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特開2024-174356冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム
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  • 特開-冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム 図1
  • 特開-冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム 図2A
  • 特開-冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム 図2B
  • 特開-冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム 図2C
  • 特開-冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム 図3
  • 特開-冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム 図4A
  • 特開-冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム 図4B
  • 特開-冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム 図5
  • 特開-冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム 図6
  • 特開-冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174356
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システム
(51)【国際特許分類】
   C03C 19/00 20060101AFI20241210BHJP
   B24B 7/24 20060101ALI20241210BHJP
   B24B 29/00 20060101ALI20241210BHJP
   B24B 27/033 20060101ALI20241210BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20241210BHJP
   F25D 23/08 20060101ALI20241210BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
C03C19/00 Z
B24B7/24 A ZAB
B24B29/00 E
B24B27/033
F25D23/02 304E
F25D23/08 Z
F25D23/02 304A
B09B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092145
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505166122
【氏名又は名称】株式会社関東エコリサイクル
(71)【出願人】
【識別番号】596117164
【氏名又は名称】トーバン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩家 洋一
(72)【発明者】
【氏名】井関 崇
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓愛
(72)【発明者】
【氏名】本多 秀行
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 秀明
(72)【発明者】
【氏名】大関 秀樹
【テーマコード(参考)】
3C043
3C158
3L102
4D004
4G059
【Fターム(参考)】
3C043BB06
3C043CC06
3C043CC11
3C043CC13
3C043DD02
3C043DD05
3C043DD13
3C158AA06
3C158AA14
3C158AA18
3C158AB03
3C158AB04
3C158BA02
3C158BA04
3C158CA06
3C158CB03
3L102JA01
3L102KA01
3L102KE12
4D004AA18
4D004AA22
4D004AB05
4D004AB10
4D004BA06
4D004CA01
4D004CA12
4D004DA02
4D004DA12
4G059AA01
4G059AB19
4G059AC30
(57)【要約】
【課題】研磨ムラを防止しつつ、メンテナンス頻度を抑えることができるガラス板の処理方法、研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システムを提供する。
