(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174194
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】退去時請求管理装置、退去時請求管理方法、および、退去時請求管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20241206BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024173370
(22)【出願日】2024-10-02
(62)【分割の表示】P 2020168695の分割
【原出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】益田 俊亮
(72)【発明者】
【氏名】福田 志穂
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
(57)【要約】
【課題】賃貸物件の賃借人から解約の申し入れがある前の時点において、退去時に発生する請求内容を事前に契約に登録しておくことで、退去時の精算処理において事前登録済みの退去時に発生する請求内容を呼び出すことが可能となり、精算時の請求漏れを防止することができる退去時請求管理装置、退去時請求管理方法、および、退去時請求管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】解約登録前の所定時点において、賃貸物件に対して事前に確定している退去時の請求についての退去時請求確定データを契約データに登録し、解約登録時に、退去時請求確定データを含む契約データに基づいて、賃借人への退去時請求データを作成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた退去時請求管理装置であって、
前記記憶部は、
月額賃貸料金および敷金額を設定した賃貸物件の契約賃料データを含む前記賃貸物件の契約データを記憶する賃貸物件記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
解約登録前の所定時点において、前記賃貸物件に対して事前に確定している退去時の請求についての、退去時請求費目に対する退去時請求額を設定した退去時請求確定データを前記契約データに登録する請求確定登録手段と、
解約登録時に、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、解約月の前記月額賃貸料金および前記退去時請求額、ならびに、前記敷金額に対応するマイナス請求額である相殺額を設定した、賃借人への退去時請求データを作成する退去時請求作成手段と、
を備えたことを特徴とする退去時請求管理装置。
【請求項2】
前記解約登録前の所定時点は、
契約締結時であることを特徴とする請求項1に記載の退去時請求管理装置。
【請求項3】
前記請求確定登録手段は、
前記契約締結時において、契約入力画面に前記退去時請求費目に対する前記退去時請求額が入力された場合、前記退去時請求額を設定した前記退去時請求確定データを前記契約データに登録することを特徴とする請求項2に記載の退去時請求管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、契約書データを作成する契約書作成手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の退去時請求管理装置。
【請求項5】
前記退去時請求作成手段は、
更に、前記解約登録時に、解約登録画面に解約日付、および、原状回復請求費目に対する原状回復請求額が入力された場合、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、前記解約月の月額賃貸料金、前記退去時請求額および前記原状回復請求額を設定した前記退去時請求データを作成することを特徴とする請求項1に記載の退去時請求管理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、
前記原状回復請求費目を設定した請求費目マスタを記憶する請求費目記憶手段、
を更に備え、
前記退去時請求作成手段は、
更に、前記請求費目マスタに基づいて、解約日入力領域、および、前記原状回復請求費目の金額入力領域を含む前記解約登録画面を表示させることを特徴とする請求項5に記載の退去時請求管理装置。
【請求項7】
前記退去時請求作成手段は、
前記解約登録時に、解約登録画面に解約日付が入力された場合、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、前記解約月の前記月額賃貸料金および前記退去時請求額、ならびに、前記敷金額に対応する前記マイナス請求額である前記相殺額を設定した前記退去時請求データを作成することを特徴とする請求項1に記載の退去時請求管理装置。
【請求項8】
前記退去時請求作成手段は、
更に、前記退去時請求データに基づいて、退去時精算額を算出し、退去時精算額表示領域を含む前記解約登録画面を表示させることを特徴とする請求項5から7のいずれか一つに記載の退去時請求管理装置。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた退去時請求管理装置に実行させるための退去時請求管理方法であって、
前記記憶部は、
月額賃貸料金および敷金額を設定した賃貸物件の契約賃料データを含む前記賃貸物件の契約データを記憶する賃貸物件記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
解約登録前の所定時点において、前記賃貸物件に対して事前に確定している退去時の請求についての、退去時請求費目に対する退去時請求額を設定した退去時請求確定データを前記契約データに登録する請求確定登録ステップと、
