(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174461
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】旋回規制装置および建設機械
(51)【国際特許分類】
B66C 23/94 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
B66C23/94 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092294
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100139354
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 昌子
(72)【発明者】
【氏名】笹井 慎太郎
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA07
3F205CA01
3F205DA01
(57)【要約】
【課題】本開示は、上部旋回体または下部走行体の破損を抑止しつつ、簡便な構成で上部旋回体の旋回を抑止できる旋回規制装置の提供を目的とする。
【解決手段】本開示の旋回規制装置は、下部走行体と、この下部走行体上に水平方向に旋回可能に搭載される上部旋回体と、上記上部旋回体を駆動する動力源とを備える建設機械における上記上部旋回体の上記下部走行体に対する旋回を規制する旋回規制装置であって、上記上部旋回体を基点として上記下部走行体へ伸縮可能なロックピンと、上記上部旋回体の上記下部走行体に対する旋回角度を検出する旋回角度センサと、上記ロックピンの伸長状態または縮小状態を検出するロックピン伸縮検出器と、上記ロックピンの伸縮を制御する制御器とを備え、上記制御器が、上記動力源が始動している状態で、上記ロックピン伸縮検出器が上記ロックピンの縮小状態を検出しておらず、かつ上記旋回角度に基づく上記上部旋回体の旋回量が所定値以上となった場合に、上記ロックピンを縮小状態とする制御を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、この下部走行体上に水平方向に旋回可能に搭載される上部旋回体と、上記上部旋回体を駆動する動力源とを備える建設機械における上記上部旋回体の上記下部走行体に対する旋回を規制する旋回規制装置であって、
上記上部旋回体を基点として上記下部走行体へ伸縮可能なロックピンと、
上記上部旋回体の上記下部走行体に対する旋回角度を検出する旋回角度センサと、
上記ロックピンの伸長状態または縮小状態を検出するロックピン伸縮検出器と、
上記ロックピンの伸縮を制御する制御器と
を備え、
上記制御器が、上記動力源が始動している状態で、上記ロックピン伸縮検出器が上記ロックピンの縮小状態を検出しておらず、かつ上記旋回角度に基づく上記上部旋回体の旋回量が所定値以上となった場合に、上記ロックピンを縮小状態とする制御を行う旋回規制装置。
【請求項2】
上記ロックピン伸縮検出器が、ロックピンの伸長状態を検出するロックピン伸長検出部を有する請求項1に記載の旋回規制装置。
【請求項3】
上記ロックピン伸縮検出器が、ロックピンの縮小状態を検出するロックピン縮小検出部を有する請求項1または請求項2に記載の旋回規制装置。
【請求項4】
上記上部旋回体が、その旋回を制御する旋回レバーを有し、
上記制御器による上記ロックピンの伸縮の制御が、上記旋回レバーが上記上部旋回体を旋回させる位置にある場合に行われる請求項1に記載の旋回規制装置。
【請求項5】
上記制御器が、上記上部旋回体の旋回速さに対して段階的または連続的に上記所定値を変化させる請求項1に記載の旋回規制装置。
【請求項6】
上記建設機械が、上記上部旋回体の前部に起伏可能に取り付けられるアタッチメントを備えており、
上記制御器が、上記アタッチメントの起伏角度、上記アタッチメントの長さ、上記アタッチメントを介して吊り上げられる吊り荷の重さまたはこれらの組み合わせに対して段階的または連続的に上記所定値を変化させる請求項1または請求項5に記載の旋回規制装置。
【請求項7】
下部走行体と、
この下部走行体上に水平方向に旋回可能に搭載される上部旋回体と、
請求項1に記載の旋回規制装置と
を備える建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、旋回規制装置および建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばクレーン等の移動式の建設機械は、下部走行体と、この下部走行体上に水平方向に旋回可能に搭載される上部旋回体とを備える。このような建設機械を輸送する際、あるいは上記建設機械が操作されていない待機状態にある場合、意図しない上部旋回体の旋回が発生することを抑止するため、旋回規制装置を有する建設機械が公知である(例えば特開2012-241338号公報参照)。
