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特開2024-174515シート収容装置およびそれを備える画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174515
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】シート収容装置およびそれを備える画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/14 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
B65H1/14 322B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092372
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】淵 昌巳
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA01
3F343FB01
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA17
3F343HD09
3F343HD16
3F343KB03
3F343KB14
3F343LA04
3F343LA14
3F343LC12
3F343LD10
3F343LD23
(57)【要約】
【課題】シート収容装置を小型化する。
【解決手段】所定フレームは、メインフレーム部と、メインフレーム部よりも第1方向と直交する第2方向の一方側に位置するドラム配置部と、を有し、所定フレーム側の巻取ドラムは、ドラム配置部に配置され、所定フレーム側の中継プーリーは、ドラム配置部に配置され、第1ワイヤーが巻き掛けられる第1中継プーリーと、第1中継プーリーと同一の軸線上で、かつ、第1中継プーリーの第1方向の外方に配置され、第2ワイヤーが巻き掛けられる第2中継プーリーと、メインフレーム部に配置され、第2ワイヤーが巻き掛けられる第3中継プーリーと、を含み、ドラム配置部は、メインフレーム部よりも第1方向の内方に位置する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に往復移動可能であり、シートがセットされるセット板と、
前記セット板を挟んで前記上下方向と直交する第1方向に互いに対向するよう配置される一対の板状フレームと、
前記セット板の前記第1方向の両端部に連結されるワイヤーと、
前記一対の板状フレームのそれぞれの前記第1方向の外方に配置され、前記ワイヤーに連結されるとともに、前記第1方向に延びる軸線回りに回転可能であり、一方向に回転することにより前記ワイヤーを巻き取って前記セット板を上昇させ、他方向に回転することにより前記ワイヤーを繰り出して前記セット板を下降させる複数の巻取ドラムと、
前記一対の板状フレームのそれぞれの前記第1方向の外方に配置され、前記第1方向に延びる軸線回りに回転可能であり、前記ワイヤーが巻き掛けられる複数の中継プーリーと、を備え、
前記一対の板状フレームのうち所定フレームは、
メインフレーム部と、
前記メインフレーム部よりも前記第1方向と直交する第2方向の一方側に位置するドラム配置部と、を有し、
前記ワイヤーは、
前記セット板のうち、前記所定フレーム側であって前記第2方向の一方側の端部に連結される第1ワイヤーと、
前記セット板のうち、前記所定フレーム側であって前記第2方向の他方側の端部に連結される第2ワイヤーと、を含み、
前記複数の巻取ドラムのうち前記所定フレーム側の前記巻取ドラムは、前記ドラム配置部に配置され、
前記複数の中継プーリーのうち前記所定フレーム側の前記中継プーリーは、
前記ドラム配置部に配置され、前記第1ワイヤーが巻き掛けられる第1中継プーリーと、
前記第1中継プーリーと同一の軸線上で、かつ、前記第1中継プーリーの前記第1方向の外方に配置され、前記第2ワイヤーが巻き掛けられる第2中継プーリーと、
前記メインフレーム部に配置され、前記第2ワイヤーが巻き掛けられる第3中継プーリーと、を含み、
前記ドラム配置部は、前記メインフレーム部よりも前記第1方向の内方に位置する、シート収容装置。
【請求項2】
前記所定フレーム側の前記巻取ドラムは、
前記第1ワイヤーに連結される第1巻取ドラムと、
前記第1巻取ドラムと同一の軸線上で、かつ、前記第1巻取ドラムの前記第1方向の外方に配置され、前記第2ワイヤーに連結される第2巻取ドラムと、を含み、
前記メインフレーム部と前記ドラム配置部との間の前記第1方向の距離は、前記第1巻取ドラムの前記第1方向の幅以上である、請求項1に記載のシート収容装置。
【請求項3】
前記第2巻取ドラムおよび前記第2中継プーリーは、前記メインフレーム部よりも前記第1方向の外方に配置される、請求項2に記載のシート収容装置。
【請求項4】
前記所定フレームは、単一の板材から形成され、
前記ドラム配置部は、前記板材が曲げられることによって前記メインフレーム部よりも前記第1方向の内方に凹んだ部分である、請求項1に記載のシート収容装置。
【請求項5】
前記所定フレームは、前記メインフレーム部とは別部材である板状部材を前記ドラム配置部として有し、
前記所定フレームは、前記第1方向に貫通する開口を前記メインフレーム部よりも前記第2方向の一方側に有し、
前記板状部材は、前記メインフレーム部よりも前記第1方向の内方に配置され、かつ、前記開口から前記第1方向の外方に露出し、
前記所定フレーム側の前記巻取ドラム、前記第1中継プーリーおよび前記第2中継プーリーは、前記板状部材に配置される、請求項1に記載のシート収容装置。
【請求項6】
前記第1方向に往復移動可能に支持され、前記セット板上の前記シートに前記第1方向から接触することにより、前記シートの前記第1方向の位置ずれを規制する規制カーソルを備え、
前記メインフレーム部は、前記規制カーソルの前記第1方向の外方に位置し、
前記ドラム配置部は、前記規制カーソルよりも前記第2方向の一方側に位置する、請求項1に記載のシート収容装置。
【請求項7】
前記複数の巻取ドラムを回転させる巻取モーターを備え、
前記巻取モーターは、前記一対の板状フレームのうち前記所定フレームとは別の前記フレームの前記第1方向の外方に配置される、請求項1に記載のシート収容装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のシート収容装置と、
前記シート収容装置に連結される画像形成装置と、を備え、
前記シート収容装置は、前記画像形成装置に前記シートを給送し、
