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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174576
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】画像処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20241210BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241210BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H04N1/387
H04N1/387 200
H04N1/387 110
H04N1/00 C
H04N1/00 L
H04N1/04 106A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092470
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107216
【弁理士】
【氏名又は名称】伊與田 幸穂
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 公一
【テーマコード(参考)】
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB23
5C062AB33
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC24
5C062AC66
5C062AF15
5C072AA01
5C072EA04
5C072RA03
5C072RA04
(57)【要約】
【課題】読み取りの際に読み取り画像の全体を表示する場合に比べ、表示に対するユーザの操作負担を軽減する。
【解決手段】1又は複数のプロセッサを有し、1又は複数のプロセッサは、搬送機構により搬送中の原稿から読み取った原稿画像4を表示部132にプレビュー表示する動作モードにおいて、搬送機構による原稿画像4を、搬送機構による搬送の方向Yと交差する方向Xにおける原稿の各端部の間に位置する中間部を省略する態様でプレビュー表示する、画像処理システムである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送機構により搬送中の原稿から読み取った原稿画像を表示部にプレビュー表示する動作モードにおいて、
前記搬送機構による前記原稿画像を、当該搬送機構による搬送の方向と交差する方向における原稿の各端部の間に位置する中間部を省略する態様でプレビュー表示する、
画像処理システム。
【請求項2】
前記プレビュー表示の前記態様は、前記各端部を含む態様である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記各端部を含む態様は、前記交差する方向における原稿の端部と原稿外の領域との比率を予め定められている値で表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記予め定められている値は、設定により変更可能である、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記プレビュー表示の態様は、前記交差する方向における搬送に伴う原稿の移動を把握するための付加画像が付加される態様である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記付加画像は、前記搬送の方向に延びる線状画像である、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記付加画像は、前記交差する方向への移動量を示す目盛りの画像である、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記目盛りの画像は、前記搬送中の原稿の読み取りが開始されるときの前記端部の位置を示す画像と、読み取り中の当該端部の位置を示す画像とを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記付加画像は、前記交差する方向への移動量を示す数値の画像である、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記付加画像は、前記数値が予め定められている閾値を超える場合にユーザに注意を喚起する画像を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記プレビュー表示の前記態様は、最初に読み取られた原稿の部分の原稿画像を表示するとともに、前記搬送の方向への読み取りに伴う原稿画像を表示する態様である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記表示部は、読み取りを終えた後に前記原稿画像の表示範囲を変更可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項13】
情報処理装置に、
搬送機構により搬送中の原稿から読み取った原稿画像を表示部にプレビュー表示する動作モードにおいて、
前記搬送機構による前記原稿画像を取得する機能と、
