(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174480
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】表示言語管理システム、操作装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20241210BHJP
【FI】
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092329
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【弁理士】
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100135530
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 智代
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 浩之
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA07
5E555AA17
5E555BA84
5E555BA87
5E555BB08
5E555BE07
5E555CA42
5E555CB47
5E555CB67
5E555CC03
5E555DC07
5E555DC86
5E555EA05
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】面倒な操作を行うことなく、操作者に適した言語で、管理対象の装置に関する表示を行うことを目的とする。
【解決手段】操作対象の装置に関する情報を、予め設定された初期言語で表示部に表示させる表示処理部と、第1の操作者を識別する識別情報を取得する取得部と、識別情報に対応付けられた登録言語を特定する特定部と、を備え、表示処理部は、識別情報を取得した場合に、表示部に表示されている画面の表示言語を、識別情報に対応付けられた登録言語に変更し、さらに、表示言語の変更後、所定の条件を満たす場合に、表示言語を、初期言語に戻す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作対象の装置に関する情報を、予め設定された初期言語で表示部に表示させる表示処理部と、
第1の操作者を識別する識別情報を取得する取得部と、
前記識別情報に対応付けられた登録言語を特定する特定部と、
を備え、
前記表示処理部は、
前記識別情報を取得した場合に、前記表示部に表示されている画面の表示言語を、前記識別情報に対応付けられた前記登録言語に変更し、さらに、前記表示言語の変更後、所定の条件を満たす場合に、前記表示言語を、前記初期言語に戻す、表示言語管理システム。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記装置における異常を示す警告画面の表示中に、前記識別情報を取得した場合に、前記警告画面の前記表示言語を、前記識別情報に対応付けられた前記登録言語に変更する、請求項1に記載の表示言語管理システム。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記装置に運転開始指示が入力された場合に、前記表示言語を、前記初期言語に戻す、請求項2に記載の表示言語管理システム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記装置において、予め設定された期間、操作者による操作が行われなかった場合に、前記表示言語を前記初期言語に戻す、請求項1に記載の表示言語管理システム。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記画面の前記表示言語を変更した後で、第2の操作者の識別情報を取得した場合に、前記表示言語を、前記第2の操作者の前記識別情報に対応付けられた登録言語に変更する、請求項1に記載の表示言語管理システム。
【請求項6】
前記表示部に表示される初期画面に、前記表示言語の変更ボタンが表示され、
前記初期画面における前記変更ボタンの選択に応じて、前記表示言語が設定される、請求項1に記載の表示言語管理システム。
【請求項7】
操作対象の装置に関する情報を、予め設定された初期言語で表示部に表示させる表示処理部と、
第1の操作者を識別する識別情報を取得する取得部と、
を備え、
前記表示処理部は、
前記識別情報を取得した場合に、前記表示部に表示されている画面の表示言語を、前記識別情報に対応付けられた登録言語に変更し、さらに、前記表示言語の変更後、所定の条件を満たす場合に、前記表示言語を、前記初期言語に戻す、操作装置。
【請求項8】
コンピュータを、
操作対象の装置に関する情報を、予め設定された初期言語で表示部に表示させる表示処理部、及び
第1の操作者を識別する識別情報を取得する取得部
として機能させ、
前記表示処理部は、