【0003】
上部旋回体を下部走行体に固定する簡単な方法は、例えば上部旋回体から下部走行体へロックピンを挿入し、上部旋回体の旋回を物理的に規制する方法である。しかし、物理的に規制する方法では、例えばロックピンが本来のロック位置からずれて下部走行体に降りていた状態で上部旋回体を旋回させた場合や、ロックピンのロックが不十分で、その後の上部旋回体の旋回によりロック位置から外れてしまい、そのまま上部旋回体の旋回を継続した場合等に、ロックピンが下部走行体と干渉し、上部旋回体または下部走行体あるいは双方を破損させるおそれがある。
【0004】
この点、上記従来の建設機械では、旋回停止状態で連通切換弁へのパイロット圧の供給を遮断することで、意図しない上部旋回体の旋回を抑止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の建設機械では、上部旋回体または下部走行体の破損は抑止できるものの、上部旋回体の旋回の抑止にパイロット圧を制御するため、油圧システムが複雑化し、製造コストの上昇や油漏れの発生を生じるおそれがある。
【0007】
本開示は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、上部旋回体または下部走行体の破損を抑止しつつ、簡便な構成で上部旋回体の旋回を抑止できる旋回規制装置およびこの旋回規制装置を用いた建設機械の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る旋回規制装置は、下部走行体と、この下部走行体上に水平方向に旋回可能に搭載される上部旋回体と、上記上部旋回体を駆動する動力源とを備える建設機械における上記上部旋回体の上記下部走行体に対する旋回を規制する旋回規制装置であって、上記上部旋回体を基点として上記下部走行体へ伸縮可能なロックピンと、上記上部旋回体の上記下部走行体に対する旋回角度を検出する旋回角度センサと、上記ロックピンの伸長状態または縮小状態を検出するロックピン伸縮検出器と、上記ロックピンの伸縮を制御する制御器とを備え、上記制御器が、上記動力源が始動している状態で、上記ロックピン伸縮検出器が上記ロックピンの縮小状態を検出しておらず、かつ上記旋回角度に基づく上記上部旋回体の旋回量が所定値以上となった場合に、上記ロックピンを縮小状態とする制御を行う。
【0009】
本開示の別の一態様に係る建設機械は、下部走行体と、この下部走行体上に水平方向に旋回可能に搭載される上部旋回体と、本開示の旋回規制装置とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示の旋回規制装置および建設機械は、上部旋回体または下部走行体の破損を抑止しつつ、簡便な構成で上部旋回体の旋回を抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の一態様に係る建設機械を示す模式的側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す建設機械の下部走行体を示す模式的平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す建設機械の旋回規制装置を示す模式的断面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す旋回規制装置のシステム構成を示す模式図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す旋回規制装置のシステム動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0013】
本開示の一態様に係る旋回規制装置は、下部走行体と、この下部走行体上に水平方向に旋回可能に搭載される上部旋回体と、上記上部旋回体を駆動する動力源とを備える建設機械における上記上部旋回体の上記下部走行体に対する旋回を規制する旋回規制装置であって、上記上部旋回体を基点として上記下部走行体へ伸縮可能なロックピンと、上記上部旋回体の上記下部走行体に対する旋回角度を検出する旋回角度センサと、上記ロックピンの伸長状態または縮小状態を検出するロックピン伸縮検出器と、上記ロックピンの伸縮を制御する制御器とを備え、上記制御器が、上記動力源が始動している状態で、上記ロックピン伸縮検出器が上記ロックピンの縮小状態を検出しておらず、かつ上記旋回角度に基づく上記上部旋回体の旋回量が所定値以上となった場合に、上記ロックピンを縮小状態とする制御を行う。
【0014】
