(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174454
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241210BHJP
F21L 4/00 20060101ALI20241210BHJP
G02B 27/02 20060101ALN20241210BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241210BHJP
【FI】
F21S2/00 432
F21L4/00 510
F21S2/00 439
F21S2/00 435
F21S2/00 437
G02B27/02 Z
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092286
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小村 真一
(72)【発明者】
【氏名】松島 寿治
(72)【発明者】
【氏名】奥田 浩一
【テーマコード(参考)】
2H199
3K244
【Fターム(参考)】
2H199CA04
2H199CA29
2H199CA48
2H199CA53
2H199CA66
2H199CA81
3K244AA02
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA02
3K244DA17
3K244EA12
3K244EA22
3K244EA23
3K244ED02
3K244ED08
3K244EE07
(57)【要約】
【課題】ヘッドマウントディスプレイの低価格化を実現することが可能な照明装置を提供すること。
【解決手段】一実施形態によれば、照明装置は、複数の光源と、分配導光素子と、導光板とを備える。分配導光素子は、複数の光源に対向する第1側面と、第1側面の反対側の第2側面と、第1側面から第2側面に向かって延びる複数の光導波路とを有する。導光板は、第2側面に対向する第3側面と、第1主面とを有する。複数の光導波路はそれぞれ、対応する光源から出射された光が入射する第1端部と、第1端部から入射し光導波路内を伝播した光が出射される第2端部とを有する。第2端部から出射された光は、第2側面および第3側面を経由して導光板に入射し、導光板内を伝播して第1主面から出射される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、
前記複数の光源に対向する第1側面と、前記第1側面の反対側の第2側面と、前記第1側面から前記第2側面に向かって延びる複数の光導波路とを有する分配導光素子と、
前記第2側面に対向する第3側面と、第1主面とを有する導光板と、
を備え、
前記複数の光導波路はそれぞれ、対応する光源から出射された光が入射する第1端部と、前記第1端部から入射し前記光導波路内を伝播した光が出射される第2端部とを有し、
前記第2端部から出射された光は、前記第2側面および前記第3側面を経由して前記導光板に入射し、前記導光板内を伝播して前記第1主面から出射される、
照明装置。
【請求項2】
前記第2側面と前記第3側面は、互いに平行であり、
前記複数の光導波路はそれぞれ、前記第2端部付近で厚さ方向に屈曲している、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第3側面は、前記第1主面に対して傾斜しており、
前記第2側面と前記第3側面は、互いに平行でない、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数の光源は、赤色のレーザー光を出射する第1光源と、緑色のレーザー光を出射する第2光源と、青色のレーザー光を出射する第3光源と、を含む、
請求項2または請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1光源に対応する光導波路と、前記第2光源に対応する光導波路と、前記第3光源に対応する光導波路とは、厚さ方向に階層的に位置し、互いに交わらない、
請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記導光板は、前記第1主面の反対側の第2主面と、前記第2主面に設けられたプリズム層とをさらに有する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
複数の光源と、
前記複数の光源に対向する第1側面と、前記第1側面の反対側の第2側面と、前記第1側面から前記第2側面に向かって延びる複数の光導波路とを有する分配導光素子と、
前記分配導光素子の上方に位置し、第1主面と、平面視において前記第2側面に重なる第3側面とを有する導光板と、
前記第2側面および前記第3側面に対向する反射板と、
を備え、
前記複数の光導波路はそれぞれ、対応する光源から出射された光が入射する第1端部と、前記第1端部から入射し前記光導波路内を伝播した光が出射される第2端部とを有し、
前記第2端部から出射された光は、前記反射板で反射して前記導光板に入射し、前記導光板内を伝播して前記第1主面から出射される、
照明装置。
【請求項8】
前記複数の光導波路はそれぞれ、前記第2端部付近で厚さ方向に屈曲している、
請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記複数の光源は、赤色のレーザー光を出射する第1光源と、緑色のレーザー光を出射する第2光源と、青色のレーザー光を出射する第3光源と、を含む、
請求項7または請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記第1光源に対応する光導波路と、前記第2光源に対応する光導波路と、前記第3光源に対応する光導波路とは、厚さ方向に階層的に位置し、互いに交わらない、
請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記導光板は、前記第1主面の反対側の第2主面と、前記第2主面に設けられたプリズム層とをさらに有する、
請求項7に記載の照明装置。
【請求項12】
複数の光源と、
前記複数の光源に対向する第1側面と、前記第1側面の反対側の第2側面と、第1主面と、前記第1側面から前記第2側面に向かって延びる複数の光導波路とを有する分配導光素子と、
前記第2側面に対向する反射板と、
を備え、
前記複数の光導波路はそれぞれ、対応する光源から出射された光が入射する第1端部と、前記第1端部から入射し前記光導波路内を伝播した光が出射される第2端部とを有し、
前記第2端部から出射された光は、前記反射板で反射して前記分配導光素子内を伝播して前記第1主面から出射される、
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mount Display)と称される表示装置を用いて、例えば仮想現実(VR:Virtual Reality)を提供する技術が注目されている。
【0003】
