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特開2024-174540情報処理装置および方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174540
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報処理装置および方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/04 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G01N29/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092412
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】庄田 良介
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA10
2G047BA04
2G047BC07
2G047CA03
2G047GA21
2G047GD02
2G047GH06
(57)【要約】
【課題】 打音検査を抜けもれを低減することを可能にするシステムを提供すること。
【解決手段】 第1のユーザによって指示された指示位置を取得する第1取得手段と、
前記第1のユーザとは異なる第2のユーザによって対象物を打撃した打音位置を取得する第2取得手段と、
前記指示位置と、前記打音位置とに基づいて、前記第2のユーザが前記指示位置を打撃したか判断する判断手段と、を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザによって指示された指示位置を取得する第1取得手段と、
前記第1のユーザとは異なる第2のユーザによって対象物を打撃した打音位置を取得する第2取得手段と、
前記指示位置と、前記打音位置とに基づいて、前記第2のユーザが前記指示位置を打撃したか判断する判断手段と、を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判断手段によって前記第2のユーザが前記指示位置を打撃したと判断されなかった場合、前記第2のユーザに打撃のやり直しを通知する通知手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1取得手段は、前記第1のユーザから前記指示位置の指示を受け付ける指示手段から前記指示位置を取得し、
前記指示手段は、前記対象物の変状の位置に基づいて、前記指示位置を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2のユーザによって前記対象物を打撃する画像を撮影する撮像手段と、
前記画像に基づいて、前記対象物の変状の形状を検出する検出手段と、
前記画像と、前記変状の形状とに基づいて、前記指示位置を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2のユーザが前記指示位置を打撃した場合に、前記第2のユーザによって前記対象物を打撃した打音を記録する記録手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
第1のユーザによって指示された指示位置を取得する第1取得工程と、
前記第1のユーザとは異なる第2のユーザによって対象物を打撃した打音位置を取得する第2取得工程と、
前記指示位置と、前記打音位置とに基づいて、前記第2のユーザが前記指示位置を打撃したか判断する判断工程と、を有する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の画像処理システムの各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを元に、指定された打音検査ポイントに対する打音検査を抜けもれなく行うことを補助する情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トンネルや橋梁等の構造物の壁面の欠陥検査を行う技術として、トンネルや橋梁等の構造物の壁面の画像による変状検知による検査を行い、打診棒やハンマー等を使用し、打音検査を実施する。これによって、コンクリート内部にひび割れや浮きなどの異常部位が無いか調べる方法が一般的である。打音検査には、打音場所の選定や、検査結果の判断に高い技量を有する必要があることが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の構造物点検システムがある。このシステムは、打音検査の検査時間短縮のため、構造物の壁面の画像による変状検知による検査結果に従って、飛行ロボットにより打診棒やハンマー等を使用し、打音検査を実施する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-079526号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献に開示された従来技術では、トンネルや橋梁の周辺は必ずしもラジコンヘリコプター等の飛行ロボットの飛行に適した環境ではなく、むしろ飛行に不向きな環境の場合もある。また、飛行ロボットのプロペラやモーター音により打音検査に影響を与える懸念がある。
