(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174207
(43)【公開日】2024-12-13
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/405 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
H01R13/405
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024174142
(22)【出願日】2024-10-03
(62)【分割の表示】P 2022007102の分割
【原出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 潤哉
(57)【要約】
【課題】太さの異なる2種類の端子の配置間違いを抑制できるコネクタを提供する。
【解決手段】直線状に延びる第1端子30は、第1端子30における第1端31を含む端部領域であって第1相手端子との接点を含む第1接続部32と、第1端子30の延びる方向に第1接続部32と隣接する第1中間部33とを有する。直線状に延びる第2端子40は、第2端子40における第2端41を含む端部領域であって第2相手端子との接点を含む第2接続部42を有する。第2接続部42は、第1接続部32よりも太く、且つ、第1中間部33より細い。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタハウジングと、
直線状に延びる少なくとも1つの第1端子と、
直線状に延びる少なくとも1つの第2端子と、
を備え、
前記第1端子は、前記第1端子の延びる方向における前記第1端子の一端である第1端と、前記第1端子における前記第1端を含む端部領域であって第1相手端子との接点を含む第1接続部と、前記第1端子の延びる方向に前記第1接続部と隣接する第1中間部とを有し、
前記第2端子は、前記第2端子の延びる方向における前記第2端子の一端である第2端と、前記第2端子における前記第2端を含む端部領域であって第2相手端子との接点を含む第2接続部とを有し、
前記第2接続部は、前記第1接続部よりも太く、且つ、前記第1中間部よりも細いコネクタ。
【請求項2】
前記第1端子は、前記第1端子の延びる方向における前記第1端と反対の端である第3端と、前記第1端子における前記第3端を含む端部領域であって第3相手端子との接点を含む第3接続部と、前記第1端子の延びる方向に前記第3接続部と隣接する第2中間部とを有し、
前記第2端子は、前記第2端子の延びる方向における前記第2端と反対の端である第4端と、前記第2端子における前記第4端を含む端部領域であって第4相手端子との接点を含む第4接続部とを有し、
前記第4接続部は、前記第3接続部よりも太く、且つ、前記第2中間部よりも細い請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1接続部の前記第1端子の延びる方向における長さは、前記第2接続部の前記第2端子の延びる方向における長さよりも短く、
前記第3接続部の前記第1端子の延びる方向における長さは、前記第4接続部の前記第2端子の延びる方向における長さよりも短い請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1端子及び前記第2端子の各々は、平板状をなしている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コネクタハウジングは、前記第1接続部及び前記第2接続部の外周を囲む筒状をなす筒状部と、前記筒状部の外周面から突出している誤組付防止凸部とを有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタは、直線状に延びる端子と、当該端子を保持するコネクタハウジングとを有するものがある。例えば特許文献1に記載されたコネクタは、直線状に延びる1本の端子を有する。当該端子の一部は、インサート成形によりコネクタハウジングの内部に埋まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コネクタは、第1端子と、当該第1端子よりも太い第2端子との2種類の端子を備える場合がある。この場合、コネクタハウジングを成形するための金型は、第1端子におけるコネクタハウジングから露出する部分が挿入される第1端子配置穴と、第2端子におけるコネクタハウジングから露出する部分が挿入される第2端子配置穴とを有する。第1端子配置穴に第1端子が挿入されるとともに、第2端子配置穴に第2端子が挿入されている状態で、金型内に樹脂が充填されることにより、第1端子及び第2端子が一体化されたコネクタハウジングが形成される。
【0005】
しかしながら、金型内に第1端子及び第2端子を配置する際、第1端子は、第2端子よりも細いため、第2端子を挿入するための第2端子配置穴に挿入可能である。第1端子及び第2端子の各々が直線状に延びている場合には、第1端子と第2端子とが似た形状になるため、第1端子を第2端子配置穴に挿入するという間違いが発生しやすい。そのため、第2端子が配置されるべき場所に第1端子が配置されたコネクタが形成される可能性があった。そこで、太さの異なる2種類の端子の配置間違い抑制することが望まれていた。
【0006】
本開示の目的は、太さの異なる2種類の端子の配置間違いを抑制できるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のコネクタは、コネクタハウジングと、直線状に延びる少なくとも1つの第1端子と、直線状に延びる少なくとも1つの第2端子と、を備え、前記第1端子は、前記第1端子の延びる方向における前記第1端子の一端である第1端と、前記第1端子における前記第1端を含む端部領域であって第1相手端子との接点を含む第1接続部と、前記第1端子の延びる方向に前記第1接続部と隣接する第1中間部とを有し、前記第2端子は、前記第2端子の延びる方向における前記第2端子の一端である第2端と、前記第2端子における前記第2端を含む端部領域であって第2相手端子との接点を含む第2接続部とを有し、前記第2接続部は、前記第1接続部よりも太く、且つ、前記第1中間部よりも細いコネクタである。
【発明の効果】
【0008】
本開示のコネクタによれば、太さの異なる2種類の端子の配置間違いを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態におけるコネクタが筐体に取り付けられた状態を示す模式図である。
【
図2】
図2は、一実施形態におけるコネクタの斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態におけるコネクタの側面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態におけるコネクタの断面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態におけるコネクタの断面図である。
【
図6】
図6は、一実施形態における第1端子の平面図である。
【
図7】
図7は、一実施形態における第2端子の平面図である。
【
図8】
図8は、一実施形態におけるコネクタの一部を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、一実施形態におけるコネクタの一部を示す断面図である。
【
図10】
図10は、一実施形態における第1端子及び第2端子を金型に配置する工程を説明するための説明図である。
【
図11】
図11は、一実施形態における第1端子及び第2端子を金型に配置する工程を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
[1]コネクタハウジングと、直線状に延びており一部が前記コネクタハウジングに埋まっている少なくとも1つの第1端子と、直線状に延びており一部が前記コネクタハウジングに埋まっている少なくとも1つの第2端子と、を備え、前記第1端子は、前記第1端子の延びる方向における前記第1端子の一端である第1端と、前記第1端子における前記第1端を含む端部領域であって第1相手端子との接点を含む第1接続部と、前記第1端子の延びる方向に前記第1接続部と隣接する第1中間部とを有し、前記第2端子は、前記第2端子の延びる方向における前記第2端子の一端である第2端と、前記第2端子における前記第2端を含む端部領域であって第2相手端子との接点を含む第2接続部とを有し、前記第1接続部は、全体が前記コネクタハウジングから露出しており、前記第1中間部は、前記第1中間部における前記第1接続部と隣接する端部領域であって前記コネクタハウジングから露出している第1露出部と、前記第1端子の延びる方向に前記第1露出部と隣接し前記コネクタハウジングに埋まっている第1埋設部とを有し、前記第1露出部は、前記第1接続部よりも太く、前記第2接続部は、前記第1接続部と同じ方向に前記コネクタハウジングの表面から突出し全体が前記コネクタハウジングから露出するとともに、前記第1接続部よりも太く、且つ、前記第1露出部よりも細いコネクタである。
【0011】