前記画像形成装置は、前記シート収容装置から給送された前記シートに印刷を行う、画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート収容装置およびそれを備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシート収容装置は、シートがセットされるセット板を備える。セット板は、昇降可能に支持される。セット板は、上昇することにより、セット板上の最上層のシートの上面位置を所定位置に保持する。このようなシート収容装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1のセット板(シート積載板)は、ワイヤーに連結される。特許文献1では、セット板に連結されたワイヤーの巻き取りおよび繰り出しが行われることにより、セット板が昇降する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-217266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
セット板にワイヤーを連結し、そのワイヤーの巻き取りおよび繰り出しを行うことによってセット板を昇降させる構成では、ワイヤーに連結される巻取ドラムなどを含む機構部をセット板の外方に配置する必要がある。その結果、シート収容装置が大型化する。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、シートがセットされるセット板にワイヤーを連結し、そのワイヤーの巻き取りおよび繰り出しを行うことによってセット板を昇降させる構成において、装置を小型化することが可能なシート収容装置およびそれを備える画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の局面によるシート収容装置は、上下方向に往復移動可能であり、シートがセットされるセット板と、セット板を挟んで上下方向と直交する第1方向に互いに対向するよう配置される一対の板状フレームと、セット板の第1方向の両端部に連結されるワイヤーと、一対の板状フレームのそれぞれの第1方向の外方に配置され、ワイヤーに連結されるとともに、第1方向に延びる軸線回りに回転可能であり、一方向に回転することによりワイヤーを巻き取ってセット板を上昇させ、他方向に回転することによりワイヤーを繰り出してセット板を下降させる複数の巻取ドラムと、一対の板状フレームのそれぞれの第1方向の外方に配置され、第1方向に延びる軸線回りに回転可能であり、ワイヤーが巻き掛けられる複数の中継プーリーと、を備える。一対の板状フレームのうち所定フレームは、メインフレーム部と、メインフレーム部よりも第1方向と直交する第2方向の一方側に位置するドラム配置部と、を有する。ワイヤーは、セット板のうち、所定フレーム側であって第2方向の一方側の端部に連結される第1ワイヤーと、セット板のうち、所定フレーム側であって第2方向の他方側の端部に連結される第2ワイヤーと、を含む。複数の巻取ドラムのうち所定フレーム側の巻取ドラムは、ドラム配置部に配置される。複数の中継プーリーのうち所定フレーム側の中継プーリーは、ドラム配置部に配置され、第1ワイヤーが巻き掛けられる第1中継プーリーと、第1中継プーリーと同一の軸線上で、かつ、第1中継プーリーの第1方向の外方に配置され、第2ワイヤーが巻き掛けられる第2中継プーリーと、メインフレーム部に配置され、第2ワイヤーが巻き掛けられる第3中継プーリーと、を含む。ドラム配置部は、メインフレーム部よりも第1方向の内方に位置する。
【0008】
本発明の第2の局面による画像形成システムは、上記シート収容装置と、シート収容装置に連結される画像形成装置と、を備える。シート収容装置は、画像形成装置にシートを給送する。画像形成装置は、シート収容装置から給送されたシートに印刷を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成では、シートがセットされるセット板にワイヤーを連結し、そのワイヤーの巻き取りおよび繰り出しを行うことによってセット板を昇降させる構成において、シート収容装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態によるシート収容装置の斜視図である。
図2】実施形態によるシート収容装置を備える画像形成システムの概略図である。
図3】実施形態によるシート収容装置の外装カバーが無い状態の斜視図である。
図4】実施形態によるシート収容装置のセット板の昇降機構の斜視図である。
図5図5に示す昇降機構の巻取モーターおよびその周辺の斜視図である。
図6】実施形態によるシート収容装置のシート収容領域を上方から見た平面図である。
図7】実施形態によるシート収容装置の一対の幅方向規制カーソルを移動させる機構の模式図(上方から見た平面図)である。
図8】実施形態によるシート収容装置の前側巻取ドラムおよびその周辺の斜視図である。
図9】実施形態によるシート収容装置の前フレームの前側に配置される各部材を上方から見た図である。
図10図9に示す前側巻取ドラムおよびその周辺を拡大した図である。
図11】変形例によるシート収容装置の前フレームの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図10を参照し、本発明の一実施形態によるシート収容装置100およびそれを備える画像形成システム100Sについて説明する。
【0012】
<画像形成システムの構成>
シート収容装置100は、図1に示すような外観を有する。シート収容装置100は、図2に示すように、画像形成装置1000に連結される。シート収容装置100は、画像形成装置1000に連結されることにより、画像形成装置1000と共に画像形成システム100Sを構成する。図2は、画像形成システム100S(すなわち、画像形成装置1000に連結されたシート収容装置100)の模式図である。図2は、画像形成システム100Sを正面から見た場合に相当する。
【0013】
シート収容装置100は、画像形成装置1000と共に床面に設置される。シート収容装置100が設置される床面(平坦面)に対して垂直な方向は「上下方向」に相当する。
【0014】
ここで、上下方向と直交する水平方向のうち、一方向は「第1方向」に相当し、一方向と直交する他方向は「第2方向」に相当する。以下の説明では、水平方向の一方向に符号D1を付して単に第1方向D1と称し、水平方向の他方向に符号D2を付して単に第2方向D2と称する。
【0015】
第1方向D1は、シート収容装置100を正面から見た場合における前後方向に相当する。第1方向D1の一方側は前側(すなわち、装置正面から見て手前側)であり、第1方向D1の一方側とは反対の他方側は後側(すなわち、装置正面から見て奥側)である。
