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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174373
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】重量測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 21/24 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G01G21/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092175
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000105659
【氏名又は名称】ニデックコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆史
(57)【要約】
【課題】 測定対象物が任意の位置に置かれても測定結果が変化しない重量測定装置を提供することにある。
【解決手段】 重量測定装置10は、測定対象物20を置くための測定台1と、測定対象物20の荷重Fにより測定台1から受ける力を検出する力センサ2と、測定台1の支持点をそれぞれ支持し、1以上のグループ毎に同じバネ定数で鉛直方向に弾性変形し、グループにそれぞれ少なくとも2つが属する複数の支持部3と、力センサ2により検出された力、及び、複数の支持部3のバネ定数に基づいて、測定対象物20の重量Fを演算する重量演算手段とを備え、力センサ2は、グループに属する支持部3が3つ以上の場合、グループに属する全ての支持部3に対応する支持点に対する重心の位置から力を受け、グループに属する支持部3が2つの場合、グループに属する2つの支持部3に対応する2つの支持点を結ぶ線分の中点の位置から力を受ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物を置くための測定台と、
前記測定対象物の荷重により前記測定台から受ける力を検出する力センサと、
前記測定台の支持点をそれぞれ支持し、1以上のグループ毎に同じバネ定数で鉛直方向に弾性変形し、前記グループにそれぞれ少なくとも2つが属する複数の支持部と、
前記力センサにより検出された力、及び、前記複数の支持部のバネ定数に基づいて、前記測定対象物の重量を演算する重量演算手段とを備え、
前記力センサは、前記グループに属する前記支持部が3つ以上の場合、前記グループに属する全ての前記支持部に対応する前記支持点に対する重心の位置から力を受け、前記グループに属する前記支持部が2つの場合、前記グループに属する2つの前記支持部に対応する2つの前記支持点を結ぶ線分の中点の位置から力を受けること
を特徴とする重量測定装置。
【請求項2】
前記力センサは、
前記測定台から受ける力により歪みが生じるダイアフラムと、
前記ダイアフラムに生じる前記歪みの大きさを検出する歪み検出素子とを備えること
を特徴とする請求項1に記載の重量測定装置。
【請求項3】
前記力センサの高さを調整する力センサ用高さ調整部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の重量測定装置。
【請求項4】
前記力センサ用高さ調整部は、鉛直方向に変形する弾性を有すること
を特徴とする請求項3に記載の重量測定装置。
【請求項5】
前記複数の支持部のそれぞれの高さを調整する複数の支持部用高さ調整部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の重量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、重量を測定する重量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、重量等の力を測定する装置が知られている。例えば、起歪体の歪みを検出するセンサを用いて、トルクを含む様々な力を測定することが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-56768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、重量を測定する装置は、測定対象物が置かれる位置により、測定結果が変わることがある。
【0005】
本実施形態は、測定対象物が任意の位置に置かれても測定結果が変化しない重量測定装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0006】
