(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174359
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】中間転写シート
(51)【国際特許分類】
B41M 5/382 20060101AFI20241210BHJP
B41M 5/52 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B41M5/382 800
B41M5/52 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092150
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000237237
【氏名又は名称】フジコピアン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】林 友理
(72)【発明者】
【氏名】植嶋 之博
【テーマコード(参考)】
2H111
【Fターム(参考)】
2H111AA26
2H111AB07
2H111CA03
2H111CA04
2H111CA12
2H111CA31
2H111CA33
2H111CA44
(57)【要約】
【課題】
中間転写シートから被転写体への転写層の転写性が良好であり、転写時に転写層のバリの発生を抑制し、かつ被転写体上の画像の堅牢性が優れた中間転写シートを提供する。
【解決手段】
基材と、その上に転写層として、少なくとも剥離層、保護層、受像層を順次積層した中間転写シートであって、前記剥離層はガラス転移点が-30℃以上-5℃以下のポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂と、コロイダルシリカ、熱可塑性樹脂、ワックスを含有し、前記剥離層の固形分中にはポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂、コロイダルシリカがそれぞれ特定の含有範囲で含有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、その上に転写層として、少なくとも剥離層、保護層、受像層を順次積層した中間転写シートであって、前記剥離層はガラス転移点が-30℃以上-5℃以下のポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂と、コロイダルシリカ、熱可塑性樹脂、ワックスを含有し、前記剥離層の固形分中には前記ポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂が2.0質量%以上8.0質量%以下、前記コロイダルシリカが60.0質量%以上70.0質量%以下含有することを特徴とする中間転写シート。
【請求項2】
前記中間転写シートの転写層の下記測定方法で測定した剥離力が、0.03N/18mm以上0.20N/18mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写シート。
(剥離力測定方法)
中間転写シートを25mm幅にカットし、中間転写シートの受像層面に幅18mmの粘着テープを、中間転写シートの幅方向からはみ出さないように長さ方向に平行になるように貼り付けて、粘着テープの上から19.6N(2kgf)のゴムローラーを2往復させて圧着し、23±2℃、50±10%RHの環境下で24時間放置してから、23±2℃、50±5%RHの環境下で、引張試験機を用いて、剥離速度3.0m/分としてT形剥離試験を行い、そのときの剥離力を測定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を熱溶融転写にて中間転写シートの転写層に記録し、その後に、その転写層を熱ロールやホットスタンプなどによって、被転写体に再転写することにより印画物を形成する中間転写方式の中間転写シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、IDカード等の被転写体上に画像を形成する方法として、熱溶融型着色インク層を有する熱転写シートを用いた熱転写記録方式が知られている。この方式は、熱溶融型着色インク層を有する熱転写シートにサーマルヘッドを用いてエネルギーを印加し、熱溶融型着色インク層を熱転写することで、被転写体に文字や画像を形成する。また、IDカード等の被転写体上に形成した文字や画像の堅牢性向上の観点から、熱溶融型着色インク層を有する熱転写シートを用いて、転写層を有する中間転写シートの転写層上に文字や画像を形成(一次転写)し、その後に、熱ロールやホットスタンプなどによって、その転写層を画像とともに被転写体に転写(二次転写)することで文字や画像を形成する中間転写方式が広く利用されている。
【0003】
