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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174657
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20241210BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20241210BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20241210BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20241210BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L21/60 321E
H01L23/48 G
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092595
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑田 和輝
(72)【発明者】
【氏名】石野 寛
(72)【発明者】
【氏名】三瓶 宏和
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA22
5H770JA10X
5H770QA04
5H770QA06
5H770QA08
(57)【要約】
【課題】インダクタンスの増加を抑制する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置10は、第1導電板21と、第2導電板22と、P端子30と、第1半導体素子31と、第2半導体素子32と、N端子40と、O端子50と、第1ターミナル61と、第1ゲート端子71と、第2ゲート端子72と、を備える。第2半導体素子32は、第1半導体素子31と一方向Daに対向している。第1ゲート端子71は、N端子40の開口405を通過するように延びている。第2ゲート端子72は、開口405を通過するように延びている。また、第1ゲート端子71および第2ゲート端子72は、第1半導体素子31および第2半導体素子32の間に配置されているとともに、互いに向かい合っている。さらに、P端子30、第1導電板21、第1半導体素子31、第1ターミナル61、第2導電板22、第2半導体素子32およびN端子40の間にて電流経路が形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置であって、
基板(15)と、
前記基板上に形成されているとともに、導電性を有する第1導電部(21)と、
前記第1導電部に接続されているとともに、前記第1導電部から前記基板の厚み方向(DT)と交差する一方向(Da)に延びている第1端子(30)と、
前記第1導電部に接続されている第1電極と、第2電極と、印加電圧に基づいて前記第1電極および前記第2電極の間にて電流を流させる第1ゲート電極と、を有する第1素子(31)と、
前記基板上に形成されているとともに、導電性を有する第2導電部(22)と、
前記第2電極に接続されているとともに、前記厚み方向および前記一方向と交差する方向に延びていることにより前記第2導電部に接続されているターミナル(61)と、
前記第2導電部に接続されている第3電極と、第4電極と、印加電圧に基づいて前記第3電極および前記第4電極の間にて電流を流させる第2ゲート電極と、を有する第2素子(32)と、
前記第4電極に接続されているとともに前記厚み方向および前記一方向と交差する方向に延びている第1延長部(401)と、前記第1延長部に接続されているとともに前記第1延長部から前記一方向に延びている第2延長部(402)と、前記第1延長部および前記第2延長部によって形成されている開口(405)と、を有する第2端子(40)と、
前記第1ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第1ゲート端子(71)と、
前記第2ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第2ゲート端子(72)と、
前記第2導電部に接続されているとともに、前記第1素子および前記第2素子のオンオフに応じた電流を出力する出力端子(50)と、
を備え、
前記第2素子は、前記第1素子と前記一方向に対向しており、
前記第1ゲート端子および前記第2ゲート端子は、前記第1素子および前記第2素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、
前記第1端子、前記第1導電部、前記第1素子、前記ターミナル、前記第2導電部、前記第2素子および前記第2端子の間にて電流経路(Cp)が形成されている半導体装置。
【請求項2】
前記ターミナルおよび前記第2導電部の間における電流経路方向は、前記第2延長部における電流経路方向とは反対方向になっている請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2延長部を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第2延長部が前記第2導電部と重なる請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2延長部は、前記第2延長部を前記一方向と直交する方向に切断したとき、前記厚み方向および前記一方向と直交する方向を向く延長部両端(412)を有し、
前記第2導電部は、前記延長部両端を通って前記第2導電部を前記一方向と直交する方向に切断したとき、前記厚み方向および前記一方向と直交する方向を向く導電部両端(222)を有し、
前記延長部両端を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記延長部両端が前記導電部両端と重なる請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2端子は、前記第2延長部のうち前記第1延長部とは反対側と前記厚み方向および前記一方向と交差する方向に接続されているとともに前記一方向に延びており、前記第1延長部および前記第2延長部とともに前記開口を形成している第3延長部(403)を有し、
前記第2延長部および前記第3延長部の間における電流経路方向は、前記ターミナルにおける電流経路方向とは反対方向になっている請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第3延長部における電流経路方向は、前記第1端子における電流経路方向とは反対方向になっている請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第3延長部を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第3延長部が前記第1端子と重なる請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第3延長部を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第3延長部が前記ターミナルと重なる請求項5に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体装置は、
前記第1導電部に接続されている第5電極と、前記ターミナルに接続されている第6電極と、印加電圧に基づいて前記第5電極および前記第6電極の間にて電流を流させる第3ゲート電極と、を有する第3素子(33)と、
前記第2導電部に接続されている第7電極と、前記第1延長部に接続されている第8電極と、印加電圧に基づいて前記第7電極および前記第8電極の間にて電流を流させる第4ゲート電極と、を有する第4素子(34)と、
前記第3ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第3ゲート端子(73)と、
前記第4ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第4ゲート端子(74)と、
を備え、
前記第4素子は、前記第3素子と前記一方向に対向しており、
前記第3ゲート端子および前記第4ゲート端子は、前記第3素子および前記第4素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、
前記第1端子、前記第1導電部、前記第3素子、前記ターミナル、前記第2導電部、前記第4素子および前記第2端子の間にて電流経路が形成されている請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記ターミナルは、前記第2導電部のうち前記第1素子に対して前記第3素子とは反対側に接続されているとともに、前記第2導電部のうち前記第3素子に対して前記第1素子とは反対側に接続されている請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
半導体装置であって、
基板(15)と、
前記基板上に形成されているとともに、導電性を有する第1導電部(21)と、
前記第1導電部に接続されているとともに、前記第1導電部から前記基板の厚み方向(DT)と交差する一方向(Da)に延びている第1端子(30)と、
