(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174549
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】固定機構、照明装置、及び、固定方法
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20241210BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241210BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241210BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241210BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20241210BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241210BHJP
【FI】
F21V19/00 510
F21V23/00 120
F21V19/00 600
F21S2/00 230
H05K5/02 E
F21Y103:10
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092429
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康弘
(72)【発明者】
【氏名】小津 祥平
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
4E360
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013EA07
3K013EA08
3K014AA01
4E360AA10
4E360EA05
4E360EB03
4E360EC05
4E360EC14
4E360ED02
4E360ED03
4E360ED13
4E360ED19
4E360ED29
4E360GA53
4E360GB51
(57)【要約】
【課題】取付具を台座の溝に沿ってスライドさせずに固定する固定機構を提供する。
【解決手段】固定機構100は、短手方向と長手方向とがある配置部11を有する台座10と、前記配置部11に固定される略長方形の固定板38を有する取付具30とを備え、前記配置部11は、溝16の奥行き方向が短手方向外側に向くように形成された溝部13と、前記溝16の奥行き方向と反対方向に前記取付具30を設置する設置部18とを有し、前記固定板38の短辺方向の幅L2が前記設置部18の短手方向の長さL4以下であり、前記固定板38は、長辺方向の端部に前記溝部13の溝16にはめ込まれる外端部33を有し、前記外端部33の少なくとも片半分は、前記設置部18の短手方向の中心C1からの距離が前記設置部18の短手方向の長さL4の半分R4と前記溝部13の前記溝16の深さDとの合計の長さR3以下に存在する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の配置部を有する台座と、
前記配置部に固定される概略長方形の固定板を有する取付具と、
を備え、
前記配置部は、短手方向における内側が開放するように長手方向に沿って形成された溝部と、前記溝部の開放端を基準として前記溝部の反対側に形成された、前記取付具が設置される長尺状の設置部とを有し、
前記固定板の短手方向の寸法は前記設置部の短手方向の寸法以下であり、
前記固定板は、前記固定板の長手方向における端部に形成され、前記固定板が前記固定板と交差する回転軸を中心に回転させることによって前記溝部にはめ込まれる外端部を有し、
前記外端部の少なくとも一方の片半分は、前記回転軸からの距離が前記設置部の短手方向の寸法の半分と前記溝部の深さ寸法との合計の寸法以下である固定機構。
【請求項2】
前記一方の片半分の形状は、前記固定板の前記回転軸からの半径が、前記設置部の短手方向の寸法の半分と前記溝部の深さ寸法との合計の寸法以下の円弧である請求項1に記載の固定機構。
【請求項3】
前記外端部は、全体の形状が前記円弧である請求項2に記載の固定機構。
【請求項4】
前記溝部に嵌め込まれた前記外端部の他方の片半分は、前記回転軸からの距離が前記配置部の短手方向の寸法の半分より大きい拡大部を有する請求項1又は請求項2に記載の固定機構。
【請求項5】
前記取付具は、部材を取付ける取付部、および、前記取付部と前記固定板とを連結している連結部を有し、
前記連結部は、前記回転軸からの半径が前記設置部の短手方向の寸法の半分である円の内側の領域に存在する請求項1又は請求項2に記載の固定機構。
【請求項6】
前記設置部は、前記取付具を位置決めする位置決め部を有し、
前記取付具は、前記位置決め部と位置合わせされる位置合わせ部を有する請求項1又は請求項2に記載の固定機構。
【請求項7】
前記取付具は、バネを取付けるバネ受具である請求項1又は請求項2に記載の固定機構。
【請求項8】
前記取付具は、電源部を取付ける電源取付具であり、
前記取付具は、前記電源部の底面を載置する載置部を有し、
前記載置部は、前記固定板をU字に打ち抜いて形成されたU字形状の舌状部の根元部分により形成され前記固定板から切り起こされた直立部と、前記舌状部の頭部分により形成され前記固定板と平行な台部とを有する請求項1又は請求項2に記載の固定機構。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の固定機構を有する光源ユニットと、
前記固定機構を用いて前記光源ユニットを固定した器具と、
を備えた照明装置。
【請求項10】
1対の対向する溝部が形成された台座に、1対の固定部を有する取付具を固定する固定方法において、
前記1対の対向する溝部の間に、前記1対の固定部の配置方向が前記1対の対向する溝部の溝が形成された方向と平行になるように、前記取付具を配置する配置ステップと、
前記取付具を配置した後、前記取付具を前記1対の固定部の配置方向が前記1対の対向する溝部の溝と交わる方向に回転させて、前記1対の固定部を前記1対の対向する溝部の溝に配置する回転ステップと、
前記取付具を回転させた後、前記1対の固定部を前記1対の対向する溝部の間に固定する固定ステップと、
を備えた固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固定機構、照明装置、及び、固定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、取付具を台座に固定する固定機構が知られている。(例えば、特許文献1等。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、電源取付部材あるいは装着具といった取付部材を長尺状のベース部材に取り付ける際に、取付部材がベース部材の長手方向に渡って形成された溝部に支持された状態で長手方向にスライドさせることによってベース部材に固定する位置を決める固定機構が記載されている。従来の固定機構は、取付部材をベース部材の溝に沿ってスライドさせた後に固定するものであり、取り付け難く、取り付けに時間を要するという課題があった。
本開示は、取付具を台座に対して容易に固定することができる固定機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る固定機構は、
長尺状の配置部を有する台座と、
前記配置部に固定される概略長方形の固定板を有する取付具と、
を備え、
前記配置部は、短手方向における内側が開放するように長手方向に沿って形成された溝部と、前記溝部の開放端を基準として前記溝部の反対側に形成され、前記固定板が前記固定板と交差する回転軸を中心に回転させることによって前記取付具を設置する設置部とを有し、
前記固定板の短手方向の寸法は前記設置部の短手方向の寸法以下であり、
前記固定板は、前記固定板の長手方向における端部に形成され、前記固定板が前記固定板と交差する回転軸を中心に回転させることによって前記溝部にはめ込まれる外端部を有し、
前記外端部の少なくとも一方の片半分は、前記回転軸からの距離が前記設置部の短手方向の寸法の半分と前記溝部の深さ寸法との合計の寸法以下である。
【発明の効果】
【0006】
本開示では、外端部を回転させて溝にはめ込むことができるようにしたので、台座の溝に沿ってスライドさせずに、取付具を台座に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】実施の形態1の光源ユニット80の部分分解斜視図。
【
図10】実施の形態1の取付具30の変形例を示す図。
【
図11】実施の形態1の取付具30の変形例の取付方法を示す図。
【
図12】実施の形態1の取付具30の変形例を示す図。
【
図13】実施の形態1の取付具30の変形例を示す図。
【
図16】実施の形態2の電源部83の固定方法の説明図。
【
図17】実施の形態2の取付具30の変形例を示す図。
【
図19】実施の形態3の固定機構100の変形例を示す平面図。
【
図20】固定機構100の連結部54の変形例を示す平面図。
【
図21】位置決め部19と位置合わせ部39の変形例を示す斜視図。
【
図23】固定機構100の溝部13の変形例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、その説明を適宜省略又は簡略化する。
【0009】
実施の形態1.
