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特開2024-174277充電制御装置、充電システム、充電制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174277
(43)【公開日】2024-12-16
(54)【発明の名称】充電制御装置、充電システム、充電制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20241209BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241209BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20241209BHJP
   B60L 53/63 20190101ALI20241209BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/02 G
H02J7/00 P
B60L53/14
B60L53/63
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092016
(22)【出願日】2023-06-04
(71)【出願人】
【識別番号】523212184
【氏名又は名称】株式会社エールホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】津田 良
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA10
5G503FA06
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BE01
5H125DD02
(57)【要約】
【課題】充電装置がオーバーロードとならないように制御できる充電制御装置を提供する。
【解決手段】充電制御装置は、集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている充電装置に対し、当該充電装置に接続された車両への充電を制御する充電制御装置において、複数の車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の車両に加えて新たな充電依頼した車両に第1充電電力で充電すると合計の使用電力が最大使用電力を超える場合に、新たな充電依頼の車両と第1充電電力で充電中の車両とに対して、合計の使用電力が最大使用電力未満であって第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する(ステップS1752~S1755の「Yes」)。
【選択図】図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記複数の車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両と前記第1充電電力で充電中の前記車両とに対して、合計の使用電力が前記最大使用電力未満であって前記第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する、
充電制御装置。
【請求項2】
前記第2充電電力で充電していた1台の前記車両の充電が完了すると、前記第2充電電力で充電中の残りの車両に対して前記第1充電電力で充電しても前記最大使用電力より小さい場合に、前記第2充電電力で充電中の残りの前記車両の充電電力を前記第1充電電力に戻して充電をする、
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記第2充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、前記第2充電電力で充電中の車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第2充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記第2充電電力で充電中の新たな充電依頼の前記車両の充電を待機中とする、
請求項2に記載の充電制御装置。
【請求項4】
集合住宅で電気充電可能な複数の車両に対して電気充電を行う充電システムにおいて、
前記複数の車両のそれぞれに接続可能なコネクタを複数備える充電装置と、
前記充電装置の前記車両への充電を制御する充電制御装置と
を備え、
前記充電装置は、前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており、
前記充電制御装置は、請求項1~3の何れか1項に記載の充電制御装置である、
充電システム。
【請求項5】
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御方法において、
前記複数の車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、前記第1充電電力で充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両と前記第1充電電力で充電中の前記車両とに対して、合計の使用電力が前記最大使用電力未満であって前記第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する、
充電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気充電可能な車両の電気充電に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を充電する技術として、例えば、「車両4を充電するための複数の充電器2と、充電器2の充電電流を制御する充電制御部3とを有し、商用電力Pからの受電電力を計測する電力量計10から受電電力情報を入手する第1計測部31aと、受電した高圧電力を低圧電力に変換して充電器2へ供給する降圧変圧器5bに流れる電流・電圧情報を入手する第2計測部31bとを有し、充電制御部3は、第1計測部31aが入手した受電電力情報を所定の第1設定値と比較して、第1設定値を超えないよう制御すると共に、第2計測部31bが入手した電力情報を所定の第2設定値と比較して、第2設定値を超えないよう制御する」ものが開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-188669号公報
【特許文献2】特開2023-034166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術では、受電設備の容量がオーバーロードにならないよう車両の充電制御が可能であるが、第1計測部や第2計測部を備える必要があり、設備が複雑になるという課題がある。
本発明は、計測部等を設けることなく、充電装置がオーバーロードとならないように制御できる充電制御装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る充電制御装置は、集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、前記複数の車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両と前記第1充電電力で充電中の前記車両とに対して、合計の使用電力が前記最大使用電力未満であって前記第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する。
本発明に係る充電システムは、集合住宅で電気充電可能な複数の車両に対して電気充電を行う充電システムにおいて、前記複数の車両のそれぞれに接続可能なコネクタを複数備える充電装置と、前記充電装置の前記車両への充電を制御する充電制御装置とを備え、前記充電装置は、前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており、前記充電制御装置は、上記の充電制御装置である。
本発明に係る充電制御方法は、集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御方法において、前記複数の車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、前記第1充電電力で充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両と前記第1充電電力で充電中の前記車両とに対して、合計の使用電力が前記最大使用電力未満であって前記第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する。
【発明の効果】
【0006】
上記構成また方法によれば、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならないように制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る充電システムの概略図である。
図2】携帯端末のハードウェアの構成図である。
図3】充電制御装置のハードウェアの構成図である。
図4A図1の状態の充電依頼テーブルを示す図である。
図4B図1の状態のステータステーブルを示す図である。
図4C】ユーザ情報テーブルを示す図である。
図5A】4/1の21:30時点の充電装置に接続された車両を示す概略図である。
図5B】4/1の22:30時点の充電装置に接続された車両を示す概略図である。
図5C】4/2の6:50時点の充電装置に接続された車両を示す概略図である。
図6】4/1の19時から4/2の9時までの充電状態を示す図である。
図7A】4/1の21:30時点の充電依頼テーブルを示す図である。
図7B】4/1の21:30時点のステータステーブルを示す図である。
図8A】4/1の22:30時点の充電依頼テーブルを示す図である。
図8B】4/1の22:30時点のステータステーブルを示す図である。
図9A】4/2の6:50時点の充電依頼テーブルを示す図である。
図9B】4/2の6:50時点のステータステーブルを示す図である。
図9C】4/2の6:50時点のステータステーブルを示す図である。
図10A】4/2の7:00時点の充電依頼テーブルを示す図である。
図10B】4/2の7:00時点のステータステーブルを示す図である。
図11】充電システムの概略シーケンス図である。
図12A】充電システムにおいて充電不可な場合の概略シーケンス図である。
図12B】充電システムにおいて充電可能な場合の概略シーケンス図である。
図13】充電システムにおいて充電完了の場合の概略シーケンス図である。
図14】充電システムにおいて充電状態を変更する場合の概略シーケンス図である。
図15】充電装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
図16】OCPPサーバの制御部の処理を示すフローチャートである。
図17】OCPPサーバの充電開始処理を示すフローチャートである。
図18】OCPPサーバの充電完了処理を示すフローチャートである。
図19】OCPPサーバの充電変更処理を示すフローチャートである。
図20】データベースの制御部の処理を示すフローチャートである。
図21A】APサーバの制御部の処理を示すフローチャートである。
図21B】APサーバの制御部の処理を示すフローチャートである。
図21C】APサーバの制御部の処理を示すフローチャートである。
図22図21AのステップS175の処理を示すフローチャートである。
図23図21CのステップS193の処理を示すフローチャートである。
図24】第1実施形態Aに係る充電制御装置のハードウェアの構成図である。
図25】第1実施形態Aに係る充電システムにおいて充電可能な場合の概略シーケンス図である。
図26】第1実施形態Aに係る充電システムにおいて充電不可な場合の概略シーケンス図である。
図27】第1実施形態Aに係る充電システムにおいて充電完了の場合の概略シーケンス図である。
図28】第1実施形態Aに係る充電システムにおいて充電状態を変更する場合の概略シーケンス図である。
図29】第1実施形態Bに係る充電制御装置のハードウェアの構成図である。
図30A】第1実施形態Cに係るステータステーブルを示す図である。
図30B】第1実施形態Cに係るステータステーブルを示す図である。
図30C】第1実施形態Cに係る充電条件テーブルを示す図である。
図31図21AのステップS175に相当する第1実施形態CのAPサーバの処理を示すフローチャートである。
図32図21CのステップS193に相当する第1実施形態CのAPサーバの処理を示すフローチャートである。
図33図22に相当する第1実施形態DのAPサーバの処理を示すフローチャートである。
図34図23に相当する第1実施形態DのAPサーバの処理を示すフローチャートである。
図35】第1変形例に係る充電システムにおいて充電完了の場合の概略シーケンス図である。
図36】第1変形例に係る充電システムにおいて充電完了の場合の概略シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
充電システム101は、図1に示すように、マンション、ハイツ等の集合住宅の駐車場や複数の車両を駐車可能な屋内駐車場(契約パーキング)で使用される。
充電システム101は、契約等により駐車場に駐車し且つ電気充電可能な複数台の車両1に対して電気充電を行う。
ここでいう電気充電可能な車両1とは、エンジンを有していない電気自動車、エンジンと組みわせたハイブリッド自動車、エンジンにより発電された電気により走行する電気自動車等がある。また、車両1には、4輪車、3輪車、2輪車等を含む。
充電システム101は、複数の車両1のそれぞれに接続可能なコネクタ131を複数備える充電装置103と、充電装置103の車両1への充電を制御する充電制御装置105とを備える。
充電制御装置105は、車両1が充電装置103のコネクタ131に接続され、所有者や使用者(の携帯端末3)から充電開始を依頼する操作(充電依頼操作ともいう)を受け付けると、使用電力を考慮しつつ充電装置103に充電の指示を行う。
図1は、充電システム101の概略を示し、例えば、充電装置103は、6台の車両1に接続可能、つまり、6個のコネクタ131を備える。
【0009】
<第1実施形態>
1.全体構成
第1実施形態の充電システム101では、複数の車両1に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており、新規な充電依頼の車両に充電すると最大使用電力を超える場合、充電中の車両及び新規充電依頼の車両に対して充電電力を低くして充電する。
つまり、同時に充電する際の最大使用電力が予め設定されており、充電依頼の車両1に対して第1充電電力で充電したと仮定した場合の合計の使用電力(「合計使用電力」ともいう)が最大使用電力未満であれば充電依頼の車両1に第1充電電力で充電を行い、合計使用電力が最大使用電力以上であれば、充電依頼の車両1を含めたすべての車両1に対して第1充電電力よりも低い第2充電電力で最大使用電力内において充電する。
なお、これらの具体的な形態は、実施形態を説明するためのものであり、この形態に限定されるものではない。
【0010】
2.各部
以下、充電システム101を構成する各装置について説明する。
(1)充電装置
充電装置103は、分電盤2と接続され、電力の供給を受ける。充電装置103は、分電盤2から受電して充電制御装置105で指示された充電電力を生成する回路部132と、回路部132に充電の開始及び完了等を指示して車両1への充電を制御する制御部133と、充電制御装置105と通信する通信部134とを有する。
制御部113は、充電制御装置105から通信部134を介して指示されたコネクタ131に対し、充電電力、充電開始、充電完了等を回路部132に指示する。
【0011】
(2)携帯端末
携帯端末3は、図2に示すように、表示部、操作部、制御部33、通信部34、記憶部35を含み、携帯端末用アプリケーション(以下、「携帯アプリケーション」とする)がインストールされている。使用者は、携帯端末3を使ってWEB上のアプリケーションにアクセスし、当該アプリケーションで種々の操作を行うようにしてもよい。
ここでは、表示部と操作部は、タッチパネル部36により構成されている。
制御部33は、CPU、ROM、RAM等を含み、使用者の操作に従って、記憶部35に記憶されているプログラムやアプリケーションをCPUが実行することで、各種の処理を行う。
