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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174532
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】電解装置
(51)【国際特許分類】
   C25B 9/00 20210101AFI20241210BHJP
   C25B 1/044 20210101ALI20241210BHJP
【FI】
C25B9/00 A
C25B1/044
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092402
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】592250414
【氏名又は名称】株式会社テックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】岡 力矢
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021CA08
4K021CA09
4K021CA11
4K021DA00
(57)【要約】
【課題】1台のポンプで電解液を電解槽と気液分離槽間で循環させる各装置部材の配置方法以外に、他の配置方法(装置構成)を採用できる電解装置を提供すること。
【解決手段】電解質溶液を電気分解し、ガスを含む電解液を生成する電解槽(4)と、電解槽(4)から送られる電解液からガスを分離し、電解質溶液を生成する気液分離槽(5)と、気液分離槽(5)から送られる電解質溶液を貯留する電解質溶液貯留タンク(2)と、電解質溶液貯留タンク(2)から電解質溶液を吸い出し、電解質溶液を電解槽(4)に送るポンプ(3)と、を備え、気液分離槽(5)内には、電解質溶液貯留タンク(2)内へ流出する電解質溶液が通る流出口(52)があり、電解質溶液貯留タンク(2)内において、流出口(52)よりも高い位置には、気液分離槽(5)からの電解質溶液を電解質溶液貯留タンク(2)内に供給する供給口(21)がある電解装置(1,1A,1B)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質溶液を電気分解し、ガスを含む電解液を生成する電解槽と、
前記電解槽から送られる電解液からガスを分離し、電解質溶液を生成する気液分離槽と、
前記気液分離槽から送られる電解質溶液を貯留する電解質溶液貯留タンクと、
前記電解質溶液貯留タンクから電解質溶液を吸い出して前記電解槽に送るポンプと、を備え、
前記気液分離槽内には、前記電解質溶液貯留タンクへ流出する電解質溶液が通る流出口があり、
前記電解質溶液貯留タンク内において、前記流出口よりも高い位置には、前記気液分離槽からの電解質溶液を前記電解質溶液貯留タンク内に供給する供給口がある電解装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電解装置において、
前記気液分離槽および前記電解質溶液貯留タンクを接続し、前記流出口および前記供給口と繋がるクランク形状の第1配管を備える電解装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電解装置において、
前記ポンプから吐出された電解質溶液を前記電解槽に送る第2配管と、
前記電解槽から前記気液分離槽に電解液を送る第3配管と、
前記第2配管から分岐し、前記電解槽を迂回して前記第3配管に合流する第4配管と、を備える電解装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電解装置において、
