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特開2024-174512シート収容装置およびそれを備える画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174512
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】シート収容装置およびそれを備える画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/04 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
B65H1/04 320A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092369
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 聡
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA01
3F343FB01
3F343FC12
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HE04
3F343HE08
3F343HE12
3F343HE23
3F343KB03
3F343KB17
3F343LA04
3F343LA13
3F343LC02
3F343LC04
3F343LD04
3F343LD12
3F343LD22
3F343LD25
(57)【要約】
【課題】規制カーソルを任意の位置で静止保持することを可能としつつ、規制カーソルを移動させるときの操作性の低下を抑制する。
【解決手段】シート収容装置は、規制カーソルと、保持機構と、を備え、保持機構は、ガイドシャフトと、ガイドシャフトが挿入されるガイド孔を有し、規制カーソルと共に往復移動可能なストッパーと、を備え、ストッパーを一方側に傾倒させることにより、ガイド孔の内縁とガイドシャフトとが接触することで生じる摩擦抵抗によって規制カーソルの移動が規制され、ストッパーを他方側に向けて起こすことにより、規制カーソルの移動が可能となり、ストッパーは、当接部を有し、当接部は、規制カーソルに当接することにより、規制カーソルが移動可能な状態のときにストッパーが他方側に傾倒することを規制する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートがセットされるセット板と、
水平方向に往復移動可能に支持され、前記セット板上の前記シートの端縁に所定方向から接触することにより、前記シートの前記所定方向の位置ずれを規制する規制カーソルと、
前記規制カーソルを静止保持する保持機構と、を備え、
前記保持機構は、
前記所定方向に延びるガイドシャフトと、
前記規制カーソルに連結され、前記ガイドシャフトが挿入されるガイド孔を有し、前記ガイドシャフトに沿って前記規制カーソルと共に往復移動可能なストッパーと、を備え、
前記ストッパーは、前記ガイド孔を有する孔側端部を支点として、前記所定方向の一方側に傾倒可能であり、
前記ストッパーを前記一方側に傾倒させることにより、前記ガイド孔の内縁と前記ガイドシャフトとが接触することで生じる摩擦抵抗によって前記ストッパーと共に前記規制カーソルの移動が規制され、前記規制カーソルの移動が規制された状態から前記ストッパーを前記一方側とは反対の他方側に向けて起こすことにより、前記ストッパーと共に前記規制カーソルの移動が可能となり、
前記ストッパーは、当接部を有し、
前記当接部は、前記規制カーソルに当接することにより、前記規制カーソルが移動可能な状態のときに前記ストッパーが前記他方側に傾倒することを規制する、シート収容装置。
【請求項2】
前記ストッパーを操作するための操作機構を備え、
前記操作機構は、
操作を受け付けるレバーと、
前記レバーに対する操作を前記ストッパーに伝達する中継部材と、を備え、
前記中継部材は、
前記レバーが前記他方側から接触する入力端部と、
前記ストッパーの前記孔側端部とは反対側の操作側端部が前記他方側から接触する出力端部と、
前記入力端部と前記出力端部との間の部分であり、前記所定方向と直交する方向に延びる軸線回りに回転可能に支持される支持部と、を有し、
前記レバーは、操作されることにより、前記入力端部を前記一方側に押圧し、
前記中継部材は、前記入力端部が前記一方側に押圧されることにより、前記出力端部で前記操作側端部を前記他方側に押圧する、請求項1に記載のシート収容装置。
【請求項3】
前記保持機構は、付勢部材を備え、
前記付勢部材は、前記孔側端部を前記他方側に付勢する、請求項2に記載のシート収容装置。
【請求項4】
前記付勢部材の前記孔側端部に対する前記他方側への付勢力は、前記摩擦抵抗よりも小さい、請求項3に記載のシート収容装置。
【請求項5】
前記規制カーソルは、
上下方向に立設し、前記セット板上の前記シートの端縁に前記所定方向から接触する板状の側面部と、
前記側面部の下端から前記一方側に延びる板状の底面部と、を有し、
前記ガイドシャフトは、前記底面部よりも下方に配置され、
前記底面部は、前記底面部の厚み方向に貫通する連結開口を有し、
前記連結開口は、前記連結開口の内縁から前記一方側に突出する連結突起を有し、
前記ストッパーは、前記孔側端部と前記操作側端部との間に連結孔を有し、
前記操作側端部を前記連結開口から前記底面部よりも上方に突出させ、かつ、前記連結孔に前記連結突起を前記他方側から挿入することにより、前記ストッパーが前記規制カーソルに連結される、請求項2に記載のシート収容装置。
【請求項6】
前記ストッパーは、前記連結開口から突出して前記底面部よりも上方に位置する部分に前記当接部を有し、
前記当接部は、前記連結開口の内縁よりも前記他方側に張り出し、前記底面部の上面に接触することにより、前記ストッパーが前記他方側に傾倒することを規制する、請求項5に記載のシート収容装置。
【請求項7】
第1の前記規制カーソルおよび第2の前記規制カーソルにそれぞれ前記保持機構が連結されており、
