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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174559
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】生体情報取得装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1455 20060101AFI20241210BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20241210BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
A61B5/1455
A61B5/02 310B
A61B5/11 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092448
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100173428
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 聡
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AA12
4C017AC28
4C017DD04
4C017EE01
4C038KK01
4C038KL05
4C038KL07
4C038KX02
4C038KY03
4C038VA04
4C038VC02
(57)【要約】
【課題】消費電力を削減することができる生体情報取得装置を提供すること。
【解決手段】第1受光素子が受光した赤色光の光量に基づく第1情報と、第2受光素子が受光した赤外光の光量に基づく第2情報と、第3受光素子が受光した緑色光の光量に基づく第3情報と、を取得する取得部と、第1発光素子、第2発光素子および第3発光素子のそれぞれの駆動および停止を制御する駆動制御部と、を備え、第1情報および第2情報に基づく第1生体情報と、第3情報に基づく第2生体情報と、を測定するものであり、駆動制御部は、第1生体情報を測定する測定期間が第1の期間T1に達したら第1発光素子および第2発光素子の発光を停止する第1処理と、第2生体情報を測定する測定期間が第2の期間T2に達したら第3発光素子の発光を停止する第2処理との少なくとも一方を実行することを特徴とする生体情報取得装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色光を生体に向けて発光する第1発光素子、赤外光を前記生体に向けて発光する第2発光素子および緑色光を前記生体に向けて発光する第3発光素子を有する発光ユニットと、
前記生体を経た前記赤色光を受光する第1受光素子、前記生体を経た前記赤外光を受光する第2受光素子および前記生体を経た前記緑色光を受光する第3受光素子を有する受光ユニットと、
前記第1受光素子が受光した前記赤色光の光量に基づく第1情報と、前記第2受光素子が受光した前記赤外光の光量に基づく第2情報と、前記第3受光素子が受光した前記緑色光の光量に基づく第3情報と、を取得する取得部と、
前記第1発光素子、前記第2発光素子および前記第3発光素子のそれぞれの駆動および停止を制御する駆動制御部と、を備え、
前記第1情報および前記第2情報に基づく第1生体情報と、前記第3情報に基づく第2生体情報と、を測定するものであり、
前記駆動制御部は、前記第1生体情報を測定する測定期間が第1の期間T1に達したら前記第1発光素子および前記第2発光素子の発光を停止する第1処理と、前記第2生体情報を測定する測定期間が第2の期間T2に達したら前記第3発光素子の発光を停止する第2処理との少なくとも一方を実行することを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項2】
前記第1生体情報は、血中酸素飽和度に関する情報であり、
前記第2生体情報は、脈波に関する情報である請求項1に記載の生体情報取得装置。
【請求項3】
前記第2の期間T2は、前記第1の期間T1よりも長い請求項2に記載の生体情報取得装置。
【請求項4】
前記第1の期間T1は、少なくとも3日分の睡眠期間を含む請求項2または3に記載の生体情報取得装置。
【請求項5】
装着者の睡眠を検出するセンサーを有し、
前記駆動制御部は、前記第1の期間T1中の睡眠期間に前記第1発光素子および前記第2発光素子を駆動し、前記第1の期間T1中の睡眠期間以外は、前記第1発光素子および前記第2発光素子の発光を停止する請求項4に記載の生体情報取得装置。
