(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174286
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】液体噴霧用ノズル
(51)【国際特許分類】
B05B 3/16 20060101AFI20241210BHJP
B05B 1/02 20060101ALI20241210BHJP
A01G 25/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B05B3/16
B05B1/02
A01G25/00 601E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092023
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】502391600
【氏名又は名称】株式会社テクノコア
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】替場 信一
(72)【発明者】
【氏名】グエン・フー・ヌオン
【テーマコード(参考)】
4F033
【Fターム(参考)】
4F033AA05
4F033AA09
4F033BA04
4F033CA01
4F033DA01
4F033DA05
4F033EA01
4F033FA03
4F033NA01
4F033PA04
4F033PA18
4F033PC05
4F033PD06
(57)【要約】
【課題】ノズル先端と噴霧の対象体との距離が短い場合であっても、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を低下させることができ、低い供給圧で噴霧エリアを円形状に制御することが可能な液体噴霧用ノズルを提供する。
【解決手段】液体噴霧用ノズルは、先端にノズル孔が開口しており、可撓性材料で振動可能に構成されたノズル部と、ノズル部の先端部に設けられ、このノズル部の離軸方向に荷重を印加する荷重偏心部とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端にノズル孔が開口しており、可撓性材料で振動可能に構成されたノズル部と、前記ノズル部の先端部に設けられ、該ノズル部の離軸方向に荷重を印加する荷重偏心部とを備えていることを特徴とする液体噴霧用ノズル。
【請求項2】
前記荷重偏心部が、前記ノズル部の先端部に設けられ、前記離軸方向に突出した少なくとも1つの突出部からなることを特徴とする請求項1に記載の液体噴霧用ノズル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの突出部が、前記ノズル部から離軸する1方向のみに突出していることを特徴とする請求項2に記載の液体噴霧用ノズル。
【請求項4】
前記少なくとも1つの突出部が、略直方体形状、略平板形状、略円柱形状、略半円柱形状、略円錐形状、略角柱形状、略半角柱形状、略角錐形状、略球形状、又は略半球形状を有していることを特徴とする請求項2に記載の液体噴霧用ノズル。
【請求項5】
前記少なくとも1つの突出部が、前記ノズル部と同一材料によって一体的に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴霧用ノズル。
【請求項6】
前記ノズル部が、該ノズル部の基端側に設けられたガイドフィンを備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液体噴霧用ノズル。
【請求項7】
前記ガイドフィンの幅方向が、前記荷重偏心部の前記離軸方向と平行な平面内にあることを特徴とする請求項6に記載の液体噴霧用ノズル。
【請求項8】
前記ノズル部が、該ノズル部の軸方向に沿って同一径の形状を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液体噴霧用ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工降雨や、実験、灌漑、冷却又は防塵等のための液体散布に使用される液体噴霧用ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴霧用ノズルとして、特許文献1には、水供給源に着脱可能に連結される細管と、この細管に連結され先端に噴出口を形成してなるフレキシブルチューブと、フレキシブルチューブの細管側に固定されるガイドフィンとを有する人工降雨用ノズルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のノズルによれば、フレキシブルチューブの先端の噴出口から水が噴出する際に、その水の勢いによってノズルが振動し、自然雨に近い液滴の径を有する人工降雨を再現することができる。その場合の液滴の径は、細管の内径やフレキシブルチューブの長さ、及び供給水の稼働圧力等を設定することによって調整可能と記載されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の人工降雨用ノズルを含む従来の液体噴霧用ノズルによると、ノズルを振動させるためには、供給水の稼働圧力を一般家庭の水道圧かそれ以上に高くする必要があった。また、ノズル先端と降雨の対象体との距離が短い場合(例えば、天井のある屋内の場合、降雨対象体の高さが高い場合、密閉容器内等で降雨を実現させる場合等)に、所望の大きな液滴の径の降雨を実現させるためには、噴霧強度(単位時間当たりの噴霧量、自然降雨における降雨強度に相当)を大幅に増大させる必要があった。
【0006】
さらに、従来の液体噴霧用ノズルによると、ノズル先端と降雨の対象体との距離が短い場合に、降雨対象エリアが帯形状又は楕円形状となってしまい、これを解消して円形状の降雨対象エリアとするためには、液体の稼働圧力を高める必要があった。
【0007】
従って本発明の目的は、ノズル先端と噴霧の対象体との距離が短い場合であっても、噴霧した液滴の径(粒径)を所望の値に維持しつつ噴霧強度(単位時間当たりの噴霧量)を低下させることができる液体噴霧用ノズルを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、低い供給圧で噴霧エリアを円形状に制御することが可能な液体噴霧用ノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、液体噴霧用ノズルは、先端にノズル孔が開口しており、可撓性材料で振動可能に構成されたノズル部と、ノズル部の先端部に設けられ、このノズル部の離軸方向に荷重を印加する荷重偏心部とを備えている。
【0010】
ノズル部の離軸方向に荷重を印加する荷重偏心部がこのノズル部の先端部に設けられている。また、ノズル部が振動可能となるように可撓性材料で構成されている。これにより、ノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってノズル部が振動するが、荷重偏心部がノズル部の離軸方向に荷重を印加しているため、ノズル部はより低い供給圧で振り子のように自励振動しつつ噴霧を行うこととなる。その結果、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度(単位時間当たりの噴霧量)を大幅に低下させることができる。また、低い供給圧で噴霧エリアを円形状に制御することが可能となる、さらに、低い供給圧で噴霧できるので、ノズルの耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0011】
荷重偏心部が、ノズル部の先端部に設けられ、離軸方向に突出した少なくとも1つの突出部からなることが好ましい。
【0012】
この場合、少なくとも1つの突出部が、ノズル部から離軸する1方向のみに突出していることがより好ましい。
【0013】
この場合、少なくとも1つの突出部が、ノズル部から離軸する複数方向に突出していることもより好ましい。
【0014】
この場合、少なくとも1つの突出部が、略直方体形状、略平板形状、略円柱形状、略半円柱形状、略円錐形状、略角柱形状、略半角柱形状、略角錐形状、略球形状、又は略半球形状を有していることもより好ましい。
【0015】
この場合、少なくとも1つの突出部が、ノズル部と同一材料によって一体的に形成されていることも好ましい。
【0016】
この場合、少なくとも1つの突出部が、ノズル部と異なる材料によって形成され、このノズル部に固着されていることも好ましい。
【0017】
ノズル部が、ノズル部の基端側に設けられたガイドフィンを備えていることも好ましい。
【0018】
この場合、ガイドフィンの幅方向が、荷重偏心部の離軸方向と平行な平面内にあることがより好ましい。
【0019】
ノズル部が、ノズル部の軸方向に沿って同一径の形状を備えていることも好ましい。
【0020】
ノズル部が、ノズル部の先端に向かって縮径したテーパ形状を備えていることも好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつ噴霧強度を大幅に低下させることができる。また、低い供給圧で噴霧エリアを円形状に制御することが可能となる、その結果、低い供給圧で噴霧できるので、ノズルの耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の液体噴霧用ノズルの第1の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態の液体噴霧用ノズルにおけるフレキシブルチューブ部の自励振動について、その作用を説明する図である。
【
図3】第1の実施形態の液体噴霧用ノズルにおけるガイドフィン及び荷重偏心部の取付方向と液体噴霧用ノズルの運動方向とを説明するための図である。
【
