(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174374
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】項目表作成装置、項目表作成方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092176
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大友 広宗
(72)【発明者】
【氏名】石崎 龍
(72)【発明者】
【氏名】柏木 克巳
(72)【発明者】
【氏名】皆川 建司
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】作業効率を向上可能な項目表作成装置及び項目表作成方法を得る。
【解決手段】実施形態に係る項目表作成装置は、画像処理部と、項目表作成部と、を備える。画像処理部は、取得部と、解析部と、を有する。取得部は、外部から画像データを取得する。解析部は、画像データから所定の文字記号情報を抽出する。項目表作成部は、第1記憶部と、変換部と、生成部と、を有する。第1記憶部は、文字記号情報に対応する仕様情報を記憶する。変換部は、解析部により抽出された文字記号情報と仕様情報とを関連付けて関連情報を生成する。生成部は、関連情報を入力して監視項目表を作成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から画像データを取得する取得部と、前記画像データから所定の文字記号情報を抽出する解析部と、を有する画像処理部と、
前記文字記号情報に対応する仕様情報を記憶する第1記憶部と、前記解析部により抽出された前記文字記号情報と前記仕様情報とを関連付けて関連情報を生成する変換部と、前記関連情報を入力して監視項目表を作成する生成部と、を有する項目表作成部と、
を備える、項目表作成装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、前記解析部により抽出された前記文字記号情報の比較対象となる基準データを記憶する第2記憶部をさらに有し、
前記解析部は、前記文字記号情報と前記基準データとを比較して一致率を算出し、当該文字記号情報を特定する、
請求項1に記載の項目表作成装置。
【請求項3】
前記仕様情報は、前記文字記号情報毎に対応する個別データを有し、
前記変換部は、前記解析部に特定された前記文字記号情報と対応する前記個別データを関連付けて関連情報を生成する、
請求項2に記載の項目表作成装置。
【請求項4】
項目表作成装置に係る作成方法であって、
外部から画像データを取得する取得工程と、前記画像データから所定の文字記号情報を抽出する解析工程と、を有する第1工程と、
前記文字記号情報に対応する仕様情報を記憶する第1記憶工程と、前記解析工程により抽出された前記文字記号情報と前記仕様情報とを関連付けて関連情報を生成する変換工程と、前記関連情報を入力して監視項目表を作成する生成工程と、を有する第2工程と、
を含む、作成方法。
【請求項5】
前記第1工程は、前記解析工程により抽出された前記文字記号情報の比較対象となる基準データを記憶する第2記憶工程をさらに有し、
前記解析工程は、前記文字記号情報と前記基準データとを比較して一致率を算出し、当該文字記号情報を特定する、
請求項4に記載の作成方法。
【請求項6】
前記仕様情報は、前記文字記号情報毎に対応する個別データを有し、
前記変換工程は、前記解析工程に特定された前記文字記号情報と対応する前記個別データを関連付けて関連情報を生成する、
請求項5に記載の作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、項目表作成装置、項目表作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ化した単線結線図から図記号や文字を認識して、項目表を自動的に作成する項目表自動作成装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の項目表作成装置は、簡易的な項目表を自動的に作成するだけであり、精巧な項目表を作成することが困難であった。このため、精巧な項目表を作成する場合は、作業者が手作業で作成しなければならず作業効率が悪化する虞があった。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、作業効率を向上可能な項目表作成装置及び項目表作成方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る項目表作成装置は、画像処理部と、項目表作成部と、を備える。画像処理部は、取得部と、解析部と、を有する。取得部は、外部から画像データを取得する。解析部は、画像データから所定の文字記号情報を抽出する。項目表作成部は、第1記憶部と、変換部と、生成部と、を有する。第1記憶部は、文字記号情報に対応する仕様情報を記憶する。変換部は、解析部により抽出された文字記号情報と仕様情報とを関連付けて関連情報を生成する。生成部は、変換部により関連情報を入力して監視項目表を作成する。
