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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174335
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】スイッチギヤ
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/20 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
H02B1/20 C
H02B1/20 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092101
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 達哉
【テーマコード(参考)】
5G016
【Fターム(参考)】
5G016AA04
5G016DA10
5G016DA54
(57)【要約】
【課題】本願は、下段側ケーブルの充電部と上段側ケーブルの充電部との絶縁距離を大型化することなく確保できるスイッチギヤを提供するものである。
【解決手段】下段側ケーブル(22)の下段側ケーブルコンパートメント(6)の下方側に配置された下段側零相変流器(28)と、上段側ケーブル(19)のケーブル区切り板(17)を挿通して下段側ケーブルコンパートメント(6)内に位置して下段側ケーブルコンパートメント(6)の下方側に配置された上段側零相変流器(26)と、下段側ケーブルコンパートメント(6)内に配置され、下段側零相変流器(28)と上段側零相変流器(26)との間を区切るとともに上段側零相変流器(26)と下段側ケーブルコンパートメント(6)内にて上段側ケーブル(19)を囲う仕切構造体(29)を備えたものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上段側ケーブルが配置された上段側ケーブルコンパートメントと、下段側ケーブルが配置された下段側ケーブルコンパートメントと、前記上段側ケーブルコンパートメントと前記下段側ケーブルコンパートメントとを上下に区切るケーブル区切り板と、前記上段側ケーブルコンパートメントの裏面側に設けられた上段側裏面カバーと、前記下段側ケーブルコンパートメントの裏面側に設けられた下段側裏面カバーとを有するスイッチギヤであって、前記下段側ケーブルの前記下段側ケーブルコンパートメントの下方側に配置された下段側零相変流器と、前記上段側ケーブルの前記ケーブル区切り板を挿通して前記下段側ケーブルコンパートメント内に位置して前記下段側ケーブルコンパートメントの下方側に配置された上段側零相変流器と、前記下段側ケーブルコンパートメント内に配置され、前記下段側零相変流器と前記上段側零相変流器との間を区切るとともに前記上段側零相変流器と前記下段側ケーブルコンパートメント内にて前記上段側ケーブルを囲う仕切構造体とを備えたことを特徴とするスイッチギヤ。
【請求項2】
前記仕切構造体は、前記下段側零相変流器と前記上段側零相変流器との間に配置され、前記上段側零相変流器の上方の位置までの鉛直方向に配置された第1垂直方向仕切り板と、前記第1垂直方向仕切り板より前記上段側ケーブル側に配置され、ケーブル区切り板までの鉛直方向に配置された第2垂直方向仕切り板と、前記第1垂直方向仕切り板と前記第2垂直方向仕切り板とを連結する第1水平方向仕切り板とにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
【請求項3】
前記上段側零相変流器と前記下段側零相変流器は幅方向において同一列に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
【請求項4】
前記上段側零相変流器は2列配置され、2列の前記上段側零相変流器は奥行方向において同一列に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
【請求項5】
前記上段側零相変流器は2列配置され、2列の前記上段側零相変流器と前記下段側零相変流器は幅方向において同一列に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
【請求項6】
前記仕切構造体は一方の仕切り板と他方の仕切り板とが直角状に接続されて形成されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のスイッチギヤ。
【請求項7】
前記仕切構造体は一部に折曲部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のスイッチギヤ。
【請求項8】
前記仕切構造体は一部に円弧部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のスイッチギヤ。
【請求項9】
前記下段側裏面カバーは2つの開閉扉で構成されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスイッチギヤ。
【請求項10】
前記下段側裏面カバーは3つの開閉扉で構成されたことを特徴とする請求項5に記載のスイッチギヤ。