取得した前記原稿画像を、前記搬送機構による搬送の方向と交差する方向における原稿の各端部の間に位置する中間部を省略する態様でプレビュー表示する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、原稿画像を読み取る原稿読取部と、読み取られた原稿画像を加工し出力用画像を生成する画像処理部と、出力用画像を外部へ出力する出力部と、原稿画像をユーザがプレビューするための表示部とを備え、画像処理部は、矩形の画像領域端を含むように、その矩形の画像領域端の上下左右の各片を基準に予め定められた幅の範囲を上下左右それぞれの端部領域として抽出し、上下対の端部領域または左右対の端部領域の何れか一対の端部領域は表示部に収まるが他の対は収まらないサイズを上下左右の各端部領域のプレビュー用画像の倍率とし、上端の端部領域を下端の端部領域より上方に配置し、左端の端部領域を右端の端部領域よりも左方に配置し、上下左右それぞれの端部領域の天地の方向を一致させて表示部にプレビュー画像を表示させることを特徴とするプレビュー機能付き原稿読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5081885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、原稿を搬送しながら原稿の画像を読み取る場合、原稿の搬送方向と交差する方向へのずれや蛇行は、搬送方向の原稿長や交差する方向の原稿幅が大きくなると発生し易くなる。例えば読み取り画像を表示してユーザに原稿のずれ等の状況を見せることでずれ等が発生した場合の対処を促す場合を考える。読み取り画像の全体を示す態様で表示すると、原稿長や原稿幅のある原稿の場合には縮小した画像になってしまい、表示に対するユーザの操作例えば画像拡大や画像移動等の操作を必要とすると、読み取りの際に表示に対するユーザの操作負担が増加する。
本発明の目的は、読み取りの際に読み取り画像の全体を表示する場合に比べ、表示に対するユーザの操作負担を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、1又は複数のプロセッサを有し、前記1又は複数のプロセッサは、搬送機構により搬送中の原稿から読み取った原稿画像を表示部にプレビュー表示する動作モードにおいて、前記搬送機構による前記原稿画像を、当該搬送機構による搬送の方向と交差する方向における原稿の各端部の間に位置する中間部を省略する態様でプレビュー表示する、画像処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記プレビュー表示の前記態様は、前記各端部を含む態様である、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記各端部を含む態様は、前記交差する方向における原稿の端部と原稿外の領域との比率を予め定められている値で表示する、ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記予め定められている値は、設定により変更可能である、ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記プレビュー表示の態様は、前記交差する方向における搬送に伴う原稿の移動を把握するための付加画像が付加される態様である、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記付加画像は、前記搬送の方向に延びる線状画像である、ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理システムである。
請求項7に記載の発明は、前記付加画像は、前記交差する方向への移動量を示す目盛りの画像である、ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理システムである。
請求項8に記載の発明は、前記目盛りの画像は、前記搬送中の原稿の読み取りが開始されるときの前記端部の位置を示す画像と、読み取り中の当該端部の位置を示す画像とを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理システムである。
請求項9に記載の発明は、前記付加画像は、前記交差する方向への移動量を示す数値の画像である、ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理システムである。
請求項10に記載の発明は、前記付加画像は、前記数値が予め定められている閾値を超える場合にユーザに注意を喚起する画像を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理システムである。
請求項11に記載の発明は、前記プレビュー表示の前記態様は、最初に読み取られた原稿の部分の原稿画像を表示するとともに、前記搬送の方向への読み取りに伴う原稿画像を表示する態様である、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システムである。
請求項12に記載の発明は、前記表示部は、読み取りを終えた後に前記原稿画像の表示範囲を変更可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システムである。
請求項13に記載の発明は、情報処理装置に、搬送機構により搬送中の原稿から読み取った原稿画像を表示部にプレビュー表示する動作モードにおいて、前記搬送機構による前記原稿画像を取得する機能と、取得した前記原稿画像を、前記搬送機構による搬送の方向と交差する方向における原稿の各端部の間に位置する中間部を省略する態様でプレビュー表示する機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、読み取りの際に読み取り画像の全体を表示する場合に比べ、表示に対するユーザの操作負担を軽減することができる。
請求項2の発明によれば、プレビュー表示の態様は、各端部を含む態様であるという構成を備えない場合に比べて、ユーザの視認性を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、各端部を含む態様は、交差する方向における原稿の端部と原稿外の領域との比率を予め定められている値で表示する構成を備えない場合に比べて、ユーザの視認性を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、予め定められている値は、設定により変更可能であるという構成を備えない場合に比べて、ユーザの使い易さを向上させることができる。
請求項5の発明によれば、プレビュー表示の態様は、交差する方向における搬送に伴う原稿の移動を把握するための付加画像が付加される態様であるという構成を備えない場合に比べて、ユーザの視認性を向上させることができる。
請求項6の発明によれば、付加画像は、搬送の方向に延びる線状画像であるという構成を備えない場合に比べて、原稿のずれを容易に把握することができる。