本実施形態によれば、測定対象物が任意の位置に置かれても測定結果が変化しない重量測定装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の重量測定装置は、測定対象物を置くための測定台と、前記測定対象物の荷重により前記測定台から受ける力を検出する力センサと、前記測定台の支持点をそれぞれ支持し、1以上のグループ毎に同じバネ定数で鉛直方向に弾性変形し、前記グループにそれぞれ少なくとも2つが属する複数の支持部と、前記力センサにより検出された力、及び、前記複数の支持部のバネ定数に基づいて、前記測定対象物の重量を演算する重量演算手段とを備え、前記力センサは、前記グループに属する前記支持部が3つ以上の場合、前記グループに属する全ての前記支持部に対応する前記支持点に対する重心の位置から力を受け、前記グループに属する前記支持部が2つの場合、前記グループに属する2つの前記支持部に対応する2つの前記支持点を結ぶ線分の中点の位置から力を受ける。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る重量測定装置の構成を示す構成図。
図2】第1実施形態に係る力センサの構成を示す側面図。
図3】第1実施形態に係る力センサの構成を示す上面図。
図4】第1実施形態に係る演算処理部における測定対象物の重量を測定するための演算方法を示す概念図。
図5】第1実施形態に係る演算処理部における四角形の測定台に置かれた測定対象物の重量を測定するための演算方法を示す概念図。
図6】第1実施形態に係る演算処理部における三角形の測定台に置かれた測定対象物の重量を測定するための演算方法を示す概念図。
図7】第1実施形態に係る測定台の歪みを示す簡略図。
図8】本発明の第2実施形態に係る重量測定装置の構成を示す構成図。
図9】本発明の第3実施形態に係る重量測定装置の構成を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る重量測定装置10の構成を示す構成図である。なお、図面において、同一部分には、同一符号を付している。
【0010】
重量測定装置10は、測定台1、力センサ2、複数の支持部3、及び、演算処理部4を備える。重量測定装置10は、測定台1に置かれた測定対象物20の重量Fを測定するセンサである。
【0011】
測定台1は、測定対象物20が置かれる台である。測定台1は、板形状である。測定台1の上面の形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、及び、多角形等でもよいし、非対称の形状でもよいし、不規則な形状でもよいし、その他のどのような形状でもよい。測定台1は、剛性が高く、測定対象物20が置かれても変形し難い形状及び材質であることが望ましい。ここでは、測定台1の変形量は、測定対象物20の重量の測定において、無視できる程度に充分に小さいものとして説明する。
【0012】
力センサ2は、測定対象物20の重量により、測定台1から下方に加わる力を検出するセンサである。力センサ2は、検出した力を検出信号として演算処理部4に出力する。例えば、検出信号は、電気信号であり、抵抗、電圧又は電流の大きさで、検出した力が表される。
【0013】
複数の支持部3は、測定台1を支持する部材である。各支持部3は、バネのように鉛直方向に弾性変形するように構成される。例えば、支持部3は、弾性のある素材(例えば、ゴム)で形成されてもよいし、弾性のある形状(例えば、バネ)に形成されてもよいし、これらの組合せで構成されてもよい。
【0014】
各支持部3は、グループ毎に分けられている。なお、グループは、少なくとも1つあれば、いくつでもよい。各グループは、少なくとも2つの支持部3を含む。グループ毎にバネ定数が予め決められており、各グループに属する支持部3は、全て同じバネ定数である。バネ定数は、グループ毎に全て異なってもよいし、全てのグループで同じでもよいし、一部のグループで同じでもよい。
【0015】
各グループにおいて、グループに属する全ての支持部3が支持する支持点(例えば、支持部3が測定台1と接続されている箇所)でそれぞれ受ける力による変位の平均の変位をする点に力センサ2が位置するように、各グループの支持部3が配置される。
【0016】
具体的には、各グループにおいて、次のように、支持部3が配置される。グループに属する支持部3が3つ以上の場合、グループに属する全ての支持部3が支持する支持点により求められる重心にある位置が、力センサ2が測定台1から力を受ける位置BCと一致するように、支持部3が配置される。グループに属する支持部3が2つの場合、2つの支持部3が支持する支持点を結ぶ線分の中点が、力センサ2が測定台1から力を受ける位置BCと一致するように、支持部3が配置される。
【0017】