特許文献1には、カード(被転写体)の材質によらず、中間転写媒体(中間転写シート)からカードへの転写層の転写性を良好なものとし、かつ生産効率の低下を抑制することを目的として、熱転写シートの色材層により画像が形成される受容層を有する中間転写媒体と前記カードとを重ね合わせて送りながら前記中間転写媒体を加熱し、前記画像が形成された前記転写層を前記カード上に転写する転写部において、カードの材質に基づいて前記転写部におけるカード送り速度を制御する制御部を備える熱転写プリンターが開示されている。特許文献1では、熱転写プリンターのカード送り速度をカード材質に合わせることによって、カードの材質によらず、中間転写媒体からカードへの転写層の転写性を良好なものとしている。
【0004】
一方、各種材質のカードに対して、中間転写シートの転写層の転写性を高める方法としては、中間転写シートの基材と転写層の剥離力を小さくする方法がある。基材と転写層の剥離力が小さいほど、各種材質のカードへの転写層の転写性が良好となり、熱転写プリンター側でカード送り速度を、カード材質に合わせて制御するような制御部を設けなくてもよくなる。
【0005】
しかしながら、中間転写シートの基材と転写層の剥離力を小さくすると、中間転写シートから転写層を熱ロールなどで被転写体であるカードに全面転写したときに、カード端部にカードに接着した転写層とともに基材から転写層が面状に剥離する「バリ」が生じる問題がある。また、基材と転写層の剥離力が小さいと、熱転写シートを用いて転写層上に文字や画像を形成する一次転写の際に、転写層が基材から剥がれて一次転写不良となる場合がある。
【0006】
特許文献2には、転写層の転写効率を維持しつつ、尾引きや、バリ等の転写不良が生じない中間転写シートとして、剥離層がアクリル樹脂とポリエステル樹脂とジョイント剤のケトンホルムアルデヒド樹脂からなる中間転写シートが開示されているが、各種材質カードへの転写層の転写性が良好となるような剥離力が小さいものではなかった。
【0007】
また、通常IDカード等の表面に形成した文字や画像は、高い堅牢性が要求されるため、中間転写シートの転写層には、アクリル樹脂やポリエステル樹脂等の堅牢性の良い熱可塑性樹脂や硬化性樹脂からなる保護層を有するものが用いられる。しかしながら、このような保護層を有する転写層は膜切れ性が悪く、基材と転写層との剥離力を小さくして各種材質カードへの転写層の転写性を良好としたときに、バリの発生のない転写層とするのが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019-104207号公報
【特許文献2】特開2004-351639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、画像が形成された転写層を中間転写シートから熱ロールで被転写体に全面転写するときの被転写体への転写層の転写性が良好であり、転写時に転写層のバリの発生を抑制し、かつ被転写体上の画像の堅牢性が優れた中間転写シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の中間転写シートは、基材と、その上に転写層として、少なくとも剥離層、保護層、受像層を順次積層した中間転写シートであって、前記剥離層はガラス転移点が-30℃以上-5℃以下のポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂と、コロイダルシリカ、熱可塑性樹脂、ワックスを含有し、前記剥離層の固形分中には前記ポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂が2.0質量%以上8.0質量%以下、前記コロイダルシリカが60.0質量%以上70.0質量%以下含有することを特徴とする。
【0011】
本発明の中間転写シートの一態様において、前記中間転写シートの転写層の下記測定方法で測定した剥離力が、0.03N/18mm以上0.20N/18mm以下とすることを特徴とする。
【0012】
(剥離力測定方法)
中間転写シートを25mm幅にカットし、中間転写シートの受像層面に幅18mmの粘着テープを、中間転写シートの幅方向からはみ出さないように長さ方向に平行になるように貼り付けて、粘着テープの上から19.6N(2kgf)のゴムローラーを2往復させて圧着し、23±2℃、50±10%RHの環境下で24時間放置してから、23±2℃、50±10%RHの環境下で、引張試験機を用いて、剥離速度3.0m/分でT形剥離試験を行い、そのときの剥離力を測定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の中間転写シートによれば、熱転写シートで問題なく画像形成することができ、画像が形成された転写層を中間転写シートから熱ロールで被転写体に全面転写するときに、基材-剥離層間の剥離力が小さく、被転写体への転写層の転写性が良好であり、転写時の転写層のバリの発生がなく、かつ被転写体上の画像の堅牢性が優れた中間転写シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の中間転写シートの一態様を示す断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の中間転写シートの実施形態について、詳しく説明する。
