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  • 特開-撮像システム 図1
  • 特開-撮像システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174453
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】撮像システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/50 20230101AFI20241210BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20241210BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241210BHJP
   G03B 17/17 20210101ALI20241210BHJP
   G03B 19/00 20210101ALI20241210BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20241210BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20241210BHJP
【FI】
H04N23/50
H04N23/55
G03B15/00 U
G03B17/17
G03B19/00
G03B17/56 Z
G03B11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092280
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】中西 省太
【テーマコード(参考)】
2H054
2H083
2H101
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H054BB02
2H083AA06
2H083AA09
2H083AA31
2H101FF00
2H105EE05
5C122DA03
5C122DA21
5C122EA47
5C122FA01
5C122FA16
5C122FA18
5C122FB11
5C122FB13
5C122FB16
5C122FB17
5C122FB22
5C122FC04
(57)【要約】
【課題】利用者の目線に精度良く合った撮影を行うことが可能な撮像システムを提供する。
【解決手段】撮像システム1は、撮像装置22と、枠体としてのアパーチャ21とを備える。撮像装置22は、利用者の正視方向を撮影する。アパーチャ21は、光を透過させる開口部21aを有し、利用者の正視方向の前方であり且つ撮像装置22の撮影方向の前方の位置に、利用者の視野および撮像装置22による撮影画角を制限するように設置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の正視方向を撮影する撮像装置と、
光を透過させる開口部を有し、前記利用者の正視方向の前方であり且つ前記撮像装置の撮影方向の前方の位置に、前記利用者の視野および前記撮像装置による撮影画角を制限するように設置された枠体と、を備えた撮像システム。
【請求項2】
光を透過させる開口部を有し、利用者の正視方向の前方に前記利用者の視野を制限するように設置された枠体と、
前記利用者の正視方向に対して所定の角度を有するように傾斜させて設置され、前記枠体の開口部から入射した光の一部を前記利用者の目に向けて透過させ、一部を反射させる第1フィルタと、
前記第1フィルタにより反射された光を撮影する撮像装置と、を備えた撮像システム。
【請求項3】
前記第1フィルタは、前記枠体の開口部から入射した光の一部である所定領域の波長の光を透過させるとともに、この領域以外の波長の光を反射させる、請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記第1フィルタは、ショートパスフィルタ、ハーフミラー、ダイクロイックミラー、またはロングパスフィルタで構成される、請求項2に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記第1フィルタと前記撮像装置との間に、所定範囲の波長の光のみを透過させる第2フィルタをさらに備えた、請求項2に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記利用者による溶接作業を撮影し、
前記第2フィルタが透過させる光の波長範囲は、溶接作業により発生する溶融プールの光が、アーク光に対して相対的に輝度または強度が強くなる波長範囲である、請求項5に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記撮像装置は、前記利用者の眉間に設置される、請求項1または2に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記撮像装置は、複数台の撮像装置群で構成される、請求項1または2に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記撮像システムは溶接面、保護面、眼鏡、またはゴーグルを用いて構成される請求項1または2に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば,溶接作業などの熟練した技術を必要とする作業を習得する際には、熟練した作業者が行った作業の工程を撮像装置により撮影し、撮影した撮像情報を学習者が視認することがある。