【0006】
一方、人の手で打音検査を行う場合は、必要な打音場所の選定に高い技量を有する必要がある。すべての現場に高い技量を有する一部の者を向かわせる工数が惜しい場合、高い技量を有する者が変状位置を元に、あらかじめ選択したポイントを、誰でも間違わずに打音検査できる仕組みが必要である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、打音検査を抜けもれを低減することを可能にするシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、
第1のユーザによって指示された指示位置を取得する第1取得手段と、
前記第1のユーザとは異なる第2のユーザによって対象物を打撃した打音位置を取得する第2取得手段と、
前記指示位置と、前記打音位置とに基づいて、前記第2のユーザが前記指示位置を打撃したか判断する判断手段と、を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、打音検査の抜けもれを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態のシステムの構成図
図2】画像による変状検知による検査を行うための撮影作業の概要を示すフローチャート
図3】本発明の実施形態の打音検査システムを用いた打音場所の選定を行う作業者の作業の概要を示すフローチャート
図4】本発明の実施形態の打音検査システムを用いた打音場所の選定を行う際に情報処理装置に表示されるUIの表示例
図5】本発明の実施形態の打音検査システムを用いた打音検査を行う作業者の作業の概要を示すフローチャート
図6】本発明の実施形態の打音範囲を示す図
図7】本発明の実施形態の撮像範囲を示す図
図8】本発明の実施形態の表示部を示す図
図9】本発明の実施形態の撮像範囲を示す図
図10】本発明の実施形態のライブビュー表示を示す図
図11】本発明の実施形態の画像データ全体を示す図
図12】本発明の実施形態の表示部の表示例を示す図
図13】本発明の実施形態の打音検査システムを用いた打音検査を行う作業者が打音場所を追加する際の作業の概要を示すフローチャート
図14】本発明の実施形態にかかわる打音検査システムでの検査結果の表示を表すイメージ図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかわる撮影システムの構成図である。
【0012】
100は、打音検査システムを構成する情報処理装置である。101は情報処理装置のシステム制御を行うシステム制御部である。102は画像処理部であり、入力された画像データの画像解析よる変状検知、特徴点抽出、比較等の処理を行い、処理結果を出力する。103は画像処理装置110に備える内部メモリであり、画像処理部102の入出力データや一時的なデータの保持、および表示、通信処理の際に一時的にデータ保持するときにも使用する。104は表示部であり、TFT液晶パネルや有機ELパネルを備え、画像処理部102の出力データを表示する。また、タッチパネル構成によりユーザー入力部を兼ねている。105は通信部で、無線または有線で接続により情報処理装置100の外部のシステムと接続し、データの送受信を行う。106はマイクで、音声として記録される情報処理装置100の周囲の音声を集音するマイクロフォンである。107は記録媒体で、撮影されたトンネルや橋梁等の構造物の画像、および画像に対する相対的な位置として打音検査位置を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや光ディスク、磁気ディスク等から構成される。
【0013】