【請求項11】
上段側ケーブルが配置された上段側ケーブルコンパートメントと、下段側ケーブルが配置された下段側ケーブルコンパートメントと、前記上段側ケーブルコンパートメントと前記下段側ケーブルコンパートメントとを上下に区切るケーブル区切り板と、前記上段側ケーブルコンパートメントの裏面側に設けられた上段側裏面カバーと、前記下段側ケーブルコンパートメントの裏面側に設けられた下段側裏面カバーとを有するスイッチギヤであって、前記上段側ケーブルの前記上段側ケーブルコンパートメントの上方側に配置された上段側零相変流器と、前記下段側ケーブルの前記ケーブル区切り板を挿通して前記上段側ケーブルコンパートメント内に位置して前記上段側ケーブルコンパートメントの上方側に配置された下段側零相変流器と、前記上段側ケーブルコンパートメント内に配置され、前記上段側零相変流器と前記下段側零相変流器との間を区切るとともに前記下段側零相変流器と前記上段側ケーブルコンパートメント内にて前記下段側ケーブルを囲う仕切構造体とを備えたことを特徴とするスイッチギヤ。
【請求項12】
前記仕切構造体は、前記上段側零相変流器と前記下段側零相変流器との間に配置され、前記下段側零相変流器の下方の位置までの鉛直方向に配置された第3垂直方向仕切り板と、前記第3垂直方向仕切り板より前記下段側ケーブル側に配置され、前記ケーブル区切り板までの鉛直方向に配置された第4垂直方向仕切り板と、前記第3垂直方向仕切り板と前記第4垂直方向仕切り板とを連結する第2水平方向仕切り板とにより構成されたことを特徴とする請求項11に記載のスイッチギヤ。
【請求項13】
前記上段側零相変流器と前記下段側零相変流器は幅方向において同一列に配置されたことを特徴とする請求項11に記載のスイッチギヤ。
【請求項14】
前記上段側裏面カバーは2つの開閉扉で構成されたことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載のスイッチギヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、スイッチギヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでのスイッチギヤは、スイッチギヤの規格であるJEM1425において、メタルクラッド形、コンパートメント形、キュービクル形に分類される。その中において遮断器の2段積みのメタルクラッド形およびコンパートメント形の構造は、上段のケーブル室と下段のケーブル室をケーブルコンパートメントとし、遮断器コンパートメントと、母線コンパートメントと、ケーブルコンパートメントとを仕切りで区切る形態である。すべての仕切りが接地金属の場合はメタルクラッド形、仕切りの一つでも非接地金属の場合は、コンパートメント形となる。
【0003】
昨今、スイッチギヤの規格は、JEM1425(日本電機工業会の規格の一つ)から規格JIS C 62271-200:2021に切り替わり、保守点検性により重点がおかれたものになった。遮断器の2段積みのスイッチギヤにおいて、JEM1425では上段のケーブルコンパートメントと下段のケーブルコンパートメントを一つのコンパートメントと定義されていたが、JIS C 62271-200:2021においては、上段ケーブルコンパートメントと下段ケーブルコンパートメントを別々のコンパートメントと定義された。
【0004】
また、この規格の中では点検を行うコンパートメント以外が充電中であっても、作業者が点検を行えるように、各コンパートメント間のすべてを接地金属もしくは非金属の仕切りで区切る仕様であるLSC2B-PM/PI(Loss of Service Continuity Categoryの規格の一つ)の仕様が定義された。つまり、上段側ケーブルコンパートメントと下段側ケーブルコンパートメントを接地金属もしくは非金属のしきりで区切る必要性がある。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-228803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のスイッチギヤは、上段側ケーブルコンパートメントと下段側ケーブルコンパートメントとは仕切り板により区切られている。上段側ケーブルコンパートメントに上段側零相変流器を配置し、下段側ケーブルコンパートメントに下段側零相変流器を配置している。
【0007】
仕切り板より上の上段側ケーブルコンパートメントに上段側零相変流器を配置すると、ケーブル施工を行う際に必要となる、上段側ケーブル端子から上段側零相変流器の上部に配置される上段側ケーブルブラケットとの間の端末距離が上段側零相変流器の厚さ分だけ短くなる。その結果、使用できる上段側ケーブルに制限ができてしまう。すなわち、上段側ケーブルは、通電可能電流が大きくなると外形が太くなり、端末距離も長く確保する必要があるという問題点があった。
【0008】
もしくは、上段側ケーブルの端末距離を確保するために、スイッチギヤの筐体を鉛直方向に高くし、上段側ケーブルコンパートメントの上段側ケーブル端子の位置を鉛直方向の上側の位置に移動させると、筐体も鉛直方向に高くなり、スイッチギヤの材料コストの増加につながるという問題点があった。これは、スイッチギヤを納める電気室の天井高さも合わせて高くする必要があり、電気室の建設費用も増加に繋がるという問題点があった。
