(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174331
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】キャンピングトレーラー
(51)【国際特許分類】
B60P 3/35 20060101AFI20241210BHJP
B62D 33/04 20060101ALI20241210BHJP
B60P 3/345 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B60P3/35
B62D33/04 F
B60P3/345
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092091
(22)【出願日】2023-06-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】597116252
【氏名又は名称】村山 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】村山 哲夫
(57)【要約】 (修正有)
【課題】開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーの提供を図る。
【解決手段】本発明のキャンピングトレーラー10は、センターキャビン11の車体フレーム22内に設けられるスライド移動手段15にフロントキャビン16の車体フレーム22内に設けられる第一のスライド移動手段18とリアキャビン21の車体フレーム22内に設けられる第二のスライド移動手段23を連結させ、センターキャビン11を中間においてフロントキャビン16とリアキャビン21を前後両方向に夫々スライド移動させると共に、該連結部を幌シートユニット26ならびに蛇腹シートユニットによってトンネル状に架設して連結されている手段を採る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーであって、
前記キャンピングトレーラーは、センターキャビンと、フロントキャビンと、リアキャビンと、幌シートユニットと、から構成されて成り、
前記センターキャビンは、中空のボックス状の車両ボディの前方と後方が全面的に開口され、該車両ボディの両側面には開閉ドアを備え、下方部の車体フレームの両側には走行車輪が備えられ、該車体フレーム内には第一のスライド移動手段と第二のスライド移動手段が受け入れられるスライド移動手段を備えて成り、
前記フロントキャビンは、トレーラー全体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成されると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第一のスライド移動手段を備え、前面部には引き出し取っ手を備え、前面下方部には連結牽引装置と、スライド移動補助輪を設けて成り、
前記リアキャビンは、トレーラー本体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成すると共に後面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第二のスライド移動手段を備え、後面部には引き出し取っ手を備え、後面下方部にはスライド移動補助輪を設けて成り、
前記幌シートユニットは、幌シート補強フレームと、幌シートと、から構成され、前記幌シート補強フレームは、所定の長さを有して両端が鍵状に加工されたアングル鋼を前記センターキャビン側の前後の開口部と、前記センターキャビンと前記リアキャビンの開口部に開けられた掛止穴に落とし込まれる着脱自在の形状に形成されることで、走行時は取り外して車内に束ねて格納することができると共に、キャンプ時はフロントキャビンならびにリアキャビンの夫々の天井部に少なくても三か所以上設けることにより前記センターキャビンと、前記フロントキャビンと前記リアキャビンとの間隔を固定した状態を維持し、さらに両端に幌留め穴を設けた一枚の矩形の幌シートによって前記センターキャビン側の開口部と、前記フロントキャビン側の開口部ならびに前記リアキャビン側の開口部を前後夫々にトンネル状に架設して連結されていることを特徴とするキャンピングトレーラー。
【請求項2】
開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーであって、
前記キャンピングトレーラーは、センターキャビンと、フロントキャビンと、リアキャビンと、蛇腹シートユニットと、から構成されて成り、
前記センターキャビンは、中空のボックス状の車両ボディの前方と後方が全面的に開口され、該車両ボディ両側面には開閉ドアを備え、下方部の車体フレームの両側には走行車輪が備えられ、該車体フレーム内には第一のスライド移動手段と第二のスライド移動手段が受け入れられるスライド移動手段を備えて成り、
前記フロントキャビンは、トレーラー全体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成されると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第一のスライド移動手段を備え、前面部には引き出し取っ手を備え、前面下方部には連結牽引装置と、スライド移動補助輪を設けて成り、
前記リアキャビンは、トレーラー本体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成すると共に後面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第二のスライド移動手段を備え、後面部には引き出し取っ手を備え、後面下方部にはスライド移動補助輪を設けて成り、
前記蛇腹シートユニットは、トンネル状の蛇腹シート補強骨子と、蛇腹シートと、から構成され、前記センターキャビン側の開口部と、前記フロントキャビン側の開口部ならびに前記リアキャビン側の開口部を前後夫々にトンネル状に架設して連結されていることを特徴とするキャンピングトレーラー。