【0016】
第2方向D2は、シート収容装置100を正面から見た場合における左右方向に相当する。第2方向D2の一方側は右側であり、第2方向D2の一方側とは反対の他方側は左側である。
【0017】
シート収容装置100は、画像形成装置1000に対して着脱可能である。シート収容装置100は、オプション装置であってもよい。シート収容装置100は、画像形成装置1000の右側に配置される。
【0018】
シート収容装置100は、シートSを収容する。たとえば、シートSは用紙である。シート収容装置100は、画像形成装置1000にシートSを給送する。すなわち、シート収容装置100は、給送装置として機能する。
【0019】
シート収容装置100は、画像形成装置1000の右側において、画像形成装置1000に対し、右側から左側に向けてシートSを給送する。すなわち、第2方向D2のうち右側から左側に向かう方向は、シート収容装置100から画像形成装置1000へのシートSの給送方向である。この構成では、第1方向D1は、シートSの給送方向と直交する方向となる。
【0020】
画像形成装置1000は、シート収容装置100から給送されたシートSに対して画像を印刷する。画像形成装置1000の印刷方式は、電子写真方式である。画像形成装置1000の印刷方式は、インクジェット方式であってもよい。
【0021】
<画像形成装置の構成>
画像形成装置1000は、シート収容装置100から給送されたシートSを搬送路に沿って搬送する。画像形成装置1000は、搬送中のシートSに画像を印刷する。なお、図2では、シートSの搬送路を破線矢印で示す。
【0022】
画像形成装置1000は、感光体ドラム1001と転写ローラー1002とを備える。感光体ドラム1001は、その周面上にトナー像を担持する。転写ローラー1002は、感光体ドラム1001に圧接し、感光体ドラム1001との間で転写ニップを形成する。転写ローラー1002は、感光体ドラム1001と共に回転する。搬送中のシートSが転写ニップに進入することにより、そのシートSに対する転写処理が行われ、シートSにトナー像が転写される。
【0023】
画像形成装置1000は、図示しないが、帯電装置、露光装置および現像装置をさらに備える。帯電装置は、感光体ドラム1001の周面を帯電させる。露光装置は、感光体ドラム1001の周面上に静電潜像を形成する。現像装置は、感光体ドラム1001の周面上の静電潜像をトナー像に現像する。
【0024】
画像形成装置1000は、定着ローラー対1003を備える。定着ローラー対1003は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを含む。加熱ローラーは、ヒーターを内蔵する。加圧ローラーは、加熱ローラーに圧接し、加熱ローラーとの間で定着ニップを形成する。加圧ローラーは、加熱ローラーと共に回転する。搬送中のシートSが定着ニップに進入することにより、シートSに対する定着処理が行われ、シートSにトナー像が定着される。定着ニップを抜けたシートSは排出トレイETに排出される。
【0025】
なお、画像形成装置1000は、給送ローラー1004を備える。給送ローラー1004は、画像形成装置1000の本体内にあるシートカセットCAから搬送路にシートSを給送する。すなわち、画像形成装置1000は、シートカセットCAにセットされたシートSに対する印刷も可能である。
【0026】
また、画像形成装置1000は、画像読取装置1005を備える。画像読取装置1005は、原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する。画像形成装置1000は、原稿の画像データに基づく画像のシートSへの印刷(すなわち、原稿のコピー)が可能である。
【0027】
<シート収容装置の構成>
シート収容装置100は、図3に示すように、前フレームFfおよび後フレームFrを備える。前フレームFfおよび後フレームFrは、板状フレームであり、板金製である。前フレームFfおよび後フレームFrは「一対の板状フレーム」に相当する。前フレームFfは、前側に配置され、後フレームFrは、後側に配置される。前フレームFfは、第1方向D1を板厚方向とする前面部を有し、後フレームFrは、第1方向D1を板厚方向とする後面部を有する。前フレームFfおよび後フレームFrは、前面部および後面部が第1方向D1に互いに対向するよう配置される。
【0028】
シート収容装置100は、前フレームFfと後フレームFrとの第1方向D1間の領域をシート収容領域として有する。シート収容領域は、上方から、上面カバーCV(図1および図2参照)によって覆われる。
【0029】
上面カバーCVは、前フレームFfおよび後フレームFrに対し、回動可能に支持される。上面カバーCVは、第1方向D1に延びる軸線回りに回動可能である。上面カバーCVは、左側端部を支点とし、右側端部を上下に振るように回動する。言い換えると、上面カバーCVは、シート収容領域の上部開口に対して開閉する。
【0030】
上面カバーCVの右側端部を上方に回動させる(言い換えると、上面カバーCVを開ける)ことにより、シート収容領域の上部開口が露出する。そして、上面カバーCVを開けた状態で、シート収容領域の上部開口からシート収容領域にシートSが収容される。この状態から、上面カバーCVの右側端部を下方に回動させる(言い換えると、上面カバーCVを閉める)ことにより、シート収容領域の上部開口が塞がれる。
【0031】
シート収容装置100は、セット板1を備える。セット板1は、板金製である。セット板1は、前フレームFfと後フレームFrとの第1方向D1間の領域であるシート収容領域に配置される。言い換えると、前フレームFfおよび後フレームFrは、セット板1を挟んで第1方向D1に互いに対向するよう配置される。さらに言い換えると、前フレームFfおよび後フレームFrは、セット板1に対して第1方向D1の外方に配置される。前フレームFfは、セット板1に対して第1方向D1の前側に配置される。後フレームFrは、セット板1に対して第1方向D1の後側に配置される。
【0032】
なお、第1方向D1の外方とは、シート収容領域の第1方向D1の中心からシート収容領域の第1方向D1の前側または後側に向かう方向である。たとえば、前フレームFfの第1方向D1の外方とは、前フレームFfの第1方向D1の前側(すなわち、前フレームFfのシート収納領域側とは反対の外側)のことであり、後フレームFrの第1方向D1の外方とは、後フレームFrの第1方向D1の後側(すなわち、後フレームFrのシート収容領域側とは反対の外側)のことである。
【0033】