【0016】
<中間転写シート>
本発明の中間転写シートの実施形態は、
図1に示すように基材2と、その上に剥離層3、保護層4、受像層5を順次積層した構成の中間転写シート1であり、被転写体へ転写する転写層6は、剥離層3、保護層4、受像層5を含むものである。
【0017】
(基材)
本発明の中間転写シートに用いる基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム等の各種プラスチックフィルムを使用することができる。これらの中でも、本発明の中間転写シートの転写層の剥離性の観点からポリエステルフィルムを用いるのが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いるのがより好ましい。基材の厚さは通常は5~30μm程度であり、熱伝達を良好にするためには、5~20μmの範囲が好ましい。
【0018】
(剥離層)
本発明の中間転写シートの剥離層は、加熱前は基材から剥離することなく転写層を保持し、加熱することで基材から転写層を剥離しやすくする易剥離性と、転写層のバリ(面状剥離)の発生を抑制する膜切れ性を有するものである。さらに、剥離層は被転写体に転写された転写層の最表層になり、表面保護層としての機能も有するものである。
【0019】
上記性能を満たすために本発明の剥離層は、ガラス転移点が-30℃以上-5℃以下のポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂と、コロイダルシリカ、熱可塑性樹脂、ワックスを必須成分として含有するものである。
【0020】
本発明の剥離層中には、基材との密着性、剥離層の柔軟性付与のため、ガラス転移点(Tg)が、-30℃以上-5℃以下のポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂を含有する。ガラス転移点(Tg)が、-30℃未満であると剥離層が柔らかくなり堅牢性が低下する。一方、ガラス転移点(Tg)が、-5℃を超えると基材との剥離力が大きくなり、転写性が低下する。そのため、ガラス転移点(Tg)は前記範囲とするのが好ましい。前記範囲であれば、適度な密着性と柔軟性をもつ剥離層とすることができ、転写層の保持性能と転写性のバランスが良く、膜切れ性、堅牢性を良好なものとすることができる。なお、本明細書において、ガラス転移点(Tg)は、JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計を用いて、昇温速度20℃/分にて測定した値である。
【0021】
ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸とグリコール化合物とを共重合して得られるポリエステル共重合体樹脂が挙げられる。ポリエステルウレタン樹脂は、例えば、水酸基等の官能基を1分子中に2個以上有するポリエステル樹脂とポリイソシアネート化合物とを反応させることにより得ることができる。
【0022】
ポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂の数平均分子量(Mn)は、密着性と膜切れ性の観点から、10,000以上40,000以下であることが好ましい。なお、本明細書において、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算による数平均分子量である。
【0023】
剥離層中のポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂の含有量は、2.0質量%以上8.0質量%以下であることが好ましい。前記含有量が2.0質量%未満であると、使用前に剥離層が基材から剥離して転写層が脱落(所謂粉落ち)する場合や、熱転写シートでの一次転写時に転写不良になる場合がある。さらに二次転写時に十分な膜切れ性を付与することができずバリが発生する。一方、含有量が8.0質量%を超えると、基材との剥離力が高くなり、良好な転写性が得られない。
【0024】
剥離層には、膜切れ性付与、剥離力低減および透明性確保のためコロイダルシリカを含有する。コロイダルシリカの含有量は、60.0質量%以上70.0質量%以下であることが好ましい。前記含有量が60.0質量%未満になると、転写層の転写時に十分な膜切れ性を付与することができず、転写層のバリが発生する。一方、前記含有量が70.0質量%を超えると、剥離層の膜強度が不足し、転写層の最表面層としての堅牢性が低下する。
【0025】
コロイダルシリカの平均粒子径は、転写層の膜切れ性と透明性の観点から、通常10nm以上100nm以下が好ましく、10nm以上50nm以下がより好ましい。なお、本明細書において、コロイダルシリカの平均粒子径は、BET法による比表面積から換算する方法を利用して測定した値であり、粒子を真球と見なして、以下の式で平均粒子径を計算した値である。d=6000/(S×ρ)( d:平均粒子径(nm)、S:比表面積(m2/g)、 ρ:真比重(g/cm3))
【0026】
