(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174621
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】接着加工装置
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20241210BHJP
【FI】
H01L31/04 570
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092537
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】田中 克弥
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA05
5F251BA14
5F251EA05
5F251EA19
(57)【要約】
【課題】車両の部材として好適に採用可能な太陽電池モジュールをより容易に製造可能な技術を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュールの製造に使用可能な接着加工装置であり、粘着面と非粘着面を有する粘着テープの粘着面に配線部材を接着する接着加工装置において、配線部材を載置する配線載置部と、搬送部材を有し、搬送部材は、粘着テープの非粘着面を吸着するテープ吸着部と、配線部材を吸着する配線吸着部を有しており、搬送部材は、テープ吸着部で吸着した粘着テープの粘着面を配線載置部に載置された配線部材に接着させ、配線吸着部によって配線部材の粘着テープからの被接着部分とは異なる部分を吸着し、配線部材及び粘着テープを所定の位置に移動させる構成とする。
【選択図】
図52
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着面と非粘着面を有する粘着テープの前記粘着面に配線部材を接着する接着加工装置であって、
前記配線部材を載置する配線載置部と、搬送部材を有し、
前記搬送部材は、前記粘着テープの前記非粘着面を吸着するテープ吸着部と、前記配線部材を吸着する配線吸着部を有しており、
前記搬送部材は、前記テープ吸着部で吸着した前記粘着テープの粘着面を前記配線載置部に載置された前記配線部材に接着させ、前記配線吸着部によって前記配線部材の前記粘着テープからの被接着部分とは異なる部分を吸着し、前記配線部材及び前記粘着テープを所定の位置に移動させる、接着加工装置。
【請求項2】
前記搬送部材は、前記配線吸着部で前記配線部材の長手方向の中間部を吸着する、請求項1に記載の接着加工装置。
【請求項3】
前記搬送部材は、少なくとも2つのテープ吸着部を有し、
前記2つのテープ吸着部によって2つの粘着テープをそれぞれ吸着し、吸着した2つの粘着テープの粘着面をそれぞれ前記配線部材の長手方向の両端部近傍に接触させ、前記配線吸着部によって前記配線部材の前記2つの粘着テープの接着部分の間を吸着する、請求項2に記載の接着加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを製造する際に用いられる接着加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ルーフやボンネットに太陽電池モジュールを搭載した自動車が発表されている。このような自動車として、例えば、特許文献1に開示された車両がある。
特許文献1に開示された車両は、車両の外装に太陽電池を設置した車両であり、車両の屋根となるルーフ部材(ルーフ部)に後付けで太陽電池を設置している。すなわち、車両のルーフ部材と太陽電池を別途製造し、ルーフ部材の外側(上側)に太陽電池を取り付けている。
【0003】
また、このような車両の他、屋根となるルーフ部材に太陽電池を内蔵させた車両が販売され始めている。すなわち、ルーフ部材として、外側部分が透光性の板状部材で形成され、その内側に太陽電池セルが配され、そのさらに内側にバックシートが配された太陽電池モジュールを採用した車両である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、太陽電池(太陽電池セル)を内蔵させたルーフ部材を実際に製造する場合、車両の屋根を形成することから、外側部分となる透光性の板状部材は、四角形平板状ではなく、湾曲した板状部材であることが好ましい。
そして、板状部材とバックシートの間に複数の太陽電池セルを並べて電気的に接続したセルストリングを配し、封止してルーフ部材を形成する場合、湾曲した板状部材を採用すると、セルストリングは、外側の板状部材に沿って湾曲した姿勢で配される。
【0006】
しかしながら、このような湾曲した姿勢で内蔵されるセルストリングは、湾曲した姿勢となる際に、セル同士の間に介在する配線部材が外れる等することでセル同士の連結が解除されたり、セルが破損したりしないように製造する必要がある。すなわち、通常の平板状の太陽電池モジュールに内蔵されるセルストリングよりも製造が困難となる。
以上のことから、車両のルーフ部材として好適に採用可能な太陽電池モジュール、すなわち、湾曲した板状部材とバックシートの間に複数のセルストリングを封止する太陽電池モジュールをより容易に製造する技術が望まれていた。
【0007】
そこで本発明は、車両の部材として好適に採用可能な太陽電池モジュールをより容易に製造可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、粘着面と非粘着面を有する粘着テープの前記粘着面に配線部材を接着する接着加工装置であって、前記配線部材を載置する配線載置部と、搬送部材を有し、前記搬送部材は、前記粘着テープの前記非粘着面を吸着するテープ吸着部と、前記配線部材を吸着する配線吸着部を有しており、前記搬送部材は、前記テープ吸着部で吸着した前記粘着テープの粘着面を前記配線載置部に載置された前記配線部材に接着させ、前記配線吸着部によって前記配線部材の前記粘着テープからの被接着部分とは異なる部分を吸着し、前記配線部材及び前記粘着テープを所定の位置に移動させる、接着加工装置である。
【0009】
本様相によれば、粘着テープの粘着面を配線部材に接着し、配線部材及び粘着テープを所定の位置に移動させる際、配線部材及び粘着テープが意図せずに落下するという問題の発生を防止(抑制)可能であり、太陽電池モジュールの製造をより容易化できる。
【0010】
好ましい様相は、前記搬送部材は、前記配線吸着部で前記配線部材の長手方向の中間部を吸着する。
ここでいう「中間部」とは、端部以外の部分であって端部間の部分(端部と端部の間の部分)をいう。
【0011】
好ましい様相は、前記搬送部材は、少なくとも2つのテープ吸着部を有し、前記2つのテープ吸着部によって2つの粘着テープをそれぞれ吸着し、吸着した2つの粘着テープの粘着面をそれぞれ前記配線部材の長手方向の両端部近傍に接触させ、前記配線吸着部によって前記配線部材の前記2つの粘着テープの接着部分の間を吸着する。
ここでいう「両端部近傍」とは、それぞれの端部から5mmまでの範囲をいう。
【0012】
これらの様相によると、粘着テープ及び配線部材が意図せずに落下するという問題の発生をより確実に防止(抑制)可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、車両の部材として好適に採用可能な太陽電池モジュールをより容易に製造可能な技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係るセルストリング製造装置を示すブロック図である。
【
図2】
図1のセルストリング製造装置で製造するセルストリングを示す斜視図である。
【
図3】
図1の配線載置部に属する装置を示す斜視図である。
【
図4】
図3の配線材料供給装置を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【
図6】
図5の位置規制装置において、台部を回転駆動させて位置規制部を移動させる様子を示す説明図であって、(a)~(c)の順で位置規制部が移動する。
【
図7】
図5の位置規制装置の挟持部を示す図であり、(a)は、挟持解除姿勢をとる挟持部の一部を示す斜視図、(b)は、挟持解除姿勢をとる挟持部の一部を示す側面図、(c)は、挟持姿勢をとる挟持部の一部を示す側面図である。
【
図8】
図5の位置規制装置において、移動体部を水平移動させて挟持部を移動させる様子を示す説明図であって、(a)は、挟持部が基準位置に配されている様子を示し、(b)は、挟持部が離間位置に配されている様子を示す。
【
図9】
図5の位置規制装置において、移動体部を水平移動させて挟持部を移動させる様子を示す説明図であって、二つの挟持部が共に基準位置に配されている移動前の様子を示す。
【
図10】
図5の位置規制装置において、移動体部を水平移動させて挟持部を移動させる様子を示す説明図であって、二つの挟持部が共に離間位置に配されている移動後の様子を示す。
【
図11】
図3の配線搬送準備装置を示す斜視図である。
【
図12】
図3の配線搬送準備装置において、第一台形成部が台形成位置まで移動する様子を示す説明図であり、(a)~(c)の順で移動する。
【
図13】
図11の配線保持部が首振り動作を行う様子を示す説明図であり、(a)は、首振り動作の実行前の様子を示し、(b)は、首振り動作の実行後の様子を示す。
【
図15】(a)は、
図14の配線載置部材を示す斜視図であり、(b)は、(a)の支持部をA-A面で切断した様子を示す断面図である。
【
図17】
図3のテープ搬送準備装置を示す斜視図である。
【
図18】
図3のテープ搬送準備装置を示す側面図である。
【
図19】
図17の供給テーブル部を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【
図20】
図17のテープ搬送準備装置がテープ供給動作を実行している様子を示す説明図であり、(a)~(c)の順に実行する。
【
図21】
図17のテープ搬送準備装置の供給テーブル部と剥離補助部材を示す平面図である。
【
図22】
図17のテープ搬送準備装置のテープ持上動作において、剥離補助部材が上昇前の位置に配されている様子を示す図であり、(a)は、供給テーブル部と補助部材本体の周辺を示す斜視図であり、(b)は、(a)の要部を示す側面図である。
【
図23】
図17のテープ搬送準備装置のテープ持上動作において、剥離補助部材が上昇後の位置に配されている様子を示す図であり、(a)は、供給テーブル部と補助部材本体の周辺を示す斜視図であり、(b)は、(a)の要部を示す側面図である。
【
図26】
図25の搬送部の要部を示す図であり、(a)は、先端側から基端側に向かう方向を視線方向とした平面図であり、(b)は、側面図である。
【
図27】
図1の熱処理部の加熱装置を示す斜視図である。
【
図29】
図27の加熱装置の吊棒部の周辺を模式的に示す図であり、(a)は、吊棒部の上端から下端までの周辺を模式的に示す説明図であり、(b)は、吊棒部の下端の周辺を一部破断して模式的に示す説明図である。
【
図30】
図27の加熱装置の一部を示す説明図であり、(a)は自然状態での加熱部材支持部及び加熱部材を示し、(b)は、(a)の状態から加熱部材取付部及び加熱部材を持ち上げた様子を示す。
【
図31】
図27の加熱装置において、加熱部材支持部及び加熱部材が昇降する様子を示す図であり、左図は斜視図、右図は正面図であって、(a)は、加熱部材支持部及び加熱部材が上方に位置する状態を示し、(b)は、加熱部材支持部及び加熱部材が下方に位置する状態を示す。
【
図32】
図27の加熱装置において、加熱部材取付部及び加熱部材が第一方向に沿って揺動している様子を誇張して示す説明図であり、(a)を自然状態の姿勢を示し、(b)は、第一方向の片側が上方となる姿勢を示し、(c)は、第一方向の他方側が上方となる姿勢を示す。
【
図33】
図27の加熱装置において、加熱部材取付部及び加熱部材が第二方向に沿って揺動している様子を誇張して示す説明図であり、(a)は、自然状態の姿勢を示し、(b)は、第二方向の片側が上方となる姿勢を示し、(c)は、第二方向の他方側が上方となる姿勢を示す
【
図34】絶縁テープ貼付工程後の太陽電池セルを示す説明図であり、(a)は、第二太陽電池セルを示し、(b)は、第三太陽電池セルを示し、(c)は、第一太陽電池セルを示す。
【
図35】接着剤塗布工程後の太陽電池セルを示す説明図であり、(a)は、第二太陽電池セルを示し、(b)は、第三太陽電池セルを示し、(c)は、第一太陽電池セルを示す。
【
図36】セル配置工程において、太陽電池セルを並べて配置していく様子を示す説明図である。
【
図37】セル配置工程において、太陽電池セルを並べて形成される第一仕掛セルストリングを示す平面図である。
【
図38】配線形成工程において、位置規制装置の位置規制部が配線材料供給装置に近づいていく様子を示す説明図であり、(a)、(b)の順に近づいていく。
【
図39】配線形成工程において、位置規制装置の位置規制部が配線材料供給装置に近づき、その後に挟持部で配線材料の先端部分を挟持する様子を示す説明図であり、(a)~(c)の順で配線材料の先端部分を挟持する。
【
図40】(a)は、配線形成工程において、位置規制装置が配線部材を配線材料供給装置から離れた位置に搬送する様子を示す説明図であり、(b)は、(a)に続いて位置規制装置の回転台部が回動する様子を示す説明図である。
【
図41】(a)は、
図40(b)の回転台部の回動後の様子を示す説明図であり、(b)は、(a)に続いて行う配線受渡工程において、位置規制装置が配線部材を配線搬送準備装置側に搬送する様子を示す説明図である。
【
図42】配線受渡工程において、位置規制装置の位置規制部が配線搬送準備装置の第一配線保持部に配線部材を受け渡す様子を示す説明図である。
【
図43】配線受渡工程において、位置規制装置の位置規制部が配線保持部に配線部材を受け渡し、配線搬送準備装置から離れた位置に移動する様子を示す説明図であり、(a)~(c)の順で配線部材の受け渡しと位置規制部の移動を実行する。
【
図44】配線受渡工程において、位置規制装置の位置規制部が配線保持部に配線部材を受け渡す様子を示す説明図であり、(a)は、第二配線保持部に配線部材を受け渡す様子を示し、(b)は、第三配線保持部に配線部材を受け渡す様子を示し、(c)は、第四配線保持部に配線部材を受け渡す様子を示す。
【
図45】(a)は、配線搬送準備工程において、複数の配線部材を保持した第一台形成部が搬送準備位置まで移動して待機している様子を示す平面図である。(b)は、(a)の状態の配線搬送準備装置を側方からみた様子を模式的に示す説明図である。(c)は、(b)の状態から配線保持部が非保持状態に移行した後の様子を示す説明図である。
【
図46】配線搬送準備工程において、配線搬送準備装置が保持部退避動作を実行した様子を示す説明図である。
【
図47】
図14の配線載置装置の配線載置部材に配線部材を載置した様子を示す図であり、(a)は、斜視図、(b)は、平面図である。
【
図48】
図14の配線載置装置の配線載置部材上でテープ付配線部材が形成された様子を示す図であり、(a)は、斜視図、(b)は、平面図である。
【
図49】配線搬送工程において搬送装置のハンド部が配線部材を保持している様子を示す図であり、(a)は、ハンド部周辺を示す斜視図であり、(b)は、保持機構部をハンド部の先端側からみた様子を示す底面図である。
【
図50】テープ供給動作を実行して被覆テープを搬送待機位置まで移動させて剥離し易い姿勢とする様子を示す説明図であり、(a)~(c)の順に被覆テープを搬送待機位置まで移動させて剥離し易い姿勢とする。
【
