(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174585
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】吹出口装置
(51)【国際特許分類】
F24F 13/06 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
F24F13/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092482
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】390022666
【氏名又は名称】協立エアテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】重松 拓也
(72)【発明者】
【氏名】木場 隆之
(72)【発明者】
【氏名】南部 健太
【テーマコード(参考)】
3L080
【Fターム(参考)】
3L080BA10
3L080BB01
(57)【要約】
【課題】構造がシンプルで、操作性や作業性などが高い吹出口装置を提供する。
【解決手段】吹出口装置100の角アネモ型吹出口10は、中コーン部材11と、外コーン部材12と、回転軸13により支持されるプレート14と、邪魔板15と、で構成されている。中コーン部材11は、四角筒形状の基端部111と、四角錐台状に拡がった拡径部112と、からなり、外コーン部材12は、中コーン部材11よりも大きく、四角筒形状の基端部121と、四角錐台状に拡がった拡径部122と、拡径部122の下端122b周縁に設けられた額縁部123と、からなり、中コーン部材11の拡径部112の下端112bは、外コーン部材12の額縁部123の下端123bよりも上方に位置するように設けられており、プレート14は、外コーン部材12の額縁部123の下端123bよりも下方に位置するように設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角アネモ型吹出口と、チャンバーと、を有する吹出口装置であり、
前記角アネモ型吹出口は、中コーン部材と、外コーン部材と、回転軸により支持されるプレートと、邪魔板と、で構成され、
前記中コーン部材は、四角筒形状の基端部と、当該基端部と連通する四角錐台状に拡がった拡径部と、からなり、
前記外コーン部材は、前記中コーン部材よりも大きく、四角筒形状の基端部と、当該基端部と連通する四角錐台状に拡がった拡径部と、当該拡径部の下端周縁に設けられた額縁部と、からなり、
前記プレートは、平面視で四角形状であって、前記中コーン部材の中央部に設けられており、
前記邪魔板は、平板状であって、前記中コーン部材の基端部と拡径部との境界部中央に、鉛直姿勢で四辺にそれぞれ設けられており、
前記チャンバーは、空気流入口を有し、下端が開口した箱状の部材であって、当該下端の開口と前記外コーン部材の上端とが連結される態様で設けられており、
前記中コーン部材と外コーン部材は、同芯上に配置されており、
前記回転軸は、一端が、前記プレートの背面に固定され、他端が、同芯上に配置された前記中コーン部材と前記外コーン部材の同芯上となるように前記中コーン部材に設けられて、プレートを回転可能に支持しており、
前記中コーン部材の拡径部の下端は、前記外コーン部材の額縁部の下端よりも上方に位置するように設けられており、前記プレートは、前記外コーン部材の額縁部の下端よりも下方に位置するように設けられていることを特徴とする吹出口装置。
【請求項2】
前記回転軸を介して、通電により前記プレートを回転させる駆動機構を備えた請求項1に記載の吹出口装置。
【請求項3】
前記空気流入口に送風ファンを備えた請求項1に記載の吹出口装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吹き出される空調空気の気流方向を切り替えることができる吹出口装置に関する。
【背景技術】
【0002】
在室者の要望に応じた空調を実現するために、吹き出される空調空気の気流方向を切り替えることができる吹出口装置に関する発明として、特許文献1,2に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1には、吹出口本体1と、吹出口本体1からの吹出気流を放射状に拡散させる風向調整体2と、を備えた天井ディフューザが記載されている(特許文献1の
図1参照)。この天井ディフューザは、風向調整体2(コーン)を吹出口本体1の風孔軸心方向Aに駆動させるモータ3および風向調整体2が風孔軸心方向Aに連続往復・間欠往復するようにモータ3の駆動を制御する制御器7が設けられている。そして、制御器7により、暖房時には風向調整体2を先端方向(吹出方向)に出して、吹出気流が浮力で天井面に滞留せずに床面まで十分に届くように制御している。なお、冷房時は、その逆に制御する(特許文献1の明細書の段落0007,0008、
図3参照)。
【0004】