第1の前記規制カーソルは、前記所定方向としての第1方向に移動可能に支持され、前記シートの前記第1方向の位置ずれを規制し、
第2の前記規制カーソルは、前記所定方向としての前記第1方向と直交する第2方向に移動可能に支持され、前記シートの前記第2方向の位置ずれを規制する、請求項1に記載のシート収容装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のシート収容装置と、
前記シート収容装置に連結される画像形成装置と、を備え、
前記シート収容装置は、前記画像形成装置に前記シートを給送し、
前記画像形成装置は、前記シート収容装置から給送された前記シートに印刷を行う、画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート収容装置およびそれを備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシート収容装置は、シートの位置ずれを規制する規制カーソルを備える。規制カーソルは、ユーザーの操作により移動可能であり、シートの端縁に接触した状態で静止することにより、シートの位置ずれを規制する。このようなシート収容装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の規制カーソル(ガイド板)は、規制カーソルの移動方向に所定ピッチで形成された凹凸と係合可能である。規制カーソルを凹凸に係合させることにより、規制カーソルを静止状態に保持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-115716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、規制ガイドの静止位置が凹凸のピッチに依存する。したがって、規制ガイドの静止位置を微調整できない。一方で、規制ガイドを任意の位置で静止可能とするため、凹凸を無くすと、規制ガイドそのものが位置ずれし易くなる。この不都合を抑制するため、規制ガイドの位置ずれを抑制する機構を別途設置すると、規制ガイドを移動させるときの操作性が悪くなるなどの不都合が生じ得る。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、規制カーソルを任意の位置で静止保持することを可能としつつ、規制カーソルを移動させるときの操作性の低下を抑制することが可能なシート収容装置およびそれを備える画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面によるシート収容装置は、シートがセットされるセット板と、水平方向に往復移動可能に支持され、セット板上のシートの端縁に所定方向から接触することにより、シートの所定方向の位置ずれを規制する規制カーソルと、規制カーソルを静止保持する保持機構と、を備える。保持機構は、所定方向に延びるガイドシャフトと、規制カーソルに連結され、ガイドシャフトが挿入されるガイド孔を有し、ガイドシャフトに沿って規制カーソルと共に往復移動可能なストッパーと、を備える。ストッパーは、ガイド孔を有する孔側端部を支点として、所定方向の一方側に傾倒可能である。ストッパーを一方側に傾倒させることにより、ガイド孔の内縁とガイドシャフトとが接触することで生じる摩擦抵抗によってストッパーと共に規制カーソルの移動が規制され、規制カーソルの移動が規制された状態からストッパーを一方側とは反対の他方側に向けて起こすことにより、ストッパーと共に規制カーソルの移動が可能となる。ストッパーは、当接部を有する。当接部は、規制カーソルに当接することにより、規制カーソルが移動可能な状態のときにストッパーが他方側に傾倒することを規制する。
【0008】
本発明の第2の局面による画像形成システムは、上記シート収容装置と、シート収容装置に連結される画像形成装置と、を備える。シート収容装置は、画像形成装置にシートを給送する。画像形成装置は、シート収容装置から給送されたシートに印刷を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成では、規制カーソルを任意の位置で静止保持することを可能としつつ、規制カーソルを移動させるときの操作性の低下を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態によるシート収容装置の斜視図である。
図2】実施形態によるシート収容装置を備える画像形成システムの概略図である。
図3】実施形態によるシート収容装置の外装カバーが無い状態の斜視図である。
図4】実施形態によるシート収容装置のセット板の昇降機構の斜視図である。
図5図5に示す昇降機構の巻取モーターおよびその周辺の斜視図である。
図6】実施形態によるシート収容装置のシート収容領域を上方から見た平面図である。
図7】実施形態によるシート収容装置の一対の幅方向規制カーソルを移動させる機構の模式図(上方から見た平面図)である。
図8】実施形態によるシート収容装置の幅方向規制カーソルおよびその周辺を前側から見た斜視図である。
図9】実施形態によるシート収容装置のストッパーの斜視図である。
図10図9に示すストッパーが幅方向規制カーソルに連結された状態の斜視図である。
図11】実施形態によるシート収容装置のストッパーが傾倒した状態を模式的に示す断面図である。
図12】実施形態によるシート収容装置のストッパーが起立した状態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図12を参照し、本発明の一実施形態によるシート収容装置100およびそれを備える画像形成システム100Sについて説明する。
【0012】
<画像形成システムの構成>
シート収容装置100は、図1に示すような外観を有する。シート収容装置100は、図2に示すように、画像形成装置1000に連結される。シート収容装置100は、画像形成装置1000に連結されることにより、画像形成装置1000と共に画像形成システム100Sを構成する。図2は、画像形成システム100S(すなわち、画像形成装置1000に連結されたシート収容装置100)の模式図である。図2は、画像形成システム100Sを正面から見た場合に相当する。
