受け取って、キャリアCに搬送する(第4工程)。
【0046】
図1および
図2に示すように、第1ハンド駆動部11は、レール11aと、水平移動部11bと、垂直移動部11cと、旋回部11dと、旋回軸11eと、進退部11fとを備える。
【0047】
レール11aは、第1搬送室5の底部に配置される。レール11aは、第1方向DXに沿って延びる。水平移動部11bはレール11aに支持される。水平移動部11bは、レール11aに沿って第1方向DXに移動する。垂直移動部11cは水平移動部11bに支持される。垂直移動部11cは、水平移動部11bに対して上下方向DZに移動する。
【0048】
旋回部11dは、垂直移動部11cに支持される。旋回部11dは垂直移動部11cに対して旋回する。旋回部11dは、旋回軸11eが駆動されることによって、旋回軸線A1回りに旋回する。旋回軸線A1は、上下方向DZに沿って延びる仮想線である。
【0049】
進退部11fは、旋回部11dの向きによって定まる水平な一方向に往復移動する。進退部11fは、各第1ハンド9に接続される。そして、進退部11fは、各第1ハンド9を個別に、旋回部11dの向きによって定まる水平な一方向に往復移動する。進退部11fは、各第1ハンド9に接続される。
【0050】
以上、
図1および
図2を参照して説明したように、第1搬送機構7が第1ハンド駆動部11を備える。従って、各第1ハンド9は、上下方向DZに沿って平行移動可能である。この場合、第1ハンド駆動部11は、複数個の第1ハンド9の全体を上下方向DZに沿って移動させる。また、各第1ハンド9は、旋回軸線A1回りに旋回可能である。この場合、第1ハンド駆動部11は、例えば、複数個の第1ハンド9の全体を旋回させる。そして、各第1ハンド9は、水平な任意の方向に平行移動可能である。
【0051】
次に、
図1~
図4を参照して、処理部20を説明する。
図3は、
図1のIII-III線に沿った断面図である。
図4は、基板処理装置100を示す側面図である。
【0052】
図1、
図3、および、
図4に示すように、処理部20は、複数個の処理ユニット21を備える。複数個の処理ユニット21の各々は、1枚ずつ基板Wを処理する。例えば、各処理ユニット21は処理液(例えば、薬液)によって基板Wを処理する。本実施形態では、一例として、処理部20は、24個の処理ユニット21を備える。
【0053】
具体的には、処理部20は複数個の処理タワーTWを有する。一例として、各処理タワーTWは、上下方向DZに沿って配置されるK個の処理ユニット21によって構成される。本実施形態では、Kは2以上の整数である。各処理タワーTWにおいて、K/2個の処理ユニット21は下段LWに配置され、K/2個の処理ユニット21は上段UPに配置される。
【0054】
本実施形態では、一例として、K=6であり、6個の処理ユニット21によって、1つの処理タワーTWが構成される。そして、処理部20は、4つの処理タワーTWを有する。4つの処理タワーTWを、それぞれ、処理タワーTW1、TW2、TW3、TW4と記載する場合がある。
【0055】
処理タワーTW1、TW2は、第2方向DYに沿って配置される。処理タワーTW3、TW4は、第2方向DYに沿って配置される。処理タワーTW1、TW2と、処理タワーTW3、TW4とは、第2搬送室31を挟んで第1方向DXに対向する。
【0056】
また、
図1および
図2に示すように、処理部20は、複数の基板載置部29をさらに備える。本実施形態では、一例として、処理部20は、2つの基板載置部29を備える。各基板載置部29には、複数枚の基板Wが載置されることが可能である。本実施形態では、一例として、各基板載置部29には、20枚の基板Wが載置されることが可能である。各基板載置部29は、第1搬送室5に隣接する。
【0057】
以下、2つの基板載置部29のうち、下段LWに位置する基板載置部29を「基板載置部29L」と記載し、上段UPに位置する基板載置部29を「基板載置部29U」と記載する場合がある。
【0058】
基板載置部29Lは、下段LWの第2搬送室31に配置される。基板載置部29Uは、上段UPの第2搬送室31に配置される。基板載置部29Lと基板載置部29Uとは、上下方向DZに沿って、一直線上に配置される。
【0059】
また、
図2に示すように、処理部20は、複数の第2搬送機構23と、複数の第2搬送室31とをさらに備える。本実施形態では、一例として、処理部20は、2つの第2搬送機構23と、2つの第2搬送室31とを備える。第2搬送機構23は、「搬送機構」の一例に相当する。
【0060】
2つの第2搬送室31は、上下方向DZに沿って配置される。各第2搬送室31は、第2方向DYに沿って延びる。各第2搬送室31は第1搬送室5に繋がる。
【0061】
各第2搬送機構23は基板Wを搬送する。具体的には、第2搬送機構23は、基板載置部29と処理ユニット21との間で基板Wを搬送する。以下、2つの第2搬送機構23のうち、下段LWに位置する第2搬送機構23を「第2搬送機構23L」と記載し、上段UPに位置する第2搬送機構23を「第2搬送機構23U」と記載する場合がある。
【0062】
第2搬送機構23Lは、下段LWの第2搬送室31に配置される。第2搬送機構23Uは、上段UPの第2搬送室31に配置される。
【0063】
図1~
図3に示すように、各第2搬送機構23は、複数の第2ハンド25と第2ハンド駆動部17を備える。本実施形態では、一例として、各第2搬送機構23は、4つの第2ハンド25を備える。第2ハンド25は、「ハンド」の一例に相当する。
【0064】
各第2ハンド25は、1枚の基板Wを支持する。本実施形態では、各第2ハンド25は、1枚の基板Wを水平姿勢で支持する。第2ハンド駆動部17は、各第2ハンド25に連結される。第2ハンド駆動部17は、各第2ハンド25を移動する。第2ハンド駆動部17は、複数の電動モーターを備えている。
【0065】
具体的には、各第2搬送機構23において、複数の第2ハンド25は、上下方向DZに沿って配置される。実際には、後述するように、各第2搬送機構23において、複数の第2ハンド25は、上下方向DZに間隔をあけて配置される。そして、第2ハンド駆動部17は、複数の第2ハンド25の上下方向DZの間隔を維持しつつ、複数の第2ハンド25を移動する。例えば、第2ハンド25は、基板載置部29から未処理の基板Wを受け取って、未処理の基板Wを処理ユニット21に搬送する。例えば、第2ハンド25は、処理ユニット21によって処理された処理後の基板Wを処理ユニット21から受け取って、基板載置部29に渡す。
【0066】
第2ハンド駆動部17は、2つの支柱27aと、垂直移動部27bと、水平移動部27cと、旋回部27dと、旋回軸27eと、進退部27fとを備える。
【0067】
2つの支柱27aは、第2搬送室31に配置される。具体的には、2つの支柱27aは、第2搬送室31の内側面に配置される。2つの支柱27aは、第2方向DYに間隔をあけて配置される。各支柱27aは、上下方向DZに沿って延びる。垂直移動部27bは、2つの支柱27aに支持される。垂直移動部27bは、2つの支柱27aにわたって第2方向DYに沿って延びる。垂直移動部27bは、2つの支柱27aに沿って上下方向DZに移動する。水平移動部27cは、垂直移動部27bに支持される。水平移動部27cは、垂直移動部27bに沿って、2つの支柱27aの間を第2方向DYに移動する。
【0068】
旋回部27dは、水平移動部27cに支持される。旋回部27dは、水平移動部27cに対して旋回する。旋回部27dは、旋回軸27eが駆動されることによって、旋回軸線A2回りに旋回する。旋回軸線A2は、上下方向DZに沿って延びる仮想線である。
【0069】
進退部27fは、旋回部27dに対して移動する。進退部27fは、旋回部27dの向きによって定まる水平な一方向に往復移動する。進退部27fは、各第2ハンド25に接続される。
【0070】
以上、
図1~
図3を参照して説明したように、各第2搬送機構23が第2ハンド駆動部17を備える。従って、各第2ハンド25は、上下方向DZに沿って平行移動可能である。この場合、第2ハンド駆動部17は、複数個の第2ハンド25の全体を上下方向DZに沿って移動させる。また、各第2ハンド25は、旋回軸線A2回りに旋回可能である。この場合、第2ハンド駆動部17は、例えば、複数個の第2ハンド25の全体を旋回させる。そして、各第2ハンド25は、水平な任意の方向に平行移動可能である。
【0071】
ここで、
図1に示すように、基板処理装置100は、制御部200をさらに備える。制御部200は、基板処理装置100の各構成を制御する。具体的には、制御部200は、第1搬送機構7、第2搬送機構23、および、処理ユニット21を制御する。
【0072】