***構成の説明***
●照明装置90●(
図1、
図2)
照明装置90は、器具70と器具70に対して着脱自在に装着される光源ユニット80とを有する。
照明装置90は、器具70に対して光源ユニット80が装着された状態で使用される。
【0010】
●器具70●(
図2、
図3)
器具70は、例えば、天井から吊さげられた吊ボルト(図示は省略)により天井面(被取付部)に固定される。
器具70は、光源ユニット80を着脱可能に取付けるために1対のバネ71を有する。
器具70には、器具側連結具であるバネ71が設けられ、バネ71は光源ユニット80に設けられた灯具側連結具であるバネ受具50と係合する。
なお、バネ71が光源ユニット80に設けられ、バネ受具50が器具70に設けられてもよい。
バネ71がバネ受具50と係合することによって光源ユニット80は器具70に装着される。
バネ71とバネ受具50の係合が解除されることによって、光源ユニット80は器具70から取り外される。
器具70には、貫通孔が設けられており、外部電線が天井裏から貫通孔(図示は省略)を通して器具70の内部に引き込まれ、器具70に設けられた中継部(端子台)72に接続される。
中継部(端子台)72と光源ユニット80に搭載された電源部83とは、器具電源線73と灯具電源線86とによって電気的に接続され、光源ユニット80に電力が供給される。
【0011】
●光源ユニット80●(
図2、
図3)
光源ユニット80は、台座10と基板81と光源82と電源部83とカバー89と1対のバネ受具50とを有する。
【0012】
●固定機構100●(
図2、
図3)
固定機構100は、台座10に取付具30を固定する機構である。
固定機構100は、台座10と、取付具30とを有する。
実施の形態1において、取付具30の具体例はバネ受具50である。
【0013】
●台座10●(
図3、
図4、
図6、
図7)
台座10は、長尺状であり、短手方向と長手方向とを有する。
台座10は、長尺状の配置部11を有する。
台座10において、バネ71が係合される1対のバネ受具50が溝部13に固定される。
台座10において、電源部83を取付けるための電源取付具60が溝部13に固定される。
台座10において、電源部83からに点灯電力が供給される経路である給電線87を保持するための保持具88が配置部11に固定される。
台座10は、概略長方形状の配置部11と、配置部11の短手方向の端部から立設した立設部14を有する。
台座10の断面形状は、概略U字状(コの字状)である。
台座10の一面の側に基板81と光源82とからなる光源部が配置される。
台座10の立設部14には、光源部を覆うようにカバー89が取り付けられる。
台座10の他面の側にバネ受具50と電源部83とが配置される。
台座10は、金属材料、樹脂材料、又は、セラミック材料等を含む材料を用いて形成される。
台座10は、押出成形によって形成されてもよいし、他の方法(板金を用いたプレスフォーミング等)で形成されてもよい。
台座10は、支持部材、プレート、又はフレームとも称される。
【0014】
●配置部11●
配置部11は、長方形状(矩形状)であり、短手方向と長手方向とを有する。
配置部11の裏面である上面は、取付具30が配置される取付具配置面12である。
配置部11の取付具配置面12には、バネ受具50と電源部83とが配置される。
配置部11の表面である下面は、取付具配置面12と反対の面であり、光源82である発光素子が実装された基板81が配置される光源配置面17である。
配置部11は、長手方向に沿って1対の立設部14と1対の張出部15とを有する。
配置部11は、奥行き方向が短手方向の外側に向くように形成された溝部13と、溝部13の開放端を基準として溝部13の反対側に形成され、取付具30が設置される設置部18とを有する。
【0015】
●立設部14●
立設部14は、配置部11の長辺から立ち上がった側壁部である。
立設部14は、配置部11の短手方向における両端部に、取付具配置面12から光源配置面17と反対側に向かって立設されている。
立設部14は、台座10が押出成形によって形成される場合、台座10の長手方向にわたって連続して形成される。
【0016】
●張出部15●
張出部15は、立設部14の途中から、配置部11の短手方向における中央部に向かって張り出した平板である。
張出部15は、1対の立設部14から、配置部11の取付具配置面12と並行するように、互いに近付く向きに張り出している。
張出部15は、台座10が押出成形によって形成される場合、台座10の長手方向にわたって連続して形成される。
【0017】
●溝部13●
溝部13は、溝16を有する。
溝部13は、配置部11の取付具配置面12と張出部15との間に、台座10の長手方向にわたって連続して形成されている。
溝部13は、取付具配置面12の上面と立設部14の内面と張出部15の下面により形成された凹部である。
溝部13は外側が閉塞端であり内側が開放端である。
溝部13の閉塞端である底面は、取付具配置面12と直角に交わっている。
溝部13の底面は、立設部14の内面で形成されている。
溝部13は、奥行き方向が取付具配置面12と平行になるように形成されている。
溝部13の深さ寸法は、張出部15の短手方向の長さ寸法と同じである。
1対の溝部13は、1対の開放端どうしが対向している。
【0018】
●設置部18●
設置部18は、配置部11における取付具30が配置される部分である。
設置部18は、1対の張出部15の間の部分である。
設置部18は、1対の溝部13の開放端を基準として溝部13の反対側の部分である。
設置部18は、1対の溝部13の開放端の間の部分である。
設置部18は、奥行き方向と反対方向にある部分である。
設置部18は、1対の張出部15どうしの間の中央に、取付具30が有する固定板38の回転軸である回転中心Cと重なる中心C1を有する。
設置部18の短手方向の中心が中心C1である。
設置部18は、位置決め部19を有する。
【0019】
●位置決め部19●
位置決め部19は、取付具30の位置合わせ部39を配置する部分である。
位置決め部19は、台座10に設けられた印(レーザマーキング又はカラーマーキング等)である。
位置決め部19は、位置合わせ部39に軽くはめ込まれる隆起部、エンボス部又は凸部でもよい。
【0020】
●取付具30●(
図5)
取付具30は、台座10の配置部11に固定される。
取付具30は、取付部37と、固定板38と、連結部54を有する。
取付具30は、平面視において、略長方形の固定板38を有する。
【0021】
●取付部37●
取付部37は、バネ71(部材)を取付ける部分である。