【請求項3】
開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーであって、
前記キャンピングトレーラーは、センターキャビンと、フロントキャビンと、リアキャビンと、幌シートユニットならびに蛇腹シートユニットと、から構成されて成り、
前記センターキャビンは、中空のボックス状の車両ボディの前方と後方が全面的に開口され、該車両ボディの両側面には開閉ドアを備え、下方部の車体フレームの両側には走行車輪が備えられ、該車体フレーム内には第一のスライド移動手段と第二のスライド移動手段が受け入れられるスライド移動手段を備えて成り、
前記フロントキャビンは、トレーラー全体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成されると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第一のスライド移動手段を備え、前面部には引き出し取っ手を備え、前面下方部には連結牽引装置と、スライド移動補助輪を設けて成り、
前記リアキャビンは、トレーラー本体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成すると共に後面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第二のスライド移動手段を備え、後面部には引き出し取っ手を備え、後面下方部にはスライド移動補助輪を設けて成り、
前記幌シートユニットは、幌シート補強フレームと、幌シートと、から構成され、前記幌シート補強フレームは、所定の長さを有して両端が鍵状に加工されたアングル鋼を前記センターキャビン側の前後の開口部と、前記フロントキャビンと前記リアキャビンまたは開口部に開けられた掛止穴に落とし込まれる着脱自在の形状に形成されることで、走行時は取り外して車内に束ねて格納することができると共に、キャンプ時はフロントキャビンならびにリアキャビンの夫々の天井部に少なくても三か所以上設けることにより前記センターキャビンと、前記フロントキャビンと前記リアキャビンとの間隔を固定した状態を維持し、さらに両端に幌留め穴を設けた一枚の矩形の幌シートによって前記センターキャビン側の開口部と、前記フロントキャビン側の開口部あるいは前記リアキャビン側の開口部の何れか一方をトンネル状に架設して連結されていると共に、
前記蛇腹シートユニットは、トンネル状の蛇腹シート補強骨子と、蛇腹シートと、から構成され、前記センターキャビン側の開口部と、前記フロントキャビン側の開口部あるいは前記リアキャビン側の開口部のうち前記幌シートユニットが架設されていない一方をトンネル状に架設して連結されていることを特徴とするキャンピングトレーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるキャンピングトレーラーは、走行中に乗車することができないという運行条件の規制はあるが、その特徴的な構造としては「牽引車とトレーラーが連結器でつながっている」ということに尽きる。つまり、牽引車とトレーラーを切り離してしまえば、牽引車(自家用車)だけで何処へでも自由気ままに単独行動することができるものである。
従って、従来における自走式の大型キャンピングトレーラーとは異なり旅先での小回りが利くので、現地での観光や買い物などが容易くできることによって、旅行の自由度ならびに満喫度が格段と高まると共に、トレーラー内の座席の形状や配置を自由にレイアウトすることができ、さらに、車体の大きさや内装仕様においてもユーザー嗜好を多様に反映させることができることから、近年におけるドライブ宿泊旅行の交通手段の一つとしてその需要が益々増加している。
【0003】
そのような多様なユーザー嗜好を反映して多種多様のキャンピングトレーラーが開発されている。
例えば、前側壁と底壁からなる貨車本体前半部を、後側壁と底壁とからなる貨車本体後半部上に挿嵌載置して貨車本体を構成し、この貨車本体の前部に牽引連結具を、後側壁に出入口を、下部に車輪を夫々設けるともに、両側面部及びその天井部にわたって蛇腹状の幌を伸縮可能に張設し、この貨物本体を伸縮装置で前後に伸縮可能に構成した「伸縮自在貨車」(特許文献-1)が提案されている。
【0004】
また、運転室と荷物室が一体に形成され、荷物室の後端が開口した車体、 前記車体の後端から後方へ伸張される伸張部、前記伸張部の後端に設けられ、前記伸張部によって前方に移動したとき前記車体の開口を閉鎖するよう前記車体に装着されるリアユニット、前記伸張部及び前記リアユニットを所定位置に保持する支持手段を具備することを特徴とする「後部伸張機能付き自動車」(特許文献-2)が提案されている。
【0005】
しかしながら、係る「伸縮自在貨車」ならびに「後部伸張機能付き自動車」の提案のいずれも車両の前方または後方の一方向(前後両方向ではない)に蛇腹状の幌シートを伸縮させて車内空間の拡張を図る提案となっているもので、本願発明のような開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーではなかった。
【0006】
本出願人は、上記の問題点を鑑みてなされたもので、従来のこれまでに普及している大型且つ豪華装備の高価格帯のキャンピングトレーラーと比べて、コンパクトであると共に車内空間の拡張がより一層に図れるキャンピングトレーラーの提供ができないものかという構想の下、開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーを開発し、本発明における「キャンピングトレーラー」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭49-27941号公報