前記第1導電部に接続されている第1電極と、第2電極と、印加電圧に基づいて前記第1電極および前記第2電極の間にて電流を流させる第1ゲート電極と、を有する第1素子(31)と、
前記基板上に形成されているとともに、導電性を有する第2導電部(22)と、
前記第2電極に接続されているとともに、前記一方向とは反対方向に延びていることにより前記第2導電部に接続されている第1ターミナル(61)と、
前記第2導電部に接続されている第3電極と、第4電極と、印加電圧に基づいて前記第3電極および前記第4電極の間にて電流を流させる第2ゲート電極と、を有する第2素子(32)と、
前記第1導電部に接続されている第5電極と、第6電極と、印加電圧に基づいて前記第5電極および前記第6電極の間にて電流を流させる第3ゲート電極と、を有する第3素子(33)と、
前記第6電極に接続されているとともに、前記一方向とは反対方向に延びていることにより前記第2導電部に接続されている第2ターミナル(63)と、
前記第2導電部に接続されている第7電極と、第8電極と、印加電圧に基づいて前記第7電極および前記第8電極の間にて電流を流させる第4ゲート電極と、を有する第4素子(34)と、
前記第4電極に接続されているとともに前記一方向に延びている第1延長部(401)と、前記第8電極に接続されているとともに前記一方向に延びている第2延長部(402)と、前記第1延長部および前記第2延長部によって形成されている開口(405)と、を有する第2端子(40)と、
前記第1ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第1ゲート端子(71)と、
前記第2ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第2ゲート端子(72)と、
前記第3ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第3ゲート端子(73)と、
前記第4ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第4ゲート端子(74)と、
前記第2導電部に接続されているとともに、前記第1素子、前記第2素子、前記第3素子および前記第4素子のオンオフに応じた電流を出力する出力端子(50、501、502)と、
を備え、
前記第1素子は、前記第3素子と前記厚み方向および前記一方向と交差する方向に対向しており、
前記第2素子は、前記第1素子と前記一方向に対向しているとともに、前記第4素子と前記厚み方向および前記一方向と交差する方向に対向しており、
前記第4素子は、前記第3素子と前記一方向に対向しており、
前記第1ゲート端子および前記第3ゲート端子は、前記第1素子および前記第3素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、
前記第2ゲート端子および前記第4ゲート端子は、前記第2素子および前記第4素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、
前記第1端子、前記第1導電部、前記第1素子、前記第1ターミナル、前記第2導電部、前記第2素子および前記第2端子の間にて第1電流経路(Cp1)が形成されており、
前記第1端子、前記第1導電部、前記第3素子、前記第2ターミナル、前記第2導電部、前記第4素子および前記第2端子の間にて第2電流経路(Cp2)が形成されている半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、第1金属配線板、第2金属配線板、第3金属配線板、第1半導体素子、第2半導体素子、ゲート用金属配線板、第1ゲート端子および第2ゲート端子を備える半導体モジュールが知られている。この半導体モジュールでは、第1金属配線板は、一端子であるP端子を構成する。第2金属配線板は、他端子であるN端子を構成する。第3金属配線板は、出力端子を構成する。第1半導体素子は、第1金属配線板の一方の主面にコレクタ電極を向けて配置される。第2半導体素子は、第3金属配線板の一方の主面にコレクタ電極を向けて配置される。ゲート用金属配線板は、第2半導体素子のゲート電極に接続されている。第1ゲート端子は、第1半導体素子のゲート電極から第3金属配線板に向かって立ち上がる。第2ゲート端子は、ゲート用金属配線板から第3金属配線板に向かって立ち上がる。また、第3金属配線板は、第1ゲート端子を挿通可能な第1貫通孔および第2ゲート端子を挿通可能な第2貫通孔を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-57543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された半導体モジュールでは、第2ゲート端子がゲート用金属配線板を介して第2半導体素子と接続されている。これにより、ゲート用金属配線板がない場合と比較して、第2ゲート端子から第2半導体素子までの電流経路の距離が大きくなる。このため、第2ゲート端子から第2半導体素子までの電流経路におけるインダクタンスが大きくなる。よって、半導体モジュールのインダクタンスが大きくなる。
【0005】
本開示は、インダクタンスの増加を抑制する半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、半導体装置であって、基板(15)と、基板上に形成されているとともに、導電性を有する第1導電部(21)と、第1導電部に接続されているとともに、第1導電部から基板の厚み方向(DT)と交差する一方向(Da)に延びている第1端子(30)と、第1導電部に接続されている第1電極と、第2電極と、印加電圧に基づいて第1電極および第2電極の間にて電流を流させる第1ゲート電極と、を有する第1素子(31)と、基板上に形成されているとともに、導電性を有する第2導電部(22)と、第2電極に接続されているとともに、厚み方向および一方向と交差する方向に延びていることにより第2導電部に接続されているターミナル(61)と、第2導電部に接続されている第3電極と、第4電極と、印加電圧に基づいて第3電極および第4電極の間にて電流を流させる第2ゲート電極と、を有する第2素子(32)と、第4電極に接続されているとともに厚み方向および一方向と交差する方向に延びている第1延長部(401)と、第1延長部に接続されているとともに第1延長部から一方向に延びている第2延長部(402)と、第1延長部および第2延長部によって形成されている開口(405)と、を有する第2端子(40)と、第1ゲート電極に接続されているとともに、開口を通過するように延びている第1ゲート端子(71)と、第2ゲート電極に接続されているとともに、開口を通過するように延びている第2ゲート端子(72)と、第2導電部に接続されているとともに、第1素子および第2素子のオンオフに応じた電流を出力する出力端子(50)と、を備え、第2素子は、第1素子と一方向に対向しており、第1ゲート端子および第2ゲート端子は、第1素子および第2素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、第1端子、第1導電部、第1素子、ターミナル、第2導電部、第2素子および第2端子の間にて電流経路(Cp)が形成されている半導体装置である。
【0007】
これにより、第1ゲート端子および第2ゲート端子が互いに向かい合っていない場合と比較して、共通の開口を通過する第1ゲート端子および第2ゲート端子から、第1素子および第2素子を駆動させる駆動回路までの電流の経路長さを小さくすることができる。また、第1ゲート端子および第2ゲート端子が互いに向かい合っていない場合と比較して、第1導電部、ターミナル、第2導電部および第2端子等の大きさを小さくできるため、電流経路の長さが小さくなる。したがって、半導体装置内の電流の経路長さが小さくなることから、半導体装置のインダクタンスの増加が抑制される。
【0008】
また、請求項11に記載の発明は、半導体装置であって、基板(15)と、基板上に形成されているとともに、導電性を有する第1導電部(21)と、第1導電部に接続されているとともに、第1導電部から基板の厚み方向(DT)と交差する一方向(Da)に延びている第1端子(30)と、第1導電部に接続されている第1電極と、第2電極と、印加電圧に基づいて第1電極および第2電極の間にて電流を流させる第1ゲート電極と、を有する第1素子(31)と、基板上に形成されているとともに、導電性を有する第2導電部(22)と、第2電極に接続されているとともに、一方向とは反対方向に延びていることにより第2導電部に接続されている第1ターミナル(61)と、第2導電部に接続されている第3電極と、第4電極と、印加電圧に基づいて第3電極および第4電極の間にて電流を流させる第2ゲート電極と、を有する第2素子(32)と、第1導電部に接続されている第5電極と、第6電極と、印加電圧に基づいて第5電極および第6電極の間にて電流を流させる第3ゲート電極と、を有する第3素子(33)と、第6電極に接続されているとともに、一方向とは反対方向に延びていることにより第2導電部に接続されている第2ターミナル(63)と、第2導電部に接続されている第7電極と、第8電極と、印加電圧に基づいて第7電極および第8電極の間にて電流を流させる第4ゲート電極と、を有する第4素子(34)と、第4電極に接続されているとともに一方向に延びている第