(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174537
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】データ通信システムおよびデータ通信プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/66 20060101AFI20241210BHJP
H04L 61/45 20220101ALI20241210BHJP
【FI】
H04L12/66
H04L61/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092408
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】304014143
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】久野 伊織
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA14
5K030GA15
5K030HA08
5K030HB01
5K030HD03
5K030HD06
5K030JT03
(57)【要約】
【課題】セキュリティを確保しながら簡便にデータ通信を行うことができるデータ通信システムを提供する。
【解決手段】本発明に係るデータ通信システムでは、第1のゲートウェイは、第1の端末のポート情報及びアドレス情報と第2のゲートウェイから取得した第2の端末のポート情報を記憶し、第1の端末からの第2の端末の名前解決要求に対応して、第2のゲートウェイのIPアドレス情報を応答して名前解決を行い、第2のゲートウェイに、第1の端末から第2の端末への接続待受要求を送信し、第2のゲートウェイは、第2の端末のポート情報及びアドレス情報と第1のゲートウェイから取得した第1の端末のポート情報を記憶し、第1のゲートウェイからの接続待受要求に従って、第1の端末から第2の端末への接続要求の待ち受けを行い、第1のゲートウェイから送信された接続要求を、第2の端末のアドレス情報に基づいて、第2の端末に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末が接続された第1のゲートウェイ装置と、第2の端末が接続された第2のゲートウェイ装置の間の専用線を介して、前記第1の端末と前記第2の端末の間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、
前記第1のゲートウェイ装置は、
前記第1の端末のポート情報及びアドレス情報と、前記第2のゲートウェイ装置から取得した前記第2の端末のポート情報を記憶する記憶部と、
前記第1の端末からの前記第2の端末の名前解決要求に対応して、前記第2のゲートウェイ装置の第2のIPアドレス情報を応答して名前解決を行い、前記第2のゲートウェイ装置に、前記第1の端末から前記第2の端末への接続待受要求を送信し、前記第1の端末から前記第2の端末へ接続要求を前記第2のゲートウェイ装置に送信する制御部を備え、
前記第2のゲートウェイ装置は、
前記第2の端末のポート情報及びアドレス情報と、前記第1のゲートウェイ装置から取得した前記第1の端末のポート情報を記憶する記憶部と、
前記第1のゲートウェイ装置からの前記接続待受要求に従って、前記接続要求の待ち受けを行い、前記第1のゲートウェイ装置から送信された前記接続要求を、前記第2の端末のアドレス情報に基づいて、前記第2の端末に送信する制御部を備える
データ通信システム。
【請求項2】
コンピュータを、第1の端末が接続された第1のゲートウェイ装置と、第2の端末が接続された第2のゲートウェイ装置の間の専用線を介して、前記第1の端末と前記第2の端末の間でデータ通信を行うデータ通信システムとして機能させるためのデータ通信プログラムであって、
前記第1のゲートウェイ装置に、
前記第1の端末のポート情報及びアドレス情報と、前記第2のゲートウェイ装置から取得した前記第2の端末のポート情報を記憶するステップと、
前記第1の端末からの前記第2の端末の名前解決要求に対応して、前記第2のゲートウェイ装置の第2のIPアドレス情報を応答して名前解決を行い、前記第2のゲートウェイ装置に、前記第1の端末から前記第2の端末への接続待受要求を送信し、前記第1の端末から前記第2の端末へ接続要求を前記第2のゲートウェイ装置に送信するステップ
を実行させ、
前記第2のゲートウェイ装置に、
前記第2の端末のポート情報及びアドレス情報と、前記第1のゲートウェイ装置から取得した前記第1の端末のポート情報を記憶するステップと、
前記第1のゲートウェイ装置からの前記接続待受要求に従って、前記接続要求の待ち受けを行い、前記第1のゲートウェイ装置から送信された前記接続要求を、前記第2の端末のアドレス情報に基づいて、前記第2の端末に送信するステップ
を実行させる