【請求項6】
前記第2の期間T2は、連続した少なくとも4日間である請求項2または3に記載の生体情報取得装置。
【請求項7】
前記第1の期間T1および前記第2の期間T2は、設定可能である請求項1に記載の生体情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、各種のウェアラブル端末を用いた生体情報のモニタリングが行われている。これらのウェアラブル端末は、例えば、特許文献1に示すように、光源と、受光素子と、を有する。光源から出射した光が生体を透過し、その透過光を受光素子が受光する。特許文献1に示すウェアラブル端末は、受光素子が受光する受光光量に基づいて脈波、血中酸素飽和濃度等の生体情報を取得する。このような生体情報は、正確なデータを得るために、所定期間、光源から光を出射し、受光素子で光を受光し続けることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-153480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来では、所定期間を過ぎても光源から光を出射し、受光素子で光を受光し続ける構成であったため、消費電力が増大してしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の生体情報取得装置は、赤色光を生体に向けて発光する第1発光素子、赤外光を前記生体に向けて発光する第2発光素子および緑色光を前記生体に向けて発光する第3発光素子を有する発光ユニットと、
前記生体を経た前記赤色光を受光する第1受光素子、前記生体を経た前記赤外光を受光する第2受光素子および前記生体を経た前記緑色光を受光する第3受光素子を有する受光ユニットと、
前記第1受光素子が受光した前記赤色光の光量に基づく第1情報と、前記第2受光素子が受光した前記赤外光の光量に基づく第2情報と、前記第3受光素子が受光した前記緑色光の光量に基づく第3情報と、を取得する取得部と、
前記第1発光素子、前記第2発光素子および前記第3発光素子のそれぞれの駆動および停止を制御する駆動制御部と、を備え、
前記第1情報および前記第2情報に基づく第1生体情報と、前記第3情報に基づく第2生体情報と、を測定するものであり、
前記駆動制御部は、前記第1生体情報を測定する測定期間が第1の期間T1に達したら前記第1発光素子および前記第2発光素子の発光を停止する第1処理と、前記第2生体情報を測定する測定期間が第2の期間T2に達したら前記第3発光素子の発光を停止する第2処理との少なくとも一方を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の生体情報取得装置の断面図である。
図2図2は、図1に示す生体情報取得装置の機能ブロック図である。
図3図3は、第1の期間T1および第2の期間T2を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の生体情報取得装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0008】
<実施形態>
図1は、本発明の生体情報取得装置の断面図である。図2は、図1に示す生体情報取得装置の機能ブロック図である。図3は、第1の期間T1および第2の期間T2を説明するためのタイムチャートである。
【0009】
図1に示す生体情報取得装置2は、ユーザーの生体に装着された状態でユーザーの生体情報を取得するウェアラブルデバイスである。ここで、ユーザーは、生体情報取得装置2の操作者または装着者であり、生体情報の被験者でもある。
【0010】
生体情報取得装置2は、後述する第1情報および第2情報に基づく第1生体情報と、後述する第3情報に基づく第2生体情報とを取得する、すなわち測定するものである。
【0011】
生体情報取得装置2が取得した第1生体情報および第2生体情報は、例えばBluetooth(登録商標)やWi-Fi等の無線通信手段を介して、当該生体情報取得装置2より例えばスマートフォン、タブレット端末のようなゲートウェイ端末やサーバー等に送信される。
【0012】
ただし、この構成に限定されず、生体情報取得装置2がゲートウェイ端末やサーバーと通信を行わず、生体情報取得装置2が生体情報を蓄積する構成であってもよい。この場合、生体情報取得装置2は、生体情報を表示する表示装置を有することが好ましい。
【0013】
図1に示すように、生体情報取得装置2は、生体に装着される装着ベルト3と、装置本体4と、を有する。
【0014】
装着ベルト3が装着される対象部位は、特に限定されないが、例えば手指、手首、腕、足指、足首、首、耳、頭部、腹部、胸部、その他生体表面等が挙げられる。