前記識別情報を取得した場合に、前記表示部に表示されている画面の表示言語を、前記識別情報に対応付けられた登録言語に変更し、さらに、前記表示言語の変更後、所定の条件を満たす場合に、前記表示言語を、前記初期言語に戻す、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示言語管理システム、操作装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場においては、国籍の異なるオペレータが装置の操作を行っている。例えば、日本国内の工場においても、日本語の理解が十分でない外国人が操作を行っている。このため、工場内の製造装置の操作パネルも複数言語に対応している場合が多い。特許文献1には、生産機械の操作パネルに、日本語と、その日本語の発音の読みに対応するヘボン式のローマ字との切り替え表示を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術においては、言語を切り替えるためには、その権限を有する操作者が言語設定画面を表示させ、言語設定画面において言語切り替えの操作を行う必要がある。このように、従来技術においては、言語を切り替えるためには言語設定のための画面を表示させる必要があった。このため、例えば、操作者が言語切り替えを行わず、自身が理解できない言語に設定された状態で、警告画面が表示された場合には、速やかな対応を行うことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、面倒な操作を行うことなく、操作者に適した言語で、管理対象の装置に関する表示を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示言語管理システムであって、操作対象の装置に関する情報を、予め設定された初期言語で表示部に表示させる表示処理部と、第1の操作者を識別する識別情報を取得する取得部と、前記識別情報に対応付けられた登録言語を特定する特定部と、を備え、前記表示処理部は、前記識別情報を取得した場合に、前記表示部に表示されている画面の表示言語を、前記識別情報に対応付けられた前記登録言語に変更し、さらに、前記表示言語の変更後、所定の条件を満たす場合に、前記表示言語を、前記初期言語に戻す。
【0007】
本発明の他の形態は、操作装置であって、操作対象の装置に関する情報を、予め設定された初期言語で表示部に表示させる表示処理部と、第1の操作者を識別する識別情報を取得する取得部と、を備え、前記表示処理部は、前記識別情報を取得した場合に、前記表示部に表示されている画面の表示言語を、前記識別情報に対応付けられた登録言語に変更し、さらに、前記表示言語の変更後、所定の条件を満たす場合に、前記表示言語を、前記初期言語に戻す。
【0008】
本発明の他の形態は、プログラムであって、コンピュータを、操作対象の装置に関する情報を、予め設定された初期言語で表示部に表示させる表示処理部、及び第1の操作者を識別する識別情報を取得する取得部として機能させ、前記表示処理部は、前記識別情報を取得した場合に、前記表示部に表示されている画面の表示言語を、前記識別情報に対応付けられた登録言語に変更し、さらに、前記表示言語の変更後、所定の条件を満たす場合に、前記表示言語を、前記初期言語に戻す。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、面倒な操作を行うことなく、操作者に適した言語で、管理対象の装置に関する表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】操作者テーブルのデータ構成例を示す図である。
【
図9】表示言語切替処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、表示言語管理システム1の全体構成を示す図である。表示言語管理システム1は、包装装置10と、管理装置20と、を備えている。包装装置10と、管理装置20は、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して接続する。包装装置10は、包材を筒状に成形し、被包装品が詰め込まれた包装体を生成する装置である。管理装置20は、包装装置10を管理する。本実施形態の管理装置20は、包装装置10に表示される、包装装置10に関する情報を示す表示言語の切り替えを行う。具体的には、管理装置20は、表示言語を例えば日本語、英語等、操作者が使用する言語に切り替える。なお、包装装置10に関する情報には、包装装置10の状態を示す情報や、操作の案内、包装装置10のエラー情報等が含まれる。また、包装装置10は、操作対象の装置の一例である。なお、装置としては、縦ピロー包装装置、横ピロー包装装置といった包装装置の他、包装体を詰める段ボールを成形する成形装置など、包装に係る装置も含まれる。さらに、装置は、操作者による操作の対象となる装置であればよく、包装に係る装置に限定されるものではない。装置としては、例えば、製造装置や検査装置などが挙げられる。
【0012】
図1においては、包装装置10を1台のみを示しているが、表示言語管理システム1は、複数台の包装装置10を備え、管理装置20は、複数台の包装装置10それぞれを管理するものとする。例えば、工場内において、複数台の包装装置10が設置されており、管理装置20は、これらの管理を行う。また、当該工場においては、複数の操作者が複数台の包装装置10の操作を担当する。例えば、5台の包装装置10を2人の操作者で担当する、というように、1台の包装装置10の操作を複数の操作者が担当することが想定される。
