(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174484
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】物品移載装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092336
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】立川 聡
(57)【要約】
【課題】装置の低背化を図ることができる物品移載装置を提供する。
【解決手段】物品移載システム1は、物品群が収容された容器50を載置する保持部52と、容器50の物品群から一部の物品を把持し、一包装分の物品を排出する把持ユニット30と、把持ユニット30から排出される物品を受け取り、物品を搬送して排出する第一コンベア61と、第一コンベア61よりも低い高さ位置に配置され、第一コンベア61から排出された物品を受け取り搬送して排出する第三コンベア63と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品群が収容された容器を載置する載置部と、
前記容器の前記物品群から一部の物品を把持し、一包装分の前記物品を排出する把持部と、
前記把持部から排出される前記物品を受け取り、前記物品を搬送して排出する第一コンベアと、
前記第一コンベアよりも低い高さ位置に配置され、前記第一コンベアから排出された前記物品を受け取り、前記物品を搬送して排出する第二コンベアと、を備える、物品移載装置。
【請求項2】
前記第二コンベアは、前記第一コンベアの搬送方向に交差する方向に前記物品を搬送して排出する、請求項1に記載の物品移載装置。
【請求項3】
前記載置部及び前記把持部の一方は、前記載置部及び前記把持部の他方に対して相対的に移動する、請求項1又は2に記載の物品移載装置。
【請求項4】
前記把持部は、複数の把持ユニットを含んで構成されており、
複数の前記把持ユニットのそれぞれは、一平面上に配置されている、請求項1又は2に記載の物品移載装置。
【請求項5】
複数の前記把持ユニットのそれぞれが把持する前記物品の重量を取得する取得部を備える、請求項4に記載の物品移載装置。
【請求項6】
前記取得部において取得された前記重量に基づいて組合せ計算を行い、予め設定された目標重量値となる前記把持ユニットの組合せを選択し、選択された前記把持ユニットに前記物品を排出させる制御部を備える、請求項5に記載の物品移載装置。
【請求項7】
前記第一コンベアの幅方向に沿って延在し、前記第一コンベアに付着した前記物品を除去する除去部材と、
前記第二コンベアの搬送方向に沿って延在し、前記第二コンベアを搬送される前記物品をガイドするガイド部材と、を備え、
前記除去部材は、前記ガイド部材に取り付けられている、請求項2に記載の物品移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、容器に格納される物品群から物品を把持して排出する物品把持装置であって、物品を把持する複数の把持ユニットと、把持ユニット及び容器の少なくとも一方を他方に対して相対移動させる駆動部と、把持ユニットが把持を解除した物品を受けて排出するシュートと、を備える物品把持装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物品移載装置では、粘着性の高い物品を取り扱うことがある。このような物品は、シュートを滑り難いため、物品が排出されなかったり、物品の排出に時間を要したりする。そのため、従来の物品移載装置では、シュートの側部の傾斜角度を大きくすることによって、粘着性を有する物品であっても、シュートに残留することなく排出できるようにしている。しかしながら、シュートの側部の傾斜角度を大きくする構成では、どうしてもシュートの高さが高くなる(高さ方向の全長が長くなる)。ここで、物品群が収容される容器が載置される載置部は、シュートよりも上方に載置される。そのため、載置部の高さ位置も、シュートの高さに応じて必然的に高くなる。このため、作業者は高い位置において容器を出し入れする作業を行う必要があり、特に物品群が入った重い容器をセットする作業は作業者の負担となる。したがって、物品移載装置では、作業者の作業性や装置の設置スペースの観点から、装置の低背化が望まれている。
【0005】