【0013】
シート収容装置100は、画像形成装置1000と共に床面に設置される。シート収容装置100が設置される床面(平坦面)に対して垂直な方向は「上下方向」に相当する。
【0014】
ここで、上下方向と直交する水平方向のうち、一方向は「第1方向」に相当し、一方向と直交する他方向は「第2方向」に相当する。以下の説明では、水平方向の一方向に符号D1を付して単に第1方向D1と称し、水平方向の他方向に符号D2を付して単に第2方向D2と称する。
【0015】
第1方向D1は、シート収容装置100を正面から見た場合における前後方向に相当する。第1方向D1の一方側は前側(すなわち、装置正面から見て手前側)であり、第1方向D1の一方側とは反対の他方側は後側(すなわち、装置正面から見て奥側)である。
【0016】
第2方向D2は、シート収容装置100を正面から見た場合における左右方向に相当する。第2方向D2の一方側は右側であり、第2方向D2の一方側とは反対の他方側は左側である。
【0017】
なお、第1方向D1および第2方向D2は「所定方向」に相当する。第1方向D1の前側は「所定方向の一方側」に相当し、第1方向D1の後側は「所定方向の他方側」に相当する。第2方向D2の右側は「所定方向の一方側」に相当し、第2方向D2の左側は「所定方向の他方側」に相当する。
【0018】
シート収容装置100は、画像形成装置1000に対して着脱可能である。シート収容装置100は、オプション装置であってもよい。シート収容装置100は、画像形成装置1000の右側に配置される。
【0019】
シート収容装置100は、シートSを収容する。たとえば、シートSは用紙である。シート収容装置100は、画像形成装置1000にシートSを給送する。すなわち、シート収容装置100は、給送装置として機能する。
【0020】
シート収容装置100は、画像形成装置1000の右側において、画像形成装置1000に対し、右側から左側に向けてシートSを給送する。すなわち、第2方向D2のうち右側から左側に向かう方向は、シート収容装置100から画像形成装置1000へのシートSの給送方向である。この構成では、第1方向D1は、シートSの給送方向と直交する方向となる。
【0021】
画像形成装置1000は、シート収容装置100から給送されたシートSに対して画像を印刷する。画像形成装置1000の印刷方式は、電子写真方式である。画像形成装置1000の印刷方式は、インクジェット方式であってもよい。
【0022】
<画像形成装置の構成>
画像形成装置1000は、シート収容装置100から給送されたシートSを搬送路に沿って搬送する。画像形成装置1000は、搬送中のシートSに画像を印刷する。なお、図2では、シートSの搬送路を破線矢印で示す。
【0023】
画像形成装置1000は、感光体ドラム1001と転写ローラー1002とを備える。感光体ドラム1001は、その周面上にトナー像を担持する。転写ローラー1002は、感光体ドラム1001に圧接し、感光体ドラム1001との間で転写ニップを形成する。転写ローラー1002は、感光体ドラム1001と共に回転する。搬送中のシートSが転写ニップに進入することにより、そのシートSに対する転写処理が行われ、シートSにトナー像が転写される。
【0024】
画像形成装置1000は、図示しないが、帯電装置、露光装置および現像装置をさらに備える。帯電装置は、感光体ドラム1001の周面を帯電させる。露光装置は、感光体ドラム1001の周面上に静電潜像を形成する。現像装置は、感光体ドラム1001の周面上の静電潜像をトナー像に現像する。
【0025】
画像形成装置1000は、定着ローラー対1003を備える。定着ローラー対1003は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを含む。加熱ローラーは、ヒーターを内蔵する。加圧ローラーは、加熱ローラーに圧接し、加熱ローラーとの間で定着ニップを形成する。加圧ローラーは、加熱ローラーと共に回転する。搬送中のシートSが定着ニップに進入することにより、シートSに対する定着処理が行われ、シートSにトナー像が定着される。定着ニップを抜けたシートSは排出トレイETに排出される。
【0026】
なお、画像形成装置1000は、給送ローラー1004を備える。給送ローラー1004は、画像形成装置1000の本体内にあるシートカセットCAから搬送路にシートSを給送する。すなわち、画像形成装置1000は、シートカセットCAにセットされたシートSに対する印刷も可能である。
【0027】
また、画像形成装置1000は、画像読取装置1005を備える。画像読取装置1005は、原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する。画像形成装置1000は、原稿の画像データに基づく画像のシートSへの印刷(すなわち、原稿のコピー)が可能である。
【0028】
<シート収容装置の構成>
シート収容装置100は、図3に示すように、前フレームFfおよび後フレームFrを備える。前フレームFfおよび後フレームFrは、板金製である。前フレームFfは、前側に配置され、後フレームFrは、後側に配置される。前フレームFfは、第1方向D1を板厚方向とする前面部を有し、後フレームFrは、第1方向D1を板厚方向とする後面部を有する。前フレームFfおよび後フレームFrは、前面部および後面部が第1方向D1に互いに対向するよう配置される。
【0029】
シート収容装置100は、前フレームFfと後フレームFrとの第1方向D1間の領域をシート収容領域として有する。シート収容領域は、上方から、上面カバーCV(図1および図2参照)によって覆われる。
【0030】
上面カバーCVは、前フレームFfおよび後フレームFrに対し、回動可能に支持される。上面カバーCVは、第1方向D1に延びる軸線回りに回動可能である。上面カバーCVは、左側端部を支点とし、右側端部を上下に振るように回動する。言い換えると、上面カバーCVは、シート収容領域の上部開口に対して開閉する。
【0031】