【0013】
図2は、包装装置10の概略外観図である。包装装置10は、包装装置本体100と、操作装置120とを備えている。
図3は、包装装置本体100の全体構成を示す斜視図である。
図2に示す包装装置本体100は、縦ピロー包装装置である。操作装置120には、主に操作パネル130と、非常停止ボタン132と、運転開始ボタン134と、が設けられている。なお、操作装置120には、これ以外にも、包装装置10の操作のためのボタンが設けられてもよい。操作パネル130は、ディスプレイとタッチパネルを含み、各種情報を表示し、ユーザ操作を受け付ける。非常停止ボタン132は、包装装置10の動作を停止させるためのボタンである。運転開始ボタン134は、包装装置10の運転を開始させるためのボタンである。操作装置120にはさらに、撮影部(カメラ)128が設けられている。撮影部128は、操作者の認証のための顔画像の撮影に用いられる。
【0014】
図3において、111は包材(包装材料)供給部、112は張力調整部、112aは搖動機構、113は日付印字部、113aは日付印字装置、113bは昇降ローラ、114は被包装品供給部、114aはホッパー、114bは充填筒である。115は製筒部、115aは製筒器(フォーマ)、115bは押さえ部材、115cはスライドローラ、116は包材送り部、116aはプーリー、116bは送りベルトである。117は縦シール部、117a、117bは縦シールブロックである。118は横シール・切断部、118a、118bは横シールブロック、118am、118bmは中央溝、118as、118bsはシール面、119は包装体排出部、119aはベルトコンベアである。Fiは包材(フィルム)、grはガイドローラ、MRは巻取り包材、Baは袋、Pcは包装体、tsは縦シール部分、ysは横シール部分である。
【0015】
包装装置本体100は、包材(包装材料)供給部111、張力調整部112、日付印字部113、被包装品供給部114、製筒部115、包材送り部116、縦シール部117、横シール・切断部118、包装体排出部119等を備えている。
【0016】
包材供給部111は、巻取り包材MRを繰り出す巻取り包材供給装置(図示せず)等を備え、巻取り包材MRから包材Fiを繰り出す。張力調整部112は、複数のローラやフレーム等を搖動する搖動機構112aを備え、包材供給部111から繰り出される包材Fiに急激な張力がかからないようにその張力を調整する。
【0017】
日付印字部113は、日付印字装置113a、昇降ローラ113b等を備え、包材Fiに日付印字を行う。被包装品供給部114は、上部がホッパー114aとなっている充填筒114b、被包装品投入装置(図示せず)等を備え、被包装品投入装置より投入されるスナック菓子等の被包装品をホッパー114aで受けて充填筒114bに充填する。
【0018】
製筒部115は、製筒器115a、押さえ部材115b、スライドローラ115c等を備える。製筒部115は、包材供給部111より繰り出されて日付印字部113で日付が印字された包材Fiを、スライドローラ115cで案内し、製筒器115aで筒状に成形して押さえ部材115bにより充填筒114b外周面に押し付ける。包材送り部116は、プーリー116a、送りベルト116b、モータ(図示せず)等を備えた一対の包材送り機構を充填筒114bの両側に配置し、充填筒114bの外周面を包んでいる包材Fiを、一定の長さだけ下方に送る。
【0019】
縦シール部117は、縦シールブロック117a、117b、ヒータ(図示せず)等を備え、充填筒114bの外周面包んで重ね合わされた包材Fiの両端部分に縦シールを施して縦シール部分tsを形成する。横シール・切断部118は、横シールブロック118a、118b、ヒータ(図示せず)、切断装置(図示せず)等を備える。横シールブロック118a、118bは、中央溝118am、118bmとシール面118as、118bsを有し、被包装品が充填された縦シール済包材に対して、シール面118as、118bsにより横シールを施して横シール部分ysを形成する。そして、一方の中央溝118amから突出して他方の中央溝118bmに進入する切断刃(図示せず)により、横シール部分ysの中央部が切断されることで袋Baが形成され、袋Baの中に被包装品が詰め込まれた包装体Pcが生成される。包装体排出部119は、ベルトコンベア119a等を備え、包装体Pcをベルトコンベア119aにより排出する。
【0020】
図1に示す包装装置10の操作装置120は、第1制御部121と、第1記録媒体124と、第1通信部125と、表示部126と、入力部127と、撮影部128と、を備えている。第1制御部121は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等、プロセッサが処理を実行するためのメモリとを含み、各種の処理を実行する。第1制御部121は、第1記録媒体124やROMなどに格納された種々のプログラムを実行する。本実施形態の第1制御部121は、第1記録媒体124に格納されたプログラムを実行することにより、包装装置10の全体を制御する。第1通信部125は、ネットワークNを介して管理装置20などの外部装置との通信を行う装置である。第1制御部121による情報の送受信は、第1通信部125を介して行われる。