【0009】
仕切り板より下の下段側ケーブルコンパートメントに上段側零相変流器を配置すると、上段側ケーブルコンパートメントに上段側零相変流器が配置されないので、上段側ケーブル端子から上段側零相変流器の上部に配置される上段側ケーブルブラケットとの間の端末距離を長くすることが可能である。
【0010】
しかしながら、下段側ケーブルコンパートメントには下段側零相変流器が配置されており、上段側零相変流器を配置することにより、下段側ケーブルコンパートメントのスペースの縮小によるケーブル施工性の低下に繋がるという問題点があった。
【0011】
また、上段側零相変流器および下段側零相変流器のそれぞれの外形の大きさによっては、下段側ケーブルの充電部(下段側ケーブル端子)と下段側ケーブルコンパートメント内に引き込まれた上段側ケーブルの充電部との絶縁距離の確保のために、盤幅、盤の奥行きが拡大される。その結果、スイッチギヤの材料コストの増加および据えつけスペースの拡大に繋がるという問題点があった。
【0012】
また、下段側ケーブルコンパートメントの下段側裏面カバーは一枚板により取り付けられており、スイッチギヤの充電中は下段側ケーブルコンパートメント内に配置された上段側零相変流器あるいは下段側零相変流器などを点検することができないという問題点があった。
【0013】
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、その目的は、下段側ケーブルコンパートメントの下段側ケーブルの充電部と下段側ケーブルコンパートメント内に引き込まれた上段側ケーブルの充電部との絶縁距離を大型化することなく確保できるスイッチギヤを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願に開示されるスイッチギヤは、上段側ケーブルが配置された上段側ケーブルコンパートメントと、下段側ケーブルが配置された下段側ケーブルコンパートメントと、前記上段側ケーブルコンパートメントと前記下段側ケーブルコンパートメントとを上下に区切るケーブル区切り板と、前記上段側ケーブルコンパートメントの裏面側に設けられた上段側裏面カバーと、前記下段側ケーブルコンパートメントの裏面側に設けられた下段側裏面カバーとを有するスイッチギヤであって、前記下段側ケーブルの前記下段側ケーブルコンパートメントの下方側に配置された下段側零相変流器と、前記上段側ケーブルの前記ケーブル区切り板を挿通して前記下段側ケーブルコンパートメント内に位置して前記下段側ケーブルコンパートメントの下方側に配置された上段側零相変流器と、前記下段側ケーブルコンパートメント内に配置され、前記下段側零相変流器と前記上段側零相変流器との間を区切るとともに前記上段側零相変流器と前記下段側ケーブルコンパートメント内にて前記上段側ケーブルを囲う仕切構造体とを備えたものである。
【0015】
また、本願に開示されるスイッチギヤは、上段側ケーブルが配置された上段側ケーブルコンパートメントと、下段側ケーブルが配置された下段側ケーブルコンパートメントと、前記上段側ケーブルコンパートメントと前記下段側ケーブルコンパートメントとを上下に区切るケーブル区切り板と、前記上段側ケーブルコンパートメントの裏面側に設けられた上段側裏面カバーと、前記下段側ケーブルコンパートメントの裏面側に設けられた下段側裏面カバーとを有するスイッチギヤであって、前記上段側ケーブルの前記上段側ケーブルコンパートメントの上方側に配置された上段側零相変流器と、前記下段側ケーブルの前記ケーブル区切り板を挿通して前記上段側ケーブルコンパートメント内に位置して前記上段側ケーブルコンパートメントの上方側に配置された下段側零相変流器と、前記上段側ケーブルコンパートメント内に配置され、前記上段側零相変流器と前記下段側零相変流器との間を区切るとともに前記下段側零相変流器と前記上段側ケーブルコンパートメント内にて前記下段側ケーブルを囲う仕切構造体とを備えたものである。
【発明の効果】
【0016】
本願に開示されるスイッチギヤによれば、下段側ケーブルコンパートメントの下段側ケーブルの充電部と下段側ケーブルコンパートメント内に引き込まれた上段側ケーブルの充電部との絶縁距離を大型化することなく確保できるスイッチギヤを得ることができる。
【0017】
また、本願に開示されるスイッチギヤによれば、上段側ケーブルコンパートメントの上段側ケーブルの充電部と上段側ケーブルコンパートメント内に引き込まれた下段側ケーブルの充電部との絶縁距離を大型化することなく確保できるスイッチギヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態1によるスイッチギヤを示す断面図である。
図2】実施の形態1によるスイッチギヤを示す図1のA-A線における断面図である。
図3】実施の形態1によるスイッチギヤを示す図2のB-B線における断面図である。
図4】実施の形態1によるスイッチギヤにおける仕切構造体を示す斜視図である。
図5】実施の形態2によるスイッチギヤを示す断面図である。
図6】実施の形態2によるスイッチギヤを示す図5のC-C線における断面図である。
