(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174456
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】レイアウト図面生成装置、レイアウト図面生成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092288
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100172502
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀧 眞輔
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】水谷 悠紀
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】 オフィスを用途に応じた区画に分割してレイアウト設計を支援することができるレイアウト図面生成装置、レイアウト図面生成方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】
複数のワーカが執務を行うオフィスのレイアウトに関するレイアウト図面を生成するレイアウト図面生成装置が、オフィスが施工される空間の形状を含むフロアデータを格納する記憶部と、 前記記憶部に格納された前記フロアデータに基づいて、前記空間を用途に対応した1又は2以上のエリアに分割する第1処理部を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワーカが執務を行うオフィスのレイアウトに関するレイアウト図面を生成するレイアウト図面生成装置であって、
オフィスが施工される空間の形状を含むフロアデータを格納する記憶部と、
前記記憶部に格納された前記フロアデータに基づいて、前記空間を用途に対応した1又は2以上のエリアに分割する第1処理部と、
を備える、レイアウト図面生成装置。
【請求項2】
前記レイアウト図面生成装置が、さらに、前記エリアの各々に前記用途に基づいて1又は2以上の什器が配置された状態における前記オフィスのレイアウトを示すレイアウト図面を生成する第2処理部を備える、請求項1記載のレイアウト図面生成装置。
【請求項3】
前記第2処理部は、
前記エリアの各々について、前記エリアに対応する前記用途に基づいて1又は2以上の什器を配置する什器配置部と、
前記什器が配置された状態における前記レイアウト図面を生成するレンダリング部と、
を備える、請求項2記載のレイアウト図面生成装置。
【請求項4】
前記レイアウト図面生成装置が、さらに、前記空間を前記1又は2以上のエリアに分割するパターンを示す分割パターンの指定を受ける分割パターン指定部を備え、
前記第1処理部は、前記指定された分割パターンに基づいて前記空間を前記1又は2以上のエリアに分割する、
請求項1記載のレイアウト図面生成装置。
【請求項5】
前記レイアウト図面生成装置が、さらに、前記什器の配置のパターンを示す配置パターンの指定を受ける配置パターン指定部を備え、
前記什器配置部は、前記指定された配置パターンに基づいて前記什器を配置する、
請求項3記載のレイアウト図面生成装置。
【請求項6】
前記レイアウト図面生成装置が、さらに、前記什器の種別の指定を受ける什器指定部を備え、
前記レンダリング部は、前記指定された種別の前記什器が配置された状態における前記レイアウト図面を生成する、
請求項3記載のレイアウト図面生成装置。
【請求項7】
前記第1処理部は、前記空間の形状に基づいて、前記空間における前記用途に対応した前記1又は2以上のエリアを示す情報を推定するエリア推定モデルを用いて前記分割を行う、
請求項1記載のレイアウト図面生成装置。
【請求項8】
前記レイアウト図面生成装置が、さらに、前記空間の形状を示す情報及び前記用途に対応した前記1又は2以上のエリアを示す情報に基づいて生成した教師データを用いて、機械学習により前記エリア推定モデルを生成する、エリア推定モデル学習部を備える、
請求項7記載のレイアウト図面生成装置。
【請求項9】
前記什器配置部は、前記1又は2以上のエリアに基づいて、前記エリアの各々について前記1又は2以上の什器の配置を推定する什器配置推定モデルを用いて前記什器を配置する、
請求項3記載のレイアウト図面生成装置。
【請求項10】