請求項7の発明によれば、付加画像は、交差する方向への移動量を示す目盛りの画像であるという構成を備えない場合に比べて、原稿のずれ量を容易に把握することができる。
請求項8の発明によれば、目盛りの画像は、搬送中の原稿の読み取りが開始されるときの端部の位置を示す画像と、読み取り中の端部の位置を示す画像とを含むという構成を備えない場合に比べて、読み取り開始時の位置とその後の位置の変化を容易に把握することができる。
請求項9の発明によれば、移動量を数値で把握することができる。
請求項10の発明によれば、付加画像は、数値が予め定められている閾値を超える場合にユーザに注意を喚起する画像を含む構成を備えない場合に比べて、ユーザの使い易さを向上させることができる。
請求項11の発明によれば、プレビュー表示の態様は、最初に読み取られた原稿の部分の原稿画像を表示するとともに、搬送の方向への読み取りに伴う原稿画像を表示する態様である構成を備えない場合に比べて、ユーザの視認性を向上させることができる。
請求項12の発明によれば、表示部は、読み取りを終えた後に原稿画像の表示範囲を変更可能であるという構成を備えない場合に比べて、ユーザの使い易さを向上させることができる。
請求項13の発明によれば、読み取りの際に読み取り画像の全体を表示する場合に比べ、表示に対するユーザの操作負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像処理システムの一例を示した図である。
図2】画像形成装置に設けられた情報処理部、サーバ装置のハードウェアの構成例を示した図である。
図3】画像読み取り装置の構成を説明する図であり、(a)はその平面図、(b)は搬送機構の一部を示す。
図4】動作モードにおける操作受付部のプレビュー表示の一例を説明する図である。
図5】動作モードにおける操作受付部の他の表示例を説明する図である。
図6】本実施の形態における機能構成を説明するブロック図である。
図7】プレビュー表示が行われる場合の処理手順を示すフローチャートである。
図8】補助画像表示領域に表示されるゲージの生成を説明する図であり、(a)は原稿、(b)はゲージを示す。
図9】右端表示領域と左端表示領域に表示される原稿画像の右端部と左端部の生成を説明する図であり、(a)はラインデータ、(b)は右端部、(c)は左端部を示す。
図10】スキャン中に原稿のスキュー量が大きくなった場合の操作受付部の表示例を示す図である。
図11】動作モードにおける操作受付部のプレビュー表示の他の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、画像処理システム1の一例を示した図である。
本実施形態の画像処理システム1では、画像形成装置100と、この画像形成装置100に対して通信回線190を介して接続されるサーバ装置200とが設けられている。本実施形態では、画像処理システムの一例としての画像形成装置100において、原稿1Aの読み取りが行われ、読み取り画像1Cが作成される。
さらに、本実施形態の画像処理システム1には、サーバ装置200に接続され、ユーザから操作を受け付けるユーザ端末300が設けられている。
【0009】
ユーザ端末300には、表示装置310が設けられている。ユーザ端末300は、コンピュータにより実現される。ユーザ端末300の形態としては、例えば、PC(Personal Computer)や、スマートフォンや、タブレット端末が挙げられる。
【0010】
画像形成装置100には、記録媒体の一例である用紙への画像の形成を行う画像形成部100Aが設けられている。
画像形成部100Aによる用紙への画像の形成は、例えば、インクジェット方式や電子写真方式を用いて行われる。なお、画像形成部100Aによる用紙への画像の形成は、インクジェット方式や電子写真方式に限らず、他の方式を用いて行ってもよい。
画像形成装置100には、さらに、情報処理部100Bが設けられている。情報処理部100Bは、画像形成装置100について行われる各種の処理を実行するものである。
【0011】
さらにまた、画像形成装置100には、原稿1Aの読み取りを行い読み取り画像1Cを作成し、サーバ装置200に送信する画像読み取り装置130が設けられている。また、画像形成装置100には、各種の操作を受け付けると共に表示を行う操作受付部132が設けられている。詳細は後述する。
【0012】
図2は、画像形成装置100に設けられた情報処理部100B、サーバ装置200のハードウェアの構成例を示した図である。画像形成装置100に設けられた情報処理部100B、サーバ装置200は、コンピュータにより実現される。
情報処理部100B、サーバ装置200の各々は、プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部11と、情報を記憶する2次記憶部12とを有する。
2次記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0013】
演算処理部11には、プロセッサの一例としてのCPU11aが設けられている。
また、演算処理部11には、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM11cが設けられている。
また、演算処理部11には、書き換え可能に構成され電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11d、演算処理部11に接続される通信部等の各部を制御するインターフェース部11eが設けられている。
【0014】
不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成される。2次記憶部12には、ファイル等が記憶される他、演算処理部11により実行されるプログラムが記憶される。
本実施形態では、演算処理部11が、ROM11cや2次記憶部12に記憶されたプログラムを読み込むことによって、各処理が実行される。
【0015】
CPU11aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバ装置200、情報処理部100Bへ提供しうる。また、CPU11aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、サーバ装置200、情報処理部100Bへ提供してもよい。