当該旋回規制装置では、動力源が始動している状態での上部旋回体の旋回に注目し、上記上部旋回体の旋回量が所定値以上である場合、意図する上部旋回体の動作であると判断し、ロックピンが縮小状態でない場合ロックピンを縮小状態とする制御を行う。このため、当該旋回規制装置は、ロックピンが下部走行体と干渉し、上部旋回体または下部走行体あるいは双方を破損させることを抑止できる。一方、上記上部旋回体の旋回量が所定値未満である場合は、ロックピンを縮小状態とする制御は行われない。このため、上部旋回体の旋回がロックピンにより規制され、意図しない上部旋回体の旋回を抑止することができる。当該旋回規制装置は、このように上部旋回体の旋回によりロックピンの伸縮を制御するので簡便な構成である。
【0015】
上記ロックピン伸縮検出器が、ロックピンの伸長状態を検出するロックピン伸長検出部を有するとよい。このように上記ロックピン伸縮検出器にロックピンの伸長状態を検出するロックピン伸長検出部を設けることで、ロックピンが伸長状態にあることからロックピンが縮小状態でないことを確定的に検知することができる。
【0016】
上記ロックピン伸縮検出器が、ロックピンの縮小状態を検出するロックピン縮小検出部を有するとよい。このように上記ロックピン伸縮検出器にロックピンの縮小状態を検出するロックピン縮小検出部を設けることで、ロックピンが伸長状態にあることに加えてロックピンが伸長と収縮との中間状態にある場合についてもロックピンが縮小状態でない場合に含めて検出することができる。このため、より確実にロックピンが下部走行体と干渉することを抑止できる。
【0017】
上記上部旋回体が、その旋回を制御する旋回レバーを有し、上記制御器による上記ロックピンの伸縮の制御が、上記旋回レバーが上記上部旋回体を旋回させる位置にある場合に行われるとよい。このように旋回レバーの位置を利用することで、上部旋回体の旋回が意図する上部旋回体の動作であることを、より確実に判断することができる。
【0018】
上記制御器が、上記上部旋回体の旋回速さに対して段階的または連続的に上記所定値を変化させるとよい。上記旋回速さが大きくなった場合に上記所定値を小さくすることで、確実にロックピンが下部走行体と干渉する前にロックピンを縮小状態とすることができる。また、上記旋回速さが小さい場合に上記所定旋回速さを大きくすることで、誤作動を低減することができる。
【0019】
上記建設機械が、上記上部旋回体の前部に起伏可能に取り付けられるアタッチメントを備えており、上記制御器が、上記アタッチメントの起伏角度、上記アタッチメントの長さ、上記アタッチメントを介して吊り上げられる吊り荷の重さまたはこれらの組み合わせによりロックピンが下部走行体と干渉した際に生じる衝撃の大きさが変わるため、衝撃が大きくなる条件で上記所定値を小さくすることで、上部旋回体または下部走行体の破損をより確実に抑止できる。また、衝撃が小さくなる条件では上記所定値を大きくすることで、誤作動を低減することができる。
【0020】
本開示の別の一態様に係る建設機械は、下部走行体と、この下部走行体上に水平方向に旋回可能に搭載される上部旋回体と、本開示の旋回規制装置とを備える。
【0021】
当該建設機械は、本開示の旋回規制装置を備えるので、上部旋回体または下部走行体の破損を抑止しつつ、簡便な構成で上部旋回体の旋回を抑止できる。
【0022】
ここで、「動力源が始動している状態」には、例えば旋回レバー等の操作によりすぐに始動できる状態も含むものとする。例えば動力源がエンジンである場合、アイドリング状態とアイドリングストップ状態が含まれる。「旋回角度」とは、上部旋回体が向いている方向を表す角度であり、例えば上部旋回体の前方が下部走行体の走行方向を向いている場合を0度として、時計回りに1周360度として表すことができる。また、「旋回量」とは、上部旋回体のある基準となる方向と上部旋回体が旋回した結果向いている方向との角度差を意味し、旋回後における旋回角度から基準となる方向の旋回角度を差し引いた角度に等しく、旋回方向により正負が生じる。「旋回速さ」とは、旋回量の時間微分係数の絶対値を指す。
【0023】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の一実施形態に係る旋回規制装置および建設機械について、適宜図面を参照しつつ説明する。
【0024】
〔建設機械〕
図1および
図2に示す建設機械1は、下部走行体2と、この下部走行体2上に水平方向に旋回可能に搭載される上部旋回体3と、上部旋回体3に起伏可能に取り付けられるアタッチメント4と、フック5と、アタッチメント4の先端からフック5を垂下するワイヤロープ6と、エンジン7と、本開示の旋回規制装置10とを備える。
【0025】
<下部走行体>
下部走行体2は、