図51】
図50に続いて剥離し易い姿勢とした被覆テープを搬送装置のハンド部で保持しようとする様子を示す説明図である。
【
図52】テープ付配線搬送工程において搬送装置のハンド部がテープ付配線部材を保持している様子を示す図であり、(a)は、ハンド部周辺を示す斜視図であり、(b)は、保持機構部をハンド部の先端側からみた様子を示す底面図である。
【
図53】第二仕掛セルストリングを示す平面図である。
【
図54】加熱工程において、加熱装置によって導電性接着部を加熱しようする様子を示す図であり、(a)は、斜視図、(b)は、加熱部材が下方に移動した状態での加熱部材とテープ付配線部材の位置関係を示す説明図である。
【
図55】
図2のセルストリングの一部を拡大し、被覆テープの下側部分を透過して示す説明図であり、連結補強テープを省略して示す。
【
図56】上記した実施形態とは異なる実施形態に係る配線載置部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はテープ付配線部材を載置した状態の配線載置部材を示す平面図であって被覆テープを透過して示す。
【
図57】上記した各実施形態とは異なる実施形態に係る配線載置部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はテープ付配線部材を載置した状態の配線載置部材を示す平面図であって被覆テープを透過して示す。
【
図58】上記した各実施形態とは異なる実施形態に係る配線載置部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はテープ付配線部材を載置した状態の配線載置部材を示す平面図であって被覆テープを透過して示す。
【
図59】上記した各実施形態とは異なる実施形態に係る配線載置部材を示す図であり、左図は斜視図、右図はテープ支持部の周辺を拡大して示す断面図であって、(a)は、テープ支持部を配置時姿勢とした様子を示し、(b)は、テープ支持部を持上時姿勢とした様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
本発明の実施形態に係るセルストリング製造装置1(セル連結体製造装置)は、
図1で示されるように、絶縁体貼付部2、接着剤塗布部3、接着剤検査部4、セル配置部5、配線載置部6、熱処理部7、連結補強部8を有する。また、このセルストリング製造装置1は、各部に属する各装置(詳しくは後述する)の動作を制御する制御装置(図示しない)を有する。
【0017】
本実施形態のセルストリング製造装置1は、太陽電池モジュール製造装置の一部として機能するものであり、複数の太陽電池セル200を連結してセルストリング201(太陽電池セルの連結体、
図2参照)を形成する。そして、このセルストリング製造装置1によって形成されるセルストリング201は、車両の屋根部分(ルーフ部材)として機能する太陽電池モジュールに好適に採用できる。
つまり、本実施形態のセルストリング製造装置1は、車両の屋根部分(ルーフ部材)として機能する太陽電池モジュール製造装置に好適に採用できる。
【0018】
なお、太陽電池モジュール製造装置(図示しない)について詳細に説明しておくと、太陽電池モジュール製造装置は、セルストリング製造装置1(セルストリング製造部)と、積層体形成部(図示しない)と、ラミネート部(図示しない)を有する。そして、セルストリング製造装置1でセルストリング201を製造し、積層体形成部で主に透光性基板、封止材、セルストリング201、封止材、バックシートを含んで形成する積層体を形成する。このとき透光性基板は、車両の屋根を形成する部分であり、湾曲した形状の基板とする。そして、ラミネート部で積層体に加熱、加圧等を実施してラミネートし、太陽電池モジュールを形成する。
【0019】
絶縁体貼付部2は、図示しないコンベヤ装置、作業用ロボット、絶縁テープ供給装置を含んで構成される部分であり、太陽電池セル200に絶縁テープ(保護テープ)を張り付ける絶縁テープ貼付工程を実施する部分である(詳しくは後述する)。
【0020】
接着剤塗布部3は、図示しないコンベヤ装置、作業用ロボット、接着剤供給装置を含んで構成される部分である。この接着剤塗布部3は、太陽電池セル200に接着剤を塗布する接着剤塗布工程(塗布工程)を実施する部分である(詳しくは後述する)。
【0021】
接着剤検査部4は、図示しないコンベヤ装置、作業用ロボット、検査装置を含んで構成される部分である。この接着剤検査部4は、接着剤塗布工程が正常に実施されたか否かを判別する接着剤検査工程を実施する部分である。例えば、検査装置としてカメラを採用し、接着剤が塗布された部分を撮影した後、画像解析を実行する等することで、接着剤が正しく塗布されているか否かを判別する判別動作を実行する。
【0022】
セル配置部5は、図示しないコンベヤ装置、作業用ロボットを含んで構成される部分である。このセル配置部5は、隣り合う太陽電池セル200の一部同士が重なるように複数の太陽電池セル200を並べるセル配置工程を実施する部分である(詳しくは後述する)。
【0023】
配線載置部6は、セル配置工程によって並べられた複数の太陽電池セル200に対して配線部材235を載置する配線載置工程を実施する部分である(詳しくは後述する)。
熱処理部7は、太陽電池セル200に塗布された接着剤の上に配線部材235及び被覆テープ240(粘着テープ)を配した状態で接着剤を加熱する加熱工程を実施する部分である(詳しくは後述する)。
連結補強部8は、図示しないコンベヤ装置、作業用ロボット、絶縁テープ供給装置を含んで構成される部分であり、複数の太陽電池セル200によって構成される連結体に絶縁テープ(連結補強テープ250)を貼り付ける連結補強工程を実施する部分である(詳しくは後述する)。
【0024】
続いて、配線載置部6、熱処理部7についてさらに詳細に説明する。
【0025】
配線載置部6は、
図3で示されるように、配線材料供給装置10と、位置規制装置11と、配線搬送準備装置12と、配線載置装置13と、テープ搬送準備装置14と、搬送装置15(搬送部材)とを有する。
なお、本実施形態の配線載置部6は、
図3で示されるように、複数(二つ)のテープ搬送準備装置14を有しているが、一つのテープ搬送準備装置14を有する構成としてもよく、3以上のテープ搬送準備装置14を有する構成としてもよい。配線載置部6に属する他の装置についても同様に、一つに限らず複数有する構成としてもよい。
【0026】
なお、配線材料供給装置10と、位置規制装置11と、配線搬送準備装置12と、搬送装置15とが、配線材料26を加工して配線部材235(
図40等参照)を形成し、配線部材235を所定位置まで搬送する配線部材の加工装置(配線部材形成装置)として機能する。
また、テープ搬送準備装置14と、搬送装置15とが、粘着テープを繰り出し、所定位置まで搬送する粘着テープの供給装置として機能する。
さらに、配線載置装置13と、テープ搬送準備装置14と、搬送装置15とが、被覆テープ240(粘着テープ)の粘着面に配線部材235を接着する接着加工装置として機能する。
【0027】
配線材料供給装置10は、
図4で示されるように、供給装置本体部22(配線供給部)と、切断装置23(切断部)を有する。
供給装置本体部22は、内部に配線材料26の大部分を収容する収容空間22aを有しており、収容空間22aと外部を連通する供給開口部22bを有している。
ここで、配線材料26は、導電性を有する金属で形成され、且つ、扁平で帯状に延びた編線(配線部材)を芯部材に巻いてロール状にした巻回体である。そして、この配線材料26を所定の長さとなるように切断して加工することで配線部材235(
図40等参照)が形成される。配線材料26及び配線部材235は、メッシュ構造(網目)を有し、反り易く、曲がり易いものとなっている。つまり、配線部材235は、可撓性を有し、撓んで一時的な変形が可能なものであって、幅方向と長さ方向に自由度を有する。
【0028】
また、供給装置本体部22の内部には、配線材料26の先端側部分(長さ方向の片側端部側の部分)を繰り出す繰出装置(図示しない)を有する。そして、この繰出装置により、配線材料26の先端側部分が供給開口部22bから外部に繰り出される。
【0029】
切断装置23は、刃部23aを有しており、図示しない動力源によって刃部23aを上下動させるものである。刃部23aは、供給開口部22bの近傍に配されている。そして、配線材料26の一部が供給装置本体部22の内外に亘って延びた状態で、刃部23aが上下方向に移動することで配線材料26が切断され、配線材料26の先端側部分が基端側部分から切り離される。
【0030】
位置規制装置11は、
図5で示されるように、規制装置本体部30(本体部)と、第一位置規制部31(位置規制部)と、第二位置規制部32(位置規制部)を有している。
【0031】
規制装置本体部30は、回転自在に配設された平板状の台部30aと、台部30aを回転駆動させる回転機構部30bを有する。すなわち、規制装置本体部30は、ターンテーブル(回転台部)として機能するものであり、台部30aが縦軸L1回りに回転する。そして、台部30aが回転することで、台部30a上に配された第一位置規制部31の全体及び第二位置規制部32の全体が一度に移動する(
図6参照、詳しくは後述する)。
【0032】
第一位置規制部31は、
図5で示されるように、挟持部35と、設置台部36と、挟持部35と及び設置台部36を水平移動させる規制側駆動機構部37を有する。
【0033】
挟持部35は、
図7(a)で示されるように、対となる第一挟持片部40及び第二挟持片部41と、挟持本体部42とを有する。
第一挟持片部40は、立板状の挟持板部45と、基端側摺動体46を有しておりこれらが一体に取り付けられている。
【0034】
挟持板部45の内側部分は、上側部分と下側部分が外側に向かって窪んでおり、上下方向の中途部分が上側部分及び下側部分よりもより内側に張り出た形状となっている。
つまり、挟持板部45は、内側部分に、上側窪み部45a、中間張出部45bと、下側窪み部45cを有する。なお、上側窪み部45aは、下側窪み部45cよりも大きく窪んだ部分となっており、挟持板部45は、上側部分が最も薄く、中途部分が最も太く、下側部分が中途部分よりもやや薄くなるように形成されている。
【0035】
基端側摺動体46は、平面視形状が略T字状となる部分であり、摺動体本体46aと、摺動体本体46aから突出する立板状の取付板部46bが一体に形成されている。
【0036】
摺動体本体46aは、一部が挟持本体部42に形成された溝内に嵌入され、溝内を移動する摺動片である。
【0037】
取付板部46bは、挟持本体部42側から挟持板部45側に向かう方向に突出している。詳細には、取付板部46bの突出方向は、縦軸L1に直交する方向であって、縦軸L1に対する径方向となる(
図5、
図6等参照)。なお、縦軸L1に対する径方向とは、平面視において縦軸L1(規制装置本体部30の中心部分)を中心とする仮想円(図示しない)の径方向でもある。
取付板部46bは、
図7(a)で示されるように、挟持板部45に取り付けられる部分である。本実施形態では、取付板部46bの内側面が挟持板部45の外側面の上側部分に添え当てられた状態で、取付板部46bに挟持板部45が取り付けられている。
【0038】
第二挟持片部41は、第一挟持片部40と同形の部材となるので、詳細な説明を省略する。
【0039】
本実施形態の挟持部35は、
図7(b)、
図7(c)で示されるように、第一挟持片部40、第二挟持片部41がそれぞれ挟持本体部42に対して相対移動可能となっている。詳細には、第一挟持片部40、第二挟持片部41は、それぞれの挟持板部45の内側部分同士が向き合うように配されており、それぞれが挟持板部45の厚さ方向に移動可能となっている。つまり、それぞれの挟持板部45を互いに近づく方向に移動させる動作と、それぞれの挟持板部45を互いに離れる方向に移動させる動作とが可能となっている。
【0040】
つまり、挟持部35は、第一挟持片部40と第二挟持片部41の挟持板部45同士が離間する挟持解除姿勢(
図7(b)参照)と、挟持板部45同士が離間する挟持姿勢(
図7(c)参照)との間で姿勢変更が可能となっている。
挟持解除姿勢では、第一挟持片部40の挟持板部45の内側端部(中間張出部45b)と、第二挟持片部41の挟持板部45の内側端部(中間張出部45b)とが離間する。その一方で挟持姿勢では、挟持板部45の内側端部同士が近接した状態(挟持解除姿勢に比べて内側端部同士が互いに近接した状態)となる。
【0041】
本実施形態の挟持部35は、挟持姿勢をとるとき、2つの中間張出部45bの下方側に挟持空間部48が形成される。挟持空間部48は、第一挟持片部40の下側窪み部45cにおける底面(内側面)と、第二挟持片部41の下側窪み部45cにおける底面(内側面)との間に形成される空間であり、2つの挟持片部の先端側(
図7(c)の手前側)に開口を有し、基端側に向かって延びる空間である。なお、2つの挟持片部の先端側は、縦軸L1に対する径方向の外側端部側(
図6等参照)でもある。この挟持空間部48は、設置台部36上に形成され、下側部分が設置台部36によって閉塞される。
【0042】
なお、本実施形態では、挟持姿勢において2つの中間張出部45bの内側面同士の間に微細な隙間が形成される構成としたが、これに限るものではない。例えば、挟持姿勢としたとき、2つの中間張出部45bの内側面同士が面接触する構成としてよい。また、二つの挟持片部の一方のみが移動可能とする構成としてもよい。
【0043】
設置台部36は、
図5、
図6で示されるように、挟持部35が載置される平板状の部分である。すなわち、挟持部35は、設置台部36上に配されている。ここで、本実施形態では、
図7で示されるように、二つの挟持板部45の下面が設置台部36の上面と面接触している。そして、挟持板部45が移動するとき、すなわち、挟持解除姿勢と挟持姿勢の間で姿勢変更するとき、二つの挟持板部45が面接触した状態を維持しつつ移動している。
【0044】
規制側駆動機構部37は、
図5で示されるように、移動体部37aと、駆動機構本体部37bとを有している。そして、移動体部37aは、駆動機構本体部37bに対して相対移動可能な状態で取り付けられている。詳細には、規制側駆動機構部37は、移動体部37aが水平移動自在に設けられており、駆動機構本体部37bの駆動源から供給される動力によって移動体部37aを水平移動させることが可能なものである。
ここで、移動体部37aには、設置台部36が取り付けられており、上記したように、設置台部36に挟持部35が取り付けられている。言い換えると、移動体部37aに設置台部36を介して挟持部35が取り付けられている。したがって、
図8で示されるように、移動体部37aを水平移動させることで、移動体部37aと共に挟持部35、設置台部36が水平移動する。
【0045】
より詳細には、移動体部37aは、
図5、
図8で示されるように、縦軸L1に対する径方向(
図8における左右方向)に水平移動可能であり、水平方向と平行であって縦軸L1から離れる方向への移動と、水平方向と平行であって縦軸L1に近づく方向への移動が可能である。なお、縦軸L1に対する径方向は、平面視で縦軸L1に直交する方向でもある。したがって、挟持部35、設置台部36もまた、移動体部37aと同方向への移動が可能となっている。
すなわち、移動体部37a上の挟持部35は、縦軸L1に近い基準位置から、縦軸L1から離れた離間位置までの移動が可能であり、且つ、離間位置から基準位置までの移動が可能となる。
【0046】
第二位置規制部32は、挟持部35、設置台部36、規制側駆動機構部37を有する第一位置規制部31と同様(又は略同様)の部材であり、重複する詳細な説明を省略する。