【0021】
表示部126は、各種情報を表示する表示装置である。入力部127は、操作者による指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースである。表示部126と入力部127は、前述の操作パネル130として一体に設けられているものとする。なお、他の例としては、表示部126と入力部127は、それぞれ別の部材として設けられてもよい。撮影部128は、操作者の顔画像を撮影するカメラである。
【0022】
第1制御部121は、取得部122と、表示処理部123を備えている。取得部122及び表示処理部123の機能は、プロセッサが第1記録媒体124などに格納されるプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現される。すなわち、取得部122及び表示処理部123が実行するものとして記載する処理は、第1制御部121が実行する処理である。取得部122は、撮影部128から操作者の顔画像を取得する。ここで、操作者の顔画像は、操作者を識別する識別情報の一例である。表示処理部123は、表示部126(操作パネル130)への各種情報の表示を行う。表示処理部123は、例えば、表示される言語の切り替えを行う。
【0023】
なお、本実施形態においては、操作装置120は、包装装置本体100と共に、包装装置10として一体に設けられているものとするが、これらは別の装置として設けられてもよい。
【0024】
管理装置20は、例えば据置型の汎用コンピュータやクラウド型のサーバ等により構成される。管理装置20は、包装装置10の操作装置120における表示言語の切り替えを行う。なお、管理装置20は、これ以外にも、例えば、操作者の認証、操作者による作業履歴の記録等、操作者の管理に係る処理を行うが、以下においては、表示言語の切り替えについて主に説明する。
【0025】
管理装置20は、第2制御部200と、第2記録媒体210と、第2通信部220と、を備えている。第2制御部200は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等、プロセッサが処理を実行するためのメモリとを含み、各種の処理を実行する。第2制御部200は、第2記録媒体210やROMなどに格納された種々のプログラムを実行する。本実施形態の第2制御部200は、第2記録媒体210に格納されたプログラムを実行することにより、管理装置20の全体を制御する。第2通信部220は、ネットワークNを介して包装装置10などの外部装置との通信を行う装置である。第2制御部200による情報の送受信は、第2通信部220を介して行われる。
【0026】
第2制御部200は、通信処理部201と、認証部202と、特定部203と、を備えている。これらの機能は、プロセッサが第2記録媒体210などに格納されるプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現される。すなわち、上記各部が実行するものとして記載する処理は、第2制御部200が実行する処理である。
【0027】
通信処理部201は、第2通信部220を介して包装装置10から、操作者の顔画像等の情報を受信する。認証部202は、操作者の顔画像に基づいて、操作者の認証を行う。操作者の認証には、後述の操作者テーブル211に登録される各操作者の顔画像を教師データとして作成された機械学習モデルが用いられる。
【0028】
なお、本実施形態においては、第1制御部121は、コンピュータにより実現されるものとする。ただし、第1制御部121が実現する機能の一部はハードウェア回路により実現されてもよい。また他の例としては、プロセッサの機能や処理の少なくとも一部は、例えば複数のプロセッサ、RAM、ROM、及び記憶媒体を協働させることにより実現してもよい。第2制御部200についても同様に、その一部がハードウェア回路により実現されてもよく、また複数のプロセッサ等の協働により実現されてもよい。
【0029】
第2記録媒体210は、操作者テーブル211を格納している。
図4は、操作者テーブル211のデータ構成例を示す図である。操作者テーブル211は、主に、操作者IDと、操作者情報と、登録言語と、を対応付けて記憶している。操作者IDは、登録された操作者の識別情報である。操作者情報は、操作者の個人情報であり、例えば、氏名、生年月日、性別、入社日、等が含まれる。登録言語は、操作者が理解できる言語であり、例えば母国語である。
【0030】
次に、操作装置120の操作パネル130に表示される表示画面について説明する。操作パネル130においては、各種情報が表示される。操作パネル130には、例えば、
図5に示すようなホーム画面(初期画面)300が表示され、操作者の操作により、適宜表示画面が遷移する。例えば、ホーム画面300には、言語変更ボタン302が表示され、操作者により言語変更ボタン302が選択されると、表示画面は、