図4】本発明の液体噴霧用ノズルの第2の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図5】本発明の液体噴霧用ノズルの第3の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図6】本発明の液体噴霧用ノズルの第4の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図7】本発明の液体噴霧用ノズルの第5の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図8】本発明の液体噴霧用ノズルの第6の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図9】本発明の液体噴霧用ノズルの第7の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図10】本発明の液体噴霧用ノズルの第8の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図11】本発明の液体噴霧用ノズルの第9の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図12】本発明の液体噴霧用ノズルの第10の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図13】本発明の実施例1の液体噴霧用ノズルについて噴霧強度を計測した際の計測位置及び噴霧分布を示す図である。
【
図14】本発明の比較例1の液体噴霧用ノズルについて噴霧強度を計測した際の計測位置及び噴霧分布を示す図である。
【
図15】本発明の実施例2の液体噴霧用ノズルについて噴霧強度を計測した際の計測位置及び噴霧分布を示す図である。
【
図16】本発明の比較例2の液体噴霧用ノズルについて噴霧強度を計測した際の計測位置及び噴霧分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明の液体噴霧用ノズルの第1の実施形態の構成を概略的に示している。
【0024】
同図に示すように、第1の実施形態における液体噴霧用ノズル10は、ノズル本体部10aと、このノズル本体部10aの基端部である液体供給側に一体的に形成された細管挿入部10bと、ノズル本体部10aの先端側に一体的に形成された細径状の可撓性のフレキシブルチューブ部10cと、フレキシブルチューブ部10cの先端部に一体的に形成された荷重偏心部10dとを備えている。
【0025】
細管挿入部10b、ノズル本体部10a及びフレキシブルチューブ部10cには、互いに連通する内部導路(図示無し)がそれぞれ設けられており、フレキシブルチューブ部10cの先端はこの内部導路に連通するノズル孔(図示無し)を介して開口している。ノズル本体部10aには、ガイドフィン10eが一体的に形成されている。
【0026】
本実施形態において、液体噴霧用ノズル10は、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されている。この液体噴霧用ノズル10の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等であっても良い。要は、可撓性つまり柔軟性を有するものであれば良い。なお、ノズル本体部10a、細管挿入部10b及びフレキシブルチューブ部10cが本発明のノズル部に対応している。
【0027】
ノズル本体部10aの細管挿入部10bには、細管11の一端部が挿入されている。細管11の他端部は管継手12の一端部に挿入されており、この管継手12の他端部には液体供給用ホース13が挿入されている。
【0028】
本実施形態において、細管11及び管継手12は、合成樹脂材料で形成されているが、液体噴霧用ノズル10と同様に、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されていても良い。また、液体噴霧用ノズル10と、細管11及び管継手12とを可撓性材料で一体的に形成しても良い。
【0029】
フレキシブルチューブ部10cは、本実施形態においては、内径寸法が1mm~3mmのものが使用されている。また、細管11は内径寸法が1mm~3mmのものが採用されている。このフレキシブルチューブ部10cの内径によって、噴霧した液滴の径(粒径)が制御される。即ち、内径寸法が小さいほど、液滴の径が小さな噴霧を実現でき、内径寸法が大きくなればなるほど、液滴の径が大きな噴霧を実現することができる。
【0030】
荷重偏心部10dは、フレキシブルチューブ部10cの先端部に設けられ、このフレキシブルチューブ部10cの離軸方向に荷重を印加するためのものである。フレキシブルチューブ部10cの先端に開口したノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってフレキシブルチューブ部10cが自励振動するが、荷重偏心部10dがフレキシブルチューブ部10cの離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、このフレキシブルチューブ部10cはより低い供給圧で振り子のように自励振動する。即ち、液体噴霧用ノズル10は、荷重偏心部10dの偏心方向に振り子のように自励振動しつつ噴霧を行う。低い供給圧で噴霧できるので、液体噴霧用ノズル10の耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0031】
本実施形態において、荷重偏心部10dは、フレキシブルチューブ部10cと一体的に形成された同一材料の部材で形成されており、このフレキシブルチューブ部10cから離軸する一方向にのみ突出した略直方体形状の突出部で構成されている。荷重偏心部10dをフレキシブルチューブ部10cに固着したこのフレキシブルチューブ部10cと別個の部材で構成しても良い。
【0032】
ガイドフィン10eはフレキシブルチューブ部10cの振れ方向を制限し、近傍の部材との干渉を防止する薄板状のチューブ振動制御部であり、ノズル本体部10aはこのガイドフィン10eが一体形成されていることにより、全体が偏平形状となっている。
【0033】
本実施形態において、ガイドフィン10e付きのノズル本体部10aは、その平面形状が細長の五角形状に形成されている。また、ガイドフィン10e付きのノズル本体部10aの側面形状は、その基端側における厚さが細管挿入部10bの外径寸法とほぼ同じ厚さとされ、そこから先端側に伸びるに従って滑らかに薄くなり、フレキシブルチューブ部10cが突出する部分においては、そのフレキシブルチューブ部10cの外径寸法とほぼ同じ厚さのくさび形状に形成されている。
【0034】
ガイドフィン10e付きのノズル本体部10は、フレキシブルチューブ部10cの軸方向に関して線対称形状に形成した薄型のくさび形状であるため、くさび形状の厚み方向へ撓み易く、幅方向に撓み難い性質を有している。このため、ガイドフィン10e付きのノズル本体部10は、その幅方向の振動を抑制する機能を有しており、複数の液体噴霧用ノズル10を設けて散水する場合に、隣の液体噴霧用ノズルとの干渉が生じて均一な噴霧が得られなくなることを防止するため、それらの振動方向を散水エリアの形状に合わせる向きに制御することが可能となる。なお、ガイドフィン10e付きのノズル本体部10の形状は線対称でなくても良く、非対称形状であっても、ねじれている形状や、厚みや幅寸法が逆のくさび形状であっても良い。
【0035】
次に、本実施形態の液体噴霧用ノズル10の作用効果について説明する。
【0036】
まず、フレキシブルチューブ部10cの自励振動について説明する。
図2はこの自励振動を説明している。
【0037】
フレキシブルチューブ部10cの先端開口から液体が噴出すると、液体の噴出する運動量の反力がこの先端開口を通してこのチューブ内部に働く。より詳細には、
図2(A)に示すように、初期状態では噴流の反力がフレキシブルチューブ部10cの先端にY軸に沿って働き、フレキシブルチューブ部10cへの圧縮圧力として働く。フレキシブルチューブ部10cは自身の剛性でこの反力に対抗するが、フレキシブルチューブ部10cは材質的に剛性が低いため容易に挫屈してしまい、
図2(B)に示すような状態となる。なお、
図2(B)~(D)ではチューブ内部を図示していない。
【0038】
フレキシブルチューブ部10cの先端は自由端であるため、この座屈は一端固定の挫屈であり、
図2(B)の状態では、フレキシブルチューブ部10c(太線の点線で示す)が固定端から先端開口に向かう途中で第1の屈曲点を持ってX軸のマイナス方向へ角度θ1で曲がり、さらに、先端開口側のところで第2の屈曲点が発生して角度θ2で曲がり、先端開口は第2の屈曲点からX軸のプラス方向を向き、Y軸に対して角度θ3の傾きを持つこととなる。このため、噴流の反力は先端開口ではX軸のマイナスの向きにsinθ3の水平分力を生じ、先端開口をX軸のマイナスの向きに移動させる力として働く。第2の屈曲点では内部を流れる液体の向きが角度θ2だけ変わることから、フレキシブルチューブ部10cに遠心力が働き、液体の質量運動量のsinθ2の水平分力を受け、この力もフレキシブルチューブ部10cの先端開口のある部分をX軸のマイナスの向きに運動させる力として働く。他方、第1の屈曲点では、液体の向きが角度θ1変えられることによる遠心力が発生し、質量運動量のsinθ1が水平分力となるが、働く向きはX軸のプラス方向となる。即ち、先端開口の移動方向に対して第1の屈曲点は反対向きに働く。フレキシブルチューブ部10cのその後の動きを中心線と反力及びその分力を書くと、
図2(B)~(D)のようになる。
【0039】
上述したように、移動方向に対して反対向きの力(抗力)が掛ると振動が持続することになるとされ、強制加振ではないため、このような持続的振動は自励振動と呼ばれている。
【0040】
次に、ガイドフィン10e付きのノズル本体部10aと荷重偏心部10dとの作用について説明する。
図3はガイドフィン10e付きのノズル本体部10a及び荷重偏心部10dの取付方向と液体噴霧用ノズル10の運動方向とを説明するための図である。
【0041】
まず、ガイドフィン10e付きのノズル本体部10aの作用については、