このようなヘッドマウントディスプレイを構成する照明装置には、多数のレーザーダイオードが設けられる。しかしながら、レーザーダイオードは高価なため、多数のレーザーダイオードが設けられる照明装置を必要とするヘッドマウントディスプレイは高価になってしまう傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ヘッドマウントディスプレイの低価格化を実現することが可能な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、照明装置は、複数の光源と、分配導光素子と、導光板とを備える。前記分配導光素子は、前記複数の光源に対向する第1側面と、前記第1側面の反対側の第2側面と、前記第1側面から前記第2側面に向かって延びる複数の光導波路とを有する。前記導光板は、前記第2側面に対向する第3側面と、第1主面とを有する。前記複数の光導波路はそれぞれ、対応する光源から出射された光が入射する第1端部と、前記第1端部から入射し前記光導波路内を伝播した光が出射される第2端部とを有する。前記第2端部から出射された光は、前記第2側面および前記第3側面を経由して前記導光板に入射し、前記導光板内を伝播して前記第1主面から出射される。
【0007】
他の実施形態によれば、照明装置は、複数の光源と、分配導光素子と、導光板と、反射板とを備える。前記分配導光素子は、前記複数の光源に対向する第1側面と、前記第1側面の反対側の第2側面と、前記第1側面から前記第2側面に向かって延びる複数の光導波路とを有する。前記導光板は、前記分配導光素子の上方に位置し、第1主面と、平面視において前記第2側面に重なる第3側面とを有する。前記反射板は、前記第2側面および前記第3側面に対向する。前記複数の光導波路はそれぞれ、対応する光源から出射された光が入射する第1端部と、前記第1端部から入射し前記光導波路内を伝播した光が出射される第2端部とを有する。前記第2端部から出射された光は、前記反射板で反射して前記導光板に入射し、前記導光板内を伝播して前記第1主面から出射される。
【0008】
さらに他の実施形態によれば、照明装置は、複数の光源と、分配導光素子と、反射板とを備える。前記分配導光素子は、前記複数の光源に対向する第1側面と、前記第1側面の反対側の第2側面と、第1主面と、前記第1側面から前記第2側面に向かって延びる複数の光導波路とを有する。前記反射板は、前記第2側面に対向する。前記複数の光導波路はそれぞれ、対応する光源から出射された光が入射する第1端部と、前記第1端部から入射し前記光導波路内を伝播した光が出射される第2端部とを有する。前記第2端部から出射された光は、前記反射板で反射して前記分配導光素子内を伝播して前記第1主面から出射される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る表示装置の外観の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る表示装置に備えられる表示パネルの概略的な構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る表示装置の概略的な構成を示す断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る照明装置の概略平面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る照明装置の概略断面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る照明装置の概略平面図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る照明装置の概略断面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態の変形例に係る照明装置の概略平面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態の変形例に係る照明装置の概略断面図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係る照明装置の概略平面図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る照明装置の概略断面図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る照明装置の概略断面図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態に係る照明装置の概略断面図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態の変形例に係る照明装置の概略断面図である。
【
図15】
図15は、第3実施形態の変形例に係る照明装置の概略断面図である。
【
図16】
図16は、第4実施形態に係る照明装置の概略平面図である。
【
図17】
図17は、第4実施形態に係る照明装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0011】
図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向Xと称し、Y軸に沿った方向を第2方向Yと称し、Z軸に沿った方向を第3方向Zと称する。第3方向Zは、第1方向Xと第2方向Yを含む平面(X-Y平面)に対する法線方向である。また、第3方向Zと平行に各種要素を見ることを平面視という。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、実施形態に係る表示装置DSPの外観の一例を示す斜視図である。本実施形態に係る表示装置DSPは、例えば、ユーザUSRの頭部に装着されて使用されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。表示装置DSPは、当該表示装置DSPを装着したユーザUSRに対して、例えば仮想現実(VR)を提供するために用いられる。
【0013】
表示装置DSPは、左眼用の表示パネルPNL1と、右眼用の表示パネルPNL2とを備えている。表示パネルPNL1は、ユーザUSRが表示装置DSPを頭部に装着した状態で、当該ユーザUSRの左眼の眼前に位置するように配置される。表示パネルPNL2は、ユーザUSRが表示装置DSPを頭部に装着した状態で、当該ユーザUSRの右眼の眼前に位置するように配置される。詳しくは後述するが、表示パネルPNL1,PNL2は、例えば、液晶層を有する液晶表示パネルである。
【0014】
図2は、実施形態に係る表示装置DSPに備えられる表示パネルPNL1の概略構成を示す斜視図である。なお、ここでは図示および説明を省略するが、表示パネルPNL2は、表示パネルPNL1と同様な構成を有している。
【0015】
図2に示すように、表示パネルPNL1は、第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向する第2基板SUB2とを備えている。表示パネルPNL1は、画像を表示する表示領域DAを有する。表示領域DAには、複数の画素PXがマトリクス状に配列されている。