図7】実施の形態3によるスイッチギヤを示す断面図である。
図8】実施の形態3によるスイッチギヤを示す図7のD-D線における断面図である。
図9】実施の形態4によるスイッチギヤを示す図2のB-B線における断面図である。
図10】実施の形態4によるスイッチギヤにおける仕切構造体を示す斜視図である。
図11】実施の形態5によるスイッチギヤを示す図2のB-B線における断面図である。
図12】実施の形態5によるスイッチギヤにおける仕切構造体を示す斜視図である。
図13】実施の形態6によるスイッチギヤを示す断面図である。
図14】実施の形態6によるスイッチギヤを示す図13のE-E線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
以下、本願の実施の形態1を図1から図4に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図1は実施の形態1によるスイッチギヤを示す断面図である。図2は実施の形態1によるスイッチギヤを示す図1のA-A線における断面図である。図3は実施の形態1によるスイッチギヤを示す図2のB-B線における断面図である。図4は実施の形態1によるスイッチギヤにおける仕切構造体を示す斜視図である。
【0020】
スイッチギヤの筐体1は、上段側遮断器コンパートメント2と、下段側遮断器コンパートメント3と、母線コンパートメント4と、上段側ケーブルコンパートメント5と、下段側ケーブルコンパートメント6とを備えている。
【0021】
上段側遮断器コンパートメント2には上段側遮断器7が収容され、下段側遮断器コンパートメント3には下段側遮断器8が収容されている。母線コンパートメント4には母線9が収容されている。
【0022】
第1仕切り板10は上段側遮断器コンパートメント2と下段側遮断器コンパートメント3とを仕切っている。第2仕切り板11は上段側遮断器コンパートメント2と上段側ケーブルコンパートメント5とを仕切っている。第3仕切り板12は下段側遮断器コンパートメント3と下段側ケーブルコンパートメント6とを仕切っている。第4仕切り板14は母線コンパートメント4を形成するように仕切っている。
【0023】
筐体1の正面側には、上段側遮断器7を挿入あるいは引き出すための上段側扉15と、下段側遮断器8を挿入あるいは引き出すための下段側開閉扉16が取り付けられている。
【0024】
接地金属または絶縁部材で形成されたケーブル区切り板17は上段側ケーブルコンパートメント5と下段側ケーブルコンパートメント6とを上下に区切っている。上段側接続導体18と上段側ケーブル19とは上段側ケーブル端子20により接続されている。上段側ケーブル19は下段側ケーブルコンパートメント6の外部から下段側ケーブルコンパートメント6内に引き込まれ、ケーブル区切り板17を挿通して上段側ケーブルコンパートメント5内に引き込まれている。
【0025】
下段側接続導体21と下段側ケーブル22とは下段側ケーブル端子23により接続されている。下段側ケーブル22は下段側ケーブルコンパートメント6の外部から下段側ケーブルコンパートメント6内に引き込まれている。
【0026】
上段側ケーブルコンパートメント5内の下方側に位置する上段側ケーブル19に上段側ケーブルブラケット24が設けられている。下段側ケーブルコンパートメント6内に引き込まれた上段側ケーブル19の下方側に上段側ケーブルブラケット25が設けられている。
【0027】
下段側ケーブルコンパートメント6内の上段側ケーブルブラケット25の下方側に上段側零相変流器26が設けられている。下段側ケーブルコンパートメント6内の下段側ケーブル22の下方側に下段側ケーブルブラケット27が設けられている。下段側ケーブルブラケット27の下方側に下段側零相変流器28が設けられている。
【0028】
下段側ケーブルコンパートメント6内には、上段側ケーブル19と上段側ケーブルブラケット25と上段側零相変流器26が配置されるとともに、下段側ケーブル22と下段側ケーブルブラケット27と下段側零相変流器28が配置されているので、下段側ケーブルコンパートメント6内を上段側ケーブル系統と下段側ケーブル系統とを絶縁距離をとって区切る必要がある。
【0029】
仕切構造体29は下段側ケーブルコンパートメント6内に配置され、下段側零相変流器28と上段側零相変流器26との間を区切るとともに下段側ケーブルコンパートメント6内の上段側ケーブル19、上段側零相変流器26を囲うものである。この仕切構造体29は、下段側零相変流器28と上段側零相変流器26との間に配置され、上段側零相変流器26の上方の位置までの鉛直方向に配置された第1垂直方向仕切り板30と、第1垂直方向仕切り板30の位置より上段側ケーブル19側の位置に配置され、ケーブル区切り板17までの鉛直方向に配置された第2垂直方向仕切り板31と、第1垂直方向仕切り板30と第2垂直方向仕切り板31とを連結する第1水平方向仕切り板32とにより構成された場合を示している。
【0030】
第1垂直方向仕切り板30は、下段側裏面カバー33の下段側第1裏面カバー体33aに対峙する仕切り板30aと、筐体1の側部1aに対峙する仕切り板30bとにより構成されている。
【0031】
第2垂直方向仕切り板31は、下段側裏面カバー33の下段側第1裏面カバー体33aに対峙する仕切り板31aと、筐体1の側部1aに対峙する仕切り板31bとにより構成されている。
