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▶ 三和シヤッター工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017430
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】開閉機取付機構
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
E06B9/17 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120056
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】内倉 健
(72)【発明者】
【氏名】里見 智哉
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 功
(57)【要約】
【課題】既設の手動シャッターのブラケットに開閉機を取り付けるのに適した開閉機取付機構を提供する。
【解決手段】
左右のブラケットの面部に固定された一対の短尺状の第1部材7と、一対の第1部材7間で支持固定された長尺状の第2部材8と、からなる開閉機取付機構であって、開閉機6は、一方のブラケット1に近い側の第1端部と、一方のブラケットから遠い側の第2端部と、を備え、第1部材7は取付片(71、72)を備え、第2部材8は取付辺(80、81)を備え、第2部材8の前記取付辺の長さ方向両端部は、第1部材7の前記取付片に当接しており、開閉機6の第1端部は、一方のブラケットの面部10に固定された第1部材7の前記取付片及び第2部材8の前記取付辺に固定手段で固定されている。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のブラケットの面部に固定された一対の短尺状の第1部材と、
前記一対の第1部材間で支持固定された長尺状の第2部材と、
からなる開閉機取付機構であって、
開閉機は、一方のブラケットに近い側の第1端部と、一方のブラケットから遠い側の第2端部と、を備え、
前記第1部材は取付片を備え、
前記第2部材は取付辺を備え、前記第2部材の前記取付辺の長さ方向両端部は、前記第1部材の前記取付片に当接しており、
前記開閉機の前記第1端部は、前記一方のブラケットの面部に固定された第1部材の前記取付片及び前記第2部材の前記取付辺に固定手段で固定されている、
開閉機取付機構。
【請求項2】
前記第1部材の前記取付片と前記第2部材の前記取付辺には当接状態で一致するように孔部が形成されており、少なくとも一方の孔部は、前記取付辺の長さ方向に直交する方向に延びる長孔である、
請求項1に記載の開閉機取付機構。
【請求項3】
前記開閉機の前記第2端部は、前記第2部材の前記取付辺に固定手段で固定されている、
請求項1、2いずれか1項に記載の開閉機取付機構。
【請求項4】
前記第2部材の前記取付辺には、前記開閉機の前記第2端部に対応して、前記取付辺の長さ方向に直交する方向に延びる長孔が形成されている、
請求項3に記載の開閉機取付機構。
【請求項5】
前記一方のブラケットの面部には巻取シャフトの駆動軸構造が設けてあり、
前記開閉機のスプロットと、前記駆動軸構造のスプロケットは、チェーンによって連結されており、
前記長孔を利用して前記開閉機の取付位置を調整することで、チェーンの張りが調整可能である、
請求項2に記載の開閉機取付機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャッターの開閉機取付機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
手動シャッターでは、左右のブラケットの面部に設けた左右の手動式巻取軸に回転自在に支持された巻取シャフトにシャッターカーテンが巻き取られ、あるいは巻取シャフトからシャッターカーテンが繰り出されることで開口部を開閉するようになっている。
【0003】
手動シャッターを改修して電動化したい場合がある。改修においては、左右のブラケットを残して実行される場合が多い。一方の既設のブラケットを駆動ブラケットとするためには、当該ブラケットに駆動軸を取り付けると共に、当該ブラケットに開閉機を取り付けることが必要となる。
【0004】
手動シャッターの電動化のためには、駆動側ブラケットに開閉機を設けることが必要となる。手動シャッター用のブラケットの強度は、電動シャッター用のブラケットの強度よりも弱い場合があることから(例えば、ブラケットの板厚が薄い)、開閉機をブラケットに片持ち状に直接固定すると、開閉機や巻取シャフトの重量によりブラケットが傾いてしまうおそれがある。また、開閉機から駆動軸構造へチェーンによって回転力を伝達するにあたり、チェーンを適正位置で張るためには、開閉機の取付位置の調整が必要となる場合がある。特許文献1には、左右のブラケットの下端の下片間に架け渡した下板に開閉機を載置する構成が開示されているが、既設の手動シャッターのブラケットに開閉機を取り付けるのに適したものではない。
【特許文献1】特開2010-084394
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、既設の手動シャッターのブラケットに開閉機を取り付けるのに適した開閉機取付機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するべく本発明が採用した技術手段は、
左右のブラケットの面部に固定された一対の短尺状の第1部材と、
前記一対の第1部材間で支持固定された長尺状の第2部材と、
からなる開閉機取付機構であって、
開閉機は、一方のブラケットに近い側の第1端部と、一方のブラケットから遠い側の第2端部と、を備え、
前記第1部材は取付片を備え、
前記第2部材は取付辺を備え、前記第2部材の前記取付辺の長さ方向両端部は、前記第1部材の前記取付片に当接しており、
前記開閉機の前記第1端部は、前記一方のブラケットの面部に固定された第1部材の前記取付片及び前記第2部材の前記取付辺に固定手段で固定されている、
開閉機取付機構、である。
固定手段には、螺子、リベットが含まれる。
【0007】
1つの態様では、前記第1部材の前記取付片と前記第2部材の前記取付辺には当接状態で一致するように孔部が形成されており、少なくとも一方の孔部は、前記取付辺の長さ方向に直交する方向に延びる長孔である。
【0008】
1つの態様では、前記開閉機の前記第2端部は、前記第2部材の前記取付辺に固定手段で固定されている。
1つの態様では、前記第2部材の前記取付辺には、前記開閉機の前記第2端部に対応して、前記取付辺の長さ方向に直交する方向に延びる長孔が形成されている。
【0009】
1つの態様では、前記一方のブラケットの面部には巻取シャフトの駆動軸構造が設けてあり、
前記開閉機のスプロットと、前記駆動軸構造のスプロケットは、チェーンによって連結されており、
前記長孔を利用して前記開閉機の取付位置を調整することで、チェーンの張りが調整可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、左右のブラケットの面部の所定部位に固定された左右の第1部材間に長尺状の第2部材を支持させることで、開閉機取付機構が構成されており、開閉機の重量を左右のブラケットで支持するようにしている。
また、前記第1部材の前記取付片と前記第2部材の前記取付辺には当接状態で一致するように孔部が形成されており、少なくとも一方の孔部は、前記取付辺の長さ方向に直交する方向に延びる長孔とすることで、開閉機の取付位置を調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る駆動軸部構造の分解斜視図である。
図2】第1実施形態に係る駆動軸部構造の側面図である。