取付具30がバネ受具50の場合、取付部37は、バネ受け枠51とバネ受け穴52とを有する。
【0022】
●連結部54●
連結部54は、固定板38と取付部37とが連結されている部分である。
取付部37は、連結部54で固定板38に連結されている。
連結部54は、固定板38の上面から張出部15の厚さ以上の高さを有する。
【0023】
●固定板38●
固定板38は、1対の長辺と1対の短辺を有する。
固定板38の一つの長辺に、取付部37が連結されている。
固定板38は、一方の長辺にある連結部54を介して取付部37と繋がっている。
固定板38は、略長方形の形状を有する。
固定板38は、長辺方向の端部にあり、溝部13にはめ込まれる外端部33を有する。
固定板38は、平面視において、外接四角形が短辺41と長辺42とを有する外接長方形40となる。
外接長方形40の短辺41の寸法を長さ寸法L2とする。
外接長方形40の長辺42の寸法を長さ寸法L1とする。
固定板38は、平面視で、回転中心Cを有する。
回転中心Cは、外接長方形40の対角線の交点である。
固定板38は、1対の固定部31と、1対の位置合わせ部39とを有する。
固定板38は、回転中心Cを対称中心とした点対称な形状をしている。
【0024】
●固定部31●
固定部31は、固定板38の両端にあり、溝部13により挟まれる部分である。
固定部31は、溝部13に固定される。
1対の固定部31の間に、取付部37がある。
固定部31は、固定孔32を有する。
【0025】
●固定孔32●
固定孔32は、固定板38には長辺方向における端部に配置された1対の孔である。
固定孔32は、固定部31の中央部分に設けられた貫通孔である。
固定孔32は、窪みでもよい。
固定孔32は、長辺方向における端部が開放した切り欠きでもよい。
固定孔32は、溝部13の内端部によって孔が半分隠れる位置に形成されている。
固定孔32は、取付具30を台座10に固定する。
【0026】
●外端部33●
外端部33は、固定部31の外側にある端部辺である。
外端部33は、全体が円弧34を呈している。
円弧34は、固定部31の外端部33の全体に形成されている。
円弧34は、回転中心Cから半径R1の円弧である。
【0027】
●位置合わせ部39●
位置合わせ部39は、固定板38の中央部分にある1対の貫通孔又は複数の貫通孔である。
位置合わせ部39は、回転中心Cの両側にある位置合わせ孔である。
【0028】
●外接円43と外接円44●
外接円43は、回転中心Cから半径R1の仮想円である。
外接円43は、固定板38の外接円である。
外接円44は、回転中心Cから半径R2の仮想円である。
外接円44は、固定板38と取付部37とが連結されている連結部54の外接円である。
【0029】
●各部の寸法と寸法どうしの関係●(
図8)
L1:固定板38の外接長方形40の長辺42の長さ寸法
L2:固定板38の外接長方形40の短辺41の長さ寸法
L3:1対の立設部14の短手方向の距離=配置部11(取付具配置面12)の短手方向の長さ寸法
(L3≧L1)
L4:1対の溝部13の短手方向の距離=設置部18の短手方向の長さ寸法
(L4<L1)(L4≧L2)
D:溝部13の短手方向の長さ寸法(深さ寸法)=張出部15の立設部14からの張り出し長さの寸法
R1:外端部33の円弧34の半径
R2:連結部54の外接円44の半径
R3:1対の立設部14(1対の溝部13の底面)の内接円45の半径
(R3=L3÷2=R4+D≧R1)
R4:1対の溝部13(1対の張出部15の張り出し先の端辺)の内接円46の半径
(R4=L4÷2≧R2)
(R3≧R1>R4≧R2)
【0030】
1対の対向する溝部13は、短手方向に長さ寸法L4だけ離れている。
溝部13の底面にある立設部14は、短手方向に長さ寸法L3だけ離れている。
1対の固定部31は、直径L4超で、かつ、直径L3以下の円弧34の端部を有する。
1対の張出部15どうしの間隔寸法L4は、固定板38の短辺方向の寸法L2よりも大きい(L4>L2)。固定板38の短辺方向の寸法L2の最大の寸法は長さ寸法L4である。したがって、固定板38の短辺方向における幅寸法L2は設置部18の短手方向の長さ寸法L4以下(L4≧L2)である。
1対の張出部15どうしの間隔寸法L4は、固定板38の長辺方向の寸法L1よりも小さい(L4<L1)。
溝部13は、寸法Dの深さ寸法である。
配置部11の短手方向における溝部13の深さ寸法Dは、張出部15の立設部14からの短手方向の張り出し寸法と同じである。
溝部13の高さ寸法(配置部11の取付具配置面12から張出部15の下面までの距離寸法)は、固定板38の厚さ寸法より大きいか、又は、固定板38の厚さ寸法と同じである。
溝部13における1対の立設部14どうしの間隔寸法L3は、固定板38の長辺方向の寸法L1よりも大きい(L3>L1)か、あるいは、短手方向に溝部13の底面と固定板38の外端部33の間に隙間のない固定をする場合は、L3=L1である。したがって、固定板38の長辺方向の寸法L1は立設部14の短手方向の長さ寸法L3以下(L3≧L1)である。
【0031】
取付具30は、回転の中心となる回転軸である回転中心Cを有する。
取付具30の回転中心Cと設置部18の中心C1を一致させて取付具30を回転させ、取付具30の回転中心Cと設置部18の中心C1を一致させて取付具30を台座10に固定する。
固定板38の外接長方形40の短辺方向における固定部31の幅寸法L2が1対の溝部13の短手方向の距離(設置部18の短手方向の長さ寸法)L4以下(L2≦L4)である。
外接長方形40の長辺42の端部にある固定部31の外端部33は、半径が長さ寸法L4の半分(R4=L4÷2)より大きい半径R1の円弧34を有する。
【0032】
固定部31の外端部33の円弧34の半径R1は、長さ寸法L4の半分と深さ寸法Dとの合計の長さ寸法R3以下(R1≦R3=L4÷2+D)である。
固定板38の外端部33は、外接長方形40の回転中心Cを中心とした半径R1の外接円43に沿って、短辺が円弧形状をなしている。
【0033】
1対の立設部14どうしの間隔寸法L3に内接する仮想円を、中心C1を中心とした半径R3の内接円45とする。
1対の張出部15どうしの間隔寸法L4に内接する仮想円を、中心C1を中心とした半径R4の内接円46とする。
固定板38の外端部33の円弧34の半径R1は内接円45の半径R3以下(R1≦R3)である。
1対の固定孔32の1対の孔の中央の距離は、1対の溝部13の短手方向の距離(設置部18の短手方向の長さ寸法)L4と同じである。
固定孔32の孔は、内接円46の円周を跨いで形成されている。