110は、打音検査システムを構成する撮像装置である。111は撮像装置110のシステム制御を行うシステム制御部であり、撮影に関わる制御、画像処理、通信等の制御を行う。112は撮像部で、撮像センサを露光・結像するための光学系、撮像センサ、AD変換、ゲイン制御、補正制御を行う。113は画像処理部で、撮像部112で撮像したデータに対し補正、現像、圧縮、符号化等の処理を行い画像データを生成する。またAF、AE、WB、手振れ補正、ストロボ調光などの撮影画像高画質化のための制御および処理、画像解析、検出、認識などの処理を行う。114は撮像装置110に備える内部メモリおよび着脱可能な外部メモリである。内部メモリは、撮像部112の撮像データ取得や画像処理部113の画像処理の際に一時的にデータ保持するとき、および通信処理の際に一時的にデータ保持するときにも使用する。115は通信部で、無線または有線で接続により撮像装置110の外部のシステムと接続し、データの送受信を行う。
【0014】
情報処理装置100の通信部115は、カメラ100の通信部106と、無線または有線の通信方式で接続されている。撮像装置の撮像部112で撮像され、画像処理部113で生成されたライブビュー画像である。通信部115を介して無線接続された情報処理装置に画像を転送し、情報処理装置の通信部105で転送されたライブビュー画像を受信し、メモリ103に蓄積された画像を、表示部104で表示する。そうすることで、情報処理装置100が電子ビューファインダとしても機能し、ライブビュー表示を行える。
【0015】
図2は、変状検知による検査を行うための構造物の画像の撮影作業の概要を示すフローチャートである。点検対象物の形状・規模把握、撮影計画等、撮影作業準備に関してはすでにされていることを前提としている。S201で、構造物の撮影対象領域の分割撮影を行う。橋脚やトンネルのような構造物に対し、一般的に利用可能な解像度のカメラで、高精度の傷等劣化検査を行える画質での撮影を1枚の撮影で実現することは難しい。そのため、多数の分割撮影を行い、全撮影対象領域の撮影を行う。S202で、分割画像の合成を行う。ひびや腐食等の変状の画像解析に合成画像を用いるか、分割画像を用いるかは画像解析シーケンスまたはアルゴリズムに依る。撮影対象領域の撮影が失敗や漏れなく行われたかの確認のため、また画像に記録されたひびや腐食等の変状が構造物のどの位置に存在するのかを管理・表示するために合成を行う。本発明の実施形態にかかわる打音検査システムではこの変状検知による検査を行うための構造物の合成画像がすでに用意されていることを前提としている。
【0016】
図3から図12を参照して、本発明の実施形態による、打音検査システムについて説明する。
【0017】
図3は、本発明の実施形態にかかわる打音検査システムを用いた打音場所の選定を行う作業者の作業の概要を示すフローチャートである。作業者の作業と本発明に係る情報処理装置の処理について、それぞれ表記列を変えて表現している。付番S301~303は作業者の作業フロー、S310~312は情報処理装置100の本発明に係る処理を表している。
【0018】
S301で、作業者は、情報処理装置100に対して、変状検知による検査を行うための構造物の合成画像の表示指示を行う(S310)。
【0019】
S310で、システム制御部101は、記録媒体107から構造物の合成画像を読み出し、画像処理部102により構造物の合成画像から画像解析による変状検知を行い、表示部104に構造物の合成画像と変状検知結果の重畳表示を行う。
【0020】
S302で、作業者は、情報処理装置100に対して、変状の位置を元に打音検査を実施させたい位置(打音検査ポイント)をタッチ操作で指定する(S311)。
【0021】
S311で、システム制御部101は、表示部104に指示を受け付けたことを行う表示を行うと共に、メモリ103に指示を受けた位置の、構造物の合成画像に対する相対的な位置を記憶する。
【0022】
S303で、作業者は、情報処理装置100に対して、打音検査を実施したい位置の保存指示を行う(S312)。
【0023】
S312で、システム制御部101は、メモリ103に一時保存していた、指示を受けた位置の、構造物の合成画像に対する相対的な位置を、記録媒体107に記憶する。
【0024】
図4は、図3の説明を補うための情報処理装置100に表示されるUIの表示例図である。図4の401および402は、構造物の合成画像と変状検知結果の重畳表示を行う。402が構造物の合成画像全体を表示するのに対して、401は作業者により変状および変状検知結果が確認しやすいように、ピンチイン/ピンチアウト、ドラッグ操作を受け付る。これにより構造物の合成画像と変状検知結果の重畳表示の拡大/縮小、拡大位置移動を行うことができる。403は、本検査指示の作成日や打音検査を行う場所、指定された打音検査ポイント数、打音検査ポイント数に一定の係数をかけることで導かれる打音検査の予定工数など、打音検査にかかる情報を表示する。404から406は、指定された打音検査ポイントを表示している。拡大可能な構造物の合成画像401をタッチ操作408によりタッチされると打音検査ポイントが指定される。