上面カバーCVの右側端部を上方に回動させる(言い換えると、上面カバーCVを開ける)ことにより、シート収容領域の上部開口が露出する。そして、上面カバーCVを開けた状態で、シート収容領域の上部開口からシート収容領域にシートSが収容される。この状態から、上面カバーCVの右側端部を下方に回動させる(言い換えると、上面カバーCVを閉める)ことにより、シート収容領域の上部開口が塞がれる。
【0032】
シート収容装置100は、セット板1を備える。セット板1は、板金製である。セット板1は、シート収容領域に配置される。セット板1には、シートSがセットされる。シートSは、上下方向に積層される。セット板1は、上下方向に往復移動可能に支持される。
【0033】
シート収容装置100は、昇降機構2を備える。昇降機構2の構成を図4および図5に示す。昇降機構2は、セット板1を上下方向に移動させる。昇降機構2は、セット板1を上昇させることにより、セット板1にセットされた最上層のシートSの上下方向の位置を所定位置に保持する。
【0034】
昇降機構2は、セット板1に連結されるワイヤー20を備える。ワイヤー20は、その一端がセット板1の右前側の端部に連結される第1ワイヤー201と、その一端がセット板1の左前側の端部に連結される第2ワイヤー202と、その一端がセット板1の右後側の端部に連結される第3ワイヤー203と、その一端がセット板1の左後側の端部に連結される第4ワイヤー204とを含む。昇降機構2は、ワイヤー20の巻き取りおよび繰り出しを行うことにより、セット板1を昇降させる。
【0035】
昇降機構2は、巻取ドラム21と、中継プーリー22と、巻取モーターMとを備える。巻取ドラム21は、第1ワイヤー201の他端が連結される第1巻取ドラム211と、第2ワイヤー202の他端が連結される第2巻取ドラム212と、第3ワイヤー203の他端が連結される第3巻取ドラム213と、第4ワイヤー204の他端が連結される第4巻取ドラム214とを含む。第1~第4巻取ドラム211~214は、それぞれ、正回転することにより、自身に連結されたワイヤー20を巻き取る一方、逆回転することにより、自身に連結されたワイヤー20を繰り出す。
【0036】
第1巻取ドラム211および第2巻取ドラム212は、前フレームFfの第1方向D1の外方に配置される。第3巻取ドラム213および第4巻取ドラム214は、後フレームFrの第1方向D1の外方に配置される。なお、第1方向D1の外方とは、シート収容領域の第1方向D1の中心から第1方向D1の前側または後側に向かう方向である。すなわち、前フレームFfの第1方向D1の外方とは、前フレームFfの第1方向D1におけるシート収容領域側とは反対側(すなわち、前フレームFfの前側)であり、後フレームFrの第1方向D1の外方とは、後フレームFrの第1方向D1におけるシート収納領域側とは反対側(すなわち、後フレームFrの後側)である。
【0037】
第1巻取ドラム211および第2巻取ドラム212は、この順番で、前フレームFf側から第1方向D1の外方に向かって配列される。第4巻取ドラム214および第3巻取ドラム213は、この順番で、後フレームFr側から第1方向D1の外方に向かって配列される。
【0038】
第1~第4巻取ドラム211~214は、第1方向D1に延びる同一の軸線回りに回転可能に支持される。具体的には、第1~第4巻取ドラム211~214は、同一の回転軸210に取り付けられ、その回転軸210と共に回転する。回転軸210は、その軸線方向の一方端部が前フレームFfに回転可能に支持され、その軸線方向の一方端部とは反対の他方端部が後フレームFrに回転可能に支持されることにより、第1方向D1と平行に延びる。第1巻取ドラム211および第2巻取ドラム212は、前フレームFfのうち第2方向D2の右側の端部に配置され、第3巻取ドラム213および第4巻取ドラム214は、後フレームFrのうち第2方向D2の右側の端部に配置される。すなわち、回転軸210の一方端部は、前フレームFfのうち第2方向D2の右側の端部に回転可能に支持され、回転軸210の他方端部は、後フレームFrのうち第2方向D2の右側の端部に回転可能に支持される。
【0039】
巻取モーターMは、駆動することにより、回転軸210を回転させる。回転軸210が回転することにより、第1~第4巻取ドラム211~214が回転する。巻取モーターMは、後フレームFrの第1方向D1の外方に配置される。巻取モーターMは、ネジ歯車など複数の歯車を含む伝達機構23を介して、回転軸210の後側の端部に連結される。
【0040】
中継プーリー22は、前フレームFfの第1方向D1の外方および後フレームFrの第1方向の外方にそれぞれ3つずつ配置される。前側の3つの中継プーリー22は、前フレームFfに回転可能に支持され、後側の3つの中継プーリー22は、後フレームFrに回転可能に支持される。各中継プーリー22は、回転軸210よりも上下方向の位置が上方である。
【0041】
第1ワイヤー201は、セット板1から延ばされ、1つの中継プーリー22に巻き掛けられ、第1巻取ドラム211に至る。第2ワイヤー202は、2つの中継プーリー22に巻き掛けられる。第2ワイヤー202用の一方の中継プーリー22は、第2ワイヤー202用の他方の中継プーリー22よりも第2方向D2の左側に位置する。第2ワイヤー202用の他方の中継プーリー22は、第1ワイヤー201用の中継プーリー22と同一の軸線回りに回転する。第2ワイヤー202は、セット板1から延ばされ、2つの中継プーリー22に巻き掛けられ、第2巻取ドラム212に至る。
【0042】
第3ワイヤー203は、セット板1から延ばされ、1つの中継プーリー22に巻き掛けられ、第3巻取ドラム213に至る。第4ワイヤー204は、2つの中継プーリー22に巻き掛けられる。第4ワイヤー204用の一方の中継プーリー22は、第4ワイヤー204用の他方の中継プーリー22よりも第2方向D2の左側に位置する。第4ワイヤー204用の他方の中継プーリー22は、第3ワイヤー203用の中継プーリー22と同一の軸線回りに回転する。第4ワイヤー204は、セット板1から延ばされ、2つの中継プーリー22に巻き掛けられ、第4巻取ドラム214に至る。
【0043】
巻取モーターMが正回転することにより、巻取ドラム21によってワイヤー20が巻き取られる。これにより、セット板1が上昇する。一方で、巻取モーターMが逆回転することにより、巻取ドラム21からワイヤー20が繰り出される。これにより、セット板1が下降する。