制御部200は、例えば、コンピューターである。具体的には、制御部200は、プロセッサーと、記憶装置とを備える。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。記憶装置は、データおよびコンピュータープログラムを記憶する。記憶装置は、例えば、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、および/または、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶装置は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶装置は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。
【0073】
具体的には、制御部200のプロセッサーは、記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することで、第1搬送機構7、第2搬送機構23、および、処理ユニット21を制御する。
【0074】
引き続き
図1および
図2を参照して、第1搬送機構7および第2搬送機構23が基板Wを搬送する際の全体的な流れを説明する。
【0075】
第1搬送機構7の第1ハンド9は、キャリアCから、未処理の複数枚の基板Wを受け取って、未処理の複数枚の基板Wを基板載置部29Lまたは基板載置部29Uに渡す。その結果、未処理の複数枚の基板Wが基板載置部29Lまたは基板載置部29Uに載置される。本実施形態では、「未処理の基板」は、処理ユニット21による未処理の基板W、つまり、処理ユニット21によって処理されていない基板Wを示す。
【0076】
第2搬送機構23Lの第2ハンド25は、基板載置部29Lから未処理の複数枚の基板Wを受け取って、下段LWの各処理ユニット21に未処理の基板Wを1枚ずつ搬入する。そして、下段LWの各処理ユニット21は、未処理の基板Wを処理する。
【0077】
また、第2搬送機構23Lの第2ハンド25は、下段LWの各処理ユニット21から、処理後の基板Wを搬出して、処理後の複数枚の基板Wを基板載置部29Lに渡す。その結果、処理後の複数枚の基板Wが基板載置部29Lに載置される。
【0078】
一方、第2搬送機構23Uの第2ハンド25は、基板載置部29Uから未処理の複数枚の基板Wを受け取って、上段UPの各処理ユニット21に未処理の基板Wを1枚ずつ搬入する。そして、上段UPの各処理ユニット21は、未処理の基板Wを処理する。
【0079】
また、第2搬送機構23Uの第2ハンド25は、上段UPの各処理ユニット21から、処理後の基板Wを搬出して、処理後の複数枚の基板Wを基板載置部29Uに渡す。その結果、処理後の複数枚の基板Wが基板載置部29Uに載置される。
【0080】
第1搬送機構7の第1ハンド9は、基板載置部29Lまたは基板載置部29Uから、処理後の複数枚の基板Wを受け取って、処理後の複数枚の基板WをキャリアCに渡す。その結果、キャリアCには、処理後の複数枚の基板Wが収容される。
【0081】
次に、
図5を参照して、処理ユニット21を説明する。
図5は、処理ユニット21の内部を示す側面図である。
図5に示すように、処理ユニット21は、処理筐体41と、基板保持部43と、回転駆動部45と、第1ノズル47と、第1ノズル移動部47aと、第2ノズル49と、第2ノズル移動部49aと、第3ノズル51と、第3ノズル移動部51aと、第4ノズル53と、第4ノズル移動部53aと、カップ55とを備える。また、基板処理装置100は、第1処理液供給配管473と、第2処理液供給配管493と、第3処理液供給配管513と、リンス液供給配管533とをさらに備える。
【0082】
処理筐体41は箱形状を有する。処理筐体41は、基板保持部43、回転駆動部45、第1ノズル47、第1ノズル移動部47a、第2ノズル49、第2ノズル移動部49a、第3ノズル51、第3ノズル移動部51a、第4ノズル53、第4ノズル移動部53a、および、カップ55を収容する。また、処理筐体41は、第1処理液供給配管473の一部、第2処理液供給配管493の一部、第3処理液供給配管513の一部、および、リンス液供給配管533の一部を収容する。第2搬送機構23によって処理ユニット21に搬入された基板Wは、処理筐体41の内部に収容される。
【0083】
基板保持部43は、基板Wを水平に保持する。基板保持部43は、例えばバキューム式のスピンチャックである。なお、基板保持部43が基板Wを保持する方式は、バキューム式に限定されない。基板保持部43が基板Wを保持する方式は、例えば、挟持式、またはベルヌーイ式であってもよい。
【0084】
回転駆動部45は、回転軸線A3を中心として基板保持部43を回転させる。その結果、回転軸線A3を中心として基板Wと基板保持部43とが一体に回転する。回転軸線A3は、上下方向DZに沿って延びる仮想線である。回転駆動部45は、例えば、電動モーターを含む。
【0085】
第1ノズル47は、基板Wの上方から、基板Wに第1処理液を供給する。詳しくは、第1ノズル47は、回転中の基板Wに向けて第1処理液を吐出する。第1ノズル移動部47aは、第1ノズル47を処理位置と退避位置との間で移動させる。第1ノズル47は、処理位置に移動すると、平面視において基板Wと対向する。第1ノズル47は、退避位置に移動すると、平面視において基板Wと対向しない。詳しくは、第1ノズル47は、退避位置に移動すると、平面視において基板Wの周囲に退避する。
【0086】
具体的には、第1ノズル移動部47aは、第1ノズルアーム471と、第1ノズル駆動部472とを有する。第1ノズルアーム471は略水平方向に沿って延びる。第1ノズルアーム471の先端部に第1ノズル47が配置される。第1ノズル駆動部472は、上下方向DZに沿って延びる回転軸線を中心に第1ノズルアーム471を略水平面に沿って旋回させる。その結果、上下方向DZに延びる回転軸線を中心とする周方向に沿って、第1ノズル47が周方向に移動する。第1ノズル駆動部472は、正逆回転可能な電動モーターを含む。
【0087】
第1処理液供給配管473は、第1ノズル47に第1処理液を供給する。第1処理液供給配管473は、第1処理液が流通する管状部材である。本実施形態では、第1処理液は、酸性液である。例えば、第1処理液は、フッ酸(フッ化水素酸)、硫酸と過酸化水素水との混合液(SPM)、硫酸、硫酸過酸化水素水、フッ硝酸(フッ酸と硝酸との混合液)、または塩酸である。
【0088】
第2ノズル49は、基板Wの上方から、基板Wに第2処理液を供給する。詳しくは、第2ノズル49は、回転中の基板Wに向けて第2処理液を吐出する。第2ノズル移動部49aは、第1ノズル移動部47aと同様にして、第2ノズル49を処理位置と退避位置との間で移動させる。具体的には、第2ノズル移動部49aは、第1ノズル移動部47aと同様に、第2ノズルアーム491と、第2ノズル駆動部492とを有する。第2ノズルアーム491および第2ノズル駆動部492の構成は、第1ノズルアーム471および第1ノズル駆動部472と同様であるため、説明を割愛する。
【0089】
第2処理液供給配管493は、第2ノズル49に第2処理液を供給する。第2処理液供給配管493は、第2処理液が流通する管状部材である。本実施形態では、第2処理液は、アルカリ液である。例えば、第2処理液は、アンモニア過酸化水素水(SC1)、アンモニア水、フッ化アンモニウム溶液、または、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)である。
【0090】
第3ノズル51は、基板Wの上方から、基板Wに第3処理液を供給する。詳しくは、第3ノズル51は、回転中の基板Wに向けて第3処理液を吐出する。第3ノズル移動部51aは、第1ノズル移動部47aと同様にして、第3ノズル51を処理位置と退避位置との間で移動させる。具体的には、第3ノズル移動部51aは、第1ノズル移動部47aと同様に、第3ノズルアーム511と、第3ノズル駆動部512とを有する。第3ノズルアーム511および第3ノズル駆動部512の構成は、第1ノズルアーム471および第1ノズル駆動部472と同様であるため、説明を割愛する。
【0091】
第3処理液供給配管513は、第3ノズル51に第3処理液を供給する。第3処理液供給配管513は、第3処理液が流通する管状部材である。本実施形態では、第3処理液は、有機溶剤である。例えば、第3処理液は、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、エタノール、ハイドロフルオロエーテル(HFE)、またはアセトンである。
【0092】
第4ノズル53は、基板Wの上方から、基板Wにリンス液を供給する。詳しくは、第4ノズル53は、回転中の基板Wに向けてリンス液を吐出する。第4ノズル移動部53aは、第1ノズル移動部47aと同様にして、第4ノズル53を処理位置と退避位置との間で移動させる。具体的には、第4ノズル移動部53aは、第1ノズル移動部47aと同様に、第4ノズルアーム531と、第4ノズル駆動部532とを有する。第4ノズルアーム531および第4ノズル駆動部532の構成は、第1ノズルアーム471および第1ノズル駆動部472と同様であるため、説明を割愛する。
