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特開2024-174276充電制御装置、充電システム、充電制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174276
(43)【公開日】2024-12-16
(54)【発明の名称】充電制御装置、充電システム、充電制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20241209BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241209BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20241209BHJP
   B60L 53/63 20190101ALI20241209BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/02 G
H02J7/00 P
B60L53/14
B60L53/63
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092015
(22)【出願日】2023-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】523212184
【氏名又は名称】株式会社エールホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】津田 良
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA10
5G503FA06
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BE01
5H125DD02
(57)【要約】
【課題】充電装置がオーバーロードとならないように制御できる充電制御装置を提供する。
【解決手段】充電制御装置は、集合住宅で複数の電気充電可能な車両のそれぞれに電気充電する装置であって複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている充電装置103に対し、当該充電装置に接続された車両への充電を制御する充電制御装置において、最大使用電力の範囲内で同時に充電可能な最大台数を超えて車両から充電依頼がされた場合(ステップS175の「No」である)に、最大台数を超えて充電依頼する車両への充電を待機状態(ステップS180)とする。
【選択図】図19A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
充電依頼があった際に当該充電依頼した前記車両に充電すると前記最大使用電力を超える場合に、前記充電依頼した前記車両への充電を待機状態とする、
充電制御装置。
【請求項2】
前記最大使用電力の範囲で充電していた1台の前記車両の充電が完了すると、待機状態の1台の前記車両に対して充電を開始する、
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記待機状態の1台の前記車両は、最も待機時間が長い車両である、
請求項2に記載の充電制御装置。
【請求項4】
集合住宅で電気充電可能な複数の車両に対して電気充電を行う充電システムにおいて、
前記複数の車両のそれぞれに接続可能なコネクタを複数備える充電装置と、
前記充電装置の前記車両への充電を制御する充電制御装置と
を備え、
前記充電装置は、前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており、
前記充電制御装置は、請求項1~3の何れか1項に記載の充電制御装置である、
充電システム。
【請求項5】
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御方法において、
充電依頼があった際に当該充電依頼した前記車両に充電すると前記最大使用電力を超える場合に、前記充電依頼した前記車両への充電を待機状態とする、
充電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気充電可能な車両の電気充電に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を充電する技術として、例えば、「車両4を充電するための複数の充電器2と、充電器2の充電電流を制御する充電制御部3とを有し、商用電力Pからの受電電力を計測する電力量計10から受電電力情報を入手する第1計測部31aと、受電した高圧電力を低圧電力に変換して充電器2へ供給する降圧変圧器5bに流れる電流・電圧情報を入手する第2計測部31bとを有し、充電制御部3は、第1計測部31aが入手した受電電力情報を所定の第1設定値と比較して、第1設定値を超えないよう制御すると共に、第2計測部31bが入手した電力情報を所定の第2設定値と比較して、第2設定値を超えないよう制御する」ものが開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-188669号公報
【特許文献2】特開2023-034166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術では、受電設備の容量がオーバーロードにならないよう車両の充電制御が可能であるが、第1計測部や第2計測部を備える必要があり、設備が複雑になるという課題がある。
本発明は、計測部等を設けることなく、充電装置がオーバーロードとならないように制御できる充電制御装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る充電制御装置は、集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、充電依頼があった際に当該充電依頼した前記車両に充電すると前記最大使用電力を超える場合に、前記充電依頼した前記車両への充電を待機状態とする。
本発明に係る充電システムは、集合住宅で電気充電可能な複数の車両に対して電気充電を行う充電システムにおいて、前記複数の車両のそれぞれに接続可能なコネクタを複数備える充電装置と、前記充電装置の前記車両への充電を制御する充電制御装置とを備え、前記充電装置は、前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており、前記充電制御装置は、上記の充電制御装置である。
本発明に係る充電制御方法は、集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御方法において、充電依頼があった際に当該充電依頼した前記車両に充電すると前記最大使用電力を超える場合に、前記充電依頼した前記車両への充電を待機状態とする。
本発明に係る充電制御装置、充電システム、充電制御方法において、「充電依頼があった際に当該充電依頼した前記車両に充電すると前記最大使用電力を超える場合」の判定は、充電依頼している車両の台数で判定してもよいし、依頼している車両を含めた合計の使用電力で判定してもよい。
【発明の効果】
【0006】
上記構成又は方法によれば、充電設備(分電盤)がオーバーロードとならないように制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る充電システムの概略図である。
図2】携帯端末のハードウェアの構成図である。
図3】充電制御装置のハードウェアの構成図である。
図4A図1の充電依頼テーブルを示す図である。
図4B図1の接続後のステータステーブルを示す図である。
図5】充電装置のコネクタ「1」に接続後の概略図である。
図6A図5のコネクタ「1」に接続後の充電依頼テーブルを示す図である。
図6B図5のコネクタ「1」に接続後のステータステーブルを示す図である。
図7】充電装置のコネクタ「5」に接続後の概略図である。
図8A図7のコネクタ「5」に接続後の充電依頼テーブルを示す図である。
図8B図7のコネクタ「5」に接続後のステータステーブルを示す図である。
図9A図7のコネクタ「5」に接続後であってコネクタ「6」の充電完了後の充電依頼テーブルを示す図である。
図9B図7のコネクタ「5」に接続後であってコネクタ「6」の充電完了後のステータステーブルを示す図である。
図10】充電システムにおいて充電可能な場合の概略シーケンス図である。
図11】充電システムにおいて充電不可な場合の概略シーケンス図である。
図12】充電システムにおいて充電完了の場合の概略シーケンス図である。
図13】充電システムにおいて待機状態から充電可能な場合の概略シーケンス図である。
図14】充電装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
図15】OCPPサーバの制御部の処理を示すフローチャートである。
図16】OCPPサーバの充電開始処理を示すフローチャートである。
図17】OCPPサーバの充電完了処理を示すフローチャートである。
図18】データベースの制御部の処理を示すフローチャートである。
図19A】APサーバの制御部の処理を示すフローチャートである。
図19B】APサーバの制御部の処理を示すフローチャートである。
図20】第1実施形態Aに係る充電制御装置のハードウェアの構成図である。
図21】充電システムにおいて充電可能な場合の概略シーケンス図である。
図22】充電システムにおいて充電不可な場合の概略シーケンス図である。
図23】充電システムにおいて充電完了の場合の概略シーケンス図である。
図24】充電システムにおいて待機状態から充電可能な場合の概略シーケンス図である。
図25】第1実施形態Bに係る充電制御装置のハードウェアの構成図である。
図26A】第1実施形態Cに係るステータステーブルを示す図である。
図26B】第1実施形態Cに係る顧客情報テーブルを示す図である。
図27】APサーバの制御部の処理を示すフローチャートである。
図28】OCPPサーバの制御部の処理を示すフローチャートである。
図29】第1変形例に係る充電システムにおいて充電完了の場合の概略シーケンス図である。
図30】第1変形例に係る充電システムにおいて充電完了の場合の概略シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
充電システム101は、図1に示すように、マンション、ハイツ等の集合住宅の駐車場や複数の車両を駐車可能な屋内駐車場(契約パーキング)で使用される。
充電システム101は、契約等により駐車場に駐車し且つ電気充電可能な複数台の車両1に対して電気充電を行う。
ここでいう電気充電可能な車両1とは、エンジンを有していない電気自動車、エンジンと組みわせたハイブリッド自動車、エンジンにより発電された電気により走行する電気自動車等がある。また、車両1には、4輪車、3輪車、2輪車等を含む。
充電システム101は、複数の車両1のそれぞれに接続可能なコネクタ131を複数備える充電装置103と、充電装置103の車両1への充電を制御する充電制御装置105とを備える。
充電制御装置105は、車両1が充電装置103のコネクタ131に接続され、所有者や使用者(の携帯端末3)から充電開始を依頼する操作(充電依頼操作ともいう)を受け付けると、使用電力を考慮しつつ充電装置103に充電の指示を行う。
図1は、充電システム101の概略を示し、例えば、充電装置103は、6台の車両1に接続可能、つまり、6個のコネクタ131を備える。
【0009】
<第1実施形態>
1.全体構成
第1実施形態の充電システム101では、複数の車両1に対して同時に充電する最大使用電力として、同時に充電可能な車両1の最大台数が3台として設定されている。
つまり、車両1の充電電力と、最大使用電力で充電できる車両1の最大台数とが予め設定されており、充電依頼の車両1を充電したと仮定した場合に、充電台数が最大台数未満であれば充電依頼の車両1に充電を行い、充電台数が最大台数以上であれば充電依頼の車両1の充電を待機する。
