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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174691
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】折畳み式ハンガー
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/40 20060101AFI20241210BHJP
   D06F 57/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
A47G25/40 A
D06F57/00 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092655
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】500367067
【氏名又は名称】株式会社カインズ
(71)【出願人】
【識別番号】315002254
【氏名又は名称】レックライセンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】升谷 賢児
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慶
(72)【発明者】
【氏名】磯部 宥子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 啓子
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099BA30
3K099CB23
(57)【要約】
【課題】誤操作による一対のアーム部の折畳みを防止でき、さらに意匠性を高めることができる折畳み式ハンガーを提供する。
【解決手段】折畳み式ハンガーは、本体と、一対のアーム部(第1アーム部および第2アーム部)と、インナーパーツと、を備える。インナーパーツは、一対の係合部(第1係合部および第2係合部)と、一対の押下げ部(第1押下げ部および第2押下げ部)と、を有する。第1係合部および第2係合部は、アーム使用位置の第1アーム部および第2アーム部に係合する。第1押下げ部および第2押下げ部は、第1係合部および第2係合部による係合を解除する。第1押下げ部および第2押下げ部は、本体の内側に配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に軸支され、衣服が吊り下げられるように張り出されたアーム使用位置と、前記アーム使用位置から折り畳まれたアーム収納位置とに移動可能な一対のアーム部と、
前記本体の内部に収納され、前記一対のアーム部を前記アーム使用位置に保持するインナーパーツと、を備え、
前記インナーパーツは、
前記アーム使用位置に配置された前記一対のアーム部に係合する一対の係合部と、
前記一対のアーム部における前記一対の係合部による係合を解除可能な一対の押下げ部と、を有する、
ことを特徴とする折畳み式ハンガー。
【請求項2】
前記インナーパーツは、
前記一対の係合部が設けられるとともに前記一対の押下げ部が設けられ、それぞれの一端部から互いに離れるように傾斜状に延びる一対のレバーと、
前記それぞれの一端部に設けられ、前記一対のレバーの間に配置された支持部と、を備え、
前記一対のレバーおよび前記支持部により前記インナーパーツがW字状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の折畳み式ハンガー。
【請求項3】
前記インナーパーツは、前記本体に対して位置決めする位置決め部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の折畳み式ハンガー。
【請求項4】
前記本体および前記一対のアーム部には、
前記一対のアーム部が前記アーム収納位置に折り畳まれた状態から前記アーム使用位置の反対側への移動を規制する規制部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の折畳み式ハンガー。
【請求項5】
前記インナーパーツに設けられ、前記一対のアーム部に吊り下げられた衣服の襟元を首回りに配置した形状に保持する襟元固定部を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の折畳み式ハンガー。
【請求項6】
前記インナーパーツは、
前記支持部に設けられ、前記襟元を前記首回りに配置した形状に保持する使用位置と、前記使用位置から折り畳まれた収納位置とに前記襟元固定部を回動可能に軸支する軸支部と、
前記支持部に設けられ、前記使用位置に配置された前記襟元固定部に係合解除可能に係合する係合部と、を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の折畳み式ハンガー。
【請求項7】