この構成によれば、第1端子及び第2端子が一体化されたコネクタハウジングを成形するための金型は、コネクタハウジングから露出する第1接続部及び第1露出部を挿入するための第1端子配置穴を有することになる。第1接続部及び第1露出部をコネクタハウジングから露出させるため、第1端子配置穴の内面は、第1接続部及び第1露出部の外形に応じた形状になる。即ち、第1端子配置穴は、金型内に充填される溶融した樹脂材料が第1端子配置穴の内部に入り込まないように、第1接続部及び第1露出部によって塞がれる形状をなす。また、同金型は、コネクタハウジングから露出する第2接続部を挿入するための第2端子配置穴を有することになる。第2接続部をコネクタハウジングから露出させるため、第2端子配置穴の内面は、第2接続部の外形に応じた形状になる。即ち、第2端子配置穴は、金型内に充填される溶融した樹脂材料が第2端子配置穴の内部に入り込まないように、第2接続部によって塞がれる形状をなす。そして、第1端子及び第2端子が一体化されたコネクタハウジングが形成されるときには、第1端子は、第1端子配置穴に第1接続部及び第1露出部が挿入されることにより、コネクタにおける配置位置が決定される。また、第2端子は、第2端子配置穴に第2接続部が挿入されることにより、コネクタにおける配置位置が決定される。
【0012】
第1端子の第1接続部は、第2端子の第2接続部よりも細い。その一方で、第1端子の第1露出部は、第2接続部よりも太い。従って、第1端子配置穴において第1接続部が挿入されて配置される部分は、第2端子よりも細い。第1端子配置穴において第1露出部が挿入されて配置される部分は、第2端子よりも太い。第2端子配置穴は、第1接続部よりも太いが、第1露出部よりも細い。
【0013】
このため、第1端子が間違って第2端子配置穴に挿入される場合、第1接続部は第2端子配置穴に挿入されるが、第1露出部は第2端子配置穴に挿入されることができない。従って、第1露出部が第2端子配置穴の開口に引っ掛かることにより、第1端子がそれ以上第2端子配置穴に挿入されることが阻止される。よって、第1接続部が第2端子配置穴に挿入された状態で第1端子が金型にセットされること、即ち、金型において第2端子が配置されるべき場所に第1端子が配置されることを抑制できる。
【0014】
また、第2端子が間違って第1端子配置穴に挿入される場合、第2接続部は、第1端子配置穴における第1接続部の外形に応じた内面を有する部分には挿入されることができない。従って、第2接続部が第1端子配置穴に挿入された状態で第2端子が金型にセットされること、即ち、金型において第1端子が配置されるべき場所に第2端子が配置されることを抑制できる。
【0015】
これらのことから、太さの異なる2種類の端子の配置間違いを抑制できる。即ち、コネクタハウジングを成形するときに、第1端子が配置されるべき場所に第2端子が配置されたり、第2端子が配置されるべき場所に第1端子が配置されたりすることを抑制できる。更に、コネクタにおいて、第1端子が配置されるべき場所に第2端子が配置されていたり、第2端子が配置されるべき場所に第1端子が配置されていたりすることを抑制できる。
【0016】
[2]前記第1端子は、前記第1端子の延びる方向における前記第1端と反対の端である第3端と、前記第1端子における前記第3端を含む端部領域であって第3相手端子との接点を含む第3接続部と、前記第1端子の延びる方向に前記第3接続部と隣接する第2中間部とを有し、前記第2端子は、前記第2端子の延びる方向における前記第2端と反対の端である第4端と、前記第2端子における前記第4端を含む端部領域であって第4相手端子との接点を含む第4接続部とを有し、前記第3接続部は、全体が前記コネクタハウジングから露出しており、前記第2中間部は、前記第2中間部における前記第3接続部と隣接する端部領域であって前記コネクタハウジングから露出している第2露出部と、前記第1端子の延びる方向に前記第2露出部と隣接し前記コネクタハウジングに埋まっている第2埋設部とを有し、前記第2露出部は、前記第3接続部よりも太く、前記第4接続部は、前記第3接続部と同じ方向に前記コネクタハウジングから突出し全体が前記コネクタハウジングから露出するとともに、前記第3接続部よりも太く、且つ、前記第2露出部よりも細いことが好ましい。
【0017】
この構成によれば、第1端子は、第1方向における両端に異なる相手端子との接点を有する。また、第2端子は、第2方向における両端に異なる相手端子との接点を有する。そして、第1接続部、第1露出部、及び第2接続部の太さの関係と、第3接続部、第2露出部、及び第4接続部の太さの関係とが等しい。このため、上記と同様に、第1端子及び第2端子が一体化されたコネクタハウジングを成形するための金型が有する、第3接続部及び第2露出部を挿入するための第3端子配置穴に、第4接続部が間違って挿入されることを抑制できる。従って、第4接続部が第3端子配置穴に挿入された状態で第2端子が金型にセットされることを抑制できる。また、上記と同様に、当該金型が有する、第4接続部を挿入するための第4端子配置穴に、第3接続部及び第2露出部が間違って挿入されることを抑制できる。従って、第3接続部が第4端子配置穴に挿入された状態で第1端子が金型にセットされることを抑制できる。
【0018】
このように、第1端子における第1接続部が設けられている端部領域だけでなく、第1端子における第3接続部が設けられている端部領域においても、金型において第2端子が配置されるべき場所に第1端子が配置されることを抑制できる。また、第2端子における第2接続部が設けられている端部領域だけでなく、第2端子における第4接続部が設けられている端部領域においても、金型において第1端子が配置されるべき場所に第2端子が配置されることを抑制できる。従って、第1端子における第3接続部が設けられている端部領域、及び、第2端子における第4接続部が設けられている端部領域においても、太さの異なる2種類の端子の配置間違いを抑制できる。
【0019】
[3]前記コネクタハウジングは、前記第1露出部が内側に配置される第1凹部と、前記第2露出部が内側に配置される第2凹部とを有することが好ましい。この構成によれば、第1凹部の内側に配置されている第1露出部を、目視により確認することが可能になる。また、第2凹部の内側に配置されている第2露出部を、目視により確認することが可能になる。従って、第1凹部の内側に第1露出部が配置されているか否かを確認することにより、コネクタにおいて第1端子が配置されるべき場所に第1端子が配置されているか否かを容易に確認できる。同様に、第2凹部の内側に第2露出部が配置されているか否かを確認することにより、コネクタにおいて第1端子が配置されるべき場所に第1端子が配置されているか否かを容易に確認できる。
【0020】
[4]前記第1端子及び前記第2端子の各々は、平板状をなしていることが好ましい。この構成によれば、第1端子及び第2端子の各々を、プレス加工により容易に形成することができる。例えば、第1端子及び第2端子の各々が切削加工により形成される場合に比べて、製造コストを低減できる。
【0021】
[5]前記コネクタハウジングは、前記第1接続部及び前記第2接続部の外周を囲む筒状をなす筒状部と、前記筒状部の外周面から突出している誤組付防止凸部とを有することが好ましい。この構成によれば、第1相手コネクタのコネクタハウジングが、第1方向に沿って誤組付防止凸部が挿入される誤組付防止溝を有する場合に、第1相手コネクタが、第1筒状部に対して誤った姿勢で嵌合されることが抑制される。例えば、第1相手コネクタが、第1筒状部に対する正しい姿勢から、第1筒状部の中央を通り第1方向に沿って延びる軸回りにずれた状態で第1筒状部に嵌合されることを抑制できる。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。各図面では、互いに垂直に交差するXYZ軸を図示している。本明細書における「平行」や「垂直」は、厳密に平行や垂直の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や垂直の場合も含まれる。また、本明細書の説明で使用される「筒状」は、周方向全周にわたって連続して周壁が形成されたものだけではなく、複数の部品を組み合わせて筒状をなすものや、C字状のように周方向の一部に切り欠きなどを有するものも含む。なお、「筒状」の形状には、円形、楕円形、及び尖ったまたは丸い角を有する多角形が含まれるが、これらに限定されない。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0023】
以下、コネクタの一実施形態について説明する。
(コネクタ21の全体構成)
図1に示すように、コネクタ21は、例えば、筐体22に固定される。筐体22は、例えば、車両に搭載される電気機器を収容する。筐体22は、取付孔23を有していてもよい。取付孔23は、筐体22の内部空間と筐体22の外部空間とを連通する。
【0024】
図2及び
図3に示すように、コネクタ21は、コネクタハウジング50と、少なくとも1つの第1端子30と、少なくとも1つの第2端子40とを備えている。コネクタ21は、例えば、第1端子30を4つ備えている。また、コネクタ21は、例えば、第2端子40を4つ備えている。なお、以下、コネクタハウジング50は、「ハウジング50」と省略して記載する。