図3図2におけるA矢視から見た正面図である(開閉機は省略されている)。
図4】第1実施形態に係る駆動軸部構造を斜め上方から見た図である。
図5】第2実施形態に係る駆動軸部構造の分解斜視図、及び、従動側ブラケットの斜視図である。
図6】第2実施形態に係る駆動軸部構造の側面図である。
図7図6におけるB矢視から見た正面図である。
図8】第2実施形態に係る駆動軸部構造と巻取シャフトの連結を示す図である。
図9】第3実施形態に係る駆動軸部構造の分解斜視図、及び、従動側ブラケットの斜視図である。
図10】第3実施形態に係る駆動軸部構造の側面図である。
図11図10におけるC矢視から見た正面図である(スラットは省略されている)。
図12】第4実施形態に係る駆動軸部構造の分解斜視図、及び、従動側ブラケットの斜視図である。
図13】第4実施形態に係る駆動軸部構造の側面図である。
図14図14におけるD矢視から見た正面図である(スラットは省略されている)。
図15A】駆動軸組立体を示す図である。
図15B】駆動軸組立体を示す図である。
図16】スプロケットを備えた回転体を示す図である。
図17】開閉機が開閉機取付構造の第2部材に仮固定された状態を示す図である。
図18】開閉機取付構造の第1部材を示す図である。
図19】開閉機取付構造の第2部材を示す図である。
図20】第1部材と第2部材とから組み立てられた開閉機取付構造を示す図である。
図21】開閉機の取付孔の位置決め治具を示す。
図22】位置決め治具を用いた取付孔の決定手法を説明する図である。
図23】開閉機取付台における開閉機の取付位置の微調整を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[A]手動シャッターの電動化
[A-1]概要
本実施形態は、手動シャッターの改修、すなわち、手動シャッターの電動化に関するものである。手動シャッターでは、左右のブラケットの面部に設けた左右の手動式巻取軸に回転自在に支持された巻取シャフトにシャッターカーテンが巻き取られ、あるいは巻取シャフトからシャッターカーテンが繰り出されることで、シャッターカーテンの幅方向両端部が開口部左右のガイドレールGの溝部に案内されながら昇降して、開口部を開閉するようになっている。本実施形態に係る改修は、左右のブラケット1及びブラケット1の面部10に設けた軸受け2を残して、これらを利用することで実行される。
【0013】
改修後において、一方のブラケット1は駆動側ブラケットとなり、他方のブラケット1は従動側ブラケットとなる。駆動側ブラケットには、既設の一方のブラケットの軸受け2を利用して、巻取シャフト5の駆動軸(駆動軸構造)5Aが設けられ、従動側ブラケットには、既設の他方のブラケットの軸受け2を利用して巻取シャフト5の従動軸54が設けられる(図3図7図11図14参照)。巻取シャフト5は、長さ方向の一端側の駆動軸、長さ方向の他端側の従動軸によって左右のブラケット1間に回転可能に支持されている。駆動側ブラケットには、巻取シャフト5の駆動軸(駆動軸構造)と対向するように開閉機6が取り付けられており、チェーンCを介して、巻取シャフト5の駆動軸(駆動軸構造)に回転力を伝達するようになっている。本明細書では幾つかの実施形態について開示するが、最初に、手動シャッターの電動化に用いる共通要素及び駆動軸構造、開閉機取付構造について説明する。
【0014】
[A-2]駆動軸組立体
駆動軸組立体3は、手動シャッターの既設のブラケット1の面部10に設けれた既存の軸受け2を利用して、ブラケット1の面部10に取り付けられる部材である(図1図5図9図12参照)。図15A、15Bに示すように、本実施形態では、実施形態に応じて2種類の駆動軸組立体3が用いられるが、基本的な構造は共通している。
【0015】
図15Aに示すように、駆動軸組立体3は、本体部30と、本体部30から突出する軸部31と、からなる。駆動軸組立体3の本体部30は、軸部31と反対側が開口状の中空の直方体からなり、軸受け2を利用して、ブラケット1の面部10に取り付けられるようになっている。本体部30は、対向状の第1側面300及び第2側面301、対向状の第3側面302及び第4側面303と、を備えており、第1側面300及び第2側面301には、対向状に挿通孔306が形成されている。本体部30の前面307には、軸部31の基端が固定されており、本体部30の後端は開口している。
【0016】
軸部31は、円形断面を備えた円柱ないし円筒状の部材であり、基端側の第1部分310と、先端側の第2部分311と、からなり、第1部分310は第2部分311に対して少し大径である。第2部分311の先端には、第2部分311よりも少し大径の円板状の先端部312が形成されている。第1部分310の先端には全周に亘って溝部313が形成されている。図15Aに示す駆動軸組立体3は、本体部30を軸受け2に被せて当該軸受け2に固定することで、ブラケット1に取り付けられる(図5図9図12参照)。図15Aに示す駆動軸組立体3の取付の詳細については後述する。
【0017】
図15Bに示す駆動軸組立体3は、本体部30の一部の構成(折り曲げ片304、305の有無)を除いて、図15Aに示す駆動軸組立体3の構成と共通しており、共通部分の説明については、上記説明を援用することができる。但し、本体部30の外形寸法については、図15Aに示す駆動軸組立体3の本体部30が図15Bに示す駆動軸組立体3の本体部30よりも大きい。図15Bに示すように、本体部30の第3側面302及び第4側面303の基端には、互いに離間するように、第3側面302及び第4側面303に対して垂直方向に延びる折り曲げ片304、305が一体形成されている。折り曲げ片304、305には挿通孔308が形成されている。図15Bに示す駆動軸組立体3は、本体部30を軸受け2内に位置させて当該軸受け2に固定すると共に、折り曲げ片304、305をブラケット1の面部10に固定することで、ブラケット1に取り付けられる(図1参照)。図15Bに示す駆動軸組立体3の取付の詳細について後述する。
【0018】
[A-3]筒状回転体
一方のブラケット1の面部10に取り付けられた駆動軸組立体3には、筒状回転体4が回転可能に取り付けられる。図16に示すように、筒状回転体4は、基端側が開放状で先端側に円形の端面42を備えた中空の略円筒状の本体40と、本体40の基端側に外周方向に突設した、すなわち、周設したスプロケット41と、端面42の中央に形成した挿通部43と、端面42に突設した2本の係合片44と、からなり、挿通部43は、端面42の中央に嵌め込まれたリング状のブッシュ430から形成されている。係合片44の本数は複数本であれば、2本には限定されない。筒状回転体4の本体40の内壁には、複数の補強リブ47が設けてある。
【0019】
[A-4]駆動軸構造
[A-4-1]駆動軸組立体と筒状回転体の組立
図4に示すように、筒状回転体4は、駆動軸組立体3の本体部30を内装すると共に、軸部31の第1部分310が筒状回転体4の挿通部43に回転自在に軸支されており、筒状回転体4の内壁と駆動軸組立体3の本体部30は離間しており、非接触状態にある。駆動軸組立体3の第1部分310の溝部313を含む先端側部位は、筒状回転体4の端面42の外側に位置する突出部となっており、突出部の先端側に第2部分311及び先端部312が位置している。第1部分310の先端側部位(突出部)の基端側(溝部313よりも端面42側)には、ワッシャ45が設けてあり、溝部313には、C型止め輪46が嵌め込まれている。ワッシャ45は、C型止め輪46及び駆動軸組立体3の第1部分310、円板状の先端部312よりも大径である。
【0020】
[A-4-2]筒状回転体と巻取シャフトの連結