1延長部(401)と、第8電極に接続されているとともに一方向に延びている第2延長部(402)と、第1延長部および第2延長部によって形成されている開口(405)と、を有する第2端子(40)と、第1ゲート電極に接続されているとともに、開口を通過するように延びている第1ゲート端子(71)と、第2ゲート電極に接続されているとともに、開口を通過するように延びている第2ゲート端子(72)と、第3ゲート電極に接続されているとともに、開口を通過するように延びている第3ゲート端子(73)と、第4ゲート電極に接続されているとともに、開口を通過するように延びている第4ゲート端子(74)と、第2導電部に接続されているとともに、第1素子、第2素子、第3素子および第4素子のオンオフに応じた電流を出力する出力端子(50、501、502)と、を備え、第1素子は、第3素子と厚み方向および一方向と交差する方向に対向しており、第2素子は、第1素子と一方向に対向しているとともに、第4素子と厚み方向および一方向と交差する方向に対向しており、第4素子は、第3素子と一方向に対向しており、第1ゲート端子および第3ゲート端子は、第1素子および第3素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、第2ゲート端子および第4ゲート端子は、第2素子および第4素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、第1端子、第1導電部、第1素子、第1ターミナル、第2導電部、第2素子および第2端子の間にて第1電流経路(Cp1)が形成されており、第1端子、第1導電部、第3素子、第2ターミナル、第2導電部、第4素子および第2端子の間にて第2電流経路(Cp2)が形成されている半導体装置である。
【0009】
これにより、各ゲート端子が互いに向かい合っていない場合と比較して、共通の開口を通過する各ゲート端子から、第1素子、第2素子、第3素子および第4素子を駆動させる駆動回路までの電流の経路長さを小さくすることができる。また、各ゲート端子が互いに向かい合っていない場合と比較して、第1導電部、各ターミナル、第2導電部および第2端子等の大きさを小さくできるため、電流経路の長さが小さくなる。したがって、半導体装置内の電流の経路長さが小さくなることから、半導体装置のインダクタンスの増加が抑制される。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態の半導体装置の斜視図。
図2】半導体装置の内部斜視図。
図3】半導体装置の内部上面図。
図4図3のIVから矢視拡大図。
図5図3のVから矢視拡大図。
図6図3のVI-VI線拡大断面図。
図7図3のVII-VII線拡大断面図。
図8】半導体装置のN端子を除いた内部上面図。
図9】半導体装置の内部上面図。
図10】第2実施形態の半導体装置の断面図。
図11】第3実施形態の半導体装置の内部上面図。
図12】第4実施形態の半導体装置の内部上面図。
図13】第5実施形態の半導体装置のN端子を除いた内部上面図。
図14】半導体装置の内部上面図。
図15】第6実施形態の半導体装置のN端子を除いた内部上面図。
図16】半導体装置の内部上面図。
図17】第7実施形態の半導体装置のN端子を除いた内部上面図。
図18】半導体装置の内部上面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0013】
(第1実施形態)
本実施形態の半導体装置では、インダクタンスの増加が抑制される。また、半導体装置は、例えば、図示しないモータの制御に用いられる。
【0014】
具体的には、図1図9に示すように、半導体装置10は、基板15、第1導電板21、P端子30、第1半導体素子31、第1接合材41および第2導電板22を備える。また、半導体装置10は、第1ターミナル61、第2接合材42、第3接合材43、第2半導体素子32、第4接合材44、第2ターミナル62および第5接合材45を備える。さらに、半導体装置10は、N端子40、第6接合材46、第1ゲート端子71、第2ゲート端子72、O端子50、第1引き出し配線81、第2引き出し配線82、封止樹脂85および電流経路Cpを備える。
【0015】
基板15は、図2図9に示すように、樹脂等で形成された絶縁性基板である。第1導電板21は、第1導電部に相当しており、アルミニウム等の金属で板状に形成されている。これにより、第1導電板21は、導電性を有する。また、第1導電板21は、基板15上に形成されている。
【0016】
P端子30は、第1端子に相当しており、第1導電板21と基板15の厚み方向DTに接続されている。さらに、P端子30は、第1導電板21との境界部から厚み方向DTと直交する一方向Daに延びる板状にアルミニウム等の金属で形成されている。また、P端子30は、図示しない電源に接続されている。
【0017】
第1半導体素子31は、第1素子に相当しており、例えば、SiやSiCを用いたMOSFET素子である。なお、MOSFETは、Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略である。
【0018】
さらに、第1半導体素子31は、図6に示すように、第1ドレイン電極311、第1ソース電極312および図示しない第1ゲート電極を有する。第1ドレイン電極311は、第1電極に相当しており、はんだ等の第1接合材41を介して第1導電板21と厚み方向DTに接続されている。第1ソース電極312は、第2電極に相当しており、はんだ等の第2接合材42を介して後述の第1ターミナル61と厚み方向DTに接続されている。第1ゲート電極は、第1ゲート電極への印加電圧に基づいて第1ドレイン電極311および第1ソース電極312の間にて電流を流させる。
【0019】
第2導電板22は、第2導電部に相当しており、アルミニウム等の金属で板状に形成されている。これにより、第2導電板22は、導電性を有する。また、第2導電板22は、図2図9に示すように、基板15上に形成されている。さらに、第2導電板22は、第1導電板21と離れていることにより、第1導電板21とは絶縁されている。また、第2導電板22は、図6に示すように、導電部両端222を有する。導電部両端222は、後述の延長部両端412を通って第2導電板22を一方向Daと直交する方向に切断したとき、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向を向く。
【0020】
第1ターミナル61は、第2接合材42を介して第1ソース電極312と厚み方向DTに接続されている。また、第1ターミナル61は、第1ソース電極312から厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向であって第2導電板22に向かう方向に延びる板状にアルミニウム等の金属等で形成されている。これにより、第1ターミナル61は、はんだ等の第3接合材43を介して第2導電板22と厚み方向DTに接続されている。なお、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向は、厚み方向DTおよび一方向Daと交差する方向に対応する。
【0021】
第2半導体素子32は、第2素子に相当しており、例えば、SiやSiCを用いたMOSFET素子である。さらに、第2半導体素子32は、図4および図5に示すように、第1半導体素子31と一方向Daに対向している。第2半導体素子32および第1半導体素子31は、一方向Daに順に並んでいる。
【0022】
また、第2半導体素子32は、図7に示すように、第2ドレイン電極321、第2ソース電極322および図示しない第2ゲート電極を有する。第2ドレイン電極321は、第3電極に相当しており、はんだ等の第4接合材44を介して第2導電板22に接続されている。第2ソース電極322は、第4電極に相当しており、はんだ等の第5接合材45を介して、第2ターミナル62と厚み方向DTに接続されている。第2ゲート電極は、第2ゲート電極への印加電圧に基づいて第2ドレイン電極321および第2ソース電極322の間にて電流を流させる。なお、第2ターミナル62は、アルミニウム等の金属で板状に形成されている。
【0023】
N端子40は、第2端子に相当しており、アルミニウム等の金属で板状に形成されている。また、N端子40は、図1図9に示すように、第1延長部401、第2延長部402および開口405を有する。
【0024】
第1延長部401は、図7に示すように、はんだ等の第6接合材46を介して第2ターミナル62と厚み方向DTに接続されている。このため、第1延長部401は、第6接合材46、第2ターミナル62および第5接合材45を介して第2ソース電極322と接続されている。さらに、第1延長部401は、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に延びている。また、第1延長部401を厚み方向DTに投影したとき、投影した第1延長部401は、第2導電板22と重なる。さらに、厚み方向DTにおける第1延長部401から第2導電板22までの最小距離であるL1は、例えば、0.2~1.5mmとされている。
【0025】