一方、特許文献2には、気流案内手段より上流側の外側枠体2内周に開口流領域へ突出する気流偏向板4を備えた吹出口装置が記載されている(特許文献2の
図1参照)。この吹出口装置は、外コーン部2aと気流案内手段との間へ進もうとする気流を気流偏向板4で一部偏向させて、気流を外側枠体2の開口領域コーナ部へ導き、斜め下方向へ吹き出させることにより、コーナ部からの斜め吹き出しを実現し得るものである(特許文献2の要約参照)。
また、吹出口装置の中コーン3は、外コーン部2a内側面に対向する四つの傾斜面を拡開状に配置された羽根体3aと、支持部材3bと、羽根体3aを支持部材3bに対し昇降可能に連結する昇降機構3cとを備えている(特許文献2の明細書の段落0019)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-248887号公報
【特許文献2】特開2004-003735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の天井ディフューザは、風向調整体2を風孔軸心方向A、つまり上下方向に昇降させるものであるため、暖房、冷房の切り替え時において、風向調整体2の移動ストロークが長くなるため、移動時間が長くなる。すなわち、気流方向の切替動作に時間がかかる。また、風向調整体2を上下方向に昇降させる必要があるため、気流の吹出方向を切り替えるための構造は複雑なものとなる。
【0007】
また、特許文献2に記載の吹出口装置は、昇降機構3cにより羽根体3aを昇降させるものであるが、所定温度範囲内で周囲の温度変化に応じて全長を変化させる温度感応型アクチュエータを利用するものである(特許文献2の明細書の段落0020)。そのため、暖房または冷房を行わないと、中コーンの羽根体3aを昇降させることはできない。また、こちらも、羽根体3aを上下方向に昇降させる必要があるため、気流の吹出方向を切り替えるための構造は複雑なものとなる。
【0008】
よって、本発明は、構造がシンプルで、操作性や作業性などが高い吹出口装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る吹出口装置は、
角アネモ型吹出口と、チャンバーと、を有する吹出口装置であり、
前記角アネモ型吹出口は、中コーン部材と、外コーン部材と、回転軸により支持されるプレートと、邪魔板と、で構成され、
前記中コーン部材は、四角筒形状の基端部と、当該基端部と連通する四角錐台状に拡がった拡径部と、からなり、
前記外コーン部材は、前記中コーン部材よりも大きく、四角筒形状の基端部と、当該基端部と連通する四角錐台状に拡がった拡径部と、当該拡径部の下端周縁に設けられた額縁部と、からなり、
前記プレートは、平面視で四角形状であって、前記中コーン部材の中央部に設けられており、
前記邪魔板は、平板状であって、前記中コーン部材の基端部と拡径部との境界部中央に、鉛直姿勢で四辺にそれぞれ設けられており、
前記チャンバーは、空気流入口を有し、下端が開口した箱状の部材であって、当該下端の開口と前記外コーン部材の上端とが連結される態様で設けられており、
前記中コーン部材と外コーン部材は、同芯上に配置されており、
前記回転軸は、一端が、前記プレートの背面に固定され、他端が、同芯上に配置された前記中コーン部材と前記外コーン部材の同芯上となるように前記中コーン部材に設けられて、プレートを回転可能に支持しており、
前記中コーン部材の拡径部の下端(中コーン部材の下端)は、前記外コーン部材の額縁部の下端(外コーン部材の下端)よりも上方に位置するように設けられており、前記プレートは、前記外コーン部材の額縁部の下端(外コーン部材の下端)よりも下方に位置するように設けられていることを特徴とする。
【0010】
(1)これにより、ダクトから吹出口装置に供給される空調空気は、空気流入口から「中コーン部材の内側」および「中コーン部材と外コーン部材の間」を通過するが、「中コーン部材の内側」を通過した気流は、邪魔板により空気の流れが遮られない中コーン部材の拡径部の下端の略角方向に案内され、吹出気流は四隅から吹き出す気流となる。
【0011】
(2)また、吹出気流は、この邪魔板により空気の流れが遮られない中コーン部材の拡径部の下端の略角方向に強く案内されるため、プレートが0°の位置にある時は中コーン部材の拡径部の下端の略角方向から吹き出す水平気流が生成され、プレートが45°の位置にある時は中コーン部材の拡径部の下端の略角方向から吹き出す斜め下方向への気流が生成される。
【0012】
(3)なお、プレートは、外コーン部材の額縁部の下端(本説明において、単に「外コーン部材の下端」という場合もある)よりも低い位置に設けられており、また、中コーン部材の拡径部の下端(本説明において、単に「中コーン部材の下端」という場合もある)は、外コーン部材の下端よりも上方に位置するように設けられているため、中コーン部材の下端とプレートとの間に、一定の隙間(空間)を設けることができる。
【0013】
また、吹出口装置は、前記回転軸を介して、通電により前記プレートを回転させる駆動機構を備えた構成であることが好ましい。