【0044】
シート収容装置100は、図2および図3に示すように、給送ユニット3を備える。給送ユニット3は、シート収容装置100(すなわち、シート収容領域)から画像形成装置1000にシートSを給送する。給送ユニット3は、ピックアップローラー31および搬送ローラー対32を備える。
【0045】
ピックアップローラー31は、回転可能に支持される。ピックアップローラー31は、セット板1にシートSがセットされた状態において、そのシートSの給送方向下流側の端部に対して上方から接触可能な位置に配置される。ピックアップローラー31は、回転可能に支持される。ピックアップローラー31は、セット板1にセットされたシートSに上方から接触し、その状態で回転することにより、セット板1からシートSを引き出す。
【0046】
搬送ローラー対32は、回転可能に支持される。搬送ローラー対32は、互いに圧接する一対のローラーである。搬送ローラー対32は、ピックアップローラー31よりも給送方向下流側に配置される。搬送ローラー対32は、ピックアップローラー31によってセット板1から引き出されたシートSをニップし、回転する。これにより、搬送ローラー対32は、画像形成装置1000に向けてシートSを搬送する。搬送ローラー対32の設置数は特に限定されず、ピックアップローラー31から画像形成装置1000までのシートSの搬送経路長などに応じて変更可能である。
【0047】
セット板1上のシートSは、第2方向D2の右側から左側に送り出される。すなわち、セット板1上では、シートSのうち第2方向D2の左側の端が前端であり、シートSのうち第2方向D2の右側の端が後端である。また、セット板1上では、第1方向D1(すなわち、前後方向)がシートSの幅方向である。
【0048】
なお、昇降機構2は、セット板1を上昇させることにより、セット板1上の最上層のシートSをピックアップローラー31に接触させる。シート収容装置100から画像形成装置1000へのシートSの給送が連続して行われる場合には、昇降機構2によりセット板1の上昇と上昇停止とが繰り返される。これにより、セット板1上の最上層のシートSとピックアップローラー31との接触が維持される。
【0049】
シート収容装置100は、図6に示すように、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bと、後端規制カーソル4Cとを備える。幅方向規制カーソル4A、幅方向規制カーソル4Bおよび後端規制カーソル4Cは、上下方向と直交する所定方向(すなわち、水平方向)に往復移動可能に支持される。幅方向規制カーソル4A、幅方向規制カーソル4Bおよび後端規制カーソル4Cは、ユーザーの操作により、所定方向に移動する。そして、幅方向規制カーソル4A、幅方向規制カーソル4B、および、後端規制カーソル4Cは、セット板1にセットされたシートSの端縁に所定方向から接触する。これにより、幅方向規制カーソル4A、幅方向規制カーソル4B、および、後端規制カーソル4Cは、セット板1上でのシートSの所定方向の位置ずれを規制する。
【0050】
幅方向規制カーソル4Aおよび4Bは、第1方向D1に移動することにより、セット板1上のシートSの端縁に対して第1方向D1から接触し、セット板1上のシートSの第1方向D1の位置ずれを規制する。なお、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bは、セット板1上のシートSを第1方向D1に挟む。後端規制カーソル4Cは、第2方向D2に移動することにより、セット板1上のシートSの端縁に対して第2方向D2から接触し、セット板1上のシートSの第2方向D2の位置ずれを規制する。
【0051】
なお、上方か見て、セット板1は、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bの各移動経路上に開口(符号省略)を有し、後端規制カーソル4Cの移動経路上に開口(符号省略)を有する。このため、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bが第1方向D1に移動しても、セット板1には接触しない。後端規制カーソル4Cが第2方向D2に移動しても、セット板1には接触しない。すなわち、上方から見て、セット板1に対してシートSが小さくても、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bをセット板1に接触させることなくシートSの端縁に接触させることができ、後端規制カーソル4Cをセット板1に接触させることなくシートSの端縁に接触させることができる。図6では、セット板1にハッチングを付す。
【0052】
幅方向規制カーソル4Aは、第1方向D1の前側からシートSの端縁に接触し、幅方向規制カーソル4Bは、第1方向D1の後側からシートSの端縁に接触する。具体的には、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bは、それぞれ、シートSの端縁に接触する板状の側面部40を有する。幅方向規制カーソル4Aおよび4Bのそれぞれの側面部40は、上下方向に立設し、かつ、第1方向D1を板厚方向とする。幅方向規制カーソル4Aおよび4Bのそれぞれの側面部40は、第1方向D1に互いに対向する。
【0053】
幅方向規制カーソル4Aおよび4Bは、互いに連動して第1方向D1に移動する。幅方向規制カーソル4Aが後側に移動すると、幅方向規制カーソル4Bが前側に移動することにより、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bの第1方向D1間の間隔が狭くなる。幅方向規制カーソル4Aが前側に移動すると、幅方向規制カーソル4Bが後側に移動することにより、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bの第1方向D1間の間隔が広くなる。
【0054】