データ通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してデータ通信を行うデータ通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話サービスに加入している端末の電話番号を用いて接続先を指定して、端末の間でデータ通信を行うデータ通信が実用化されている。例えば、非特許文献1では、IP電話サービスの電話番号を用いて、IP電話の端末の間でデータ通信を行うことができるデータ通信サービスが提供されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】NTT西日本,基本サービス「データコネクト」,[令和5年5月22日検索],インターネット <URL:https://flets-w.com/opt/hikaridenwa/service/dataconnect/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1のサービスでは、IP電話サービスの電話番号を用いてデータ通信を行う通信先を指定して、セキュリティが確保された高速のデータ通信を行うことができるが、データ通信を行う端末の双方において専用の装置の設置が必要となり、専用の装置の事前設定の作業が必要となるという問題がある。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、セキュリティを確保しながら簡便にデータ通信を行うことができるデータ通信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明に係るデータ通信システムは、第1の端末が接続された第1のゲートウェイ装置と、第2の端末が接続された第2のゲートウェイ装置の間の専用線を介して、前記第1の端末と前記第2の端末の間でデータ通信を行うデータ通信システムであって、前記第1のゲートウェイ装置は、前記第1の端末のポート情報及びアドレス情報と、前記第2のゲートウェイ装置から取得した前記第2の端末のポート情報を記憶する記憶部と、前記第1の端末からの前記第2の端末の名前解決要求に対応して、前記第2のゲートウェイ装置の第2のIPアドレス情報を応答して名前解決を行い、前記第2のゲートウェイ装置に、前記第1の端末から前記第2の端末への接続待受要求を送信し、前記第1の端末から前記第2の端末へ接続要求を前記第2のゲートウェイ装置に送信する制御部を備え、前記第2のゲートウェイ装置は、前記第2の端末のポート情報及びアドレス情報と、前記第1のゲートウェイ装置から取得した前記第1の端末のポート情報を記憶する記憶部と、前記第1のゲートウェイ装置からの前記接続待受要求に従って、前記接続要求の待ち受けを行い、前記第1のゲートウェイ装置から送信された前記接続要求を、前記第2の端末のアドレス情報に基づいて、前記第2の端末に送信する制御部を備える。
【0007】
このような目的を達成するために、本発明に係るデータ通信プログラムは、コンピュータを、第1の端末が接続された第1のゲートウェイ装置と、第2の端末が接続された第2のゲートウェイ装置の間の専用線を介して、前記第1の端末と前記第2の端末の間でデータ通信を行うデータ通信システムとして機能させるためのデータ通信プログラムであって、前記第1のゲートウェイ装置に、前記第1の端末のポート情報及びアドレス情報と、前記第2のゲートウェイ装置から取得した前記第2の端末のポート情報を記憶するステップと、前記第1の端末からの前記第2の端末の名前解決要求に対応して、前記第2のゲートウェイ装置の第2のIPアドレス情報を応答して名前解決を行い、前記第2のゲートウェイ装置に、前記第1の端末から前記第2の端末への接続待受要求を送信し、前記第1の端末から前記第2の端末へ接続要求を前記第2のゲートウェイ装置に送信するステップを実行させ、前記第2のゲートウェイ装置に、前記第2の端末のポート情報及びアドレス情報と、前記第1のゲートウェイ装置から取得した前記第1の端末のポート情報を記憶するステップと、前記第1のゲートウェイ装置からの前記接続待受要求に従って、前記接続要求の待ち受けを行い、前記第1のゲートウェイ装置から送信された前記接続要求を、前記第2の端末のアドレス情報に基づいて、前記第2の端末に送信するステップを実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、セキュリティを確保しながら簡便にデータ通信を行うことができるデータ通信システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムのシステム構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムの動作シーケンスの一例である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムの動作シーケンスの一例である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムのゲートウェイ(アクセス元)の動作フローチャートの一例である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムのゲートウェイ(アクセス先)の動作フローチャートの一例である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムの端末情報管理デーブルの一例である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムの端末情報管理デーブルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明は様々な形態で実施可能であり、以下に説明する発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
