(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017424
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置
(51)【国際特許分類】
C01B 3/06 20060101AFI20240201BHJP
C02F 1/68 20230101ALI20240201BHJP
【FI】
C01B3/06
C02F1/68 510A
C02F1/68 510B
C02F1/68 510Z
C02F1/68 520B
C02F1/68 520K
C02F1/68 520P
C02F1/68 520S
C02F1/68 540D
C02F1/68 540Z
C02F1/68 530A
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120047
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】516047979
【氏名又は名称】山本 泰弘
(71)【出願人】
【識別番号】516047980
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 剛
(57)【要約】
【課題】
水100%を熱分解して水素を得る方法では、水は水素と酸素との結びつきが強いため、理論上3,000℃~5,000℃の温度を与えないと、水素と酸素に分解しないと言われている。3,000℃以上の温度で水を熱分解して水素を得る方法では、3,000℃以上の高温を得る実質的な方法が得られないことや、そのような高温状態の空間を外界から保つための設備を安価に作れないことや、高温の空間内に連続的に水を供給する手段が考えられないこと等、多くの問題を含んでいる。
【解決手段】
本発明は、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものを指すものから、水素を発生させる技術である。上記の物質とアルカリ液とを混合し、水素を一定の数量と一定の圧力で継続的に発生させる技術である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と、アルカリ液とを混合し、水素を一定の数量と一定の圧力で継続的に発生させるようにしたことを特徴とするケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項2】
ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と、アルカリ液とを混合し、水素を一定の数量と一定の圧力で継続的に発生させるようにしたことを特徴とするケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる水素製造装置。
【請求項3】
前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質が、金属シリコンであることを特徴とする請求項1に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項4】
前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質が、金属シリコンであることを特徴とする請求項2に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる水素製造装置。
【請求項5】
前記アルカリ液が、日本国内基準の工業用または飲料用の水道水、浄水器を通過した硬水及び軟水、一般的な井戸水、海水を原水とした一定の浄水後の水、天然鉱石と人工鉱石に前記の水を通過させることによって生成する改質した水、
のいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項6】
前記アルカリ液が、日本国内基準の工業用または飲料用の水道水、浄水器を通過した硬水及び軟水、一般的な井戸水、海水を原水とした一定の浄水後の水、天然鉱石と人工鉱石に前記の水を通過させることによって生成する改質した水、
のいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる水素製造装置。
【請求項7】
前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と前記アルカリ液とを投入する圧力容器を備えており、
前記圧力容器内において前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質とアルカリ液とが反応して水素を発生させることができるようにしたことを特徴とする請求項2、4、6のいずれかに記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる水素製造装置。
【請求項8】
前記圧力容器が日本工業規格である、第2種圧力容器、又は第1種圧力容器の規格を備えたものであることを特徴とする請求項7に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる水素製造装置。
【請求項9】
前記アルカリ液に対する、RO膜処理からなる純水処理が行われる工程と、ミネラル成分の添加工程とを備えたことを特徴とする請求項1、3、5のいずれかに記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項10】
前記アルカリ液に対する、RO膜処理からなる純水処理が行われる工程と、ミネラル成分の添加工程とを経て得られた水に、天然鉱石及び/又は人工鉱石を混合させる改質工程を加えて、改質した水を生成することができるようにしたことを特徴とする請求項9に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項11】
前記天然鉱石及び/又は人工鉱石が、黄鉄鉱、白鉄鉱、辰砂、方鉛鉱、斑銅鉱、ハロゲン化鉱物、蛍石、氷晶石、トルマリン、黒曜石、マグネシウム、方解石、ウレキサイト(テレビ石)、コールマン石、硼砂、ハウライト、石膏、重晶石、天青石、燐灰ウラン石、カルノー石、錦石、黒砂金石、麦飯石、石英、流紋岩のいずれかからなるとともに、
該天然鉱石及び/又は人工鉱石の長さ方向の大きさが、1~5mm、5~10mm、10~20mm、20~40mm、30~50mm、60~100mm、110~200mmのいずれかの大きさからなることを特徴とする請求項10に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項12】