【0014】
さらに、吹出口装置は、前記空気流入口に送風ファンを備えた構成であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
(1)本発明に係る吹出口装置によれば、かかる構成により、「中コーン部材の内側」を通過した気流は、邪魔板により空気の流れが遮られない中コーンの拡径部の下端の略角方向に案内され、吹出気流は四隅から吹き出す気流となるため、オフィスのシステム天井に複数の吹出口装置の辺同士が対向するように配置される場合であっても、隣り合う吹出口装置から水平方向に吹き出される気流同士の干渉を抑制し、在室者に与える不快感を軽減させることができる。
【0016】
(2)また、プレートが0°の位置にある時は中コーン部材の拡径部の下端の略角方向から吹き出される気流は水平方向に案内され、プレートが45°の位置にある時は中コーン部材の拡径部の下端の略角方向から吹き出される気流は斜め下方向に案内される。よって、プレートを45°の位置に回転させることにより、例えば、吹出口装置直下の特定ゾーンに向けて空調空気を供給することができ、この特定ゾーン内に居る在室者の要望に応じた空調を実現することができる。
【0017】
(3)なお、プレートは、外コーン部材の下端よりも低い位置に設けられており、また、中コーン部材の下端は、外コーン部材の下端よりも上方に位置するように設けられているため、中コーン部材の下端とプレートとの間に、一定の隙間(空間)を設けることができ、プレートが0°の位置にある場合、「中コーン部材の内側」を通過する気流の勢いを弱めることなく水平方向に吹き出すことができる。
【0018】
このように、本発明に係る吹出口装置は、プレートの回転操作のみで気流方向を切り替えることにより、従来のアネモ型の吹出口装置における切替機構(例えば、特許文献1に記載のコーンを上下移動させる機構)と比較して、手動でプレートを回転させる場合は操作が容易であり、プレートを回転させるための駆動機構を設ける場合はシンプルな構造とすることができるため、構造がシンプルで、操作性や作業性などが高い吹出口装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る吹出口装置の実施形態を示す図であり、吹出口装置の概略側面図である。
【
図6】システム天井に、複数の本発明に係る吹出口装置が、辺同士が対向するように配置された構成において、各吹出口装置から吹き出された気流を床面から見上げた場合のイメージ図である。
【
図7】
図6に示す構成において、各吹出口装置から吹き出された気流を側面から見た場合のイメージ図である。
【
図8】システム天井に、複数の従来の吹出口装置が、辺同士が対向するように配置された構成において、各吹出口装置から吹き出された気流を床面から見上げた場合のイメージ図である。
【
図9】
図8に示す構成において、各吹出口装置から吹き出された気流を側面から見た場合のイメージ図である。
【
図10】
図2に示す概略底面図において、プレートを45°回転させた例を示す図である。
【
図13】システム天井に、複数の本発明に係る吹出口装置が、辺同士が対向するように配置された構成において、プレートを45°回転させた各吹出口装置から吹き出された気流を床面から見上げた場合のイメージ図である。
【
図14】
図10に示す構成において、各吹出口装置から吹き出された気流を側面から見た場合のイメージ図である。
【
図15】外コーン部材の下端とプレートとの位置関係について説明するための図である。
【
図16】外コーン部材の下端とプレートとの位置関係について説明するための図である。
【
図17】本発明に係る別の吹出口装置の実施形態を示す図であり、駆動機構および送風ファンを備えた実施形態を示す図である。
【
図18】
図17のD-D一部省略断面図であり、(i)はプレートが
図2に示す位置にある時、(ii)はプレートが
図10に示す位置にある時のカムおよびリミットスイッチの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
【0021】
[吹出口装置100]
本発明に係る吹出口装置100の構成を、
図1~5を参照して説明する。
吹出口装置100は、角アネモ型吹出口10と、チャンバー20と、チャンバー20の上端に設けられた空気流入口21と、空気流入口21に設けられたネック30と、を有する(
図1参照)。
【0022】
[角アネモ型吹出口10]
角アネモ型吹出口10は、中コーン部材11と、外コーン部材12と、回転軸13により支持されるプレート14と、邪魔板15と、で構成されている(
図3参照)。
【0023】
中コーン部材11は、四角筒形状の基端部111と、基端部111と連通する四角錐台状に拡がった拡径部112と、からなるものである。
本実施形態において、中コーン部材11の基端部111の上端111t(本説明において、単に「中コーン部材11の上端11t」という場合もある)開口は、正方形である(
図3,5参照)。そして、中コーン部材11の基端部111は四角筒形状であるため、中コーン部材11の基端部111の下端も、上端111t開口と同じ形状である。