【0047】
ここで、本実施形態の位置規制装置11では、
図5、
図6で示されるように、第一位置規制部31と、第二位置規制部32とが互い逆向きとなるように配されており、縦軸L1の周方向に並設されている。言い換えると、位置規制装置11は、平面視において、規制装置本体部30の中心部分を中心とする仮想円の周方向に離れた位置にそれぞれ配されている。
そして、第一位置規制部31、第二位置規制部32は、いずれも挟持部35の先端側(第一挟持片部40及び第二挟持片部41側)が、縦軸L1に対する径方向で外側を向く姿勢で配されている。
以上のことから、規制装置本体部30の台部30aが縦軸L1回りに回転すると、
図6で示されるように、挟持部35の先端側が縦軸L1に対する径方向で外側を向いたまま、第一位置規制部31及び第二位置規制部32が移動していく。
そして、位置規制装置11では、台部30aが平面視で180度だけ回転移動することで、第一位置規制部31、第二位置規制部32の位置が入れ替わる。なお、このとき、第一位置規制部31と第二位置規制部32が同形(又は略同形)であるので、位置規制装置11の全体形状は同じ(又は略同じ)となる。
【0048】
また、
図9、
図10で示されるように、第一位置規制部31の挟持部35と、第二位置規制部32の挟持部35とが共に基準位置から離間位置まで水平移動すると、二つの挟持部35が縦軸L1に対する径方向で互いに離れた方向に移動することとなる。また、二つの挟持部35が共に離間位置から基準位置まで水平移動すると、縦軸L1に対する径方向で互いに近づく方向に移動することとなる。
つまり、挟持部35は、円弧状又は円状の移動軌跡を描いて縦軸L1回りの周方向に移動する旋回移動と、基準位置から離間位置まで直線状の移動軌跡を描いて移動する直線移動が可能となっている。そして、旋回移動と直線移動のいずれの状態においても、挟持部35の先端側が縦軸L1に対する径方向で外側を向いた状態となる。
【0049】
配線搬送準備装置12は、
図11で示されるように、第一台形成部55(搬送部)と、第二台形成部56を有している。そして、
図12で示されるように第一台形成部55は、水平方向に移動自在に形成され、第二台形成部56に対して相対移動することが可能となっている。
【0050】
第一台形成部55は、平板状の第一台形成片部60と、4つの配線保持部61(第一配線保持部61a乃至第四配線保持部61d)を有する。
【0051】
第一台形成片部60は、
図11で示されるように、平面視形状が略四角形状となる平板状の部分である。詳細には、第一台形成片部60は、平面視形状が略長方形状であり、長手方向が第一台形成部55の移動方向と同方向(
図12の左右方向)であり、幅方向が長手方向及び上下方向と直交する方向であり、厚さ方向が上下方向となっている。
【0052】
配線保持部61は、
図13で示されるように、延設部63と、連結部64と、ノズル部65とを有する。
延設部63は、第一台形成片部60から上方に延びる部分であり、下側の土台部63aと、上側の柱状部63bとが連続して形成される部分である。土台部63a、柱状部63bは、いずれも概形が略円柱状であり、土台部63aの径が柱状部63bの径よりも大きくなっている。
連結部64は、延設部63の上側部分と連続し、側方(水平方向成分を含む方向であり、本実施形態では水平方向)に向かって片持ち状に延びた部分である。
ノズル部65は、連結部64の自由端側の下側部分からさらに下方に向かって延びた管状の部分である。つまり、ノズル部65は、内部に空間を有しており、下側部分(延設方向の先端側部分)に、内部空間と外部とを連通する開口部分(図示しない、以下、吸引口部とも称す)が形成されている。
【0053】
また、ノズル部65の下端部分は、第一台形成片部60の上面よりも上方に離れた位置に形成されており、ノズル部65の下端部分と、第一台形成片部60の上面の間に空隙部66が形成されている。
【0054】
ここで、延設部63、連結部64、ノズル部65は、それぞれ内部空間を有しており、これらの内部空間が連結して一連の空間が形成されている(図示しない)。また、配線搬送準備装置12は、図示しない吸引装置を有しており、延設部63、連結部64、ノズル部65の内部空間が連結した一連の空間が、吸引装置からノズル部65の吸引口部まで連なる吸引経路の少なくとも一部を形成する。
つまり、第一台形成部55の四つの配線保持部61は、いずれもノズル部65の吸引口から対象物を吸引する吸引動作が可能である。本実施形態では、四つの配線保持部61は、第一台形成片部60の長手方向で間隔を空けて直線状に並んだ状態となるように、それぞれ配されている。
【0055】
本実施形態の配線保持部61は、
図13で示されるように、図示しないモータ等の動力源から供給される動力により、縦軸Lα周りに旋回する首振り動作が可能となっている。
ここで、縦軸Lαは、延設部63の各部の横断面の中心部分を通過する仮想線である。
つまり、首振り動作は、延設部63が縦軸Lα周りの周方向に回転することで、延設部63及び連結部64が姿勢変更し、連結部64の先端側(自由端側部分)とノズル部65とが縦軸Lα周りの周方向に移動する動作である。
【0056】
第二台形成部56は、
図11、
図12で示されるように、平板状の第二台形成片部67を有し、四つの台側吸着部68(第一台側吸着部68a乃至第四台側吸着部68d)が設けられている。
【0057】
第二台形成片部67は、平面視形状が略四角形状となる平板状の部分である。詳細には、第二台形成片部67は、平面視形状が略長方形状であり、長手方向が第一台形成部55の移動方向と同方向であり、幅方向が長手方向及び上下方向と直交する方向であり、厚さ方向が上下方向となっている。
【0058】
第二台形成片部67には、
図11、
図12(a)で示されるように、四つの切欠部70が形成されている。なお、
図11では、作図の都合上、一部の切欠部70のみに符号を付し、他への符号を省略する。また、以下の説明においても、同様のものが複数存在する場合、必要に応じて符号を省略する。
切欠部70は、
図11で示されるように、第二台形成片部67の幅方向の片側側面(第一台形成部55側の側面)から他方側側面に向かう方向に延びており、第二台形成片部67を上下方向に貫通している。
【0059】
台側吸着部68は、
図11で示されるように、それぞれの切欠部70と、それぞれの切欠部70の下方に位置する台側吸引部材73によって形成されている。台側吸引部材73は、上側部分に吸引口部を有しており、内部に空間を有する。そして、台側吸引部材73の内部の空間は、吸引口部から図示しない吸引装置まで吸引経路の少なくとも一部を形成する。
したがって、台側吸着部68は、台側吸引部材73の吸引口部から対象物を吸引する吸引動作が可能である。
本実施形態では、台側吸引部材73の上端部分が切欠部70の下端よりも下方に位置しており、吸引口部が切欠部70の下端よりも下方に位置している。しかしながら、これに限らず、台側吸引部材73の少なくとも一部が切欠部70の内部に配されていてもよい。そして、吸引口部は、切欠部70の上端開口(上端部分)よりもやや上方に位置していてもよく、上端開口と同じ高さに位置していてもよく、上端開口よりも下方位置していてもよいが、上端開口と同等以下の高さとなるように配置することがより好ましい。
【0060】
本実施形態では、四つの切欠部70は、
図12(a)で示されるように、第二台形成片部67の長手方向で間隔を空けて直線状に並んだ状態となるように、それぞれ形成されている。したがって、四つの台側吸着部68もまた、第二台形成片部67の長手方向で間隔を空けて直線状に並んだ状態となっている。
【0061】
本実施形態の配線搬送準備装置12では、上記したように第一台形成部55が直線移動する。
具体的には、第一台形成部55は、
図12のように、第二台形成部56から離れた位置であって台側吸着部68で配線部材235を受け取る受取位置(
図12(a)参照)と、第二台形成部56と近接する搬送準備位置(
図12(c)参照)との間で移動可能である。
ここで、本実施形態の受取位置は、第一台側吸着部68aで配線部材235を受け取る位置である第一受取位置(
図42参照)と、第二台側吸着部68bで配線部材235を受け取る位置である第二受取位置(
図43(a)参照)を含む。さらに、第三台側吸着部68cで配線部材235を受け取る位置である第三受取位置(
図43(b)参照)と、第四台側吸着部68dで配線部材235を受け取る位置である第四受取位置(
図43(c)参照)とを含む。
つまり、第一台形成部55は、複数の受取位置のいずれかで待機可能である。また、第一台形成部55は、いずれか一の受取位置から他の受取位置への移動、いずれか一の受取位置から搬送準備位置への移動が可能となる。
【0062】
第一台形成部55が搬送準備位置に配された状態では、
図12(c)で示されるように、平面視において、四つの配線保持部61と、四つの台側吸着部68とが第一台形成片部60及び第二台形成片部67の幅方向(
図12の上下方向)で並んだ状態となる。なお、第一台形成片部60及び第二台形成片部67の幅方向は、第一台形成片部60、第二台形成片部67の並列方向(並び方向)でもある。
詳細には、それぞれの配線保持部61の回転中心(縦軸Lα)と、それぞれの別の台側吸着部68の一部とが、第一台形成片部60、第二台形成片部67の並列方向で並んだ状態となるように配される。
このとき、四つの台側吸着部68は、平面視において、いずれも第一台形成片部60と第二台形成片部67の境界部分と隣接する位置に形成される。また、第一台形成片部60と第二台形成片部67の境界部分は、第一台形成片部60の第二台形成片部67側の側面と、第二台形成片部67の第一台形成片部60側の側面の少なくとも一部同士が面接触する。なお、第一台形成片部60の上面と、第二台形成片部67の上面は同じ(又は略同じ)高さに配される。
【0063】
配線載置装置13は、
図14で示されるように、複数の配線載置部材77(載置部材)を有している。
【0064】
本実施形態の配線載置装置13は、複数の配線載置部材77が行列状に配されており、詳細には、複数の配線載置部材77が平面視で3×4行列状に配されている。配線載置部材77は、外形が略直方体状の部材であり、それぞれの配線載置部材77の幅方向が、行列の行方向と同方向となり、配線載置部材77の長さ方向(長手方向)が行列の列方向と同方向となるように配置されている。
【0065】
配線載置部材77は、
図15(a)で示されるように、配線載置部80と、テープ支持部81(支持部)と、配線吸引部82(吸引部)と、持上補助部83を有する。
【0066】
配線載置部80は、配線載置部材77の幅方向の中心近傍に形成される溝状部分であり、同幅方向で離れた位置に形成される二つの溝縁部80aと、その間に位置する溝形成部80bを有する。配線載置部80の長手方向(延設方向)は、配線載置部材77の長手方向と同方向であり、配線載置部80は、配線載置部材77の長手方向に沿って直線状に延びている。したがって、配線載置部80の幅方向は、配線載置部材77の幅方向と同方向となる。
溝形成部80bは、幅方向の中心側の部分に位置する下方に窪んだ部分である。すなわち、配線載置部80は、幅方向で離れた位置に形成された二つの溝壁部と、二つの溝壁部の下端部分同士をつなぐように溝底部を有する。そして、溝形成部80bは、二つの溝壁部と溝底部によって3方を囲まれている。
【0067】
テープ支持部81は、
図15(a)、
図15(b)で示されるように、複数の突起部81aを有している。本実施形態では、複数の突起部81aが配線載置部材77の長手方向で並んだ状態となるように形成されている。言い換えると、テープ支持部81では、配線載置部材77の長手方向で凸部と凹部が交互に並んだ状態となっている。
【0068】
突起部81aは、配線載置部材77の幅方向と直交する面で切断した断面形状が三角形状(山状)となる突起である。したがって、二つの突起部81aの間に形成される溝は、下方に向かうにつれて狭くなる三角溝状となる。
なお、突起部81aの上下方向の長さ(高さ)は、0.5mm以上2mm以下としている。また、突起部81aの頂点間の距離は、0.5mm以上2.0mm以下としている。なお、ここでいう「突起部81aの頂点間の距離」は、
図15(b)の断面において、一の突起部81aの頂点(上端)から、一の突起部81aと最も近接する他の突起部81aの頂点(上端)までの距離である。
また、本実施形態では、突起部81aの頂点は、溝縁部80aと同じ高さに形成されている。すなわち、溝形成部80bの溝底部よりも高位置に形成される。
【0069】
本実施形態の配線載置部材77は、
図15(a)、
図16で示されるように、二つのテープ支持部81を有しており、二つのテープ支持部81の間に配線載置部80が位置している。すなわち、配線載置部材77の幅方向の一方端側から他方端側に向かって一方のテープ支持部81、配線載置部80、他方のテープ支持部81がこの順で並んでいる。
【0070】
配線吸引部82は、
図15(a)で示されるように、配線載置部80の溝底部に形成された複数の吸引口部と、複数の吸引口部の下方側に配された吸引機構(図示しない)を含んで構成されている。すなわち、本実施形態の配線載置部材77は、配線吸引部82により、配線載置部80の上方にある対象物を配線載置部80側(下方側)に吸引することが可能となる。
なお、配線吸引部82の複数の吸引口部は、配線載置部材77の長手方向で間隔を空けて並んだ状態となるように形成されている。
【0071】
持上補助部83は、
図16で示されるように、テープ支持部81に形成された噴射孔部85と、噴射孔部85の下方側(
図16の奥側)に位置する気体噴射機構(図示しない)を含んで構成されている。すなわち、本実施形態の配線載置部材77は、持上補助部83により、テープ支持部81の上方にある対象物に対して気体を噴射することが可能となっている。本実施形態では、対象物に圧縮空気を噴射する剥離動作が可能である(詳しくは後述する)。
【0072】
本実施形態の配線載置部材77は、第一持上補助部83a、第二持上補助部83bからなる複数(二つ)の持上補助部83を有する。
第一持上補助部83aは、第一噴射孔群87に属する噴射孔部85(以下、第一噴射孔部85aとも称す)と、その下方側に位置する気体噴射機構(図示しない)を含んで構成されている。対して、第二持上補助部83bは、第二噴射孔群88に属する噴射孔部85(以下、第二噴射孔部85bとも称す)と、その下方側に位置する気体噴射機構(図示しない)を含んで構成されている。
【0073】
第一噴射孔部85aは、二つのテープ支持部81にそれぞれ設けられており、詳細には、それぞれのテープ支持部81において、配線載置部材77の長手方向の片側端部よりの位置に複数(三つ)の第一噴射孔部85aが設けられている。
一方のテープ支持部81に形成された第一噴射孔部85aのそれぞれと、他方のテープ支持部81に形成された第一噴射孔部85aのそれぞれとは、配線載置部材77の幅方向で離れた位置に形成されている。また、一つのテープ支持部81に形成された複数の第一噴射孔部85aは、配線載置部材77の長手方向で間隔をかけて並んだ状態となるように形成されている。このとき、一部の第一噴射孔部85aは、
図15(a)で示されるように、一つの突起部81aの一部を上下方向に貫通するように形成されている。また、他の一部の第一噴射孔部85aは、複数(二つ)の突起部81aに跨るように形成され、一方の突起部81aの一部と他方の突起部81aの一部とを上下方向に貫通するように形成されている。
【0074】
第二噴射孔部85bもまた、
図16で示されるように、二つのテープ支持部81にそれぞれ設けられている。詳細には、それぞれのテープ支持部81において、配線載置部材77の長手方向の他方側端部よりの位置に複数(三つ)の第二噴射孔部85bが設けられている。