記憶部35は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含み、例えば、各種処理を行うためのオペレーティングシステム、プログラム、アプリケーション、各種データを記憶する。
通信部34は、電話回線や光回線を利用したネットワーク(例えば、インタネット)を介したデータ通信、Bluetooth(登録商標)通信、Wi-Fi(登録商標)通信等を行う。
携帯アプリケーションは、当該アプリケーションが実行されることでAPサーバ108と通信可能となり、各種の情報が送受信される。
使用者は、携帯アプリケーションを介して、使用者を識別するためのユーザID、使用するコネクタ131を示すコネクタID、通常充電時の設定電力等のユーザ情報を登録する。なお、ユーザ情報は、図4Cに示すように、データベース107のユーザ情報テーブルT13に登録される。これにより、充電の際の使用者の車両1と、当該車両1に使用する充電装置103のコネクタ131と充電電力とが対応付け(紐付け)される。
使用者は、使用する車両1を充電装置103のコネクタ131に接続すると、携帯端末3の携帯アプリケーションを利用して、タッチパネル部36から充電依頼操作を行う。
制御部33は、充電依頼操作をタッチパネル部36から受け付けると充電を依頼する旨の依頼(以下、「充電依頼」とする)をAPサーバ108に送信する。制御部33は、携帯アプリケーションを介して、充電を開始した旨の報告(以下、「充電開始報告」とする)、充電を完了した旨の報告(以下、「充電完了報告」とする)、充電電力を調整している旨の報告(以下、「電力調整報告」とする)、充電を待機している旨の報告(以下、「充電待機」報告とする)等を受信すると、タッチパネル部36にその報告を表示する。
【0012】
(3)充電制御装置
充電制御装置105は、図3に示すように、1台又は複数台のサーバ、仮想サーバ、これらの組み合せにより構成される。
充電制御装置105は、充電装置103と通信可能な第1サーバとして機能するOCPPサーバ106と、充電装置103により充電される車両1の充電依頼データ(充電依頼履歴)等を記憶するデータベース(以下、図面では「DB」と表示する)107と、使用者(携帯端末3)からの充電依頼に従ってOCPPサーバ106に充電指示等を行う第2サーバとして機能するAPサーバ108とを備える。
OCPPサーバ106、データベース107、APサーバ108は互いに通信可能に構成され、OCPPサーバ106と充電装置103とは、OCPP(Open Charge Point Protocol)に基いて接続されている。つまり、充電装置103は、所謂、CP(Charge Point)である。
OCPPサーバ106、データベース107、APサーバ108は、AWS、Azure、Google Cloud Platform等のパブリッククラウド上に設けられている。これにより、通信効率を高めることができる。また、容易に実施できる。
以下、各サーバ等について説明する。
【0013】
(3-1)データベース
データベース107は、図3に示すように、制御部171、記憶部173、時計175を含む。
記憶部173は、例えば、HDD、SDD、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体等を含み、例えば、充電依頼を格納する充電依頼テーブルT11(図4A参照)や、充電状態(ステータス)等を格納するステータステーブルT12(図4B参照)、使用者のユーザ情報を格納するユーザ情報テーブルT13(図4C参照)等を記憶する。なお、時計175は、カレンダ機能を有し、年月日まで計測する。
【0014】
充電依頼テーブルT11は、図4Aに示すように、充電依頼の履歴を残すもので、新規な充電依頼があれば追加される。充電依頼テーブルT11は、例えば、充電依頼の受付順を示す「充電番号」、充電対象の車両1が接続されたコネクタ131のIDを示す「コネクタID」、充電の完了・未完了を示す「充電結果」、充電依頼された日時を示す「依頼日時」、充電依頼された充電の完了した日時を示す「充電完了日時」等のデータが格納される。
なお、充電依頼テーブルT11の項目及びその項目に格納されるデータを意味する場合には、その項目に「」を付す場合がある。例えば、「充電番号」とする場合は、テーブル中の項目である「充電番号」を意味する場合と、「20230401-1」等のデータを意味する場合とがある。
【0015】
ステータステーブルT12は、図4Bに示すように、例えば、充電依頼の順番を示し且つ充電依頼テーブルT11の「充電番号」と同じデータとなる「充電番号」、充電対象の車両1が接続されたコネクタ131のIDを示し且つ充電依頼テーブルT11の「コネクタID」と同じデータとなる「コネクタID」、充電の状態を示す「充電状態」、充電中の車両1の充電電力を示す「充電電力」等のデータが格納される。
充電状態には、図4Bに示す「充電中」、図8Bに示す「待機中」、図9Cに示す「充電済」等がある。
充電電力は、「20」、「15」があり、「20」は図4Cに示す設定電力で充電される場合を示し、「15」は充電電力を調整している場合であり、当該調整された調整電力は、通常充電時の電力よりも低い。本例では、調整電力は設定電力の75%に設定されている。なお、設定電力で行う充電を「通常充電」とし、設定電力の75%の電力で行う充電を「調整充電」とする。ここでは、調整電力を75%の1つだけを想定しているが、更に、75%の充電で最大使用電力以上になる場合は、設定電力の50%の電力(この場合「10」となる)で充電するようにしてもよい。
なお、ステータステーブルT12の項目及びその項目に格納される情報を意味する場合も、その項目に「」を付す場合がある。例えば、「充電番号」とする場合は、テーブル中の項目である「充電番号」を意味する場合と、「20230401-1」等の情報を意味する場合とがある。
【0016】
ユーザ情報テーブルT13は、図4Cに示すように、例えば、使用者の識別番号を示す「ユーザID」、当該使用者が使用するコネクタ131を示す「コネクタID」、通常充電用に設定された「設定電力」等を登録する。
なお、ユーザ情報テーブルT13の項目及びその項目に格納される情報を意味する場合も、その項目に「」を付す場合がある。例えば、「ユーザID」とする場合は、テーブル中の項目である「ユーザID」を意味する場合と、「AAA」等の情報を意味する場合とがある。
以下、コネクタIDが「A」のコネクタ131や充電番号が「AA」の充電番号等を、単にコネクタ「A」や充電番号「AA」とすることもある。具体的には、コネクタIDが「3」のコネクタをコネクタ「3」と表示する。
【0017】
図4A及び図4Bの充電依頼テーブルT11及びステータステーブルは、図1の状態を示している。なお、図1図4A及び図4Bは、4月1日、21時15分時点の状態である。
充電依頼テーブルT11では、図4Aに示すように、コネクタ「3」、「1」、「5」、「2」の順で充電依頼があり、この順で充電番号が付与され、格納される。
コネクタ「3」、「1」はすでに充電を完了し、「充電結果」の項目が「完了」となっている。コネクタ「5」、「2」が充電中であり、「充電結果」の項目が「未完了」となっている。
充電番号「20230401-2」では、「12:00」に充電依頼があり、「20:15」に充電が完了している。また、充電番号「20230401-3」では、「14:00」に充電依頼があり、充電電力が「20」の通常充電中である。
第1実施形態では、最大使用電力が50kWに設定され、1台の車両の通常の使用電力(設定電力である)は20kWに設定されている(ユーザ情報テーブルT13参照)。図4Bでは、充電電力が「20」となっており、20kWで2台の車両1が充電されている。つまり、合計の使用電力は40kWであり、最大使用電力未満である。
【0018】
図6は、充電装置103に接続された車両1の充電状態を示す図であり、4月1日の19時から4月2日の9時までを示している。図中の破線が通常充電を示し、実線が調整充電を示し、点線が待機状態を示し、矢印の右側の数字は、時間の「分」を示し、例えば、充電番号「20230401-2」の「15」は、20時15分となる。
【0019】
図5A図7A及び図7Bは、図6における4月1日の21時30分の状態であって、コネクタ「6」の車両1に充電が開始された直後の状態を示している。
図5Aでは、図1に対して、充電済みのコネクタ「1」、「3」の車両1がマンションの外で使用され、新たにコネクタ「6」に車両1が接続され、充電中である。
図7Aに示す充電依頼テーブルT11は、図4Aに対して、コネクタ「6」を利用した新規な充電依頼として、新規なレコードに「充電番号」のフィールドに「2023-0401-5」のデータが追加されている。図7Bに示すステータステーブルT12は、図4Bに対して、同様に、コネクタ「6」を利用した新規な充電として、新規なレコードに「充電番号」のフィールドに「20230401-5」のデータが追加されている。
充電番号「20230401-5」の新規な車両1が接続される前は、2台の車両(充電番号が「20230401-3」と「20230401-4」である)が、図4Bに示すように通常充電である「20」kWで充電されている。この状態に、新規な車両1(充電番号「20230401-5」)に通常充電すると3台の合計の使用電力が60kWとなり、最大使用電力である50kWを超えることとなり、調整電力での調整充電となる。このため、図7Bの充電電力に「15」が格納されている。
【0020】
図5B図8A及び図8Bは、図6における4月1日の22時30分の状態であって、コネクタ「3」の車両1から充電依頼されているが、当該コネクタ「3」の車両の充電が待機の状態を示している。
図5Bでは、図5Aに対して、新たにコネクタ「3」に車両1が接続されている。
図8Aに示す充電依頼テーブルT11及びステータステーブルT12は、図7A及び図7Bに対して、コネクタ「3」を利用した新規な充電依頼として、充電番号「20230401-6」のレコードが追加されている。
充電番号「20230401-6」が接続される前の状態では、3台の車両1を15kW(図7B参照)で充電しており、この状態で充電番号「20230401-6」の新規車両1についても調整充電した場合、これら4台の合計の使用電力が60kWとなり、最大使用電力(50kW)を超える。このため、図8Bに示すように、ステータステーブルT12において、充電番号「20230401-6」の「充電状態」に「待機中」が格納されている。
【0021】
図5C図9A及び図9Bは、図6における4月2日の6時50分の状態であって、コネクタ「2」の車両1が充電完了した直後の状態を示している。
図9Aでは、充電番号「20230401-4」のレコードにおいて、充電結果が「完了」に、充電完了日時が「20230402/06:50」に更新される。
図9Cでは、充電番号「20230401-4」の車両1の充電が完了した直後であるため、充電状態が「充電済」となっているが、この後、図9Bに示すように、充電番号「20230401-4」の充電が完了したため、この「充電番号」のレコードが削除され、充電状態が「充電中」の車両1の台数が2台となっている。
【0022】
図10A及び図10Bは、図6における4月2日の7時の状態であって、2台の車両1の充電が通常充電に変更された状態を示している。
図9Bに示す充電番号「20230401-5」と「20230401-6」の2台の車両1の充電は調整充電であるが、当該2の充電を通常充電にした場合の使用電力が40kWとなり、最大使用電力未満となる。
このため、充電が調整充電から通常充電へと変更され、図10Bに示すように、充電電力が「20」となっている。
【0023】
制御部171は、CPU、ROM、RAM等を含み、OCPPサーバ106やAPサーバ108の要求に従って、新規な充電依頼を充電依頼テーブルT11に作成・更新したり、ステータステーブルT12に登録・更新・削除したり、ユーザ情報をユーザ情報テーブルT13に登録・変更・削除したりする。なお、制御部171は、要求に対して、テーブルT11,T12,T13に更新等を行うと、要求してきたサーバに応答する。
【0024】
(3-2)OCPPサーバ
OCPPサーバ106は、図3に示すように、制御部161、通信部162、記憶部163を含み、CP用アプリケーションを実行する。なお、OCPPサーバ106は、充電により課金を管理する外部の決済システムと、例えば、OICP(Open InterChange Protocol)やOCPI(Open Charge Point Interface)等の通信プロトコルにより接続されている。
制御部161は、CPU、ROM、RAM等を含み、記憶部163に記憶されているプログラムをCPUが実行することで、CP用アプリケーションの処理を行う。
記憶部163は、例えば、HDD、SDD、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体等を含み、例えば、各種処理を行うためのオペレーティングシステム、アプリケーション用プログラム、各種データを記憶する。
通信部162は、ここでは、国際的な標準規格であるOCPPに基いて充電装置103と通信し、WEB-APIを利用してAPサーバ108と通信する。なお、データベース107は、OCPPサーバ106が設けられているパブリッククラウド上で提供されており、データベース107への要求はSQLが利用される。
【0025】
OCPPサーバ106は、図11図12Bに示すように、APサーバ108から充電を開始する旨の指示(以下、「充電開始指示」とする)を受けると、充電装置103に充電を開始させる旨の信号(以下、「充電開始信号」とする)を出力する他、図12B及び図12Cに示すように、データベース107に充電の開始を示すステータスの登録を要求(以下、「開始登録要求」とする)したり、充電が正常に開始するとAPサーバ108に充電が正常である旨を応答(以下、「充電開始応答」とする)したりする。
なお、ここでの「充電」には、「通常充電」と「調整充電」とがある。
【0026】
OCPPサーバ106は、充電開始指示があると、当該充電対象の「コネクタID」と「充電電力」を含んだ信号(以下、「開始準備信号」とする)を充電装置103に出力し、これを受けて、充電装置103は対象のコネクタ131に車両1が接続されていること示す応答信号(以下、「開始準備応答信号」とする)を出力する。これにより、使用者の充電依頼しているコネクタ131に、実際に使用者の車両1が接続されているか否かを確認できる。
充電装置103への充電開始指示は、トランザクション管理を利用し、充電装置103からの出力される応答信号であって充電開始信号(スタートトランザクション)に対する応答信号(リモートスタートトランザクション)は、充電が正常に開始したことを示す「充電開始応答信号」でもある。なお、ここでも、「充電」には、「通常充電」と「調整充電」とがある。
【0027】
OCPPサーバ106は、図11及び図13に示すように、APサーバ108から充電を完了する旨の指示(以下、「充電完了指示」とする)を受けると、充電装置103に充電を完了させる旨の信号(以下、「充電完了信号」とする)を出力する他、図13に示すように、データベース107に充電の完了を示すステータスの更新を要求(以下、「完了更新要求」とする)したり、充電が正常に完了するとAPサーバ108に充電が正常に完了した旨を応答(以下、「充電完了応答」とする)したりする。なお、ここでも、「充電」には、「通常充電」と「調整充電」とがある。
OCPPサーバ106は、充電完了指示があると、当該充電対象の「コネクタID」を含んだ信号(以下、「完了準備信号」とする)を充電装置103に出力し、これを受けて、充電装置103は対象のコネクタ131に車両1が充電されていること示す応答信号(以下、「完了準備応答信号」とする)を出力する。これにより、使用者の充電依頼しているコネクタ131に接続された使用者の車両1が充電を完了するか否かを確認できる。
充電完了指示は、トランザクション管理を利用し、充電装置103からの出力される応答信号であって充電完了信号(ストップトランザクション)に対する応答信号(リモートストップトランザクション)は、充電が完了したことを示す「充電完了応答信号」でもある。なお、ここでも、「充電」には、「通常充電」と「調整充電」とがある。
【0028】
OCPPサーバ106は、図11及び図14に示すように、APサーバ108から充電状態を変更する旨の指示(以下、「充電変更指示」とする)を受けると、充電装置103に充電状態を変更させる旨の信号(以下、「充電変更信号」とする)を出力する他、図14に示すように、データベース107に充電状態の変更を示すステータスの更新を要求(以下、「変更更新要求」とする)したり、充電状態を正常に変更するとAPサーバ108に充電状態を正常に変更した旨を応答(以下、「充電変更応答」とする)したりする。