【0093】
リンス液供給配管533は、第4ノズル53にリンス液を供給する。リンス液供給配管533は、リンス液が流通する管状部材である。例えば、リンス液は、純水、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、または、希釈された塩酸水である。
【0094】
カップ55は、基板保持部43の周囲に配置される。カップ55は、基板保持部43に保持される基板Wの側方を囲む。カップ55は、回転中の基板Wから飛散する第1処理液~第3処理液およびリンス液を受け止める。
【0095】
次に、
図6を参照して、第1搬送機構7、第2搬送機構23L、23U、および、基板載置部29L、29Uを説明する。
【0096】
図6は、第1搬送機構7、第2搬送機構23L、23U、および、基板載置部29L、29Uを示す側面図である。
【0097】
図6に示すように、第1搬送機構7は、P個の第1ハンド9を備える。本明細書において、特に明示しない限り、Pは、2以上の整数であり、第1ハンド9の総数を示す。好ましい例として、P個の第1ハンド9は、上下方向DZに沿って等間隔dで配置されている。
【0098】
各第1ハンド9は、処理前の基板Wまたは処理後の基板Wを支持する。各第1ハンド9は、一度に1枚の基板Wを支持する。
【0099】
本実施形態では、一例として、P=5であり、第1搬送機構7は、5個の第1ハンド9を備える。
【0100】
第2搬送機構23Lおよび第2搬送機構23Uの各々は、Q個の第2ハンド25を備える。本明細書において、特に明示しない限り、Qは、3以上の整数であり、第2搬送機構23Lおよび第2搬送機構23Uの各々における第2ハンド25の総数を示す。好ましい例として、Q個の第2ハンド25は、上下方向DZに沿って等間隔dで配置されている。つまり、上下方向DZに隣接する2個の第2ハンド25の上下方向DZの間隔は、間隔dである。各第2ハンド25は、一度に1枚の基板Wを支持する。
【0101】
例えば、Q個の第2ハンド25のうち、一部の第2ハンド25が、処理前の基板Wを支持する場合と、処理後の基板Wを支持する場合のいずれにも用いられてもよい。
【0102】
例えば、Q個の第2ハンド25のうち、一部の第2ハンド25が、処理前の基板Wのみを支持し、他の一部の第2ハンド25が、処理後の基板Wのみを支持してもよい。
【0103】
本実施形態では、一例として、Q=4であり、第2搬送機構23Lおよび第2搬送機構23Uの各々は、4個の第2ハンド25を備える。
【0104】
以下、第2搬送機構23Lおよび第2搬送機構23Uの各々において、4個の第2ハンド25を、下から上に向かって順番に、それぞれ、第2ハンドHA、第2ハンドHB、第2ハンドHC、および、第2ハンドHDと記載する。
【0105】
基板載置部29Lおよび基板載置部29Uの各々は、R個の支持部291を備える。本明細書において、特に明示しない限り、Rは、2以上の整数であり、基板載置部29Lおよび基板載置部29Uの各々における支持部291の総数を示す。Rは例えば2以上の偶数である。R個の支持部291は、上下方向DZに沿って間隔をあけて配置される。好ましい例として、R個の支持部291は、上下方向DZに沿って等間隔dで配置される。つまり、上下方向DZに隣接する2個の支持部291の上下方向DZの間隔は、間隔dである。各支持部291は、1枚の基板Wを支持する。具体的には、各支持部291は、1枚の基板Wを水平姿勢で支持する。
【0106】
好ましい例として、支持部291の間隔dと、第1ハンド9の間隔dと、第2ハンド25の間隔dとは略等しい。
【0107】
本実施形態では、一例として、基板載置部29Lおよび基板載置部29Uの各々において、下段291AのR/2個の支持部291は、処理前の基板Wを支持し、上段291BのR/2個の支持部291は、処理後の基板Wを支持する。
【0108】
また、本実施形態では、一例として、R=20であり、基板載置部29Lおよび基板載置部29Uの各々は、20個の支持部291を備える。よって、下段291AのR/2個の支持部291は、10個の第1支持部に相当し、これらは第1支持部群を構成している。また、上段291BのR/2個の支持部291は、10個の第2支持部に相当し、これらは第2支持部群を構成している。
【0109】
なお、第1ハンド9の間隔は、特に限定されず、例えば、等間隔でなくてもよいし、一部が等間隔であってもよい。また、第2ハンド25の間隔は、特に限定されず、例えば、等間隔でなくてもよいし、一部が等間隔であってもよい。さらに、支持部291の間隔は、特に限定されず、例えば、等間隔でなくてもよいし、一部が等間隔であってもよい。さらに、互いに隣接する支持部291の間隔と、互いに隣接する第1ハンド9の間隔と、互いに隣接する第2ハンド25の間隔とは、等しくなくてもよい。
【0110】
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る第1基板搬送方法の一例を説明する。
図7の説明では、特定の基板Wを指し示す必要のない場合は、単に「基板」と記載する。
【0111】
第1基板搬送方法は、基板載置部29と処理ユニット21との間で基板を搬送する第2搬送機構23によって実行される。第1基板搬送方法においては、M個の第2ハンド25を、処理前の基板と処理後の基板とで共用することで、複数枚の基板を搬送する。本明細書では、特に明示しない限り、Mは1以上の整数である。第1基板搬送方法は、「基板搬送方法」の一例に相当する。
【0112】
図7は、第1基板搬送方法の全体的な流れの一例を示す図である。
図7では、説明の簡単のため、下段LWに配置される基板載置部29L、下段LWに配置される第2搬送機構23L、および、下段LWに配置される複数の処理ユニット21のうちの処理ユニット21A、21Bに着目する。処理ユニット21Aと処理ユニット21Bとは、異なる位置に配置されている。また、基板載置部29Lの下段291Aに処理前の基板が載置され、基板載置部29Lの上段291Bに処理後の基板が載置される。
【0113】
また、第1基板搬送方法の説明において、第2ハンドHAを「第1非共用ハンドHA」と記載し、第2ハンドHBを「共用ハンドHB」と記載し、第2ハンドHCを「第2非共用ハンドHC」と記載する場合がある。
図7に示す例示的な第1基板搬送方法では、第2ハンドHDは使用されない。
【0114】
さらに、以下の説明において、搬送サイクルCYは、第2搬送機構23が基板載置部29から未処理の基板を受け取ってから、第2搬送機構23が未処理の基板を処理ユニット21に搬入するとともに、第2搬送機構23が処理ユニット21から処理後の基板を搬出して、第2搬送機構23が処理後の基板を基板載置部29に載置するまでの動作を示す。
【0115】
図7に示すように、一例として、あるタイミングにおいて、基板載置部29Lの下段291Aには、上下方向DZに沿って10枚の未処理の基板W1~W10が載置されており、基板載置部29Lの上段291Bには基板は載置されていない。
【0116】
第1基板搬送方法では、1搬送サイクルCYにおいて、第2搬送機構23Lは、2個の処理ユニット21A、21Bに対して2枚の未処理の基板W1、W2を搬入して、2個の処理ユニット21A、21Bから2枚の処理後の基板WX1、WX2を搬出する。搬送サイクルCYは繰り返し実行される。
【0117】
具体的には、第1基板搬送方法では、1搬送サイクルCYにおいて、第2搬送機構23Lは、基板載置部29Lから処理ユニット21A、21Bによる処理前の2枚の基板W1、W2を受け取って、2枚の基板W1、W2を複数の処理ユニット21のうちの2個の処理ユニット21A、21Bに搬入するとともに、2個の処理ユニット21A、21Bによる処理後の2枚の基板WX1、WX2を2個の処理ユニット21A、21Bから搬出して、2枚の基板WX1、WX2を基板載置部29Lに渡す。
【0118】
さらに具体的には、4個の第2ハンドHA~HDは、第1非共用ハンドHAと、共用ハンドHBと、第2非共用ハンドHCとを含む。共用ハンドHBは、第1非共用ハンドHAと第2非共用ハンドHCとの間に配置される。共用ハンドHBは、第2非共用ハンドHCに対して第1特定方向SD1に隣接する。第1非共用ハンドHAは、共用ハンドHBに対して第1特定方向SD1に隣接する。
【0119】
第1特定方向SD1は、第2非共用ハンドHCから第1非共用ハンドHAに向かう方向を示す。一方、第2特定方向SD2は、第1特定方向SD1の反対方向であり、第1非共用ハンドHAから第2非共用ハンドHCに向かう方向を示す。第1特定方向SD1および第2特定方向SD2は、上下方向DZに略平行である。例えば、第1特定方向SD1は下方向を示し、第2特定方向SD2は上方向を示す。
【0120】