【解決手段】冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出した、裏面付着物及び発泡断熱材が付着したガラス板の処理方法であって、ガラス板の表面を研磨するガラス表面研磨装置を準備する準備工程と、ガラス板から発泡断熱材の少なくとも一部を除去する前工程と、ガラス表面研磨装置がガラス板を研磨して、少なくとも裏面付着物を除去する後工程と、をこの順番で実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出した、裏面付着物及び発泡断熱材が付着したガラス板の処理方法であって、
前記ガラス板の表面を研磨するガラス表面研磨装置を準備する準備工程と、
前記ガラス板から前記発泡断熱材の少なくとも一部を除去する前工程と、
前記ガラス表面研磨装置が前記ガラス板を研磨して、少なくとも前記裏面付着物を除去する後工程と、をこの順番で実行する処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の処理方法であって、
前記ガラス表面研磨装置は、
前記ガラス板を研磨する回転ブラシと、
前記ガラス板を前記回転ブラシに向かって搬送する搬送手段と、を備え、
前記裏面付着物は、前記ガラス板の表面に沿って帯状に延在している粘着材であり、
前記粘着材の延在方向が前記搬送手段の搬送方向に対して傾斜した状態で、前記回転ブラシが前記ガラス板を研磨する処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の処理方法であって、
前記ガラス板は、互いに異なる方向に延在する複数の前記粘着材を有し、
前記ガラス板は、前記粘着材のうち少なくとも最短ではない粘着材が、前記搬送手段の搬送方向に対して傾斜した状態で前記搬送手段に投入される処理方法。
【請求項4】
請求項2に記載の処理方法であって、
前記粘着材の前記搬送方向に対する傾斜角度は、10~30°である処理方法。
【請求項5】
請求項1乃至4何れか一項に記載の処理方法に用いられる研磨装置であって、
前記前工程に使用され、前記後工程には使用されない回転ブラシを有する研磨装置。
【請求項6】
請求項5に記載の研磨装置であって、
前記回転ブラシは、前記ガラス板の表面に届かない位置に配されている研磨装置。
【請求項7】
請求項2乃至4何れか一項に記載の処理方法に用いられる前記ガラス表面研磨装置であって、
投入前の前記粘着材の向きを案内する角度案内手段を備えるガラス表面研磨装置。
【請求項8】
請求項2乃至4何れか一項に記載の処理方法に用いられる前記ガラス表面研磨装置であって、
前記回転ブラシは、前記ガラス板の搬送方向に沿って間隔を置いて3本以上が配置されており、
それぞれの前記回転ブラシの回転速度は、1450rpm以下であるガラス表面研磨装置。
【請求項9】
冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出した、裏面付着物及び発泡断熱材が付着したガラス板の処理システムであって、
前記ガラス板から前記発泡断熱材の少なくとも一部を除去する前工程を実行する、回転ブラシを備える研磨装置と、
該研磨装置の後段に配され、前記ガラス板の表面を研磨して、少なくとも前記裏面付着物を除去する後工程を実行する、ガラス表面研磨装置と、備える処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出したガラス板の処理方法、この処理方法に用いられる研磨装置、ガラス表面研磨装置、及び処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
使用済みの冷蔵庫や、産廃品となった冷蔵庫をリサイクルすることが行われている。冷蔵庫には、インテリア性の高さから例えばガラス板を使用した「ガラス扉」が採用されることが増えてきている。このようなガラス扉は、ガラス板が扉枠に粘着材を介して固定され、内部の空間に発泡ウレタンなどの断熱材が充填されている。冷蔵庫をリサイクルする際には、ガラス扉からガラス板を含む部分が取り出されるが、取り出されたガラス板の同一側の面には、発泡ウレタンや粘着材、塗膜などが付着している。これらはガラスを再利用する際に不純物となってしまうため、再利用する事が出来ない。従ってガラス板の表面からこれらを除去する必要がある。例えば、特許文献1には、回転ブラシによって表面処理を行う表面処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5163977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置は、廃ガラス扉など、発泡断熱材に加えて、粘着剤や塗膜などが付着した物の研磨を想定したものではなく、処理効率について改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の処理方法は、冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出した、裏面付着物及び発泡断熱材が付着したガラス板の処理方法であって、前記ガラス板の表面を研磨するガラス表面研磨装置を準備する準備工程と、前記ガラス板から前記発泡断熱材の少なくとも一部を除去する前工程と、前記ガラス表面研磨装置が前記ガラス板を研磨して、少なくとも前記裏面付着物を除去する後工程と、をこの順番で実行する。