【特許文献2】特開平9-123825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記問題点を鑑みてなされるもので、開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーの提供を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明におけるキャンピングトレーラーは、開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーであって、前記キャンピングトレーラーは、センターキャビンと、フロントキャビンと、リアキャビンと、幌シートユニットと、から構成されて成り、前記センターキャビンは、中空のボックス状の車両ボディの前方と後方が全面的に開口され、該車両ボディの両側面には開閉ドアを備え、下方部の車体フレームの両側には走行車輪が備えられ、該車体フレーム内には第一のスライド移動手段と第二のスライド移動手段が受け入れられるスライド移動手段を備えて成り、前記フロントキャビンは、トレーラー全体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成されると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第一のスライド移動手段を備え、前面部には引き出し取っ手を備え、前面下方部には連結牽引装置と、スライド移動補助輪を設けて成り、前記リアキャビンは、トレーラー本体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成すると共に後面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第二のスライド移動手段を備え、後面部には引き出し取っ手を備え、後面下方部にはスライド移動補助輪を設けて成り、前記幌シートユニットは、幌シート補強フレームと、幌シートと、から構成され、前記幌シート補強フレームは、所定の長さを有して両端が鍵状に加工されたアングル鋼を前記センターキャビン側の前後の開口部と、前記センターキャビンと前記リアキャビンの開口部に開けられた掛止穴に落とし込まれる着脱自在の形状に形成されることで、走行時は取り外して車内に束ねて格納することができると共に、キャンプ時はフロントキャビンならびにリアキャビンの夫々の天井部に少なくても三か所以上設けることにより前記センターキャビンと、前記フロントキャビンと前記リアキャビンとの間隔を固定した状態を維持し、さらに両端に幌留め穴を設けた一枚の矩形の幌シートによって前記センターキャビン側の開口部と、前記フロントキャビン側の開口部ならびに前記リアキャビン側の開口部を前後夫々にトンネル状に架設して連結されている手段を採る。
【0010】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーは、開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーであって、前記キャンピングトレーラーは、センターキャビンと、フロントキャビンと、リアキャビンと、蛇腹シートユニットと、から構成されて成り、前記センターキャビンは、中空のボックス状の車両ボディの前方と後方が全面的に開口され、該車両ボディ両側面には開閉ドアを備え、下方部の車体フレームの両側には走行車輪が備えられ、該車体フレーム内には第一のスライド移動手段と第二のスライド移動手段が受け入れられるスライド移動手段を備えて成り、前記フロントキャビンは、トレーラー全体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成されると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第一のスライド移動手段を備え、前面部には引き出し取っ手を備え、前面下方部には連結牽引装置と、スライド移動補助輪を設けて成り、前記リアキャビンは、トレーラー本体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成すると共に後面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第二のスライド移動手段を備え、後面部には引き出し取っ手を備え、後面下方部にはスライド移動補助輪を設けて成り、前記蛇腹シートユニットは、トンネル状の蛇腹シート補強骨子と、蛇腹シートと、から構成され、前記センターキャビン側の開口部と、前記フロントキャビン側の開口部ならびに前記リアキャビン側の開口部を前後夫々にトンネル状に架設して連結されている手段を採る。
【0011】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーは、開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンを前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れるキャンピングトレーラーであって、前記キャンピングトレーラーは、センターキャビンと、フロントキャビンと、リアキャビンと、幌シートユニットならびに蛇腹シートユニットと、から構成されて成り、前記センターキャビンは、中空のボックス状の車両ボディの前方と後方が全面的に開口され、該車両ボディの両側面には開閉ドアを備え、下方部の車体フレームの両側には走行車輪が備えられ、該車体フレーム内には第一のスライド移動手段と第二のスライド移動手段が受け入れられるスライド移動手段を備えて成り、前記フロントキャビンは、トレーラー全体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成されると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第一のスライド移動手段を備え、前面部には引き出し取っ手を備え、前面下方部には連結牽引装置と、スライド移動補助輪を設けて成り、前記リアキャビンは、トレーラー本体の全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成すると共に後面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム内には第二のスライド移動手段を備え、後面部には引き出し取っ手を備え、後面下方部にはスライド移動補助輪を設けて成り