【0016】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0017】
以下で説明する画像処理システム1における処理は、画像形成装置100に設けられたプロセッサの一例としてのCPU11aが行う場合の他、サーバ装置200に設けられたプロセッサの一例としてのCPU11aが行ってもよい。1台のサーバ装置200などの1台の装置により実現してもよいし、複数台の装置により実現してもよい。
本実施形態における「システム」とは、複数の装置によって構成されたもの及び単一の装置によって構成されたものの両方を含む。
【0018】
図1に戻って、画像形成装置100を説明する。
本実施形態では、上記の通り、画像形成装置100には、記録媒体の一例である用紙への画像の形成を行う画像形成部100Aが設けられている。
【0019】
また、画像形成装置100には、原稿1Aの画像を読み取る画像読み取り手段の一例としての画像読み取り装置130が設けられている。
この画像読み取り装置130は、原稿1Aの搬送機構26(図3参照)を有するいわゆるスキャナであり、搬送機構26により原稿1Aを搬送してスキャンを行う。以下、画像読み取りを「スキャン」ということがある。
画像読み取り装置130には、原稿1Aに照射される光を出射する光源や、この原稿1Aからの反射光を受光するCCDなどの受光部を備える。本実施形態では、この受光部にて受光された反射光に基づき、後述する読み取り画像が生成される。
画像読み取り装置130には、画像の読み取り位置が予め設定されており、画像読み取り装置130は、搬送される原稿1Aのうちのこの読み取り位置にある領域の画像のスキャンをラインで順次行い、スキャンラインデータを読み込む。
また、画像形成装置100は、サーバ装置200(図1参照)へ情報を送信する情報送信機能を有する。
【0020】
本実施の形態では、画像形成装置100の上部に、画像読み取り装置130が設けられている。画像読み取り装置130は、ユーザによってセットされた原稿1Aの読み取りを行う。
【0021】
さらに、画像形成装置100の各々には、ユーザから操作を受け付ける操作受付部132が設けられている。この操作受付部132は、いわゆるタッチパネルにより構成されている。操作受付部132では、ユーザへの情報の表示が行われるとともに、ユーザが行う操作を受け付ける。
なお、ユーザへの情報の表示と、ユーザの操作の受け付けを、本実施形態のように、1つの操作受付部132で行うのに限らず、操作受付部と情報表示部とを個別に設けてもよい。操作受付部132は、表示部の一例である。
【0022】
本実施の形態では、読み取り対象である原稿1Aが、図1の符号1Bで示すように、画像読み取り装置130に設置され、読み取り開始操作が行われると、原稿1Aの搬送が開始され画像読み取り装置130により原稿の読み取りが行われる。かかる原稿の読み取りにより、データとしての読み取り画像1Cが作成される。
そして、本実施形態では、この読み取り画像1Cが、サーバ装置200へ送信されて、サーバ装置200に格納される。
【0023】
本実施の形態の画像形成装置100は、A4サイズ(210mm×297mm)やA3サイズ(420mm×297mm)のほかにA3サイズを超える大きさの例えばA0サイズ(841mm×1189mm)や、A0幅10m(841mm×10000mm)といった長尺の用紙に画像形成を行うことが可能であり、また、かかるサイズの用紙の画像を読み取ることが可能である。
【0024】
図3は、画像読み取り装置130の構成を説明する図であり、(a)はその平面図、(b)は搬送機構26の一部を示す。
図3(a)に示すように、画像読み取り装置130は、原稿1Aの搬送方向Yに交差する方向である交差方向Xに離れて設けられた一対のガイド部材21、22と、一対のガイド部材21、22の間に位置して交差方向Xに沿って設けられる受光部23と、を備えている。また、画像読み取り装置130は、一対のガイド部材21、22の間に位置し交差方向Xに離れて設けられた複数の原稿位置センサ24、25を備えている。
受光部23は、画像読み取りを行う読取り部の一例であり、原稿位置センサ24、25は、読取り部とは別に設けられた検出部の一例である。搬送方向Yは、搬送の方向の一例であり、交差方向Xは、搬送の方向に交差する方向の一例である。
【0025】
一対のガイド部材21、22は、搬送面に設けられ、搬送方向Yに搬送される原稿1Aが通る領域を画定する。ガイド部材21は交差方向Xに関する一端部に位置し、ガイド部材22は他端部に位置する。
受光部23は、光源から発光された光が原稿1Aで反射した反射光を受光することで原稿1Aを読み取るための例えばイメージセンサ等であり、読み取りによるイメージデータを出力するイメージ読取部ということもできる。
【0026】
原稿位置センサ24、25は、光学的に原稿1Aの位置を検出するものであり、原稿1Aが予め定められている位置にあるかどうかを検出する。すなわち、原稿位置センサ24、25は、交差方向Xの原稿1Aの位置ずれを検知する。これにより、情報処理部100B(図1参照)にて原稿1Aの搬送を一時停止すべきかどうかが判断される。
本実施の形態では、原稿位置センサ24、25は、2つ設けられているが、これに限られず、3つ以上を設けてもよい。
【0027】
図3(b)に示すように、搬送機構26は、回転可能に保持される搬送ローラ26aと、搬送ローラ26aを回転駆動するモータ26bと、を備えている。
搬送ローラ26aは、上下方向Zに変位可能で上の位置と下の位置を選択可能な昇降機構(不図示)を有し、下の位置が選択されると原稿1Aの上面を押圧するニップ状態であり、上の位置では原稿1Aの上面に接触しない非ニップ状態になる。下の位置でモータ26bが動作すると、搬送ローラ26aが回転し、原稿1Aが搬送方向Yに搬送される。
なお、図3(a)における右手の図形31および左手の図形32は、搬送される原稿1Aにユーザが手を添えることを例示したものである。
【0028】