剥離層には、前記ポリエステル樹脂および/またはポリエステルウレタン樹脂のほかに、基材との剥離性の良い熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂等が挙げられる。これらの中でも剥離性と堅牢性の点でアクリル樹脂を用いるのが好ましく、特にガラス転移点(Tg)が100℃以上のアクリル樹脂を用いるのがより好ましい。剥離層中の熱可塑性樹脂の含有量は、層強度、剥離性の観点から10.0質量%以上35.0質量%以下が好ましい。
【0027】
剥離層には、剥離力低減と滑り性付与のためにワックスを含有する。ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックスなどの植物系ワックス、ラノリン、鯨ロウなどの動物系ワックス、モンタンワックスなどの鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの合成炭化水素系ワックス及びそれらの酸化型ワックスや一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等が挙げられる。剥離層中のワックスの含有量は、剥離性、滑り性の観点から1.0質量%以上10.0質量%以下が好ましい。
【0028】
剥離層には、必要に応じて各種の添加剤を含有しても良い。前記添加剤としては、可塑剤、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤、分散剤などが挙げられる。
【0029】
剥離層の厚さは、転写層の剥離性と膜切れ性の観点から0.5μm以上3.0μm以下が好ましい。
【0030】
剥離層は、前述の各成分を適当な溶剤へ分散又は溶解して、塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に塗工して塗膜を形成させ、溶剤を乾燥させることにより形成できる。
【0031】
(保護層)
本発明の中間転写シートは、基材上に形成した剥離層上に保護層を設ける。保護層は、被転写体へ二次転写した画像の耐擦過性や耐薬品性などを付与し、画像の堅牢性、耐久性を向上させるための層である。
【0032】
保護層は、主成分として樹脂材料を含有し、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、電離放射線硬化性樹脂及び紫外線吸収性樹脂等の樹脂材料が挙げられる。これらの中では、ポリエステル樹脂またはアクリル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。
【0033】
保護層に用いる樹脂材料の数平均分子量(Mn)は、堅牢性、耐久性の観点から5,000以上30,000以下が好ましく、8,000以上25,000以下がより好ましい。
【0034】
保護層に用いる樹脂材料のガラス転移点(Tg)は、堅牢性、耐久性の観点から40℃以上90℃以下であることが好ましく、50℃以上80℃以下であることがより好ましい。
【0035】
保護層中の樹脂材料の含有量は、堅牢性、耐久性の観点から70.0質量%以上100.0質量%以下が好ましく、80.0質量%以上99.0質量%以下がより好ましい。
【0036】
保護層には、滑り性を付与して耐擦過性を向上させるために、ワックス粒子を含有するのが好ましい。ワックスとしては、前述の剥離層に用いるワックスが使用できるが、それらの中でも合成炭化水素系ワックスが好ましく、溶剤への分散性や樹脂材料との親和性の観点から酸化処理または酸変性したものを用いるのがより好ましい。保護層中のワックスの含有量は、滑り性付与の観点から1.0質量%以上10.0質量%以下が好ましい。
【0037】
保護層には、保護層に要求される各種の機能を阻害しない範囲内であれば、各種の添加剤を含有しても良い。前記添加剤としては、無機/有機粒子、界面活性剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0038】
保護層の厚さは、堅牢性、耐久性、膜切れ性の観点から0.5μm以上5.0μm以下が好ましく、1.0μm以上3.0μm以下がより好ましい。
【0039】
保護層は、前記材料を適当な溶剤へ分散又は溶解して、塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に形成した剥離層の上に塗工して塗膜を形成させ、溶剤を乾燥させることにより形成できる。
【0040】
(受像層)
本発明の中間転写シートは、基材上に剥離層、保護層を順次積層した上に受像層を設ける。受像層は中間転写シートの最表層となる層であり、色材層を有する熱転写シートから一次転写される色材層を受像して、表面に熱転写シートの色材層で形成された文字や画像が設けられる層である。また、受像層は、二次転写時には被転写体に対して接着性を発現して、被転写体へ接着する層でもある。
【0041】
受像層には加熱によって接着性を発現する樹脂を好適に用いることができ、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。
【0042】