筒状回転体4は、巻取シャフト5の駆動側端部に連結されている。図8に示すように、本実施形態に係る巻取シャフト5は、シャッターカーテンのスラットS(図2図6図10図13参照)が巻き取られる外筒体50と、外筒体50の内部で延びる内筒体51と、巻取シャフト5の長さ方向端部及び中間部位において、外筒体50の内面と内筒体51の外面との間に嵌め込まれた樹脂製又は金属製のスペーサ52と、からなる。本実施形態において、内筒体51と従動軸54とは連続した1本の部材からなる。内筒体51は固定シャフトであり、外筒体50及スペーサ52は、内筒体51に対して回転自在となっている。外筒体50の内面とスペーサ52との間には、周方向に間隔を存して複数の中空の係合受部53が形成されており、筒状回転体4の端面42に突設された係合片44が、巻取シャフト5の駆動側端部の係合受部53に係合することで、筒状回転体4と巻取シャフト5の駆動側端部が連結されて、一体で回転可能となっている。駆動軸組立体3の軸部31は、第1部分310が筒状回転体4を軸支すると共に、第2部分311及び先端部312は、内筒体51の内部空間に挿入されており、先端部312は内筒体51の内周面に当接ないし近接している。筒状回転体4に周設したスプロケット41は、駆動側ブラケットに設けた開閉機6のスプロケット60とチェーンCで伝動連結されており、開閉機6の駆動によって、筒状回転体4及び巻取シャフト5が一体で回転するようになっている。本実施形態において、筒状回転体4の本体40の外径と巻取シャフト5の外径は略同じである。図3図7に示すように、シャッターカーテン(スラットS)の幅方向の一端側(駆動側)は、巻取シャフト5の駆動側端部を越えて駆動側ブラケット側に延びており、シャッターカーテンの一端側が筒状回転体4の本体4の外周面に当接ないし近接するようになっている。
【0021】
[付記]
手動式巻取軸の軸受けを備えたブラケットと、
前記軸受けに固定される本体部と、本体部から突出する軸部と、からなる駆動軸組立体と、
スプロケットが周設されている回転体と、
からなり、
前記回転体は、前記本体部を内装すると共に、前記軸部に回転自在に軸支されており、前記回転体は、巻取シャフトの駆動側端部に連結されている、
シャッターの駆動軸構造。
1つの態様では、前記駆動軸組立体の前記軸部は、前記回転体を軸支する第1部分と、前記回転体から突出する第2部分と、からなる。
既設(手動式巻取軸の軸受けを備えた)の左右のブラケットの一方のブラケットに固定される本体部と、本体部から突出する軸部と、からなる駆動軸組立体と、
基端側が開放状で中空の筒状の回転体と、
からなり、
前記回転体の基端側にはスプロケットが周設されており、前記回転体の先端側の端面には前記軸部を挿通する挿通部が形成されており、
前記回転体は、前記本体部を内装すると共に、前記軸部に回転自在に軸支されており、前記回転体は、巻取シャフトの駆動側端部に連結されている、
シャッターの駆動軸構造。
1つの態様では、前記回転体は円筒状である。
1つの態様では、前記回転体の内壁と前記本体部は離間しており、非接触状態にある。
1つの態様では、前記回転体の前記先端側の端面には、複数の係合片が突設されており、巻取シャフトの駆動側端部の係合受部に係合されており、
前記一方のブラケットには、開閉機が設けてあり、
前記スプロケットと前記開閉機はチェーンで連結されている。
1つの態様では、前記駆動軸組立体の前記軸部は、前記回転体を軸支する第1部分と、前記回転体から突出する第2部分と、からなり、前記巻取シャフトの駆動側端部は前記第2部分に支持されている。
1つの態様では、前記巻取シャフトは外筒と内筒を備え、前記第2部分は前記内筒内に挿入されており、前記内筒は前記第2部分により支持されている。
本体部と、本体部から突出する軸部と、からなる駆動軸組立体を用意し、前記本体部を、既設(手動式巻取軸の軸受けを備えた)の左右のブラケットの一方のブラケットに固定すること、
基端側が開放状で先端側に端面を備えた中空の筒状の本体と、前記本体の基端側に周設したスプロケットと、前記端面に形成した挿通部と、前記端面に突設した係合片と、からなる、回転体を用意し、前記本体に前記駆動軸組立体の前記本体部を内装し、前記挿通部を挿通する前記軸部によって回転自在に軸支させること、
前記スプロケットを、前記一方のブラケットに固定した開閉機とチェーンで連結すること、
前記回転体の前記端面の前記係合片を巻取シャフトに係合させること、
からなる、シャッターの駆動軸構造の組立方法。
【0022】
[A-5]開閉機及び開閉機の取付構造
[A-5-1]背景
手動シャッターの電動化のためには、駆動側ブラケットに開閉機6を設けることが必要となる。開閉機の取り付けは、既存のブラケット1及び左右のブラケット1を連結するアングル材11~14の構成にも依存し得るが、手動シャッター用のブラケット1の強度は、電動シャッター用のブラケットの強度よりも弱い場合があることから(例えば、ブラケットの板厚が薄い)、開閉機6をブラケット1に片持ち状に直接固定すると、開閉機や巻取シャフトの重量によりブラケットが傾いてしまうおそれがある。本実施形態では、左右のブラケット1の面部10の所定部位に固定された左右の第1部材7間に長尺状の第2部材8を支持させることで、開閉機取付機構が構成される。
【0023】
[A-5-2]第1部材
図18に示すように、第1部材7は、ブラケット1の面部10に当接状態で固定される第1垂直片70と、第1垂直片70の下端から水平に延びる底片71と、底片71の幅方向一端から垂直に立ち上がる第2垂直片72と、からなる。第1垂直片70には、第1部材7を複数本の螺子73でブラケット1の面部10に固定するための孔部700が形成されている。本実施形態において、第1部材の底片71と第2垂直片72のいずれかの片が取付片として選択されて、選択された片に第2部材8が連結されるようになっている。すなわち、本実施形態に係る第1部材7において、開閉機6の取付態様に合わせて、底片71、第2垂直片72のいずれかの片が取付片として機能するようになっており、部品の共通化が図られている。本明細書において、第1部材7がブラケット1の面部10に固定された状態において、ブラケット1の面部10の前後方向ないし見込方向を「底片71の幅方向」とする。
【0024】
第1部材7の底片71には、開閉機固定用の孔部710が形成されており、第2垂直片72には、開閉機固定用の孔部720が形成されている。孔部710は底片71の幅方向に延びる長孔であり、本実施形態では幅方向に離間して2つの孔部710が形成されている。孔部720は第2垂直片72の高さ方向に延びる長孔であり、本実施形態では高さ方向に離間して2つの孔部720が形成されている。本実施形態において、第2垂直片72の基端側端縁と第1垂直片70とは離間しており、正面視において隙間74が形成されている。
【0025】
[A-5-3]第2部材
図19に示すように、第2部材8は、開口幅方向に延びる長尺部材であり、長さ方向の一端側が駆動側、他端側が従動側となっている。本実施形態に係る第2部材8は、第1辺80と第2辺81とから断面視L形状を備えている。第1辺80の駆動側端部に位置して、開閉機固定用の孔部82が形成されており、孔部82から離間した部位に開閉機固定用の孔部83が形成されている。孔部82は、第1辺80の幅方向(長さ方向に対して垂直の方向であり、第2部材8の姿勢によっては高さ方向となる)に延びる長孔であり、孔部83は、第1辺80の幅方向(長さ方向に対して垂直の方向であり、第2部材8の姿勢によっては高さ方向となる)に延びる長孔である。孔部82の長さ寸法は、孔部83の長さ寸法よりも大きい。第2辺81の駆動側端部に位置して、開閉機固定用の孔部82が形成されており、孔部82から離間した部位に開閉機固定用の孔部83が形成されている。孔部82は、第2辺81の幅方向ないし高さ方向(長さ方向に対して垂直の方向)に延びる長孔であり、孔部83は、第2辺81の幅方向ないし高さ方向(長さ方向に対して垂直の方向)に延びる長孔である。孔部82の長さ寸法は、孔部83の長さ寸法よりも大きい。本実施形態に係る第2部材8は、第1辺80、第2辺81を選択的に用いて、開閉機6及び第1部材7と固定されるようになっている。すなわち、本実施形態に係る第2部材8において、開閉機6の取付態様に合わせて、第1辺80、第2辺81のいずれかの辺が取付辺として機能するようになっており、部品の共通化が図られている。第1辺80、第2辺81の従動側端部には、孔部が形成されていない。孔部83を長孔とすることで、開閉機6の傾きを抑制し、チェーンCとスプロケット60の係合をスムーズに行うことを可能とする。