次に、支持部3が支持する支持点から力センサ2が配置される位置BCを求める方法について説明する。ここでは、支持点の数(即ち、支持部3の数)をnとし、支持点は、平面でx軸とy軸が直交するxy座標に配置されているものとする。
【0018】
まず、支持点が3つ以上(nが3以上)の場合について説明する。この場合、全ての支持点に対する重心が位置BCとなる。
【0019】
第1の支持点P1から第nの支持点Pnまでのそれぞれの座標は、(x1,y1)、(x2,y2)、…、(xn、yn)と表せる。このとき、第1から第nまでの支持点P1~Pnに対する重心(xg、yg)のx座標及びy座標は、次のように求まる。
xg=(x1+x2+…+xn)/n、yg=(y1+y2+…+yn)/n
このように求めた重心の位置が位置BCとなる。
【0020】
支持点が2つの場合、2つの支持点を結ぶ線分の中点(2つの線分を2等分する点)が位置BCとなる。したがって、位置BCは、x座標が(x1+x2)/2となり、y座標が(y1+y2)/2となる。
【0021】
これらのことから、位置BCのx座標は、全ての支持点のx座標の平均であり、位置BCのy座標は、全ての支持点のy座標の平均である。測定台1に設けられた支持部3の配置に基づいて、このように求められた測定台1の位置BCの下に、力センサ2が設けられる。
【0022】
演算処理部4は、力センサ2により検出された検出信号に基づいて、測定対象物20の重量を演算する。演算処理部4は、演算した重量を演算結果として出力する。演算処理部4は、主にコンピュータにより構成される。演算処理部4は、プログラムを実行することにより、プログラムに記載された手順に従って演算処理を行う。演算結果の出力は、ディスプレイへの表示、印刷又はデータ送信等、どのように行われてもよい。
【0023】
図2及び図3を参照して、力センサ2の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る力センサ2の構成を示す側面断面図である。図3は、本実施形態に係る力センサ2の構成を示す上面図である。なお、ここで説明する力センサ2の構成は、一例であり、測定台1の重心BCの真下から受ける力を検出できるのであれば、どのような構成でもよい。
【0024】
力センサ2は、歪み検出素子21、ダイアフラム22、荷重部23、及び、土台部24を備える。例えば、ダイアフラム22、荷重部23及び土台部24は、一体形成される。
【0025】
歪み検出素子21は、ダイアフラム22の表面に設けられる。歪み検出素子21は、測定対象物20の荷重により生じるダイアフラム22の歪みの大きさを検出するための素子である。歪み検出素子21は、ダイアフラム22に印加された力に応じて、ダイアフラム22の歪みの大きさを示す電気信号を出力する。例えば、歪み検出素子21は、歪みゲージであり、ダイアフラム22の歪みの大きさを抵抗値の大きさで示す。
【0026】
なお、歪み検出素子21は、ダイアフラム22の歪みの大きさを検出できる素子であれば、どのような素子でもよく、歪みにより圧電効果を発生させる圧電体でもよい。また、歪み検出素子21は、電気回路を構成する素子であり、電気回路はどのように構成されてもよい。また、歪み検出素子21は、2つ以上設けられてもよい。さらに、電気回路には、電気を供給するための電源が設けられてもよい。
【0027】
ダイアフラム22は、弾性変形する材質の薄板状の部材である。ダイアフラム22の上面の形状は、例えば、円形状であるが、どのような形状でもよい。ダイアフラム22は、測定対象物20の荷重Fにより、沈むようにたわむことで、歪みが生じる。
【0028】
荷重部23は、測定台1の位置BCの真下に位置し、ダイアフラム22の表面の中央部分(例えば、円形の中心部分)に設けられる。荷重部23は、測定台1を介して、測定対象物20の荷重が加わる部分である。荷重部23は、測定台1の位置BCから一箇所(頂点部分)で力を受けるように、凸形状に形成される。例えば、荷重部23は、上側が球面状であり、下面が平面である。荷重部23は、球面状の頂点部分で、測定台1の位置BCからの力を受ける。
【0029】
荷重部23は、測定台1に荷重が掛けられたときに、測定台1の位置BCから一箇所で力を受けるような形状であれば、どのような形状でもよい。荷重部23を設けることで、ダイアフラム22に一定方向の歪みを生じさせるように、測定台1の位置BCからダイアフラム22に力が伝達される。
【0030】
土台部24は、力センサ2の全体を支持する土台となる部分である。土台部24は、平面状の底面がある円筒形状であり、上面にはダイアフラム22が張られている。なお、土台部24は、力センサ2が機能するように、ダイアフラム22を支持する構成であれば、どのような構成でもよい。
【0031】
図4を参照して、演算処理部4における測定対象物20の重量Fを測定するための演算方法について説明する。
【0032】