一方で、第1方向D1の内方とは、シート収容領域の第1方向D1の前側または後側からシート収容領域の第1方向D1の中心に向かう方向である。たとえば、前フレームFfの第1方向D1の内方とは、前フレームFfの第1方向D1の後側(すなわち、前フレームFfのシート収容領域側)のことであり、後フレームFrの第1方向D1の内方とは、後フレームFrの第1方向D1の前側(すなわち、後フレームFrのシート収容領域側)のことである。
【0034】
セット板1は、シートSがセットされるセット部10をシート収容領域に有する。シートSは、セット板1上において、上下方向に積層される。セット板1は、上下方向に往復移動可能に支持される。
【0035】
シート収容装置100は、昇降機構2を備える。昇降機構2の構成を図4および図5に示す。昇降機構2は、セット板1を上下方向に往復移動させる。昇降機構2は、セット板1を上昇させることにより、セット板1にセットされた最上層のシートSの上下方向の位置を所定位置に保持する。
【0036】
昇降機構2は、セット板1のうち第1方向D1の両端部に連結されるワイヤー20を備える。昇降機構2は、ワイヤー20の巻き取りおよび繰り出しを行うことにより、セット板1を昇降させる。
【0037】
ワイヤー20は、その一端がセット板1の右前側の端部に連結される第1ワイヤー201と、その一端がセット板1の左前側の端部に連結される第2ワイヤー202と、その一端がセット板1の右後側の端部に連結される第3ワイヤー203と、その一端がセット板1の左後側の端部に連結される第4ワイヤー204とを含む。
【0038】
具体的には、セット板1は、4つの連結部11、12、13および14を有する。連結部11は、セット部10の右前端部に設けられ、連結部12は、セット部10の左前端部に設けられ、連結部13は、セット部10の右後端部に設けられ、連結部14は、セット部10の左後端部に設けられる。また、前フレームFfは、第2方向D2の右側および左側にそれぞれ、上下方向を長手方向とし、かつ、板厚方向に貫通する長孔LH(図3参照)を有する。図示しないが、後フレームFrも同様、第2方向D2の右側および左側にそれぞれ、上下方向を長手方向とし、かつ、板厚方向に貫通する長孔を有する。
【0039】
連結部11は、前フレームFfのうち第2方向D2の右側の長孔LHを介して、前フレームFfの第1方向D1の外方(すなわち、前側)に突出する。連結部12は、前フレームFfのうち第2方向D2の左側の長孔LHを介して、前フレームFfの第1方向D1の外方(すなわち、前側)に突出する。連結部13は、後フレームFrのうち第2方向D2の右側の長孔を介して、後フレームFrの第1方向D1の外方(すなわち、後側)に突出する。連結部14は、後フレームFrのうち第2方向D2の左側の長孔を介して、後フレームFrの第1方向D1の外方(すなわち、後側)に突出する
【0040】
そして、第1ワイヤー201は、連結部11に連結される。第2ワイヤー202は、連結部12に連結される。第3ワイヤー203は、連結部13に連結される。第4ワイヤー204は、連結部14に連結される。
【0041】
昇降機構2は、前側巻取ドラムFDと、後側巻取ドラムRDと、前側中継プーリーFPと、後側中継プーリーRPと、巻取モーターMとを備える。前側巻取ドラムFDおよび後側巻取ドラムRDは「巻取ドラム」に相当する。前側中継プーリーFPおよび後側中継プーリーRPは「中継プーリー」に相当する。
【0042】
前側巻取ドラムFDは、第1ワイヤー201の他端が連結される第1巻取ドラム211と、第2ワイヤー202の他端が連結される第2巻取ドラム212とを含む。後側巻取ドラムRDは、第3ワイヤー203の他端が連結される第3巻取ドラム213と、第4ワイヤー204の他端が連結される第4巻取ドラム214とを含む。前側巻取ドラムFDおよび後側巻取ドラムRDは、それぞれ、一方向に回転することによって自身に連結されたワイヤー20を巻き取り、他方向に回転することによって自身に連結されたワイヤー20を繰り出す。
【0043】
前側巻取ドラムFDは、前フレームFfの第1方向D1の外方に配置される。一方で、後側巻取ドラムRDは、後フレームFrの第1方向D1の外方に配置される。なお、図示しないが、第1巻取ドラム211および第2巻取ドラム212を単一の巻取ドラムで構成してもよい。同様に、第3巻取ドラム213および第4巻取ドラム214を単一の巻取ドラムで構成してもよい。すなわち、第1巻取ドラム211および第2巻取ドラム212を互いに一体化してもよいし、第3巻取ドラム213および第4巻取ドラム214を互いに一体化してもよい。
【0044】
第1巻取ドラム211および第2巻取ドラム212は、この順番で、前フレームFf側から第1方向D1の外方に向かって配列される。第4巻取ドラム214および第3巻取ドラム213は、この順番で、後フレームFr側から第1方向D1の外方に向かって配列される。
【0045】
また、第1~第4巻取ドラム211~214は、第1方向D1に延びる同一の軸線回りに回転可能に支持される。すなわち、第2巻取ドラム212は、第1巻取ドラム211と同一の軸線上で、かつ、第1巻取ドラム211の第1方向D1の外方に配置される。第3巻取ドラム213は、第4巻取ドラム214と同一の軸線上で、かつ、第4巻取ドラム214の第1方向D1の外方に配置される。
【0046】
具体的には、第1~第4巻取ドラム211~214は、同一の回転軸210に取り付けられ、回転軸210と共に回転する。回転軸210は、その軸線方向の一方端部が前フレームFfに回転可能に支持され、その軸線方向の一方端部とは反対の他方端部が後フレームFrに回転可能に支持されることにより、第1方向D1と平行に延びる。第1巻取ドラム211および第2巻取ドラム212は、前フレームFfのうち第2方向D2の右側の端部に配置され、第3巻取ドラム213および第4巻取ドラム214は、後フレームFrのうち第2方向D2の右側の端部に配置される。すなわち、回転軸210の一方端部は、前フレームFfのうち第2方向D2の右側の端部に回転可能に支持され、回転軸210の他方端部は、後フレームFrのうち第2方向D2の右側の端部に回転可能に支持される。
【0047】
巻取モーターMは、駆動することにより、回転軸210を回転させる。回転軸210が回転することにより、第1~第4巻取ドラム211~214が回転する。巻取モーターMは、後フレームFrの第1方向D1の外方に配置される。巻取モーターMは、ネジ歯車など複数の歯車を含む伝達機構23を介して、回転軸210の後側の端部に連結される。
【0048】
前側中継プーリーFPは、前フレームFfの第1方向D1の外方に配置される。前側中継プーリーFPは、前側巻取ドラムFD(すなわち、回転軸210)よりも上方に配置される。前側中継プーリーFPは、第1方向D1に延びる軸線回りに回転可能である。前フレームFfに取り付けられた回転軸(符号省略)に対して前側中継プーリーFPが回転可能に支持される。前側中継プーリーFPには、ワイヤー20が巻き掛けられる。前側中継プーリーFPは、第1中継プーリー221と、第2中継プーリー222と、第3中継プーリー223とを含む。