なお、これらの具体的な形態は、実施形態を説明するためのものであり、この形態に限定されるものではない。
【0010】
2.各部
以下、充電システム101を構成する各装置について説明する。
(1)充電装置
充電装置103は、分電盤2と接続され、電力の供給を受ける。充電装置103は、分電盤2から受電して充電電圧に変換する回路部132と、回路部132に充電の開始及び完了等を指示して車両1への充電を制御する制御部133と、充電制御装置105と通信する通信部134とを有する。
制御部113は、充電制御装置105から通信部134を介して指示されたコネクタ131に対し、充電開始、充電完了、充電待機等を回路部132に指示する。
【0011】
(2)携帯端末
携帯端末3は、図2に示すように、表示部、操作部、制御部33、通信部34、記憶部35を含み、携帯端末用アプリケーションがインストールされている。
ここでは、表示部と操作部は、タッチパネル部36により構成されている。
制御部33は、CPU、ROM、RAM等を含み、使用者の操作に従って、記憶部35に記憶されているプログラムやアプリケーションをCPUが実行することで、各種の処理を行う。
記憶部35は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含み、例えば、各種処理を行うためのオペレーティングシステム、プログラム、アプリケーション、各種データを記憶する。
通信部34は、電話回線や光回線を利用したネットワーク(例えば、インタネット)を介したデータ通信、Bluetooth(登録商標)通信、Wi-Fi(登録商標)通信等を行う。
携帯アプリケーションは、当該アプリケーションを実行することでAPサーバ108と通信可能となり、各種の情報が送受信される。なお、使用者は、携帯アプリケーションを介して、APサーバ108にユーザ登録することで、使用者(車両1)のユーザIDと充電の際に使用する充電装置103のコネクタ131とが対応付け(紐付け)される。
使用者は、使用する車両1を充電装置103のコネクタ131に接続すると、携帯端末3の携帯アプリケーションを利用して、タッチパネル部36から充電依頼操作を行う。
制御部33は、充電依頼操作をタッチパネル部36から受け付けると充電を依頼する旨の依頼(以下、「充電依頼」とする)をAPサーバ108に送信する。制御部33は、携帯アプリケーションを介して、充電を開始した旨の報告(以下、「充電開始報告」とする)、充電を完了した旨の報告(以下、「充電完了報告」とする)、充電を待機している旨の報告(以下、「充電待機報告」とする)を受信すると、タッチパネル部36にその報告を表示する。
【0012】
(3)充電制御装置
充電制御装置105は、図3に示すように、1台又は複数台のサーバ、仮想サーバ、これらの組み合わせにより構成される。
充電制御装置105は、充電装置103と通信可能な第1サーバとして機能するOCPPサーバ106と、充電装置103により充電される車両1の充電依頼データ(充電依頼履歴)や充電状態を示す充電状態データを記憶するデータベース(以下、図面では「DB」と表示する)107と、使用者(携帯端末3)からの充電依頼に従ってOCPPサーバ106に充電指示等を行う第2サーバとして機能するAPサーバ108とを備える。
OCPPサーバ106、データベース107、APサーバ108は互いに通信可能に構成され、OCPPサーバ106と充電装置103とは、OCPP(Open Charge Point Protocol)に基いて接続されている。つまり、充電装置103は、所謂、CP(Charge Point)である。
OCPPサーバ106、データベース107、APサーバ108は、AWS、Azure、Google Cloud Platform等のパブリッククラウド上に設けられている。これにより、通信効率を高めることができる。また、容易に実施できる。
以下、各サーバ等について説明する。
【0013】
(3-1)データベース
データベース107は、図3に示すように、制御部171、記憶部173、時計175を含む。
記憶部173は、例えば、HDD、SDD、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体等を含み、例えば、充電依頼を格納する充電依頼テーブルT11(図4A参照)や、充電状態(ステータス)等を格納するステータステーブルT12(図4B)等を記憶する。なお、時計175は、カレンダ機能を有し、年月日まで計測する。
【0014】
充電依頼テーブルT11は、図4Aに示すように、充電依頼の履歴を残すもので、新規な充電依頼があれば追加される。充電依頼テーブルT11は、例えば、充電依頼の受付順を示す「充電番号」、充電対象の車両1が接続されたコネクタ131のIDを示す「コネクタID」、充電の完了・未完了を示す「充電結果」、充電依頼された日時を示す「依頼日時」、充電依頼された充電の完了した日時を示す「充電完了日時」等のデータが格納される。
なお、充電依頼テーブルT11の項目及びその項目に格納されるデータを意味する場合には、その項目に「」を付す場合がある。例えば、「充電番号」とする場合は、テーブル中の項目である「充電番号」を意味する場合と、「20230401-1」等のデータを意味する場合とがある。
【0015】
ステータステーブルT12は、例えば、充電依頼の順番を示し且つ充電依頼テーブルT11の「充電番号」と同じデータとなる「充電番号」、充電対象の車両1が接続されたコネクタ131のIDを示し且つ充電依頼テーブルT11の「コネクタID」と同じデータとなる「コネクタID」、充電の状態を示す「充電状態」、充電依頼された車両1の充電開始の時刻を示す「開始時刻」等のデータが格納される。
充電状態には、図8Bに示す「充電中」と「待機中」の他、「充電済」とがある。
なお、ステータステーブルT12の項目及びその項目に格納される情報を意味する場合も、その項目に「」を付す場合がある。例えば、「充電番号」とする場合は、テーブル中の項目である「充電番号」を意味する場合と、「20230401-1」等の情報を意味する場合とがある。
【0016】
図4の充電依頼テーブルT11及びステータステーブルは、図1の状態を示している。
充電依頼テーブルT11では、図4Aに示すように、コネクタIDが、「3」、「1」、「5」、「2」、「6」、「3」の順で充電依頼があり、この順で格納される。
コネクタIDが、「3」、「1」、「5」、「2」はすでに充電を完了し、「充電結果」の項目が「完了」となっている。コネクタIDが、「6」、「3」が充電中であり、「充電結果」の項目が「未完了」となっている。
なお、コネクタIDが、「1」、「5」に接続されていた車両1は図1では使用され(接続されていない)、コネクタIDが「4」の車両1は接続されたままである。
コネクタIDが「6」である充電番号が「20230404-5」では、「22:00」から充電が開始され、充電番号が「20230401-6」では、「22:30」から充電が開始され、両「充電番号」の充電状態は「充電中」である。
【0017】
図6の充電依頼テーブルT11及びステータステーブルT12は、図5の状態を示している。
図5では、図1に対して、コネクタ「1」に車両1が接続され、充電中である。
図6Aに示す充電依頼テーブルT11は、図4Aに対して、コネクタ「1」を利用した新規な充電依頼として、新規なレコードの「充電番号」のフィールドに「2023-0401-7」のデータが最下位に追加されている。図6Bに示すステータステーブルT12は、図4Bに対して、同様に、コネクタ「1」を利用した新規な充電として、新規なレコードの「充電番号」のフィールドに「20230401-7」のデータが最下位に追加されている。
なお、充電番号が「20230401-7」の車両1は、本例の充電装置103の充電の最大台数である3台目に相当し、充電中である。
【0018】
図8の充電依頼テーブルT11及びステータステーブルT12は、図7の状態を示している。
図7では、図5に対して、コネクタ「5」に車両1が新規に接続されたが、現在の充電台数が最大台数と同じであるため、充電されずに待機状態である。
図8に示す充電依頼テーブルT11及びステータステーブルT12は、図6に対して、コネクタ「5」を利用した新規な充電依頼として、充電番号が「20230401-8」のレコードが追加されている。
【0019】
図9は、充電番号が「20230401-5」の充電が完了した状態を示している。
図9Aでは、充電番号が「20230401-7」のレコードにおいて、充電結果が「完了」に、充電完了日時が「20230402:0600」に更新されている。
図9Bでは、充電番号が「20230401-5」の充電が完了したため、この「充電番号」のレコードが削除され、充電状態が「充電中」の車両1の台数が2台となり、このあと、充電番号が「20230401-8」の車両の充電が開始される(図9Bでは「待機中」となっている)。
【0020】
制御部171は、CPU、ROM、RAM等を含み、OCPPサーバ106やAPサーバ108の要求に従って、新規な充電依頼を充電依頼テーブルT11に作成・更新したり、ステータステーブルT12に登録・更新・削除したりする。なお、制御部171は、要求に対して、テーブルT11,T12に更新等を行うと、要求してきたサーバに応答する。なお、テーブルT11,T12の時刻は、データベース107側で時刻を取得して登録してもよい。
【0021】
(3-2)OCPPサーバ
OCPPサーバ106は、図3に示すように、制御部161、通信部162、記憶部163を含み、CP用アプリケーションを実行する。なお、OCPPサーバ106は、充電により課金を管理する外部の決済システムと、例えば、OICP(Open InterChange Protocol)やOCPI(Open Charge Point Interface)等の通信プロトコルにより接続されている。
制御部161は、CPU、ROM、RAM等を含み、記憶部163に記憶されているプログラムをCPUが実行することで、CP用アプリケーションの処理を行う。
記憶部163は、例えば、HDD、SDD、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体等を含み、例えば、各種処理を行うためのオペレーティングシステム、アプリケーション用プログラム、各種データを記憶する。
通信部162は、ここでは、国際的な標準規格であるOCPPに基いて充電装置103と通信し、WEB-APIを利用してAPサーバ108と通信する。なお、データベース107は、OCPPサーバ106が設けられているパブリッククラウド上で提供されており、データベース107への要求はSQLが利用される。
【0022】
OCPPサーバ106は、図10に示すように、APサーバ108から充電を開始する旨の指示(以下、「充電開始指示」とする)を受けると、充電装置103に充電を開始させる旨の信号(以下、「充電開始信号」とする)を出力したり、データベース107に充電の開始を示すステータスの登録を要求(以下、「充電開始登録要求」とする)したり、充電が正常に開始するとAPサーバ108に充電が正常である旨を応答(以下、「充電開始応答」とする)したりする。
OCPPサーバ106は、充電開始指示があると、当該充電対象の「コネクタID」を含んだ信号(以下、「開始準備信号」とする)を充電装置103に出力し、これを受けて、充電装置103は対象のコネクタ131に車両1が接続されていること示す応答信号を出力する。これにより、使用者の充電依頼しているコネクタ131に、実際に使用者の車両1が接続されているか否かを確認できる。
充電装置103への充電開始指示は、トランザクション管理を利用し、充電装置103からの出力される応答信号であって充電開始信号(スタートトランザクション)に対する応答信号(リモートスタートトランザクション)は、充電が正常に開始したことを示す「充電正常開始信号」でもある。
【0023】