図2に示すように、車幅方向に離間して配設される一対のクローラユニット8と、このクローラユニット8が着脱可能に取り付けられるカーボディ9とを備える。
【0026】
(クローラユニット)
クローラユニット8は、下部走行体2の走行装置であり、
図1に示すように、クローラフレーム8aと、このクローラフレーム8aに配設されるクローラ8bとを有する。
【0027】
(カーボディ)
カーボディ9は、上部旋回体3を支持し、上部旋回体3を旋回させるための旋回ベアリング9aと、一対のクローラユニット8間に架け渡されるフレーム9bとを有する。また、カーボディ9には、
図2に示すように、前後にカーボディウェイト9cが設けられていてもよい。
【0028】
<上部旋回体>
上部旋回体3は、下部走行体2上に水平方向に旋回可能に搭載される。上部旋回体3は、アタッチメント4の取り付け部に隣接する操縦者用キャビン3a、旋回レバー3bやアタッチメント4を起伏させる起伏ウインチ(不図示)等を有する。
【0029】
このうち、操縦者用キャビン3aは、操縦者が乗り込み、当該建設機械1の操作を行う場所である。
【0030】
旋回レバー3bは、上部旋回体3の旋回を制御する。旋回レバー3bは、操縦者用伽分3a内に設けられており、操縦者が操作することができる。
図1に示す旋回レバー3bは、スティック式のものであり、例えば手前に引くと上部旋回体3が旋回し、その引き量に応じて旋回する速さが変化するように構成されている。なお、
図1に示す旋回レバー3bは例示であり、旋回レバー3bはこの構成に限定されるものではない。
【0031】
<アタッチメント>
アタッチメント4は、上部旋回体3の前部に起伏(前側に倒伏、後側に起立するよう揺動)可能に取り付けられ、当該建設機械1は、このアタッチメント4を介して吊り荷を吊り上げられる。アタッチメント4はブームを有し、他にジブ、マスト等を有してもよい。
図1に示す建設機械1では、アタッチメント4(ブーム)は伸縮しないが、アタッチメント4は伸縮可能であってもよい。また、アタッチメント4は、先端部にワイヤロープ6を案内するシーブを有する。
【0032】
<フック>
フック5は、ワイヤロープ6の下端部に固定され、吊り荷の吊り上げあるいは吊り下ろしをするためのものである。
【0033】
<ワイヤロープ>
ワイヤロープ6は、アタッチメント4の先端部のシーブを経由して、上部旋回体3に設置されているウィンチ(不図示)に巻回されている。なお、上記ウィンチは、アタッチメント4の背側(アタッチメント4を倒伏した状態で上になる側)に設置してもよい。
【0034】
<エンジン>
エンジン7は、当該建設機械1の動力源であり、下部走行体2や上部旋回体3を駆動する。
【0035】
エンジン7は、エンジン本体と、外部から空気を吸引する冷却ファンと、上記空気により熱交換する熱交換器とを有する。また、エンジン7は、作動油を貯留する作動油タンクと、油圧機器を作動させる油圧ポンプ群と、上記油圧ポンプ群を駆動するパワーデバイダと、排気音や吸気音を低減するマフラーとを有する。
【0036】
エンジン7は、以下のように動作する。まず、上記作動油タンクに貯留されている作動油が、上記油圧ポンプ群に送られ、上記油圧ポンプ群により高圧化される。上記作動油は、メインバルブが操作されることによりその供給先が変更され、上部旋回体3の旋回、上記作動油によりアタッチメント4の姿勢変更や、フック5による吊り荷の移動、あるいは当該建設機械1の走行等の作業が行われる。
【0037】
〔旋回規制装置〕
旋回規制装置10は、それ自体が本開示の一態様である。当該旋回規制装置10は、上部旋回体3の下部走行体2に対する旋回を規制する。当該旋回規制装置10は、
図2乃至
図4に示すように、ロックピン11と、旋回角度センサ12と、ロックピン伸縮検出器13と、制御器14とを備える。
【0038】
<ロックピン>
ロックピン11は、上部旋回体3を起点として下部走行体2へ伸縮可能である。
図2および
図3に示すロックピン11は円柱状であるが、他の形状、例えば四角柱状等であってもよい。
【0039】
ロックピン11は伸長すると、下部走行体2に設けられている凹部15と嵌合し、上部旋回体3の下部走行体2に対する旋回を規制することができる。凹部15は、ロックピン11と嵌合し、ロックピン11を固定可能な形状とされる。なお、凹部15には遊びがあるとよい。凹部15の遊びとしては、ロックピン11が3度以上5度以下の範囲で回転可能であることが好ましい。このように遊びを設けることで、ロックピン11の凹部15との嵌合により上部旋回体3の回転が規制されている状態で、上部旋回体3を意図的に旋回させた場合にあっても、当該旋回規制装置10によりロックピン11や凹部15の破損を防止することができる。
【0040】