受像層には、受像層に要求される各種の機能を阻害しない範囲内であれば、各種の添加剤を含有しても良い。前記添加剤としては、可塑剤、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤、分散剤、粘着付与剤などがあげられる。
【0043】
受像層の厚さは、一次転写時の受像性能、二次転写時の接着性および膜切れ性の観点から0.1μm以上3.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上2.0μm以下であることがより好ましい。
【0044】
受像層は、前記材料を適当な溶剤へ分散又は溶解して、塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に剥離層、保護層を積層した上に塗工して塗膜を形成させ、溶剤を乾燥させることにより形成できる。
【0045】
(剥離力)
中間転写シートの転写層の各種材質の被転写体への転写性を良好とするためには、中間転写シートの基材と剥離層との剥離力が小さいほうがよいが、剥離力が小さすぎると製造時や取り扱い時に剥離層が基材から剥離したり、転写層への熱転写シートでの一次転写時の転写不良などの不具合が発生するおそれがある。これらの不具合がなく、中間転写シートの転写層の各種材質の被転写体への転写性を良好とするためには、下記の測定方法で測定した中間転写シートの転写層の剥離力が、0.03N/18mm以上0.20N/18mm以下とするのが好ましい。
【0046】
(剥離力測定方法)
中間転写シートを25mm幅にカットし、中間転写シートの受像層面に幅18mmの粘着テープを、中間転写シートの幅方向からはみ出さないように長さ方向に平行になるように貼り付けて、粘着テープの上から19.6N(2kgf)のゴムローラーを2往復させて圧着し、23±2℃、50±10%RHの環境下で24時間放置してから、23±2℃、50±10%RHの環境下で、引張試験機を用いて、剥離速度3.0m/分としてT形剥離試験を行い、そのときの剥離力を測定する。
【0047】
<熱転写シート>
本発明の中間転写シートは、色材層を有する熱転写シートを用いて、受像層上に一次転写した文字や画像を被転写体に二次転写することにより、被転写体上に文字や画像を形成することができる。
【0048】
本発明の中間転写シートに用いる色材層を有する熱転写シート(以下、熱転写シートと言う。)は、少なくとも1層の色材層を基材の一方の面上に設けた熱転写シートであり、基材のもう一方の面に耐熱滑性層を有することが好ましい。また、熱転写シートは、基材と色材層との間に離型層または/および剥離層を有していてもよいし、色材層を複数の層で形成してもよい。
【0049】
(基材)
熱転写シートに使用する基材としては、本発明の中間転写シートに用いる各種プラスチックフィルムを使用することができる。基材の厚さは通常は2~12μm程度であり、熱伝達を良好にするためには、2~6μmの範囲が好ましい。
【0050】
(色材層)
基材と色材層との間に離型層等を設けない場合には、色材層は基材に直接積層される層である。色材層は、バインダーとなる樹脂に色材である顔料又は染料を加えることにより構成することができる。色材層には、転写時の色材層の膜切れ性向上等を目的として粒子を含有してもよいし、転写性等の向上を目的としてワックスを含有してもよい。また、顔料分散剤やその他の添加剤等を適宜使用してもよい。
【0051】
色材層に含有する樹脂材料は、例えば、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ゴム系樹脂などが使用可能であるが、中間転写シートへの一次転写時の色材層の膜切れ性、受像層への接着性、及び二次転写時の被転写体への接着性の観点から、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の接着性に優れた樹脂を使用することが好ましい。色材層に含有する樹脂成分の含有量は、被転写体への接着性と、十分な印字濃度が得られる色材含有量を確保する観点から、色材層の固形分中の50.0質量%以上90.0質量%以下が好ましい。
【0052】
色材層の厚さは、一次転写性、印字濃度、二次転写時の接着性の観点から、0.3μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
【0053】
色材層は、前記材料を適当な溶剤へ分散又は溶解して、塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に塗工して塗膜を形成させ、溶剤を乾燥させることにより形成できる。
【0054】
熱転写シートは、色材層を設けた面とは反対側の基材面に耐熱滑性層を設けることが好ましい。耐熱滑性層を設けることにより、熱転写プリンターで中間転写シートの転写層への一次転写する際に、サーマルヘッドによる熱転写シートの基材ダメージを少なくすることができる。基材がダメージを受けると、印字時にサーマルヘッドが基材に貼りついてスムーズにプリンター走行できなくなる、所謂スティッキングが発生することがある。耐熱滑性層を設けることにより、このようなスティッキングを防止することができる。