【0026】
[A-5-4]開閉機取付機構及び開閉機の取付
図20に、第2部材8と、第2部材8の長さ方向両端に固定した左右の第1部材7と、からなる開閉機取付台を示す。図20では、開閉機6が取り付けられていない状態を示す。また、実際には、左右の第1部材7は、左右のブラケット1の面部10に螺子73で固定されており、左右の第1部材7に対して、第2部材8が取り付けられる。こうすることで、左右のブラケット1は、開閉機取付機構(左右の第1部材7と第2部材8)によって連結されており、そのような開閉機取付機構に開閉機6が支持されるようになっている。第1部材7の第1垂直片70が螺子73でブラケット1の面部10に固定された状態において、底片71は、ブラケット1の面部10から離間して水平に延びる。
【0027】
第2部材8は、第2辺81の長さ方向両端部位を左右の第1部材7の底片71に重ねて載置した状態で、第2部材8の第2辺81の駆動側端部の長孔82と、第1部材7の底片71の孔部710とを一致させて螺子84で連結し、第2部材8の第2辺81の従動側端部を、第1部材7の底片71の孔部710から差し込んだ螺子85で連結するようになっている。本実施形態では、第2部材8を左右の第1部材7の底片71に載置して仮置きできるため、作業性がよい。
【0028】
開閉機6は、駆動側ブラケットに近い側が螺子84によって、第1部材7及び第2部材8に対して固定され、駆動側ブラケットから遠い側が螺子86によって第2部材8に固定される。開閉機6には、螺子84の螺子孔が形成されているが、本実施形態では、第1部材7の孔部710(あるいは孔部720)と開閉機6の螺子孔の間に、第2部材の長孔82が位置するようになっているいることから、長孔82を通して開閉機6上の螺子孔を視認しやすくなっており、作業性が良い。開閉機6が開閉機取付機構に取り付けられた状態において、正面視において、第1部材7の第1垂直片70と第2垂直片72の基端側端縁との間の隙間74には、開閉機6のスプロケット60が位置するようになっている。開閉機6の取付態様(駆動軸構造のスプロケット41と開閉機6のスプロケット60との位置関係及びチェーンCの延びる方向)によっては、チェーンCが隙間74を通って延びるようになっている。
【0029】
開閉機6は、螺子86を用いて第2部材8に仮固定された状態で、左右のブラケット1の面部10に固定された第1部材7に対して取り付けられる。ブラケット1の面部10に対する第1部材7の第1垂直片70の固定位置は決定されているが、螺子84を差し入れる孔は、長孔710ないし長孔720、及び長孔82から形成されているため、これらの長孔を利用することで、第1部材7に対する第2部材8の取付位置が調整可能である(図23参照)。第2部材8の取付位置の調整により開閉機6の取付位置を調整することで、チェーンの張りが調整可能である。
【0030】
[付記]
左右のブラケットの面部に固定された一対の短尺状の第1部材と、
前記一対の第1部材間で支持固定された長尺状の第2部材と、
からなる開閉機取付機構であって、
開閉機は、一方のブラケットに近い側の第1端部と、一方のブラケットから遠い側の第2端部と、を備え、
前記第1部材は取付片を備え、
前記第2部材は取付辺を備え、前記第2部材の前記取付辺の長さ方向両端部は、前記第1部材の前記取付片に当接しており、
前記開閉機の前記第1端部は、前記一方のブラケットの面部に固定された第1部材の前記取付片及び前記第2部材の前記取付辺に固定手段で固定されている、
開閉機取付機構。
1つの態様では、前記第1部材の前記取付片と前記第2部材の前記取付辺には当接状態で一致するように孔部が形成されており、少なくとも一方の孔部は、前記取付辺の長さ方向に直交する方向に延びる長孔である。
1つの態様では、前記開閉機の前記第2端部は、前記第2部材の前記取付辺に固定手段で固定されている。
1つの態様では、前記第2部材の前記取付辺には、前記開閉機の前記第2端部に対応して、前記取付辺の長さ方向に直交する方向に延びる長孔が形成されている。
1つの態様では、前記一方のブラケットの面部には巻取シャフトの駆動軸構造が設けてあり、
前記開閉機のスプロットと、前記駆動軸構造のスプロケットは、チェーンによって連結されており、
前記長孔を利用して前記開閉機の取付位置を調整することで、チェーンの張りが調整可能である。
固定手段には、螺子、リベットが含まれる。
【0031】
[B]第1実施形態
図1図4を参照しつつ、第1実施形態について説明する。第1実施形態において、既存のブラケット1の面部10に形成された既存の軸受け2は、面部10に対して対向状に垂直に立ち上がる第1立ち上がり片20と第2立ち上がり片21と、からなる。第1立ち上がり片20及び第2立ち上がり片21には、対向状に挿通孔が形成されており、この挿通孔が螺子(ボルト)32の挿通孔として機能する。図示の態様では、第1立ち上がり片20と第2立ち上がり片21は、面部10の板材に対して切り起こし形成されており、第1立ち上がり片20は台形状、第2立ち上がり片21は略方形状であり、第1立ち上がり片20の幅寸法は、第2立ち上がり片21の幅寸法よりも大きい。
【0032】
第1実施形態では、図15Bに示す駆動軸組立体3が用いられる。駆動軸組立体3の本体部30の寸法(第1側面300と第2側面301間の寸法)は、軸受け2の第1立ち上がり片20と第2立ち上がり片21との間の寸法と略同じ(僅かに小さい)であり、駆動軸組立体3の本体部30を、一方のブラケット1(駆動側ブラケット)の第1立ち上がり片20と第2立ち上がり片21との間に差し入れた状態で、第1側面300、第2側面301は、対向状の立ち上がり片20、21の面部にそれぞれ当接ないし近接しており、第1立ち上がり片20と第2立ち上がり片21に形成された対向状の挿通孔と、駆動軸組立体3の本体部30に形成された対向状の挿通孔306を一致させて、駆動軸組立体3の本体部30と軸受け2は、対向状の立ち上がり片20、21、第1側面300、第2側面301を貫設する螺子32によって固定される。さらに、駆動軸組立体3において、本体部30の第3側面302及び第4側面303の後端縁には互いに離間する方向に延びる一対の折り曲げ片304、305が形成されており、本体部30は一対の折り曲げ片304、305をブラケット1の面部10に当接させた状態で螺子33で固定されている。
【0033】
駆動側ブラケットに固定された駆動軸組立体3は、ブラケット1の面部10に固定される本体部30と、本体部30から突出する軸部31と、からなり、駆動軸組立体3には、基端側が開放状で中空の筒状回転体4が設けられる。筒状回転体4の本体40の基端側の外周にはスプロケット41が周設されており、本体40の先端側の端面42には、駆動軸組立体3の軸部31を挿通する挿通部43が形成されており、筒状回転体4は、本体40が駆動軸組立体3の本体部30を内装すると共に、軸部31に回転自在に軸支されている。駆動軸組立体3の軸部31において、筒状回転体4の端面42に当接ないし近接するようにワッシャ45が設けられ、ワッシャ45に隣接して溝部313には、C型止め輪46が嵌め込まれている。筒状回転体4の本体40の中空内に駆動軸組立体3の本体部30及び立ち上がり片20、21の部分が隙間を存して位置している。
【0034】
