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特開2024-174676連続炉の制御方法、連続炉、及び、連続炉の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174676
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】連続炉の制御方法、連続炉、及び、連続炉の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   F27D 19/00 20060101AFI20241210BHJP
   F27B 9/40 20060101ALI20241210BHJP
   F27B 9/02 20060101ALI20241210BHJP
   F27B 9/04 20060101ALI20241210BHJP
   F27D 7/06 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
F27D19/00 D
F27B9/40
F27B9/02
F27B9/04
F27D7/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092631
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100221372
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 信治
(72)【発明者】
【氏名】森元 陽介
【テーマコード(参考)】
4K050
4K056
4K063
【Fターム(参考)】
4K050AA04
4K050BA01
4K050BA07
4K050CA13
4K050CC07
4K050CG04
4K050EA04
4K050EA08
4K056AA11
4K056FA01
4K056FA11
4K063AA07
4K063AA15
4K063BA02
4K063BA03
4K063BA04
4K063CA03
4K063DA05
4K063DA33
(57)【要約】
【課題】熱処理を行う連続炉において、条件の異なる処理を行う処理室間のリークが生じないようにする。
【解決手段】対象物を処理可能な第1処理室1と、対象物を処理可能な第2処理室2と、第1処理室1と第2処理室2との間に配置された第1中間室3と、第1処理室1と第1中間室3との間を開閉する第1閉鎖機構33と、第2処理室2と第1中間室3との間を開閉する第2閉鎖機構34と、を備える連続炉100の制御方法は、第1閉鎖機構33及び第2閉鎖機構34を閉じるステップと、第1閉鎖機構33及び第2閉鎖機構34を閉じるステップにおいて、第1中間室3のガス圧と第1処理室1のガス圧との差により第1閉鎖機構33が閉じる方向に圧力がかかる、及び/又は、第1中間室3のガス圧と第2処理室2のガス圧との差により第2閉鎖機構34が閉じる方向に圧力がかかるように、第1中間室3のガス圧を調整するステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を処理可能な第1処理室と、前記対象物を処理可能な第2処理室と、前記第1処理室と前記第2処理室との間に配置された中間室と、前記第1処理室と前記中間室との間を開閉する第1閉鎖機構と、前記第2処理室と前記中間室との間を開閉する第2閉鎖機構と、を備える連続炉の制御方法であって、
前記第1閉鎖機構及び前記第2閉鎖機構を閉じるステップと、
前記第1閉鎖機構及び前記第2閉鎖機構を閉じるステップにおいて、前記中間室のガス圧と前記第1処理室のガス圧との差により前記第1閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかる、及び/又は、前記中間室のガス圧と前記第2処理室のガス圧との差により前記第2閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるように、前記中間室のガス圧を調整するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記第1閉鎖機構が、前記中間室側から前記第1処理室側に駆動して前記第1処理室と前記中間室との間を閉じ、かつ、前記第2閉鎖機構が、前記中間室側から前記第2処理室側に駆動して前記第2処理室と前記中間室との間を閉じ、
前記第1閉鎖機構及び前記第2閉鎖機構を閉じるとき、前記中間室のガス圧が、前記第1処理室のガス圧及び前記第2処理室のガス圧よりも高いガス圧に調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1閉鎖機構が、前記第1処理室側から前記中間室側に駆動して前記第1処理室と前記中間室との間を閉じ、かつ、前記第2閉鎖機構が、前記第2処理室側から前記中間室側に駆動して前記第2処理室と前記中間室との間を閉じ、
前記第1閉鎖機構及び前記第2閉鎖機構を閉じるとき、前記中間室のガス圧が、前記第1処理室のガス圧及び前記第2処理室のガス圧よりも低いガス圧に調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1閉鎖機構及び前記第2閉鎖機構を開くとき、前記第1処理室のガス圧、前記第2処理室のガス圧、及び前記中間室のガス圧が同一ガス圧に調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記連続炉は、前記第1処理室と前記第2処理室と前記中間室とを接続するバイパス配管と、前記バイパス配管を開閉する開閉装置とをさらに有するものであり、
前記第1閉鎖機構及び前記第2閉鎖機構を開くとき、前記開閉装置を開放することで、前記第1処理室のガス圧、前記第2処理室のガス圧、及び前記中間室のガス圧が同一ガス圧に調整される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1処理室のガス圧と前記第2処理室のガス圧とは、-0.1MPa以上、1MPa未満の範囲内の圧力である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
対象物を処理可能な第1処理室と、
前記対象物を処理可能な第2処理室と、
前記第1処理室と前記第2処理室との間に配置された中間室と、
前記第1処理室と前記中間室との間を開閉する第1閉鎖機構と、
前記第2処理室と前記中間室との間を開閉する第2閉鎖機構と、
前記第1処理室のガス圧を調整する第1圧力調整機構と、
前記第2処理室のガス圧を調整する第2圧力調整機構と、
前記中間室のガス圧を前記第1処理室及び前記第2処理室のガス圧とは独立して調整可能な第3圧力調整機構と、を備える、連続炉。
【請求項8】
前記第1圧力調整機構、前記第2圧力調整機構、及び前記第3圧力調整機構と、前記第1閉鎖機構及び前記第2閉鎖機構の開閉とを制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1処理室のガス圧と前記中間室のガス圧との差により前記第1閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるように、及び/又は、前記第2処理室のガス圧と前記中間室のガス圧との差により前記第2閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるように、前記第3圧力調整機構を制御する、請求項7に記載の連続炉。
【請求項9】
前記第1閉鎖機構が、前記中間室側から前記第1処理室側に駆動して前記第1処理室と前記中間室との間を閉じるものであり、かつ、前記第2閉鎖機構が、前記中間室側から前記第2処理室側に駆動して前記第2処理室と前記中間室との間を閉じるものであり、
前記第3圧力調整機構は、前記中間室のガス圧を、前記第1処理室のガス圧及び前記第2処理室のガス圧よりも高いガス圧に調整する、請求項8に記載の連続炉。
【請求項10】
前記第1閉鎖機構が、前記第1処理室側から前記中間室側に駆動して前記第1処理室と前記中間室との間を閉じるものであり、かつ、前記第2閉鎖機構が、前記第2処理室側から前記中間室側に駆動して前記第2処理室と前記中間室との間を閉じるものであり、
前記第3圧力調整機構は、前記中間室のガス圧を、前記第1処理室のガス圧及び前記第2処理室のガス圧よりも低いガス圧に調整する、請求項8に記載の連続炉。
【請求項11】
前記第1圧力調整機構、前記第2圧力調整機構及び前記第3圧力調整機構は、前記第1閉鎖機構及び前記第2閉鎖機構を開くとき、前記第1処理室、前記第2処理室、及び前記中間室のガス圧を同一のガス圧に調整する、請求項7に記載の連続炉。
【請求項12】
前記第1処理室と、前記第2処理室と、前記中間室とを接続するバイパス配管と、
前記バイパス配管を開閉する開閉装置と、をさらに備え、
前記第1圧力調整機構、前記第2圧力調整機構及び前記第3圧力調整機構は、前記開閉装置を開放して、前記第1処理室、前記第2処理室、及び前記中間室のガス圧を同一ガス圧に調整する、請求項11に記載の連続炉。
【請求項13】
前記第1処理室のガス圧及び前記第2処理室のガス圧は、-0.1MPa以上、1MPa未満の範囲内の圧力である、請求項7~12のいずれかに記載の連続炉。
【請求項14】
対象物を処理可能な第1処理室と、前記対象物を処理可能な第2処理室と、前記第1処理室と前記第2処理室との間に配置された中間室と、前記第1処理室と前記中間室との間を開閉する第1閉鎖機構と、前記第2処理室と前記中間室との間を開閉する第2閉鎖機構と、を備える連続炉の機能をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、
前記第1閉鎖機構及び前記第2閉鎖機構を閉じるステップと、