図3に示すように、くさび形状のガイドフィン10e付きのノズル本体部10aの厚み方向がX軸方向となり、幅方向がYZ平面内又はこれと平行な平面内となるように液体噴霧用ノズル10を取付けた場合、このノズル本体部10aはX軸方向に屈曲が容易となってXY平面内又はこれと平行な平面内で撓み易くなり、YZ平面内又はこれと平行な平面内で撓み難くなる。また、その先端に設けられたフレキシブルチューブ部10cの動きもノズル本体部10aと同様になる。
【0042】
これに加えて、
図3に示すように、荷重偏心部10dがZ軸方向(YZ平面内又はこれと平行な平面内)である離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、フレキシブルチューブ部10cは、Z軸方向にも加振力を受けることとなり、X軸方向に振動しながらもZ軸方向にも振動する。これにより、噴霧エリアがZ軸方向にも幅を持つこととなり、低い供給圧で噴霧エリアを円形状に制御することが可能となる。この場合、噴霧強度(単位時間当たりの噴霧量)が大きく低下する。フレキシブルチューブ部10cの内径は一定であるため、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を大幅に低下させることができる。
【0043】
本実施形態における液体噴霧用ノズル10によれば、荷重偏心部10dの存在しない従来の液体噴霧用ノズルに比して、供給圧(稼働圧力)が0.18MPa(従来のノズルでは0.2MPa)、高さ2mでの噴霧強度が1mm/h以下(従来のノズルでは20mm/h以上)、噴霧エリアの形状が真円(従来のノズルでは楕円又は帯状)となることが確認されている(後述する実施例1及び比較例1参照)。従って、本実施形態の液体噴霧用ノズル10は、従来の液体噴霧用ノズルに比して、より低い供給圧で振り子状に自励振動し、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を大幅に低下させることができ、低い供給圧で噴霧エリアを円形状に制御することができる。低い供給圧で噴霧すれば、耐久性が向上し、省エネを図ることができる。
【0044】
図4は本発明の液体噴霧用ノズルの第2の実施形態の構成を概略的に示している。
【0045】
同図に示すように、第2の実施形態における液体噴霧用ノズル110は、ノズル本体部110aと、このノズル本体部110aの基端部である液体供給側に一体的に形成された細管挿入部110bと、ノズル本体部110aの先端側に一体的に形成された細径状の可撓性のフレキシブルチューブ部110cと、フレキシブルチューブ部110cの先端部に一体的に形成された荷重偏心部110dとを備えている。本実施形態の液体噴霧用ノズル110における荷重偏心部110dは、第1の実施形態の液体噴霧用ノズル10における荷重偏心部10dの位置よりも、若干、基端部側(液体供給側)に形成されている。
【0046】
細管挿入部110b、ノズル本体部110a及びフレキシブルチューブ部110cには、互いに連通する内部導路(図示無し)がそれぞれ設けられており、フレキシブルチューブ部110cの先端はこの内部導路に連通するノズル孔(図示無し)を介して開口している。ノズル本体部110aは扁平形状であり、ガイドフィン110eがこのノズル本体部110aに一体的に形成されている。
【0047】
本実施形態において、液体噴霧用ノズル110は、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されている。この液体噴霧用ノズル110の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等であっても良い。要は、可撓性、つまり柔軟性を有するものであれば良い。なお、ノズル本体部110a、細管挿入部110b及びフレキシブルチューブ部110cが本発明のノズル部に対応している。
【0048】
図示されていないが、ノズル本体部110aの細管挿入部110bには、第1の実施形態の場合と同様に細管の一端部が挿入されている。この細管の他端部は管継手の一端部に挿入されており、この管継手の他端部には液体供給用ホースが挿入されている。
【0049】
フレキシブルチューブ部110cは、本実施形態においては、内径寸法が1mm~3mmのものが使用されている。このフレキシブルチューブ部110cの内径によって、噴霧した液滴の径が制御される。即ち、内径寸法が小さいほど、液滴の径が小さな噴霧を実現でき、内径寸法が大きくなればなるほど、液滴の径が大きな噴霧を実現することができる。
【0050】
荷重偏心部110dは、フレキシブルチューブ部110cの先端部よりやや後方に設けられ、このフレキシブルチューブ部110cの離軸方向に荷重を印加するためのものである。フレキシブルチューブ部110cの先端に開口したノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってフレキシブルチューブ部110cが振動するが、荷重偏心部110dがフレキシブルチューブ部110cの離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、このフレキシブルチューブ部110cはより低い供給圧で振り子のように自励振動する。即ち、液体噴霧用ノズル110は、荷重偏心部110dの偏心方向に振り子のように自励振動しつつ噴霧を行う。低い供給圧で噴霧できるので、液体噴霧用ノズル110の耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0051】
本実施形態において、荷重偏心部110dは、フレキシブルチューブ部110cと一体的に形成された同一材料の部材で形成されており、このフレキシブルチューブ部110cから離軸する一方向にのみ突出した略直方体形状の突出部で構成されている。荷重偏心部110dをフレキシブルチューブ部110cに固着したこのフレキシブルチューブ部110cと別個の部材で構成しても良い。
【0052】
ガイドフィン110eはフレキシブルチューブ部110cの振れ方向を制限し、近傍の部材との干渉を防止する薄板状のチューブ振動制御部であり、ノズル本体部110aはこのガイドフィン110eが一体形成されていることにより、全体が偏平形状となっている。
【0053】
本実施形態において、ガイドフィン110e付きのノズル本体部110aは、その平面形状が細長の五角形状に形成されている。また、ガイドフィン110e付きのノズル本体部110aの側面形状は、その基端側における厚さが細管挿入部110bの外径寸法とほぼ同じ厚さとされ、そこから先端側に伸びるに従って滑らかに薄くなり、フレキシブルチューブ部110cが突出する部分においては、そのフレキシブルチューブ部110cの外径寸法とほぼ同じ厚さのくさび形状に形成されている。
【0054】
ガイドフィン110e付きのノズル本体部110は、フレキシブルチューブ部110cの軸方向に関して線対称形状に形成した薄型のくさび形状であるため、くさび形状の厚み方向へ撓み易く、幅方向に撓み難い性質を有している。このため、ガイドフィン110e付きのノズル本体部110は、その幅方向の振動を抑制する機能を有しており、複数の液体噴霧用ノズル110を設けて散水する場合に、隣の液体噴霧用ノズルとの干渉が生じて均一な噴霧が得られなくなることを防止するため、それらの振動方向を散水エリアの形状に合わせる向きに制御することが可能となる。なお、ガイドフィン110e付きのノズル本体部110の形状は線対称でなくても良く、非対称形状であっても、ねじれている形状や、厚みや幅寸法が逆のくさび形状であっても良い。
【0055】
本実施形態における液体噴霧用ノズル110によれば、ガイドフィン110e付きのノズル本体部110aの作用と、荷重偏心部110dの離軸方向に荷重を印加する作用とにより、噴霧エリアを低い供給圧で円形状に制御することができ、噴霧強度も大きく低下する。フレキシブルチューブ部110cの内径は一定であるため、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を大幅に低下させることができる。本実施形態のその他の作用効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0056】
図5は本発明の液体噴霧用ノズルの第3の実施形態の構成を概略的に示している。
【0057】
同図に示すように、第3の実施形態における液体噴霧用ノズル210は、ノズル本体部210aと、このノズル本体部210aの基端部である液体供給側に一体的に形成された細管挿入部210bと、ノズル本体部210aの先端側に一体的に形成された細径状の可撓性のフレキシブルチューブ部210cと、フレキシブルチューブ部210cの先端部に一体的に形成された荷重偏心部210dとを備えている。
【0058】
細管挿入部210b、ノズル本体部210a及びフレキシブルチューブ部210cには、互いに連通する内部導路(図示無し)がそれぞれ設けられており、フレキシブルチューブ部210cの先端はこの内部導路に連通するノズル孔(図示無し)を介して開口している。ノズル本体部210aは扁平形状であり、ガイドフィン210eがこのノズル本体部210aに一体的に形成されている。
【0059】
本実施形態において、液体噴霧用ノズル210は、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されている。この液体噴霧用ノズル210の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等であっても良い。要は、可撓性、つまり柔軟性を有するものであれば良い。なお、ノズル本体部210a、細管挿入部210b及びフレキシブルチューブ部210cが本発明のノズル部に対応している。
【0060】
図示されていないが、ノズル本体部210aの細管挿入部210bには、第1の実施形態の場合と同様に細管の一端部が挿入されている。この細管の他端部は管継手の一端部に挿入されており、この管継手の他端部には液体供給用ホースが挿入されている。
【0061】
フレキシブルチューブ部210cは、本実施形態においては、内径寸法が1mm~3mmのものが使用されている。このフレキシブルチューブ部210cの内径によって、噴霧した液滴の径が制御される。即ち、内径寸法が小さいほど、液滴の径が小さな噴霧を実現でき、内径寸法が大きくなればなるほど、液滴の径が大きな噴霧を実現することができる。