一方のテープ支持部81に形成された第二噴射孔部85bのそれぞれと、他方のテープ支持部81に形成された第二噴射孔部85bのそれぞれとは、配線載置部材77の幅方向で離れた位置に形成されている。また、一つのテープ支持部81に形成された複数の第二噴射孔部85bは、配線載置部材77の長手方向で間隔をかけて並んだ状態となるように形成されている。このとき、一部の第二噴射孔部85bは、一つの突起部81aの一部を上下方向に貫通するように形成されている。また、他の一部の第二噴射孔部85bは、複数(二つ)の突起部81aに跨るように形成され、一方の突起部81aの一部と他方の突起部81aの一部とを上下方向に貫通するように形成されている。
【0075】
テープ搬送準備装置14は、
図17、
図18で示されるように、供給源装置93(供給源形成部)と、待機テーブル装置94と、剥離補助装置95(剥離補助部)とを有する。
【0076】
供給源装置93は、
図18で示されるように、芯部材に粘着テープを巻いてロール状とした粘着テープ巻回体(図示しない)を所定位置に内蔵又は取付可能なものであり、粘着テープ繰出装置93aと、粘着テープ切断装置93bを有する。
粘着テープ繰出装置93aは、粘着テープ巻回体から粘着テープの先端側部分を繰り出す装置である。
粘着テープ切断装置93bは、繰り出した粘着テープの先端側部分を所定の長さとなるように切断する装置である。すなわち、粘着テープ切断装置93bは、繰り出された粘着テープの先端から所定の長さだけ離れた位置を切断することで、粘着テープの先端側部分を基端側部分から切り離し、所定の長さの粘着テープを形成する。
【0077】
待機テーブル装置94は、略円錐台状の基台形成部94aと、基台形成部94aの上側に位置する供給テーブル部94bとを有する。
【0078】
供給テーブル部94bは、
図19で示されるように、上方から、第一平面部97、第一傾斜面部98(被接着面)、第二平面部99(被接着面)、第二傾斜面部100(被接着面)を有している。そして、供給テーブル部94bの概形は、
図19(b)で示すように、第一平面部97、第一傾斜面部98から構成される厚い略円錐台状の上側部分が、第二平面部99、第二傾斜面部100から構成される薄い略円錐台状の下側部分の上に位置している。
【0079】
第一平面部97は、平面視形状が略円形となる部分であり、上下方向に垂直な面となる供給テーブル部94bの上面(上端面)を形成する部分である。
【0080】
第一傾斜面部98は、平面視において環状(円環状)に連続し、且つ、第一平面部97を囲むように形成されている。この第一傾斜面部98は、
図19(b)で示されるように、下方に向かうにつれて、供給テーブル部94bの上面の径方向で外側に広がるように傾斜している。
【0081】
第二平面部99は、平面視において環状(円環状)に連続し、且つ、第一平面部97及び第一傾斜面部98を囲むように形成されている。この第二平面部99は、供給テーブル部94bの上下方向の中途部分に位置する水平面部分(上下方向に垂直な面)を形成する。
【0082】
第二傾斜面部100は、平面視において環状(円環状)に連続し、且つ、第一平面部97、第一傾斜面部98、及び第二平面部99を囲むように形成されている。この第二傾斜面部100は、下方に向かうにつれて、供給テーブル部94bの上面の径方向で外側に広がるように傾斜している。
【0083】
以上のことから、第二平面部99は、供給テーブル部94bの上面の径方向における内側端部が第一傾斜面部98の下端部と連続し、同径方向における外側側端部が第二傾斜面部100の上端部と連続している。つまり、第一傾斜面部98の下端部と、第二傾斜面部100の上端部は、同径方向で内外にずれた位置にある。
また、第一傾斜面部98の上下方向の長さは、第二傾斜面部100の上下方向の長さよりも長くなっている。
そして、第一傾斜面部98から第二平面部99を経て第二傾斜面部100に至るまでの部分は、二つの異なる傾斜部分が断続して形成される傾斜部分であり、全体として下り勾配となるように傾斜した部分となっている。すなわち、この部分は、供給テーブル部94bの上面の径方向で外側に向かうにつれて下方に向かうように傾斜する。
【0084】
ここで、
図17、
図20で示されるように、供給テーブル部94bは、図示しないモータ等の動力源からの動力により、縦軸L2回りに回転する動作が可能となっている。
縦軸L2は、供給テーブル部94bの各部の横断面の中心部分を通過する仮想線である。すなわち、縦軸L2は、上面の中心を通過する仮想線であり、平面視において供給テーブル部94bを包含する最小包含円(内側にすべてを包含する最小の仮想円、図示しない)の中心を通る仮想線となる。なお、本実施形態では、平面視において供給テーブル部94bを包含する最小包含円は、平面視で円環状に供給テーブル部94bの外縁部分をなぞって形成される仮想円でもある。
したがって、上記した供給テーブル部94bの上面の径方向は、縦軸L2に対する径方向(平面視において縦軸L2を中心とする仮想円の径方向)でもある。
【0085】
詳細には、本実施形態のテープ搬送準備装置14は、
図20で示されるように、テープ供給動作が可能となっている。
テープ供給動作は、搬送前の粘着テープを供給テーブル部94bに貼り付ける動作であり、本実施形態のテープ供給動作は、複数の搬送前の粘着テープを貼り付けることが可能である。
【0086】
すなわち、テープ搬送準備装置14では、供給源装置93から繰り出された粘着テープの先端側が供給テーブル部94b(縦軸L2に対する径方向で第一傾斜面部98から第二傾斜面部100に至るまでの部分)に貼り付けられる。そして、粘着テープの先端側が供給テーブル部94bに貼り付けられた状態で、供給源装置93が粘着テープの先端側から離れた位置を切断する。このことにより、所定の長さの粘着テープが形成されると共に、形成された粘着テープが供給テーブル部94bに貼り付けられた状態となる。
【0087】
このとき、粘着テープは、縦軸L2に対する径方向で内側に位置する部分が供給テーブル部94bに貼り付けられる共に、径方向で外側に位置する部分は、供給テーブル部94bと接触しない状態となる。つまり、粘着テープの径方向で外側に位置する部分が自由端となるように(浮いた状態となるように)、粘着テープが供給テーブル部94bに片持ち状に貼り付けられた状態となる。
そして、粘着テープが片持ち状に貼り付けられた後、供給テーブル部94bが縦軸L2回りに回転することで、粘着テープが所定位置まで搬送される。
【0088】
本実施形態では、テープ供給動作で複数の粘着テープを片持ち状に供給テーブル部94bに貼り付ける場合、粘着テープを片持ち状に貼り付けた後、供給テーブル部94bを縦軸L2回りに回転させる動作を繰り返す。すなわち、一つ目の粘着テープを片持ち状に貼り付け、その後に供給テーブル部94bを縦軸L2回りに回転させ、二つ目の粘着テープを片持ち状に貼り付け、その後に供給テーブル部94bを縦軸L2回りに回転させる。以下同様に、三つ目の粘着テープを片持ち状に貼り付け、その後に供給テーブル部94bを縦軸L2回りに回転させる・・・、といった具合である。
【0089】
剥離補助装置95は、
図17で示されるように、剥離補助部材105と、昇降機構部106を有する。
【0090】
剥離補助部材105は、補助部材本体105aと、棒状に延びた延設部材105bを有する。
補助部材本体105aは、粘着テープの粘着面を対象とし、対象物を上方に押し上げる(詳しくは後述する)押上部材として機能する部分であり、下方側の塊状部分と、塊状部分の上側からさらに上方に突出する突起状部分を有する。塊状部分は、延設部材105bの先端に取り付けられる部分であり、突起状部分は、上側部分が延設部材105bの上面よりも上方に位置するように突出している。
また、補助部材本体105aの外表面は、粘着テープの粘着面が貼り付かない(又は、極めて貼りつき難い)非粘着面となっている。本実施形態における補助部材本体105aの外表面は、ブラスト加工等によって表面に微細な凹凸を形成し、凹凸形状を残すように凹部に樹脂を埋め込んで形成している。この非粘着面は、「JIS Z 1522 セロハン粘着テープ」に準拠した粘着テープを使用し、「JIS Z 0237 粘着テープ・粘着シートの試験方法」の試験片に対して90°に引きはがす試験方法に準拠する方法で特定される非粘着性が1.6N/10mm未満であることが好ましく、0.08N/10mm未満であることがより好ましく、0.01N/10mm未満であることがさらに好ましい。本実施形態では、0.01N/10mm未満としている。
なお、ここでいう「非粘着面」とは、粘着テープの粘着面の貼り付きを阻害するように加工された面であり、粘着テープの粘着面が完全に貼り付かないものに限らず、一定以上の非粘着性を有する面(粘着テープを引き剥がす際の引き剥がし力が一定未満となる面)を含む。したがって、例えば、180°剥離させる際に粘着テープを0.5N/cm以下の力で剥がしたときに粘着テープが剥離する面とすることも考えられる。
【0091】
さらに、補助部材本体105aは、
図21で示されるように、平面視で縦軸L2に対する径方向外側に向かって窪む補助部材側凹部108を有する。補助部材側凹部108は、平面視において、供給テーブル部94bと縁部分に沿うように延びており、供給テーブル部94bの縁部分と近接する。
【0092】
延設部材105bは、一部が欠落した略四角棒状の部材であり、本実施形態では、水平方向に延びている。
【0093】
昇降機構部106は、
図17で示されるように、昇降機構部本体106aと、昇降部材106bとを有している。昇降部材106bは、
図22、
図23で示されるように、図示しないモータ等の動力源から供給される動力によって昇降可能に形成されている。言い換えると、昇降部材106bは、昇降機構部本体106aに対して相対移動可能であり、上下方向に移動する。
【0094】
ここで、剥離補助部材105は、昇降部材106bに取り付けられている。詳細には、延設部材105bの長手方向の片側端部であり、補助部材本体105aが取り付けられている端部とは逆側となる端部側の部分が、昇降部材106bに取り付けられている。
つまり、剥離補助部材105は、昇降部材106bに片持ち状に取り付けられ、自由端側となる先端側に補助部材本体105aが位置する。
【0095】
そして、テープ搬送準備装置14は、
図22、
図23で示されるように、剥離補助部材105を昇降させるテープ持上動作が可能となっている。すなわち、剥離補助部材105は、下方側に位置する持上待機姿勢(
図22参照)と、上方側に位置する持上時姿勢(
図23参照)との間で姿勢変更が可能となる。
【0096】
剥離補助部材105が持上待機姿勢をとるとき、補助部材本体105aの上端部分は、第二傾斜面部100の下端よりも下方に位置する(
図22参照)。
対して、剥離補助部材105が持上時姿勢をとるとき、補助部材本体105aの上端部分は、第二傾斜面部100の下端よりも上方に位置する(
図23参照)。
【0097】
搬送装置15は、
図24で示されるように、搬送装置本体部110と、搬送装置本体部110によって支持される搬送手段111を有する。本実施形態の搬送装置15は、第一搬送手段111aと、第二搬送手段111bから構成される二つ(複数)の搬送手段111を有している。
【0098】
搬送手段111は、ハンド部115と、ハンド部115を移動自在に操作する多関節のアーム部116とを有している。このことから、本実施形態の搬送装置15は、ハンド部115の全体を三次元方向に移動可能である。
【0099】
ハンド部115は、
図25で示されるように、複数(四つ)の保持機構部118(第一保持機構部118a乃至第四保持機構部118d)を有しており、複数の保持機構部118が並んだ状態に配されている。なお、以下のハンド部115の説明において、特に断りのない限り、アーム部116側を基端側とし、その逆側を先端側とする。
【0100】
保持機構部118は、
図25、
図26で示されるように、搬送側配線保持部121(持ち上げ部、配線吸着部)と、搬送側テープ保持部122(剥離吸着部、テープ吸着部)を有する。詳細には、本実施形態の保持機構部118は、第一搬送側テープ保持部122aと、第二搬送側テープ保持部122bからなる複数(二つ)の搬送側テープ保持部122を有している。
【0101】
搬送側配線保持部121は、略直方体状の基台部121aと、基台部121aから先端側に突出する配線保持側突出部121bを有している。配線保持側突出部121bは、基台部121aの長手方向の中途部分から突出している。このため、搬送側配線保持部121は、搬送側テープ保持部122側からみた側面視形状で略凸字状を呈する。
【0102】
配線保持側突出部121bは、
図25、
図26(a)で示されるように、先端側に保持溝部125が設けられている。保持溝部125は、基端側に窪んだ溝であり、直線状に延びている。この保持溝部125は、配線部材235の一部が略丁度嵌入される溝となっている(
図49等参照)。
【0103】
ここで、搬送側配線保持部121は、搬送側配線吸引部127を有する。搬送側配線吸引部127は、保持溝部125の溝底部分に形成された吸引口部と、図示しない吸引装置を含んで構成されており、吸引口部から吸引装置までの間に形成される吸引経路を有する。このことから、本実施形態の保持機構部118は、吸引口部から配線部材235を基端側に吸引する吸引動作が可能である。
【0104】
搬送側テープ保持部122は、
図25、
図26(a)で示されるように、吸盤部材129と、テープ吸引部130を有する。
吸盤部材129は、対象物(粘着テープ)の平面に吸着するように構成されている。すなわち、吸盤部材129は、ゴムや合成樹脂等の弾性材料から形成され、
図25、
図26(b)で示されるように、先端側に開口したドーム状(基端側に凸となる椀状)の部材となっている。また、吸盤部材129は、
図25、
図26(a)で示されるように基端側の部分に吸引孔部133が設けられている。
吸引孔部133は、吸盤部材129の先端側部分を対象物の平面に接触された状態において、吸盤部材129内の空間と外部とを連通する孔である。
【0105】
テープ吸引部130は、吸引孔部133の先端側開口である吸引口部と、図示しない吸引装置を含んで構成されており、吸引口部から吸引装置までの間に形成される吸引経路を有する。このことから、本実施形態の保持機構部118は、吸盤部材129の先端側部分を対象物と接着させ、吸引口から吸盤部材129内の空気を吸引することで、負圧によって対象物を吸着する吸着動作が可能となっている。
【0106】
本実施形態の保持機構部118は、
図26(a)で示されるように、二つの搬送側テープ保持部122の間に搬送側配線保持部121が位置している。詳細には、先端側からみた平面視において、二つの吸盤部材129(吸引孔部133)の間に保持溝部125が位置している。
すなわち、保持溝部125の長手方向の片側端部から同長手方向で一方側に離れた位置に、一方の搬送側テープ保持部122(吸盤部材129)が位置する。また、保持溝部125の長手方向の他方側端部から同長手方向で他方側に離れた位置に、もう一方の搬送側テープ保持部122(吸盤部材129)が位置する。言い換えると、一方の搬送側テープ保持部122と、搬送側配線保持部121と、他方の搬送側テープ保持部122とが、保持溝部125の長手方向で間隔を空けて並んでいる。
【0107】
熱処理部7は、
図27で示されるように、加熱装置138を有する。
加熱装置138は、加熱装置本体140と、加熱対象搬送部141を有する。
【0108】