ここで、画像形成装置100は、読み取り装置130にて搬送機構26により搬送中の原稿1Aから読み取った原稿画像を操作受付部132(図1参照)にプレビュー表示する動作モードを有する。搬送機構26による原稿1Aの搬送時に原稿1Aが左右方向に蛇行したり搬送方向Yに対して斜行したりしてガイド部材21、22に接近するときに原稿1Aの破損防止のために搬送機構26による搬送を一時停止する。そのため、かかる動作モードにおいて、操作受付部132(図1参照)のプレビュー表示を見ながら原稿の位置ずれや蛇行が抑制されるようにユーザに促す。
しかしながら、大判原稿等の長さや幅が大きい原稿1Aの場合、位置ずれや蛇行という所謂スキューが発生し易くなるところ、操作受付部132のプレビュー表示は、原稿画像の全体が縮小されたものである場合には、ユーザの視認性が低下する。また、搬送途中にプレビュー表示を拡大しようと操作受付部132を操作すると、ユーザは、原稿1Aの位置ずれを気にしながらの操作になりユーザの操作負担が増加する。
そこで、本実施の形態では、原稿1Aの各端部1F、1H(図3(a)参照)の間に位置する中間部1G(同図(a)参照)を省略する態様でプレビュー表示し、原稿画像の縮小率が小さくならないようにしている。以下、具体的に説明する。
【0029】
図4は、動作モードにおける操作受付部132のプレビュー表示の一例を説明する図である。ここにいうプレビュー表示は、原稿1A(図1参照)が搬送されながら読み取られている際に読み取りが完了する前の段階で読み取られた原稿画像をリアルタイムで順次表示することをいう。
【0030】
図4に示す例では、操作受付部132は、動作モードでは、画面右側に位置する右端表示領域5と、画面左側に位置する左端表示領域6を表示する。
右端表示領域5は、搬送中の原稿から読み取った原稿画像4の右端部41を表示する領域であり、左端表示領域6は、原稿画像4の左端部42を表示する領域である。
本実施の形態では、読み取られた原稿画像をデータとして保存すると共に、リアルタイムに原稿画像の左右端のみを切り出し、画面上に左右別々に表示する。なお、本実施の形態では、原稿画像4の右端部41及び左端部42を表示するが、これに限られず、右端部41と左端部42のいずれか一方を表示することも考えられる。
【0031】
操作受付部132には、原稿画像4の全体が表示されるのではなく、右端部41と左端部42が表示される一方で右端部41と左端部42との間に位置する中間部の表示は省略されている。これにより、操作受付部132における右端表示領域5及び左端表示領域6が、原稿画像4の全体が表示される場合に比べ拡大されて大きく表示されることから、縮小率が小さくならないようになる。
【0032】
操作受付部132の右端表示領域5及び左端表示領域6は、リアルタイムに表示されるプレビュー表示である。また、操作受付部132には、右端部41及び左端部42が表示され、中間部の表示が省略される態様で表示される。これにより、スキャンデータである原稿画像4の良し悪しに大きく影響する原稿1Aのスキューの判断を読み込み中に行えるように特化した視覚的かつリアルタイムな表示を行っている。
【0033】
さらに説明すると、原稿1Aが搬送中に、右手の図形31に示すように、操作受付部132の右端表示領域5に表示された原稿画像4の例えば右角部4aをタッチする。かかるタッチに応答して、右端表示領域5には、右角部4aの位置に、搬送方向Yに線状に延びる右ガイドライン51が表示される。なお、右角部4aは、右端部41における搬送方向Yの前側である前端43の右端部である。
【0034】
また、左手の図形32に示すように、操作受付部132の左端表示領域6に表示された原稿画像4の、例えば外縁部44の前端43に対応する位置4bをタッチする。かかるタッチに応答して、左端表示領域6には、外縁部44の位置4bに左ガイドライン61が表示される。
【0035】
このように、操作受付部132には、原稿1Aから読み取った原稿画像4に、右ガイドライン51及び左ガイドライン61という付加画像が付加される態様でプレビュー表示される。すなわち、原稿画像における端部や他の位置をユーザがタップし、搬送方向Yに延びる補助線をオーバーレイ表示可能にすることで、操作受付部132のプレビュー表示の視認性が向上し、ユーザがスキューの状態を認識し易くなる。これにより、ユーザの手動による原稿のスキュー補正やスキャンの中止を判断することが容易になる。
操作受付部132は表示部の一例である。右ガイドライン51及び左ガイドライン61は、付加画像の一例であり、搬送の方向に延びる線状画像の一例である。
ここにいう付加画像は、原稿画像4が操作受付部132に表示されるプレビュー表示の際に表示される画像をいい、原稿画像4に重ねて表示される場合(後述の図4参照)の他、原稿画像4に重ねられずに表示される場合(後述の図5参照)も含まれる。
【0036】
操作受付部132における右端表示領域5と左端表示領域6との間には、搬送方向Yを示す矢印の図形45が表示されている。これにより、操作受付部132に表示される原稿画像4の視認性が高まる。
【0037】
なお、本実施の形態では、操作受付部132に右端表示領域5及び左端表示領域6を表示する態様を採用しているが、これに限られず、右端表示領域5と左端表示領域6のいずれか一方を表示する態様を採用してもよい。原稿1Aが予め定められている位置に対して例えば右寄りであると判断する場合には、右端表示領域5のみを表示し、左端表示領域6の表示を省略する態様が考えられる。
【0038】
図5は、動作モードにおける操作受付部132の他の表示例を説明する図である。
図5に示す表示例では、動作モードの操作受付部132が補助画像表示領域7を表示する。かかる補助画像表示領域7は、スキュー量の変化を右端表示領域5及び左端表示領域6の場合に比べて、より具体的に表示するものであり、ゲージ表示の画像が表示される。
なお、補助画像表示領域7は、プレビュー表示である右端表示領域5及び左端表示領域6とともに操作受付部132に表示されるものであるが、補助画像表示領域7のみを操作受付部132に表示してもよい。
【0039】
補助画像表示領域7は、搬送方向Yと交差する方向X(以下、「交差方向X」という)に延びるゲージ71の画像が表示される。ゲージ71には、スキュー量すなわち移動量の変化を確認可能な1mmごとの目盛り線が含まれ、また、移動量が5mmであることを示す「5」という数字も含まれる。なお、数字は、移動量の最大値を示すものであるが、目印としての固定値を示すものとすることも考えられる。