また、本発明の処理システムは、冷蔵庫の廃ガラス扉から取り出した、裏面付着物及び発泡断熱材が付着したガラス板の処理システムであって、前記ガラス板から前記発泡断熱材の少なくとも一部を除去する前工程を実行する、回転ブラシを備える研磨装置と、該研磨装置の後段に配され、前記ガラス板の表面を研磨して、少なくとも前記裏面付着物を除去する後工程を実行する、ガラス表面研磨装置と、備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本実施形態の研磨装置及びガラス表面研磨装置を含む処理システムの全体構成図である。
図2A】廃ガラス扉の分解斜視図である。
図2B】廃ガラス扉の断面図である。
図2C図2Bの一部拡大図である。
図3】廃ガラス扉の研磨工程におけるガラス表面の状態図である。
図4A】ガラス表面研磨装置の構成図である。
図4B】ガラス表面研磨装置の別の構成図である。
図5】回転ブラシとガラス板の距離を示す断面図である。
図6】ガラス板の投入角度の違いによる研磨状態を示す図である。
図7】回転ブラシの回転速度とガラス表面温度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本実施形態の研磨装置(ウレタン研磨装置)及びガラス表面研磨装置を含む処理システムの全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態のガラス表面研磨装置1は、3本の回転ブラシ1A,1B,1Cと、搬送部2と、を備えている。
【0008】
回転ブラシ1A~1Cは、円柱状のブラシであり、円柱状のベースに多数のスチールなどの金属製のワイヤが360度植設されて構成されたものである。回転ブラシ1Aは、最も上流側に位置し、回転ブラシ1Cは、最も下流側に位置している。
【0009】
搬送部2は、例えば、回転ブラシ1A~1Cの鉛直方向の下側に設けられる回転ブラシ1A~1Cと略同径のローラと、搬送方向の前後に設けられる小径のローラと、が組み合わされて構成されている。
【0010】
また、ガラス表面研磨装置1の前段(上流側)には、研磨装置40(ウレタン研磨装置)が設けられている。この研磨装置40は、主にガラス板に接着して残存する発泡ウレタン(発泡断熱材)を取り除くものであり、ガラス表面研磨装置1と同様に、例えば1本の回転ブラシ41と、搬送手段42と、によって構成されている。
【0011】
研磨装置40とガラス表面研磨装置1との間には、搬送手段としてのベルトコンベア3が設けられている。このベルトコンベア3は、研磨装置40によって研磨されたガラス板10(図2A参照)がガラス表面研磨装置1に向けて搬送されるように構成されている。搬送部2、ベルトコンベア3、及び搬送手段42は、2つ又は3つが一体に構成されていてもよい。
【0012】
図2Aは、廃ガラス扉の分解斜視図、図2Bは、廃ガラス扉の断面図、図2Cは、図2Bの一部拡大図である。
図2Aに示すように、廃ガラス扉5は、表面に設けられたガラス板10と、ガラス板10の周縁に設けられた扉枠20と、ガラス板10の裏面又は裏側に配置された真空断熱材30と、ガラス板10と扉枠20とで形成された空間Qに充填された発泡断熱材50(図2B参照)と、扉枠20の裏面(背面)に設けられた内板60と、を備えて構成されている。
【0013】
ガラス板10は、廃ガラス扉5の表面(前面)側の外壁(外郭、意匠面)を形成する透光性の矩形の平板部材から成る。ガラス板10の外周部は、縦長の四角枠状の扉枠20の内側前端部に装着されて、扉枠20によって覆われている。この扉枠20は、例えば、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)樹脂で形成されている。
【0014】
扉枠20は、ガラス板10の右側縁部に沿って形成される枠部材21と、ガラス板10の左側縁部に沿って形成される枠部材22と、ガラス板10の上側縁部に沿って形成される枠部材23と、ガラス板10の下側縁部に沿って形成される枠部材24と、が組み合わせて構成されている。
【0015】
枠部材22には、内側方向に突出するフランジ部22aが形成されている。このフランジ部22aは、ガラス板10の左側縁部に沿って形成されている。また、枠部材23,24,21についても枠部材22と同様に、フランジ部23a,24a,21aが形成されている。