【0025】
(第1端子30及び第2端子40の構成)
図4及び
図5に示すように、第1端子30及び第2端子40の各々は、一部がハウジング50に埋まっている。なお、
図4は、
図3における4-4断面図である。
図5は、
図3における5-5断面図である。
【0026】
第1端子30の各々は、直線状に延びている。ここで、各第1端子30の延びる方向を第1方向D1とする。第1方向D1は、例えばX軸に沿う方向である。複数の第1端子30は、コネクタ21において、互いに平行をなすように配置されている。
【0027】
各第1端子30は、第1方向D1における第1端子30の一端である第1端31を有する。また、各第1端子30は、各第1端子30における第1端31を含む端部領域である第1接続部32と、第1方向D1に第1接続部32と隣接する第1中間部33とを有する。第1接続部32は、第1相手端子101との接点を含む。第1相手端子101は、コネクタ21に接続される第1相手コネクタ100に備えられている。第1相手コネクタ100は、第1相手端子101を保持する相手側コネクタハウジング102を備えている。
【0028】
第2端子40の各々は、直線状に延びている。ここで、各第2端子40の延びる方向を第2方向D2とする。第2方向D2は、例えばX軸に沿う方向である。更に、第2方向D2は、第1方向D1と平行な方向である。例えば、第2方向D2は、第1方向D1と同じ方向である。また、第1方向D1と垂直をなす一方向を第3方向D3とする。第3方向D3は、例えば、Y軸に沿う方向である。更に、第1方向D1及び第3方向D3の各々と垂直をなす方向を第4方向D4とする。第4方向D4は、例えば、Z軸に沿う方向である。
【0029】
複数の第2端子40は、コネクタ21において、互いに平行をなすように配置されている。各第2端子40は、第2方向D2における第2端子40の一端である第2端41を有する。また、各第2端子40は、各第2端子40における第2端41を含む端部領域である第2接続部42を有する。第2接続部42は、第2相手端子103との接点を含む。第2相手端子103は、相手側コネクタハウジング102に保持されている。
【0030】
また、各第1端子30は、第1方向D1における第1端31と反対の端である第3端34を有する。因みに、第1方向D1は、例えば、各第1端子30において第1端31から第3端34に向かう方向である。そして、第1端31は、各第1端子30における第1方向D1の端部である。第3端34は、各第1端子30における第1方向D1と反対方向の端部である。各第1端子30は、各第1端子30における第3端34を含む端部領域である第3接続部35と、第1方向D1に第3接続部35と隣接する第2中間部36とを有していてもよい。第3接続部35は、第3相手端子111との接点を含む。第3相手端子111は、コネクタ21に接続される第2相手コネクタ110に備えられている。第2相手コネクタ110は、第3相手端子111を保持する相手側コネクタハウジング112を備えている。
【0031】
また、各第2端子40は、第2方向D2における第2端41と反対の端である第4端44を有する。因みに、第2方向D2は、例えば、各第2端子40において第2端41から第4端44に向かう方向である。そして、第2端41は、各第2端子40における第2方向D2の端部である。第4端44は、各第2端子40における第2方向D2と反対方向の端部である。また、第2端41は、各第2端子40における第1方向D1の端部である。第4端44は、各第2端子40における第1方向D1と反対方向の端部である。各第2端子40は、各第2端子40における第4端44を含む端部領域である第4接続部45を有する。第4接続部45は、第4相手端子113との接点を含む。第4相手端子113は、相手側コネクタハウジング112に保持されている。
【0032】
各第1端子30及び各第2端子40は、例えば、銅系の金属材料により形成されている。なお、第1端子30及び第2端子40の材料として、銅系の金属材料以外の金属材料を用いてもよい。第1端子30及び第2端子40の各々は、例えば、平板状をなしている。各第1端子30及び各第2端子40は、例えば、プレス加工により金属板材を打ち抜いて形成されている。
【0033】
図4及び
図6に示すように、各第1端子30は、例えば、厚さが一定である。第1端子30の厚さは、例えば、第4方向D4における第1端子30の長さである。即ち、第1端子30の厚さ方向は、例えば、第4方向D4である。
【0034】
各第1端子30において、第1接続部32は、例えば、四角柱状をなしている。第1接続部32の先端領域は、例えば、第1方向D1に沿って第1端31に近づくにつれて太さが細くなっている。なお、第1接続部32の太さは、当該第1接続部32における先端領域の太さが細くなる部分を除いて、一定である。このため、第1接続部32の幅W11は、当該第1接続部32における先端領域の太さが細くなる部分を除いて、一定である。第1接続部32の幅W11は、例えば、第3方向D3における第1接続部32の長さである。即ち、各第1端子30の幅方向は、例えば、第3方向D3である。
【0035】
各第1端子30において、第1中間部33は、例えば、帯状をなしている。第1中間部33は、第1中間部33における第1接続部32と隣接する端部領域である第1露出部33aと、第1方向D1に第1露出部33aと隣接する第1埋設部33bとを有している。なお、
図6では、第1露出部33aと第1埋設部33bとの境界を二点鎖線で図示している。
【0036】
第1露出部33aにおける第1接続部32と隣接する端部領域は、第1接続部32に近づくにつれて幅が狭くなっている。第1露出部33aの太さは、当該幅が狭くなる部分を除いて、例えば、一定である。例えば、第1露出部33aは、当該幅が狭くなる部分を除いて、幅W12が一定である。第1露出部33aの幅W12は、第1接続部32の幅W11よりも広い。そのため、第1接続部32の厚さと第1露出部33aの厚さとが等しい場合には、第1露出部33aは、第1接続部32よりも太い。
【0037】
第1埋設部33bは、例えば、太さが一定である。例えば、第1埋設部33bは、幅W13が一定である。第1露出部33aの幅W12と第1埋設部33bの幅W13とは等しくてもよい。この場合、第1中間部33は、第1露出部33aにおける第1接続部32と隣接する端部領域を除いて幅が一定になる。そして、第1中間部33は、第1露出部33aにおける第1接続部32と隣接する端部領域を除いて、太さが一定になる。
【0038】
図4及び
図7に示すように、各第2端子40は、例えば、厚さが一定である。第2端子40の厚さは、例えば、第4方向D4における第2端子40の長さである。即ち、第2端子40の厚さ方向は、例えば、第4方向D4である。また、第2端子40の厚さは、例えば、第1端子30の厚さと等しい。
【0039】
各第2端子40において、第2接続部42は、例えば、四角柱状をなしている。第2接続部42の先端領域は、例えば、第2方向D2に沿って第2端41に近づくにつれて太さが細くなっている。なお、第2接続部42の太さは、当該第2接続部42における先端領域の太さが細くなる部分を除いて、一定である。このため、第2接続部42の幅W21は、当該第2接続部42における先端領域の太さが細くなる部分を除いて、一定である。第2接続部42の幅W21は、例えば、第3方向D3における第2接続部42の長さである。即ち、各第2端子40の幅方向は、例えば、第3方向D3である。
【0040】
各第2端子40は、第2端子側第1埋設部43を有する。第2端子側第1埋設部43は、第2方向D2に第2接続部42と隣接している。なお、
図7では、第2接続部42と第2端子側第1埋設部43との境界を二点鎖線で図示している。第2端子側第1埋設部43は、例えば、長方形の板状をなしている。第2端子側第1埋設部43は、例えば、第2接続部42と等しい太さを有する。第2端子側第1埋設部43の幅W22は、例えば、第2接続部42の幅W21と等しい。
【0041】
図6及び
図7に示すように、第2接続部42は、第1接続部32よりも太く、且つ、第1露出部33aよりも細い。例えば、第1接続部32の厚さと第2接続部42の厚さとが等しい場合、第2接続部42の幅W21は、第1接続部32の幅W11よりも広く、且つ、第1露出部33aの幅W12よりも狭い。また、第2方向D2における第2接続部42の長さは、第1方向D1における第1接続部32の長さよりも長い。
【0042】
第3接続部35は、例えば、第1接続部32と同じ形状をなすとともに同じ大きさである。ただし、第3接続部35と第1接続部32とは、第1方向D1における向きが反対である。
【0043】
第2中間部36は、第1中間部33と同じ形状をなすとともに同じ大きさである。即ち、第2中間部36は、第1露出部33aと同じ形状の第2露出部36aと、第1埋設部33bと同じ形状の第2埋設部36bとを有していてもよい。第2露出部36aは、第2中間部36における第3接続部35と隣接する端部領域である。第2埋設部36bは、第1方向D1に第2露出部36aと隣接している。なお、第2中間部36と第1中間部33とは、第1方向D1における向きが反対である。
【0044】