また、本実施形態において、中コーン部材11の拡径部112は正四角錐台である。
【0024】
一方、外コーン部材12は、四角筒形状の基端部121と、基端部121と連通する四角錐台状に拡がった拡径部122と、拡径部122の下端122b周縁に設けられた額縁部123と、からなるものである。なお、外コーン部材12は、中コーン部材11よりも一回り大きい(
図3参照)。
本実施形態において、外コーン部材12の基端部121の上端121t(本説明において、単に「外コーン部材12の上端12t」という場合もある)開口は、正方形である(
図3,5参照)。また、外コーン部材12の基端部121は四角筒形状であるため、外コーン部材12の基端部121の下端も、上端121t開口と同じ形状である。
【0025】
プレート14は、平面視または底面視で四角形状であって、中コーン部材11の中央部に設けられている(
図2,3,5参照)。本実施形態において、プレート14は正方形である。
【0026】
邪魔板15は、平板状であって、中コーン部材11の基端部111と拡径部112との境界部中央に、鉛直姿勢で設けられている(
図3参照)。また、邪魔板15は、中コーン部材11の上端11t開口の四辺にそれぞれ、邪魔板15a,15b,15c,15dと計4つ設けられている(
図2,3,5参照)。本実施形態において、邪魔板15a~15dは、中コーン部材11の基端部111に取り付けられている(
図3参照)。
【0027】
[チャンバー20、ネック30]
チャンバー20は、空気流入口21を有し、下端が開口した箱状の部材であって、外コーン部材12の上端12tに設けられている(
図3参照)。また、空気流入口21は、空調空気をチャンバー20内に取り込むための開口部であり、本実施形態において、チャンバー20は上端に空気流入口21を有している。
そして、チャンバー20の上端にある空気流入口21にはネック30が設けられており(
図3参照)、ネック30には、空調空気を吹出口装置100に供給するダクト(図示せず)が接続される。よって、ネック30およびダクトを備えた構成の場合、ダクトからの空調空気がネック30を介して、空気流入口21からチャンバー20内に供給される。
【0028】
[各構成の位置関係などについて]
中コーン部材11と外コーン部材12は、同芯上(軸60上)に配置されている(
図3参照)。よって、「中コーン部材11の内側」と「中コーン部材11と外コーン部材12の間」に、それぞれ空調空気の流路が形成される。
この時、ネック30に接続されるダクトから供給される空調空気は、空気流入口21から「中コーン部材11の内側」および「中コーン部材11と外コーン部材12の間」を通過する。ここで、「中コーン部材11の内側」を通過した気流を気流81、「中コーン部材11と外コーン部材12の間」を通過した気流を気流82と区別する(
図3参照)。
【0029】
気流81は、中コーン部材11の拡径部112の下端112bから吹き出されるが、邪魔板15a~15dにより辺方向の吹き出しは遮られるため(
図2,3参照)、邪魔板15a~15dにより空気の流れが遮られない中コーン部材11の拡径部112の下端112bの略角方向に強く案内される(
図2,4参照)。
【0030】
一方、気流82は、辺方向および略角方向を含む全方向に対して、斜め下方向に向かう気流である(
図2~4参照)。
【0031】
そして、気流81の方が、気流82よりも風量が多く支配的となるため、吹出口装置100から吹き出される空調空気は、これらが合成されて略角方向に吹き出される気流(
図6,7に破線で示す合成気流83)となる。
【0032】
また、回転軸13は、一端13aが、プレート14の背面(チャンバー20を向いた面)に設けられており、他端13bが、同芯上に配置された中コーン部材11と外コーン部材12の同芯上(軸60上)となるように、中コーン部材11の上端11tに取り付けられた平面視で十字形状の固定部材151の中央に設けられて、プレート14を回転可能に支持している(
図5参照)。
【0033】
これにより、回転軸13が回転すると、プレート14は水平方向に回転する。また、吹出口装置100においては、プレート14は手動で回転させる構成としており、突起部材46と、突起部材46と当接する当接部材47により、回転軸13(プレート14)の回転角度を0°から45°に規制している(
図5参照)。本実施形態において、突起部材46は回転軸13に取り付けられた棒(ストッパー)であり、当接部材47は中コーン部材11内に設けられた板材である。
【0034】
このような構成により、手動でプレート14を回転させる際、予め設定された角度(0°から45°の範囲)で回転軸13(プレート14)の回転をストップさせることができるので、後述するように、吹出口装置100の下端の四隅から斜め下方(
図13,14参照)へ均等に空調空気を吹き出すことができる。
【0035】
また、プレート14が回転する際、設定された角度(0°または45°)以外の角度(中途半端な位置)で回転がストップしないため、意匠性を向上させることができる。なお、