【0016】
図2Bに示すように、廃ガラス扉5は、ガラス板10と内板60とが前後方向(表裏方向)に離間して配置され、空間Qに真空断熱材30が配置され、真空断熱材30を除く空間に発泡断熱材50(断熱材)が配置されるように構成されている。真空断熱材30は、フランジ部21a~24aに離間してガラス板10の裏面に貼付されていてもよいし、内板60に貼付されていてもよいし、ガラス板10と内板60との間に取り付けられていてもよい。ガラス板10の裏面に貼付されている場合、フランジ部21a~24aと真空断熱材30との間には、ガラス板10の裏面が空間Qに露出しており、この部分において発泡断熱材50がガラス板10の裏面に接着している。このように何れの場合にせよ、ガラス板10の裏面には、少量であったとしても発泡断熱材50が接着している。
【0017】
発泡断熱材50は、断熱材としての機能と、接着剤としての機能と、を備えている。また、発泡断熱材50は、中央部に真空断熱材30を載置したガラス板10と、ガラス板10の外周に取り付けられた扉枠20とで形成された空間Qに、例えば真空断熱材30を介在させて充填されることによって、空間Qの内壁面に接着される。この場合、発泡断熱材50は、真空断熱材30を覆った状態でガラス板10の裏面に接着されている。なお、発泡断熱材50は、硬質ウレタンフォームで形成されている。
【0018】
また、ガラス板10の裏面には、裏面付着物の一例としての塗膜80が形成されている。この塗膜80の裏面には、飛散防止フィルム(不図示)が設けられている。
【0019】
図2Cに示すように、フランジ部22aは、ガラス板10に平行に沿って延びる断面視において板状の部材である。また、フランジ部22aは、図2Cの紙面に直交する方向に延びて形成されている。
【0020】
また、フランジ部22aには、裏面付着物の一例、また、粘着剤の一例としての粘着テープ70(粘着材)が設けられている。この粘着テープ70は、フランジ部22aに沿って帯状に設けられている。また、粘着テープ70は、ガラス板10の左側縁部に沿って形成されている。そして、ガラス板10によって粘着テープ70が押圧されることで、ガラス板10が枠部材22に接着・固定される。なお、本実施形態では、粘着テープ70を例に挙げて説明したが、ホットメルト接着材など他の粘着材であってもよい。また、図示省略するが、他のフランジ部21a,23a,24a(図2A参照)についても粘着テープが帯状に設けられ、ガラス板10の右側縁部、上縁部、下縁部が接着・固定されている。なお、ここでいう帯状とは、太さを問う趣旨ではなく、線状であってもよい。
【0021】
このように構成された廃ガラス扉5は、例えば、扉枠20ごと刃で切断されるなどして、ガラス板10が分離される。分離の方法としては、例えば特許第7195234号公報に記載の分離工程を使用することができる。しかしながら、分離されたガラス板10の表面(裏側の面)には、塗膜80(図2B参照)、粘着テープ70、発泡断熱材50(図2B参照)が付着して残っている。このようにガラス板10に塗膜80、粘着テープ70、発泡断熱材50(断熱材)などが残っている状態では、ガラス板を再利用できないため、ガラス板10に残っている塗膜80、粘着テープ70、発泡断熱材50を取り除く必要がある。なお、塗膜80がないガラス板10の場合であってもよい。
【0022】
図3は、廃ガラス扉の研磨工程におけるガラス表面の状態図である。なお、図3では、研磨装置40に投入される前の状態をガラス板10Aとし、研磨装置40に投入された後の状態をガラス板10Bとし、ガラス表面研磨装置1に投入された後の状態をガラス板10Cとしている。ガラス板10Aは、真空断熱材30(図2B参照)が除かれている状態またはもともとガラス板10に貼付されていなかった状態である。
【0023】
図3の左図に示すように、廃ガラス扉5から分離された状態のガラス板10Aには、発泡断熱材50、粘着テープ70、塗膜80などの付着物が残っている。すなわち、ガラス材11の表面(裏面)に塗膜80が残り、塗膜80の上に粘着テープ70及び発泡断熱材50が残っている。塗膜80が施されていないガラス板10Aの場合は、ガラス板10Aの裏面に直接粘着テープ70及び発泡断熱材50が残っていることになる。
【0024】