前記レイアウト図面生成装置が、さらに、前記エリアを示す情報及び前記エリアに配置された什器を示す情報に基づいて生成した教師データを用いて、機械学習により前記什器配置推定モデルを生成する、什器配置推定モデル学習部を備える、
請求項9記載のレイアウト図面生成装置。
【請求項11】
コンピュータを用いて、複数のワーカが執務を行うオフィスのレイアウトに関するレイアウト図面を生成するレイアウト図面生成方法であって、
前記オフィスが施工される空間の形状を含むフロアデータを格納するステップと、
前記格納された前記フロアデータに基づいて、前記空間を用途に対応した1又は2以上のエリアに分割するステップと、
を備える、レイアウト図面生成方法。
【請求項12】
コンピュータを請求項1~10のいずれかに記載のレイアウト図面生成装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレイアウト図面生成装置、レイアウト図面生成方法、及びプログラムに関し、具体的には、オフィスを用途に応じた区画に分割してレイアウト設計を支援することができるレイアウト図面生成装置、レイアウト図面生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の従業員その他のワーカが執務を行うオフィスのレイアウト設計を情報処理システムを用いて支援する装置として、例えば特許文献1のレイアウト支援装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
企業その他の組織では業務の効率化が求められており、ワーカが執務を行うオフィスについても、組織の業務効率を向上させる観点からレイアウト設計を行うことが求められている。従来の技術では組織内の人員構成やワーカの同線は考慮したレイアウト設計を行うことができる一方で、より効率的に業務を進められるオフィスの設計を支援できることが求められていた。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑み、オフィスを用途に応じた区画に分割してレイアウト設計を支援することができるレイアウト図面生成装置、レイアウト図面生成方法、及びプログラムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するためになされた本発明に係るレイアウト図面生成装置は、複数のワーカが執務を行うオフィスのレイアウトに関するレイアウト図面を生成するレイアウト図面生成装置であって、オフィスが施工される空間の形状を含むフロアデータを格納する記憶部と、前記記憶部に格納された前記フロアデータに基づいて、前記空間を用途に対応した1又は2以上のエリアに分割する第1処理部と、を備えることを特徴としている。
【0007】
本発明に係るレイアウト図面装置は、
前記レイアウト図面生成装置が、さらに、前記エリアの各々に前記用途に基づいて1又は2以上の什器が配置された状態における前記オフィスのレイアウトを示すレイアウト図面を生成する第2処理部を備える、請求項1記載のレイアウト図面生成装置。
【0008】
本発明に係るレイアウト図面装置は、前記第2処理部が、前記エリアの各々について、前記エリアに対応する前記用途に基づいて1又は2以上の什器を配置する什器配置部と、前記什器が配置された状態における前記レイアウト図面を生成するレンダリング部と、を備えるようにしてもよい。
【0009】
本発明に係るレイアウト図面装置は、さらに、前記空間を前記1又は2以上のエリアに分割するパターンを示す分割パターンの指定を受ける分割パターン指定部を備え、前記第1処理部は、前記指定された分割パターンに基づいて前記空間を前記1又は2以上のエリアに分割するようにしてもよい。
【0010】
本発明に係るレイアウト図面装置は、さらに、前記什器の配置のパターンを示す配置パターンの指定を受ける配置パターン指定部を備え、前記什器配置部は、前記指定された配置パターンに基づいて前記什器を配置するようにしてもよい。
【0011】
本発明に係るレイアウト図面装置は、さらに、前記什器の種別の指定を受ける什器指定部を備え、前記レンダリング部は、前記指定された種別の前記什器が配置された状態における前記レイアウト図面を生成するようにしてもよい。
【0012】
本発明に係るレイアウト図面装置は、前記第1処理部が、前記空間の形状に基づいて、前記空間における前記用途に対応した前記1又は2以上のエリアを示す情報を推定するエリア推定モデルを用いて前記分割を行うようにしてもよい。
【0013】