図2に示す回転軸13は、プレート14の回転を説明するために便宜上記載しているものであり、実際は見えない(
図10についても同じ)。
【0036】
中コーン部材11の拡径部112の下端112b(本説明において、単に「中コーン部材11の下端11b」という場合もある)は、外コーン部材12の額縁部123の下端123b(本説明において、単に「外コーン部材12の下端12b」という場合もある)よりも上方に位置するように設けられている。
本実施形態において、中コーン部材11の下端11bと外コーン部材12の下端12bとの距離d11は、9mmである(
図3参照)。
【0037】
また、プレート14は、外コーン部材12の下端12bよりも下方に位置するように設けられている。
本実施形態において、外コーン部材12の下端12bとプレート14との距離d12は、4mmである(
図3参照)。
【0038】
そのため、本実施形態において、中コーン部材11の下端11bとプレート14との距離d10は、13mmである(
図3参照)。
【0039】
また、本実施形態において、邪魔板15の幅s10は、50mmである(
図3参照)。そして、邪魔板15の下端15eとプレート14との距離d13は、8mmである(
図3参照)。この邪魔板15の幅s10は、後述するプレート14が45°の位置にある時に、中コーン部材11の下端11b開口の四隅から吹き出される空気の通路(気流通路)を邪魔しない程度の幅である。
【0040】
なお、中コーン部材11の上端11t開口のサイズは、本実施形態では150mm×150mmである。つまり、中コーン部材11の上端11t開口の一辺の長さs21は、150mmである(
図5参照)。
一方、中コーン部材11の下端11b開口のサイズは、本実施形態では210mm×210mmである。つまり、中コーン部材11の下端11b開口の一辺の長さs20は、210mmである(
図2参照)。
【0041】
また、外コーン部材12の上端12t開口のサイズは、本実施形態では207mm×207mmである。つまり、外コーン部材12の上端12t開口の一辺の長さs31は、207mmである(
図5参照)。
一方、外コーン部材12の下端12b開口のサイズは、本実施形態では265mm×265mmである。つまり、外コーン部材12の下端12b開口の一辺の長さs30は、265mmである(
図2参照)。
【0042】
そして、本実施形態において、プレート14の一辺の長さs40は140mmであるため(
図2参照)、プレート14のサイズは140mm×140mmである。
【0043】
[吹出口装置100の動作]
(1.プレートの位置について)
次に、本発明に係る吹出口装置100の動作を、さらに
図6~14を参照して説明する。なお、既に説明した構成と同じ構成については、図面に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、一般的なオフィスのシステム天井では、照明との取り合いや見栄えなどの問題から、吹出口装置は、複数の吹出口装置の辺同士が対向するように配置されることが多い。そのため、以下、複数の吹出口装置が、このようにシステム天井70に配置されて使用されるものとして説明する(
図6参照)。
【0044】
(1-1.プレートが0°の位置にある時)
本説明において、吹出口装置100のプレート14が
図2に示す位置にある時を、プレート14が0°の位置にある時(回転していない時)という。
前述したように、吹出口装置100から吹き出される空調空気は、気流81と気流82とが合成されて合成気流83となり、吹出口装置100の下端の四隅から吹き出す水平気流となる(
図6,7参照)。
【0045】
それに対して、従来の角アネモ型の吹出口装置はこのような邪魔板15が存在しないため、従来の角アネモ型の吹出口装置300から吹き出される空調空気は、中コーン部材の下端の略辺方向に案内され、吹出気流は略辺方向から吹き出す水平気流となる(
図8参照)。
【0046】
そのため、同様の配置で、従来の角アネモ型の吹出口装置300を用いて冷房運転を行う場合、吹出気流は天井面に沿う水平気流となるように設定されるが、吹出口装置300の配置によっては、隣り合う吹出口装置300から水平方向に吹き出される気流同士が干渉し(
図8に示す「干渉気流84」参照)、そのまま下方(床面71方向)に向かってしまうため(
図9参照)、この下方に向かった干渉気流84の先に居る在室者に不快感を与えてしまうおそれがある。
【0047】
一方、本発明に係る吹出口装置100は、吹出気流は角アネモ型吹出口10の略角方向から室内に吹き出されるため(
図6参照)、複数の吹出口装置100の辺同士が対向するように配置された場合であっても、隣り合う吹出口装置100から水平方向に吹き出される気流同士の干渉を抑制し、在室者に与える不快感を軽減させることができる(
図7参照)。
加えて、複数の吹出口装置100から吹き出される気流同士の干渉を抑制することができるため、室内における吹出気流が届かないスペースを減少させ、室内を一様に空調することができる。