連結部54の外接円44の半径R2は、内接円46の半径R4以下(R2≦R4)である。
すなわち、取付部37は、中心C1を中心とした半径R4の内接円46(半径が長さ寸法L4の半分の内接円46)の内側の領域にある連結部54により固定板38に固定されている。
よって、取付具30が設置部18で回転しても、連結部54が張出部15にぶつかることがない。
連結部54の外接円44の半径R2が内接円46の半径R4以下であれば、取付具30の回転が張出部15により妨げられることはない。
したがって、連結部54の高さが、固定板38の上面から張出部15の厚さ以上の高さを有していれば、取付部37の一部(連結部54より上の部分)は、平面視で、連結部54の外接円44の外側にあってもよい。
固定板38の固定部31の外端部33は、設置部18の短手方向における中心C1から半径が設置部18の短手方向の長さ寸法L4の半分R4から配置部11の短手方向の長さ寸法L3の半分R3までの領域に存在する。
【0034】
●取付具30の固定方法●(
図9)
図9により、1対の対向する溝部13が形成された台座10に、1対の固定部31を有する取付具30を固定する固定方法を説明する。
【0035】
●配置ステップS10●
1対の対向する溝部13の間に、1対の固定部31の配置方向が1対の対向する溝部13が形成された方向と平行になるように、取付具30を配置する。すなわち、固定板38の長辺が溝部13における深さの方向と平行になるように、設置部18に取付具30を配置する。
固定板38の回転中心Cが1対の張出部15どうしの間隔寸法L4(設置部18の幅寸法L4)の中央(中心C1)に位置するように、固定板38の底面を取付具配置面12の上に置く。
【0036】
●回転ステップS20●
取付具30を配置した後、取付具30を1対の固定部31の配置方向が1対の対向する溝部13における深さの方向と交わる方向に、固定板38の回転中心Cを設置部18の中心C1を一致させながら回転させる。そして、1対の固定部31を1対の対向する溝部13の間に配置する。
固定板38の底面を取付具配置面12につけたまま、直径L3の仮想円の内部で固定板38を90度回転させることによって、固定部31が溝部13に挿入され、固定板38の両端の固定部31が張出部15と重なる。
取付具30の位置合わせ(位置決め)の際に、台座10の位置決め部19を位置合わせ部39の穴から覗き込み、90度回転させることによって、位置決め部19を位置合わせ部39に一致させる。
位置決めの対象は、以下の2点である。
(1)台座10の長手方向における取付具30の位置。
(2)取付具30の回転角度。
【0037】
●固定ステップS30●
取付具30を回転させて位置決めした後、1対の固定部31を1対の対向する溝部13の間に固定する。
張出部15の固定孔32と重なる部分を、固定孔32の内部に押し込むようにプレスして張出部15を変形させる。張出部15の変形によって形成された(下向きの)突出部151が、固定孔32に入り込むことによって、取付具30が台座10に固定される。
固定後、取付具30は、台座10に対して回転とスライドが規制される。
【0038】
●実施の形態1のまとめ●
照明装置90は、固定機構100の取付具30により固定された器具70と、固定機構100の取付具30を台座10に固定した光源ユニット80とを備えている。
【0039】
固定機構100は、台座10と取付具30とを有する。
台座10は、1対の対向する溝部13を有する。
取付具30は、1対の対向する溝部13に固定される1対の固定部31と、1対の固定部31の間にあり器具70を取付ける取付部37とを有する。
1対の対向する溝部13は、長さ寸法L4だけ離れており形成されている。
取付具30は、平面視において、外接四角形が、短辺41と長辺42とを有する外接長方形40をしている。
1対の固定部31の各固定部31は、取付具30の短辺方向において長さ寸法L4以下の幅寸法を有する。
1対の固定部31の各固定部31は、外端部33に、外接長方形40の回転中心Cを中心とした半径が長さ寸法L4の半分より大きい円弧34を有する。
【0040】
1対の対向する溝部13は、深さ寸法Dで形成されている。
円弧34の半径は、長さ寸法L4の半分と深さ寸法Dとの合計の長さ寸法以下である。
【0041】
円弧34は、1対の固定部31の各固定部31の外端部33の全体に形成されている。
外端部33は、円弧34のみで形成されている。
【0042】
取付部37は、外接長方形40の回転中心Cを中心とした半径が長さ寸法L4の半分(半径R4)以下の外接円44の内側の領域にある連結部54により固定板38に固定されている。
【0043】
取付具30は、取付部37がバネ71を取付けるバネ受具50である。
【0044】
***実施の形態1の効果の説明***
実施の形態1の固定機構100によれば、取付具30を台座10の溝部13に沿ってスライドさせずに、台座10に固定することができる。
実施の形態1の固定機構100によれば、取付具30を回転させるだけで、取付具30の位置決めをすることができるので、作業性が向上する。
実施の形態1の固定機構100によれば、取付具30を設置する設置部18にだけ溝部13があればよく、溝部13が台座10の長手方向全体にある必要がない。
【0045】
***実施の形態の他の変形例の説明***
●取付具30の変形例●(
図10)
図10の取付具30は、
図5の取付具30と比べて外端部33の形状が異なる。
図10では、取付具30が固定された場合、固定板38の外端部33の少なくとも一部が、設置部18の短手方向における中心C1から半径が配置部11の短手方向の長さ寸法の半分R3より外側の領域に存在する。
図10の取付具30の外端部33は全体が円弧ではなく、半分のみが円弧であり、残り半分は外接長方形40の短辺41を形成する直線である。
図10の取付具30を時計回りに90度回転させて取付ける場合、回転方向前方になる外端部33の半分を片半分35といい、回転方向後方になる外端部33の半分を別半分36という。
固定部31の外端部33の片半分35に円弧34が形成されている。
固定部31の外端部33の別半分36は、円弧34の半径より大きい拡大部331を有する。
拡大部331は、半径R3(直径L3)の内接円45の外側の領域に存在する。
1対の拡大部331は、固定板38の対角線方向に形成されている。
回転中心Cを通過する直線であって1対の拡大部331を横ぎる直線の寸法L5は、円弧34の直径よりも大きい(L5>R1+R1)。
回転中心Cを通過する直線であって1対の拡大部331の角部を横ぎる直線の寸法は、1対の立設部14どうしの間隔寸法L3より大きい。