、前記幌シートユニットは、幌シート補強フレームと、幌シートと、から構成され、前記幌シート補強フレームは、所定の長さを有して両端が鍵状に加工されたアングル鋼を前記センターキャビン側の前後の開口部と、前記フロントキャビンと前記リアキャビンまたは開口部に開けられた掛止穴に落とし込まれる着脱自在の形状に形成されることで、走行時は取り外して車内に束ねて格納することができると共に、キャンプ時はフロントキャビンならびにリアキャビンの夫々の天井部に少なくても三か所以上設けることにより前記センターキャビンと、前記フロントキャビンと前記リアキャビンとの間隔を固定した状態を維持し、さらに両端に幌留め穴を設けた一枚の矩形の幌シートによって前記センターキャビン側の開口部と、前記フロントキャビン側の開口部あるいは前記リアキャビン側の開口部の何れか一方をトンネル状に架設して連結されていると共に、前記蛇腹シートユニットは、トンネル状の蛇腹シート補強骨子と、蛇腹シートと、から構成され、前記センターキャビン側の開口部と、前記フロントキャビン側の開口部あるいは前記リアキャビン側の開口部のうち前記幌シートユニットが架設されていない一方をトンネル状に架設して連結されている手段を採る。
【発明の効果】
【0012】
本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、開閉ドアと走行車輪を備えるセンターキャビンの前後にフロントキャビンとリアキャビンを連結させ、該フロントキャビンとリアキャビンが前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間の拡張が図れる、といった優れた効果を奏する。
【0013】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、センターキャビンのベース車両に中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等のユースドカーを利用することで従来にない極めて低価格帯のキャンピングトレーラーの提供ができる、といった優れた効果を奏する。
【0014】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、ベース車両に中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等の車両価値が下がったユースドカーを利用することでスクラップ処理される車両資源の有効活用が図られる、といった優れた効果を奏する。
【0015】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、センターキャビンが既存の車メーカーの車装デザイン(車体設計)を流用するため、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れたキャンピングトレーラーの提供ができる、といった優れた効果を奏する。
【0016】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、センターキャビンにおいて既存のユースドカーの一部を加工して製造することもできることから、従来のハンドメイド製造のキャンピングトレーラーと比して製作コストならびに製作日数及び製作工程が大幅に低減される、といった優れた効果を奏する。
【0017】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、センターキャビンの製造時において、車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、室内灯、ナンバープレート照明灯、ハザードランプ、バッテリー、施錠キー、オートドアロック装置、ドアガラス昇降装置、盗難防止警告装置、ラジオ、シュガーライター等は、既存のユースドカーに備えられている装置を流用して再利用することができることから、防犯性ならびに利便性に優れたキャンピングトレーラーが提供できる、といった優れた効果を奏する。
【0018】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、既存のユースドカーの窓ガラス部に遮蔽フィルムを貼付することによって、完全なプライバシー空間の確保ができる、といった優れた効果を奏する。
【0019】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、自宅での駐車時においては、牽引車から容易に切り離して保管できることから、子供の勉強部屋としてや秘密基地として使用することができると共に、大人の利用時においては、趣味の部屋(映画・音楽鑑賞、読書、ゲーム、囲碁、将棋、麻雀、絵画、楽器演奏など)、書斎、テレワークルーム、リラックスルームとして利用することができる、といった優れた効果を奏する。
【0020】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、牽引車は日常時においては通勤や買い物などの普通乗用車として利用できると共に、行楽先においてはトレーラーハウスを切り離して普段乗り馴れている乗用車として利用することができることで、疲労運転がなくなり行楽先での観光や買い物などの行動範囲が広くとれる、といった優れた効果を奏する。
【0021】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、車内の床面が全面フラットに開放されているため、使用目的(ベッド、ソファ、自転車、バイク、テント、サーフィン、パラグライダー、スキューバダイビング、登山用品、スポーツ用品、キャンプ用品、寝具等を収納する)に合った空間スペースを提供することができる、といった優れた効果を奏する。
【0022】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、センターキャビンが低価格であることからキキャンピングユーザーの購買意欲を増すことができると同時に、事前に生産しておける在庫展示販売が可能になる、といった優れた効果を奏する。