【0007】
実施形態に係る項目表作成方法は、第1工程と、第2工程と、を含む。第1工程は、取得工程と、解析工程と、を有する。取得工程は、外部から画像データを取得する。解析工程は、画像データから所定の文字記号情報を抽出する。第2工程は、第1記憶工程と、変換工程と、生成工程と、を有する。第1記憶工程は、文字記号情報に対応する仕様情報を記憶する。変換工程は、解析工程により抽出された文字記号情報と仕様情報とを関連付けて関連情報を生成する。生成工程は、変換工程により関連情報を入力して監視項目表を作成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態の項目表作成装置のシステム図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の定義データの一例をまとめた表である。
【
図5】
図5は、本実施形態の項目表作成方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、実施形態に係る項目表作成システム1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0010】
図1は、本実施形態の項目表作成システム1のシステム図である。
図2は、単線結線
図Aの一例を示す図である。
図3は、監視項目表Bの一例を示す表である。
【0011】
本実施形態の項目表作成システム1は、例えば、
図2に示すような単線結線
図Aから
図3に示すような監視項目表Bを自動的に作成する。単線結線
図Aは、例えば、電気回路系統を単線で示した結線図である。監視項目表Bは、例えば、製品の作製に必要な部品等をまとめており、下請け業者等に部品を発注する際に使用する項目表である。
【0012】
図1に示すように、項目表作成システム1は、入力装置2と、出力ファイル3と、項目表作成装置10と、を備える。
【0013】
入力装置2は、例えば、外部から画像を取り込み、データ化する装置である。入力装置2は、原
図21と、スキャナー22と、画像データ23と、を有する。原
図21は、例えば、設計者が手書きした単線結線図のような図である。スキャナー22は、原
図21を取り込んで画像データ23に変換可能な装置である。
【0014】
画像データ23は、PDFデータ231と、CADデータ232と、を含む。PDFデータ231は、例えば、スキャナー22によって原
図21が変換されたデータである。CADデータ232は、例えば、製図ソフトウェアを用いて作成された図面データである。
【0015】
出力ファイル3は、例えば、項目表作成装置10によって入力された情報が記載されている監視項目表のファイルである。
【0016】
項目表作成装置10は、画像処理部11と、項目表作成部12と、を有する。画像処理部11は、例えば、入力装置2によって読み込んだ画像データ23を処理する。画像処理部11は、取得部111と、解析部112と、記憶部113と、出力部114と、を有する。なお、記憶部113は、第2記憶部の一例である。
【0017】
取得部111は、入力装置2から出力された画像データ23を取得し、取得した当該画像データ23を解析部112に送信する。言い換えると、取得部111は、外部から入力された画像データ23を取得し、取得した当該画像データ23を解析部112に送信する。
【0018】
解析部112は、例えば、所定の解析範囲に区切り、当該解析範囲をスイープさせることで画像データ23全体を解析する。解析部112は、取得部111から受信した画像データ23に記載されている機器を認識して抽出する。その後、解析部112は、抽出した機器に記載されている記号、文字、電気用記号、数値等の文字記号情報を認識して抽出する。
【0019】
記憶部113には、解析部112により抽出された文字記号情報の比較対象となる基準データが記憶されている。基準データは、例えば、記号データ、デバイス名称データ、文字データ、電気用記号データ及び数値データ等である。言い換えると、基準データは、例えば、記号データ、デバイス名称データ、文字データ、電気用記号データ及び数値データ等を有する。
【0020】
記号データとは、例えば、標準的な「〇」、「△」等の記号の画像データである。デバイス名称データとは、例えば、デバイス名称を表す標準的な文字の画像データである。なお、デバイス名称とは、単線結線図において数字、記号、アルファベット等を組み合わせて表現される文字である。
【0021】
文字データとは、例えば、ポイント名称を表す標準的な文字の画像データである。なお、ポイント名称とは、例えば、単線結線図に記載されている機器の名称である。
【0022】
電気用記号データとは、例えば、一般的な電気用記号の標準的な画像データである。数値データとは、例えば、数値を表す標準的な数字の画像データである。すなわち、記憶部113には、標準的な記号、文字、電気用記号、数値等の画像データが記憶されている。
【0023】
解析部112は、記憶部113に記憶されている基準データと、画像データ23から抽出した文字記号情報を比較して、一致率を算出する。そして、解析部112は、算出した一致率と、予め設定される閾値と、に基づいて、画像データ23から抽出した文字記号情報を特定する。