【0032】
第1水平方向仕切り板32は、下段側裏面カバー33の下段側第1裏面カバー体33aに対峙する仕切り板32aと、筐体1の側部1aに対峙する仕切り板32bとにより構成されている。
【0033】
第1垂直方向仕切り板30の仕切り板30aと仕切り板30bとは直角状に構成され、第2垂直方向仕切り板31の仕切り板31aと仕切り板31bとは直角状に構成された場合を示している。
【0034】
下段側裏面カバー33は2つの下段側第1裏面カバー体33aと下段側第2裏面カバー体33bとにより構成されている。下段側第1裏面カバー体33aと下段側第2裏面カバー体33bはそれぞれ観音開きし得る構成となっている。また、上段側裏面カバー34は一枚の金属板により形成されている。
【0035】
上段側ケーブル系統が充電中の状態で、下段側ケーブル系統が停止状態の場合は、スイッチギヤの一方が充電中であっても、下段側第2裏面カバー体33bを開いて下段側ケーブル系統である下段側零相変流器28、下段側ケーブル端子23、下段側ケーブル22などの保守点検を行うことができる。また、下段側ケーブル端子23、下段側ケーブル22の施工性を著しく向上させることができる。
【0036】
また、逆に下段側ケーブル系統が充電中の状態で、上段側ケーブル系統が停止状態の場合は、スイッチギヤの一方が充電中であっても、下段側第1裏面カバー体33aを開いて上段側ケーブル系統である上段側零相変流器26、上段側ケーブル19などの保守点検を行うことができる。また、上段側ケーブル19の施工性を著しく向上させることができる。
【0037】
この実施の形態1によれば、下段側ケーブルコンパートメント6内において、下段側ケーブルコンパートメント6の外部から下段側ケーブルコンパートメント6内に引き込まれた上段側ケーブル19、上段側ケーブルブラケット25、上段側零相変流器26である上段側ケーブル系統と、下段側ケーブルコンパートメント6の外部から下段側ケーブルコンパートメント6内に引き込まれた下段側ケーブル22、下段側ケーブルブラケット27、下段側零相変流器28である下段側ケーブル系統とが仕切構造体29により仕切られ、それぞれのスペースが確保できるため、上段側ケーブル系統と下段側ケーブル系統のケーブルの施工性が向上する。
【0038】
また、鉛直方向に配置された第1垂直方向仕切り板30と第2垂直方向仕切り板31および第1水平方向仕切り板32とにより構成された仕切構造体29と、充電部となる下段側ケーブル端子23と下段側ケーブル22と下段側ケーブルブラケット27および下段側零相変流器28である下段側ケーブル系統との絶縁距離が確保されている。
【0039】
また、鉛直方向に配置された第1垂直方向仕切り板30と第2垂直方向仕切り板31および第1水平方向仕切り板32とにより構成された仕切構造体29と、充電部となる上段側ケーブル端子20と上段側ケーブル19と上段側ケーブルブラケット25および上段側零相変流器26である上段側ケーブル系統との絶縁距離が確保されている。
【0040】
このように、絶縁距離を確保することができるので、スイッチギヤの盤幅あるいは盤の奥行の拡大を防止し、スイッチギヤの材料コストの増大および据え付けスベースの拡大を防止することができる。
【0041】
また、接地金属または絶縁部材で形成されたケーブル区切り板17により上段側ケーブルコンパートメント5と下段側ケーブルコンパートメント6とを上下に区切るとともに上段側零相変流器26は下段側ケーブルコンパートメント6内に配置したので、上段側ケーブルコンパートメント5には上段側零相変流器26を設ける必要がない。
【0042】
したがって、上段側ケーブルコンパートメント5内において、上段側ケーブル端子20と上段側ケーブルブラケット24との間の距離が設ける必要がなくなった上段側零相変流器26の厚さ分だけ長くなる。その結果、通電可能電流が高くかつ外径の大きな上段側ケーブル19でも取り付けることが可能となる。
【0043】
また、この実施の形態1においては、上段側零相変流器26と下段側零相変流器28は筐体1の幅方向において同一列に配置した場合を示しており、このような配列にすることにより、スイッチギヤの幅方向および奥行方向のそれぞれ寸法を拡大することなく実現させることが可能である。
【0044】
ところで、仕切構造体29は、一例として、第1垂直方向仕切り板30の仕切り板30aと仕切り板30bとは折り曲げ加工により直角状に形成してもよく、あるいは、第1垂直方向仕切り板30の仕切り板30aと仕切り板30bはそれぞれ一枚の金属部材あるいは絶縁部材で構成し、仕切り板30aと仕切り板30bとを接続して直角状に形成してもよい。
【0045】
また、第2垂直方向仕切り板31の仕切り板31aと仕切り板31bとは折り曲げ加工により直角状に形成してもよく、あるいは、第2垂直方向仕切り板31の仕切り板31aと仕切り板31bはそれぞれ一枚の金属部材あるいは絶縁部材で構成し、仕切り板31aと仕切り板31bとを接続して直角状に形成してもよい。そして、第1垂直方向仕切り板30と第2垂直方向仕切り板31とを第1水平方向仕切り板32によって連結することにより仕切構造体29が構成された場合を示している。
【0046】
実施の形態2.