ゲージ71は、交差する方向への移動量を示す目盛りの画像の一例である。「5」は、交差する方向への移動量を示す数字の画像の一例である。
【0040】
さらに説明すると、ゲージ71には、原稿画像の予め定められている部分例えば右端部分等のスキャン開始時の位置を示す「開始時」の線72と、スキャン中における現在の位置を示す「現在」の線73と、が含まれる。また、ゲージ71には、スキャン開始時から現在までの間における最も右側になった「最右」の線74と、最も左側になった「最左」の線75と、が含まれる。かかるゲージ71の表示により、ずれを数値で把握することができる。「開始時」の線72は、搬送中の原稿の読み取りが開始されるときの端部の位置を示す画像の一例であり、「現在」の線73は、読み取り中の端部の位置を示す画像の一例である。
なお、「現在」の線73には、変動し得るものであることを示すための左右方向の矢印がある両矢印も表されている。
【0041】
このように、補助画像表示領域7では、スキャンが行われているときにリアルタイムで表示される場合において、リアルタイムで逐次変化し得る「現在」の線73のほかに、過去の状態を示す線72、74、75が表示される。このため、補助画像表示領域7には、位置ずれのピークが表示される。
【0042】
補助画像表示領域7を表示することで、最大どの位ずれたのかを把握でき、蛇行した場合にもずれの状況をスキャン後に確認することができる。
補助画像表示領域7は少ない表示エリアであり、プレビュー表示とともに操作受付部132の画面に表示しても、小さく表示されることを抑制することができる。
【0043】
なお、プレビュー表示とともに補助画像表示領域7を操作受付部132の画面に表示する場合、スキャン完了後に搬送方向Yとは反対の方向に向けてのタッチ操作を行うことにより、原稿画像の表示部分を反対の方向に戻すスクロール表示を可能にすることも考えられる。かかる場合、「最右」の線74や「最左」の線75に対応する原稿画像の位置で画像が切れているかどうかを把握することができ、再スキャンが必要かどうかを見極めることができる。
補助画像表示領域7に表示されるゲージ71等は、付加画像の一例である。
【0044】
次に、本実施の形態における機能構成を説明する。
図6は、本実施の形態における機能構成を説明するブロック図である。
図6に示す構成例では、画像読み取り装置130は、上述の受光部23及び原稿位置センサ24、25を備えている。
【0045】
情報処理部100Bは、受光部23により生成された原稿画像データ及び原稿位置センサ24、25により検出された原稿位置データを管理する画像管理部81と、画像データ及び原稿位置データを保存するデータ保存部82と、を備えている。
画像管理部81は、原稿画像データ及び原稿位置データをRAM11bに記録する。記録された原稿画像データ及び原稿位置データは、データ保存部82により2次記憶部12に記憶される。
【0046】
また、情報処理部100Bは、プレビュー画像生成部83を備えている。プレビュー画像生成部83は、原稿画像データ及び原稿位置データを用いてプレビュー表示の際に画面に表示されるプレビュー画像を生成する。また、プレビュー画像生成部83は、生成したプレビュー画像を操作受付部132に表示させる。
ここにいうプレビュー画像には、上述した右端表示領域5及び左端表示領域6に表示される画像が含まれ、補助画像表示領域7がある場合の補助画像表示領域7に表示される画像も含まれる。
【0047】
また、情報処理部100Bは、画面操作制御部84を備えている。画面操作制御部84は、操作受付部132に対するユーザの操作が行われたことが検知された場合に表示変更するための制御を行う。すなわち、画面操作制御部84は、プレビュー画像生成部83に表示変更を指示する。プレビュー画像生成部83は、新たなプレビュー画像を生成する。
かかるユーザの操作は、例えば右手の図形31による画面タッチ操作(図4参照)や、上述したスクロール表示を指示する画面タッチ操作等である。また、予め定められている拡大縮小表示を指示する操作も考えられる。
【0048】
なお、画像形成装置100の情報処理部100Bにて画像処理を行う構成を説明したが、これに限られず、サーバ装置200にて画像処理を行うようにしてもよい。
画像形成装置100の情報処理部100Bまたはサーバ装置200は、情報処理装置の一例である。
【0049】
図7は、プレビュー表示が行われる場合の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示す処理例では、原稿1A(図3参照)が搬送されて受光部23によるスキャンが開始されると(ステップ101)、スキャンラインデータ及び原稿端座標データというデータを読み込む(ステップ102)。
原稿端座標データとは、原稿1Aの端部の位置を特定するための原稿端座標(図8に示す原稿端座標1D、1Eを参照)のデータであり、これにより、原稿1Aの読み取り範囲が確定される。また、原稿端座標データにより、右端表示領域5及び左端表示領域6に表示される右端部41及び左端部42(図4参照)が特定される。以下、原稿端座標データを「座標データ」という。
【0050】
ここで、座標データは、原稿画像4のうち右端表示領域5と左端表示領域6に表示される右端部41及び左端部42(図4参照)の範囲を決めるのにも用いられる。
さらに説明すると、右端表示領域5において、右端部41の表示部分401と原稿画像4以外の部分402との左右方向における表示割合を例えば50:50に固定してもよい。かかる場合、左端表示領域6において、左端部42の表示部分403と原稿画像4以外の部分404との左右方向における表示割合を例えば50:50に固定してもよい。
表示部分401、403に対応する原稿1Aの各端部1F、1H(図3参照)は、交差する方向における原稿の端部の一例であり、表示部分402、404に対応する読み取り装置130(図3参照)の部分は、原稿外の領域の一例である。また、かかる表示割合は、交差する方向における原稿の端部と原稿外の領域との比率の一例であり、上述の例えば50:50は、予め定められている値の一例である。
【0051】
かかる固定値は、50:50のほかに、設定により変更可能にしてもよい。例えば60:40等のように表示部分401、403を表示部分402、404よりも大きくして表示割合が異なるようにしてもよい。