第2延長部402は、図1図3図6および図9に示すように、ここでは、2つ形成されている。第2延長部402は、第1延長部401の両端にそれぞれ接続されている。また、第2延長部402は、第1延長部401から一方向Daに延びている。さらに、第2延長部402は、電源に接続されている。また、第2延長部402を厚み方向DTに投影したとき、投影した第2延長部402は、第1導電板21、第2導電板22および第1ターミナル61と重なる。さらに、厚み方向DTにおける第2延長部402から第1ターミナル61までの最小距離であるL2は、例えば、0.2~1.5mmとされている。なお、第2延長部402の数は、2つであることに限定されないで、少なくとも1つあればよい。
【0026】
また、第2延長部402は、図6に示すように、延長部両端412を有する。延長部両端412は、第2延長部402を一方向Daと直交する方向に切断したとき、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向を向く。さらに、ここでは、延長部両端412を厚み方向DTに投影したとき、投影した延長部両端412が導電部両端222と重ならない。
【0027】
開口405は、図2図5および図9に示すように、第1延長部401および第2延長部402によって形成された空間である。また、ここでは、開口405は、角がR形状とされた四角形状に形成されている。なお、開口405の形状は、四角形状であることに限定されないで、多角形状や円形状等であってもよい。
【0028】
第1ゲート端子71は、銅等の金属で柱状に形成されている。さらに、第1ゲート端子71は、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に間隔を空けて複数並んでいる。また、第1ゲート端子71は、図3および図5に示すように、第1接合部711、第1引き出し部712および第1頂部713を有する。
【0029】
第1接合部711は、第1半導体素子31の図示しない配線およびはんだ等を介して、第1ゲート電極と接続されている。第1引き出し部712は、第1接合部711と接続されている。さらに、第1引き出し部712は、第1接合部711から厚み方向DTに延びている。これにより、第1ゲート端子71は、開口405を通過するように延びている。第1頂部713は、第1引き出し部712と接続されている。また、ここでは、第1頂部713は、厚み方向DTと交差する方向に延びている。さらに、第1頂部713は、第1半導体素子31および第2半導体素子32を駆動させる図示しない駆動回路と接続されている。なお、第1頂部713は、厚み方向DTと交差する方向に延びていることに限定されないで、厚み方向DTに延びていてもよい。
【0030】
第2ゲート端子72は、銅等の金属で柱状に形成されている。さらに、第2ゲート端子72は、第1ゲート端子71が並ぶ方向に間隔を空けて複数並んでいる。また、第2ゲート端子72は、図3および図4に示すように、第2接合部721、第2引き出し部722および第2頂部723を有する。
【0031】
第2接合部721は、第2半導体素子32の図示しない配線およびはんだ等を介して、第2ゲート電極と接続されている。第2引き出し部722は、第2接合部721と接続されている。さらに、第2引き出し部722は、第2接合部721から厚み方向DTに延びている。これにより、第2ゲート端子72は、開口405を通過するように延びている。このため、第1ゲート端子71および第2ゲート端子72は、第1半導体素子31および第2半導体素子32の間に配置されているとともに、互いに向かい合っている。第2頂部723は、第2引き出し部722と接続されている。また、ここでは、第2頂部723は、第2引き出し部722との境界部から第1頂部713に向かう方向に延びている。さらに、第2頂部723は、駆動回路と接続されている。なお、第2頂部723は、第2引き出し部722との境界部から第1頂部713に向かう方向に延びていることに限定されないで、厚み方向DTに延びていてもよい。
【0032】
O端子50は、出力端子に相当しており、図2図5図8および図9に示すように、第2導電板22と厚み方向DTに接続されている。また、O端子50は、第2導電板22から一方向Daとは反対方向に延びている。さらに、O端子50は、図示しないモータに接続されている。また、O端子50は、第1半導体素子31および第2半導体素子32のオンオフに応じた電流をモータに出力する。
【0033】
第1引き出し配線81は、図2図3図8および図9に示すように、第1ゲート端子71と同様の形状に形成されている。また、第1引き出し配線81は、第1ゲート端子71が並ぶ方向に第1ゲート端子71とともに並んでいる。さらに、第1引き出し配線81は、第1導電板21および駆動回路に接続されている。
【0034】
第2引き出し配線82は、第2ゲート端子72と同様の形状に形成されている。また、第2引き出し配線82は、第2ゲート端子72が並ぶ方向に第2ゲート端子72とともに並んでいる。さらに、第2引き出し配線82は、第2導電板22および駆動回路に接続されている。
【0035】
封止樹脂85は、図1に示すように、基板15と、第1導電板21と、第1半導体素子31と、第1接合材41と、第2導電板22と、第1ターミナル61と、第2接合材42と、第3接合材43とを覆っている。また、封止樹脂85は、第2半導体素子32と、第4接合材44と、第2ターミナル62と、第5接合材45と、第6接合材46とを覆っている。さらに、封止樹脂85は、P端子30が封止樹脂85から突き出るように、P端子30の一部を覆っている。また、封止樹脂85は、第1延長部401を覆っているとともに、第2延長部402が封止樹脂85から突き出るように、N端子40の一部を覆っている。さらに、封止樹脂85は、O端子50が封止樹脂85から突き出るように、O端子50の一部を覆っている。また、封止樹脂85は、第1頂部713の一部が封止樹脂85の外部に露出するように、第1ゲート端子71を覆っている。さらに、封止樹脂85は、第2頂部723の一部が封止樹脂85の外部に露出するように、第2ゲート端子72を覆っている。また、封止樹脂85は、第1引き出し配線81の一部が封止樹脂85の外部に露出するように、第1引き出し配線81を覆っている。さらに、封止樹脂85は、第2引き出し配線82の一部が封止樹脂85の外部に露出するように、第2引き出し配線82を覆っている。
【0036】
図8および図9に示すように、P端子30、第1導電板21、第1半導体素子31、第1ターミナル61、第2導電板22、第2半導体素子32およびN端子40の間にて電流経路Cpが形成されている。
【0037】
ここで、例えば、電流経路Cpの方向がP端子30からN端子40に向かう方向であるとする。このとき、第1ターミナル61および第2導電板22の間における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。さらに、第2延長部402における電流経路方向は、一方向Daである。したがって、第1ターミナル61および第2導電板22の間における電流経路方向は、第2延長部402における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0038】
以上のように、第1実施形態の半導体装置10は、構成されている。次に、モータ制御に用いられるときの半導体装置10の作動について説明する。
【0039】
図示しない制御装置によって、駆動回路から第1ゲート端子71等を介して第1ゲート電極に印加される電圧、および、駆動回路から第2ゲート端子72等を介して第2ゲート電極に印加される電圧が制御される。これにより、第1半導体素子31および第2半導体素子32がオンオフ制御される。このため、電源、P端子30、N端子40、O端子50およびモータの間における電流が制御される。したがって、モータが制御される。
【0040】
以上のように、半導体装置10は、モータ制御に用いられる。次に、半導体装置10では、半導体装置10のインダクタンスの増加が抑制されることについて説明する。
【0041】
半導体装置10では、第2半導体素子32は、第1半導体素子31と一方向Daに対向している。第1ゲート端子71は、開口405を通過するように延びている。第2ゲート端子72は、開口405を通過するように延びている。また、第1ゲート端子71および第2ゲート端子72は、第1半導体素子31および第2半導体素子32の間に配置されているとともに、互いに向かい合っている。さらに、P端子30、第1導電板21、第1半導体素子31、第1ターミナル61、第2導電板22、第2半導体素子32およびN端子40の間にて電流経路Cpが形成されている。
【0042】
これにより、第1ゲート端子71および第2ゲート端子72が互いに向かい合っていない場合と比較して、共通の開口405を通過する第1ゲート端子71および第2ゲート端子72から駆動回路までの電流の経路長さを小さくすることができる。また、第1ゲート端子71および第2ゲート端子72が互いに向かい合っていない場合と比較して、第1導電板21、第1ターミナル61、第2導電板22およびN端子40等の大きさを小さくできるため、電流経路Cpの長さが小さくなる。したがって、半導体装置10内の電流の経路長さが小さくなることから、半導体装置10のインダクタンスの増加が抑制される。さらに、半導体装置10のインダクタンスの増加が抑制されるため、第1半導体素子31および第2半導体素子32のスイッチング速度の低下が抑制される。よって、第1半導体素子31および第2半導体素子32のスイッチング損失が抑制される。
【0043】