【0049】
第1中継プーリー221は、前フレームFfのうち第2方向D2の右側の端部に配置される。第1中継プーリー221は、前側巻取ドラムFDの近傍であって前側巻取ドラムFDよりも第2方向D2の左側に配置される。第1中継プーリー221は、第3中継プーリー223よりも前側巻取ドラムFDに対して第2方向D2に近い位置に配置される。すなわち、第1中継プーリー221は、第3中継プーリー223よりも第2方向D2の右側寄りに配置される。第1中継プーリー221には、第1ワイヤー201が巻き掛けられる。
【0050】
第2中継プーリー222は、第1中継プーリー221と同一の軸線上に配置される。すなわち、第1中継プーリー221および第2中継プーリー222の各回転軸の上下方向の位置が互いに一致するとともに、第1中継プーリー221および第2中継プーリー222の各回転軸の第2方向D2の位置が互いに一致する。
【0051】
また、第2中継プーリー222は、第1中継プーリー221の第1方向D1の外方に配置される。言い換えると、第2中継プーリー222は、第1中継プーリー221の前フレームFf側とは反対の外側に配置される。さらに言い換えると、第1中継プーリー221および第2中継プーリー222は、この順番で、前フレームFf側から第1方向D1の外方に向かって配列される。第2中継プーリー222には、第2ワイヤー202が巻き掛けられる。
【0052】
第3中継プーリー223は、第2中継プーリー222よりも第2方向D2の左側に配置される。第3中継プーリー223は、第2中継プーリー222よりも前側巻取ドラムFDから第2方向D2に離れた位置に配置される。すなわち、第3中継プーリー223は、第2中継プーリー222よりも第2方向D2の左側寄りに配置される。第3中継プーリー223の上下方向の位置は、第2中継プーリー222の上下方向の位置と同じ(略同じを含む)である。第3中継プーリー223の第1方向D1の位置は、第2中継プーリー222の第1方向D1の位置と同じ(略同じを含む)である。第3中継プーリー223には、第2ワイヤー202が巻き掛けられる。
【0053】
後側中継プーリーRPは、後フレームFrの第1方向D1の外方に配置される。後側中継プーリーRPは、後側巻取ドラムRD(すなわち、回転軸210)よりも上方に配置される。後側中継プーリーRPは、第1方向D1に延びる軸線回りに回転可能である。後フレームFrに取り付けられた回転軸(符号省略)に対して後側中継プーリーRPが回転可能に支持される。後側中継プーリーRPには、ワイヤー20が巻き掛けられる。後側中継プーリーRPは、第4中継プーリー224と、第5中継プーリー225と、第6中継プーリー226とを含む。
【0054】
第4中継プーリー224は、後フレームFrのうち第2方向D2の右側の端部に配置される。第4中継プーリー224は、後側巻取ドラムRDの近傍であって後側巻取ドラムRDよりも第2方向D2の左側に配置される。第4中継プーリー224は、第6中継プーリー226よりも後側巻取ドラムRDに対して第2方向D2に近い位置に配置される。すなわち、第4中継プーリー224は、第6中継プーリー226よりも第2方向D2の右側寄りに配置される。第4中継プーリー224には、第3ワイヤー203が巻き掛けられる。
【0055】
第5中継プーリー225は、第4中継プーリー224と同一の軸線上に配置される。すなわち、第4中継プーリー224および第5中継プーリー225の各回転軸の上下方向の位置が互いに一致するとともに、第4中継プーリー224および第5中継プーリー225の各回転軸の第2方向D2の位置が互いに一致する。
【0056】
また、第5中継プーリー225は、第4中継プーリー224の第1方向D1の内方に配置される。言い換えると、第5中継プーリー225は、第4中継プーリー224の後フレームFr側に配置される。さらに言い換えると、第5中継プーリー225および第4中継プーリー224は、この順番で、後フレームFr側から第1方向D1の外方に向かって配列される。第5中継プーリー225には、第4ワイヤー204が巻き掛けられる。
【0057】
第6中継プーリー226は、第5中継プーリー225よりも第2方向D2の左側に配置される。第6中継プーリー226は、第5中継プーリー225よりも後側巻取ドラムRDから第2方向D2に離れた位置に配置される。すなわち、第6中継プーリー226は、第5中継プーリー225よりも第2方向D2の左側寄りに配置される。第6中継プーリー226の上下方向の位置は、第5中継プーリー225の上下方向の位置と同じ(略同じを含む)である。第6中継プーリー226の第1方向D1の位置は、第5中継プーリー225の第1方向D1の位置と同じ(略同じを含む)である。第6中継プーリー226には、第4ワイヤー204が巻き掛けられる。
【0058】
第1ワイヤー201は、セット板1の連結部11から延ばされ、第1中継プーリー221に巻き掛けられ、第1巻取ドラム211に至る。第2ワイヤー202は、セット板1の連結部12から延ばされ、第3中継プーリー223および第2中継プーリー222にこの順番で巻き掛けられ、第2巻取ドラム212に至る。
【0059】
第3ワイヤー203は、セット板1の連結部13から延ばされ、第4中継プーリー224に巻き掛けられ、第3巻取ドラム213に至る。第4ワイヤー204は、セット板1の連結部14から延ばされ、第6中継プーリー226および第5中継プーリー225にこの順番で巻き掛けられ、第4巻取ドラム214に至る。
【0060】
巻取モーターMが正回転することにより、第1~第4巻取ドラム211~214が一方向に回転し、第1~第4巻取ドラム211~214によって第1~第4ワイヤー201~204が巻き取られる。これにより、セット板1が上昇する。一方で、巻取モーターMが逆回転することにより、第1~第4巻取ドラム211~214が他方向に回転し、第1~第4巻取ドラム211~214から第1~第4ワイヤー201~204が繰り出される。これにより、セット板1が下降する。
【0061】
シート収容装置100は、図2および図3に示すように、給送ユニット3を備える。給送ユニット3は、シート収容装置100(すなわち、シート収容領域)から画像形成装置1000にシートSを給送する。給送ユニット3は、ピックアップローラー31および搬送ローラー対32を備える。
【0062】