【0024】
出力部114は、解析部112によって特定した文字記号情報の情報である抽出データを項目表作成部12に出力する。
【0025】
項目表作成部12は、例えば、画像処理部11から取得したデータに基づいて監視項目表を作成する。
図1に示すように、項目表作成部12は、取得部121と、記憶部122と、変換部123と、生成部124と、出力部125と、を有する。なお、記憶部122は、第1記憶部の一例である。
【0026】
取得部121は、画像処理部11の出力部114から出力された抽出データを取得し、取得した当該抽出データを変換部123に送信する。
【0027】
記憶部122には、複数の文字記号情報毎に対応する仕様情報が記憶されている。仕様情報は、例えば、種別データ、名称データ、ポイント名称、ポイント名称及び数値データ等である。言い換えると、仕様情報は、例えば、種別データ、名称データ、ポイント名称、ポイント名称及び数値データ等を有する。なお、種別データ、名称データ、ポイント名称、ポイント名称及び数値データのそれぞれは、個別データの一例である。
【0028】
図4は、本実施形態の定義データの一例をまとめた表である。記憶部122には、さらに
図4に示す定義データが記憶されている。
図4に示すように、定義データには、種別データ及び名称データが含まれる。
【0029】
種別データとは、例えば、
図3の監視項目表Bにおける操作、表示、計測及び計量等のポイント名称を特定するための情報である。なお、種別データは、監視項目表Bにおいて二進数で表示されている。
【0030】
種別データは、出力部114から出力された抽出データと、定義データと、に基づいて特定される。例えば、抽出データが記号「〇」の場合、と記載されている場合は種別が「状態表示」であることを意味する。
【0031】
名称データとは、例えば、デバイス名称を特定するための情報である。デバイス名称は、出力部114から出力された抽出データと、定義データと、に基づいて特定される。例えば、抽出データが「1」と記載されている場合はデバイス名称が「主幹制御器・スイッチ」であることを意味する。また、例えば、抽出データが「V」と記載されている場合はデバイス名称が「電圧計」であることを意味する。
【0032】
本実施形態における定義データは、規格で定められた定義である。しかし、これに限らず、例えば、定義データは、使用者によって独自に決められた定義でも良い。すなわち、定義データは、用途により適宜変更可能である。
【0033】
ポイント名称とは、例えば、電気用記号が表す部品の名称である。数値データとは、例えば、アナログレンジにおけるCT、VT比、TR電圧等の数値情報である。
【0034】
変換部123は、出力部114から出力された文字記号情報の抽出データと、記憶部122に記録されている種別データ、名称データ、ポイント名称、ポイント名称及び数値データ等の仕様情報と、をそれぞれ関連付けた関連情報を生成する。
【0035】
生成部124は、変換部123によって関連付けられた情報を出力ファイル3に入力する。これにより、項目表作成装置10によって監視項目表が作成される。
【0036】
図5は、本実施形態の項目表作成方法の一例を示すフローチャートである。以下、
図5のフローチャートを参照しながら、項目表作成システム1が実行する処理の一例を述べる。
【0037】
図1に示すように、作業者は、例えば、単線結線図の原
図21をスキャナー22で取り込んで画像データ23に変換する。そして、作業者は、画像データ23を項目表作成装置10に入力する(ステップ1)。なお、予め用意したPDFデータ231やCADデータ232を使用する場合は、画像データ23に変換する工程を省略可能である。
【0038】
項目表作成装置10では、取得部111が、入力装置2から入力された画像データ23を取得する。そして、解析部112は、画像データ23を所定の解析範囲に区切り、当該画像データ23に描かれている機器を認識する。
【0039】
解析部112は、所定の解析範囲を解析して、解析開始時点で認識していない機器があるか判定する(ステップ2)。そして、認識していない機器を発見した場合に解析を開始する(ステップ3)。なお、本実施形態では、一例として機器Xを発見したと仮定する。
【0040】
まず、解析部112は、機器Xに「〇」、「△」等の記号が記載されているか判定する(ステップ4)。例えば、解析部112は、記憶部113に保存されている記号データと比較し、予め設定された閾値を超えており、最も一致率が高い記号を機器Xに記載されている記号として認識する(ステップ4のYes)。
【0041】
一方、機器Xに記載されている記号と記憶部113に保存されている記号データとを比較し、一致率が閾値を超える記号データが無い場合、解析部112は、機器Xには記号が記載されていない、と判断する(ステップ4のNo)。
【0042】
機器Xに記号が記載されている場合、出力部114は、機器Xに記載されている記号情報を項目表作成部12の取得部121に送信する。
【0043】