解約登録時に、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、解約月の前記月額賃貸料金および前記退去時請求額、ならびに、前記敷金額に対応するマイナス請求額である相殺額を設定した、賃借人への退去時請求データを作成する退去時請求作成ステップと、
を含むことを特徴とする退去時請求管理方法。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた退去時請求管理装置に実行させるための退去時請求管理プログラムであって、
前記記憶部は、
月額賃貸料金および敷金額を設定した賃貸物件の契約賃料データを含む前記賃貸物件の契約データを記憶する賃貸物件記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
解約登録前の所定時点において、前記賃貸物件に対して事前に確定している退去時の請求についての、退去時請求費目に対する退去時請求額を設定した退去時請求確定データを前記契約データに登録する請求確定登録ステップと、
解約登録時に、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、解約月の前記月額賃貸料金および前記退去時請求額、ならびに、前記敷金額に対応するマイナス請求額である相殺額を設定した、賃借人への退去時請求データを作成する退去時請求作成ステップと、
を実行させるための退去時請求管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、退去時請求管理装置、退去時請求管理方法、および、退去時請求管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、社宅等の賃貸住宅の退去時における原状回復費の請求を契約時に予め設定する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、原状回復費とは異なる、清掃代や鍵交換代といった契約時点で退去時に請求する金額が決まっている費用について、契約期間が長くなった場合等に計上漏れが発生するケースがあるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、賃貸物件の賃借人から解約の申し入れがある前の時点において、退去時に発生する請求内容を事前に契約に登録しておくことで、退去時の精算処理において事前登録済みの退去時に発生する請求内容を呼び出すことが可能となり、精算時の請求漏れを防止することができる退去時請求管理装置、退去時請求管理方法、および、退去時請求管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る退去時請求管理装置は、記憶部と制御部とを備えた退去時請求管理装置であって、前記記憶部は、賃貸物件の契約データを記憶する賃貸物件記憶手段、を備え、前記制御部は、解約登録前の所定時点において、前記賃貸物件に対して事前に確定している退去時の請求についての退去時請求確定データを前記契約データに登録する請求確定登録手段と、解約登録時に、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、賃借人への退去時請求データを作成する退去時請求作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る退去時請求管理装置において、前記解約登録前の所定時点は、契約締結時であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る退去時請求管理装置において、前記請求確定登録手段は、前記契約締結時において、契約入力画面に退去時請求費目に対する退去時請求額が入力された場合、前記退去時請求額を設定した前記退去時請求確定データを前記契約データに登録することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る退去時請求管理装置において、前記制御部は、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、契約書データを作成する契約書作成手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る退去時請求管理装置において、前記契約データは、月額賃貸料金を設定した前記賃貸物件の契約賃料データを含み、前記退去時請求作成手段は、前記解約登録時に、解約登録画面に解約日付が入力された場合、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、解約月の前記月額賃貸料金および前記退去時請求額を設定した前記退去時請求データを作成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る退去時請求管理装置において、前記退去時請求作成手段は、前記解約登録時に、前記解約登録画面に前記解約日付、および、原状回復請求費目に対する原状回復請求額が入力された場合、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、前記解約月の月額賃貸料金、前記退去時請求額および前記原状回復請求額を設定した前記退去時請求データを作成することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る退去時請求管理装置において、前記記憶部は、前記原状回復請求費目を設定した請求費目マスタを記憶する請求費目記憶手段、を更に備え、前記退去時請求作成手段は、更に、前記請求費目マスタに基づいて、解約日入力領域、および、前記原状回復請求費目の金額入力領域を含む前記解約登録画面を表示させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