【0055】
耐熱滑性層の材料としては、熱転写シートで従来から採用されているものが特に制限無く使用できる。サーマルヘッドに対する耐熱性、高温時の動摩擦係数を小さくする点やコストを考慮すると、これらの中でも、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはその混合物が、耐熱滑性層の材料として特に好ましい。
【0056】
耐熱滑性層には、粒子、滑剤、帯電防止剤など、その他の添加剤を配合してもよい。
【0057】
耐熱滑性層の厚みは、良好なスティッキング防止効果を達成しかつ熱伝導性の低下を防止する点から、0.05μm以上0.80μm以下が好ましい。
【0058】
耐熱滑性層の形成方法は、色材層と同様の方法が使用可能である。
【0059】
(被転写体)
本発明の中間転写シートの転写層に形成した文字や画像を二次転写する被転写体としては、様々な種類の被転写体が使用可能であるが、特にカード類が被転写体として好適である。カード類の材質としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン-co-1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PETG)等が挙げられる。
【0060】
熱転写シートを用いて熱転写(一次転写)にて形成された文字や画像を、中間転写シートから被転写体に圧接、加熱して転写(二次転写)する方法としては、サーマルヘッドを備えた熱転写プリンター、熱ロール、熱圧板転写によって転写する方法がある。これらのうち、各種カードなどに中間転写シートの転写層を被転写体に全面転写するためには、熱ロールにより転写するのが好ましい。
【実施例0061】
本発明を、以下の実施例、比較例を用いて、更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
【0062】
<中間転写シート>
[剥離層塗工液の作製]
下記の剥離層用材料を用いて、表1に記載の配合で混合し、実施例、比較例の中間転写シートに用いる剥離層塗工液1~13を作製した。
(剥離層用材料)
・ポリエステルウレタン樹脂A
(溶剤溶解液、固形分45%、Tg-30℃、Mn21,000)
・ポリエステルウレタン樹脂B
(溶剤溶解液、固形分30%、Tg-22℃、Mn32,000)
・ポリエステル樹脂C
(溶剤溶解液、固形分35%、Tg-15℃、Mn28,000)
・ポリエステル樹脂D
(溶剤溶解液、固形分30%、Tg-5℃、Mn25,000)
・ポリエステル樹脂E
(溶剤溶解液、固形分41%、Tg4℃、Mn23,000)
・ポリエステル樹脂F
(溶剤溶解液、固形分30%、Tg7℃、Mn23,000)
・ポリエステル樹脂G
(固形分100%、Tg67℃、Mn17,000)
・熱可塑性樹脂A
(アクリル樹脂、Tg105℃、Mn25,000)
・熱可塑性樹脂B
(アクリル樹脂、Tg105℃、Mn280,000)
・熱可塑性樹脂C
(ケトン樹脂、Tg50℃、Mn650)
・コロイダルシリカ
(有機溶媒分散コロイダルシリカ、固形分30%、平均粒子径12nm)
・酸化ポリエチレンワックス
(溶剤分散液、固形分10%、平均粒子径6μm、ワックス融点123℃)
【0063】
【0064】
[保護層塗工液の作製]
下記の配合で材料を混合して、中間転写シートに用いる保護層塗工液を作製した。
(保護層塗工液の配合)
・ポリエステル樹脂
(固形分100%、Tg60℃、Mn8,000) 23.75質量部
・酸化ポリエチレンの溶剤分散液
(固形分10%、平均粒子径6μm、融点123℃) 12.50質量部
・トルエン 3.00質量部
・メチルエチルケトン 57.75質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 3.00質量部
【0065】
[受像層塗工液の作製]
下記の配合で材料を混合して、中間転写シートに用いる受像層塗工液を作製した。
(受像層塗工液の配合)
・アクリル樹脂
(固形分100%、Tg105℃、Mn25,000) 15.00質量部
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(固形分100%、軟化点144℃、Mn3,800) 3.50質量部
・塩化ビニル・酢酸ビニル共重合物
(固形分100%、Tg70℃、Mn50,000) 1.50質量部
・メチルエチルケトン 77.60質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 2.40質量部
【0066】
(実施例1)
[中間転写シートの作製]
(剥離層の形成)
厚さ16ミクロンのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として、その一方の面に、剥離層塗工液1を乾燥後の厚さが1.0μmになるようにグラビアコーティング法にて塗工し、加熱乾燥して剥離層を形成した。
(保護層の形成)