ここで、測定台1の重量は、測定対象物20の重量Fと比較して無視できる程度に軽いものとして説明するが、実際には、測定台1の重量を考慮して、重量Fを測定する。また、説明の便宜上、各グループの支持部3の数は、全てn(nは2以上)であるものとして説明するが、各グループの支持部3の数は異なってもよく、この場合でも、以下の説明に基づいて、演算することができる。
【0033】
iは、グループの番号、jは、グループにおける支持部3の番号を表すものとする。グループの番号iは、1から順番に通し番号で全てのグループに付けられる番号であり、iの最大値は、グループの合計数になる。支持部3の番号jは、各グループにおいて、1から順番に通し番号で支持部3に付けられる番号であり、jの最大値は、そのグループにおける支持部3の合計数になる。
【0034】
測定台1の任意の位置に置かれた測定対象物20の重量をF、力センサ2の反力をFs、i番目のグループのj番目の支持部3の反力をFijとすると、力のつり合いにより、次式が成り立つ。
【0035】
【数1】
【0036】
力センサ2は、各グループの支持部3が支持する支持点に対する重心の位置又は2つ支持点を結ぶ線分の中点の位置にあるため、各グループの支持部3の変位量の平均値が力センサ2の変位量(ダイアフラム22の変位量)になる。よって、力センサ2の変位量をxs、i番目のグループのj番目の支持部3の変位量をxijとすると、次式が成り立つ。
【0037】
【数2】
【0038】
i番目のグループのj番目の支持部3の反力をFijとし、i番目のグループのバネ定数をkiとすると、次式が成り立つ。
【0039】
【数3】
【0040】
力センサ2のバネ定数(ダイアフラム22のバネ定数)をksとすると、式(2)及び式(3)から次式が導かれる。
【0041】
【数4】
【0042】
式(1)及び式(4)から次式が導かれる。
【0043】
【数5】
【0044】
よって、式(5)より、測定台1の測定対象物20が置かれた位置によらず、力センサ2が受ける力Fsから測定対象物20の重量Fが求まる。
【0045】
図5を参照して、測定台1の形状が四角形(例えば、正方形)で、支持部3が四角形の各頂点に設けられた構成の重量測定装置10おいて、測定対象物20の重量Fを求める演算方法について説明する。
【0046】
4つの支持部3は、2つのグループに分けられる。対角に位置する2つの支持部3は、同じグループに属する。第1グループでは、バネ定数をk1とし、2つの支持部3が受ける力をそれぞれF11,F12とし、2つの支持部3の変位量をそれぞれx11,x12とする。第2グループでは、バネ定数をk2とし、2つの支持部3が受ける力をそれぞれF21,F22とし、2つの支持部3の変位量をそれぞれx21,x22とする。
【0047】
力センサ2は、同じグループに属する支持部3の各支持点に対する重心(四角形の2つの対角線の交点)の位置BCから受ける力Fsを測定するように配置される。次式により、力センサ2により測定される力Fsから測定対象物20の重量Fが求まる。
【0048】
【数6】
【0049】
図6を参照して、測定台1の形状が三角形で、支持部3が三角形の各頂点に設けられた構成の重量測定装置10おいて、測定対象物20の重量Fを求める演算方法について説明する。
【0050】
3つの支持部3は、全て1つのグループに属する。バネ定数をk1とし、3つの支持部3が受ける力をそれぞれF11,F12,F13とし、3つの支持部3の変位量をそれぞれx11,x12,x13とする。
【0051】
力センサ2は、支持部3の各支持点に対する重心(三角形の重心)の位置BCから受ける力Fsを測定するように配置される。次式により、力センサ2により測定される力Fsから測定対象物20の重量Fが求まる。
【0052】
【数7】
【0053】
次に、測定台1の歪みによる誤差について説明する。
図7に示すように、測定対象物20が測定台1に置かれると、測定台1に歪みが生じる。この歪みによる歪み幅dは、重量測定装置10による測定誤差になる。したがって、測定台1は、変形し難い高い剛性にすることで、測定誤差を小さくすることができる。
【0054】
なお、測定対象物20の重量Fに対する測定台1の歪み度合いを予め測定し、演算処理部4は、歪み度合いの測定結果に基づいて、測定台1の歪みによる測定誤差を修正するように演算してもよい。また、測定台1の歪み幅dをダイアフラム22と同様に検出して、測定台1の反力を求め、求めた測定台1の反力を用いて、力センサ2により検出される力を求めてもよい。
【0055】
本実施形態によれば、測定台1を支持する支持部3の配置に基づいて、力センサ2が設けられる測定台1の位置BCを決定し、決定された測定台1の位置BCに掛かる荷重を測定することで、測定台1の任意の位置に置かれた測定対象物20の重量Fを求めることができる。