第2露出部36aの幅W14は、第3接続部35の幅W15よりも広い。そのため、第3接続部35の厚さと第2露出部36aの厚さとが等しい場合には、第2露出部36aは、第3接続部35よりも太い。
【0045】
第4接続部45は、例えば、第2接続部42と同じ形状をなすとともに同じ大きさである。なお、第4接続部45と第2接続部42とは、第1方向D1における向きが反対である。第4接続部45の幅W23は、第3接続部35の幅W15よりも広く、且つ、第2露出部36aの幅W14よりも狭い。そのため、第3接続部35、第2露出部36a及び第4接続部45の各々の厚さが等しい場合、第4接続部45は、第3接続部35よりも太く、且つ、第2露出部36aよりも細い。また、第2方向D2における第4接続部45の長さは、第1方向D1における第3接続部35の長さよりも長い。
【0046】
また、各第2端子40は、第2端子側第2埋設部46を有する。第2端子側第2埋設部46は、例えば、第2端子側第1埋設部43と同じ形状をなすとともに同じ大きさである。第2端子側第2埋設部46は、第2方向D2に第4接続部45と隣接している。第2端子側第2埋設部46は、例えば、第4接続部45と等しい太さを有する。第2端子側第2埋設部46の幅W24は、例えば、第4接続部45の幅W23と等しい。
【0047】
図6に示すように、各第1端子30は、位置決め部37を有していてもよい。位置決め部37は、例えば、各第1端子30において、第1埋設部33bと第2埋設部36bとの間に位置する。位置決め部37の幅は、第1埋設部33bの幅W13より広くてもよいし、狭くてもよい。例えば、位置決め部37の幅は、幅W13よりも広い。位置決め部37は、当該位置決め部37を第4方向D4に貫通する貫通孔38を有する。
【0048】
図7に示すように、各第2端子40は、位置決め部47を有していてもよい。位置決め部47は、例えば、各第2端子40において、第2端子側第1埋設部43と、第2端子側第2埋設部46との間に位置する。位置決め部47の幅は、第2端子側第1埋設部43の幅W22より広くてもよいし、狭くてもよい。例えば、位置決め部47の幅は、幅W22よりも広い。位置決め部47は、当該位置決め部47を第4方向D4に貫通する貫通孔48を有する。
【0049】
(コネクタハウジング50の構成)
図3~
図5に示すように、ハウジング50は、例えば、第1相手コネクタ100が接続される第1筒状部51と、第2相手コネクタ110が接続される第2筒状部52と、第1端子30及び第2端子40の各々を保持する保持部53とを有する。なお、第1相手コネクタ100は、第1筒状部51に対して、第1方向D1と反対方向に嵌合される。また、第2相手コネクタ110は、第2筒状部52に対して、第1方向D1に嵌合される。
【0050】
ハウジング50は、絶縁性を有する樹脂材料により形成されている。ハウジング50は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT:polybutylene terephthalate)により形成されている。なお、ハウジング50を構成する樹脂材料は、ガラスファイバー等のフィラーを含んでいてもよい。ハウジング50は、第1筒状部51、第2筒状部52、及び保持部53が一体に形成されている単一部品である。また、ハウジング50は、第1端子30及び第2端子40が一体化されたインサート成形品である。
【0051】
第1筒状部51は、第1接続部32及び第2接続部42の外周を囲む筒状をなしている。第1筒状部51は、第1方向D1に沿って延びる筒状をなしている。また、第1筒状部51は、例えば、第1方向D1に沿う方向から見た形状が丸い角を有する四角形状をなしている。第1筒状部51は、例えば、第1筒状部51の中央を通り第1方向D1に沿って延びる図示しない軸を中心として2回対称になる形状である。
【0052】
ハウジング50は、第1誤組付防止凸部54を有していてもよい。第1誤組付防止凸部54は、第1筒状部51の外周面から突出している。第1誤組付防止凸部54は、例えば、第1筒状部51における第3方向D3の端であって、第1筒状部51における第4方向D4と反対方向の端に位置する。また、第1誤組付防止凸部54は、第1筒状部51の外周面から、例えば第3方向D3に突出している。また、第1誤組付防止凸部54は、例えば、第1方向D1に沿って延びている。第1筒状部51は、第1筒状部51の中央を通り第1方向D1に沿って延びる軸を中心とする2回対称の形状であるが、第1誤組付防止凸部54を含めた第1筒状部51の形状は、回転対称ではない形状になる。
【0053】
なお、相手側コネクタハウジング102は、図示しない第1誤組付防止溝を有する。第1相手コネクタ100は、第1方向D1に沿って第1誤組付防止溝に第1誤組付防止凸部54が挿入されるように第1筒状部51に嵌合される。これにより、第1相手コネクタ100が第1筒状部51に対して誤った姿勢で嵌合されることが抑制される。例えば、第1相手コネクタ100が、第1筒状部51に対する正しい姿勢から、第1筒状部51の中央を通り第1方向D1に沿って延びる図示しない軸を中心として180°回転した状態で第1筒状部51に嵌合されることを抑制できる。
【0054】
第2筒状部52は、第3接続部35及び第4接続部45の外周を囲む筒状をなしている。第2筒状部52は、例えば、第1筒状部51と同じ形状をなすとともに同じ大きさである。従って、第2筒状部52についての詳細な説明は省略する。なお、第2筒状部52と第1筒状部51とは、第1方向D1における向きが反対である。
【0055】
ハウジング50は、第2誤組付防止凸部55を有していてもよい。第2誤組付防止凸部55は、第2筒状部52の外周面から突出している。第2誤組付防止凸部55は、例えば、第2筒状部52における第3方向D3と反対方向の端であって、第2筒状部52における第4方向D4と反対方向の端に位置する。また、第2誤組付防止凸部55は、第2筒状部52の外周面から、例えば第3方向D3と反対方向に突出している。また、第2誤組付防止凸部55は、例えば、第1方向D1に沿って延びている。第2筒状部52は、第2筒状部52の中央を通り第1方向D1に沿って延びる軸を中心とする2回対称の形状であるが、第2誤組付防止凸部55を含めた第2筒状部52の形状は、回転対称ではない形状になる。
【0056】
なお、相手側コネクタハウジング112は、図示しない第2誤組付防止溝を有する。第2相手コネクタ110は、第1方向D1と反対方向に第2誤組付防止溝に第2誤組付防止凸部55が挿入されるように第2筒状部52に嵌合される。これにより、第2相手コネクタ110が第2筒状部52に対して誤った姿勢で嵌合されることが抑制される。
【0057】
各第1端子30の一部及び各第2端子40の一部は、保持部53の内部に埋まっている。即ち、保持部53は、各第1端子30の一部及び各第2端子40の一部を覆っている。
保持部53は、複数の第1端子30を、当該複数の第1端子30が互いに平行に並んだ状態に保持している。例えば、保持部53は、複数の第1端子30を、第1端子30の各々がX軸と平行に延びる状態に保持している。また、保持部53は、複数の第1端子30を、例えば、第3方向D3に一列に並んだ状態に保持している。また、保持部53は、複数の第1端子30を、互いに離れた状態に保持している。保持部53に保持された複数の第1端子30は、第1方向D1における位置が等しい。このため、複数の第1接続部32の先端は、第1方向D1と垂直な一仮想平面内に位置する。また、複数の第3接続部35の先端は、第1方向D1と垂直な一仮想平面内に位置する。
【0058】
保持部53は、複数の第2端子40を、当該複数の第2端子40が互いに平行に並んだ状態に保持している。例えば、保持部53は、第2端子40の各々を、第1端子30の各々と平行に延びる状態に保持している。また、保持部53は、複数の第2端子40を、例えば、複数の第1端子30より第4方向D4と反対方向にずれた位置で、第3方向D3に一列に並んだ状態に保持している。また、保持部53は、複数の第2端子40を、互いに離れた状態に保持している。保持部53に保持された複数の第2端子40は、第2方向D2における位置が等しい。このため、複数の第2接続部42の先端は、第2方向D2と垂直な一仮想平面内に位置する。また、複数の第4接続部45の先端は、第2方向D2と垂直な一仮想平面内に位置する。
【0059】
保持部53は、例えば、保持本体部61と、第1支持部62と、第2支持部63と、第3支持部64と、第4支持部65とを有する。
保持本体部61は、第1方向D1における第1筒状部51と第2筒状部52との間に位置する。第1筒状部51と第2筒状部52とは、保持本体部61を介して連結されている。保持本体部61は、第1方向D1と反対方向における第1筒状部51の端部を閉塞している。また、保持本体部61は、第1方向D1における第2筒状部52の端部を閉塞している。保持本体部61は、第1筒状部51の内部空間と第2筒状部52の内部空間とを分離する壁状をなしている。
【0060】
図4及び
図5に示すように、各第1端子30の位置決め部37及び各第2端子40の位置決め部47は、保持部53の内部に埋まっている。位置決め部37,47の各々は、例えば、保持本体部61の内部に埋まっている。そして、保持部53を構成する樹脂材料の一部は、貫通孔38,48の各々に充填されている。第1端子30及び第2端子40の各々は、自身の貫通孔38もしくは貫通孔48に充填された樹脂材料によって、第1方向D1に沿ってハウジング50に対して位置ずれすることが抑制されている。