筒状回転体4の先端側の端面42には、2本の係合片44が突設されており、係合片44が巻取シャフト5の駆動側端部の係合受部53に係合することで、筒状回転体4は巻取シャフト5の駆動側端部に連結される。駆動軸組立体3の軸部31は、第1部分310が筒状回転体4を軸支すると共に、第2部分311及び先端部312は、内筒体51の内部空間に挿入されており、先端部312は内筒体51の内周面に当接ないし近接している。筒状回転体4に周設したスプロケット41は、駆動側ブラケットに設けた開閉機6のスプロケット60とチェーンCで伝動連結されており、開閉機6の駆動によって、筒状回転体4及び巻取シャフト5が一体で回転するようになっている。
【0035】
第1実施形態において、開閉機6は、既存のブラケット1の立ち上がり片16、及び、第1アングル材11を利用して、取り付けられる。開閉機6の駆動側ブラケットに近い側が立ち上がり片16を利用して、螺子160で固定され、開閉機6の駆動側ブラケットから遠い側がアングル材11を利用して設けた取付片17を介して、螺子170で固定されている。
【0036】
第1実施形態に係る手動シャッターの左右のブラケットは4本のアングル材11~14によって連結されており、シャッターケース15は、上面部150と、正面部151と、下面部152と、を備え、正面部151と下面部152は側面視L形状の部材として一体形成されている(改修後のシャッターケース15を示す図2参照)。改修時には、正面部151と下面部152は側面視L形状の部材を取り外すことで、左右のブラケット1及び軸受け2を残して、手動シャッターの巻取構造体やシャッターカーテン(複数枚のスラットSからなる)を取り外す。本実施形態に係るシャッターの駆動軸構造の組立方法は、駆動軸組立体3(本体部30と、本体部30から突出する軸部31と、からなる)を用意し、本体部30を、ブラケット1の面部10の軸受け2に固定すること、筒状回転体4(基端側が開放状で先端側に端面を備えた中空の筒状の本体40と、本体40の基端側に周設したスプロケット41と、端面42に形成した挿通部43と、端面42に突設した係合片44と、からなる)を用意し、本体40に駆動軸組立体3の本体部30を内装し、挿通部43を挿通する軸部31によって回転自在に軸支させること、筒状回転体4のスプロケット41を、駆動側ブラケットに固定した開閉機6のスプロケット60とチェーンCで連結すること、筒状回転体4の端面42の係合片44を巻取シャフト5に係合受部53に係合させること、からなる。
【0037】
[付記]
手動式巻取軸の軸受けを備えたブラケットと、
前記軸受けに固定される本体部と、本体部から突出する軸部と、からなる駆動軸組立体と、
スプロケットが周設されている回転体と、
からなり、
前記回転体は、前記本体部を内装すると共に、前記軸部に回転自在に軸支されており、前記回転体は、巻取シャフトの駆動側端部に連結されている、
シャッターの駆動軸構造であり、
前記軸受けは、前記ブラケットの面部から垂直状に突成された一対の対向状の立ち上がり片からなり、
前記本体部は直方体であり、前記対向状の立ち上がり片間に受け入れられた状態で当該軸受けに固定されている。
1つの態様では、前記本体部は対向状の第1側面及び第2側面、対向状の第3側面及び第4側面と、を備えており、前記第1側面、前記第2側面は、前記対向状の立ち上がり片の面部に当接ないし近接しており、前記第1側面、前記第2側面は、前記対向状の立ち上がり片を固定手段(例えば、貫設する螺子)によって固定されている。
1つの態様では、前記本体部の前記第3側面及び前記第4側面の後端縁には互いに離間する方向に延びる一対の折り曲げ片が形成されており、前記本体部は一対の折り曲げ片を前記ブラケットの面部に当接させた状態で固定手段(例えば、螺子やリベット)で固定されている。
【0038】
[C]第2実施形態
図5図8を参照しつつ、第2実施形態について説明する。第2実施形態において、既存のブラケット1の面部10に形成された既存の軸受け2は、面部10から立ち上がるように延びる一対の対向状の垂直片22、22と、面部10から立ち上がるように水平状に延び、一対の垂直片22、22の下端が一体化された底片23と、から側面視コ字形状に形成されている。一対の垂直片22、22の基端側には折り曲げ片24が形成されており、底片23の基端側には折り曲げ片25が形成されており、軸受け2は、折り曲げ片24、25をブラケット1の面部10に当接させた状態で螺子で固定されている。一対の垂直片22、22には対向状に挿通孔が形成されており、この挿通孔が螺子(ボルト)34の挿通孔として機能する。
【0039】
第2実施形態では、図15Aに示す駆動軸組立体3が用いられる。駆動軸組立体3の本体部30の内部空間の寸法は、軸受け2(一対の垂直片22、22、底片23)を内装できる寸法となっており、本体部30を軸受け2に被せた状態において、本体部30の上面(第3側面302の内面)は、軸受け2の一対の垂直片22の上端に当接しており、第1側面300、第2側面301の内面は、一対の垂直片22、22の外面にそれぞれ当接ないし近接しており、軸受け2の一対の垂直片22に形成された対向状の挿通孔と、駆動軸組立体3の本体部30に形成された対向状の挿通孔306を一致させて、駆動軸組立体3の本体部30と軸受け2は、第1側面300、第2側面301、一対の垂直片22、22を貫設する螺子34によって固定される。第2実施形態に係る駆動軸構造では、駆動軸組立体3に巻取シャフト5及びシャッターカーテンの重みが作用し、螺子34を中心に駆動軸組立体3の先端側が下方に傾こうとしても、本体部30の上面(第3側面302の内面)が、軸受け2の一対の垂直片22の上端に当接し、本体部30の下面(第4側面303の内面)の基端側が軸受け2の底片23に当接するので、駆動軸組立体3の傾きが規制される。第3実施形態及び第4実施形態に係る駆動軸構造においても同様の作用効果がある。
【0040】
駆動側ブラケットに固定された駆動軸組立体3は、ブラケット1の面部10に固定される本体部30と、本体部30から突出する軸部31と、からなり、駆動軸組立体3には、基端側が開放状で中空の筒状回転体4が設けられる。筒状回転体4の本体40の基端側にはスプロケット41が周設されており、本体40の先端側の端面42には、駆動軸組立体3の軸部31を挿通する挿通部43が形成されており、筒状回転体4は、本体40が駆動軸組立体3の本体部30を内装すると共に、軸部31に回転自在に軸支されている。駆動軸組立体3の軸部31において、筒状回転体4の端面42に当接ないし近接するようにワッシャ45が設けられ、ワッシャ45に隣接して溝部313には、C型止め輪46が嵌め込まれている。
【0041】
筒状回転体4の先端側の端面42には、2本の係合片44が突設されており、係合片44が巻取シャフト5の駆動側端部の係合受部53に係合することで、筒状回転体4は巻取シャフト5の駆動側端部に連結される。駆動軸組立体3の軸部31は、第1部分310が筒状回転体4を軸支すると共に、第2部分311及び先端部312は、内筒体51の内部空間に挿入されており、先端部312は内筒体51の内周面に当接ないし近接している。筒状回転体4に周設したスプロケット41は、駆動側ブラケットに設けた開閉機6のスプロケット60とチェーンCで伝動連結されており、開閉機6の駆動によって、筒状回転体4及び巻取シャフト5が一体で回転するようになっている。
【0042】
第2実施形態において、開閉機6は、第1部材7と第2部材8とからなる開閉機取付機構を介して駆動側ブラケットに取り付けられる。第1部材7は、第1垂直片70をブラケット1の面部10の所定部位に当接させて螺子73で固定し、第2部材8の第2辺81の長さ方向両端部位を左右の第1部材7の底片71に重ねて載置した状態で、第2部材8の第2辺81の駆動側端部の長孔82と、第1部材7の底片71の孔部710とを一致させて下方から螺子84で連結し、第2部材8の第2辺81の従動側端部を、第1部材7の底片71の孔部710に下方から差し込んだ螺子85で連結する。開閉機6は、駆動側ブラケットに近い側が螺子84によって、第1部材7及び第2部材8に対して固定され、駆動側ブラケットから遠い側が螺子86(図17参照)によって第2部材8の第2辺81に固定される。