ピックアップローラー31は、回転可能に支持される。ピックアップローラー31は、セット板1にシートSがセットされた状態において、そのシートSの給送方向下流側の端部に対して上方から接触可能な位置に配置される。ピックアップローラー31は、回転可能に支持される。ピックアップローラー31は、セット板1にセットされたシートSに上方から接触し、その状態で回転することにより、セット板1からシートSを引き出す。
【0063】
搬送ローラー対32は、回転可能に支持される。搬送ローラー対32は、互いに圧接する一対のローラーである。搬送ローラー対32は、ピックアップローラー31よりも給送方向下流側に配置される。搬送ローラー対32は、ピックアップローラー31によってセット板1から引き出されたシートSをニップし、回転する。これにより、搬送ローラー対32は、画像形成装置1000に向けてシートSを搬送する。搬送ローラー対32の設置数は特に限定されず、ピックアップローラー31から画像形成装置1000までのシートSの搬送経路長などに応じて変更可能である。
【0064】
セット板1上のシートSは、第2方向D2の右側から左側に送り出される。すなわち、セット板1上では、シートSのうち第2方向D2の左側の端が前端であり、シートSのうち第2方向D2の右側の端が後端である。また、セット板1上では、第1方向D1(すなわち、前後方向)がシートSの幅方向である。
【0065】
なお、昇降機構2は、セット板1を上昇させることにより、セット板1上の最上層のシートSをピックアップローラー31に接触させる。シート収容装置100から画像形成装置1000へのシートSの給送が連続して行われる場合には、昇降機構2によりセット板1の上昇と上昇停止とが繰り返される。これにより、セット板1上の最上層のシートSとピックアップローラー31との接触が維持される。
【0066】
シート収容装置100は、図6に示すように、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bと、後端規制カーソル4Cとを備える。幅方向規制カーソル4A、幅方向規制カーソル4Bおよび後端規制カーソル4Cは、水平方向に往復移動可能に支持される。幅方向規制カーソル4A、幅方向規制カーソル4Bおよび後端規制カーソル4Cは、ユーザーの操作により、水平方向に移動する。そして、幅方向規制カーソル4A、幅方向規制カーソル4B、および、後端規制カーソル4Cは、セット板1にセットされたシートSの端縁に水平方向から接触する。これにより、幅方向規制カーソル4A、幅方向規制カーソル4B、および、後端規制カーソル4Cは、セット板1上でのシートSの水平方向の位置ずれを規制する。
【0067】
幅方向規制カーソル4Aおよび4Bは、第1方向D1に移動することにより、セット板1上のシートSの端縁に対して第1方向D1から接触し、セット板1上のシートSの第1方向D1の位置ずれを規制する。なお、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bは、セット板1上のシートSを第1方向D1に挟む。後端規制カーソル4Cは、第2方向D2に移動することにより、セット板1上のシートSの端縁に対して第2方向D2から接触し、セット板1上のシートSの第2方向D2の位置ずれを規制する。
【0068】
なお、上方か見て、セット板1は、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bの各移動経路上に開口(符号省略)を有し、後端規制カーソル4Cの移動経路上に開口(符号省略)を有する。このため、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bが第1方向D1に移動しても、セット板1には接触しない。後端規制カーソル4Cが第2方向D2に移動しても、セット板1には接触しない。すなわち、上方から見て、セット板1に対してシートSが小さくても、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bをセット板1に接触させることなくシートSの端縁に接触させることができ、後端規制カーソル4Cをセット板1に接触させることなくシートSの端縁に接触させることができる。図6では、セット板1にハッチングを付す。
【0069】
幅方向規制カーソル4Aは、第1方向D1の前側からシートSの端縁に接触し、幅方向規制カーソル4Bは、第1方向D1の後側からシートSの端縁に接触する。具体的には、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bは、それぞれ、シートSの端縁に接触する板状の側面部40を有する。幅方向規制カーソル4Aおよび4Bのそれぞれの側面部40は、上下方向に立設し、かつ、第1方向D1を板厚方向とする。幅方向規制カーソル4Aおよび4Bのそれぞれの側面部40は、第1方向D1に互いに対向する。
【0070】
幅方向規制カーソル4Aおよび4Bは、互いに連動して第1方向D1に移動する。幅方向規制カーソル4Aが後側に移動すると、幅方向規制カーソル4Bが前側に移動することにより、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bの第1方向D1間の間隔が狭くなる。幅方向規制カーソル4Aが前側に移動すると、幅方向規制カーソル4Bが後側に移動することにより、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bの第1方向D1間の間隔が広くなる。
【0071】
幅方向規制カーソル4Aおよび4Bの第1方向D1への移動を連動させるため、図7に示すように、幅方向規制カーソル4Aには、第1方向D1の後側に延びるラック401が設けられ、幅方向規制カーソル4Bには、第1方向D1の前側に延びるラック402が設けられる。ラック401および402の第2方向D2間には、上下方向に延びる軸線回りに回転するギア400が設けられる。ギア400は、ラック401および402に噛み合う。
【0072】
なお、幅方向規制カーソル4Aおよび4Bを第1方向D1に移動させるとき、ユーザーは幅方向規制カーソル4Aを操作し、幅方向規制カーソル4Aを第1方向D1に移動させる。すなわち、幅方向規制カーソル4Aは、手動(すなわち、ユーザーによる操作)で往復移動可能に支持される。この構成では、幅方向規制カーソル4Aが「規制カーソル」に相当する。
【0073】
シート収容装置100は、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1への往復移動を可能とするため、ガイドシャフト51およびガイドレールGLなどを含むカーソル移動機構を備える。ガイドシャフト51およびガイドレールGLは、第1方向D1に延び、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1への往復移動をガイドする。また、カーソル移動機構は、ストッパー(図示せず)を含む。ストッパーは、幅方向規制カーソル4Aに連結される。