本発明に係るレイアウト図面装置は、さらに、前記空間の形状を示す情報及び前記用途に対応した前記1又は2以上のエリアを示す情報に基づいて生成した教師データを用いて、機械学習により前記エリア推定モデルを生成する、エリア推定モデル学習部を備えるようにしてもよい。
【0014】
本発明に係るレイアウト図面装置は、前記什器配置部が、前記1又は2以上のエリアに基づいて、前記エリアの各々について前記1又は2以上の什器の配置を推定する什器配置推定モデルを用いて前記什器を配置するようにしてもよい。
【0015】
本発明に係るレイアウト図面装置は、さらに、前記エリアを示す情報及び前記エリアに配置された什器を示す情報に基づいて生成した教師データを用いて、機械学習により前記什器配置推定モデルを生成する、什器配置推定モデル学習部を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成によれば、レイアウト図面生成装置が、オフィスが施工される空間の形状を含むフロアデータを用途に応じた1又は2以上のエリアに分割する第1処理部を備えている。この構成により、本発明はオフィスを用途に応じた区画に分割してレイアウト設計を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態の一例における、レイアウト図面生成装置の構成を示す図である。
【
図2】同実施形態の一例における、レイアウト図面生成の流れを示すフロー図である。
【
図3】同実施形態の一例における、フロアデータの例を示す図である。
【
図4】同実施形態の一例における、フロアデータの空間の例を示す図である。
【
図5】同実施形態の一例における、第1処理を行った状態の例を示す図である。
【
図6】同実施形態の一例における、什器を配置した状態の例を示す図である。
【
図7】同実施形態の一例における、生成したレイアウト図面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係るレイアウト図面生成装置1の構成を示す図である。本実施形態の一例におけるレイアウト図面生成装置1は、従業員その他の複数のワーカが執務を行うオフィスのレイアウトに関するレイアウト図面を生成する装置であり、記憶部11と、第1処理部12と、第2処理部13と、分割パターン指定部14aと、配置パターン指定部14bと、什器指定部14cと、エリア推定モデル15aと、エリア推定モデル学習部15bと、什器配置推定モデル16aと、什器配置推定モデル16bを備えている。
【0019】
記憶部11は、オフィスが施工される空間の形状を含むフロアデータその他のレイアウト図面生成装置1の機能に必要な情報を記憶する。記憶部11の具体的な構成は任意に選択してよく、例えばレイアウト図面生成装置1がRDBMS(Relational Database Management System)を備えるようにして、当該RDBMSを用いて記憶部11を構成してもよい。或いは、RDBMSの一部、又はこれとは別にレイアウト図面生成装置1のメモリ上にインメモリデータベースその他の記録領域を設けて、永続的な情報はRBDMSに記録し、非永続的な情報はメモリ上に記録するように記憶部11を構成してもよい。
【0020】
第1処理部12は、記憶部11に格納されたフロアデータに基づいて、当該フロアデータに含まれる空間を用途に対応した1又は2以上のエリアに分割する。本実施形態の一例では、レイアウト図面生成装置1が後述するエリア推定モデル15aを備えており、第1処理部12は当該エリア推定モデル15aを用いて空間を1又は2以上のエリアに分割する。
【0021】
第2処理部13は、第1処理部12が分割したエリアの各々に用途に基づいて1又は2以上の什器が配置された状態におけるオフィスのレイアウトを示すレイアウト図面を生成する。本実施形態の一例における第2処理部13は、什器配置部13aとレンダリング部13bを備えている。
【0022】
什器配置部13aは、第1処理部12が分割したエリアの各々について、エリアに対応する用途に基づいて1又は2以上の什器を配置する。本実施形態の一例では、レイアウト図面生成装置1は後述する什器配置推定モデル15aを備えており、什器配置部13aは、当該什器配置推定モデル15aを用いてエリアの各々に1又は2以上の什器を配置する。
【0023】
レンダリング部13bは、什器配置部13aにより什器が配置された状態におけるレイアウト図面を生成する。
【0024】