【0062】
荷重偏心部210dは、フレキシブルチューブ部210cの先端部に設けられ、このフレキシブルチューブ部210cの離軸方向に荷重を印加するためのものである。フレキシブルチューブ部210cの先端に開口したノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってフレキシブルチューブ部210cが振動するが、荷重偏心部210dがフレキシブルチューブ部210cの離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、このフレキシブルチューブ部210cはより低い供給圧で振り子のように自励振動する。即ち、液体噴霧用ノズル210は、荷重偏心部210dの偏心方向に振り子のように自励振動しつつ噴霧を行う。低い供給圧で噴霧できるので、液体噴霧用ノズル210の耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0063】
本実施形態において、荷重偏心部210dは、フレキシブルチューブ部210cと一体的に形成された同一材料の部材で形成されており、このフレキシブルチューブ部210cから離軸する一方向及びその反対方向に突出した略直方体形状の第1の突出部210d1及び第2の突出部210d2で構成されている。荷重偏心部210dをフレキシブルチューブ部210cに固着したこのフレキシブルチューブ部210cと別個の部材で構成しても良い。
【0064】
ガイドフィン210eはフレキシブルチューブ部210cの振れ方向を制限し、近傍の部材との干渉を防止する薄板状のチューブ振動制御部であり、ノズル本体部210aはこのガイドフィン210eが一体形成されていることにより、全体が偏平形状となっている。
【0065】
本実施形態において、ガイドフィン210e付きのノズル本体部210aは、その平面形状が細長の五角形状に形成されている。また、ガイドフィン210e付きのノズル本体部210aの側面形状は、その基端側における厚さが細管挿入部210bの外径寸法とほぼ同じ厚さとされ、そこから先端側に伸びるに従って滑らかに薄くなり、フレキシブルチューブ部210cが突出する部分においては、そのフレキシブルチューブ部210cの外径寸法とほぼ同じ厚さのくさび形状に形成されている。
【0066】
ガイドフィン210e付きのノズル本体部210は、フレキシブルチューブ部210cの軸方向に関して線対称形状に形成した薄型のくさび形状であるため、くさび形状の厚み方向へ撓み易く、幅方向に撓み難い性質を有している。このため、ガイドフィン210e付きのノズル本体部210は、その幅方向の振動を抑制する機能を有しており、複数の液体噴霧用ノズル210を設けて散水する場合に、隣の液体噴霧用ノズルとの干渉が生じて均一な噴霧が得られなくなることを防止するため、それらの振動方向を散水エリアの形状に合わせる向きに制御することが可能となる。なお、ガイドフィン210e付きのノズル本体部210の形状は線対称でなくても良く、非対称形状であっても、ねじれている形状や、厚みや幅寸法が逆のくさび形状であっても良い。
【0067】
本実施形態における液体噴霧用ノズル210によれば、ガイドフィン210e付きのノズル本体部210aの作用と、荷重偏心部210dの離軸方向に荷重を印加する作用とにより、噴霧エリアを低い供給圧で円形状に制御することができ、噴霧強度も大きく低下する。フレキシブルチューブ部210cの内径は一定であるため、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を大幅に低下させることができる。本実施形態のその他の作用効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0068】
図6は本発明の液体噴霧用ノズルの第4の実施形態の構成を概略的に示している。
【0069】
同図に示すように、第4の実施形態における液体噴霧用ノズル310は、ノズル本体部310aと、このノズル本体部310aの基端部である液体供給側に一体的に形成された細管挿入部310bと、ノズル本体部310aの先端側に一体的に形成された細径状の可撓性のフレキシブルチューブ部310cと、フレキシブルチューブ部310cの先端部に一体的に形成された荷重偏心部310dとを備えている。本実施形態の液体噴霧用ノズル310における荷重偏心部310dは、第3の実施形態の液体噴霧用ノズル210における荷重偏心部210dの位置よりも、若干、基端部側(液体供給側)に形成されている。
【0070】
細管挿入部310b、ノズル本体部310a及びフレキシブルチューブ部310cには、互いに連通する内部導路(図示無し)がそれぞれ設けられており、フレキシブルチューブ部310cの先端はこの内部導路に連通するノズル孔(図示無し)を介して開口している。ノズル本体部310aは扁平形状であり、ガイドフィン310eがこのノズル本体部310aに一体的に形成されている。
【0071】
本実施形態において、液体噴霧用ノズル310は、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されている。この液体噴霧用ノズル310の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等であっても良い。要は、可撓性、つまり柔軟性を有するものであれば良い。なお、ノズル本体部310a、細管挿入部310b及びフレキシブルチューブ部310cが本発明のノズル部に対応している。
【0072】
図示されていないが、ノズル本体部310aの細管挿入部310bには、第1の実施形態の場合と同様に細管の一端部が挿入されている。この細管の他端部は管継手の一端部に挿入されており、この管継手の他端部には液体供給用ホースが挿入されている。
【0073】
フレキシブルチューブ部310cは、本実施形態においては、内径寸法が1mm~3mmのものが使用されている。このフレキシブルチューブ部310cの内径によって、噴霧した液滴の径が制御される。即ち、内径寸法が小さいほど、液滴の径が小さな噴霧を実現でき、内径寸法が大きくなればなるほど、液滴の径が大きな噴霧を実現することができる。
【0074】
荷重偏心部310dは、フレキシブルチューブ部310cの先端部よりやや後方に設けられ、このフレキシブルチューブ部310cの離軸方向に荷重を印加するためのものである。フレキシブルチューブ部310cの先端に開口したノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってフレキシブルチューブ部310cが振動するが、荷重偏心部310dがフレキシブルチューブ部310cの離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、このフレキシブルチューブ部310cはより低い供給圧で振り子のように自励振動する。即ち、液体噴霧用ノズル310は、荷重偏心部310dの偏心方向に振り子のように自励振動しつつ噴霧を行う。低い供給圧で噴霧できるので、液体噴霧用ノズル310の耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0075】
本実施形態において、荷重偏心部310dは、フレキシブルチューブ部310cと一体的に形成された同一材料の部材で形成されており、このフレキシブルチューブ部310cから離軸する一方向及びその反対方向に突出した略直方体形状の第1の突出部310d1及び第2の突出部310d2で構成されている。第1の突出部310d1は第2の突出部310d2より体積が大きく、従って、この荷重偏心部310dの荷重は第1の突出部310d1側に偏心している。荷重偏心部310dをフレキシブルチューブ部310cに固着したこのフレキシブルチューブ部310cと別個の部材で構成しても良い。
【0076】
ガイドフィン310eはフレキシブルチューブ部310cの振れ方向を制限し、近傍の部材との干渉を防止する薄板状のチューブ振動制御部であり、ノズル本体部310aはこのガイドフィン310eが一体形成されていることにより、全体が偏平形状となっている。
【0077】
本実施形態において、ガイドフィン310e付きのノズル本体部310aは、その平面形状が細長の五角形状に形成されている。また、ガイドフィン310e付きのノズル本体部310aの側面形状は、その基端側における厚さが細管挿入部310bの外径寸法とほぼ同じ厚さとされ、そこから先端側に伸びるに従って滑らかに薄くなり、フレキシブルチューブ部310cが突出する部分においては、そのフレキシブルチューブ部310cの外径寸法とほぼ同じ厚さのくさび形状に形成されている。
【0078】
ガイドフィン310e付きのノズル本体部310は、フレキシブルチューブ部310cの軸方向に関して線対称形状に形成した薄型のくさび形状であるため、くさび形状の厚み方向へ撓み易く、幅方向に撓み難い性質を有している。このため、ガイドフィン310e付きのノズル本体部310は、その幅方向の振動を抑制する機能を有しており、複数の液体噴霧用ノズル310を設けて散水する場合に、隣の液体噴霧用ノズルとの干渉が生じて均一な噴霧が得られなくなることを防止するため、それらの振動方向を散水エリアの形状に合わせる向きに制御することが可能となる。なお、ガイドフィン310e付きのノズル本体部310の形状は線対称でなくても良く、非対称形状であっても、ねじれている形状や、厚みや幅寸法が逆のくさび形状であっても良い。
【0079】
本実施形態における液体噴霧用ノズル310によれば、ガイドフィン310e付きのノズル本体部310aの作用と、荷重偏心部310dの離軸方向に荷重を印加する作用とにより、噴霧エリアを低い供給圧で円形状に制御することができ、噴霧強度も大きく低下する。フレキシブルチューブ部310cの内径は一定であるため、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を大幅に低下させることができる。本実施形態のその他の作用効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0080】
図7は本発明の液体噴霧用ノズルの第5の実施形態の構成を概略的に示している。