【0048】
(1-2.プレートが45°の位置にある時)
また、本説明において、吹出口装置100のプレート14が、
図2に示す位置にあった時から45°回転して
図10に示す位置にある時を、プレート14が45°の位置にある時という。
このように、プレートを45°、つまりプレート14の四隅が中コーン部材11の拡径部112の下端112bの四辺の中央部辺りにそれぞれ位置するように回転させることで、中コーン部材11の拡径部112の下端112bの四隅辺りに重なっていたプレート14の四隅が回転移動して、中コーン部材11の下端11b開口の四隅には、吹き出される空気の通路(気流通路85)が形成される(
図10参照)。
【0049】
そして、プレート14を45°回転させても、邪魔板15a~15dが、中コーン部材11の基端部111と拡径部112との境界部中央に、鉛直姿勢で四辺にそれぞれ設けられているため、気流81は、この邪魔板15a~15dにより空気の流れが遮られない拡径部112の下端112bの略角方向に強く案内される(
図10~12参照)。
【0050】
一方、気流82は中コーン部材11の拡径部112と外コーン部材12の拡径部122との位置関係により斜め下に案内され(
図10~12参照)、気流81はプレート14により水平方向に案内された直後に気流通路85により斜め下方向に案内される(
図10,12参照)。
この場合、気流の強さ、および風量ともに気流81の方が支配的となるため、吹出口装置100からの気流82と気流81との合成気流83は、プレート14が0°の位置にある時(
図6,7参照)と比べて、斜め下方向に強く吹き出される吹出気流(
図13,14に破線で示す合成気流83)となる。
【0051】
従って、例えば、吹出口装置100直下の特定ゾーン(本実施形態では1800mm×1800mmのエリア)に向けて空調空気を供給することができ、この特定ゾーン内に居る在室者の要望に応じた空調を実現することができる。
【0052】
(2.各構成の位置関係などによる作用効果について)
続けて、本発明に係る吹出口装置100の各構成の位置関係などによる作用効果について、さらに
図15,16を参照して説明する。
【0053】
(2-1.吹出口装置100について)
前述したように、中コーン部材11の下端11bは、外コーン部材12の下端12bよりも上方に位置するように設けられている。また、プレート14は、外コーン部材12の下端12bよりも下方に位置するように設けられている。
そのため、中コーン部材11の下端11bとプレート14との間に、一定の隙間(空間)を設けることができる。本実施形態において、この一定の隙間(距離d10)は13mmである(
図2参照)。
よって、吹出口装置100は、プレート14が0°の位置にある時、気流81を水平方向に吹き出すことができる。
【0054】
(2-2.吹出口装置101について)
もし、プレート14が、外コーン部材12の下端12bと同じ高さ、または外コーン部材12の下端12bより上方に位置していると、気流81は、プレート14と衝突して、プレート14が外コーン部材12の下端12bよりも低い位置に設けられる場合よりも、より高い位置で水平方向に吹き出される。
【0055】
例えば、吹出口装置101は、プレート14が外コーン部材12の下端12bと同じ高さに位置する構成となっている(
図15参照)。このような構成とすると、気流81がより高い位置で水平方向に吹き出されるため、外コーン部材12の額縁部123に衝突してしまい、水平方向に案内する成分が弱くなってしまう。
【0056】
(2-3.吹出口装置102について)
吹出口装置101とは反対に、もし、プレート14が外コーン部材12の下端12bよりも極端に下方に位置していると、気流81は、プレート14と衝突した後に水平方向に流動するが、中コーン部材11の拡径部112とプレート14とが離れていることにより、水平方向への案内成分が弱くなる。
【0057】
例えば、吹出口装置102は、プレート14が外コーン部材12の下端12bよりも極端に下方に位置する構成となっている(
図16参照)。このような構成とすると、気流81の水平方向への案内成分が弱くなるため、吹出口装置100と比較すると、気流81はより下方に吹き出される。
【0058】
一方、本発明に係る吹出口装置100は、外コーン部材12の下端12bとプレート14との間隔が適切に設けられているため、気流81が外コーン部材12の額縁部123に衝突することを防いだり、気流81の水平方向への案内成分が弱くなることを防いだりすることができる。
【0059】
(2-4.吹出口装置100について)
さらに、吹出口装置100は、中コーン部材11の下端11bが、外コーン部材12の下端12bよりも上方に位置するように設けられていることにより、中コーン部材11の下端11bとプレート14との間に、一定の隙間(距離d10)を設けることができつつ、プレート14が外コーン部材12の下端12bから極端に下方に位置する構成とならないため、搬送時の破損を防止したり、意匠性を向上させたりすることができる。
【0060】