加熱装置本体140は、加熱部材150と、加熱部材支持部151と、加熱部材昇降装置152とを有する。
【0109】
加熱部材150は、平板状の加熱プレートとして機能するヒータであり、下面が加熱対象と接触する加熱面(接触面)となる部材である。つまり、加熱部材150は、外形が略長方形平板状(略直方体状)となる電熱ヒータであって、発熱部を有し、発熱部が発熱することで加熱面が所定温度まで昇温する。
【0110】
加熱部材支持部151は、
図28で示されるように、支持部材160と、吊棒部161と、加熱部材取付部162を有する。
本実施形態では、一つの加熱部材支持部151が、一つの支持部材160と、四つの吊棒部161と、二つの加熱部材取付部162を有しており、一つの支持部材160に二つの加熱部材取付部162が取り付けられている。このとき、二つの加熱部材取付部162は、それぞれが二つの吊棒部161を介して支持部材160に取り付けられている。
なお、本実施形態では、一つの支持部材160に対して二つの加熱部材取付部162を取り付ける構成としたが、一つの支持部材160に対して一又は三以上(複数)の加熱部材取付部162を取り付ける構成としてもよい。また、二つの吊棒部161を介して一つの加熱部材取付部162を取り付ける構成としたが、一又は三以上(複数)の吊棒部161を介して取り付ける構成としてもよい。
【0111】
支持部材160は、
図28で示されるように、加熱部材昇降装置152側に位置する基端側部160aと、基端側部160aから水平方向成分を含む方向に突出する支持板部160bを有する。
基端側部160aは、外形が上下に延びる略直方体状の部分であり、加熱部材昇降装置152の一部(移動体部材152b)に一体に取り付けられる部分である。
支持板部160bは、基端側部160aから突出する四角形平板状の部分であり、基端側部160aから片持ち状に延設されている。なお、本実施形態の支持板部160bは、基端側の一部が他部よりも厚くなるように形成されている。
【0112】
支持板部160bには、吊棒部161の一部を挿通する挿通孔部168(
図30(b)参照)が形成されている。詳細には、支持板部160bは、
図28で示されるように、複数(四つ)の当接部169を有する。当接部169は、支持板部160bの上面の一部から上方に突出(隆起)する略直方体状の突出部(隆起部)である。そして、挿通孔部168は、それぞれの当接部169の上端から支持板部160bの下端までを貫通する孔となっている(
図30(b)参照)。
【0113】
吊棒部161は、
図29で示されるように、上下方向の延びる丸棒状の部材であり、上方から順に上側係合部161aと、中間部161bと、下側係合部161cを有する。すなわち、吊棒部161の長手方向の片側端部側(上端側部分)に上側係合部161aが形成され、他方端部側(下端側部分)に下側係合部161cが形成され、これらの間に中間部161bが位置する。
【0114】
上側係合部161aは、略円柱状の部分であり、中間部161bよりも太い(径が大きい)部分となっている。
中間部161bは、略円柱状の部分であり、上側係合部161aよりも細い部分となっている。すなわち、上側係合部161aの外周面(側面)と、中間部161bの側面とは段差を介して連続している。
下側係合部161cは、中間部161bの下側に位置する塊状の部分であり、加熱部材取付部162の内部空間である取付部内空間171に配される(
図29(b)参照)。
【0115】
加熱部材取付部162は、
図30(a)等で示されるように、外形が略直方体状の取付台座部162aと、取付台座部162aの上側に形成された突起状部162bとが一体に形成されている。本実施形態の加熱部材取付部162は、複数(二つ)の突起状部162bを有しており、それぞれ上方に向かって突出する略直方体状の部分となっている。
【0116】
ここで、加熱部材取付部162は、
図29(b)で示されるように、加熱部材取付部162(突起状部162b)内に取付部内空間171を有する。すなわち、加熱部材取付部162は、少なくとも突起状部162bの内部に中空の部分を有する。
そして、加熱部材取付部162は、取付部内空間171と外部を連通する取付部連通孔172を有する。取付部連通孔172は、
図29、
図30(a)等で示されるように、突起状部162bの上面に開口を有し、上下方向に延びる孔である。本実施形態の加熱部材取付部162は、
図30(a)等で示されるように、複数(二つ)の取付部連通孔172を有し、それぞれの取付部連通孔172の開口は、それぞれ別の突起状部162bの上面に形成されている。
【0117】
加熱部材昇降装置152は、
図28で示されるように、昇降装置本体部152aと、移動体部材152bを有している。移動体部材152bは、昇降装置本体部152aに対して相対移動可能に形成された板状の部分であり、昇降装置本体部152aの駆動源から供給される動力によって上下方向に水平移動する。
【0118】
本実施形態の加熱装置本体140は、
図31で示されるように、加熱部材昇降装置152の移動体部材152bに支持部材160が取り付けられている。このため、移動体部材152bが昇降することで、加熱部材支持部151の全体と、加熱部材支持部151(加熱部材取付部162)に取り付けられた加熱部材150が昇降する。
【0119】
さらに、本実施形態では、吊棒部161によって加熱部材取付部162と加熱部材150とが吊り下げられており、加熱部材取付部162及び加熱部材150が上方に移動可能な状態となっている。すなわち、
図30で示されるように、吊棒部161や、加熱部材取付部162及び加熱部材150を上側に持ち上げることで、これらが上方に移動可能な状態となっている。
詳細に説明すると、
図30(a)で示されるように、支持部材160が上方に位置しているとき、自然状態では、加熱部材取付部162及び加熱部材150の自重によって2つの吊棒部161に下方側へ向かう力が加わる。すなわち、吊棒部161の下側係合部161cと取付部内空間171の上側部分とが係合しており(
図29(b)参照)、下側係合部161cに下方へ向かう力が加わることで、吊棒部161に下方側へ向かう力が加わる。
【0120】
ここで、
図30で示されるように、吊棒部161の中間部161bが挿通孔部168に略丁度嵌入可能な大きさであるのに対し、上側係合部161aは、挿通孔部168を通過できない大きさとなっている。このため、吊棒部161に対して下方側に力が加わることで、上側係合部161aの下面が当接部169の上面に当接する(
図30(a)参照)。このことにより、吊棒部161の下方側への移動が阻止される。
【0121】
すなわち、吊棒部161は、上側係合部161aの下面が当接部169の上面に当接した状態から上方に移動可能であり、上側係合部161aの下面が当接部169の上面から上方に離れた状態から下方に移動可能となっている。言い換えると、吊棒部161は、支持部材160に対して相対移動可能であり、所定の範囲内で上下方向に移動可能となるように取り付けられている。
【0122】
さらに、本実施形態では、
図29で示されるように、吊棒部161の中間部161bの径が取付部連通孔172の径よりも小さく、中間部161bが取付部連通孔172に遊嵌された状態となっている。また、
図29(b)で示されるように、吊棒部161の下側係合部161cは、取付部連通孔172を通過不能な大きさ(及び又は形状)に形成されており、下側係合部161cの大きさ(体積)が取付部内空間171の大きさ(容積)に対して十分に小さくなっている。
以上のことから、2つの吊棒部161に対して加熱部材取付部162及び加熱部材150が様々な方向に相対移動可能に取り付けられている。
【0123】
すなわち、加熱部材取付部162及び加熱部材150は、下側係合部161cの下側部分が取付部内空間171の下側の壁面(図示しない)と当接するまで吊棒部161に対して上方に移動させることが可能となっている。また、下側係合部161cの下側部分が取付部内空間171の下側の壁面と当接した状態から吊棒部161に対して下方に移動させることが可能となっている。つまり、吊棒部161に対して所定の範囲内で上下方向に移動可能となるように取り付けられている。
さらに、中間部161bが取付部連通孔172に遊嵌されており、加熱部材取付部162及び加熱部材150は、水平方向(上下方向の直交する方向)の各方向に移動可能となっている。
ここで、上下方向と直交する方向であって、且つ、支持板部160bの下方側での加熱対象物の搬送方向と平行となる方向を第一方向X1とし、上下方向及び第一方向X1と直交する方向を第二方向Y1とする(
図27参照)。このとき、加熱部材取付部162及び加熱部材150は、第一方向X1成分と、第二方向Y1成分の少なくとも一方を持つ方向へ移動可能となる。
以上のことから、加熱部材取付部162及び加熱部材150は、第一方向X1に沿う方向で揺動自在であり(
図32参照)、且つ、第二方向Y1に沿う方向で揺動自在(
図33参照)となるように吊棒部161に対して取り付けられている。
【0124】
すなわち、加熱部材取付部162及び加熱部材150は、
図32で示すように、第一方向X1の片側端部が他方側端部よりも高位置となる姿勢(
図32(b)参照)と、第一方向X1の他方側端部が片側側端部よりも高位置となる姿勢(
図32(c)参照)との間で姿勢変更が可能である。言い換えると、第一方向X1の片側端部と他方側端部とが逆向きに上下するように揺動可能である。
さらに、加熱部材取付部162及び加熱部材150は、
図33で示すように、第二方向Y1の片側端部が他方側端部よりも高位置となる姿勢(
図33(b)参照)と、第二方向Y1の他方側端部が片側側端部よりも高位置となる姿勢(
図33(c)参照)との間で姿勢変更が可能である。言い換えると、第二方向Y1の片側端部と他方側端部とが逆向きに上下するように揺動可能である。
このように、加熱部材取付部162及び加熱部材150は、一又は複数個所が他の部分に対して高位置となるようにぐらつきを許容して取り付けられており、さまざまな方向に傾いた姿勢をとることが可能となっている。
【0125】
加熱対象搬送部141は、
図27で示されるように、搬送台部141aと、レール部141bを有し、搬送台部141aがレール部141b上を走行可能となっている。すなわち、搬送台部141aは、水平方向(水平方向成分を含む方向)に移動する。
レール部141bは、少なくとも一部が支持板部160bの下方側となる位置に配されている。すなわち、搬送台部141aの走行経路は、支持板部160bの下方側となる位置を含む。なお、本実施形態の搬送台部141aの走行経路は、直線状の経路であり、走行経路の中途部分に支持板部160bの下方側となる位置が含まれる。
【0126】
搬送台部141aは、走行経路の各部で待機することが可能となっている。つまり、搬送台部141aは、一部が支持板部160bの下方側に配された状態で待機した後、走行経路の下流側に走行し、他の一部が支持板部160bの下方側に配された状態で待機する、といった動作が可能である。
【0127】
続いて、本発明の実施形態に係るセルストリング製造装置1(
図1参照)において、セルストリング201を形成する手順について説明する。
【0128】
まず、絶縁体貼付部2において、太陽電池セル200に絶縁テープを張り付ける絶縁テープ貼付工程を実施する。
本実施形態のセルストリング201は、
図2で示されるように、第一太陽電池セル200aと、第二太陽電池セル200bと、第三太陽電池セル200cとを並べて形成されている。
第一太陽電池セル200aは、セルストリング201のうち、太陽電池セル200の並び方向で片側端部側の部分に配される太陽電池セル200である。
第二太陽電池セル200bは、セルストリング201のうち、太陽電池セル200の並び方向で他方端部側の部分に配される太陽電池セル200である。
第三太陽電池セル200cは、セルストリング201のうち、太陽電池セル200の並び方向の両端部分の間の中途部分に配される太陽電池セル200である。
なお、本実施形態では、
図2で示されるように、セルストリング201の長さ方向(太陽電池セル200の並び方向)は、それぞれの太陽電池セル200の幅方向(
図34の上下方向)となっている。また、セルストリング201の幅方向(平面視でセルストリング201の長さ方向と直交する方向)が、それぞれの太陽電池セル200の長さ方向(
図34の左右方向)となっている。
【0129】
太陽電池セル200は、
図34で示されるように、片側端子部210と、他方側端子部211を有している。片側端子部210と他方側端子部211は、一方が正極であり、他方が負極であって、互いに異極となる。
【0130】
本実施形態の太陽電池セル200は、片側端子部210として、第1端子部210a、第2端子部210b、第3端子部210c、第4端子部210dから構成される複数の(四つ)の端子部を有する。すなわち、これら四つの端子部は同極である。
そして、複数の片側端子部210は、太陽電池セル200の長さ方向で間隔を空けて並んだ状態となるようにそれぞれ形成されている。それぞれの片側端子部210は、太陽電池セル200の厚さ方向を視線方向とした平面視において略四角形状の領域となっており、それぞれの領域の大きさは同一である。
他方側端子部211は、片側端子部210から太陽電池セル200の幅方向で離れた位置に形成されている。他方側端子部211は、太陽電池セル200の厚さ方向を視線方向とした平面視において、太陽電池セル200の幅方向に細長い略長方形状の領域となる。
【0131】
絶縁テープ貼付工程では、
図34(c)で示されるように、第一太陽電池セル200aに第一保護テープ215と、第二保護テープ216を張り付ける。
第一保護テープ215、第二保護テープ216は、厚さ方向の片側部分(片側主面)に粘着面を有し、他方側部分(他方側主面)に非粘着面を有する粘着テープであり、耐熱性を有する耐熱テープであり、絶縁性能を有する絶縁テープである。
第一保護テープ215は、四つの片側端子部210と隣接する位置であり、他方側端子部211側とは逆側に隣接する位置に貼り付けられる。本実施形態では、第一保護テープ215は、第一太陽電池セル200aの幅方向の片側端部(片側端部近傍)から他方側端部(他方側端部近傍)に至るまでの部分で延びた状態となるように貼り付けられる。
第二保護テープ216は、他方側端子部211と隣接する位置であり、片側端子部210側に隣接する位置に貼り付けられる。本実施形態では、第二保護テープ216は、第一太陽電池セル200aの幅方向の片側端部(片側端部近傍)から他方側端部(他方側端部近傍)に至るまでの部分で延びた状態となるように貼り付けられる。
【0132】
また、絶縁テープ貼付工程では、
図34(a)で示されるように、第二太陽電池セル200bに第一保護テープ215を張り付ける。第二太陽電池セル200bでは、第一保護テープ215は、四つの片側端子部210と隣接する位置であり、他方側端子部211側に隣接する位置に貼り付けられる。
さらに、絶縁テープ貼付工程では、
図34(b)で示されるように、第三太陽電池セル200cに第一保護テープ215を張り付ける。第三太陽電池セル200cでは、第一太陽電池セル200aと同様に、四つの片側端子部210と隣接する位置であり、他方側端子部211側とは逆側に隣接する位置に貼り付けられる。
絶縁テープ貼付工程が終了すると、太陽電池セル200が絶縁体貼付部2から接着剤塗布部3に搬送される。
【0133】
続いて、接着剤塗布部3において、太陽電池セル200に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を実施する。
接着剤塗布工程では、