【0015】
装置本体4は、装着ベルト3の内側に設けられており、装着ベルト3が生体に装着された状態で生体に臨んでいる。このとき、装置本体4は、生体に対し接触している場合、接近しているが接触していない場合のいずれでもよい。
【0016】
図2に示すように、装置本体4は、発光ユニット41と、受光ユニット42と、ドライバーIC43と、制御ユニット5と、体動センサー44と、これらを収容する筐体40と、を備える。筐体40は、図示はしないが、発光ユニット41が出射した光を透過する窓部を有する。この窓部は、例えば、筐体40に設けられた開口、または光透過性を有する透明板などで構成することができる。
【0017】
発光ユニット41は、第1発光素子411と、第2発光素子412と、第3発光素子413と、を有する。第1発光素子411は、赤色光L1を生体に向けて発光する。第2発光素子412は、赤外光L2を生体に向けて発光する。第3発光素子413は、緑色光L3を生体に向けて発光する。
【0018】
第1発光素子411、第2発光素子412および第3発光素子413としては、例えば、レーザー光源、LED発光素子等を用いることができる。
【0019】
受光ユニット42は、第1受光素子421と、第2受光素子422と、第3受光素子423と、を有する。
【0020】
第1受光素子421は、第1発光素子411が発光した赤色光L1が生体で反射した反射光を受光する。すなわち、第1受光素子421は、生体を経た赤色光L1を受光する。ここで、「生体を経た」とは、「生体を透過した」または「生体で反射した」を意味する。換言すれば、第1受光素子421は、第1発光素子411が発光して生体に照射され、その生態を経た赤色光L1を受光する。
【0021】
第2受光素子422は、第2発光素子412が発光した赤外光L2が生体で反射した反射光を受光する。すなわち、第2受光素子422は、生体を経た赤外光L2を受光する。
【0022】
第3受光素子423は、第3発光素子413が発光した緑色光L3が生体で反射した反射光を受光する。すなわち、第3受光素子423は、生体を経た緑色光L3を受光する。
【0023】
第1受光素子421、第2受光素子422および第3受光素子423としては、例えば、フォトトランジスタ、フォトダイオード等を用いることができる。
【0024】
第1受光素子421、第2受光素子422および第3受光素子423は、それぞれ、受光した特定波長域の光の光量、すなわち受光光量に応じた強さの電気信号(受光情報)を出力する。より詳しくは、第1受光素子421は、生体を経た赤色光L1の受光光量に応じた強さの電気信号、第2受光素子422は、生体を経た赤外光L2の受光光量に応じた強さの電気信号、第3受光素子423は、生体を経た緑色光L3の受光光量に応じた強さの電気信号を、それぞれ出力する。
【0025】
受光ユニット42が取得した各光の受光光量に対応した電気信号(受光情報)は、制御ユニット5に送信され、求める第1生体情報および第2生体情報と対応付けるべく所定の処理がなされる。
【0026】
このように、発光ユニット41および受光ユニット42は、反射型光学センサーを構成する。ただし、この構成に限定されず、発光ユニット41および受光ユニット42は、透過型光学センサーを構成してもよい。この場合、発光ユニット41および受光ユニット42は、生体を介して対向し、生体を経た、すなわち生体を透過した光を受光する構成とされる。
【0027】
体動センサー44は、ユーザーの動作を検出するものであり、例えば、加速度センサー、ジャイロセンサー、気圧センサー、静電容量センサー、地磁気センサー、GPS(Global Positioning System)レシーバー等で構成される。体動センサー44が取得した体動情報は、制御ユニット5に送信される。
【0028】
図2に示すように、制御ユニット5は、駆動制御部51と、取得部52と、処理部53と、記憶部54と、通信部55と、を有する。
【0029】
駆動制御部51は、記憶部54に記憶されているプログラムに基づいて、ドライバーIC43を駆動する制御信号を生成し、ドライバーIC43に出力する。ドライバーIC43は、駆動制御部51から入力される制御信号に基づいて、第1発光素子411、第2発光素子412および第3発光素子413をそれぞれ独立して駆動する駆動信号、すなわち、電力信号を生成する。これにより、第1発光素子411、第2発光素子412および第3発光素子413を所望の条件で駆動することができる。
【0030】
取得部52は、第1受光素子421が受光した赤色光L1の光量に基づく第1情報と、第2受光素子422が受光した赤外光L2の光量に基づく第2情報と、第3受光素子423が受光した緑色光L3の光量に基づく第3情報と、を取得する。
