(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174543
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】表示制御システム、表示制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20241210BHJP
【FI】
G06F3/0484
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092415
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】500022557
【氏名又は名称】サイボウズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 祐太
(72)【発明者】
【氏名】國弘 遥
(72)【発明者】
【氏名】林 憲佑
(72)【発明者】
【氏名】長尾 洋也
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555BA02
5E555BA61
5E555BB02
5E555BC08
5E555BC17
5E555CC03
5E555CC11
5E555DB03
5E555DB41
5E555DC40
5E555EA03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】グループウェアを利用するユーザの利便性を高める。
【解決手段】表示制御システム(1)の更新部(101)は、グループウェアを利用するユーザが行った更新操作に基づいて、グループウェアのアプリの設定を示すアプリ設定データを更新する。保存部(102)は、アプリ設定データが更新された場合に、アプリ設定データの更新箇所を示す更新箇所データを、データ記憶部(100)に保存する。表示制御部(103)は、更新箇所データに基づいて、グループウェアの更新箇所画面に、更新箇所を表示させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループウェアを利用するユーザが行った更新操作に基づいて、前記グループウェアのアプリの設定を示すアプリ設定データを更新する更新部と、
前記アプリ設定データが更新された場合に、前記アプリ設定データの更新箇所を示す更新箇所データを、データ記憶部に保存する保存部と、
前記更新箇所データに基づいて、前記グループウェアの更新箇所画面に、前記更新箇所を表示させる表示制御部と、
を含む表示制御システム。
【請求項2】
前記アプリ設定データに複数の前記更新箇所がある場合には、前記更新箇所データは、当該複数の更新箇所の各々の時系列的な関係を示し、
前記表示制御部は、前記更新箇所画面に、前記複数の更新箇所の各々を時系列的に並べて表示させる、
請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記表示制御システムは、前記更新箇所画面で前記ユーザが行った復元操作に基づいて、前記アプリ設定データを復元する復元部を更に含む、
請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記復元部は、過去の前記アプリ設定データに対し、前記更新箇所の変更、キャンセル、及び追加の少なくとも1つが行われるように、前記アプリ設定データを復元する、
請求項3に記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記復元部は、過去の前記アプリ設定データに複数の前記更新箇所がある場合には、当該複数の更新箇所のうち前記ユーザが選択した前記更新箇所に対応する時点の設定内容に基づいて、前記アプリ設定データを復元する、
請求項3に記載の表示制御システム。
【請求項6】
前記表示制御システムは、
前記アプリとは異なる他のアプリに、前記アプリ設定データを流用する流用部と、
前記他のアプリに流用された前記アプリの前記アプリ設定データが復元された場合に、所定の他アプリ処理を実行する他アプリ処理実行部と、
を更に含む請求項3に記載の表示制御システム。
【請求項7】
前記表示制御システムは、
前記アプリ設定データの設定項目同士の関係を示す関係データに基づいて、前記アプリ設定データの更新により影響が出る前記設定項目があるか否かを判定する影響判定部と、
前記影響判定部の判定結果に基づいて、所定の影響処理を実行する影響処理実行部と、
を更に含む請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項8】
前記保存部は、前記ユーザが前記更新操作を行った後にUNDO操作及びREDO操作の少なくとも一方の操作を行った場合には、当該少なくとも一方の操作が行われたことを示す前記更新箇所データを、前記データ記憶部に保存し、
前記表示制御部は、前記更新箇所画面に、前記少なくとも一方の操作が行われたことを表示させる、
請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項9】
前記更新操作は、前記グループウェアの設定更新画面から行われ、
前記表示制御システムは、
複数の前記設定更新画面から同時に前記アプリ設定データが更新されるか否かを判定する同時更新判定部と、
前記同時更新判定部の判定結果に基づいて、所定の同時更新処理を実行する同時更新処理実行部と、
を更に含む請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項10】
前記表示制御システムは、前記ユーザが属する組織とは異なる第三者の属性を示す第三者属性データに基づいて、当該第三者に対し、当該第三者用の前記更新箇所を示す第三者用データを提供する提供部を更に含む、
請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項11】
前記表示制御システムは、
前記アプリ設定データが更新された場合に、前記アプリと連携するAPIを示すAPI連携データに基づいて、前記アプリ設定データの更新により影響が出る範囲を特定する特定部と、
前記範囲に基づいて、所定の範囲処理を実行する範囲処理実行部と、
を更に含む請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項12】
グループウェアを利用するユーザが行った更新操作に基づいて、前記グループウェアのアプリの設定を示すアプリ設定データを更新し、
前記アプリ設定データが更新された場合に、前記アプリ設定データの更新箇所を示す更新箇所データを、データ記憶部に保存し、
前記更新箇所データに基づいて、前記グループウェアの更新箇所画面に、前記更新箇所を表示させる、
表示制御方法。
【請求項13】
グループウェアを利用するユーザが行った更新操作に基づいて、前記グループウェアのアプリの設定を示すアプリ設定データを更新する更新部、
前記アプリ設定データが更新された場合に、前記アプリ設定データの更新箇所を示す更新箇所データを、データ記憶部に保存する保存部、
前記更新箇所データに基づいて、前記グループウェアの更新箇所画面に、前記更新箇所を表示させる表示制御部、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御システム、表示制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、組織における業務を支援するグループウェアが知られている。例えば、特許文献1には、グループウェアを利用するユーザが行った更新操作に基づいて、クラウド型のグループウェアのアプリの設定を示すアプリ設定データを更新するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、アプリ設定データが更新された後にアプリに不具合が発生すると、ユーザは、アプリ設定データを見直してトラブルシューティングを行う。従来の技術では、アプリ設定データの更新箇所を示す更新箇所データが保存されないので、ユーザは、アプリ設定データの更新箇所を思い出す必要があった。このため、従来の技術では、ユーザの利便性を十分に高めることができなかった。この点は、ユーザがアプリ設定データの更新箇所を思い出す必要がある他の場面でも同様である。
【0005】
本開示の目的の1つは、グループウェアを利用するユーザの利便性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る表示制御システムは、グループウェアを利用するユーザが行った更新操作に基づいて、前記グループウェアのアプリの設定を示すアプリ設定データを更新する更新部と、前記アプリ設定データが更新された場合に、前記アプリ設定データの更新箇所を示す更新箇所データを、データ記憶部に保存する保存部と、前記更新箇所データに基づいて、前記グループウェアの更新箇所画面に、前記更新箇所を表示させる表示制御部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、グループウェアを利用するユーザの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】表示制御システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】ユーザがグループウェアを利用する場合に表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】表示制御システムで実現される機能の一例を示す図である。
【
図7】表示制御システムで実行される処理の一例を示す図である。
【
図8】表示制御システムで実行される処理の一例を示す図である。