ところで、ガラス板10Aに発泡断熱材50が付着したままガラス板10Aをガラス表面研磨装置1に投入すると、ウレタン屑がガラス表面研磨装置1の内部で舞い、搬送部2のローラに付着する。このウレタン屑は、搬送部2のローラで押し固められてしまい、ローラの厚みが不均一となり、研磨ムラを引き起こす。また、研磨ムラを抑えるために、ローラに付着したウレタンを除去するためのメンテナンス頻度が増加する。このため、ガラス表面研磨装置1の前段に研磨装置40を設けてウレタンを研磨(除去)する前工程を行うことで、ガラス表面研磨装置1におけるウレタンの研磨量を減らすことができる。これにより、ガラス表面研磨装置1に投入されるウレタン量を減らすことができ、メンテナンスの回数が増加するのを抑えることができる。ガラス板10Aに付着堆積した発泡断熱材50(発泡ウレタン)は、廃ガラス扉5からの分離方法にも依るが、通常、厚みが不均一で凹凸があることが予想される。また、少なくとも凸の部分においては、塗膜80や粘着テープ70よりも背が高い、すなわち、図3中、紙面手前方向に突出していることが予想される。後述するように、研磨装置40は、このように、発泡断熱材50のうち或る程度厚みがある(背の高い)部分を少なくとも除去することで、後段のガラス表面研磨装置1でのウレタン研磨量を減らすことができる。
【0025】
図3の中央図に示すように、研磨装置40に投入されたガラス板10Aは、発泡断熱材50が少なくとも一部除去された状態のガラス板10Bとなる。図3の中央図では、説明の便利のため、発泡断熱材50を不図示としている。このガラス板10Bは、ガラス材11の表面に塗膜80が残り、塗膜80の上に粘着テープ70(粘着材)が残った状態になる。
【0026】
そして、塗膜80と粘着テープ70が残ったガラス板10Bは、ガラス表面研磨装置1に投入される。これにより、図3の右図に示すように、ガラス板10Bから塗膜80および粘着テープ70が除去されたガラス板10C(透明なガラス材11のみ)となる。
【0027】
図4Aは、ガラス表面研磨装置の構成図である。
図4Aに示すように、ガラス表面研磨装置1は、回転ブラシ1A,1B,1Cと、ガラス板10を搬送する搬送部2(搬送手段)と、ガラス板10の向き(搬送する際の角度)を案内する角度案内治具6と、を備えて構成されている。なお、図4Aでは、搬送部2を、図1とは異なりベルトコンベア状のものに形状を変えて図示している。
【0028】
回転ブラシ1A,1B,1Cは、搬送部2の搬送方向S1に沿って等間隔に配置されている。また、回転ブラシ1A~1Cは、回転ブラシ1A~1Cの回転軸1gが、搬送方向S1に非平行な向きに、例えば直交するようにして配置されている。また、回転ブラシ1A~1Cの回転軸1gは、いずれも互いに平行である。なお、回転ブラシ1A~1Cの各回転軸1gには電動機(図示せず)が接続され、回転ブラシ1A~1Cを回転させる駆動力が与えられる。また、回転ブラシ1A~1Cの回転方向Wは、いずれも同じであり、図1に示す時計回り方向(W方向)である。
【0029】
角度案内治具6は、搬送部2の近傍に配置され、ガラス板10の四辺(2つの長辺10aと2つの短辺10b)のうちの一辺(短辺10b)を当接させる当接部6aを備えている。作業者は、手作業によって、当接部6aにガラス板10の短辺10bを当接させ、ガラス板10を搬送方向S1に対して傾けた状態にする。そして、ガラス板10の向きを維持した状態で、搬送部2に投入する(ガラス板10を搬送部2上に載置する)。これにより、ガラス板10は、粘着テープ70の延在方向S2とガラス板10の搬送方向S1とが成す角度がθ°となるように案内される。つまり、ガラス板10の搬送方向S1に対して傾斜した状態でガラス板10がガラス表面研磨装置1に投入される。なお、ここでは、粘着テープ70の延在方向S2がガラス板10の長辺10aに沿った方向として説明している。なお、当接部6aはあくまで、ガラス板10の投入角度を案内するものであるから、粘着テープ70がガラス板10の縁に沿って貼付されているガラス板10に対して使用することができる。また、角度θは、10°以上30°以下(10~30°)に設定される。
【0030】
このように構成されたガラス表面研磨装置1では、粘着テープ70が搬送方向S1に対して角度θ°をなすため、回転ブラシ1A~1Cの同じところに粘着テープ70が当たり続けてしまうことが抑制される。本実施形態のガラス板10においては、粘着テープ70が矩形状のガラス板10の短手方向及び長手方向それぞれに沿った方向に貼付されているため、結果としては、ガラス板10の短手方向だけでなく長手方向が搬送方向S1に対して傾斜した角度(非平行な角度)で投入される。ガラス板10は、搬送部2によって搬送されながら、まず、回転ブラシ1Aによって研磨が行われる。このとき、延在方向S2に設けられる粘着テープ70は、点P1に位置する粘着テープ70は、回転ブラシ1Aの点P10を通る。また、点P2に位置する粘着テープ70は、回転ブラシ1Aの点P20を通る。このように、回転ブラシ1Aの汚損原因となる粘着物の一例である粘着テープ70は、回転ブラシ1Aの同じ位置を通り続けることがないので、回転ブラシ1Aの劣化が早まるのを防ぐことができる。すなわち、回転ブラシ1Aの同じ部分に粘着材が当たり続け、ブラシ表面が粘着剤に被覆されたり、汚染されたりする偏りを抑制することができる。
【0031】