また、表示割合を固定値ではなく、変更可能にしてもよい。すなわち、表示割合を予め定められている値のいずれかをユーザが選択することで変更可能にしてもよく、ユーザが数値を入力することにより変更可能にしてもよい。
なお、本実施の形態では、右端表示領域5と左端表示領域6における上述の表示割合は同じであるが、異なる表示割合とすることも考えられる。
【0052】
フローチャートに戻って説明を続ける。読み込んだデータが座標データであるかどうかを判定する(ステップ103)。座標データである場合(ステップ103でYes)、取得した座標データをRAM11bへ保存し(ステップ104)、プレビュー画像生成部83は、絶対値に変換し(ステップ105)、ゲージ71(図5参照)についての画面表示の制御を行う(ステップ106)。その後、後述のステップ110に進む。
【0053】
読み込んだデータが座標データでない場合(ステップ103でNo)、読み込んだデータはラインデータであることから、ラインデータをRAM11bへ保存する(ステップ107)。そして、プレビュー画像生成部83(図4参照)は、左右端表示画像すなわち右端表示領域5と左端表示領域6に表示する右端部41及び左端部42(同図参照)の画像を生成し(ステップ108)、生成した画像を操作受付部132にて表示する(ステップ109)。
【0054】
画像管理部81は、スキャンが終了したかどうかを判定し(ステップ110)、スキャンが終了していない場合(ステップ110でNo)、ステップ102に戻る。スキャンが終了している場合(ステップ110でYes)、一連の処理を終了する。
【0055】
図8及び図9は、ラインデータを基に操作受付部132に表示する画像の生成を説明する図である。より詳細には、図8は、補助画像表示領域7に表示されるゲージ71の生成を説明する図であり、(a)は原稿1A、(b)はゲージ71を示す。また、図9は、右端表示領域5と左端表示領域6に表示される原稿画像4の右端部41と左端部42の生成を説明する図であり、(a)はラインデータ、(b)は左端部42、(c)は右端部41を示す。
【0056】
図8(a)に示すように、座標データとしての原稿1Aの原稿端座標1D、1Eを取得した場合、最初の原稿端座標1DR、1DLにより読み取り範囲1Eが決定される。
そして、図8(b)に示すゲージ71において、最初の原稿端座標1D、1Eにより「開始時」の線72の位置が確定する。
【0057】
また、搬送方向Yに搬送される原稿1Aのスキャンにより、原稿端座標1D、1Eを取得する度に、交差方向Xにおける「現在」の線73が更新される。また、「開始時」の線72とスキャン中に変動する「現在」の線73との比較により、「最右」の線74及び「最左」の線75が変更される。
【0058】
図8(a)に示すように、搬送方向Yに搬送される原稿1Aのスキャンにより、ラインデータLDn及びこれに続くラインデータLDn+1が画像管理部81(図6参照)に送信される。
【0059】
そして、図9(a)に示すように、ラインデータLDn、LDn+1に対して、原稿画像4の右端部41及び左端部42が設定される。設定された右端部41及び左端部42は、同図(b)に示すように、操作受付部132の画面において、右端表示領域5及び左端表示領域6にそれぞれ表示される。言い換えると、操作受付部132の画面には、図9(a)に示す原稿画像4における右端部41と左端部42との間に位置する中間画像部46の表示は省略される。これにより、操作受付部132の画面に右端部41及び左端部42がより大きく表示可能になる。なお、ここにいう中間画像部46は、原稿1Aの中間部1G(図3(a)参照)の画像である。
【0060】
次に、スキャン中に原稿1Aのスキュー量が大きくなった場合に操作受付部132に表示される内容を説明する。
図10は、スキャン中に原稿1Aのスキュー量が大きくなった場合の操作受付部132の表示例を示す図である。
図10に示す表示例は、「原稿の移動量が大きいことを検知しました。」というユーザに対する案内表示が行われる。かかる案内は、スキュー量が予め定められている閾値を超える場合に操作受付部132に表示される。
【0061】
これにより、ゲージ71に表示されるスキュー量すなわち、「最右」の線74や「最左」の線75(例えば図8(b)参照)の位置を確認し、スキャンを中止しスキャンし直すかどうかの判断を行う契機をユーザに与えることができる。
【0062】
図11は、動作モードにおける操作受付部132のプレビュー表示の他の例を説明する図であり、上述した図4に対応するものである。
図11に示す他の例でも、右端表示領域5及び左端表示領域6が表示されている。右端表示領域5は、第1領域5a及び第2領域5bを有し、左端表示領域6は、第1領域6a及び第2領域6bを有する。
【0063】
右端表示領域5の第1領域5aは、最初に読み取られた原稿画像4の右端部41aを表示し、第2領域5bは、その後に読み取られた原稿画像4の右端部41bを表示する。より詳細には、スキャン中において、第1領域5aでは、右端部41aとして前端43を含む同一の画像が表示され続ける固定表示である。その一方で、第2領域5bでは、右端部41bとして、搬送方向Yへの搬送に伴って更新される最新の画像を表示する更新表示である。このため、右端表示領域5において、第1領域5aの右ガイドライン51と第2領域5bの右ガイドライン51は、交差方向Xに関して連続していない。
【0064】
左端表示領域6の第1領域6aは、最初に読み取られた原稿画像4の左端部42aを表示し、第2領域6bは、その後に読み取られた原稿画像4の左端部42bを表示する。
スキャン中において、左端表示領域6は、上述した右端表示領域5の場合と同じである。すなわち、第1領域6aでは、第1領域5aと同じく固定表示であり、また、第2領域6bでは、第2領域5bと同じく更新表示である。
左端表示領域6の左ガイドライン61は、交差方向Xに関し、第1領域6aと第2領域6bとで互いに連続していない。
【0065】
右端表示領域5の第1領域5a及び左端表示領域6の第1領域6aは、最初に読み取られた原稿の部分の原稿画像を表示する領域であり、右端表示領域5の第2領域5b及び左端表示領域6の第2領域6bは、搬送の方向への読み取りに伴う原稿画像を表示する領域である。すなわち、図11に示す表示態様は、最初に読み取られた原稿の部分の原稿画像を表示するとともに、搬送の方向への読み取りに伴う原稿画像を表示する態様の一例である。