OCPPサーバ106は、図12に示すように、APサーバ108から充電を完了する旨の指示(以下、「充電完了指示」とする)を受けると、充電装置103に充電を完了させる旨の信号(以下、「充電完了信号」とする)を出力したり、データベース107に充電の完了を示すステータスへの更新を要求(以下、「完了更新要求」とする)したり、充電が正常に完了するとAPサーバ108に充電が正常に完了した旨を応答(以下、「充電完了応答」とする)したりする。
OCPPサーバ106は、充電完了指示があると、当該充電対象の「コネクタID」を含んだ信号(以下、「完了準備信号」とする)を充電装置103に出力し、これを受けて、充電装置103は対象のコネクタ131に車両1が充電されていること示す応答信号を出力する。これにより、使用者の充電依頼しているコネクタ131に接続された使用者の車両1が充電を完了するか否かを確認できる。
充電完了指示は、トランザクション管理を利用し、充電装置103からの出力される応答信号であって充電完了信号(ストップトランザクション)に対する応答信号(リモートストップトランザクション)は、充電が正常に完了したことを示す「充電正常完了信号」でもある。
【0024】
OCPPサーバ106は、図13に示すように、待機中の充電依頼に対して充電可能か否かを判定し、充電可能な場合に、充電装置103に充電開始信号を出力したり、データベース107に充電状態の「充電中」への開始更新要求をしたり、充電が正常に開始するとAPサーバ108に充電開始応答をしたりする。なお、充電開始信号については、APサーバ108から充電開始指示を受けた際の充電開始信号と同じように、トランザクション管理を利用し、充電装置103からの出力される応答信号であって充電開始信号(スタートトランザクション)に対する応答信号(リモートスタートトランザクション)は、充電が正常に開始したことを示す「充電正常開始信号」でもある。
待機中の充電依頼に対して充電可能か否かの判定は、データベース107のステータステーブルT12の「充電状態」により行うため、判定前に、データベース107に対してステータスの取得を要求(以下、「ステータス取得要求」とする)している。
【0025】
このように、OCPPサーバ106は、制御部161、通信部162及び記憶部163を協働させることで、図10に示すように、APサーバ108から充電開始指示を受信する充電開始指示受信部と、APサーバ108からの充電開始指示に従って充電装置103に充電開始させるための信号(開始準備信号を含む場合もある)を出力する充電開始信号出力部と、充電装置103から充電正常開始信号(開始準備信号を含む場合は、その応答信号を含む)が入力される充電正常開始信号入力部と、充電装置103から充電正常開始信号の入力があるとAPサーバ108に充電開始応答を送信する充電開始応答送信部と、データベース107にステータスの開始登録要求を出力する開始登録要求出力部と、開始登録要求した応答がデータベース107から入力される開始登録応答入力部とを備える。
また、OCPPサーバ106は、制御部161、通信部162及び記憶部163を協働させることで、図12に示すように、APサーバ108から充電完了指示を受信する充電完了指示受信部と、APサーバ108からの充電完了指示に従って充電装置103に充電を完了させるための信号(完了準備信号を含む場合がある)を出力する充電完了信号出力部と、充電装置103から充電正常完了信号(完了準備信号を含む場合は、その応答信号を含む)が入力される充電正常完了信号入力部と、充電装置103から充電正常完了信号の入力があるとAPサーバ108に充電完了応答を送信する充電完了応答送信部と、データベース107にステータスの完了更新要求を出力する完了更新要求出力部と、完了更新要求した応答がデータベース107から入力される完了更新応答入力部とを備える。
また、OCPPサーバ106は、制御部161、通信部162及び記憶部163を協働させることで、図13に示すように、待機中の充電依頼に対して充電可能か否かを判定する充電可能判定部と、充電可能と判定されると充電装置103に充電開始させるための信号(開始準備信号を含む)を出力する充電開始信号出力部と、充電装置103から充電正常開始信号(開始準備信号を含む場合は、その応答信号を含む)が入力される充電正常開始信号入力部と、充電装置103から充電正常開始信号の入力があるとAPサーバ108に充電開始応答を送信する充電開始応答送信部と、データベース107にステータスの開始更新要求を出力する開始更新要求出力部と、開始更新要求した応答がデータベース107から入力される開始更新応答入力部とを備える。
【0026】
(3-3)APサーバ
APサーバ108は、図3に示すように、制御部181、通信部182、記憶部183、時計184を含む。
制御部181は、CPU、ROM、RAM等を含み、記憶部183に記憶されているプログラムをCPUが実行することで、AP用アプリケーションの処理を行う。
記憶部183は、例えば、HDD、SDD、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含み、例えば、アプリケーション用プログラム、各種データを記憶する。
通信部182は、例えば、WEB-APIを利用してOCPPサーバ106や携帯端末3と通信したり、電話回線や光回線を利用したネットワーク(例えば、インタネット)を利用したデータ通信、Bluetooth(登録商標)通信、Wi-Fi(登録商標)通信等を利用して携帯端末3と通信したりする。なお、データベース107との通信にはSQLが利用される。
時計184は、充電依頼時の日時、充電を開始した時間、充電を完了した時間を計測する。これら計測した日時等は、データベース107に格納される。なお、時計184は、カレンダ機能を有し、年月日まで計測する。
APサーバ108は、携帯端末3との間で、充電依頼を受信したり、充電開始報告、充電完了報告、充電待機報告を送信したりする。
APサーバ108は、OCPPサーバ106との間で、充電開始指示や充電完了指示を送信したり、充電開始応答や充電完了応答を受信したりする。なお、OCPPサーバ106への充電開始指示は、新規な充電依頼を携帯端末3から受信すると、充電依頼を受けた車両1への充電が可能か否かを判定し、充電可能な場合に行われる。
APサーバ108は、データベース107との間で、充電依頼テーブルT11への新規な充電依頼の作成要求や充電完了の完了更新要求、充電状態のステータスの取得要求、スタータスの登録・更新・削除の要求等を行う。
【0027】
APサーバ108は、図10に示すように、携帯端末3から充電依頼を受けると、データベース107に対して充電依頼テーブルT11に新規の充電依頼作成を要求したり、ステータスの取得を要求したりする。なお、これらの要求に対して、データベース107から作成応答や取得応答がなされる。
APサーバ108は、新規な充電依頼の車両1に対して充電可能か否かを判定し、充電可能な場合(図1図5の場合)に、OCPPサーバ106に充電開始指示を送信したり、充電開始指示に対して充電が正常に開始された充電開始応答をOCPPサーバ106から受信すると、携帯端末3に充電開始報告をしたりする。
APサーバ108は、図11に示すように、新規な充電依頼の車両1に対して充電可能か否かを判定し、充電不可の場合に、データベース107のステータステーブルT12に「待機中」のステータスの登録を要求(以下、「待機登録要求」とする)し、待機登録要求に対してデータベース107から登録応答が入力されると、携帯端末3に充電待機報告を送信する。
APサーバ108は、図12に示すように、充電中の車両1の充電が完了したか否かを判定し、充電完了の場合に、OCPPサーバ106に充電完了指示を送信したり、充電完了指示に対して充電が正常に完了された充電完了応答をOCPPサーバ106から受信すると、携帯端末3に充電完了報告を送信したりする。
【0028】
このように、APサーバ108は、制御部181、通信部182及び記憶部183を協働させることで、携帯端末3から充電依頼を受信する充電依頼受信部と、充電依頼の車両1に充電可能か否かを判定する充電可能判定部と、充電可能と判定された場合にOCPPサーバ106に充電開始指示を送信する充電開始指示送信部と、OCPPサーバ106から充電開始応答を受信する充電開始応答受信部と、充電開始応答があると携帯端末3に充電開始報告を送信する充電開始報告送信部と、充電中の車両1の充電が完了するか否かを判定する充電完了判定部と、充電完了と判定された場合にOCPPサーバ106に充電完了指示を送信する充電完了指示送信部と、OCPPサーバ106から充電完了応答を受信する充電完了応答受信部と、充電完了応答があると携帯端末3に充電完了報告を送信する充電完了報告送信部と、データベース107に充電依頼テーブルT11への充電依頼作成・充電依頼更新等の要求、ステータステーブルT12へのステータスの取得・登録・更新・待機・削除等の要求を出力する要求出力部と、要求した応答がデータベース107から入力される応答入力部とを備える。
【0029】
3.シーケンス
(1)充電依頼
図1の状態で、コネクタIDが「1」のコネクタ131に接続する場合を例にする。使用者は、車両1をコネクタ131に接続し、携帯アプリケーションを利用して、図10に示すように、携帯端末3に対して充電依頼操作を行う。
APサーバ108は、携帯端末3から充電依頼(例えば、図5のコネクタ「1」である)を受けると、データベース107に対して、新規な充電依頼についての充電依頼作成を要求する。この要求に対して、データベース107は、図6Aに示すように、充電依頼テーブルT11に新規依頼として、充電番号が「20230401-7」のレコードを作成して、コネクタIDに「1」を、充電結果に「未完了」、依頼日時に「20230401:2300」を登録し、作成応答をAPサーバ108に行う。
次に、APサーバ108は、データベース107に対して、ステータス取得を要求する。この要求に対して、データベース107は、図4Bに示すステータステーブルT12の内容を取得してAPサーバ108に応答する。ここでは、図5のコネクタIDが「1」のコネクタ131に対して充電が開始しておらず、図4BのステータステーブルT12では充電台数が2台となっている。
【0030】
(2)充電開始
APサーバ108は、データベース107から応答のあったステータスから、新規依頼に対して充電可能か否かを判定する。
(2―1)充電可能
例えば、図1において、コネクタIDが「1」以外の充電は、コネクタIDが「6」、「3」の2台だけであり、充電最大台数(3台である)より少なく、充電可能と判定される。
APサーバ108は、充電可能と判定されると、図10に示すように、充電開始指示をOCPPサーバ106に送信する。なお、充電開始指示は、トランザクション機能を有し、リモートスタートトランザクションとなる。なお、充電開始指示には、充電依頼のあった「コネクタID」のデータが含まれている。
充電開始指示を受けると、OCPPサーバ106は、充電装置103に開始準備信号を出力する。開始準備信号が入力された充電装置103では、開始準備信号に含まれている「コネクタID」の接続確認を行い、接続されている旨の応答信号をOCPPサーバ106に出力する。
これを受け、OCPPサーバ106は、充電依頼のあった「コネクタID」と、充電装置103の車両1が接続されている「コネクタID」とが一致しているとして、データベース107に開始登録を要求する。データベース107は、図6Bに示すように、充電番号として「20230401-7」を、コネクタIDとして「1」を、充電状態として「充電中」を、開始時間として「23:00」を登録し、OCPPサーバ106に開始登録を応答する。
OCPPサーバ106は、充電装置103に充電開始信号を出力し、充電装置103はコネクタIDが「1」のコネクタ131に対して充電を開始し、充電を開始した旨の応答信号をOCPPサーバ106に出力する。なお、応答信号は、充電正常開始信号であり、リモートスタートトランザクションとなる。
OCPPサーバ106は、応答信号(充電正常開始信号)の入力があると、APサーバ108に充電開始応答を送信し、これを受け、APサーバ108は、携帯端末3に充電開始報告を行う。
【0031】
(2-2)充電不可