なお、ガラス板10の短手方向(延在方向S2に直交する方向)に設けられる粘着テープ70についても、ガラス板10に残る粘着テープ70の延在方向が回転ブラシ1Aの軸方向Gに対して傾斜し、かつ、ガラス板10の搬送方向S1に対して傾斜した状態でガラス板10が投入される。このため、延在方向S2に設けられる粘着テープ70と同様に、粘着テープ70が回転ブラシ1Aの同じ位置を通り続けることがないので、回転ブラシ1Aの劣化が早まるのを防ぐことができる。冷蔵庫の廃ガラス扉5には、このようにガラス板10の縁に沿った矩形状の粘着テープ70が設けられることが多いため、そのような場合に対応したガラス板10の投入方向となるように作業を行うこととしている。仮に、例えば対角線方向に粘着テープ70が貼付された矩形状のガラス板10を処理する場合は、搬送方向S1をガラス板10の長手方向又は短手方向に平行にすることができる。すなわち、搬送方向S1を粘着テープ70とが非平行になるように処理をすればよい。すべての粘着テープ70が搬送方向S1に非平行となるようにすることが好ましいが、これが困難な場合は、最短の粘着テープ70以外の粘着テープ70の何れかが搬送方向S1に非平行となるようにすることが好ましく、最長の粘着テープ70が搬送方向S1に非平行となるようにすることがさらに好ましい。
【0032】
そして、回転ブラシ1Aによってガラス板10の全体の研磨が完了する前に次の回転ブラシ1Bによって研磨が行われる。この場合も、回転ブラシ1Aによる研磨と同様に、ガラス板10の向きが維持されているので、粘着テープ70が回転ブラシ1Bの同じ位置を通り続けることがなくなり、回転ブラシ1Bの劣化が早まるのを防ぐことができる。
【0033】
そして、回転ブラシ1Bによってガラス板の全体の研磨が完了する前に次の回転ブラシ1Cによって研磨が行われる。この場合も、回転ブラシ1A,1Bによる研磨と同様に、ガラス板10の向きが維持されているので、粘着テープ70が回転ブラシ1Bの同じ位置を通り続けることがなくなり、回転ブラシ1Bの劣化が早まるのを防ぐことができる。
【0034】
このようにして粘着テープ70が除去される後工程が行われる。ガラス板10に付着した粘着テープ70および塗膜80が除去され、透明なガラス板となってガラス表面研磨装置1から排出される。
【0035】
また、回転ブラシ1A~1Cの回転方向は、図1に示したように、ガラス板10の搬送方向S1に対して対向する方向からブラシ面がガラス板10に当たるように設定されている。これにより、ガラス板10からの粘着テープ70や塗膜80の除去性能を高めることができる。このように、ガラス板10を搬送方向S1に対して、すなわち回転ブラシ1A~1Cに対して角度θ°傾ける工程は、ガラス板10の向きが概ね維持されるのであれば、より上流、例えば搬送手段42への投入時に行ってもよい。
【0036】
図4Bは、ガラス表面研磨装置の別の構成図である。
図4Bに示すように、ガラス表面研磨装置1は、ガラス板10を傾斜した状態で案内する角度案内手段7を備えている。この角度案内手段7は、搬送部2としてのベルトコンベアのベルト表面にガラス板10の向きを指示する投入指示ライン7a(指示線)が形成されることによって構成されている。作業者は、手作業によって、ガラス板10の短辺10bを投入指示ライン7aに合わせた後、搬送部2上に投入する。この方法によれば治具によらず角度を適切化することが可能となり、投入作業者の作業性が向上する。また、これ以外にも投入口付近にレーザーや照射装置等によって指示線を投影するなどでもよい。また、投入されるガラス板10を撮像するカメラを準備して、カメラ画像を画像認識させて粘着テープ70の投入角度を判定し、不適切な角度であった場合に警報を発するような方法でも良い。また、投入指示ライン7aを一定の間隔で形成することで、ガラス板10の投入し過ぎを防止したり、不慣れな作業者であっても投入の適切な目安を把握することができる。
【0037】
なお、ガラス板10の向きを案内する手段は、図4Aおよび図4Bに示す形態に限定されるものではなく、例えば、手作業ではなく、粘着テープ70の延在方向を画像認識させて、ロボットハンドを用いてガラス板10を把持し、向きを変えるような構成であってもよい。また、角度案内治具6や投入指示ライン7a等の補助手段を設けずに、作業者が目視で、搬送方向S1が粘着テープ70の延在方向に対して非平行になるように調整して処理するようにしてもよい。
【0038】
図5は、回転ブラシとガラス板の距離を示す断面図である。なお、研磨装置40では、回転ブラシ41によってガラス板10に残る発泡断熱材50を除去できる程度の浅い位置関係に設定されている。
図5に示すように、回転ブラシ1Aの回転中心O1と、ガラス板10の表面10sとを結ぶ距離をR1とする。回転ブラシ1Bの回転中心O2と、ガラス板10の表面10sとを結ぶ距離をR2とする。回転ブラシ1Cの回転中心O3と、ガラス板10の表面10sとを結ぶ距離をR3とする。このとき、R1≧R2≧R3の関係となるように、回転ブラシ1A~1Cとガラス板10の表面10sとの距離が設定される。これにより、回転ブラシ1A~1Cに過剰な負荷がかかるのを抑えることができ、ガラス板10の粘着テープ70や塗膜80の除去性能を高めることができる。また、研磨装置40の回転ブラシ41の回転中心O0と、ガラス板10の表面10sとを結ぶ距離R0は、R0>R1の関係となる。ただし、これらの関係は、各回転ブラシ1A,1B,1C,41の径が同一である場合である。より一般的な考え方としては、各回転ブラシ1A,1B,1C,41のブラシ先端から表面10sとの間の距離をそれぞれR1,R2,R3,R0とおくことができる。