【0043】
第2実施形態に係る手動シャッターの左右のブラケットは4本のアングル材11~14によって連結されており、シャッターケース15は、上面部150と、正面部151と、下面部152と、を備えている(改修後のシャッターケース15を示す図6参照)。改修時には、下面部152を取り外すことで、左右のブラケット1及び軸受け2を残して、手動シャッターの巻取構造体やシャッターカーテン(複数枚のスラットSからなる)を取り外す。本実施形態に係るシャッターの駆動軸構造の組立方法は、駆動軸組立体3(本体部30と、本体部30から突出する軸部31と、からなる)を用意し、本体部30を、ブラケット1の面部10の軸受け2に固定すること、筒状回転体4(基端側が開放状で先端側に端面を備えた中空の筒状の本体40と、本体40の基端側に周設したスプロケット41と、端面42に形成した挿通部43と、端面42に突設した係合片44と、からなる)を用意し、本体40に駆動軸組立体3の本体部30を内装し、挿通部43を挿通する軸部31によって回転自在に軸支させること、筒状回転体4のスプロケット41を、駆動側ブラケットに固定した開閉機6のスプロケット60とチェーンCで連結すること、筒状回転体4の端面42の係合片44を巻取シャフト5に係合受部53に係合させること、からなる。
【0044】
[付記]
手動式巻取軸の軸受けを備えたブラケットと、
前記軸受けに固定される本体部と、本体部から突出する軸部と、からなる駆動軸組立体と、
スプロケットが周設されている回転体と、
からなり、
前記回転体は、前記本体部を内装すると共に、前記軸部に回転自在に軸支されており、前記回転体は、巻取シャフトの駆動側端部に連結されている、
シャッターの駆動軸構造であり、
前記軸受けは、一対の対向状の立ち上がり片と、底辺と、から断面視略コ字形状を備えており、
前記本体部は、前記軸部と反対側が開口状の中空の直方体であり、前記軸受けに被せた状態で当該軸受けに固定されている。
1つの態様では、前記本体部の上面は、前記軸受けの前記対向状の立ち上がり片の上端に当接しており、前記本体部の対向状の一対の側面は、前記対向状の立ち上がり片の面部に当接ないし近接しており、前記一対の側面及び前記一対の立ち上がり片を固定手段(例えば、貫設する螺子)によって固定されている。
上記シャッターの駆動軸受構造は、以下に述べる第3実施形態及び第4実施形態における駆動軸受構造でも採用されている点に留意されたい。
【0045】
[D]第3実施形態及び第4実施形態
[D-1]背景
図9~11を参照しつつ、第3実施形態について説明し、図12図14を参照しつつ、第4実施形態について説明する。第3実施形態と第4実施形態は、開閉機6の固定位置が異なる点を除いて、基本的な構成は同じである。第3実施形態では、開閉機6の固定位置は、シャッターカーテンの昇降路であるシャッター芯(ガイドレールG)よりも外側(躯体から離れる側)に位置しており、第4実施形態では、開閉機6の固定位置は、シャッターカーテンの昇降路であるシャッター芯(ガイドレールG)よりも内側(躯体側)に位置している。
【0046】
[D-2]第3実施形態
図9図11を参照しつつ、第3実施形態について説明する。第3実施形態において、既存のブラケット1の面部10に形成された軸受け2は、側面視略U形状部2aからなる。U形状部2aの一対の垂直部22´、22´の基端側には折り曲げ片26、27が形成されており、底部23´の基端側には折り曲げ片28が形成されており、軸受け2は、折り曲げ片26、27、28をブラケット1の面部10に当接させた状態で螺子で固定されている(図22参照)。一対の垂直部22´、22´には、螺子(ボルト)34の挿通孔が形成されている。
【0047】
第3実施形態では、図15Aに示す駆動軸組立体3が用いられる。駆動軸組立体3の本体部30の内部空間の寸法は、軸受け2(一対の垂直部22´、22´、底部23´)を内装できる寸法となっており、本体部30を軸受け2に被せた状態において、本体部30の上面(第3側面302の内面)は、軸受け2の一対の垂直部22´の上端に当接しており、第1側面300、第2側面301の内面は、一対の垂直部22´、22´の外面にそれぞれ当接ないし近接しており、軸受け2の一対の垂直部22´に形成された対向状の挿通孔と、駆動軸組立体3の本体部30に形成された対向状の挿通孔306を一致させて、駆動軸組立体3の本体部30と軸受け2は、第1側面300、第2側面301、一対の垂直部22´、22´を貫設する螺子34によって固定される。
【0048】
駆動側ブラケットに固定された駆動軸組立体3は、ブラケット1の面部10に固定される本体部30と、本体部30から突出する軸部31と、からなり、駆動軸組立体3には、基端側が開放状で中空の筒状回転体4が設けられる。筒状回転体4の本体40の基端側にはスプロケット41が周設されており、本体40の先端側の端面42には、駆動軸組立体3の軸部31を挿通する挿通部43が形成されており、筒状回転体4は、本体40が駆動軸組立体3の本体部30を内装すると共に、軸部31に回転自在に軸支されている。駆動軸組立体3の軸部31において、筒状回転体4の端面42に当接ないし近接するようにワッシャ45が設けられ、ワッシャ45に隣接して溝部313には、C型止め輪46が嵌め込まれている。
【0049】
筒状回転体4の先端側の端面42には、2本の係合片44が突設されており、係合片44が巻取シャフト5の駆動側端部の係合受部53に係合することで、筒状回転体4は巻取シャフト5の駆動側端部に連結される。駆動軸組立体3の軸部31は、第1部分310が筒状回転体4を軸支すると共に、第2部分311及び先端部312は、内筒体51の内部空間に挿入されており、先端部312は内筒体51の内周面に当接ないし近接している。筒状回転体4に周設したスプロケット41は、駆動側ブラケットに設けた開閉機6のスプロケット60とチェーンCで伝動連結されており、開閉機6の駆動によって、筒状回転体4及び巻取シャフト5が一体で回転するようになっている。
【0050】
第3実施形態において、開閉機6は、第1部材7と第2部材8とからなる開閉機取付機構を介して駆動側ブラケットの面部10の所定部位(躯体から持ち出されたブラケット1の前端側)に取り付けられる。第1部材7は、側面視において、底片71の前端(躯体から離間する側)から第2垂直片72が立ち上がっており、第2部材8は、側面視において、水平状の第1辺80の後端(躯体に近い側)から第2辺81が垂直に立ち上がっている(図10参照)。第1部材7は、第1垂直片70をブラケット1の面部10の所定部位に当接させて螺子73で固定し、第2部材8の第1辺80の長さ方向両端部位を左右の第1部材7の底片71に重ねて載置した状態で、第2部材8の第1辺80の駆動側端部の長孔82と、第1部材7の底片71の孔部710とを一致させて下方から螺子84で連結し、第2部材8の第1辺80の従動側端部を、第1部材7の底片71の孔部710に下方から差し込んだ螺子85で連結する。開閉機6は、駆動側ブラケットに近い側が螺子84によって、第1部材7及び第2部材8に対して固定され、駆動側ブラケットから遠い側が螺子86(図17参照)によって第2部材8に固定される。第3実施形態における第1部材7の取付位置の決定については後述する。
【0051】