前記一対の係合部は、前記一対のレバーに対して各傾斜角度が59°±5°に形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の折畳み式ハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳み式ハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、衣服などを吊り下げて干したり、あるいは衣服などを吊り下げて収納したりする場合にハンガーが使用される。ハンガーのなかには、例えば、二股状の解除駒が本体に設けられ、二股状の先端部を一対のアーム部の基端部に係合させることにより、一対のアーム部を水平位置に保持する折畳み式ハンガーがある。二股状の解除駒は、弾性変形可能に形成され、本体に下方に向けて開放するように配置されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この折畳み式ハンガーによれば、二股状の解除駒を弾性変形させることにより、一対のアーム部の基端部における解除駒による係合を解除して一対のアーム部を簡単に折り畳むことができる。一対のアーム部を折り畳むことにより、例えば、一対のアーム部を衣服などに引っ掛かり難くでき、衣服などの着脱性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5248688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の折畳み式ハンガーは、二股状の解除駒が本体から大きく張り出している。このため、二股状の解除駒を誤操作により弾性変形させて、一対のアーム部の基端部における解除駒による係合を解除してしまうおそれがある。すなわち、二股状の解除駒を誤操作することにより一対のアーム部を折り畳んでしまうおそれがある。
また、二股状の解除駒が本体から大きく張り出しているため、折畳み式ハンガーの外観性(以下、意匠性ということがある)の観点から改良の余地が残されている。
【0006】
本発明は、誤操作による一対のアーム部の折畳みを防止でき、さらに意匠性を高めることができる折畳み式ハンガーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る折畳み式ハンガーは、本体と、前記本体に軸支され、衣服が吊り下げられるように張り出されたアーム使用位置と、前記アーム使用位置から折り畳まれたアーム収納位置とに移動可能な一対のアーム部と、前記本体の内部に収納され、前記一対のアーム部を前記アーム使用位置に保持するインナーパーツと、を備え、前記インナーパーツは、前記アーム使用位置に配置された前記一対のアーム部に係合する一対の係合部と、前記一対のアーム部に対する前記一対の係合部による係合を解除可能な一対の押下げ部と、を有する。
【0008】
上記構成によれば、インナーパーツを本体の内部に収納した。よって、インナーパーツに備えた一対の押下げ部を本体の内側に配置することが可能になる。これにより、一対の押下げ部を誤操作することを本体で防止することができる。したがって、一対の押下げ部の誤操作による一対のアーム部の折畳みを防止できる。
また、一対の押下げ部を本体の内側に配置することにより折畳み式ハンガーの意匠性を高めることができる。
【0009】
(2)上記態様において、前記インナーパーツは、前記一対の係合部が設けられるとともに前記一対の押下げ部が設けられ、それぞれの端部から互いに離れるように傾斜状に延びる一対のレバーと、前記それぞれの端部に設けられ、前記一対のレバーの間に配置された支持部と、を備え、前記一対のレバーおよび前記支持部により前記インナーパーツがW字状に形成されていてもよい。
【0010】
(3)上記態様において、前記インナーパーツは、前記本体に対して位置決めする位置決め部を有してもよい。
【0011】
この構成によれば、インナーパーツに位置決め部を有することにより、インナーパーツを位置決め部で本体に対して位置決めできるようにした。これにより、インナーパーツを本体に対して正確な位置に容易に、かつ確実に取り付けることができる。
【0012】
(4)上記態様において、前記本体および前記一対のアーム部には、前記一対のアーム部が前記アーム収納位置に折り畳まれた状態から前記アーム使用位置の反対側への移動を規制する規制部を有してもよい。
【0013】
この構成によれば、本体および一対のアーム部に規制部を有し、一対のアーム部がアーム収納位置からアーム使用位置の反対側へ移動することを規制部で規制するようにした。よって、一対のアーム部をアーム収納位置に確実に配置できる。これにより、折畳み式ハンガーの使い勝手を高めることができる。
【0014】
(5)上記態様において、前記インナーパーツに設けられ、前記一対のアーム部に吊り下げられた衣服の襟元を首回りに配置した形状に保持する襟元固定部を備えてもよい。
【0015】
この構成によれば、インナーパーツに襟元固定部を設け、襟元固定部により衣服の襟元を保持するようにした。これにより、一対のアーム部に吊り下げられた衣服における襟元の形状を襟元固定部により保持できる。
さらに、襟元固定部により衣服の襟元を保持することにより、ハンガーに吊り下げた衣服において、背中側に位置する後側部と、胸側に位置する前側部とを離間させて配置できる。これにより、衣服の乾燥性を襟元固定部により高めることができる。