【
図9】変形例の表示制御システムで実現される機能の一例を示す図である。
【
図10】ユーザが復元操作を行った場合に表示部に表示される復元画面の一例を示す図である。
【
図11】変形例2の復元画面の一例を示す図である。
【
図14】変形例5の更新箇所画面の一例を示す図である。
【
図15】同時更新処理が実行された場合の設定更新画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.表示制御システムのハードウェア構成]
本開示に係る表示制御システムの実施形態の一例を説明する。
図1は、表示制御システムのハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、表示制御システム1は、サーバ10及びユーザ端末20を含む。サーバ10及びユーザ端末20の各々は、インターネット又はLAN等のネットワークNに接続される。
【0010】
サーバ10は、サーバコンピュータである。例えば、サーバ10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。記憶部12は、RAM等の揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリと、の少なくとも一方を含む。通信部13は、有線通信用の通信インタフェースと、無線通信用の通信インタフェースと、の少なくとも一方を含む。
【0011】
ユーザ端末20は、グループウェアを利用するユーザが操作するコンピュータである。グループウェアは、組織における業務を支援するソフトウェアである。グループウェアは、クラウド型又はオンプレミス型の何れであってもよい。本実施形態では、ユーザの勤務先の企業がグループウェアに契約している。
図1では、1つのユーザ端末20だけが示されているが、表示制御システム1は、複数のユーザ端末20を含んでもよい。
【0012】
例えば、ユーザ端末20は、パーソナルコンピュータ、タブレット、又はスマートフォンである。例えば、ユーザ端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23の各々のハードウェア構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。操作部24は、マウス、タッチパネル、又はキーボード等の入力デバイスである。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。
【0013】
なお、記憶部12,22に記憶されるプログラムは、ネットワークNを介してサーバ10及びユーザ端末20の各々に供給されてもよい。また、サーバ10及びユーザ端末20の各々のハードウェア構成は、
図1の例に限られない。例えば、情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、メモリカードスロット)、又は、情報記憶媒体と接続する入出力部(例えば、USB端子)が、サーバ10及びユーザ端末20の各々に含まれてもよい。この場合、情報記憶媒体に記憶されたプログラムが、読取部又は入出力部を介してサーバ10及びユーザ端末20の各々に供給されてもよい。
【0014】
また、表示制御システム1は、少なくとも1つのコンピュータを含めばよい。表示制御システム1に含まれるコンピュータは、
図1の例に限られない。例えば、表示制御システム1は、ユーザ端末20を含まなくてもよい。この場合、ユーザ端末20は、表示制御システム1の外部に存在し、表示制御システム1は、サーバ10だけを含む。表示制御システム1は、サーバ10と、他のサーバコンピュータと、を含んでもよい。表示制御システム1は、サーバコンピュータ以外の他のコンピュータだけを含んでもよい。
【0015】
[2.表示制御システムの概要]
図2は、ユーザがグループウェアを利用する場合に表示部25に表示される画面の一例を示す図である。
図2の例では、データベースの一種であるアプリの画面が示されている。アプリは、ユーザの業務を支援するシステム又はツールということもできる。例えば、アプリは、データベースを構成する少なくとも1つのレコードを含む。アプリは、データベースだけではなく、ユーザ端末20が所定の処理を実行するためのプログラムも含む。
【0016】
例えば、ユーザは、グループウェアにログインして任意のアプリを選択する。ユーザ端末20は、サーバ10と通信し、ユーザが選択したアプリのレコードの一覧を示すリストL10を含むレコードリスト画面SC1を表示部25に表示させる。リストL10の1行目の行は、複数のフィールドの各々の名前を示す。リストL20の2行目以降の行は、個々のレコードに含まれる各フィールドの値を示す。リストL20の2行目以降の行の1列目には、ユーザがレコードの詳細を確認するためのアイコンI11が表示される。
【0017】
例えば、ユーザが、ある行のアイコンI11を選択すると、ユーザ端末20は、サーバ10と通信し、当該行に対応するレコードの詳細を示すレコード詳細画面SC2を、表示部25に表示させる。本実施形態のアプリは、データベースとしての機能だけではなく、コミュニケーションツールとしての機能も有する。例えば、レコード詳細画面SC2には、レコードに含まれる各フィールドの値だけではなく、レコードに含まれるコメントの内容も表示される。
【0018】
本実施形態では、アプリの管理権限を有するユーザは、アプリの設定を示すアプリ設定データを更新できる。例えば、アプリ設定データは、アプリの名前、アプリのアイコン、アプリの管理権限を有するユーザ用のメモ、レコード詳細画面SC2におけるフォームのレイアウト、レコード詳細画面SC2で表示されるグラフの形式、レコードリスト画面SC1におけるリストL10のレイアウト、ユーザに対する通知の条件である通知条件方法、フィールドのデータ型、アプリのアクセス権、及びアプリを利用する担当者の名前といった設定項目を含む。アプリ設定データの設定項目は、公知のグループウェアで採用されている任意の設定項目であってよい。
【0019】
以降の説明では、ユーザがアプリの管理権限を有するものとする。1人のユーザだけがアプリの管理権限を有してもよいし、複数のユーザの各々がアプリの管理権限を有してもよい。例えば、ユーザがレコードリスト画面SC1のアイコンI12を選択すると、ユーザ端末20は、サーバ10と通信し、後述の更新操作を受け付ける設定更新画面を表示部25に表示させる。
【0020】
図3は、設定更新画面の一例を示す図である。例えば、ユーザは、設定更新画面SC3の領域A30に表示されたボックスを領域A31にドラッグアンドドロップすることによって、設定項目「フォーム」の設定内容を指定できる。設定内容は、設定項目の具体的な値である。
図3の例であれば、レコード詳細画面SC2における各フォームのタイトル(フィールドの名前)及び表示位置が、設定項目「フォーム」の設定内容に相当する。ユーザは、設定更新画面SC3から、設定項目「フォーム」以外の他の設定項目の設定内容も指定できる。
【0021】
本実施形態では、ユーザが設定更新画面SC3から行う操作全般を、更新操作という。例えば、ユーザが設定項目の設定内容を指定する操作が、更新操作に相当する。上記ドラッグアンドドロップは、更新操作の一例である。更新操作は、任意の操作であってよく、ドラッグアンドドロップに限られない。例えば、ユーザが文字列を入力する操作、ユーザが数値を入力する操作、ユーザがプルダウンフォームを選択する操作、ユーザがチェックボックスを選択する操作、又はその他の操作が更新操作に相当してもよい。
【0022】
例えば、ユーザがボタンB32を選択すると、アプリ設定データの更新が中止される。ユーザがボタンB33を選択すると、サーバ10は、アプリ設定データを更新する。ユーザがボタンB32,B33を選択する操作が、更新操作に相当してもよい。ユーザは、アプリ設定データを繰り返し更新できる。サーバ10は、アプリ設定データを更新するたびに、アプリ設定データの更新箇所を示す更新箇所データを保存する。ユーザは、更新箇所データが示す更新箇所を確認できる。
【0023】
例えば、アプリ設定データが更新された後にアプリに不具合が発生すると、ユーザは、トラブルシューティングを行うために、アプリ設定データの更新箇所を確認する。ユーザは、トラブルシューティングを行う場面以外の他の場面でも、原則として自身の好きな時に、アプリ設定データの更新箇所を確認できる。例えば、ユーザがレコードリスト画面SC1のアイコンI13を選択すると、ユーザ端末20は、サーバ10と通信し、アプリ設定データの更新箇所を示す更新箇所画面を表示部25に表示させる。
【0024】
図4は、更新箇所画面の一例を示す図である。例えば、更新箇所画面SC4は、アプリ設定データのバージョン(アプリのバージョン)を示す数値、アプリ設定データの更新箇所、アプリ設定データの更新日時、及びアプリ設定データの更新者の氏名を示すリストL40を含む。本実施形態では、アプリが作成されたばかりの時点では、バージョンは、1である。以降、アプリ設定データが更新されるたびに、バージョンが1ずつインクリメントされる。
図4の例では、現在のバージョンが223なので、アプリ設定データが222回更新されている。
【0025】
例えば、リストL40の1行目の行は、リストL40の見出しを示す。リストL40の2行目以降の行は、個々のバージョンの更新箇所等の情報を示す。2行目の行は、現在のバージョン(最新のバージョン)の行である。3行目以降の行は、過去のバージョンの行である。リストL40の上から下に向けて、バージョンが新しい順に、更新箇所等の各情報が並べられる。ユーザが過去のバージョンの「表示する」を選択すると、当該バージョンのアプリ設定データの詳細が更新箇所画面SC4に表示される。
【0026】