<本発明のデータ通信システムの特徴>
図1は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムの構成図である。本発明の実施の形態に係るデータ通信システムは、アクセス元の端末20(第1の端末)が接続されたゲートウェイ装置10(第1のゲートウェイ装置)と、アクセス先の端末40(第2の端末)が接続されたゲートウェイ装置30(第2のゲートウェイ装置)を備えたデータ通信システムである。
【0012】
通信網NWは、NGN(Next Generation Network)等の専用線やインターネットを含む。ゲートウェイ装置10は、配下のLANに接続されたアクセス元の端末20を、通信網NWに中継接続する経路上に設置され、受信したパケットをNGN等の専用線、またはインターネットへルーティングするように構成されている。
【0013】
本実施の形態のデータ通信システムでは、ゲートウェイ装置10に接続されたアクセス元の端末20が、ゲートウェイ装置30に接続されたアクセス先の端末40との間で、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を介してデータ通信を行う。アクセス元の端末20は、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を介してデータ通信を行うので、パケットを傍聴されるリスクがなく、セキュリティが確保されたデータ通信を行うことができる。
【0014】
ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線は、例えば、アクセス元の端末20とアクセス先の端末40の間のIP回線通話を利用して、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30のIPアドレスを取得することにより設定することができる。
【0015】
アクセス元の端末20とアクセス先の端末40の間のIP回線通話には、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30のIPアドレス情報が含まれているので、ゲートウェイ装置10は、IP回線通話を参照することにより、ゲートウェイ装置30のIPアドレスの情報を取得して、ゲートウェイ装置30にアクセスすることで、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30間の専用線の接続を設定することができる。
【0016】
アクセス元の端末20とアクセス先の端末40の間でデータ通信を行う場合、アクセス元の端末20が接続されたゲートウェイ装置10では、アクセス先の端末40が接続されたゲートウェイ装置30に接続するために、アクセス先の端末40の名前解決を行う必要がある。また、アクセス先の端末40が接続されたゲートウェイ装置30では、アクセス元の端末20から送信されたパケットをアクセス先の端末40に転送できるようにルーティングルールの設定を行う必要がある。
【0017】
本実施の形態では、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を介してアクセス先の端末40の名前解決と、ゲートウェイ装置30におけるルーティングルールの設定を行う。
【0018】
ゲートウェイ装置10では、ゲートウェイ装置30からゲートウェイ装置30に接続されているアクセス先の端末40のホスト名とポート情報を予め取得しておき、アクセス元の端末20からアクセス先の端末40の名前解決要求に対応して、ゲートウェイ装置30から取得した端末40のホスト名とポート情報に基づいて、ゲートウェイ装置30のIPアドレス情報を応答して名前解決を行う。これにより、アクセス元の端末20から送信されたパケットを、アクセス先の端末40が接続されたゲートウェイ装置30に送信することができる。
【0019】
ゲートウェイ装置10は、アクセス先の端末40の名前解決を行った際に、ゲートウェイ装置30に対して、アクセス元の端末20のポート情報とアクセス先の端末40のホスト名を含む接続待受要求を送信する。一方、ゲートウェイ装置30は、ゲートウェイ装置10からの接続待受要求に従って、アクセス元の端末20からアクセス先の端末40への接続待受状態となる。これにより、アクセス元の端末20から送信されたパケットを、アクセス先の端末40に送信することができる。
【0020】
本実施の形態では、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を介してアクセス先の端末40の名前解決を行い、ゲートウェイ装置30において動的にルーティングルールの設定を行うので、アクセス元の端末20では、アクセス先の端末40のホスト名がわかっていれば、アクセス先の端末40とのデータ通信が可能となるため、データ通信を行うためにデータ通信を行う端末の双方において専用の装置の設置が不要となり、データ通信をするための専用の装置の事前設定の作業が不要となり、簡便にデータ通信を行うことができるデータ通信システムを提供することができる。
【0021】
<ゲートウェイ装置の構成>
アクセス元のゲートウェイ装置10は、配下のLANに接続されたアクセス元の端末20(PC#1-1)を、通信網NWに中継接続する経路上に設置される。ゲートウェイ装置10は、