本発明の一態様は、装置の低背化を図ることができる物品移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様に係る物品移載装置は、物品群が収容された容器を載置する載置部と、容器の物品群から一部の物品を把持し、一包装分の物品を排出する把持部と、把持部から排出される物品を受け取り、物品を搬送して排出する第一コンベアと、第一コンベアよりも低い高さ位置に配置され、第一コンベアから排出された物品を受け取り、物品を搬送して排出する第二コンベアと、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る物品移載装置では、把持部から排出される物品を、第一コンベア及び第二コンベアによって受け取り排出する。第一コンベア及び第二コンベアは、例えば粘着性の高い物品である場合であっても、当該物品を搬送することができる。第一コンベアは、把持部から排出される物品を受け取り、第二コンベアは、その物品を第一コンベアの下方で受け取り、物品を集合させることができる。そのため、物品移載装置では、物品を集合させて排出することができる。また、物品移載装置では、第一コンベアと第二コンベアとの高さ位置の関係について、第一コンベアから排出された物品(落下した物品)を第二コンベアが受け取れる高さに設定されていればよい。そのため、物品移載装置では、高さ方向(上下方向)において、第一コンベアと第二コンベアとの間の距離を長くする必要はない。このように、物品移載装置では、シュートに代えて第一コンベア及び第二コンベアを採用することによって、装置の低背化を図ることができる。その結果、作業者の負担を軽減したり、省スペース化を図ったりすることができる。
【0008】
(2)上記(1)の物品の物品移載装置において、第二コンベアは、第一コンベアの搬送方向に交差する方向に物品を搬送して排出してもよい。この構成では、第一コンベアの搬送方向とは交差する方向に物品を搬送することによって、物品を集合させてることができる。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)の物品移載装置において、載置部及び把持部の一方は、載置部及び把持部の他方に対して相対的に移動してもよい。この構成では、容器が載置される載置部を把持部における把持位置に移動させたり、把持部を載置部の容器の位置まで移動させたりすることができる。したがって、物品移載装置では、物品の把持を効率的に行うことができる。
【0010】
(4)上記(1)~(3)のいずれか一つの物品移載装置において、把持部は、複数の把持ユニットを含んで構成されており、複数の把持ユニットのそれぞれは、一平面上に配置されていてもよい。この構成では、容器内の位置において物品の量にばらつき(偏り)があったとしても、複数の把持ユニットが一平面上に配置されているため、いずれかの把持ユニットにおいて物品を把持することができる。したがって、物品移載装置では、把持部において物品を把持できないっといった事態を回避できる。
【0011】
(5)上記(4)の物品移載装置において、複数の把持ユニットのそれぞれが把持する物品の重量を取得する取得部を備えていてもよい。この構成では、各把持ユニットにおいて把持した物品の重量を取得できる。
【0012】
(6)上記(5)の物品移載装置において、取得部において取得された重量に基づいて組合せ計算を行い、予め設定された目標重量値となる把持ユニットの組合せを選択し、選択された把持ユニットに物品を排出させる制御部を備えていてもよい。この構成では、把持部において、目標重量となる物品を排出することができる。
【0013】
(7)上記(2)の物品移載装置において、第一コンベアの幅方向に沿って延在し、第一コンベアに付着した物品を除去する除去部材と、第二コンベアの搬送方向に沿って延在し、第二コンベアを搬送される物品をガイドするガイド部材と、を備え、除去部材は、ガイド部材に取り付けられていてもよい。第一コンベアと第二コンベアとの間の空間は狭くなっているため、除去部材をフレーム等に取り付けるための取付部材等を配置することが困難であったり、構成が複雑化したりする。上記構成では、ガイド部材は、第二コンベアの搬送方向に沿って延在しているため、第一コンベアの幅方向に沿って延在していることになる。そのため、物品移載装置では、除去部材をガイド部材に取り付けることによって、第一コンベアの幅方向に沿うように除去部材を配置することができる。したがって、構造の複雑化等を回避できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、装置の低背化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る物品移載システムの正面図である。