前記第1閉鎖機構及び前記第2閉鎖機構を閉じるステップにおいて、前記中間室のガス圧と前記第1処理室のガス圧との差により前記第1閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかる、及び/又は、前記中間室のガス圧と前記第2処理室のガス圧との差により前記第2閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるように、前記中間室のガス圧を調整するステップとをコンピュータに実行させる、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続炉の制御方法、連続炉、及び、連続炉の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の対象物(例えば、金属粉末成形体、セラミックス粉末成形体等)に対して、それぞれが異なる条件(空間の雰囲気、圧力、温度等)の複数の処理を連続的に行う装置として、連続炉と呼ばれるものが知られている。
【0003】
例えば、金属粉末成形品を脱ワックスするために不活性ガスを循環させて加熱する脱ワックス室と、当該金属粉末成形品を真空焼結する真空焼結室と、脱ワックス室と真空焼結室との間に配置された中間室と、脱ワックス室と中間室とを開閉する扉と、中間室と真空焼結とを開閉する扉と、を備えた設備が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6607368号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、連続炉で行う複数の処理のいくつかを高圧の雰囲気で行いたい要望がある。例えば、10気圧近傍の雰囲気下で千数百度の温度で焼成を行いたい場合がある。しかしながら、従来の連続炉は、このような高い圧力を必要とする処理に対応できなかった。具体的には、従来の連続炉では以下の問題が生じる可能性があった。
【0006】
連続炉では、処理室と中間室とを隔てる扉を処理室又は中間室に密着させて、処理室と中間室とを空間的に分離する。処理室と中間室との間には圧力差があるため、扉には、この圧力差により処理室又は中間室から離れる方向に力が働く。扉を駆動する機構は、処理室と中間室との圧力差により扉に働く力に抗する力を扉に付与することで、処理室又は中間室に扉を密着させている。
【0007】
処理室の圧力が高い、すなわち、処理室と中間室との圧力差が大きくなると、扉に働く力が大きくなるため、扉を駆動する機構による力のみでは扉を処理室又は中間室に密着させることができず、処理室からリークが生じる可能性がある。処理室からリークが生じると、処理室を所望の圧力に維持することが困難になり、所望の処理を適切に行うことができなくなる可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、処理室と中間室とを備える連続炉において、処理室が高圧となっても、処理室と中間室との間にリークが生じることを防止又は抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の好ましい実施形態による連続炉の制御方法は、対象物を処理可能な第1処理室と、対象物を処理可能な第2処理室と、第1処理室と第2処理室との間に配置された中間室と、第1処理室と中間室との間を開閉する第1閉鎖機構と、第2処理室と中間室との間を開閉する第2閉鎖機構と、を備える連続炉の制御方法であって、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を閉じるステップと、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を閉じるステップにおいて、中間室のガス圧と第1処理室のガス圧との差により第1閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかる、及び/又は、中間室のガス圧と第2処理室のガス圧との差により第2閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるように、中間室のガス圧を調整するステップとを含む。
【0010】
本発明の好ましい実施形態による連続炉は、対象物を処理可能な第1処理室と、対象物を処理可能な第2処理室と、第1処理室と第2処理室との間に配置された中間室と、第1処理室と中間室との間を開閉する第1閉鎖機構と、第2処理室と中間室との間を開閉する第2閉鎖機構と、第1処理室のガス圧を調整する第1圧力調整機構と、第2処理室のガス圧を調整する第2圧力調整機構と、中間室のガス圧を第1処理室及び第2処理室のガス圧とは独立して調整可能な第3圧力調整機構と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
上記の連続炉およびその制御方法では、中間室のガス圧と第1処理室のガス圧との差により第1閉鎖機構が閉じる方向に第1閉鎖機構に圧力がかかるので、第1閉鎖機構を第1処理室と中間室とを連通している部分に対して、より確実に密着させることができる。または、中間室のガス圧と第2処理室のガス圧との差により第2閉鎖機構が閉じる方向に第2閉鎖機構に圧力がかかるので、第2閉鎖機構を第2処理室と中間室とを連通している部分に対して、より確実に密着させることができる。この結果、第1処理室及び/又は第2処理室を高圧に調整する場合であっても、第1処理室と中間室とをより確実に閉じ、第2処理室と中間室とをより確実に閉じることができるので、これら処理室と中間室との間にガスのリークが生じることを防止又は抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】連続炉の構成を示す図である。
図2】連続炉に備わるガスライン構成を示す図である。
図3】連続炉の制御構成を示す図である。
図4】連続炉の動作を示すフローチャートである(その1)。
図5】連続炉の動作を示すフローチャートである(その2)。
図6】変形例1の連続炉の構成を示す図である。
図7】変形例2の連続炉の構成を示す図である。
図8】他の実施形態の連続炉の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<1.概要>
以下、連続炉100を説明する。連続炉100は、それぞれが独立して内部の圧力(ガス圧のことをいう、以下同様。)及び/又は温度を設定可能な複数の処理室を並べて配置した装置である。連続炉100は、各処理室において、所定の対象物に対して異なる条件で熱処理などの処理を連続的に行うことができる。ここで、「連続的に処理を行う」とは、所定の対象物を外部に取り出すことなく、特定の処理室から他の処理室に対象物を搬送させて、特定の処理室と他の処理室とで個別の処理を実行することをいう。
【0014】
連続炉100において処理を行う所定の対象物は、例えば、金属粉末成形体、セラミックス粉末成形体などである。連続炉100では、これら粉末成形体の焼結、脱脂などの熱処理を行うことができる。連続炉100では、高温・高圧の条件下で対象物の処理が行われる。例えば、セラミックス粉末成形体の焼結は、10気圧近傍(例えば、0.9MPa)の雰囲気下で、千数百度(例えば、1500度)以上の温度で行われる。
【0015】
<2.連続炉の構成>
以下、図1を用いて、連続炉100の構成を説明する。図1は、連続炉100の構成を示す図である。図1に示すように、連続炉100は、第1処理室1と、第2処理室2と、第1中間室3と、を主に備える。
【0016】
第1処理室1は、内部に第1空間SP1を有する円筒形状の処理炉である。第1処理室1は、第二種圧力容器であり、高温・高圧に耐えられる構造を有している。具体的には、第1処理室1は、-0.1MPa(真空)以上、1MPa(10気圧)未満の圧力に耐えられる構造を有している。
【0017】
第1処理室1は、両端に開口を有している。第1処理室1の一端側の開口には、入口扉11が設けられる。入口扉11は、第1処理室1の一端側の開口を開閉する。入口扉11を開いた状態においては、第1処理室1の一端側の開口を介して、外部と第1空間SP1とが連通する。入口扉11を開いて外部と第1空間SP1とを連通させることで、連続炉100で処理する対象物を第1空間SP1に設置できる。第1処理室1の他端側の開口は、第1中間室3の第1接続部分31と連結されている。
【0018】
第1処理室1の第1空間SP1には、複数の第1搬送ローラ12と、第1ヒータ13と、が設けられる。複数の第1搬送ローラ12は、第1空間SP1の底部において、第1空間SP1の長手方向に並んで設けられる。複数の第1搬送ローラ12は、第1モータ14(図3)により軸周りに回転可能となっている。
【0019】
第1空間SP1において、連続炉100を用いて処理を行う対象物は、第1搬送ローラ12に載置される。第1搬送ローラ12が回転すると、第1搬送ローラ12に載置された対象物が、当該第1搬送ローラ12の回転に従って第1空間SP1内をその長手方向に搬送される。第1ヒータ13は、第1空間SP1を加熱して、第1空間SP1を所定の温度とする。第1処理室1は、第1空間SP1の温度を測定する第1温度センサT1(図3)を有する。
【0020】
第2処理室2は、内部に第2空間SP2を有する円筒形状の処理炉である。第2処理室2は、第二種圧力容器であり、高温・高圧に耐えられる構造を有している。具体的には、第2処理室2は、-0.1MPa以上、1MPa未満の圧力に耐えられる構造を有している。
【0021】
第2処理室2は、両端に開口を有している。第2処理室2の一端側の開口は、第1中間室3の第2接続部分32と連結されている。上記のように、第1中間室3の第1接続部分31は、第1処理室1の他端側の開口と連結されている。従って、第1処理室1の第1空間SP1と第2処理室2の第2空間SP2とは、第1中間室3を介して接続されている。これにより、連続炉100で処理する対象物を、第1空間SP1から第2空間SP2の方向へ、又はその逆方向に搬送することができる。第2処理室2の他端側の開口は、第2中間室4の第3接続部分41と連結されている。