【0074】
ストッパーは、ガイドシャフト51が挿入されるガイド孔を有する。ストッパーが傾倒することにより、ガイドシャフト51とガイド孔の内縁との接触抵抗により、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1への移動が規制される。なお、ストッパーは、コイルばねなどの付勢部材(図示せず)により、常に傾倒するよう付勢される。
【0075】
カーソル移動機構は、ストッパーを傾倒状態から起立状態に遷移させるためのレバー61を含む。レバー61は、ユーザーにより操作される。レバー61は、操作されることにより、ストッパーが傾倒状態から起立状態に遷移する方向にストッパーを押圧する。レバー61が操作されることにより、傾倒状態のストッパーが起こされ、ストッパーが起立状態に遷移する。これにより、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1への往復移動が可能となる。
【0076】
レバー61などカーソル移動機構の一部の構成部材は、幅方向規制カーソル4Aに取り付けられる。このため、シート収容装置100にカーソル移動機構を設置する場合には設置しない場合よりも、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1のサイズが大きくなる。したがって、シート収容装置100にカーソル移動機構を設置する場合には、前フレームFfと後フレームFrとの第1方向D1間の領域のうち、少なくとも幅方向規制カーソル4Aが配置される領域を第1方向D1に広げる必要がある。
【0077】
<前フレームの構成>
以下、図3および図8図10を参照し、前フレームFfの構成について説明する。なお、前フレームFfは、第1方向D1の外方に向かって折り曲げられた部分EPを略全周にわたって有する(図3図8および図9参照)。図9および図10は、前フレームFfのうち部分EPを含む上端部を水平方向に切断した断面に相当する。このため、図9および図10では、前フレームFfにハッチングが付される。
【0078】
前フレームFfは、メインフレーム部71と、ドラム配置部72とを有する板状フレームである。すなわち、前フレームFfは「所定フレーム」に相当する。この構成では、前側巻取ドラムFD(すなわち、第1巻取ドラム211および第2巻取ドラム212)が「所定フレーム側の巻取ドラム」に相当する。また、前側中継プーリーFP(すなわち、第1中継プーリー221、第2中継プーリー222および第3中継プーリー223)が「所定フレーム側の中継プーリー」に相当する。さらに、この構成では、後フレームFrが「所定フレームとは別のフレーム」に相当する。
【0079】
前フレームFfのうち、第1方向D1を板厚方向とする前面部がメインフレーム部71とドラム配置部72とを有する。なお、前フレームFfは、メインフレーム部71とドラム配置部72とを一体的に有する。すなわち、メインフレーム部71に対して後付けられた部材をドラム配置部72としているわけではない。
【0080】
メインフレーム部71は、前フレームFfのうち第2方向D2の右側の端部以外の部分である。メインフレーム部71は、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1の外方に位置する。言い換えると、メインフレーム部71は、幅方向規制カーソル4Aを第1方向D1の外方から覆う。さらに言い換えると、幅方向規制カーソル4Aは、メインフレーム部71と第1方向D1に対向する。
【0081】
ドラム配置部72は、前フレームFfのうち第2方向D2の右側の端部である。ドラム配置部72は、メインフレーム部71よりも第2方向D2の右側に位置する部分である。ドラム配置部72は、幅方向規制カーソル4Aよりも第2方向D2の右側に位置する部分である。すなわち、メインフレーム部71は、幅方向規制カーソル4Aと第1方向D1に対向する一方、ドラム配置部72は、幅方向規制カーソル4Aと第1方向D1に対向しない。
【0082】
ドラム配置部72には、前側巻取ドラムFDが配置される。ドラム配置部72には、第1中継プーリー221が配置される。第1中継プーリー221は、ドラム配置部72のうち、前側巻取ドラムFDよりも第2方向D2の左側に配置される。なお、第2中継プーリー222は、第1中継プーリー221と同一の軸線上で、かつ、第1中継プーリー221の第1方向D1の外方に配置される。すなわち、第2中継プーリー222は、ドラム配置部72に配置される。第3中継プーリー223は、メインフレーム部71に配置される。
【0083】
ここで、ドラム配置部72は、メインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に位置する。たとえば、前フレームFfは、単一の板材から形成される。なお、前フレームFfを構成する板材は金属板である。そして、単一の板材は、曲げられることにより、その一部がメインフレーム部71となる部分に対して凹まされる。これにより、容易に、メインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に凹んだ部分をドラム配置部72として有する前フレームFfが得られる。
【0084】
本実施形態では、ドラム配置部72がメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に位置することにより、シート収容装置100の第1方向D1のサイズを小さくできる。すなわち、シート収容装置100を小型化できる。
【0085】
具体的には、ドラム配置部72には、第1巻取ドラム211が配置される。また、ドラム配置部72には、第1中継プーリー221が配置される。このため、ドラム配置部72がメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に位置する場合、第1巻取ドラム211の少なくとも一部がメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に入り込んだ状態になる。同様に、第1中継プーリー221の少なくとも一部がメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に入り込んだ状態になる。これにより、ドラム配置部72がメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に位置する場合には、ドラム配置部72の第1方向D1の位置がメインフレーム部71と同じである場合よりも、シート収容装置100の第1方向D1のサイズが小さくなる。