【0066】
<付記>
(((1)))
1又は複数のプロセッサを有し、
前記1又は複数のプロセッサは、
搬送機構により搬送中の原稿から読み取った原稿画像を表示部にプレビュー表示する動作モードにおいて、
前記搬送機構による前記原稿画像を、当該搬送機構による搬送の方向と交差する方向における原稿の各端部の間に位置する中間部を省略する態様でプレビュー表示する、
画像処理システム。
(((2)))
前記プレビュー表示の前記態様は、前記原稿画像の前記各端部を含む態様である、
ことを特徴とする(((1)))に記載の画像処理システム。
(((3)))
前記原稿画像の前記各端部を含む態様は、前記交差する方向における原稿の端部と原稿外の領域との比率を予め定められている値で表示する、
ことを特徴とする(((2)))に記載の画像処理システム。
(((4)))
前記予め定められている値は、設定により変更可能である、
ことを特徴とする(((3)))に記載の画像処理システム。
(((5)))
前記プレビュー表示の態様は、前記交差する方向における搬送に伴う原稿の移動を把握するための付加画像が付加される態様である、
ことを特徴とする(((1)))に記載の画像処理システム。
(((6)))
前記付加画像は、前記搬送の方向に延びる線状画像である、
ことを特徴とする(((5)))に記載の画像処理システム。
(((7)))
前記付加画像は、前記交差する方向への移動量を示す目盛りの画像である、
ことを特徴とする(((5)))に記載の画像処理システム。
(((8)))
前記目盛りの画像は、前記搬送中の原稿の読み取りが開始されるときの前記端部の位置を示す画像と、読み取り中の当該端部の位置を示す画像とを含む、
ことを特徴とする(((7)))に記載の画像処理システム。
(((9)))
前記付加画像は、前記交差する方向への移動量を示す数値の画像である、
ことを特徴とする(((5)))に記載の画像処理システム。
(((10)))
前記付加画像は、前記数値が予め定められている閾値を超える場合にユーザに注意を喚起する画像を含む、
ことを特徴とする(((9)))に記載の画像処理システム。
(((11)))
前記プレビュー表示の前記態様は、最初に読み取られた原稿の部分の原稿画像を表示するとともに、前記搬送の方向への読み取りに伴う原稿画像を表示する態様である、
ことを特徴とする(((1)))乃至(((10)))のいずれか1項に記載の画像処理システム。
(((12)))
前記表示部は、読み取りを終えた後に前記原稿画像の表示範囲を変更可能である、
ことを特徴とする(((1)))乃至(((11)))のいずれか1項に記載の画像処理システム。
(((13)))
情報処理装置に、
搬送機構により搬送中の原稿から読み取った原稿画像を表示部にプレビュー表示する動作モードにおいて、
前記搬送機構による前記原稿画像を取得する機能と、
取得した前記原稿画像を、前記搬送機構による搬送の方向と交差する方向における原稿の各端部の間に位置する中間部を省略する態様でプレビュー表示する機能と、
を実現させるプログラム。
【0067】
(((1)))の発明によれば、読み取りの際に読み取り画像の全体を表示する場合に比べ、表示に対するユーザの操作負担を軽減することができる。
(((2)))の発明によれば、プレビュー表示の態様は、各端部を含む態様であるという構成を備えない場合に比べて、ユーザの視認性を向上させることができる。
(((3)))の発明によれば、各端部を含む態様は、交差する方向における原稿の端部と原稿外の領域との比率を予め定められている値で表示する構成を備えない場合に比べて、ユーザの視認性を向上させることができる。
(((4)))の発明によれば、予め定められている値は、設定により変更可能であるという構成を備えない場合に比べて、ユーザの使い易さを向上させることができる。
(((5)))の発明によれば、プレビュー表示の態様は、交差する方向における搬送に伴う原稿の移動を把握するための付加画像が付加される態様であるという構成を備えない場合に比べて、ユーザの視認性を向上させることができる。
(((6)))の発明によれば、付加画像は、搬送の方向に延びる線状画像であるという構成を備えない場合に比べて、原稿のずれを容易に把握することができる。
(((7)))の発明によれば、付加画像は、交差する方向への移動量を示す目盛りの画像であるという構成を備えない場合に比べて、原稿のずれ量を容易に把握することができる。
(((8)))の発明によれば、目盛りの画像は、搬送中の原稿の読み取りが開始されるときの端部の位置を示す画像と、読み取り中の端部の位置を示す画像とを含むという構成を備えない場合に比べて、読み取り開始時の位置とその後の位置の変化を容易に把握することができる。
(((9)))の発明によれば、移動量を数値で把握することができる。
(((10)))の発明によれば、付加画像は、数値が予め定められている閾値を超える場合にユーザに注意を喚起する画像を含む構成を備えない場合に比べて、ユーザの使い易さを向上させることができる。
(((11)))の発明によれば、プレビュー表示の態様は、最初に読み取られた原稿の部分の原稿画像を表示するとともに、搬送の方向への読み取りに伴う原稿画像を表示する態様である構成を備えない場合に比べて、ユーザの視認性を向上させることができる。
(((12)))の発明によれば、表示部は、読み取りを終えた後に原稿画像の表示範囲を変更可能であるという構成を備えない場合に比べて、ユーザの使い易さを向上させることができる。
(((13)))の発明によれば、読み取りの際に読み取り画像の全体を表示する場合に比べ、表示に対するユーザの操作負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0068】
1…画像処理システム、1A…原稿、1F、1H…端部、1G…中間部、4…原稿画像、11a…CPU、26…搬送機構、41、41a、41b…右端部、42、42a、42b…左端部、46…中間画像部、51…右ガイドライン、61…左ガイドライン、71…ゲージ、72、73、74、75…線、132…操作受付部、401、402、403、404…表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11