図6に示す言語設定画面310に切り替わる。言語設定画面310には、言語を選択するためのボタン312a~312eが表示される。ここで、言語のボタン312a~312eが選択されると、操作パネル130の表示言語が、選択された言語に変更(設定更新)される。
【0031】
また、包装装置10において異常が発生すると、包装装置10は、その動作を停止し、操作パネル130には、
図7に示すような警告画面320が割り込みで表示される。さらに、この場合、操作装置120の運転開始ボタン134は操作不可な状態となる。警告画面320には、異常の内容が表示されている。操作者は、異常の内容を確認し、適宜、包装装置10に対する処置を行う。警告画面320には、確認ボタン322が表示されており、操作者は、処置を完了させた上で確認ボタン322を選択する。確認ボタン322が選択されると、運転開始ボタン134は操作可能な状態となる。操作者により運転開始ボタン134が選択されると、包装装置10は運転を再開する。
図7に示す警告画面320は、日本語を表示言語とする画面である。これに対し、包装装置10は、表示言語の切替により、
図8に示すような英語の警告画面330を表示することができる。以下では、このような表示言語の切替について説明する。
【0032】
図9は、表示言語切替処理を示すフローチャートである。包装装置10の電源がオンされると、操作パネル130への情報表示が開始され、これに伴い表示言語切替処理が開始される。なお、表示言語切替処理と並行して、例えば、操作者の操作に応じて、
図5、
図6に示すような表示画面の切替が適宜行われるものとする。また、操作パネル130の表示画面における表示言語は、初期設定として、予め設定された初期言語に設定されているものとする。本実施形態においては、初期言語は日本語であるものとする。
【0033】
表示言語切替処理においては、まずステップS100において、包装装置10の第1制御部121は、撮影部128により撮影された顔画像を取得するまで待機する(ステップS100でN)。操作者が包装装置10を操作する場合には、顔認証により操作権限があることの確認がなされる。撮影部128は、この顔認証のための顔画像を撮影する。そして、顔画像が撮影されると、取得部122は、顔画像を取得する。
【0034】
第1制御部121は、顔画像を取得すると(ステップS100でY)、ステップS102において、顔画像を管理装置20に送信する。これに対し、管理装置20においては、ステップS200において、第2制御部200の通信処理部201は、顔画像を受信する。次に、ステップS202において、認証部202は、顔画像に基づいて、操作者の認証を行う。これにより、操作者が特定されると、次に、ステップS204において、特定部203は、操作者テーブル211を参照し、特定された操作者の操作者IDに対応付けられている登録言語、すなわち操作者の登録言語を特定する。次に、ステップS206において、通信処理部201は、操作者の登録言語を包装装置10に送信する。
【0035】
包装装置10においては、ステップS102において、顔画像を送信した後、ステップS104において、第1制御部121は、操作者の登録言語を受信する。次に、ステップS106において、表示処理部123は、操作パネル130に表示中の表示画面に表示されている表示言語を登録言語に変更する。
【0036】
例えば、操作パネル130に日本語の警告画面320が表示されているときに、顔認証が行われ、包装装置10が操作者の登録言語として英語を示す情報を受信したとする。この場合には、操作パネル130の表示は、
図7に示す日本語の警告画面320から、英語の警告画面330に切り替わる。
【0037】
このように、本実施形態においては、操作者の認証により、操作パネル130の表示言語は、操作者の登録言語に速やかに変更される。これにより、例えば、警告画面のように、できるだけ早く確認する必要がある内容についても、操作者は、自身が理解できる言語で速やかに確認することができる。
【0038】
なお、操作パネル130は、警告画面以外にも複数の表示画面を表示可能であり、表示中の表示画面がいずれの表示画面であっても、同様に、表示言語が変更される。
【0039】
ステップS106において、表示言語が変更されると、続いて、ステップS108において、第1制御部121は、操作者から、操作パネル130への操作がない状態で、表示言語が変更されたタイミングから基準期間が経過したか否かを判定する。ここで、基準期間は、例えば、5分など、予め定められた長さの期間である。基準期間が経過した場合には(ステップS108でY)、表示処理部123は、操作パネル130の表示言語を、操作者の登録言語から、初期言語に変更する(ステップS110)。このように、一定期間操作がない場合には、表示言語は、自動で初期言語に戻る。これにより、操作者が表示言語を戻すための操作を行う必要がない。
【0040】
一方で、基準期間が経過していない場合には(ステップS108でN)、第1制御部121は、顔画像を取得したか否かを確認する(ステップS112)。例えば、第1言語を登録言語とする第1操作者がステップS100において顔認証を行い、これにより表示言語が第1言語に変更されたとする。そして、この状態で、包装装置本体100に異常が発生し、警告画面が表示され、第2言語を登録言語とする第2操作者が対応に当たるとする。この場合には、新たに、第2操作者の顔認証が行われる。