【0022】
第2処理室2の第2空間SP2には、複数の第2搬送ローラ21と、第2ヒータ22と、が設けられる。複数の第2搬送ローラ21は、第2空間SP2の底部において、第2空間SP2の長手方向に並んで設けられる。複数の第2搬送ローラ21は、第2モータ23(図3)により軸周りに回転可能となっている。
【0023】
第2空間SP2において、第1空間SP1から搬送されてきた対象物は、第2搬送ローラ21に載置される。第2搬送ローラ21が回転すると、第2搬送ローラ21に載置された対象物が、当該第2搬送ローラ21の回転に従って第2空間SP2内をその長手方向に搬送される。第2ヒータ22は、第2空間SP2を加熱して、第2空間SP2を所定の温度とする。第2処理室2は、第2空間SP2の温度を測定する第2温度センサT2(図3)を有する。
【0024】
第1中間室3は、第1処理室1と第2処理室2との間に配置される。具体的には、第1中間室3の第1接続部分31と第1処理室1の他端側の開口とが連結される。第1中間室3の第2接続部分32と第2処理室2の一端側の開口とが連結される。第1中間室3は、内部に第3空間SP3を有する。第3空間SP3には、第1閉鎖機構33と、第2閉鎖機構34と、が設けられる。第1閉鎖機構33、第2閉鎖機構34として、例えば、バルブや扉等が採用され得るので、以下では、第1バルブ33、第2バルブ34と表記する。
【0025】
第1バルブ33は、第3空間SP3の第1接続部分31側に配置され、第1処理室1の第1空間SP1と第1中間室3の第3空間SP3との間を開閉する。第1バルブ33は、第1リンク機構33aを介して、第1バルブ駆動棒35に接続される。第1バルブ駆動棒35は、第1アクチュエータ36(図3)によって、第3空間SP3内を上下に移動可能となっている。
【0026】
第1バルブ駆動棒35を下方向に移動させると、第1バルブ33が下方向に移動するとともに、第1リンク機構33aによって、第1バルブ33が第1接続部分31に密着される。第1バルブ33の第1接続部分31に密着する部分には、シール部材(Oリング)が設けられており、シール部材の弾性変形により、密着がなされる。シール部材は、第1接続部分31側に設けられてもよい。
【0027】
これにより、第1処理室1の第1空間SP1と第1中間室3の第3空間SP3とが空間的に分離される。一方、第1バルブ駆動棒35を上方向に移動させると、第1バルブ33が第1接続部分31から離れて上方向に移動する。これにより、第1空間SP1と第3空間SP3とが空間的に接続される。
【0028】
第2バルブ34は、第3空間SP3の第2接続部分32側に配置され、第2処理室2の第2空間SP2と第1中間室3の第3空間SP3との間を開閉する。第2バルブ34は、第2リンク機構34aを介して、第1バルブ駆動棒35に接続される。
【0029】
第1バルブ駆動棒35を下方向に移動させると、第2バルブ34が下方向に移動するとともに、第2リンク機構34aによって、第2バルブ34が第2接続部分32に密着される。第2バルブ34の第2接続部分32に密着する部分には、シール部材(Oリング)が設けられており、シール部材の弾性変形により、密着がなされる。シール部材は、第2接続部分32側に設けられてもよい。
【0030】
これにより、第2処理室2の第2空間SP2と第1中間室3の第3空間SP3とが空間的に分離される。一方、第1バルブ駆動棒35を上方向に移動させると、第2バルブ34が第2接続部分32から離れて上方向に移動する。これにより、第2空間SP2と第3空間SP3とが空間的に接続される。
【0031】
第1中間室3の第1接続部分31には第3搬送ローラ37が設けられ、第2接続部分32には第4搬送ローラ38が設けられる。第3搬送ローラ37と第4搬送ローラ38は、第3モータ39(図3)により軸周りに回転可能となっている。第3搬送ローラ37は、第1搬送ローラ12により搬送されてきた対象物を、第1中間室3に導く。第4搬送ローラ38は、第3搬送ローラ37により第1中間室3に導かれた対象物を、第2処理室2の第2空間SP2へ搬送する。
【0032】
図1に示すように、連続炉100は、第2中間室4と、最終処理室5と、を備える。第2中間室4は、第2処理室2と最終処理室5との間に配置される。具体的には、第2中間室4の第3接続部分41と第2処理室2の他端側の開口とが連結される。第2中間室4の第4接続部分42と最終処理室5の一端側の開口とが連結される。第2中間室4は、内部に第4空間SP4を有する。第4空間SP4には、第3閉鎖機構43と、第4閉鎖機構44と、が設けられる。第3閉鎖機構43、第4閉鎖機構44として、例えば、バルブや扉等が採用され得るので、以下では、第3バルブ43、第4バルブ44と表記する。
【0033】
第3バルブ43は、第4空間SP4の第3接続部分41側に配置され、第2処理室2の第2空間SP2と第2中間室4の第4空間SP4との間を開閉する。第3バルブ43は、第3リンク機構43aを介して、第2バルブ駆動棒45に接続される。第2バルブ駆動棒45は、第2アクチュエータ46(図3)によって、第3空間SP3内を上下に移動可能となっている。
【0034】
第2バルブ駆動棒45を下方向に移動させると、第3バルブ43が下方向に移動するとともに、第3リンク機構43aによって、第3バルブ43が第3接続部分41に密着される。第3バルブ43の第3接続部分41に密着する部分には、シール部材(Oリング)が設けられており、シール部材の弾性変形により、密着がなされる。シール部材は、第3接続部分41側に設けられてもよい。
【0035】
これにより、第2処理室2の第2空間SP2と第2中間室4の第4空間SP4とが空間的に分離される。一方、第2バルブ駆動棒45を上方向に移動させると、第3バルブ43が第3接続部分41から離れて上方向に移動する。これにより、第2空間SP2と第4空間SP4とが空間的に接続される。
【0036】
第4バルブ44は、第4空間SP4の第4接続部分42側に配置され、最終処理室5の第5空間SP5と第2中間室4の第4空間SP4との間を開閉する。第4バルブ44は、第4リンク機構44aを介して、第2バルブ駆動棒45に接続される。
【0037】
第2バルブ駆動棒45を下方向に移動させると、第4バルブ44が下方向に移動するとともに、第4リンク機構44aによって、第4バルブ44が大きな力で第4接続部分42に密着される。第4バルブ44の第4接続部分42に密着する部分には、シール部材(Oリング)が設けられており、シール部材の弾性変形により、密着がなされる。シール部材は、第4接続部分42側に設けられてもよい。
【0038】
これにより、最終処理室5の第5空間SP5と第2中間室4の第4空間SP4とが空間的に分離される。一方、第2バルブ駆動棒45を上方向に移動させると、第4バルブ44が第4接続部分42から離れて上方向に移動する。これにより、第5空間SP5と第4空間SP4とが空間的に接続される。
【0039】
第2中間室4の第3接続部分41には第5搬送ローラ47が設けられ、第4接続部分42には第6搬送ローラ48が設けられる。第5搬送ローラ47と第6搬送ローラ48は、第4モータ49(図3)により軸周りに回転可能となっている。第5搬送ローラ47は、第2搬送ローラ21により搬送されてきた対象物を、第2中間室4に導く。第6搬送ローラ48は、第5搬送ローラ47により第2中間室4に導かれた対象物を、最終処理室5の第5空間SP5へ搬送する。
【0040】
最終処理室5は、内部に第5空間SP5を有する円筒形状の処理室である。最終処理室5は、両端に開口を有している。最終処理室5の一端側の開口は、第2中間室4の第4接続部分42と接続されている。一方、最終処理室5の他端側の開口には、出口扉51が設けられる。出口扉51は、最終処理室5の他端側の開口を開閉する。出口扉51を開いた状態においては、最終処理室5の他端側の開口を介して、外部と第5空間SP5とが連通する。出口扉51を開いて外部と第5空間SP5とを連通させることで、連続炉100で処理され第5空間SP5に搬送されてきた対象物を、外部に取り出すことができる。
【0041】
最終処理室5の第5空間SP5には、複数の第7搬送ローラ52と、冷却装置53と、が設けられる。複数の第7搬送ローラ52は、第5空間SP5の底部において、第5空間SP5の長手方向に並んで設けられる。複数の第7搬送ローラ52は、第5モータ54(図3)により軸周りに回転可能となっている。冷却装置53は、出口扉51に設けられ、第5空間SP5に搬送されてきた対象物を冷却する。冷却装置53は、例えば、ファンである。
【0042】
連続炉100は、制御装置6を備える。制御装置6は、CPU、記憶装置(RAM、ROM、SSD、HDDなど)、各種インタフェースなどにより構成されたコンピュータシステムである、図3に示すように、制御装置6は、記憶部61と、制御部62と、を有する。図3は、連続炉100の制御構成を示す図である。
【0043】
記憶部61は、上記コンピュータシステムの記憶装置の記憶領域であり、連続炉100を制御するためのコンピュータプログラム、連続炉100の制御に必要な各種設定値などを記憶する。制御部62は、上記コンピュータシステムのCPU、記憶装置の一部、各種インタフェースにより構成され、連続炉100の各構成要素を制御する。制御部62は、記憶部61に記憶されたコンピュータプログラムを実行して、連続炉100を制御する。その他、制御部62は、連続炉100の制御の一部をハードウェアとして実現してもよい。
【0044】
<3.連続炉のガスライン構成>
次に、図2を用いて、連続炉100に備わるガスライン構成を説明する。図2は、連続炉100に備わるガスライン構成を示す図である。連続炉100において、第1処理室1、第2処理室2、最終処理室5のそれぞれに、第1ガスラインGL1と、第2ガスラインGL2と、排気ラインPLと、が設けられる。また、各処理室には、各処理室の内部空間(第1空間SP1、第2空間SP2、第5空間SP5)の圧力を測定する第1圧力計G1が設けられる。
【0045】