図1に示すように、主な回路構成として、網側I/F11、LAN側I/F12、記憶部13、および制御部14を備えている。アクセス先のゲートウェイ装置30もアクセス元のゲートウェイ装置10と同様の構成を有し、配下のLANに接続されたアクセス先の端末40(PC#2-1、PC#2-2)を、通信網NWに中継接続する。
【0022】
<網側I/F、LAN側I/F>
網側I/F11は、通信回線Lを介してインターネットなどの通信網NWとデータ通信を行うためのI/Fである。 LAN側I/F12は、LANを介してアクセス元の端末20とデータ通信を行うためのI/Fである。
【0023】
通信網NWは、アクセス元の端末20とアクセス先の端末40の間のNGN等の専用線とインターネット接続を提供する。通信網NWには、アクセス元の端末20とアクセス先の端末40の間でIP回線通話を行うためのSIPサーバ50、インターネット接続を行う際の名前解決を行うためのDNSサーバ60が接続されている。
【0024】
ゲートウェイ装置10は、通信網NWのインターネットに接続する場合には、DNSサーバ60に名前解決を依頼するが、本実施の形態では、アクセス元の端末20が、ゲートウェイ装置30に接続されたアクセス先の端末40との間で、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を介してデータ通信を行うため、ゲートウェイ装置10が名前解決を行うように構成されている。
【0025】
<記憶部>
記憶部13は、全体として半導体メモリなどの記憶部からなる。記憶部13には、ゲートウェイ装置10、30に接続されている端末のポート情報やIPアドレス情報や、ゲートウェイ装置10、30の制御部14で実行されるデータ通信プログラムが記憶されている。
【0026】
制御部14で実行されるデータ通信プログラムは、制御部14のCPUと協働することにより、ポート情報やIPアドレス情報等の端末情報の管理、端末のホスト名の名前解決処理やパケットのルーティング処理、ゲートウェイ間の専用線を接続する接続処理等の各種処理部を実現し、コンピュータを、ゲートウェイ装置を備えたデータ通信システムとして機能させるための処理プログラムである。
【0027】
<ゲートウェイ装置の制御部の構成>
制御部14は、CPUとその周辺回路を有し、CPUと記憶部13のプログラムとを協働させることにより、接続されている端末のポート情報やIPアドレス情報等の端末情報を管理する端末情報管理部14A、端末のホスト名の名前解決処理を行う14B、パケットのルーティング処理を行うルーティング処理部14C、ゲートウェイ間の専用線の接続を行う接続処理部14D等を備える。
【0028】
アクセス元のゲートウェイ装置10の制御部14の端末情報管理部14Aは、端末20からホスト名が通知されると、端末20のホスト名とポート情報及びIPアドレスの対応関係を記憶し、アクセス先のゲートウェイ装置30から取得したアクセス先の端末40のホスト名とポート情報を記憶する。
【0029】
アクセス先のゲートウェイ装置30の制御部14の端末情報管理部14Aは、端末40からホスト名が通知されると、端末40のホスト名とポート情報及びIPアドレスの対応関係を記憶し、アクセス元のゲートウェイ装置10から取得したアクセス元の端末20のホスト名とポート情報を記憶する。
【0030】
アクセス元のゲートウェイ装置10の制御部14の名前解決処理部14Bは、アクセス元の端末20からアクセス先の端末40の名前解決要求に対応して、ゲートウェイ装置30から取得した端末40のホスト名とポート情報に基づいて、ゲートウェイ装置30のIPアドレス情報を応答して名前解決を行う。
【0031】
アクセス先のゲートウェイ装置30の制御部14の名前解決処理部14Bは、接続されている端末40からの端末20の名前解決要求があった場合に、ゲートウェイ装置10から取得した端末20のホスト名とポート情報に基づいて、ゲートウェイ装置10のIPアドレス情報を応答して名前解決を行う。
【0032】
アクセス元のゲートウェイ装置10の制御部14のルーティング処理部14Cは、アクセス先の端末40の名前解決を行った際に、ゲートウェイ装置30に対して、アクセス元の端末20のポート情報とアクセス先の端末40のホスト名を含む接続待受要求を送信し、端末20から端末40へアクセスするパケットの送信元ポートを端末20のポート情報に設定して、ゲートウェイ装置30に送信する。
【0033】
アクセス先のゲートウェイ装置30の制御部14のルーティング処理部14Cは、ゲートウェイ装置10からの接続待受要求に従って、アクセス元の端末20からアクセス先の端末40への接続待受状態となり、送信元ポートに端末20のポート情報が設定されたパケットの宛先IPアドレスを端末40のIPドレス情報に設定して端末40に送信する。
【0034】
アクセス元のゲートウェイ装置10の制御部14の接続処理部14Dは、IP回線通話を利用して、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30のIPアドレスを取得することにより、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を接続する。
【0035】
アクセス先のゲートウェイ装置30の制御部14の接続処理部14Dは、IP回線通話を利用して、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30のIPアドレスを取得することにより、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を接続する。