その際、作業者が視認している方向から撮影を行うことで、作業者の目線に近い撮像情報を学習者が視認することができ、技術の習得効果を上げることができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-281520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で,上述した特許文献1等の技術では、作業者の目線に近い撮像情報を取得することが可能であっても作業者の目線と撮影方向を一致させることは考慮されておらず,作業者の細かい手の動き等を人の視線に沿って撮像することができない場合があるという問題があった。
【0005】
そこで、本開示は、利用者の目線に精度良く合った撮影を行うことが可能な撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る撮像システムは、利用者の正視方向を撮影する撮像装置と、光を透過させる開口部を有し、前記利用者の正視方向の前方であり且つ前記撮像装置の撮影方向の前方の位置に、前記利用者の視野および前記撮像装置による撮影画角を制限するように設置された枠体と、を備える。
【0007】
また、他の形態に係る撮像システムは、光を透過させる開口部を有し、利用者の正視方向の前方に前記利用者の視野を制限するように設置された枠体と、前記利用者の正視方向に対して所定の角度を有するように傾斜させて設置され、前記枠体の開口部から入射した光の一部を前記利用者の目に向けて透過させ、一部を反射させる第1フィルタと、前記第1フィルタにより反射された光を撮影する撮像装置と、を備える。
【0008】
また、前記第1フィルタは、前記枠体の開口部から入射した光の一部である所定領域の波長の光を透過させるとともに、この領域以外の波長の光を反射させてもよい。
【0009】
また、前記第1フィルタは、ショートパスフィルタ、ハーフミラー、ダイクロイックミラー、またはロングパスフィルタで構成されてもよい。
【0010】
また、前記第1フィルタと前記撮像装置との間に、所定範囲の波長の光のみを透過させる第2フィルタをさらに備えてもよい。
【0011】
また、前記撮像装置は、前記利用者による溶接作業を撮影し、前記第2フィルタが透過させる光の波長範囲は、溶接作業により発生する溶融プールの光が、アーク光に対して相対的に輝度または強度が強くなる波長範囲であってもよい。
【0012】
また、前記撮像装置は、前記利用者の眉間に設置されてもよい。
【0013】
また、前記撮像装置は、複数台の撮像装置群で構成されてもよい。
【0014】
また、前記撮像システムは溶接面、保護面、眼鏡、またはゴーグルを用いて構成されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、利用者による視認対象物と撮像装置による撮影の被写体とを精度良く合わせて撮影することが可能な撮像システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は、第1実施形態に係る撮像システムが搭載された溶接面を、溶接士が顔面に装着した状態を横から見た図であり、(b)は、同じ状態を前から見た図である。
図2】(a)は、第2実施形態に係る撮像システムが搭載された保護面を、利用者が顔面に装着した状態を横から見た図であり、(b)は、同じ状態を前から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〈第1実施形態による撮像システム〉
撮像システムの第1実施形態として、熟練者の溶接士Xが溶接作業を行う際の視認対象エリアを撮影する撮像システムについて、図1(a)、(b)を参照して説明する。
【0018】
図1(a)は、第1実施形態に係る撮像システム1が搭載された溶接面10を溶接士Xが顔面に装着した状態を横から見た図であり、図1(b)は、同じ状態を前から見た図である。図1(a)、(b)内のXeは、溶接士Xの目である。
【0019】
溶接面10は、溶接作業時に発生する光、熱、粉塵等から顔面を保護するために溶接士Xが装着する器具である。溶接面10の本体は光を遮断する材質で構成され、溶接士Xの顔面を覆うことが可能な形状を有する。
【0020】
撮像システム1は、溶接面10に設置されたアパーチャ11と、第1フィルタ12と、遮光板13と、撮像装置群14とを備える。
【0021】
アパーチャ11は、光を透過させる開口部11aを有する枠体であり、溶接士Xが顔面に溶接面10を装着して正面を見たときに溶接士Xの正視時の視線が開口部11aの中心近くを通るように、溶接面10に設置される。「正視」とは、眼が全く調節を行っていないときに眼に入る平行光線が網膜上に結像する状態での視線方向であり、いわゆる人の顔の前方向である。開口部11aは、アパーチャ11が設置された溶接面10を溶接士Xが装着したときに、溶接士Xの視界に対応する大きさで形成されている。なお、開口部11aは、撮像装置群14の画角に対応するような大きさで形成されても良い。アパーチャ11は、光を遮断する材質で構成されても良い。アパーチャ11は、溶接士Xの正視方向の前方であり、且つ撮像装置群14の撮影方向の前方の位置に設置され、溶接士Xの視認対象エリアおよび撮像装置群14による撮像画角を制限する。
【0022】