例えば、図5において、コネクタIDが「5」に車両1が接続され、当該車両1の使用者から新規充電依頼があった場合、コネクタIDが「5」以外の充電は、コネクタIDが「6」、「3」、「1」の3台であり、充電の最大台数(3台である)と一致している。この状態で、コネクタIDの「5」の車両1に充電すると、最大台数を越える。このため、充電不可と判定される。
APサーバ108は、新規充電依頼が充電不可と判定されると、図11に示すように、データベース107に充電待機の待機登録を要求する。データベース107は、図8Bに示すように、充電番号として「20230401-8」を、コネクタIDとして「5」を、充電状態として「待機中」を登録し、OCPPサーバ106に待機登録を応答する。
APサーバ108は、データベース107から待機の登録応答があると、携帯端末3に充電待機報告を行う。
【0032】
(2-3)充電完了
APサーバ108は、充電が完了したか否かを判定する。ここでは、充電開始時間から経過時間により判定している。
例えば、図8Bにおいて、充電番号が「20230401-5」の充電の開始時刻は「2200」であり、当該開始時刻から所定時間(ここでは、8時間としている)経過しているか否かで判定する。
このため、APサーバ108は、図12に示すように、充電の「開始時刻」をステータステーブルT12に格納しているデータベース107に開始時間取得を要求する。
開始時刻取得要求があると、データベース107は、「開始時刻」を取得してAPサーバ108に対して取得応答する。
取得した「開始時刻」から充電完了と判定されると、図12に示すように、充電完了指示をOCPPサーバ106に送信する。なお、充電完了指示は、トランザクション機能を有し、リモートストップトランザクションとなる。なお、充電完了指示には、充電完了の「コネクタID」のデータが含まれている。
充電完了指示を受けると、OCPPサーバ106は、充電装置103に完了準備信号を出力する。完了準備信号が入力された充電装置103では、完了準備信号に含まれている「コネクタID」の接続確認を行い、接続されている旨の応答信号をOCPPサーバ106に出力する。
これを受け、OCPPサーバ106は、充電完了の「コネクタID」と、充電装置103の車両1が接続されている「コネクタID」とが一致しているとして、データベース107に充電の完了更新を要求する。データベース107は、充電番号が「20230401-5」のレコードの充電状態を「充電済」に更新して、OCPPサーバ106に完了更新を応答する。
OCPPサーバ106は、充電装置103に充電完了信号を出力し、充電装置103はコネクタIDが「6」に対する充電を完了し、充電を完了した旨の応答信号をOCPPサーバ106に出力する。なお、応答信号は、充電正常完了信号であり、リモートストップスタトランザクションとなる。
OCPPサーバ106は、応答信号(充電正常完了信号)の入力があると、APサーバ108に充電完了応答を送信し、これを受け、APサーバ108は、携帯端末3に充電完了報告を行う。
また、APサーバ108は、充電完了応答の受信があると、データベース107の充電依頼テーブルT11の対応する充電番号(コネクタID)の「充電結果」、「充電完了日時」の更新と、ステータステーブルT12の充電を完了した「充電番号」に対応するレコードの削除を要求する。
データベース107は、充電依頼テーブルT11において、図9Aに示すように、コネクタIDが「6」に対応する充電結果を「完了」に、充電完了日時を「20230402:0300」に更新し、ステータステーブルT12において、図9Bに示すように、「コネクタID」が「6」のレコードを削除し、APサーバ108に応答する。
【0033】
(2-4)待機中の充電開始
OCPPサーバ106は、待機中の充電依頼に対して充電可能かどうかを判定する。ここでは、ステータステーブルT12中の「充電中」の台数により判定している。
例えば、図8Bにおいて、コネクタIDが「6」,「3」,「1」の3台が充電中であり、「コネクタID」が「5」の充電は「待機中」となっている。
その後、図9Aの充電依頼テーブルT11の充電番号が「20230401-5」が充電完了となり、図9BのステータステーブルT12の「充電中」が2台となり、充電番号が「20230401-8」の充電が可能となる。
図13に示すように、OCPPサーバ106は、ステータスの取得をデータベース107に要求し、データベース107はこの要求に対して、ステータスをOCPPサーバ106に応答する。
OCPPサーバ106は、応答されたステータスが「充電中」の数(充電中の車両の台数)を計数し、充電可能か否かを判定する。
図9Bにおいて、充電中の台数が最大台数の「3」以下の「2」であるため、「待機中」の充電番号が「20230401-8」の車両1に対して充電可能と判定される。
充電可能と判定されると、図13に示すように、OCPPサーバ106は、充電装置103に開始準備信号を出力する。これ以降のシーケンスは、上記の「(2-1)充電開始」で説明した通りであり、その説明を省略する。
【0034】
4.フローチャート
各装置の制御部の処理について説明する。
(1)充電装置
充電装置103の制御部133の処理について図14を用いて説明する。
制御部133は、プログラムがスタートし、OCPPサーバ106から開始準備信号の入力があると(図中の「Yes」である)、開始準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1の接続を確認し、確認した旨の応答信号をOCPPサーバ106に出力する(S102)。ここでは、充電対象の車両1の接続が確認できた正常信号と、接続が確認できなかったエラー信号の2種類がある。
その後、所定時間内に、OCPPサーバ106から充電開始信号の入力があると(S103の「Yes」である)、開始準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1への充電をONし、充電開始した旨の応答信号(充電正常開始信号)をOCPPサーバ106に出力する(S104)。
ステップS103で、所定時間内に、充電開始信号の入力がないと、ステップS105に進む(S103の「No」である)。
ステップS101で、開始準備信号の入力がない(「No」である)と、ステップS105に進む。
【0035】
ステップS105では、OCPPサーバ106から完了準備信号の入力があると(図中の「Yes」である)、完了準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1の接続を確認し、確認した旨の応答信号をOCPPサーバ106に出力する(S106)。
その後、所定時間内に、OCPPサーバ106から充電完了信号の入力があると(S107の「Yes」である)、完了準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1への充電をOFFし、充電を完了した旨の応答信号(充電正常完了信号)をOCPPサーバ106に出力し(S108)、ステップS101に戻る。
ステップS107で、所定時間内に、応答信号(充電正常完了信号)の入力がないと、ステップS101に戻る(S107の「No」である)。
ステップS105で、完了準備信号の入力がない(「No」である)と、ステップS101に戻る。
【0036】
(2)OCPPサーバ
OCPPサーバ106は、制御部161がプログラムを実行すること、OCPPアプリケーションが種々の処理を行う。以下、図15図17のフローチャートを用いて説明する。
OCPPアプリケーションが稼働する(図15のスタートである。)と、APサーバ108から充電開始指示を受信しているか判定する(S120)。
充電開始指示を受信している(「Yes」である)と、充電対象である「コネクタID」を取得し(S121)、充電開始処理(S121)を行った後に、ステップS123に進む。
ここでは、充電開始指示に充電対象の「コネクタID」が含まれており、当該充電開始指示からコネクタIDを取得する。なお、ステップS122の充電開始処理については後述する。
ステップS120において、充電開始指示を受信していない(「No」である)と、ステップS123に進む。
【0037】
ステップS123において、APサーバ108から充電完了指示を受信しているか判定する。
充電完了指示を受信している(「Yes」である)と、充電完了対象である「コネクタID」を取得し(S124)、充電完了処理(S125)を行った後に、ステップS126に進む。
ここでは、充電完了指示に充電完了対象の「コネクタID」が含まれており、当該充電完了指示からコネクタIDを取得する。なお、ステップS125の充電完了処理については後述する。
ステップS123において、充電完了指示を受信していない(「No」である)と、ステップS126に進む。
【0038】
ステップS126において、所定時間内に充電ステータスを取得する(「Yes」である)。取得した「充電状態」に「待機中」があれば(S127の「Yes」である)、取得した充電ステータスから充電台数を取得して(S128)、待機中の車両1が充電可能であるかを判定する(S129)。充電可能であるか否かは、充電台数が、充電可能な最大台数未満であるか否かで判定する。
ステップS129において、充電可能である場合(「Yes」である)、充電対象となる「コネクタID」を取得し、充電開始処理を行って、ステップS120に進む(S130、S131)。
充電対象の「コネクタID」は、データベース107のステータステーブルT12に登録されている「待機中」であって、待機時間が最も長い(ステータステーブルT12において最も上段に位置するレコード登録されている)「待機中」となっている「コネクタID」である。
一方、ステップS127において充電状態に「待機中」がない場合(「No」である)、ステップS128において充電不可能である場合(「No」である)は、ステップS120に進む。
【0039】
(2-1)充電開始処理(S122)
充電開始処理S122は、図16に示すように、開始準備信号を充電装置103に出力する(S1221)。なお、開始準備信号には、充電対象の「コネクタID」が含まれ、充電装置103では、当該「コネクタID」の接続状態を確認した旨の応答信号を出力する(図14のステップS102)。
OCPPサーバ106では、ステップS1222において応答信号が入力され(「Yes」である)、その応答信号が正常信号の場合(S1223の「正常」である)、データベース107に対してステータステーブルT12に開始登録を要求し(S1224)、データベース107から開始登録を完了した旨の開始登録応答がある(S1225の「Yes」である)と、ステップS1226に進む。
ステップS1226では、充電開始信号を充電装置103に出力する。これを受け、充電装置103では充電を開始し、充電が正常に開始した旨の応答信号(充電正常開始信号)が充電装置103から入力される(S1227の「Yes」である)と、充電が正常に開始した旨の充電開始応答をAPサーバ108に送信し、図15のステップS123に進む。
ステップS1223において、入力された信号がエラー信号の場合(「エラー」である)、車両1とコネクタ131とが電気的に接続されていない旨のエラーをAPサーバ108に送信し(S1229)、図15のステップS123に進む。
【0040】
(2-2)充電完了処理
充電完了処理S125は、図17に示すように、完了準備信号を充電装置103に出力する(S1251)。なお、完了準備信号には、充電対象の「コネクタID」が含まれ、充電装置103では、当該「コネクタID」の接続状態を確認した旨の応答信号を出力する(図14のステップS106)。なお、応答信号には、接続が確認できた正常信号と、接続が確認できなかったエラー信号の2種類がある。
OCPPサーバ106では、ステップS1252において応答信号が入力され(「Yes」である)、その応答信号が正常信号の場合(S1253の「正常」である)、データベース107に対してステータステーブルT12に完了更新を要求し(S1254)、データベース107から完了更新を完了した旨の完了更新応答がある(S1255の「Yes」である)と、ステップS1256に進む。