メモリ103に指示を受けた位置の、構造物の合成画像に対する相対的な位置が記憶されると共に、404の打音検査ポイント表示が表示される。405から407は構造物の合成画像全体の中で、メモリに103に記憶された、打音検査ポイントの構造物の合成画像に対する相対的な位置に応じて、打音検査ポイント表示を表している。404の打音検査ポイントの402の構造物の合成画像全体の表示上の表示が405となる。変状を拡大して確認し打音検査ポイントを指定できること、指定した打音検査ポイントを一覧で確認できることの両方を実現するために、401の拡大可能な構造物の合成画像の表示と、402の構造物の合成画像全体の表示を分けている。タッチ操作410により、409の検査ポイント指定完了ボタンがタッチされると、メモリ103に一時保存していた、指示を受けた位置の、構造物の合成画像に対する相対的な位置を、記録媒体107に記憶する。
【0025】
図5は、本発明の実施形態にかかわる打音検査システムを用いた打音検査を行う作業者の作業の概要を示すフローチャートである。作業者の作業と本発明に係る情報処理装置の処理について、それぞれ表記列を変えて表現している。付番S5001~5008は作業者の作業フロー、S5100~5115は情報処理装置100の本発明に係る処理を、S5201~5202は情報処理装置100の本発明に係る処理を表している。
【0026】
図6は、図5の説明を補うためのイメージ図である。図6(a)の600は、インフラ構造物を表している。601の面が打音検査の実施対象としたい範囲とする。602は、インフラ構造物600にみられるひびなどの変状であり、一様なコンクリートなどで構成される構造物表面で検知可能な特徴点でもある。図6(b)はS201~202により作成した、変状検知による検査を行うための構造物の合成画像を表しており、603はS310~312により該当位置に打音検査ポイントが指定されていることを表している。
【0027】
S5001で、作業者は、情報処理装置100に対して、打音検査位置指定モードの開始指示を行う(S5100)。
【0028】
S5100で、システム制御部101は、記録媒体107から構造物の合成画像を読み出し、構造物の合成画像に対する相対的な位置である最初の打音検査ポイントを読み出す。
【0029】
S5101で、システム制御部101は、通信部105を通じて、撮像装置110に対して、ライブビュー画像の供給を指示する(S5201)。
【0030】
S5201で、システム制御部111は、通信部115を通じて、情報処理装置100からのライブビュー供給指示を受け取り、撮像部112、画像処理部113を用いてライブビュー画像の生成を開始する。
【0031】
S5002で、作業者は、撮像装置110に対して、打音検査位置を探すため、検査対象に撮像装置を向ける(S5202)。
【0032】
S5202で、システム制御部111は、逐次ライブビュー生成、および通信部115から画像データの送信を行う(S5102)。
【0033】
S5102で、システム制御部101は、通信部105を通じて、撮像装置110から、逐次画像データを受信する(S5103)。
【0034】
S5103で、システム制御部101は、構造物の合成画像と逐次画像データの変状の特徴点一致検索を行う(S5104)。
【0035】
S5104で、システム制御部101は、S5102で受信した逐次画像データの、打音検査指定位置に対する相対位置情報を算出する(S5105)。
【0036】
図7は、図5の説明を補うためのイメージ図である。図7(a)は、S5002におけるインフラ構造物と撮像装置110の撮影範囲を示している。図7(a)の701は図6(a)の601と同一のインフラ構造物、702の点線枠は撮像装置110の撮影範囲を示している。図7(b)はS5103の構造物の合成画像との特徴点一致検索のイメージ図である。711は構造物の合成画像、712はこのときの撮像装置110から転送された逐次画像データを表している。713は、メモリ103に保持している壁面の合成画像に含まれる特徴点情報、714は画像データ612における特徴点検索結果を表している。図5のS5103では、特徴点情報713と、特徴点検索結果714との一致検索を行い、特徴点情報713に含まれる座標情報に基づいて、画像データ712が構造物の合成画像上の座標におけるどの位置に該当するかを特定する。図7(c)は、構造物の合成画像711上の打音検査ポイントに対する、画像データ712の相対位置情報を示すイメージ図である。721は、構造物の合成画像上の画像データ712の撮影範囲を表している。722は、図3のS311で打音場所の選定を行う作業者が指定した打音検査ポイントの一つを表している。723は、721を基準とした722の相対位置情報を表している。