外端部33の別半分36は、外接長方形40の短辺41の半分である。
外端部33の別半分36にある拡大部331の少なくとも一部は、外接長方形40の回転中心Cから長さ寸法L4の半分(内接円46の半径R4)と深さ寸法Dとの合計の長さ寸法(内接円45の半径R3=長さ寸法L4の半分)より大きい。
別半分36の直線の各点の少なくとも一部と回転中心Cとの距離は、外接長方形40の回転中心Cから長さ寸法L4の半分と深さ寸法Dとの合計の長さ寸法(内接円45の半径R3=長さ寸法L4の半分)より大きい。
外端部33の片半分35は、設置部18の短手方向における中心C1からの距離が設置部18の短手方向の長さ寸法L4の半分R4と溝部13の溝の深さ寸法Dとの合計の長さ寸法(半径R3)以下の領域のみに存在する。
外端部33の少なくとも片半分35は、設置部18の短手方向における中心C1から半径が設置部18の短手方向の長さ寸法の半分R4と溝部13の深さ寸法Dとの合計の長さ寸法(半径R3)より大きい領域に存在しない。
【0046】
外端部33の片半分35は、半径R3(直径L3)の内接円45の以下の半径R1の外接円43に沿って、短辺の一部が円弧形状をなしており、別半分36は、外接円43の外側の領域に存在する。
別半分36の回転方向後方にある拡大部331は、半径R3(直径L3)の内接円45の外側の領域に及ぶ形状となっている。
【0047】
●●固定方法●●(
図11)
取付具30を半径R3(直径L3)の内接円45の内部で90度回転させることによって、溝部13に挿入される固定板38の固定部31が張出部15と重なる。
そして、固定板38における半径R3(直径L3)の内接円45の外側の拡大部331によって90度超の回転が規制され、回転方向の位置(回転角度)が決まる。
取付具30は、90度超の回転が規制されるので、回転方向の位置(回転角度)が正確に決まる。
取付具30は、回転方向の位置(回転角度)の調整が不要になるので、組立性(作業性、作業時間)、組立品質(品質の安定性)が向上する。
【0048】
●取付具30の変形例●(
図12)
図12の取付具30は、
図5の取付具30と比べて、取付部37と固定板38の形状が異なる。
図12の取付具30の取付部37は、バネ受け枠51とバネ受け穴52と1対の接続部53を有する。
図12の固定板38は、中央がなく、固定板38が分離している。
1対の接続部53は、バネ受け枠51の両側にある。
接続部53は、台形形状である。
接続部53の底辺は、固定板38と連結部54により連結されている。
1対の連結部54は、平行に配置されている。
1対の連結部54は、回転中心Cを中心とする半径R2の外接円44の内側にある。
連結部54の外接円44の半径R2は、1対の張出部15の内接円46の半径R4以下である。
【0049】
●取付具30の変形例●(
図13)
図13の取付具30は、
図5の取付具30と比べて取付部37と固定板38の形状が異なる。
図13の取付具30の取付部37は、バネ受け部58と1対の接続部53を有する。
図13の固定板38は、中央がなく、固定板38が分離している。
1対の接続部53は、バネ受け部58の両側にある。
接続部53は、矩形形状である。
接続部53の底辺は、固定板38と連結部54により連結されている。
1対の連結部54は、平行に配置されている。
1対の連結部54は、回転中心Cを中心とする半径R2の外接円44の内側にある。
連結部54の外接円44の半径R2は、1対の張出部15の内接円46の半径R4以下である。
【0050】
●取付具30の回転の向き●
取付具30の回転の向きは、時計回りでもよいし、反時計回りでもよい。
取付具30の回転の向きを統一すれば、作業の一貫性、組み立て品質の維持安定に寄与する。
【0051】
●固定孔32と突出部151●
固定孔32の形状は、張出部15の変形によって形成された下向きの突出部151と嵌め合わされる形状であれば、任意である。
固定孔32の形状は、丸、三角、四角、その他の形状が採用可能である。
突出部151の形状は、固定孔32と嵌め合わされる形状であれば、任意である。
突出部151は、固定板38の回転を妨げない範囲であれば、予め張出部15に形成されてもよく、いわゆる「はめ殺し」で突出部151と固定孔32により取付具30の装着を完了できるようにしてもよい。
【0052】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1と異なる点について説明する。
実施の形態2において、取付具30の具体例は電源取付具60である。
実施の形態2では、取付具30が電源取付具60の場合を説明する。
【0053】
●電源取付具60●(
図14、
図15)
電源取付具60は、電源部83を台座10に取付けるための取付部材である。
電源取付具60は、固定板68と、側壁部62と、載置部61とを有する。
【0054】
●固定板68●
固定板68は、長辺方向に沿って1対の打抜部64を有する。
打抜部64は、固定板68をヨ字状に打ち抜いて2つのU字形状の舌状部を作成して、2つの舌状部を曲げ起こしたてできた開口である。
ヨ字状ではなくコ字状の打ち抜きを2個連続してあるいは2個間隔をあけて隣り合わせに形成してもよい。
固定板68の打抜部64の曲げ起こされた根元部分が、連結部54となる。
固定板68の打抜部64の切り起こされた部分が、電源部83を保持する保持部67となる。
保持部67は、側壁部62と載置部61とを有する。
側壁部62と載置部61とは隣り合って配置されている。
1対の側壁部62と1対の載置部61とは、それぞれ固定板38の対角線方向に配置されている。
【0055】
●側壁部62●
側壁部62は、固定板38をU字に打ち抜いて直立させたU字形状の平板である。
側壁部62は、中央に爪状の係止部63を有する。
【0056】
●載置部61●
載置部61は、段状になっている段差部である。
載置部61は、固定板38をU字に打ち抜いて、U字形状又は舌状形状の舌状部の根元全体から直立させて直立部65とし、かつ、舌状部の途中全体を折り曲げて台部66としたものである。
直立部65は、固定板38をU字に打ち抜いて形成されたU字形状の舌状部の根元部分全体により形成されている。
直立部65は、固定板38から90度切り起こされている。
台部66は、舌状部の頭部分全体により形成されている。
台部66は、直立部65からL字型に90度折り曲げられており、固定板38と平行な平坦部である。
直立部65と台部66の短辺方向の長さ寸法は同じであり、U字に打ち抜いた舌状部の短辺方向の長さ寸法と同じ長さ寸法である。
【0057】
●電源部83●(
図16)