【0086】
なお、第1巻取ドラム211には、第1ワイヤー201が連結される。第1ワイヤー201は、第1中継プーリー221にだけ巻き掛けられる。このため、第1巻取ドラム211および第1中継プーリー221が共に完全にメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に入り込んだ状態になっても、第1ワイヤー201が前フレームFfに接触することはない。
【0087】
そこで、本実施形態では、メインフレーム部71(その前面)とドラム配置部72(その前面)との間の第1方向D1の距離Dは、第1巻取ドラム211の第1方向D1の幅W以上である。これにより、第1巻取ドラム211が完全にメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に入り込んだ状態にできる。また、第1中継プーリー221の第1方向D1の幅は第1巻取ドラム211の第1方向D1の幅Wよりも小さいため、第1中継プーリー221も完全にメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に入り込んだ状態にできる。
【0088】
第1巻取ドラム211の第1方向D1の幅Wとは、第1巻取ドラム211のうち第1ワイヤー201が巻回されるドラム部分の第1方向D1の幅であり、第1巻取ドラム211の回転軸は含まない。第1中継プーリー221の第1方向D1の幅とは、第1ワイヤー201が巻き掛けられる部分の第1方向D1の幅であり、第1中継プーリー221の回転軸は含まない。
【0089】
このように、メインフレーム部71とドラム配置部72との間の第1方向D1の距離Dが第1巻取ドラム211の第1方向D1の幅W以上であれば、第1巻取ドラム211および第1中継プーリー221がメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に入り込んだ状態にできる。しかし、メインフレーム部71とドラム配置部72との間の第1方向D1の距離Dが大き過ぎると、第2巻取ドラム212および第2中継プーリー222がメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に入り込んでしまう。この場合、第3中継プーリー223はメインフレーム部71の第1方向D1の外方に配置されるので、第2ワイヤー202の巻き掛けが困難になる。
【0090】
このため、本実施形態では、第2巻取ドラム212および第2中継プーリー222は、メインフレーム部71よりも第1方向D1の外方に配置される。言い換えると、第2巻取ドラム212および第2中継プーリー222がメインフレーム部71よりも第1方向D1の外方に配置されるように、メインフレーム部71とドラム配置部72との間の第1方向D1の距離Dが設定される。これにより、ドラム配置部72がメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に位置していても、容易に、第2巻取ドラム212に連結された第2ワイヤー202を第2中継プーリー222および第3中継プーリー223に巻き掛けることができる。
【0091】
また、本実施形態では、メインフレーム部71は、幅方向規制カーソル4Aの第1方向D1の外方に位置する一方で、ドラム配置部72は、幅方向規制カーソル4Aよりも第2方向D2の右側(すなわち、第2方向D2の一方側)に位置する。ドラム配置部72の第1方向D1の内方には、幅方向規制カーソル4Aが存在しない。これにより、ドラム配置部72の第1方向D1の位置がメインフレーム部71よりも第1方向D1の内方であっても、ドラム配置部72は幅方向規制カーソル4Aと接触しない。
【0092】
<変形例>
変形例では、図11に示すように、前フレームFfは、メインフレーム部71とは別部材である板状部材720をドラム配置部72として有する。ドラム配置部72としての板状部材720は、メインフレーム部71に取り付けられてもよいし、シート収容装置100の他のフレームに取り付けられてもよい。
【0093】
板状部材720をドラム配置部72として用いるため、前フレームFfには第1方向D1に貫通する開口70が形成される。前フレームFfは、メインフレーム部71よりも第2方向D2の右側に開口70を有する。
【0094】
また、ドラム配置部72としての板状部材720は、メインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に配置される。板状部材720は、開口70から第1方向D1の外方に露出する。そして、前側巻取ドラムFD(すなわち、第1巻取ドラム211と第2巻取ドラム212)、第1中継プーリー221および第2中継プーリー222は、板状部材720に配置される。
【0095】
ここで、第1巻取ドラム211および第1中継プーリー221は、メインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に配置される。一方で、第2巻取ドラム212および第2中継プーリー222は、開口70を介して、メインフレーム部71よりも第1方向D1の外方に突出する。
【0096】
変形例では、メインフレーム部71よりも第1方向D1の内方に板状部材720(すなわち、ドラム配置部72)を配置し、前側巻取ドラムFD、第1中継プーリー221および第2中継プーリー222を板状部材720に配置することにより、シート収容装置100の第1方向D1のサイズを小さくできる。また、第2巻取ドラム212および第2中継プーリー222が開口70を介してメインフレーム部71よりも第1方向D1の外方に突出するので、第2ワイヤー202の巻き掛けが困難になることはない。
【0097】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1 セット板
4A 幅方向規制カーソル(規制カーソル)
20 ワイヤー
70 開口
71 メインフレーム部
72 ドラム配置部
100 シート収容装置
100S 画像形成システム
201 第1ワイヤー
202 第2ワイヤー
211 第1巻取ドラム
212 第2巻取ドラム
221 第1中継プーリー
222 第2中継プーリー
223 第3中継プーリー
720 板状部材
1000 画像形成装置
D1 第1方向
D2 第2方向
FD 前側巻取ドラム(巻取ドラム)
FP 前側中継プーリー(中継プーリー)
Ff 前フレーム(板状フレーム、所定フレーム)
Fr 後フレーム(板状フレーム)
M 巻取モーター
RD 後側巻取ドラム(巻取ドラム)
RP 後側中継プーリー(中継プーリー)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11