ステップS1256では、充電完了信号を充電装置103に出力する。これを受け、充電装置103では充電を完了し、充電が正常に完了した旨の応答信号(充電正常完了信号)が充電装置103から入力される(S1257の「Yes」である)と、充電が正常に完了した旨の充電完了応答をAPサーバ108に送信し、図15のステップS126に進む。
ステップS1253において、入力された信号がエラー信号の場合(「エラー」である)、車両1とコネクタとが電気的に接続されていない旨のエラーをAPサーバ108に送信し(S1259)、図15のステップS126に進む。
【0041】
(2-3)充電開始処理(S131)
ステップS131の充電開始処理は、待機中の車両1に対して充電を開始する処理である。ステップS122の充電開始処理は、新規な充電依頼の車両1に対して充電を開始する処理である。このため、両処理は、同じような処理を行うが、ステップS122ではデータベース107に開始登録要求(図16のステップS1224参照)を行うのに対して、ステップS131では、開始更新要求(図13参照)をしている点が異なる。
【0042】
(3)データベース
データベース107の制御部171の処理について図18を用いて説明する。
(3-1)制御部133は、プログラムがスタートすると、APサーバ108から充電依頼作成要求があると(S140の「Yes」である)、充電依頼テーブルT11の最下段のレコードに新たな充電依頼を作成して作成応答を行い(S141)、ステップS142に進む。
充電依頼作成要求には、充電依頼の車両1と接続する「コネクタID」が含まれており、制御部171は、「充電番号」、「コネクタID」及び「依頼日時」の項目に、例えば、「20230401-07」、「1」、「20230401:2300」を登録する(図6A参照)。
【0043】
(3-2)ステップS142において、ステータスの登録や更新の要求がある(「Yes」である)と、ステータステーブルT12の最下段のレコードに登録したり、内容を更新をしたりして登録・更新応答を行い(S143)、ステップS144に進む。
(3-2-1)登録
登録は、新規な充電依頼があった場合である。
充電可能な場合、登録要求は開始登録要求(図10参照)であり、例えば、図6Bの最下段のレコードに示すように、「充電番号」、「コネクタID」、「充電状態」及び「開始時刻」に、「20230401-7」、「1」、「充電中」及び「23:00」が登録される。
充電不可の場合、登録要求は待機登録要求(図11参照)であり、例えば、図8Bの最下段のレコードに示すように、「充電番号」、「コネクタID」及び「充電状態」に、「20230401-8」、「5」及び「待機中」が登録される。
登録・更新要求には、「充電番号」、「コネクタID」、「充電状態」及び「開始時刻」が含まれる。なお、「時刻」は、データベース107の時計175の時刻が格納されるとしてもよい。
【0044】
(3-2-2)更新
更新は、「充電状態」が「待機中」から「充電中」への更新と、「充電状態」が「充電中」から「充電済」への更新とがある。
例えば、図8Bの「充電番号」が「20230401-8」の充電が開始された場合、ステータステーブルT12中の「待機中」を「充電中」に更新し、充電開始した時刻が「開始時刻」に格納される。
また、充電中の車両1の充電が完了した場合、「充電中」が「充電済」に更新される。
【0045】
(3-3)ステップS144において、充電依頼テーブルT11の更新要求がある(「Yes」である)と、充電依頼テーブルT11中の該当箇所を更新して更新応答を行い(S145)、ステップS146に進む。
例えば、充電依頼更新要求には、充電中であった充電依頼が完了した場合に更新要求され、少なくとも「充電番号」及び「コネクタID」の1つが要求に含まれており、制御部171は、例えば、図8Aの「充電番号」が「20230401-5」のレコードにおいて「充電結果」が「未完了」であったのを、図9Aのように、「充電結果」を「完了」に更新し、同図のように、「充電完了日時」に「20230402:0600」を格納する。
【0046】
(3-4)ステップS146において、ステータスの削除要求がある(「Yes」である)と、ステータステーブルT12の該当するステータス又はすべてのステータスのレコードを削除して削除応答を行い(S147)、ステップS148に進む。
例えば、ステータスの削除要求には、充電中であった充電依頼が完了した場合に削除要求され、少なくとも「充電番号」及び「コネクタID」の1つが含まれており、制御部171は、例えば、図8Bの「充電番号」が「20230401-5」のレコードにおいて「充電状態」が「充電中」であったのを、図9Bのように、「充電番号」が「20230401-5」のレコードを削除する。
(3-5)ステップS148において、ステータスの取得要求がある(「Yes」である)と、ステータステーブルT12の該当するステータスのレコードの情報を取得し、要求先に送信して取得応答を行い(S149)、ステップS140に進む。
例えば、ステータスの取得要求には、ステータステーブルT12中のすべての「充電状態」が取得されて送信される。
【0047】
(4)APサーバ
APサーバ108は、制御部181がプログラムを実行すること、APアプリケーションが種々の処理を行う。以下、図19A及び図19Bのフローチャートを用いて説明する。
APアプリケーションが稼働し(図19Aのスタートである。)、携帯端末3から充電開始の操作がある(ステップS170の「Yes」である)と、携帯端末3のIDに対応した「コネクタID」を含んだ充電依頼作成をデータベース107に要求する(S171)
この充電依頼要求に対して、充電依頼を充電依頼テーブルT11に作成した旨の作成応答がデータベース107からあると(S172の「Yes」である)、ステータスの取得をデータベース107に要求する。
この取得要求に対して、ステータステーブルT12の「充電状態」の情報を取得した旨の取得応答がデータベース107からあると(S174の「Yes」である)、ステップS175で、取得した充電状態から、現在充電中の車両の充電台数を算出し、新規の充電依頼に対して充電可能かどうかを判定する。
【0048】
充電可能か否かの判定は、充電台数と充電可能な最大台数との比較により行われ、例えば、図4Bのように「充電中」の台数が2台の場合は、最大台数(3台)より小さいので、充電可能と判定される。一方、図6Bのように「充電中」の台数が3台の場合は、最大台数(3台)以上であるため、充電不可であると判定される。
ステップS175で、「充電可能」と判定される(「Yes」である)と、OCPPサーバ106に充電開始を指示し(S176)、OCPPサーバ106から充電を正常に開始した充電開始応答がある(S177の「Yes」である)と、携帯端末3に充電開始報告を行い(S178)、ステップS183に進む。また、ステップS177で「エラー」が応答される(「No」である)と、携帯端末3にエラー報告を送信し(S179)、ステップS183に進む。
ステップS175で、「充電不可」と判定される(「No」である)と、充電を開始せずにデータベース107に充電が待機状態である待機登録を要求し(S180)、待機登録の応答がある(S181の「Yes」である)と、携帯端末3に充電待機報告を行い(S182)、ステップS183に進む。
【0049】
ステップS183において、図19Bに示すように、ステータステーブルT12の「開始時刻」の取得をデータベース107に要求する。
この取得要求に対して、ステータステーブルT12の「開始時刻」の情報を取得した旨の取得応答がデータベース107からあると(S184の「Yes」である)、充電中の充電依頼に対して充電が完了したか否かを判定する(ステップS185)。
充電完了の判定は、開始時刻からの経過時間により行われ、例えば、図8Bの「充電番号」が「20230401-5」の「開始時刻」が「22:00」であり、判定時の時刻が、「6:00」である場合、充電時間(例えば8時間)を経過しているため、充電完了と判定される。一方、図8Bの「充電番号」が「20230401-6」の「開始時刻」が「22:30」であり、充電時間(例えば8時間)を経過していないため、充電未完了と判定される。
なお、取得した開始時刻が複数ある場合は、これらすべてに対して充電が完了したか否かを判定してもよいし、ステータステーブルT12の最上段の「開始時刻」を取得し、当該最上段の充電に対して充電の完了の判定を行ってもよい。
ステップS185で、「充電完了」と判定される(「Yes」である)と、OCPPサーバ106に充電完了を指示し(S186)、OCPPサーバ106から充電を正常に完了した充電完了応答がある(S187の「Yes」である)と、携帯端末3に充電完了報告を行う(S188)。
次に、充電が完了したため、データベース107に充電依頼テーブルT11の充電依頼更新を要求し(S189)、更新の応答がある(S190の「Yes」である)と、充電依頼テーブルT11の対応するレコードの削除を要求し(S191)、削除の応答がある(S192の「Yes」である)と、ステップS170に進む。
【0050】
<第1実施形態A>
第1実施形態の充電制御装置105は、OCPPサーバ106と、データベース107と、APサーバ108を備えているが、例えば、OCPPサーバ106にAPサーバ108と同じ機能を持たせてもよい。この場合、充電制御装置105Aは、OCPPサーバ106Aとデータベース107Aとを備えることとなり、以下、第1実施形態Aとして説明する。
【0051】
1.充電制御装置
充電制御装置105Aは、充電装置103や携帯端末3と通信可能であって使用者(携帯端末3)からの充電依頼に従って充電装置103を制御するサーバとして機能するOCPPサーバ106Aと、充電装置103により充電される車両1の充電依頼データ(充電依頼履歴)や充電状態を示す充電状態データを記憶するデータベース(以下、図面では「DB」と表示する)107Aとを備える。
OCPPサーバ106Aは、第1実施形態のAPサーバ108の機能を有し、データベース107Aは、第1実施形態と同じであるが、登録等の要求はOCPPサーバ106Aからのみ入力される。
OCPPサーバ106Aは、図20に示すように、制御部161A、通信部162A、記憶部163A、時計164Aを少なくとも備える。
制御部161Aは、第1実施形態と基本的には同じであるが、実行するプログラムの内容が異なり、OCPPアプリケーションとしての処理が異なる。
通信部162Aは、データベース107Aと通信する他、例えば、電話回線や光回線を利用したネットワーク(例えば、インタネット)を利用したデータ通信、Bluetooth(登録商標)通信、Wi-Fi(登録商標)通信等を利用して携帯端末3と通信する。なお、充電装置103とはOCPPを利用している。
記憶部163Aは、第1実施形態と基本的には同じであるが、記憶する(制御部161Aが実行する)プログラムの内容が異なる。
時計164Aは、充電依頼時の日時、充電を開始した時間、充電を完了した時間を計測する。これら計測した日時等は、データベース107Aに格納される。なお、時計164Aは、カレンダ機能を有し、年月日まで計測する。
【0052】