【
図2】
図2は、複数の把持ユニットを示す概略斜視図である。
【
図3】
図3は、保持部に容器が載置された状態を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、コンベア装置における搬送方向を示す図である。
【
図6】
図6は、コンベア装置の構成を概略的に示す図である。
【
図7】
図7は、第二コンベアの構成の一部を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第二コンベアの構成の一部を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第二コンベアの構成の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る物品移載システム(物品移載装置)1について説明する。
図1に示される物品移載システム1は、容器50に収容された物品群Xから一部(一包装分)の物品を取り出して移動させるシステムである。物品移載システム1は、一部の物品の重量(質量)が目標重量の範囲内となるように、一部の物品を容器50から取り出し、当該物品を外部に排出する。物品移載システム1によって排出される物品は、例えば、物品移載システム1の後工程で袋に包装されたり、或いは、別の容器に収容されたりして、商品として出荷される。物品は、例えば、スパゲティ等の麺類、糖類を多く含む食品等である。物品は、高い粘着性を有する食品でもよい。
【0018】
物品移載システム1は、物品を計量するための計量装置120を備える。計量装置120は、それぞれ複数の把持ユニット30を有する2つのロボットハンド(把持部)15と、ロボットハンド15を水平方向に移動させる2つのハンド駆動部10と、物品群Xが載置される容器50と、容器50を鉛直方向及び水平方向にそれぞれ移動させる容器駆動部54と、を備える。物品移載システム1は、ロボットハンド15の各部、ハンド駆動部10、及び容器駆動部54をそれぞれ制御する制御部20を備える。ロボットハンド15、ハンド駆動部10、及び容器駆動部54は、計量装置120の例えば直方体状の本体フレーム121に取り付けられる。
【0019】
物品移載システム1では、例えば同一の構成を備える一対のロボットハンド15が、左右に並設される。以下の説明において、
図1の正面視左側に配置されたロボットハンド15は第一ロボットハンド15Aと称されることがあり、正面視右側に配置されたロボットハンド15は第二ロボットハンド15Bと称されることがある。
【0020】
本実施形態では、ロボットハンド15において、例えば、左右方向に並ぶ3つの把持ユニット30が、前後方向(
図1の紙面垂直方向)に4列並べられている。
図2に示されるように、各把持ユニット30は、例えば複数の把持爪30aを有しており、把持爪30aを閉じることで物品を把持する。各把持ユニット30は、複数の把持爪30aを駆動する把持部材駆動機構30bを含む。
【0021】
ロボットハンド15は、各把持ユニット30に把持された物品の重量値を計量する複数の計量器40を有する。ロボットハンド15は、例えば1枚の板状の連結部材16を有する。各把持ユニット30と、各計量器40とは連結部40aを介して一体的に組み立てられている。各計量器40の天面は、取付金具400を介して連結部材16に固定されている。各計量器40の底面には、各把持ユニット30が固定されている。すなわち、各把持ユニット30は、一平面上に配置されている。
【0022】
各計量器40は、計量器40の筐体内に収納されたセンサ部と、内部制御部とを含んでいる(何れも図示せず)。計量器40の内部制御部は、センサ部で計測される力に基づいて、把持ユニット30が把持している物品の重量を測定する。各計量器40は、各把持ユニット30の把持爪30aに把持された物品の重量を算出して取得する取得部である。各計量器40は、物品の重量値に係る情報(信号)を制御部20に出力する。
【0023】
物品移載システム1では、例えば同一の構成を備える2つのハンド駆動部10のそれぞれが、第一ロボットハンド15A及び第二ロボットハンド15Bに対応して設けられている。以下の説明において、
図1の正面視左側に配置されて第一ロボットハンド15Aを移動させるハンド駆動部10は第一ハンド駆動部10Aと称されることがあり、正面視右側に配置されて第二ロボットハンド15Bを移動させるハンド駆動部10は第二ハンド駆動部10Bと称されることがある。
【0024】