【0016】
また、表示パネルPNL1は、当該表示パネルPNL1を駆動する駆動ICチップIC1と、表示パネルPNL1へ制御信号を伝達するフレキシブル回路基板FPC1とを備えている。フレキシブル回路基板FPC1は、表示装置DSPの動作を制御する制御モジュール(図示せず)に接続される。
【0017】
図2に示す例において、第1基板SUB1および第2基板SUB2は、それぞれ、平面視における形状が八角形である。第1基板SUB1および第2基板SUB2の形状は長方形(矩形)の角を切り欠いた形状ともいえる。第1基板SUB1および第2基板SUB2の形状が八角形のため、表示パネルPNL1の平面視における形状もまた八角形といえる。但し、表示パネルPNL1の形状はこれに限らず、表示パネルPNL1の形状は、当該表示パネルPNL1がユーザUSRの鼻に当たってしまうことを防ぐ形状(つまり、ノーズカットと称される切り欠き部を有した形状)であればよい。例えば、表示パネルPNL1の形状は、ユーザUSRの鼻に近接する少なくとも1つの角が切り欠かれた任意の多角形あるいは円形であってもよい。
【0018】
図3は、実施形態に係る表示装置DSPの概略構成を示す断面図である。
図3に示すように、表示装置DSPは、2つの表示パネルPNL1,PNL2と、表示パネルPNL1,PNL2のそれぞれに設けられる第1偏光板PL1、第2偏光板PL2、プリズムシートPSおよび拡散シートDSと、照明装置ILDとを備えている。なお、表示パネルPNL1に関する構成と表示パネルPNL2に関する構成とは同様なため、以下では、表示パネルPNL1に関する構成についてのみ説明し、表示パネルPNL2に関する構成についての説明を省略する。
【0019】
表示パネルPNL1は、上記した第1基板SUB1および第2基板SUB2に加えて、シール材SALおよび液晶層LCをさらに備えている。表示パネルPNL1において、第1基板SUB1および第2基板SUB2は、シール材SALにより張り合わされている。液晶層LCは、シール材SALと各基板SUB1,SUB2との間に封入されている。
【0020】
第1偏光板PL1は、第1基板SUB1の下面に配置される。第2偏光板PL2は、第2基板SUB2の上面に配置される。第1偏光板PL1および第2偏光板PL2の偏光軸は、例えば互いに直交する。
【0021】
照明装置ILDは、表示パネルPNL1,PNL2の背面側(つまり、表示面の反対側)に配置される。照明装置ILDは、表示装置DSPの動作を制御する制御モジュールに接続される。照明装置ILDは表示パネルPNL1,PNL2を照明する。照明装置ILDにより表示パネルPNL1,PNL2が照明されることによって、表示装置DSPは、表示パネルPNL1,PNL2に画像を表示することができる。
【0022】
プリズムシートPSは、表示パネルPNL1(表示パネルPNL2)と照明装置ILDとの間に配置される。また、拡散シートDSは、プリズムシートPSと表示パネルPNL1(表示パネルPNL2)との間に配置される。プリズムシートPSは、例えば第2方向Yと平行に延びる多数のプリズムを備えている。これらプリズムは、例えばプリズムシートPSの下面に形成されている。但し、これらプリズムは、プリズムシートPSの上面に形成されていてもよい。
【0023】
プリズムシートPSは、照明装置ILDによって照明される光を第3方向Zに実質的に平行な光に変換する。ここで、「第3方向Zに実質的に平行な光」は、第3方向Zと厳密に平行な光のみならず、第3方向Zに対する傾きが、照明装置ILDによって照明された際に比べてプリズムシートPSにより十分に小さく変換された光を含む。なお、照明装置ILDによって照明される光の偏光を維持する観点から、プリズムシートPSのプリズムは下面に形成されていることが好ましい。プリズムシートPSを経た光は、拡散シートDSで拡散されて、表示パネルPNL1,PNL2に照明される。プリズムシートPSを通過した光の視野角が狭い場合であっても、この光を拡散シートDSで拡散することにより、視野角を広げることができる。
【0024】
図4は、第1実施形態に係る照明装置ILDの概略平面図である。なお、
図4では、照明装置ILDを構成する要素のうち、表示パネルPNL2を照明する要素のみを図示している。
【0025】
図4に示すように、照明装置ILDは、複数の光源LS1と、一対の分配導光素子10Aおよび導光板20Aとを備えている。分配導光素子10Aおよび導光板20Aは、第1方向Xに隣接して連結されている。
【0026】
複数の光源LS1は、赤色のレーザー光を出射する光源LSRと、緑色のレーザー光を出射する光源LSGと、青色のレーザー光を出射する光源LSBとを含む。複数の光源LS1が赤色の光源LSR、緑色の光源LSG、青色の光源LSBを含むことにより、これら光源が射出する色の混合色(例えば白色)の光を得ることができる。
【0027】
複数の光源LS1には、例えばレーザー光を放つ半導体レーザー等のレーザーダイオードを用いることができる。レーザー光は、照射方向を中心とした広がりを有する拡散光であってもよい。あるいは、レーザー光は、偏光したレーザー光であってもよい。
【0028】
分配導光素子10Aは、例えば、ガラス材料により形成される。分配導光素子10Aは、複数の光源LS1と対向する側面SS1Aと、第1方向Xにおいて側面SS1Aの反対側に位置する側面SS2Aとを有している。側面SS2Aは、導光板20Aとの連結面に相当する。
【0029】
分配導光素子10Aは、側面SS1Aから側面SS2Aに向かって延びる複数の光導波路11を有している。複数の光導波路11は、例えば、ガラスにレーザー光を照射し、当該ガラスの屈折率を部分的に変化させることで、分配導光素子10A内に形成される。複数の光導波路11は、赤色の光源LSRに対応する光導波路11R(
図4においては点線で示す)と、緑色の光源LSGに対応する光導波路11G(
図4においては実線で示す)と、青色の光源LSBに対応する光導波路11B(
図4においては一点鎖線で示す)とを含む。光導波路11R,11G,11Bは、それぞれ、1つの光導波路から多数の光導波路に枝分かれし、後述する一部領域以外の第1導光板10Aのほぼ全面に亘って階層的に形成される。
【0030】
導光板20Aは、例えば、樹脂材料やガラス材料により形成される。なお、分配導光素子10Aの屈折率と導光板20Aの屈折率は、同程度であることが好ましい。導光板20Aは、分配導光素子10Aの側面SS2Aと連結される側面SS3Aを有し、表示パネルPNL2に対向する。導光板20Aの平面視における面積は、表示パネルPNL2の平面視における面積よりも大きいことが好ましい。
【0031】
ここで、分配導光素子10Aの平面形状について説明する。分配導光素子10Aは、辺S1~辺S9を有する。
【0032】
辺S1は、側面SS1Aに対応する辺であり、第2方向Yに沿って延びる。