また、ここで、特許文献1に記載された半導体モジュールでは、第3金属配線板に第1貫通孔および第2貫通孔が形成されており、第1ゲート端子が第1貫通孔を挿通するとともに、第2ゲート端子が第2貫通孔を挿通している。さらに、第1貫通孔の形状および大きさは、第1ゲート端子の形状および大きさに対応する。また、第2貫通孔の形状および大きさは、第2ゲート端子の形状および大きさに対応する。これにより、第1ゲート端子から第1貫通孔の内面までの距離および第2ゲート端子から第2貫通孔の内面までの距離は、比較的小さい。このため、第1ゲート端子および第2ゲート端子は、第3金属配線板と接触する等の第3金属配線板との機械的干渉が生じやすい。
【0044】
これに対して、本実施形態の半導体装置10では、N端子40は、第1延長部401と、第2延長部402と、開口405とを有する。第1延長部401は、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に延びている。第2延長部402は、第1延長部401に接続されているとともに、第1延長部401から一方向Daに延びている。開口405は、第1延長部401および第2延長部402によって形成された空間である。また、第1ゲート端子71および第2ゲート端子72は、開口405を通過するように延びている。
【0045】
これにより、N端子40は、第1ゲート端子71および第2ゲート端子72と離れる方向であって、迂回する方向に延びている。このため、N端子40と、第1ゲート端子71および第2ゲート端子72とが接触しにくくなる。したがって、第1ゲート端子71および第2ゲート端子72の機械的干渉が抑制される。
【0046】
また、第1実施形態の半導体装置10では、以下に記載する効果も奏する。
【0047】
[1-1]第1ターミナル61および第2導電板22の間における電流経路方向は、第2延長部402における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0048】
これにより、第1ターミナル61および第2導電板22の間を流れる電流による磁界の向きが第2延長部402を流れる電流による磁界の向きとは反対方向になる箇所が発生する。このため、第1ターミナル61および第2導電板22の間と、第2延長部402とは、互いに磁界を打ち消し合う。したがって、第1ターミナル61および第2導電板22の間と第2延長部402のインダクタンスの増加が抑制されることから、半導体装置10のインダクタンスの増加が抑制される。
【0049】
[1-2]第2延長部402を厚み方向DTに投影したとき、投影した第2延長部402が第2導電板22と重なる。
【0050】
これにより、厚み方向DTに投影した第2延長部402が第2導電板22と重なっていない場合と比較して、第1ターミナル61および第2導電板22の間と第2延長部402とが近づく。このため、第1ターミナル61および第2導電板22の間と、第2延長部402とは、互いに磁界を打ち消し合いやすくなる。よって、第1ターミナル61および第2導電板22の間と第2延長部402のインダクタンスの増加が抑制されることから、半導体装置10のインダクタンスの増加が抑制される。
【0051】
(第2実施形態)
第2実施形態では、N端子40および第2導電板22の形態が第1実施形態と異なる。具体的には、第1実施形態では、延長部両端412を厚み方向DTに投影したとき、投影した延長部両端412が導電部両端222と重ならない。これに対して、第2実施形態では、図10に示すように、厚み方向DTに投影した延長部両端412は、導電部両端222と重なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0052】
[2]延長部両端412を厚み方向DTに投影したとき、投影した延長部両端412が導電部両端222と重なる。
【0053】
これにより、厚み方向DTに投影した延長部両端412と導電部両端222とが重ならない場合と比較して、第2延長部402および第2導電板22の重なる部分を最大にしつつ、第2延長部402および第2導電板22の大きさを小さくできる。このため、半導体装置10の大型化が抑制される。
【0054】
(第3実施形態)
第3実施形態では、N端子40の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0055】
具体的には、図11に示すように、N端子40は、第1延長部401、第2延長部402および開口405に加えて、第3延長部403を有する。
【0056】
第3延長部403は、第2延長部402のうち第1延長部401とは反対側と接続されている。また、第3延長部403は、第2延長部402との境界部から一方向Daに延びている。さらに、第3延長部403は、第1延長部401および第2延長部402とともに開口405を形成している。また、第3延長部403を厚み方向DTに投影したとき、投影した第3延長部403がP端子30と重なる。
【0057】
ここで、例えば、電流経路Cpの方向がP端子30からN端子40に向かう方向であるとする。このとき、第2延長部402および第3延長部403の間における電流経路方向は、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向の内向きである。さらに、第1ターミナル61における電流経路方向は、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向の外向きである。したがって、第2延長部402および第3延長部403の間における電流経路方向は、第1ターミナル61における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0058】
また、このとき、第3延長部403における電流経路方向は、一方向Daである。さらに、P端子30における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。よって、第3延長部403における電流経路方向は、P端子30における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0059】
以上のように、第3実施形態の半導体装置10は、構成されている。この第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第3実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0060】
[3-1]第2延長部402および第3延長部403の間における電流経路方向は、第1ターミナル61における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0061】
これにより、第2延長部402および第3延長部403の間を流れる電流による磁界の向きが第1ターミナル61を流れる電流による磁界の向きとは反対方向になる箇所が発生する。このため、第2延長部402および第3延長部403の間と、第1ターミナル61とは、互いに磁界を打ち消し合う。したがって、第2延長部402および第3延長部403の間と第1ターミナル61のインダクタンスの増加が抑制されることから、半導体装置10のインダクタンスの増加が抑制される。
【0062】
[3-2]第3延長部403における電流経路方向は、P端子30における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0063】
これにより、第3延長部403を流れる電流による磁界の向きがP端子30を流れる電流による磁界の向きとは反対方向になる箇所が発生する。このため、第3延長部403と、P端子30とは、互いに磁界を打ち消し合う。したがって、第3延長部403とP端子30のインダクタンスの増加が抑制されることから、半導体装置10のインダクタンスの増加が抑制される。
【0064】
[3-3]第3延長部403を厚み方向DTに投影したとき、投影した第3延長部403がP端子30と重なる。
【0065】
これにより、厚み方向DTに投影した第3延長部403がP端子30と重なっていない場合と比較して、第3延長部403とP端子30とが近づく。このため、第3延長部403と、P端子30とは、互いに磁界を打ち消し合いやすくなる。よって、第3延長部403とP端子30のインダクタンスの増加が抑制されることから、半導体装置10のインダクタンスの増加が抑制される。
【0066】
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1ターミナル61およびN端子40の形態が第3実施形態と異なる。具体的には、第3実施形態では、第3延長部403を厚み方向DTに投影したとき、投影した第3延長部403が第1ターミナル61と重ならない。これに対して、第4実施形態では、図12に示すように、厚み方向DTに投影した第3延長部403が第1ターミナル61と重なる。これ以外は、第3実施形態と同様である。この第4実施形態においても、第3実施形態と同様の効果を奏する。また、第4実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0067】
[4]第3延長部403を厚み方向DTに投影したとき、投影した第3延長部403が第1ターミナル61と重なる。
【0068】