ハンド駆動部10は、2本の平行に延びるフレーム12と、ロボットハンド15をフレーム12に沿って水平移動させる前後移動機構11と、を有する。ハンド駆動部10は、前後移動機構11によって、ロボットハンド15を保持するブロック111を前方又は後方に移動させることができる。上記した連結部材16は、例えばネジ止めによってブロック111に連結されている。物品移載システム1では、第一ハンド駆動部10Aが、第一ロボットハンド15Aを前後方向に(水平方向に)移動させ、第二ハンド駆動部10Bが、第二ロボットハンド15Bを前後方向に(水平方向に)移動させる。
【0025】
容器50は、物品群Xが載置される部材である。水平移動及び鉛直移動する保持部(載置部)52に、容器50が保持又は載置されている。容器50は、例えば容器駆動部54により、第一ロボットハンド15Aの下方に位置する第一位置P1と、第二ロボットハンド15Bの下方に位置する第二位置P2との間を移動可能である。容器50は、上方に向けて開放された直方体状の容器である。
【0026】
保持部52は、水平な姿勢を維持しつつ、第一位置P1、第一位置P1よりも第一ロボットハンド15Aに近接した位置、第二位置P2、第二位置P2よりも第二ロボットハンド15Bに近接した位置に移動自在である。これにより、第一ロボットハンド15Aに対する容器50の相対位置、第二ロボットハンド15Bに対する容器50の相対位置が調整自在となっている。容器50が第一位置P1に位置する場合、容器50を上方に移動させて第一ロボットハンド15Aの把持ユニット30に近づけることで、当該把持ユニット30が容器50内の物品群Xから物品を把持可能である。容器50が第二位置P2に位置する場合、容器50を上方に移動させて第二ロボットハンド15Bの把持ユニット30に近づけることで、当該把持ユニット30が容器50内の物品群Xから物品を把持可能である。
【0027】
容器駆動部54は、容器50を上下方向(鉛直方向)及び左右方向(水平方向)に移動させる。容器駆動部54は、駆動ボックス55と、駆動ボックス55に設けられた平行な2本の第一軸L1及び第二軸L2を中心にそれぞれ揺動可能な第一メインアーム部56A及び第二メインアーム部56Bと、第一メインアーム部56Aの先端及び第二メインアーム部56Bの先端にそれぞれ回動可能に連結された第一サブアーム部57A及び第二サブアーム部57Bと、を有する。
【0028】
容器駆動部54は、保持部52及び容器50を上昇させることで、ロボットハンド15に容器50及び物品群Xを近接させる。保持部52及び容器50を下降させることで、ロボットハンド15から容器50及び物品群Xを離隔させる。容器駆動部54は、容器50に収容された(載置された)物品群Xに把持爪30aを挿入させ、物品を把持した把持爪30aを容器50から離す。
【0029】
容器50の内部に収容される物品群Xの量が減少すると、人又は機械によって、内部の物品群Xの量が減少した容器50が、新たな(物品群Xが多く収容されている)容器50と交換される。
図3に示されるように、保持部52には、ストッパ52Aと、センサ52Bと、が設けられている。
【0030】
ストッパ52Aは、保持部52における容器50の移動を規制する部材である。ストッパ52Aは、保持部52において着脱可能に設けられている。容器50を保持部52に搬入するときには、ストッパ52Aを保持部52から取り外し、容器50を保持部52にセットした後に、ストッパ52Aを保持部52に取り付ける。ストッパ52Aには、反射板52Cが設けられている。センサ52Bは、反射板52Cを検出可能な位置に配置されている。センサ52Bは、例えば光電センサである。センサ52Bは、ストッパ52Aが保持部52に設置されたときに、反射板52Cを検出可能な位置に配置されている。センサ52Bは、検出結果を制御部20に出力する。
【0031】
物品移載システム1は、コンベア装置60を備えている。
図4~
図6に示されるように、コンベア装置60は、第一コンベア61と、第二コンベア62と、第三コンベア63と、ガイド(ガイド部材)64A,64Bと、スクレーパ(除去部材)65A,65Bと、を有する。第一コンベア61及び第二コンベア62は、特許請求の範囲の「第一コンベア」に対応し、第三コンベア63は、特許請求の範囲の「第二コンベア」に対応する。
【0032】
第一コンベア61は、第一ロボットハンド15Aの複数の把持ユニット30から排出される物品を受け取り、物品を搬送して排出する。第一コンベア61は、物品を第三コンベア63に排出する。本実施形態では、