第1ガスラインGL1には、第1開閉装置V1を介して、第1ガス供給源GS1が接続される。第1開閉装置V1は、例えば、電磁バルブなどのバルブである。第1ガスラインGL1は、第1ガス供給源GS1から供給されるガスを、各処理室の内部空間に導入する。第1ガス供給源GS1は、例えば、窒素などの不活性ガス、各処理室において対象物の処理で用いるガス、これらの混合ガスを供給する。
【0046】
第1ガス供給源GS1は、例えば、ガスボンベと、ガスボンベに接続された流量制御装置(例えば、マスフローコントローラなど)などを含む。第1ガス供給源GS1は、各処理室で用いる最大圧力(例えば、1MPa)よりも高い圧力でガスを供給する。なお、第1ガス供給源GS1は、各処理室で異なっており、各処理室で異なるガスを供給可能となっていてもよい。
【0047】
上記の構成では、第1開閉装置V1を開けると、対象物の処理に用いるガスが、第1ガス供給源GS1から各処理室の内部空間に供給される。一方、第1開閉装置V1を閉じると、各処理室の内部空間へのガスの供給が停止する。
【0048】
第2ガスラインGL2は、第2開閉装置V2を介して、外部に接続される。第2開閉装置V2は、例えば、電磁バルブなどのバルブである。第2ガスラインGL2は、各処理室の内部空間のガスを外部に排出する。具体的には、第2開閉装置V2を開けると、各処理室の内部空間と外部との圧力差によって、内部空間に存在するガスが排出される。一方、第2開閉装置V2を閉じると、内部空間からのガスの排出が停止する。
【0049】
排気ラインPLは、ポンプRPに接続される。排気ラインPLは、ポンプRPにより、各処理室の内部空間を排気する。
【0050】
図2に示すガスライン構成では、第1ガスラインGL1から内部空間に供給されるガス量と、内部空間から第2ガスラインGL2を通じて外部に排出するガス量と、をバランスさせることにより、各処理室の内部空間の圧力を所望の圧力で安定させることができる。各処理室に、第1ガスラインGL1、第2ガスラインGL2、及び排気ラインPLを設けることで、各処理室の内部空間において、他の処理室とは独立した所望の圧力を有する所望のガス雰囲気を作り出すことができる。従って、例えば、第1ガスラインGL1、第2ガスラインGL2、第1開閉装置V1、第2開閉装置V2及び排気ラインPL等は、各処理室の圧力を調整する圧力調整機構を構成しており、各処理室に対して独立した圧力調整機構が設けられていることになる。
【0051】
一方、第1中間室3、第2中間室4のそれぞれには、第3ガスラインGL3と、第4ガスラインGL4と、が設けられる。また、各中間室には、各中間室の内部空間(第3空間SP3、第4空間SP4)の圧力を測定する第2圧力計G2が設けられる。
【0052】
第3ガスラインGL3には、第3開閉装置V3を介して、第2ガス供給源GS2が接続される。第3開閉装置V3は、例えば、電磁バルブなどのバルブである。第3ガスラインGL3は、第2ガス供給源GS2から供給されるガスを、各処理室の内部空間に導入する。第2ガス供給源GS2は、例えば、窒素などの不活性ガスを供給する。
【0053】
第2ガス供給源GS2は、例えば、ガスボンベと、ガスボンベに接続された流量制御装置などを含む。第2ガス供給源GS2は、各中間室の最大圧力(例えば、1MPa)よりも高い圧力でガスを供給する。
【0054】
上記の構成では、第3開閉装置V3を開けると、不活性ガスが、第2ガス供給源GS2から各中間室の内部空間に供給される。一方、第3開閉装置V3を閉じると、各中間室の内部空間へのガスの供給が停止する。
【0055】
第4ガスラインGL4は、第4開閉装置V4を介して、外部に接続される。第4開閉装置V4は、例えば、電磁バルブなどのバルブである。第4ガスラインGL4は、各中間室の内部空間のガスを外部に排出する。具体的には、第4開閉装置V4を開けると、各中間室の内部空間と外部との圧力差によって、内部空間に存在するガスが排出される。一方、第4開閉装置V4を閉じると、内部空間からのガスの排出が停止する。
【0056】
上記のガスライン構成では、第3ガスラインGL3から内部空間に供給されるガス量と、内部空間から第4ガスラインGL4を通じて外部に排出するガス量と、をバランスさせることにより、各中間室の内部空間の圧力を所望の圧力で安定させることができる。従って、例えば、第3ガスラインGL3、第4ガスラインGL4、第2ガス供給源GS2、第3開閉装置V3、第4開閉装置V4等は圧力調整機構を構成しており、この圧力調整機構は、各処理室に設けられた圧力調整機構によって調整される各処理室の圧力とは独立して、中間室の圧力を調整可能である。
【0057】
<4.制御構成>
以下、図3を用いて、連続炉100の制御構成を説明する。制御装置6には、第1モータ14が接続されている。制御部62は、第1モータ14を制御することで第1搬送ローラ12の回転を制御し、第1空間SP1における対象物の搬送を制御する。制御装置6には、第2モータ23が接続されている。制御部62は、第2モータ23を制御することで第2搬送ローラ21の回転を制御し、第2空間SP2における対象物の搬送を制御する。制御装置6には、第3モータ39が接続されている。制御部62は、第3モータ39を制御することで第3搬送ローラ37及び第4搬送ローラ38の回転を制御し、第1空間SP1から第2空間SP2への対象物の搬送を制御する。
【0058】
制御装置6には、第4モータ49が接続されている。制御部62は、第4モータ49を制御することで第5搬送ローラ47及び第6搬送ローラ48の回転を制御し、第2空間SP2から第3空間SP3への対象物の搬送を制御する。制御装置6には、第5モータ54が接続されている。制御部62は、第5モータ54を制御することで第7搬送ローラ52の回転を制御し、第3空間SP3における対象物の搬送を制御する。
【0059】
制御装置6には、第1アクチュエータ36が接続されている。制御部62は、第1アクチュエータ36を制御することで第1バルブ駆動棒35の上下方向の移動を制御し、第1バルブ33及び第2バルブ34の開閉を制御する。制御装置6には、第2アクチュエータ46が接続されている。制御部62は、第2アクチュエータ46を制御することで第2バルブ駆動棒45の上下方向の移動を制御し、第3バルブ43及び第4バルブ44の開閉を制御する。第1アクチュエータ36、第2アクチュエータ46は、例えば、エアの圧力で駆動されるエアシリンダである。
【0060】
制御装置6には、第1ヒータ13が接続されている。制御部62は、第1空間SP1において行われる処理の条件として設定された設定温度と、第1温度センサT1により測定された第1空間SP1の実測温度と、に基づいて第1ヒータ13に出力する電力量を制御する。これにより、第1空間SP1を上記の設定温度とすることができる。
【0061】
制御装置6には、第2ヒータ22が接続されている。制御部62は、第2空間SP2において行われる処理の条件として設定された設定温度と、第2温度センサT2により測定された第2空間SP2の実測温度と、に基づいて第2ヒータ22に出力する電力量を制御する。これにより、第2空間SP2を上記の設定温度とすることができる。
【0062】
制御装置6には、冷却装置53が接続されている。制御部62は、冷却装置53を制御して、第3空間SP3に搬送されてきた対象物を冷却する。なお、第3空間SP3内の対象物の温度を測定する温度センサを最終処理室5に設け、この温度に基づいて冷却装置53を制御し、対象物の冷却速度を調整可能としてもよい。
【0063】
制御装置6には、第1ガス供給源GS1、第1開閉装置V1、第2開閉装置V2、ポンプRPが接続されている。制御部62は、第1処理室1の第1空間SP1において行われる処理の条件として設定された設定圧力と、第1空間SP1の実測圧力と、に基づいて第1ガス供給源GS1から供給するガスの流量、第1開閉装置V1の開閉、第2開閉装置V2の開閉、及び/又は、ポンプRPを制御する。これにより、第1空間SP1を上記の設定圧力とすることができる。
【0064】
また、制御部62は、第2処理室2の第2空間SP2において行われる処理の条件として設定された設定圧力と、第2空間SP2の実測圧力と、に基づいて第1ガス供給源GS1から供給するガスの流量、第1開閉装置V1の開閉、第2開閉装置V2の開閉、及び/又は、ポンプRPを制御する。これにより、第2空間SP2を上記の設定圧力とすることができる。
【0065】
さらに、制御部62は、最終処理室5の第5空間SP5の設定圧力と、第5空間SP5の実測圧力と、に基づいて第1ガス供給源GS1から供給するガスの流量、第1開閉装置V1の開閉、第2開閉装置V2の開閉、及び/又は、ポンプRPを制御する。これにより、第5空間SP5を上記の設定圧力とすることができる。
【0066】
制御装置6には、第2ガス供給源GS2、第3開閉装置V3、第4開閉装置V4が接続されている。制御部62は、第1中間室3の第3空間SP3の設定圧力と、第3空間SP3の実測圧力と、に基づいて第2ガス供給源GS2から供給するガスの流量、第3開閉装置V3の開閉、及び/又は、第4開閉装置V4の開閉を制御する。これにより、第3空間SP3を上記の設定圧力とすることができる。
【0067】
すなわち、制御装置6は、第1バルブ33および第2バルブ34を閉じるとき、第1中間室3のガス圧と第1処理室1のガス圧との差により第1バルブ33が閉じる方向に圧力がかかる、及び/又は、第1中間室3のガス圧と第2処理室2のガス圧との差により第2バルブ34が閉じる方向に圧力がかかるように、第1中間室3のガス圧を設定して調整する。具体的には、本実施形態では、第1バルブ33が、第1中間室3側から第1処理室1側に駆動して第1処理室1と第1中間室3との間を閉じ、かつ、第2バルブ34が、第1中間室3側から第2処理室2側に駆動して第2処理室2と第1中間室3との間を閉じる構成であることから、第1中間室3のガス圧は、第1処理室1のガス圧及び第2処理室2のガス圧よりも高いガス圧に調整される。従って、特に限定されないが、第1中間室3のガス圧は、設定された第1処理室1のガス圧及び第2処理室2のガス圧の大きいほうのガス圧に所定のガス圧を加算することで算出することができる。