【0031】
第1情報は、第1受光素子421が受光した赤色光L1の光量の経時的な情報である。第2情報は、第2受光素子422が受光した赤色光L1の光量の経時的な情報である。第3情報は、第3受光素子423が受光した緑色光L3の光量の経時的な情報である。
【0032】
取得部52が取得した第1情報、第2情報および第3情報は、記憶部54に記憶される。
【0033】
処理部53は、記憶部54に記憶されているプログラムに基づいて、第1生体情報および第2生体情報を求める。
【0034】
処理部53は、第1情報および第2情報に基づいて血中酸素飽和度に関する情報、すなわち第1生体情報を求める処理を行う。具体的には、処理部53は、赤色光L1の受光光量および赤外光L2の受光光量からユーザーの血液の赤色度を求め、酸素に結びついたヘモグロビンの比率を推定する処理を行う。これにより、血中酸素飽和度に関する情報を得ることができる。
【0035】
また、処理部53は、第3情報に基づいて脈波に関する情報、すなわち第2生体情報を求める処理を行う。具体的には、処理部53は、緑色光L3の受光光量からユーザーの心臓の脈動に伴って変化する血流量の経時的な情報、すなわち、脈波に関する情報を求める。
【0036】
処理部53が求めた第1生体情報および第2生体情報は、記憶部54に記憶される。
また、処理部53は、体動センサー44が取得した体動情報に基づいてユーザーが睡眠を行っているか否かを判断する。この判断結果に応じて、駆動制御部51は、ドライバーIC43を駆動する制御信号を生成する。
【0037】
記憶部54には、駆動制御部51が実行するプログラム、取得部52が実行するプログラム、処理部53が実行するプログラム等の各種プログラム等が記憶されている。また、記憶部54には、処理部53が求めた第1生体情報および第2生体情報が記憶される。
【0038】
通信部55は、各種ネットワークを用いて他の機器、例えばゲートウェイ端末やサーバー等と通信を行い、第1生体情報および第2生体情報を送信する機能を有する。
【0039】
駆動制御部51、取得部52および処理部53としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等が挙げられる。なお、これらのプロセッサーがソフトウェアを実行する方式に代えて、上記機能の全てまたは一部を、FPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により実現するようにしてもよい。
【0040】
記憶部54は、駆動制御部51、取得部52および処理部53等のワーク領域となるもので、その機能はRAM、ROM等のメモリーやHDD(ハードディスクドライブ)等により実現できる。駆動制御部51、取得部52および処理部53での処理は、記憶部54に記憶された情報の読み出しおよび書き込みを伴うものであってもよい。駆動制御部51、取得部52および処理部53で行われる各処理は、記憶部54に記憶される各種データ、プログラムに基づき実行される。
【0041】
通信部55は、例えば、I/Oインターフェースで構成される。I/Oインターフェースが採用する通信規格は、特に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)ネットワーク等のパーソナルエリアネットワーク(PAN)、Wi-Fi(登録商標)ネットワーク等のローカルエリアネットワーク(LAN)等が挙げられる。
【0042】
このような生体情報取得装置2としては、上記機能を持つ端末であれば特に限定されないが、例えば、ウェアラブルウォッチ、ウェアラブルリング、ウェアラブルディスプレイ、スマートグラス、ウェアラブルカメラ、ウェアラブルスピーカー、イヤホン、ヘッドホン、スマートウェア等が挙げられる。
【0043】
生体情報取得装置2が取得する生体情報として、第1生体情報(血中酸素飽和度に関するの情報)および第2生体情報(脈波に関する情報)を取得する構成について説明したが、本発明ではこれに限定されない。
【0044】
すなわち、本実施形態の生体情報取得装置2は、前記第1生体情報および第2生体情報以外の第3生体情報を取得する(測定する)機能を有することを妨げない。第3生体情報としては、例えば、体温、脈拍数、心電図、血中酸素濃度、血糖値、血圧、発汗度合い、呼吸数、呼気成分、骨密度、睡眠時間、排尿時間、排尿回数、歩数、視線移動、体重、筋肉量、体脂肪率、BMI値等が挙げられる。生体情報取得装置2は、これらのうちの1または2以上の項目を測定可能とすることができる。
【0045】