【0016】
(6)上記態様において、前記インナーパーツは、前記支持部に設けられ、前記襟元を前記首回りに配置した形状に保持する使用位置と、前記使用位置から折り畳まれた収納位置とに前記襟元固定部を回動可能に軸支する軸支部と、前記支持部に設けられ、前記使用位置に配置された前記襟元固定部に係合解除可能に係合する係合部と、を備えてもよい。
【0017】
この構成によれば、インナーパーツにおいて一対のレバーの間に支持部が配置されている。この支持部に設けた軸支部に襟元固定部を使用位置と収納位置とに移動可能に軸支させた。インナーパーツは、本体の内部に収納されている。よって、襟元固定部を軸支する部位を本体で隠すことができる。これにより、折畳み式ハンガーの意匠性を高めることができる。
【0018】
また、支持部に係合部を設け、使用位置に配置された襟元固定部に係合部を係合解除可能に係合するようにした。すなわち、支持部に襟元固定部を回動可能に軸支し、かつ、支持部に係合部を設けた。このように、襟元固定部および係合部を同一部材(すなわち、支持部)に設けた。よって、係合部を襟元固定部に対して精度よく配置できる。これにより、係合部を襟元固定部に確実に係合させることができる。したがって、襟元固定部を使用位置に係合部により確実に固定できる。
【0019】
さらに、折畳み式ハンガーを使用しない場合に、係合部による襟元固定部への係合を解除することにより、襟元固定部を収納位置に折り畳むことができる。これにより、折畳み式ハンガーの使い勝手を高めることができる。
【0020】
(7)上記態様において、前記一対の係合部は、前記一対のレバーに対して各傾斜角度が59°±5°に形成されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、一対の係合部を一対のレバーに対して各傾斜角度を59°±5°に形成することにより、一対の係合部に一対のアーム部を安定的に係合させることができる。これにより、一対のアーム部をアーム使用位置に安定させた状態に保持できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、誤操作による一対のアーム部の折畳みを防止でき、さらに意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る実施形態の折畳み式ハンガーにYシャツを吊り下げた状態を示す斜視図である。
図2】実施形態の折畳み式ハンガーを右側前方からみた斜視図である。
図3】実施形態の折畳み式ハンガーを右側後方からみた斜視図である。
図4】実施形態の折畳み式ハンガーから本体を除去した状態を示す正面図である。
図5図2の折畳み式ハンガーを矢視V方向からみた正面図である。
図6】実施形態の折畳み式ハンガーから本体を除去した状態を右側前方からみた斜視図である。
図7】実施形態の折畳み式ハンガーから本体を除去した状態を右側下後方からみた斜視図である。
図8】実施形態の折畳み式ハンガーから本体および襟元固定部を除去した状態を右側前方からみた斜視図である。
図9】実施形態の折畳み式ハンガーに備えた第1アーム部および第2アーム部をアーム収納位置に折り畳んだ状態を示す正面図である。
図10】実施形態の折畳み式ハンガーを右側方からみた側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る折畳み式ハンガーを説明する。
【0025】
<折畳み式ハンガー>
図1は、実施形態の折畳み式ハンガーにYシャツを吊り下げた状態を示す斜視図である。図2は、実施形態の折畳み式ハンガーを右側前方からみた斜視図である。
図1図2に示すように、折畳み式ハンガー10は、例えば衣服などを吊り下げて干したり、あるいは衣服などを吊り下げて収納したりする場合に使用される。実施形態では、折畳み式ハンガー10に吊り下げる対象として、衣服であるYシャツ(ワイシャツ)1を例に説明するが、折畳み式ハンガー10に適用する衣服はYシャツ1に限らない。
【0026】
以下、折畳み式ハンガー10にYシャツ1を吊り下げた状態において、右袖側を右側方、左袖側を左側方、胸側を前方、背中側を後方、襟元側を上方、裾側を下方として説明する。また、図面において、右側方をRH、左側方をLH、前方をF、後方をR、上方をU、下方をDで示す。
折畳み式ハンガー10は、本体12と、フック13と、一対のアーム部14,15と、インナーパーツ16と、襟元固定部18と、を備えている。
【0027】
<本体>
図3は、実施形態の折畳み式ハンガーを右側後方からみた斜視図である。
図2図3に示すように、本体12は、頂部21と、前壁部22と、後壁部23と、左側壁部25と、右側壁部24と、を有する。頂部21は、中央にフック13の連結部29が軸線を中心に回動可能に支持されている。フック13は、不図示の係止具(例えば、物干し竿)に引っ掛け可能に形成されている。
前壁部22は、頂部21の前辺から下方に向けて配置されている。後壁部23は、頂部21の後辺から下方に向けて配置されている。右側壁部24は、前壁部22の右辺と後壁部23の右辺とを連結している。左側壁部25は、前壁部22の左辺と後壁部23の左辺とを連結している。