【0081】
同図に示すように、第5の実施形態における液体噴霧用ノズル410は、ノズル本体部410aと、このノズル本体部410aの基端部である液体供給側に一体的に形成された細管挿入部410bと、ノズル本体部410aの先端側に一体的に形成された細径状の可撓性のフレキシブルチューブ部410cと、フレキシブルチューブ部410cの先端部に一体的に形成された荷重偏心部410dとを備えている。
【0082】
細管挿入部410b、ノズル本体部410a及びフレキシブルチューブ部410cには、互いに連通する内部導路(図示無し)がそれぞれ設けられており、フレキシブルチューブ部410cの先端はこの内部導路に連通するノズル孔(図示無し)を介して開口している。ノズル本体部410aは扁平形状であり、ガイドフィン410eがこのノズル本体部410aに一体的に形成されている。
【0083】
本実施形態において、液体噴霧用ノズル410は、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されている。この液体噴霧用ノズル410の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等であっても良い。要は、可撓性、つまり柔軟性を有するものであれば良い。なお、ノズル本体部410a、細管挿入部410b及びフレキシブルチューブ部410cが本発明のノズル部に対応している。
【0084】
図示されていないが、ノズル本体部410aの細管挿入部410bには、第1の実施形態の場合と同様に細管の一端部が挿入されている。この細管の他端部は管継手の一端部に挿入されており、この管継手の他端部には液体供給用ホースが挿入されている。
【0085】
フレキシブルチューブ部410cは、本実施形態においては、内径寸法が1mm~3mmのものが使用されている。このフレキシブルチューブ部410cの内径によって、噴霧した液滴の径が制御される。即ち、内径寸法が小さいほど、液滴の径が小さな噴霧を実現でき、内径寸法が大きくなればなるほど、液滴の径が大きな噴霧を実現することができる。
【0086】
荷重偏心部410dは、フレキシブルチューブ部410cの先端部に設けられ、このフレキシブルチューブ部410cの離軸方向に荷重を印加するためのものである。フレキシブルチューブ部410cの先端に開口したノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってフレキシブルチューブ部410cが振動するが、荷重偏心部410dがフレキシブルチューブ部410cの離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、このフレキシブルチューブ部410cはより低い供給圧で振り子のように自励振動する。即ち、液体噴霧用ノズル410は、荷重偏心部410dの偏心方向に振り子のように自励振動しつつ噴霧を行う。低い供給圧で噴霧できるので、液体噴霧用ノズル410の耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0087】
本実施形態において、荷重偏心部410dは、フレキシブルチューブ部410cと一体的に形成された同一材料の部材で形成されており、このフレキシブルチューブ部410cから離軸する一方向にのみ突出した略球形状の突出部で構成されている。荷重偏心部410dをフレキシブルチューブ部410cに固着したこのフレキシブルチューブ部410cと別個の部材で構成しても良い。
【0088】
ガイドフィン410eはフレキシブルチューブ部410cの振れ方向を制限し、近傍の部材との干渉を防止する薄板状のチューブ振動制御部であり、ノズル本体部410aはこのガイドフィン410eが一体形成されていることにより、全体が偏平形状となっている。
【0089】
本実施形態において、ガイドフィン410e付きのノズル本体部410aは、その平面形状が細長の五角形状に形成されている。また、ガイドフィン410e付きのノズル本体部410aの側面形状は、その基端側における厚さが細管挿入部410bの外径寸法とほぼ同じ厚さとされ、そこから先端側に伸びるに従って滑らかに薄くなり、フレキシブルチューブ部410cが突出する部分においては、そのフレキシブルチューブ部410cの外径寸法とほぼ同じ厚さのくさび形状に形成されている。
【0090】
ガイドフィン410e付きのノズル本体部410は、フレキシブルチューブ部410cの軸方向に関して線対称形状に形成した薄型のくさび形状であるため、くさび形状の厚み方向へ撓み易く、幅方向に撓み難い性質を有している。このため、ガイドフィン410e付きのノズル本体部410は、その幅方向の振動を抑制する機能を有しており、複数の液体噴霧用ノズル410を設けて散水する場合に、隣の液体噴霧用ノズルとの干渉が生じて均一な噴霧が得られなくなることを防止するため、それらの振動方向を散水エリアの形状に合わせる向きに制御することが可能となる。なお、ガイドフィン410e付きのノズル本体部410の形状は線対称でなくても良く、非対称形状であっても、ねじれている形状や、厚みや幅寸法が逆のくさび形状であっても良い。
【0091】
本実施形態における液体噴霧用ノズル410によれば、ガイドフィン410e付きのノズル本体部410aの作用と、荷重偏心部410dの離軸方向に荷重を印加する作用とにより、噴霧エリアを低い供給圧で円形状に制御することができ、噴霧強度も大きく低下する。フレキシブルチューブ部410cの内径は一定であるため、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を大幅に低下させることができる。本実施形態のその他の作用効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0092】
図8は本発明の液体噴霧用ノズルの第6の実施形態の構成を概略的に示している。
【0093】
同図に示すように、第6の実施形態における液体噴霧用ノズル510は、ノズル本体部510aと、このノズル本体部510aの基端部である液体供給側に一体的に形成された細管挿入部510bと、ノズル本体部510aの先端側に一体的に形成された細径状の可撓性のフレキシブルチューブ部510cと、フレキシブルチューブ部510cの先端部に一体的に形成された荷重偏心部510dとを備えている。
【0094】
細管挿入部510b、ノズル本体部510a及びフレキシブルチューブ部510cには、互いに連通する内部導路(図示無し)がそれぞれ設けられており、フレキシブルチューブ部510cの先端はこの内部導路に連通するノズル孔(図示無し)を介して開口している。ノズル本体部510aは扁平形状であり、ガイドフィン510eがこのノズル本体部510aに一体的に形成されている。
【0095】
本実施形態において、液体噴霧用ノズル510は、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されている。この液体噴霧用ノズル510の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等であっても良い。要は、可撓性、つまり柔軟性を有するものであれば良い。なお、ノズル本体部510a、細管挿入部510b及びフレキシブルチューブ部510cが本発明のノズル部に対応している。
【0096】
図示されていないが、ノズル本体部510aの細管挿入部510bには、第1の実施形態の場合と同様に細管の一端部が挿入されている。この細管の他端部は管継手の一端部に挿入されており、この管継手の他端部には液体供給用ホースが挿入されている。
【0097】
フレキシブルチューブ部510cは、本実施形態においては、内径寸法が1mm~3mmのものが使用されている。このフレキシブルチューブ部510cの内径によって、噴霧した液滴の径が制御される。即ち、内径寸法が小さいほど、液滴の径が小さな噴霧を実現でき、内径寸法が大きくなればなるほど、液滴の径が大きな噴霧を実現することができる。
【0098】
荷重偏心部510dは、フレキシブルチューブ部510cの先端部に設けられ、このフレキシブルチューブ部510cの離軸方向に荷重を印加するためのものである。フレキシブルチューブ部510cの先端に開口したノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってフレキシブルチューブ部510cが振動するが、荷重偏心部510dがフレキシブルチューブ部510cの離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、このフレキシブルチューブ部510cはより低い供給圧で振り子のように自励振動する。即ち、液体噴霧用ノズル510は、荷重偏心部510dの偏心方向に振り子のように自励振動しつつ噴霧を行う。低い供給圧で噴霧できるので、液体噴霧用ノズル510の耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0099】
本実施形態において、荷重偏心部510dは、フレキシブルチューブ部510cと一体的に形成された同一材料の部材で形成されており、このフレキシブルチューブ部510cから離軸する一方向にのみ突出した略傾斜半円柱形状(先端に向かって高さが徐々に大きくなる半円柱形状)の突出部で構成されている。荷重偏心部510dをフレキシブルチューブ部510cに固着したこのフレキシブルチューブ部510cと別個の部材で構成しても良い。
【0100】
ガイドフィン510eはフレキシブルチューブ部510cの振れ方向を制限し、近傍の部材との干渉を防止する薄板状のチューブ振動制御部であり、ノズル本体部510aはこのガイドフィン510eが一体形成されていることにより、全体が偏平形状となっている。
【0101】
本実施形態において、ガイドフィン510e付きのノズル本体部510aは、その平面形状が細長の五角形状に形成されている。また、ガイドフィン510e付きのノズル本体部510aの側面形状は、その基端側における厚さが細管挿入部510bの外径寸法とほぼ同じ厚さとされ、そこから先端側に伸びるに従って滑らかに薄くなり、フレキシブルチューブ部510cが突出する部分においては、そのフレキシブルチューブ部510cの外径寸法とほぼ同じ厚さのくさび形状に形成されている。