前記アルカリ液に対する、RO膜処理からなる純水処理が行われる工程と、ミネラル成分の添加工程とを経て得られた水に、天然鉱石及び/又は人工鉱石と、アルミニウム、カルシウム、鉄のいずれかからなる少なくとも1種類の金属とを混合させる改質工程を加えて、改質した水を生成することができるようにしたことを特徴とする請求項10に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項13】
前記流紋岩は、黒曜石、真珠岩、松脂岩のうちの少なくともいずれか1つからなる岩石であることを特徴とする請求項11に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項14】
前記アルカリ液又は改質した水の100重量%に対して、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質が5~20重量%の範囲と、40~60重量%の範囲のいずれかの構成からなることを特徴とするケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項15】
前記ケイ素を含む物質が、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Srのいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項16】
前記ケイ素を含む物質が、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Srのいずれかからなることを特徴とする請求項2に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる水素製造装置。
【請求項17】
前記圧力容器内において、前記アルカリ液又は改質した水を、前記容器内で前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と接触させる工程を備えてなることを特徴とする請求項7に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項18】
前記圧力容器内において、前記アルカリ液又は改質した水を、前記容器内で前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と接触させる工程を備えてなり、
前記容器内の温度を15℃以上とすることを特徴とする請求項17に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項19】
前記圧力容器内において、前記アルカリ液又は改質した水を、前記容器内で前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と接触させる工程を備えてなり、
前記容器内の温度を15℃~150℃とすることを特徴とする請求項18に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項20】
前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質に接触させる前記アルカリ液は、pH8~14の範囲において選択することができるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項21】
前記アルカリ液濃度における水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム、水酸化カルシウム溶液のいずれかの濃度を1%以上とすることを特徴とする請求項1に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項22】
前記圧力容器の中において、前記にケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質の位置よりも水の液面を上位とすることを特徴とする請求項7に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法。
【請求項23】
ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と、アルカリ液とを混合し、水素を一定の数量と一定の圧力で継続的に発生させるようにした水素製造装置であって、
以下の化学式を利用したことを特徴とする請求項2に記載のケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる水素製造装置。
Si+2NaOH+H2O=NaSiO3+2H2↑
【請求項24】
ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と、アルカリ液とを混合し、水素を一定の数量と一定の圧力で継続的に発生させるようにした水素製造装置であって、
前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と前記アルカリ液を接触させる圧力容器を備え、
前記圧力装置には、水素放出口と、
アルカリ液体の追加投入口と、
圧力上昇時に安全の為に作動する安全弁と、
前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質の投入口と、
前記アルカリ液を作成するための投入口と、
温度センサー口と、
圧力センサー口と、
点検口などのソケットと、
が備えられ、前記各部に必要な機器類が備えられていることを特徴とするケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる水素製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水または改質した水をアルカリ液にし、ケイ素(シリコン)またはケイ素を含む物質を用いて水素を発生させるための水素の製造方法および水素の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料ガスとして水素を使用することが従来から知られている。水素を製造する製造方法として、多くの発明が提供されている。