第3実施形態に係る手動シャッターの左右のブラケットは4本のアングル材11~14によって連結されており、シャッターケース15は、上面部150と、正面部151と、下面部152と、を備えている(改修後のシャッターケース15を示す図10参照)。改修時には、下面部152を取り外すことで、左右のブラケット1及び軸受け2を残して、手動シャッターの巻取構造体やシャッターカーテン(複数枚のスラットSからなる)を取り外す。本実施形態に係るシャッターの駆動軸構造の組立方法は、駆動軸組立体3(本体部30と、本体部30から突出する軸部31と、からなる)を用意し、本体部30を、ブラケット1の面部10の軸受け2に固定すること、筒状回転体4(基端側が開放状で先端側に端面を備えた中空の筒状の本体40と、本体40の基端側に周設したスプロケット41と、端面42に形成した挿通部43と、端面42に突設した係合片44と、からなる)を用意し、本体40に駆動軸組立体3の本体部30を内装し、挿通部43を挿通する軸部31によって回転自在に軸支させること、筒状回転体4のスプロケット41を、駆動側ブラケットに固定した開閉機6のスプロケット60とチェーンCで連結すること、筒状回転体4の端面42の係合片44を巻取シャフト5に係合受部53に係合させること、からなる。
【0052】
[D-3]第4実施形態
図12図14を参照しつつ、第4実施形態について説明する。第4実施形態において、既存のブラケット1の面部10に形成された軸受け2は、側面視略U形状部2aからなる。U形状部2aの一対の垂直部22´、22´の基端側には折り曲げ片26、27が形成されており、底部23´の基端側には折り曲げ片28が形成されており、軸受け2は、折り曲げ片26、27、28をブラケット1の面部10に当接させた状態で螺子で固定されている(図22参照)。一対の垂直部22´、22´には、螺子(ボルト)34の挿通孔が形成されている。
【0053】
第4実施形態では、図15Aに示す駆動軸組立体3が用いられる。駆動軸組立体3の本体部30の内部空間の寸法は、軸受け2(一対の垂直部22´、22´、底部23´)を内装できる寸法となっており、本体部30を軸受け2に被せた状態において、本体部30の上面(第3側面302の内面)は、軸受け2の一対の垂直部22´の上端に当接しており、第1側面300、第2側面301の内面は、一対の垂直部22´、22´の外面にそれぞれ当接ないし近接しており、軸受け2の一対の垂直部22´に形成された対向状の挿通孔と、駆動軸組立体3の本体部30に形成された対向状の挿通孔306を一致させて、駆動軸組立体3の本体部30と軸受け2は、第1側面300、第2側面301、一対の垂直部22´、22´を貫設する螺子34によって固定される。
【0054】
駆動側ブラケットに固定された駆動軸組立体3は、ブラケット1の面部10に固定される本体部30と、本体部30から突出する軸部31と、からなり、駆動軸組立体3には、基端側が開放状で中空の筒状回転体4が設けられる。筒状回転体4の本体40の基端側にはスプロケット41が周設されており、本体40の先端側の端面42には、駆動軸組立体3の軸部31を挿通する挿通部43が形成されており、筒状回転体4は、本体40が駆動軸組立体3の本体部30を内装すると共に、軸部31に回転自在に軸支されている。駆動軸組立体3の軸部31において、筒状回転体4の端面42に当接ないし近接するようにワッシャ45が設けられ、ワッシャ45に隣接して溝部313には、C型止め輪46が嵌め込まれている。
【0055】
筒状回転体4の先端側の端面42には、2本の係合片44が突設されており、係合片44が巻取シャフト5の駆動側端部の係合受部53に係合することで、筒状回転体4は巻取シャフト5の駆動側端部に連結される。駆動軸組立体3の軸部31は、第1部分310が筒状回転体4を軸支すると共に、第2部分311及び先端部312は、内筒体51の内部空間に挿入されており、先端部312は内筒体51の内周面に当接ないし近接している。筒状回転体4に周設したスプロケット41は、駆動側ブラケットに設けた開閉機6のスプロケット60とチェーンCで伝動連結されており、開閉機6の駆動によって、筒状回転体4及び巻取シャフト5が一体で回転するようになっている。
【0056】
第4実施形態において、開閉機6は、第1部材7と第2部材8とからなる開閉機取付機構を介して駆動側ブラケットの面部10の所定部位(躯体から持ち出されたブラケット1の基端側)に取り付けられる。第1部材7は、側面視において、底片71の前端(躯体から遠い側)から第2垂直片72が立ち上がっており、第2部材8は、側面視において、水平状の第2辺81の前端(躯体から遠い側)から第1辺80が垂直に立ち上がっている(図13参照)。第1部材7は、第1垂直片70をブラケット1の面部10の所定部位に当接させて螺子73で固定し、第2部材8の第2辺81の長さ方向両端部位を左右の第1部材7の第2垂直片72に重ねて当接させた状態で、第2部材8の第1辺80の駆動側端部の長孔82と、第1部材7の第2垂直片72の孔部720とを一致させて正面から螺子84で連結し、第2部材8の第1辺80の従動側端部を、第1部材7の第2垂直片72の孔部720に正面から差し込んだ螺子85で連結する。開閉機6は、駆動側ブラケットに近い側が螺子84によって、第1部材7及び第2部材8に対して固定され、駆動側ブラケットから遠い側が螺子86(図17参照)によって第2部材8に固定される。第4実施形態における第1部材7の取付位置の決定については後述する。
【0057】
第4実施形態に係る手動シャッターの左右のブラケットは4本のアングル材11~14によって連結されており、シャッターケース15は、上面部150と、正面部151と、下面部152と、を備えている(改修後のシャッターケース15を示す図13参照)。改修時には、下面部152を取り外すことで、左右のブラケット1及び軸受け2を残して、手動シャッターの巻取構造体やシャッターカーテン(複数枚のスラットSからなる)を取り外す。本実施形態に係るシャッターの駆動軸構造の組立方法は、駆動軸組立体3(本体部30と、本体部30から突出する軸部31と、からなる)を用意し、本体部30を、ブラケット1の面部10の軸受け2に固定すること、筒状回転体4(基端側が開放状で先端側に端面を備えた中空の筒状の本体40と、本体40の基端側に周設したスプロケット41と、端面42に形成した挿通部43と、端面42に突設した係合片44と、からなる)を用意し、本体40に駆動軸組立体3の本体部30を内装し、挿通部43を挿通する軸部31によって回転自在に軸支させること、筒状回転体4のスプロケット41を、駆動側ブラケットに固定した開閉機6のスプロケット60とチェーンCで連結すること、筒状回転体4の端面42の係合片44を巻取シャフト5に係合受部53に係合させること、からなる。第4実施形態において、チェーンCは、第2垂直片72の基端側端縁と第1垂直片70との間の隙間74を通って延びている。
【0058】
[D-4]位置決め治具
手動シャッターを開閉機6を用いて電動化する場合に、筒状回転体4のスプロケット41と、開閉機6の出力軸(スプロケット60)の軸間を正確な距離で取り付ける必要があり、本実施形態において、開閉機6の取付位置は、第1部材7の取付位置によって決定されることから、第1部材7を正確に取り付けることが重要である。本実施形態では、第1部材7は5本の螺子73でブラケット1の面部10に取り付けられる。第1部材7をブラケット1の面部10に取り付けるためには、螺子73を固定するための螺子孔をブラケット1の面部10に形成する必要がある。既設の手動シャッターのブラケット1の面部10には孔加工は施されていないため、現場での位置出しが困難である。また、開閉機6の納まりによっては、シャッターケース15内のスペースの都合上、開閉機6をシャッターカーテンの内側に納めるタイプと、外側に納めるタイプがあり、それぞれの場合において、第1部材7の正確な位置出しが必要である。
【0059】
本実施形態では、位置決め治具9を用いて、第1部材7の取付位置を決定する。三角形の頂点を形成し得る複数(例えば3つ)の孔の位置を決定することで、全ての孔の位置(第1部材7の第1垂直片70の取付位置)を決定できることから、本実施形態では、3つの孔の位置を決定するための位置決め治具9が用いられる。
【0060】