【0061】
図4、
図5及び
図8に示すように、第1支持部62は、保持本体部61から第1方向D1に突出している。第1支持部62は、第1筒状部51の内側に位置する。第1支持部62は、第1支持部62の先端部、即ち第1支持部62における第1方向D1の端部に、第1平面62aを有していてもよい。第1平面62aは、例えば、第1方向D1と垂直な平面状をなしている。
【0062】
第1支持部62は、第1平面62aから第1方向D1と反対方向に凹む第1凹部71を有していてもよい。第1支持部62は、例えば、第1端子30の数と同数の第1凹部71を有する。第3方向D3における複数の第1凹部71の位置は、第3方向D3における複数の第1端子30の位置と同じである。
【0063】
各第1端子30の第1接続部32及び第1露出部33aは、例えば保持部53の表面からハウジング50の外部に露出している。各第1端子30の第1接続部32及び第1露出部33aは、例えば、各第1凹部71の底面71aからX軸に沿って第1方向D1に保持部53の外部に突出している。各第1露出部33aは、例えば、各第1凹部71の底面71aから各第1凹部71の内部空間に突出している。また、各第1露出部33aは、例えば、各第1凹部71の内側に配置されている。なお、各第1埋設部33bは、ハウジング50に埋まっている。各第1埋設部33bは、例えば、第1支持部62の内部に埋まっている。各第1接続部32は、全体がハウジング50から露出している。即ち、各第1接続部32は、ハウジング50の内部に埋まる部分を有していない。
【0064】
第2支持部63は、保持本体部61から第1方向D1に突出している。第2支持部63は、第1筒状部51の内側で、第1筒状部51より第4方向D4と反対方向にずれた位置にある。第2支持部63は、第2支持部63の先端部、即ち第2支持部63における第1方向D1の端部に、第2平面63aを有していてもよい。第2平面63aは、例えば、第1方向D1と垂直な平面状をなしている。第2平面63aは、例えば、第1方向D1における位置が第1平面62aと等しい。即ち、第1平面62aと第2平面63aとは、例えば、同一仮想平面内に位置する。
【0065】
各第2端子40の第2接続部42は、例えば保持部53の表面からハウジング50の外部に露出している。各第2接続部42は、例えば、第2平面63aからX軸に沿って第1方向D1に保持部53の外部に突出している。即ち、各第2接続部42は、第1接続部32と同じ方向にハウジング50の表面から突出している。そして、各第2接続部42は、第1筒状部51の内側で各第1接続部32と平行に並んでいる。各第2接続部42は、全体がハウジング50から露出している。各第2端子40の第2端子側第1埋設部43は、第2支持部63の内部に埋まっている。
【0066】
第1相手コネクタ100が第1筒状部51に嵌合されると、第1相手端子101と第1接続部32とがそれぞれ電気的に接続されるとともに、第2相手端子103と第2接続部42とがそれぞれ電気的に接続される。第1相手端子101及び第2相手端子103は、例えばメス端子である。第1相手端子101に第1接続部32が挿入されることにより、第1相手端子101と第1接続部32とが電気的に接続される。また、第2相手端子103に第2接続部42が挿入されることにより、第2相手端子103と第2接続部42とが電気的に接続される。
【0067】
図9に示すように、相手側コネクタハウジング102は、第1方向D1と反対方向から第1平面62a及び第2平面63aに当接してもよい。これにより、コネクタ21に対して、第1方向D1と反対方向に第1相手コネクタ100が必要以上に押し込まれることが抑制される。
【0068】
図4、
図5及び
図8に示すように、第3支持部64は、例えば、第1支持部62と同じ構成である。なお、第3支持部64と第1支持部62とは、第1方向D1における向きが反対である。第3支持部64は、第1平面62aと同様の第3平面64aを有していてもよい。また、第3支持部64は、第1凹部71と同様の第2凹部74を、第1端子30と同数有していてもよい。
【0069】
各第1端子30の第3接続部35及び第2露出部36aは、例えば保持部53の表面からハウジング50の外部に露出している。各第1端子30の第3接続部35及び第2露出部36aは、例えば、各第2凹部74の底面74aからX軸に沿って第1方向D1と反対方向に保持部53の外部に突出している。各第2露出部36aは、各第2凹部74の底面74aから各第2凹部74の内部空間に突出している。また、各第2露出部36aは、例えば、各第2凹部74の内側に配置されている。なお、各第2埋設部36bは、ハウジング50に埋まっている。各第2埋設部36bは、例えば、第3支持部64の内部に埋まっている。各第3接続部35は、全体がハウジング50から露出している。
【0070】
第4支持部65は、第2支持部63と同じ構成である。なお、第4支持部65と第2支持部63とは、第1方向D1における向きが反対である。第4支持部65は、第2平面63aと同様の第4平面65aを有していてもよい。
【0071】
各第2端子40の第4接続部45は、例えば保持部53の表面からハウジング50の外部に露出している。各第4接続部45は、例えば、第4平面65aからX軸に沿って第1方向D1と反対方向に保持部53の外部に突出している。即ち、各第4接続部45は、第3接続部35と同じ方向にハウジング50の表面から突出している。そして、各第4接続部45は、第2筒状部52の内側で各第3接続部35と平行に並んでいる。各第4接続部45は、全体がハウジング50から露出している。各第2端子40の第2端子側第2埋設部46は、第4支持部65の内部に埋まっている。なお、各第2端子40は、例えば、第2接続部42及び第4接続部45のみがハウジング50から露出している。
【0072】
第2相手コネクタ110が第2筒状部52に嵌合されると、第3相手端子111と第3接続部35とがそれぞれ電気的に接続されるとともに、第4相手端子113と第4接続部45とがそれぞれ電気的に接続される。第3相手端子111及び第4相手端子113は、例えばメス端子である。第3相手端子111に第3接続部35が挿入されることにより、第3相手端子111と第3接続部35とが電気的に接続される。また、第4相手端子113に第4接続部45が挿入されることにより、第4相手端子113と第4接続部45とが電気的に接続される。なお、相手側コネクタハウジング112は、第1方向D1から第3平面64a及び第4平面65aに当接してもよい。これにより、コネクタ21に対して、第1方向D1に第2相手コネクタ110が必要以上に押し込まれることが抑制される。
【0073】
図1~
図4に示すように、ハウジング50は、コネクタ21を筐体22に固定するための固定部81を有していてもよい。固定部81は、例えば、第2筒状部52の外周面から鍔状に延びている。固定部81は、例えば、固定部81を第1方向D1に貫通する固定孔82を有する。例えば、固定孔82には、カラー82aが装着されている。
【0074】
また、ハウジング50は、筐体22の取付孔23内に配置される嵌合部83を有していてもよい。嵌合部83は、例えば、第1筒状部51及び第2筒状部52の外周面から突出している。嵌合部83は、例えば、固定部81より第1方向D1にずれた位置にある。嵌合部83は、固定部81と第1方向D1に隣接する。嵌合部83は、固定部81と一体に設けられている。嵌合部83には、例えば、シール部材84が装着されている。シール部材84は、取付孔23の内周面と嵌合部83の外周面との間をシールする。
【0075】
図1に示すように、コネクタ21は、第1筒状部51が取付孔23から筐体22の内部に挿入されるとともに、嵌合部83が取付孔23の内側に配置されるように、筐体22に対して配置される。そして、コネクタ21は、固定孔82を貫通するボルト24によって筐体22に固定される。
【0076】
(コネクタハウジング50の製造)
金型を用いたハウジング50の製造例について説明する。
図10は、ハウジング50を成形するための金型91の一例を示している。金型91は、ハウジング50の外形に応じた内面を有するキャビティ92を有する。キャビティ92の内面は、キャビティ92に充填される樹脂材料に第1平面62aを形成するための第1成形面93を有する。また、キャビティ92の内面は、キャビティ92に充填される樹脂材料に第2平面63aを形成するための第2成形面94を有する。第1成形面93と第2成形面94とは、例えば、同一仮想平面内に位置する。
【0077】
金型91は、第1成形面93から突出する第1凹部成形部95を有する。金型91は、第1凹部成形部95を、コネクタ21が備える第1端子30の数と同数有する。第1凹部成形部95は、第1凹部71の内面に応じた外面を有する。また、金型91は、コネクタ21が備える第1端子30と同数の第1端子配置穴96を有する。各第1端子配置穴96は、各第1凹部成形部95の先端面に開口している。なお、
図10には、第1凹部成形部95及び第1端子配置穴96を2つのみ図示している。
【0078】