図2では、上部旋回体3が下部走行体2の走行方向前方に向いて固定された場合に、ロックピン11が上部旋回体3の後方側に位置する構成としているが、ロックピン11の位置はこれに限定されず、任意の位置に設けることができる。凹部15は、上部旋回体3が下部走行体2の走行方向前方に向いて固定された場合に、ロックピン11が嵌合する位置に設けられる。
【0041】
ロックピン11の伸縮は、
図3に示すように、油圧シリンダ16とバネ17とを用いて行うことができる。例えばロックピン11が縮小状態にある場合、バネ17が自然長となるように構成し、油圧シリンダ16に油圧を加えて油圧シリンダ16を伸長させることで、ロックピン11を伸長させ、油圧シリンダ16の油圧を減少することで、バネ17の弾性力によりロックピン11を縮小させる構成とすることができる。
【0042】
<旋回角度センサ>
旋回角度センサ12は、上部旋回体3の下部走行体2に対する旋回角度を検出する。
【0043】
旋回角度センサ12は、例えば
図2に示すように上部旋回体3の旋回中心に実装するポテンショメータとすることができる。ポテンショメータによる電圧から上部旋回体3の向き(例えば走行方向前方に対する角度)を知ることができる。そして、例えばポテンショメータにより検出される旋回開始時の上部旋回体3の向きと現時点での上部旋回体3の向きとの角度差から上部旋回体3の旋回量および旋回方向を求めることができる。あるいは、上部旋回体3を旋回させる旋回モータの回転角度から算出してもよく、旋回ベアリングの回転移動量から検知してもよい。
【0044】
<ロックピン伸縮検出器>
ロックピン伸縮検出器13は、ロックピン11の伸長状態または縮小状態を検出する。ロックピン伸縮検出器13は、ロックピン伸長検出部13aと、ロックピン縮小検出部13bとを有する。
【0045】
ロックピン伸長検出部13aは、ロックピン11の伸長状態を検出する。ロックピン縮小検出部13bは、ロックピン11の縮小状態を検出する。ロックピン伸長検出部13aおよびロックピン縮小検出部13bには、油圧シリンダ16内部のロッドを検出できる磁気センサを用いることができる。
図3に示すように、ロックピン伸長検出部13aは、油圧シリンダ16の下方側部に配置され、ロックピン縮小検出部13bは、油圧シリンダ16の上方側部に配置される。ロックピン伸長検出部13aからみた油圧シリンダ16の中心軸方向(ロックピン伸長検出部13aから中心軸に降ろした垂線)と、ロックピン縮小検出部13bからみた油圧シリンダ16の中心軸方向(ロックピン縮小検出部13bから中心軸に降ろした垂線)とは、磁気センサ同士の干渉を避けるため、平行とならないことが好ましい。
【0046】
なお、ロックピン伸縮検出器13は、磁気センサに限定されるものではなく、例えば機械的なリミットスイッチや、カメラで撮影した画像を解析することでロックピン11の状態を検出してもよい。
【0047】
<制御器>
制御器14は、ロックピン11の伸縮を制御する。制御器14は、演算制御機能を有する例えばマイクロコンピュータにより構成することができる。
【0048】
制御器14は、エンジン7が始動している状態で、ロックピン伸縮検出器13がロックピン11の縮小状態を検出しておらず、かつ上記旋回角度に基づく上部旋回体3の旋回量が所定値以上となった場合に、ロックピン11を縮小状態とする制御を行う。この制御器14によるロックピン11の旋回規制の制御方法を
図5のフロー図を用いて説明する。上記制御方法は、第1判定工程S1と、第2判定工程S2と、第3判定工程S3と、第4判定工程S4と、ロックピン縮小工程S5と、第5判定工程S6とを備える。
【0049】
(第1判定工程)
第1判定工程S1では、エンジン7が始動中であるか否かを判定する。エンジン7が始動中ではない場合は、上部旋回体3の旋回は意図された動作ではないため、以下の処理は行わない。そのまま第1判定工程S1を繰り返し、エンジン7が始動されるまで待機する。一方、エンジン7が始動中である場合は、第2判定工程S2の処理を行う。
【0050】
なお、エンジン7が始動中であっても、旋回角度センサ12により検知される旋回角度が、ロックピン11が凹部15にロックされる位置を示している場合には、第2判定工程S2の処理は行わず、このまま終了してもよい。この場合、仮にロックピン11が伸長状態にあっても、ロックピン11により正常にロックされた状態であると考えられるため、操縦者が意図的にロックを解除しない限り、ロック状態が保持されることになる。このため、操縦者の誤操作による意図しないロック解除を防ぐことができる。
【0051】
逆に、旋回角度センサ12により検知される旋回角度が、ロックピン11が凹部15にロックされる位置を示していても、第2判定工程S2の処理を行ってもよい。この場合、上部旋回体3が旋回すると、ロックが解除されることになり、仮に正常にロックされた状態にあり、操縦者がロックを解除し忘れたまま上部旋回体3を旋回させても、上部旋回体3または下部走行体2の破損を抑止することができる。