【0037】
S5105で、システム制御部101は、S5102で受け付けた壁面の合成画像上の位置が、S5104で生成された壁面の合成画像上の座標情報に対する相対位置情報に基づき、逐次画像データに打音検査指定位置が含まるかどうかの判断を行う。含まれない場合は(S5106)に進み、含まれる場合は(S5107)に進む。
【0038】
S5106で、システム制御部101は、位置関連情報としてベクトル情報、およびベクトル情報に基づく打音検査指定位置の方向を示すガイド情報を生成し、逐次画像データと共に表示部104に表示する。
【0039】
S5003で、作業者は、情報処理装置100の表示部104に表示された、逐次画像データと打音検査指定位置の方向を示すガイド情報に従い、構造物に向ける撮像装置110の方向を調節し、画角を変更することができる(S5002)。
【0040】
図8は、図5の説明を補うための図である。801は、情報処理装置100の表示部104を表している。802は逐次取得した画像データを表示するライブビュー表示を表し、803はガイド表示情報を表している。S5106で、情報処理装置100の表示部104には図8のように、逐次画像情報と重畳してガイド表示情報を表示する。
【0041】
S5107で、システム制御部101は、位置関連情報として打音検査指定位置を示すガイド情報を生成し、逐次画像データと共に表示部104に表示する。
【0042】
S5004で、作業者は、情報処理装置100の表示部104に表示された、逐次画像データと打音検査指定位置を示すガイド情報に従い、構造物を打音検査することができる(S5108)。
【0043】
図9は、図5の説明を補うための図である。図9(a)は、図7(a)同様、S5002におけるインフラ構造物と撮像装置110の撮影範囲を示している。901は図6(a)の601と同一のインフラ構造物、902の点線枠はこのときの撮像装置110から転送された逐次画像データの撮影範囲を示している。図9(b)は、図7(b)同様、S5103の構造物の合成画像との特徴点一致検索のイメージ図である。911は構造物の合成画像、912はこのときの撮像装置110から転送された逐次画像データを表している。913は、メモリ103に保持している構造物の合成画像範囲に含まれる特徴点情報、914は画像データ912における特徴点検索結果を表している。図9(c)は、構造物の合成画像911上の打音検査ポイントに対する、画像データ712の相対位置情報を示すイメージ図である。921は、構造物の合成画像上の画像データ912の撮影範囲を表している。922は、図3のS311で打音場所の選定を行う作業者が指定した打音検査ポイントの一つを表している。構造物の合成画像911上の画像データ912の撮影範囲921に、作業者が打音場所の選定を行う作業者が指定した打音検査ポイント922が含まれていることが判定できる。
【0044】
図10は、図5の説明を補うための図である。1001は、情報処理装置100の表示部104を表している。1002は逐次取得した画像データを表示するライブビュー表示を表している。1003はガイド表示情報として、図3のS311で打音場所の選定を行う作業者が指定した打音検査ポイントの一つ示す表示を表している。1004は、ガイド表示情報としてさらに表示する、画像データ912の撮影範囲に含まれる特徴点検索結果914または913を示す表示を表している。ガイド表示情報1003は、図3のS311で打音場所の選定を行う作業者が指定した打音検査ポイントの一つ示す別の表示でもよく文字列、アイコン、枠などの表示またはそれらの組み合わせでもよい。ガイド表示情報1004は、特徴点として検出されたひびなどの変状の形状をそのまま表す表示でもよく、矩形などの別の表示方法でもよい。
【0045】
S5108で、システム制御部101は、S5004で作業者が打音を行ったタイミングをマイクの出力および音声の周波数によって検知し、検知したタイミングの一定時間の打音データと画像データをメモリ103上に保存する。
【0046】
S5109で、システム制御部101は、S5107で取得した画像データ解析により、構造物の合成画像内の打音位置の相対的な位置を特定する。
【0047】
図11は、図5の説明を補うための図である。1101はS5107で取得した画像データ全体を表している。1102は打音検査を行うハンマーを表している。1103はハンマー1102で打音を行った際の打点を表している。1104は打点の近傍にあるインフラ構造物にみられるひびなどの変状であり、一様なコンクリートなどで構成される構造物表面で検知可能な特徴点でもある。1105は構造物の合成画像全体を表している。メモリ103に保持している構造物の合成画像範囲に含まれる特徴点情報と1104の変状の特徴点を元に、打点1103近傍の変状1104の構造物の合成画像内での位置1106を特定する。これにより、相対位置として打点1103の構造物の合成画像内での相対位置を特定することができる。