分割パターン指定部14aは、フロアデータに含まれる空間を1又は2以上のエリアに分割するパターンを示す分割パターンの指定を受ける。前述のとおり、本実施形態の一例では、第1処理部12によってフロアデータに含まれる空間を1又は2以上の、用途に応じたエリアに分割する。利用者が後述する利用者端末2を操作することにより指示した分割パターンは利用者端末2を介して分割パターン指定部14aによりレイアウト図面生成装置1に入力され、第1処理部12によるエリア分割の際に用いられる。
【0025】
配置パターン指定部14bは、前述の什器配置部13aが什器を配置するパターンを示す配置パターンの指定を受ける。前述のとおり、本実施形態の一例では、第2処理部13の什器は一部13aによってエリアの各々についてエリアに対応する用途に基づき1又は2以上の什器を配置する。利用者が後述する利用者端末2を操作することにより指示した配置パターンは利用者端末2を介して配置パターン指定部14bによりレイアウト図面生成装置1に入力され、什器配置部13aによる什器の配置の際に用いられる。
【0026】
什器指定部14cは、前述のレンダリング部13bが生成するレイアウト図面における什器の種別の指定を受ける。前述のとおり、本実施形態の一例では、第2処理部13のレンダリング部13bによって、什器が配置された状態におけるレイアウト図面を生成する。利用者が後述する利用者端末2を操作することにより指示した什器の種別は利用者端末2を介して什器指定部14cによりレイアウト図面生成装置1に入力され、レンダリング部13bによるレイアウト図面の生成の際に用いられる。
【0027】
エリア推定モデル15aは、第1処理部12がフロアデータの空間を1又は2以上のエリアに分割する際に使用する、機械学習によって生成された学習済みモデルである。本実施形態の一例において、エリア推定モデル15aは、フロアデータの空間の形状に基づいて、当該空間における用途に対応した1又は2以上のエリアを示す情報を推定する。
【0028】
エリア推定モデル学習部15bは、フロアデータ及び当該フロアデータに含まれる空間を1又は2以上の用途に対応したエリアに分割した情報に基づいて生成した教師データを用いて、機械学習によりエリア推定モデル15aを生成する。
【0029】
什器配置推定モデル16aは、什器配置部13aが什器を配置する際に使用する、機械学習によって生成された学習済みモデルである。本実施形態の一例において、什器配置推定モデル16aは、1又は2以上のエリアに基づいて、当該エリアの各々について1又は2以上の什器の配置を推定する。
【0030】
什器配置推定モデル16bは、エリアを示す情報及び当該エリアに配置された什器を示す情報に基づいて生成された教師データを用いて、機械学習により什器配置推定モデル16aを生成する。
【0031】
本実施形態の一例において、レイアウト図面生成装置1は周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。サーバ用コンピュータのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)その他のストレージ装置に予めコンピュータをレイアウト図面生成装置1として機能させるプログラムが記録されており、当該プログラムをメモリにロードしてCPU(中央演算装置)が実行することにより、サーバ用コンピュータをレイアウト図面生成装置1として機能させる。なお、レイアウト図面生成装置1のハードウェア構成は任意に選択してよく、例えば、二台以上のコンピュータによってレイアウト図面生成装置1を構成してよく、この場合に、二台以上のコンピュータが後述するネットワーク3を介して通信可能に接続されるように構成してもよい。また、レイアウト図面生成装置1として用いるコンピュータは処理速度、対故障性その他の要求性能を満たす周知のコンピュータを用いてよく、例えばサーバ用コンピュータではなくパーソナル・コンピュータを用いて構成してもよい。
【0032】
利用者端末2は、レイアウト図面生成装置1の利用者が使用する端末である。本実施形態の一例における利用者端末2は周知のコンピュータを用いて構成してよく、例えば据置型のパーソナル・コンピュータを用いてもよいし、或いは、ラップトップ型のパーソナル・コンピュータやタブレット型コンピュータ、スマートフォンその他の形態端末を用いてもよい。
【0033】