第1非共用ハンドHAと共用ハンドHBと第2非共用ハンドHCとは、第1非共用ハンドHAから第2非共用ハンドHCまで上下方向DZに沿って連続して配置される。
【0121】
そして、1搬送サイクルCYにおいて、第1非共用ハンドHAは、処理ユニット21Bによる処理前の基板W1のみを支持する。また、1搬送サイクルCYにおいて、共用ハンドHBは、処理ユニット21Aによる処理前の基板W2と処理ユニット21Bによる処理後の基板WX1とを異なるタイミングで支持する。さらに、1搬送サイクルCYにおいて、第2非共用ハンドHCは、処理ユニット21Aによる処理後の基板WX2のみを支持する。
【0122】
引き続き
図7を参照して、1搬送サイクルCYにおける第2搬送機構23Lの状態ST1~ST4を説明する。
【0123】
第2搬送機構23Lが基板載置部29Lから2枚の基板W1、W2を受け取った状態ST1において、第2非共用ハンドHCは基板Wを支持しておらず、共用ハンドHBおよび第1非共用ハンドHAは基板W1、W2を支持している。第1基板搬送方法では、第2ハンドHDは使用されない。
【0124】
状態ST1の次の状態ST2は、基板を支持していない第2非共用ハンドHCによって処理ユニット21Aから処理後の基板WX2が搬出され、共用ハンドHBによって同じ処理ユニット21Aに処理前の基板W2が搬入されたときの第2搬送機構23Lの状態を示す。
【0125】
状態ST2の次の状態ST3は、状態ST2で基板を支持していない共用ハンドHBによって処理ユニット21Bから処理後の基板WX1が搬出され、第1非共用ハンドHAによって同じ処理ユニット21Bに処理前の基板W1が搬入されたときの第2搬送機構23Lの状態を示す。
【0126】
状態ST3の次の状態ST4は、共用ハンドHBによって処理後の基板WX1が支持され、第2非共用ハンドHCによって処理後の基板WX2が支持され、第1非共用ハンドHAによって基板が支持されていないときの第2搬送機構23Lの状態を示す。
【0127】
以上、
図7を参照して説明したように、本実施形態によれば、基板処理装置100の第2搬送機構23Lは、上下方向DZに連続して配置される第1非共用ハンドHAと共用ハンドHBと第2非共用ハンドHCとを備える。従って、処理ユニット21A、21Bに対する基板W1、W2、WX1、WX2の搬出および搬入を実行する際に、処理前の基板と処理後の基板とでハンドを共用しない場合と比較して、第1非共用ハンドHA~第2非共用ハンドHC(具体的には第2ハンドHA~HD)の上下方向DZの移動距離を短くできる。その結果、第2搬送機構23Lによる基板W1、W2、WX1、WX2の搬送動作のスループットを向上できる。この点の詳細は、
図8、
図9、
図11、および、
図12を参照して、具体例を挙げながら説明する。
【0128】
次に、
図8および
図9を参照して、第1基板搬送方法の一例を詳細に説明する。以下の説明において、第1非共用ハンドHAと共用ハンドHBと第2非共用ハンドHCと第2ハンドHDとの全体を示す場合は、冗長を回避するために、第2ハンドHA~HDと記載する場合がある。また、特定の基板Wを指し示す必要のない場合は、単に「基板」と記載する。
【0129】
図8および
図9は、第1基板搬送方法の一例を示すフローチャートである。
図8および
図9に示すように、第1基板搬送方法は、1搬送サイクルCYにおいて、工程S1~工程S12を含む。第1基板搬送方法では、第2ハンドHDは使用されない。工程S1~工程S12では、制御部200の制御を受けた第2ハンド駆動部17によって、第2ハンドHA~HDが移動される。
【0130】
図8に示すように、工程S1において、第1非共用ハンドHAが処理前の基板W1を支持し、共用ハンドHBが処理前の基板W2を支持している。一方、第2非共用ハンドHCは基板を支持していない。第2非共用ハンドHCは、処理ユニット21Aの搬送口41aに対向する。そして、第2非共用ハンドHCは、処理ユニット21Aの内部に位置する処理後の基板WX2に向かって移動を開始する。
【0131】
なお、工程S1の第2ハンドHA~HDの状態は、
図7に示す状態ST1の第2ハンドHA~HDが処理ユニット21Aの位置まで移動した状態を示している。また、基板WX2の処理中では、搬送口41aは遮蔽部材(不図示)によって閉塞されている。
【0132】
次に、工程S2において、第2非共用ハンドHCは、搬送口41aを通って処理ユニット21Aから処理後の基板WX2を搬出する。
【0133】
次に、工程S3において、第2非共用ハンドHCは、移動前の位置に戻る。そして、第2ハンドHA~HDは、第2特定方向SD2に移動を開始する。
【0134】
次に、工程S4において、第2ハンドHA~HDは、距離dだけ第2特定方向SD2に移動して停止する。距離dは、第2非共用ハンドHCと共用ハンドHBとの上下方向DZの間隔dに略等しい(
図6)。その結果、共用ハンドHBは、処理ユニット21Aの搬送口41aに対向する。そして、共用ハンドHBは、処理ユニット21Aの内部に向かって移動を開始する。
【0135】
次に、工程S5において、共用ハンドHBは、搬送口41aを通って、処理ユニット21Aに処理前の基板W2を搬入する。
【0136】
次に、工程S6において、共用ハンドHBは、移動前の位置に戻る。そして、第2ハンドHA~HDは、次の処理ユニット21B(
図9)に向かって移動を開始する。
【0137】
次に、
図9に示すように、工程S7において、第1非共用ハンドHAが処理前の基板W1を支持し、第2非共用ハンドHCが処理後の基板WX2を支持している。一方、共用ハンドHBは基板を支持していない。共用ハンドHBは、処理ユニット21Bの搬送口41aに対向する。そして、共用ハンドHBは、処理ユニット21Bの内部に位置する処理後の基板WX1に向かって移動を開始する。
【0138】
なお、工程S7の第2ハンドHA~HDの状態は、
図8に示す工程S6の状態の第2ハンドHA~HDが処理ユニット21Bの位置まで移動した状態を示している。また、基板WX1の処理中では、搬送口41aは遮蔽部材(不図示)によって閉塞されている。
【0139】
次に、工程S8において、共用ハンドHBは、搬送口41aを通って処理ユニット21Bから処理後の基板WX1を搬出する。
【0140】
次に、工程S9において、共用ハンドHBは、移動前の位置に戻る。そして、第2ハンドHA~HDは、第2特定方向SD2に移動を開始する。
【0141】
次に、工程S10において、第2ハンドHA~HDは、距離dだけ第2特定方向SD2に移動して停止する。距離dは、共用ハンドHBと第1非共用ハンドHAとの上下方向DZの間隔dに略等しい(
図6)。その結果、第1非共用ハンドHAは、処理ユニット21Bの搬送口41aに対向する。そして、第1非共用ハンドHAは、処理ユニット21Bの内部に向かって移動を開始する。
【0142】
次に、工程S11において、第1非共用ハンドHAは、搬送口41aを通って、処理ユニット21Bに処理前の基板W1を搬入する。
【0143】
次に、工程S12において、第1非共用ハンドHAは、移動前の位置に戻る。そして、第2ハンドHA~HDは、基板載置部29L(
図7)に向かって移動を開始する。そして、共用ハンドHBおよび第2非共用ハンドHCはそれぞれ基板WX1、WX2を基板載置部29Lに渡す。
【0144】
以上、
図8および
図9に示すように、1搬送サイクルCYにおいて、工程S1~工程S12が実行される。その結果、1搬送サイクルCYにおいて、2個の処理ユニット21A、21Bに対して2枚の未処理の基板W1、W2を搬入して、2個の処理ユニット21A、21Bから2枚の処理後の基板WX1、WX2を搬出できる。
【0145】
特に、本実施形態では、共用ハンドHBが、処理ユニット21Aへの処理前の基板W2の搬入と、処理ユニット21Bからの処理後の基板WX1の搬出とで共用される。従って、第1特定方向SD1に向かって順番に、第2非共用ハンドHCから第1非共用ハンドHAまでを、基板WX2、WX1の搬出と基板W1、W2の搬入とに使用できる。
【0146】
その結果、処理ユニット21Aから処理後の基板WX2の搬出を完了してから、同じ処理ユニット21Aへ処理前の基板W2を搬入するためには、共用ハンドHBは、第2特定方向SD2に距離d(第2非共用ハンドHCと共用ハンドHBとの間隔d)だけ移動すれば足りる。同様に、処理ユニット21Bから処理後の基板WX1の搬出を完了してから、同じ処理ユニット21Bへ処理前の基板W1を搬入するためには、第1非共用ハンドHAは、第2特定方向SD2に距離d(共用ハンドHBと第1非共用ハンドHAとの間隔d)だけ移動すれば足りる。よって、処理前の基板と処理後の基板とでハンドを共用しない場合と比較して、第2搬送機構23Lによる基板W1、W2、WX1、WX2の搬送動作のスループットを向上できる。この点の詳細は、
図11および
図12に示す第2基板搬送方法と比較しながら後述する。
【0147】