これにより、厚み方向DTに投影した第3延長部403が第1ターミナル61と重なっていない場合と比較して、第3延長部403と第1ターミナル61とが近づく。このため、第3延長部403と、第1ターミナル61とは、互いに磁界を打ち消し合いやすくなる。よって、第3延長部403と第1ターミナル61のインダクタンスの増加が抑制されることから、半導体装置10のインダクタンスの増加が抑制される。
【0069】
(第5実施形態)
第5実施形態では、半導体装置10は、第1半導体素子31、第2半導体素子32、第1ゲート端子71および第2ゲート端子72に加えて、第3半導体素子33、第4半導体素子34、第3ゲート端子73および第4ゲート端子74を備える。また、第1ターミナル61の形態が第1実施形態と異なる。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0070】
図13および図14に示すように、第3半導体素子33は、第3素子に相当しており、例えば、SiやSiCを用いたMOSFET素子である。さらに、第3半導体素子33は、第1半導体素子31と厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に対向している。
【0071】
また、第3半導体素子33は、第3ドレイン電極331、第3ソース電極332および図示しない第3ゲート電極を有する。第3ドレイン電極331は、第5電極に相当しており、はんだ等を介して第1導電板21と厚み方向DTに接続されている。第3ソース電極332は、第6電極に相当しており、はんだ等を介して第1ターミナル61と厚み方向DTに接続されている。第3ゲート電極は、第3ゲート電極への印加電圧に基づいて第3ドレイン電極331および第3ソース電極332の間にて電流を流させる。
【0072】
第4半導体素子34は、第4素子に相当しており、例えば、SiやSiCを用いたMOSFET素子である。さらに、第4半導体素子34は、第2半導体素子32と厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に対向している。また、第4半導体素子34は、第3半導体素子33と一方向Daに対向している。第4半導体素子34および第3半導体素子33は、一方向Daに順に並んでいる。
【0073】
また、第4半導体素子34は、第4ドレイン電極341、第4ソース電極342および図示しない第4ゲート電極を有する。第4ドレイン電極341は、第7電極に相当しており、はんだ等を介して第2導電板22と厚み方向DTに接続されている。第4ソース電極342は、第8電極に相当しており、はんだ等を介して第2ターミナル62と厚み方向DTに接続されている。第4ゲート電極は、第4ゲート電極への印加電圧に基づいて第4ドレイン電極341および第4ソース電極342の間にて電流を流させる。
【0074】
第3ゲート端子73は、銅等の金属で柱状に形成されている。さらに、第3ゲート端子73は、第1ゲート端子71が並ぶ方向に間隔を空けて複数並んでいる。また、第3ゲート端子73は、第3接合部731、第3引き出し部732および第3頂部733を有する。
【0075】
第3接合部731は、第3半導体素子33の図示しない配線およびはんだ等を介して、第3ゲート電極と接続されている。第3引き出し部732は、第3接合部731と接続されている。さらに、第3引き出し部732は、第3接合部731から厚み方向DTに延びている。これにより、第3ゲート端子73は、開口405を通過するように延びている。第3頂部733は、第3引き出し部732と接続されている。また、ここでは、第3頂部733は、厚み方向DTと交差する方向に延びている。さらに、第3頂部733は、第1半導体素子31、第2半導体素子32、第3半導体素子33および第4半導体素子34を駆動させる図示しない駆動回路と接続されている。なお、第3頂部733は、厚み方向DTと交差する方向に延びていることに限定されないで、厚み方向DTに延びていてもよい。
【0076】
第4ゲート端子74は、銅等の金属で柱状に形成されている。さらに、第4ゲート端子74は、第2ゲート端子72が並ぶ方向に間隔を空けて複数並んでいる。また、第4ゲート端子74は、第4接合部741、第4引き出し部742および第4頂部743を有する。
【0077】
第4接合部741は、第4半導体素子34の図示しない配線およびはんだ等を介して、第4ゲート電極と接続されている。第4引き出し部742は、第4接合部741と接続されている。さらに、第4引き出し部742は、第4接合部741から厚み方向DTに延びている。これにより、第4ゲート端子74は、開口405を通過するように延びている。このため、第3ゲート端子73および第4ゲート端子74は、第3半導体素子33および第4半導体素子34の間に配置されているとともに、互いに向かい合っている。第4頂部743は、第4引き出し部742と接続されている。また、ここでは、第4頂部743は、第4引き出し部742との境界部から第3頂部733に向かう方向に延びている。さらに、第4頂部743は、駆動回路と接続されている。なお、第4頂部743は、第4引き出し部742との境界部から第3頂部733に向かう方向に延びていることに限定されないで、厚み方向DTに延びていてもよい。また、図13および図14において、図の煩雑さを避けるため、第1引き出し配線81および第2引き出し配線82の記載は省略されている。
【0078】
第1ターミナル61は、第2導電板22のうち第1半導体素子31に対して第3半導体素子33とは反対側の部位に接続されている。さらに、第1ターミナル61は、第2導電板22のうち第3半導体素子33に対して第1半導体素子31とは反対側の部位と接続されている。
【0079】
また、P端子30、第1導電板21、第1半導体素子31、第1ターミナル61、第2導電板22、第2半導体素子32およびN端子40の間にて電流経路Cpが形成されている。これに加えて、P端子30、第1導電板21、第3半導体素子33、第1ターミナル61、第2導電板22、第4半導体素子34およびN端子40の間にて電流経路Cpが形成されている。
【0080】
以上のように、第5実施形態の半導体装置10は、構成されている。この第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第5実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0081】
[5]第1ターミナル61は、第2導電板22のうち第1半導体素子31に対して第3半導体素子33とは反対側に接続されているとともに、第2導電板22のうち第3半導体素子33に対して第1半導体素子31とは反対側に接続されている。
【0082】
これにより、第1半導体素子31側の第1ターミナル61および第2導電板22の間における電流の経路が形成されるとともに、第3半導体素子33側の第1ターミナル61および第2導電板22の間における電流の経路が形成される。このため、第1半導体素子31側および第3半導体素子33側のどちらか一方のみに電流の経路が形成されている場合と比較して、インダクタンスの偏りが抑制される。
【0083】
(第6実施形態)
第6実施形態では、図15および図16に示すように、P端子30、第1ターミナル61およびN端子40の形態が第5実施形態と異なる。これ以外は、第5実施形態と同様である。なお、図15および図16において、図の煩雑さを避けるため、第1引き出し配線81および第2引き出し配線82の記載は省略されている。
【0084】
P端子30は、第1のP端子301および第2のP端子302を有する。第1のP端子301および第2のP端子302は、第1導電板21に接続されている。また、第1のP端子301および第2のP端子302は、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に間隔を空けて並んでいる。さらに、第1のP端子301は、第1半導体素子31および第2半導体素子32と一方向Daに並んでいる。第2のP端子302は、第3半導体素子33および第4半導体素子34と一方向Daに並んでいる。
【0085】
第1ターミナル61は、第2導電板22のうち、第1半導体素子31に対して第3半導体素子33とは反対側の部位、および、第3半導体素子33に対して第1半導体素子31とは反対側の部位と接続されている。これに加えて、第1ターミナル61は、第2導電板22のうち第1半導体素子31および第3半導体素子33の間の部位と接続されている。
【0086】
N端子40は、第1延長部401、第2延長部402および開口405に加えて、第3延長部403を有する。第3延長部403は、ここでは、第1延長部401に接続されている。また、第3延長部403は、第1延長部401との境界部から一方向Daに延びている。さらに、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向において、第3延長部403は、互いに隣り合う第2延長部402同士の間に配置されている。また、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向において、第2延長部402および第3延長部403の間に、第1半導体素子31および第3半導体素子33が配置されている。
【0087】
また、第1のP端子301、第1導電板21、第1半導体素子31、第1ターミナル61、第2導電板22、第2半導体素子32およびN端子40の間にて第1電流経路Cp1が形成されている。さらに、第2のP端子302、第1導電板21、第3半導体素子33、第1ターミナル61、第2導電板22、第4半導体素子34およびN端子40の間にて第2電流経路Cp2が形成されている。