なお、本実施形態の一例では、サーバ用コンピュータを用いてレイアウト図面生成装置1を構成しており、レイアウト図面生成装置1の利用者は利用者端末2を介してレイアウト図面生成装置1が提供する機能を利用するが、前述のようにレイアウト図面生成装置1のハードウェア構成は任意に選択してよく、例えばパーソナル・コンピュータを用いてレイアウト図面生成装置1を構成する場合に利用者端末2を用いずに利用者が直接レイアウト図面生成装置1を操作するように構成してもよい。
【0034】
ネットワーク3は、レイアウト図面生成装置1と利用者端末2を通信可能に接続する計算機ネットワークである。ネットワーク3は周知の計算機ネットワークを用いてよく、例えばインターネットその他の広域ネットワークをもってネットワーク3としてもよいし、LAN(Local Area Network)を用いてネットワーク3を構成してもよいし、広域ネットワーク上にVPN(Virtual Private Netwoerk)を構築して、当該VPNをネットワーク3として用いてもよい。
【0035】
以上が本実施形態の一例におけるレイアウト図面生成装置1の構成である。次いで、本実施形態の一例における、レイアウト図面生成の流れについて説明する。
図2は、本実施形態の一例における、レイアウト図面を生成する流れを示すフロー図である。
【0036】
本実施形態の一例におけるレイアウト図面の生成では、先ず、利用者が利用者端末2を操作して、レイアウト図面の生成に使用するフロアデータを指定する(ステップS1)。前述のように、本実施形態の一例におけるレイアウト図面生成装置1はフロアデータ、すなわち複数のワーカが執務を行うオフィスが施工される空間の形状を含むデータを記憶部11に格納する。ステップS1では、利用者の操作により、記憶部11に予め格納されたフロアデータのいずれを用いてレイアウト図面を生成するかを指定する。なお、フロアデータをいずれのタイミングで記憶部11に格納するかは任意に選択してよく、例えばステップS1において利用者端末2から任意のレイアウト図面生成装置1に送信して、レイアウト図面生成装置1が当該送信されたフロアデータを記憶部11に格納するように構成してもよい。また、この場合、レイアウト図面1がメモリ上の所定の領域を一時的な情報を格納する記憶部11として用いるように構成している場合には、レイアウト図面の生成が完了するまでの一時的な情報として、当該フロアデータを上記メモリ上の所定の領域に格納するように構成してもよい。
【0037】
図3は、本実施形態の一例における、フロアデータの例を示す図であり、
図4は、本実施形態の一例における、
図3で示すフロアデータに含まれる空間の例を示す図である。
図3及び
図4で示す例のように、本実施形態の一例におけるフロアデータD1は、壁D12と、階段やエレベータ、化粧室その他の施設設備D12によって形成される形状の空間D2を含む情報である。なお、フロアデータD1の具体的な構成は任意に選択してよく、例えば、フロアデータD1はビットマップ形式、ベクター形式その他の形式の画像データであってもよいし、所定のCAD(Computer-Aided Design)用データであってもよい。
【0038】
なお、本実施形態の一例では、フロアデータの例として
図3で示す建造物の一のフロアを用いているが、フロアデータはオフィスが施工される空間の形状を含む情報であればよく、例えば、一のフロア内の任意の区画に関する形状を含む情報をフロアデータとしてもよいし、或いは、一部又は全部が屋外となる空間の形状を含む情報をフロアデータとして用いてよい。
【0039】
次いで、ステップS1で指定したフロアデータD1について、レイアウト図面生成装置1の第1処理部12による第1処理を行う(ステップS2)。本実施形態の一例における第1処理は、前述のように、フロアデータD1に含まれる空間D2を用途に対応した1又は2以上のエリアに分割する処理である。
【0040】
図5は、本実施形態の一例における、第1処理を行った状態のフロアデータの例を示す図である。
図5で示すように、本実施形態の一例では、フロアデータD1に含まれる空間D2を、複数のワーカが集団で執務を行う用途に対応する集団執務エリアD31と、ワーカの各々が個人で執務を行う用途に対応する個人執務エリアD32と、会議を行う用途に対応する会議エリアD33と、サーバールーム、書庫、倉庫その他の業務支援に用いる用途に対応する業務支援エリアD34と、休憩室、談話室、食堂、更衣室その他の生活支援に用いる用途に対応する生活支援エリアD35と、特定の用途を定めない多目的用途に対応する多目的エリアD36の6種類のエリアD31~D36に分割されている。なお、空間D2を何種類のエリアに分割するかは任意に選択してよく、例えば、上記エリアD31~D36に加えて役員執務エリアを設けてもよいし、或いは、集団執務エリアD31を、個人執務エリアD32を区別しない執務エリアとして設けてもよい。