【0039】
また、回転ブラシ41のブラシ先端は、発泡断熱材50に接触して除去し得る一方で、表面10sには届かないように配置されることが好ましい。発泡断熱材50の厚みは1つのガラス板10においても一様ではなく凸凹しており厚みムラがある。また、発泡断熱材50の厚みは、粘着テープ70よりも厚い部分が残っていることが多い。厚い発泡断熱材50をそのまま、また、厚みムラが大きい状態で直接ガラス表面研磨装置1にガラス板10を投入すると、回転ブラシ1A~1Cに付着するウレタン屑が多くなり、また、付着ムラができやすい。結果として、表面10sの研磨ムラが生じやすい。本実施形態では、表面10sに達する回転ブラシ1A~1Cで処理をする前に、発泡断熱材50の少なくとも一部を除去して、しかも厚みを均一化する処理が可能な回転ブラシ41を設けているため、ガラス表面研磨装置1に付着するウレタン屑量を低減しつつ、その付着ムラも低減できる。
【0040】
なお、ガラス表面研磨装置1が処理するウレタン量を低減する別の手段として、研磨装置40に代えて、作業者の手作業によって発泡断熱材50を剥がす前工程にしてもよい。ガラス板10に堆積した発泡断熱材50は、粘着テープ70等に比して厚みがあり粘着性も比較的弱いため、例えば素手やスクレイパーによる除去も或る程度可能である。
【0041】
図6は、ガラス板の投入角度を変化させたときの研磨結果を示す図である。なお、ガラス投入角度は、ガラス板10の投入角度であり、図4Aにおいて示した角度θに対応する。
図6に示すように、ガラス投入角度が45°の場合には、粘着テープ70が除去できているが、ガラス板10の中央部に除去しきれない塗膜80が残存し、判定は×(不良)という結果が得られた。また、ガラス投入角度が30°の場合には、粘着テープ70および塗膜80を除去でき、判定は〇(良)という結果が得られた。また、ガラス投入角度が20°の場合には、粘着テープ70および塗膜80を除去でき、判定は〇(良)という結果が得られた。このようにガラス投入角度によって粘着テープ70と塗膜80が除去できたという結果が得られたが、ガラス投入角度が30°や20°の場合でも、ガラス板10の表面が黒変するという結果になった。
【0042】
図7は、回転ブラシの回転速度とガラス表面温度との関係を示すグラフである。なお、図7において、斜線無しのグラフは、回転ブラシの回転速度が1800rpmの場合であり、斜線有りのグラフは、回転ブラシの回転速度が1440rpmの場合である。また、横軸の1パスは、ガラス表面研磨装置1の第1番の回転ブラシで研磨したときのガラス板10の表面温度であり、2パスは、続けて第2番の回転ブラシで研磨したときのガラス板10の表面温度である。また、回転ブラシの回転速度が1800rpmの場合は、2パスまでとし、回転ブラシの回転速度が1440rpmの場合は、3パスとした。また、グラフでは、ガラス表面温度のバラツキ(誤差範囲)を併せて示している。
【0043】
図7に示すように、回転ブラシの回転速度が1800rpmの場合(回転速度が高い場合)、2パス目においてガラス表面温度が上昇する。この時、塗膜80や粘着テープ70が焼けて、ガラス板10が変色する。本発明者らの環境においては、変色部からはエステル系成分やパラフィン系炭化水素が検出されたため、ウレタンや粘着剤の成分がヤケの原因と考えられる。そこで、本実施形態では、3パス(回転ブラシ1A~1C)に分けて、回転速度を1800rpmから1440rpmに下げることで、ガラス板10の温度上昇を抑制し、変色を防止できるようにした。このように、3本の回転ブラシ1A~1Cにすることで、回転速度を1500rpm以下、1450rpm以下、または1440rpm以下に設定できるようになり、ガラス表面温度の上昇が抑えられることが確認された。また、回転ブラシ1A~1Cの回転速度を低下させることで、騒音や振動も抑えることができ、作業環境を良好にできるとともに省エネルギ化も可能になる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の処理方法は、冷蔵庫の廃ガラス扉5から取り出した、粘着テープ70、塗膜80及び発泡断熱材50が付着したガラス板10の処理方法であって、ガラス板10の表面を研磨するガラス表面研磨装置1を準備する準備工程と、ガラス板10から発泡断熱材50の少なくとも一部を除去する前工程と、ガラス表面研磨装置1がガラス板10を研磨して、少なくとも粘着テープおよび塗膜80を除去する後工程と、をこの順番で実行する。これによれば、ガラス表面研磨装置1におけるウレタン(発泡断熱材50)の研磨量を減らすことができ、ガラス表面研磨装置1での研磨ムラを防止しつつ、ガラス表面研磨装置1でのメンテナンス頻度が増加するのを抑えることができる。