図4の例では、現在のバージョンの更新箇所として、設定項目「フォーム」、設定項目「アプリ管理者用メモ」、及び設定項目「一覧」が表示される。本実施形態では、複数の更新箇所が存在するバージョンの行には、上から下に向けて、ユーザが更新操作を行った順に更新箇所が並べられる。
図4の例では、アプリ設定データが現在のバージョンになる時の一連の更新操作として、ユーザは、設定項目「フォーム」の設定内容の指定、設定項目「アプリ管理者用メモ」の設定内容の指定、設定項目「一覧」の設定内容の指定の順で更新操作を行っている。
【0027】
図4の例では、過去のバージョンの行における更新箇所のレイアウトは、現在のバージョンの行における更新箇所のレイアウトと同様である。
図4の例では、バージョン222の更新箇所として、設定項目「フォーム」が表示される。バージョン221の更新箇所として、設定項目「フォーム」、設定項目「グラフ」、設定項目「その他>一般>アイコンと説明」、及び設定項目「その他>一般>通知条件」が表示される。ユーザが更新箇所画面SC4をスクロールすると、更に過去のバージョンの行が更新箇所画面SC4に表示される。
【0028】
例えば、現在のバージョンのアプリに不具合が発生した場合に、ユーザは、アプリ設定データを過去のバージョンに戻すか否かを検討する。本実施形態では、ユーザがリストL40の「復元する」の文字列を選択すると、サーバ10は、当該文字列が配置された行のバージョンに戻るように、アプリ設定データを復元する。ユーザは、リストL40の「復元する」の文字列を選択するのではなく、リストL40内の更新箇所等の各情報を確認したうえで、
図3と同じ流れで更新操作を行うことによって、トラブルシューティングを行ってもよい。
【0029】
以上のように、表示制御システム1は、更新箇所画面SC4に、アプリ設定データの更新箇所を表示させる。更新箇所画面SC4により、過去の更新におけるアプリ設定データの更新箇所をユーザが思い出す必要がなくなるので、表示制御システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。更に、更新箇所画面SC4は、グループウェア以外の他の場所(例えば、グループウェアの提供者と協力関係にある会社のドメイン)における画面ではなく、グループウェア上の画面として表示されるので、ユーザは、更新箇所画面SC4を確認した後に、そのままグループウェアで他の作業を行うことができる。この点でも、表示制御システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。
【0030】
例えば、グループウェアと連携する外部のAPIにより、アプリ設定データの更新箇所の表示機能が実現された場合、外部のAPIにより、アプリ設定データの更新箇所が表示されることになる。この場合、ユーザが、アプリ設定データの更新箇所を確認した後に、アプリ設定データを再び更新しようとすると、ユーザは、外部のAPI側の画面とは異なるグループウェア側のURL等を選択して、グループウェアにログインする必要がある。この点、表示制御システム1は、グループウェアの更新箇所画面SC4に、アプリ設定データの更新箇所を表示させるので、ユーザは、グループウェアの画面上でそのままアプリ設定データの更新作業を行うことができる。このため、表示制御システム1は、ユーザの手間を省くことができる。また、外部のAPIは、サーバ10との間で通信をしてアプリ設定データの更新箇所を表示させる必要があるが、表示制御システム1は、このような通信の必要がないので、処理負荷及び通信負荷を軽減できる。更に、グループウェアの提供者が、外部のAPIとの連携のための機能を開発する必要がないので、グループウェアの提供者の負担を軽減することもできる。表示制御システム1は、これらの点で、外部のAPIに比べて有利な効果を奏する。
【0031】
[3.表示制御システムで実現される機能]
図5は、表示制御システム1で実現される機能の一例を示す図である。
【0032】
[3-1.サーバで実現される機能]
例えば、サーバ10は、データ記憶部100、更新部101、保存部102、表示制御部103、及び復元部104を含む。データ記憶部100は、記憶部12により実現される。更新部101、保存部102、表示制御部103、及び復元部104は、制御部11により実現される。
【0033】
[データ記憶部]
データ記憶部100は、ユーザがグループウェアを利用するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、少なくとも1つのアプリのデータが格納されたアプリデータベースDBを記憶する。
【0034】
図6は、アプリデータベースDBの一例を示す図である。例えば、アプリデータベースDBには、サーバ10及びユーザ端末20の各々がアプリを識別するためのアプリID、アプリ設定データのバージョン、アプリ設定データ、更新箇所データ、更新日時、及び更新者の氏名を示す文字列が格納される。アプリデータベースDBには、任意のデータが格納されてよく、アプリデータベースDBに格納されるデータは、
図6の例に限られない。例えば、アプリデータベースDBには、個々のレコードの詳細を示すレコードデータが格納されてもよい。
【0035】
本実施形態では、バージョンごとに、アプリ設定データ、更新箇所データ、更新日時、及び更新者のデータセットが存在する。アプリ設定データは、複数の設定項目の各々の具体的な設定内容を示す。例えば、アプリ設定データは、設定項目「アプリの名前」の設定内容として、ユーザが入力した文字列を示す。アプリ設定データは、設定項目「アプリのアイコン」の設定内容として、ユーザがアップロードした画像のファイル名を示す。アプリ設定データは、設定項目「フォーム」の設定内容として、各フォームの配置と、各フォームのタイトルと、を示す。他の設定項目も同様であり、アプリ設定データは、他の設定項目の設定内容を示す。
【0036】
例えば、更新箇所データは、少なくとも1つの更新箇所を示す。あるバージョンの更新箇所データは、当該バージョンのアプリ設定データと、当該バージョンの1つ前のバージョンのアプリ設定データと、の差分ということもできる。アプリ設定データに複数の更新箇所が存在する場合には、更新箇所データは、当該複数の更新箇所の各々の時系列的な関係を示す。例えば、更新箇所データは、ユーザが複数の更新操作の各々がどの順序で行われたかを示す。本実施形態では、更新箇所データは、ユーザがレコードリスト画面SC1のアイコンI12を選択してから、ユーザが設定更新画面SC3のボタンB33を選択するまでの間に、ユーザが行った一連の設定変更操作の詳細を示す。
【0037】
なお、データ記憶部100は、任意のデータを記憶してよい。データ記憶部100に記憶されるデータは、アプリデータベースDBに限られない。例えば、データ記憶部100は、ユーザがグループウェアにログインするためのパスワード等が格納されたデータベースを記憶してもよいし、アプリ以外の他の機能(例えば、スレッド機能、スケジュール機能、又は報告書作成機能)のデータを記憶してもよい。
【0038】
[更新部]
更新部101は、グループウェアを利用するユーザが行った更新操作に基づいて、グループウェアのアプリの設定を示すアプリ設定データを更新する。本実施形態では、更新部101がアプリデータベースDBに現在のバージョンのアプリ設定データを格納することが、更新部101がアプリ設定データを更新することに相当する。過去のバージョンのアプリ設定データがアプリデータベースDBに格納されず、現在のバージョンのアプリ設定データだけがアプリデータベースDBに格納される場合には、更新部101が現在のバージョンのアプリ設定データを上書きすることが、更新部101がアプリ設定データを更新することに相当する。
【0039】
例えば、ユーザが設定更新画面SC3で更新操作を行うと、ユーザ端末20は、サーバ10に対し、ユーザが行った更新操作を示す操作データを送信する。ユーザが複数の更新操作を行った場合には、操作データは、当該複数の更新操作の各々の時系列的な関係を示す。サーバ10は、ユーザ端末20から操作データを受信する。更新部101は、操作データが示す更新操作に基づいて、ユーザにより選択された設定項目がユーザにより指定された設定内容になるように、アプリ設定データを更新する。ユーザが更新操作によって設定項目を追加した場合には、更新部101は、ユーザが指定した設定項目が追加されるように、アプリ設定データを更新する。
【0040】
本実施形態では、アプリ設定データのバージョンがアプリデータベースDBで管理されるので、更新部101は、アプリ設定データのバージョンをインクリメントする。更新部101は、ユーザが更新操作を行ったアプリのアプリID、インクリメント後のバージョン、及び更新後のアプリ設定データが互いに関連付けられるように、アプリデータベースDBを更新する。更新部101は、更新日時及び更新者等の他のデータもアプリデータベースDBに格納する。
【0041】
[保存部]
保存部102は、アプリ設定データが更新された場合に、アプリ設定データの更新箇所を示す更新箇所データを、データ記憶部100に保存する。本実施形態では、保存部102は、アプリデータベースDBに更新箇所データを保存する。保存部102は、アプリデータベースDB以外の他のデータベースに更新箇所データを保存してもよい。保存部102は、サーバ10以外の他のコンピュータ又は外部情報記憶媒体に、更新箇所データを保存してもよい。即ち、データ記憶部100は、他のコンピュータ又は外部情報記憶媒体によって実現されてもよい。
【0042】