【0023】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、基本的にトレーラーハウス単体で販売されるため、購入ユーザーは個人の嗜好や、購入予算に合わせて従来にない個性的且つ低価格帯のキャンピングトレーラーを販売することができる、といった優れた効果を奏する。
【0024】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、トレーラーハウスの大きさが軽バンタイプからワンボックスタイプの比較的コンパクトな小型車両で形成されていることによって、駐車スペースを広くとらないことや、牽引運行長さが従来のキャンピングトレーラーと比して短いことから女性や運転経験の浅いドライバーでも容易に運転することができる、といった優れた効果を奏する。
【0025】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、従来のセキャンピングトレーラーは大家族を対象として室内が豪華且つ大型に仕上げられているのが主流であったが、本発明におけるキャンピングトレーラーは、どちらかといえば少人数(夫婦や恋人同士や趣味仲間)ならびに趣味を追求するソロキャンプ者(車中泊独身者)等をターゲットとしたコンパクト設計のキャンピングトレーラーであることから、従来のキャンピングトレーラーのファミリー的な需要層とは異なった新たな需要層の掘り起こしができる、といった優れた効果を奏する。
【0026】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、フロントキャビンならびにリアキャビンの素材がFP、鉄板、アルミ板、合成樹脂材等を使用していることによって、形状デザインをユーザーの嗜好や年式に合わせて多様且つ斬新なカーデザインを要して提供することができる、といった優れた効果を奏する。
【0027】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、幌シート補強フレームが少なくても三か所以上架設され、さらに幌シートの材質、形状、枚数、取付具等において当業者が容易に行える設計事項を付加することや使用方法を変更することで下記に示すような従来にない幌シートの有効活用ができるものである。
(1)本願発明のキャンピングトレーラーの
図2の設置状態において幌カバーを天井に跳ね上げて折り畳んだ状態にすることで、開放的な雨除けならびに日除け付きのテラスデッキ仕様とすることができる。
(2)幌シート補強フレームの一端にカーテンレールを取り付けることによって、遮光・安眠カーテン、虫除けカーテン、風除けカーテン、透明カーテン、着替え用カーテンなど使用用途に合わせた多様なカーテンを取り付けることができると共に、側方からの出入りも自由にできる。
(3)幌シートが、一枚の矩形のシートで形成されていることによって、製品自体が安価に制作することができると共にデザイン的なプリント転写加工を施すこともでき、さらに明かり取りを兼ねた覗き窓も容易に設けることもできる。
(4)車内収納時においては、平面的に折り畳んでコンパクトに収納することができる。
(5)自宅に駐車時においては、空間スパースが自在に調整できるプライベートルーム、物置小屋、ペット小屋(フェンス併設)、ビニール温室ハウスとして使用することができる、といった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明のキャンピングトレーラーの実施形態を示す説明図である。 (実施例1)
【
図2】本発明のキャンピングトレーラーの使用状態を示す説明図である。
【
図3】本発明のキャンピングトレーラーにおけるフロントキャビンとリアキャビンをスライド移動させた状態を示す断面説明図である。
【
図4】本発明のキャンピングトレーラーの別の実施形態を示す説明図である。 (実施例2)
【
図5】本発明のキャンピングトレーラーの別の使用状態を示す説明図である。
【
図6】本発明のキャンピングトレーラーにおけるフロントキャビンとリアキャビンをスライド移動させた状態を示す別の断面説明図である。
【
図7】本発明のキャンピングトレーラーの別の実施形態を示す説明図である。 (実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明におけるキャンピングトレーラー10は、開閉ドア13と走行車輪12を備えるセンターキャビン11の前後にフロントキャビン16とリアキャビン21を連結させ、該フロントキャビン16とリアキャビン21が前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間Rの拡張が図れる手段を採ったことを最大の特徴とする。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
尚、本発明のキャンピングトレーラー10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で適宜変更することができる。
【実施例0031】
図1は、本発明のキャンピングトレーラーの実施形態を示す説明図である。
図1(a)は本発明のキャンピングトレーラー10の使用状態における全体図である。
図1(b)は本発明のキャンピングトレーラー10の分解説明図である。