辺S2~辺S4は、側面SS2A(連結面)に対応する辺である。辺S2は、X-Y平面において第1方向Xに対して角度θaをなす方向に沿って延びる斜辺である。辺S4は、X-Y平面において第1方向Xに対して角度θaをなす方向であり、上記した辺S2が延びる方向と交差する方向に沿って延びる斜辺である。辺S3は、辺S2の一方の端部と辺S4の一方の端部とを接続する辺であり、第2方向Yに沿って延びる。なお、ここでは、辺S2がX-Y平面において第1方向Xに対してなす角度と、辺S4がX-Y平面において第1方向Xに対してなす角度とが共に角度θaである場合を例示したが、辺S2がX-Y平面において第1方向Xに対してなす角度と、辺S4がX-Y平面において第1方向Xに対してなす角度とは異なっていてもよい。
【0033】
辺S5は、辺S1の一方の端部と、辺S2の他方の端部を接続する辺であり、第1方向Xに沿って延びる。
辺S6は、辺S1の他方の端部から第1方向Xに沿って延びる辺である。辺S7は、辺S4の他方の端部から、辺S6に近づくように第1方向Xに沿って延びる辺である。辺S6および辺S7は離間している。
【0034】
辺S8は、辺S6の一方の端部から、X-Y平面において第1方向Xに対して角度θbをなす方向に沿って延びる斜辺である。辺S9は、辺S7の一方の端部から、X-Y平面において第1方向Xに対して角度θbをなす方向であり、上記した辺S8が延びる方向と交差する方向に沿って延びる斜辺である。辺S8および辺S9は交点P1で交わる。これによれば、分配導光素子10Aに、二等辺三角形状の切り欠き部(ノーズカット)を形成することができる。
【0035】
なお、
図4に示すように、交点P1から第1方向X沿って延びる仮想線VL1と、当該仮想線VL1と辺S1との交点P2から辺S6に向けて延びる辺S1の一部と、辺S6と、辺S8とにより囲まれる領域には光導波路11は形成されない。
【0036】
次に、導光板20Aの平面形状について説明する。導光板20Aは、辺S10~辺S15を有する。
【0037】
辺S10~辺S12は、側面SS3A(連結面)に対応する辺である。辺S10は、X-Y平面において第1方向Xに対して角度θc(=180-θa)をなす方向に沿って延びる斜辺である。辺S12は、X-Y平面において第1方向Xに対して角度θcをなす方向であり、上記した辺S10が延びる方向と交差する方向に沿って延びる斜辺である。辺S11は、辺S10の一方の端部と辺S12の一方の端部とを接続する辺であり、第2方向Yに沿って延びる。辺S10~辺S12は、平面視において、分配導光素子10Aの辺S2~辺S4と重なっている(接している)。
【0038】
辺S13は、第1方向Xにおいて辺S11の反対側の辺であり、第2方向Yに沿って延びる。
辺S14は、辺S10の他方の端部と辺S13の一方の端部とを接続する辺であり、第1方向Xに沿って延びる。
辺S15は、辺S12の他方の端部と辺S13の他方の端部とを接続する辺であり、第1方向Xに沿って延びる。
【0039】
図5は、第1実施形態に係る照明装置ILDの概略断面図である。
図5に示すように、照明装置ILDは、光源LS1と、表示パネルPNL2を照明するための一対の分配導光素子10Aおよび導光板20Aと、光源LS2と、表示パネルPNL1を照明するための一対の分配導光素子10Bおよび導光板20Bとを備えている。なお、以下では、分配導光素子10A,10Bを区別する必要がない場合には、これらを単に分配導光素子10と称する場合がある。同様に、導光板20A,20Bを区別する必要がない場合には、これらを単に導光板20と称し、光源LS1,LS2を区別する必要がない場合には、これらを単に光源LSと称する場合がある。
【0040】
分配導光素子10Aは、表示パネルPNL1に対向する主面MS1Aと、第3方向Zにおいて主面MS1Aの反対側に位置する主面MS2Aと、光源LS1に対向する側面SS1Aと、第1方向Xにおいて側面SS1Aの反対側に位置する側面SS2Aとを有する。導光板20Aは、表示パネルPNL2に対向する主面MS3Aと、第3方向Zにおいて主面MS3Aの反対側に位置する主面MS4Aと、分配導光素子10Aの側面SS2Aに接する側面SS3Aと、第1方向Xにおいて側面SS3Aの反対側に位置する側面SS4Aとを有する。導光板20Aの主面MS4Aには、複数のプリズムを含むプリズム層P1が設けられている。
【0041】
また、分配導光素子10Bは、導光板20Aの主面MS4Aに対向する主面MS1Bと、第3方向Zにおいて主面MS1Bの反対側に位置する主面MS2Bと、光源LS2に対向する側面SS1Bと、第1方向Xにおいて側面SS1Bの反対側に位置する側面SS2Bとを有する。導光板20Bは、分配導光素子10Aの主面MS2Aに対向する主面MS3Bと、第3方向Zにおいて主面MS3Bの反対側に位置する主面MS4Bと、分配導光素子10Bの側面SS2Bに接する側面SS3Bと、第1方向Xにおいて側面SS3Bの反対側に位置する側面SS4Bとを有する。導光板20Bの主面MS4Bには、複数のプリズムを含むプリズム層P2が設けられている。
【0042】
なお、分配導光素子10A,10Bは、
図5に示すように、平面視において少なくとも一部が重なっている。
【0043】
分配導光素子10Aは、赤色の光源LSRに対応する光導波路11Rと、緑色の光源LSGに対応する光導波路11Gと、青色の光源LSBに対応する光導波路11Bとを有する。光導波路11R,11G,11Bは、それぞれ、分配導光素子10Aの異なる層(高さ)に階層的に形成される。
図5においては、光導波路11R,11G,11Bが、この順序で上から順に並んでいる場合を示すが、光導波路11R,11G,11Bは、
図5とは異なる順序で上から順に並んでいてもよい。また、
図5においては、光導波路11R,11G,11Bをそれぞれ1つしか図示していないが、光導波路11R,11G,11Bがそれぞれ複数、階層的に形成されていてもよい。
【0044】
光導波路11R,11G,11Bは、それぞれ、光源LS1から照射された光が入射される端部11a(換言すると、側面SS1A側の端部11a)と、当該光が出射される端部11b(換言すると、側面SS2A側の端部11b)とを有している。例えば、赤色の光源LSRから照射された光は、分配導光素子10Aに入射し、端部11aから光導波路11Rに入射されると、光導波路11R内を伝播し、端部11bから導光板20Aに向けて出射される。同様に、緑色の光源LSGから照射された光は、分配導光素子10Aに入射し、端部11aから光導波路11Gに入射されると、光導波路11G内を伝播し、端部11bから導光板20Aに向けて出射される。さらに、青色の光源LSBから照射された光は、分配導光素子10Aに入射し、端部11aから光導波路11Bに入射されると、光導波路11B内を伝播し、端部11bから導光板20Aに向けて出射される。
【0045】
分配導光素子10A内に形成された光導波路11R,11G,11Bは、端部11b付近において第3方向Z(下方)に屈曲している。より詳しくは、光導波路11R,11G,11Bは、X-Z平面において第1方向Xに対して角度θd(例えば、26.5°)をなした下方向に屈曲している。
なお、ここでは、分配導光素子10Aを例にとって説明したが、分配導光素子10Bも同様な構造を有する。
【0046】