OCPPサーバ106は、充電変更指示があると、当該変更対象の「コネクタID」と「充電電力」を含んだ信号(以下、「変更準備信号」とする)を充電装置103に出力し、これを受けて、充電装置103は対象のコネクタ131の車両1に変更前の充電状態で充電されていること示す応答信号(以下、「変更準備応答信号」とする)を出力する。これにより、対象のコネクタ131の車両の充電状態に変更が必要であるか否かを確認できる。
充電変更指示は、トランザクション管理を利用し、充電装置103からの出力される応答信号であって充電変更信号(チェンジトランザクション)に対する応答信号(リモートチェンジトランザクション)は、充電状態を正常に変更したことを示す「充電変更応答信号」でもある。
ここでの「充電変更」は、例えば、以下の2つがある。1つ目は、図8Bの充電番号が「20230401-3」の充電が完了し、待機中の充電番号「20230401-6」の車両1が調整充電される場合である。2つ目は、図9Bにおいて、調整充電中の車両1が、受電番号「20230401-5」、「20230401-6」の2台となり、当該2台の充電を通常充電に変更する場合である。
【0029】
このように、OCPPサーバ106は、制御部161、通信部162及び記憶部163を協働させることで、図12Bに示すように、APサーバ108から充電開始指示を受信する充電開始指示受信部と、APサーバ108からの充電開始指示に従って充電装置103に充電開始させるための充電開始信号(開始準備信号を含む場合もある)を出力する充電開始信号出力部と、充電装置103から充電開始応答信号(開始準備信号を含む場合は、開始準備応答信号を含む)が入力される充電開始応答信号入力部と、充電装置103から充電開始応答信号の入力があるとAPサーバ108に充電開始応答を送信する充電開始応答送信部と、データベース107にステータスの開始登録要求を出力する開始登録要求出力部と、開始登録要求した応答がデータベース107から入力される開始登録応答入力部とを備える。
また、OCPPサーバ106は、制御部161、通信部162及び記憶部163を協働させることで、図13に示すように、APサーバ108から充電完了指示を受信する充電完了指示受信部と、APサーバ108からの充電完了指示に従って充電装置103に充電を完了させるための充電完了信号(完了準備信号を含む場合もある)を出力する充電完了信号出力部と、充電装置103から充電完了応答信号(完了準備信号を含む場合は、完了準備応答信号を含む)が入力される充電完了応答信号入力部と、充電装置103から充電完了応答信号の入力があるとAPサーバ108に充電完了応答を送信する充電完了応答送信部と、データベース107にステータスの完了更新要求を出力する完了更新要求出力部と、完了更新要求した応答がデータベース107から入力される完了更新応答入力部とを備える。
【0030】
また、OCPPサーバ106は、制御部161、通信部162及び記憶部163を協働させることで、図14Bに示すように、APサーバ108から充電条件の充電変更指示を受信する充電変更指示受信部と、APサーバ108からの充電変更指示に従って充電装置103に充電条件を変更させるための充電変更信号(変更準備信号を含む場合もある)を出力する充電変更信号出力部と、充電装置103から充電変更応答信号(変更準備信号を含む場合は、変更準備応答信号を含む)が入力される充電変更応答信号入力部と、充電装置103から充電変更応答信号の入力があるとAPサーバ108に充電変更応答を送信する充電変更応答送信部と、データベース107にステータスの変更更新要求を出力する変更更新要求出力部と、変更更新要求した応答がデータベース107から入力される変更更新応答入力部とを備える。
【0031】
(3-3)APサーバ
APサーバ108は、図3に示すように、制御部181、通信部182、記憶部183、時計部184を含む。
制御部181は、CPU、ROM、RAM等を含み、記憶部183に記憶されているプログラムをCPUが実行することで、AP用アプリケーションの処理を行う。
記憶部183は、例えば、HDD、SDD、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含み、例えば、アプリケーション用プログラム、各種データを記憶する。
通信部182は、例えば、WEB-APIを利用してOCPPサーバ106や携帯端末3と通信したり、電話回線や光回線を利用したネットワーク(例えば、インタネット)を利用したデータ通信、Bluetooth(登録商標)通信、Wi-Fi(登録商標)通信等を利用して携帯端末3と通信したりする。なお、データベース107との通信にはSQLが利用される。
時計部184は、通常充電の充電時間を計測する通常用カウンタと、調整充電の充電時間を計測する調整用カウンタとを含み、通常充電の通常充電時間や調整充電の調整充電時間を計測する。
APサーバ108は、携帯端末3との間で、充電依頼を受信したり、充電開始報告、充電完了報告、充電待機報告、充電変更報告等を送信したりする。
APサーバ108は、OCPPサーバ106との間で、充電開始指示(通常充電及び調整充電を含む)、充電完了指示、充電変更指示等を送信したり、充電開始応答(通常充電及び調整充電を含む)、充電完了応答、充電変更応答等を受信したりする。なお、OCPPサーバ106への充電開始指示は、新規な充電依頼を携帯端末3から受信すると、充電依頼を受けた車両1への充電が可能か否かを判定し、充電可能な場合に行われる(通常充電及び調整充電を含む)。
APサーバ108は、データベース107との間で、充電依頼データへの新規な充電依頼の作成要求や変更要求、充電状態のステータスの取得要求、スタータスの登録・更新・削除の要求、ユーザ情報の登録・更新・削除の要求等を行う。
【0032】
APサーバ108は、図11及び図12に示すように、携帯端末3から充電依頼を受けると、充電依頼テーブルT11に新規の充電依頼作成や、ステータスの取得等をデータベース107に要求する。なお、これらの要求に対して、データベース107から作成応答や取得応答がなされる。
APサーバ108は、新規な充電依頼の車両1に対して充電可能か否かを判定し、充電可能(通常充電及び調整充電を含む)な場合に、OCPPサーバ106に充電開始指示を送信したり、充電開始指示に対して充電が正常に開始された旨の充電開始応答をOCPPサーバ106から受信すると、携帯端末3に充電開始報告を行ったりする(通常充電及び調整充電を含む)。
APサーバ108は、図12Aに示すように、新規な充電依頼の車両1に対して充電可能か否かの判定をし、充電不可の場合に、データベース107のステータステーブルT12に「待機中」の登録を要求(以下、「待機登録要求」とする)し、待機登録要求に対してデータベース107から登録応答が入力されると、携帯端末3に充電待機報告を送信する。
APサーバ108は、図13に示すように、充電中の車両1の充電が完了したか否かを判定し、充電完了の場合に、OCPPサーバ106に充電完了指示を送信したり、充電完了指示に対して充電が正常に完了された旨の充電完了応答をOCPPサーバ106から受信すると、携帯端末3に充電完了報告を行ったり、充電完了応答を受信するとデータベース107に充電依頼テーブルT11の更新要求(図中の「充電依頼更新要求」である)をしたりする。
APサーバ108は、図14に示すように、充電中の車両1の充電又は待機中の車両1の充電について充電状態を変更するか否かを判定し、変更する場合に、OCPPサーバ106に充電変更指示を送信したり、充電変更指示に対して充電状態を変更した旨の充電変更応答をOCPPサーバ106から受信すると、携帯端末3に充電変更報告を行ったりする。
【0033】
このように、APサーバ108は、制御部181、通信部182及び記憶部183を協働させることで、携帯端末3から充電依頼を受信する充電依頼受信部と、充電依頼の車両1に充電可能か否かを判定する充電可能判定部と、充電可能と判定された場合にOCPPサーバ106に充電開始指示を送信する充電開始指示送信部(通常充電及び調整充電を含む)と、OCPPサーバ106から充電開始応答を受信する充電開始応答受信部(通常充電及び調整充電を含む)と、充電開始応答があると携帯端末3に充電開始報告を送信する充電開始報告送信部(通常充電及び調整充電を含む)と、充電中の車両1の充電が完了するか否かを判定する充電完了判定部と、充電完了と判定された場合にOCPPサーバ106に充電完了指示を送信する充電完了指示送信部と、OCPPサーバ106から充電完了応答を受信する充電完了応答受信部と、充電完了応答があると携帯端末3に充電完了報告を送信する充電完了報告送信部と、充電状態に変更があるか否かを判定する充電変更判定部と、変更があると判定された場合にOCPPサーバ106に充電変更指示を送信する充電変更指示送信部と、OCPPサーバ106から充電変更応答を受信する充電変更応答受信部と、充電変更応答があると携帯端末3に充電変更報告を送信する充電変更報告送信部と、データベース107に充電依頼テーブルT11への充電依頼作成・充電依頼更新等の要求、ステータステーブルT12へのステータスの取得・登録・更新・待機・削除等の要求、ユーザ情報テーブルT13へのユーザ情報の登録・更新・削除等の要求を出力する要求出力部と、要求した応答がデータベース107から入力される応答入力部とを備える。
【0034】
3.シーケンス
(1)充電依頼
図1を用いて説明する。
図1において、コネクタ「2」に接続する場合を例にする。使用者は、車両1をコネクタ131に接続し、携帯アプリケーションを利用して、図12Aに示すように、充電依頼操作を行う。
APサーバ108は、携帯端末3から充電依頼(例えば、図1のコネクタ「2」である)を受けると、データベース107に対して、新規な充電依頼についての充電依頼作成を要求する。この要求に対して、データベース107は、図4Aに示すように、充電依頼テーブルT11に新規依頼として、充電番号が「20230401-4」のレコードを作成して、コネクタIDに「2」を、充電結果に「未完了」を、依頼日時に「20230401/21:00」を登録し、作成応答をAPサーバ108に行う。
次に、APサーバ108は、データベース107に対して、ステータス取得を要求する。この要求に対して、データベース107は、図4Bに示すステータステーブルT12の内容を取得してAPサーバ108に応答する。ここでは、図1のコネクタID「5」のコネクタ131に対して充電がされている。なお、図4Bでは、コネクタID「5」の車両の充電は、「充電電力」が「20」であることから通常充電で行われている。
【0035】
(2)充電開始
APサーバ108は、データベース107から応答のあったステータスから、図12A及び図12Bに示すように、新規依頼に対して充電可能か否かを判定する。
(2―1)通常充電可能
例えば、図1及び図6において、コネクタ「2」が接続される前は、コネクタ「5」の1台に対して通常充電されている。このため、コネクタ「2」に車両1が接続され、コネクタ「5」と「2」との車両1に通常充電した場合、2台の車両1の合計の使用電力が40kWとなり、最大使用電力の「50kW」未満である。このため、新規な充電依頼である充電番号「20230401-4」の車両1に対して充電可能と判定される。なお、ここでは、設定電力の「20kW」で充電されるため、通常充電である。
APサーバ108は、通常充電可能と判定されると、図12Bに示すように、通常充電の充電開始指示をOCPPサーバ106に送信する。なお、充電開始指示は、トランザクション機能を有し、リモートスタートトランザクションとなる。なお、充電開始指示には、充電依頼のあった「コネクタID」と「充電電力」のデータが含まれている。ここでは、コネクタIDが「2」、充電電力が「20」である。
図12Bに示すように、充電開始指示を受けると、OCPPサーバ106は、充電装置103に通常充電の開始準備信号を出力する。開始準備信号が入力された充電装置103では、開始準備信号に含まれている「コネクタID」の接続確認を行い、接続されている旨の開始準備応答信号をOCPPサーバ106に出力する。
これを受け、OCPPサーバ106は、充電依頼のあった「コネクタID」と、充電装置103の車両1が接続されている「コネクタID」とが一致しているとして、データベース107に通常充電の開始登録を要求する。データベース107は、図4Bに示すように、充電番号として「20230401-4」を、コネクタIDとして「2」を、充電状態として「充電中」を、充電電力として「20」を登録し、OCPPサーバ106に開始登録を応答する。
OCPPサーバ106は充電装置103に通常充電の充電開始信号を出力し、充電装置103は、コネクタ「2」に対して、開始準備信号中に含まれていた充電電力である20kWで通常充電を開始し、充電を開始した旨の充電開始応答信号をOCPPサーバ106に出力する。なお、充電開始応答信号は、リモートスタートトランザクションとなる。
OCPPサーバ106は、充電開始応答信号の入力があると、APサーバ108に充電開始応答を送信し、これを受け、APサーバ108は、携帯端末3に通常充電開始報告を行う。
【0036】
(2-2)調整充電
例えば、図5Aに示すように、コネクタ「2」、「5」の2台の車両1が通常充電された状態で、コネクタ「6」に接続された車両1に対して新たに充電依頼があった場合について説明する。
新たな充電依頼である充電番号「20230401-5」は、図4Cに示すように、設定電力が「20kW」であり、充電番号「20230401-3」~「20230401-5」の3台を設定電力で充電すると、合計の使用電力が「60kW」となり、最大使用電力が「50kW」以上となることから、通常充電での3台の充電は不可能である。
しかしながら、調整充電の場合、各車両1への充電電力が「15kW」となり、3台の合計の使用電力が「45kW」となり、最大使用電力未満となる。
したがって、ここでは、充電電力が調整された調整充電が可能と判定される(図7B参照)。
APサーバ108は、充電可能と判定されると、図12Bに示すように、調整充電の充電開始指示をOCPPサーバ106に送信する。なお、充電開始指示は、通常充電と同様に、トランザクション機能を有し、リモートスタートトランザクションとなる。充電開始指示には、新規な充電依頼を含むすべての充電対象の「コネクタID」とその「充電電力」のデータが含まれている。ここでは、コネクタIDが「2」、「5」、「6」であり、充電電力が、調整電力をあることを示す「15」である。なお、通常充電時の充電開始指示と調整充電時の充電開始指示とは、当該指示に含まれる「充電電力」が異なるだけであり、指示のデータ構造は同じである。これにより、指示のデータ構造を簡素化できる。
図12Bに示すように、充電開始指示を受けると、OCPPサーバ106は、充電装置103に調整充電の充電開始準備信号を出力する。開始準備信号が入力された充電装置103では、開始準備信号に含まれている「コネクタID」の接続確認を行い、接続されている旨の開始準備応答信号をOCPPサーバ106に出力する。
これを受け、OCPPサーバ106は、充電依頼のあった「コネクタID」と、充電装置103の車両1が接続されている「コネクタID」とが一致しているとして、データベース107に調整充電の開始登録を要求する。ここでの開始登録には、新規な充電依頼の充電開始登録(「20230401-5」)と、すべての充電番号の充電電力を「15」とする更新を要求する。
データベース107は、図7Bに示すように、充電番号として「20230401-5」が新たに追加され、「20230401-5」のレコードのコネクタIDに「6」を、充電状態に「充電中」を登録すると共に、すべての充電番号の充電電力を「15」に更新し、OCPPサーバ106に開始登録を応答する。
OCPPサーバ106は、充電装置103に充電開始信号を出力し、充電装置103は、充電番号「20230401-3」,「20230401-4」,「20230401-5」の3台の車両1に対して、調整開始準備信号中に含まれていた充電電力が「15」で調整充電を開始(又は継続)し、調整充電を開始した旨の充電開始応答信号をOCPPサーバ106に出力する。なお、充電開始応答信号は、通常充電と同様に、リモートスタートトランザクションとなる。