本発明におけるキャンピングトレーラー10は、開閉ドア13と走行車輪12を備えるセンターキャビン11の前後にフロントキャビン16とリアキャビン21を連結させ、該フロントキャビン16とリアキャビン21を前後両方向に夫々スライド移動させることによって車内空間Rの拡張が図れるキャンピングトレーラー10であって、該キャンピングトレーラー10は、センターキャビン11と、フロントキャビン16と、リアキャビン21と、幌シートユニット26と、から構成されて成り、センターキャビン11は、中空のボックス状の車両ボディ11aの前方と後方が全面的に開口され、該車両ボディ11a両側面には開閉ドア13を備え、下方部の車体フレーム14の両側には走行車輪が備えられ、該車体フレーム22内には第一のスライド移動手段18と第二のスライド移動手段23が受け入れられるスライド移動手段15を備えて成り、フロントキャビン16は、トレーラー全体の全高・全幅・全長内において車体フレーム22の床面から垂直に立ち上がって車内空間Rを拡張する形状に形成されると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム17内には第一のスライド移動手段18を備え、前面部には引き出し取っ手24を備え、前面下方部には連結牽引装置19と、スライド移動補助輪20を設けて成り、リアキャビン21は、トレーラー本体の全高・全幅・全長内において車体フレーム22の床面から垂直に立ち上がって車内空間Rを拡張する形状に形成すると共に後面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム22内には第二のスライド移動手段23を備え、後面部には引き出し取っ手24を備え、後面下方部にはスライド移動補助輪20を設けて成り、幌シートユニット26は、幌シート補強フレーム27と、幌シート28と、から構成され、該幌シート補強フレーム27は、所定の長さを有して両端が鍵状に加工されたアングル鋼をセンターキャビン11側の前後の開口部11bと、フロントキャビン16とリアキャビン21の開口部16a、21aに開けられた掛止穴(図示省略)に落とし込まれる着脱自在の形状に形成されることで、走行時は取り外して車内に束ねて格納することができると共に、キャンプ時はフロントキャビン16ならびにリアキャビン21の夫々の天井部に少なくても三か所以上設けることによりセンターキャビン11と、フロントキャビン16とリアキャビン21との間隔を固定した状態を維持し、さらに両端に幌留め穴31を設けた一枚の矩形の幌シート28によってセンターキャビン11側の開口部11bと、フロントキャビン16側の開口部16aならびにリアキャビン21側の開口部21aを前後夫々にトンネル状に架設して連結されている。
尚、キャンピングトレーラー10は、図示では牽引車Cと車高を同じくして作図しているが必ずしも同じ車高であることに限定はされない。
【0032】
センターキャビン11は、中空のボックス状の車両ボディ11aの前方と後方が全面的に開口される開口部11bが形成され、車両ボディ11a両側面には開閉ドア13を備え、下方部の車体フレーム22の両側には走行車輪12が備えられ、該車体フレーム14内には第一のスライド移動手段18と第二のスライド移動手段23が受け入れられるスライド移動手段15を備えて成るものである。
また、センターキャビン11は、後方にハッチバックドアを備える既存の中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等を利用し、車内のエンジン駆動関係、ハンドル操舵関係、座席シート関係、ドライブシャフト、排気マフラー等の走行機能を取り外したワンボックスカー、ワゴン車、商業車バン、軽ワゴン・バン車、ハイルーフ車などを利用して製造することができることから極めて廉価なキャンピングトレーラー10の提供を可能にする。
【0033】
開閉ドア13は、車両ボディ11a両側面に設けられるもので、フロントキャビン16側とリアキャビン21側への両方の出入りを自由にするもので、従来のキャンピングトレーラーの前後の出入り口の設置個所とは異なるものである。
【0034】
スライド移動手段15は、フロントキャビン16とリアキャビン21を前後に伸縮させることで車内空間Rの拡張を図るもので、例えば、センターキャビン11の車体フレーム14内の取付位置が異なる状態で複数本装着し、H形鋼の平面側を上にして、フロントキャビン16側とリアキャビン21側の第一のスライド移動手段18と、第二のスライド移動手段23と組み合わされる。(
図2(b)吹き出し図参照)
また、スライド移動方式にとしては、例えば、油圧式、電動式、エアー式、ラックピニオン式、ワイヤー式、チェーン式などが考えられる。
【0035】
フロントキャビン16は、トレーラー全体の全高・全幅・全長内において車体フレーム17の床面から垂直に立ち上がって車内空間Rを拡張する形状に形成されると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム17内には第一のスライド移動手段18を備え、前面部には引き出し取っ手24を備え、前面下方部には連結牽引装置19と、スライド移動補助輪20を設けて成るものである。
尚、フロントキャビン16と、リアキャビン21の前後方向の長さは必ずしも同じであるとは限らない。(図示では前後方向の長さを同じ長さで作図してある。)
【0036】
形状としては、例えば、前方の空気抵抗を減少させる流線形に形成し、ユースドカーから取り外されたフロントガラス部の外周縁を加工して覗き窓38が形成されている。
【0037】
さらに、フロントキャビン16の素材が、例えば、FP、鉄板、アルミ板、合成樹脂材等を採用している場合は、形状デザインをユーザーの嗜好や年式に合わせて多様な車体設計デザインを施すことができる。
【0038】
第一のスライド移動手段18は、例えば、フロントキャビン16の車体フレーム17に複数本装着されるもので、C形鋼(センターキャビン11側)とH形鋼(フロントキャビン16側)の組み合わせで形成される。(
図2(b)吹き出し図参照)
尚、第一のスライド移動手段18と第二のスライド移動手段23はセンターキャビン11のスライド移動手段15に組み合わされるが、取付位置は互いに干渉しないように横方向にずらして装着される。
【0039】
連結牽引装置19は、所謂ヒッチメンバーとも呼ばれ、牽引車C(自家用車)の車体フレームの後側下方中央部とフロントキャビン16側の車体フレーム17の前側下方中央部にボールマウントとレシーバーとで連結されるもので、走行補助タイヤ付トレーラージャッキ、パーキングブレーキ、安全連結チェーン、配線コネクター、送風ダクトホース等が付属される。
【0040】
スライド移動補助輪20は、例えば、フロントキャビン16の前側下方両側とリアキャビン21の後側下方両側に備えられるもので、走行時は内側に折り畳まれて格納され、設置固定時は折り畳んだ状態から外側に開放し、ハンドル部を回転させて設置固定するものである。