【0056】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係る重量測定装置10Aの構成を示す構成図である。
【0057】
重量測定装置10Aは、図1に示す第1実施形態に係る重量測定装置10において、高さ調整部5を設けたものである。その他の点は、第1実施形態に係る重量測定装置10と同様である。
【0058】
高さ調整部5は、力センサ2の高さを調節するための機構を備える。高さ調整部5は、力センサ2の下に直列に接続される。高さ調整部5は、力センサ2の荷重部23が測定台1の下面と適切に接触するように、力センサ2の高さを調整する。高さ調整部5により力センサ2の高さを調整することで、力センサ2が測定台1から受ける力を適切に検出できる。なお、高さ調整部5は、力センサ2の土台部24の一部として構成されてもよい。
【0059】
高さ調整部5は、支持部3と同様に、材質又は形状により弾性を有するように構成されてもよい。高さ調整部5は、弾性変形することにより、高さが調節される。この場合、演算処理部4は、力センサ2により検出される力、及び、高さ調整部5の弾性変形により吸収される力に基づいて、測定対象物20の重量Fを演算する。
【0060】
また、高さ調整部5は、高さを自由に変更できる機構を備えてもよい。例えば、高さ調整部5は、ネジとネジ穴の構成を備え、ネジのネジ穴への挿入量を調節することで、高さを調節できるようにする。高さ調整部5は、弾性を有する構成と高さを自由に変更できる機構のいずれか一方を備えてもよいし、両方を備えてもよい。
【0061】
本実施形態によれば、第1実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。重量測定装置10Aは、力センサ2に高さ調整部5を設けることで、重量測定装置10Aの設置面Dsに凹凸があっても、力センサ2を測定台1に対して適切な位置に配置することができる。これにより、測定対象物20の重量Fを適切に測定できるように、重量測定装置10Aを設置面Dsに設置することができる。
【0062】
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係る重量測定装置10Bの構成を示す構成図である。
【0063】
重量測定装置10Bは、図1に示す第1実施形態に係る重量測定装置10において、全ての支持部3にそれぞれ高さ調整部6を設けたものである。その他の点は、第1実施形態に係る重量測定装置10と同様である。
【0064】
高さ調整部6は、全ての支持部3にそれぞれ設けられる。高さ調整部6は、支持部3と鉛直方向に直列に接続される。なお、高さ調整部6は、支持部3の上又は下のいずれに設けられてもよいし、支持部3の一部として構成されてもよい。また、力センサ2には、支持部3と同様に、高さ調整部6が設けられてもよいし、第2実施形態に係る高さ調整部5が設けられてもよい。
【0065】
高さ調整部6は、支持部3の高さを調節するための機構を備える。例えば、高さ調整部6は、ネジとネジ穴の構成を備え、ネジのネジ穴への挿入量を調節することで、高さを調節できるようにする。
【0066】
高さ調整部6は、支持部3の弾性部分が適切な収縮状態になるように、支持部3の高さを調節する。各高さ調整部6により各支持部3の高さを調整して、全ての支持部3の弾性部分が予め決められた初期状態になるようにし、測定台1が水平になるようにする。これにより、重量測定装置10Bが設置面Dsに適切に設置され、測定対象物20の重量Fが適切に測定される。
【0067】
本実施形態によれば、第1実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。重量測定装置10Bは、各支持部3に高さ調整部6を設けることで、重量測定装置10Bの設置面Dsに凹凸があっても、各支持部3の伸縮を適切な状態にすることができる。これにより、測定対象物20の重量Fを適切に測定できるように、重量測定装置10Bを設置面Dsに設置することができる。
【0068】
なお、追加の利点及び修正について当業者により容易に生じることがある。したがって、そのより広い態様における本発明は、本明細書に示して説明される特定の詳細で代表的な実施形態に限定されない。したがって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物により定義される一般的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。
【符号の説明】
【0069】
1…測定台、2…力センサ、3…支持部、4…演算処理部、10…重量測定装置、20…測定対象物、21…歪み検出素子、22…ダイアフラム、23…荷重部、24…土台部、BC…位置、F…荷重。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9