図35で示されるように、太陽電池セル200の複数の片側端子部210(第1端子部210a乃至第4端子部210d)のそれぞれに導電性接着剤を塗布する。このことにより、太陽電池セル200に導電性接着剤が塗布された部分である片側導電性接着部220が形成される。詳細には、第1片側接着部220a(第1導電性接着部)、第2片側接着部220b(第2導電性接着部)、第3片側接着部220c、第4片側接着部220dから構成される複数の(四つ)の片側導電性接着部220が形成される。
【0134】
片側導電性接着部220(導電性接着部)は、太陽電池セル200の厚さ方向を視線方向とした平面視において、片側端子部210の領域内に位置する。すなわち、同平面視において、片側導電性接着部220の面積は、片側端子部210の面積よりも小さく、片側端子部210の外郭(他部との境界となる縁部分)の内側に位置する。
【0135】
さらに、太陽電池セル200の他方側端子部211の複数個所に導電性接着剤を塗布する。このことにより、太陽電池セル200に導電性接着剤が塗布された部分である他方側導電性接着部221が形成される。
本実施形態では、他方側導電性接着部221の数と片側端子部210の数が同数となるように、他方側導電性接着部221が複数形成されている。それぞれの他方側導電性接着部221は、それぞれ異なる片側端子部210から太陽電池セル200の幅方向で離れた位置に形成される。
なお、本実施形態では、導電性接着部を端子部の領域内に位置するように形成したが、これに限らず、一部がはみ出すように形成することも考えられる。しかしながら、より確実に短絡等の問題の発生を防止するという観点から、本実施形態のように、導電性接着部を端子部の領域内に位置するように形成することが好ましい。
【0136】
接着剤塗布工程が終了すると、太陽電池セル200が接着剤塗布部3から接着剤検査部4に搬送され、接着剤検査工程が実施される。すなわち、検査装置(図示しない)により、導電性接着剤が正しく塗布されているか否かを判別する判別動作が行われる。
そして、導電性接着剤が正しく塗布されていると判別された場合、太陽電池セル200がセル配置部5に搬送され、セル配置工程が実施される。
【0137】
セル配置工程は、
図36で示されるように、複数の太陽電池セル200を配置する工程であり、隣り合う太陽電池セル200の一部同士が重なる状態となるように、複数の太陽電池セル200を並べて配置する工程である。
セル配置工程では、
図36で示されるように、第一太陽電池セル200aの一部の上に第三太陽電池セル200cの一部が重なるように、第一太陽電池セル200a、第三太陽電池セル200cを配置する。このとき、第一太陽電池セル200aの第一保護テープ215上に第三太陽電池セル200cの一部が位置する。そして、第一太陽電池セル200aの四つの片側導電性接着部220(片側端子部210)と、第三太陽電池セル200cの四つの他方側導電性接着部221とが太陽電池セル200の並び方向で並んだ状態となる。
【0138】
また、一つ目の第三太陽電池セル200cの一部の上に、二つ目の第三太陽電池セル200cの一部が重なるように、二つ目の第三太陽電池セル200cを配置する。このとき、一つ目の第三太陽電池セル200cの第一保護テープ215上に、二つ目の第三太陽電池セル200cの一部が位置する。そして、一つ目の第三太陽電池セル200cの四つの片側導電性接着部220(片側端子部210)と、二つ目の第三太陽電池セル200cの四つの他方側導電性接着部221とが太陽電池セル200の並び方向で並んだ状態となる。以下同様に、三つ目の第三太陽電池セル200c、四つ目の第三太陽電池セル200c、・・・を配置していく。
【0139】
そして、n個目の第三太陽電池セル200cの一部の上に、第二太陽電池セル200bの一部が重なるように、第二太陽電池セル200bを配置する。このとき、n個目の第三太陽電池セル200cの第一保護テープ215上に、第二太陽電池セル200bの一部が位置する。そして、n個目の第三太陽電池セル200cの四つの片側導電性接着部220(片側端子部210)と、第二太陽電池セル200bの四つの他方側導電性接着部221とが太陽電池セル200の並び方向で並んだ状態となる。
【0140】
なお、第三太陽電池セル200cの数は、一又は複数(二以上)であればよく、上記した「n個目」のnは、一以上の自然数である。また、第三太陽電池セル200cを設けず、第一太陽電池セル200a、第二太陽電池セル200bを連結してセルストリングを形成することも考えられる。この場合、第一太陽電池セル200aの一部の上に第二太陽電池セル200bの一部を載置する。
セル配置工程が完了すると、
図37で示されるように、第一仕掛セルストリング228が形成される。すなわち、第一仕掛セルストリング228は、隣り合う太陽電池セル200の一部同士が重なるように複数の太陽電池セル200が並べられたものである。
【0141】
続いて、第一仕掛セルストリング228上に配線部材235を載置する配線設置工程を行う。詳細には、配線設置工程には、配線材料26から配線部材235を形成する配線形成工程と、被覆テープ240の粘着面に配線部材235を貼り付けてテープ付配線部材243を形成するテープ付配線形成工程とが含まれる。また、配線設置工程には、第一仕掛セルストリング228上の所定位置まで搬送するテープ付配線搬送工程が含まれる。
【0142】
すなわち、配線形成工程では、
図38で示されるように、配線材料供給装置10が配線材料26の先端側を繰り出す繰り出し動作を実行する。
前後して、位置規制装置11の第一位置規制部31の挟持部35を基準位置から離間位置まで水平移動させる。つまり、第一位置規制部31を配線材料供給装置10に近づく方向に移動させる。なお、配線材料供給装置10に近づく方向は、配線搬送準備装置12から離れる方向(
図3参照)でもある。
このとき、第一位置規制部31の設置台部36は、供給開口部22bよりも下側に位置している。すなわち、設置台部36は、供給開口部22bの配線材料26が排出される部分よりも下方側に位置する。また、第一位置規制部31の先端側端部(配線材料供給装置10側の端部)と、配線材料供給装置10の間に空間があり、第一位置規制部31は、配線材料供給装置10から離れた位置に配される。
【0143】
続いて、
図39で示されるように、第一位置規制部31の挟持部35で配線材料26の先端側を挟持する挟持動作を実行する。すなわち、第一位置規制部31が配線材料供給装置10に近づくことで、配線材料26の先端側が第一位置規制部31の設置台部36の上に位置した状態となる(
図39(b)参照)。この状態で第一挟持片部40、第二挟持片部41を互いに近づく方向に移動させ、配線材料26の先端側を挟持する(
図39(b)参照)。すなわち、配線材料26を幅方向に挟んだ状態とする。このとき、配線材料26の先端側は、二つの中間張出部45bの下方側であり、二つの下側窪み部45cの底面(内側面)同士の間に位置する。このように、配線材料26の先端側が挟持空間部48に配された状態となり、配線材料26の幅方向及び上下方向への移動が規制された状態となる。
【0144】
そして、
図40(a)で示されるように、このように配線材料26の先端側を挟持した状態で、配線材料供給装置10の刃部23aを下方側に移動させ、配線材料26の先端側端部から基端側に所定距離だけ離れた部分を切断する。このことにより、配線材料26の先端側部分が巻回体から切り離されて分離し、配線部材235が形成される。
本実施形態では、配線材料26の先端側部分の移動が規制されており、切断時の意図しない位置ずれや変形の発生を防止(抑制)できる。
【0145】
また、このとき、第一位置規制部31の挟持部35によって形成された配線部材235が挟持された(保持された)状態となる。詳細には、配線部材235は、挟持部35によって長さ方向の片側端部側の部分が挟持され、片持ち状に支持された状態となる。すなわち、配線部材235は、長さ方向の片側端部側の部分が設置台部36の上側に位置し、他方端部側の部分が、挟持部35、設置台部36の先端側よりもさらに先端側に位置する。つまり、配線部材235の長さ方向の他方端部側の部分は、挟持部35、設置台部36と平面視で重ならない位置に配され、第一位置規制部31から張り出した張出部となる。なお、このとき、配線部材235の長さ方向の他方側端部は、自重によって片側端部よりもやや下方に位置した状態となる。つまり、配線部材235は、自由端側の端部に向かうにつれて、微細に湾曲しつつ下方へ向かって延びた状態となる。
【0146】
そして、
図40(a)で示されるように、第一位置規制部31の挟持部35を離間位置から基準位置まで水平移動させる。つまり、第一位置規制部31を配線材料供給装置10から離れる方向に移動させる。このことにより、配線形成工程が完了する。すなわち、本実施形態の配線形成工程は、配線材料供給装置10の近傍で配線部材235を形成する工程と、形成した配線部材235を搬送する工程を含む。
また、
図40(b)、
図41(a)で示されるように、台部30aを縦軸L1回りに平面視で180度回転させて第一位置規制部31、第二位置規制部32を回動させ、第一位置規制部31、第二位置規制部32の位置を入れ替える動作を実行する。このことにより、配線部材235を挟持した第一位置規制部31が、配線材料供給装置10から離れる方向に移動する。
【0147】
そして、
図41(b)で示されるように、配線部材235を挟持した第一位置規制部31を基準位置から離間位置まで水平移動させる。すなわち、第一位置規制部31を配線搬送準備装置12に近づく方向(配線材料供給装置10から離れる方向、
図3参照)にさらに移動させる。そして、位置規制装置11から配線搬送準備装置12に配線部材235を受け渡す配線受渡工程(詳しくは後述する)を行う。また、前後して、又は、並行して、第二位置規制部32が上記した配線形成工程を行う。すなわち、第二位置規制部32が配線材料供給装置10に近づき、上記と同様に配線部材235を形成する。そして、その後に、第二位置規制部32の挟持部35が配線部材235を挟持した状態のまま第二位置規制部32を基準位置まで移動させる。
【0148】
続いて、配線受渡工程について説明する。
配線受渡工程では、
図41(b)で示されるように、配線部材235を挟持した第一位置規制部31が、配線搬送準備装置12に近づく方向に移動する。そして、
図42、
図43(a)で示されるように、第一位置規制部31に挟持された配線部材235の自由端側の部分が配線保持部61のノズル部65(
図43(a)参照)の下方側に位置させる。
このとき、第一位置規制部31の先端側端部(配線搬送準備装置12側の端部であり、第一台形成片部60側の端部)と、第一台形成片部60の間に空間があり、第一位置規制部31は、第一台形成片部60から離れた位置に配される。また、配線部材235は、自由端側の部分が第一台形成片部60の上に載置され、基端端側の部分が設置台部36の上に載置された状態となる。また、配線部材235の中途部分は、第一台形成片部60と設置台部36の間の空隙の上に配される。
【0149】
この状態で第一位置規制部31は、第一挟持片部40及び第二挟持片部41(
図42参照)を互いに離れる方向に移動させる。すなわち、挟持部35を挟持姿勢から挟持解除姿勢へ移行させる。前後して、
図43(b)で示されるように、配線保持部61がノズル部65の吸引口から配線部材235の一部(自由端側の一部)を吸引する配線吸引動作を実行する。このことにより、配線部材235が配線保持部61によって保持された状態となる。すなわち、配線部材235は、長さ方向の一端側の部分が第一位置規制部31に挟持される部分となり、逆側となる長さ方向の他端側の部分の一部が、配線保持部61によって保持される部分となる。
そして、
図43(c)で示されるように、第一位置規制部31の挟持部35を離間位置から基準位置まで水平移動させる。つまり、第一位置規制部31を配線搬送準備装置12から離れる方向に移動させる。このことにより、配線受渡工程が完了する。
【0150】
ここで、本実施形態では、配線保持部61が配線部材235を保持するとき、配線部材235の規定部分(以下、保持対象部分とも称す)を保持する動作を実行する。詳細に説明すると、配線保持部61は、配線部材235の切断位置から、配線部材235の長さ方向で所定の長さだけ離れた位置を保持対象部分とし、保持対象部分を吸引して保持する。なお、ここでいう「配線部材235の切断位置」は、配線材料26から配線部材235を形成する際に切断された位置であり、配線部材235のうち、第一位置規制部31に挟持された(保持された)状態における自由端側の端部である。
【0151】
このとき、セルストリング製造装置1(配線搬送準備装置12)は、配線部材235の切断位置に基づいて、保持対象部分の位置座標を算出する動作を実行する。すなわち、セルストリング製造装置1(配線搬送準備装置12)は、図示しないカメラ等の撮像手段を有する。そして、配線部材235を撮影することで、配線部材235の切断位置を特定し、特定した切断位置に基づいて、保持対象部分の位置座標を算出する。そして、上記したように、配線保持部61で配線部材235を保持するとき、配線部材235の保持対象部分がノズル部65の下方の規定位置に配されるように制御し、保持対象部分を吸引して保持する。
つまり、セルストリング製造装置1(配線搬送準備装置12)の制御装置が保持対象部分の位置座標を算出する座標認識部として機能する。
【0152】
本実施形態では、配線搬送準備装置12が四つの配線保持部61を有している。このため、本実施形態では、
図42、
図44で示されるように、配線受渡工程を繰り返し、四つの配線保持部61のそれぞれに配線部材235を受け渡す。
【0153】
詳細に説明すると、本実施形態では、上記したように、第一位置規制部31によって配線部材235を受け渡す配線受渡工程の実行と並行して、第二位置規制部32によって配線部材235を形成、搬送する配線形成工程を実行している。
そして、第一位置規制部31による配線受渡工程の完了と、第二位置規制部32による配線形成工程の完了後、台部30aを回転駆動させ(
図6参照)、第一位置規制部31と第二位置規制部32の位置を入れ替える。そして、第二位置規制部32による配線受渡工程を実行し、且つ、第一位置規制部31による二度目の配線形成工程を実行する。
【0154】
このとき、上記した第一位置規制部31による配線受渡工程で第一受取位置(
図42参照)に待機していた第一台形成部55が、配線部材235の受け取り後、第二受取位置(
図44(a)参照)に移動する。そして、上記した第一位置規制部31から第一配線保持部61aに配線部材235を受け渡す配線受渡工程と同様の手順で、第二位置規制部32から第二配線保持部61bに配線部材235を受け渡す配線受渡工程が実行される。
【0155】
以下同様に、第一台形成部55が第二受取位置(
図44(a)参照)から第三受取位置(
図44(b)参照)に移動し、第一位置規制部31から第三配線保持部61cに配線部材235を受け渡す配線受渡工程が実行される。すなわち、二度目の第一位置規制部31による配線受渡工程が実行される。
さらに、第一台形成部55が第三受取位置(
図44(b)参照)から第四受取位置(
図44(c)参照)に移動し、第二位置規制部32から第四配線保持部61dに配線部材235を受け渡す配線受渡工程が実行される。すなわち、二度目の第二位置規制部32による配線受渡工程が実行される。
【0156】
つまり、第一位置規制部31と第二位置規制部32とが、配線形成工程と配線受渡工程のうちの互いに異なる工程を実行する。そして、第一位置規制部31による配線形成工程と第二位置規制部32による配線形成工程が交互に実行され、第一位置規制部31による配線受渡工程と、第二位置規制部32による配線受渡工程とが交互に実行される。