本願の実施の形態2を図5および図6に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図5は実施の形態2によるスイッチギヤを示す断面図である。図6は実施の形態2によるスイッチギヤを示す図5のC-C線における断面図である。
【0047】
上述した実施の形態1においては、上段側ケーブル系統が一つで下段側ケーブル系統とスイッチギヤの幅方向に同一列で配置された場合を示したが、この実施の形態2においては、上段側ケーブル系統が二つでスイッチギヤの奥行方向に同一列で配置された場合を示している。
【0048】
上段側ケーブル端子20に第1列目の上段側ケーブル191が接続され、この上段側ケーブル191に上段側ケーブルブラケット241、上段側ケーブルブラケット251、上段側零相変流器261が設けられている。
【0049】
また、上段側ケーブル端子20に第2列目の上段側ケーブル192が接続され、この上段側ケーブル192に上段側ケーブルブラケット242、上段側ケーブルブラケット252、上段側零相変流器262が設けられている。
【0050】
仕切構造体29は下段側ケーブルコンパートメント6内に配置され、下段側零相変流器28と上段側零相変流器261,262との間を区切るとともに下段側ケーブルコンパートメント6内の上段側ケーブル191,192、上段側零相変流器261,262を囲うものである。この仕切構造体29は、下段側零相変流器28と上段側零相変流器261,262との間に配置され、上段側零相変流器261,262の上方の位置までの鉛直方向に配置された第1垂直方向仕切り板30と、第1垂直方向仕切り板30の位置より上段側ケーブル191,192側の位置に配置され、ケーブル区切り板17までの鉛直方向に配置された第2垂直方向仕切り板31と、第1垂直方向仕切り板30と第2垂直方向仕切り板31とを連結する第1水平方向仕切り板32とにより構成された場合を示している。
【0051】
このように、二つの上段側ケーブル系統をスイッチギヤの奥行方向に同一列に配置することにより、上段側零相変流器261と上段側零相変流器262をスイッチギヤの奥行方向に同一列に配置でき、複数の上段側零相変流器にも対応することができる。この形態の場合、スイッチギヤの奥行方向の延長のみで、複数の上段側ケーブルおよび複数の上段側零相変流器の収納が可能となる。
【0052】
実施の形態3.
本願の実施の形態3を図7および図8に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図7は実施の形態3によるスイッチギヤを示す断面図である。図8は実施の形態3によるスイッチギヤを示す図7のD-D線における断面図である。
【0053】
上述した実施の形態2においては、上段側ケーブル系統が二つでスイッチギヤの奥行方向に同一列で配置された場合を示したが、この実施の形態3においては、二つの上段側ケーブル系統と下段側ケーブル系統がスイッチギヤの幅方向に同一列で配置された場合を示している。
【0054】
図8に示すように、スイッチギヤの幅方向の中央部に下段側ケーブル系統が配置され、第1列目の上段側ケーブル系統が下段側ケーブル系統の左側に配置され、第2列目の上段側ケーブル系統が下段側ケーブル系統の左側に配置された場合を示している。
【0055】
上段側ケーブル端子20に第1列目の上段側ケーブル193が接続され、この上段側ケーブル193に上段側ケーブルブラケット243、上段側ケーブルブラケット253、上段側零相変流器263が設けられている。
【0056】
また、上段側ケーブル端子20に第2列目の上段側ケーブル194が接続され、この上段側ケーブル194に上段側ケーブルブラケット244、上段側ケーブルブラケット254、上段側零相変流器264が設けられている。
【0057】
仕切構造体29は下段側ケーブルコンパートメント6内に配置され、下段側零相変流器28と上段側零相変流器263との間を区切るとともに下段側ケーブルコンパートメント6内の上段側ケーブル193、上段側零相変流器263を囲うものである。
【0058】
また、仕切構造体29は下段側ケーブルコンパートメント6内に配置され、下段側零相変流器28と上段側零相変流器264との間を区切るとともに下段側ケーブルコンパートメント6内の上段側ケーブル194、上段側零相変流器264を囲うものである。
【0059】
このように、二つの上段側ケーブル系統と下段側ケーブル系統とをスイッチギヤの幅方向に同一列に配置することにより、上段側零相変流器263と下段側零相変流器28と上段側零相変流器264とをスイッチギヤの幅方向に同一列に配置でき、複数の上段側零相変流器にも対応することができる。この形態の場合、スイッチギヤの幅方向に拡張される可能性があるが、スイッチギヤの奥行方向の拡張が防止できる。このように、複数の上段側ケーブルおよび複数の上段側零相変流器の収納が可能となる。
【0060】
この実施の形態3において、下段側裏面カバー33は3枚で構成され、図示はしないが、第1列目の上段側ケーブル系統用の下段側裏面カバー体、下段側ケーブル系統用の下段側裏面カバー体、第2列目の上段側ケーブル系統用の下段側裏面カバー体とにより構成される。
【0061】
実施の形態4.