【0068】
また、制御部62は、第2中間室4の第4空間SP4の設定圧力と、第4空間SP4の実測圧力と、に基づいて第2ガス供給源GS2から供給するガスの流量、第3開閉装置V3の開閉、及び/又は、第4開閉装置V4の開閉を制御する。これにより、第2空間SP2を上記の設定圧力とすることができる。
【0069】
すなわち、制御装置6は、第3バルブ43および第4バルブ44を閉じるとき、第2中間室4のガス圧と第2処理室2のガス圧との差により第3バルブ43が閉じる方向に圧力がかかる、及び/又は、第2中間室4のガス圧と最終処理室5のガス圧との差により第4バルブ44が閉じる方向に圧力がかかるように、第2中間室4のガス圧を設定して調整する。具体的には、本実施形態では、第3バルブ43が、第2中間室4側から第2処理室2側に駆動して第2処理室2と第2中間室4との間を閉じ、かつ、第4バルブ44が、第2中間室4側から最終処理室5側に駆動して最終処理室5と第2中間室4との間を閉じる構成であることから、第2中間室4のガス圧は、第2処理室2のガス圧及び最終処理室5のガス圧よりも高いガス圧に調整される。
【0070】
<5.連続炉の動作>
以下、図4及び図5を用いて、連続炉100において対象物を処理する動作を説明する。図4及び図5は、連続炉100の動作を示すフローチャートである。まず、制御部62は、第1処理室1の第1空間SP1、第1中間室3の第3空間SP3、第2処理室2の第2空間SP2、第2中間室4の第4空間SP4、及び、最終処理室5の第5空間SP5を空間的に分離する(ステップS1)。
【0071】
具体的には、制御部62は、第1アクチュエータ36により第1バルブ駆動棒35を下方向に移動させて第1バルブ33と第2バルブ34とを下方向に移動させ、第1バルブ33を第1中間室3の第1接続部分31に接触させ、第2バルブ34を第2接続部分32に接触させる。この状態で、制御部62は、第1アクチュエータ36により第1バルブ駆動棒35をさらに下方向に移動させて、第1バルブ33を第1接続部分31に所定の力で密着させ、第2バルブ34を第2接続部分32に所定の力で密着させる。
【0072】
これにより、第1バルブ33により第1処理室1と第1中間室3との間が閉じられ(第1バルブ33が閉状態となり)、第2バルブ34により第2処理室2と第1中間室3との間が閉じられる(第2バルブ34が閉状態とある)。この結果、第1処理室1の第1空間SP1と、第2処理室2の第2空間SP2と、第1中間室3の第3空間SP3と、が空間的に分離され、第1空間SP1と第2空間SP2と第3空間SP3とで、独立して個別の圧力と温度とを設定可能となる。
【0073】
また、制御部62は、第1バルブ33及び第2バルブ34の制御と同様に、第2アクチュエータ46により第2バルブ駆動棒45を下方向に移動させて第3バルブ43と第4バルブ44とを下方向に移動させて、第3バルブ43を第1接続部分31に所定の力で密着させ、第2バルブ34を第2接続部分32に所定の力で密着させる。これにより、第3バルブ43により第2処理室2と第2中間室4との間が閉じられ(第3バルブ43が閉状態となり)、第4バルブ44により最終処理室5と第2中間室4との間が閉じられる(第4バルブ44が閉状態となる)。この結果、第2処理室2の第2空間SP2と、最終処理室5の第5空間SP5と、第2中間室4の第4空間SP4と、が空間的に分離され、第2空間SP2と第4空間SP4と第5空間SP5とで、独立して個別の圧力と温度とを設定可能となる。
【0074】
次に、制御部62は、第2ガス供給源GS2から第1中間室3の第3空間SP3へガスを導入して、第3空間SP3の圧力を、第1処理室1の第1空間SP1の設定圧力、及び、第2処理室2の第2空間SP2の設定圧力よりも大きい圧力とする。また、第2ガス供給源GS2から第2中間室4の第4空間SP4へガスを導入して、第4空間SP4の圧力を、第2処理室2の第2空間SP2の設定圧力、及び、最終処理室5の第5空間SP5の設定圧力よりも大きい圧力とする(ステップS2)。
【0075】
例えば、対象物の処理を行うための第1空間SP1の設定圧力を第1圧力P1とし、第2空間SP2の設定圧力を第2圧力P2とした場合、制御部62は、第1中間室3の第3空間SP3の圧力を、第1圧力P1よりも大きく、かつ、第2圧力P2よりも大きい圧力とする。より具体的には、第1圧力P1を0.8MPa、第2圧力P2を0.5MPaとした場合、第3空間SP3の圧力を0.9MPaと設定できる。その結果、第1中間室3の圧力と第1処理室1の圧力との差圧により、第1バルブ33が閉じる方向に圧力がかかるので、第1バルブ33に設けられているシール部材の弾性圧縮の程度が大きくなり、より強固に第1バルブ33が第1接続部分31に密着する。同様に、第1中間室3の圧力と第2処理室2の圧力との差圧により、第2バルブ34が閉じる方向に圧力がかかるので、第2バルブ34に設けられているシール部材の弾性圧縮の程度が大きくなり、より強固に第2バルブ34が第2接続部分32に密着する。
【0076】
また、同様に、最終処理室5の第5空間SP5の設定圧力を第5圧力P5とした場合、制御部62は、第2中間室4の第4空間SP4の圧力を、第2空間SP2の設定圧力である第2圧力P2よりも大きく、かつ、第5圧力P5よりも大きい圧力とする。その結果、第2中間室4の圧力と第2処理室2の圧力との差圧により、第3バルブ43が閉じる方向に圧力がかかるので、第3バルブ43に設けられているシール部材の弾性圧縮の程度が大きくなり、より強固に第3バルブ43が第3接続部分41に密着する。同様に、第2中間室4の圧力と最終処理室5の圧力との差圧により、第4バルブ44が閉じる方向に圧力がかかるので、第4バルブ44に設けられているシール部材の弾性圧縮の程度が大きくなり、より強固に第4バルブ44が第4接続部分42に密着する。
【0077】
第1処理室1の第1空間SP1、第2処理室2の第2空間SP2、第1中間室3の第3空間SP3、第2中間室4の第4空間SP4、及び最終処理室5の第5空間SP5を空間的に分離後、第1処理室1の一端側の開口に設けられた入口扉11を開けて、処理を実行する対象物を、第1処理室1の第1空間SP1に設けられた第1搬送ローラ12上に設置する(ステップS3)。
【0078】
その後、制御部62は、第1処理室1の第1空間SP1を対象物に対して処理(熱処理)を行うために設定した設定温度及び設定圧力とし(ステップS4)、対象物に対して処理を実行する(ステップS5)。
【0079】
具体的には、制御部62は、上記の設定温度と、第1温度センサT1により測定された第1空間SP1の実測温度と、に基づいて第1ヒータ13に出力する電力量を制御して、第1空間SP1を設定温度とする。また、制御部62は、上記の設定圧力と、第1空間SP1の実測圧力と、に基づいて第1ガス供給源GS1から供給するガスの流量、第1開閉装置V1の開閉、第2開閉装置V2の開閉、及び/又は、ポンプRPを制御して、第1空間SP1を設定圧力とする。
【0080】
また、第2処理室2にて対象物に処理を行うために、制御部62は、第2処理室2の第2空間SP2をこの処理のための設定温度、設定圧力とする制御を行ってもよい。具体的には、制御部62は、上記の設定温度と、第2温度センサT2により測定された第2空間SP2の実測温度と、に基づいて第2ヒータ22に出力する電力量を制御して、第2空間SP2を設定温度とする。また、制御部62は、上記の設定圧力と、第2空間SP2の実測圧力と、に基づいて第1ガス供給源GS1から供給するガスの流量、第1開閉装置V1の開閉、第2開閉装置V2の開閉、及び/又は、ポンプRPを制御して、第2空間SP2を設定圧力とする。
【0081】
なお、第2空間SP2を設定温度、設定圧力とする制御は、第1空間SP1を設定温度、設定圧力とする制御(すなわち、ステップS4)と並行して実行されてもよいし、第1空間SP1~第5空間SP5を分離する処理(すなわち、ステップS2)を実行後に開始されてもよい。
【0082】
第1処理室1にて処理を実行中、制御部62は、予め設定された時間だけ、第1処理室1にて対象物に対して処理を実行したか否かを判断する(ステップS6)。対象物に対する処理が設定された時間だけ実行されていない場合(ステップS6で「No」)、制御部62は、第1空間SP1の設定温度、設定圧力をそのまま維持して、対象物に対する処理を継続する。
【0083】
一方、対象物に対する処理が設定された時間だけ実行された場合(ステップS6で「Yes」)、制御部62は、第1処理室1にて処理した後の対象物を、第1処理室1の第1空間SP1から、第2処理室2の第2空間SP2へと搬送する。この対象物の搬送に際して、以下の工程が実行される。
【0084】
まず、制御部62は、第1処理室1の第1空間SP1、第2処理室2の第2空間SP2、及び、第1中間室3の第3空間SP3を同一の圧力とする(ステップS7)。具体的には、制御部62は、第1圧力計G1及び第2圧力計G2が同じ圧力となるよう、第1ガス供給源GS1及び/又は第2ガス供給源GS2から供給するガス量、第1開閉装置V1~第4開閉装置V4の開閉、及び/又はポンプRPを制御して、第1空間SP1~第3空間SP3の圧力を同一とする。
【0085】
なお、ステップS7の実行時には、第2空間SP2は、第2処理室2で実行する処理のための設定圧力となっている場合が多く、第2処理室2における対象物の処理は今後も実行される。従って、ステップS7では、第1空間SP1~第3空間SP3の圧力は、第2空間SP2の設定圧力と同一とすることが好ましい。これにより、後の工程により第1バルブ33及び第2バルブ34を開けることで第1空間SP1~第3空間SP3が空間的に接続されても、第2空間SP2に形成された雰囲気(圧力、温度)が大きく変化することを抑制できる。その結果、第2処理室2で実行する処理のための圧力及び温度に第2空間SP2を再度設定するための時間を短縮できる。
【0086】