前記電解質溶液貯留タンクは、貯留する電解質溶液から分離したガスを外部へ排出する電解装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電解槽と気液分離槽とを備える装置が知られている(例えば、特許文献1)。該装置では、電解質溶液は、電解槽に送られて電気分解され、生成ガスを含む電解液となり、気液分離槽に送られる。ガスを含んだ電解液は、気液分離槽にてガスが分離されて電解質溶液となり、電解槽に再び送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-087468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、気液分離槽からポンプが電解質溶液を直接吸い出して電解槽へ送り出し、これにより、電解液(上記では、気液分離処理後の電解液を電解質溶液と記載)を電解槽と気液分離槽との間で循環させている。電解装置では、各装置部材(電解槽他)の配置方法に大きな余地があり、このような1台のポンプで電解液を2要素間で循環させる各装置部材の配置方法以外に、他の配置方法(装置構成)を採用することで、メリットを得られる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば以下の通りである。以下では、図の符号を参照のために用いている。
(1)電解質溶液を電気分解し、ガスを含む電解液を生成する電解槽(4)と、
電解槽(4)から送られる電解液からガスを分離し、電解質溶液を生成する気液分離槽(5)と、
前記気液分離槽(5)から送られる電解質溶液を貯留する電解質溶液貯留タンク(2)と、
前記電解質溶液貯留タンク(2)から電解質溶液を吸い出して前記電解槽(4)に送るポンプ(3)と、を備え、
前記気液分離槽(5)内には、前記電解質溶液貯留タンク(2)内へ流出する電解質溶液が通る流出口(52)があり、
前記電解質溶液貯留タンク(2)内において、前記流出口(52)よりも高い位置には、前記気液分離槽(5)からの電解質溶液を前記電解質溶液貯留タンク(2)内に供給する供給口(21)がある電解装置(1,1A,1B)。
(2)(1)に記載の電解装置(1,1A,1B)において、
前記気液分離槽(5)および前記電解質溶液貯留タンク(2)を接続し、前記流出口(52)および前記供給口(21)と繋がるクランク形状の第1配管(64)を備える電解装置(1,1A,1B)。
(3)(1)に記載の電解装置(1B)において、
前記ポンプ(3)から吐出された電解質溶液を前記電解槽(4)に送る第2配管(62)と、
前記電解槽(4)から前記気液分離槽(5)に電解液を送る第3配管(63)と、
前記第2配管(62)から分岐し、前記電解槽(4)を迂回して前記第3配管(63)に合流する第4配管(67)と、を備える電解装置(1B)。
(4)(1)から(3)のいずれか1つに記載の電解装置(1,1A,1B)において、
前記電解質溶液貯留タンク(2)は、貯留する電解質溶液から分離したガスを外部へ排出する電解装置(1,1A,1B)。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】電解装置の構成を示す図である。
図2】気液分離槽および電解質溶液貯留タンクの組を複数設けた電解装置を示す図である。
図3】ポンプから気液分離槽に至る電解液の流路において、電解槽の迂回路を設けた電解装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、電解装置1の構成を示す図である。なお、本明細書では、基本的に、電気分解を電解と記載する。また、基本的に、電解質溶液が電解処理されたものを「電解液」と呼び、電解液が気液分離処理されたものを「電解質溶液」と呼ぶが、電解装置1内を循環する液体をまとめて表現したい場合などに、「電解液」および「電解質溶液」をまとめて「電解液」と呼ぶ場合がある。
電解装置1では、電解液の循環流路6に、電解質溶液貯留タンク2、ポンプ3、電解槽4、気液分離槽5が、電解液の流れ方向に順に設けられている。循環流路6は、電解質溶液貯留タンク2とポンプ3を接続する配管61、ポンプ3と電解槽4を接続する配管62、電解槽4と気液分離槽5を接続する配管63、気液分離槽5と電解質溶液貯留タンク2を接続する配管64(第1配管)を備える。