【0052】
さらに、旋回角度センサ12により検知される旋回角度が、ロックピン11が凹部15にロックされる位置を示している場合に、処理を終了するか、第2判定工程S2の処理を行うかを切り替え可能に構成してもよい。当該建設機械1の使用状態等に応じて最適な処理を選択できるようになる。
【0053】
(第2判定工程)
第2判定工程S2では、旋回レバー3bが入れられたか否かを判定する。「旋回レバー3bが入れられた」とは、操縦者により上部旋回体3の旋回が開始されたことを意味する。つまり、旋回レバー3bが入れられたか否かを判定することで、上部旋回体3に生じた旋回が操縦者による意図的なものであるか、例えば地盤の傾斜や風等により意図せず生じた旋回であるのかを見極めることが可能となる。
【0054】
旋回レバー3bが入れられていない場合は、上部旋回体3の旋回は意図された動作ではないため、以下の処理は行わない。第1判定工程S1に戻る。一方、旋回レバー3bが入れられている場合は、第3判定工程S3の処理を行う。このように当該旋回規制装置10では、制御器14によるロックピン11の伸縮の制御が、旋回レバー3bが上部旋回体3を旋回させる位置にある場合に行われる。旋回レバー3bの位置を利用することで、上部旋回体3の旋回が意図する上部旋回体3の動作であることを、より確実に判断することができる。また、ロックピン11が縮小状態にない場合でも、旋回レバー3bが入れられるまでロックピン11をその状態に保つことで、例えば地盤の傾斜や風等により意図せず旋回することを抑止できる。
【0055】
旋回レバー3が入れられているか否かは、例えば以下のようにして判定することができる。(1)旋回レバー3bの向き(角度)を検知し、所定の変位を超えている場合、旋回レバー3bが入れられていると判定する。(2)旋回レバー3bの動きにより作動する油圧バルブの動作状態により判定する。(3)上記油圧バルブの動作により流れる油の配管中の圧力から判定する。(4)旋回モータが始動または回転したことから判定する。(5)旋回レバー3bが電気レバーである場合、旋回レバー3bの操作によって発生する電流または電圧から判定する。
【0056】
旋回レバー3が入れられていることを最初に検知した場合、制御器14は、その時点での上部旋回体3の方向を基準となる方向の旋回角度を、基準旋回角度として抽出し、記憶しておく。
【0057】
(第3判定工程)
第3判定工程S3では、ロックピン11が縮小状態にあるか否か判断する。縮小状態にある場合、上部旋回体3は旋回を規制されていない状態にあるため、以下の処理は行わず、第1判定工程S1に戻る。一方、ロックピン11が縮小状態にない場合は、第4判定工程S4の処理を行う。
【0058】
当該旋回規制装置10では、ロックピン伸縮検出器13がロックピン伸長検出部13aと、ロックピン縮小検出部13bとを有しているので、以下の状態を判定可能である。ロックピン伸長検出部13aが伸長状態を検出している場合、ロックピン11は伸長状態にあり、上部旋回体3の旋回を規制し得る位置にあることが分かる。ロックピン縮小検出部13bが縮小状態を検出している場合、ロックピン11は縮小状態にあり、上部旋回体3は旋回は規制されていない状態にあることが分かる。ロックピン伸長検出部13aおよびロックピン縮小検出部13bがそれぞれの状態を検出していない場合は、ロックピン11は伸長と収縮との中間位置に存在していることが分かる。この場合、縮小状態にあるとしてもよく、縮小状態にないとしてもよいが、中間位置にあるロックピン11が上部旋回体3の旋回により下部走行体2と干渉する可能性が否定できないため、縮小状態にないとすることが好ましい。なお、ロックピン伸長検出部13aおよびロックピン縮小検出部13bがそれぞれの状態を検出することは、原理的には生じ得ない。
【0059】
(第4判定工程)
第4判定工程S4では、旋回角度センサ12の検知する旋回角度に基づく上部旋回体3の旋回量が所定値以上であるか否かを判定する。上記旋回量は、現在の旋回角度から第2判定工程S2で記憶した基準旋回角度との角度差として計算できる。
【0060】
ここで上部旋回量が上記所定値より小さい場合は、上部旋回体3または下部走行体2の破損は生じ得ない範囲にあるとして、以下の処理は行わず、第1判定工程S1に戻る。
【0061】
一方、上記旋回量が上記所定値以上である場合は、ロックピン11による上部旋回体3の旋回の規制が維持された状態であれば、その上部旋回体3の旋回力により上部旋回体3または下部走行体2の破損が生じるおそれがある。あるいは、ロックピン11自体が破損することも考えられる。このため、以下のロックピン縮小工程S5の処理を行う。
【0062】