例えば、保存部102は、サーバ10がユーザ端末20から受信した操作データに基づいて、アプリ設定データの更新箇所を特定する。本実施形態では、保存部102は、ユーザが選択した設定項目と、当該設定項目の設定内容と、を更新箇所として特定する。保存部102は、ユーザが指定した設定項目だけを、更新箇所として特定してもよい。保存部102は、当該特定された更新箇所を示す更新箇所データを生成してデータ記憶部100に保存する。なお、保存部102は、サーバ10がユーザ端末20から受信した操作データを、そのまま更新箇所データとしてデータ記憶部100に保存してもよい。
【0043】
例えば、保存部102は、複数の更新箇所を特定した場合には、複数の更新箇所の各々を示す更新箇所データを生成する。アプリ設定データに複数の更新箇所がある場合には、更新箇所データは、当該複数の更新箇所の各々の時系列的な関係を示す。例えば、更新箇所データは、ユーザが複数の更新箇所の各々に対応する更新操作を行った順序を示す。更新箇所データは、ユーザが更新操作を行った日時を示してもよい。この場合、操作データには、当該日時が示されているものとする。保存部102は、ユーザが更新操作を行ったアプリのアプリIDと、アプリ設定データの現在のバージョンと、に関連付けられるように、アプリデータベースDBに更新箇所データを保存する。
【0044】
[表示制御部]
表示制御部103は、ユーザ端末20に、グループウェアの画面を表示させる。グループウェアの画面は、グループウェアのドメインの画面、又は、グループウェア専用のプログラム(例えば、いわゆるスマホアプリ)上で表示される画面である。本実施形態では、表示制御部103は、サーバ10に含まれるので、表示制御部103は、ユーザ端末20に対し、表示対象となる画面の表示データを送信することによって、ユーザ端末20に当該画面を表示させる。
【0045】
なお、表示データは、ユーザ端末20が何らかの画面を表示部25に表示させるために必要なデータであればよく、任意の形式であってよい。例えば、ユーザがブラウザを利用する場合には、表示データは、HTMLデータである。ユーザが、ブラウザではなくグループウェア専用のプログラムを利用する場合には、当該プログラムが対応している形式のデータ(例えば、JPEG等の画像データ)が表示データであればよい。
【0046】
例えば、表示制御部103は、更新箇所データに基づいて、グループウェアの更新箇所画面SC4に、アプリ設定データの更新箇所を表示させる。表示制御部103が更新箇所画面SC4にアプリ設定データの更新箇所を示す文字列、数値、アイコン、又はその他の画像を表示させることは、表示制御部103が更新箇所画面SC4にアプリ設定データの更新箇所を表示させることに相当する。
図4の例では、表示制御部103は、更新箇所画面SC4に、アプリ設定データの更新箇所以外の他の情報(例えば、バージョン、更新日時、及び更新者)も表示させているが、表示制御部103は、更新箇所画面SC4に、アプリ設定データの更新箇所だけを表示させてもよい。
【0047】
例えば、あるバージョンのアプリ設定データに複数の更新箇所が存在する場合には、表示制御部103は、更新箇所画面SC4に、複数の更新箇所の各々を時系列的に並べて(新しい順又は古い順にソートして)表示させる。本実施形態では、表示制御部103は、更新箇所画面SC4の上から下に、ユーザが更新操作を行った順に更新箇所が並ぶ更新箇所画面SC4を表示させる。表示制御部103は、上から下以外の他の方向に、複数の更新箇所の各々を時系列的に並べてもよい。例えば、表示制御部103は、下から上、左から右、又は右から左に、複数の更新箇所の各々を時系列的に並べてもよい。
【0048】
図4の例では、バージョン223のアプリ設定データには、3つの更新箇所が存在する。表示制御部103は、リストL40におけるバージョン223の行に、ユーザが更新操作を行った順に、3つの更新箇所が上から下に順番に並ぶように、ユーザ端末20に更新箇所画面SC4を表示させる。バージョン221のアプリ設定データには、4つの更新箇所が存在する。表示制御部103は、リストL40におけるバージョン221の行に、ユーザが更新操作を行った順に、4つの更新箇所が上から下に順番に並ぶように、ユーザ端末20に更新箇所画面SC4を表示させる。
【0049】
[復元部]
復元部104は、更新箇所画面SC4でユーザが行った復元操作に基づいて、アプリ設定データを復元する。本実施形態では、更新箇所画面SC4のリストL40における「復元する」をユーザが選択することが、復元操作に相当する。復元操作は、他の任意の操作であってよく、本実施形態の例に限られない。例えば、復元操作は、ユーザが何らかのアイコン又はボタンを選択する操作であってもよい。
【0050】
例えば、復元部104がアプリ設定データを過去のバージョンに戻すことが、復元部104がアプリ設定データを復元することに相当する。別の言い方をすれば、復元部104が、現在のバージョンのアプリ設定データの全部又は一部を、過去のバージョンのアプリ設定データの全部又は一部に戻すことが、復元部104がアプリ設定データを復元することに相当する。本実施形態では、アプリデータベースDBに格納されたアプリ設定データのうち、現在のバージョンよりも前のバージョンが、過去のバージョンに相当する。
【0051】
例えば、復元部104は、アプリ設定データを復元する場合、現在のバージョンをインクリメントする。更新部101は、アプリ設定データが復元されるアプリのアプリID、インクリメント後のバージョン、復元後のアプリ設定データ、更新日時、及び更新者が互いに関連付けられるように、アプリデータベースDBを更新する。アプリ設定データが復元される場合には、更新箇所データは、アプリデータベースDBに格納されなくてもよい。本実施形態では、復元後のアプリ設定データは、ユーザが復元操作によって選択した過去のアプリ設定データと同じである。後述の変形例のように、復元後のアプリ設定データの一部と、ユーザが選択した過去のアプリ設定データの一部と、が異なってもよい。
【0052】
[3-2.ユーザ端末で実現される機能]
例えば、ユーザ端末20は、データ記憶部200、表示制御部201、及び操作受付部202を含む。データ記憶部200は、記憶部22により実現される。表示制御部201及び操作受付部202は、制御部21により実現される。
【0053】
[データ記憶部]
データ記憶部200は、ユーザがグループウェアを利用するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部200は、ブラウザを記憶する。例えば、データ記憶部200は、グループウェア専用のプログラムを記憶する。
【0054】
[表示制御部]
表示制御部201は、グループウェアにおける画面を、表示部25に表示させる。表示制御部201は、サーバ10から受信した表示対象の画面の表示データに基づいて、グループウェアにおける画面を、表示部25に表示させる。例えば、表示制御部201は、サーバ10から受信した更新箇所画面SC4の表示データに基づいて、更新箇所画面SC4を、表示部25に表示させる。
【0055】
[操作受付部]
操作受付部202は、グループウェアの画面に対する操作を受け付ける。操作受付部202は、サーバ10に対し、ユーザが行った操作を示す操作データを送信する。例えば、操作受付部202は、サーバ10に対し、ユーザが行った更新操作の内容を示す操作データを送信する。
【0056】
[4.表示制御システムで実行される処理]
図7及び
図8は、表示制御システム1で実行される処理の一例を示す図である。制御部11,21が、それぞれ記憶部12,22に記憶されたプログラムを実行することによって、
図7及び
図8の処理が実行される。
図7及び
図8では、ユーザがグループウェアにログインしてアプリを選択した場合に実行される処理が示されている。サーバ10は、
図7及び
図8の処理対象となるアプリのアプリIDを予め特定しているものとする。
【0057】
例えば、ユーザ端末20は、サーバ10との間で、レコードリスト画面SC1を表示部25に表示させるための処理を実行する(S1)。S1では、ユーザ端末20は、サーバ10に対し、レコードリスト画面SC1の表示要求を送信する。サーバ10は、ユーザ端末20から表示要求を受信すると、アプリデータベースDBに基づいて、レコードリスト画面SC1の表示データを生成してユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20は、レコードリスト画面SC1の表示データを受信すると、レコードリスト画面SC1を表示部25に表示させる。
【0058】
ユーザ端末20は、操作部24が検出した信号に基づいて、レコードリスト画面SC1におけるユーザの操作を特定する(S2)。S2では、ユーザがアイコンI12を選択する操作、ユーザがアイコンI13を選択する操作、又は他の操作が行われるものとする。S2において、他の操作が行われた場合(S2:他の操作)、ユーザ端末20は、当該他の操作に応じた処理を実行し(S3)、
図7及び
図8の処理は、終了する。
【0059】
S2において、ユーザがアイコンI12を選択した場合(S2:I12)、ユーザ端末20は、サーバ10との間で、設定更新画面SC3を表示部25に表示させるための処理を実行する(S4)。S4では、ユーザ端末20は、サーバ10に対し、設定更新画面SC3の表示要求を送信する。サーバ10は、ユーザ端末20から表示要求を受信すると、アプリデータベースDBに基づいて、設定更新画面SC3の表示データを生成してユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20は、設定更新画面SC3の表示データを受信すると、設定更新画面SC3を表示部25に表示させる。
【0060】
ユーザ端末20は、操作部24が検出した信号に基づいて、設定更新画面SC3におけるユーザの操作を特定する(S5)。S5では、更新操作、ユーザがボタンB32を選択する操作、又は他の操作が行われるものとする。S5において、他の操作が行われた場合(S5:他の操作)、ユーザ端末20は、当該他の操作に応じた処理を実行し(S6)、