る退去時請求管理装置において、前記契約賃料データは、更に、敷金額が設定され、前記退去時請求作成手段は、前記解約登録時に、前記解約登録画面に前記解約日付が入力された場合、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、前記解約月の月額賃貸料金および前記退去時請求額、ならびに、前記敷金額に対応するマイナス請求額である相殺額を設定した前記退去時請求データを作成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る退去時請求管理装置において、前記退去時請求作成手段は、更に、前記退去時請求データに基づいて、退去時精算額を算出し、退去時精算額表示領域を含む前記解約登録画面を表示させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る退去時請求管理方法は、記憶部と制御部とを備えた退去時請求管理装置に実行させるための退去時請求管理方法であって、前記記憶部は、賃貸物件の契約データを記憶する賃貸物件記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、解約登録前の所定時点において、前記賃貸物件に対して事前に確定している退去時の請求についての退去時請求確定データを前記契約データに登録する請求確定登録ステップと、解約登録時に、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、賃借人への退去時請求データを作成する退去時請求作成ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る退去時請求管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた退去時請求管理装置に実行させるための退去時請求管理プログラムであって、前記記憶部は、賃貸物件の契約データを記憶する賃貸物件記憶手段、を備え、前記制御部において、解約登録前の所定時点において、前記賃貸物件に対して事前に確定している退去時の請求についての退去時請求確定データを前記契約データに登録する請求確定登録ステップと、解約登録時に、前記退去時請求確定データを含む前記契約データに基づいて、賃借人への退去時請求データを作成する退去時請求作成ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、賃貸住宅管理において、入居者が退去する際に発生することが契約時点で確定している請求を事前の登録できるという効果を奏する。また、本発明によれば、契約締結時に退去時に発生する請求データを事前に登録しておくことで、精算処理時に事前登録しているデータを呼び出すことで、精算時の請求漏れを防止することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、退去時精算業務の効率化、および、本来請求すべき費用の回収漏れを防ぐという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本実施形態における退去時請求管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における退去時請求管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本実施形態における退去時請求管理処理の一例を示すフロー図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における退去時請求管理処理の一例を示すフロー図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における退去時請求管理処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0020】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0021】
従来、賃貸住宅システムでは、契約時に発生する請求、毎月発生する請求、および、退去時に発生する請求と発生時期の異なる請求があるが、退去時期については、定期契約等の例外を除けば、通常、事前に決まるものではないため、退去時の請求は、退去が決定した時点で登録するのが一般的であった。例えば、従来、賃貸管理業務において、契約時に預かった敷金等と退去時に発生する費用とを精算する退去時精算という業務があるが、この業務の際に、契約時点で退去時に請求することが決まっている費用については、退去時期が契約時点で不明であるため、退去が決まり次第、契約時に取り決めしておいた請求を計上する必要があった。そのため、従来は、契約から退去までの期間が長くなると、退去時の請求の登録漏れの虞があった。また、従来は、契約締結時に取り交わす書類に、退去時の請求について費目や金額等を明記する場合、契約書とは別途管理する必要があった。
【0022】
そこで、本実施形態においては、契約締結の時点で、退去時請求が発生することが決まるという点に着目し、契約登録時に、退去時の請求内容の登録を行い、解約登録時に、契約データに含まれる退去時の請求内容を参照して、請求データの作成を行うことができる仕組みを提供している。
【0023】
[2.構成]
本実施形態に係る退去時請求管理装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態における退去時請求管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、退去時請求管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、退去時請求管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0025】