OCPPサーバ106Aは、制御部161A、通信部162A、記憶部163A及び時計164Aを協働させることで、図21図24に示すように、携帯端末3から充電依頼を受信する充電依頼受信部と、充電依頼の車両1に充電可能か否かを判定する充電可能判定部と、充電可能と判定された場合に充電装置103に充電開始させるための充電開始信号(開始準備信号を含む場合もある)を出力する充電開始信号出力部と、充電装置103から充電正常開始信号(開始準備信号を含む場合は、その応答信号を含む)が入力される充電正常開始信号入力部と、充電装置103から充電正常開始信号の入力があると携帯端末3に充電開始報告を送信する充電開始報告送信部と、充電不可と判定された場合に携帯端末3に充電待機報告を送信する充電待機報告送信部と、データベース107Aに充電依頼作成要求を出力する充電依頼作成要求出力部と、充電依頼作成要求した応答がデータベース107Aから入力される充電依頼作成応答入力部と、データベース107Aにステータスの取得要求を出力するステータス取得要求出力部と、ステータスの取得要求した応答がデータベース107Aから入力されるステータス取得応答入力部と、データベース107Aにステータスの開始登録要求を出力する開始登録要求出力部と、開始登録要求した応答がデータベース107Aから入力される開始登録応答入力部と、充電不可と判定された場合にデータベース107Aにステータスの待機登録要求を出力する待機登録要求出力部と、待機登録要求した応答がデータベース107Aから入力される待機登録応答入力部と、充電中の車両1の充電が完了するか否かを判定する充電完了判定部と、充電完了と判定された場合に充電装置103に充電を完了させるための充電完了信号(完了準備信号を含む場合もある)を出力する充電完了信号出力部と、充電装置103から充電正常完了信号(完了準備信号を含む場合は、その応答信号を含む)が入力される充電正常完了信号入力部と、充電装置103から充電正常完了信号の入力があると携帯端末3に充電完了報告を送信する充電完了報告送信部と、データベース107Aに開始時刻を取得する開始時刻取得要求を出力する開始時刻取得要求出力部と、開始時刻の取得要求した応答がデータベース107Aから入力される開始時刻取得応答入力部と、データベース107Aにステータスの完了更新要求を出力する完了更新要求出力部と、完了更新要求した応答がデータベース107Aから入力される完了更新応答入力部と、データベース107Aに充電依頼の更新要求を出力する充電依頼更新要求出力部と、充電依頼更新要求した応答がデータベース107Aから入力される充電依頼更新応答入力部と、ステータスの削除要求を出力するステータス削除要求出力部と、削除要求した応答がデータベース107Aから入力される削除応答入力部と、待機中の充電依頼に対して充電可能か否かを判定する充電可能判定部と、充電可能と判定されると充電装置103に充電開始させるための充電開始信号(開始準備信号を含む場合もある)を出力する充電開始信号出力部と、充電装置103から充電正常開始信号(開始準備信号を含む場合は、その応答信号を含む)が入力される充電正常開始信号入力部と、充電装置103から充電正常開始信号の入力があると携帯端末3に充電完了報告を送信する充電完了報告送信部と、データベース107Aにステータスの開始更新要求を出力する開始更新要求出力部と、開始更新要求した応答がデータベース107Aから入力される開始更新応答入力部とを備える。
【0053】
2.シーケンス
(1)充電依頼
OCPPサーバ106Aは、図21に示すように、携帯端末3から充電依頼を受けると、データベース107Aに対して、新規な充電依頼についての充電依頼作成を要求する。この要求に対して、データベース107Aは、充電依頼テーブルT11に新規依頼を作成し、作成応答をOCPPサーバ106Aに行う。
OCPPサーバ106Aは、データベース107Aに対して、ステータス取得を要求し、ステータスを取得する。
【0054】
(2)充電開始
OCPPサーバ106Aは、データベース107Aから取得したステータスから、新規依頼に対して充電可能か否かを判定する。なお、判定方法は、第1実施形態と同様であり、現在の充電台数と接続可能な最大台数とを比較して行われる。
図21は、充電可能な場合であり、当該図21を用いて説明する。
充電可能と判定されると、OCPPサーバ106Aは、充電装置103に開始準備信号を出力し、応答信号が充電装置103から入力されるとデータベース107Aに充電開始登録を要求し、登録した旨の開始登録応答があると充電装置103に充電開始信号を送信し、充電装置103から充電開始の応答信号(充電正常開始信号)の入力があると携帯端末3に充電開始報告を行う。
図22は、充電不可な場合であり、当該図22を用いて説明する。
充電不可と判定されると、OCPPサーバ106Aは、データベース107Aに充電待機の待機登録を要求し、登録した旨の登録応答がデータベース107Aから入力されると、携帯端末3に充電待機報告を行う。
【0055】
(3)充電完了
OCPPサーバ106Aは、充電が完了したか否かを判定する。ここでは、第1実施形態と同様に、充電開始時間から経過時間により判定している。
OCPPサーバ106Aは、図23に示すように、データベース107Aに開始時刻取得を要求し、取得した開始時刻から充電完了と判定されると、充電装置103に完了準備信号を出力し、応答信号をデータベース107から入力されるとデータベース107Aに充電の完了更新を要求する。OCPPサーバ106Aは、データベース107Aから完了更新の応答があると充電装置103に充電完了信号を出力し、充電装置103から充電を完了した応答信号(充電正常完了信号)が入力されると携帯端末3に充電完了報告を行う。
また、OCPPサーバ106Aは、充電装置103から充電完了の応答があると、データベース107Aに充電依頼テーブルT11の充電依頼の更新を要求し、また、ステータステーブルT12の充電を完了したレコードの削除を要求する。
【0056】
(4)待機中の充電開始
OCPPサーバ106Aは、第1実施形態と同様に、待機中の充電依頼に対して充電可能かどうかを判定する。ここでは、ステータステーブルT12中の「充電中」の台数により判定している。
OCPPサーバ106は、図24に示すように、ステータスの取得をデータベース107に要求し、データベース107Aからの取得応答から充電可能か否かを判定する。
図24において、充電可能と判定されると、OCPPサーバ106Aは、充電装置103に開始準備信号を出力し、応答信号が充電装置103から入力されるとデータベース107Aに開始更新を要求し、更新した旨の開始更新応答があると充電装置103に充電開始信号を送信し、充電装置103から充電開始の応答信号(充電正常開始信号)の入力があると携帯端末3に充電開始報告を行う。
【0057】
<第1実施形態B>
第1実施形態の充電制御装置105は、図3に示すように、OCPPサーバ106と、データベース107と、APサーバ108を備え、第1実施形態Aの充電制御装置105Aは、図20に示すように、OCPPサーバ106Aと、データベース107Aとを備えている。
しかしながら、充電制御装置105Bは、1台のパソコンやワークステーション等のコンピュータにより構成してもよく、以下、第1実施形態Bとして説明する。
第1実施形態Bの充電制御装置105Bは、図25に示すように、制御部151B、通信部152B、記憶部153B、時計154Bを少なくとも備える。
記憶部153Bは、第1実施形態、第1実施形態Aのデータベース107,107Aに相当し、充電依頼テーブルT11やステータステーブルT12を記憶する他、制御部151Bが実行するプログラム、充電可能な最大台数や充電完了までの時間等の各種データを記憶する。
制御部151Bは、例えば、記憶部153Bに記憶されているプログラムを実行することで、例えば、第1実施形態AのOCPPサーバ106Aのアプリケーションと同様のアプリケーションが稼働するように構成されている。制御部151Bは、記憶部153Bに記憶されている充電依頼テーブルT11の新規依頼の作成、登録、更新等やステータステーブルT12の登録、更新、削除等を行う。
通信部152Bは、携帯端末3と通信可能であり、充電装置103とOCPPにより通信可能に構成されている。充電制御装置105Bの設置場所が集合住宅の管理室の場合、LAN等のローカルネットワークを利用して通信可能としてもよい。
【0058】
<第1実施形態C>
1.全体構成
第1実施形態の充電システム101では、充電依頼された車両1の充電可能性の判定は、充電されている台数と最大台数との比較で行っている。換言すると、充電中の台数に加えて新規依頼車両1に充電したと仮定した場合の台数が最大台数未満であるかどうかで行っている。
第1実施形態Cの充電システムでは、車両1の充電電力が登録されており、現在の充電使用電力に充電依頼の車両1を充電したと仮定した際に、充電使用電力が最大使用電力未満であれば充電依頼の車両1に充電を行い、充電使用電力が最大使用電力以上であれば充電依頼の車両1の充電を待機する。
以下、第1実施形態Cについて説明するが、第1実施形態との相違点について説明する。
【0059】
2.各部
(1)データベース
第1実施形態CのステータステーブルT12Cは、図26Aに示すように、新たに使用電力」の項目を有している。「使用電力」のフィールドには、、例えば、「20」や「15」等が格納されている。なお、「20」は、20kWであり、ここでの最大使用電力は、60kWである。
また、データベース107C(図示省略)は、図26Bに示すように、「顧客ID」、「コネクタID」、「充電電力」の項目を有する顧客情報テーブルT13Cを記憶している。例えば、顧客IDが「AAA」は、コネクタIDが「1」のコネクタ131で、充電電力が「20(kW)」で充電される。なお、第1実施形態Cでは、充電開始指示には、「コネクタID」、「使用電力」が含まれ、充電開始信号を受信した充電装置103C(図示省略)では、充電開始信号に含まれている「使用電力」で充電するように構成されている。
APサーバ108Cは、使用者の携帯端末3と通信登録の際に、顧客情報を携帯端末3からの使用者から受け付け、データベース107Cの顧客情報テーブルT13Cに登録する。
【0060】
(2)APサーバ
APサーバ108Cは、第1実施形態と同様に、制御部181Cがプログラムを実行すること、APアプリケーションが種々の処理を行い、図19Aにおいて、ステップS173~S175が異なる。
APサーバ108Cは、使用者の充電開始の操作があると、データベース107Cに新たな充電依頼を作成する(図19AのS170~S172)と、図27に示すように、ステータス(例えば、現在充電中の車両1(充電番号)の「使用電力」である)と、新たに充電依頼した「顧客ID」の「使用電力」と取得をデータベース107Cに要求し、取得する(S173C,174C)。
APサーバ108Cは、図27のステップS175Cにおいて、取得した、すべての車両1(充電番号)の「使用電力」と、新たな充電依頼の「使用電力」とを合算して、新たな充電依頼の車両1を含めて充電した際に全車両1の使用電力を算出し、当該算出した使用電力が、最大使用電力未満であれば充電可能と判定し(「Yes」である)、最大使用電力以上であれば充電不可と判定する「No」である)。
充電可能と判定されると図19AのステップS176へと進み、充電不可と判定されると図19AのステップS180へと進む。なお、これら以降の処理は、第1実施形態と同じであり、その説明を省略する。
【0061】
(3)OCPPサーバ
OCPPサーバ106Cは、第1実施形態と同様に、制御部161Cがプログラムを実行すること、OCPPアプリケーションが種々の処理を行い、図15において、ステップS126~S128が異なる。
OCPPサーバ106Cは、OCPPアプリケーションを開始し、ステップS125までの処理を終える(S120~S125)。
OCPPサーバ106Cは、図28のステップS126Cにおいて、充電ステータスを取得する。充電ステータスには、充電中の全ての車両1(充電番号)の「使用電力」と、待機中の車両1(充電番号)であって最も待機時間が長い車両1(充電番号)の「使用電力」とが含まれる。
S127Cにおいて、取得した、すべての車両1(充電番号)の「使用電力」と、待機時間が長い車両1(充電番号)の「使用電力」とを合算して、待機中の車両1(充電番号)に対して充電した際に全車両1の使用電力を算出し、当該算出した使用電力が、最大使用電力未満であれば充電可能と判定し(S128Cの「Yes」である)、最大使用電力以上であれば充電不可と判定する(S128Cの「No」である)。
充電可能と判定されると図15のステップS129へと進み、充電不可と判定されると図15のステップS120へと進む。なお、これら以降の処理は、第1実施形態と同じであり、その説明を省略する。
【0062】
第1実施形態Cにおいても、充電装置103Cがオーバーロードとならないように制御できる。また、OCPPサーバ106Cは、充電装置103Cに対して充電時の使用電力を指示できるため、車両1のバッテリの容量の相違等によって生じる充電電力の相違に対しても対応できる。