光導波路11R,11G,11Bの端部11bから出射し、導光板20Aに入射された光のうち、主面MS3Aに向かって進行する光は、導光板20Aの主面MS3Aと空気層の界面で反射される。また、導光板20Aに入射された光のうち、主面MS4Aに向かって進行する光は、主面MS4Aに設けられたプリズム層P1によって進行方向が変えられる。プリズム層P1によって進行方向が変えられた光は、主面MS3Aの全反射条件を外れて、主面MS3Aから出射される。主面MS3Aから出射された光は、プリズムシートPSにより第3方向Zに実質的に平行な光に変換された後に、拡散シートDSで拡散されて、表示パネルPNL2を照明する。
【0047】
同様に、光導波路11R,11G,11Bの端部11bから出射し、導光板20Bに入射された光のうち、主面MS3Bに向かって進行する光は、導光板20Bの主面MS3Bと空気層の界面で反射される。また、導光板20Bに入射された光のうち、主面MS4Bに向かって進行する光は、主面MS4Bに設けられたプリズム層P2によって進行方向が変えられる。プリズム層P2によって進行方向が変えられた光は、主面MS3Bの全反射条件を外れて、主面MS3Bから出射される。主面MS3Bから出射された光は、分配導光素子10Aを透過し、プリズムシートPSにより第3方向Zに実質的に平行な光に変換された後に、拡散シートDSで拡散されて、表示パネルPNL1を照明する。
【0048】
以上説明した第1実施形態に係る照明装置ILDは、赤色の光源LSRに対応する複数の光導波路11Rと、緑色の光源LSGに対応する複数の光導波路11Gと、青色の光源LSBに対応する複数の光導波路11Bとを有する分配導光素子10A,10Bを備えている。これによれば、赤色の光源LSRと、緑色の光源LSGと、青色の光源LSBとを、分配導光素子10A,10Bのそれぞれに対して、少なくとも1つずつ設ければ、光導波路11R,11G,11Bを介して、導光板20A,20Bの側面SS3A,SS3Bの全面に光を供給することが可能である。つまり、照明装置ILDに設けるレーザーダイオードの個数を減らすことができ、照明装置ILDの低価格化、ひいては、表示装置DSPの低価格化を実現することができる。
【0049】
複数の光導波路11R,11G,11Bの端部11bから出射した光は、表示パネルPNL1,PNL2に向けて出射される。つまり、第2方向Yに位置する複数の端部11bから出射した光は、おおむね各端部11bと対向する側面SS3A,SS3Bから導光板20A,20Bに入射し、表示パネルPNl1,PNL2に向けて出射される。しかしながら、表示パネルPNL2は八角形であるため、平面視における第2方向Yの上部及び下部は、第2方向Yの中央部よりも発光面積が小さい。そのため、複数の光導波路11R,11G,11Bの端部11bが第2方向Yに均一に配置されていると、第2方向Yにおける輝度が均一にならない。第2方向Yにおける輝度を均一にするためには、第2方向Yの上部及び下部における各端部11bから出射した光の強度を、第2方向Yの中央部における各端部11bから出射した光の強度よりも弱くする必要がある。そのため、複数の光導波路11R,11G,11Bの端部11bのピッチを、異ならせている。具体的には、第2方向Yの上部及び下部において、第2方向Yの中央部よりも各端部11bのピッチを長くしている。これによれば、表示パネルPNL1,PNL2に向けて輝度が均一な光を出射することが可能である。
【0050】
さらに、分配導光素子10A,10Bが切り欠き部(ノーズカット)を有していたとしても、複数の光導波路11R,11G,11Bを曲線状に形成することで、上記したように、複数の光導波路11R,11G,11Bの端部11bを、導光板20A,20Bの側面SS3A,SS3Bの全面に亘って位置させることができる。つまり、第1実施形態に係る照明装置ILDは、切り欠き部(ノーズカット)を有していたとしても、導光板20A,20Bの主面MS3A,MS3Bから出射される光の色度や輝度を均一にすることができる。これによれば、上記した色割れの発生を抑制することが可能である。
【0051】
なお、ここでは、赤色の光源LSRと、緑色の光源LSGと、青色の光源LSBとが、分配導光素子10A,10Bのそれぞれに対して、少なくとも1つずつ設けられていればよいとしたが、例えば、分配導光素子10A,10Bのそれぞれに対して設けられる各色の光源の数を増やすことで、光導波路11R,11G,11Bの曲率を緩やかにすることができる。これによれば、急な曲率の光導波路11R,11G,11Bを分配導光素子10A,10B内に形成する場合に比べて、光導波路11R,11G,11Bを容易に形成することができる。
【0052】
また、本実施形態では、分配導光素子10と導光板20とが別々に形成される場合を想定したが、分配導光素子10に相当する構成と、導光板20に相当する構成とを1つのガラスから形成し、導光板20に相当する構成の下方にプリズム層Pに相当する構成を設ける(貼り付ける)ことで、一対の分配導光素子10および導光板20に相当する構成を形成してもよい。
【0053】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、ノーズカットに非対応の表示装置DSPに実装される照明装置ILDについて説明する。このため、詳細については後述するが、第2実施形態に係る照明装置ILDは、平面視における形状が矩形であり、切り欠き部(ノーズカット)を有していない点で、第1実施形態と相違している。なお、以下では、第1実施形態と同様な部分についての説明を省略する。
【0054】
図6は、第2実施形態に係る照明装置ILDの概略平面図である。なお、
図6では、照明装置ILDを構成する要素のうち、表示パネルPNL2を照明する要素のみを図示している。
【0055】
図6に示すように、分配導光素子10Aの平面視における形状は矩形である。分配導光素子10Aは、
図4に示した構成と同様に、複数の光源LS1に対向する側面SS1Aから側面SS2Aに向かって延びる複数の光導波路11を有している。複数の光導波路11は、分配導光素子10Aの全面に亘って配置されており、この点において、
図4に示した構造と相違している。
【0056】
図6に示すように、導光板20Aの平面視における形状もまた矩形である。導光板20Aは、分配導光素子10Aの側面SS2Aから第1方向Xに所定の間隔を空けて配置され、矩形状の表示パネルPNL2に対向している。詳細については後述するが、導光板20Aは、分配導光素子10Aに形成された複数の光導波路11から出射される光が入射できる位置に配置されていればよい。つまり、導光板20Aは、
図6に示すように分配導光素子10Aの側面SS2Aから第1方向Xに所定の間隔を空けて配置されてもよいし、平面視において分配導光素子10Aの側面SS2Aに接するように配置されてもよい。
【0057】
図7は、第2実施形態に係る照明装置ILDの概略断面図である。なお、一対の分配導光素子10Aおよび導光板20Aと、一対の分配導光素子10Bおよび導光板20Bとは同様な構造を有するため、以下では、分配導光素子10Aおよび導光板20Aについてのみ説明し、分配導光素子10Bおよび導光板20Bについての説明を省略する。
【0058】
図7に示すように、第2実施形態に係る照明装置ILDにおいては、分配導光素子10Aおよび導光板20Aは、所定の間隔を空けて第1方向Xに沿って並んでいる。分配導光素子10Aの厚み(第3方向Zの長さ)は、導光板20Aの厚みよりも小さい。但し、分配導光素子10Aの厚みは、導光板20Aの厚みと同じであってもよい。