幅方向規制カーソル4Aおよび4Bの第1方向D1への移動を連動させるため、図7に示すように、幅方向規制カーソル4Aには、第1方向D1の後側に延びるラック401が設けられ、幅方向規制カーソル4Bには、第1方向D1の前側に延びるラック402が設けられる。ラック401および402の第2方向D2間には、上下方向に延びる軸線回りに回転するギア400が設けられる。ギア400は、ラック401および402に噛み合う。
【0055】
なお、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bを第1方向D1に移動させるとき、ユーザーは幅方向規制カーソル4Aを操作し、幅方向規制カーソル4Aを第1方向D1に移動させる。この構成では、幅方向規制カーソル4Aが「規制カーソル」に相当する。
【0056】
<保持機構の構成>
シート収容装置100は、図8図12に示すように、幅方向規制カーソル4Aを第1方向D1の任意の位置に静止保持する保持機構5を備える。保持機構5は、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1の位置ずれを規制する機能を有する。幅方向規制カーソル4Aの位置ずれが規制されることにより、幅方向規制カーソル4Bの位置ずれも規制される。すなわち、保持機構5は、幅方向規制カーソル4Aに加え、幅方向規制カーソル4Bを任意の位置に静止保持する。
【0057】
幅方向規制カーソル4Aは、その側面部40の下端から第1方向D1の前側に延びる板状の底面部41を有する。単一の金属板を折り曲げることにより、側面部40および底面部41を有する幅方向規制カーソル4Aが形成される。底面部41は、連結開口410を有する。連結開口410は、底面部41の厚み方向(すなわち、底面部41を構成する板状部分の板厚方向)に貫通する貫通孔である。
【0058】
連結開口410は、その内側に連結突起411を有する。連結突起411は、連結開口410の内縁から第1方向D1の前側に突出する。連結突起411は、板状である。
【0059】
保持機構5は、ガイドシャフト51を備える。ガイドシャフト51は、丸棒である。ガイドシャフト51は、第1方向D1に延びる。ガイドシャフト51は、底面部41よりも下方に配置される。ガイドシャフト51のうち、第1方向D1の前側の端部は、ボトムフレームFbの縁部に固定され、第1方向D1の後側の端部は、ボトムフレームFbの底面に設けられた取付部50(図6および図7参照)に固定される。ボトムフレームFbは、板金製であり、シート収容装置100の底部を構成するフレームである。
【0060】
なお、幅方向規制カーソル4Aには、台車部材403が取り付けられる。台車部材403は、コロ403aを有し、ボトムフレームFbの底面上を幅方向規制カーソル4Aと共に第1方向D1に走行可能である。たとえば、ボトムフレームFbの底面(すなわち、上面)には、ガイドレールGLが設けられる。ガイドレールGLは、台車部材403の第1方向D1への走行をガイドする。
【0061】
保持機構5は、ストッパー52を備える。ストッパー52は、板金製である。ストッパー52は、幅方向規制カーソル4Aに連結される。
【0062】
ストッパー52は、ガイド孔521を有する。ガイド孔521は、ストッパー52の厚み方向(すなわち、ストッパー52を構成する板状部分の板厚方向)に貫通する貫通孔である。ガイド孔521の開口形状は、円形状である。ガイドシャフト51は、ガイド孔521に挿入された状態で、ボトムフレームFbに固定される。ストッパー52は、ガイド孔521に挿入された状態で、ガイドシャフト51に沿って第1方向D1に往復移動可能である。
【0063】
また、ストッパー52は、ガイド孔521を有する孔側端部5201とは反対側の端部5202を連結開口410から底面部41よりも上方に突出させる。端部5202は「操作側端部」に相当する。以下の説明では、端部5202を操作側端部5202と称する。
【0064】
ストッパー52は、孔側端部5201と操作側端部5202との間に連結孔522を有する。連結孔522は、ストッパー52の厚み方向に貫通する貫通孔である。連結孔522には、連結突起411が第1方向D1の後側から挿入される。操作側端部5202を連結開口410から底面部41よりも上方に突出させ、かつ、連結孔522に連結突起411を第1方向D1の後側から挿入することにより、ストッパー52が幅方向規制カーソル4aに連結される。ストッパー52は、幅方向規制カーソル4aと共に第1方向D1に往復移動可能である。
【0065】
また、保持機構5は、コイルばね53を備える。コイルばね53は「付勢部材」に相当する。コイルばね53は、圧縮ばねである。コイルばね53は、ガイドシャフト51に嵌め込まれる。たとえば、底面部41の下面には、ブラケット54が取り付けられる。ブラケット54は、ストッパー52よりも第1方向D1の前側に位置する。また、ブラケット54は、ガイドシャフト51が挿入される貫通孔(符号省略)を有する。
【0066】
コイルばね53は、ストッパー52とブラケット54との第1方向D1間に挟まれる。これにより、コイルばね52には、ストッパー52を第1方向D1の後側に付勢する付勢力が発生する。コイルばね53は、孔側端部5201を第1方向D1の後側に付勢する。
【0067】
<幅方向規制カーソルの静止保持>
ガイド孔521の開口径は、ガイドシャフト51の直径よりも大きい。これにより、ストッパー52は、孔側端部5201を支点として、第1方向D1に傾倒可能である。ここで、ストッパー52は、その孔側端部5201がコイルばね53によって第1方向D1の後側に付勢される。
【0068】
このため、図11に示すように、後述するレバー61が操作されていないとき、ストッパー52は、孔側端部5201を支点として、第1方向D1の前側(「所定方向の一方側」に相当)に傾倒する。なお、詳細は後述するが、レバー61を操作することにより、ストッパー52が第1方向D1の前側に傾倒した状態から、ストッパー52を第1方向D1の後側に向けて起こすことができる。
【0069】