【0036】
<アドレス解決処理のシーケンス>
図2、
図3を用いて、データ通信システムの動作シーケンスについて説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムの動作シーケンスの一例である。
図2は、ゲートウェイ装置に端末が接続されてから、ゲートウェイ装置間の専用線が接続されるまでの動作シーケンスである。
【0037】
アクセス元の端末20(PC#1-1)は、ゲートウェイ装置10に接続し、ゲートウェイ装置10にホスト名を通知する(ステップ100、101)。ゲートウェイ装置10には、IPアドレス(第1のIPアドレス情報)(10.10.10.10)が割当てられている。
【0038】
ゲートウェイ装置10は、端末20からホスト名を受信すると、ホスト名と端末20のポート情報及びIPアドレス情報の対応関係を記憶する(ステップ102)。端末20(PC#1-1)には、ポート情報(49150)、IPアドレス情報(172.16.1.10)が割当てられている。
【0039】
アクセス先の端末40(PC#2-1、PC#2-2)は、ゲートウェイ装置30に接続し、ゲートウェイ装置30にホスト名を通知する(ステップ200-203)。ゲートウェイ装置30には、IPアドレス(第2のIPアドレス情報)(20.20.20.20)が割当てられている。
【0040】
ゲートウェイ装置30は、端末40からホスト名を受信すると、ホスト名と端末40のポート情報及びIPアドレス情報の対応関係を記憶する(ステップ204)。端末40(PC#2-1)には、ポート情報(49152)、IPアドレス情報(192.168.2.11)が割当てられている。端末40(PC#2-2)には、ポート情報(49153)、IPアドレス情報(192.168.2.12)が割当てられている。
【0041】
アクセス元のゲートウェイ装置10、アクセス先のゲートウェイ装置30は、データ通信の開始に先立って、アクセス元の端末20とアクセス先の端末40の間のIP回線通話を行い、IP回線通話を利用してゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を接続する(ステップ301、301)。
【0042】
図6、
図7は、ホスト名と端末のポート情報及びIPアドレス情報の対応関係を示す端末情報管理テーブルの構成例である。ゲートウェイ装置10、ゲートウェイ装置30は、端末情報管理テーブルを参照することにより、接続されている端末の名前解決を行うことができ、受信したパケットを配下のLANに接続されている端末に送信することができる。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムの動作シーケンスの一例である。
図3は、アクセス元の端末からのアクセスの開始からデータ通信が開始されるまでの動作シーケンスである。
【0044】
ゲートウェイ装置10は接続されている端末20のホスト名とポート情報をゲートウェイ装置30に送信し、同様にして、ゲートウェイ装置30は接続されている端末40のホスト名とポート情報をゲートウェイ装置10に送信する(ステップ401、402)。
【0045】
アクセス元の端末20(PC#1-1)は、アクセス先の端末40(PC#2-1)にアクセスするために、ゲートウェイ装置10に対して、端末40(PC#2-1)の名前解決要求を送信する(ステップ400、401)。
【0046】
ゲートウェイ装置10は、ゲートウェイ装置10から端末40(PC#2-1)の名前解決要求を受信した場合に、ゲートウェイ装置30から受信した端末40のホスト名とポート情報に基づいて、ゲートウェイ装置30のIPアドレス情報(20.20.20.20)の名前解決応答を送信する(ステップ502)。
【0047】
ゲートウェイ装置10は、ゲートウェイ装置30に対して、アクセス元の端末20のポート情報(49150)とアクセス先の端末40のホスト名(PC#2-1)を含む接続待受要求を送信する(ステップ503)。ゲートウェイ装置30は、端末20(PC#1-1、送信元ポート:49150)から端末40(PC#2-1)への接続を待機する状態となる(ステップ504)。
【0048】
端末20(PC#1-1)は、受信したゲートウェイ装置30のIPアドレス情報を用いて、端末40(PC#2-1)への接続要求(WEBアクセス(宛先PT:80))を送信し、ゲートウェイ装置10は、送信元ポートを端末20のポート情報に設定したIPパケット(送信元PT:49150、宛先PT:80、送信元IPアドレス:10.10.10.10、宛先IPアドレス:20.20.20.20)を、ゲートウェイ装置30に送信する(ステップ600、601)。
【0049】
ゲートウェイ装置30は、ステップ504において、端末20(PC#1-1、送信元ポート:49150)から端末40(PC#2-1)への接続を待機する状態となっているため、端末情報管理テーブルに基づいて、受信した接続要求のIPパケットの宛先IPアドレス(20.20.20.20)を、端末40(PC#2-1)のIPアドレス(192.168.2.11)に変換して、端末40(PC#2-1)に送信する(ステップ602、603)。
【0050】