【0102】
ガイドフィン510e付きのノズル本体部510は、フレキシブルチューブ部510cの軸方向に関して線対称形状に形成した薄型のくさび形状であるため、くさび形状の厚み方向へ撓み易く、幅方向に撓み難い性質を有している。このため、ガイドフィン510e付きのノズル本体部510は、その幅方向の振動を抑制する機能を有しており、複数の液体噴霧用ノズル510を設けて散水する場合に、隣の液体噴霧用ノズルとの干渉が生じて均一な噴霧が得られなくなることを防止するため、それらの振動方向を散水エリアの形状に合わせる向きに制御することが可能となる。なお、ガイドフィン510e付きのノズル本体部510の形状は線対称でなくても良く、非対称形状であっても、ねじれている形状や、厚みや幅寸法が逆のくさび形状であっても良い。
【0103】
本実施形態における液体噴霧用ノズル510によれば、ガイドフィン510e付きのノズル本体部510aの作用と、荷重偏心部510dの離軸方向に荷重を印加する作用とにより、噴霧エリアを低い供給圧で円形状に制御することができ、噴霧強度も大きく低下する。フレキシブルチューブ部510cの内径は一定であるため、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を大幅に低下させることができる。本実施形態のその他の作用効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0104】
図9は本発明の液体噴霧用ノズルの第7の実施形態の構成を概略的に示している。
【0105】
同図に示すように、第7の実施形態における液体噴霧用ノズル610は、ノズル本体部610aと、このノズル本体部610aの基端部である液体供給側に一体的に形成された細管挿入部610bと、ノズル本体部610aの先端側に一体的に形成された細径状の可撓性のフレキシブルチューブ部610cと、フレキシブルチューブ部610cの先端部に一体的に形成された荷重偏心部610dとを備えている。
【0106】
細管挿入部610b、ノズル本体部610a及びフレキシブルチューブ部610cには、互いに連通する内部導路(図示無し)がそれぞれ設けられており、フレキシブルチューブ部610cの先端はこの内部導路に連通するノズル孔(図示無し)を介して開口している。ノズル本体部610aは扁平形状であり、ガイドフィン610eがこのノズル本体部610aに一体的に形成されている。
【0107】
本実施形態において、液体噴霧用ノズル610は、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されている。この液体噴霧用ノズル610の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等であっても良い。要は、可撓性、つまり柔軟性を有するものであれば良い。なお、ノズル本体部610a、細管挿入部610b及びフレキシブルチューブ部610cが本発明のノズル部に対応している。
【0108】
図示されていないが、ノズル本体部610aの細管挿入部610bには、第1の実施形態の場合と同様に細管の一端部が挿入されている。この細管の他端部は管継手の一端部に挿入されており、この管継手の他端部には液体供給用ホースが挿入されている。
【0109】
フレキシブルチューブ部610cは、本実施形態においては、内径寸法が1mm~3mmのものが使用されている。このフレキシブルチューブ部610cの内径によって、噴霧した液滴の径が制御される。即ち、内径寸法が小さいほど、液滴の径が小さな噴霧を実現でき、内径寸法が大きくなればなるほど、液滴の径が大きな噴霧を実現することができる。
【0110】
荷重偏心部610dは、フレキシブルチューブ部610cの先端部に設けられ、このフレキシブルチューブ部610cの離軸方向に荷重を印加するためのものである。フレキシブルチューブ部610cの先端に開口したノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってフレキシブルチューブ部610cが振動するが、荷重偏心部610dがフレキシブルチューブ部610cの離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、このフレキシブルチューブ部610cはより低い供給圧で振り子のように自励振動する。即ち、液体噴霧用ノズル610は、荷重偏心部610dの偏心方向に振り子のように自励振動しつつ噴霧を行う。低い供給圧で噴霧できるので、液体噴霧用ノズル610の耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0111】
本実施形態において、荷重偏心部610dは、フレキシブルチューブ部610cと一体的に形成された同一材料の部材で形成されており、このフレキシブルチューブ部610cから離軸する一方向にのみ突出した略半三角柱形状の突出部で構成されている。荷重偏心部610dをフレキシブルチューブ部610cに固着したこのフレキシブルチューブ部610cと別個の部材で構成しても良い。
【0112】
ガイドフィン610eはフレキシブルチューブ部610cの振れ方向を制限し、近傍の部材との干渉を防止する薄板状のチューブ振動制御部であり、ノズル本体部610aはこのガイドフィン610eが一体形成されていることにより、全体が偏平形状となっている。
【0113】
本実施形態において、ガイドフィン610e付きのノズル本体部610aは、その平面形状が細長の五角形状に形成されている。また、ガイドフィン610e付きのノズル本体部610aの側面形状は、その基端側における厚さが細管挿入部610bの外径寸法とほぼ同じ厚さとされ、そこから先端側に伸びるに従って滑らかに薄くなり、フレキシブルチューブ部610cが突出する部分においては、そのフレキシブルチューブ部610cの外径寸法とほぼ同じ厚さのくさび形状に形成されている。
【0114】
ガイドフィン610e付きのノズル本体部610は、フレキシブルチューブ部610cの軸方向に関して線対称形状に形成した薄型のくさび形状であるため、くさび形状の厚み方向へ撓み易く、幅方向に撓み難い性質を有している。このため、ガイドフィン610e付きのノズル本体部610は、その幅方向の振動を抑制する機能を有しており、複数の液体噴霧用ノズル610を設けて散水する場合に、隣の液体噴霧用ノズルとの干渉が生じて均一な噴霧が得られなくなることを防止するため、それらの振動方向を散水エリアの形状に合わせる向きに制御することが可能となる。なお、ガイドフィン610e付きのノズル本体部610の形状は線対称でなくても良く、非対称形状であっても、ねじれている形状や、厚みや幅寸法が逆のくさび形状であっても良い。
【0115】
本実施形態における液体噴霧用ノズル610によれば、ガイドフィン610e付きのノズル本体部610aの作用と、荷重偏心部610dの離軸方向に荷重を印加する作用とにより、噴霧エリアを低い供給圧で円形状に制御することができ、噴霧強度も大きく低下する。フレキシブルチューブ部610cの内径は一定であるため、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を大幅に低下させることができる。本実施形態のその他の作用効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0116】
図10は本発明の液体噴霧用ノズルの第8の実施形態の構成を概略的に示している。
【0117】
同図に示すように、第8の実施形態における液体噴霧用ノズル710は、ノズル本体部710aと、このノズル本体部710aの基端部である液体供給側に一体的に形成された細管挿入部710bと、ノズル本体部710aの先端側に一体的に形成された細径状の可撓性のフレキシブルチューブ部710cと、フレキシブルチューブ部710cの先端部に一体的に形成された荷重偏心部710dとを備えている。
【0118】
細管挿入部710b、ノズル本体部710a及びフレキシブルチューブ部710cには、互いに連通する内部導路(図示無し)がそれぞれ設けられており、フレキシブルチューブ部710cの先端はこの内部導路に連通するノズル孔(図示無し)を介して開口している。ノズル本体部710aは扁平形状であり、ガイドフィン710eがこのノズル本体部710aに一体的に形成されている。
【0119】
本実施形態において、液体噴霧用ノズル710は、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されている。この液体噴霧用ノズル710の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等であっても良い。要は、可撓性、つまり柔軟性を有するものであれば良い。なお、ノズル本体部710a、細管挿入部710b及びフレキシブルチューブ部710cが本発明のノズル部に対応している。
【0120】
図示されていないが、ノズル本体部710aの細管挿入部710bには、第1の実施形態の場合と同様に細管の一端部が挿入されている。この細管の他端部は管継手の一端部に挿入されており、この管継手の他端部には液体供給用ホースが挿入されている。
【0121】
フレキシブルチューブ部710cは、本実施形態においては、内径寸法が1mm~3mmのものが使用されている。このフレキシブルチューブ部710cの内径によって、噴霧した液滴の径が制御される。即ち、内径寸法が小さいほど、液滴の径が小さな噴霧を実現でき、内径寸法が大きくなればなるほど、液滴の径が大きな噴霧を実現することができる。
【0122】
荷重偏心部710dは、フレキシブルチューブ部710cの先端部に設けられ、このフレキシブルチューブ部710cの離軸方向に荷重を印加するためのものである。フレキシブルチューブ部710cの先端に開口したノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってフレキシブルチューブ部710cが振動するが、荷重偏心部710dがフレキシブルチューブ部710cの離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、このフレキシブルチューブ部710cはより低い供給圧で振り子のように自励振動する。即ち、液体噴霧用ノズル710は、荷重偏心部710dの偏心方向に振り子のように自励振動しつつ噴霧を行う。低い供給圧で噴霧できるので、液体噴霧用ノズル710の耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0123】