各第1端子配置穴96の内面は、第1接続部32及び第1露出部33aの外形に応じた形状をなしている。各第1端子配置穴96は、第1配置部96aと第2配置部96bとを有する。第1配置部96aは、第1端子配置穴96における底部から開口の手前までの部分である。第1配置部96aの内面は、第1接続部32の外形に応じた形状をなしている。第2配置部96bは、第1端子配置穴96における第1配置部96aと第1端子配置穴96の開口との間の部分である。第2配置部96bの内面は、第1露出部33aの外形に応じた形状をなしている。
【0079】
また、金型91は、第2成形面94に開口する第2端子配置穴97を有する。金型91は、コネクタ21が備える第2端子40と同数の第2端子配置穴97を有する。なお、
図10には、第2端子配置穴97を2つのみ図示している。各第2端子配置穴97の内面は、第2接続部42の外形に応じた形状をなしている。
【0080】
各第1端子配置穴96の第1配置部96aは、第2接続部42よりも細い。また、各第1端子配置穴96の第2配置部96bは、第2接続部42よりも太い。一方、各第2端子配置穴97は、第1露出部33aよりも細い。
【0081】
なお、図示はしないが、キャビティ92の内面は、キャビティ92に充填される樹脂材料に第3平面64a及び第4平面65aを形成するための第3成形面及び第4成形面を有する。また、図示はしないが、金型91は、第3成形面から突出する第2凹部成形部を有する。第2凹部成形部は、第2凹部74の内面に応じた外面を有する。また、図示はしないが、金型91は、コネクタ21が備える第1端子30の数と同数の第3端子配置穴を有する。各第3端子配置穴は、各第2凹部成形部の先端に開口している。各第3端子配置穴は、第3接続部35及び第2露出部36aの外形に応じた形状をなしている。各第3端子配置穴は、例えば、第1端子配置穴96と同様の構成である。また、図示はしないが、金型91は、第4成形面に開口する第4端子配置穴を、コネクタ21が備える第2端子40の数と同数有する。各第4端子配置穴の内面は、第4接続部45の外形に応じた形状をなしている。各第4端子配置穴は、例えば、第2端子配置穴97と同様の構成である。
【0082】
なお、金型91は、固定型と少なくとも1つの可動型とを備える。第1端子配置穴96及び第2端子配置穴97は、例えば固定型に設けられる。一方、第3端子配置穴及び第4端子配置穴は、例えば可動型に設けられる。
【0083】
(端子配置工程)
上記の金型91を用いて第1端子30及び第2端子40が一体化されたハウジング50を形成する際には、まず、第1端子30及び第2端子40をキャビティ92に配置する端子配置工程を行う。端子配置工程では、例えば、作業者が、複数の第1端子30及び複数の第2端子40を図示しない治具に保持させる。治具は、複数の第1端子30及び複数の第2端子40を、端子同士の位置関係がコネクタ21における位置関係と同じになるように保持する。
【0084】
次に、治具に保持された第1端子30及び第2端子40を、キャビティ92に配置する。このとき、金型91は開かれている。複数の第1端子30は、第1接続部32及び第1露出部33aがそれぞれ第1端子配置穴96に挿入される。複数の第2端子40は、第2接続部42がそれぞれ第2端子配置穴97に挿入される。第1端子配置穴96に第1接続部32及び第1露出部33aが正しく挿入された場合には、第1接続部32及び第1露出部33aの外面全体が第1端子配置穴96の内面によって覆われる。そして、各第1端子30は、形成するハウジング50に対する位置が決定される。また、第2端子配置穴97に第2接続部42が正しく挿入された場合には、第2接続部42の外面全体が第2端子配置穴97の内面によって覆われる。そして、各第2端子40は、形成するハウジング50に対する位置が決定される。
【0085】
なお、
図11に示すように、第2接続部42は、第1配置部96aよりも太く且つ第2配置部96bよりも細い。そのため、第2端子40が間違って第1端子配置穴96に挿入される場合、第2接続部42は、第2配置部96bには挿入されるが、第1配置部96aには挿入されることができない。従って、第2接続部42は、第1端子配置穴96に完全に挿入されることが抑制される。そして、作業者は、第2接続部42を完全に挿入できないことによって、第2端子40を間違って第1端子配置穴96に挿入していることに気づくことができる。
【0086】
また、第1接続部32は、第2端子配置穴97よりも細いが、第1露出部33aは、第2端子配置穴97よりも太い。そのため、第1端子30が間違って第2端子配置穴97に挿入される場合、第1接続部32は、第2端子配置穴97に挿入されるが、第1露出部33aは、第2端子配置穴97に挿入されることができない。また、第1方向D1における第1接続部32の長さは、第2方向D2における第2接続部42の長さよりも短い。そのため、第1接続部32の先端が第2端子配置穴97の底部に到達する前に、第1露出部33aが第2端子配置穴97の開口に引っ掛かる。従って、第1接続部32及び第1露出部33aは、第2端子配置穴97に完全に挿入されることが抑制される。そして、第1端子30が第1端子配置穴96に挿入されている場合には、第1露出部33aも第1端子配置穴96に挿入されるはずである。従って、作業者は、第1露出部33aを挿入できないことによって、第1端子30を間違って第2端子配置穴97に挿入していることに気づくことができる。
【0087】
図10に示すように、各第1端子30が各第1端子配置穴96に挿入されるとともに各第2端子40が各第2端子配置穴97に挿入された後に、金型91が閉じられる。このとき、複数の第1端子30は、第3接続部35及び第2露出部36aがそれぞれ第3端子配置穴に挿入される。また、複数の第2端子40は、第4接続部45がそれぞれ第4端子配置穴に挿入される。金型91が閉じられた状態になると、端子配置工程が終了する。
【0088】
(充填工程)
端子配置工程の後に、キャビティ92に樹脂材料を充填する充填工程を行う。充填工程では、溶融した樹脂材料がキャビティ92に射出される。そして、キャビティ92に当該樹脂材料が充填される。これにより、キャビティ92の内部で、第1埋設部33b、第2埋設部36b、位置決め部37、第2端子側第1埋設部43、第2端子側第2埋設部46、及び位置決め部47が、当該樹脂材料の中に埋まる。キャビティ92に樹脂材料が充填されると充填工程が終了する。
【0089】
充填工程の後、キャビティ92内の樹脂材料は、冷却されることにより固化する。そして、キャビティ92内の樹脂材料が固化することにより、第1端子30及び第2端子40が一体化されたハウジング50が完成する。ハウジング50は、金型91が開かれた後に当該金型91から取り出される。
【0090】
本実施形態の作用効果について説明する。
(1)コネクタ21は、ハウジング50と、直線状に延びており一部がハウジング50に埋まっている少なくとも1つの第1端子30と、直線状に延びており一部がハウジング50に埋まっている少なくとも1つの第2端子40と、を備えている。第1端子30は、第1端子30の延びる方向、即ち第1方向D1、における第1端子30の一端である第1端31を有している。また、第1端子30は、第1端子30における第1端31を含む端部領域であって第1相手端子101との接点を含む第1接続部32と、第1方向D1に第1接続部32と隣接する第1中間部33とを有している。第2端子40は、第2端子40の延びる方向、即ち第2方向D2、における第2端子40の一端である第2端41と、第2端子40における第2端41を含む端部領域であって第2相手端子103との接点を含む第2接続部42とを有している。第1接続部32は、全体がハウジング50から露出している。第1中間部33は、第1中間部33における第1接続部32と隣接する端部領域であってハウジング50から露出している第1露出部33aを有している。また、第1中間部33は、第1方向D1に第1露出部33aと隣接しハウジング50に埋まっている第1埋設部33bを有している。第1露出部33aは、第1接続部32よりも太い。第2接続部42は、第1接続部32と同じ方向にハウジング50の表面から突出し全体がハウジング50から露出するとともに、第1接続部32よりも太く、且つ、第1露出部33aよりも細い。
【0091】
この構成によれば、第1端子30及び第2端子40が一体化されたハウジング50を成形するための金型91は、ハウジング50から露出する第1接続部32及び第1露出部33aを挿入するための第1端子配置穴96を有することになる。第1接続部32及び第1露出部33aをハウジング50から露出させるため、第1端子配置穴96の内面は、第1接続部32及び第1露出部33aの外形に応じた形状になる。即ち、第1端子配置穴96は、金型91内に充填される溶融した樹脂材料が第1端子配置穴96の内部に入り込まないように、第1接続部32及び第1露出部33aによって塞がれる形状をなす。また、同金型91は、ハウジング50から露出する第2接続部42を挿入するための第2端子配置穴97を有することになる。第2接続部42をハウジング50から露出させるため、第2端子配置穴97の内面は、第2接続部42の外形に応じた形状になる。即ち、第2端子配置穴97は、金型91内に充填される溶融した樹脂材料が第2端子配置穴97の内部に入り込まないように、第2接続部42によって塞がれる形状をなす。そして、第1端子30及び第2端子40が一体化されたハウジング50が形成されるときには、第1端子30は、第1端子配置穴96に第1接続部32及び第1露出部33aが挿入されることにより、コネクタ21における配置位置が決定される。また、第2端子40は、第2端子配置穴97に第2接続部42が挿入されることにより、コネクタ21における配置位置が決定される。