【0045】
また、本実施形態の処理方法では、ガラス表面研磨装置1は、ガラス板10を研磨する回転ブラシ1A~1Cと、ガラス板10を回転ブラシ1A~1Cに向かって搬送する搬送部2と、を備える。粘着テープ70は、ガラス板10の表面に沿って帯状に延在している粘着材である。粘着材の延在方向S2が搬送部2の搬送方向S1に対して傾斜した状態で、回転ブラシ1A~1Cがガラス板10を研磨する。これによれば、回転ブラシ1A~1Cの同じところに粘着テープ70が当たり続けてしまうことが抑制されるので、回転ブラシ1Aの劣化が早まるのを防ぐことができる。
【0046】
また、本実施形態の処理方法では、ガラス板10は、互いに異なる方向に延在する複数の粘着テープ70を有し、ガラス板10は、粘着テープ70のうち少なくとも最短ではない粘着テープ70(長手方向の粘着材)が、搬送部2の搬送方向S1に対して傾斜した状態で搬送部2に投入される。これによれば、ガラス板10に残存する粘着テープ70が、回転ブラシ1A~1Cの同じ部分に当たり続けるのを抑制できるので、回転ブラシ1A~1Cの劣化が早まるのを防ぐことができる。
【0047】
また、本実施形態の処理方法では、粘着テープ70の搬送方向S1に対する傾斜角度θは、10~30°である。これによれば、粘着テープ70や塗膜80の除去性能を高めることができる。
【0048】
また、本実施形態の研磨装置は、前工程に使用され、後工程には使用されない回転ブラシ41を有する。回転ブラシ1A~1Cとは別の回転ブラシ41を使用することで、ガラス板10に残る発泡断熱材50を除去できる程度の浅い位置に回転ブラシ41を設定できる。
【0049】
また、本実施形態の研磨装置では、回転ブラシ41は、ガラス板10の表面に届かない位置に配されている。これによれば、発泡断熱材50の少なくとも一部を除去して、しかも厚みを均一化する処理が可能になる。
【0050】
また、本実施形態のガラス表面研磨装置では、投入前の粘着テープ70の向きを案内する角度案内治具6を備える。これによれば、ガラス板10を所定の向きで投入することが容易になる。
【0051】
また、本実施形態のガラス表面研磨装置では、回転ブラシ1A~1Cは、ガラス板10の搬送方向S1に沿って間隔を置いて3本以上が配置され、それぞれの回転ブラシ1A~1Cの回転速度は、1450rpm以下である。これによれば、回転ブラシ1A~1Cの本数を増やすことで、各回転ブラシ1A~1Cの回転速度を低くすることができ、ガラス板10の焼き付きによる変色を防ぐことができる。なお、回転ブラシ1A~1Cは3本に限定されるものではなく、4本以上であってもよい。
【0052】
また、本実施形態の処理システムは、冷蔵庫の廃ガラス扉5から取り出した、粘着テープ70、塗膜80及び発泡断熱材50が付着したガラス板10の処理システムであって、ガラス板10から発泡断熱材50の少なくとも一部を除去する前工程を実行する、回転ブラシ41を備える研磨装置40と、該研磨装置の後段に配され、ガラス板10の表面を研磨して、少なくとも粘着テープおよび塗膜80を除去する後工程を実行する、ガラス表面研磨装置1と、備える。これによれば、ガラス表面研磨装置1におけるウレタン(発泡断熱材50)の研磨量を減らすことができ、ガラス表面研磨装置1での研磨ムラを防止しつつ、ガラス表面研磨装置1でのメンテナンス頻度が増加するのを抑えることができる。
【0053】
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、本実施形態では、ガラス板10の四辺に沿って粘着テープ70が設けられた場合を例に挙げて説明したが、粘着テープ70がガラス板10の対角線状に配置されたものであってもよい。この場合も、ガラス板10を傾けずに軸方向に対して垂直に投入することで、粘着テープ70が回転ブラシの同じ部分に当たり続けることがないので、回転ブラシの劣化が早まるのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0054】
1 ガラス表面研磨装置
1A,1B,1C 回転ブラシ
2 搬送部(搬送手段)
3 ベルトコンベア
5 廃ガラス扉
6 角度案内治具(角度案内手段)
7a 投入指示ライン(指示線)
10 ガラス板
40 研磨装置(ウレタン研磨装置)
41 回転ブラシ(後工程には使用されない回転ブラシ)
50 発泡断熱材(断熱材、発泡ウレタン)
70 粘着テープ(粘着材、裏面付着物)
80 塗膜(裏面付着物)
G 軸方向
S1 搬送方向
S2 延在方向
θ 角度(傾斜角度)
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7