また、ストッパー付の補助輪タイヤとすることでキャンピングトレーラー10を接地した状態おいて固定することができる。
【0041】
リアキャビン21は、トレーラー本体の全高・全幅・全長内において車体フレーム22の床面から垂直に立ち上がって車内空間Rを拡張する形状に形成すると共に後面天井部は半ドーム状に形成し、さらに車体フレーム22内には第二のスライド移動手段23を備え、後面部には引き出し取っ手24を備え、後面下方部にはスライド移動補助輪20を設けて成るものである。
【0042】
また、リアキャビン21は、センターキャビン11の後方の開放部11bに車内空間Rを拡張する形状に形成されて取り付けられ、例えば、後方の空気抵抗を減少させる流線形に形成し、ユースドカーから取り外されたフロントガラス部の外周縁を加工して覗き窓38が形成されている。
【0043】
また、リアキャビン21の形状は、中型車仕上げと小型車仕上げに分け、既存のユースドカーの形状に合わせてハンドメイド作業で加工することでリアキャビン21の定番化ならびに量産化を可能とすることもできるもので、特にその形状は特定されない。
尚、リアキャビン21と、フロントキャビン16の前後方向の長さは必ずしも同じであるとは限らない。(図示では前後方向の長さを同じ長さで作図してある。)
【0044】
さらに、リアキャビン21の素材が、例えば、FP、鉄板、アルミ板、合成樹脂材等を採用している場合は、形状デザインをユーザーの嗜好や年式に合わせて多様な車体設計デザインを施すことができる。
【0045】
第二のスライド移動手段23は、例えば、リアキャビン21の車体フレーム22に複数本装着されるもので、C形鋼(センターキャビン11側)とH形鋼(リアキャビン21側)を組み合わせて形成される。(
図2(b)吹き出し図参照)
尚、第二のスライド移動手段23と第一のスライド移動手段18は、センターキャビン11のスライド移動手段15に組み合わされるが、取付位置は互いに干渉しないように横方向にずらして装着される。
【0046】
引き出し取っ手24は、フロントキャビン16の前方ならびにリアキャビン21の後方に一対に設けられるもので、センターキャビン11からフロントキャビン16やリアキャビン21を引き出す場合や、押し込む場合に使用されるものである。
【0047】
連結ロック装置25は、例えば、センターキャビン11と、フロントキャビン16とリアキャビン21を外側からスライド不能にするロック装置であって、例えば、シートベルトロック装置、閂鍵かけ錠、引っ掛け錠などが取り付けられる。
【0048】
制動装置(図示省略)は、例えば、パーキングブレーキの場合は、フットペダル式のパーキングブレーキは車内の任意の箇所に取り付けられ、ハンドル式のパーキングブレーキの場合は、車内の任意の箇所または連結牽引装置19の走行補助タイヤに連動させて取り付けられる。また、電磁ディスクブレーキの場合は、既存のユースドカーの電磁ディスクブレーキを再利用して、走行車輪12に連動して取り付けることもできる。
【0049】
幌シートユニット26は、幌シート補強フレーム27と、幌シート28と、から構成され、フロントキャビン16とセンターキャビン11との間と、センターキャビン11とリアキャビン21との間の二か所に装着される。
【0050】
幌シート補強フレーム27は、所定の長さを有して両端が鍵状に加工されたアングル鋼をセンターキャビン11側の前後の開口部11bと、フロントキャビン16とリアキャビン21の開口部11b、21aに開けられた掛止穴(図示省略)に落とし込まれる着脱自在の形状に形成されることで、走行時は取り外して車内に束ねて格納することができると共に、キャンプ時はフロントキャビン16ならびにリアキャビン21の夫々の天井部に少なくても三か所以上中央が両側より高い切妻屋根状に設けられることによりセンターキャビン11と、フロントキャビン16とリアキャビン21との間隔を固定した状態で維持する役割を果たす。
【0051】
幌シート補強フレーム27の役割としては、幌シート28の補強としての役割と、降雨をはじく屋根の役割と、スライド移動を制限する三通りの役割を果たすもので、所定の長さを有して両端が鍵状に加工された等辺山形鋼を掛止穴(図示省略)に落と込む形状に形成される。
使用時は、センターキャビン11側の前後方開口部11b付近に開けられた掛止穴(図示省略)とフロントキャビン16側の後方開口部16a付近に開けられた掛止穴(図示省略)とリアキャビン21側の前方開口部21a付近に開けられた掛止穴(図示省略)に両端が鍵状に加工された等辺山形鋼を落とし込まれてセットされる。
【0052】
設置時において、幌シート補強フレーム27が少なくても三か所以上架設され、さらに幌シート28の材質、形状、枚数、取付具等において当業者が容易に行える設計事項を付加することや使用方法を変更することで下記に示すような従来にない幌シート28の有効活用ができる。例えば、
(1)本願発明のキャンピングトレーラー10の
図3の設置状態において幌カバー28を天井に重ね合わせて折り畳んだ状態にすることで、開放的な雨除けならびに日除け付きのテラスデッキ仕様とすることができる。
(2)幌シート補強フレーム27の一端にカーテンレールを取り付けることによって、遮光・安眠カーテン、虫除けカーテン、風除けカーテン、透明カーテン、着替え用カーテンなど使用用途に合わせた多様なカーテンを取り付けることができると共に、側方からの出入りも自由にできる。
(3)幌シート28が、一枚の矩形のシートで形成されていることによって、製品自体が安価に制作することができると共にデザイン的なプリント転写加工を施すこともでき、さらに明かり取り窓も容易に設けることもできる。
(4)車内収納時においては、平面的に折り畳んでコンパクトに収納することができる。
(5)自宅に駐車時においては、空間スパースが自在に調整できるプライベートルーム、物置小屋、ペット小屋(フェンス併設)、ビニール温室ハウスとして使用することができる、といった優れた使用効果を奏するものである。
【0053】
幌シート28は、両端に幌留め穴31を設けた一枚の矩形のシートをセンターキャビン11と、フロントキャビン16とリアキャビン21との間において夫々にトンネル状に架設して連結される形状に形成される。