電源部83(制御部)は、一端側が台座10に取付けられた保持具88に保持され、他端側が電源取付具60に保持されることによって、台座10に取付けられる。
電源部83は、底板と側板を有するケース84を有する。
ケース84は、制御回路基板とカバー(アッパーケース)とシャーシ(ボトムケース)を有する。
ケース84の側板には、ケース穴85がある。
【0058】
電源取付具60は、バネ受具50と同じ方法で台座10に固定される。
電源取付具60が台座10に固定された後、電源取付具60に電源部83を固定する。
電源部83を上から下に移動させ、ケース84の底板を載置部61の台部66の上に載せる。ケース穴85に係止部63がはまり込み、電源部83が電源取付具60に固定される。
【0059】
●実施の形態2のまとめ●
実施の形態2の固定機構100の取付具30は、固定板38と1対の保持部67とを備える。
保持部67は、固定板38の一部を切り起して形成されている。
保持部67は、電源部83のケース84(シャーシ又はボトムケース)が載置される載置部61を有する。
保持部67は、電源部83のケース84(シャーシ又はボトムケース)の側板を抑える側壁部62を有する。
保持部67は、電源部83のケース84(シャーシ又はボトムケース)を係止する係止部63を有する。
側壁部62は、固定板38の一部を折り曲げて(屈曲させて)形成されている。
係止部63は、保持部67の側壁部62の一部をV字に切り起して形成された係止爪である。
係止部63は、電源部83のケース84(シャーシ又はボトムケース)に形成されたケース穴85(係止孔)に挿入され、係止部63先端部がケース84(シャーシ又はボトムケース)を係止する。
係止部63の係止対象は、電源部83のカバー(アッパーケース)であってもよいし、電源部83の制御回路基板であってもよい。
【0060】
***実施の形態2の効果の説明***
実施の形態2によれば、保持部67の一部を折り曲げて(屈曲させて)載置部61を形成しているので、以下の効果を奏する。
(1)載置部61の周りに枠がなく載置部61を大型化できるので、電源部83を安定して保持することができる。
(2)載置部61を大型化できるので、電源取付具60を介して電源部83の熱を効率的に台座10に伝達することができる。
(3)載置部61の周りに枠がなく、切り起される保持部67の小型化が可能であり、打抜部64の面積が小さくなるので、電源取付具60の剛性(強度)を向上させることができる。
(4)電源取付具60の小型化が可能で、電源取付具60のために使用する材料の削減、灯具(光源ユニット80)の軽量化にも寄与する。
【0061】
●取付具30の変形例●(
図17)
図17の電源取付具60は、
図14の保持部67の配置を変更した取付具である。
図17の電源取付具60は、
図14の一方の保持部67の載置部61と側壁部62との短辺方向の位置が逆になっている点が異なる。
図17の電源取付具60は、1対の載置部61と1対の側壁部62とがそれぞれ向き合うように形成されており、電源部83をより安定的に保持することができる。
【0062】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1、2と異なる点について説明する。
実施の形態3では、回転中心Cに対して取付具30の固定板38が点対称な形状でない場合について説明する。
【0063】
●溝部13●(
図18)
台座10の1対の溝部13の深さ寸法が異なる。
一方の溝部13を形成する張出部15の長さ寸法はD1である。
他方の溝部13を形成する張出部15の長さ寸法はD2である。
一方の溝部13の深さ寸法D1は他方の溝部13の深さ寸法D2より大きい。
【0064】
●取付部37●
図18において、取付部37の連結部54は、固定板38の回転前と回転後とで固定板38が重なる1辺の長さ寸法がL1の正方形の部分であるものとする。
回転前と回転後とで固定板38が重なる正方形の中心C2は、正方形の対角線の交点である。
連結部54の外接円44は、正方形の中心C2を中心とする半径R2の円である。
正方形の中心C1は、設置部18の幅寸法L3の中心C1に配置される。
正方形の中心C1と張出部15との距離は、等しく、半径R2と同じである。
【0065】
●固定板38●
固定板38の回転の中心は、固定板38の外接長方形40の対角線の交点ではなく、取付部37の連結部54の外接円44の中心C2となる。
一方の固定部31の外端部33の円弧34の半径は、中心C2を中心とした半径R5である。すなわち、一方の固定部31の外端部33の外接円431は、中心C2を中心とした半径R5の円である。
他方の固定部31の外端部33の円弧34の半径は、中心C2を中心とした半径R6である。すなわち、他方の固定部31の外端部33の外接円432は、中心C2を中心とした半径R6の円である。
一方の溝部13の深さ寸法D1は他方の溝部13の深さ寸法D2より大きいから、半径R5は半径R6より大きい(R5>R6)。
一方の固定部31の外端部33の円弧34の半径は、半径R5以下であれば、固定板38が90度回転できる。一方の固定部31の外端部33の円弧34の半径は、半径R6でもよい。
他方の固定部31の外端部33の円弧34の半径は、半径R6以下であれば、固定板38が90度回転できる。
溝部13の深さ寸法が異なるので、一方の固定部31の長辺方向の長さ寸法は、他方の固定部31の長辺方向の長さ寸法より大きい。
固定孔32は、2つの固定部31の長辺方向の長さ寸法が異なっていても、2つとも中心C2を中心とした半径R2の位置に形成される。
【0066】
●実施の形態3のまとめ●
1対の溝部13は、深さ寸法D1と深さ寸法D2とが異なる大きさである。
深さ寸法D1の溝部13に固定される一方の固定部31の外端部33の円弧34の半径は、長さ寸法L4の半分と深さ寸法D1との合計の長さ寸法R5以下である。
深さ寸法D2の溝部13に固定される他方の固定部31の外端部33の円弧34の半径は、長さ寸法L4の半分と深さ寸法D2との合計の長さ寸法R6以下である。
【0067】
***実施の形態3の効果の説明***
実施の形態3によれば、1対の溝部13の深さ寸法が異なっても、取付具30を台座10に固定することができる。
【0068】
●取付具30の変形例●(
図19)
図19の取付具30は、
図18の取付具30の固定板38から一方の固定部31を除去したものである。
固定板38は、ひとつの固定部31のみにより溝部13に固定される。
固定孔32は、短辺方向に2か所ある。
固定孔32が2か所あるので、ひとつの固定部31が片方の溝部13のみに固定される場合でも、取付具30の固定後に取付具30が回転しない。
図19において、実施の形態1及び2と同じように、又は、