【0059】
分配導光素子10Aに形成された光導波路11R,11G,11Bは、X-Y平面に対して平行に延びており、端部11b付近において下方に屈曲していない点で、
図5に示した構造と相違している。光導波路11R,11G,11Bの端部11bから出射される光は、側面SS2Aの法線方向に沿って進行し、側面SS2Aで屈折せずに(ほとんど屈折せずに)、分配導光素子10Aから出射される。なお、実際には、光導波路11R,11G,11Bの端部11bから出射される光は、拡散光であるため、その一部が側面SS2Aで屈折して、分配導光素子10Aから出射される。導光板20Aは、分配導光素子10Aから出射されるこのような光の全てが入射できる程度、分配導光素子10Aの近傍に配置されていればよい。
【0060】
導光板20Aの側面SS3Aは、主面MS3Aに対して角度θeで傾斜している。これによれば、分配導光素子10Aから出射された光を、側面SS3Aで屈折させて、導光板20Aに入射させることができる。導光板20Aに入射された光は、導光板20A内を伝播し、主面MS4Aに設けられたプリズム層P1によって進行方向が変えられ、主面MS3Aの全反射条件を外れて、主面MS3Aから出射される。なお、
図7においては図示の都合上、プリズム層P1に当たる前の光が主面MS3Aから出射される様子が図示されているが、実際には上記したように、プリズム層P1によって進行方向が変えられた光が主面MS3Aから出射される。主面MS3Aから出射された光は、プリズムシートPSにより第3方向Zに実質的に平行な光に変換された後に、拡散シートDSで拡散されて、表示パネルPNL2を照明する。なお、上記した角度θeは、導光板20A内を伝播する光がX-Z平面において第1方向Xに対して角度θd(例えば、26.5°)をなすように設定されることが好ましい。
【0061】
以上説明した第2実施形態に係る照明装置ILDは、ノーズカットに対応していないこと以外は、上記した第1実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0062】
また、第2実施形態に係る照明装置ILDにおいては、分配導光素子10A,10B内に形成される光導波路11R,11G,11Bを、端部11b付近で下方に屈曲させる必要がないため、第1実施形態に係る構造に比べて、分配導光素子10A,10B内に光導波路11R,11G,11Bを容易に形成することができる。一方、第2実施形態に係る照明装置ILDにおいては、分配導光素子10A,10Bから出射された光を、導光板20A,20Bに入射させるために、導光板20A,20Bの側面SS3A,SS3Bを主面MS3A,MS3Bに対して角度θeで傾斜させる必要があるが、傾斜した側面SS3A,SS3Bを有する導光板20A,20Bを形成することは、光導波路11R,11G,11Bを下方に屈曲させるよりも容易である。このため、第2実施形態に係る照明装置ILDは、第1実施形態に係る照明装置ILDに比べて、容易に製作することができる。
【0063】
(第2実施形態の変形例)
ここで、第2実施形態の変形例について説明する。第2実施形態の変形例に係る照明装置ILDは、表示パネルPNL1,PNL2を個別に照明する点で、第2実施形態と相違している。以下では、説明の便宜上、表示パネルPNL1を照明する照明装置ILDを照明装置ILD1と称し、表示パネルPNL2を照明する照明装置ILDを照明装置ILD2と称する場合がある。なお、以下では、第2実施形態と同様な部分についての説明を省略する。
【0064】
図8は、第2実施形態に係る照明装置ILD1,ILD2の概略平面図である。
図8に示すように、照明装置ILD1は、光源LS1と、一対の分配導光素子10Aおよび導光板20Aとを備えている。同様に、照明装置ILD2は、光源LS2と、一対の分配導光素子10Bおよび導光板20Bとを備えている。なお、照明装置ILD1,ILD2は同様な構造を有するため、以下では、照明装置ILD1についてのみ説明し、照明装置ILD2についての説明を省略する。
【0065】
図8に示すように、分配導光素子10Aの平面視における形状は矩形である。分配導光素子10Aは、
図6に示した構造と同様に、複数の光源LS1に対向する側面SS1Aから側面SS2Aに向かって延びる複数の光導波路11を有している。複数の光導波路11は、分配導光素子10Aの全面に亘って配置されており、この点においては、
図6に示した構造と同様である。但し、変形例に係る分配導光素子10Aは、第2実施形態に係る分配導光素子10Aに比べて、第1方向Xの長さが短くなっており、光導波路11の長さもまた短くなっている点、また、光導波路11の曲率が急になっている点で、
図6に示した構造と相違している。
【0066】
図8に示すように、導光板20Aの平面視における形状は六角形であり、
図6に示した矩形状の導光板20Aから側面SS4A側の2つの角が切り欠かれた形状といえる。導光板20Aは、分配導光素子10Aの側面SS2Aから第1方向Xに所定の間隔を空けて配置され、八角形状の表示パネルPNL1に対向している。上記したように、表示パネルPNL1および導光板20Aが切り欠き部(ノーズカット)を有した形状のため、変形例に係る照明装置ILD1は、ノーズカットに対応した表示装置DSPに実装することが可能である。
【0067】
なお、導光板20Aは、
図8に示すように分配導光素子10Aの側面SS2Aから第1方向Xに所定の間隔を空けて配置されてもよいし、平面視において分配導光素子10Aの側面SS2Aに接するように配置されてもよい。
【0068】
図9は、第2実施形態の変形例に係る照明装置ILD1,ILD2の概略断面図である。なお、一対の分配導光素子10Aおよび導光板20Aと、一対の分配導光素子10Bおよび導光板20Bとは、それぞれ、
図7に示した断面構造と同様な断面構造を有するため、ここではその詳しい説明を省略する。但し、光源LS1から照射され、分配導光素子10Aを介して導光板20Aに入射し、導光板20Aの主面MS3Aから出射される光が表示パネルPNL1を照明する点と、光源LS2から照射され、分配導光素子10Bを介して導光板20Bに入射し、導光板20Bの主面MS3Bから出射される光が表示パネルPNL2を照明する点とは、第2実施形態と相違している。
【0069】
以上説明した第2実施形態の変形例に係る照明装置ILDは、ノーズカットに対応した表示装置DSPにも実装することが可能であり、上記した第1実施形態と同様な効果を奏することができる。また、第2実施形態の変形例に係る照明装置ILDは、ヘッドマウンドディスプレイとしての表示装置DSPだけでなく、例えば、片方の眼前にのみ表示パネルPNLが配置された表示装置DSP、スマートフォンとしての表示装置DSP、モニタとしての表示装置DSP等にも実装することが可能である。
【0070】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態に係る照明装置ILDは、表示パネルPNL1,PNL2を個別に照明する点で、第1実施形態および第2実施形態と相違している。以下では、説明の便宜上、表示パネルPNL1を照明する照明装置ILDを照明装置ILD1と称し、表示パネルPNL2を照明する照明装置ILDを照明装置ILD2と称する場合がある。