図5に示されるように、第一コンベア61の搬送方向D1は、左から右に向かう方向である。第一コンベア61は、第一ロボットハンド15Aの下方に配置されている。第一コンベア61は、平面視において、第一ロボットハンド15Aの複数の把持ユニット30が配列された領域よりも大きい大きさを有する。第一コンベア61は、平面視において、複数の把持ユニット30を包囲できるような形状及び大きさを有する。
【0033】
第二コンベア62は、第二ロボットハンド15Bの複数の把持ユニット30から排出される物品を受け取り、物品を搬送して排出する。第二コンベア62は、物品を第三コンベア63に排出する。本実施形態では、第二コンベア62の搬送方向D2は、右から左に向かう方向である。
図1に示されるように、第二コンベア62は、第二ロボットハンド15Bの下方に配置されている。第二コンベア62は、平面視において、第二ロボットハンド15Bの複数の把持ユニット30が配列された領域よりも大きい大きさを有する。第二コンベア62は、平面視において、複数の把持ユニット30を包囲できるような形状及び大きさを有する。
【0034】
第一コンベア61と第二コンベア62とは、左右方向において、所定の間隔をあけて配置されている。第一コンベア61と第二コンベア62とは、例えば、同じ高さ位置に配置されている。すなわち、第一コンベア61の搬送面と第二コンベア62の搬送面とは、同じ高さ位置である。
【0035】
第三コンベア63は、第一コンベア61及び第二コンベア62から排出された物品を受け取り、物品を搬送して排出する。本実施形態では、第三コンベア63の搬送方向D3は、後から前に向かう方向である。すなわち、本実施形態では、搬送方向D3は、搬送方向D1及び搬送方向D2に直交(交差)する方向である。なお、直交とは、略直交を含むものであり、例えば±5°程度の範囲を含み得る。第三コンベア63は、第一コンベア61及び第二コンベア62から排出された物品を物品供給部68に排出する。第三コンベア63は、第一コンベア61及び第二コンベア62から排出された物品を集合させて、物品供給部68に受け渡す。物品供給部68は、容器等に物品を供給する。
【0036】
第三コンベア63は、第一コンベア61と第二コンベア62との間に配置されている。第一コンベア61及び第二コンベア62の一部(搬送方向の端部)は、平面視において、第三コンベア63と重なっている。本実施形態では、第三コンベア63の全長は、第一コンベア61及び第二コンベア62の幅よりも長い。第三コンベア63の幅は、第一コンベア61及び第二コンベア62の幅よりも短い。第三コンベア63は、第一コンベア61及び第二コンベア62よりも低い高さ位置に配置されている。第三コンベア63は、平面視において、第一コンベア61及び第二コンベア62よりも小さい領域を有する。
【0037】
第一コンベア61及び第二コンベア62は、同一の構成を備える。
図7~
図11を参照して、第二コンベア62を一例に、構成を詳細に説明する。
【0038】
図7~
図11に示されるように、第二コンベア62は、固定具70と、支持フレーム71と、駆動部72と、ローラユニット73と、搬送ベルト74と、ガイド75A,75Bと、を有する。
【0039】
固定具70は、第二コンベア62をフレーム76(
図4参照)に固定するための部材である。フレーム76は、本体フレーム121に固定される。支持フレーム71は、固定具70に設けられている。支持フレーム71は、ローラユニット73を支持する部材である。支持フレーム71は、棒状のフレーム部材71A,71Bを含んで構成されている。支持フレーム71は、固定具70に片持ち支持されている。駆動部72は、モータ等を駆動源として、ローラユニット73の駆動ローラ73A(後述)を駆動させる。
【0040】
ローラユニット73は、搬送ベルト74を駆動させる。ローラユニット73は、駆動ローラ73Aと、三つの従動ローラ73B,73C,73Dと、駆動ローラ73A及び三つの従動ローラ73B,73C,73Dが設けられている本体部68Eと、を有する。駆動ローラ73Aは、駆動部72に接続される。ローラユニット73は、支持フレーム71に着脱可能に設けられている。
【0041】
搬送ベルト74は、無端ベルトであり、ローラユニット73の駆動ローラ73A及び三つの従動ローラ73B,73C,73Dに架けられている。搬送ベルト74の表面は、物品が付きにくい構成であることが好ましい。搬送ベルト74は、例えば、物品が付きにくい材料で形成されていてもよいし、表面に凹凸が設けられていてもよいし、表面にコーティング処理がされていてもよい。ガイド75A,75Bは、第二コンベア62によって搬送される物品をガイドする。ガイド75A,75Bは、第二コンベア62の幅方向の両端部に設けられる。ガイド75A,75Bは、第二コンベア62の搬送方向に沿って延在している。ガイド75A,75Bは、ローラユニット73に着脱可能に設けられている。