本実施形態において、荷重偏心部710dは、フレキシブルチューブ部710cと一体的に形成された同一材料の部材で形成されており、このフレキシブルチューブ部710cから離軸する一方向及びその反対方向に突出した略三角柱形状の第1の突出部710d1及び第2の突出部710d2で構成されている。第1の突出部710d1は第2の突出部710d2より体積が大きく、従って、この荷重偏心部710dの荷重は第1の突出部710d1側に偏心している。荷重偏心部710dをフレキシブルチューブ部710cに固着したこのフレキシブルチューブ部710cと別個の部材で構成しても良い。
【0124】
ガイドフィン710eはフレキシブルチューブ部710cの振れ方向を制限し、近傍の部材との干渉を防止する薄板状のチューブ振動制御部であり、ノズル本体部710aはこのガイドフィン710eが一体形成されていることにより、全体が偏平形状となっている。
【0125】
本実施形態において、ガイドフィン710e付きのノズル本体部710aは、その平面形状が細長の五角形状に形成されている。また、ガイドフィン710e付きのノズル本体部710aの側面形状は、その基端側における厚さが細管挿入部710bの外径寸法とほぼ同じ厚さとされ、そこから先端側に伸びるに従って滑らかに薄くなり、フレキシブルチューブ部710cが突出する部分においては、そのフレキシブルチューブ部710cの外径寸法とほぼ同じ厚さのくさび形状に形成されている。
【0126】
ガイドフィン710e付きのノズル本体部710は、フレキシブルチューブ部710cの軸方向に関して線対称形状に形成した薄型のくさび形状であるため、くさび形状の厚み方向へ撓み易く、幅方向に撓み難い性質を有している。このため、ガイドフィン710e付きのノズル本体部710は、その幅方向の振動を抑制する機能を有しており、複数の液体噴霧用ノズル710を設けて散水する場合に、隣の液体噴霧用ノズルとの干渉が生じて均一な噴霧が得られなくなることを防止するため、それらの振動方向を散水エリアの形状に合わせる向きに制御することが可能となる。なお、ガイドフィン710e付きのノズル本体部710の形状は線対称でなくても良く、非対称形状であっても、ねじれている形状や、厚みや幅寸法が逆のくさび形状であっても良い。
【0127】
本実施形態における液体噴霧用ノズル710によれば、ガイドフィン710e付きのノズル本体部710aの作用と、荷重偏心部710dの離軸方向に荷重を印加する作用とにより、噴霧エリアを低い供給圧で円形状に制御することができ、噴霧強度も大きく低下する。フレキシブルチューブ部710cの内径は一定であるため、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を大幅に低下させることができる。本実施形態のその他の作用効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0128】
図11は本発明の液体噴霧用ノズルの第9の実施形態の構成を概略的に示している。
【0129】
同図に示すように、第9の実施形態における液体噴霧用ノズル810は、先端部から基端部まで同一径の棒形状のノズル本体部810aと、このノズル本体部810aの基端部である液体供給側に一体的に形成された細管挿入部810bと、ノズル本体部810aの先端部に一体的に形成された荷重偏心部810dとを備えている。
【0130】
ノズル本体部810a及び細管挿入部810bには、互いに連通する内部導路810fがそれぞれ設けられており、ノズル本体部810aの先端はこの内部導路に連通するノズル孔(図示無し)を介して開口している。ノズル本体部810aは扁平形状ではなく円柱形状であり、ガイドフィンは設けられていない。
【0131】
本実施形態において、液体噴霧用ノズル810は、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されている。この液体噴霧用ノズル810の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等であっても良い。要は、可撓性、つまり柔軟性を有するものであれば良い。なお、ノズル本体部810a及び細管挿入部810bが本発明のノズル部に対応している。
【0132】
図示されていないが、細管挿入部810bには、第1の実施形態の場合と同様に細管の一端部が挿入されている。この細管の他端部は管継手の一端部に挿入されており、この管継手の他端部には液体供給用ホースが挿入されている。
【0133】
内部導路810fは、本実施形態においては、内径寸法が1mm~8mmに設定されている。この内部導路810fの内径によって、噴霧した液滴の径が制御される。即ち、内径寸法が小さいほど、液滴の径が小さな噴霧を実現でき、内径寸法が大きくなればなるほど、液滴の径が大きな噴霧を実現することができる。
【0134】
荷重偏心部810dは、ノズル本体部810aの先端部に設けられ、このノズル本体部810aの離軸方向に荷重を印加するためのものである。ノズル本体部810aの先端に開口したノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってノズル本体部810aが振動するが、荷重偏心部810dがノズル本体部810aの離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、このノズル本体部810aはより低い供給圧で振り子のように自励振動する。即ち、液体噴霧用ノズル810は、荷重偏心部810dの偏心方向に振り子のように自励振動しつつ噴霧を行う。低い供給圧で噴霧できるので、液体噴霧用ノズル810の耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0135】
本実施形態において、荷重偏心部810dは、ノズル本体部810aと一体的に形成された同一材料の部材で形成されており、このノズル本体部810aから離軸する一方向にのみ突出した略直方体形状の突出部で構成されている。荷重偏心部810dをノズル本体部810aに固着したこのノズル本体部810aと別個の部材で構成しても良い。
【0136】
本実施形態における液体噴霧用ノズル810によれば、ノズル本体部810aが同一径の棒形状を有しているので剛性がより低くなり、上下左右方向への自励振動が生じ易くなる。このノズル本体部810aの作用と、荷重偏心部810dの離軸方向に荷重を印加する作用とにより、噴霧エリアを低い供給圧で円形状に制御することができ、噴霧強度も低下する。噴霧エリアが円形状となるのは、ガイドフィンが存在しないこと、及び低い供給圧で低周波数の振動を起こし、先端の軌跡がランダムな円形状となって散水されることによると考えられる。なお、内部導路810fの内径は一定であるため、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を低下させることができる。本実施形態のその他の作用効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0137】
図12は本発明の液体噴霧用ノズルの第10の実施形態の構成を概略的に示している。
【0138】
同図に示すように、第10の実施形態における液体噴霧用ノズル910は、先端に向かって縮径した円錐テーパ形状のノズル本体部910aと、このノズル本体部910aの基端部である液体供給側に一体的に形成された細管挿入部910bと、ノズル本体部910aの先端部に一体的に形成された荷重偏心部910dとを備えている。
【0139】
ノズル本体部910a及び細管挿入部910bには、互いに連通する内部導路910fがそれぞれ設けられており、ノズル本体部910aの先端はこの内部導路に連通するノズル孔(図示無し)を介して開口している。ノズル本体部910aは扁平形状ではなく円錐テーパ形状であり、ガイドフィンは設けられていない。
【0140】
本実施形態において、液体噴霧用ノズル910は、例えばシリコンゴム等の可撓性材料で形成されている。この液体噴霧用ノズル910の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等であっても良い。要は、可撓性、つまり柔軟性を有するものであれば良い。なお、ノズル本体部910a及び細管挿入部910bが本発明のノズル部に対応している。
【0141】
図示されていないが、細管挿入部910bには、第1の実施形態の場合と同様に細管の一端部が挿入されている。この細管の他端部は管継手の一端部に挿入されており、この管継手の他端部には液体供給用ホースが挿入されている。
【0142】
内部導路910fは、本実施形態においては、内径寸法が0.5mm~3mmに設定されている。この内部導路910fの内径によって、噴霧した液滴の径が制御される。即ち、内径寸法が小さいほど、液滴の径が小さな噴霧を実現でき、内径寸法が大きくなればなるほど、液滴の径が大きな噴霧を実現することができる。
【0143】
荷重偏心部910dは、ノズル本体部910aの先端部に設けられ、このノズル本体部910aの離軸方向に荷重を印加するためのものである。ノズル本体部910aの先端に開口したノズル孔から水が噴出する際に、その水の供給圧によってノズル本体部910aが振動するが、荷重偏心部910dがノズル本体部910aの離軸方向に荷重を印加するように構成されているため、このノズル本体部910aはより低い供給圧で振り子のように自励振動する。即ち、液体噴霧用ノズル910は、荷重偏心部810dの偏心方向に振り子のように自励振動しつつ噴霧を行う。低い供給圧で噴霧できるので、液体噴霧用ノズル810の耐久性が向上すると共に、省エネに貢献することができる。
【0144】