また、本実施形態において、第1基板搬送方法では、搬送サイクルCY(工程S1~工程S12)が、処理ユニット21を変えながら繰り返し実行される。
【0148】
なお、第2搬送機構23U(
図6)は、第2搬送機構23Lと同様に、第1基板搬送方法を実行する。
【0149】
次に、
図10を参照して、本実施形態に係る第2基板搬送方法の一例を説明する。第2基板搬送方法は、基板載置部29と処理ユニット21との間で基板Wを搬送する第2搬送機構23によって実行される。第2基板搬送方法においては、Q個の第2ハンド25のうち、上下方向DZに連続する一部の第2ハンド25が処理前の基板Wのみを支持し、上下方向DZに連続する他の一部の第2ハンド25が処理後の基板Wのみを支持することで、複数枚の基板Wを搬送する。従って、第2基板搬送方法では、処理後の基板Wと処理前の基板Wとで第2ハンド25を共用しない。
【0150】
図10は、第2基板搬送方法の全体的な流れの一例を示す図である。
図10では、
図7に示す場合と同様に、基板載置部29L、第2搬送機構23L、および、処理ユニット21A、21Bに着目する。また、基板載置部29Lの下段291Aに処理前の基板が載置され、基板載置部29Lの上段291Bに処理後の基板が載置される。さらに、第2基板搬送方法における搬送サイクルCYの定義は、第1基板搬送方法における搬送サイクルCYの定義と同じである。
【0151】
図10に示すように、一例として、あるタイミングにおいて、基板載置部29Lの下段291Aには、上下方向DZに沿って10枚の未処理の基板W1~W10が載置されており、基板載置部29Lの上段291Bには基板は載置されていない。
【0152】
第2基板搬送サイクルでは、第1基板搬送方法と同様に、1搬送サイクルCYにおいて、第2搬送機構23Lは、基板載置部29Lから処理ユニット21A、21Bによる処理前の2枚の基板W1、W2を受け取って、2枚の基板W1、W2を複数個の処理ユニット21のうちの2個の処理ユニット21A、21Bに搬入するとともに(第2工程)、2個の処理ユニット21A、21Bによる処理後の2枚の基板WX1、WX2を2個の処理ユニット21A、21Bから搬出して、2枚の基板WX1、WX2を基板載置部29Lに渡す(第3工程)。搬送サイクルCYは繰り返し実行される。
【0153】
具体的には、第2基板搬送方法では、1搬送サイクルCYにおいて、4個の第2ハンドHA~HDのうち、下段において上下方向DZに連続する第2ハンドHA、HBが、未処理の基板W1、W2のみを支持する。また、上段において上下方向DZに連続する第2ハンドHC、HDが、処理後の基板WX1、WX2のみを支持する。
【0154】
引き続き
図10を参照して、1搬送サイクルCYにおける第2搬送機構23Lの状態ST11~ST14を説明する。
【0155】
第2搬送機構23Lが基板載置部29Lから2枚の基板W1、W2を受け取った状態ST11において、第2ハンドHA、HBはそれぞれ基板W1、W2を支持しており、第2ハンドHC、HDは基板を支持していない。
【0156】
状態ST11の次の状態ST12は、第2ハンドHDによって処理ユニット21Aから処理後の基板WX2が搬出され、第2ハンドHBによって同じ処理ユニット21Aに処理前の基板W2が搬入されたときの第2搬送機構23Lの状態を示す。
【0157】
状態ST12の次の状態ST13は、第2ハンドHCによって処理ユニット21Bから処理後の基板WX1が搬出され、第2ハンドHAによって同じ処理ユニット21Bに処理前の基板W1が搬入されたときの第2搬送機構23Lの状態を示す。
【0158】
状態ST13の次の状態ST14は、第2ハンドHC、HDによって処理後の基板WX1、WX2が支持され、第2ハンドHA、HBによって基板が支持されていないときの第2搬送機構23Lの状態を示す。
【0159】
以上、
図10を参照して説明したように、本実施形態によれば、基板処理装置100の第2搬送機構23Lは、処理前の基板W1、W2を支持するための専用の第2ハンドHA、HBと、処理後の基板WX1、WX2を支持するための専用の第2ハンドHC、HDとを備える。従って、処理ユニット21による処理液が処理後の基板WX1、WX2を介して第2ハンドHA、HBに付着することを抑制できる。ひいては、第2ハンドHA、HBに新たに支持される処理前の基板に処理液が付着することを抑制できる。
【0160】
次に、
図11および
図12を参照して、第2基板搬送方法の一例を詳細に説明する。以下の説明において、特定の基板Wを指し示す必要のない場合は、単に「基板」と記載する。
【0161】
図11および
図12は、第2基板搬送方法の一例を示すフローチャートである。
図11および
図12に示すように、第2基板搬送方法は、1搬送サイクルCYにおいて、工程S21~工程S32を含む。工程S21~工程S32では、制御部200の制御を受けた第2ハンド駆動部17によって、第2ハンドHA~HDが移動される。
【0162】
図11に示すように、工程S21において、第2ハンドHA、HBがそれぞれ処理前の基板W1、W2を支持している。一方、第2ハンドHC、HDは基板を支持していない。第2ハンドHDは、処理ユニット21Aの搬送口41aに対向する。そして、第2ハンドHDは、処理ユニット21Aの内部に位置する処理後の基板WX2に向かって移動を開始する。
【0163】
なお、工程S21の第2ハンドHA~HDの状態は、
図10に示す状態ST11の第2ハンドHA~HDが処理ユニット21Aの位置まで移動した状態を示している。
【0164】
次に、工程S22において、第2ハンドHDは、搬送口41aを通って処理ユニット21Aから処理後の基板WX2を搬出する。
【0165】
次に、工程S23において、第2ハンドHDは、移動前の位置に戻る。そして、第2ハンドHA~HDは、第2特定方向SD2に移動を開始する。
【0166】
次に、工程S24において、第2ハンドHA~HDは、距離2d(=2×d)だけ第2特定方向SD2に移動して停止する。距離2dは、第2ハンドHDと第2ハンドHBとの上下方向DZの間隔2dに略等しい(
図6)。その結果、第2ハンドHBは、処理ユニット21Aの搬送口41aに対向する。そして、第2ハンドHBは、処理ユニット21Aの内部に向かって移動を開始する。
【0167】
次に、工程S25において、第2ハンドHBは、搬送口41aを通って、処理ユニット21Aに処理前の基板W2を搬入する。
【0168】
次に、工程S26において、第2ハンドHBは、移動前の位置に戻る。そして、第2ハンドHA~HDは、次の処理ユニット21B(
図12)に向かって移動を開始する。
【0169】
次に、
図12に示すように、工程S27において、第2ハンドHAが処理前の基板W1を支持し、第2ハンドHBは基板を支持していない。一方、第2ハンドHCが基板を支持しておらず、第2ハンドHDが処理後の基板WX2を支持している。第2ハンドHCは、処理ユニット21Bの搬送口41aに対向する。そして、第2ハンドHCは、処理ユニット21Bの内部に位置する処理後の基板WX1に向かって移動を開始する。
【0170】
なお、工程S27の第2ハンドHA~HDの状態は、
図11に示す工程S26の状態の第2ハンドHA~HDが処理ユニット21Bの位置まで移動した状態を示している。
【0171】
次に、工程S28において、第2ハンドHCは、搬送口41aを通って処理ユニット21Bから処理後の基板WX1を搬出する。
【0172】
次に、工程S29において、第2ハンドHCは、移動前の位置に戻る。そして、第2ハンドHA~HDは、第2特定方向SD2に移動を開始する。
【0173】
次に、工程S30において、第2ハンドHA~HDは、距離2d(=2×d)だけ第2特定方向SD2に移動して停止する。距離2dは、第2ハンドHCと第2ハンドHAとの上下方向DZの間隔dに略等しい(
図6)。その結果、第2ハンドHAは、処理ユニット21Bの搬送口41aに対向する。そして、第2ハンドHAは、処理ユニット21Bの内部に向かって移動を開始する。
【0174】
次に、工程S31において、第2ハンドHAは、搬送口41aを通って、処理ユニット21Bに処理前の基板W1を搬入する。
【0175】
次に、工程S32において、第2ハンドHAは、移動前の位置に戻る。そして、第2ハンドHA~HDは、基板載置部29L(
図10)に向かって移動を開始する。そして、第2ハンドHC、HDはそれぞれ基板WX1、WX2を基板載置部29Lに渡す。
【0176】
以上、
図11および
図12に示すように、1搬送サイクルCYにおいて、工程S21~工程S32が実行される。その結果、1搬送サイクルCYにおいて、第2ハンドHA、HBによって2個の処理ユニット21A、21Bに対して2枚の未処理の基板W1、W2を搬入して、第2ハンドHC、HDによって2個の処理ユニット21A、21Bから2枚の処理後の基板WX1、WX2を搬出できる。
【0177】