【0092】
第1端子30の第1接続部32は、第2端子40の第2接続部42よりも細い。その一方で、第1端子30の第1露出部33aは、第2接続部42よりも太い。従って、第1端子配置穴96において第1接続部32が挿入されて配置される部分、即ち第1配置部96aは、第2端子40よりも細い。第1端子配置穴96において第1露出部33aが挿入されて配置される部分、即ち第2配置部96bは、第2端子40よりも太い。第2端子配置穴97は、第1接続部32よりも太いが、第1露出部33aよりも細い。
【0093】
このため、第1端子30が間違って第2端子配置穴97に挿入される場合、第1接続部32は第2端子配置穴97に挿入されるが、第1露出部33aは第2端子配置穴97に挿入されることができない。従って、第1露出部33aが第2端子配置穴97の開口に引っ掛かることにより、第1端子30がそれ以上第2端子配置穴97に挿入されることが阻止される。よって、第1接続部32が第2端子配置穴97に挿入された状態で第1端子30が金型91にセットされること、即ち、金型91において第2端子40が配置されるべき場所に第1端子30が配置されることを抑制できる。
【0094】
また、第2端子40が間違って第1端子配置穴96に挿入される場合、第2接続部42は、第1端子配置穴96における第1接続部32の外形に応じた内面を有する第1配置部96aには挿入されることができない。従って、第2接続部42が第1端子配置穴96に挿入された状態で第2端子40が金型91にセットされること、即ち、金型91において第1端子30が配置されるべき場所に第2端子40が配置されることを抑制できる。
【0095】
これらのことから、太さの異なる2種類の端子30,40の配置間違いを抑制できる。即ち、ハウジング50を成形するときに、第1端子30が配置されるべき場所に第2端子40が配置されたり、第2端子40が配置されるべき場所に第1端子30が配置されたりすることを抑制できる。更に、コネクタ21において、第1端子30が配置されるべき場所に第2端子40が配置されていたり、第2端子40が配置されるべき場所に第1端子30が配置されていたりすることを抑制できる。
【0096】
(2)第1端子30は、第1方向D1における第1端31と反対の端である第3端34を有している。また、第1端子30は、第1端子30における第3端34を含む端部領域であって第3相手端子111との接点を含む第3接続部35と、第1方向D1に第3接続部35と隣接する第2中間部36とを有している。第2端子40は、第2方向D2における第2端41と反対の端である第4端44と、第2端子40における第4端44を含む端部領域であって第4相手端子113との接点を含む第4接続部45とを有している。第3接続部35は、全体がハウジング50から露出している。第2中間部36は、第2中間部36における第3接続部35と隣接する端部領域であってハウジング50から露出している第2露出部36aを有している。また、第2中間部36は、第1方向D1に第2露出部36aと隣接しハウジング50に埋まっている第2埋設部36bを有している。第2露出部36aは、第3接続部35よりも太い。第4接続部45は、第3接続部35と同じ方向にハウジング50から突出し全体がハウジング50から露出するとともに、第3接続部35よりも太く、且つ、第2露出部36aよりも細い。
【0097】
この構成によれば、第1端子30は、第1方向D1における両端に異なる相手端子101,111との接点を有する。また、第2端子40は、第2方向D2における両端に異なる相手端子103,113との接点を有する。そして、第1接続部32、第1露出部33a、及び第2接続部42の太さの関係と、第3接続部35、第2露出部36a、及び第4接続部45の太さの関係とが等しい。このため、上記と同様に、金型91が有する、第3接続部35及び第2露出部36aを挿入するための第3端子配置穴に、第4接続部45が間違って挿入されることを抑制できる。従って、第4接続部45が第3端子配置穴に挿入された状態で第2端子40が金型91にセットされることを抑制できる。また、上記と同様に、当該金型91が有する、第4接続部45を挿入するための第4端子配置穴に、第3接続部35及び第2露出部36aが間違って挿入されることを抑制できる。従って、第3接続部35が第4端子配置穴に挿入された状態で第1端子30が金型91にセットされることを抑制できる。
【0098】
このように、第1端子30における第1接続部32が設けられた端部領域だけでなく、第1端子30における第3接続部35が設けられた端部領域においても、金型91において第2端子40が配置されるべき場所に第1端子30が配置されることを抑制できる。また、第2端子40における第2接続部42が設けられた端部領域だけでなく、第2端子40における第4接続部45が設けられた端部領域においても、金型91において第1端子30が配置されるべき場所に第2端子40が配置されることを抑制できる。従って、第1端子30における第3接続部35が設けられている端部領域、及び、第2端子40における第4接続部45が設けられている端部領域においても、太さの異なる2種類の端子30,40の配置間違いを抑制できる。
【0099】
(3)ハウジング50は、第1露出部33aが内側に配置される第1凹部71と、第2露出部36aが内側に配置される第2凹部74とを有する。
この構成によれば、第1凹部71の内側に配置されている第1露出部33aを、目視により確認することが可能になる。また、第2凹部74の内側に配置されている第2露出部36aを、目視により確認することが可能になる。従って、第1凹部71の内側に第1露出部33aが配置されているか否かを確認することにより、コネクタ21において第1端子30が配置されるべき場所に第1端子30が配置されているか否かを容易に確認できる。因みに、第1凹部71の内側に第1露出部33aが配置されていることが確認できない場合には、第1端子30が正しく配置されていない、もしくは、第1端子30が配置されるべき場所に第2端子40が配置されている可能性があると判断できる。そして、第1凹部71の内側に第1露出部33aが配置されていることが確認できない場合には、当該コネクタ21を不良品として排除することができる。そのため、第1端子30もしくは第2端子40が正しく配置されていないコネクタ21が使用されることを避けることができる。同様に、第2凹部74の内側に第2露出部36aが配置されているか否かを確認することにより、コネクタ21において第1端子30が配置されるべき場所に第1端子30が配置されているか否かを容易に確認できる。
【0100】
(4)第1端子30及び第2端子40の各々は、平板状をなしている。この構成によれば、第1端子30及び第2端子40の各々を、プレス加工により容易に形成することができる。例えば、第1端子30及び第2端子40の各々が切削加工により形成される場合に比べて、製造コストを低減できる。
【0101】
(5)ハウジング50は、第1接続部32及び第2接続部42の外周を囲む筒状をなす第1筒状部51と、第1筒状部51の外周面から突出している第1誤組付防止凸部54とを有する。この構成によれば、相手側コネクタハウジング102が、第1方向D1に沿って第1誤組付防止凸部54が挿入される第1誤組付防止溝を有する場合に、第1相手コネクタ100が、第1筒状部51に対して誤った姿勢で嵌合されることが抑制される。例えば、第1相手コネクタ100が、第1筒状部51に対する正しい姿勢から、第1筒状部51の中央を通り第1方向D1に沿って延びる軸回りにずれた状態で第1筒状部51に嵌合されることを抑制できる。
【0102】
なお、ハウジング50は、第3接続部35及び第4接続部45の外周を囲む筒状をなす第2筒状部52と、第2筒状部52の外周面から突出している第2誤組付防止凸部55とを有する。このため、相手側コネクタハウジング112が、第1方向D1と反対方向に沿って第2誤組付防止凸部55が挿入される第2誤組付防止溝を有する場合に、第2相手コネクタ110が、第2筒状部52に対して誤った姿勢で嵌合されることが抑制される。
【0103】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、端子配置工程を行う際、治具に保持された第1端子30及び第2端子40を、金型91に対してセットする。しかしながら、端子配置工程では、治具を用いることなく、作業者が第1端子30及び第2端子40の各々を金型91に対して直接配置してもよい。
【0104】
・ハウジング50は、第1誤組付防止凸部54を有していなくてもよい。また、ハウジング50は、第2誤組付防止凸部55を有していなくてもよい。
・第1露出部33aの幅W12と第1埋設部33bの幅W13とは、異なる値であってもよい。また、第1埋設部33bは、第1方向D1に沿って幅W13が一定でなくてもよい。同様に、第2露出部36aの幅W14と第2埋設部36bの幅とは、異なる値であってもよい。また、第2埋設部36bは、第1方向D1に沿って幅が一定でなくてもよい。