【0071】
また、第3実施形態に係る照明装置ILDは、一対の分配導光素子10および導光板20が第3方向Zに並んで配置される点で、より詳しくは、一対の分配導光素子10および導光板20が平面視において重なるように配置される点で、第1実施形態、第2実施形態および第2実施形態の変形例と相違している。
なお、以下では、第1実施形態、第2実施形態および第2実施形態の変形例と同様な部分についての説明を省略する。
【0072】
図10は、第3実施形態に係る照明装置ILD1,ILD2の概略平面図である。
図10に示すように、照明装置ILD1は、光源LS1と、一対の分配導光素子10Aおよび導光板20Aと、反射板REF1とを備えている。同様に、照明装置ILD2は、光源LS2と、一対の分配導光素子10Bおよび導光板20Bと、反射板REF2とを備えている。なお、照明装置ILD1,ILD2は同様な構造を有するため、以下では、照明装置ILD1についてのみ説明し、照明装置ILD2についての説明を省略する。
【0073】
図10に示すように、分配導光素子10Aの平面視における形状は五角形であり、
図6に示した矩形状の分配導光素子10Aから側面SS2A側の1つの角が切り欠かれた形状といえる。分配導光素子10Aは、側面SS1Aと、第1方向Xにおいて側面SS1Aの反対側に位置する側面SS2Aと、複数の光源LS1に対向する側面SS5Aと、第2方向Yにおいて側面SS5Aの反対側に位置する側面SS6Aとを有する。分配導光素子10Aは、側面SS5Aから側面SS6Aに向かって延びる複数の光導波路11R,11G,11Bを有している。複数の光導波路11R,11G,11Bは、分配導光素子10Aの全面に亘って階層的に配置される。
【0074】
図10に示すように、導光板20Aは、平面視において分配導光素子10Aと重なるように配置され、分配導光素子10Aの側面SS1Aと重なる側面SS3Aと、分配導光素子10Aの側面SS2Aと重なる側面SS4Aと、分配導光素子10Aの側面SS5Aと重なる側面SS7Aと、分配導光素子10Aの側面SS6Aと重なる側面SS8Aとを有する。導光板20Aの平面視における形状は、分配導光素子10Aと同様に五角形であり、
図6に示した矩形状の導光板20Aから側面SS4A側の1つの角が切り欠かれた形状といえる。導光板20Aは、八角形状の表示パネルPNL1に対向している。上記したように、表示パネルPNL1、分配導光素子10Aおよび導光板20Aが切り欠き部(ノーズカット)を有した形状のため、第3実施形態に係る照明装置ILD1は、ノーズカットに対応した表示装置DSPに実装することが可能である。
【0075】
なお、分配導光素子10Aおよび導光板20Aは、分配導光素子10Aの一部と導光板20Aの一部とが接するように配置されている。すなわち、分配導光素子10Aから出射された光は、界面において反射されることなく導光板20Aに入射する。
【0076】
詳細については後述するが、反射板REF1は、
図10に示すように、分配導光素子10Aの側面SS6Aおよび導光板20Aの側面SS8Aと対向する位置に配置される。反射板REF1は、平面視において、分配導光素子10Aの側面SS6Aおよび導光板20Aの側面SS8Aに接するように配置されてもよいし、側面SS6Aおよび側面SS8Aから第2方向Yに所定の間隔を空けて配置されてもよい。
【0077】
図11は、第3実施形態に係る照明装置ILD1の概略断面図である。
図11に示すように、分配導光素子10A内には、光導波路11R,11G,11Bが第3方向Zに沿って階層的に形成されている。
【0078】
分配導光素子10Aは、導光板20Aに対向する主面MS1Aと、第3方向Zにおいて主面MS1Aの反対側に位置する主面MS2Aと、光源LS1に対向する側面SS5Aと、第2方向Yにおいて側面SS5Aの反対側に位置し、反射板REF1に対向する側面SS6Aとを有する。
【0079】
導光板20Aは、表示パネルPNL1に対向する主面MS3Aと、第3方向Zにおいて主面MS3Aの反対側に位置し、分配導光素子10Aの主面MS1Aに対向する主面MS4Aと、分配導光素子10Aの側面SS5Aと重なる側面SS7Aと、反射板REF1に対向し、分配導光素子10Aの側面SS6Aと重なる側面SS8Aとを有する。
【0080】
分配導光素子10A内に形成された光導波路11R,11G,11Bは、端部11b付近において第3方向Z(上方)に屈曲している。より詳しくは、光導波路11は、Y-Z平面において第2方向Yに対して角度θd(例えば、26.5°)をなした上方向に屈曲している。
【0081】
光導波路11R,11G,11Bの端部11bから出射された光は、反射板REF1によって反射される。反射板REF1によって反射された光は、導光板20Aの主面MS3Aに向かって進行し、導光板20Aの主面MS3Aと空気層の界面で反射される。主面MS3Aで全反射した光は、主面MS4Aに向かって進行し、主面MS4Aに設けられたプリズム層P1によって進行方向が変えられる。プリズム層P1によって進行方向が変えられた光は、主面MS3Aの全反射条件を外れて、主面MS3Aから出射される。主面MS3Aから出射された光は、プリズムシートPSにより第3方向Zに実質的に平行な光に変換された後に、拡散シートDSで拡散されて、表示パネルPNL1を照明する。
なお、ここでは、照明装置ILD1を例にとって説明したが、照明装置ILD2も同様な構造を有する。
【0082】
以上説明した第3実施形態に係る照明装置ILDは、ノーズカットに対応した表示装置DSPにも実装することが可能であり、上記した第1実施形態と同様な効果を奏することができる。また、第3実施形態に係る照明装置ILDは、ヘッドマウンドディスプレイとしての表示装置DSPだけでなく、例えば、片方の眼前にのみ表示パネルPNLが配置された表示装置DSP、スマートフォンとしての表示装置DSP、モニタとしての表示装置DSP等にも実装することが可能である。さらに、第3実施形態に係る照明装置ILDは、一対の分配導光素子10および導光板20を第3方向Zに並べて配置するため、表示装置DSPの狭額縁化に寄与することが可能である。
【0083】
なお、ここでは、
図11に示すように、導光板20Aの断面形状がいわゆる逆楔形状である場合を想定したが、これに限らず、導光板20Aの断面形状は、
図12に示すように、矩形状であってもよい。また、
図11においては、光導波路11R,11G,11Bをそれぞれ1つしか図示していないが、
図13に示すように、光導波路11R,11G,11Bがそれぞれ複数、階層的に形成されていてもよい。
【0084】
(第3実施形態の変形例)
ここで、第3実施形態の変形例について説明する。第3実施形態の変形例に係る照明装置ILDは、分配導光素子10および導光板20が一体化されている点で、第3実施形態と相違している。なお、以下では、第3実施形態と同様な部分についての説明を省略する。
【0085】
図14は、第3実施形態の変形例に係る照明装置ILD1の概略断面図である。