また、本実施形態において、第2基板搬送方法では、搬送サイクルCY(工程S21~工程S32)が、処理ユニット21を変えながら繰り返し実行される。
【0178】
なお、第2搬送機構23U(
図6)は、第2搬送機構23Lと同様に、第2基板搬送方法を実行する。
【0179】
ここで、
図8および
図11を参照して、第1基板搬送方法と第2基板搬送方法とを比較する。
図8の工程S3、S4に示すように、共用ハンドHBの上下方向DZの移動距離は「d」である。一方、
図11の工程S23、S24に示すように、第2ハンドHBの移動距離は「2d」である。従って、第1基板搬送方法における共用ハンドHBの移動距離dは、第2基板搬送方法における第2ハンドHBの移動距離2dよりも小さい。同様に、
図9の工程S9、S10および
図12の工程S29、S30に示すように、第1基板搬送方法における第1非共用ハンドHAの移動距離dは、第2基板搬送方法における第2ハンドHAの移動距離2dよりも小さい。
【0180】
その結果、第1基板搬送方法では、第2基板搬送方法と比較して、第2搬送機構23による基板W1、W2、WX1、WX2の搬送動作のスループットを向上できる。つまり、第1基板搬送方法では、処理前の基板と処理後の基板とでハンドを共用しない場合と比較して、第2搬送機構23による基板W1、W2、WX1、WX2の搬送動作のスループットを向上できる。
【0181】
例えば、第1基板搬送方法では、第2基板搬送方法と比較して、1つの処理ユニット21に対して、第2ハンドHA~HDの上下方向DZの移動距離が「d」だけ短い。そして、搬送サイクルCYは繰り返し実行されるため、1つの処理ユニット21に対して移動距離が「d」だけ短くなることは、第2搬送機構23による基板の搬送動作のスループットの向上に効果的である。
【0182】
以上、
図7~
図12を参照して、第1基板搬送方法および第2基板搬送方法を説明した。例えば、第2搬送機構23が第1基板搬送方法および第2基板搬送方法のいずれかを実行するように設定されて、基板処理装置100は、メーカーからユーザーに引き渡される。つまり、基板処理装置100に対して、第1基板搬送方法および第2基板搬送方法のうちのいずれか1つが実装される。
【0183】
ただし、基板処理装置100に対して、第1基板搬送方法および第2基板搬送方法の双方が実装されていて、第1基板搬送方法および第2基板搬送方法を選択して実行してもよい。この場合、ユーザーは、状況に応じて所望の基板搬送方法を選択できる。その結果、ユーザーの利便性を向上できる。
【0184】
以上、
図7~
図9を参照して例示的に説明した第1基板搬送方法では、3個の第2ハンド25を使用した。ただし、第1基板搬送方法は、3個の第2ハンド25を使用する場合に限定されず、
図13に示すように一般化できる。また、以下の説明では、1搬送サイクルCYにおいて基板Wの搬入および搬出が実行される処理ユニット21の数を「N」と記載する。本明細書において、特に明示しない限り、Nは2以上の整数である。N個の処理ユニット21に着目する。また、理解の容易のために、複数個(Q個)の第2ハンド25のうち、第1基板搬送方法で使用するN+1個の第2ハンド25に着目する。
【0185】
図13は、第1基板搬送方法を一般化して説明するための図である。
図13では、複数の第2搬送機構23のうちの1つの第2搬送機構23が示される。
図13に示すように、第1基板搬送方法では、1搬送サイクルCYにおいて、第2搬送機構23は、基板載置部29から処理ユニット21による処理前のN枚の基板Wを受け取って、N枚の基板Wを複数個の処理ユニット21のうちのN個の処理ユニット21_1~21_Nに搬入するとともに、N個の処理ユニット21_1~21_Nによる処理後のN枚の基板WをN個の処理ユニット21_1~21_Nから搬出して、N枚の処理後の基板Wを基板載置部29に渡す。
【0186】
なお、N個の処理ユニット21_1~21_Nは、基板処理装置100が備える複数個の処理ユニット21のうち、一部の処理ユニット21であってもよいし(処理ユニット21の総数>N)、全部の処理ユニット21であってもよい(処理ユニット21の総数=N)。
【0187】
複数個の第2ハンド25は、第1非共用ハンドH_Fと、M個の共用ハンドH_1~H_Mと、第2非共用ハンドH_Sとを含む。Mは1以上の整数である。M個の共用ハンドH_1~H_Mは、第1非共用ハンドH_Fと第2非共用ハンドH_Sとの間に配置される。
【0188】
第1非共用ハンドH_FとM個の共用ハンドH_1~H_Mと第2非共用ハンドH_Sとの合計個数は、N+1個である。また、M=N-1である。つまり、第2搬送機構23は、N-1個の共用ハンドH_1~H_Mを備える。
【0189】
なお、N+1個の第2ハンド25(第1非共用ハンドH_F、共用ハンドH_1~H_M、および、第2非共用ハンドH_S)は、第2搬送機構23が備える複数個(Q個)の第2ハンド25のうち、一部の第2ハンド25であってもよいし、全部の第2ハンド25であってもよい。
【0190】
第1非共用ハンドH_FとM個の共用ハンドH_1~H_Mと第2非共用ハンドH_Sとは、第1非共用ハンドH_Fから第2非共用ハンドH_Sまで上下方向DZに沿って連続して配置される。
【0191】
そして、第2搬送機構23が基板載置部29から、処理前のN枚の基板Wを受け取った状態において、第2非共用ハンドH_Sは基板Wを支持しておらず、M個の共用ハンドH_1~H_Mおよび第1非共用ハンドH_Fは基板Wを支持している。つまり、M個の共用ハンドH_1~H_Mおよび第1非共用ハンドH_Fが、N枚の基板Wを支持している。
【0192】
1搬送サイクルCYにおいて、M個の共用ハンドH_1~H_Mは、処理ユニット21による処理前の基板Wと処理後の基板Wとを異なるタイミングで支持する。
【0193】
1搬送サイクルCYにおいて、第1非共用ハンドH_Fは、処理ユニット21による処理前の基板Wのみを支持する。
【0194】
1搬送サイクルCYにおいて、第2非共用ハンドH_Sは、処理ユニット21による処理後の基板Wのみを支持する。
【0195】
引き続き
図13を参照して、第1基板搬送方法における第2搬送機構23の動作を詳細に説明する。
【0196】
1搬送サイクルCYにおいて、M個の共用ハンドH_1~H_Mおよび第1非共用ハンドH_Fの各々は、基板載置部29から処理前の基板Wを受け取る。
【0197】
1搬送サイクルCYにおいて、第2非共用ハンドH_Sは、処理ユニット21_1の搬送口41aに対向する位置まで移動して、処理ユニット21_1から処理後の基板Wを搬出する。
【0198】
1搬送サイクルCYにおいて、N+1個の第2ハンド25が第2特定方向SD2に距離dだけ移動することで、M個の共用ハンドH_1~H_Mのうち第2非共用ハンドH_Sに隣接する共用ハンドH_Mが、処理ユニット21_1の搬送口41aに対向する位置まで移動する。距離dは、上下方向DZに隣接する第2ハンド25の間隔を示す。そして、共用ハンドH_Mは、第2非共用ハンドH_Sによって基板Wが搬出された処理ユニット21_1に、処理前の基板Wを搬入する。処理ユニット21_1は基板Wを処理する。
【0199】
1搬送サイクルCYにおいて、N+1個の第2ハンド25が移動することで、第2非共用ハンドH_Sに隣接する共用ハンドH_Mは、共用ハンドH_Mによって処理前の基板Wが搬入された処理ユニット21_1と異なる処理ユニット21_2の搬送口41aに対向する位置まで移動する。そして、共用ハンドH_Mは、処理ユニット21_2から、処理後の基板Wを搬出する。
【0200】
1搬送サイクルCYにおいて、N+1個の第2ハンド25が第2特定方向SD2に距離dだけ移動することで、M個の共用ハンドH_1~H_Mのうち共用ハンドH_Mに隣接する共用ハンドH_M-1は、処理ユニット21_2の搬送口41aに対向する位置まで移動する。共用ハンドH_M-1は、共用ハンドH_Mに対して第1特定方向SD1に隣接している。そして、共用ハンドH_M-1は、共用ハンドH_Mによって基板Wが搬出された処理ユニット21_2に、処理前の基板Wを搬入する。処理ユニット21_2は基板Wを処理する。
【0201】
1搬送サイクルCYにおいて、N+1個の第2ハンド25が移動することで、共用ハンドH_Mに隣接する共用ハンドH_M-1は、共用ハンドH_M-1によって処理前の基板Wが搬入された処理ユニット21_2と異なる処理ユニット21_3の搬送口41aに対向する位置まで移動する。そして、共用ハンドH_M-1は、処理ユニット21_3から、処理後の基板Wを搬出する。
【0202】
1搬送サイクルCYにおいて、N+1個の第2ハンド25が第2特定方向SD2に距離dだけ移動することで、共用ハンドH_M-1に隣接する共用ハンドH_M-2は、処理ユニット21_3の搬送口41aに対向する位置まで移動する。共用ハンドH_M-2は、共用ハンドH_M-1に対して第1特定方向SD1に隣接している。そして、共用ハンドH_M-2は、共用ハンドH_M-1によって基板Wが搬出された処理ユニット21_3に、処理前の基板Wを搬入する。処理ユニット21_3は基板Wを処理する。