【0054】
また、幌シート28は、例えば、トンネル状の幅形ならびにスライド量の長さを有する矩形の帆布シート又は合成樹脂シート等で形成され、トンネル状の幅形の両側には所定の間隔をあけて幌留め穴31が設けられ、センターキャビン11と、フロントキャビン16とリアキャビン21に設けられた幌留め捻り金具30に嵌められ、走行時は、センターキャビン11内に折り畳まれて収納される。
【0055】
フラット床パネル35は、任意の形状に形成される床板材が使用され、スライド移動手段15ならびに第二のスライド移動手段23と第一のスライド移動手段18上にセンターキャビン11とフロントキャビン16とリアキャビン21のフラット床パネル35と床面高さを統一して敷設され、走行時においてはセンターキャビン11内に重ね合わせて格納される。
【0056】
就寝平坦ベッド36は、箱状の平坦なベッド状に形成し、ベッド下方には床下収納機能付のボックスが備えられ、室内チェアを兼ねて使用用途に合わせて車内空間R内に複数組み合わされて配置され、走行時においてはセンターキャビン11内に重ね合わせて格納される。
【0057】
指示灯装置(図示省略)は、例えば、車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、ナンバープレート照明灯、ハザードランプが装備され、配線コネクターを介して牽引車C(自家用車)と連動させて接続される。
【0058】
牽引車C(自家用車)に標準装備されている冷暖房装置は、切り替え機能付き送風ダクトホースによって牽引車C(自家用車)からキャンピングトレーラー10に送風することができる。また、操作機能は牽引車C(自家用車)と連動させて既存のユースドカーから操作する仕様とすることもできる。さらに、発電機からAC電源を確保することで家庭用やポータブル式の冷暖房装置を使用することもできる。
【0059】
車内空間Rは、センターキャビン11と、フロントキャビン16とリアキャビン21が前後両方向に夫々スライド移動させることによって生まれる車内空間Rであって、キッチンキャビネット、冷蔵庫、発電機、給水貯留タンク、ガスボンベ、ポータブルトイレ等を収納し、さらに組み立て式床下収納機能付きの就寝平坦ベッド36(室内チェアを兼ねる)、テーブル、テレビ、AC電源コンセント、USB差込口等を設置して、料理、娯楽、就寝など多目的に利用することができる。
【0060】
図2は、本発明のキャンピングトレーラーの使用状態を示す説明図である。
図2(a)は本発明のキャンピングトレーラー10におけるリアキャビン21を後方にスライド移動した状態を示す説明図である。
(1)センターキャビン11とリアキャビン21を連結している連結ロック装置25ならびにスライド移動ロック装置(図示省略)を解除する。
(2)フロントキャビン16のスライド移動補助輪20を降ろしてロック状態とした後、リアキャビン21のスライド移動補助輪20を降ろし、引き出し取っ手24を握ってリアキャビン21を後方に移動させる。
(3)センターキャビン11とリアキャビン21を連結しているスライド移動ロック装置(図示省略)と、リアキャビン21のスライド移動補助輪20のロック装置をロック状態とする。
(4)センターキャビン11に設けられた掛止穴(図示省略)とリアキャビン21に設けられた掛止穴(図示省略)に幌シート補強フレーム27の先端部を落とし込んで連結固定する。
(5)センターキャビン11に設けられた幌留め捻り金具30とリアキャビン21に設けられた幌留め捻り金具30を幌シート28の幌留め穴31に嵌め込んでセンターキャビン11とリアキャビン21を幌シート28でトンネル状に覆って連結する。
(6)必要とするキャンピング車内装備品を車内空間R内に配置する。
【0061】
図2(b)は本発明のキャンピングトレーラー10におけるフロントキャビン16とリアキャビン21の両方をスライド移動した状態を示す説明図である。
本発明のキャンピングトレーラー10は、走行車輪12を備えるセンターキャビン11の前後にフロントキャビン16とリアキャビン21を連結させ、該フロントキャビン16とリアキャビン21をスライド移動手段15によって前後両方向にスライド移動させることにより車内空間Rの拡張を図るものである。
【0062】
図3は、本発明のキャンピングトレーラーにおけるフロントキャビンとリアキャビンをスライド移動させた状態を示す断面説明図である。
図3(a)は本発明のキャンピングトレーラー10におけるフロントキャビン16とリアキャビン21をスライド移動した状態を示す断面説明図である。
本発明のキャンピングトレーラー10は、走行車輪12を備えるセンターキャビン11の前後にフロントキャビン16とリアキャビン21を連結させ、センターキャビン11のスライド移動手段15と、該フロントキャビン16の第一のスライド移動手段18とリアキャビン21の第二のスライド移動手段23によって夫々前後両方向にスライド移動させ、幌シートユニット26のトンネル状の幌シート補強フレーム27と、幌シート28を伸張させることにより車内空間Rの拡張を図るものである。
【0063】
図3(b)は本発明のキャンピングトレーラー10におけるフロントキャビン16とリアキャビン21をスライド移動した使用状態を示す断面説明図である。
拡張された車内空間Rの床面にフラット床パネル35を敷設し、就寝平坦ベッド36を複数配置し、使用目的に合った備品配置ならびにレイアウトを完成させる。
【0064】
本発明の明細書における実施例2および実施例3の説明において、実施例1と同様な部品ならびに構造は、その説明を省略している。
蛇腹シートユニット32は、トンネル状の蛇腹シート補強骨子33(図示省略)と、蛇腹シート34と、から構成され、センターキャビン11側の開口部11bと、フロントキャビン16側の開口部16aと、リアキャビン21側の開口部21aを前後夫々にトンネル状に架設して連結される。
蛇腹シート34は、センターキャビン11側の開口部11baと、フロントキャビン16側の開口部16aと、リアキャビン21側の開口部21aの内側に装着固定され、所定の長さを有してトンネル状に連結する蛇腹状の帆布製のシートで形成される。