【0041】
本実施形態の一例では、レイアウト図面生成装置1がエリア推定モデル15aを備えており、第1処理部12はエリア推定モデル15aを用いて空間D2をエリアD31~D36に分割する。エリア推定モデル15aは前述のとおり、フロアデータの空間の形状に基づいて、当該空間を用途に対応した1又は2以上のエリアに分割する情報を推定する、機械学習によって生成された学習済みモデルである。また、レイアウト図面生成装置1はエリア推定モデル学習部15bを備えており、エリア推定モデル15bがフロアデータ及び当該エリアデータに含まれる空間を1又は2以上のエリアに分割する情報に基づいて生成した教師データを用いて、エリア推定モデル15aを機械学習によって生成する。
【0042】
また、本実施形態の一例では、レイアウト図面生成装置1が分割パターン指定部14aを備えており、利用者が利用者端末2を操作して分割パターンを指定した場合には、ステップS2は当該指定されたパターンに基づいて空間D2を1又は2以上のエリアD31~D36に分割する。なお、パターンを示す情報の具体的な構成、及び指定の具体的な方法は任意に選択してよく、例えば、複数のオフィスレイアウトの傾向の各々に応じてエリア推定モデル15aを複数生成しておき、利用者は分割パターンとして傾向又は当該傾向に対応するエリア推定モデル15aを指定することで、第1処理部12が用いるエリア推定モデル15aを選択できるように構成してよい。オフィスレイアウトの傾向は、例えば年代や、デザイン企業、デザイン担当者、オフィスの規模やワーカの構成比等をもって傾向としてよい。
【0043】
次いで、ステップS2で分割したエリアD31~エリアD36の各々について、レイアウト図面生成装置1の第2処理部13による第2処理、すなわち、エリアD31~エリアD36の各々について、対応する用途に基づいて1又は2以上の什器が配置された状態におけるオフィスのレイアウト図面の生成を行う(ステップS3)。本実施形態の一例では、第2処理部13は什器配置部13aとレンダリング部13bを備えており、ステップS3の第2処理も、具体的には什器配置部13aによる什器の配置処理と(ステップS31)、レンダリング部13bによるレンダリング処理と(ステップS32)、を含んでいる。
【0044】
ステップS31では、エリアD31~D36の各々について、対応する用途に基づいて1又は2以上の什器を配置する。
【0045】
図6は、本実施形態の一例における、什器を配置した状態の空間D2の例を示す図である。
図6で示すように、前述のステップS2によりエリアD31~D36に分割された空間D2には、エリアD31~D36の各々において、各エリアに対応する用途に基づいて1又は2以上の什器が配置される。
図6で示す例では、エリアD31~D32において配置される1又は2以上の什器を矩形上の図形によって示している。なお、いずれの什器がいずれの場所に配置されているかをどのような情報として構成するかは任意に選択してよいが、本実施形態の一例では、配置される什器の例えば椅子や机等の種類を示す情報並びに配置される位置、向き、及び大きさを示す情報を含む配置情報として構成されている。なお、什器は単一の什器を示す情報であってもよいし、或いは、所定の人数用の椅子及び机のように、複数の什器を一の什器として示す情報であってもよい。
【0046】
本実施形態の一例におけるレイアウト図面生成装置1は、前述のように什器配置推定モデル16aを備えており、ステップS31では、第2処理部13の什器配置部13aが什器配置推定モデル16aを用いて什器の配置を行う。什器配置推定モデル16aは、エリアD31~D36の各々について1又は2以上の什器の配置を推定する、機械学習によって生成された学習済みモデルである。また、レイアウト図面生成装置1は什器配置推定モデル学習部16bを備えており、エリアD31~D36を示す情報及びエリアD31~D36の各々に配置された1又は2以上の什器を示す情報に基づいて生成した教師データを用いて、機械学習により什器配置推定モデル16aを生成する。
【0047】