【0042】
第二コンベア62の組み立て方法について説明する。第二コンベア62を組み立てる場合には、最初に、
図8に示されるように、支持フレーム71にローラユニット73を取り付ける。ローラユニット73は、支持フレーム71上を前側から後側に向かってスライドさせることによって、支持フレーム71に取り付ける。駆動ローラ73Aは、駆動部72に接続する。続いて、
図9に示されるように、ローラユニット73に搬送ベルト74と取り付ける。最後に、
図10及び
図11に示されるように、ガイド75をローラユニット73に取り付ける。
【0043】
第三コンベア63は、第一コンベア61及び第二コンベア62と同様に、固定具(図示せず)と、支持フレーム(図示せず)と、駆動部(図示せず)と、ローラユニット(図示せず)と、搬送ベルト77(
図4参照)と、を有する。
【0044】
ガイド64A,64Bは、第三コンベア63を搬送される物品をガイドする。
図6に示されるように、ガイド64A,64Bは、板状部材である。ガイド64A,64Bは、第三コンベア63の搬送方向に沿って延在している。ガイド64Aは、第三コンベア63の幅方向にいて左側に配置されている。ガイド64Aは、第一コンベア61の下方に位置している。ガイド64Bは、第三コンベア63の幅方向において右側に配置されている。ガイド64Bは、第二コンベア62の下方に位置している。
【0045】
図12に示されるように、スクレーパ65Aは、第一コンベア61に付着した物品を除去する。スクレーパ65Aは、第一コンベア61の搬送方向D1の端部において、第一コンベア61の下方に配置されている。スクレーパ65Aは、第一コンベア61の幅方向に沿って延在している。スクレーパ65Aは、ガイド64Aに取り付けられている。スクレーパ65Aは、ガイド64Aに固定される取付具66Aによって、ガイド64Aに取り付けられている。スクレーパ65Aは、取付具66Aにおいて着脱可能であり、取付具66Aに載置されることによって、取付具66Aに支持される。スクレーパ65Aは、回転軸67Aを中心に、取付具66Aに揺動自在に設けられている。スクレーパ65Aは、自重によって半時計回りに揺動し、第一コンベア61の搬送ベルト74に接触する。
【0046】
スクレーパ65Bは、第二コンベア62に付着した物品を除去する。スクレーパ65Bは、第二コンベア62の搬送方向D2の端部において、第二コンベア62の下方に配置されている。スクレーパ65Bは、第二コンベア62の幅方向に沿って延在している。スクレーパ65Bは、ガイド64Bに取り付けられている。スクレーパ65Bは、ガイド64Bに固定される取付具66Bによって、ガイド64Bに取り付けられている。スクレーパ65Bは、取付具66Bにおいて着脱可能であり、取付具66Bに載置されることによって、取付具66Bに支持される。スクレーパ65Bは、回転軸67Bを中心に、取付具66Bに揺動自在に設けられている。スクレーパ65bは、自重によって半時計回りに揺動し、第二コンベア62の搬送ベルト74に接触する。
【0047】
図13は、物品移載システム1のブロック図である。制御部20は、把持部材駆動機構30b、容器駆動部54、コンベア装置60等の物品移載システム1の各種構成の動作の制御を実施する。制御部20には、理想重量値等が操作パネル100を介して入力される。
【0048】
制御部20は、センサ52Bの検出結果に基づいて、物品移載システム1の動作を制御する。制御部20は、センサ52Bによって反射板52Cが検出されている場合に、容器駆動部54を動作させる。すなわち、ストッパ52Aが取り付けられている場合には、制御部20が容器駆動部54を動作させる。制御部20は、センサ52Bによって反射板52Cが検出されていない場合には、容器駆動部54を動作させない。すなわち、ストッパ52Aが取り付けられていない場合には、制御部20が容器駆動部54を動作させない。これにより、ストッパ52Aの設置し忘れを防止でき、容器50の落下を回避できる。
【0049】
制御部20は、把持ユニット30の把持する物品の重量値に基づいて組合せ計算を行う。制御部20は、組合せ計算の結果に基づいて、目標重量値となる重量値の組合せに対応する把持ユニット30を選択し、選択した把持ユニット30の把持を解除する制御を実施する。このとき、制御部20は、第一コンベア61又は第二コンベア62の上方で把持ユニット30による物品の把持を解除することによって、物品を第一コンベア61又は第二コンベア62に落下させる。