OCPPサーバ106は、充電開始応答信号の入力があると、APサーバ108に調整充電の充電開始応答を送信し、これを受け、APサーバ108は、携帯端末3に調整充電の充電開始報告を行う。具体的には、充電番号「20230401-3」,「20230401-4」に対して、通常充電から調整充電に変更になった旨、充電番号号「20230401-5」に対しては、調整充電を開始した旨をそれぞれ報告する。
【0037】
(2-3)充電不可
例えば、図5Bにおいて、コネクタ「2」、「5」、「6」の車両1に調整充電が行われている状態で、コネクタ「3」に車両1が接続され、当該車両1の使用者から新規充電依頼があった場合、コネクタ「3」以外の充電は、コネクタ「2」、「5」、「6」の3台であり、図8Bに示すように、充電電力が「15」の調整充電を行っている。この場合の3台の車両1の合計の使用電力は45kWであり、この状態で、コネクタ「3」の車両1に調整充電すると合計の使用電力が60kWとなり、最大使用電力の50kW以上となり、充電不可と判定される。
APサーバ108は、新規充電依頼が充電不可と判定されると、図12Aに示すように、データベース107に充電待機の待機登録を要求する。データベース107は、図8Bに示すように、充電番号として「20230401-6」を、コネクタIDとして「4」を、充電状態として「待機中」をそれぞれ登録し、OCPPサーバ106に待機登録を応答する。
APサーバ108は、データベース107から待機の登録応答があると、携帯端末3に充電待機報告を行う。
【0038】
(3)充電完了
APサーバ108は、図11及び図13に示すように、充電が完了したか否かを判定する。ここでは、充電時間から判定している。なお、充電完了の判定を、図11に示すように、「完了判定」とすることもある。
APサーバ108は、時計部184から、通常時間と調整時間を取得し、これらの合計時間が充電完了とみなされる時間以上であれば充電完了と判定し、時間未満であれば受電未完了と判定する。
取得した充電時間から充電完了と判定されると、図13に示すように、充電完了指示をOCPPサーバ106に送信する。なお、充電完了指示は、トランザクション機能を有し、リモートストップトランザクションとなる。なお、充電完了指示には、充電完了の「コネクタID」のデータが含まれている。
充電完了指示を受けると、OCPPサーバ106は、充電装置103に完了準備信号を出力する。完了準備信号が入力された充電装置103では、完了準備信号に含まれている「コネクタID」の接続確認を行い、接続されている旨の応答信号をOCPPサーバ106に出力する。
これを受け、OCPPサーバ106は、充電完了の「コネクタID」と、充電装置103の車両1が接続されている「コネクタID」とが一致しているとして、データベース107に充電の完了更新を要求する。データベース107は、ステータステーブルT12の充電状態を「充電済」に更新して(図9C参照)、OCPPサーバ106に完了更新を応答する。
OCPPサーバ106は、充電装置103に充電完了信号を出力し、充電装置103はコネクタIDが「5」に対する充電を完了し、充電を完了した旨の充電完了応答信号をOCPPサーバ106に出力する。なお、充電完了応答信号であり、リモートストップスタトランザクションとなる。
OCPPサーバ106は、充電完了応答信号の入力があると、APサーバ108に充電完了応答を送信し、これを受け、APサーバ108は、携帯端末3に充電完了報告を行う。
また、APサーバ108は、充電完了応答の受信があると、データベース107の充電依頼テーブルT11の対応する充電番号(コネクタID)の充電結果、充電完了日時の更新を要求する。
データベース107は、充電依頼テーブルT11において、図9Aに示すように、充電番号が「20230401-3」のレコードの「充電結果」を「完了」に、充電完了日時を「20230402/22:45」に更新し、APサーバ108に応答する。
【0039】
(4)充電状態の変更
APサーバ108は、図11に示すように、充電状態に変更があるか否かを判定する。ここでは、ステータステーブルT12中の「充電状態」と「充電電力」とから判定する。このため、APサーバ108は、図14示すように、データベース107に対して充電状態と充電電力のステータ取得を要求し、取得する。
【0040】
変更には、以下の2つがある。
(4-1)待機状態の車両の充電
例えば、図8Bに示すように、1台の車両1(充電番号「20230401-3」)の充電が完了し、待機状態の車両1(充電番号「20230401-6」)に充電する場合である。
APサーバ108は、取得したステータスの「充電状態」のカラムに、「充電済」と「待機中」とが含まれる場合に、充電状態に変更ありと判定する。
例えば、図8Bにおいて、充電番号「20230401-3」,「20230401-4」,「20230401-5」の3台が充電中であり、充電番号「20230401-6」の充電は「待機中」となっている。その後、充電番号「20230401-3」が充電完了となり、充電番号「20230401-6」の充電(調整充電)を行う。
【0041】
(4-2)充電電力の変更
例えば、図9C及び図10Bに示すように、1台の車両1(充電番号「20230401-4」)の充電が完了し、調整充電(図9B)から通常充電(図10B)に変更する場合である。
APサーバ108は、取得したステータスの「充電状態」のカラムに「充電済」が含まれ且つ「待機中」が含まれない場合であって、「充電電力」のカラムが「15」になっている場合に、充電状態に変更ありと判定する。
例えば、図9Cにおいて、充電番号「20230401-4」が「充電済」であって、「待機中」の充電番号がなく、充電番号「20230401-5」,「20230401-6」の「充電電力」が「15」となっている。
その後、図10Bに示すように、充電番号「20230401-5」,「20230401-6」の「充電電力」が「20」に変更される。
【0042】
(4-3)変更ありの場合のシーケンス
APサーバ108は、充電状態に変更があると判定すると、図14に示すように、充電変更指示をOCPPサーバ106に送信する。なお、充電変更指示は、トランザクション機能を有し、リモートチェンジトランザクションとなる。なお、充電変更指示には、変更する「コネクタID」と「充電電力」のデータが含まれている。
充電変更指示を受けると、OCPPサーバ106は、充電装置103に変更準備信号を出力する。変更準備信号が入力された充電装置103では、変更準備信号に含まれている「コネクタID」の接続確認を行い、接続されている旨の応答信号をOCPPサーバ106に出力する。
これを受け、OCPPサーバ106は、充電変更の「コネクタID」と、充電装置103の車両1が接続されている「コネクタID」とが一致しているとして、データベース107に充電の変更更新を要求する。データベース107は、ステータステーブルT12において、「待機中」であった充電番号の充電状態を「充電中」に変更すると共に「充電電力」に「15」を登録すると共に「充電済」のレコードを削除したり、「15」の充電電力を、「20」に更新たりして、OCPPサーバ106に変更更新を応答する。
OCPPサーバ106は、充電装置103に充電変更信号を出力する。これを受けて、充電装置103は、待機中であってコネクタに調整充電を開始したり、充電電力を変更して充電したりして、充電状態を変更した旨の充電変更応答信号をOCPPサーバ106に出力する。なお、充電変更応答信号は、リモートチェンジトランザクションとなる。
OCPPサーバ106は、充電変更応答信号の入力があると、APサーバ108に充電変更応答を送信し、これを受け、APサーバ108は、携帯端末3に充電変更報告を行う。
【0043】
4.フローチャート
各装置の制御部の処理について説明する。
(1)充電装置
充電装置103の制御部133の処理について図15を用いて説明する。
制御部133は、プログラムがスタートすると、OCPPサーバ106から開始準備信号の入力があると(図中の「Yes」である)、開始準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1の接続を確認し、確認した旨の応答信号(開始準備応答信号)をOCPPサーバ106に出力する(S102)。ここでは、充電対象の車両1の接続が確認できた正常信号と、接続が確認できなかったエラー信号の2種類がある。
その後、所定時間内に、OCPPサーバ106から充電開始信号の入力があると(S103の「Yes」である)、開始準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1に対して、開始準備信号に含まれている充電電力で充電をONし、充電開始した旨の応答信号(充電開始応答信号)をOCPPサーバ106に出力する(S104)。
ステップS103で、所定時間内に、充電開始信号の入力がないと、ステップS105に進む(S103の「No」である)。
ステップS101で、開始準備信号の入力がない(「No」である)と、ステップS105に進む。
【0044】
ステップS105では、OCPPサーバ106から完了準備信号の入力があると(図中の「Yes」である)、完了準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1の接続を確認し、確認した旨の応答信号(完了準備応答信号)をOCPPサーバ106に出力する(S106)。
その後、所定時間内に、OCPPサーバ106から充電完了信号の入力があると(S107の「Yes」である)、完了準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1への充電をOFFし、充電を完了した旨の応答信号(充電完了応答信号)をOCPPサーバ106に出力する(S108)。
ステップS107で、所定時間内に、充電完了信号の入力がないと、ステップS109に進む(S107の「No」である)。
ステップS105で、完了準備信号の入力がない(「No」である)と、ステップS107に進む。
【0045】
ステップS109では、OCPPサーバ106から変更準備信号の入力があると(図中の「Yes」である)、変更準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1の接続を確認し、確認した旨の応答信号(変更準備応答信号)をOCPPサーバ106に出力する(S110)。
その後、所定時間内に、OCPPサーバ106から充電変更信号の入力があると(S111の「Yes」である)、変更準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1に対して、変更準備信号に含まれている「充電電力」で充電し、充電状態(充電電力)を変更した旨の応答信号(充電変更応答信号)をOCPPサーバ106に出力し(S112)、ステップS101に戻る。
ステップS111で、所定時間内に、充電変更信号の入力がないと、ステップS101に戻る(S111の「No」である)。
ステップS109で、変更準備信号の入力がない(「No」である)と、ステップS101に戻る。
【0046】
(2)OCPPサーバ
OCPPサーバ106は、制御部161がプログラムを実行すること、OCPPアプリケーションが種々の処理を行う。以下、図16図19のフローチャートを用いて説明する。
OCPPアプリケーションが稼働する(図16のスタートである。)と、APサーバ108から充電開始指示を受信しているか判定する(S120)。
充電開始指示を受信している(「Yes」である)と、充電対象である「コネクタID」と「充電電力」を取得し(S121)、充電開始処理(S121)を行った後に、ステップS123に進む。
ここでは、充電開始指示に充電対象の「コネクタID」と「充電電力」が含まれており、当該充電開始指示から取得する。なお、ステップS122の充電開始処理については後述する。
ステップS120において、充電開始指示を受信していない(「No」である)と、ステップS123に進む。
【0047】
ステップS123において、APサーバ108から充電完了指示を受信しているか判定する。
充電完了指示を受信している(「Yes」である)と、充電完了対象である「コネクタID」を取得し(S124)、充電完了処理(S125)を行った後に、ステップS126に進む。
ここでは、充電完了指示に充電完了対象の「コネクタID」が含まれており、当該充電完了指示から取得する。なお、ステップS125の充電完了処理については後述する。
ステップS123において、充電完了指示を受信していない(「No」である)と、ステップS126に進む。
【0048】
ステップS126において、APサーバ108から充電変更指示を受信しているか判定する。
充電変更指示を受信している(「Yes」である)と、充電変更対象である「コネクタID」と「充電電力」を取得し(S127)、充電変更処理(S128)を行った後に、ステップS120に戻る。
ここでは、充電変更指示に充電変更対象の「コネクタID」と「充電電力」とが含まれており、当該充電変更指示から取得する。なお、ステップS128の充電完了処理については後述する。
ステップS126において、充電変更指示を受信していない(「No」である)と、ステップS120に進む。
【0049】
(2-1)充電開始処理
充電開始処理S122は、図17に示すように、開始準備信号を充電装置103に出力する(S1221)。なお、開始準備信号には、充電対象の「コネクタID」と「充電電力」が含まれ、充電装置103では、当該「コネクタID」の接続状態を確認した旨の応答信号(開始順位応答信号)を出力する(図15のステップS102)。
OCPPサーバ106では、ステップS1222において応答信号が入力され(「Yes」である)、その応答信号が正常信号の場合(S1223の「正常」である)、データベース107に対してステータステーブルT12に開始登録を要求し(S1224)、データベース107から開始登録を完了した旨の開始登録応答がある(S1225の「Yes」である)と、ステップS1226に進む。
ステップS1226では、充電開始信号を充電装置103に出力する。これを受け、充電装置103では、開始準備信号に含まれていた「充電電力」で充電を開始し、充電が正常に開始した旨の応答信号(充電開始応答信号)が充電装置103から入力される(S1227の「Yes」である)と、充電が正常に開始した旨の充電開始応答をAPサーバ108に送信し、図16のステップS123に進む。
ステップS1223において、入力された信号がエラー信号の場合(「エラー」である)、車両1とコネクタ131とが電気的に接続されていない旨のエラーをAPサーバ108に送信し(S1229)、図16のステップS123に進む。
【0050】
(2-2)充電完了処理
充電完了処理S125は、図18に示すように、完了準備信号を充電装置103に出力する(S1251)。なお、完了準備信号には、充電対象の「コネクタID」が含まれ、充電装置103では、当該「コネクタID」の接続状態を確認した旨の応答信号(完了準備応答信号)を出力する(図15のステップS106)。なお、応答信号には、接続が確認できた正常信号と、接続が確認できなかったエラー信号の2種類がある。
OCPPサーバ106では、ステップS1252において応答信号が入力され(「Yes」である)、その応答信号が正常信号の場合(S1253の「正常」である)、データベース107に対してステータステーブルT12に完了更新を要求し(S1254)、データベース107から完了更新を完了した旨の完了更新応答がある(S1255の「Yes」である)と、ステップS1256に進む。
ステップS1256では、充電完了信号を充電装置103に出力する。これを受け、充電装置103では充電を完了し且つ充電が正常に完了した旨の応答信号(充電完了応答信号)が充電装置103から入力される(S1257の「Yes」である)と、充電が正常に完了した旨の充電完了応答をAPサーバ108に送信し(S1258)、図16のステップS126に進む。
ステップS1253において、入力された信号がエラー信号の場合(「エラー」である)、車両1とコネクタとが電気的に接続されていない旨のエラーをAPサーバ108に送信し(S1259)、図15のステップS126に進む。
【0051】
(2-3)充電変更処理
充電変更処理S128は、図19に示すように、変更準備信号を充電装置103に出力する(S1281)。なお、変更準備信号には、充電対象の「コネクタID」と「充電電力」とが含まれ、充電装置103では、当該「コネクタID」の接続状態を確認した旨の応答信号(変更準備応答信号)を出力する(図15のステップS110)。なお、応答信号には、接続が確認できた正常信号と、接続が確認できなかったエラー信号の2種類がある。