退去時請求管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。退去時請求管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、退去時請求管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、退去時請求管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、賃貸物件データベース106aと請求費目マスタ106bとを備えている。
【0028】
賃貸物件データベース106aは、賃貸物件データを記憶する。ここで、賃貸物件データベース106aは、賃貸物件の契約データを記憶していてもよい。ここで、契約データは、月額賃貸料金を設定した賃貸物件の契約賃料データを含んでいてもよい。ここで、契約賃料データは、敷金額が設定されていてもよい。また、契約データは、賃貸物件に対する契約基本データ、および/または、賃貸物件に対して事前に確定している退去時の請求についての退去時請求確定データを含んでいてもよい。また、賃貸物件データは、賃貸物件の契約書データを含んでいてもよい。また、賃貸物件データは、請求データ(例えば、契約時請求データ、更新時請求データ、月次請求データおよび/または退去時請求データ等)を含んでいてもよい。ここで、契約基本データは、契約識別子(例えば、契約番号等)、物件識別子(例えば、物件名等)、賃貸物件の部屋番号、契約者および/または契約日等が設定されていてもよい。また、契約賃料データは、契約識別子(例えば、契約番号等)、請求費目識別子(例えば、請求費目名等)、費目属性および/または金額が設定されていてもよい。また、退去時請求確定データは、契約識別子(例えば、契約番号等)、請求費目識別子(例えば、請求費目名等)、費目属性および/または金額(例えば、請求金額等)が設定されていてもよい。また、請求データは、請求識別子(例えば、請求番号等)、請求月、契約識別子(例えば、契約番号等)、請求費目識別子(例えば、請求費目名等)および/または金額(例えば、請求金額等)が設定されていてもよい。
【0029】
請求費目マスタ106bは、請求費目を設定したマスタである。ここで、請求費目マスタ106bは、原状回復請求費目が設定されていてもよい。ここで、請求費目マスタ106bは、請求費目識別子(例えば、請求費目名等)、費目属性および/または請求属性等が設定されていてもよい。
【0030】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0031】
制御部102は、退去時請求管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、契約取得部102aと請求確定登録部102bと契約書作成部102cと退去時請求作成部102dとを備えている。
【0032】
契約取得部102aは、賃貸物件の契約データを取得する。契約取得部102aは、契約データを賃貸物件データベース106aに登録してもよい。
【0033】
請求確定登録部102bは、賃貸物件に対して事前に確定している退去時の請求についての退去時請求確定データを契約データに登録する。ここで、請求確定登録部102bは、解約登録前の所定時点において、賃貸物件に対して事前に確定している退去時の請求についての退去時請求確定データを契約データに登録してもよい。ここで、解約登録前の所定時点は、契約締結時であってもよい。また、請求確定登録部102bは、契約締結時において、契約入力画面に退去時請求費目に対する退去時請求額が入力された場合、退去時請求額を設定した退去時請求確定データを契約データに登録してもよい。
【0034】
契約書作成部102cは、契約書データを作成する。ここで、契約書作成部102cは、退去時請求確定データを含む契約データに基づいて、契約書データを作成してもよい。また、契約書作成部102cは、契約書データを賃貸物件データベース106aに登録してもよい。契約書作成部102cは、契約書データに基づいて、契約書を出力装置114に印刷出力させてもよい。
【0035】
退去時請求作成部102dは、賃借人への退去時請求データを作成する。ここで、退去時請求作成部102dは、解約登録時に、退去時請求確定データを含む契約データに基づいて、賃借人への退去時請求データを作成してもよい。また、退去時請求作成部102dは、解約登録時に、解約登録画面に解約日付が入力された場合、退去時請求確定データを含む契約データに基づいて、解約月の月額賃貸料金および退去時請求額を設定した退去時請求データを作成してもよい。また、退去時請求作成部102dは、解約登録時に、解約登録画面に解約日付、および、原状回復請求費目に対する原状回復請求額が入力された場合、退去時請求確定データを含む契約データに基づいて、解約月の月額賃貸料金、退去時請求額および原状回復請求額を設定した退去時請求データを作成してもよい。また、退去時請求作成部102dは、請求費目マスタ106bに基づいて、解約日入力領域、および、原状回復請求費目の金額入力領域を含む解約登録画面を表示させてもよい。また、退去時請求作成部102dは、解約登録時に、解約登録画面に解約日付が入力された場合、退去時請求確定データを含む契約データに基づいて、解約月の月額賃貸料金および退去時請求額、ならびに、敷金額に対応するマイナス請求額である相殺額を設定した退去時請求データを作成してもよい。また、退去時請求作成部102dは、退去時請求データに基づいて、退去時精算額を算出し、退去時精算額表示領域を含む解約登録画面を表示させてもよい。また、退去時請求作成部102dは、退去時請求データを賃貸物件データベース106aに登録してもよい。
【0036】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図5を参照して説明する。