変換部123は、取得部121が取得した記号情報と、記憶部122に記憶されている各記号に対応する種別データと、を関連付けて関連情報を生成する。そして、生成部124は、関連情報を出力ファイル3に入力する(ステップ5)。
【0044】
次に、解析部112は、機器Xにデバイス名称が記載されているか判定する(ステップ6)。例えば、解析部112は、記憶部113に保存されているデバイス名称データと比較し、予め設定された閾値を超えており、最も一致率が高い文字を機器Xに記載されているデバイス名称として認識する(ステップ6のYes)。さらに、解析部112は、認識したデバイス名称のうち、数字とアルファベットが含まれているかを判定する。
【0045】
一方、機器Xに記載されているデバイス名称と記憶部113に保存されているデバイス名称データとを比較し、一致率が閾値を超えるデバイス名称データが無い場合、解析部112は、機器Xにはデバイス名称が記載されていない、と判断する(ステップ6のNo)。
【0046】
機器Xにデバイス名称が記載されている場合、出力部114は、機器Xに記載されているデバイス名称、数字及びアルファベットについての情報を項目表作成部12の取得部121に送信する。
【0047】
変換部123は、取得部121が取得したデバイス名称と、記憶部122に記憶されている各デバイス名称に対応する種別データと、を関連付けて関連情報を生成する。そして、生成部124は、関連情報を出力ファイル3に入力する(ステップ7)。
【0048】
また、変換部123は、取得部121が取得したデバイス名称に数字が含まれていた場合、記憶部122に記憶されている各数字に対応する名称データと、を関連付けて関連情報を生成する。そして、生成部124は、関連情報を出力ファイル3に入力する(ステップ8)。
【0049】
また、変換部123は、取得部121が取得したデバイス名称にアルファベットが含まれていた場合、記憶部122に記憶されている各アルファベットに対応する名称データと、を関連付けて関連情報を生成する。そして、生成部124は、関連情報を出力ファイル3に入力する(ステップ9)。
【0050】
次に、解析部112は、機器Xに文字が記載されているか判定する(ステップ10)。例えば、解析部112は、記憶部113に保存されている文字データと比較し、予め設定された閾値を超えており、最も一致率が高い文字を機器Xに記載されている文字として認識する(ステップ10のYes)。
【0051】
一方、機器Xに記載されている文字と記憶部113に保存されている文字データとを比較し、一致率が閾値を超える文字データが無い場合、解析部112は、機器Xには文字が記載されていない、と判断する(ステップ10のNo)。
【0052】
機器Xに文字が記載されている場合、出力部114は、機器Xに記載されている文字情報を項目表作成部12の取得部121に送信する。
【0053】
変換部123は、取得部121が取得した文字情報と、記憶部122に記憶されている各文字に対応するポイント名称データと、を関連付けて関連情報を生成する。そして、生成部124は、関連情報を出力ファイル3に入力する(ステップ11)。
【0054】
次に、解析部112は、機器Xに電気用記号が記載されているか判定する(ステップ12)。例えば、解析部112は、記憶部113に保存されている電気用記号データと比較し、予め設定された閾値を超えており、最も一致率が高い電気用記号を機器Xに記載されている電気用記号として認識する(ステップ12のYes)。
【0055】
一方、機器Xに記載されている電気用記号と記憶部113に保存されている電気用記号データとを比較し、一致率が閾値を超える電気用記号が無い場合、解析部112は、機器Xには電気用記号が記載されていない、と判断する(ステップ12のNo)。
【0056】
機器Xに電気用記号が記載されている場合、出力部114は、機器Xに記載されている電気用記号情報を項目表作成部12の取得部121に送信する。
【0057】
変換部123は、取得部121が取得した電気用記号情報と、記憶部122に記憶されている各電気用記号に対応するポイント名称・信号種別データと、を関連付けて関連情報を生成する。そして、生成部124は、関連情報を出力ファイル3に入力する(ステップ13)。
【0058】
次に、解析部112は、機器XにCT、VT比、TR電圧が記載されているか判定する(ステップ14)。例えば、解析部112は、記憶部113に保存されている数値データと比較し、予め設定された閾値を超えており、最も一致率が高いCT、VT比、TR電圧を機器Xに記載されているCT、VT比、TR電圧として認識する(ステップ14のYes)。
【0059】
一方、機器Xに記載されているCT、VT比、TR電圧と記憶部113に保存されている数値データとを比較し、一致率が閾値を超えるCT、VT比、TR電圧が無い場合、解析部112は、機器XにはCT、VT比、TR電圧が記載されていない、と判断する(ステップ14のNo)。
【0060】
機器XにCT、VT比、TR電圧が記載されている場合、出力部114は、機器Xに記載されているCT、VT比、TR電圧の数値情報を項目表作成部12の取得部121に送信する。
【0061】