本実施形態において、荷重偏心部910dは、ノズル本体部910aと一体的に形成された同一材料の部材で形成されており、このノズル本体部910aから離軸する一方向にのみ突出した略直方体形状の突出部で構成されている。荷重偏心部910dをノズル本体部910aに固着したこのノズル本体部910aと別個の部材で構成しても良い。
【0145】
本実施形態における液体噴霧用ノズル910によれば、ノズル本体部910aが円錐テーパ形状を有しているので剛性がより低くなり、上下左右方向への自励振動が生じ易くなる。このノズル本体部910aの作用と、荷重偏心部910dの離軸方向に荷重を印加する作用とにより、噴霧エリアを低い供給圧で円形状に制御することができ、噴霧強度も低下する。噴霧エリアが円形状となるのは、ガイドフィンが存在しないこと、及び低い供給圧で低周波数の振動を起こし、先端の軌跡がランダムな円形状となって散水されることによると考えられる。なお、内部導路910fの内径は一定であるため、噴霧した液滴の径を所望の値に維持しつつも噴霧強度を低下させることができる。本実施形態のその他の作用効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0146】
上述した実施形態において、荷重偏心部は、略直方体形状、略球形状、略傾斜半円柱形状、又は略三角柱形状の1つ又は2つの突出部から構成されているが、本発明の荷重偏心部は、その他の種々の形状の突出部で構成することができる。例えば、略平板形状、略円柱形状、略半円柱形状、略円錐形状、略角柱形状、略半角柱形状、略角錐形状、略球形状、又は略半球形状の突出部から構成することができる。また、単一の突出部に限定されることなく、任意の数の突出部とすることができる。要は、離軸方向に荷重を印加できる構成であればいかなる形状、いかなる数の突出部から構成されていても良い。さらに、荷重偏心部の寸法及び重量は、荷重偏心部がノズル部の離軸方向に荷重を印加する構成であれば良く、特定の寸法及び重量に限定されない。また、本発明の荷重偏心部は、いかなる材質で形成されていても良い。
【実施例0147】
図13は本発明の実施例1の液体噴霧用ノズルについて噴霧強度を計測した際の計測位置及び噴霧分布を示しており、同図(A)は噴霧強度の計測位置、同図(B)は正面方向から見た噴霧分布、同図(C)は側面方向から見た噴霧分布をそれぞれ示している。
【0148】
この実施例1においては、
図1に示した第1の実施形態の液体噴霧用ノズル10を使用し、その単一の液体噴霧用ノズル10を2mの高さでノズル開口を下方に向けて設置した。その場合、荷重偏心部10dが
図13(A)において下方に突出するように設置した。因みに、荷重偏心部10dの寸法は長さ5mm、幅5mm、厚さ2mmであり、フレキシブルチューブ部10cの寸法は外径2mm、内径1mm、長さ30mmであった。計測日時は2023年3月、計測場所は屋外、天候は晴れ、気温は12℃、風速は0m/sであった。水道水を加圧せずに使用し、ノズルへの供給圧(稼働圧力)は0.18MPaであった。
図13(A)に示すように、噴霧範囲は8m×8mであり、ノズルの設置位置である「1」の位置を含めてA方向の9点の位置(1A~9A)、B方向の9点の位置(1B~9B)、C方向の9点の位置(1C~9C)、D方向の9点の位置(1D~9D)における噴霧量を計測し、噴霧強度(1時間当たりの噴霧量)を求めた。噴霧量の計測は220mmφの計測マスを用いて行い、計測時間は15minであった。
【0149】
表1はA~D方向の各計測位置における噴霧強度及びその平均値を示している。なお、4回の計測(n=4)を行ったため、同一位置である計測位置1A、1B、1C及び1Dの噴霧強度に測定上のばらつきが生じている。
【表1】
【0150】
表1より、実施例1の噴霧強度は0.7~0.8mm/hであることが分かり、また、
図13(B)及び(C)より、噴霧分布が前後左右方向(A~D方向)に均一であり噴霧エリアが円形状となっていることが分かる。
【0151】
図14は本発明の比較例1の液体噴霧用ノズルについて噴霧強度を計測した際の計測位置及び噴霧分布を示しており、同図(A)は噴霧強度の計測位置、同図(B)は正面方向から見た噴霧分布、同図(C)は側面方向から見た噴霧分布をそれぞれ示している。
【0152】
この比較例1においては、
図1に示した第1の実施形態の液体噴霧用ノズル10から荷重偏心部10dを除去したものに相当する液体噴霧用ノズル10′を使用し、その単一の液体噴霧用ノズル10′を2mの高さでノズル開口を下方に向けて設置した。因みに、フレキシブルチューブ部の寸法は外径2mm、内径1mm、長さ30mmであった。計測日時は2022年2月、計測場所は屋外、天候は晴れ、気温は6℃、風速は0m/sであった。水道水を加圧して使用し、ノズルへの供給圧(稼働圧力)は0.2MPaであった。
図14(A)に示すように、噴霧範囲は7.4m×0.1mであり、ノズルの設置位置である「1」の位置を含めてD方向の8点の位置における噴霧量を計測し、噴霧強度(1時間当たりの噴霧量)を求めた。噴霧量の計測は220mmφの計測マスを用いて行い、計測時間は3minであった。
【0153】
表2はD方向の各計測位置における噴霧強度及びその平均値を示している。
【表2】
【0154】
表2より、比較例1の噴霧強度は19.6~26.5(平均:22.7)mm/hであることが分かり、また、
図14(B)及び(C)より、噴霧分布が前後左右方向に均一ではなく、噴霧エリアが帯状となっていることが分かる。
【0155】
比較例1と実施例1とを比較すると、比較例1では噴霧強度が19.6~26.5(平均:22.7)mm/hであるのに対し、実施例1では噴霧強度が0.7~0.8mm/hと比較例1より大幅に低くなっている。フレキシブルチューブ部の内径は同じであるため、液滴の径は、比較例1及び実施例1共にほぼ等しい。また、比較例1では供給圧が0.2MPaであって噴霧エリアが帯形状であるのに対し、実施例1では供給圧がこれより低い0.18MPaであって噴霧エリアが円形状となっている。
【0156】
図15は本発明の実施例2の液体噴霧用ノズルについて噴霧強度を計測した際の計測位置及び噴霧分布を示しており、同図(A)は噴霧強度の計測位置、同図(B)は正面方向から見た噴霧分布、同図(C)は側面方向から見た噴霧分布をそれぞれ示している。
【0157】
この実施例2においては、
図11に示した第9の実施形態の同一径の液体噴霧用ノズル810を使用し、その単一の液体噴霧用ノズル810を2mの高さでノズル開口を下方に向けて設置した。その場合、荷重偏心部810dが
図15(A)において下方に突出するように設置した。因みに、荷重偏心部810dの寸法は長さ10mm、幅8mm、厚さ6mmであり、ノズル本体部810aの寸法は外径6mmφ、内径4mmφ、長さ150mmであった。計測日時は2023年4月、計測場所は屋外、天候は晴れ、気温は16℃、風速は0m/sであった。水道水を加圧して使用し、ノズルへの供給圧(稼働圧力)は0.12MPaであった。
図15(A)に示すように、噴霧範囲は9.6m×9.6mであり、ノズルの設置位置である「1」の位置を含めてA方向の10点の位置(1A~10A)、B方向の10点の位置(1B~10B)、C方向の10点の位置(1C~10C)、D方向の10点の位置(1D~10D)における噴霧量を計測し、噴霧強度(1時間当たりの噴霧量)を求めた。噴霧量の計測は220mmφの計測マスを用いて行い、計測時間は5minであった。
【0158】
表3はA~D方向の各計測位置における噴霧強度及びその平均値を示している。なお、4回の計測(n=4)を行ったため、同一位置である計測位置1A、1B、1C及び1Dの噴霧強度に測定上のばらつきが生じている。
【表3】
【0159】
表3より、実施例2の噴霧強度は0.9~176.8mm/hであることが分かり、また、
図15(B)及び(C)より、噴霧分布が前後左右方向(A~D方向)に中央部で均一であり噴霧エリアが円形状となっていることが分かる。
【0160】
図16は本発明の比較例2の液体噴霧用ノズルについて噴霧強度を計測した際の計測位置を示している。
【0161】
この比較例2においては、
図11に示した第9の実施形態の同一径の棒形状の液体噴霧用ノズル810から荷重偏心部810dを除去したものに相当する液体噴霧用ノズルを使用し、その単一の液体噴霧用ノズルを2mの高さでノズル開口を下方に向けて設置した。水道水を加圧して使用し、ノズルへの供給圧(稼働圧力)は0.16MPaであった。噴霧範囲は6.4m×0.25mであり、
図16に示すように、ノズルの設置位置である「2」の位置を含めて3点の位置における噴霧量を計測し、噴霧強度(1時間当たりの噴霧量)を求めた。噴霧量の計測は220mmφの計測マスを用いて行い、計測時間は5minであった。
【0162】
表4は各計測位置における噴霧強度及びその平均値を示している。
【表4】
【0163】
表4より、比較例2の噴霧強度は367.0~407.2mm/h(平均:380.1)mm/hであることが分かり、また、
図16より、噴霧分布が前後左右方向に均一ではなく、噴霧エリアが帯状となっていることが分かる。なお、噴霧エリアが帯状となるのは、フレキシブルチューブの曲がり癖に基づくこのフレキシブルチューブ固有のものと考えられる。
【0164】
比較例2と実施例2とを比較すると、比較例2では噴霧強度が367.0~407.2mm/h(平均:380.1mm/h)であるのに対し、実施例2では噴霧強度が0.9~176.8mm/h(平均:50.3mm/h)と比較例2より大幅に低くなっている。フレキシブルチューブ部の内径は同じであるため、液滴の径は、比較例2及び実施例2共にほぼ等しい。また、比較例2では噴霧エリアが帯形状であるのに対し、実施例2では噴霧エリアが円形状となっている。
【0165】
以上述べた実施形態及び実施例は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本発明の液体噴霧用ノズルは、人工降雨や液体噴霧を必要とするすべての場所に配置される。例えば、ハウス栽培,ビルの屋上の緑化部の散水、畑、空き地、グランド等に配置され、その場所における灌漑や冷却、又は土煙や砂ぼこりを防止するものにも適用される。もちろん、それ等に限定されるものではなく、液体噴霧を必要とする他のすべての場所に適用されその利用範囲は広い。