一般に、血中酸素飽和度に関する情報である第1生体情報を正確に求めるためには、数日の間、第1発光素子411および第2発光素子412を駆動させ、数日間分の情報を取得することが好ましい。脈波に関する情報である第2生体情報についても、正確に求めるためには、数日の間、第3発光素子413を駆動させ、数日間分の情報を取得することが好ましい。従来では、数日間分の情報を取得した後にも、発光ユニット41に相当する発光ユニットを駆動させ続けるという構成であったため、必要以上に消費電力が増大してしまうという問題があった。
【0046】
これに対し、生体情報取得装置2では、駆動制御部51が、以下に説明する第1処理および第2処理のうちの少なくとも一方を実行することで、従来に比べ消費電力を削減することができる。
【0047】
図3に示すように、第1処理は、第1生体情報を測定する測定期間が第1の期間T1に達したら第1発光素子411および第2発光素子412の発光を停止する処理である。第1の期間T1は、第1生体情報を正確に求めるのに十分な期間であり、例えば2日以上5日以下であるのが好ましく、3日以上4日以下であるのがより好ましい。特に、第1の期間T1を3日以上とすることにより、第1生体情報を正確に求めることができる。
【0048】
第1生体情報を測定するに際し、ユーザーの睡眠期間中に測定することが好ましい。これにより、第1生体情報を正確に測定することができる。ユーザーの睡眠は、体動センサー44の検出値に基づいて検出することができる。
【0049】
例えば、体動センサー44が、生体情報取得装置2が静止している状態を所定時間以上検出したら、駆動制御部51は、ユーザーが睡眠を行っていると判断して、第1生体情報を測定する。一方、駆動制御部51が、ユーザーが睡眠を行っていないと判断した場合、第1発光素子411および第2発光素子412の発光を停止する。これにより、第1生体情報をより正確に測定することができるとともに、さらなる消費電力の削減に寄与する。
【0050】
第2処理は、第2生体情報を測定する測定期間が第2の期間T2に達したら第3発光素子413の発光を停止する処理である。第2の期間T2は、第2生体情報を正確に求めるのに十分な期間であり、例えば3日以上9日以下であるのが好ましく、5日以上7日以下であるのがより好ましい。特に、第2の期間T2を4日間以上とすることにより、第2生体情報を正確に求めることができる。
【0051】
第1の期間T1と第2の期間T2との大小関係は、特に限定されないが、T1≦T2であるのが好ましく、T1<T2であるのがより好ましく、1.25T1≦T2であるのがさらに好ましく、1.5T1≦T2≦10T1であるのが特に好ましい。このような条件を満足する場合、後述する本発明の効果をより顕著に、より確実に発揮することができる。
【0052】
第2の期間T2の測定は、連続して、すなわち昼夜問わず、常に行うことが好ましい。これにより、第2生体情報をより正確に測定することができるとともに、第2の期間T2をできるだけ短く設定することができ、さらなる消費電力の削減に寄与する。
【0053】
以上説明したように、生体情報取得装置2は、赤色光L1を生体に向けて発光する第1発光素子411、赤外光L2を生体に向けて発光する第2発光素子412および緑色光L3を生体に向けて発光する第3発光素子413を有する発光ユニット41と、生体を経た赤色光L1を受光する第1受光素子421、生体を経た赤外光L2を受光する第2受光素子422および生体を経た緑色光L3を受光する第3受光素子423を有する受光ユニット42と、第1受光素子421が受光した赤色光L1の光量に基づく第1情報と、第2受光素子422が受光した赤外光L2の光量に基づく第2情報と、第3受光素子423が受光した緑色光L3の光量に基づく第3情報と、を取得する取得部52と、第1発光素子411、第2発光素子412および第3発光素子413のそれぞれの駆動および停止を制御する駆動制御部51と、を備え、第1情報および第2情報に基づく第1生体情報と、第3情報に基づく第2生体情報と、を測定するものである。駆動制御部51は、第1生体情報を測定する測定期間が第1の期間T1に達したら第1発光素子411および第2発光素子412の発光を停止する第1処理と、第2生体情報を測定する測定期間が第2の期間T2に達したら第3発光素子413の発光を停止する第2処理との少なくとも一方を実行する。これにより、生体情報取得装置2の消費電力を削減することができる。
【0054】
なお、駆動制御部51は、第1処理および第2処理のうち、第1処理のみを行う構成であってもよく、第2処理のみを行う構成であってもよく、第1処理および第2処理を行う構成であってもよい。いずれの場合であっても、従来に比べ、消費電力を削減することができる。
【0055】