例えば水100%を熱分解して水素を得る方法や、硫酸を熱分解し、ヨウ素水を用いて水素を取り出すIS法(Iodine-Sulfe)法等が知られている。IS法は、ブンゼン反応工程と、ヨウ化水素濃縮分解行程と、硫酸濃縮分解行程による3つの行程を経て、水から水素と酸素とを分解して取り出すもの(特許文献1参照)である。
その他に、金属亜鉛とマグネタイトと水とを反応させ、反応生成物として水素を発生させる水の分解方法が知られている(特許文献2参照)。
【0003】
アルミニウムやマグネシウムと水とを接触させることで、水素を発生させる水素の製造方法が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-41764号公報
【特許文献2】特開2001-270701号公報
【特許文献3】特開2007-290888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水100%を熱分解して水素を得る方法では、水は水素と酸素との結びつきが強いため、理論上3,000℃~5,000℃の温度を与えないと、水素と酸素に分解しないと言われている。3,000℃以上の温度で水を熱分解して水素を得る方法では、3,000℃以上の高温を得る実質的な方法が得られないことや、そのような高温状態の空間を外界から保つための設備を安価に作れないことや、高温の空間内に連続的に水を供給する手段が考えられないこと等、多くの問題を含んでいることから、水の熱分解による水素の生成は実現には至っていない。
【0006】
前記特許文献1に示すIS法では、900℃程度の高熱を必要とするため、熱源として、高温ガス炉等を用いなければならない。この高温ガス炉は製造コストが高く、しかも3つの工程を経て水素を製造することになり、水素を製造するためのコストが非常に高いものとなっていた。
【0007】
また、前記特許文献2に示す水の分解方法では、金属亜鉛とマグネタイトと600℃で水蒸気と反応させることで水素を製造するものであり、600℃の水蒸気を作るための加熱手段を備えなければならない。
【0008】
さらに、前記特許文献3に示す水の製造方法では、水としてpHが4~10の不凍水を使用するもので、0℃以下でも水素を発生させるものである。この特許文献3では、アルミニウムと水との反応によって水素を発生するが、0℃以下の低温で反応を行なうことから、低温では水素を大量に発生することはできず、高い経済効率で水素を発生することができない。
【0009】
そこで、本発明は、水または改質した水をアルカリ液にし、ケイ素(シリコン)及び/またはケイ素を含む物質と接触させて水素を製造することができる水素の製造方法と、水または改質した水とアルカリ液のアルカリ濃度を調整することで反応スピードの調整を可能にし、さらに反応温度を下げ低温かつ、自身の反応熱を利用し、外部からのエネルギーを極力使用せず、低エネルギー及び効率良く水素を製造するための水素製造装置とを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置は、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と、アルカリ液とを混合し、水素を一定の数量と一定の圧力で継続的に発生させるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質が、金属シリコンであることをも特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記アルカリ液が、日本国内基準の工業用または飲料用の水道水、浄水器を通過した硬水及び軟水、一般的な井戸水、海水を原水とした一定の浄水後の水、天然鉱石と人工鉱石に前記の水を通過させることによって生成する改質した水、のいずれかからなることをも特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置は、前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と前記アルカリ液とを投入する圧力容器を備えており、前記圧力容器内において前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質とアルカリ液とが反応して水素を発生させることができるようにしたことをも特徴とするものである。
【0014】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記圧力容器が日本工業規格である、第2種圧力容器、又は第1種圧力容器の規格を備えたものであることをも特徴とするものである。
【0015】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記アルカリ液に対する、RO膜処理からなる純水処理が行われる工程と、ミネラル成分の添加工程とを備えたことをも特徴とするものである。
【0016】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記アルカリ液に対する、RO膜処理からなる純水処理が行われる工程と、ミネラル成分の添加工程とを経て得られた水に、天然鉱石及び/又は人工鉱石を混合させる改質工程を加えて、改質した水を生成することができるようにしたことをも特徴とするものである。
【0017】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記天然鉱石及び/又は人工鉱石が、黄鉄鉱、白鉄鉱、辰砂、方鉛鉱、斑銅鉱、ハロゲン化鉱物、蛍石、氷晶石、トルマリン、黒曜石、マグネシウム、方解石、ウレキサイト(テレビ石)、コールマン石、硼砂、ハウライト、石膏、重晶石、天青石、燐灰ウラン石、カルノー石、錦石、黒砂金石、麦飯石、石英、流紋岩のいずれかからなるとともに、該天然鉱石及び/又は人工鉱石の長さ方向の大きさが、1~5mm、5~10mm、10~20mm、20~40mm、30~50mm、60~100mm、110~200mmのいずれかの大きさからなることをも特徴とするものである。
【0018】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記アルカリ液に対する、RO膜処理からなる純水処理が行われる工程と、ミネラル成分の添加工程とを経て得られた水に、天然鉱石及び/又は人工鉱石と、アルミニウム、カルシウム、鉄のいずれかからなる少なくとも1種類の金属とを混合させる改質工程を加えて、改質した水を生成することができるようにしたことをも特徴とするものである。