図19と同じように、1対の溝部13が存在していてもよい。
【0069】
●固定機構100の連結部54の変形例(
図20)●
図20のように、連結部54の一部は、1対の張出部15どうしの間隔寸法L4に内接する半径R4の内接円46からはみ出すはみ出し部55にあってもよい。
はみ出し部55は、内接円46からはみ出す略三角形の部分である。
はみ出し部55の2辺は、外接長方形40の短辺41と平行な内接円46の接線と外接長方形40の短辺41と平行な内接円46の接線である。
はみ出し部55の底辺は、内接円46の円弧である。
はみ出し部55は、取付具30が時計回りに90度回転しても張出部15にぶつかることがない。
したがって、連結部54がはみ出し部55に存在していても取付具30が時計回りに90度回転することを妨げない。
図20の取付具30によれば、連結部54をはみ出し部55まで大きくすることができるので、取付部37と固定板38との連結が強固になる。
【0070】
●固定機構100の位置決め部19と位置合わせ部39の変形例(
図21)●
図21のように、固定板38の回転中心Cに貫通孔の位置合わせ部39を設け、台座10に位置合わせ部39を貫通する位置決め部191を設けてもよい。
位置決め部191は、台座10の設置部18の中心C1に形成された円柱又は円錐の突起である。
位置合わせ部39を位置決め部191に嵌めこめば、台座10の長手方向における固定板38の位置が正確に定まる。
また、固定板38が位置決め部191を中心にして回転するので、固定板38の回転中の回転中心のずれがなくなる。
位置決め部191は、台座10の設置部18の中央を下から上に貫通するねじでもよい。
位置決め部191がねじの場合、固定板38を溝部13に固定した後に、ねじにナットを嵌め込んで固定板38の中央を設置部18に固定することができる。
【0071】
図21のように、張出部15に固定孔32を位置決めする1対の位置決め部192を表示してもよい。
位置決め部192は、固定板38の固定孔32が固定される位置に対応して設けられている。
位置決め部192は、台座10の張出部15の上面に設けられた1対の印(レーザマーキング又はカラーマーキング等)である。
位置決め部192の具体例は、三角印、ダイヤモンドマーク又は矢印である。
固定孔32が位置決め部192と一致するまで固定板38を回転させることにより、固定板38の位置が定まるので、固定孔32が位置合わせ部39の機能を果たす。
位置決め部192は、固定孔32に浅くはめ込まれる凸部でもよい。
位置決め部192は、張出部15のプレスする位置を示すプレスマークとしても機能する。
位置決め部192は、正しい位置でプレスがされたかをチェックするチェックマークとしても機能する。
【0072】
図21のように、設置部18に回転位置を示す1対の位置決め部193を表示してもよい。
位置決め部193は、固定板38の外端部33の円弧34に沿うように設けられている。
位置決め部193は、固定板38の外端部33の円弧34の半径R1と同じ半径R1を有する円弧である。
位置決め部193の先端には、回転方向を示す矢印が示されている。
位置決め部193は、台座10に設けられた印(レーザマーキング又はカラーマーキング等)である。
固定板38の外端部33を位置合わせ部39として位置決め部193に合わせれば、固定板38の回転位置が定まる。
固定板38の外端部33の円弧34を位置決め部193の円弧に沿わせながら固定板38を回転させれば正確な回転ができる。
また、位置決め部193の矢印により回転方向がわかるので、逆回転による誤った取付が防止できる。
【0073】
図21のように、設置部18に、固定位置を示す1対の位置決め部194を表示してもよい。
位置決め部194は、固定板38の回転後に固定板38の外接長方形40の長辺42に沿うように設けられている。
位置決め部194は、固定板38の外接長方形40の短辺41の長さ寸法L1と同じ間隔L1を有する1対の直線である。
位置決め部194は、台座10に設けられた印(レーザマーキング又はカラーマーキング等)である。
固定板38の長辺を位置合わせ部39として位置決め部194に合わせれば、固定板38の固定位置が定まる。
【0074】
●取付具30の固定板38の変形例●(
図22)
図22に、取付具30の固定板38の変形例を示す。
図22では、固定板38の外端部33の少なくとも一部が、設置部18の短手方向における中心C1から半径が設置部18の短手方向の長さ寸法L4の半分から配置部11の短手方向の長さ寸法L3の半分までの領域に存在する。
【0075】
図22の(a)は、固定板38が矩形をしており、外端部33が直線形状をしている。
固定板38の外端部33の全部が、設置部18の短手方向における中心C1から半径が設置部18の短手方向の長さ寸法L4の半分R4から配置部11の短手方向の長さ寸法L3の半分R3までの領域に存在する。
【0076】
図22の(b)は、固定板38の外端部33が山形状をしている。
固定板38の外端部33の全部が、設置部18の短手方向における中心C1から半径が設置部18の短手方向の長さ寸法L4の半分R4から配置部11の短手方向の長さ寸法の半分R3までの領域に存在する。
【0077】
図22の(c)は、固定板38が平行四辺形をしており、外端部33が直線形状をしている。
固定板38の外端部33の回転方向の前方向の部分が、設置部18の短手方向における中心C1から半径が設置部18の短手方向の長さ寸法L4の半分R4から配置部11の短手方向の長さ寸法の半分R3までの領域に存在する。
固定板38の外端部33の回転方向の後方向の拡大部331が、設置部18の短手方向における中心C1から半径が配置部11の短手方向の長さ寸法L3の半分R3の領域の外に存在する。
【0078】
図22の(d)は、固定板38の外端部33が段差形をしており、外端部33が階段形状をしている。
固定板38の外端部33の回転方向の前方向の片半分が、設置部18の短手方向における中心C1から半径が設置部18の短手方向の長さ寸法L4の半分R4から配置部11の短手方向の長さ寸法の半分R3までの領域に存在する。
固定板38の外端部33の回転方向の後方向の別半分の拡大部331が、設置部18の短手方向における中心C1から半径が配置部11の短手方向の長さ寸法の半分R3の領域の外に存在する。
【0079】
図22の(e)は、固定板38の外端部33が短辺部分と傾斜部分を有し、外端部33が折れ線形状をしている。
固定板38の外端部33の回転方向の前方向の片半分の傾斜部分が、設置部18の短手方向における中心C1から半径が設置部18の短手方向の長さ寸法L4の半分R4から配置部11の短手方向の長さ寸法L3の半分R3までの領域に存在する。