変換部123は、取得部121が取得した数値情報と、記憶部122に記憶されている各CT、VT比、TR電圧に対応するアナログレンジの数値データと、を関連付けて関連情報を生成する。そして、生成部124は、関連情報を出力ファイル3に入力する(ステップ15)。
【0062】
所定の解析範囲を解析した解析部112は、解析範囲をスイープさせて、次の解析範囲を解析する。その後、項目表作成装置10は、ステップ1~ステップ15の手順を繰り返す。
【0063】
解析部112は、画像データ23から認識していない機器を発見できなかった場合に解析を終了する(ステップ2のYes)。これにより、項目表作成装置10は、様々な項目をまとめた精巧な監視項目表を作成することができる。従って、本実施形態の項目表作成装置10は、作業効率を向上可能である。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の項目表作成装置10は、画像処理部11と、項目表作成部12と、を備える。画像処理部11は、取得部111と、解析部112と、を有する。取得部111は、外部から画像データ23を取得する。解析部112は、画像データ23から所定の文字記号情報を抽出する。項目表作成部12は、記憶部122と、変換部123と、生成部124と、を有する。記憶部122は、文字記号情報に対応する仕様情報を記憶する。変換部123は、解析部112により抽出された文字記号情報と仕様情報とを関連付けて関連情報を生成する。生成部124は、関連情報を入力して監視項目表を作成する。
【0065】
項目表作成装置10は、例えば、単線結線図のような図面の画像データ23を取得部111に取得させる。解析部112は、画像データ23を解析して当該画像データ23に記載されている所定の文字記号情報を抽出する。記憶部122には、文字記号情報に対応する仕様情報が記憶されている。変換部123は、解析部112により抽出された文字記号情報と仕様情報とに基づいて、当該文字記号情報に対応する仕様情報を関連付けて関連情報を生成する。そして、生成部124は、関連情報を監視項目表に入力する。
【0066】
これにより、項目表作成装置10は、詳細な仕様情報を反映した監視項目表を作成することができる。そのため、本実施形態の項目表作成装置10は、作業者が項目表を作成するための負担を軽減できる。従って、本実施形態の項目表作成装置10は、作業効率の向上が可能である。
【0067】
また、本実施形態の項目表作成装置10では、監視項目表が自動的に作成される。そのため、例えば、手作業で監視項目表を作成する場合と比べて、誤記等が発生することを抑制できる。すなわち、本実施形態の項目表作成装置10は、監視項目表作成時に発生する人為的なミスを削減できる。
【0068】
また、本実施形態では、画像処理部11は、記憶部113をさらに有する。記憶部113は、解析部112により抽出された文字記号情報の比較対象となる基準データを記憶する。解析部112は、文字記号情報と基準データとを比較して一致率を算出し、当該文字記号情報を特定する。
【0069】
例えば、設計者が単線結線図のような図面を手書きした場合、当該図面に描かれる記号や文字等の文字記号情報には、設計者により癖がある。すなわち、図面が手書きの場合、当該図面に描かれる文字記号情報は、設計者により異なる。本実施形態において、記憶部113には、標準的な記号や文字等の画像データである基準データが記憶されている。解析部112は、画像データ23から抽出した文字記号情報と基準データとを比較して一致率を算出することで、画像データ23に描かれている文字記号情報を特定する。
【0070】
これにより、例えば、手書きで描かれた文字記号情報を本来とは異なる文字記号情報と認識することを抑制できる。
【0071】
また、本実施形態では、仕様情報は、文字記号情報毎に対応する個別データを有する。変換部123は、解析部112に特定された文字記号情報と対応する個別データを関連付けて関連情報を生成する。そのため、本実施形態では、ファイルに入力する仕様情報がより詳細になる。
【0072】
これにより、生成部124は、より詳細な仕様情報を監視項目表に入力することができる。従って、本実施形態の項目表作成装置10は、より精巧な項目表を作成可能である。
【0073】
(変形例)
上記実施形態の項目表作成装置10では、画像処理部11の解析部112は、記憶部113は、予め記憶されている基準データに基づいて画像データ23に記載されている文字記号情報を特定する構成を例として説明した。しかし、解析部112が画像データ23に記載されている文字記号情報を特定する方法は、これに限らない。例えば、解析部112が画像データ23に記載されている文字記号情報を特定する際に用いる記憶部113に記録される基準データは、機械学習のように解析する度に更新される構成でも良い。
【0074】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0075】
23 画像データ
10 項目表作成装置
11 画像処理部
111 取得部
112 解析部
113 記憶部(第2記憶部)
12 項目表作成部
122 記憶部(第1記憶部)
123 変換部
124 生成部
125 出力部