ストッパー52を第1方向D1の前側に傾倒させることにより、ガイド孔521の内縁とガイドシャフト51とが接触することで摩擦抵抗が生じる。そして、当該摩擦抵抗により、ストッパー52の第1方向D1への移動が規制される。また、ストッパー52が幅方向規制カーソル4Aに連結されているため、ストッパー52の第1方向D1への移動が規制されれば、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1への移動が規制される。
【0070】
本実施形態では、幅方向規制カーソル4Aを第1方向D1に移動させ、幅方向規制カーソル4Aの側面部40をシートSの端縁に接触させた後、ストッパー52を第1方向D1の前側に傾倒させることにより、幅方向規制カーソル4Aが静止保持される。すなわち、幅方向規制カーソル4Aを第1方向D1の任意の位置に静止保持できる。このとき、ガイド孔521の内縁とガイドシャフト51との接触による摩擦抵抗により、幅方向規制カーソル4Aが第1方向D1に位置ずれすることを抑制できる。
【0071】
また、本実施形態では、コイルばね53が孔側端部5201を第1方向D1の後側に付勢することにより、ストッパー52が第1方向D1の後側に向けて起き上がることを抑制できる。これにより、幅方向規制カーソル4AがシートSに接触した状態(すなわち、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1の位置ずれを規制している状態)のとき、ストッパー52が意図せず第1方向D1の後側に向けて起き上がることに起因して、幅方向規制カーソル4Aが第1方向D1に位置ずれすることを抑制できる。
【0072】
ここで、本実施形態では、コイルばね53の孔側端部5201に対する第1方向D1の後側への付勢力は、ガイド孔521の内縁とガイドシャフト51とが接触することで生じる摩擦抵抗よりも小さい。これにより、ストッパー52を第1方向D1の前側に傾倒させているにもかかわらず、ストッパー52が第1方向D1の前側に傾倒したまま、ストッパー52がコイルばね53の付勢力によって第1方向D1の後側に移動することを抑制できる。すなわち、確実に、幅方向規制カーソル4Aを静止保持できる。
【0073】
また、本実施形態では、操作側端部5202を連結開口410から底面部41よりも上方に突出させ、かつ、連結孔522に連結突起411を第1方向D1の後側から挿入することにより、ストッパー52が第1方向D1の前側に傾倒しても、幅方向規制カーソル4Aとストッパー52との連結が解除されることを抑制できる。言い換えると、ストッパー52が第1方向D1の前側に傾倒しても、連結突起411が連結孔522から外れないので、幅方向規制カーソル4Aとストッパー52との連結は解除されない。
【0074】
<ストッパーの傾倒規制>
ストッパー52は、当接部523を一体的に有する。ストッパー52は、その一部を当接部523として有する。当接部523は、ストッパー52のうち、連結開口410から突出して底面部41よりも上方に位置する部分に配置される。当接部523は、連結開口410の内縁よりも第1方向D1の後側に張り出した部分である。単一の金属板を折り曲げることにより、当接部523を有するストッパー52が得られる。
【0075】
ここで、ストッパー52が第1方向D1の前側に傾倒した状態から第1方向D1の後側に向けて起こされ、ストッパー52が起立したとき(略起立したときを含む)、当接部523は、底面部41の上面に接触する。すなわち、図11に示す状態から図12に示す状態に遷移する。ストッパー52が起立状態のとき、ストッパー52が第1方向D1の前側に傾倒した状態よりも、ガイド孔521の内縁とガイドシャフト51との接触による摩擦抵抗は小さくなり、ストッパー52と共に幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1への移動が可能となる。
【0076】
すなわち、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1への移動が可能な状態のとき、当接部523は、底面部41の上面(すなわち、幅方向規制カーソル4A)に接触する。当接部523は、底面部41の上面に自身が接触することにより、幅方向規制カーソル4Aが第1方向D1に移動可能なときにストッパー52が第1方向D1の後側に傾倒することを規制する。
【0077】
本実施形態では、ストッパー52に当接部523を設けることにより、容易に、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1への移動が可能な状態を保持でき、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1への移動が意図せず規制されることを抑制できる。すなわち、幅方向規制カーソル4Aを第1方向D1の任意の位置で静止保持することを可能としつつ、幅方向規制カーソル4Aを移動させるときの操作性の低下を抑制できる。なお、ユーザーからすると、後述するレバー61に対する力加減を気にする必要が無いので、利便性が良い。
【0078】
また、ストッパー52に当接部523を設けることにより、ストッパー52の第1方向D1の後側への傾倒を規制する部材を別途追加する必要はない。これにより、構造が複雑化することを抑制できる。すなわち、コストアップを抑制できる。
【0079】
<ストッパーに対する操作>
シート収容装置100は、図8図11および図12に示すように、操作機構6を備える。操作機構6は、ストッパー52を操作するための機構である。操作機構6は、幅方向規制カーソル4Aに取り付けられる。操作機構6は、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1の外方に配置される。操作機構6は、レバー61と、中継部材62とを備える。
【0080】
レバー61は、回転軸610に回転可能に支持される。回転軸610は、第2方向D2に延びるように幅方向規制カーソル4Aに取り付けられる。すなわち、レバー61は、第2方向D2に延びる軸線回りに回転可能である。レバー61は、ユーザーから操作を受け付ける。レバー61を操作することにより、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bを第1方向D1に移動させることができる。