図7及び
図8の処理は、終了する。
【0061】
S5において、ユーザが更新操作を行った場合(S5:更新操作)、ユーザ端末20は、設定更新画面SC3の表示を更新し(S7)、S5の処理に戻る。S7では、ユーザ端末20は、ユーザが行った更新操作を示す操作データを、記憶部12に記録する。S5において、ユーザがボタンB32を選択した場合(S5:B32)、ユーザ端末20は、サーバ10に対し、更新操作を示す操作データを送信する(S8)。
【0062】
サーバ10は、ユーザ端末20から操作データを受信すると(S9)、操作データが示す更新操作に基づいて、アプリ設定データを更新する(S10)。S10では、サーバ10は、アプリ設定データのバージョンをインクリメントする。サーバ10は、アプリID、インクリメント後のバージョン、更新後のアプリ設定データ、更新日時、及び更新者が関連付けられるように、アプリデータベースDBを更新する。サーバ10は、アプリ設定データの更新箇所データを、アプリデータベースDBに保存し(S11)、
図7及び
図8の処理は、終了する。
【0063】
S2において、ユーザがアイコンI13を選択した場合(S2:I13)、
図8に移り、ユーザ端末20は、サーバ10との間で、更新箇所画面SC4を表示部25に表示させるための処理を実行する(S12)。S12では、ユーザ端末20は、サーバ10に対し、更新箇所画面SC4の表示要求を送信する。サーバ10は、ユーザ端末20から表示要求を受信すると、アプリデータベースDBに基づいて、更新箇所画面SC4の表示データを生成してユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20は、更新箇所画面SC4の表示データを受信すると、更新箇所画面SC4を表示部25に表示させる。
【0064】
ユーザ端末20は、操作部24が検出した信号に基づいて、更新箇所画面SC4におけるユーザの操作を特定する(S13)。S13では、復元操作又は他の操作が行われる。S13において、他の操作が行われた場合(S13:他の操作)、ユーザ端末20は、当該他の操作に応じた処理を実行し(S14)、
図7及び
図8の処理は、終了する。
【0065】
S13において、ユーザが復元操作を選択した場合(S13:復元操作)、ユーザ端末20は、サーバ10との間で、アプリ設定データを復元するための処理を実行し(S15)、
図7及び
図8の処理は、終了する。S15では、ユーザ端末20は、サーバ10に対し、アプリ設定データの復元を要求する。サーバ10は、ユーザ端末20から要求を受信すると、アプリ設定データを復元する。
【0066】
本実施形態の表示制御システム1は、ユーザが行った更新操作に基づいて、アプリ設定データを更新する。表示制御システム1は、アプリ設定データが更新された場合に、更新箇所データを記憶部12に保存する。表示制御システム1は、更新箇所データに基づいて、グループウェアの更新箇所画面SC4に、アプリ設定データの更新箇所を表示させる。更新箇所画面SC4により、ユーザがアプリ設定データの更新箇所を容易に把握できるようになるので、表示制御システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。例えば、アプリに不具合が発生した場合に、ユーザは、更新箇所画面SC4でアプリ設定データの更新箇所を確認してトラブルシューティングを行うことができる。アプリに不具合が発生しなかったとしても、ユーザが何らかの理由でアプリ設定データの更新箇所を確認したい場合に、表示制御システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。更新箇所画面SC4は、グループウェア上の画面として表示されるので、ユーザは、更新箇所画面SC4を確認した後に、そのままグループウェアで他の作業を行うことができる。この点でも、表示制御システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。
【0067】
また、アプリ設定データに複数の更新箇所がある場合には、更新箇所データは、当該複数の更新箇所の各々の時系列的な関係を示す。表示制御システム1は、更新箇所画面SC4に、複数の更新箇所の各々を時系列的に並べて表示させる。更新箇所画面SC4により、ユーザが複数の更新箇所の各々の時系列的な関係を直感的に把握しやすくなるので、表示制御システム1は、ユーザの利便性を、より高めることができる。例えば、アプリに不具合が発生した場合に、ユーザは、アプリ設定データの更新時における更新操作の時系列的な流れを思い出しながら、トラブルシューティングを行うことがある。このような場合に、更新箇所画面SC4により、ユーザがトラブルシューティングを行いやすくなる。
【0068】
また、表示制御システム1は、更新箇所画面SC4でユーザが行った復元操作と、過去データと、に基づいて、アプリ設定データを復元する。アプリ設定データの復元により、ユーザが、アプリ設定データを手軽に過去のバージョンに戻せるので、表示制御システム1は、ユーザの利便性を高めることができる。例えば、ユーザが最新のバージョンのアプリ設定データを更新箇所画面SC4で開いて過去の設定内容を入力するといった作業を行う必要がなくなるので、表示制御システム1は、ユーザの負担を軽減できる。
【0069】
[5.変形例]
なお、本開示は、実施形態の例に限定されない。本開示は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0070】
図9は、変形例の表示制御システム1で実現される機能の一例を示す図である。
図9のように、変形例のサーバ10は、流用部105、他アプリ処理実行部106、影響判定部107、影響処理実行部108、同時更新判定部109、同時更新処理実行部110、提供部111、特定部112、及び範囲処理実行部113を含む。流用部105、他アプリ処理実行部106、影響判定部107、影響処理実行部108、同時更新判定部109、同時更新処理実行部110、提供部111、特定部112、及び範囲処理実行部113の各々は、制御部11により実現される。
【0071】
[5-1.変形例1]
例えば、ユーザは、復元操作を行う場合に、アプリ設定データの過去のバージョンに対し、更新箇所の変更、キャンセル、及び追加の少なくとも1つを行いたいと思うことがある。そこで、変形例1の表示制御システム1は、アプリ設定データを過去のバージョンにそのまま復元するのではなく、更新箇所の変更、キャンセル、及び追加の少なくとも1つが行われるように、アプリ設定データを復元する。
【0072】
図10は、ユーザが復元操作を行った場合に表示部25に表示される復元画面の一例を示す図である。例えば、ユーザが更新箇所画面SC4でバージョン221の「復元する」を選択すると、表示制御部103は、ユーザ端末20に、ユーザが選択したバージョン221の更新箇所を示す領域A50を含む復元画面SC5を表示させる。ユーザは、復元画面SC5から、更新箇所の変更、キャンセル、及び追加の少なくとも1つの操作を行うことができる。復元画面SC5は、これら3つの全ての操作を受け付けなくてもよく、これらのうちの1つ又は2つの操作だけを受け付けてもよい。
【0073】
例えば、領域A50に表示された更新箇所の「変更する」をユーザが選択することは、更新箇所の変更の操作に相当する。領域A50に表示された更新箇所の「キャンセルする」をユーザが選択することは、更新箇所のキャンセルの操作に相当する。ユーザがボタンB51を選択することは、更新箇所の追加の操作に相当する。ユーザがボタンB51を選択すると、表示制御部103は、ユーザ端末20に、設定更新画面SC3と同様の画面を表示させる。ユーザは、当該画面から、追加したい更新箇所を指定する。
【0074】
変形例1の復元部104は、過去のアプリ設定データに対し、更新箇所の変更、キャンセル、及び追加の少なくとも1つが行われるように、アプリ設定データを復元する。例えば、復元部104は、過去のアプリ設定データのうち、ユーザが選択した更新箇所の設定内容が変更されるように、アプリ設定データを復元する。復元部104は、ユーザが選択しなかった更新箇所については、過去のアプリ設定データの設定内容が変更されず、ユーザが選択した更新箇所については、過去のアプリ設定データの設定内容が変更されるように、アプリ設定データを復元する。
【0075】
例えば、領域A50に表示された設定項目「グラフ」の「変更する」をユーザが選択した場合には、復元部104は、設定項目「フォーム」、設定項目「その他>一般>アイコンと説明」、及び設定項目「その他>一般>通知条件」については、バージョン221の設定内容から変更しない。復元部104は、設定項目「グラフ」については、復元画面SC5又は他の画面でユーザが指定した新たな設定内容に変更する。復元部104は、当該変更したアプリ設定データを、バージョン224のアプリ設定データとして、アプリデータベースDBに格納する。
【0076】
例えば、領域A50に表示された設定項目「グラフ」の「キャンセルする」をユーザが選択した場合には、復元部104は、設定項目「グラフ」の更新がキャンセルされるように(設定項目「グラフ」の更新が無かったことになるように)、アプリ設定データを復元する。復元部104は、設定項目「フォーム」、設定項目「その他>一般>アイコンと説明」、及び設定項目「その他>一般>通知条件」については、バージョン221の設定内容から変更しない。
【0077】
例えば、ユーザが、ボタンB51を選択して、新たな更新箇所を指定した場合には、復元部104は、ユーザが指定した更新箇所が追加されるように、アプリ設定データを復元する。