第1空間SP1~第3空間SP3を同一の圧力とした後、制御部62は、第1バルブ33の第1接続部分31への密着を解除して第1処理室1と第1中間室3との間を開放し(第1バルブ33を開状態とし)、第2バルブ34の第2接続部分32への密着を解除して第2処理室2と第1中間室3との間を開放する(第2バルブ34を開状態とする)(ステップS8)。
【0087】
具体的には、制御部62は、第1アクチュエータ36により第1バルブ駆動棒35を上方向に移動させて第1バルブ33と第2バルブ34とを上方向に移動させ、第1バルブ33を第1接続部分31から離間させ、第2バルブ34を第2接続部分32から離間させる。これにより、第1処理室1の第1空間SP1と、第2処理室2の第2空間SP2と、第1中間室3の第3空間SP3と、が空間的に接続される。この結果、第1処理室1で処理後の対象物を、第1処理室1の第1空間SP1から第2処理室2の第2空間SP2へと搬送可能となる。
【0088】
上記のように、第1空間SP1~第3空間SP3を同一の圧力とした後に、第1バルブ33と第2バルブ34とを開状態とすることにより、第1空間SP1と第3空間SP3の圧力差により生じる力に抗して第1バルブ33を第1接続部分31から離間させ、第2空間SP2と第3空間SP3の圧力差により生じる力に抗して第2バルブ34を第2接続部分32から離間させる必要がなくなる。この結果、これらバルブの駆動部分(例えば、第1リンク機構33a、第2リンク機構34a、第1バルブ駆動棒35、第1アクチュエータ36など)に大きな負荷がかかることを抑制できる。
【0089】
第1バルブ33及び第2バルブ34を開状態として、第1空間SP1~第3空間SP3を接続した後、制御部62は、第1処理室1にて処理後の対象物を、第1処理室1の第1空間SP1から第2処理室2の第2空間SP2へと搬送する(ステップS9)。具体的には、制御部62は、第1モータ14により第1搬送ローラ12を回転させて、対象物を第1空間SP1から第1中間室3の第3空間SP3へと搬送する。その後、制御部62は、第3モータ39により第3搬送ローラ37及び第4搬送ローラ38を回転させて、対象物を第3空間SP3から第2処理室2の第2空間SP2へ搬送する。
【0090】
対象物を第2空間SP2へ搬送後、制御部62は、第1バルブ33及び第2バルブ34を閉状態として、第1処理室1の第1空間SP1と、第1中間室3の第3空間SP3と、第2処理室2の第2空間SP2と、を空間的に分離する(図5のステップS10)。第1バルブ33及び第2バルブ34を閉状態とする際の具体的な制御は、上記のステップS1にて説明したのと同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0091】
その後、必要に応じて、第2処理室2の第2空間SP2を対象物に対して処理を行うために設定した設定温度及び設定圧力とし、第2空間SP2に搬送された対象物に対して処理を実行する(ステップS11)。
【0092】
第2処理室2にて処理を実行中、制御部62は、予め設定された時間だけ、第2処理室2にて対象物に対して処理を実行したか否かを判断する(ステップS12)。対象物に対する処理が設定された時間だけ実行されていない場合(ステップS12で「No」)、制御部62は、第2空間SP2の設定温度、設定圧力をそのまま維持して、対象物に対する処理を継続する。
【0093】
一方、対象物に対する処理が設定された時間だけ実行された場合(ステップS12で「Yes」)、制御部62は、第2処理室2にて処理した後の対象物を、第2処理室2の第2空間SP2から、最終処理室5の第5空間SP5へと搬送する。この対象物の搬送に際して、以下の工程が実行される。
【0094】
まず、制御部62は、第2処理室2の第2空間SP2、第2中間室4の第4空間SP4、及び、最終処理室5の第5空間SP5を同一の圧力とする(ステップS13)。具体的には、制御部62は、第1圧力計G1及び第2圧力計G2が同じ圧力となるよう、第1ガス供給源GS1及び/又は第2ガス供給源GS2から供給するガス量、第1開閉装置V1~第4開閉装置V4の開閉、及び/又はポンプRPを制御して、第2空間SP2、第4空間SP4、第5空間SP5の圧力を同一とする。この場合も、上記のステップS7と同様に、これら空間の圧力を、第2空間SP2の設定圧力と同一とすることが好ましい。
【0095】
第2空間SP2、第4空間SP4、第5空間SP5を同一の圧力とした後、制御部62は、第3バルブ43の第3接続部分41への密着を解除して第2処理室2と第2中間室4との間を開放し(第3バルブ43を開状態とし)、第4バルブ44の第4接続部分42への密着を解除して最終処理室5と第2中間室4との間を開放する(第4バルブ44を開状態とする)(ステップS14)。
【0096】
具体的には、制御部62は、第2アクチュエータ46により第2バルブ駆動棒45を上方向に移動させて第3バルブ43と第4バルブ44とを上方向に移動させ、第3バルブ43を第3接続部分41から離間させ、第4バルブ44を第4接続部分42から離間させる。これにより、第2処理室2の第2空間SP2と、第2中間室4の第4空間SP4と、最終処理室5の第5空間SP5と、が空間的に接続される。この結果、第2処理室2で処理後の対象物を、第2処理室2の第2空間SP2から最終処理室5の第5空間SP5へと搬送可能となる。
【0097】
上記のように、第2空間SP2、第4空間SP4、第5空間SP5を同一の圧力とした後に、第3バルブ43と第4バルブ44とを開状態とすることにより、第3バルブ43を第3接続部分41から離間させるため、第4バルブ44を第4接続部分42から離間させるために大きな力を必要としない。この結果、これらバルブの駆動部分に大きな負荷がかかることを抑制できる。
【0098】
第3バルブ43及び第4バルブ44を開状態として、第2空間SP2、第4空間SP4、第5空間SP5を接続した後、制御部62は、第2処理室2にて処理後の対象物を、第2処理室2の第2空間SP2から最終処理室5の第5空間SP5へと搬送する(ステップS15)。具体的には、制御部62は、第2モータ23により第2搬送ローラ21を回転させて、対象物を第2空間SP2から第2中間室4の第4空間SP4へと搬送する。その後、制御部62は、第4モータ49により第5搬送ローラ47及び第6搬送ローラ48を回転させて、対象物を第4空間SP4から最終処理室5の第5空間SP5へ搬送する。
【0099】
対象物を第5空間SP5へ搬送後、制御部62は、第3バルブ43及び第4バルブ44を閉状態として、第2処理室2の第2空間SP2と、第2中間室4の第4空間SP4と、最終処理室5の第5空間SP5と、を空間的に分離する(ステップS16)。第3バルブ43及び第4バルブ44を閉状態とする際の具体的な制御は、上記のステップS1にて説明したのと同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0100】
その後、必要に応じて、最終処理室5の第5空間SP5を対象物に対して処理を行うために設定した設定圧力とし、第5空間SP5に搬送された対象物に対して処理を実行する(ステップS17)。具体的には、制御部62は、冷却装置53を駆動して、第5空間SP5に搬送された対象物を冷却する。対象物が十分に冷却された後に、最終処理室5の他端側の開口に設けられた出口扉51を開けて、冷却後の対象物を外部に取り出す。
【0101】
このように、連続炉100では、各処理室で対象物に対して処理を行うために、第1バルブ33~第4バルブ44によって各処理室と各中間室とを空間的に分離する場合に、各中間室の内部空間(第3空間SP3、第4空間SP4)の圧力を、各処理室の内部空間(第1空間SP1、第2空間SP2、第5空間SP5)の圧力よりも高い圧力としている。このため、各中間室と各処理室との間に圧力差が生じ、この圧力差により、第1バルブ33~第4バルブ44にはこれらバルブを中間室から処理室への方向に押す力が生じる。この圧力差に起因して生じるバルブを押す力が、バルブ駆動棒によりこれらバルブを中間室の接続部分へ押す力に加わって、第1バルブ33~第4バルブ44を対応する中間室の接続部分(第1接続部分31~第4接続部分42)により強い力で確実に密着させることができる。つまり、第1バルブ33~第4バルブ44に設けられたシール部材の弾性変形量を大きくすることができる。この結果、各処理室が高圧となっても、各処理室と各中間室とを確実に閉じることができるので、処理室と中間室との間にリークが生じないようにできる。
【0102】
<6.変形例1>
上記の連続炉100では、各処理室と各中間室の第1空間SP1~第5空間SP5を接続する場合に、これら空間を同一の圧力とした状態で、第1バルブ33~第4バルブ44を駆動して開状態としていた。変形例1の連続炉100は、第1空間SP1~第5空間SP5の圧力をより確実に同一とできる構成を有する。
【0103】
具体的には、変形例1の連続炉100は、図6に示すように、第1処理室1の第1空間SP1と第1中間室3の第3空間SP3とを接続する第1バイパス配管BP1と、第1中間室3の第3空間SP3と第2処理室2の第2空間SP2とを接続する第2バイパス配管BP2と、第2処理室2の第2空間SP2と第2中間室4の第4空間SP4とを接続する第3バイパス配管BP3と、第2中間室4の第4空間SP4と最終処理室5の第5空間SP5とを接続する第4バイパス配管BP4と、をさらに備えている。図6は、変形例1の連続炉100の構成を示す図である。
【0104】
また、第1バイパス配管BP1には、第1バイパス配管BP1を開閉する第5開閉装置V5が設けられる。第2バイパス配管BP2には、第2バイパス配管BP2を開閉する第6開閉装置V6が設けられる。第3バイパス配管BP3には、第3バイパス配管BP3を開閉する第7開閉装置V7が設けられる。第4バイパス配管BP4には、第4バイパス配管BP4を開閉する第8開閉装置V8が設けられる。第5開閉装置V5~第8開閉装置V8は、例えば、電磁バルブなどのバルブである。
【0105】