なお、本実施形態では、第一配線保持部61a、第二配線保持部61b、第三配線保持部61c、第四配線保持部61dの順で配線部材235を受け渡したが、これに限らず、配線部材235を受け渡す順番は適宜変更してもよい。
【0157】
複数の配線保持部61のそれぞれに配線部材235が受け渡されると(複数の配線受渡工程が完了すると)、配線搬送準備工程が実行される。
配線搬送準備工程は、複数の配線部材235を所定の位置(搬送前待機位置)まで事前搬送し、後述する搬送装置15による搬送(配線搬送工程)を可能とする工程である。
【0158】
配線搬送準備工程では、複数の配線保持部61がそれぞれ配線部材235を保持した状態で、
図45(a)で示されるように、第一台形成部55が搬送準備位置まで移動する。
このとき、それぞれ配線部材235は、一部が配線保持部61と第一台形成片部60の間に位置し、他の一部が平面視における第一台形成片部60と第二台形成片部67の境界部分に位置し、さらに他の一部が第二台形成片部67の上側に位置する。すなわち、第一台形成片部60と第二台形成片部67の境界部分を跨いだ状態で、第一台形成片部60、第二台形成片部67によって形成される台状部分の上に配される。このとき、配線部材235の一部であって、第二台形成片部67の上側に位置する部分の一部は、台側吸着部68の上に配される。
【0159】
そして、
図45(b)、
図45(c)で示されるように、それぞれの配線保持部61は、吸引動作を停止し、配線保持部61が配線部材235を保持しない状態とする(保持状態を解除して非保持状態に移行する)。前後して、台側吸着部68による吸引動作を実行する。配線保持部61を非保持状態とすることで、配線部材235が自重により落下し、第一台形成片部60、第二台形成片部67によって形成される台状部分に載置された状態となる。このとき、配線部材235は、第一台形成片部60と第二台形成片部67の境界部分を跨いだ状態でこれらの上に載置される。また、このとき、台側吸着部68による吸引動作を実行することで、配線部材235の意図しない位置ずれを防止できる。
【0160】
以上により、複数(四つ)の配線部材235のそれぞれが、搬送装置15による搬送(配線搬送工程)の際に持ち上げられる位置である搬送前待機位置まで搬送され、搬送前待機位置に配された状態となる。
加えて、本実施形態の配線搬送準備工程では、
図46で示されるように、配線搬送準備装置12は、複数の配線保持部61を非保持状態とした後に保持部退避動作を実行する。
【0161】
配線搬送準備装置12は、それぞれの配線保持部61が首振り動作を実行し、平面視において配線保持部61と配線部材235が重ならず、且つ、平面視で配線部材235の周辺に配線保持部61が位置しない状態とする動作である。このことにより、搬送装置15で配線部材235を持ち上げて搬送する際(詳しくは後述する)、配線保持部61によってハンド部115の移動が制限されたりせず、ハンド部115を移動経路の自由度を向上させることが可能となる。また、ハンド部115で配線部材235を持ち上げる際の配線部材235の保持位置の自由度を向上させることが可能となる。このことから、搬送装置15による配線部材235の搬送を容易化できる。
そして、保持部退避動作が完了することで、配線搬送準備工程が完了する。
【0162】
続いて、テープ付配線形成工程について説明する。
テープ付配線形成工程では、
図47で示されるように、配線載置装置13(
図14参照)の配線載置部材77上まで配線部材235を搬送し、配線載置部材77に配線部材235を載置した状態(
図47参照)とする配線搬送工程を行う。その後に、配線載置部材77上まで2つの被覆テープ240を搬送し、配線載置部材77上でテープ付配線部材243を形成する(
図48参照)テープ搬送工程を行う。
なお、被覆テープ240は、厚さ方向の片側部分(片側主面)に粘着面を有し、他方側部分(他方側主面)に非粘着面を有する粘着テープであり、耐熱性を有する耐熱テープであり、絶縁性能を有する絶縁テープである。そして、被覆テープ240は、テープ搬送準備装置14と搬送装置15(粘着テープの供給装置)によって、供給、搬送される。
【0163】
詳細に説明すると、配線搬送工程では、配線搬送準備工程によって搬送前待機位置に配された配線部材235に対し、搬送装置15のハンド部115(
図24参照)を近接させる。そして、
図49で示されるように、搬送装置15のハンド部115によって配線部材235を保持した状態とし、持ち上げて配線載置部材77上まで搬送する。
すなわち、ハンド部115の保持溝部125に配線部材235の一部が嵌入された状態とする。そして、搬送側配線吸引部127によって配線部材235を保持溝部125側に吸引する吸引動作を実行する。このことにより、ハンド部115が配線部材235を保持した状態となる。本実施形態では、保持溝部125に、配線部材235の中心部分を含む中心側の部分(中間部)が嵌入され、中心側の部分が吸引されて保持(吸着)される。すなわち、ハンド部115は、配線部材235の長さ方向の中心側の部分を保持する。
そして、ハンド部115が配線部材235を保持した状態のまま、ハンド部115を上方に移動させることで、配線部材235が持ち上がり、ハンド部115が移動していくことで、配線部材235が搬送されていく。
なお、ハンド部115によって配線部材235を持ち上げて搬送する際、保持溝部125内に配線部材235の一部を嵌入させる動作と前後して、上記した配線搬送準備装置12の台側吸着部68(
図46参照)による吸引動作を停止することが好ましい。
【0164】
そして、搬送装置15は、配線部材235を配線載置部材77上まで搬送し、搬送側配線吸引部127の吸引動作を停止し、配線部材235を保持しない状態とする(保持状態を解除して非保持状態に移行する)。このことにより、
図47(a)で示されるように、配線載置部材77の配線載置部80の溝部分の一部に配線部材235が略丁度嵌り込んだ状態となる。
【0165】
本実施形態では、この搬送側配線吸引部127による吸引動作の停止と前後して、配線載置部材77の配線吸引部82(
図47(a)参照)による吸引動作を実行する。このことにより、配線部材235を下方側に吸い寄せることが可能であり、配線部材235を確実に配線載置部80の溝部分に嵌入させることが可能であり、また、配線部材235の意図しない位置ずれを防止できる。
【0166】
テープ搬送工程では、上記したテープ供給動作を実行することで、
図50(a)で示されるように、被覆テープ240を形成し、被覆テープ240を搬送待機位置まで移動させる。ここでいう「搬送待機位置」は、被覆テープ240が搬送装置15によって持ち上げられる際に配置される位置(
図51参照)であり、剥離補助部材105(補助部材本体105a)の上方となる位置である。詳細には、持上待機姿勢(
図50(b)参照)をとる剥離補助部材105(補助部材本体105a)の上方となる位置である。
【0167】
すなわち、被覆テープ240が搬送待機位置に配されると、被覆テープ240の基端側部分が平面視で供給テーブル部94bと重なる位置に配され、供給テーブル部94bの自由端側の部分が供給テーブル部94bと重ならない状態となる。さらに、被覆テープ240の自由端側の部分の一部が平面視で剥離補助部材105(補助部材本体105a)と重なる状態となる
【0168】
そして、被覆テープ240が搬送待機位置に配された状態で、
図50(b)、
図50(c)で示されるように、テープ持上動作を実行し、剥離補助部材105を持上待機姿勢から持上時姿勢に移行させる。
このことにより、
図50(c)で示されるように、被覆テープ240の自由端側の部分が剥離補助部材105によって押し上げられて上方に移動する。すなわち、補助部材本体105aの上側部分(上端部分を含む部分)が、供給テーブル部94bの下端よりも上方まで移動する。このことにより、被覆テープ240は、自由端側の部分が上方に移動する。
【0169】
このとき、被覆テープ240のうち、供給テーブル部94bに貼り付いている部分を被接着部分としたとき、補助部材本体105aの上側部分は、被覆テープ240の被接着部分の最も低位置となる部分よりも高位置まで上昇する。このことにより、被覆テープ240は、自由側の部分が持ち上げられ、補助部材本体105aの周辺が傾いた状態となる。
すなわち、被覆テープ240は、一部が供給テーブル部94bに貼り付いたまま、補助部材本体105aの上側に位置する部分の周辺が傾いた状態となる。このことにより、被覆テープ240は、供給テーブル部94bから剥離し易い状態となる。
【0170】
そして、
図51で示されるように、自由端側の部分が持ち上げられた被覆テープ240に、搬送装置15のハンド部115を近接させ、搬送側テープ保持部122によって被覆テープ240の基端側部分を保持する。すなわち、搬送側テープ保持部122を被覆テープ240の基端側部分と接触させ、テープ吸引部130による吸引動作を実行することで、搬送側テープ保持部122が被覆テープ240を保持した状態となる。
【0171】
このとき、搬送側テープ保持部122は、被覆テープ240の長さ方向の中間部、すなわち、両端から離れた位置を吸着する。また、搬送側テープ保持部122は、被覆テープ240の基端側部分が貼りつけられている第一傾斜面部98に対して直交する方向に被覆テープ240を吸着する。さらに、搬送側テープ保持部122は、平面視における供給テーブル部94bと剥離補助部材105(補助部材本体105a)の境界部分から、縦軸L2に対する径方向で中心側よりの部分を吸着する。
以上のことから、搬送側テープ保持部122は、より強固且つ確実に被覆テープ240を保持できる。
【0172】
そして、搬送装置15は、被覆テープ240を配線載置部材77上まで搬送し、
図48(a)で示されるように、一部が配線部材235の上に重なるように配置する。そして、搬送側テープ保持部122の吸引動作を停止し、配線部材235を保持しない状態とする(保持状態を解除して非保持状態に移行する)。
【0173】
すなわち、搬送装置15が被覆テープ240を搬送するとき、搬送側テープ保持部122は、被覆テープ240の粘着面と逆側の主面と接触し、被覆テープ240の粘着面と逆側の主面を吸引する。そして、被覆テープ240が配線載置部材77上に載置されるとき、被覆テープ240の粘着面が下側に位置するように載置される。
したがって、被覆テープ240を一部が配線部材235の上に重なるように配置したとき、配線部材235に被覆テープ240の粘着面の一部が接着された状態となる。すなわち、テープ付配線形成工程は、配線部材235に被覆テープ240の粘着面の一部を接着する接着工程を含む。
なお、詳細には、配線部材235の長手方向の端部近傍となる部分に、被覆テープ240の粘着面を接触させる。ここでいう配線部材235の長手方向の端部近傍となる部分とは、端部から所定長さ(所定距離)だけ離れた部分までの範囲であって、「所定長さ」は、1mm以上5mm以下としている。
【0174】
このとき、被覆テープ240は、一部がテープ支持部81の上方に位置し、他部がその間に位置する配線載置部80の上に載置されている。また、テープ支持部81の上方に位置する部分の一部は、噴射孔部85の上方に位置している。
ここで、被覆テープ240のうち、テープ支持部81の上方に位置する部分では、被覆テープ240の下面(粘着面)に突起部81aの頂部(頂点)が接触する。すなわち、複数の突起部81aの頂部(上端部分)が、被覆テープ240との接触部分となる。したがって、配線部材235が載置される溝形成部80bの溝底部は、被覆テープ240との接触部分よりも低位置の部分となる。
詳細には、被覆テープ240の下面のうち、配線部材235と接触している部分を接触領域とし、配線部材235と接触しない領域を非接触領域としたとき、突起部81aの頂部が非接触領域の70パーセント以上の部分と線接触又は点接触した状態となる。
【0175】
なお、
図48(a)で示されるように、複数(二つ)の被覆テープ240と、一つの配線部材235によって構成されるテープ付配線部材243を形成する場合、テープ搬送工程を複数回(二回)繰り返してもよい。
この他、2つの被覆テープ240を同時に配線載置部材77上まで搬送し、2つの被覆テープ240の粘着面を同時に配線部材235の両端部近傍の部分(片側端部側の部分及び他方端部側の部分)と接触させてもよい。つまり、一方の搬送側テープ保持部122で一方の被覆テープ240を保持した後、ハンド部115を配線載置部材77の周辺まで移動させず、供給テーブル部94bを回動させ、他方の被覆テープ240を剥離補助部材105によって持ち上げる。そして、他方の搬送側テープ保持部122で他方の被覆テープ240を保持させることで、ハンド部115に2つの被覆テープ240を保持させる。そして、ハンド部115を配線載置部材77に向かって移動させ、2つの被覆テープ240を搬送する。
このとき、複数(2つ)の被覆テープ240を同時に剥離補助部材105によって持ち上げ(自由端側部分を押し上げ)、2つの搬送側テープ保持部122で2つの被覆テープ240を同時に吸引、保持することも考えられる。
【0176】
また、二つの被覆テープ240と一つの配線部材235によって構成されるテープ付配線部材243を形成する場合、一方の被覆テープ240は、一部が配線部材235の長さ方向の片側端部側の一部と上下方向で重なり、接触した状態(接触状態)となる。また、一方の被覆テープ240は、テープ支持部81の上方に位置する部分の一部が、複数の第一噴射孔部85aの上側に配された状態となる。対して、他方の被覆テープ240は、一部が配線部材235の長さ方向の他方端部側の一部と上下方向で重なり、接触した状態(接触状態)となる。また、他方の被覆テープ240は、テープ支持部81の上方に位置する部分の一部が、複数の第二噴射孔部85bの上側に配された状態となる。
以上のことから、配線載置部材77上でテープ付配線部材243が形成される。
【0177】
続いて、テープ付配線搬送工程について説明する。
テープ付配線搬送工程では、テープ付配線部材243を配線載置装置13の上(配線載置部材77の上、
図14参照)から、第一仕掛セルストリング228上(
図37参照)の所定の位置まで搬送する。
詳細には、配線載置部材77上のテープ付配線部材243に搬送装置15のハンド部115(
図24参照)を近接させる。そして、
図52で示されるように、搬送装置15のハンド部115によってテープ付配線部材243を保持した状態とし、持ち上げて第一仕掛セルストリング228上(太陽電池セル200上)まで搬送する。
【0178】
詳細には、
図52で示されるように、ハンド部115の保持溝部125に配線部材235の一部が嵌入された状態とし、前後して搬送側配線吸引部127による吸引動作を実行する。また、被覆テープ240の上面(粘着面とは逆側の主面)に搬送側テープ保持部122を接触させた状態し、テープ吸引部130による吸引動作を実行する。このことにより、ハンド部115がテープ付配線部材243を保持した状態となる。
このとき、保持溝部125に、配線部材235の中心部分を含む中心側の部分(中間部)が嵌入され、中心側の部分が吸引されて保持(吸着)される。本実施形態では、上記した配線搬送工程とテープ付配線搬送工程のそれぞれで、ハンド部115が配線部材235の中心側の部分を保持している。テープ付配線搬送工程では、配線部材235のうち、平面視で2つの被覆テープ240の間に位置する部分が吸着され、保持される。
そして、テープ付配線部材243を保持させたままハンド部115を上方に移動させることで、テープ付配線部材243が持ち上がり、ハンド部115が移動していくことで、テープ付配線部材243が搬送されていく。
【0179】
本実施形態では、