【0063】
<第1変形例>
第1実施形態(A~Cも含む)の充電システム、充電装置、充電制御装置を説明したが、これらの第1実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような第1変形例であってもよい。また、第1実施形態と第1変形例、第1変形例内の構成同士を組み合わせたものであってよい。
また、第1実施形態や第1変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても第1実施形態に係る発明に含まれる。
【0064】
1.車両の正常接続判定
充電制御装置105は、充電対象の車両1が正常に接続されてない場合、図16のステップS1229や図17のステップS1259のように、携帯端末3にエラーを送信している。
充電装置103は、開始準備信号又は完了準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1と電気的に接続されているか否かを確認し、接続されていると「正常信号」を、接続されていないと「エラー」信号を出力している。
しかしながら、以下の方法で判定してもよい。
なお、接続判定手段は、図16のステップS1223や図17のステップS1253のように、ソフトウェアによって実現されている。
(1)接続判定1
上記方法では、充電対象の車両1が正常に接続されているかの判定(正常接続判定手段)は、充電装置103側が行っている。しかしながら、正常接続判定は、OCPPサーバ106やAPサーバ108側で行ってもよい。
充電装置103は、充電対象又はすべての車両1(コネクタ131)の電気接続の有無の接続結果だけをOCPPサーバ106及び/又はAPサーバ108に出力し、OCPPサーバ106又はAPサーバ108が、充電依頼の対象の「コネクタID」が、充電装置103からの接続結果に含まれているか否かにより、正常接続判断できる。
【0065】
(2)接続判定2
充電装置103は、開始準備信号又は完了準備信号の入力があると(図14のステップS101の「Yes」である)、当該信号に含まれている「コネクタID」の接続確認をしている。
しかしながら、OCPPサーバ106又はAPサーバ108側で、正常接続の判定を行う場合、開始準備信号又は完了準備信号に「コネクタID」を含まなくてもよい。
充電装置103は、開始準備信号又は完了準備信号の入力があると、すべてのコネクタ131の電気接続を確認し、その接続結果をOCPPサーバ106又はAPサーバ108に出力し、OCPPサーバ106又はAPサーバ108で、新規に充電依頼のあった「コネクタID」が、充電装置103からの接続結果の接続されているコネクタに含まれている場合は「正常」と判定し、接続結果に含まれていない場合は「エラー」とすることで実施できる。
この場合は、車両1の正常接続判断は、OCPPサーバ106又はAPサーバ108側で行われる。
なお、接続判定は、通信量を考量すると、充電装置103又はOCPPサーバ106で行うのが好ましい。
【0066】
2.充電可能判定
OCPP106は、図15に示すように、充電ステータスを取得して充電台数を取得した後に充電可能か否の判定をしている(ステップS126~S128)。
APサーバ108は、図19Aに示すように、充電ステータスを取得して充電台数を取得した後に充電可能か否の判定をしている(ステップS173~S175)。
ここでの充電ステータスは、ステータステーブルT12に格納されているすべての「充電状態」である。なお、充電可能判定手段は、図15のステップS126~S128や、図19AのステップS173~175のように、ソフトウェアによって実現されている。
しかしながら、充電ステータスの取得は、最終的に充電台数を取得できればよく、例えば、充電状態が「充電中」のすべての「充電番号」であってもよいし、充電情報が「充電中」の台数であってもよい。
また、充電装置103において充電に使用している使用電力を取得できる場合であって1台の車両1を充電する際の使用電力が予め定まっている場合は、充電ステータスは現在の合計の使用電力であってもよい。この場合、OCPPサーバ106又はAPサーバ108は、充電装置103から取得した現在の使用電力と最大使用電力との差と、1台の車両1に充電できる使用電力との比較により判断することで実施できる。
また、APサーバ108及び/又はOCPPサーバ106は、カウンタを備え、充電開始応答や充電正常開始信号が入力される毎に「1」を加算し且つ充電完了応答や充電正常完了信号が入力される毎に「1」を減算し、当該カウンタの数字により、現在の充電台数を取得するようにしてもよい。
【0067】
3.充電完了判定
充電完了判定は、図19Bに示すように、取得した開始時刻からの経過時間で、充電完了又は未完了を判定している。なお、充電完了判定手段は、ステップS183~S185のように、ソフトウェアによって実現されている。
しかしながら、充電装置103又は充電制御装置105と通信可能なECU(Electronic Contorl Unit)11が車両1に搭載されている場合、図29に示すようにECU11の検出結果(例えば、電圧)をOCPPサーバ106D(又はAPサーバ108)が取得し、取得した検出結果と充電完了とみなされる電圧(以下、「充電完了電圧」とする)との比較から充電完了を判定してもよい。このようにOCPPサーバ106Dで判定すると、第1実施形態のAPサーバ108において、データベース107の開始時刻の取得やOCPPサーバ106に送信していた充電完了指示等が不要となる(図12参照)。
また、ECU11の検出結果を充電装置103が取得し、充電装置103が取得した検出結果をOCPPサーバ106又はAPサーバ108に出力してOCPPサーバ106又はAPサーバ108で判定してもよい。
また、図30に示すように、ECU11の検出結果を充電装置103Eが取得し、充電装置103Eが、取得した検出結果と充電完了電圧との比較から充電完了を判定してもよく、この場合、充電装置103E自らが充電完了判定を行い、その充電正常完了信号をOCPPサーバ106Eに送信してもよい。この場合、図12図23に示すように、ストップトランザクション信号のやり取りが不要となる。
なお、充電装置103が充電電圧を検知する電圧検知部を備える場合、充電装置103が検知した電圧で充電完了を判定してもよいし、充電装置103からOCPPサーバ106又はAPサーバ108に出力してOCPPサーバ106又はAPサーバ108で判定してもよい。
充電完了判定は、バッテリの充電率が80%以上となる(満充電状態とする)充電時間で判定しているが、例えば、第1の車両に対する充電を2時間等の短時間で一旦完了し、待ち状態の第2の車両1に対して充電するようにし、第1の車両1の充電が満充電でない場合に最下位の待ち状態としてもよい。これにより、複数の車両を平等に充電できる。
【0068】
4.その他
(1)OCPPサーバ106と充電装置103との信号の送受信において、トランザクションを利用しているが、トランザクションを利用しなくてもよい。なお、トランザクションを利用した方が誤動作を防ぐことができる。誤動作の例としては、充電されているにも関わらず充電正常開始信号が出力されなかった場合、携帯端末に充電開始報告がされないままに充電されているような場合である。
(2)充電システムは、充電装置と充電制御装置とを備えているが、充電装置に相当する充電部と、充電制御装置に相当する充電制御部とを1つにした充電装置としてもよい。
(3)充電装置103と第1サーバ(OCPPサーバ106)との通信にOCPPを利用したが、他のプロトコルを利用してもよい。
(4)APサーバ108は、充電依頼を携帯端末3から受け付けているが、他の方法で受け付けてもよい。例えば、車両ID等の識別情報が記憶されたカードを、充電装置103又は外部のリーダから受け付けるようにしてもよい。
(5)携帯端末は、APサーバ108に対応したアプリケーションがインストールされているが、例えば、ブラウザ上で稼働するアプリケーション(フロントエンド)を利用して、APと通信する(WEB-API)ようにしてもよい。
(6)実施形態では、最大使用電力(最大充電台数)があらかじめ設定されていたが、ユーザが設定可能としてもよい。
【0069】
<第1発明1>
第1実施形態(A~Cや変形例当も含む)には、以下の第1発明1が存在する。
第1発明1は、第1実施形態、第1実施形態A~C、第1変形例に限られるものではなく、第1実施形態、第1実施形態A~C、第1変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても第1発明1に含まれる。
【0070】
(1)充電制御装置
第1の充電制御装置は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、前記最大使用電力の範囲内で同時に充電可能な最大台数を超えて前記車両から充電依頼がされた場合に、前記最大台数を超えて充電依頼する前記車両への充電を待機状態とする。
これにより、最大使用電力を超えないため、充電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0071】
第2の充電制御装置は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の充電依頼を受信する充電依頼受信手段(例えば、ステップS170が相当する)と、
前記充電依頼の前記車両に対して充電を制御する第1充電制御手段と、
充電中の前記車両の充電台数を取得する第1台数取得手段(例えば、ステップS173~S174が相当する)と
を備え、
前記第1充電制御手段は、前記第1台数取得手段により取得された前記充電台数が前記最大使用電力の範囲内で充電可能な最大台数未満の場合に前記充電依頼の前記車両に対して充電する充電状態にし(例えば、ステップS175の「Yes」、S176が相当する)、前記取得された前記充電台数が前記最大台数以上の場合に前記充電依頼の車両に対して待機状態にする(例えば、ステップS175の「No」、S180が相当する)。
これにより、最大使用電力を超えないため、充電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0072】
第3の充電制御装置は、第1の充電制御装置において、充電していた1台の前記車両の充電が完了すると、待機状態の1台の前記車両に対して充電を開始する。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機状態の車両に充電できる。
【0073】
第4の充電制御装置は、第2の充電制御装置において、
前記複数の車両のうち、充電している充電台数を取得する第2充電台数取得手段(例えば、ステップS126の「Yes」、S127、S128が相当する)と、
前記待機状態の車両に対して充電を制御する第2充電制御手段と
をさらに備え、
前記第2充電制御手段は、前記第2充電台数取得手段により取得された前記充電台数が前記最大台数未満の場合に、前記待機状態の1台の前記車両に対して充電する充電状態にする(ステップS129の「Yes」、S130、S131が相当する)。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機状態の車両に充電できる。
【0074】
第5の充電制御装置は、第3の充電制御装置において、
前記待機状態の1台の前記車両は、最も待機時間が長い車両である。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機時間を短くできる。
【0075】
第6の充電制御装置は、第4の充電制御装置において、
前記第2充電制御手段は、前記第2充電台数取得手段により取得された充電台数が前記最大台数未満の場合に充電を開始する前記車両は、最も待機時間が長い車両である。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機時間を短くできる。
【0076】