変形例1の連続炉100では、各処理室と各中間室の第1空間SP1~第5空間SP5を接続する場合に、制御部62は、上記と同様に、第1空間SP1~第5空間SP5にガスを導入、及び/又は、これら空間からガスを排出して、第1空間SP1~第5空間SP5の圧力をほぼ同一としておく。その後、制御部62は、第5開閉装置V5~第8開閉装置V8のうち必要なものを開状態として、第1バイパス配管BP1~第4バイパス配管BP4のうち必要なものをガス流通可能な状態とする。
【0106】
具体的には、第1バルブ33及び第2バルブ34を開状態とするために、第1空間SP1~第3空間SP3の圧力を同一とする場合には、制御部62は、第5開閉装置V5と第6開閉装置V6とを開状態として、第1バイパス配管BP1と第2バイパス配管BP2をガス流通可能な状態とする。第1バイパス配管BP1と第2バイパス配管BP2がガス流通可能な状態となると、第1空間SP1~第3空間SP3の圧力に差があったとしても、その圧力差に応じたガス流が第1バイパス配管BP1及び/又は第2バイパス配管BP2に生じて、第1空間SP1~第3空間SP3の圧力をより確実に同一とできる。
【0107】
一方、第3バルブ43及び第4バルブ44を開状態とするために、第2空間SP2、第4空間SP4、第5空間SP5の圧力を同一とする場合には、制御部62は、第7開閉装置V7と第8開閉装置V8とを開状態として、第3バイパス配管BP3と第4バイパス配管BP4をガス流通可能な状態とする。第3バイパス配管BP3と第4バイパス配管BP4がガス流通可能な状態となると、第2空間SP2、第4空間SP4、第5空間SP5の圧力に差があったとしても、その圧力差に応じたガス流が第3バイパス配管BP3及び/又は第4バイパス配管BP4に生じて、第2空間SP2、第4空間SP4、第5空間SP5の圧力をより確実に同一とできる。
【0108】
<7.変形例2>
上記の連続炉100では、第1バルブ33~第4バルブ44は、各中間室の内部空間(第3空間SP3、第4空間SP4)の内部に配置されていた。しかし、これに限られず、変形例2の連続炉100では、図7に示すように、これらバルブを処理室に配置する。具体的には、第1バルブ33を第1処理室1の第1中間室3側に配置し、第2バルブ34を第2処理室2の第1中間室3側に配置する。第1バルブ33は、第3バルブ駆動棒35aの上下方向の移動により開閉される。第2バルブ34は、第4バルブ駆動棒35bの上下方向の移動により開閉される。図7は、変形例2の連続炉100の構成を示す図である。
【0109】
変形例2の連続炉100では、制御部62は、第1バルブ33を第1処理室1の第1中間室3との接続部分に密着させて第1処理室1と第1中間室3との間を閉じる。また、制御部62は、第2バルブ34を第2処理室2の第1中間室3との接続部分に密着させて第2処理室と第1中間室3との間を閉じる。つまり、第1バルブ33が、第1処理室1側から第1中間室3側に駆動して第1処理室1と第1中間室3との間を閉じ、かつ、第2バルブ34が、第2処理室2側から第1中間室3側に駆動して第2処理室2と第1中間室3との間を閉じる。
【0110】
また、制御部62は、第1バルブ33及び第2バルブ34を閉状態とする場合には、第1中間室3の第3空間SP3の圧力を、第1処理室1の第1空間SP1の設定圧力よりも低く、かつ、第2処理室2の第2空間SP2の設定圧力よりも低くする。これにより、第1空間SP1と第3空間SP3との圧力差により、第1バルブ33が閉じる方向に圧力をかけることができるので、第1バルブ33を第1処理室1の第1中間室3との接続部分に密着させる力を大きくできる。また、第2空間SP2と第3空間SP3との圧力差により、第2バルブ34が閉じる方向に圧力をかけることができるので、第2バルブ34を第2処理室2の第1中間室3との接続部分に密着させる力を大きくできる。
【0111】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0112】
(A)図4及び図5に示すフローチャートの各ステップの処理内容、各ステップの処理順は、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更できる。
【0113】
(B)連続炉100に含まれる処理室の構成は、上記にて示したような、第1処理室1と、第2処理室2と、最終処理室5と、のみを含む構成に限られない。例えば、図8に示すように、第2処理室2の他端側に、中間室を介することなく、第3処理室7をさらに連結できる。図8は、他の実施形態の連続炉100の構成を示す図である。
【0114】
(C)本発明の連続炉の制御方法は、図1図7において、第1中間室3専用の圧力調整機構(つまり、第3ガスラインGL3、第4ガスラインGL4、第2ガス供給源GS2、第3開閉装置V3、第4開閉装置V4等)を備えない連続炉でも実現が可能である。この場合、第1中間室3の圧力を、第1処理室1の圧力及び第2処理室2の圧力よりも大きく又は小さく設定する際に、まず、第1バルブ33及び第2バルブ34を開いた状態で、第1処理室1又は第2処理室2の圧力調整機構を使用して、第1中間室3の圧力を設定する。その後、第1バルブ33及び第2バルブ34を閉じて、第1処理室1の圧力および第2処理室2の圧力をそれぞれの圧力調整機構を使用して設定する。
【0115】
なお、連続炉100の最終段階に存在する最終処理室5も、第1処理室1及び第2処理室2とは別の処理室であり、第3処理室の一例であるとみることもできる。また、第1処理室1、第2処理室2も、複数存在してもよい。
【0116】
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0117】
(第1態様)対象物を処理可能な第1処理室と、対象物を処理可能な第2処理室と、第1処理室と第2処理室との間に配置された中間室と、第1処理室と中間室との間を開閉する第1閉鎖機構と、第2処理室と中間室との間を開閉する第2閉鎖機構と、を備える連続炉の制御方法であって、この制御方法は、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を閉じるステップと、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を閉じるステップにおいて、中間室のガス圧と第1処理室のガス圧との差により第1閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかる、及び/又は、中間室のガス圧と第2処理室のガス圧との差により第2閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるように、中間室のガス圧を調整するステップとを含む。
【0118】
第1態様に係る連続炉の制御方法では、中間室と第1処理室との間に圧力差が生じ、この圧力差により第1バルブが閉じる方向に第1バルブに力が付与されるので、第1バルブを第1処理室と中間室とを連通している開口部分に、より確実に密着させることができる。また、中間室と第2処理室との間に圧力差が生じ、この圧力差により第2バルブが閉じる方向に第2バルブに力が付与されるので、第2バルブを第2処理室と中間室とを連通している開口部分に、より確実に密着させることができる。この結果、第1処理室及び/又は第2処理室が高圧となっても、第1処理室と中間室とをより確実に閉じ、第2処理室と中間室とをより確実に閉じることができるので、これら処理室と中間室との間にリークが生じることを抑制又は防止できる。
【0119】
(第2態様)第1態様に係る連続炉の制御方法において、第1閉鎖機構が、中間室側から第1処理室側に駆動して第1処理室と中間室との間を閉じ、かつ、第2閉鎖機構が、中間室側から第2処理室側に駆動して第2処理室と中間室との間を閉じる。第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を閉じるとき、中間室のガス圧が、第1処理室のガス圧及び第2処理室のガス圧よりも高いガス圧に調整される。
これにより、第1態様と同様に、第1処理室及び/又は第2処理室が高圧となっても、第1処理室と中間室とをより確実に閉じ、第2処理室と中間室とをより確実に閉じることができるので、これら処理室と中間室との間にリークが生じることを抑制又は防止できる。
【0120】
(第3態様)第1態様に係る連続炉の制御方法において、第1閉鎖機構が、第1処理室側から中間室側に駆動して第1処理室と中間室との間を閉じ、かつ、第2閉鎖機構が、第2処理室側から中間室側に駆動して第2処理室と中間室との間を閉じる。第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を閉じるとき、中間室のガス圧が、第1処理室のガス圧及び第2処理室のガス圧よりも低いガス圧に調整される。
これにより、第1態様と同様に、第1処理室及び/又は第2処理室が高圧となっても、第1処理室と中間室とをより確実に閉じ、第2処理室と中間室とをより確実に閉じることができるので、これら処理室と中間室との間にリークが生じることを抑制又は防止できる。
【0121】
(第4態様)第1態様~第3態様のいずれかに係る連続炉の制御方法において、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を開くとき、第1処理室のガス圧、第2処理室のガス圧、及び中間室のガス圧が同一ガス圧に調整される。
この場合、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構の駆動機構に大きな負荷がかかることを抑制できる。
【0122】
(第5態様)第4態様に係る連続炉の制御方法において、連続炉は、第1処理室と第2処理室と中間室とを接続するバイパス配管と、バイパス配管を開閉する開閉装置とをさらに有するものであり、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を開くとき、開閉装置を開放することで、第1処理室のガス圧、第2処理室のガス圧、及び中間室のガス圧が同一ガス圧に調整される。