図52で示されるように、複数(二つ)の被覆テープ240を有するテープ付配線部材243を搬送する場合、複数の被覆テープ240をそれぞれ別の搬送側テープ保持部122で吸引する。
そして、二つの被覆テープ240と一つの配線部材235によって構成されるテープ付配線部材243を搬送する場合、
図52で示されるように、直線状で間隔を空けて配された三点のそれぞれを吸引して保持している。
【0180】
搬送装置15は、テープ付配線部材243を第一仕掛セルストリング228上まで搬送し、搬送側配線吸引部127による吸引動作と、テープ吸引部130による吸引動作を停止する。このことにより、搬送装置15は、テープ付配線部材243を保持しない状態となる(保持状態を解除して非保持状態に移行する)。このことにより、
図53で示されるように、第一仕掛セルストリング228(
図37参照)の上の所定の位置にテープ付配線部材243が配され、第二仕掛セルストリング248が形成される。
【0181】
詳細に説明すると、本実施形態では、テープ付配線部材243として、二つ(複数)の被覆テープ240を有する第一テープ付配線部材243aと、一つの被覆テープ240を有する第二テープ付配線部材243bを形成する。
【0182】
第一テープ付配線部材243aは、配線部材235の長さ方向の一方端側の部分が隣り合う太陽電池セル200のうちの一方の太陽電池セル200上に位置し、他方端側の部分が他方の太陽電池セル200上に位置する状態で配される。このとき、配線部材235の長さ方向の一方端側の部分は、一方の太陽電池セル200の端子部(片側端子部210又は他方側端子部211の一方、
図37参照)の上側に位置し、他方側の部分は、他方の太陽電池セル200の端子部(片側端子部210又は他方側端子部211の他方、
図37参照)の上側に位置する(詳しくは後述する)。また、このとき、第一テープ付配線部材243aは、配線部材235の長さ方向の一方端側の部分が、隣り合う太陽電池セル200同士の重なり部分の上側に配される。そして、配線部材235は、平面視において、隣り合う太陽電池セル200のうちの一方であり、一部が重なり部分の上側に位置する太陽電池セル200の縁端部分を跨ぐように延びた状態となる。
【0183】
第二テープ付配線部材243bは、配線部材235の長さ方向の一方端側の部分が第一太陽電池セル200a、第二太陽電池セル200bの上に位置する状態で配される。このとき、第二テープ付配線部材243bの配線部材235の長さ方向の一方端側の部分は、被覆テープ240の下側であり、且つ、端子部(片側導電性接着部220、他方側端子部211)の上側となる位置に配される。
本実施形態では、詳細には、一部が第一太陽電池セル200aの上に配される第二テープ付配線部材243bは、配線部材235の一部が他方側端子部211(
図37参照、片側端子部210と他方側端子部211の一方側)の上側に位置するように配される。また、一部が第二太陽電池セル200bの上に配される第二テープ付配線部材243bは、配線部材235の一部が片側端子部210(
図37参照、片側端子部210と他方側端子部211の他方側)の上側に位置するように配される。
【0184】
このとき、テープ付配線部材243が載置されることで、テープ付配線部材243の被覆テープ240の粘着面が太陽電池セル200の上面に接着される。言い換えると、テープ付配線部材243の配線部材235が被覆テープ240によって太陽電池セル200の上に取り付けられる(固定される)。
さらにこのとき、
図37、
図53で示されるように、被覆テープ240と導電性接着部(片側導電性接着部220、他方側導電性接着部221)の間に配線部材235が介在した状態となる。すなわち、配線設置工程は、被覆テープ240と導電性接着部の間に配線部材235が介在するように、太陽電池セル200の端子部(片側導電性接着部220、他方側端子部211)の上に配線部材235と被覆テープ240を取り付ける取り付け工程を含む。
【0185】
以上のように、第一仕掛セルストリング228上にテープ付配線部材243が載置され、第二仕掛セルストリング248が形成されることで、第一仕掛セルストリング228上に配線部材235を載置する配線設置工程が完了する。
そして、形成された第二仕掛セルストリング248が熱処理部7に搬送され、加熱工程が実施される。
【0186】
加熱工程では、
図54で示されるように、第二仕掛セルストリング248の被覆テープ240の下側にある導電性接着部(片側導電性接着部220、他方側導電性接着部221であり、
図54では図示しない、
図37参照)を加熱する工程である。
【0187】
すなわち、搬送台部141aに第二仕掛セルストリング248を載置し、第二仕掛セルストリング248の加熱対象となる部分を加熱部材150の下方に位置させた状態とする。この状態で、加熱部材150の下方に移動させ(
図31参照)、加熱部材150によって加熱対象となる部分を加熱する。
【0188】
本実施形態では、
図54(b)のように、一つの加熱部材150により、太陽電池セル200の長さ方向で間隔を空けて並んだ4つの被覆テープ240及びその周辺と、それぞれの被覆テープ240の下側に位置する部分(導電性接着部等、
図54では図示しない)とが加熱される。
このことにより、テープ付配線部材243における配線部材235の一部と、その下方側にある端子部(片側導電性接着部220、他方側端子部211、
図54では図示しない
図37等参照)とが導電性接着部を介して接着された状態となる。
【0189】
すなわち、本実施形態では、加熱対象となる部分を加熱するとき、加熱部材150の下面が被覆テープ240と接触し、加熱部材150が被覆テープ240を下方側に押圧する。このことにより、被覆テープ240を介して配線部材235が端子部側(下方側)に押圧される。また、導電性接着部(片側導電性接着部220、他方側導電性接着部221)の導電性接着剤が加熱されて固化する。すなわち、セルストリング201(
図2参照)の導電性接着部は、導電性接着剤が加熱されて固化されたものとなる。
【0190】
ここで、本実施形態では、上記したように、加熱部材取付部162及び加熱部材150が自然状態から上方に移動可能(持ち上げ可能)な状態で取り付けられている(
図30参照)。さらに、上記したように、加熱部材取付部162及び加熱部材150は、第一方向X1に沿う方向で揺動自在であり(
図32参照)、且つ、第二方向Y1に沿う方向で揺動自在(
図33参照)となるように吊棒部161に対して取り付けられている。
以上のことから、支持部材160が下方へ移動し、吊棒部161、加熱部材取付部162、加熱部材150が共に下方に移動して加熱部材150の下面が加熱対象部分に接触するとき、加熱部材150が加熱対象部分の上で摺動する。すなわち、加熱部材150は、第二仕掛セルストリング248の上側部分の微細な凹凸等に応じて摺動、姿勢変更し、適切な姿勢で加熱対象部分と接触する。このことにより、加熱ムラ等のない適切な加熱が可能となる。
第二仕掛セルストリング248のすべての導電性接着部の加熱が完了し、それぞれの配線部材235の一箇所又は二箇所の部分が端子部と導電性接着部を介して接続された状態となることで、加熱工程が完了する。そして、第二仕掛セルストリング248が連結補強部8に搬送され、連結補強工程が実行される。
【0191】
連結補強工程では、
図2で示されるように、第二仕掛セルストリング248(
図53参照)に連結補強テープ250を貼り付ける工程である。そして、連結補強工程が完了することで、セルストリング201が形成される。
なお、連結補強テープ250は、厚さ方向の片側部分(片側主面)に粘着面を有し、他方側部分(他方側主面)に非粘着面を有する粘着テープであり、耐熱性を有する耐熱テープであり、絶縁性能を有する絶縁テープである。
【0192】
詳細には、隣り合う太陽電池セル200一方の上面から他方の上面に至るまでの部分に連結補強テープ250を貼り付けている。言い換えると、連結補強テープ250は、一部が隣り合う太陽電池セル200の重なり部分の上側に位置し、一部が太陽電池セル200の重なり部分と太陽電池セル200の幅方向で隣接する部分に位置する。
このとき、連結補強テープ250は、第一テープ付配線部材243aから太陽電池セル200の長さ方向で離れた位置に配されており、本実施形態では、平面視で2つの第一テープ付配線部材243aの間となる位置に配されている。
【0193】
本実施形態のセルストリング201は、
図55で示されるように、被覆テープ240が配線部材235の一部と、他方側端子部211の一部と、他方側導電性接着部221を覆っている。すなわち、平面視において、被覆テープ240は、配線部材235の一部と、他方側端子部211の一部と、他方側導電性接着部221と重なった状態となっており、被覆テープ240が他方側導電性接着部221の全体と重なった状態となっている。
すなわち、平面視において、被覆テープ240の面積は、他方側導電性接着部221の面積よりも大きく、被覆テープ240が他方側導電性接着部221の全体を覆っている。
また、他方側導電性接着部221による接着に加えて、被覆テープ240が配線部材235の一部を太陽電池セル200に対して固定するので、より強固に配線部材235を固定できる。
【0194】
また、本実施形態のセルストリング201は、被覆テープ240が片側端子部210と片側導電性接着部220を覆っている。すなわち、平面視において、被覆テープ240は、配線部材235の一部と、片側端子部210と、片側導電性接着部220と重なった状態となっている。
詳細には、被覆テープ240は、片側端子部210の全体と重なり、且つ、片側導電性接着部220の全体と重なった状態となっている。すなわち、平面視において、被覆テープ240の面積は、片側端子部210の面積よりも大きく、且つ、片側導電性接着部220の面積よりも大きいものであって、被覆テープ240が片側端子部210の全体と、片側導電性接着部220の全体を覆っている。また、本実施形態では、平面視において、片側端子部210の面積が片側導電性接着部220の面積よりも大きく、片側導電性接着部220が片側端子部210の一部を覆っている。このとき、平面視において、片側導電性接着部220は、全体が片側端子部210内に収まっており(片側端子部210の外郭の内側にあり)、片側端子部210は片側導電性接着部220の全体と重なる。
【0195】
ここで、第1端子部210a及び第1片側接着部220aを覆う被覆テープ240を第1被覆テープ240a(第1耐熱テープ)とし、一部が第1端子部210a及び第1片側接着部220aと重なる配線部材235を第1配線部材235aとする。
また、第2端子部210b及び第2片側接着部220bを覆う被覆テープ240を第2被覆テープ240b(第2耐熱テープ)とし、一部が第2端子部210b及び第2片側接着部220bと重なる配線部材235を第2配線部材235bとする。
すなわち、太陽電池セル200の長さ方向(
図55の左右方向)で隣合う2つの被覆テープ240であり、間隔を空けて配される2つの被覆テープ240を第1被覆テープ240a、第2被覆テープ240bとする。また、太陽電池セル200の長さ方向(
図55の左右方向)で隣合う2つの配線部材235であり、間隔を空けて配される2つの配線部材235を第1配線部材235a、第2配線部材235bとする。
【0196】
このとき、第1片側接着部220aは、平面視したときに、全体が第1被覆テープ240aと重なっており、第2片側接着部220bは、平面視したときに、全体が第2被覆テープ240bと重なっている。
また、第1片側接着部220a、第1端子部210aは、平面視したときに、それぞれの面積が第1被覆テープ240aの面積よりも小さい。また、それぞれの全体が第1被覆テープ240a内に収まっている(それぞれの全体が第1被覆テープ240aの外郭の内側にある)。同様に、第2片側接着部220b、第2端子部210bは、平面視したときに、それぞれの面積が第2被覆テープ240bの面積よりも小さい。また、それぞれの全体が第2被覆テープ240b内に収まっている(それぞれの全体が第2被覆テープ240bの外郭の内側にある)。
【0197】
上記した実施形態の配線載置部材77は、
図16で示されるように、テープ支持部81を複数の突起部81aを有する構造とし、持上補助部83の噴射孔部85を平面視で円形の孔とした。しかしながら、配線載置部材はこれに限るものではない。
例えば、
図56で示されるように、配線載置部材600は、突起部81a及び持上補助部83を設けず、テープ支持部601の上面を非粘着面とし、テープ支持部601の上面の平均高さが溝縁部80aの上面と略同じ高さとなるように形成してもよい。なお、ここでいう「略同じ高さ」とは、完全に同じ高さの他、数パーセント誤差を許容する高さとする。このとき、突起部81aの上面は、上記した補助部材本体105aの外表面と同様の非粘着面とする。すなわち、突起部81aの上面は、表面に微細な凹凸を形成し、凹凸形状を残すように凹部に樹脂を埋め込んで形成した面である。
【0198】
また、
図57で示されるように、配線載置部603は、このようなテープ支持部601を有する配線載置部材600(
図56参照)に対し、持上補助部605を設けたものであってもよい。持上補助部605は、複数(三つ)の噴射孔部85に替わって、一つの噴射孔部606を設けてもよい。つまり、第一持上補助部605a、第二持上補助部605bは、それぞれのテープ支持部601に一つずつ形成された噴射孔部606によって形成されたものでもよい。なお、噴射孔部606は、平面視で配線載置部材600の長さ方向に延びた長孔としている。
また、第一持上補助部605a、第二持上補助部605bでは、それぞれのテープ支持部601に噴射孔部606をそれぞれ形成する他、一方のテープ支持部601にのみ噴射孔部606を形成する構造も考えられる。
【0199】
また、
図58で示されるように、配線載置部材610は、一列に並ぶ複数(三つ)の噴射孔部85に替わって、テープ支持部611に行列状に並ぶ複数(六つ)の噴射孔部613を設けてもよい。
すなわち、第一持上補助部612a、第二持上補助部612bは、それぞれのテープ支持部611に一つずつ形成された噴射孔部613の群によって形成されたものでもよい。そして、一つの噴射孔部613の群は、複数の噴射孔部613を平面視で行列状に(
図58では3行2列)並ぶように形成してもよい。
なお、一つの噴射孔部613の群では、噴射孔部が一列又は複数列(行列状)並ぶように形成する他、複数の噴射孔部を不規則に並べてもよい。
【0200】
また、
図59で示されるように、配線載置部材620は、テープ支持部621を上下に移動可能な構造としてもよい。また、持上補助部83は、必ずしも設けなくてもよい。
すなわち、テープ支持部621は、突起部81aの頂点が上方に位置する配置時姿勢と、下方に位置する持上時姿勢の間で姿勢変更が可能であり、配置時姿勢をとる状態からテープ支持部621を下方に移動させることで持上時姿勢に移行する。
そして、上記したテープ付配線形成工程で、配線載置部材77上に被覆テープ240を載置するとき、被覆テープ240の載置前に配置時姿勢とすることが好ましい。また、テープ付配線搬送工程で、テープ付配線部材243を搬送するとき、テープ付配線部材243を持ち上げる前(又は持ち上げの最中)に持上時姿勢に移行することが好ましい。
【符号の説明】
【0201】
13 配線載置装置
14 テープ搬送準備装置
15 搬送装置(搬送部材)
77 配線載置部材(載置部材)
80,600 配線載置部
81,601 テープ支持部(支持部)
81a 突起部
82 配線吸引部(吸引部)
121 搬送側配線保持部(持ち上げ部、配線吸着部)
122 搬送側テープ保持部(剥離吸着部、テープ吸着部)
240 被覆テープ(粘着テープ)