例えば、中コーン部材11の下端11bが、外コーン部材12の下端12bと同じ高さに位置していると、中コーン部材11の下端11bとプレート14との間に一定の隙間(距離d10、本実施形態では13mm)を設けるために、プレート14は、外コーン部材12の下端12bと同じ高さに位置にする中コーン部材11の下端11bよりもさらに下方に位置するように設ける必要がある。
具体的には、中コーン部材11の下端11bが、外コーン部材12の下端12bと同じ高さに位置する構成とすると、プレート14は、中コーン部材11の下端11b(外コーン部材12の下端12b)よりも13mm下方に位置するように設ける必要がある。
【0061】
そうすると、プレート14は、外コーン部材12の下端12bから極端に下方に位置する構成となってしまい、搬送時などにこの極端に下方に位置した(下方に突出した)プレート14が物にぶつかって、破損してしまうおそれがある。また、見栄えもよろしくない。
【0062】
加えて、邪魔板15の下端15eとプレート14との間に距離d13を設けることで、プレート14が45°の位置にある時においても、プレート14と邪魔板15との隙間から中コーン部材11の下端11b開口の略辺方向へ空調空気を少量吹き出すことができる。よって、冷房時、室内空気が中コーン部材11の下端11b開口の辺の中央付近に触れて、結露が発生することを防止できる。
【0063】
なお、前述したように、プレート14のサイズは、中コーン部材11の上端11t開口のサイズよりも若干小さい寸法である。目安として、中コーン部材11の上端11t開口に対するプレート14の面積の割合を85%~90%とすることで、プレート14が0°の位置にある時は水平方向の気流を生成することができ、プレート14が45°の位置にある時は気流通路85を確保して斜め下方向への気流を生成することができる。
一方、もし、プレート14のサイズを、中コーン部材11の上端11t開口のサイズよりも大幅に小さくすると、プレート14が0°の位置にある時にプレート14に衝突する気流81の量が減少し、水平方向への気流が生成できなくなる。また、反対に大きくすると、プレート14が45°の位置にある時に気流通路85が狭くなり、気流を斜め下方向へ吹き出すことができなくなる。
【0064】
[吹出口装置200]
吹出口装置200は、吹出口装置100の構成に加えて、さらに駆動機構40および送風ファン50を備えている(
図17参照)。
【0065】
[駆動機構40]
駆動機構40は、回転軸13を介して、通電によりプレート14を回転させるものである。
吹出口装置200は、駆動機構40によりプレート14を回転させることができるため、前述したような気流の切り替えを自動で行うことができ、また、所定の制御信号を送るようにすれば遠隔から気流の切り替えを操作することもできる。よって、高所での手動作業(プレート14を回転させる作業)を無くすことができ、また、脚立が無いと届かないような高さに吹出口装置200が配置されている場合であっても、容易かつ安全に気流の切り替えを行うことができる。
【0066】
(1.モーター)
本実施形態において、吹出口装置200は、駆動機構40として、回転軸13を回転させるモーター41を用いている(
図17参照)。また、吹出口装置200は、回転軸13に設けられたカム42と、カム42に係合したリミットスイッチ43と、を備えている。モーター41、カム42、リミットスイッチ43などは、これらをチャンバー20内に設けるための箱状の支持部材44やL字状の支持部材45などにより取り付けられている。
【0067】
駆動機構40としてモーター41を用いる場合、従来のアネモ型吹出口の気流切替は、モーターの回転動作を直線動作に変換させるための機構などが必要となるが、吹出口装置200は、モーター41によりプレートを0°から45°の範囲で回転させるだけなので、複雑な機構を必要としない、シンプルな構造にて気流切替を実現することができる。
また、モーター41が動作する時間、つまりプレート14を回転させて気流を切り替えるまでの時間を短くすることができるので、消費電力の削減およびユーザー(在室者)が満足するような使いやすさを実現することができる。
【0068】
なお、モーター41は、プレート14(およびプレート14を支持する回転軸13)を回転させる機能があればよく、複雑な機能は不要であるため、吹出口装置200内(チャンバー20内)に設置されるモーター41を小型化することができる。よって、モーター41が吹出口装置200内の流路を圧迫せず、圧力損失および騒音の発生を低減することができる。
【0069】
さらに、カム42およびリミットスイッチ43を備えた構成により、回転軸13およびこれに設けられたカム42はモーター41によって回転するが、この時、カム42に係合したリミットスイッチ43の接点が開閉することにより、回転軸13およびカム42が一定角度(例えば、45°)回転したことを検出することができる。
そのため、回転軸13およびカム42が一定角度回転したことを検出した際に、モーター41による回転軸13の回転を止めることで、プレート14を任意の角度(例えば、0°から45°)の範囲で回転させることができる。