この場合、第1処理室、第2処理室、及び中間室の圧力をより確実に同一とできるので、第4態様と同様に、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構の駆動機構に大きな負荷がかかることを抑制できる。
【0123】
(第6態様)第1態様~第5態様のいずれかに係る連続炉の制御方法において、第1処理室のガス圧と第2処理室のガス圧とは、-0.1MPa以上、1MPa未満の範囲内の圧力である。
すなわち、第1処理室および第2処理室を高圧に設定して処理が実行されることから、ガスのリークの課題がより顕著となるが、第1態様と同様に、第1処理室及び/又は第2処理室が高圧となっても、第1処理室と中間室とをより確実に閉じ、第2処理室と中間室とをより確実に閉じることができるので、これら処理室と中間室との間にリークが生じることを抑制又は防止できる。
【0124】
(第7態様)連続炉は、対象物を処理可能な第1処理室と、対象物を処理可能な第2処理室と、第1処理室と第2処理室との間に配置された中間室と、第1処理室と中間室との間を開閉する第1閉鎖機構と、第2処理室と中間室との間を開閉する第2閉鎖機構と、第1処理室のガス圧を調整する第1圧力調整機構と、第2処理室のガス圧を調整する第2圧力調整機構と、中間室のガス圧を第1処理室及び第2処理室のガス圧とは独立して調整可能な第3圧力調整機構と、を備える。
【0125】
第7態様に係る連続炉では、中間室のガス圧を独立して調整することができるので、中間室のガス圧を調整することにより、第1処理室のガス圧と中間室のガス圧との差により第1閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるように、及び/又は、第2処理室のガス圧と中間室のガス圧との差により第2閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるようにすることができる。第1処理室及び/又は第2処理室が高圧となっても、第1処理室と中間室とをより確実に閉じ、第2処理室と中間室とをより確実に閉じることができるので、これら処理室と中間室との間にリークが生じることを抑制又は防止できる。
【0126】
(第8態様)第7態様に係る連続炉において、第1圧力調整機構、第2圧力調整機構、及び第3圧力調整機構と、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構の開閉とを制御する制御部をさらに備え、制御部は、第1処理室のガス圧と中間室のガス圧との差により第1閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるように、及び/又は、第2処理室のガス圧と中間室のガス圧との差により第2閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるように、第3圧力調整機構を制御する。
【0127】
この場合、中間室と第1処理室との間に圧力差が生じ、この圧力差により第1バルブが閉じる方向に第1バルブに力が付与されるので、第1バルブを第1処理室と中間室とを連通している開口部分に、より確実に密着させることができる。また、中間室と第2処理室との間に圧力差が生じ、この圧力差により第2バルブが閉じる方向に第2バルブに力が付与されるので、第2バルブを第2処理室と中間室とを連通している開口部分に、より確実に密着させることができる。この結果、第1処理室及び/又は第2処理室が高圧となっても、第1処理室と中間室とをより確実に閉じ、第2処理室と中間室とをより確実に閉じることができるので、これら処理室と中間室との間にリークが生じることを抑制又は防止できる。
【0128】
(第9態様)第8態様に係る連続炉において、第1閉鎖機構が、中間室側から第1処理室側に駆動して第1処理室と中間室との間を閉じるものであり、かつ、第2閉鎖機構が、中間室側から第2処理室側に駆動して第2処理室と中間室との間を閉じるものであり、第3圧力調整機構は、中間室のガス圧を、第1処理室のガス圧及び第2処理室のガス圧よりも高いガス圧に調整する。
これにより、第8態様と同様に、第1処理室及び/又は第2処理室が高圧となっても、第1処理室と中間室とをより確実に閉じ、第2処理室と中間室とをより確実に閉じることができるので、これら処理室と中間室との間にリークが生じることを抑制又は防止できる。
【0129】
(第10態様)第8態様に係る連続炉において、第1閉鎖機構が、第1処理室側から中間室側に駆動して第1処理室と中間室との間を閉じるものであり、かつ、第2閉鎖機構が、第2処理室側から中間室側に駆動して第2処理室と中間室との間を閉じるものであり、第3圧力調整機構は、中間室のガス圧を、第1処理室のガス圧及び第2処理室のガス圧よりも低いガス圧に調整する。
これにより、第8態様と同様に、第1処理室及び/又は第2処理室が高圧となっても、第1処理室と中間室とをより確実に閉じ、第2処理室と中間室とをより確実に閉じることができるので、これら処理室と中間室との間にリークが生じることを抑制又は防止できる。
【0130】
(第11態様)第7態様~第10のいずれかに係る連続炉において、第1圧力調整機構、第2圧力調整機構及び第3圧力調整機構は、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を開くとき、第1処理室、第2処理室、及び中間室のガス圧を同一のガス圧に調整する。
この場合、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構の駆動機構に大きな負荷がかかることを抑制できる。
【0131】
(第12態様)第11態様に係る連続炉において、第1処理室と、第2処理室と、中間室とを接続するバイパス配管と、バイパス配管を開閉する開閉装置と、をさらに備え、第1圧力調整機構、第2圧力調整機構及び第3圧力調整機構は、開閉装置を開放して、第1処理室、第2処理室、及び中間室のガス圧を同一ガス圧に調整する。
この場合、第1処理室、第2処理室、及び中間室の圧力をより確実に同一とできるので、第11態様と同様に、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構の駆動機構に大きな負荷がかかることを抑制できる。
【0132】
(第13態様)第7態様~第12のいずれかに係る連続炉において、第1処理室のガス圧及び第2処理室のガス圧は、-0.1MPa以上、1MPa未満の範囲内の圧力である。
すなわち、第1処理室および第2処理室を高圧に設定して処理が実行されることから、ガスのリークの課題がより顕著となるが、第1態様と同様に、第1態様と同様に、第1処理室及び/又は第2処理室が高圧となっても、第1処理室と中間室とをより確実に閉じ、第2処理室と中間室とをより確実に閉じることができるので、これら処理室と中間室との間にリークが生じることを抑制又は防止できる。
【0133】
(第14態様)対象物を処理可能な第1処理室と、対象物を処理可能な第2処理室と、第1処理室と第2処理室との間に配置された中間室と、第1処理室と中間室との間を開閉する第1閉鎖機構と、第2処理室と中間室との間を開閉する第2閉鎖機構と、を備える連続炉の機能をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を閉じるステップと、第1閉鎖機構及び第2閉鎖機構を閉じるステップにおいて、中間室のガス圧と第1処理室のガス圧との差により第1閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかる、及び/又は、中間室のガス圧と第2処理室のガス圧との差により第2閉鎖機構が閉じる方向に圧力がかかるように、中間室のガス圧を調整するステップとをコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0134】
100 :連続炉
1 :第1処理室
11 :入口扉
12 :第1搬送ローラ
13 :第1ヒータ
14 :第1モータ
2 :第2処理室
21 :第2搬送ローラ
22 :第2ヒータ
23 :第2モータ
3 :第1中間室
31 :第1接続部分
32 :第2接続部分
33 :第1バルブ
33a :第1リンク機構
34 :第2バルブ
34a :第2リンク機構
35 :第1バルブ駆動棒
35a :第3バルブ駆動棒
35b :第4バルブ駆動棒
36 :第1アクチュエータ
37 :第3搬送ローラ
38 :第4搬送ローラ
39 :第3モータ
4 :第2中間室
41 :第3接続部分
42 :第4接続部分
43 :第3バルブ
43a :第3リンク機構
44 :第4バルブ
44a :第4リンク機構
45 :第2バルブ駆動棒
46 :第2アクチュエータ
47 :第5搬送ローラ
48 :第6搬送ローラ
49 :第4モータ
5 :最終処理室
51 :出口扉
52 :第7搬送ローラ
53 :冷却装置
54 :第5モータ
6 :制御装置
61 :記憶部
62 :制御部
7 :第3処理室
BP1 :第1バイパス配管
BP2 :第2バイパス配管
BP3 :第3バイパス配管
BP4 :第4バイパス配管
G1 :第1圧力計
G2 :第2圧力計
GL1 :第1ガスライン
GL2 :第2ガスライン
GL3 :第3ガスライン
GL4 :第4ガスライン
GS1 :第1ガス供給源
GS2 :第2ガス供給源
PL :排気ライン
RP :ポンプ
SP1 :第1空間
SP2 :第2空間
SP3 :第3空間
SP4 :第4空間
SP5 :第5空間
T1 :第1温度センサ
T2 :第2温度センサ
V1 :第1開閉装置
V2 :第2開閉装置
V3 :第3開閉装置
V4 :第4開閉装置
V5 :第5開閉装置
V6 :第6開閉装置
V7 :第7開閉装置
V8 :第8開閉装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8