【0081】
レバー61のうち、回転軸610に対して上方側の上端部611は、その上下方向の位置が幅方向規制カーソル4Aの上面部の上下方向の位置と略同じである。幅方向規制カーソル4Aの上面部は、第1方向D1の外方から内方に凹む凹部(符号省略)を有する。レバー61の上端部611は、当該凹部の内側に配置される。レバー61の操作では、上端部611が動かされる。たとえば、レバー61の上端部611には、樹脂製のグリップが取り付けられる。レバー61のうち、回転軸610に対して下方側の下端部612は、中継部材62に接触可能な位置に配置される。
【0082】
中継部材62は、レバー61に対するユーザーの操作をストッパー52に伝達する。中継部材62は、回転軸620に回転可能に支持される。回転軸620は、回転軸610よりも下方において、第2方向D2に延びるように幅方向規制カーソル4Aに取り付けられる。すなわち、中継部材62は、第2方向D2に延びる軸線回りに回転可能である。回転軸620の第1方向D1の位置は、回転軸610の第1方向D1の位置と同じである。
【0083】
中継部材62は、回転軸620に対して上方側の端部を入力端部621として有し、回転軸620に対して下方側の端部を出力端部622として有する。すなわち、中継部材62は、入力端部621と出力端部622との間の部分を支持部62aとして有する。中継部材62の支持部62aは、第2方向D2に延びる軸線回りに回転可能に支持される。
【0084】
入力端部621には、レバー61の下端部612が第1方向D1の後側から接触する。出力端部622には、ストッパー52の操作側端部5202が第1方向D1の後側から接触する。
【0085】
幅方向規制カーソル4Aを第1方向D1に移動させるとき、ユーザーはレバー61を操作する。このとき、レバー61の上端部611が第1方向D1の後側に動かされる。レバー61の上端部611が第1方向D1の後側に移動すると、レバー61の下端部612が第1方向D1の前側に移動する。
【0086】
ここで、レバー61は、その下端部612を後側から中継部材62の入力端部621に接触させる。このため、レバー61の下端部612が第1方向D1の前側に移動すると、レバー61の下端部612によって入力端部621が第1方向D1の前側に押圧される。すなわち、レバー61は、操作されることにより、入力端部621を第1方向D1の前側に押圧する。中継部材62は、入力端部621が第1方向D1の前側に押圧されることにより、出力端部622を第1方向D1の後側に移動させる。
【0087】
中継部材62は、その出力端部622を第1方向D1の前側からストッパー52の操作側端部5202に接触させる。このため、出力端部622が第1方向D1の後側に移動すると、出力端部622によって操作側端部5202が第1方向D1の後側に押圧される。すなわち、中継部材62は、レバー61によって入力端部621が第1方向D1の前側に押圧されることにより、出力端部622で操作側端部5202を第1方向D1の後側に押圧する。
【0088】
ストッパー52は、第1方向D1の前側に傾倒した状態(図11参照)から、操作側端部5202が第1方向D1の後側に押圧されることにより、第1方向D1の後側に向けて起こされる。最終的には、ストッパー52が起立状態(図12参照)となり、ストッパー52の当接部523が底面部41の上面に当接する。これにより、それ以上、ストッパー52は第1方向D1の後側には傾倒しない。すなわち、幅方向規制カーソル4Aが第1方向D1に移動可能な状態で維持される。
【0089】
本実施形態では、操作機構6でストッパー52の傾き調整が可能なため、容易に、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bを第1方向D1に移動させることができるとともに、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bを第1方向D1の任意の位置に静止保持できる。ユーザーの操作としては、レバー61の上端部611を動かすだけで良いので、操作性を向上させることができる。
【0090】
<後端規制カーソルの静止保持>
後端規制カーソル4Cは、図示しないが、幅方向規制カーソル4Aに連結される保持機構5と構成が同じ保持機構5に連結される。すなわち、後端規制カーソル4Cも「規制カーソル」に相当する。幅方向規制カーソル4Aは「第1の規制カーソル」に相当し、後端規制カーソル4Cは「第2の規制カーソル」に相当する。また、「規制カーソル」としての後端規制カーソル4Cに着目すると、第2方向D2の右側が「所定方向の一方側」に相当し、第2方向D2の左側が「所定方向の他方側」に相当する。
【0091】
この構成では、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bの第1方向D1の位置ずれに加え、後端規制カーソル4Cの第2方向D2の位置ずれを規制できる。すなわち、確実に、後端規制カーソル4Cを第2方向D2の任意の位置で静止保持できる。また、後端規制カーソル4Cを第2方向D2に移動させるとき、後端規制カーソル4Cの第2方向D2への移動が意図せず規制されることはない。これにより、後端規制カーソル4Cを第2方向D2に移動させるときの操作性の低下が抑制される。
【0092】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1 セット板
4A 幅方向規制カーソル(規制カーソル)
4C 後端規制カーソル(規制カーソル)
5 保持機構
6 操作機構
40 側面部
41 底面部
51 ガイドシャフト
52 ストッパー
53 コイルばね(付勢部材)
61 レバー
62 中継部材
62a 支持部
100 シート収容装置
100S 画像形成システム
410 連結開口
411 連結突起
521 ガイド孔
522 連結孔
523 当接部
621 入力端部
622 出力端部
1000 画像形成装置
5201 孔側端部
5202 操作側端部
D1 第1方向(所定方向)
D2 第2方向(所定方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12