【0070】
具体的には、
図18(i)はプレート14が0°の位置にある時、(ii)はプレート14が45°の位置にある時を示す図であるが、
図18(i)に示す状態から、回転軸13およびカム42が矢線方向に一定角度(45°)回転すると、リミットスイッチ43bの接点が閉じ、一定角度回転したことを検出する(
図18(ii)破線枠参照)。この検出を契機として、モーター41による回転軸13の回転を止めることで、プレート14の回転を45°の位置で止めることができる。
【0071】
また、モーター41は、回転方向を正逆に切り替えることができるモーターである。そのため、プレート14の位置を45°から0°に変える場合は、モーター41の回転の方向を切り替えることで、
図18(i)に示す矢線方向とは反対方向に回転軸13およびカム42が回転し、リミットスイッチ43aの接点が閉じ、反対方向に一定角度回転したことを検出したタイミングで(
図18(i)破線枠参照)、モーター41による回転軸13の回転が止められる。
【0072】
(2.ロータリーソレノイド)
また、駆動機構40として、モーター41に代わってロータリーソレノイドを用いることができる。ロータリーソレノイドは、ある角度領域における往復回転運動を行うため、回転軸13を一定の角度領域(例えば、0°から45°)で回転させることができる。ロータリーソレノイドに通電することにより、内蔵されたコイルの電磁力と永久磁石とによりあらかじめ指定された角度(本実施形態においては45°)の回転を行い、電流を遮断しても回転後の位置が保持される。また、ロータリーソレノイドは通電の方向を変えることにより逆回転し、0°の位置に戻ると停止する。
このように、ロータリーソレノイドを用いることで、カム42およびリミットスイッチ43を必要とせずにプレート14の回転角度を設定できるため、装置をより小型化することができる。
【0073】
[送風ファン50]
吹出口装置200は、チャンバー20の上端にある空気流入口21に送風ファン50を備えている(
図17参照)。
このような構成とすることで、ダクトの施工が不要となるため、吹出口装置200をダクトレス空間に設置することができる。その他、空調不要時には、送風ファン50を停止させることで、空調空気の供給を停止させることができるため、在室者の要望により応じた空調を実現することができる。
【0074】
以上のように説明した吹出口装置100,200は本発明に係る吹出口装置を例示するものであり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明の構成は例示したものに限定されない。
例えば、中コーン部材11の下端11b、外コーン部材12の下端12b、およびプレート14の位置関係は、前述したような位置関係の作用効果を奏することができる構成であれば、適宜設計変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明に係る吹出口装置は、プレートの回転のみで気流方向を切り替えることができ、構造がシンプルで、操作性や作業性などが高く、様々な建築物で利用することができるため、産業上有用である。
【符号の説明】
【0076】
10 角アネモ型吹出口
11 中コーン部材
11t 中コーン部材の上端
11b 中コーン部材の下端
111 中コーン部材の基端部
111t 中コーン部材の基端部の上端
112 中コーン部材の拡径部
112b 中コーン部材の拡径部の下端
12 外コーン部材
12t 外コーン部材の上端
12b 外コーン部材の下端
121 外コーン部材の基端部
121t 外コーン部材の基端部の上端
122 外コーン部材の拡径部
122b 外コーン部材の拡径部の下端
123 外コーン部材の額縁部
123b 外コーン部材の額縁部の下端
13 回転軸
13a 回転軸の一端
13b 回転軸の他端
14 プレート
15,15a,15b,15c,15d 邪魔板
15e 邪魔板の下端
151 固定部材
20 チャンバー
21 空気流入口
30 ネック
40 駆動機構
41 モーター
42 カム
43,43a,43b リミットスイッチ
44 箱状の支持部材
45 L字状の支持部材
46 突起部材
47 当接部材
50 送風ファン
60 軸
70 システム天井
71 床面
81 中コーン部材の内側を通過した気流
82 中コーン部材と外コーン部材の間を通過した気流
83 合成気流
84 干渉気流
85 気流通路
100,101,102,200 吹出口装置
300 従来の吹出口装置
d10 中コーン部材の下端とプレートとの距離
d11 中コーン部材の下端と外コーン部材の下端との距離
d12 外コーン部材の下端とプレートとの距離
d13 邪魔板の下端とプレートとの距離
s10 邪魔板の幅
s20 中コーン部材の下端開口の一辺の長さ
s21 中コーン部材の上端開口の一辺の長さ
s30 外コーン部材の下端開口の一辺の長さ
s31 外コーン部材の上端開口の一辺の長さ
s40 プレートの一辺の長さ