OCPPサーバ106では、ステップS1282において応答信号が入力され(「Yes」である)、その応答信号が正常信号の場合(S1283の「正常」である)、データベース107に対してステータステーブルT12に変更更新を要求し(S1284)、データベース107から変更更新を完了した旨の変更更新応答がある(S1285の「Yes」である)と、ステップS1286に進む。
ステップS1286では、充電変更信号を充電装置103に出力する。これを受け、充電装置103では、変更準備信号に含まれていた「コネクタID」に対して、変更準備信号に含まれていた「充電電力」で充電し且つ充電が正常である旨の応答信号(充電変更応答信号)が充電装置103から入力される(S1287の「Yes」である)と、充電が正常である旨の充電変更応答をAPサーバ108に送信し(S1288)、図16のステップS120に進む。
ステップS1283において、入力された信号がエラー信号の場合(「エラー」である)、車両1とコネクタとが電気的に接続されていない旨のエラーをAPサーバ108に送信し(S1289)、図16のステップS120に進む。
【0052】
(3)データベース
データベース107の制御部171の処理について図20を用いて説明する。
(3-1)制御部133は、プログラムがスタートすると、APサーバ108から充電依頼作成要求があると(S140の「Yes」である)、図4Aに示すように、充電依頼テーブルT11の最下段のレコードに新たな充電依頼を作成して作成応答を行い(S141)、ステップS142に進む。
充電依頼作成要求には、充電依頼の車両1と接続する「コネクタID」が含まれており、制御部171は、「充電番号」、「コネクタID」及び「依頼日時」のカラムに、例えば、「20230401-04」、「2」、「20230401/21:00」を登録する。なお、依頼日時は、データベース107の時計175を利用することもできる。
【0053】
(3-2)ステップS142において、ステータスの登録の要求がある(「Yes」である)と、ステータステーブルT12の最下段のレコードに新たな充電依頼を登録して、登録応答を行い(S143)、ステップS144に進む。
登録は、新規な充電依頼があった場合である。
充電(通常充電又は調整充電)可能な場合、登録要求は開始登録要求(図12B及び図12C参照)であり、例えば、図4Bの最下段のレコードに示すように、「充電番号」、「コネクタID」、「充電状態」、「受電電力」に、「20230401-4」、「2」、「充電中」及び「20」が登録される。なお、この場合の充電は通常充電である。
充電不可の場合、登録要求は待機登録要求(図12A参照)であり、例えば、図8Bの最下段のレコードに示すように、「充電番号」、「コネクタID」及び「充電状態」に、「20230401-6」、「3」及び「待機中」が登録される。
登録要求には、「充電番号」、「コネクタID」、「充電状態」、「充電電力」が含まれる。
【0054】
(3-3)ステップS144において、充電依頼テーブルT11の更新要求がある(「Yes」である)と、充電依頼テーブルT11中の該当箇所を更新して更新応答を行い(S145)、ステップS146に進む。
例えば、充電依頼更新要求には、充電中の充電依頼の充電が完了した場合に更新要求される。充電依頼更新要求には、少なくとも「充電番号」及び「コネクタID」の1つが要求に含まれており、制御部171は、例えば、図4Aの「充電番号」が「20230401-3」のレコードにおいて「充電結果」が「未完了」であったのを、図9Aのように、「充電結果」を「完了」に更新し、同図のように、「充電完了日時」に「20230402/22:45」を格納する。なお、充電完了日時は、データベース107の時計175を利用することもできる。
【0055】
(3-4)ステップS146において、ステータステーブルT12の更新要求がある(「Yes」である)と、ステータステーブルT12中の該当箇所を更新して更新応答を行い(S147)、ステップS148に進む。
ステータス更新要求には、充電状態を「待機中」から「充電中」への更新、充電状態を「充電中」から「充電済」への更新、充電電力を「20」から「15」への更新(つまり、通常充電から調整充電への変更)と、充電電力を「15」から「20」への更新(つまり、調整充電から通常充電への更新)とがある。
例えば、図8Bの充電番号「20230401-6」の充電が待機状態から開始された場合、図9Bに示すように、ステータステーブルT12中の「待機中」を「充電中」が更新され、「充電電力」が「15」に更新される。
例えば、図8Bの「充電番号」が「20230401-4」の充電が完了すると、図9Cに示すように、ステータステーブルT12中の「充電中」から「充電済」に、「充電電力」が「15」から空白に更新される。
例えば、図4Bの充電番号「20230401-3」、「20230401-4」の通常充電が調整充電に変更されると、図7Bに示すように、ステータステーブルT12中の充電電力が「15」に変更される。
例えば、図9Bの充電番号「20230401-5」、「20230401-6」の調整充電が通常充電に変更されると、図10Bに示すように、ステータステーブルT12中の充電電力が「20」に変更される。
ステータス更新要求には、少なくとも「充電番号」及び「コネクタID」の1つと、少なくとも更新対象の情報が含まれている。
【0056】
(3-5)ステップS148において、ステータスの削除要求がある(「Yes」である)と、ステータステーブルT12の該当するステータスのレコードを削除して削除応答を行い(S149)、ステップS150に進む。
例えば、ステータスの削除要求には、充電が完了し、管理する必要がなくなった場合に削除要求され、少なくとも「充電番号」及び「コネクタID」の1つが含まれており、制御部171は、例えば、図9Cにおいて、充電状態が「充電済」の充電番号「20230401-4」のレコードを、図9Bに示すように削除する。
【0057】
(3-6)ステップS150において、ステータスの取得要求がある(「Yes」である)と、ステータステーブルT12の該当するステータスのレコードの情報を要求先に送信して取得応答を行い(S151)、ステップS140に進む。
例えば、ステータスの取得要求には、ステータステーブルT12中のすべてのレコードが取得されて送信される。
【0058】
(4)APサーバ
APサーバ108は、制御部181がプログラムを実行すること、APアプリケーションが種々の処理を行う。以下、図21のフローチャートを用いて説明する。
APアプリケーションが稼働し(図21Aのスタートである。)、携帯端末3から充電開始の操作がある(ステップS170の「Yes」である)と、携帯端末3のIDに対応した「コネクタID」を含んだ充電依頼作成をデータベース107に要求する(S171)
この充電依頼要求に対して、充電依頼を充電依頼テーブルT11に作成した旨の作成応答がデータベース107からあると(S172の「Yes」である)、ステータスの取得をデータベース107に要求する。
この取得要求に対して、ステータステーブルT12の少なくとも「充電状態」と「充電電力」の情報を取得した旨の取得応答がデータベース107からあると(S174の「Yes」である)、ステップS175で、取得した充電状態から、新規の充電依頼に対して充電可能かどうかを判定する。
【0059】
充電可能か否かの判定は、新規な充電依頼の車両に対して、充電を行った場合の合計の使用電力が最大使用電力未満である場合に充電可能と判定され、最大使用電力以上である場合に、充電不可と判定される。
例えば、現在通常充電している車両1が1台の場合、新規依頼の車両1を含めて普通充電する場合、合計の使用電力が40kWとなり、最大使用電力の50kW未満であり、通常充電が可能と判定される。
また、現在通常充電している車両1が2台の場合、新規依頼の車両1を含めて普通充電する場合、合計の使用電力が60kWとなり、最大使用電力の50kW以上となるが、現在通常している2台の車両1と新規依頼の車両1の3台の車両1を調整充電する場合、合計の使用電力が45kWとなり、最大使用電力の50kW未満であり、調整充電が可能と判定される。
なお、新規な充電依頼があった際に、充電状態として「待機中」(の車両1)があった場合には、充電不可と判定される。
ステップS175では、図22に示すように、判定される。
図22に示すように、ステップ1750において、充電状態に「待機中」があると(「Yes」である)、充電不可と判定され、「待機中」がないと(「No」である)、ステップS1751で「通常充電」であるか否かを判定する。
通常充電であるか否かは、充電電力により判定し、充電電力が「20」であれば通常充電と判定され、「15」であれば調整充電と判定される。
通常充電であると(「Yes」である)、現在充電している車両1と、新規の充電依頼の車両1とを含めたすべての車両1に対して通常充電をした場合の合計使用電力を算出する。具体的には、現在充電中の車両1については、ステータスを取得した「充電電力」が利用され、新規な充電依頼の車両1については、データベース107のユーザ情報テーブルT13の「設定電力」が利用される。
算出した合計使用電力が最大使用電力未満であれば(S1753の「Yes」である)、通常電力可能と判定する。
ステップS1753で、最大使用電力以上であれば(「No」である)、S1754において、現在充電している車両1と、新規の充電依頼の車両1とを含めたすべての車両1に対して調整充電をした場合の合計使用電力を算出する。
具体的には、本例では、調整電力は、設定電力の75%に設定されているため、データベース107のユーザ情報テーブルT13の「設定電力」の75%の数値(15kW)となる。
算出した合計使用電力が最大使用電力未満であれば(S1755の「Yes」である)、調整充電可能と判定し、最大使用電力以上であれば(「No」である)、充電不可と判定される。
ステップS1751で、通常充電でないと判定されると、ステップS1754に進む。
【0060】
図21Aに戻って、ステップS175で、「充電可能」と判定される(「Yes」である)と、OCPPサーバ106に充電開始(通常充電又は調整充電である)を指示する共に充電時間を計測するカウンタをスタートさせ(S176)、OCPPサーバ106から充電を正常に開始した旨の充電開始応答がある(S177の「Yes」である)と、携帯端末3に充電開始報告を行い(S178)、図21BのステップS184に進む。また、ステップS177で「エラー」が応答される(「No」である)と、携帯端末3にエラー報告を送信し(S179)、ステップS184に進む。
なお、新規依頼の車両1に対して、すでに通常充電を行っている車両1の充電を調整充電に変更して行う場合には、その充電開始指示に、充電中の「コネクタID」と充電電力として「15」の情報が含まれる。
ステップS175で、「充電不可」と判定される(「No」である)と、充電を開始せずにデータベース107に充電が待機状態である旨の待機登録を要求し(S180)、待機登録の応答がある(S181の「Yes」である)と、携帯端末3に充電待機報告を行い(S182)、ステップS184に進む。
【0061】
ステップS184において、時計部184から充電時間を取得し、当該充電時間から充電完了したか否か判定される。充電完了の判定は、通常充電の通常時間と、調整充電の調整時間の合計が、所定時間(ここでは、調整充電換算で10時間に設定され、「充電完了設定時間」でもある)未満であれば「未充電」と判定され、充電完了設定時間以上であれば「充電完了」と判定される。より具体的には、(通常時間×1.25+調整時間)が充電完了設定時間に対して比較される。
ステップS185で、「充電完了」と判定される(「Yes」である)と、OCPPサーバ106に充電完了を指示すると共にカウンタを停止し(S186)、OCPPサーバ106から充電を正常に完了した充電完了応答がある(S187の「Yes」である)と、携帯端末3に充電完了報告を行う(S188)。
次に、データベース107に充電が完了したため、充電依頼テーブルT11の充電依頼更新を要求し(S189)、更新の応答がある(S190の「Yes」である)と、充電依頼テーブルT11の対応するレコードの削除を要求し(S191)、削除の応答がある(S192の「Yes」である)と、図21CのステップS193に進む。
【0062】
ステップS193において、充電状態の変更があるか否かを判定する。
充電変更があるか否かの判定は、充電完了した後に行われる。つまり、充電完了した車両1の使用電力で待機中の車両1に充電したり、待機中の車両1がない場合において調整充電から通常充電に戻したりする判断を行う。
ステップS193では、図23に示すように、判定される。
ステップS1930において、充電状態のステータス、少なくとも、「充電番号」と「コネクタID」と「充電状態」の少なくとも1つ、及び「充電電力」の取得をデータベース170に要求し、要求して取得されたステータス(1731の「Yes」である)に、充電状態に「待機中」があるか否かを判定する(S1932)
ステップS1932において、「待機中」があると(「Yes」である)、待機中の車両1に対して調整充電を行うべく調整充電への変更指示を作成すると共に、当該車両1の調整充電の充電時間を計測すべく調整用カウンタのカウントを開始(S1933)する。この場合、ステップS193において、変更ありと判定される。
ステップS1932で「待機中」がない場合(「No」である)、充電中の充電が、調整充電であるか否かを判定する(S1934)。調整充電でない場合(「No」である)、充電中の充電が通常充電であり、充電状態を変更する必要がなく、ステップS193において、変更なしと判定される。
ステップS1934で調整充電と判定される(「Yes」である)と、充電中の全ての車両を通常充電した際の合計の使用電力が最大使用電力未満の場合(S1935の「Yes」である)、通常充電可能と判定して、充電中の車両1に対して通常充電を行うべく通常充電への変更指示を作成すると共に、当該車両1の通常充電の充電時間を計測すべくカウンタを変更(S1936)する。この場合、ステップS193において、変更ありと判定される。なお、ここでのカウンタの変更は、これまで測定してきた調整用カウンタのカウントを停止し、通常用カウンタのカウントを開始することである。
図21Cに戻って、ステップS193において、充電状態に変更がありと判定される(「Yes」である)と、OCPPサーバ106に対して、ステップS1931又はS1933で作成した充電変更を指示し(S194)、OCPPサーバ106から充電を正常に変更した旨の充電変更応答がある(S195の「Yes」である)と、携帯端末3に充電変更報告を行い(S196)、図21AのステップS170に進む。
【0063】
<第1実施形態A>
第1実施形態の充電制御装置105は、OCPPサーバ106と、データベース107と、APサーバ108を備えているが、例えば、OCPPサーバ106にAPサーバ108と同じ機能を持たせてもよい。この場合、充電制御装置105Aは、OCPPサーバ106Aとデータベース107Aとを備えることとなり、以下、第1実施形態Aとして説明する。
【0064】
1.充電制御装置
充電制御装置105Aは、図24に示すように、充電装置103や携帯端末3と通信可能であって使用者(携帯端末3)からの充電依頼に従って充電装置103を制御するサーバとして機能するOCPPサーバ106Aと、充電装置103により充電される車両1の充電依頼データ(充電依頼履歴)等を記憶するデータベース(以下、図面では「DB」と表示する)107Aとを備える。
OCPPサーバ106Aは、第1実施形態のAPサーバ108の機能を有し、データベース107Aは、第1実施形態と同じであるが、登録等の要求はOCPPサーバ106Aからのみ入力される。
OCPPサーバ106Aは、制御部161A、通信部162A、記憶部163A、時計部164Aを少なくとも備える。
制御部161Aは、第1実施形態と基本的には同じであるが、実行するプログラムの内容が異なり、OCPPアプリケーションとしての処理が異なる。
通信部162Aは、データベース107Aと通信する他、例えば、電話回線や光回線を利用したネットワーク(例えば、インタネット)を利用したデータ通信、Bluetooth(登録商標)通信、Wi-Fi(登録商標)通信等を利用して携帯端末3と通信する。なお、充電装置103とはOCPPを利用している。
記憶部163Aは、第1実施形態と基本的には同じであるが、記憶する(制御部161Aが実行する)プログラムの内容が異なる。