また、駆動制御部51は、第1処理のみを行う第1モード、第2処理のみを行う第2モード、第1処理および第2処理を行う第3モードを有し、生体情報取得装置2が有する図示しないモード選択部により、第1モード、第2モードおよび第3モードを選択可能な構成であってもよい。この場合も同様に、従来に比べ、消費電力を削減することができる。
【0056】
第1生体情報は、血中酸素飽和度に関する情報であり、第2生体情報は、脈波に関する情報である。血中酸素飽和度に関する情報および脈波に関する情報は、測定のニーズまたは測定の頻度が比較的高く、健康状態を知るために比較的重要度が高い情報である。このため、生体情報取得装置2が血中酸素飽和度に関する情報および脈波に関する情報を取得する構成である場合、本発明の効果をより顕著に発揮することができ、また、本発明の効果を得られる生体情報取得装置2の適用範囲も広くなる。
【0057】
また、第2の期間T2は、第1の期間T1よりも長い。すなわち、T1<T2である。これにより、血中酸素飽和度に関する情報および脈波に関する情報のそれぞれをより正確に測定することができ、また消費電力の削減にも寄与する。なお、本発明ではこれに限定されず、第2の期間T2は、第1の期間T1と同じであってもよく、第1の期間T1よりも短くてもよい。
また、上述したT1とT2との好ましい大小関係は、第1生体情報が血中酸素飽和度に関する情報でかつ第2生体情報が脈波に関する情報である第1のケースに限らない。例えば、第1生体情報が血中酸素飽和度に関する情報でかつ第2生体情報が脈波以外の項目に関する情報である第2のケース、第1生体情報が血中酸素飽和度以外の項目に関する情報でかつ第2生体情報が脈波に関する情報である第3のケース、第1生体情報が血中酸素飽和度以外の項目に関する情報でかつ第2生体情報が脈波以外の項目に関する情報である第4のケースの、いずれのケースの場合にも適用することができる。
【0058】
また、第1の期間T1は、少なくとも3日分の睡眠期間を含むことが好ましい。これにより、より正確な第1生体情報を取得することができる。
【0059】
なお、この構成は、前記第1のケースに適用されることはもちろんのこと、前記第2のケース、第3のケースおよび第4のケースに適用することもできる。
【0060】
また、生体情報取得装置2は、装着者であるユーザーの睡眠を検出するセンサーとしての体動センサー44を有し、駆動制御部51は、第1の期間T1中の睡眠期間に第1発光素子411および第2発光素子412を駆動し、第1の期間T1中の睡眠期間以外は、第1発光素子411および第2発光素子412の発光を停止する。これにより、第1生体情報をより正確に測定することができるとともに、さらなる消費電力の削減に寄与する。
【0061】
なお、この構成は、前記第1のケースに適用されることはもちろんのこと、前記第2のケース、第3のケースおよび第4のケースに適用することもできる。
【0062】
また、第2の期間T2は、連続した少なくとも4日間である。これにより、より正確な第2生体情報を取得することができる。
【0063】
なお、この構成は、前記第1のケースに適用されることはもちろんのこと、前記第2のケース、第3のケースおよび第4のケースに適用することもできる。
【0064】
また、第1の期間T1および第2の期間T2は、設定可能であることが好ましい。すなわち、第1の期間T1および第2の期間T2は、装着者が適宜変更可能であることが好ましい。これにより、より適切な第1生体情報および第2生体情報を取得することができる。
【0065】
第1の期間T1および第2の期間T2の設定は、例えば生体情報取得装置2が有する図示しない設定入力画面からタッチ操作等によりなされる。なお、この構成に限定されず、例えば生体情報取得装置2が通信を行う機器を介して第1の期間T1および第2の期間T2の設定を行う構成であてもよい。
【0066】
以上、本発明の生体情報取得装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の生体情報取得装置の各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、本発明の生体情報取得装置には、任意の構成物が付加されていてもよい。
【符号の説明】
【0067】
2…生体情報取得装置、3…装着ベルト、4…装置本体、5…制御ユニット、40…筐体、41…発光ユニット、42…受光ユニット、43…ドライバーIC、44…体動センサー、51…駆動制御部、52…取得部、53…処理部、54…記憶部、55…通信部、411…第1発光素子、412…第2発光素子、413…第3発光素子、421…第1受光素子、422…第2受光素子、423…第3受光素子、L1…赤色光、L2…赤外光、L3…緑色光、T1…第1の期間、T2…第2の期間
図1
図2
図3