本願の実施の形態4を図9および図10に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図9は実施の形態4によるスイッチギヤを示す図2のB-B線における断面図である。図10は実施の形態4によるスイッチギヤにおける仕切構造体を示す斜視図である。
【0062】
上述した実施の形態1において、仕切構造体29の第1垂直方向仕切り板30および第2垂直方向仕切り板31は直角状に形成された場合について述べたが、この実施の形態4においては、第1垂直方向仕切り板30および第2垂直方向仕切り板31を折曲加工することにより、仕切り板30aと仕切り板30bの連通部30cを平面板部とし、仕切り板31aと仕切り板31bの連通部31cを平面板部とし、第1垂直方向仕切り板30と第2垂直方向仕切り板31とを第1水平方向仕切り板32に接続する。このとき、連通部30cと連通部31cと連通部32cとが接続される。
【0063】
この実施の形態4においては、図9に示すように、第1垂直方向仕切り板30の連通部30cと下段側ケーブル22あるいは下段側ケーブル端子23との絶縁距離をより大きく確保することができるとともに、第2垂直方向仕切り板31の連通部31cと下段側ケーブル22あるいは下段側ケーブル端子23との絶縁距離をより大きく確保することができる。
【0064】
実施の形態5.
本願の実施の形態5を図11および図12に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図11は実施の形態5によるスイッチギヤを示す図2のB-B線における断面図である。図12は実施の形態5によるスイッチギヤにおける仕切構造体を示す斜視図である。
【0065】
上述した実施の形態1において、仕切構造体29の第1垂直方向仕切り板30および第2垂直方向仕切り板31は直角状に形成された場合について述べたが、この実施の形態4においては、第1垂直方向仕切り板30および第2垂直方向仕切り板31をロール加工することにより、仕切り板30aと仕切り板30bの連通部30dを円弧状部とし、仕切り板31aと仕切り板31bの連通部31dを円弧状部とし、第1垂直方向仕切り板30と第2垂直方向仕切り板31とを第1水平方向仕切り板32により接続する。このとき、連通部30dと連通部31dと連通部32dとが接続される。
【0066】
この実施の形態5においては、図11に示すように、第1垂直方向仕切り板30の連通部30dと下段側ケーブル22あるいは下段側ケーブル端子23との絶縁距離をより大きく確保することができるとともに、第2垂直方向仕切り板31の連通部31dと下段側ケーブル22あるいは下段側ケーブル端子23との絶縁距離をより大きく確保することができる。
【0067】
実施の形態6.
本願の実施の形態6を図13および図14に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図13は実施の形態6によるスイッチギヤを示す断面図である。図14は実施の形態6によるスイッチギヤを示す図13のE-E線における断面図である。
【0068】
接地金属または絶縁部材で形成されたケーブル区切り板17は上段側ケーブルコンパートメント5と下段側ケーブルコンパートメント6とを上下に区切っている。上段側接続導体18と上段側ケーブル195とは上段側ケーブル端子201により接続されている。上段側ケーブル195は上段側ケーブルコンパートメント5の外部から上段側ケーブルコンパートメント5内に引き込まれている。
【0069】
下段側接続導体21と下段側ケーブル221とは下段側ケーブル端子231により接続されている。下段側ケーブル221は上段側ケーブルコンパートメント5の外部から上段側ケーブルコンパートメント5内に引き込まれ、ケーブル区切り板17を挿通して下段側ケーブルコンパートメント6内に引き込まれている。
【0070】
上段側ケーブルコンパートメント5内の上方側に位置する上段側ケーブル195に上段側ケーブルブラケット255が設けられ、上段側ケーブルブラケット255の上方側に上段側零相変流器265が設けられている。
【0071】
上段側ケーブルコンパートメント5内の下方側に下段側ケーブルブラケット271が設けられ、上段側ケーブルコンパートメント5内の上方側に下段側ケーブルブラケット272が設けられ、下段側ケーブルブラケット272の上方側に下段側零相変流器281が設けられている。
【0072】
上段側ケーブルコンパートメント5内には、上段側ケーブル195と上段側ケーブルブラケット255と上段側零相変流器265が配置されるとともに、下段側ケーブル221と下段側ケーブルブラケット272と下段側零相変流器281が配置されているので、上段側ケーブルコンパートメント5内を上段側ケーブル系統と下段側ケーブル系統とを絶縁距離をとって区切る必要がある。
【0073】
仕切構造体291は上段側ケーブルコンパートメント5内に配置され、下段側零相変流器28と上段側零相変流器26との間を区切るとともに上段側ケーブルコンパートメント5内の上段側ケーブル195、上段側零相変流器265を囲うものである。この仕切構造体291は、下段側零相変流器281と上段側零相変流器265との間に配置され、上段側零相変流器265の下方の位置までの鉛直方向に配置された第3垂直方向仕切り板301と、第3垂直方向仕切り板301の位置より下段側ケーブル221側の位置に配置され、ケーブル区切り板17までの鉛直方向に配置された第4垂直方向仕切り板311と、第3垂直方向仕切り板301と第4垂直方向仕切り板311とを連結する第2水平方向仕切り板322とにより構成された場合を示している。