時計部164Aは、充電依頼時の日時、充電を開始した時間、充電を完了した時間を計測する。また、時計部164Aは、通常充電をしている充電時間(通常時間)をカウントする通常用カウンタと、調整充電をしている充電時間(調整時間)をカウントする調整用カウンタとを備える。なお、時計部164Aが計測した日時等は、データベース107Aに格納され、カウンタがカウントした充電時間は記憶部163Aに記憶される。なお、時計部164Aは、カレンダ機能を有し、年月日まで計測する。
【0065】
OCPPサーバ106Aは、制御部161A、通信部162A、記憶部163A及び時計部164Aを協働させることで、図25図28に示すように、携帯端末3から充電依頼を受信する充電依頼受信部と、充電依頼の車両1に充電(通常充電又は調整充電)可能か否かを判定する充電可能判定部と、充電可能と判定された場合に充電装置103に充電開始させるための充電開始信号(開始準備信号を含む場合もある)を出力する充電開始信号出力部と、充電装置103から充電開始応答信号(開始準備信号を含む場合は、開始準備応答信号を含む)が入力される充電開始応答信号入力部と、充電装置103から充電開始応答信号の入力があると携帯端末3に充電開始報告を送信する充電開始報告送信部と、充電(通常充電及び調整充電を含む)中の車両1の充電が完了するか否かを判定する充電完了判定部と、充電完了と判定された場合に充電装置103に充電を完了させるための充電完了信号(完了準備信号を含む場合もある)を出力する充電完了信号出力部と、充電装置103から充電完了応答信号(完了準備信号を含む場合は、完了準備応答信号を含む)が入力される充電完了応答信号入力部と、充電装置103から充電完了応答信号の入力があると携帯端末3に充電完了報告を送信する充電完了報告送信部と、充電状態に変更があるか否かを判定する充電変更判定部と、変更があると判定された場合に充電装置103に充電状態を変更させるための充電変更信号(変更準備信号を含む場合もある)を出力する充電変更信号送信部と、充電装置103から充電変更応答信号(変更準備信号を含む場合は、変更準備応答信号を含む)が入力される充電変更応答信号入力部と、充電変更応答信号の入力があると携帯端末3に充電変更報告を送信する充電変更報告送信部と、データベース107に充電依頼テーブルT11への充電依頼作成の要求を出力する充電依頼作成要求出力部と、要求した応答がデータベース107から入力される作成応答入力部と、データベース107Aにステータスの取得要求を出力するステータス取得要求出力部と、要求したステータスの取得応答が入力される取得応答入力部と、データベース107Aにステータスの開始登録要求を出力する開始登録要求出力部と、開始登録要求した応答がデータベース107Aから入力される開始登録応答入力部と、データベース107Aにステータスの待機登録要求を出力する待機登録要求出力部と、待機登録要求した応答がデータベース107Aから入力される待機応答入力部と、データベース107Aにステータスの完了更新要求を出力する完了更新要求出力部と、完了更新要求した応答がデータベース107Aから入力される完了更新応答入力部と、データベース107Aに充電依頼更新要求を出力する充電依頼更新要求出力部と、充電依頼更新要求した応答がデータベース107Aから入力される充電依頼更新応答入力部と、ステータスの削除要求を出力するステータス削除要求出力部と、削除要求した応答がデータベース107Aから入力される削除応答入力部とを備える。
【0066】
2.シーケンス
(1)充電依頼
OCPPサーバ106Aは、図25及び図26に示すように、携帯端末3から充電依頼を受けると、データベース107Aに対して、新規な充電依頼についての充電依頼作成を要求する。この要求に対して、データベース107Aは、充電依頼テーブルT11に新規依頼を登録し、作成応答をOCPPサーバ106Aに行う。
OCPPサーバ106Aは、データベース107Aに対して、ステータス取得を要求し、ステータスを取得する。
【0067】
(2)充電開始
OCPPサーバ106Aは、データベース107Aから取得したステータスから、新規依頼に対して充電(通常充電又は調整充電)可能か否かを判定する。なお、判定方法は、第1実施形態と同様であり、充電中の車両1と新規依頼の車両1とに充電(通常充電又は調整充電)した場合の合計の使用電力と、予め設定されている最大使用電力とを比較して行われる。
図25は、充電可能な場合であり、当該図25を用いて説明する。
充電(通常充電又は調整充電)可能と判定されると、OCPPサーバ106Aは、充電装置103に開始準備信号を出力し、開始準備応答信号が充電装置103から入力されるとデータベース107Aに充電開始登録を要求し、登録した旨の開始登録応答があると充電装置103に充電開始信号を送信し、充電装置103から充電開始応答信号の入力があると携帯端末3に充電開始報告を行う。
図26は、充電不可な場合であり、当該図26を用いて説明する。
充電不可と判定されると、OCPPサーバ106Aは、データベース107Aに充電待機の待機登録を要求し、登録した旨の待機登録応答がデータベース107Aから入力されると、携帯端末3に充電待機報告を行う。
【0068】
(3)充電完了
OCPPサーバ106Aは、図27に示すように、充電が完了したか否かを判定する。ここでは、第1実施形態と同様に、充電時間が充電完了設定時間に達したか否かにより判定している。
OCPPサーバ106Aは、充電時間を取得し、当該取得した充電時間から充電完了と判定されると、充電装置103に完了準備信号を出力し、完了準備応答信号を充電装置103から入力されるとデータベース107Aに充電の完了更新を要求する。OCPPサーバ106Aは、データベース107Aから完了更新の応答があると充電装置103に充電完了信号を出力し、充電装置103から充電を完了した充電完了応答信号が入力されると携帯端末3に充電完了報告を行う。
また、OCPPサーバ106Aは、充電装置103から充電完了応答信号があると、データベース107Aに充電依頼テーブルT11の充電依頼の更新を要求する。
【0069】
(4)充電状態の変更
OCPPサーバ106Aは、第1実施形態と同様に、充電完了の車両があると、充電状態のステータスから充電状態に変更があるか否かを判定する。ここでは、ステータステーブルT12中の「充電中」と「充電電力」とから判定している。
OCPPサーバ106Aは、図28に示すように、ステータスの取得をデータベース107Aに要求し、データベース107Aからの取得応答から充電状態を変更するか否かを判定する。
変更ありと判定されると、OCPPサーバ106Aは、充電装置103に変更準備信号を出力し、変更準備応答信号を充電装置103から入力されるとデータベース107Aに充電の変更更新を要求する。OCPPサーバ106Aは、データベース107Aから変更更新の応答があると充電装置103に充電変更信号を出力し、充電装置103から充電状態を変更した充電変更応答信号が入力されると携帯端末3に充電変更報告を行う。
【0070】
<第1実施形態B>
第1実施形態の充電制御装置105は、図3に示すように、OCPPサーバ106と、データベース107と、APサーバ108を備え、第1実施形態Aの充電制御装置105Aは、図24に示すように、OCPPサーバ106Aと、データベース107Aとを備えている。
しかしながら、充電制御装置105Bは、1台のパソコンやワークステーション等のコンピュータにより構成してもよく、以下、第1実施形態Bとして説明する。
第1実施形態Bの充電制御装置105Bは、図29に示すように、制御部151B、通信部152B、記憶部153B、時計部154Bを少なくとも備える。
記憶部153Bは、第1実施形態、第1実施形態Aのデータベース107,107Aに相当し、充電依頼テーブルT11、ステータステーブルT12、ユーザ情報テーブルT13等を記憶する他、制御部151Bが実行するプログラム、充電可能な最大使用電力や充電完了までの時間等の各種データを記憶する。
制御部151Bは、例えば、記憶部153Bに記憶されているプログラムを実行することで、例えば、第1実施形態AのOCPPサーバ106Aのアプリケーションと同様のアプリケーションが稼働するように構成されている。制御部151Bは、記憶部153Bに記憶されている充電依頼テーブルT11の新規依頼の作成、登録、更新等やステータステーブルT12やユーザ情報テーブルT13の登録、更新、削除等を行う。
通信部152Bは、携帯端末と通信可能であり、充電装置103とOCPPにより通信可能に構成されている。充電制御装置1059の設置場所が集合住宅の管理室の場合、LAN等のローカルネットワークを利用して通信可能としてもよい。
【0071】
<第1実施形態C>
1.全体構成
第1実施形態の充電システム101では、充電依頼された車両1の充電可能性の判定は、充電依頼された車両1に対して充電中の第1充電電力で充電した場合の合計使用電力と、最大使用電力との比較で行っている。この際に、1台の車両に対する充電電力が20kW又は15kWに予め設定されているが、車両1(バッテリ)の大きさ(出力)等で設定電力が異なってもよい。
第1実施形態Cの充電システムでは、車両1の充電電力が個別に登録されており、現在の充電中の第1充電条件で充電依頼の車両1を充電したと仮定した際に、合計の充電使用電力が最大使用電力未満であれば充電依頼の車両1に第1充電条件で充電を行い、合計の充電使用電力が最大使用電力以上であれば充電依頼の車両1及び充電中の車両1に対して、第1充電条件よりも使用電力が小さい第2充電条件で充電する。
以下、第1実施形態Cについて説明するが、第1実施形態との相違点について説明する。
【0072】
2.各部
(1)データベース
第1実施形態CのステータステーブルT12Cは、図30A図30Bに示すように、「充電状態」のフィールドには、例えば、「第1」や「第2」等が格納されている。なお、「第1」は図30Cに示す第1充電条件であり、「第3」は図30Cに示す第3充電条件である。第1~第3条件について後述する。
【0073】
(2)APサーバ
APサーバ108Cは、記憶部183Cに、図30Cに示すような、充電条件テーブルT2Cを記憶する。
第1充電条件は、第1実施形態の「通常充電」に相当し、設定電力に対して100%の充電電力で充電される場合である。ステータステーブルT12Cでは、充電状態が「第1」として格納される。
第2充電条件は、第1実施液体の「調整充電」に相当し、設定電力に対して80%の充電電力で充電される場合である。ステータステーブルT12Cでは、充電状態が「第2」として格納される。
第3充電条件は、設定電力に対して60%の充電電力で充電される場合である。ステータステーブルT12Cでは、充電状態が「第3」として格納される。
なお、第1充電条件で充電されている場合、設定電力の100%の電力が第1充電電力に相当し、設定電力の80%の電力が第2充電電力に相当する。また、第2充電条件で充電されている場合、設定電力の80%の電力が第1充電電力に相当し、設定電力の60%の電力が第2充電電力に相当する。
【0074】
(2-1)新規依頼に対して
APサーバ108Cは、第1実施形態と同様に、制御部181Cがプログラムを実行することでAPアプリケーションが種々の処理を行い、図21Aにおいて、S175(図22)が異なる。
以下、図22に相当する処理を図31で説明する。
ステップS174でステータスを取得すると、図30Bに示すように、取得した「充電状態」に「待機中」がある場合(S1750Cの「Yes」である)は、新規な充電依頼は、充電不可と判定される。
「待機中」がない場合(S1750Cの「No」である)は、充電状態が「第1」である場合(S1751Cの「第1条件」である)、充電依頼を含めたすべて車両を第1条件(設定電力に対して100%の電力)で充電した場合の合計の使用電力を算出する(S1752C)。
ステップS1753Cにおいて、第1条件で充電したとして合計の使用電力が最大使用電力未満である場合(「Yes」である)、第1条件で充電可能と判定する。最大使用電力以上である場合(「No」である)、ステップS1754Cに進む。なお、ステップS1751Cで「充電状態」が第2条件である場合、ステップS1754Cに進む。
ステップS1754Cで、充電依頼を含めたすべて車両を第2条件(設定電力に対して80%の電力)で充電した場合の合計の使用電力を算出し、当該算出した合計の使用電力が最大使用電力未満である場合(ステップS1755Cで「Yes」である)、第2条件で充電可能と判定する。最大使用電力以上である場合(「No」である)、ステップS1756Cに進む。なお、ステップS1751Cで「充電状態」が第3条件である場合、ステップS1756Cに進む。
ステップS1756Cで、充電依頼を含めたすべて車両を第3条件(設定電力に対して60%の電力)で充電した場合の合計の使用電力を算出し、当該算出した合計の使用電力が最大使用電力未満である場合(ステップS1757Cで「Yes」である)、第3条件で充電可能と判定する。最大使用電力以上である場合(「No」である)、充電不可と判定する。
【0075】
(2-2)充電変更
APサーバ108Cは、第1実施形態と同様に、制御部181Cがプログラムを実行することでAPアプリケーションが種々の処理を行い、図21Cにおいて、S193(図23)が異なる。
以下、図23に相当する処理を図32で説明する。
ステップS1931でステータスを取得する(「Yes」である)と、ステータスに「待機中」があるか否かを判定する(S1932)。
ステップ1932において、「待機中」がある(「Yes」である)と、第3条件で充電し且つ完了した車両1の代わりに、待機中の車両1が第3条件で充電を開始する。つまり、待機中の車両1が、充電開始へと充電状態の変更となり、その変更指示の作成、カウンタを開始し(S1933C)、ステップS193で変更ありと判定される。
ステップS1932で、「待機中」がない(「No」である)と、ステップS1934Cでステータスの「充電状態」を判定する。
充電状態が「第3条件」の場合、第3条件で充電中のすべてを第2条件で充電した場合の合計の使用電力を算出し(S1935C)、合計使用電力と最大使用電力とを比較する(S1936C)。
合計使用電力が最大使用電力以上の場合(「No」である)、充電状態に変更なしとステップS193で判定され、最大使用電力未満の場合(「Yes」である)、第3条件から第2条件に変更して充電が行われる。つまり、第3条件で充電中の全ての車両1の充電状態が第2条件に変更となり、その変更指示の作成、カウンタを変更し(S1937C)、ステップS193で変更ありと判定される。
ステップS1934Cにおいて、充電状態が「第2条件」の場合、第2条件で充電中のすべてを第1条件で充電した場合の合計の使用電力を算出し(S1938C)、合計使用電力と最大使用電力とを比較する(S1939C)。
合計使用電力が最大使用電力以上の場合(「No」である)、充電状態に変更なしとステップS193で判定され、最大使用電力未満の場合(「Yes」である)、第2条件から第1条件に変更して充電が行われる。つまり、第2条件で充電中の全ての車両1の充電状態が第1条件に変更となり、その変更指示の作成、カウンタを変更し(S1931C)、ステップS193で変更ありと判定される。
なお、OCPPサーバ106Cへの充電変更指示は、変更するコネクタIDと、充電電力とが含まれ、第1実施形態と同様である。
【0076】
(3)使用電力
例えば、図30AのステータステーブルT12Cの状態で、新規充電依頼があった場合の使用電力の算出について説明する。
ここで、例えば、充電番号「20230411-3」の設定電力が「30kW」、充電番号「2023411-4」設定電力が「20kW」、新規の依頼である充電番号「202304111-5」の設定電力が「10kW」とすると、すべてを第2充電条件とした場合の合計の使用電力は、30×0.8+20×0.8+10×0.8=48kWとなる。つまり、設定電力に対して各充電条件の比率をかけて合算して合計の使用電力を算出する。
このようにすることで、設定電力の異なる車両1に対しても、実施できる。
【0077】
第1実施形態Cにおいても、充電装置がオーバーロードとならないように制御できる。また、OCPPサーバ106Cは、充電装置103に対して充電時の使用電力を指示できるため、車両1のバッテリの容量の相違等によって生じる充電電力の相違に対しても対応できる。
【0078】
<第1実施形態D>
1.全体構成
第1実施形態の充電システム101では、通常充電の充電条件として、予め設定され設定電力(固定的)が利用され、当該設定電力は充電装置の最大使用電力よりも低く設定されている。
第1実施形態Dの充電システムでは、充電する車両数で最大使用電力をシェアするように充電する、この場合も、新規な充電依頼があっても、最大使用電力を超えることはなく、充電装置がオーバーロードとならないように制御できる。