【0203】
1搬送サイクルCYにおいて、N+1個の第2ハンド25が移動することで、共用ハンドH_M-1に隣接する共用ハンドH_M-2は、共用ハンドH_M-2によって処理前の基板Wが搬入された処理ユニット21_3と異なる処理ユニット21_4の搬送口41aに対向する位置まで移動する。そして、共用ハンドH_M-2は、処理ユニット21_4から、処理後の基板Wを搬出する。
【0204】
以降、同様に、1搬送サイクルCYにおいて、共用ハンドH_M-3~H_2によって、処理ユニット21_4~21_N-1に対して、基板Wの搬入および搬出を行う。処理ユニット21_4~21_N-1は基板Wを処理する。
【0205】
そして、1搬送サイクルCYにおいて、N+1個の第2ハンド25が移動することで、共用ハンドH_2に隣接する共用ハンドH_1、つまり、第1非共用ハンドH_Fに隣接する共用ハンドH_1は、共用ハンドH_2によって基板Wが搬出された処理ユニット21_N-1と異なる処理ユニット21_Nの搬送口41aに対向する位置まで移動する。共用ハンドH_1は、共用ハンドH_2に対して第1特定方向SD1に隣接している。そして、共用ハンドH_1は、処理ユニット21_Nから、処理後の基板Wを搬出する。
【0206】
つまり、1搬送サイクルCYにおいて、共用ハンドH_1は、N個目の処理ユニット21_Nから、処理後の基板Wを搬出する。
【0207】
そして、1搬送サイクルCYにおいて、N+1個の第2ハンド25が第2特定方向SD2に距離dだけ移動することで、第1非共用ハンドH_Fは、処理ユニット21_Nの搬送口41aに対向する位置まで移動する。そして、第1非共用ハンドH_Fは、第1非共用ハンドH_Fに隣接する共用ハンドH_1によって基板Wが搬出された処理ユニット21_Nに、処理前の基板Wを搬入する。処理ユニット21_Nは基板Wを処理する。
【0208】
つまり、1搬送サイクルCYにおいて、第1非共用ハンドH_Fは、N個目の処理ユニット21_Nに、処理前の基板Wを搬入する。
【0209】
そして、M個の共用ハンドH_1~H_Mおよび第2非共用ハンドH_Sは、基板載置部29に処理後のN枚の基板Wを渡す。
【0210】
以上、
図13を参照して説明したように、本実施形態では、共用ハンドH_1~H_Mが、処理ユニット21_1~処理ユニット21_N-1への処理前の基板Wの搬入と、処理ユニット21_2~処理ユニット21_Nからの処理後の基板Wの搬出とで共用される。従って、第1特定方向SD1に向かって順番に、第2非共用ハンドH_Sから第1非共用ハンドH_Fまでを、基板Wの搬出と基板Wの搬入とに使用できる。
【0211】
その結果、処理ユニット21から処理後の基板Wの搬出を完了してから、同じ処理ユニット21へ処理前の基板Wを搬入するためには、共用ハンドH_1~H_Mおよび第1非共用ハンドH_Fは、第2特定方向SD2に距離d(第2ハンド25の間隔d)だけ移動すれば足りる。よって、処理前の基板Wと処理後の基板Wとでハンドを共用しない場合(例えば、第2基板搬送方法)と比較して、第2搬送機構23Lによる基板Wの搬送動作のスループットを向上できる。
【0212】
次に、第1基板搬送方法を一般化した場合において、
図14~
図16を参照して、第2ハンド25の総数Qと、第1基板搬送方法で使用する第2ハンド25の数と、第2基板搬送方法で使用する第2ハンド25の数との関係を説明する。
図14~
図16では、複数の第2搬送機構23のうちの1つの第2搬送機構23が示される。また、1搬送サイクルCYにおいて基板Wの搬入および搬出が実行される処理ユニット21の数を「N」と記載する。
【0213】
図14は、第2搬送機構23が2N個の第2ハンド25を備える場合において、第2ハンド25の総数Qと、第1基板搬送方法で使用する第2ハンド25の数と、第2基板搬送方法で使用する第2ハンド25の数との関係を示す図である。
【0214】
図14に示すように、Q=2×N=2Nである。従って、第2搬送機構23が備える複数個の第2ハンド25の総数Qは、2N個である。つまり、第2搬送機構23は、2N個の第2ハンド25を備える。この例では、Nは2以上の整数である。
【0215】
そして、第1基板搬送方法が基板処理装置100に実装される場合は、2N個の第2ハンド25は、第1非共用ハンドH_Fと、M個の共用ハンドH_1~H_Mと、第2非共用ハンドH_Sとを含む。Mは1以上の整数である。
【0216】
第1非共用ハンドH_FとM個の共用ハンドH_1~H_Mと第2非共用ハンドH_Sとの合計個数は、N+1個である。また、M=N-1である。つまり、第2搬送機構23は、N-1個の共用ハンドH_1~H_Mを備える。なお、第1基板搬送方法では、Q個(=2N個)の第2ハンド25のうち、N-1個の第2ハンド25は使用されない。
【0217】
一方、第2基板搬送方法が基板処理装置100に実装される場合は、例えば、2N個の第2ハンド25のうち、上下方向DZに連続するN個の第2ハンド25(例えば、下段の第2ハンド25)が、処理前の基板Wを支持し、上下方向DZに連続する他のN個の第2ハンド25(例えば、上段の第2ハンド25)が、処理後の基板Wを支持する。
【0218】
以上、
図14を参照して説明したように、本実施形態によれば、第2ハンド25の総数Qを2N個とすることで、基板処理装置100に第2基板搬送方法を実装する際に、全ての第2ハンド25を使用できる。その結果、第2基板搬送方法において、基板Wを搬送する際のスループットを向上できる。また、第2搬送機構23が2N個の第2ハンド25を予め備えることで、基板処理装置100に第1基板搬送方法を実装する際に、新たな第2ハンド25を追加しなくても、既存のN+1個の第2ハンド25を使用できる。
【0219】
例えば、N=2である場合は、第1非共用ハンドH_Fと、1個の共用ハンドH_1と、第2非共用ハンドH_Sとで、第1基板搬送方法を実行できる。つまり、最小構成の第2ハンド25で、第1基板搬送方法を実行できる。従って、第2搬送機構23のコストを低減できる。
【0220】
ここで、例えば、基板処理装置100に対して、
図14を参照して説明した第1基板搬送方法および第2基板搬送方法のうちのいずれか1つが実装される。
【0221】
ただし、基板処理装置100に対して、第1基板搬送方法および第2基板搬送方法の双方が実装されていてもよい。
【0222】
具体的には、第2搬送機構23は、制御部200の制御を受けて、第1基板搬送モードMD1および第2基板搬送モードMD2のいずれかのモードで動作してもよい。
【0223】
第1基板搬送モードMD1は、第2搬送機構23が第1基板搬送方法を実行するモードである。具体的には、第1基板搬送モードMD1は、2N個の第2ハンド25のうちN+1個の第2ハンド25が、第1非共用ハンドH_F、M個の共用ハンドH_1~H_M、および、第2非共用ハンドH_Sとして使用されるモードである。
【0224】
第2基板搬送モードMD2は、第2搬送機構23が第2基板搬送方法を実行するモードである。具体的には、第2基板搬送モードMD2は、2N個の第2ハンド25のうち、N個の第2ハンド25が処理ユニット21による処理前の基板Wのみを支持するために使用されるとともに、他のN個の第2ハンド25が処理ユニット21による処理後の基板Wのみを支持するために使用されるモードである。
【0225】
ユーザーは、制御部200を操作することで、第2搬送機構23に対して、第1基板搬送モードMD1で動作させることもできるし、第2基板搬送モードMD2で動作させることもできる。従って、ユーザーの利便性を向上できる。また、基板処理装置100のメーカーにおいても、制御部200を操作することで、第1基板搬送モードMD1および第2基板搬送モードMD2のいずれかに設定して出荷できる。従って、メーカーの利便性を向上できる。
【0226】
図15は、第2搬送機構23がN+1個の第2ハンド25を備え、Nが奇数の場合において、第2ハンド25の総数Qと、第1基板搬送方法で使用する第2ハンド25の数と、第2基板搬送方法で使用する第2ハンド25の数との関係を示す図である。
【0227】
図15に示すように、Q=N+1である。従って、第2搬送機構23において、複数個の第2ハンド25の総数Qは、N+1個である。つまり、第2搬送機構23は、N+1個の第2ハンド25を備える。この例では、Nは、3以上の奇数である。
【0228】
そして、第1基板搬送方法が基板処理装置100に実装される場合は、N+1個の第2ハンド25は、第1非共用ハンドH_Fと、M個の共用ハンドH_1~H_Mと、第2非共用ハンドH_Sとを含む。Mは1以上の整数である。
【0229】