【0041】
第1制御部121は、顔画像を取得した場合には(ステップS112でY)、処理をステップS102へ進め、新たな操作者(第2操作者)の顔画像の認証を行う。そして、ステップS106において、操作パネル130の表示言語は、新たな操作者(第2操作者)の登録言語に変更される。これにより、表示言語は、例えば、英語から韓国語に変更される。
【0042】
以上のように、本実施形態の表示言語管理システム1は、面倒な操作を行うことなく、操作者に適した言語で、管理対象となる包装装置10に関する表示を行うことができる。従来の製造装置の表示画面においては、表示言語の変更は初期画面から言語設定画面に遷移した状態でないと行うことができなかった。そのため、警告画面が表示された場合であっても、操作者は、表示言語が理解できない場合には、一度初期画面に戻り、言語設定画面を表示させた上で表示言語を変更する必要があった。このため、装置の異常に対し、速やかに対処できないという問題があった。
【0043】
また、各画面に言語設定画面に遷移するための言語選択ボタンを表示させることも想定される。しかしながら、装置に設けられた操作パネルにおいては、その大きさは制限されており、表示できる内容も限られている。このため、常に言語選択ボタンを表示させるのは好ましくない。
【0044】
これに対し、本実施形態の表示言語管理システム1は、言語選択ボタンを利用することなく、操作者の認証に応じて、表示言語を変更することができる。これにより、表示言語の速やかな変更を実現できる。また、表示言語が変更されても初期言語は変更されていないため、操作者が変更になる度に初期言語の変更のための操作を行う必要がない。
【0045】
さらに、本実施形態の表示言語管理システム1は、表示言語の変更後、基準時間の経過、というように所定の条件を満たす場合には、表示言語を自動的に初期言語に戻す。したがって、操作者が作業終了後に表示言語を初期言語に戻すための操作を行う必要がない。
【0046】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0047】
そうした第1の変形例としては、包装装置10の処理の少なくとも一部は、管理装置20が行ってもよく、また他の例としては、管理装置20の処理の少なくとも一部は、包装装置10が行ってもよい。例えば、包装装置10は、操作者テーブル211を記憶し、操作者の認証を行ってもよい。また、管理装置20を備えず、包装装置10のみで表示言語の変更を行ってもよい。すなわち、包装装置10は、認証に加えて、登録言語の特定も行ってもよい。また、他の例としては、管理装置20は、包装装置10の操作パネル130への画面表示のための処理も行こととし、登録言語の特定だけでなく、表示画面における表示言語の変更も行うこととしてもよい。
【0048】
第2の変形例としては、表示言語を登録言語に変更した後で、初期言語に戻すための条件は、実施形態に限定されるものではない。例えば、警告画面の表示言語が登録言語に変更された状態で、操作者による包装装置本体100の対処が完了し、運転開始ボタン134が押され、運転開始指示が入力された場合に、第1制御部121は、表示言語を初期言語に戻してもよい。運転開始ボタン134が押された場合には、操作者による作業が完了しているので、このように、初期の状態に戻すことで、操作者が初期言語に戻す手間を省くことができる。なお、運転開始ボタン134は、警告画面の確認ボタン322,332が押された後でないと操作できないよう制御されている。このように、初期言語に戻すための条件は、対象となる装置の種類などに応じて、管理者等が自由に設定することができる。
【0049】
第3の変形例としては、非常停止ボタン以外の操作ボタンはいずれもソフトボタンとして操作パネル130に表示されてもよい。この場合には、上述の警告画面の確認ボタン322,332が押された後でないと、運転開始ボタンが表示されないようにしてもよい。
【0050】
第4の変形例としては、第1制御部121は、操作者の識別情報として顔画像を取得したが、識別情報は、操作者を特定できるものであればよく、顔画像に限定されるものではない。識別情報は、例えばパスワードや指紋、虹彩であってもよい。すなわち、顔認証に替えて、パスワードによる認証、指紋認証、虹彩認証を採用してもよい。また、他の例としては、操作装置120は、RFID(Radio Frequency Identification)リーダーを備え、操作者は、自身が所持、または身に付けているRFIDタグをかざすことで識別情報を取得してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 表示言語管理システム
10 包装装置
20 管理装置
100 包装装置本体
120 操作装置
121 第1制御部
122 取得部
123 表示処理部
124 第1記録媒体
125 第1通信部
126 表示部
127 入力部
128 撮影部
200 第2制御部
201 通信処理部
202 認証部
203 特定部
210 第2記録媒体
211 操作者テーブル