【0048】
S5110で、システム制御部101は、打音場所の選定を行う作業者が指定した打音検査ポイントとS5109で求めた打音位置の距離が閾値内かどうかの判断を行う。含まれない場合は(S5111)に進み、含まれる場合は(S5112)に進む。
【0049】
S5111で、システム制御部101は、表示部104に打音位置が異なる旨のガイド情報を表示する(S5005)。
【0050】
S5004で、作業者は、情報処理装置100の表示部104に表示された、打音位置が異なる旨のガイド情報に従い、再度打音を試行する(S5002)。
【0051】
S5112で、システム制御部101は、メモリ103上に保持した打音データを構造物の合成画像内の相対位置に関連付けて記録媒体107に保存し、表示部104にその旨のガイド情報を表示する。指定された打音データと図13で後述する任意位置の打音データは区別できるように、指定位置の打音データであることをファイル情報として保存する。(S5113)。
【0052】
S5113で、システム制御部101は、打音場所の選定を行う作業者が指定したすべての打音検査位置の検査が終了したかの判断を行う。終了していない場合は(S5114)に進み、終了した場合は(S5115)に進む。
【0053】
S5114で、システム制御部101は、表示部104に次の指定された打音検査位置の読込と検査を行う旨のガイド情報を表示する(S5006)。
【0054】
S5006で、作業者は、情報処理装置100の表示部104に表示された、次の指定された打音検査位置の検査を行う旨のガイド情報に従い、再度打音を試行する(S5002)。
【0055】
S5115で、システム制御部101は、表示部104に全ての指定された打音検査位置の検査が完了した旨のガイド情報を表示する(S5006)。
【0056】
S5007で、作業者は、情報処理装置100の表示部104に表示された、全ての指定された打音検査位置の検査が完了した旨のガイド情報に従い、作業を終了する。
【0057】
図12は、図5の説明を補うための図である。1201から1204は情報処理装置100の表示部104の表示例である。1201はS5111の表示例である。1202はS5112の表示例である。1203はS5114の表示例である。1204はS5115の表示例である。
【0058】
打音場所の選定を行う作業者が指定した打音検査位置だけでなく、打音検査を行う作業者が気になった打音検査位置も同様に打音検査出来てもよい。
【0059】
図13は、本発明の実施形態にかかわる打音検査を行う作業者が気になった打音検査位置の打音検査を行う作業の概要を示すフローチャートである。作業者の作業と本発明に係る情報処理装置の処理について、それぞれ表記列を変えて表現している。付番S13001~13003は作業者の作業フロー、S13101~13105は情報処理装置100の本発明に係る処理を、S13201~13202は情報処理装置100の本発明に係る処理を表している。
【0060】
S13001で、作業者は、情報処理装置100に対して、打音検査位置任意モードの開始指示を行う(S13101)。
【0061】
S13101で、システム制御部101は、通信部105を通じて、撮像装置110に対して、ライブビュー画像の供給を指示する(S13201)。
【0062】
S13201で、システム制御部111は、通信部115を通じて、情報処理装置100からのライブビュー供給指示を受け取り、撮像部112、画像処理部113を用いてライブビュー画像の生成を開始する。
【0063】
S13202で、システム制御部111は、逐次ライブビュー生成、および通信部115から画像データの送信を行う(S13102)。
【0064】
S13102で、システム制御部101は、通信部105を通じて、撮像装置110から、逐次画像データを受信し、表示部104にライブビュー表示を行う(S13002)。
【0065】
S13002で、作業者は、構造物の任意の位置を打音検査する(S13103)。
【0066】
S13103で、システム制御部101は、S13002で作業者が打音を行ったタイミングをマイクの出力によって検知し、検知したタイミングの一定時間の打音データと画像データをメモリ103上に保存する。
【0067】
S13104で、システム制御部101は、S13103で取得した画像データ解析により、構造物の合成画像内の打音位置の相対的な位置を特定する。説明は図11と同一のため割愛。
【0068】