また、本実施形態の一例では、レイアウト図面推定装置1が配置パターン指定部14bを備えており、利用者が利用者端末2を操作して配置パターンを指定した場合には、ステップS31は当該指定されたパターンに基づいて什器を配置する。パターンを示す情報の具体的な構成、及び、指定の具体的な方法は前述のステップS2における分割パターンと同様に任意に選択してよく、例えば、複数のオフィスレイアウトの傾向の各々に応じて什器配置推定モデル16aを複数生成しておき、利用者は配置パターンとして傾向又は当該傾向に対応する什器配置推定モデル16aを指定することで、什器配置部13aが用いる什器配置推定モデル16aを選択できるように構成してよい。また、オフィスレイアウトの傾向は、例えば年代や、デザイン企業、デザイン担当者、オフィスの規模やワーカの構成比等をもって傾向としてよい。
【0048】
ステップS31による什器の配置が完了すると、次いで、レイアウト図面生成装置1のレンダリング部13bによるレイアウト図面の生成が行われる(ステップS32)。
【0049】
図7は、本実施形態の一例における、生成したレイアウト図面の例を示す図である。
図7で示すように、レイアウト図面Lは、前述のステップS31で什器が配置された状態におけるオフィスのレイアウトを示す図であり、本実施形態の一例では、ステップS1で指定したフロアデータD1上に、ステップS31で配置した什器の外観を示す什器画像を重畳的に表示する図面である。前述のステップS31で配置した什器を示す情報は前述の通り、什器の種類、並びに、什器の位置、向き、及び大きさであるが、ステップS32では什器の外観を示す什器画像をフロアデータD1上に重畳表示することにより、什器が配置された状態におけるオフィスのレイアウトを示すレイアウト図面L1を生成する。
【0050】
レイアウト図面Lの情報の具体的な構成は任意に選択してよく、例えば、レイアウト図面LはフロアデータD1に什器画像が重畳表示されたピクセル形式、ベクター形式その他の形式の画像データであってもよいし、或いは、所定のCAD用データであってもよい。また、レイアウト図面を生成する方法についても任意に選択してよく、例えば、什器に対応する什器画像をあらかじめレイアウト図面生成装置1のストレージ装置その他の記録領域に記録されている場合には、当該記録された什器画像を、対応する什器の位置及び向きにフロアデータD1に配置して生成するようにしてもよいし、或いは、フロアデータD1と配置された什器に基づいて、機械学習により生成された学習モデルを用いてレイアウト図面Lを生成するようにしてもよい。
【0051】
また、本実施形態の一例では、レイアウト図面生成装置1が什器指定部14cを備えており、利用者が利用者端末2を操作して、、レンダリング部13cが生成するレイアウト図面における什器の種別を指定した場合には、ステップS32は、当該指定された種別の什器の什器画像をフロアデータD1に重畳表示することにより、当該指定された種別の什器が配置された状態におけるオフィスのレイアウト図面を生成する。什器の種別は、製品シリーズやブランドその他の同一又は近似した特徴を有する製品群を識別する種別であり、什器の種別を指定することにより、任意の製品群の什器を配置した場合のレイアウト図面Lを生成するよう構成されている。
【0052】
本実施形態の一例の説明は以上であるが、本発明の実施形態は上記に限られない。例えば、本実施形態の一例では、レイアウト図面の生成においてステップS2~ステップS32までを連続的に実行しているが、当該ステップS2~S32の任意のタイミングで処理を中断又は停止して、当該中断又は停止した時点における処理結果を閲覧可能に構成してもよい。本実施形態の一例では、前述のように、ステップS2、ステップS31、及びステップS33の各処理においてパターンを指定できるように構成しており、ステップS2及び/又はステップS31が完了したタイミングで処理を中断又は停止して結果を閲覧可能に構成することで、ステップS2、ステップS31、及びステップS32の各処理を利用者が確認及び/又は検討しながらレイアウト図面の生成をすることができる。また、パターンを変えて実行したステップS2、ステップS31、ステップS32の一部又は全部の処理結果を一覧又は選択的に表示するように構成してもよい。
【0053】
その他の具体的な構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 レイアウト図面生成装置
11 記憶部
12 第1処理部
13 第2処理部
13a 什器配置部
13b レンダリング部
14a 分割パターン指定部
14b 配置パターン指定部
14c 什器指定部
15a エリア推定モデル
15b エリア推定モデル学習部
16a 什器配置推定モデル
16b 什器配置推定モデル学習部
2 利用者端末
3 ネットワーク