【0088】
ここで、例えば、第1電流経路Cp1の方向が第1のP端子301からN端子40に向かう方向であるとする。また、第2電流経路Cp2の方向が第2のP端子302からN端子40に向かう方向であるとする。このとき、第2導電板22における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。さらに、第2延長部402における電流経路方向は、一方向Daである。また、第3延長部403における電流経路方向は、一方向Daである。したがって、第2導電板22における電流経路方向は、第2延長部402における電流経路方向とは反対方向になっている。さらに、第2導電板22における電流経路方向は、第3延長部403における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0089】
以上のように、第6実施形態の半導体装置10は、構成されている。この第6実施形態においても、第5実施形態と同様の効果を奏する。
【0090】
(第7実施形態)
第7実施形態では、図17および図18に示すように、第1ターミナル61の態様が第5実施形態と異なる。また、第1半導体素子31、第2半導体素子32、第3半導体素子33および第4半導体素子34の態様が第5実施形態と異なる。さらに、半導体装置10は、第1ターミナル61および第2ターミナル62に加えて、第3ターミナル63を備える。また、N端子40の第1延長部401、第2延長部402および開口405の態様が第5実施形態と異なる。さらに、O端子50の形態が第5実施形態と異なる。また、第1ゲート端子71、第2ゲート端子72、第3ゲート端子73および第4ゲート端子74の態様が第5実施形態と異なる。これら以外は、第5実施形態と同様である。なお、図17および図18において、図の煩雑さを避けるため、第1引き出し配線81および第2引き出し配線82の記載は省略されている。
【0091】
第1ターミナル61は、はんだ等を介して第1ソース電極312に接続されている。さらに、第1ターミナル61は、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に延びていることに代えて、第1ソース電極312から一方向Daとは反対方向に延びている。これにより、第1ターミナル61は、第2導電板22に接続されている。
【0092】
第1半導体素子31は、第3半導体素子33と厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に対向している。第2半導体素子32は、第1半導体素子31と一方向Daに対向している。第2半導体素子32および第1半導体素子31は、一方向Daに順に並んでいる。また、第2半導体素子32は、第4半導体素子34と厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に対向している。第4半導体素子34は、第3半導体素子33と一方向Daに対向している。第4半導体素子34および第3半導体素子33は、一方向Daに順に並んでいる。
【0093】
第3ターミナル63は、はんだ等を介して第3ソース電極332に接続されている。さらに、第3ターミナル63は、第3ソース電極332から一方向Daとは反対方向に延びている。これにより、第3ターミナル63は、第2導電板22に接続されている。
【0094】
第1延長部401は、第2ターミナル62と厚み方向DTに接続されている。第2ターミナル62は、はんだ等を介して第2半導体素子32に接続されている。このため、第1延長部401は、第2ターミナル62等を介して第2ソース電極322と接続されている。また、第1延長部401は、一方向Daに延びている。さらに、第1延長部401は、電源に接続されている。また、第1延長部401を厚み方向DTに投影したとき、投影した第1延長部401は、第1導電板21、第2導電板22および第1ターミナル61と重なる。
【0095】
第2延長部402は、第2ターミナル62と厚み方向DTに接続されている。第2ターミナル62は、はんだ等を介して第4半導体素子34に接続されている。このため、第2延長部402は、第2ターミナル62等を介して第4ソース電極342と接続されている。また、第2延長部402は、一方向Daに延びている。さらに、第2延長部402は、電源に接続されている。また、第2延長部402を厚み方向DTに投影したとき、投影した第2延長部402は、第1導電板21、第2導電板22および第3ターミナル63と重なる。さらに、第2延長部402は、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に第1延長部401と離れている。開口405は、第1延長部401および第2延長部402によって形成された空間である。
【0096】
O端子50は、第1のO端子501および第2のO端子502を有する。第1のO端子501および第2のO端子502は、第2導電板22に接続されている。また、第1のO端子501および第2のO端子502は、厚み方向DTおよび一方向Daと直交する方向に間隔を空けて並んでいる。さらに、第1のO端子501は、第2半導体素子32と一方向Daに対向している。第1のO端子501、第2半導体素子32および第1半導体素子31は、一方向Daに順に並んでいる。第2のO端子502は、第4半導体素子34と一方向Daに対向している。第2のO端子502、第4半導体素子34および第3半導体素子33は、一方向Daに順に並んでいる。
【0097】
第1ゲート端子71は、第1ゲート電極に接続されているとともに、開口405を通過するように延びている。第2ゲート端子72は、第2ゲート電極に接続されているとともに、開口405を通過するように延びている。第3ゲート端子73は、第3ゲート電極に接続されているとともに、開口405を通過するように延びている。第4ゲート端子74は、第4ゲート電極に接続されているとともに、開口405を通過するように延びている。また、第1ゲート端子71および第3ゲート端子73は、第1半導体素子31および第3半導体素子33の間に配置されているとともに、互いに向かい合っている。さらに、第2ゲート端子72および第4ゲート端子74は、第2半導体素子32および第4半導体素子34の間に配置されているとともに、互いに向かい合っている。
【0098】
また、P端子30、第1導電板21、第1半導体素子31、第1ターミナル61、第2導電板22、第2半導体素子32および第1延長部401の間にて第1電流経路Cp1が形成されている。
【0099】
ここで、例えば、第1電流経路Cp1の方向がP端子30からN端子40に向かう方向であるとする。このとき、第1ターミナル61における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。さらに、第1延長部401における電流経路方向は、一方向Daである。したがって、第1ターミナル61における電流経路方向は、第1延長部401における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0100】
また、P端子30、第1導電板21、第3半導体素子33、第3ターミナル63、第2導電板22、第4半導体素子34および第2延長部402の間にて第2電流経路Cp2が形成されている。
【0101】
ここで、例えば、第2電流経路Cp2の方向がP端子30からN端子40に向かう方向であるとする。このとき、第3ターミナル63における電流経路方向は、一方向Daとは反対方向である。さらに、第2延長部402における電流経路方向は、一方向Daである。よって、第3ターミナル63における電流経路方向は、第2延長部402における電流経路方向とは反対方向になっている。
【0102】
以上のように、第7実施形態の半導体装置10は、構成されている。この第7実施形態においても、第5実施形態と同様の効果を奏する。
【0103】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0104】
上記各実施形態では、第1素子に相当する第1半導体素子31および第2素子に相当する第2半導体素子32は、MOSFET素子である。これに対して、第1半導体素子31および第2半導体素子32は、MOSFET素子であることに限定されないで、IGBT素子等であってもよい。なお、IGBTは、Insulated Gate Bipolar Transistorの略である。
【0105】
上記各実施形態では、N端子40の第1延長部401は、第6接合材46、第2ターミナル62および第5接合材45を介して第2ソース電極322と接続されている。これに対して、第2ターミナル62は、形成されていなくてもよい。第1延長部401と第2ソース電極322とは、第2ターミナル62を介さないで、はんだ等の接合材を介して接続されてもよい。
【0106】
(本開示の観点)
[観点1]
半導体装置であって、
基板(15)と、
前記基板上に形成されているとともに、導電性を有する第1導電部(21)と、
前記第1導電部に接続されているとともに、前記第1導電部から前記基板の厚み方向(DT)と交差する一方向(Da)に延びている第1端子(30)と、
前記第1導電部に接続されている第1電極と、第2電極と、印加電圧に基づいて前記第1電極および前記第2電極の間にて電流を流させる第1ゲート電極と、を有する第1素子(31)と、