図10の例において、ユーザが、5つ目の更新箇所として、設定項目「アプリ管理者用メモ」の設定内容を指定したとすると、復元部104は、バージョン221の4つの更新箇所に対し、5つ目の更新箇所が追加されるように、アプリ設定データを復元する。
【0078】
変形例1の表示制御システム1は、過去のアプリ設定データに対し、更新箇所の変更、キャンセル、及び追加の少なくとも1つが行われるように、アプリ設定データを復元する。表示制御システム1は、アプリ設定データを過去のものにそのまま復元するのではなく、ユーザにとって使い勝手の良い復元を実行できるので、ユーザの利便性を、より高めることができる。
【0079】
[5-2.変形例2]
例えば、ユーザは、過去のバージョンの一部の設定項目の更新操作を行った時点におけるアプリ設定データに戻したいと思うことがある。
図4の例であれば、アプリ設定データがバージョン221に更新される時に、ユーザは、4回の更新操作を行っている。ユーザは、4回の更新操作のうち、3回目の更新操作(設定項目「グラフ」の設定内容をユーザが指定する操作)の時点におけるアプリ設定データに復元したいと思うことがある。即ち、ユーザは、バージョン221のアプリ設定データのうち、4回目の更新操作を破棄したいと思うことがある。そこで、変形例2の表示制御システム1は、ユーザが選択した更新箇所に対応する時点におけるアプリ設定データに復元できるようになっている。
【0080】
図11は、変形例2の復元画面SC5の一例を示す図である。変形例2の復元画面SC5は、変形例1の復元画面SC5と似ているが、ユーザがアプリ設定データを復元したい時点を選択できるようになっている点で異なる。例えば、ユーザが設定項目「グラフ」の設定内容を指定した時点におけるアプリ設定データに復元したい場合、ユーザは、領域A50に表示された設定項目「グラフ」の「この時点に復元する」を選択する。
図11の例では、4個目の更新箇所「その他>一般>通知条件」の時点における設定内容は、バージョン221と同じなので、「この時点に復元する」といったメッセージが表示されない。
【0081】
変形例2の復元部104は、過去のアプリ設定データに複数の更新箇所がある場合に、当該複数の更新箇所のうちユーザが選択した更新箇所に対応する時点の設定内容に基づいて、アプリ設定データを復元する。復元部104は、最新のアプリ設定データが、ユーザが選択した更新箇所に対応する時点におけるアプリ設定データになるように、アプリ設定データを復元する。復元部104は、過去のアプリ設定データにおける複数の更新箇所のうち、ユーザが選択した更新箇所に対応する時点よりも後の更新箇所をキャンセルする。
【0082】
図11の例において、領域A50に表示された設定項目「グラフ」の「この時点に復元する」をユーザが選択した場合には、設定項目「フォーム」及び設定項目「グラフ」については、バージョン221の設定内容から変更しない。復元部104は、設定項目「その他>一般>アイコンと説明」及び設定項目「その他>一般>通知条件」については、バージョン221の設定内容をキャンセルする。復元部104により復元されたアプリ設定データは、バージョン224になる。
【0083】
変形例2の表示制御システム1は、過去のアプリ設定データに複数の更新箇所がある場合に、当該複数の更新箇所のうちユーザが選択した更新箇所に対応する時点の設定内容に基づいて、アプリ設定データを復元する。ユーザが、アプリ設定データを過去のものにそのまま戻すのではなく、所望の時点に戻せるようになるので、表示制御システム1は、ユーザの利便性を、より高めることができる。
【0084】
[5-3.変形例3]
例えば、グループウェアでは、あるアプリのアプリ設定データが他のアプリに流用されてもよい。変形例3では、ユーザは、実施形態で説明したアプリ「出願管理」を作成した後に、アプリ「出願管理」のアプリ設定データが流用された他のアプリ「年金管理」を作成するものとする。他のアプリ「年金管理」のアプリ設定データの全部又は一部は、アプリ「出願管理」のアプリ設定データと同じである。
【0085】
変形例3の表示制御システム1は、流用部105及び他アプリ処理実行部106を含む。流用部105は、アプリ「出願管理」とは異なる他のアプリ「年金管理」に、アプリ設定データを流用する。流用部105は、アプリ「出願管理」のアプリ設定データの全部又は一部をコピーして、アプリ「年金管理」のアプリ設定データを作成する。アプリ「出願管理」のアプリ設定データと、アプリ「年金管理」のアプリ設定データと、はそれぞれ別個の独立したデータなので、ユーザは、これらのアプリ設定データを個別に更新できる。流用部105は、アプリ設定データが流用されたアプリ同士の関係を示すデータを、アプリデータベースDB又は他のデータベースに保存する。サーバ10は、当該データにより、どのアプリのアプリ設定データが他のアプリに流用されたかを特定できる。
【0086】
他アプリ処理実行部106は、他のアプリ「年金管理」に流用されたアプリ「出願管理」のアプリ設定データが復元された場合に、所定の他アプリ処理を実行する。他アプリ処理は、他のアプリ「年金管理」に関係する何らかの処理であればよく、変形例3では、他のアプリ「年金管理」のアプリ設定データの見直しをユーザに促す処理が他アプリ処理に相当する。例えば、他アプリ処理実行部106は、アプリ「出願管理」のアプリ設定データが復元された場合に、ユーザ端末20に、他のアプリ「年金管理」のアプリ設定データの見直しを促す他アプリ画面を表示させる。
【0087】
図12は、他アプリ画面の一例を示す図である。例えば、他アプリ処理実行部106は、アプリ「出願管理」のアプリ設定データが復元された場合に、ユーザ端末20に、「年金管理のアプリ設定データを見直して下さい。」といったメッセージを含む他アプリ画面SC6を表示させる。他アプリ処理実行部106は、ユーザ端末20に対し、他アプリ画面SC6の表示データを送信することによって、ユーザ端末20に他アプリ画面SC6を表示させる。ユーザが他アプリ画面SC6のボタンB60を選択すると、表示制御部103は、ユーザ端末20に、アプリ「年金管理」の設定更新画面SC3を表示させる。
【0088】
なお、他アプリ処理は、他の処理であってもよい。例えば、他アプリ処理実行部106は、他アプリ処理として、アプリ「出願管理」の復元後のアプリ設定データを他のアプリ「年金管理」に流用してもよい。この場合、他のアプリ「年金管理」のアプリ設定データは、アプリ「出願管理」の復元後のアプリ設定データと同じ設定内容になる。他アプリ処理実行部106は、アプリ「出願管理」の復元後のアプリ設定データをそのまま他のアプリ「年金管理」に流用するのではなく、ユーザが選択した設定項目の設定内容を変更したうえで、他のアプリ「年金管理」に流用してもよい。
【0089】
変形例3の表示制御システム1は、アプリ「出願管理」とは異なる他のアプリ「年金管理」に、アプリ設定データを流用する。表示制御システム1は、他のアプリ「年金管理」に流用されたアプリ「出願管理」のアプリ設定データが復元された場合に、他アプリ処理を実行するので、ユーザの利便性を、より高めることができる。例えば、表示制御システム1は、ユーザ端末20に他アプリ画面SC6を表示させることによって、ユーザに対し、他のアプリ「年金管理」のアプリ設定データの見直しを促すことができる。例えば、表示制御システム1は、復元後のアプリ「出願管理」のアプリ設定データを他のアプリ「年金管理」に流用することによって、ユーザが他のアプリ「年金管理」のアプリ設定データの更新操作をしなくて済むようにすることができる。
【0090】
[5-4.変形例4]
例えば、アプリ設定データの設定項目の中には、アプリ設定データの更新又は復元により影響が出る設定項目が存在することもある。変形例4では、アプリに対するアクセス権を示す設定項目「アクセス権」と、アプリに関係する業務の担当者を示す設定項目「担当者」と、を例に挙げる。ユーザが設定項目「アクセス権」及び設定項目「担当者」の設定内容を指定してアプリ設定データを更新した後に、ユーザが設定項目「担当者」の特定の担当者を削除したとする。この場合、ユーザが設定項目「アクセス権」の設定内容を見直した方が良いことがある。そこで、変形例4の表示制御システム1は、このような場合に、ユーザに対し、設定項目「アクセス権」の設定内容の見直しを促す。
【0091】
変形例4の表示制御システム1は、影響判定部107及び影響処理実行部108含む。影響判定部107は、アプリ設定データの設定項目同士の関係を示す関係データに基づいて、アプリ設定データの更新により影響が出る設定項目があるか否かを判定する。変形例4のデータ記憶部100は、関係データを記憶する。関係データは、任意の形式であってよく、例えば、テーブル形式、プログラムの一部、数式形式、又は機械学習のモデルであってもよい。
【0092】
例えば、関係データは、グループウェアの提供者によって用意されてもよいし、ユーザによって用意されてもよい。関係データには、複数の設定項目の各々が互いに関連付けられている。例えば、設定項目「アクセス権」と設定項目「担当者」が互いに関係することが、関係データに示されている。他にも例えば、設定項目「その他>一般>通知条件」と設定項目「担当者」が互いに関係することが、関係データに示されている。
【0093】
例えば、影響判定部107は、ある設定項目が更新された場合に、関係データに基づいて、当該設定項目に関連付けられた他の設定項目が存在するか否かを判定する。影響判定部107は、他の設定項目が存在しない場合には、アプリ設定データの更新によって影響が出る設定項目がないと判定する。影響判定部107は、他の設定項目が存在する場合には、アプリ設定データの更新によって影響が出る設定項目があると判定する。
【0094】