端末40(PC#2-1)が応答すると、端末20(PC#1-1)と端末40(PC#2-1)の間のデータ通信が可能となる(ステップ604-700)。
【0051】
<ゲートウェイ(アクセス元)の動作フローチャート>
図4は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムのゲートウェイ(アクセス元)の動作フローチャートの一例である。
【0052】
ゲートウェイ装置10は、端末20からホスト名を受信すると、端末20のホスト名、ポート情報及びIPアドレス情報の対応関係を記憶する(S1-1、S1-2)。
【0053】
アクセス元のゲートウェイ装置10、ゲートウェイ装置30は、データ通信の開始に先立って、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を接続する(S1-3)。
【0054】
ゲートウェイ装置10は、ゲートウェイ装置30に対して、アクセス元の端末20(PC#1-1)のホスト名/ポート情報を送信し、ゲートウェイ装置30から、アクセス先の端末40(PC#2-1、PC2-2)のホスト名/ポート情報を受信する(S1-4、S1-5)。
【0055】
ゲートウェイ装置10は、端末20(PC#1-1)からアクセス先の端末40(PC#2-1)の名前解決要求を受信すると、端末20(PC#1-1)に、ゲートウェイ装置30のIPアドレス情報を送信し(S1-6、S1-7)、ゲートウェイ装置30に対して、アクセス元の端末20のポート情報とアクセス先の端末40のホスト名を含む接続待受要求を送信する(S1-8)。
【0056】
ゲートウェイ装置10は、端末20(PC#1-1)から、WEBアクセス(宛先PT:80)を受信すると、ゲートウェイ装置30にIPパケット(送信元PT:49150、宛先PT:80、送信元IPアドレス:10.10.10.10、宛先IPアドレス:20.20.20.20)を送信する(S1-9、S1-10)。
【0057】
<ゲートウェイ(アクセス先)の動作フローチャート>
図5は、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムのゲートウェイ(アクセス先)の動作フローチャートの一例である。
【0058】
ゲートウェイ装置30は、端末40からホスト名を受信すると、端末40のホスト名、ポート情報及びIPアドレス情報の対応関係を記憶する(S2-1、S2-2、S2-3)。
【0059】
アクセス元のゲートウェイ装置10、ゲートウェイ装置30は、データ通信の開始に先立って、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を接続する(S2-3)。
【0060】
ゲートウェイ装置10は、ゲートウェイ装置30に対して、アクセス元の端末20(PC#1-1)のホスト名/ポート情報を送信し、ゲートウェイ装置30から、アクセス先の端末40(PC#2-1、PC2-2)のホスト名/ポート情報を受信する(S1-4、S1-5)。
【0061】
ゲートウェイ装置30は、ゲートウェイ装置10から、アクセス元の端末20のポート情報(49150)とアクセス先の端末40のホスト名(PC#2-1)を含む接続待受要求を受信し、端末20(PC#1-1、送信元ポート:49150)から端末40(PC#2-1)への接続を待機する状態となる(S2-6、S2-7)。
【0062】
ゲートウェイ装置30は、ゲートウェイ装置10から、WEBアクセスのIPパケット(送信元PT:49150、宛先PT:80、送信元IPアドレス:10.10.10.10、宛先IPアドレス:20.20.20.20)を受信する(S2-8)。
【0063】
ゲートウェイ装置30は、端末20(PC#1-1、送信元ポート:49150)から端末40(PC#2-1)への接続を待機する状態となっているため、端末情報管理テーブルに基づいて、受信したIPパケットの宛先IPアドレス(20.20.20.20)を、PC#2-1のIPアドレス(192.168.2.11)に変換して、PC#2-1に送信する(S2-8、S2-9)。
【0064】
ゲートウェイ装置30では、ゲートウェイ装置10からの接続待受要求に従って、送信元PTが「49150」のパケットは、PC#2-1のIPアドレスに送信されるように設定されているので、PC#1-1とPC#2-1の間のデータ通信が可能となる。
<本実施の形態の効果>
【0065】
本実施の形態では、ゲートウェイ装置10とゲートウェイ装置30の間の専用線を介してアクセス先の端末40の名前解決を行い、ゲートウェイ装置30において動的にルーティングルールの設定を行うので、アクセス元の端末20では、アクセス先の端末40のホスト名がわかっていれば、アクセス先の端末40とのデータ通信が可能となるため、データ通信を行うためにデータ通信を行う端末の双方において専用の装置の設置が不要となり、データ通信をするための専用の装置の事前設定の作業が不要となり、簡便にデータ通信を行うことができるデータ通信システムを提供することができる。
【0066】
<実施の形態の拡張>
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0067】
10…ゲートウェイ装置(アクセス元)、11…網側I/F、12…LAN側I/F、13…記憶部、14…制御部、20…端末(アクセス元)、30…ゲートウェイ装置(アクセス先)、40…端末(アクセス先)、50…SIPサーバ、60…DNSサーバ、L…通信回線、NW…通信網。