固定板38の外端部33の回転方向の後方向の別半分の短辺部分の拡大部331が、設置部18の短手方向における中心C1から半径が配置部11の短手方向の長さ寸法の半分R3の領域の外に存在する。
【0080】
図22の(a)と(b)の場合、取付具30は、いずれの方向にも回転することができる。
図22の(c)と(d)と(e)の場合、取付具30は、時計回りにのみ回転することができる。90度回転すると、拡大部331が溝部13の底面に突き当たり、回転が抑制される。
【0081】
●台座10の変形例●(
図23)
図23のように、台座10は、円弧形状の溝部13を有していてもよい。
図23の(a)のように、配置部11がリング状の取付具配置面12を有し、溝部13が弧状に屈曲していてもよい。
図23の(b)のように、配置部11が楕円状の取付具配置面12を有し、溝部13が弧状に屈曲していてもよい。
台座10の溝部13の円弧の半径が配置部11の短手方向の長さ寸法L3の半分R3より十分大きく、張出部15の間の設置部18に取付具30の固定板38が配置できれば、台座10の溝部13が円弧形状であっても構わない。
図示しないが、配置部11は矩形の長尺形状であり、張出部15の張り出し先の端辺が円弧になっていてもよい。
図示しないが、設置部18に固定板38が配置できて回転できるのであれば、台座10がその他の形状でも構わない。
【0082】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0083】
(付記1)
長尺状の配置部を有する台座と、
前記配置部に固定される概略長方形の固定板を有する取付具と、
を備え、
前記配置部は、短手方向における内側が開放するように長手方向に沿って形成された溝部と、前記溝部の開放端を基準として前記溝部の反対側に形成された、前記取付具が設置される長尺状の設置部とを有し、
前記固定板の短手方向の幅寸法は前記設置部の短手方向の寸法以下であり、
前記固定板は、前記固定板の長手方向における端部に形成され、前記固定板が前記固定板と交差する回転軸を中心に回転させることによって前記溝部にはめ込まれる外端部を有し、
前記外端部の少なくとも一方の片半分は、前記回転軸からの距離が前記設置部の短手方向の寸法の半分と前記溝部の深さ寸法との合計の寸法以下である固定機構。
【0084】
(付記2)
前記一方の片半分の形状は、前記固定板の前記回転軸からの半径が、前記設置部の短手方向の寸法の半分と前記溝部の深さ寸法との合計の寸法以下の円弧である付記1に記載の固定機構。
【0085】
(付記3)
前記外端部は、全体の形状が前記円弧形状である付記2に記載の固定機構。
【0086】
(付記4)
前記溝部にはめ込まれた前記外端部の他方の片半分は、前記回転軸からの距離が前記配置部の短手方向の寸法の半分より大きい拡大部を有する付記1又は付記2に記載の固定機構。
【0087】
(付記5)
前記取付具は、部材を取付ける取付部、および、前記取付部と前記固定板とを連結している連結部を有し、
前記連結部は、前記回転軸からの半径が前記設置部の短手方向の寸法の半分である円の内側の領域に存在する付記1から付記4のいずれかに記載の固定機構。
【0088】
(付記6)
前記設置部は、前記取付具を位置決めする位置決め部を有し、
前記取付具は、前記位置決め部と位置合わせされる位置合わせ部を有する付記1から付記5のいずれかに記載の固定機構。
【0089】
(付記7)
前記取付具は、バネを取付けるバネ受具である付記1から付記6のいずれかに記載の固定機構。
【0090】
(付記8)
前記取付具は、電源部を取付ける電源取付具であり、
前記取付具は、前記電源部の底面を載置する載置部を有し、
前記載置部は、前記固定板をU字に打ち抜いて形成されたU字形状の舌状部の根元部分により形成され前記固定板から切り起こされた直立部と、前記舌状部の頭部分により形成され前記固定板と平行な台部とを有する付記1から付記6のいずれかに記載の固定機構。
【0091】
(付記9)
付記1から付記8のいずれかに記載の固定機構を有する光源ユニットと、
前記固定機構を用いて前記光源ユニットを固定した器具と、
を備えた照明装置。
【0092】
(付記10)
1対の対向する溝部が形成された台座に、1対の固定部を有する取付具を固定する固定方法において、
前記1対の対向する溝部の間に、前記1対の固定部の配置方向が前記1対の対向する溝部の溝が形成された方向と平行になるように、前記取付具を配置する配置ステップと、
前記取付具を配置した後、前記取付具を前記1対の固定部の配置方向が前記1対の対向する溝部の溝と交わる方向に回転させて、前記1対の固定部を前記1対の対向する溝部の溝に配置する回転ステップと、
前記取付具を回転させた後、前記1対の固定部を前記1対の対向する溝部の間に固定する固定ステップと、
を備えた固定方法。
【0093】
以上、複数の構成について説明したが、これらの構成のうち、二つ以上の構成を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの構成のうち、一つの構成又は二つ以上の構成の組み合わせを部分的に実施しても構わない。なお、本開示は、実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0094】
100 固定機構、10 台座、11 配置部、12 取付具配置面、13 溝部、14 立設部、15 張出部、151 突出部、16 溝、17 光源配置面、18 設置部、19 位置決め部、191 位置決め部、192 位置決め部、193 位置決め部、194 位置決め部、30 取付具、31 固定部、32 固定孔、33 外端部、331 拡大部、34 円弧、35 片半分、36 別半分、37 取付部、38 固定板、39 位置合わせ部、40 外接長方形、41 短辺、42 長辺、43 外接円、44 外接円、45 内接円、46 内接円、50 バネ受具、51 バネ受け枠、52 バネ受け穴、53 接続部、54 連結部、55 はみ出し部、58 バネ受け部、60 電源取付具、61 載置部、62 側壁部、63 係止部、64 打抜部、65 直立部、66 台部、67 保持部、68 固定板、70 器具、71 バネ、72 中継部(端子台)、73 器具電源線、80 光源ユニット、81 基板、82 光源、83 電源部、84 ケース、85 ケース穴、86 灯具電源線、87 給電線、88 保持具、89 カバー、90 照明装置、S10 配置ステップ、S20 回転ステップ、S30 固定ステップ、C 回転中心、C1 中心。