上記所定値の値としては、上部旋回体3の旋回が規制すべき旋回量であるか否かを切り分けられる値とされる。ロックピン11、上部旋回体3または下部走行体2の破損の有無は、旋回量の絶対値と衝撃力(速度、加速度および質量等)とにより決まると考えられる。従って、上記所定値は、建設機械1のロックピン11等の構造、強度、上部旋回体3の旋回速度等によって異なり得るが、上記所定値としては、5度以下が好ましい。上記所定値の値を大きく取り過ぎると、上部旋回体3が大きく旋回してもロックピン11は縮小状態に移行しないため、下部走行体2の部材に衝突し、上部旋回体3または下部走行体2の破損が生じるおそれが高まる。この観点からは、上記所定値の値は小さくとることが好ましい。逆に、上記所定値の値を小さく取り過ぎると、当該建設機械1の振動等によるわずかな旋回も上部旋回体3の意図した旋回であると誤判断し易くなる。この誤判断が生じた場合、意図しない上部旋回体3の旋回を規制できないこととなる。この観点からは、上記所定値の値は大きくとることが好ましい。上記所定値の値はこれらの観点から好適値が選択される。
【0063】
制御器14は、上部旋回体3の旋回速さ(角速度)に対して段階的または連続的に上記所定値を変化させるとよい。上記旋回速さが大きくなった場合に上記所定値を小さくすることで、ロックピン11が下部走行体2と干渉する前にロックピン11を縮小状態とし易い。また、上記旋回速さが小さい場合に上記所定値を大きくすることで、誤作動を低減することができる。
【0064】
制御器14が、アタッチメント4の起伏角度、アタッチメント4の長さ(アタッチメント4が伸縮する場合)、アタッチメント4を介して吊り上げられる吊り荷の重さまたはこれらの組み合わせに対して段階的または連続的に上記所定値を変化させるとよい。アタッチメント4の起伏角度、アタッチメント4の長さ、上記吊り荷の重さまたはこれらの組み合わせによりロックピン11が下部走行体2と干渉した際に生じる衝撃の大きさが変わるため、衝撃が大きくなる条件で上記所定値を小さくすることで、上部旋回体3または下部走行体2の破損をより確実に抑止できる。また、衝撃が小さくなる条件では上記所定値を大きくすることで、誤作動を低減することができる。上記所定値の好適値は、アタッチメント4の起伏角度およびアタッチメント4の長さから求められる作業半径(旋回中心から上記吊り荷までの水平距離)、上記吊り荷の重さに加えて、上部旋回体3の質量、アタッチメント4の質量等を加味して算出することができる。
【0065】
(ロックピン縮小工程)
ロックピン縮小工程S5は、エンジン7が始動している状態で、ロックピン伸縮検出器13がロックピン11の縮小状態を検出しておらず、かつ上記旋回角度に基づく上部旋回体3の旋回量が所定値以上となった場合に、実施される。具体的には、ロックピン縮小工程S5では、制御器14がロックピン11を縮小状態とする制御を行う。
【0066】
(第5判定工程)
第5判定工程S6では、ロックピン11が縮小状態となったか否かを判定する。縮小状態にある場合、処理は終了する。一方、ロックピン11が縮小状態にない場合は、ロックピン縮小工程S5の処理を継続して行う。
【0067】
処理が終了するとロックピン11が縮小状態となっている。その後、上部旋回体3の操作が終了し、再度ロックピン11が下部走行体2に伸長されると、第1判定工程S1から処理が開始される。
【0068】
<利点>
当該旋回規制装置10では、エンジン7が始動している状態での上部旋回体3の旋回に注目し、上部旋回体3の旋回量が所定値以上である場合、意図する上部旋回体3の動作であると判断し、ロックピン11が縮小状態でない場合ロックピン11を縮小状態とする制御を行う。このため、当該旋回規制装置10は、ロックピン11が下部走行体2と干渉し、上部旋回体3または下部走行体2あるいは双方を破損させることを抑止できる。一方、上部旋回体3の旋回量が所定値未満である場合は、ロックピン11を縮小状態とする制御は行われない。このため、上部旋回体3の旋回がロックピン11により規制され、意図しない上部旋回体3の旋回を抑止することができる。当該旋回規制装置10は、このように上部旋回体3の旋回によりロックピン11の伸縮を制御するので簡便な構成である。
【0069】
当該建設機械1は、本開示の旋回規制装置10を備えるので、上部旋回体3または下部走行体2の破損を抑止しつつ、簡便な構成で上部旋回体3の旋回を抑止できる。
【0070】
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載および技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換または追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
【0071】