前記基板上に形成されているとともに、導電性を有する第2導電部(22)と、
前記第2電極に接続されているとともに、前記厚み方向および前記一方向と交差する方向に延びていることにより前記第2導電部に接続されているターミナル(61)と、
前記第2導電部に接続されている第3電極と、第4電極と、印加電圧に基づいて前記第3電極および前記第4電極の間にて電流を流させる第2ゲート電極と、を有する第2素子(32)と、
前記第4電極に接続されているとともに前記厚み方向および前記一方向と交差する方向に延びている第1延長部(401)と、前記第1延長部に接続されているとともに前記第1延長部から前記一方向に延びている第2延長部(402)と、前記第1延長部および前記第2延長部によって形成されている開口(405)と、を有する第2端子(40)と、
前記第1ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第1ゲート端子(71)と、
前記第2ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第2ゲート端子(72)と、
前記第2導電部に接続されているとともに、前記第1素子および前記第2素子のオンオフに応じた電流を出力する出力端子(50)と、
を備え、
前記第2素子は、前記第1素子と前記一方向に対向しており、
前記第1ゲート端子および前記第2ゲート端子は、前記第1素子および前記第2素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、
前記第1端子、前記第1導電部、前記第1素子、前記ターミナル、前記第2導電部、前記第2素子および前記第2端子の間にて電流経路(Cp)が形成されている半導体装置。
[観点2]
前記ターミナルおよび前記第2導電部の間における電流経路方向は、前記第2延長部における電流経路方向とは反対方向になっている観点1に記載の半導体装置。
[観点3]
前記第2延長部を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第2延長部が前記第2導電部と重なる観点2に記載の半導体装置。
[観点4]
前記第2延長部は、前記第2延長部を前記一方向と直交する方向に切断したとき、前記厚み方向および前記一方向と直交する方向を向く延長部両端(412)を有し、
前記第2導電部は、前記延長部両端を通って前記第2導電部を前記一方向と直交する方向に切断したとき、前記厚み方向および前記一方向と直交する方向を向く導電部両端(222)を有し、
前記延長部両端を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記延長部両端が前記導電部両端と重なる観点2または3に記載の半導体装置。
[観点5]
前記第2端子は、前記第2延長部のうち前記第1延長部とは反対側と前記厚み方向および前記一方向と交差する方向に接続されているとともに前記一方向に延びており、前記第1延長部および前記第2延長部とともに前記開口を形成している第3延長部(403)を有し、
前記第2延長部および前記第3延長部の間における電流経路方向は、前記ターミナルにおける電流経路方向とは反対方向になっている観点1ないし4のいずれか1つに記載の半導体装置。
[観点6]
前記第3延長部における電流経路方向は、前記第1端子における電流経路方向とは反対方向になっている観点5に記載の半導体装置。
[観点7]
前記第3延長部を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第3延長部が前記第1端子と重なる観点6に記載の半導体装置。
[観点8]
前記第3延長部を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第3延長部が前記ターミナルと重なる観点5ないし7のいずれか1つに記載の半導体装置。
[観点9]
前記半導体装置は、
前記第1導電部に接続されている第5電極と、前記ターミナルに接続されている第6電極と、印加電圧に基づいて前記第5電極および前記第6電極の間にて電流を流させる第3ゲート電極と、を有する第3素子(33)と、
前記第2導電部に接続されている第7電極と、前記第1延長部に接続されている第8電極と、印加電圧に基づいて前記第7電極および前記第8電極の間にて電流を流させる第4ゲート電極と、を有する第4素子(34)と、
前記第3ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第3ゲート端子(73)と、
前記第4ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第4ゲート端子(74)と、
を備え、
前記第4素子は、前記第3素子と前記一方向に対向しており、
前記第3ゲート端子および前記第4ゲート端子は、前記第3素子および前記第4素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、
前記第1端子、前記第1導電部、前記第3素子、前記ターミナル、前記第2導電部、前記第4素子および前記第2端子の間にて電流経路が形成されている観点1ないし8のいずれか1つに記載の半導体装置。
[観点10]
前記ターミナルは、前記第2導電部のうち前記第1素子に対して前記第3素子とは反対側に接続されているとともに、前記第2導電部のうち前記第3素子に対して前記第1素子とは反対側に接続されている観点9に記載の半導体装置。
[観点11]
半導体装置であって、
基板(15)と、
前記基板上に形成されているとともに、導電性を有する第1導電部(21)と、
前記第1導電部に接続されているとともに、前記第1導電部から前記基板の厚み方向(DT)と交差する一方向(Da)に延びている第1端子(30)と、
前記第1導電部に接続されている第1電極と、第2電極と、印加電圧に基づいて前記第1電極および前記第2電極の間にて電流を流させる第1ゲート電極と、を有する第1素子(31)と、
前記基板上に形成されているとともに、導電性を有する第2導電部(22)と、
前記第2電極に接続されているとともに、前記一方向とは反対方向に延びていることにより前記第2導電部に接続されている第1ターミナル(61)と、
前記第2導電部に接続されている第3電極と、第4電極と、印加電圧に基づいて前記第3電極および前記第4電極の間にて電流を流させる第2ゲート電極と、を有する第2素子(32)と、
前記第1導電部に接続されている第5電極と、第6電極と、印加電圧に基づいて前記第5電極および前記第6電極の間にて電流を流させる第3ゲート電極と、を有する第3素子(33)と、
前記第6電極に接続されているとともに、前記一方向とは反対方向に延びていることにより前記第2導電部に接続されている第2ターミナル(63)と、
前記第2導電部に接続されている第7電極と、第8電極と、印加電圧に基づいて前記第7電極および前記第8電極の間にて電流を流させる第4ゲート電極と、を有する第4素子(34)と、
前記第4電極に接続されているとともに前記一方向に延びている第1延長部(401)と、前記第8電極に接続されているとともに前記一方向に延びている第2延長部(402)と、前記第1延長部および前記第2延長部によって形成されている開口(405)と、を有する第2端子(40)と、
前記第1ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第1ゲート端子(71)と、
前記第2ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第2ゲート端子(72)と、
前記第3ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第3ゲート端子(73)と、
前記第4ゲート電極に接続されているとともに、前記開口を通過するように延びている第4ゲート端子(74)と、
前記第2導電部に接続されているとともに、前記第1素子、前記第2素子、前記第3素子および前記第4素子のオンオフに応じた電流を出力する出力端子(50、501、502)と、
を備え、
前記第1素子は、前記第3素子と前記厚み方向および前記一方向と交差する方向に対向しており、
前記第2素子は、前記第1素子と前記一方向に対向しているとともに、前記第4素子と前記厚み方向および前記一方向と交差する方向に対向しており、
前記第4素子は、前記第3素子と前記一方向に対向しており、
前記第1ゲート端子および前記第3ゲート端子は、前記第1素子および前記第3素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、
前記第2ゲート端子および前記第4ゲート端子は、前記第2素子および前記第4素子の間に配置されているとともに、互いに向かい合っており、
前記第1端子、前記第1導電部、前記第1素子、前記第1ターミナル、前記第2導電部、前記第2素子および前記第2端子の間にて第1電流経路(Cp1)が形成されており、
前記第1端子、前記第1導電部、前記第3素子、前記第2ターミナル、前記第2導電部、前記第4素子および前記第2端子の間にて第2電流経路(Cp2)が形成されている半導体装置。
【符号の説明】
【0107】
15 基板
21 第1導電板
22 第2導電板
30 P端子
31 第1半導体素子
32 第2半導体素子
40 N端子
50 O端子
71 第1ゲート端子
72 第2ゲート端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18