影響処理実行部108は、影響判定部107の判定結果に基づいて、所定の影響処理を実行する。影響処理は、アプリ設定データの更新によって影響が出る設定項目に関係する何らかの処理であればよい。変形例4では、アプリ設定データの更新によって影響が出る設定項目の見直しをユーザに促す処理が影響処理に相当する。例えば、影響処理実行部108は、設定項目「担当者」の設定内容が更新された場合に、ユーザ端末20に、設定項目「アクセス権」の見直しをユーザに促す影響画面を表示させる。
【0095】
図13は、影響画面の一例を示す図である。例えば、影響処理実行部108は、設定項目「担当者」の設定内容が更新された場合に、ユーザ端末20に、「アプリ設定データの設定項目「アクセス権」を見直して下さい。」といったメッセージを含む影響画面SC7を表示させる。影響処理実行部108は、ユーザ端末20に対し、影響画面SC7の表示データを送信することによって、ユーザ端末20に影響画面SC7を表示させる。ユーザが影響画面SC7のボタンB70を選択すると、表示制御部103は、ユーザ端末20に、アプリ「出願管理」の設定更新画面SC3を表示させる。
【0096】
なお、影響処理は、他の処理であってもよい。例えば、影響処理実行部108は、影響処理として、影響が出ると判定された他の設定項目の設定内容を自動的に更新してもよい。
図13の例であれば、影響処理実行部108は、影響が出ると判定された設定項目「アクセス権」から、ユーザU5の設定内容を削除してもよい。影響が出ると判定された他の設定項目に対する処理内容は、予め定められているものとする。影響処理実行部108は、当該他の設定項目に対し、予め定められた処理を実行すればよい。
【0097】
変形例4の表示制御システム1は、アプリ設定データの設定項目同士の関係を示す関係データに基づいて、アプリ設定データの更新により影響が出る設定項目があるか否かを判定する。表示制御システム1は、当該影響が出る設定項目があるか否かの判定結果に基づいて、影響処理を実行することによって、ユーザの利便性を、より高めることができる。例えば、表示制御システム1は、ユーザ端末20に影響画面SC7を表示させることによって、ユーザに対し、他の設定項目の見直しを促すことができる。例えば、表示制御システム1は、他の設定項目の設定内容を自動的に更新することによって、ユーザが他の設定項目の更新操作をしなくて済むようにすることができる。
【0098】
[5-5.変形例5]
例えば、ユーザは、更新操作を行った後に、更新操作が行われる前に戻すUNDO操作と、再び更新操作が行われたことにするREDO操作と、の少なくとも一方を行ってもよい。
図3の例では、ユーザがボタンB34を選択する操作がUNDO操作に相当する。ユーザがボタンB35を選択する操作がREDO操作に相当する。UNDO操作及びREDO操作の各々は、操作部24に含まれるキーボートの所定のボタンをユーザが押下する等の他の操作であってもよい。サーバ10がユーザ端末20から受信する操作データには、ユーザがUNDO操作及びREDO操作の少なくとも一方を行ったことが示されるものとする。サーバ10は、操作データにより、ユーザがUNDO操作及びREDO操作の少なくとも一方を行ったことを特定できる。
【0099】
変形例5の保存部102は、ユーザが更新操作を行った後にUNDO操作及びREDO操作の少なくとも一方の操作を行った場合には、当該少なくとも一方の操作が行われたことを示す更新箇所データを、データ記憶部100に保存する。即ち、保存部102は、ユーザによる一連の更新操作の履歴の1つとして、UNDO操作及びREDO操作の少なくとも一方を更新箇所データに残す。表示制御部103は、更新箇所画面SC4に、当該少なくとも一方の操作が行われたことを表示させる。
【0100】
図14は、変形例5の更新箇所画面SC4の一例を示す図である。
図14の例では、ユーザがアプリ設定データをバージョン221にする時に、ユーザは、UNDO操作及びREDO操作を行っている。例えば、表示制御部103は、更新箇所画面SC4の更新箇所の欄に、UNDO操作及びREDO操作の各々が行われたことを表示させる。ユーザがREDO操作を行わずにUNDO操作だけを行った場合には、表示制御部103は、更新箇所画面SC4の更新箇所の欄に、UNDO操作が行われたことを表示させる。
【0101】
なお、表示制御部103は、任意の表示方法で、UNDO操作及びREDO操作の少なくとも一方が行われたことを、更新箇所画面SC4に表示可能である。表示制御部103は、
図14のような文字列を利用する表示方法以外にも、UNDO操作が行われたことを示すアイコンと、REDO操作が行われたことを示すアイコンと、を更新箇所画面SC4に表示させてもよい。
【0102】
変形例5の表示制御システム1は、設定更新画面SC3でユーザがUNDO操作及びREDO操作の少なくとも一方の操作を行った場合には、当該少なくとも一方の操作が行われたことを示す更新箇所データを、データ記憶部100に保存する。表示制御システム1は、更新箇所画面SC4に、少なくとも一方の操作が行われたことを表示させる。更新箇所画面SC4により、ユーザがどの設定項目で迷ったのかを特定しやすくなるので、表示制御システム1は、ユーザの利便性を、より高めることができる。
【0103】
[5-6.変形例6]
例えば、表示制御システム1は、複数の設定更新画面SC3の各々から同時に更新操作を受け付けてもよい。変形例6では、ユーザU1及びユーザU2の各々が、自身のユーザ端末20で、同じアプリの設定更新画面SC3を開くものとする。この場合、ユーザU1がアプリ設定データの更新を完了する前に、ユーザU2がアプリ設定データの更新を完了することがある。変形例6では、この場合に、ユーザU1の設定更新画面SC3で、再読み込みをユーザU1に促すメッセージが表示される。
【0104】
表示制御システム1は、同時更新判定部109及び同時更新処理実行部110を含む。同時更新判定部109は、複数の設定更新画面SC3から同時にアプリ設定データが更新されるか否かを判定する。複数の設定更新画面SC3の各々は、互いに異なるユーザのユーザ端末20に表示されてもよいし、同じユーザのユーザ端末20に表示されてもよい。例えば、あるユーザのユーザ端末20の別々のウィンドウ又はタブに、複数の設定更新画面SC3の各々が表示されてもよい。
【0105】
例えば、同時更新判定部109は、複数のユーザ端末20の各々から、同じアプリの設定更新画面SC3の表示要求を受信したか否かを判定することによって、複数の設定更新画面SC3から同時にアプリ設定データが更新されるか否かを判定する。変形例6では、同時更新判定部109は、ユーザU1,U2の各々のユーザ端末20から、同じアプリの設定更新画面SC3の表示要求を受信したか否かを判定する。
【0106】
例えば、同時更新判定部109は、あるアプリのアプリ設定データの更新をユーザU1が完了する前に、ユーザU2のユーザ端末20から、同じアプリの設定更新画面SC3の表示要求を受信した場合に、複数の設定更新画面SC3から同時にアプリ設定データが更新されると判定する。同時更新判定部109は、あるアプリのアプリ設定データの更新をユーザU2が完了する前に、ユーザU1のユーザ端末20から、同じアプリの設定更新画面SC3の表示要求を受信した場合に、複数の設定更新画面SC3から同時にアプリ設定データが更新されると判定する。
【0107】
同時更新処理実行部110は、同時更新判定部109の判定結果に基づいて、所定の同時更新処理を実行する。同時更新処理は、複数の設定更新画面SC3から同時にアプリ設定データが更新されると判定された場合に実行される処理である。変形例6では、同時更新処理実行部110は、設定更新画面SC3に、ユーザに再読み込みを促すメッセージを表示させることによって、同時更新処理を実行する。なお、ユーザ端末20は、定期的にサーバ10と通信し、再読み込みの必要があるか否かを確認するものとする。
【0108】
図15は、同時更新処理が実行された場合の設定更新画面SC3の一例を示す図である。
図15のように、同時更新処理実行部110は、複数の設定更新画面SC3から同時にアプリ設定データが更新されると判定された場合に、再読み込みのメッセージを示すウィンドウW36を設定更新画面SC3に表示させることによって、同時更新処理を実行する。ユーザがボタンB37を選択すると、ユーザ端末20は、サーバ10との間で、設定更新画面SC3の再読み込みを実行する。
図15の例では、ウィンドウW36は、再読み込みのメッセージだけではなく、同じアプリのアプリ設定データを更新したユーザU2の名前も示す。
【0109】
なお、同時更新処理は、他の処理であってもよい。例えば、同時更新処理実行部110は、ユーザU1が行った更新操作の設定項目と、ユーザU2が行った更新操作の設定項目と、が重複していない場合に、ユーザU1の設定更新画面SC3に、ユーザU2が行った更新操作の設定項目の設定内容を自動的に反映する処理を、同時更新処理として実行してもよい。例えば、同時更新処理実行部110は、ユーザU1の設定更新画面SC3に、ユーザU2が行った更新操作の設定項目を、他の設定項目と区別して表示させる処理を、同時更新処理として実行してもよい。
【0110】
また、ある1人のユーザが、複数のウィンドウ又は複数のタブで同時に設定更新画面SC3を開いた場合にも、複数のユーザの各々が同時に設定更新画面SC3を開いた場合と同様の状況が発生しうる。即ち、ある1人のユーザが、複数のウィンドウ又は複数のタブの各々から、同時に更新操作を行うことがある。このような場合にも、同時更新判定部109及び同時更新処理実行部110は、上記と同様の処理を実行してもよい。
【0111】