第1フィルタ12は、例えばショートパスフィルタで構成され、溶接士Xの正視方向上であり、アパーチャ11よりも溶接士Xに近い位置に設置される。第1フィルタ12は、溶接士Xの正視方向に対して所定の角度、例えば45度を有するように傾斜させて設置される。第1フィルタ12は、アパーチャ11の開口部11aから溶接面10内に入射した光を取り込み、その一部である所定領域の波長の光を溶接士Xの目Xeに向けて透過させるとともに、この領域以外の波長の光を、光軸に対して90°屈折した上方向に反射させる。この「光軸に対して90°屈折した上方向」とは、図1(a)の上下方向における上方向である。第1フィルタ12が透過させる光の波長領域は、可視領域である。
【0023】
遮光板13は、例えば自動遮光板であり、一定以上の明るさの光を検知すると、透過させる光を減らすように動作する。本実施形態においては、遮光板13は、溶接作業中にアーク光が発生したことを検知すると、透過する光を減らして溶接士Xから被写体が暗く見えるように動作する。図1(a)内では、遮光板13が第1フィルタ12と利用者の顔面との間に設置されている場合を示しているが、この位置には限定されない。例えば、遮光板13を開口部11aに設置してもよい。
【0024】
撮像装置群14は、撮像装置14aおよび14bによるステレオカメラで構成される。本実施形態においては、撮像装置群14が2台の撮像装置14aおよび14bで構成される場合について説明するが、これには限定されず、3台以上の撮像装置で構成されてもよい。
【0025】
撮像装置14aはレンズ部141aを有し、撮像装置14bはレンズ部141bを有する。撮像装置14aのレンズ部141aには、第2フィルタ15aが取り付けられ、撮像装置14bのレンズ部141bには、第2フィルタ15bが取り付けられている。第2フィルタ15aは撮像装置14aに接続され、第2フィルタ15bは撮像装置14bに接続されている。
【0026】
第2フィルタ15a、15bは、干渉フィルタであり、所定範囲の波長の光を透過させる。本実施形態において第2フィルタ15a、15bが透過させる波長の範囲は、880nm近傍の波長範囲、例えば880nm±100nmの波長範囲である。
【0027】
この880nm近傍の波長範囲は、溶接作業により発生する溶融プールの光が、アーク光に対して相対的に輝度または強度が強くなる波長範囲であり、特にプラズマの発光が小さいバンド帯である。
【0028】
撮像装置14aおよび14bは、第1フィルタ12により反射され、第2フィルタ15a、15bを透過した光を撮影する。
【0029】
このような撮像システム1が搭載された溶接面10を溶接士Xが装着して撮像装置14a、14bが撮影を行う際、溶接面10に設置されたアパーチャ11の開口部11aにより溶接士Xの視野および撮像装置14a、14bの撮影画角が同一のエリアに制限される。これにより、撮像装置14a、14bは、溶接士Xが視認対象とするエリアを溶接士Xの正視方向と同じ方向から撮影することができる。
【0030】
またこのような構成により、撮像装置14a、14bは、溶接士Xの姿勢、または溶接作業現場から溶接士Xの目Xeまでの距離が変化した場合にも、溶接士Xが視認対象とするエリアと合った画角で撮影することができる。溶接作業の学習者は、このように撮影された撮像情報を視認することで、熟練者の溶接士Xと同じ目線で溶接作業中の現場を視認して、効率良く溶接作業を学習することができる。
【0031】
また、撮像装置14a、14bはステレオカメラとして機能するため、被写体である溶接作業の現場を奥行き情報も含めて立体的に撮像することができる。そのため、溶接作業の学習者は、立体的に撮影された精度の良い撮像情報を視認して、効率良く溶接作業を学習することができる。
【0032】
また、溶接面10の開口部11aから入射して第2フィルタ15aおよび15bを透過した光は、溶接作業により発生する溶融プールの光が、アーク光に対して相対的に輝度または強度が強くなる波長範囲である。そのため、撮像装置14aおよび14bは、溶接作業の進捗の確認に必要な溶融プールを、鮮明に撮影することができる。
【0033】
通常、人間の目は瞳孔の動き等によって強い光の入射を減らすように調整するため、溶接作業現場を視認したときに輝度の高いアーク光と輝度の低い溶融プールとを同時に視認しても、ある程度これらを区別することができる。しかし、一般的な撮像装置で溶接作業現場を撮影すると人間の目のような調整が自動で行われず、輝度の高いアーク光によりハレーションが生じてコントラストが大きくなり、溶融プールの状態を認識することができない画像になる。
【0034】
これに対して上述した第1実施形態の溶接面10では、溶融プールが鮮明な画像を撮影することができ、溶接作業の学習者は、このように撮影された溶接作業の撮像情報を視認して、効率良く溶接作業を学習することができる。
【0035】
上述した第1実施形態では、撮像システムの撮影対象が溶接作業現場である場合について説明したが、これには限定されない。例えば、他の加工作業現場における職人の手の動き等、狭い領域での動きを観察対象とし、その動きを撮影することにニーズがある分野であれば、この撮影システムを適用可能である。例えば、建築分野において接着剤等を塗布するシーリング作業、または塗装のブラスト加工等にも適用される。
【0036】