以下、第1実施形態Dについて説明するが、第1実施形態との相違点について説明する。
【0079】
2.APサーバ
(1)構成
APサーバ108Dは、第1実施形態のAPサーバ108と基本的に同じ構成をしているが、制御部が実行するAPアプリケーションの処理が一部相違する。
(2)新規依頼
APサーバ108Dは、第1実施形態と同様に、制御部181Dがプログラムを実行することでAPアプリケーションが種々の処理を行い、図21Aにおいて、S175(図22)が異なる。
以下、図22に相当する処理を図33で説明する。
ステップS174でステータスを取得すると、充電中の車両の充電台数Nを取得し(S1751D)、当該充電台数に新規充電依頼分の「1」台を加算した数値で最大使用量を除算して使用電力を算出する(S1752D)。
ステップS1753Dで、使用電力が、予め設定されている最小使用電力よりも小さい場合(「No」である)は、充電効率を考慮して充電不可と判定され、最小使用電力よりも大きい場合は、当該使用電力で、充電可能と判定される。これにより、充電台数が少ない場合に、充電時間の短縮を図ることができる。
【0080】
(2)充電状態(充電電力)の変更
APサーバ108Dは、第1実施形態と同様に、制御部181Dがプログラムを実行すること、APアプリケーションが種々の処理を行い、図21Cにおいて、S193(図23)が異なる。
以下、図23に相当する処理を図34で説明する。
ステップS192でステータスを取得する(「Yes」である)と、ステータスに「待機中」があるか否かを判定する(S1932)。
ステップ1932において、「待機中」がある(「Yes」である)と、充電中の他の車両1と同じ充電条件で、待機中の車両1について充電を開始する充電開始変更の指示を作成し(S1933D)、ステップS193で変更ありと判定される。
ステップS1932で、「待機中」がない(「No」である)と、ステップS1934Dで充電中の充電台数Nを取得し、取得した充電台数が「0」の場合(「Yes」である)、ステップS193で変更なし(充電中の車両がない場合である)と判定され、充電台数が「0」でない場合(「No」である)、最大使用電力を充電台数Nで除算した使用電力を計算して(S1936D)、当該新使用電力で充電するように変更指示を作成して(S1937D)、ステップS193で変更ありと判定される。
【0081】
<第1変形例>
第1実施形態(A~Dを含む)の充電システム、充電装置、充電制御装置を説明したが、これらの第1実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような第1変形例であってもよい。また、第1実施形態と第1変形例、第1変形例内の構成同士を組み合わせたものであってよい。
また、第1実施形態や第1変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても第1実施形態に係る発明に含まれる。
【0082】
1.車両の正常接続判定
充電制御装置105は、充電対象の車両1が正常に接続されてない場合、図17のステップS1229や図18のステップS1259のように、携帯端末3にエラーを送信している。
充電装置103は、開始準備信号等の準備信号に含まれている「コネクタID」の車両1と電気的に接続されているか否かを確認し、接続されていると「正常」信号を、接続されていないと「エラー」信号を出力している。
しかしながら、以下の方法で判定してもよい。
なお、接続判定手段は、図17のステップS1223や図18のステップS1253のように、ソフトウェアによって実現されている。
【0083】
(1)接続判定1
上記方法では、充電対象の車両1が正常に接続されているかの判定(正常接続判定手段)は、充電装置103側が行っている。しかしながら、正常接続判定は、OCPPサーバ106やAPサーバ108側で行ってもよい。
充電装置103は、充電対象又はすべての車両1(コネクタ131)の電気接続の有無の接続結果だけをOCPPサーバ106及び/又はAPサーバ108に出力し、OCPPサーバ106又はAPサーバ108は、充電依頼の対象の「コネクタID」が、充電装置103からの接続結果に含まれているか否かで正常接続判断できる。
【0084】
(2)接続判定2
充電装置103は、開始準備信号等の準備信号の入力があると(例えば、図15のステップS101の「Yes」である)、当該信号に含まれている「コネクタID」の接続確認をしている。
しかしながら、OCPPサーバ106又はAPサーバ108側で、正常接続の判定を行う場合、開始準備信号等の準備信号に「コネクタID」を含まなくてもよい(充電開始信号に「コネクタID」が含まれる)。
充電装置103は、開始準備信号等の準備信号の入力があると、すべてのコネクタ131の電気接続を確認し、その接続結果をOCPPサーバ106及び/又はAPサーバ108に出力し、OCPPサーバ106又はAPサーバ108で、新規に充電依頼のあった「コネクタID」が、充電装置103からの接続結果の接続されているコネクタに含まれている場合は「正常」と判定し、接続結果に含まれていない場合は「エラー」とすることで実施できる。
この場合は、車両1の正常接続判断は、OCPPサーバ106又はAPサーバ108側で行われる。
なお、接続判定は、通信量を考慮すると、充電装置103又はOCPPサーバ106で行うのが好ましい。
【0085】
2.充電可能判定
AP108は、図22に示すように、新規な充電依頼の車両と充電中の車両とのすべての車両に充電したと仮定した場合の合計の使用電力と、最大使用電力とで判定していたが、1台当たりの充電電力が設定されている場合は、合計の使用電力に変えて、充電中の車両と新規充電依頼の車両との合計の台数と、最大使用電力を設定電力で除算した最大充電台数とで判定するようにしてもよい。
また、設定された充電電力が、車両(バッテリ)の大きさによって一定でない場合は、基準の充電電力を1台として、車両の台数を算出してもよい。例えば、20kWの設定電力を基準の充電電力とすると、設定電力が30kWの車両は、30/20=1.5台とし、設定電力が15kWの車両は、15/20=0.75台として、合計の台数を算出するようにしてもよい。
【0086】
3.充電完了判定
充電完了判定は、図21Bに示すように、取得した充電時間から充電完了又は未完了を判定している。なお、充電完了判定手段は、ステップS184~S185のように、ソフトウェアによって実現されている。
しかしながら、充電装置103又は充電制御装置105と通信可能なECU(Electronic Contorl Unit)11が車両1に搭載されている場合、図35に示すようにECU11の検出結果(例えば、電圧)をOCPPサーバ106E(又はAPサーバ108E)が取得し、取得した検出結果と充電完了とみなされる電圧(以下、「充電完了電圧」とする)との比較から充電完了を判定してもよい。このようにOCPPサーバ106Eで判定すると、第1実施形態のAPサーバ108において、OCPPサーバ106に送信していた充電完了指示等が不要となる(図13参照)。
また、ECU11の検出結果を充電装置103が取得し、充電装置103が取得した検出結果をOCPPサーバ106又はAPサーバに出力してOCPPサーバ106又はAPサーバ108で判定してもよい。
また、図36に示すように、ECU11の検出結果を充電装置103Fが取得し、充電装置103Fが、取得した検出結果と充電完了電圧との比較から充電完了を判定してもよく、この場合、充電装置103F自らが充電完了を行い、その充電完了信号をOCPPサーバ106E(やAPサーバ108F)に送信してもよい。この場合、図13に示すように、ストップトランザクション信号のやり取りが不要となる。
なお、充電装置103が充電電圧を検知する電圧検知部を備える場合、充電装置103が検知した電圧で充電完了を判定してもよいし、充電装置103からOCPPサーバ106又はAPサーバ108に出力してOCPPサーバ106又はAPサーバ108で判定してもよい。
充電完了判定は、バッテリの充電率が80%以上となる(満充電状態とする)充電時間で判定しているが、例えば、第1の車両に対する充電を2時間等の短時間で一旦完了し、待ち状態の第2の車両1に対して充電するようにし、第1の車両1の充電が満充電でない場合に最下位の待ち状態としてもよい。これにより、複数の車両を平等に充電できる。
【0087】
4.その他
(1)OCPPサーバ106と充電装置103との信号の送受信において、トランザクションを利用しているが、トランザクションを利用しなくてもよい。なお、トランザクションを利用した方が誤動作を防ぐことができる。誤動作の例としては、充電されているにも関わらず充電正常信号が出力されなかった場合、携帯端末に充電開始付報告がされないままに充電されているような場合である。
(2)充電システムは、充電装置と充電制御装置とを備えているが、充電装置に相当する充電部と、充電制御装置に相当する充電制御部とを1つにした充電装置としてもよい。
(3)充電装置103と第1サーバ(OCPPサーバ106)との通信にOCPPを利用したが、他のプロトコルを利用してもよい。
(4)APサーバ108は、充電依頼を携帯端末3から受け付けているが、他の方法で受け付けてもよい。例えば、車両ID等の識別情報が記憶されたカードを、充電装置103又は外部のリーダに読み込し、充電装置又はリーダから受け付けるようにしてもよい。
(5)携帯端末は、APサーバ108に対応したアプリケーションがインストールされているが、例えば、ブラウザ上で稼働するアプリケーション(フロントエンド)を利用して、APと通信する(WEB-API)ようにしてもよい。
【0088】
<第1発明1>
第1実施形態(A~D等も含む)には、以下の第1発明1が存在する。
第1発明1は、第1実施形態、第1実施形態A~D、第1変形例に限られるものではなく、第1実施形態、第1実施形態A~D、第1変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても第1発明1に含まれる。
【0089】
(1)充電制御装置
第1の充電制御装置は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両と前記第1充電電力で充電中の前記車両とに対して、合計の使用電力が前記最大使用電力未満であって前記第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0090】
第2の充電制御装置は、
集合住宅で複数の電気充電可能な車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の充電依頼を受信する充電依頼受信手段(例えば、ステップS170が相当する)と、
前記充電依頼の前記車両に対して充電を制御する充電制御手段と、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電する場合の合計の使用電力を算出する第1使用電力算出手段(例えば、ステップS1752が相当する)と、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に前記新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する場合の合計の使用電力を算出する第2使用電力算出手段(例えば、ステップS1754が相当する)と
を備え、
前記充電制御手段は、
前記第1使用電力算出手段で算出された前記合計の使用電力が前記最大使用電力より小さい場合に前記新たな充電依頼の前記車両に対して前記第1充電電力で充電し、
前記第1使用電力算出手段で算出された前記合計の使用電力が前記最大使用電力以上である場合であって前記第2使用電力算出手段で算出された前記合計の使用電力が前記最大使用電力よりも小さい場合に前記新たな充電依頼の前記車両と前記第1充電電力で充電中であった車両に対して前記第2充電電力で充電する(例えば、ステップS1752からS1755が相当する)。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0091】
第3の充電制御装置は、前記第1の充電制御装置において、
前記第2充電電力で充電していた1台の前記車両の充電が完了すると、充電中の残りの前記車両に対して前記第1充電電力で充電しても前記最大使用電力より小さい場合に、前記充電中の残りの前記車両の充電電力を前記第1充電電力に戻して充電をする。
これにより、最大使用電力を超えない範囲で、効率よく充電できる。
【0092】
第4の充電制御装置は、前記第2の充電制御装置において、
前記充電中の車両の充電が完了したか否かを判定する充電完了判定手段(例えば、ステップS185が相応する)と、
充電中の全ての車両に対して第1充電電力で充電を行う場合の合計の使用電力が前記最大使用電力より小さいか否かを判定手段(例えば、ステップS1935が相当する)と
をさらに備え、
前記充電制御手段は、前記第2充電電力で充電していた前記車両の1台が前記充電完了判定手段により充電が完了したと判定され(例えば、ステップS185の「Yes」が相当する)、前記判定手段により、充電中の残りの全ての車両に対して前記第1充電電力で充電した場合の合計の使用電力が前記最大使用電力より小さいと判定される(例えば、ステップS1935の「Yes」が相当する)と、前記充電中の残りの全ての車両に対して第1充電電力で充電する。
これにより、最大使用電力を超えない範囲で、効率よく充電できる。
【0093】
第5の充電制御装置は、第1、第3の充電制御装置において、
前記第2充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、前記第2充電電力で充電中の車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第2充電電力で充電する場合の合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両の充電を待機中とする。
これにより、充電電力の低下(低い充電電力での充電)を防止し、効率よく充電できる。
【0094】
第6の充電制御装置は、第2、第4の充電制御装置において、
前記充電制御手段は、
前記車両の少なくとも1台の車両に前記第2充電電力で充電中であって新たな充電依頼があった際において(例えば、ステップS1751の「No」が相当する)、
前記第2使用電力算出手段により算出された合計の使用電力が、前記最大使用電力より小さい場合に前記充電依頼の前記車両に対して前記第2充電電力で充電し(例えば、ステップS1755の「Yes」が相当する)、
前記第2使用電力算出手段により算出された前記合計の使用電力が、前記最大使用電力以上の場合に前記新たな充電依頼の前記車両に対して充電を待機させる(例えば、ステップS1755の「Yes」は相当する)。
これにより、充電電力の低下(低い充電電力での充電)を防止し、複数の車両の充電を効率よく行うことができる。
【0095】
第7の充電制御装置は、第5の充電制御装置において、
充電していた1台の前記車両の充電が完了すると、待機状態の1台の前記車両に対して充電を開始する。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機状態の車両に充電できる。
【0096】
第8の充電制御装置は、第6の充電制御装置において、
前記充電制御手段は、前記充電完了判定手段で充電が完了したと判定されると、前記待機中の車両の充電を開始する(例えば、ステップS193,194が相当する)。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機状態の車両に充電できる。
【0097】
第9の充電制御装置は、第7の充電制御装置において、
前記待機状態の1台の前記車両は、最も待機時間が長い車両である。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機時間を短くできる。
【0098】
第10の充電制御装置は、第2、第4、第6又は第8の充電制御装置において、
前記充電装置と通信可能な第1サーバと、
前記車両の使用者の携帯端末及び前記第1サーバと通信可能な第2サーバと
を備え、
前記充電制御手段は、前記第2サーバが実行するアプリケーションによって実行される。
これにより、第1サーバに大きな変更を加えることなく、第1充電制御手段を設けることができる。
【0099】
(2)充電システム
充電システムは、集合住宅で複数の電気充電可能な車両に対して電気充電を行う充電システムにおいて、
前記複数の車両のそれぞれに接続可能なコネクタを複数備える充電装置と、