【0037】
[退去時請求管理処理]
ここで、
図2を参照して、本実施形態における退去時請求管理処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態における退去時請求管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図2に示すように、契約取得部102aは、契約締結時において、ユーザにより入力装置112を介して契約入力画面に物件識別子、部屋番号、契約者識別子、入居者識別子、契約日付、月次請求費目に対する月次請求額および/または契約時請求費目に対する契約時請求額が入力された場合、契約基本データおよび契約賃料データを含む契約データを取得し、契約データを賃貸物件データベース106aに登録する(ステップSA-1)。
【0039】
そして、請求確定登録部102bは、解約登録前の所定時点において、ユーザにより入力装置112を介して契約入力画面に退去時請求費目に対する退去時請求額が入力された場合、退去時請求額を設定した退去時請求確定データを賃貸物件データベース106aに記憶された契約データに登録する(ステップSA-2)。
【0040】
そして、契約書作成部102cは、賃貸物件データベース106aに記憶された退去時請求確定データを含む契約データに基づいて、契約書データを作成する(ステップSA-3)。
【0041】
そして、退去時請求作成部102dは、ユーザにより入力装置112を介して解約登録画面に解約日付が入力されたか否かを判定する(ステップSA-4)。
【0042】
そして、退去時請求作成部102dは、解約登録画面に解約日付が入力されていないと判定した場合(ステップSA-4:No)、所定時間(例えば、解約登録画面の起動信号を受信するまで等)待機し、処理をステップSA-4に移行させる。
【0043】
一方、退去時請求作成部102dは、解約登録画面に解約日付が入力されたと判定した場合(ステップSA-4:Yes)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0044】
そして、退去時請求作成部102dは、賃貸物件データベース106aに記憶された退去時請求確定データを含む契約データに基づいて、解約月の月額賃貸料金および退去時請求額を設定した退去時請求データを作成する(ステップSA-5)。
【0045】
そして、退去時請求作成部102dは、退去時請求データに基づいて、退去時精算額を算出し、退去時精算額表示領域を含む解約登録画面を出力装置114に表示させ(ステップSA-6)、処理を終了する。
【0046】
ここで、
図3から
図5を参照して、本実施形態における退去時請求管理処理の一例について説明する。
図3から
図5は、本実施形態における退去時請求管理処理の一例を示すフロー図である。
【0047】
図3に示すように、本実施形態においては、ユーザによる契約入力により契約内容の登録が行われ、退去時の請求内容が登録される。
【0048】
そして、
図4に示すように、本実施形態においては、契約入力により登録された内容から、賃借人への契約時請求データが作成され、契約書類が印刷出力される。
【0049】
そして、
図5に示すように、本実施形態においては、契約者から解約の申し入れがあったタイミングで、解約日時点の未収データが参照され、契約登録時に登録された退去時請求確定データが参照され、退去時に入力された原状回復費等の請求データも追加登録され、それらの請求に対する精算処理が実行される。
【0050】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0051】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0052】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0053】
また、退去時請求管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0054】
例えば、退去時請求管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて退去時請求管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0055】
また、このコンピュータプログラムは、退去時請求管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0056】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0057】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0058】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0059】
また、退去時請求管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、退去時請求管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0060】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、賃貸管理を行う不動産業界において有用である。
【符号の説明】
【0062】
100 退去時請求管理装置
102 制御部
102a 契約取得部
102b 請求確定登録部
102c 契約書作成部
102d 退去時請求作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 賃貸物件データベース
106b 請求費目マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク