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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174384
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】自転車用駐輪スタンド
(51)【国際特許分類】
   B62H 3/12 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
B62H3/12
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092192
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】515330188
【氏名又は名称】三又建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110537
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 繁
(74)【代理人】
【識別番号】100230190
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 祐
(72)【発明者】
【氏名】下タ村 正樹
(57)【要約】
【課題】自立式スタンドを持たない自転車を安定して駐輪でき、組立や解体、収納や運搬、維持管理がしやすい自転車用駐輪スタンドを提供する。
【解決手段】自転車用駐輪スタンド10は、自転車を支持する棒状支持部20と、棒状支持部20の左右の端部に配置された脚部30と、を備える。脚部30は2本の棒状部材31からなり、両者の上部を、枢軸を介して接続することで、I字の形状から上部をV字形、下部を逆V字形へと開閉できる。脚部30の上部に支持部を嵌合するための凹部を設け、自転車の駐輪時、凹部の下面に荷重が掛かることで、支持棒21が脚部30の上部で嵌合されると共に、下部が必要以上に開くことを防ぐ。また、棒状部材31の底面側の端部35を接地面の全面が地面に接するように切欠することで、接地面と地面の摩擦力を高め、かつ、自転車の荷重を面で支え、自転車用駐輪スタンド10のぐらつきや横転を防ぐ。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のサドル部分を引っ掛けて支持可能な棒状支持部と、
前記棒状支持部の左右端部に配置された脚部と、
を備え、
前記脚部は2本の棒状部材で構成されており、
前記脚部は両者の上部を、枢軸を介して接続され、I字の形状から上部をV字形、下部を逆V字形へと開閉することができ、
前記脚部の上部に前記支持部を嵌合するための凹部を有することを特徴とする、自転車用駐輪スタンド。
【請求項2】
前記脚部の2本の棒状部材は、接地部の全面を地面に接するように切欠したことを特徴とする、請求項1に記載の自転車用駐輪スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車を安定して駐輪することができ、コンパクトに収納や運搬ができ、容易に組み立て解体ができ、かつ、壊れにくく維持管理が容易な自転車用駐輪スタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
先行技術文献の特許文献1には、自立式スタンドを持たない自転車を駐輪することができ、かつ、折り畳むことができることで持ち運びが容易な自転車用スタンド型ハンガーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3214516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したような自転車用スタンド型ハンガーでは、重量のある自転車を乗せるものであるため、負荷の掛かり具合によって多少の歪みが生じたり、特許文献1(実用新案登録第3214516号公報)の図4に示されているように、支持棒11と脚部20を固定する金具30は複数のネジ等から構成されているため、結合部に不具合を生じる可能性がある。そのため、少しでも支持部や脚部に歪みが生じたり、結合部に破損が見られる場合には、支持部と脚部を折りたたむ機能が正しく発揮できない、または修理や保全などの維持管理が難しく、製品全体を再度購入しなければならないといった問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車を安定的に駐輪することができ、容易に組み立て及び解体ができ、コンパクトに収納や運搬ができ、かつ、壊れにくく維持管理が容易な自転車用駐輪スタンドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
請求項1に記載の発明は、自転車のサドル部分を引っ掛けて支持可能な棒状支持部と、前記棒状支持部の左右端部に配置された脚部とを備え、前記脚部は2本の棒状部材で構成されており、前記脚部は上部を、枢軸を介して接続され、I字の形状から上部をV字形、下部を逆V字形へと開閉することができ、前記脚部の上部に前記支持部を嵌合するための凹部を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の特徴点に加え、前記脚部の2本の棒状部材は、接地面の全面が地面に接するように切欠したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明は上述の通りであり、請求項1に記載の発明は、自転車のサドル部分を引っ掛けて支持可能な棒状支持部と、前記棒状支持部の左右に配置された脚部と、を備えているため、ロードバイクなどの自立式スタンドを持たない自転車のサドル部分を棒状支持部に引っ掛けることにより、自転車を寝かせずに駐輪できる。また、前記脚部を構成する2本の棒状部材は、前記棒状支持部を乗せる前記脚部の上部を、枢軸を中心にV字形に開き、地面に接する側の前記脚部の下部を逆V字形に開くこと、またはI字の形状へ戻すことができる。そして、前記脚部の上方に前記棒状支持部を固定するための凹部を有することを特徴とし、使用時には工具等を使わずに容易に組み立てが可能であり、未使用時には棒状支持部と脚部を分離し、かつ、構成物品を全て棒状にすることでコンパクトに収納や運搬ができるため、需要者の利便性のみならず、流通しやすさを兼ね備えている。 また、前記棒状支持部の脚部への嵌合は、金具やロープなどを使わず、前記脚部に設けた凹部内側に配置することで行うため、部品の破損や紛失による不具合が起こりにくく、万が一不具合があった場合であっても前記棒状支持部と各前記脚部が独立しているため、不具合のある構成物のみを交換できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は上述の通りであり、前記脚部の2本の棒状部材は、接地面の全面が地面に接するように切欠することで、切欠面と地面に摩擦力が生まれ、使用時のぐらつきや横転を防ぐことができ、より安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】使用時の自転車用駐輪スタンドの正面図である。
図2】使用時の自転車用駐輪スタンドの側面図である。
図3】未使用時の自転車用駐輪スタンドの脚部の正面図である。
図4】未使用時の自転車用駐輪スタンドの脚部の平面図である。
図5】未使用時の自転車用駐輪スタンドの脚部の底面図である。
図6】未使用時の自転車用駐輪スタンドの脚部の背面図である。
図7】支持棒の代替例の拡大透視外観図である。
図8】使用時の部分拡大側面図である。
図9】使用時の支持棒を脚部に収めた部分拡大斜視図である。
図10】脚部の端部を底面の全面が地面に接するように切欠しなかった場合の使用時の自転車用駐輪スタンド側面図である。
図11】未使用時の自転車用駐輪スタンドの脚部の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図を参照しつつ説明する。
【0012】
本実施形態に係る自転車用駐輪スタンド10は、ロードバイクなどの自立式スタンドを持たない自転車を駐輪するものであり、図1図2で示すように、棒状支持部20と、2本の棒状の部材から構成される左右の脚部30と、前記脚部30を繋ぐ枢着金具32と、を備えて構成される。棒状支持部20と各左右の脚部30は別々に構成されており、図2図3で示すように脚部30は枢着金具32を中心に開閉することができる。脚部30の配置について、脚部30は支持部20の左端部近くに1脚、右端部近くに1脚を配置することが望ましいが、棒状支持部20の長さに応じて、棒状支持部20の中央付近などにもう1脚を配し、使用時の安定性を高めることも可能であり、この限りではない。
【0013】
棒状支持部20は、自転車のサドルを引っ掛けて支持可能な金属製棒状の部材であり、この支持棒21は単管パイプの使用を想定している。単管パイプは足場用として建設現場などで広く用いられており、その使用態様からも負荷に強く、さらに、全国で統一の規格であることから、手に入れやすく、かつ、安価である。長さは1.0mから6.0m程度までの間に50cm単位で段階的に市販されており、駐輪する自転車の台数に合わせて長さを選択したり、棒状支持部20に不具合があった場合には容易に代替が可能である。また、使用場所において単管パイプが既にある場合は、棒状支持部20と脚部30が別々に構成されているので、脚部30のみを持ち運び、その場所の単管パイプを使用することで自転車用駐輪スタンド10としての機能が発揮できる。そして、持ち運びがより容易になるように、図7で示したように、スライド可能な外棒22及び内棒23からなり、前記外棒22は両端に、前記内棒23は中央に配し、前記外棒22に前記内棒23が挿入できることを特徴とする、伸縮する支持棒24を使用することや、単管パイプと同等の大きさ、かつ、自転車の重さに耐えうる強化プラスティック等の材質の棒状のものを使用することは可能であり、本発明の機能の発揮にあたって、単管パイプの使用に限られない。
【0014】
脚部30は、棒状支持部20の左右端部に配置されており、図1に示すように、使用時に棒状支持部20を水平に支持するためのものである。そして、図2に示すように、脚部30は2本の棒状部材31から構成されており、枢着金具32などによって固定することで、使用時には脚部30の上部をV字形に開き、地面に接する脚部30の下部を逆V字形に開くこと、図3に示すように、未使用時にはI字に閉じることができる。さらに、脚部30の上部であって枢着金具32よりも上の位置に支持棒21を乗せるための凹部33を設け、使用時に支持棒21を凹部の内側に配置することで、棒状支持部20を脚部30に嵌合させるように構成されている。
【0015】
この脚部30は、図3図4図5図6図11に示すように、同じ長さ、同じ幅の2本の棒状部材31であって、主として建材などで広く使われる木材の正四角柱を想定している(ただし、脚部30を構成する棒状部材31の形状、長さ、幅は本発明の機能を発揮するにあたり、これに限られない)。支持棒21として単管パイプを利用することと同様に、建材などで使用される木材の正四角柱は、ある程度の強度を有し、手に入りやすいだけでなく、建設現場などで生じた端材の有効活用ができる。これは、SDGsの達成やコストの低減を図るなどの観点から、より好ましい例として前記木材を挙げているが、持ち運びやすさや軽量化を図るためにスチールやアルミなどの軽量の金属製とすることも可能である。
【0016】
この脚部30を構成する2本の棒状部材31を、脚部30として機能させるために、例えば、図2で示すように、2本の棒状部材31の側面のうち一面の上下左右を合わせ、上面から一定の幅の位置であって、左右の幅の中央の位置で、ボルトなどの枢着金具32を貫通させて固定し、枢着金具32の部分を支点として脚部30の上部をV字形に開き、地面に接する脚部30の下部を逆V字形に開く方法がある。
【0017】
この脚部30に支持棒21を固定するために、例えば、未使用時では図4図5、使用時では図8で示したように、脚部30の上部をV字形に開いた時に脚部30を構成する2本の棒状部材31が交差する点34の周辺であって、かつ、向かい合わせになる位置にコの字型の凹部33を設ける方法がある。このような場所に凹部を向かい合わせに配置することで、支持棒21に自転車のサドル部分を引っ掛けて駐輪すると、支持棒21を通じて凹部の下面33aに荷重が掛かる。この凹部の下面33aに働く力は、テコの原理により、棒状部材31の上端部31aを上方に持ち上げる力となり、すなわち一対の棒状部材31が支持棒21を挟み込む力となる。そのため、支持棒21が嵌合されると共に、対角である脚部30の下部の逆V字形の角度は固定され、脚部30の下部が必要以上に開くことを防げる。そして、図8図10で示したように、凹部33の幅は支持棒21の直径分、深さは支持棒21の半径分より若干大きくすることで、使用時に支持棒21が凹部33の内側にちょうど良く収まり、支持棒21の位置をより安定的に保つことができる。この凹部33の大きさや設ける位置を、支持棒21の大きさや設置する高さに合わせることで、金具やロープなどを使用することなく、支持棒21を脚部30に嵌合することができ、組み立てや解体が容易、かつ、迅速に行うことが可能となる。凹部33の形状は、図示において、コの字形で示しているが、支持棒21が凹部33の内側に収まり、支持棒21を収めた時に凹部の下面に荷重が掛かるような形状であれば、必ずしもコの字形である必要はない。
【0018】
脚部30の2本の棒状部材31は、自転車用駐輪スタンド10としての使用時に脚部30を開くために棒状部材31を傾斜させたい角度で、それぞれの棒状部材31の底面側の端部35を切欠し、使用時に底面の全面が地面に接するようにすると良い。なぜなら、図10に示したように、例えば、脚部30の2本の棒状部材31が正四角柱である場合、底面内側の辺36が地面に接するのみとなり、地面に対する摩擦力が弱く、かつ、荷重が一辺に集中してしまうため、自転車用駐輪スタンド10のぐらつきや横転の原因となるからである。接地面の全面が地面に接することで、摩擦力が高まり、かつ、荷重を面で支えることができるため、使用時のぐらつきや横転を防ぐことができ、より安全に使用することができる。
【0019】
脚部30の棒状部材31は未使用時にはI字の形状に閉じることができるため、支持棒21を含めて全ての構成物品を棒状にし、運搬または保管することができる。図11で示したように、主として使用を想定する建材などで広く使われる木材の正四角柱を棒状部材31に用いると、脚部30を2脚並べることで正四角形になり、運搬時や保管時の省スペースが実現できる。さらに、棒状支持部20を伸縮する支持棒24とすることによって、未使用時の脚部30と棒状支持部20の高さを揃えることも可能であり、一組の自転車用駐輪スタンド10として流通や販売がしやすくなる。
【符号の説明】
【0020】
10 自転車用駐輪スタンド
20 棒状支持部
21 支持棒
22 外棒
23 内棒
24 伸縮する支持棒
30 脚部
31 棒状部材
31a 棒状部材の上端部
32 枢着金具
33 凹部
33a 凹部の下面
34 棒状部材が交差する点
35 底面側の端部
36 底面内側の辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11