第1非共用ハンドH_FとM個の共用ハンドH_1~H_Mと第2非共用ハンドH_Sとの合計個数は、N+1個である。また、M=N-1である。つまり、第2搬送機構23は、N-1個の共用ハンドH_1~H_Mを備える。特に、第1基板搬送方法では、Q個(=N+1個)の第2ハンド25のうち、全ての第2ハンド25が使用される。つまり、本実施形態によれば、第1基板搬送方法を実行する際の第2ハンド25の数が最適化されており、余分な第2ハンド25が存在しない。従って、第2搬送機構23のコストを低減できる。
【0230】
一方、第2基板搬送方法が基板処理装置100に実装される場合は、例えば、N+1個の第2ハンド25のうち、上下方向DZに沿って連続する(N+1)/2個の第2ハンド25(例えば、下段の第2ハンド25)が、処理前の基板Wを支持し、上下方向DZに沿って連続する他の(N+1)/2個の第2ハンド25(例えば、上段の第2ハンド25)が、処理後の基板Wを支持する。
【0231】
ここで、例えば、基板処理装置100に対して、
図15を参照して説明した第1基板搬送方法および第2基板搬送方法のうちのいずれか1つが実装される。
【0232】
ただし、
図14で説明した場合と同様に、第2搬送機構23は、制御部200の制御を受けて、第1基板搬送モードMD10および第2基板搬送モードMD20のいずれかのモードで動作してもよい。
【0233】
第1基板搬送モードMD10は、第2搬送機構23が第1基板搬送方法を実行するモードである。具体的には、第1基板搬送モードMD10は、Q個(=N+1個)の第2ハンド25の全てが、第1非共用ハンドH_F、M個の共用ハンドH_1~H_M、および、第2非共用ハンドH_Sとして使用されるモードである。
【0234】
第2基板搬送モードMD20は、第2搬送機構23が第2基板搬送方法を実行するモードである。具体的には、第2基板搬送モードMD20は、Q個(=N+1個)の第2ハンド25のうち、上下方向DZに連続する(N+1)/2個の第2ハンド25が処理ユニット21による処理前の基板Wのみを支持するために使用されるとともに、上下方向DZに連続する他の(N+1)/2個の第2ハンド25が処理ユニット21による処理後の基板Wのみを支持するために使用されるモードである。
【0235】
第1基板搬送モードMD10および第2基板搬送モードMD20の双方が実装される場合は、第1基板搬送モードMD1および第2基板搬送モードMD2の双方が実装される場合と同様に、ユーザーおよびメーカーの利便性を向上できる。
【0236】
図16は、第2搬送機構23がN+1個の第2ハンド25を備え、Nが偶数の場合において、第2ハンド25の総数Qと、第1基板搬送方法で使用する第2ハンド25の数と、第2基板搬送方法で使用する第2ハンド25の数との関係を示す図である。
【0237】
図16に示すように、Q=N+1である。従って、第2搬送機構23において、複数個の第2ハンド25の総数Qは、N+1個である。つまり、第2搬送機構23は、N+1個の第2ハンド25を備える。この例では、Nは、2以上の偶数である。
【0238】
そして、第1基板搬送方法が基板処理装置100に実装される場合、Nが偶数であるときの第1非共用ハンドH_FとM個の共用ハンドH_1~H_Mと第2非共用ハンドH_Sとは、
図15を参照して説明したNが奇数であるときの第1非共用ハンドH_FとM個の共用ハンドH_1~H_Mと第2非共用ハンドH_Sと同じである。
【0239】
一方、第2基板搬送方法が基板処理装置100に実装される場合は、例えば、N+1個の第2ハンド25のうち、上下方向DZに連続するN/2個の第2ハンド25(例えば、下段の第2ハンド25)が、処理前の基板Wを支持し、上下方向DZに連続する他のN/2個の第2ハンド25が、処理後の基板Wを支持する。そして、最上段の第2ハンド25または最下段の第2ハンド25は使用されない。
【0240】
ここで、例えば、基板処理装置100に対して、
図16を参照して説明した第1基板搬送方法および第2基板搬送方法のうちのいずれか1つが実装される。
【0241】
ただし、
図14で説明した場合と同様に、第2搬送機構23は、制御部200の制御を受けて、第1基板搬送モードMD100および第2基板搬送モードMD200のいずれかのモードで動作してもよい。
【0242】
第1基板搬送モードMD100は、
図15を参照して説明した第1基板搬送モードMD10と同様である。
【0243】
第2基板搬送モードMD200は、Q個(=N+1個)の第2ハンド25のうち、上下方向DZに連続するN/2個の第2ハンド25が処理ユニット21による処理前の基板Wのみを支持するために使用されるとともに、上下方向DZに連続する他のN/2個の第2ハンド25が処理ユニット21による処理後の基板Wのみを支持するために使用されるモードである。
【0244】
第1基板搬送モードMD100および第2基板搬送モードMD200の双方が実装される場合は、第1基板搬送モードMD1および第2基板搬送モードMD2の双方が実装される場合と同様に、ユーザーおよびメーカーの利便性を向上できる。
【0245】
以上、図面(
図1~
図16)を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる(例えば、下記(1)~(4))。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0246】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0247】
(1)
図13を参照して説明した第1基板搬送方法において、第2搬送機構23は、第1非共用ハンドH_Fに対して第1特定方向SD1に連続する1個または複数個の第2ハンド25を備えていてもよいし、第2非共用ハンドH_Sに対して第2特定方向SD2に連続する1個または複数個の第2ハンド25を備えていてもよい。この点は、
図7~
図9を参照して説明した第2搬送機構23についても同様である。
【0248】
(2)
図13では、第1基板搬送方法において、N+1個の第2ハンド25のうち、最下段の第2ハンド25が第1非共用ハンドH_Fに設定され、最上段の第2ハンド25が第2非共用ハンドH_Sに設定された(第1態様)。ただし、N+1個の第2ハンド25のうち、最下段の第2ハンド25が第2非共用ハンドH_Sに設定され、最上段の第2ハンド25が第1非共用ハンドH_Fに設定されてもよい(第2態様)。
【0249】
この場合は、第1特定方向SD1および第2特定方向SD2は、
図13の場合と逆になる。つまり、第1特定方向SD1が上方向を示し、第2特定方向SD2が下方向を示す。また、この場合は、
図13において、共用ハンド25の参照符号は、上から順番に、「H_1~H_M」になり、処理ユニット21の参照符号は、下から順番に、「21_1~21_N」となる。
【0250】
また、搬送サイクルCYを繰り返し実行する場合に、第1態様と第2態様とを混在させて、第1基板搬送方法を実行してもよい。
【0251】
なお、
図7~
図9を参照して説明した第2搬送機構23についても、第1基板搬送方法において、第2態様を採用してもよい。例えば、第2ハンドHCを第1非共用ハンドに設定し、第2ハンドHAを第2非共用ハンドに設定してもよい。また、
図7~
図9を参照して説明した第2搬送機構23において、第2ハンドHAを使用せずに、第2ハンドHB~第2ハンドHCを使用して、第1基板搬送方法を実行してもよい。
【0252】
(3)
図1に示す制御部200は、1搬送サイクルCYにおいて基板Wの搬出および搬入を行う処理ユニット21を、予め定められたスケジュールに従って決定してもよいし、イベントドリブン方式によって決定してもよい。イベントドリブン方式とは、基板Wの搬出および搬入を行う処理ユニット21を決定する時点で、複数個の処理ユニット21のうちから最適な処理ユニット21を決定する方式のことである。
【0253】
(4)
図1~
図3に示す第1ハンド駆動部11の構成は、第1ハンド9を駆動できる限りは、特に限定されない。例えば、5個の第1ハンド9の全ての旋回軸が共通であってもよい。例えば、旋回軸線が一致する限りは、5個の第1ハンド9のうち、上下方向DZに連続する4個の第1ハンド9の旋回軸が共通であり、他の1個の第1ハンド9の旋回軸が別であってもよい。同様に、第2ハンド駆動部17の構成は、第2ハンド25を駆動できる限りは、特に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0254】
本発明は、基板処理装置および基板搬送方法に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0255】
7…第1搬送機構
9…第1ハンド
21、21A、21B、21_1~21_N…処理ユニット
23、23L、23U…第2搬送機構(搬送機構)
25、HA~HD、H_F、H_S、H_1~H-M …第2ハンド(ハンド、第1非共用ハンド、第2非共用ハンド、共用ハンド)
29、29L、29U…基板載置部
100…基板処理装置
200…制御部