【0019】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記流紋岩は、黒曜石、真珠岩、松脂岩のうちの少なくともいずれか1つからなる岩石であることをも特徴とするものである。
【0020】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記アルカリ液又は改質した水の100重量%に対して、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質が5~20重量%の範囲と、40~60重量%の範囲のいずれかの構成からなることをも特徴とするものである。
【0021】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記ケイ素を含む物質が、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Srのいずれかからなることをも特徴とするものである。
【0022】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記ケイ素を含む物質が、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Srのいずれかからなることをも特徴とするものである。
【0023】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置は、前記圧力容器内において、前記アルカリ液又は改質した水を、前記容器内で前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と接触させる工程を備えてなることをも特徴とするものである。
【0024】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置は前記圧力容器内において、前記アルカリ液又は改質した水を、前記容器内で前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と接触させる工程を備えてなり、前記容器内の温度を15℃以上とすることをも特徴とするものである。
【0025】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置は、前記圧力容器内において、前記アルカリ液又は改質した水を、前記容器内で前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と接触させる工程を備えてなり、前記容器内の温度を15℃~150℃とすることをも特徴とするものである。
【0026】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質に接触させる前記アルカリ液は、pH8~14の範囲において選択することができるようにしたことをも特徴とするものである。
【0027】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置において、前記アルカリ液濃度における水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム、水酸化カルシウム溶液のいずれかの濃度を1%以上とすることをも特徴とするものである。
【0028】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置は、前記圧力容器の中において、前記にケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質の位置よりも水の液面を上位とすることをも特徴とするものである。
【0029】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置は、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と、アルカリ液とを混合し、水素を一定の数量と一定の圧力で継続的に発生させるようにした水素製造装置であって、以下の化学式を利用したことをも特徴とするものである。
Si+2NaOH+H2O=NaSiO3+2H2↑
【0030】
また、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法又は水素製造装置は、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と、アルカリ液とを混合し、水素を一定の数量と一定の圧力で継続的に発生させるようにした水素製造装置であって、前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質と前記アルカリ液を接触させる圧力容器を備え、前記圧力装置には、水素放出口と、アルカリ液体の追加投入口と、圧力上昇時に安全の為に作動する安全弁と、前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質の投入口と、前記アルカリ液を作成するための投入口と、温度センサー口と、圧力センサー口と、点検口などのソケットと、が備えられ、前記各部に必要な機器類が備えられていることをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものを指すものから、水素を発生させる技術である。そして上記の物質とアルカリ液とを混合し、水素を一定の数量と一定の圧力で継続的に発生させる技術である。
【0032】
アルカリ液は日本国内基準の工業用及び飲料用水道水、または、浄水器を通過した硬水及び軟水、一般的な井戸水、海水を原水とした一定の浄水後の水を使用する。浄水機能のある機械、フィルターを通す事により雨水や一般に汚れている水、不特定な成分の水でも使用できる。さらに、天然鉱石と人工鉱石に前記の水を通過させることによって生成するものを改質した水とし、改質した水を使用することも出来る。アルカリ液にする方法としては、一般に水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどアルカリ方向に向く薬品は広く活用出来る製造方法である。
【0033】
ケイ素物質とアルカリ液を圧力容器に投入し、ケイ素物質、例えば金属シリコンとアルカリ液、例えば水酸化ナトリウムとが反応し水素が発生するが、圧力容器を密閉状態に保ち、水素発生雰囲気を加速度的に増幅させることが出来る。