前記形成した剥離層の上に、保護層塗工液を乾燥後の厚さが2.0μmになるようにグラビアコーティング法にて塗工し、加熱乾燥して保護層を形成した。
(受像層の形成)
前記形成した保護層の上に、受像層塗工液を乾燥後の厚さが0.5μmになるようにグラビアコーティング法にて塗工し、加熱乾燥して受像層を形成して、基材/剥離層/保護層/受像層の層構成の中間転写シートを作製した。
【0067】
(実施例2)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0068】
(実施例3)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液3に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0069】
(実施例4)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液4に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0070】
(実施例5)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液5に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0071】
(実施例6)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液6に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0072】
(比較例1)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液7に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0073】
(比較例2)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液8に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0074】
(比較例3)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液9に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0075】
(比較例4)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液10に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0076】
(比較例5)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液11に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0077】
(比較例6)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液12に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0078】
(比較例7)
実施例1の剥離層塗工液1を剥離層塗工液13に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写シートを作製した。
【0079】
<熱転写シート>
[耐熱滑性層用プレミックスの作製]
下記の配合で材料を混合、分散して、耐熱滑性層用プレミックスを作製した。
(耐熱滑性層用プレミックスの配合)
・シリコーンウレタン樹脂溶液(固形分25%) 32.33質量部
・メラミン・ホルムアルデヒド樹脂粒子
(平均粒子径:0.2μm、固形分100%) 0.30質量部
・メチルエチルケトン 67.37質量部
【0080】
[耐熱滑性層塗工液の作製]
前記作製した耐熱滑性層用プレミックスを用いて、下記の配合で材料を混合して熱転写シートに用いる耐熱滑性層用塗工液を作製した。
(耐熱滑性層用塗工液の配合)
・耐熱滑性層用プレミックス 29.75質量部
・ポリイソシアネート溶液(固形分45%) 4.50質量部
・メチルエチルケトン 55.75質量部
・トルオール 10.00質量部
【0081】
[色材層塗工液の作製]
下記の配合で材料を混合、分散して、熱転写シートに用いる色材層塗工液を作製した。
(色材層塗工液の配合)
・アクリル樹脂
(分子量30,000、Tg75℃、固形分100%) 5.23質量部
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(分子量1,650、軟化点97℃、固形分100%) 1.74質量部
・ポリエステル系高分子分散剤(固形分100%) 3.15質量部
・カーボンブラック 21.47質量部
・メチルエチルケトン 36.26質量部
・トルエン 30.00質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 2.15質量部