【0074】
仕切構造体291は上述した各実施の形態の構成を適用することが可能である。また、下段側裏面カバー331は一枚の金属材料により構成され、上段側裏面カバー341は上述した実施の形態1に示した下段側裏面カバー33の構成を適用する。
【0075】
上段側裏面カバー341は2つの上段側第1裏面カバー体と上段側第2裏面カバー体とにより構成されている。上段側第1裏面カバー体と上段側第2裏面カバー体はそれぞれ観音開きし得る構成となっている。
【0076】
上段側ケーブル系統が充電中の状態で、下段側ケーブル系統が停止状態の場合は、スイッチギヤの一方が充電中であっても、上段側第1裏面カバー体を開いて下段側ケーブル系統である下段側零相変流器281、下段側ケーブル22などの保守点検を行うことができる。また、下段側ケーブル221の施工性を著しく向上させることができる。
【0077】
また、逆に下段側ケーブル系統が充電中の状態で、上段側ケーブル系統が停止状態の場合は、スイッチギヤの一方が充電中であっても、上段側第2裏面カバー体を開いて上段側ケーブル系統である上段側零相変流器265、上段側ケーブル195などの保守点検を行うことができる。また、上段側ケーブル195の施工性を著しく向上させることができる。
【0078】
この実施の形態6によれば、上段側ケーブルコンパートメント5内において、上段側ケーブルコンパートメント5の外部から上段側ケーブルコンパートメント5内に引き込まれた上段側ケーブル195、上段側ケーブルブラケット255、上段側零相変流器265である上段側ケーブル系統と、上段側ケーブルコンパートメント5の外部から上段側ケーブルコンパートメント5内に引き込まれた下段側ケーブル221、下段側ケーブルブラケット271,272、下段側零相変流器281である下段側ケーブル系統とが仕切構造体291により仕切られ、それぞれのスペースが確保できるため、上段側ケーブル系統と下段側ケーブル系統のケーブルの施工性が向上する。
【0079】
また、鉛直方向に配置された第3垂直方向仕切り板301と第4垂直方向仕切り板311および第2水平方向仕切り板321とにより構成された仕切構造体291と、充電部となる上段側ケーブル端子201と上段側ケーブル195と上段側ケーブルブラケット255および上段側零相変流器265である上段側ケーブル系統との絶縁距離が確保されている。
【0080】
このように、絶縁距離を確保することができるので、スイッチギヤの盤幅あるいは盤の奥行の拡大を防止し、スイッチギヤの材料コストの増大および据え付けスベースの拡大を防止することができる。
【0081】
また、接地金属または絶縁部材で形成されたケーブル区切り板17により上段側ケーブルコンパートメント5と下段側ケーブルコンパートメント6とを上下に区切るとともに下段側零相変流器281は上段側ケーブルコンパートメント5内に配置したので、下段側ケーブルコンパートメント6には下段側零相変流器を設ける必要がない。
【0082】
したがって、下段側ケーブルコンパートメント6内において、下段側ケーブル端子231と下段側ケーブルコンパートメント6の上方側との間の距離が下段側零相変流器の厚さ分だけ長くなる。その結果、通電可能電流が高くかつ外径の大きな下段側ケーブル221でも取り付けることが可能となる。
【0083】
また、この実施の形態6においては、上段側零相変流器265と下段側零相変流器281は筐体1の幅方向において同一列に配置した場合を示しており、このような配列にすることにより、スイッチギヤの幅方向および奥行方向のそれぞれ寸法を拡大することなく実現させることが可能である。
【0084】
更に、この実施の形態6の実施態様として、上述した実施の形態2から実施の形態5の態様を取り入れた構成とすることも可能である。
【0085】
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本願は、下段側ケーブルコンパートメントの下段側ケーブルの充電部と下段側ケーブルコンパートメント内に引き込まれた上段側ケーブルの充電部との絶縁距離を大型化することなく確保できるスイッチギヤの実現に好適である。
【符号の説明】
【0087】
1 筐体、1a 側部、2 上段側遮断器コンパートメント、3 下段側遮断器コンパートメント、4 母線コンパートメント、5 上段側ケーブルコンパートメント、6 下段側ケーブルコンパートメント、7 上段側遮断器、8 下段側遮断器、9 母線、17 ケーブル区切り板、19,191,192,193,194,195 上段側ケーブル、20,201 上段側ケーブル端子、22,221 下段側ケーブル、23,231 下段側ケーブル端子、25,251,252,253,254,255 上段側ケーブルブラケット、26,261,262,263,264,265 上段側零相変流器、27,271,272 下段側ケーブルブラケット、28,281 下段側零相変流器、29,291 仕切構造体、30 第1垂直方向仕切り板、30a,30b 仕切り板、31 第2垂直方向仕切り板、31a,31b 仕切り板、32 第1水平方向仕切り板、32a,32b 仕切り板、33,331 下段側裏面カバー、33a 下段側第1裏面カバー体、33b 下段側第2裏面カバー体、34,341 上段側裏面カバー、301 第3垂直方向仕切り板、311 第4垂直方向仕切り板、321 第2水平方向仕切り板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14