変形例6の表示制御システム1は、複数の設定更新画面SC3から同時にアプリ設定データが更新されるか否かを判定する。表示制御システム1は、同時更新判定部109の判定結果に基づいて、同時更新処理を実行するので、ユーザの利便性を、より高めることができる。例えば、表示制御システム1は、設定更新画面SC3にウィンドウW36を表示させることによって、ユーザU1に再読み込みを促すことができる。再読み込み前の更新操作は破棄されるが、その後の更新操作は有効になるので、表示制御システム1は、ユーザU1の更新操作が無駄になることを抑止できる。
【0112】
[5-7.変形例7]
例えば、ユーザは、自身が属する組織とは異なる第三者に対し、アプリ設定データを依頼することがある。第三者は、個人であってもよいし、組織であってもよい。第三者は、ユーザからの依頼を受けて、アプリ設定データを検討する。第三者は、グループウェアのユーザであってもよいが、変形例7では、第三者は、グループウェアにログインすることなく、ユーザに対し、電子メール等を利用してアプリ設定データの検討結果を報告するものとする。この場合、表示制御システム1は、第三者に対し、アプリ設定データの更新箇所を提供してもよい。
【0113】
変形例7の表示制御システム1は、提供部111含む。提供部111は、ユーザが属する組織とは異なる第三者の属性を示す第三者属性データに基づいて、当該第三者に対し、当該第三者用の更新箇所を示す第三者用データを提供する。変形例7のデータ記憶部100は、第三者属性データを記憶する。第三者属性データは、サーバ10以外の他のコンピュータ又は外部情報記憶媒体に記憶されていてもよい。属性は、サーバ10が第三者を分類するための情報である。例えば、属性は、第三者の役割又は業種である。
【0114】
例えば、提供部111は、第三者がアプリ設定データの設定項目「アクセス権限」を担当するセキュリティ担当の企業の場合、第三者に対し、設定項目「アクセス権限」の変更箇所を提供する。提供部111は、第三者がアプリ設定データの設定項目「フォーム」を担当するデザイナーの場合、第三者に対し、設定項目「フォーム」の変更箇所を提供する。どの属性の第三者にどの設定項目が提供されるかについては、第三者属性データに定義されているものとする。提供部111は、第三者属性データが示す定義に基づいて、第三者に対し、更新箇所を提供する。
【0115】
変形例7の表示制御システム1は、ユーザが属する組織とは異なる第三者の属性を示す第三者属性データに基づいて、当該第三者に対し、第三者用データを提供することによって、第三者に最適な情報提供を行うことができる。例えば、セキュリティ担当の企業に対し、当該企業にとって不要な設定項目「フォーム」の設定内容が漏洩することを防止できる。例えば、デザイナーに対し、当該デザイナーにとって不要な設定項目「アクセス権限」の設定内容が漏洩することを防止できる。
【0116】
[5-8.変形例8]
例えば、アプリは、APIによって、他のアプリ、サーバ10内のプログラム、又はサーバ10以外の他のコンピュータと連携することがある。この場合に、アプリ設定データが更新されると、APIによってアプリと連携する他のコンピュータ又はプログラムに影響が出ることがある。そこで、変形例8の表示制御システム1は、ユーザに対し、影響が出る可能性がある範囲を通知する。
【0117】
表示制御システム1は、特定部112及び範囲処理実行部113を含む。特定部112は、アプリ設定データが更新された場合に、アプリと連携するAPIを示すAPI連携データに基づいて、アプリ設定データの更新により影響が出る範囲を特定する。変形例8のデータ記憶部100は、API連携データを記憶する。API連携データは、任意の形式であってよく、例えば、テーブル形式、プログラムの一部、数式形式、又は機械学習のモデルであってもよい。
【0118】
例えば、API連携データは、グループウェアの提供者によって用意されてもよいし、ユーザによって用意されてもよい。API連携データには、アプリがAPI連携する他のアプリ、サーバ10内のプログラム、又はサーバ10以外の他のコンピュータが示されている。変形例8では、アプリ「出願管理」と、他のアプリ「年金管理」及び他のグループウェアXXXと、がAPI連携するものとする。この場合、アプリ「出願管理」と、他のアプリ「年金管理」及び他のグループウェアXXXと、がAPI連携していることがAPI連携データに示される。
【0119】
範囲処理実行部113は、範囲に基づいて、所定の範囲処理を実行する。範囲処理は、アプリ設定データの更新によって影響が出る範囲に関係する何らかの処理であればよい。変形例8では、アプリ設定データの更新によって影響が出る他のアプリ、サーバ10内のプログラム、又はサーバ10以外の他のコンピュータの設定の見直しをユーザに促す処理が範囲処理に相当する。例えば、範囲処理実行部113は、アプリ「出願管理」のアプリ設定データが更新された場合に、ユーザ端末20に、影響が出る範囲の見直しをユーザに促す範囲画面を表示させる。
【0120】
図16は、範囲画面の一例を示す図である。例えば、範囲処理実行部113は、アプリ「出願管理」のアプリ設定データが更新された場合に、ユーザ端末20に、「年金管理のアプリ設定データと、グループウェアXXXの設定と、を見直して下さい。」といったメッセージを含む範囲画面SC8を表示させる。範囲処理実行部113は、ユーザ端末20に対し、範囲画面SC8の表示データを送信することによって、ユーザ端末20に範囲画面SC8を表示させる。
【0121】
例えば、ユーザが範囲画面SC8のボタンB80を選択すると、表示制御部103は、ユーザ端末20に、他のアプリ「年金管理」の設定更新画面SC3を表示させる。ユーザが範囲画面SC8のボタンB81を選択すると、表示制御部103は、ユーザ端末20に、他のグループウェアXXXにユーザがログインするための画面を表示させる。ユーザが他のグループウェアXXXにログインをすると、サーバ10又は他のサーバコンピュータは、ユーザ端末20に、他のグループウェアXXXの設定を示す設定画面を表示させる。
【0122】
なお、範囲処理は、他の処理であってもよい。例えば、範囲処理実行部113は、範囲処理として、影響がある範囲の設定内容を自動的に更新してもよい。
図16の例であれば、範囲処理実行部113は、アプリ「出願管理」のアプリ設定データの更新箇所に基づいて、他のアプリ「年金管理」のアプリ設定データを更新することによって、範囲処理を実行してもよい。範囲処理実行部113は、アプリ「出願管理」のアプリ設定データの更新箇所に基づいて、他のグループウェアXXXの設定を自動的に更新することによって、範囲処理を実行してもよい。
【0123】
変形例8の表示制御システム1は、アプリ設定データが更新された場合に、アプリと連携するAPIを示すAPI連携データに基づいて、アプリ設定データの更新により影響が出る範囲を特定する。表示制御システム1は、当該特定された範囲に基づいて、所定の範囲処理を実行することによって、ユーザの利便性を、より高めることができる。例えば、表示制御システム1は、ユーザ端末20に範囲画面SC8を表示させることによって、他のアプリ等の設定内容の見直しをユーザに促すことができる。表示制御システム1は、他のアプリ等の設定内容を自動的に更新することによって、ユーザが他のアプリ等の更新操作をしなくて済むようになる。
【0124】
[5-9.その他の変形例]
例えば、表示制御システム1は、変形例1~8を組み合わせてもよい。表示制御システム1は、実施形態で説明した機能を含まずに、変形例1~8のうちの少なくとも1つの機能を含んでもよい。即ち、表示制御システム1は、保存部102、表示制御部103、及び復元部104を含まずに、変形例1~8のうちの少なくとも1つの機能を含んでもよい。本開示は、複数の課題を解決する構成を含むので、表示制御システム1は、実施形態で説明した課題を解決する構成を含まずに、他の課題を解決する構成だけを含んでもよい。
【0125】
例えば、表示制御システム1が復元部104を含む場合には、表示制御システム1は、ユーザ端末20に更新箇所画面SC4を表示させる機能(表示制御部103の一部の機能)を含まなくてもよい。即ち、表示制御システム1は、ユーザ端末20に更新箇所画面SC4を表示させることなく、アプリ設定データを復元してもよい。アプリは、グループウェアで利用されるものであればよく、データベースの一種ではなくてもよい。即ち、アプリは、データベースとしての機能を有さずに、他の機能だけを有してもよい。この場合、アプリは、データベースを含まずに、プログラムだけで構成されてもよい。
【0126】
例えば、サーバ10で実現されるものとして説明した機能がユーザ端末20によって実現されてもよい。この場合、サーバ10と同様の機能が、ブラウザのスクリプトによって実行されたり、ユーザ端末20にインストールされたプログラムによって実行されたりすることによって実現されるようにすればよい。サーバ10で実現されるものとして説明した機能は、複数のコンピュータで分担されてもよい。
【符号の説明】
【0127】
1 表示制御システム、10 サーバ、11,21 制御部、12,22 記憶部、13,23 通信部、20 ユーザ端末、24 操作部、25 表示部、N ネットワーク、DB アプリデータベース、100 データ記憶部、101 更新部、102 保存部、103 表示制御部、104 復元部、105 流用部、106 他アプリ処理実行部、107 影響判定部、108 影響処理実行部、109 同時更新判定部、110 同時更新処理実行部、111 提供部、112 特定部、113 範囲処理実行部、200 データ記憶部、201 表示制御部、202 操作受付部、A30,A31,A50 領域、B32,B33,B34,B35,B37,B51,B52,B60,B70,B80,B81 ボタン、I11,I12,I13 アイコン、L10,L20,L40 リスト、SC1 レコードリスト画面、SC2 レコード詳細画面、SC3 設定更新画面、SC4 更新箇所画面、SC5 復元画面、SC6 他アプリ画面、SC7 影響画面、SC8 範囲画面、W36 ウィンドウ。