第7の充電制御装置は、第2、第4又は第6の充電制御装置において、
充電中の前記車両の充電が完了したか否かを判定する充電完了判定手段(例えばステップS185が相当する)を備える。
これにより、充電中の車両が充電を完了したことを判定できる。
【0077】
第8の充電制御装置は、第2、第4、第6又は第7の充電制御装置において、
前記充電装置と通信可能な第1サーバと、
前記第1サーバ及び前記車両の使用者の携帯端末と通信可能な第2サーバと
を備え、
前記第1充電制御手段は、前記第2サーバが実行するアプリケーションによって実行される。
これにより、第1サーバに大きな変更を加えることなく、第1充電制御手段を設けることができる。
【0078】
第9の充電制御装置は、第4又は第6の充電制御装置において、
前記充電装置と通信可能な第1サーバと、
前記第1サーバ及び前記車両の使用者の携帯端末と通信可能な第2サーバと
を備え、
前記第1充電制御手段及び前記第2充電制御手段は、前記第2サーバが実行するアプリケーションによって実行される。
これにより、第1サーバに大きな変更を加えることなく、第1充電制御手段を設けることができる。
【0079】
第10の充電制御装置は、第4又は第6の充電制御装置において、
前記充電装置と通信可能な第1サーバと、
前記第1サーバ及び前記車両の使用者の携帯端末と通信可能な第2サーバと
を備え、
前記第1充電制御手段は、前記第2サーバが実行するアプリケーションによって実行され、
前記第2充電制御手段は、前記第1サーバが実行するアプリケーションによって実行される。
これにより、第1サーバと第2サーバとの通信量を少なくできる。
【0080】
第11の充電制御装置は、第7の充電制御装置において、
前記充電装置と通信可能な第1サーバと、
前記第1サーバと前記車両の使用者の携帯端末と通信可能な第2サーバと
を備え、
前記充電完了判定手段は、前記第1サーバ又は前記第2サーバが実行するアプリケーションによって実行される。
【0081】
(2)充電システム
第1の充電システムは、集合住宅で電気充電可能な複数の車両に対して電気充電を行う充電システムにおいて、
前記複数の車両のそれぞれに接続可能なコネクタを複数備える充電装置と、
前記充電装置の前記車両への充電を制御する充電制御装置と
を備え、
前記充電装置は、前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており、
前記充電制御装置は、第1~第11の何れかの充電制御装置である。
なお、最大使用電力の設定は、変更不可能な固定的であってもよいし、変更可能な可変的であってもよい。
【0082】
(3)充電制御方法
第1の充電制御方法は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている又は設定可能な充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御方法において、
前記最大使用電力の範囲内で同時に充電可能な最大台数を超えて前記車両から充電依頼がされた場合に、前記最大台数を超えて充電依頼する前記車両への充電を待機状態とする。
【0083】
<第1発明2>
第1実施形態(A~C等も含む)には、以下の第1発明2が存在する。
第1発明2は、第1実施形態、第1実施形態A~C、第1変形例に限られるものではなく、第1実施形態、第1実施形態A~C、第1変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても第1発明2に含まれる。
【0084】
(1)充電制御装置
第1の充電制御装置は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、新規に前記車両から充電依頼がされた際に、当該車両に充電をしたと仮定した使用電力が前記最大使用電力以上の場合に前記充電依頼した車両への充電を待機状態とする。
これにより、最大使用電力を超えないため、充電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0085】
第2の充電制御装置は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の充電依頼を受信する充電依頼受信手段(例えば、ステップS170が相当する)と、
前記充電依頼の前記車両に対して充電を制御する第1充電制御手段と、
充電中の前記車両と前記充電依頼の車両との合計の使用電力を取得(算出)する第1使用電力取得(算出)手段(例えば、ステップS173C~S175Cが相当する)と
を備え、
前記第1充電制御手段は、前記第1使用電力取得(算出)手段により取得された前記合計の使用電力が前記最大使用電力未満の場合に前記充電依頼の前記車両に対して充電する充電状態にし(例えば、ステップS175Cの「Yes」、S176が相当する)、前記取得された前記合計の使用電力が前記最大使用電力以上の場合に前記充電依頼の車両に対して待機状態にする(例えば、ステップS175Cの「No」、S180が相当する)。
これにより、最大使用電力を超えないため、充電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0086】
第3の充電制御装置は、第1の充電制御装置において、充電していた1台の前記車両の充電が完了すると、待機状態の1台の前記車両に対して充電を開始する。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機状態の車両に充電できる。
【0087】
第4の充電制御装置は、第2の充電制御装置において、
前記複数の車両のうち、充電している車両と待機中の1台の前記車両の合計の使用電力を取得(算出)する第2使用電力取得(算出)手段(例えば、ステップS126C、S127Cが相当する)と、
前記待機状態の車両に対して充電を制御する第2充電制御手段と
をさらに備え、
前記第2充電制御手段は、前記第2使用電力取得(算出)手段により取得(算出)された前記合計の使用電力が前記最大使用電力未満の場合に、前記待機状態の1台の前記車両に対して充電する充電状態にする(ステップS128Cの「Yes」、S129、S122が相当する)。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機状態の車両に充電できる。
【0088】
第5の充電制御装置は、第3の充電制御装置において、
前記待機状態の1台の前記車両は、最も待機時間が長い車両である。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機時間を短くできる。
【0089】
第6の充電制御装置は、第4の充電制御装置において、
前記待機状態の1台の前記車両は、最も待機時間が長い車両である。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機時間を短くできる。
【0090】
第7の充電制御装置は、第2、第4又は第6の充電制御装置において、
充電中の前記車両の充電が完了したか否かを判定する充電完了判定手段(例えばステップS185が相当する)を備える。
これにより、充電中の車両が充電を完了したことを判定できる。
【0091】
第8の充電制御装置は、第2、第4、第6又は第7の充電制御装置において、
前記充電装置と通信可能な第1サーバと、
前記第1サーバ及び前記車両の使用者の携帯端末と通信可能な第2サーバと
を備え、
前記第1充電制御手段は、前記第2サーバが実行するアプリケーションによって実行される。
これにより、第1サーバに大きな変更を加えることなく、第1充電制御手段を設けることができる。
【0092】
第9の充電制御装置は、第4又は第6の充電制御装置において、
前記充電装置と通信可能な第1サーバと、
前記第1サーバ及び前記車両の使用者の携帯端末と通信可能な第2サーバと
を備え、
前記第1充電制御手段及び前記第2充電制御手段は、前記第2サーバが実行するアプリケーションによって実行される。
これにより、第1サーバに大きな変更を加えることなく、第1充電制御手段を設けることができる。
【0093】
第10の充電制御装置は、第4又は第6の充電制御装置において、
前記充電装置と通信可能な第1サーバと、
前記第1サーバ及び前記車両の使用者の携帯端末と通信可能な第2サーバと
を備え、
前記第1充電制御手段は、前記第2サーバが実行するアプリケーションによって実行され、
前記第2充電制御手段は、前記第1サーバが実行するアプリケーションによって実行される。
これにより、第1サーバと第2サーバとの通信量を少なくできる。
【0094】
第11の充電制御装置は、第7の充電制御装置において、
前記充電装置と通信可能な第1サーバと、
前記第1サーバと前記車両の使用者の携帯端末と通信可能な第2サーバと
を備え、
前記充電完了判定手段は、前記第1サーバ又は前記第2サーバが実行するアプリケーションによって実行される。
【0095】
(2)充電システム
第1の充電システムは、集合住宅で電気充電可能な複数の車両に対して電気充電を行う充電システムにおいて、
前記複数の車両のそれぞれに接続可能なコネクタを複数備える充電装置と、
前記充電装置の前記車両への充電を制御する充電制御装置と
を備え、
前記充電装置は、前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており又は設定可能であり、
前記充電制御装置は、第1~第11の何れかの充電制御装置である。
【0096】
(3)充電制御方法
第1の充電制御方法は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている又は設定可能な充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御方法において、
新規な充電依頼の車両の使用電力と現在充電中の全ての車両の使用電力の合計の使用電力が前記最大使用電力以上の場合に、前記新規な充電依頼の前記車両への充電を待機状態とする。
【0097】
<第1発明3>
第1実施形態(A~C等も含む)には、以下の第1発明3が存在する。
第1発明は、第1実施形態、第1実施形態A~C、第1変形例に限られるものではなく、第1実施形態、第1実施形態A~C、第1変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても第1発明3に含まれる。
【0098】
(1)充電制御装置
充電制御装置は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の少なくとも1台の第1の車両の充電時間が第1時間になると、充電の待機中の他の第2の車両があると、前記第1の車両の充電を停止すると共に当該第1の車両の充電が未完了の場合に当該第1の車両の充電状態を待ち状態とし、前記第2の車両に対して充電を行う。
これにより、複数の車両を平等に充電できる。
【0099】
<その他>
第1発明1~3のそれぞれの発明は、他の発明の構成を有してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 車両
3 携帯端末
101 充電システム
103 充電装置
105 充電制御装置
106 OCPPサーバ
107 データベース
108 APサーバ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
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図14
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図16
図17
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図19A
図19B
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図26A
図26B
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図30