前記充電装置の前記車両への充電を制御する充電制御装置と
を備え、
前記充電装置は、前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており(又は設定可能であり)、
前記充電制御装置は、第1~第10の何れかの充電制御装置である。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0100】
(3)充電制御方法
充電制御方法は、集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御方法において、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両と前記第1充電電力で充電中の前記車両とに対して、合計の使用電力が前記最大使用電力未満であって前記第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0101】
<第1発明2>
第1実施形態(A~D等も含む)には、以下の第1発明2が存在する。
第1発明2は、第1実施形態、第1実施形態A~D、第1変形例に限られるものではなく、第1実施形態、第1実施形態A~D、第1変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても第1発明2に含まれる。
【0102】
(1)充電制御装置
第1の充電制御装置は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
新たな充電依頼があった際に、充電中の車両(0台を含む)と前記新たな充電依頼した前記車両との合計の充電台数で前記最大使用電力を除算した使用電力で前記充電中の車両と前記新たな充電依頼した前記車両とに対して充電する。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。また、充電台数が少ない場合は、充電時間を短縮できる。
【0103】
第2の充電制御装置は、
集合住宅で複数の電気充電可能な車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の充電依頼を受信する充電依頼受信手段(例えば、ステップS170が相当する)と、
前記充電依頼の前記車両に対して充電を制御する充電制御手段と、
新たな充電依頼があった際に、充電中の車両(0台を含む)と前記新たな充電依頼のあった車両との合計の充電台数で前記最大使用電力を除算した使用電力を算出する第1使用電力算出手段(例えば、ステップS1752Dが相当する)と
を備え、
前記充電制御手段は、
前記新たな充電依頼があった際に、前記第1使用電力算出手段で算出した使用電力で、前記充電中の車両と前記新たな充電依頼のあった車両に対して充電する(例えば、ステップS1753D、176が相当する)。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0104】
第3の充電制御装置は、前記第1の充電制御装置において、
前記充電中の車両の充電が完了すると、充電中の残りの車両の充電台数で前記最大使用電力を除算した使用電力で、前記残りの車両に充電をする。
これにより、最大使用電力を超えない範囲で、効率よく充電できる。
【0105】
第4の充電制御装置は、前記第2の充電制御装置において、
前記充電中の車両の充電が完了したか否かを判定する充電完了判定手段(例えば、ステップS185が相応する)と、
充電中の車両の合計の充電台数で前記最大使用電力を除算した使用電力を算出する第2使用電力算出手段(例えば、ステップS1936Dが相当する)と
をさらに備え、
前記充電制手段は、前記充電完了判定手段で充電中の前記車両の充電が完了したと判定されると(例えば、ステップS185の「Yes」が相当する)、前記第2使用電力算出手段で算出した使用電力で、充電中の残りの全ての車両に対して充電する(例えば、ステップS1936D、S194が相当する)。
これにより、最大使用電力を超えない範囲で、効率よく充電できる。
【0106】
第5の充電制御装置は、第1、第3の充電制御装置において、
前記新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両と前記新たな充電依頼した前記車両との合計の充電台数で前記最大使用電力を除算した使用電力が、予め設定された最小使用電力より小さい場合に、前記新たな充電依頼の前記車両の充電を待機中とする。
これにより、充電電力の低下(低い充電電力での充電)を防止し、効率よく充電できる。
【0107】
第6の充電制御装置は、第2、第4の充電制御装置において、
前記第1使用電力算出手段で算出した使用電力が、予め設定された最小使用電力より大きいか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記充電制御手段は、前記新たな充電依頼があった際において、前記判定手段によって、前記算出した使用電力が前記最小使用電力より小さいと判定されると、前記新たな充電依頼の前記車両に対して充電を待機させる(例えば、ステップS1753Dの「No」が相当する)。
これにより、充電電力の低下(低い充電電力での充電)を防止し、複数の車両の充電を効率よく行うことができる。
【0108】
第7の充電制御装置は、第5の充電制御装置において、
充電していた1台の前記車両の充電が完了すると、待機状態の1台の前記車両に対して充電を開始する。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機状態の車両に充電できる。
【0109】
第8の充電制御装置は、第6の充電制御装置において、
前記充電制御手段は、前記充電完了判定手段で充電が完了したと判定されると、前記待機中の車両の充電を開始する(例えば、ステップS1933D,194が相当する)。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機状態の車両に充電できる。
【0110】
第9の充電制御装置は、第7の充電制御装置において、
前記待機状態の1台の前記車両は、最も待機時間が長い車両である。
これにより、最大使用電力を超えることなく、待機時間を短くできる。
【0111】
第10の充電制御装置は、第2、第4、第6又は第8の充電制御装置において、
前記充電装置と通信可能な第1サーバと、
前記第1サーバ及び前記車両の使用者の携帯端末と通信可能な第2サーバと
を備え、
前記充電制御手段は、前記第2サーバが実行するアプリケーションによって実行される。
これにより、第1サーバに大きな変更を加えることなく、第1充電制御手段を設けることができる。
【0112】
(2)充電システム
充電システムは、集合住宅で複数の電気充電可能な車両に対して電気充電を行う充電システムにおいて、
前記複数の車両のそれぞれに接続可能なコネクタを複数備える充電装置と、
前記充電装置の前記車両への充電を制御する充電制御装置と
を備え、
前記充電装置は、前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており(又は設定可能であり)、
前記充電制御装置は、第1~第10の何れかの充電制御装置である。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0113】
(3)充電制御方法
充電制御方法は、集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御方法において、
新たな充電依頼があった際に、充電中の車両(0台を含む)と前記新たな充電依頼した前記車両との合計の充電台数で前記最大使用電力を除算した使用電力で前記充電中の車両と前記新たな充電依頼した前記車両とに対して充電する。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0114】
<第1発明3>
第1実施形態(A~D等も含む)には、以下の第1発明3が存在する。
第1発明3は、第1実施形態、第1実施形態A~D、第1変形例に限られるものではなく、第1実施形態、第1実施形態A~D、第1変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても第1発明3に含まれる。
【0115】
(1)充電制御装置
第1の充電制御装置は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両と前記第1充電電力で充電中の前記車両との少なくとも1台の車両に対して、合計の使用電力が前記最大使用電力未満において、前記第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0116】
第2の充電制御装置は、
集合住宅で複数の電気充電可能な車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の充電依頼を受信する充電依頼受信手段と、
前記充電依頼の前記車両に対して充電を制御する充電制御手段と、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電する場合の合計の使用電力を算出する第1使用電力算出手段と、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に前記新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両の少なくとも1台に前記第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する場合の合計の使用電力を算出する第2使用電力算出手段と
を備え、
前記充電制御手段は、
前記第1使用電力算出手段で算出された前記合計の使用電力が前記最大使用電力より小さい場合に前記新たな充電依頼の前記車両に対して前記第1充電電力で充電し、
前記第1使用電力算出手段で算出された前記合計の使用電力が前記最大使用電力以上である場合であって前記第2使用電力算出手段で算出された前記合計の使用電力が前記最大使用電力よりも小さい場合に前記車両の少なくとも1台に対して前記第2充電電力で充電する。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
(2)充電システム
充電システムは、集合住宅で複数の電気充電可能な車両に対して電気充電を行う充電システムにおいて、
前記複数の車両のそれぞれに接続可能なコネクタを複数備える充電装置と、
前記充電装置の前記車両への充電を制御する充電制御装置と
を備え、
前記充電装置は、前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており(又は設定可能であり)、
前記充電制御装置は、第1又は第2の充電制御装置である。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
(3)充電制御方法
充電制御方法は、集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御方法において、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両と前記第1充電電力で充電中の前記車両との少なくとも1台の車両に対して、合計の使用電力が前記最大使用電力未満において、前記第1充電電力よりも低い第2充電電力で充電する。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。
【0117】
<第1発明4>
第1実施形態(A~D等も含む)には、以下の第1発明4が存在する。
第1発明4は、第1実施形態、第1実施形態A~D、第1変形例に限られるものではなく、第1実施形態、第1実施形態A~D、第1変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても第1発明4に含まれる。
【0118】
(1)充電制御装置
第1の充電制御装置は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両に対して、前記充電中の前記車両の合計の使用電力と前記最大使用電力との差分である第2充電電力で充電する。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。また、最大使用電力を超えずに、新規な充電依頼の車両に対して充電できる。
【0119】
第2の充電制御装置は、
集合住宅で複数の電気充電可能な車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の充電依頼を受信する充電依頼受信手段と、
前記充電依頼の前記車両に対して充電を制御する充電制御手段と、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電する場合の合計の使用電力を算出する第1使用電力算出手段と、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に前記新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両の合計に使用電力と前記最大使用電力との差分電力を算出する差分算出手段と
を備え、
前記充電制御手段は、
前記第1使用電力算出手段で算出された前記合計の使用電力が前記最大使用電力より小さい場合に前記新たな充電依頼の前記車両に対して前記第1充電電力で充電し、
前記第1使用電力算出手段で算出された前記合計の使用電力が前記最大使用電力以上である場合、前記新たな充電依頼した車両に対して、前記差分算出手段で算出した差分電力(第2充電電力)で充電する。
これにより、最大使用電力を超えないため、受電設備(分電盤)がオーバーロードとならない。また、最大使用電力を超えずに、新規な充電依頼の車両に対して充電できる。
(2)充電システム
充電システムは、集合住宅で複数の電気充電可能な車両に対して電気充電を行う充電システムにおいて、
前記複数の車両のそれぞれに接続可能なコネクタを複数備える充電装置と、
前記充電装置の前記車両への充電を制御する充電制御装置と
を備え、
前記充電装置は、前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されており(又は設定可能であり)、
前記充電制御装置は、第1又は第2の充電制御装置である。
(3)充電制御方法
充電制御方法は、集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御方法において、
前記車両の少なくとも1台の車両に第1充電電力で充電中に新たな充電依頼があった際に、充電中の前記車両に加えて前記新たな充電依頼した前記車両に前記第1充電電力で充電すると合計の使用電力が前記最大使用電力を超える場合に、前記新たな充電依頼の前記車両に対して、前記充電中の前記車両の合計の使用電力と前記最大使用電力との差分である第2充電電力で充電する。
【0120】
<第1発明5>
第1実施形態(A~D等も含む)には、以下の第1発明5が存在する。
第1発明5は、第1実施形態、第1実施形態A~D、第1変形例に限られるものではなく、第1実施形態、第1実施形態A~D、第1変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても第1発明5に含まれる。
【0121】
(1)充電制御装置
充電制御装置は、
集合住宅で電気充電可能な複数の車両のそれぞれに電気充電する装置であって前記複数の車両に対して同時に充電する最大使用電力が設定されている(又は設定可能な)充電装置に対し、当該充電装置に接続された前記車両への充電を制御する充電制御装置において、
前記車両の少なくとも1台の第1の車両の充電時間が第1時間になると、充電の待機中の他の第2の車両があると、前記第1の車両の充電を停止すると共に当該第1の車両の充電が未完了の場合に当該第1の車両の充電状態を待ち状態とし、前記第2の車両に対して充電を行う。
これにより、複数の車両を平等に充電できる。
【0122】
<その他>
第1発明1~5のそれぞれの発明は、他の発明の構成を有してもよい。
【符号の説明】
【0123】
1 車両
3 携帯端末
101 充電システム
103 充電装置
105 充電制御装置
106 OCPPサーバ
107 データベース
108 APサーバ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30A
図30B
図30C
図31
図32
図33
図34
図35
図36