【0008】
電解質溶液貯留タンク2は、電解質溶液を貯留する。電解質溶液は、ハロゲン化物を含まないNaOH等の電解質を含む水を使用するものとするが、適宜のものを使用できる。電解質溶液貯留タンク2内には、気液分離槽5からの電解質溶液を電解質溶液貯留タンク2内に供給する供給口21がある。供給口21は、例えば電解質溶液貯留タンク2の内周壁に設けられる。気液分離槽5からの電解質溶液は、気液分離槽5にて含有ガスの分離が行われるものの、未だガスを含む。そのため、電解質溶液貯留タンク2にて、電解質溶液における含有ガスの分離が進み、電解質溶液貯留タンク2内の上部に分離ガスが溜まる。この分離ガスは、例えば水素ガスおよび酸素ガスである。電解質溶液貯留タンク2は、分離ガスを、該電解質溶液貯留タンク2の上部に接続する配管22を介して外部に排出する。電解質溶液貯留タンク2には、電解質溶液貯留タンク2の上部空間が設定圧力以下になると開いて大気を吸い込むリリーフ弁24が設けられている。
【0009】
電解質溶液貯留タンク2の下部には、配管61に繋がる流出口23がある。流出口23は、流出口21よりも低い位置にあり、例えば、電解質溶液貯留タンク2の内壁底面に設けられるものとするが、内周壁の下部に設けられてもよい。電解質溶液貯留タンク2内の電解質溶液は、流出口23および配管61を介してポンプ3に送られる。
【0010】
ポンプ3は、電解質溶液貯留タンク2から配管61を介して電解質溶液を吸い出し、該電解質溶液を、配管62を介して電解槽4に送る。
【0011】
電解槽4は、いわゆる一室型であり、電解質溶液を貯留する電解槽本体内に、陽極および陰極を、隔膜で仕切ることなく収容する。電解槽4では、電解により、例えば、陽極で気泡状の酸素ガスが生成され、陰極で気泡状の水素ガスが生成される。このように、電解槽4は、電解質溶液を電気分解し、ガスを含む電解液を生成する。電解による生成ガスを含んだ電解液は、電解槽4から気液分離槽5へ配管63を介して送られる。
【0012】
気液分離槽5は、電解槽4から送られる電解液から含有ガスを分離し、電解質溶液を生成する。気液分離槽5にて捕集する電解液の含有ガス、および電解質溶液貯留タンク2にて捕集する電解質溶液の含有ガスは、例えば、水素ガスおよび酸素ガスであり燃焼ガスとして利用できる。気液分離槽5は、例えば、上下に長い筒状である。気液分離槽5の内壁底面と電解質溶液貯留タンク2の内壁底面は、同じ高さ位置であるものとするが、高さ位置が異なっていてもよい。気液分離槽5内の上部には、電解槽4からの電解液の供給口51がある。気液分離槽5内の電解液の液面は、供給口51よりも高い位置に設定される。これは、電解槽4により電解された電解液を、気液分離槽5の液体領域に供給することにより、電解液中に含まれるガスの凝集を促す効果がある。
【0013】
気液分離槽5内の下部には、電解質溶液貯留タンク2内へ流出する電解質溶液が通る流出口52がある。流出口52は、例えば、気液分離槽5の内周壁の下部に設けられる。流出口52は、本実施形態では、電解質溶液貯留タンク2の下部にある流出口23よりも高い位置にあるものとするが、流出口23よりも低い位置にあってもよい。配管64は、一端が気液分離槽5の流出口52に繋がるとともに、他端が電解質溶液貯留タンク2の供給口21に繋がる。
【0014】
ここで、電解質溶液貯留タンク2の供給口21は、気液分離槽5の流出口52よりも高い位置にある。そこで、両者を繋げる配管64は、本実施形態では、塩化ビニル製でクランク形状であるものとするが、塩化ビニル製でS字形状であってもよいし、該配管64は、金属製のパイプ、又はゴム等の柔軟性を有する素材からなるホースであってもよい。
【0015】
電解液が気液分離槽5内の上側から下側へ進んでいくうちに、含有ガスが電解液から分離される。分離ガスは、気液分離槽5内の上部に溜まる。分離ガスは、例えば水素ガスおよび酸素ガスであり、気液分離槽5の上部に接続する配管53を介して外部に排出される。気液分離槽5の底には、配管65が接続する。配管65は、配管61に合流する。配管65の途中にあるバルブ66を開けることで、気液分離槽5内の気液分離処理された電解質溶液を配管61を介してポンプ3へ流すことができる。