上記実施形態では、アタッチメントがブームを有する建設機械を例にとり説明したが、ブームは必須の構成要素ではなく、ブームを有さない建設機械にも本開示の旋回規制装置を用いることができる。
【0072】
上記実施形態では、建設機械としてクレーンの場合を説明したが、他の種類の建設機械であってもよい。当該建設機械は、例えば油圧ショベルやホイールローダ等であってもよい。
【0073】
上記実施形態では、建設機械の動力源がエンジンである場合を説明したが、上記動力源はエンジンに限定されるものではなく、例えばバッテリ、燃料電池等で駆動される電動機等であってもよい。
【0074】
上記実施形態では、建設機械の走行装置がクローラである場合を説明したが、上記走行装置は、ホイールであってもよい。
【0075】
上記実施形態では、ロックピン伸縮検出器がロックピン伸長検出部とロックピン縮小検出部とを有する場合を説明したが、ロックピン伸縮検出器がいずれか一方のみを有する構成とすることもできる。
【0076】
ロックピン伸縮検出器がロックピン伸長検出部のみを有する場合、ロックピンが伸長状態にあることを検知し、制御器はロックピンが縮小状態でないと判断する。一方、ロックピン伸縮検出器がロックピン縮小検出部のみを有する場合、ロックピンが縮小状態であることを検知できないことから制御器はロックピンが縮小状態でないと判断する。両者は、ロックピンが伸長と収縮との中間状態について、ロックピン伸長検出部のみを有する場合は縮小状態にあると判断するのに対し、ロックピン縮小検出部のみを有する場合は縮小状態にないと判断する点で相違する。従って、上記ロックピン伸縮検出器にロックピンの伸長状態を検出するロックピン伸長検出部を設ける場合、ロックピンが伸長状態にあることからロックピンが縮小状態でないことを確定的に検知することができる。一方、上記ロックピン伸縮検出器にロックピンの縮小状態を検出するロックピン縮小検出部を設ける場合、ロックピンが伸長状態にあることに加えてロックピンが伸長と収縮との中間状態にある場合についてもロックピンが縮小状態でない場合に含めて検出することができるので、より確実にロックピンが下部走行体と干渉することを抑止できる。
【0077】
上記実施形態では、制御器によるロックピンの伸縮の制御が、旋回レバーが上部旋回体を旋回させる位置にある場合に行われる場合を説明したが、ロックピンの伸縮の制御を旋回レバーの位置により行うことは必須ではなく、旋回レバーの位置によらず制御を行ってもよい。この場合、エンジン(動力源)が始動していれば、上部旋回体の旋回は意図したものであると仮定して以降の処理をしてもよい。
【0078】
あるいは、上部旋回体の旋回が意図したものであるか否かを、旋回速さを用いて判断してもよい。上部旋回体の旋回が意図しない旋回である場合、その旋回速さは遅いと考えられる。一方、上部旋回体の旋回が意図して行われたものである場合、エンジン(動力源)の動力により旋回するものであるため、その旋回速さは意図しない旋回に対して速いと考えられる。この旋回速さの差に着目して規制すべき旋回であるか、本来の動作による旋回であるのかを判断し得る。具体的には、その閾値を設け、上記旋回速さが閾値以上である場合に、上部旋回体の旋回は意図したものであると判断して以降の処理をしてもよい。
【0079】
なお、いずれの処理においても、第3判定工程に入る直前に基準旋回角度の抽出を行うとよい。
【0080】
制御器による制御方法は、
図5に示すフローに限定されるものではない。
図5に示すフローにおいて、例えば第4判定工程で、旋回量が所定値未満であると判断された場合、第1判定工程に戻るが、第3判定工程に戻ってもよく、第4判定工程を繰り返し行ってもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、第2判定工程で旋回レバーが入れられていることを最初に検知した場合に基準旋回角度を抽出する場合を説明したが、基準旋回角度は第3判定工程でロックピンが縮小状態にない場合に抽出してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明の旋回規制装置および建設機械は、上部旋回体または下部走行体の破損を抑止しつつ、簡便な構成で上部旋回体の旋回を抑止できる。
【符号の説明】
【0083】
1 建設機械
2 下部走行体
3 上部旋回体
3a 操縦者用キャビン
3b 旋回レバー
4 アタッチメント
5 フック
6 ワイヤロープ
7 エンジン
8 クローラユニット
8a クローラフレーム
8b クローラ
9 カーボディ
9a ベアリング
9b フレーム
9c カーボディウェイト
10 旋回規制装置
11 ロックピン
12 旋回角度センサ
13 ロックピン伸縮検出器
13a ロックピン伸長検出部
13b ロックピン縮小検出部
14 制御器
15 凹部
16 油圧シリンダ
17 バネ