【0082】
[熱転写シートの作製]
(耐熱滑性層の形成)
厚さ4.5ミクロンのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として、その一方の面に、耐熱滑性層塗工液を乾燥後の厚さが0.2μmになるようにバーコーティング法にて塗工し、加熱乾燥して耐熱滑性層を形成した。
(色材層の形成)
前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱滑性層を形成した反対側の面に、色材層塗工液を乾燥後の厚さが0.7μmになるようにバーコーティング法により塗工し、加熱乾燥して色材層を形成し、耐熱滑性層/基材/色材層の層構成の熱転写シートを作製した。
【0083】
<中間転写シートの転写層の剥離力>
実施例1~6、比較例1~7の中間転写シートを幅25mm×長さ150mmにそれぞれカットし、各中間転写シートの受像層面に幅18mmの粘着テープ(スリーエムジャパン株式会社製、Scotch(登録商標)メンディングテープ810)の粘着面を、中間転写シートの幅方向からはみ出さないように長さ方向に平行になるように貼り付けて、粘着テープの上から19.6N(2kgf)のゴムローラーを2往復させて圧着し、23±2℃、50±10%RHの環境下で24時間放置してから、23±2℃、50±5%RHの環境下で、引張試験機(新東科学(株)製 HEIDON-14)を用いて、剥離速度3.0m/分でT形剥離試験を行い、そのときの剥離力をそれぞれ測定した。各実施例および比較例の測定結果を表2に示す。
【0084】
<転写層の密着性評価>
実施例1~6、比較例1~7の中間転写シートを100mm角にカットし、各中間転写シートを1回手で揉んで、転写層の脱落の有無を目視確認し、以下の評価基準でそれぞれ評価した。各実施例および比較例の評価結果を表2に示す。
(評価基準)
○:手で揉んでも基材から転写層が脱落しない。
△:手で揉むと基材から転写層がわずかに脱落する。
×:手で揉むと基材から転写層の大部分が脱落する。
【0085】
<転写層の転写性評価>
前記作製した熱転写シートを用いて、実施例1~6、比較例1~7の各中間転写シートの受像層面に、下記一次転写条件で所定の印字パターンを転写する。次に、所定の印字パターンが転写された各中間転写シートの転写層を、下記二次転写条件で、被転写体に転写し、下記の評価基準で評価した。各実施例および比較例の評価結果を表2に示す。
(一次転写条件)
・熱転写プリンター:SATO株式会社製SG-408R
・印字速度:4インチ/秒
・印加エネルギー:エネルギー3B
(二次転写条件)
・転写方式:ロール式熱転写機
・ロール温度:190℃(表面温度)
・ロール圧力:118N
・送り速度:35mm/秒
・被転写体:PVCカード(寸法:幅54mm×長さ85.6mm×厚さ0.76mm)
(評価基準)
○:被転写体を目視確認すると、被転写体全面にすべての転写層が確実に転写されていた。また、中間転写シート側の転写層の抜け後には、転写されずに残っている転写層は確認されなかった。
△:被転写体を目視確認すると、被転写体全面にすべての転写層が確実に転写されているように見えるが、中間転写シート側の転写層の抜け後には、転写されずに残っている微細な転写層が確認された。
×:被転写体を目視確認すると、被転写体に転写層が転写されていない部分が確認された。
【0086】
<転写層のバリ評価>
前記転写性評価で二次転写した被転写体の端部を、目視および拡大率5倍の拡大レンズを使用して確認し、以下の評価基準で評価した。各実施例および比較例の評価結果を表2に示す。
(評価基準)
○:被転写体の端部に転写層のバリはなかった。
△:被転写体の端部に転写層のバリがあり、端部からの転写層の飛び出し量は0.5mm未満であった。
×:被転写体の端部に転写層のバリがあり、端部からの転写層の飛び出し量は0.5mm以上であった。
【0087】
<耐擦過性評価>
前記転写性評価で二次転写した被転写体について、転写された転写層の印字パターンの上を、加重4.9N/cm2にて綿布を500回往復させる耐擦過性試験(試験機:クロックメーター)を行い、印字パターンの損傷程度を目視確認し、以下の評価基準で評価した。各実施例および比較例の評価結果を表2に示す。ただし、比較例4、比較例7は転写性が悪いため評価を行わなかった。
(評価基準)
○:印字パターンに損傷はなかった。
△:印字パターンに一部損傷があった。
×:印字パターンが著しい損傷があった。
【0088】
<耐アルコール性評価>
前記転写性評価で二次転写した被転写体について、転写された転写層の印字パターンの一部をエタノール(関東化学製鹿1級エタノール、濃度99.5%)に20分間浸漬し、乾燥後に印字パターンの状態を目視確認し、以下の評価基準で評価した。各実施例および比較例の評価結果を表2に示す。ただし、比較例4、比較例7は転写性が悪いため評価を行わなかった。
(評価基準)
○:未浸漬部分と同等で、浸漬前後で転写層に変化がなかった。
△:未浸漬部分と比較すると、転写層表面に白化が見られた。
×:印字パターンの脱落が見られた。
【0089】