S13105で、システム制御部101は、メモリ103上に保持した打音データを構造物の合成画像内の相対位置に関連付けて記録媒体107に保存し、表示部104にその旨のガイド情報を表示する(S13003)。指定された打音データと任意位置の打音データは区別できるように、任意位置の打音データであることをファイル情報として保存する。ガイド情報の説明は1202と同一のため割愛。
【0069】
S13003で、作業者は、作業を終了するか判断する。終了しない場合は(S13002)に進む。
【0070】
図14は、本発明の実施形態にかかわる打音検査システムでの検査結果の表示を表すイメージ図である。検査結果の表示を行うとまず図14(a)の1401のような表示を行う。1402から1404は打音データの構造物の合成画像内の相対的な位置に従い表示を行う。1402、1403と1404の違いは、指定された打音データか任意位置の打音データかのファイル情報の違いによって表示を行う。
【0071】
1405は、1401上で打音データがある1402の位置をタッチすることを表しており、図14(b)の表示に遷移を行うとともに打音データの再生を行う。1406は近傍の変状の情報を表している。1407は打音データに関する情報を表示している。打音場所の選定を行った作業者、打音検査を行った作業者、打音点検結果、打音点検場所の表示を行う。1408はS5107またはS13103で取得した画像データを表示する例である。S5107またはS13103で取得した画像データを打音データと関連付けて保存しておき、打音データ選択時に表示することで取得した打音データの打音時の位置の正しさを、検査結果の表示時にも再確認することができる。
【0072】
1409は1401上で打音データが無い位置をタッチすることを表しており、図14(c)の表示に遷移を行う。1409は近傍の変状の情報を表している。1410のように打音データに関する情報が存在しないことを表示する。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0074】
<構成1>
第1のユーザによって指示された指示位置を取得する第1取得手段と、
前記第1のユーザとは異なる第2のユーザによって対象物を打撃した打音位置を取得する第2取得手段と、
前記指示位置と、前記打音位置とに基づいて、前記第2のユーザが前記指示位置を打撃したか判断する判断手段と、を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0075】
<構成2>
前記判断手段によって前記第2のユーザが前記指示位置を打撃したと判断されなかった場合、前記第2のユーザに打撃のやり直しを通知する通知手段を有する
ことを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
【0076】
<構成3>
前記第1取得手段は、前記第1のユーザから前記指示位置の指示を受け付ける指示手段から前記指示位置を取得し、
前記指示手段は、前記対象物の変状の位置に基づいて、前記指示位置を受け付ける
ことを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
【0077】
<構成4>
前記第2のユーザによって前記対象物を打撃する画像を撮影する撮像手段と、
前記画像に基づいて、前記対象物の変状の形状を検出する検出手段と、
前記画像と、前記変状の形状とに基づいて、前記指示位置を表示する
ことを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
【0078】
<構成5>
前記第2のユーザが前記指示位置を打撃した場合に、前記第2のユーザによって前記対象物を打撃した打音を記録する記録手段を有する
ことを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
【0079】
<方法1>
第1のユーザによって指示された指示位置を取得する第1取得工程と、
前記第1のユーザとは異なる第2のユーザによって対象物を打撃した打音位置を取得する第2取得工程と、
前記指示位置と、前記打音位置とに基づいて、前記第2のユーザが前記指示位置を打撃したか判断する判断工程と、を有する
ことを特徴とする情報処理方法。
【0080】
<プログラム1>
構成1~5のいずれか1項に記載の画像処理システムの各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0081】
100 情報処理装置
101 システム制御部
102 画像処理部
104 表示部
106 マイク
110 撮像装置
111 システム制御部
112 撮像部
113 画像処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14