図14に示すように、分配導光素子10A内には、光導波路11R,11G,11Bが第3方向Zに沿って階層的に形成されている。
【0086】
図14に示すように、照明装置ILD1は、光源LS1と、分配導光素子10Aと、反射板REF1とを備えている。分配導光素子10Aは、表示パネルPNL1に対向する主面MS1Aと、第3方向Zにおいて主面MS1Aの反対側に位置し、プリズム層P1が設けられる主面MS2Aと、光源LS1に対向する側面SS5Aと、第2方向Yにおいて側面SS5Aの反対側に位置し、反射板REF1に対向する側面SS6Aとを有する。
【0087】
図14に示すように、分配導光素子10A内に形成された光導波路11R,11G,11Bは、端部11b付近において第3方向Z(下方)に屈曲している。より詳しくは、光導波路11R,11G,11Bは、Y-Z平面において第2方向Yに対して角度θd(例えば、26.5°)をなした下方向に屈曲している。光導波路11R,11G,11Bの端部11bから出射される光は、側面SS6Aを経て、反射板REF1によって反射される。反射板REF1によって反射された光は、分配導光素子10Aの主面MS2Aに向かって進行し、主面MS2Aに設けられたプリズム層P1によって進行方向が変えられる。プリズム層P1によって進行方向が変えられた光は、主面MS1Aの全反射条件を外れて、主面MS1Aから出射される。主面MS1Aから出射された光は、プリズムシートPSにより第3方向Zに実質的に平行な光に変換された後に、拡散シートDSで拡散されて、表示パネルPNL1を照明する。
なお、ここでは、照明装置ILD1を例にとって説明したが、照明装置ILD2も同様な構造を有する。
【0088】
以上説明した第3実施形態の変形例に係る照明装置ILDは、上記した第3実施形態と同様な効果を奏することができる。また、第3実施形態の変形例に係る照明装置ILDは、第3実施形態に係る照明装置ILDよりも厚み(第3方向Zの長さ)が小さい構造を実現することが可能である。なお、分配導光素子10Aの断面形状は、
図14に示した逆楔形状に限らず、例えば
図15に示すように、矩形状であってもよい。
【0089】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る照明装置ILDは、第2実施形態に係る照明装置ILDの構造と、第3実施形態の変形例に係る照明装置ILDの構造とを組み合わせた構造を有している。具体的には、第4実施形態に係る照明装置ILDは、平面視における形状が矩形であり切り欠き部(ノーズカット)を有さない構造と、分配導光素子10および導光板20が一体化された構造とを有している。
【0090】
図16は、第4実施形態に係る照明装置ILDの概略平面図である。
図16に示すように、照明装置ILDは、光源LS1,LS2および分配導光素子10を備えている。
【0091】
図16に示すように、分配導光素子10の平面視における形状は矩形であり、光源LS1に対向する側面SS1と、光源LS2に対向する側面SS2とを有する。分配導光素子10は、側面SS1から側面SS2に向かって分配導光素子10の中心付近まで延びる複数の光導波路11A
1と、側面SS2から側面SS1に向かって分配導光素子10の中心付近まで延びる複数の光導波路11A
2とを有している。複数の光導波路11A
1,11A
2は、それぞれ、光導波路11R,11G,11Bを含む。複数の光導波路11A
1,11A
2は、分配導光素子10の中心付近において、互いに離間している。
【0092】
図17は、第4実施形態に係る照明装置ILDの概略断面図である。
図17に示すように、分配導光素子10内には、光導波路11A
1に含まれる光導波路11R,11G,11Bと、光導波路11A
2に含まれる光導波路11R,11G,11Bと、がそれぞれ第3方向Zに沿って階層的に形成されている。
【0093】
図17に示すように、分配導光素子10は、光源LS1に対向する側面SS1と、光源
LS2に対向する側面SS2と、表示パネルPNL1,PNL2に対向する主面MS1と、第3方向Zにおいて主面MS1の反対側に位置する主面MS2とを有する。主面MS2には、複数のプリズムを含むプリズム層Pが設けられている。
【0094】
分配導光素子10内に形成された光導波路11A1に含まれる光導波路11R,11G,11Bと、光導波路11A2に含まれる光導波路11R,11G,11Bとは、端部11b付近において第3方向Z(下方)に屈曲している。より詳しくは、光導波路11A1に含まれる光導波路11R,11G,11Bと、光導波路11A2に含まれる光導波路11R,11G,11Bとは、X-Z平面において第1方向Xに対して角度θd(例えば、26.5°)をなした下方向に屈曲している。
【0095】
光導波路11A1に含まれる光導波路11R,11G,11Bの端部11bから出射される光は、主面MS2に向かって進行し、主面MS2に設けられたプリズム層Pのうち、表示パネルPNL2側(図中右側)のプリズム層Pによって進行方向が変えられる。プリズム層Pによって進行方向が変えられた光は、主面MS1の全反射条件を外れて、主面MS1のうちの表示パネルPNL2に対向する領域から出射される。
【0096】
また、光導波路11A2に含まれる光導波路11R,11G,11Bの端部11bから出射される光は、主面MS2に向かって進行し、主面MS2に設けられたプリズム層Pのうち、表示パネルPNL1側(図中左側)のプリズム層Pによって進行方向が変えられる。プリズム層Pによって進行方向が変えられた光は、主面MS1の全反射条件を外れて、主面MS1のうちの表示パネルPNL1に対向する領域から出射される。
【0097】
主面MS1から出射された光は共に、プリズムシートPSにより第3方向Zに実質的に平行な光に変換された後に、拡散シートDSで拡散されて、表示パネルPNL1,PNL2を照明する。
【0098】
以上説明した第4実施形態に係る照明装置ILDは、ノーズカットに対応していないこと以外は、上記した第1実施形態と同様な効果を奏することができる。また、第4実施形態に係る照明装置ILDは、第1実施形態~第3実施形態に係る照明装置ILDのように表示パネルPNL1を照明するための構造と、表示パネルPNL2を照明するための構造とを第3方向Zに積層させる必要がないため、これら実施形態に係る照明装置ILDよりも厚み(第3方向Zの長さ)が小さい構造を実現することが可能である。
【0099】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ヘッドマウントディスプレイとしての表示装置DSPの低価格化を実現することが可能な照明装置ILDを提供することが可能である。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0101】
DSP…表示装置、PNL1,PNL2…表示パネル、ILD,ILD1,ILD2…照明装置、LS1,LS2,LSR,LSG,LSB…光源、10A,10B…分配導光素子、11,11R,11G,11B,11A1,11A2…光導波路、11a,11b…端部、20,20A,20B…導光板、P,P1,P2…プリズム層、REF1,REF2…反射板。