圧力容器内で水素が発生し密閉状態であることから容器内の圧力は0~1.5Mpsの範囲で水素の圧力が上昇する。アルカリ液の濃度により水素発生の速度をコントロールすることが可能な製造方法である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0035】
反応例
1Lの水素を発生させるのに、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものとする。
今回の例ではケイ素を含む混合物の代表として、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Sr、その他の金属類を含む物質をテストした結果、0.7gのケイ素混合物を必要とした。
【0036】
反応例
1m3の水素を発生させるのに、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものとする。
今回の例ではケイ素を含む混合物の代表として、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Sr、その他の金属類を含む物質をテストした結果、700gのケイ素混合物を必要とした。
【0037】
実験例
30リットル圧力容器を用いてテストを行なった。
1.圧力容器内に、15kgのケイ素を含む混合物、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Srを含む金属石を設置した。
2.アルカリ液のベースは水道水を利用した。
3.アルカリ液の濃度は前記1の工程後に水を容器内に満水近く投入し1の混合物の最上位以上の水面を確保した。
4.アルカリ液にするために前記2の水に、水酸化ナトリウムを5重量%~20重量%で投入した。
5.上記を順番に投入し必要時間は20分~120分で圧力上昇が見られるようになった。
6.24時間後には、圧力容器の圧力ゲージは0.5Mpsまで上昇した。
7.圧力容器のソケットの一つの水素発生出口のコックを徐々に開口する。開口した箇所から出る水素を水素探知機で測定すると反応した。
8.前記7の水素をガスクロ検査機にて計測すると純水素が発生していることが分かった。
9.前記8の数値は水素純度が99.99%であることが判明した。
【0038】
以下、本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置を再度詳述する。
【0039】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものを指すものから、水素を発生させる技術であり、先の物質とアルカリ液とを圧力容器内で接触させて水素を一定の数量と一定の圧力で継続的に発生させる技術である。
【0040】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、日本国内基準の工業用及び飲料用水道水、または、浄水器を通過した硬水及び軟水、一般的な井戸水、海水を原水とした一定の浄水後の水を使用する。浄水機能のある機械、フィルターを通す事により雨水や一般に汚れている水、不特定な成分の水でも使用できる。
さらに、天然鉱石と人工鉱石に前記の水を通過させることによって生成するものを改質した水とし、改質した水を使用することも出来る。
アルカリ液にする方法としては、一般に水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどアルカリ方向に向く薬品は広く活用出来る。
【0041】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、ケイ素物質とアルカリ液を圧力容器に投入し、ケイ素物質、例えば金属シリコンとアルカリ液、例えば水酸化ナトリウムとが反応し水素が発生するが、圧力容器を密閉状態に保ち、水素発生雰囲気を加速度的に増幅させることが出来る。
圧力容器内で水素が発生し密閉状態であることから容器内の圧力は0~1.5Mpsの範囲で水素の圧力が上昇するものである。
【0042】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、密閉した圧力容器は次のものが投入され、その圧力に耐えうる容器が必要になるのである。
投入する液体の水は、日本国内基準の工業用及び飲料用水道水、または、浄水器を通過した硬水及び軟水、一般的な井戸水、海水を原水とした一定の浄水後の水を使用する。浄水機能のある機械、フィルターを通す事により雨水や一般に汚れている水、不特定な成分の水や天然鉱石と人工鉱石に前記の水を通過させることによって生成する改質した水など、からアルカリ液を作り、一般に水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどアルカリ液の原料にしたものを使用するのである。
本発明のケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものを指すものを圧力容器内に設置又は投入していく圧力容器。この圧力容器は日本工業規格である、第2種圧力容器、又は第1種圧力容器の規格のものが好ましい。容器の規格サイズにより規格外のものは除くものとするのである。
【0043】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、日本国内基準の工業用及び飲料用水道水、または、浄水器を通過した硬水及び軟水、一般的な井戸水、海水を原水とした一定の浄水後の水、浄水機能のある機械、フィルターを通す雨水や一般に汚れている水、及び不特定な成分の水及びまたは浄水器を通過した水が、RO膜処理のような純水処理が行われる工程と、ミネラル成分の含有または後期にその水に添加する工程があることを特徴とするものである。
【0044】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、日本国内基準の工業用及び飲料用水道水及び浄水器を通過した硬水及び軟水、一般的な井戸水、海水を原水とした一定の浄水後の水、浄水機能のある機械、フィルターを通す雨水や一般に汚れている水、及び不特定な成分の水及びまたは浄水器を通過した水が、RO膜処理のような純水処理が行われる工程と、ミネラル成分の含有または後期にその水に添加して出来た水は、他に以下の改質工程を経て水を利用することも出来る。
その改質工程は改質した水を生成するための天然鉱石および人工鉱石を使用する工程であって、天然鉱石では次の天然石種類が挙げられる。
≪天然石種類≫