【0050】
制御部20は、把持ユニット30による物品の把持を解除するタイミングに合わせて、第一コンベア61又は第二コンベア62と第三コンベア63を作動させる。具体的には、制御部20は、例えば、第一ロボットハンド15Aの把持ユニット30による物品の把持を解除する少し前に、第一コンベア61及び第三コンベア63を作動させる。これにより、把持ユニット30から落下した物品は、第一コンベア61に到達すると同時に搬送される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る物品移載システム1では、把持ユニット30から排出される物品を、第一コンベア61、第二コンベア62及び第三コンベア63によって受け取り排出する。第一コンベア61、第二コンベア62及び第三コンベア63は、例えば粘着性の高い物品である場合であっても、当該物品を搬送することができる。第一コンベア61及び第二コンベア62は、把持ユニット30から排出される物品を受け取り、第三コンベア63は、その物品を第一コンベア61又は第二コンベア62の下方で受け取り、第一コンベア61又は第二コンベア62の搬送方向とは直交する方向に搬送することによって、物品を集合させることができる。そのため、物品移載システム1では、物品を集合させて排出することができる。
【0052】
また、物品移載システム1では、第一コンベア61及び第二コンベア62と第三コンベア63との高さ位置の関係について、第一コンベア61又は第二コンベア62から排出された物品(落下した物品)を第三コンベア63が受け取れる高さに設定されていればよい。そのため、物品移載システム1では、高さ方向(上下方向)において、第一コンベア61及び第二コンベア62と第三コンベア63との間の距離を長くする必要はない。このように、物品移載システム1では、シュートに代えて第一コンベア61、第二コンベア62及び第三コンベア63を採用することによって、装置の低背化を図ることができる。その結果、作業者の負担を軽減したり、省スペース化を図ったりすることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0054】
上記実施形態では、容器50(保持部52)を移動させてロボットハンド15に近接させることで、ロボットハンド15が物品を把持する構成について例示した。しかしこの構成とは違って、ロボットハンド15又は把持ユニット30を移動(例えば下降)させて容器50に近接させることで、ロボットハンド15又は把持ユニット30が物品を把持する構成を採ってもよい。要は、保持部52及び把持ユニット30の一方は、保持部52及び把持ユニット30の他方に対して相対的に移動してもよい。ロボットハンド15又は把持ユニット30を移動させる場合、ロボットハンド15又は把持ユニット30に、適宜の公知の移動機構が設けられる。ロボットハンド15又は把持ユニット30を移動(例えば上昇)させることで、物品を把持した把持爪30aを容器50から離すことができる。
【0055】
上記実施形態では、コンベア装置60が第一コンベア61、第二コンベア62及び第三コンベア63を有する形態を一例に説明した。しかし、第一ロボットハンド15A及び第二ロボットハンド15Bの一方のみが備えられる構成では、第一コンベア61及び第二コンベア62の一方のみが備えられていればよい。
【0056】
上記実施形態では、ロボットハンド15が複数の把持ユニット30を備える形態を一例に説明した。しかし、把持ユニット30は一つであってもよい。
【0057】
物品移載システムが、組合せ計量を行わなくてもよい。物品移載システムにおいて、把持ユニットにより把持された物品の重量を算出する重量算出部が設けられず、物品が移載された後にその重量が算出されてもよい。
【0058】
上記実施形態に加えて、容器50の位置を検出するセンサを備えていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…物品移載システム(物品移載装置)、15…ロボットハンド(把持部)、20…制御部、30…把持ユニット、50…容器、52…保持部(載置部)、61…第一コンベア、62…第二コンベア(第一コンベア)、63…第三コンベア(第二コンベア),64A,64B…ガイド(ガイド部材)、65A,65B…スクレーパ(除去部材)、D1,D2,D3…搬送方向、X…物品群。