【0016】
ここで、特許文献1では、電解槽と気液分離槽とを有する循環流路にて電解液を循環させて繰り返し電気分解に利用し、例えば水素ガスおよび酸素ガス等のガスを発生させて電解液に含有させ、該ガスを気液分離槽にて電解液から分離して捕集する。このような特許文献1の構成では、電解液の循環流路において、ポンプの送出動作に伴う脈動(圧力変動)が生じたり、ポンプにてキャビテーションが生じたりするおそれがある。
【0017】
特許文献1の構成では、気液分離槽における内部への電解液の供給口は、分離時間を稼ぐために内壁底面にある。また、気液分離槽において、電解槽への電解質溶液の流出口は、分離したガスを吸い出さないようにするため、やはり内壁底面にある。気液分離槽での気液分離処理には所定の時間を必要とするが、特許文献1では、電解液の一部が、内壁底面の供給口から供給された後、気液分離槽内で所定の時間滞留することなく、内壁底面の流出口から流出してしまいやすく、気液分離効率に改善の余地がある。
【0018】
本実施形態では、気液分離槽5の後段に電解質溶液貯留タンク2を設け、ポンプ3がこの電解質溶液貯留タンク2から電解質溶液を吸い出す。ここで、電解質溶液貯留タンク2への供給口21からの電解質溶液の供給力は、ポンプ3から供給口21までの間に電解質溶液の押し出しに関して抵抗となる気液分離槽5および電解槽4があることから、ポンプ3に直結する流出口23にかかるポンプ3の吸引力に比べて小さくなり、両者の関係は以下の通りとなる。
流出口23にかかるポンプ3の吸引力>電解質溶液貯留タンク2への供給口21からの電解質溶液の供給力
【0019】
気液分離槽5に至る電解液のポンプ3による押し出し力は、電解槽4が抵抗となって低減しており、これにより、気液分離槽5への電解液の流入量(気液分離槽5の流出口52からの電解質溶液の流出量)は、ポンプ3の電解質溶液の押出量(ポンプ3に直結する流出口23からのポンプ3の吸引量)よりも小さくなり、両者の関係は以下の通りとなる。
ポンプ3の押出量(流出口23からのポンプ3の吸引量)>気液分離槽5への電解液の流入量(気液分離槽5の流出口52からの電解質溶液の流出量)
【0020】
このような条件の下、気液分離槽5に電解液が溜まり、電解質溶液貯留タンク2に電解質溶液が溜まった状態でポンプ3を稼働すると、循環流路6における脈動を電解質溶液貯留タンク2にて緩和できる。気液分離槽5とは別に電解質溶液貯留タンク2を設けることで、電解質溶液貯留タンク2内の電解質溶液の流圧を、気液分離槽5内の電解液の流圧とできるだけ同じになるように、電解質溶液貯留タンク2の選定や、ポンプ3の運転条件の設定等で調整でき、これにより、循環流路6における脈動を抑制できる。
【0021】
本実施形態では、気液分離槽5と別に設けた電解質溶液貯留タンク2からポンプ3が電解質溶液を吸い出すようにした。電解液を循環させるのに必要な量の一部を電解質溶液貯留タンク2に貯留するので、その分、気液分離槽5の容量を減らすことができ、気液分離槽5を小型化できる。
【0022】
気液分離槽5を小型化することで、気液分離槽5の内部空間における電解液貯留部の割合が増加するので、電解液の供給口51の形成位置の自由度が増し、供給口51に繋がる配管63の気液分離槽5への接続が容易となる。なお、気液分離槽5内には、配管64のクランク部分の高さHだけ、すなわち、流出口23から供給口21までの高さHだけ、電解液を貯留できれば、循環流路6に電解液を循環させることができる。従って、気液分離槽5は、配管64のクランク部分の高さH、およびガス滞留空間の高さを合算した高さがあればよい。また、気液分離槽5の電解液および電解質溶液貯留タンク2内の電解質溶液の液面は、高さH以上の位置、かつ同じ高さ位置となる。ここで、例えば、電解質溶液貯留タンク2の内壁底面を気液分離槽5の内壁底面よりも高い位置に位置付ける場合、それらの位置の差の分だけ電解質溶液貯留タンク2での電解質溶液の経路が短くなり、電解質溶液貯留タンク2での気液分離時間を減少してしまうが、これにより、ポンプ3の吸い込み量を小さくする選定が可能となる。このように、電解質溶液貯留タンク2の下部にある流出口23の高さを調整することでも、ポンプ3を選定できる効果がある。