黄鉄鉱、白鉄鉱、辰砂、方鉛鉱、斑銅鉱、ハロゲン化鉱物、蛍石、氷晶石、トルマリン、黒曜石、マグネシウム、方解石、ウレキサイト(テレビ石)、コールマン石、硼砂、ハウライト、石膏、重晶石、天青石、燐灰ウラン石、カルノー石、錦石、黒砂金石、麦飯石、石英、流紋岩
≪大きさ≫
1~5mm、5~10mm、10~20mm、20~40mm、30~50mm、60~100mm、110~200mm
その他の素材で、アルミニウム、カルシウム、鉄からなる少なくとも1種類の金属を混合させたものである。
【0045】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、前記流紋岩として、黒曜石、真珠岩、松脂岩のうち少なくとも1つからなる岩石としたことをも特徴とするものである。
【0046】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、アルカリ液、又は改質した水の100重量%に対して、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものは、5~20重量%と、40~60重量%で構成が可能な特徴を持つものである。
【0047】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、前記、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものと、ケイ素を含む混合物の代表として、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Sr、その他の金属類などを含む物質が代表で挙げられることを特徴とした水素発生技術。
金属シリコンにおいては、全ての金属シリコンと言われる物質を対象とすることが特徴である。
及びケイ素(シリコン)においては、自然界に存在するケイ素、ケイ石を対象とすることが特徴である。
【0048】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、先述した改質水又はアルカリ液を容器内で前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものと、ケイ素を含む混合物の代表として、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Sr、その他の金属類などを含む物質などを容器内で接触させることを特徴とするものである。
【0049】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、容器の外部からの熱を加える加熱手段を用いずに、前記の改質水又はアルカリ液と前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものと、ケイ素を含む混合物の代表として、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Sr、その他の金属類などの水和反応による反応熱によって容器内の温度を15ド以上にすることを特徴とするものである。
【0050】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、前記の改質水又はアルカリ液と前記ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものと、ケイ素を含む混合物の代表として、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Sr、その他の金属類などの反応熱を容器内で水の沸点~150℃以下にすることを特徴とするものである。
【0051】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、アルカリ液濃度として、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものをアルカリ液に接触させる時のpHは8~14の範囲で選択することが出来ることを特徴とするものである。
【0052】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、アルカリ液濃度における水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム、水酸化カルシウム溶液の濃度を1%以上にすることを特徴とするものである。
【0053】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、圧力容器の中に、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのものを予め備え、それらのケイ素らの最上位よりも水の液面を上位とすることを特徴とするものである。
【0054】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、ケイ素(シリコン)及び/又はケイ素を含む物質、例えばSiを代表とする複合物、一般に金属シリコンと言われる物質全てのグレードのもの、又はケイ素単価、又はケイ素を含む混合物の代表として、Si、Al、Fe、Ca、Zn、Cr、Mn、Zr、Sr、その他の金属類などは、アルカリ液、例えば水酸化ナトリウム水溶液と接触させて得られる水素ガスは、例えば前途の混合物金属シリコン1gあたり約1850cm3の水素ガスを発生させる。
この過程を金属シリコンに絞ると次の反応式に従っていると考えられる。
Si(s)+2OH-+H2O→SiO3
2-+2H2(g)
そこで、実際に水酸化ナトリウム溶液とケイ素との反応式は以下のものと考えられる。
Si+2NaOH+H2O=NaSiO3+2H2↑
上記の化学式を利用したものである。
【0055】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、ケイ素物質群とアルカリ液を接触させる圧力容器には水素放出口と、アルカリ液体の追加投入口、圧力上昇時に安全の為に作動する安全弁、ケイ素物質群の投入口、アルカリ液を作成するための投入口、温度センサー口、圧力センサー口、点検口などのソケットが備えられ、各部必要な機器類が備えられていることが特徴のものである。
【0056】
本発明に係るケイ素及び/又はケイ素を含む物質から水素を発生させる方法と水素製造装置は、前記の容器内で発生する水素は純水素状態に限りなく近いものであることが特徴のものである。