【0105】
・第1端子30における第1端31を含む端部領域と、第1端子30における第3端34を含む端部領域とは、異なる大きさであってもよいし、異なる形状であってもよい。また、第2端子40における第2端41を含む端部領域と、第2端子40における第4端44を含む端部領域とは、異なる大きさであってもよいし、異なる形状であってもよい。ただし、少なくとも、第2接続部42は、第1接続部32よりも太く、且つ、第1露出部33aよりも細い。
【0106】
・第1端子30及び第2端子40の各々は、平板状をなしていなくてもよい。例えば、第1端子30及び第2端子40の少なくとも1つは、断面円形状をなす柱状をなしていてもよい。また、第1端子30と第2端子40とは、異なる厚さであってもよい。また、第1端子30及び第2端子40の各々は、厚さが一定でなくてもよい。
【0107】
・第1端子30は、第3接続部35及び第2露出部36aを有していなくてもよい。また、第2端子40は、第4接続部45を有していなくてもよい。この場合、例えば、第1端子30における第3端34を含む端部領域に、電線の端部が電気的に接続されてもよい。また、例えば、第2端子40における第4端44を含む端部領域に、電線の端部が電気的に接続されてもよい。そして、同場合、ハウジング50は、第2筒状部52を有していなくてもよい。
【0108】
・コネクタ21が備える第1端子30の数は、4つに限らず、3つ以下、もしくは、5つ以上であってもよい。また、コネクタ21が備える第2端子40の数は、4つに限らず、3つ以下、もしくは、5つ以上であってもよい。
【0109】
・第1方向D1から見た第1端子30及び第2端子40の配置位置は、上記実施形態の配置位置に限らない。第1相手コネクタ100や第2相手コネクタ110の仕様に応じて適宜変更してよい。ただし、第1端子30及び第2端子40は、互いに平行をなすように配置される。
【0110】
・ハウジング50の形状は、上記実施形態の形状に限らない。第1筒状部51、第2筒状部52、保持部53、固定部81などハウジング50を構成する各部の形状は、任意の形状に変更することができる。
【0111】
・第1方向D1は、各第1端子30において第3端34から第1端31に向かう方向であってもよい。第2方向D2は、各第2端子40において第4端44から第2端41に向かう方向であってもよい。また、上記実施形態の第3方向D3と反対方向を、第3方向D3としてもよい。また、上記実施形態の第4方向D4と反対方向を、第4方向D4としてもよい。
【0112】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
コネクタは、コネクタハウジングと、直線状に延びており一部が前記コネクタハウジングに埋まっている少なくとも1つの第1端子と、直線状に延びており一部が前記コネクタハウジングに埋まっている少なくとも1つの第2端子と、を備え、前記第1端子は、前記第1端子の延びる方向における前記第1端子の一端である第1端と、前記第1端子における前記第1端を含む端部領域であって第1相手端子との接点を含む第1接続部と、前記第1端子の延びる方向に前記第1接続部と隣接する第1中間部とを有し、前記第2端子は、前記第2端子の延びる方向における前記第2端子の一端である第2端と、前記第2端子における前記第2端を含む端部領域であって第2相手端子との接点を含む第2接続部とを有し、前記第1接続部は、全体が前記コネクタハウジングから露出しており、前記第1中間部は、前記第1中間部における前記第1接続部と隣接する端部領域であって前記コネクタハウジングから露出している第1露出部と、前記第1端子の延びる方向に前記第1露出部と隣接し前記コネクタハウジングに埋まっている第1埋設部とを有し、前記第1露出部は、前記第1接続部よりも太く、前記第2接続部は、前記第1接続部と同じ方向に前記コネクタハウジングの表面から突出し全体が前記コネクタハウジングから露出するとともに、前記第1接続部よりも太く、且つ、前記第1露出部よりも細いコネクタである。
【0113】
この構成によれば、第1端子及び第2端子が一体化されたコネクタハウジングを成形するための金型は、コネクタハウジングから露出する第1接続部及び第1露出部を挿入するための第1端子配置穴を有することになる。第1接続部及び第1露出部をコネクタハウジングから露出させるため、第1端子配置穴の内面は、第1接続部及び第1露出部の外形に応じた形状になる。即ち、第1端子配置穴は、金型内に充填される溶融した樹脂材料が第1端子配置穴の内部に入り込まないように、第1接続部及び第1露出部によって塞がれる形状をなす。また、同金型は、コネクタハウジングから露出する第2接続部を挿入するための第2端子配置穴を有することになる。第2接続部をコネクタハウジングから露出させるため、第2端子配置穴の内面は、第2接続部の外形に応じた形状になる。即ち、第2端子配置穴は、金型内に充填される溶融した樹脂材料が第2端子配置穴の内部に入り込まないように、第2接続部によって塞がれる形状をなす。そして、第1端子及び第2端子が一体化されたコネクタハウジングが形成されるときには、第1端子は、第1端子配置穴に第1接続部及び第1露出部が挿入されることにより、コネクタにおける配置位置が決定される。また、第2端子は、第2端子配置穴に第2接続部が挿入されることにより、コネクタにおける配置位置が決定される。
【0114】
第1端子の第1接続部は、第2端子の第2接続部よりも細い。その一方で、第1端子の第1露出部は、第2接続部よりも太い。従って、第1端子配置穴において第1接続部が挿入されて配置される部分は、第2端子よりも細い。第1端子配置穴において第1露出部が挿入されて配置される部分は、第2端子よりも太い。第2端子配置穴は、第1接続部よりも太いが、第1露出部よりも細い。
【0115】
このため、第1端子が間違って第2端子配置穴に挿入される場合、第1接続部は第2端子配置穴に挿入されるが、第1露出部は第2端子配置穴に挿入されることができない。従って、第1露出部が第2端子配置穴の開口に引っ掛かることにより、第1端子がそれ以上第2端子配置穴に挿入されることが阻止される。よって、第1接続部が第2端子配置穴に挿入された状態で第1端子が金型にセットされること、即ち、金型において第2端子が配置されるべき場所に第1端子が配置されることを抑制できる。
【0116】
また、第2端子が間違って第1端子配置穴に挿入される場合、第2接続部は、第1端子配置穴における第1接続部の外形に応じた内面を有する部分には挿入されることができない。従って、第2接続部が第1端子配置穴に挿入された状態で第2端子が金型にセットされること、即ち、金型において第1端子が配置されるべき場所に第2端子が配置されることを抑制できる。
【0117】
これらのことから、太さの異なる2種類の端子の配置間違いを抑制できる。即ち、コネクタハウジングを成形するときに、第1端子が配置されるべき場所に第2端子が配置されたり、第2端子が配置されるべき場所に第1端子が配置されたりすることを抑制できる。更に、コネクタにおいて、第1端子が配置されるべき場所に第2端子が配置されていたり、第2端子が配置されるべき場所に第1端子が配置されていたりすることを抑制できる。
【符号の説明】
【0118】
21 コネクタ
22 筐体
23 取付孔
24 ボルト
30 第1端子
31 第1端
32 第1接続部
33 第1中間部
33a 第1露出部
33b 第1埋設部
34 第3端
35 第3接続部
36 第2中間部
36a 第2露出部
36b 第2埋設部
37 位置決め部
38 貫通孔
40 第2端子
41 第2端
42 第2接続部
43 第2端子側第1埋設部
44 第4端
45 第4接続部
46 第2端子側第2埋設部
47 位置決め部
48 貫通孔
50 コネクタハウジング
51 第1筒状部(筒状部)
52 第2筒状部
53 保持部
54 第1誤組付防止凸部(誤組付防止凸部)
55 第2誤組付防止凸部
61 保持本体部
62 第1支持部
62a 第1平面
63 第2支持部
63a 第2平面
64 第3支持部
64a 第3平面
65 第4支持部
65a 第4平面
71 第1凹部
71a 底面
74 第2凹部
74a 底面
81 固定部
82 固定孔
82a カラー
83 嵌合部
84 シール部材
91 金型
92 キャビティ
93 第1成形面
94 第2成形面
95 第1凹部成形部
96 第1端子配置穴
96a 第1配置部
96b 第2配置部
97 第2端子配置穴
100 第1相手コネクタ
101 第1相手端子
102 相手側コネクタハウジング
103 第2相手端子
110 第2相手コネクタ
111 第3相手端子
112 相手側コネクタハウジング
113 第4相手端子
D1 第1方向(第1端子の延びる方向)
D2 第2方向(第2端子の延びる方向)
D3 第3方向
D4 第4方向
W11 幅(第1接続部の幅)
W12 幅(第1露出部の幅)
W13 幅(第1埋設部の幅)
W14 幅(第2露出部の幅)
W15 幅(第3接続部の幅)
W21 幅(第2接続部の幅)
W22 幅(第2端子側第1埋設部の幅)
W23 幅(第4接続部の幅)
W24 幅(第2端子側第2埋設部の幅)