【0023】
電解質溶液貯留タンク2において、供給口21が、気液分離槽5の流出口52よりも高い位置にあり、気液分離槽5内において十分に高い位置にあるので、電解質溶液貯留タンク2に電解質溶液を十分に貯留できる。従って、ポンプ3の流量調整が容易になり、ひいては、ポンプ3の流量調整によって循環流路6の脈動の抑制が容易となる。また、電解質溶液貯留タンク2に電解質溶液を十分に貯留でき、ポンプ3の吸い込み流量を十分確保できるので、ポンプ3におけるキャビテーションの発生を抑制できる。
【0024】
気液分離槽5に直結した電解質溶液貯留タンク2にも電解質溶液を貯留するので、気液分離のための電解液の滞留時間を稼ぐことができ、気液分離効率を良好にできる。また、電解質溶液貯留タンク2に電解質溶液を十分に貯留できることから、電解質溶液貯留タンク2内での電解質溶液の滞留時間も稼ぐことができ、この点でも気液分離を良好にできる。
【0025】
電解質溶液貯留タンク2は、ガスの分離を行った電解質溶液を貯留し、さらに気液分離処理するので、ガスの分離量が気液分離槽5よりも少ない。本実施形態では、この電解質溶液貯留タンク2からポンプ3が電解質溶液を吸い出すので、ポンプ3による分離ガスの吸い込み量を低減でき、ひいては電解槽4における電解効率を良好に維持できる。また、ポンプ3による分離ガスの吸い出し量を低減できるので、ポンプ3の選択の幅が拡がる。
【0026】
図2に示すように、電解質溶液の循環流路6A上の電解槽4およびポンプ3に対し、気液分離槽5および電解質溶液貯留タンク2の組を並列に複数設けてもよい。図2の電解装置1Aにおいて、ポンプ3の出力や、気液分離槽5および電解質溶液貯留タンク2の大きさが、図1の電解装置1と同じ場合、気液分離槽5の電解液および電解質溶液貯留タンク2内での電解質溶液の流速を減速でき、これにより気液分離槽5および電解質溶液貯留タンク2内での電解液の滞留時間を延ばすことができる。従って、電解装置1Aは、気液分離効率が良好である。
【0027】
図3に示すように、電解装置1Bの循環流路6Bは、図1の電解装置1と同様に、ポンプ3から吐出された電解質溶液を電解槽4に送る配管62(第2配管)と、電解槽4から気液分離槽5に電解液を送る配管63(第3配管)と、気液分離槽5から電解質溶液貯留タンク2に電解質溶液を送る配管64と、電解質溶液貯留タンク2からポンプ3に電解質溶液を送る配管61と、を備えるところ、さらに、配管62(第2配管)から分岐し、電解槽4を迂回して配管63(第3配管)に合流する配管67(第4配管)を備える。配管62による電解槽4への電解質溶液の流量よりも、電解槽4を迂回する配管67内の電解質溶液の流量の方が大きい。上記構成により、電解槽4にポンプ3により押し込んだ電解質溶液を、電解槽4の吐出口から電解液として配管63に吐出することができ、電解槽4を迂回した配管67からの電解質溶液と合流させることができる。したがって、ポンプ3による吸い込み圧力を、電解槽4と配管67に分散でき、電解槽4への流入圧力を調整することができる。電解装置1Bの他の構成は、電解装置1と同様であり、電解装置1Bは、電解装置1と同様の効果を奏することができる。
【0028】
本発明は、その特徴から逸脱することなく、実施形態で実施できる。実施形態、変形例、効果は単なる例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。実施形態および変形例の特徴、構造は、追加でき、また代替の構成を得るために様々な方法で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0029】
1,1A,1B…電解装置、2…電解質溶液貯留タンク、3…ポンプ、4…電解槽、5…気液分離槽、21…供給口、52…流出口。
図1
図2
図3