位置決め治具9は、横長方形状のプレートの幅方向の両端部位を所定形状に切り欠いて形成された縁部に当接部90、91が形成されており、プレートの面部には、当接部90から離間した部位に3つの孔からなる位置決め部92が形成されており、当接部91から離間した部位に3つの孔からなる位置決め部93が形成されている。本実施形態において、被当接部は、軸受け2の左右の折り曲げ片26、27、下側の折り曲げ片28の縁部であり、位置決め治具9の当接部90、91を軸受け2の部分に当接させることで、位置決め部92、位置決め部93の3つの孔の位置を決定する。
【0061】
本実施形態に係る位置決め治具9は、第1当接部90と第1位置決め部92からなる第1位置決めセットと、第2当接部91と第2位置決め部93からなる第2位置決めセットと、を備えている。第1当接部90と第2位置決め部93は、位置決め治具9の第1側(図21の態様では右側)に位置しており、第2当接部91と第1位置決め部92は、前記位置決め治具の第2側(図21の態様では左側)に位置している。また、位置決め治具9は、位置合わせ時に、位置決め治具9の向きを決定する印としての傾斜辺94を備えている。
【0062】
位置決め治具9は、当接部90をブラケット1の面部10に固定された被当接部としての軸受け2の部分に当接させることで、ブラケット1の面部10における位置決め治具9の姿勢及び位置が決定されて位置決め姿勢となり、位置決め部92によって、ブラケット1の面部10上の3つの取付孔位置が決定される。位置決め治具9は、当接部91をブラケット1の面部10に固定された被当接部としての軸受け2の部分に当接させることで、ブラケット1の面部10における位置決め治具9の姿勢及び位置が決定されて位置決め姿勢となり、位置決め部93によって、ブラケット1の面部10上の3つの取付孔位置が決定される。
【0063】
当接部90は、被当接部に当接する複数の辺を備えている。当接部90は、第1垂直辺900と、第1垂直辺900の下端から水平に延びる第1水平辺901と、第1水平辺901から垂下する第2垂直辺902と、第2垂直辺902の下端から水平に延びる第2水平辺903と、からなる。図22上図に示すように、位置決め治具9は、当接部90の第1垂直辺900を、軸受け2の第1折り曲げ片26の垂直縁に当接させ、第1水平辺901を、軸受け2の第1折り曲げ片26の水平の下縁に当接させ、第2垂直辺902を、第3折り曲げ片28の垂直の側縁に当接させ、第2水平辺903を、第3折り曲げ片28の水平の下縁に当接させることで、位置決め姿勢が決定され、位置決め部92の3つの孔からブラケット1の面部10にマークを付けることで、螺子孔を形成する位置を決定する。
【0064】
当接部91は、被当接部に当接する複数の辺を備えている。当接部91は、第1垂直辺910と、第1垂直辺910の下端から水平に延びる第1水平辺911と、第1水平辺911から垂下する第2垂直辺912と、第2垂直辺912の下端から水平に延びる第2水平辺913と、からなる。図22下図に示すように、位置決め治具9は、当接部91の第1垂直辺910を、軸受け2の第2折り曲げ片27の垂直縁に当接させ、第1水平辺911を、軸受け2の第2折り曲げ片27の水平の下縁に当接させ、第2垂直辺912を、第3折り曲げ片28の垂直の側縁に当接させ、第2水平辺913を、第3折り曲げ片28の水平の下縁に当接させることで、位置決め姿勢が決定され、位置決め部93の3つの孔からブラケット1の面部10にマークを付けることで、螺子孔を形成する位置を決定する。
【0065】
[付記]
左右のブラケットの面部の所定部位に固定された第1部材間に長尺状の第2部材を支持させて開閉機取付機構が構成されており、
前記第1部材は、ブラケット面部に当接状態で固定された第1垂直片と、第1垂直片の下端から水平に延びる底片と、底片の幅方向一端から垂直に立ち上がる第2垂直片と、からなり、前記第1部材の前記底片及び前記第2垂直片には、開閉機固定用の孔部が形成されており、前記底片と前記第2垂直片は選択的に開閉機の取付片となり、
前記第2部材の長さ方向一端側には、開閉機固定用の孔部が形成されており、前記開閉機固定用孔部を前記選択された取付片の前記開閉機固定用孔部と一致させた状態として、開閉機の一端側を固定手段で固定してなる、
開閉機取付機構。
1つの態様では、前記第2部材は、第1辺と第2辺とから断面視L形状を備えており、前記第1辺の長さ方向一端側には開閉機固定用孔部が形成されており、前記第2部材は、前記第1辺を選択的に水平辺ないし垂直辺として取付辺とすることで、当該取付辺の前記開閉機固定用孔部を前記選択された取付片の前記開閉機固定用孔部と一致させた状態として、開閉機の一端側を固定手段で固定してなる。
1つの態様では、前記底片が取付片として選択されて開閉機が取り付けられる場合には、前記第2部材の前記第1辺が水平辺として前記底片の下面に当接した状態で、下方から固定手段で固定される。
1つの態様では、前記第2垂直片が取付片として選択されて開閉機が取り付けられた場合には、前記第2部材の前記第1辺が垂直辺として前記第2垂直片の外面に当接した状態で、前方から固定手段で固定される。
1つの態様では、前記第2垂直片の基端側端縁と前記第1垂直片とは離間しており、正面視において隙間が形成されている。
固定手段には、螺子、リベットが含まれる。
【0066】
[付記]
ブラケットの面部に開閉機取付台の取付孔位置を決定する位置決め治具であって、
ブラケットの面部に固定された要素あるいはブラケットの部分である被当接部に当接する当接部と、
取付孔の位置決め部と、
を備え、
前記当接部が前記被当接部に当接した状態で当該位置決め治具の姿勢が決定されて位置決め姿勢となり、前記位置決め部によって、前記ブラケットの面部上の取付孔位置が決定される、
位置決め治具。
1つの態様では、開閉機は左右のブラケットに固定される左右の第1部材と、第1部材間に取り付けられた第2部材と、からなり、前記開閉機取付台は、一方のブラケット(駆動側ブラケット)に固定される第1部材である。
1つの態様では、前記位置決め治具はプレートである。
1つの態様では、前記当接部は、前記被当接部に当接する複数の辺を備えている。
1つの態様では、前記被当接部は、前記ブラケットの面部に固定された軸受けである。
1つの態様では、前記位置決め部は、複数の孔である。
1つの態様では、前記位置決め治具は、第1当接部と第1位置決め部からなる第1位置決めセットと、第2当接部と第2位置決め部からなる第2位置決めセットと、からなる。
1つの態様では、前記第1当接部と前記第2位置決め部は、前記位置決め治具の第1側に位置しており、
前記第2当接部と前記第1位置決め部は、前記位置決め治具の第2側に位置している。
1つの態様では、前記位置決め治具は、位置合わせ時に、当該位置決め治具の向きを決定する印を備えている。
【符号の説明】
【0067】
1 ブラケット
2 軸受け
20 第1立ち上がり片
21 第2立ち上がり片
22 垂直片(立ち上がり片)
23 底片
22´ 垂直部(立ち上がり片)
23´ 底部
3 駆動軸組立体
30 本体部
300 第1側面
301 第2側面
302 第3側面
303 第4側面
304、305 折り曲げ片
306 挿通孔
31 軸部
310 第1部分
311 第2部分
312 先端部
4 筒状回転体(回転体)
40 本体
41 スプロケット
42 端面
43 挿通部
44 係合片
5 巻取シャフト
53 係合受部
6 開閉機
60 スプロケット
7 第1部材
70 第1垂直片
71 底片(取付片)
710 開閉機固定用の孔部
72 第2垂直片(取付片)
720 開閉機固定用の孔部
74 隙間
8 第2部材
80 第1辺(取付辺)
81 第2辺(取付辺)
82 開閉機固定用の孔部
83 開閉機固定用の孔部
9 位置決め治具
90、91 当接部
92、93 位置決め部(3つの孔)
94 傾斜辺(印)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23