また撮影システムの適用分野によって、第1フィルタ12による光の反射領域の設定を変更してもよい。第1フィルタ12は、ショートパスフィルタに限定されず、ダイクロイックミラーまたはロングパスフィルタで構成してもよい。また、撮像装置群14に入射する光の波長領域を制限する必要がなければ、第1フィルタ12をショートパスフィルタ以外のフィルタ、例えばハーフミラーで構成してもよい。また、遮光板13および第2フィルタ15a、15bの設置の要否は、任意である。
【0037】
また、撮像装置群14として設置した2台の撮像装置14a、14bが、それぞれ異なる被写体部分を撮影するように構成してもよい。例えば、撮像装置14a、14bに取り付ける第2フィルタ15a、15bそれぞれが透過させる波長範囲を別個に調整することで、撮像装置14aでアーク光を撮影し、撮像装置14bで溶融池を撮影するようにしてもよい。このように構成することで、所望の複数の被写体を、それぞれ別の撮像情報として撮影することができる。
【0038】
このようにして撮像装置群14に入射する光の波長の制限を変えたり、制限の有無を変えたりすることで、撮像システム1は、適宜被写体に応じた構成で撮影を行うことができる。
【0039】
また、上述した第1実施形態では、第1フィルタ12を、開口部11aから入射する光の光軸に対して45度を有するように傾斜させて設置した場合について説明したが、これには限定されない。溶接士Xの目Xeの位置に対する第1フィルタ12および撮像装置14a、14bの位置によって、溶接士Xが視認対象とするエリアと撮像装置14a、14bの撮影画角とを一致させるように、第1フィルタ12の設置角度を適宜変更可能である。
【0040】
第1フィルタ12と撮像装置14a、14bとの距離がなるべく短くなるように構成することで、溶接面10をコンパクトに形成することができる。
【0041】
また上述した第1実施形態では、第1フィルタ12、遮光板13、撮像装置14a、14b、および第2フィルタ15a、15bが溶接面10の内部に設置された場合について説明したが、これには限定されない。例えば、第1フィルタ12、遮光板13、撮像装置14a、14b、および第2フィルタ15a、15bの少なくともいずれかが、溶接面10の外部に設置されてもよい。
【0042】
〈第2実施形態による撮像システム〉
撮像システムの第2実施形態として、利用者Yの視認対象エリアを撮影する撮像システムについて、図2(a)、(b)を参照して説明する。
【0043】
図2(a)は、第2実施形態に係る撮像システム2が搭載された保護面20を、利用者Yが顔面に装着した状態を横から見た図であり、図2(b)は、同じ状態を前から見た図である。図2(a)、(b)内のYeは、利用者Yの目である。
【0044】
保護面20は、例えば熱、粉塵等から顔面を保護するために利用者Yが装着する器具である。保護面20の本体は光を遮断する材質で構成され、利用者Yの顔面を覆うことが可能な形状を有する。
【0045】
撮像システム2は、保護面20に設置されたアパーチャ21と、撮像装置22とを備える。アパーチャ21は、光を透過させる開口部21aを有する枠体である。アパーチャ21は、利用者Yの正視方向の前方であり、且つ撮像装置22の撮影方向の前方の位置に、利用者Yの視野および撮像装置22による撮影画角を制限するように設置される。具体的には、アパーチャ21は、利用者Yが顔面に保護面20を装着して正面を見たときに利用者Yの正視時の視線が開口部21aの中心近くを通るように、保護面20に設置される。アパーチャ21は、光を遮断する材質で構成されても良い。
【0046】
撮像装置22は、例えば利用者Yの目Yeの近傍である眉間に設置され、利用者Yが正視しているときの視線と同じ方向、つまり開口部21aの中心近くの方向を撮影する。
【0047】
上述した撮像システム2を搭載した保護面20を利用者Yが装着して撮像システム2を稼動させることで、撮像装置22は、利用者Yが視認対象とするエリアと同じエリアを被写体として、利用者Yの視線と同じ方向から撮影することができる。他の利用者は、このように撮影された撮像情報を視認することで、利用者Yと同じ目線で視認対象物を視認することができる。
【0048】
上述した第1実施形態では、撮像システム1が溶接面10に搭載され、アパーチャ11、第1フィルタ12、遮光板13、撮像装置14a、14b、および第2フィルタ15a、15bが溶接面10に設置された場合について説明した。また、第2実施形態では、撮像システム2が保護面20を用いて構成され、アパーチャ21が保護面20に設置された場合について説明した。しかしこれらには限定されず、例えば眼鏡またはゴーグル等の人間の顔面に装着する器具を用いて撮像システムを構成し、アパーチャおよび撮像装置等をこれらの器具に設置してもよい。このように様々な器具を用いて撮像システムを構成することで、幅広い分野で利用者の視認対象に応じた撮影を行うことができる。
【0049】
いくつかの実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正又は変形をすることが可能である。上記の実施形態のすべての構成要素、及び請求の範囲に記載されたすべての特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、個々に抜き出して組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1、2 撮像システム
10 溶接面
11、21 アパーチャ
11a、21a 開口部
12 第1フィルタ
13 遮光板
14 撮像装置群
14a、14b、22 撮像装置
15a、15b 第2フィルタ
20 保護面
図1
図2