【0028】
右側壁部24および左側壁部25は、それぞれの上半部が上方から下方へ向けて概ね直線状に形成されている。また、右側壁部24および左側壁部25は、それぞれの下半部が上方から下方へ向けて幅寸法が徐々に大きくなるように湾曲状に形成されている。本体12は、頂部21、前壁部22、後壁部23、左側壁部25、および右側壁部24により、下方が開口する中空状に形成されている。
【0029】
本体12は、右側壁部24の上半部に第1開口部27が形成されている。第1開口部27は、開口辺27a(図5も参照)が本体12の左右方向における中心に向けて凹状に形成されている。また、本体12は、左側壁部25の上半部に第2開口部28が形成されている。第2開口部28は、開口辺28a(図5も参照)が本体12の左右方向における中心に向けて凹状に形成されている。
【0030】
前壁部22は、右側下において貫通する第1支持孔31と、左側下において貫通する第2支持孔32と、を有する。後壁部23は、右側下において貫通する第3支持孔33と、左側下において貫通する第4支持孔34と、を有する。第1支持孔31および第3支持孔33は、前後方向において同軸上に配置されている。第2支持孔32および第4支持孔34は、前後方向において同軸上に配置されている。
また、前壁部22は、中央において前後方向に貫通する位置決め孔36と、下端中央において前後方向に貫通する第1凹部37と、を有する。後壁部23は、中央において前後方向に貫通する係止孔38と、下端中央において前後方向に貫通する第2凹部39を有する。
【0031】
<アーム部>
図4は、実施形態の折畳み式ハンガーから本体を除去した状態を示す正面図である。
図2から図4に示すように、本体12には一対のアーム部14,15が支持されている。以下、一対のアーム部14,15のうち、本体12の右側に支持された一方のアーム部を第1アーム部14、本体12の左側に支持された他方のアーム部を第2アーム部15として説明する。
【0032】
第1アーム部14は、基端部42と、アーム本体43と、を有する。第1アーム部14の基端部42は、本体12において左下部の内部に収納されている。第1アーム部14の基端部42には前後方向に突出する軸部44を有する。前方向に突出する軸部44は、前壁部22の第1支持孔31に回動可能に支持されている。後方向に突出する軸部44は、後壁部23の第3支持孔33に回動可能に支持されている。
【0033】
よって、第1アーム部14の基端部42は、本体12において左下部の内部に配置された状態において、アーム使用位置P1とアーム収納位置P2(図9参照)との間で軸部44を中心にして上下方向に回動可能に軸支されている。アーム使用位置P1は、Yシャツ1を折畳み式ハンガー10に吊下げ可能な位置である。アーム収納位置P2は、第1アーム部14および第2アーム部15がアーム使用位置P1から折り畳まれた位置である。
【0034】
また、第1アーム部14の基端部42は、アーム係合部45を有する。アーム係合部45は、第1アーム部14の基端部42から軸部44の反対側(インナーパーツ16側)に突出されている。アーム係合部45は、第1アーム部14がアーム使用位置P1に配置された状態において、インナーパーツ16の第1係合部66に係合する。インナーパーツ16および第1係合部66については後でくわしく説明する。
【0035】
図2図4に示すように、第1アーム部14の基端部42にはアーム本体43が一体に形成されている。アーム本体43は、基端部42から本体12(インナーパーツ16)の反対側に向けて延びている。アーム本体43は、第1アーム部14がアーム使用位置P1に配置された状態において、Yシャツ1(図1参照)の右肩の部分が吊り下げられる。
アーム本体43は、例えば、断面が逆U字状に形成されている。アーム本体43は、概ね全体に複数の貫通孔47が均等の間隔に配置されるように千鳥状に形成されている。アーム本体43の概ね全体に複数の貫通孔47が形成されることにより、アーム本体43の通気性を確保できる。
【0036】
図5は、図2の折畳み式ハンガーを矢視V方向からみた正面図である。
図4図5に示すように、第1アーム部14は、アーム本体43および基端部42との境界に逆U字状に形成された段差部48を有する。段差部48は、段差頂部48aと、一対の段差端部48bと、を有する。段差頂部48aは、第1アーム部14がアーム使用位置P1に配置された状態において、右側壁部24の下辺24aに当接する。よって、段差頂部48aは、第1アーム部14がアーム使用位置P1から上方へ回動することを規制する。
【0037】
図3から図5に示すように、一対の段差端部48bは、第1アーム部14がアーム収納位置P2(図9参照)に配置された状態において、前壁部22の下辺22aおよび後壁部23の下辺23aに当接する。よって、一対の段差端部48bは、第1アーム部14がアーム収納位置P2に折り畳まれた状態から前記アーム使用位置P1の反対側への移動を規制する。すなわち、一対の段差端部48b、前壁部22の下辺22a、および後壁部23の下辺23aは、第1アーム部14をアーム収納位置P2に規制する規制部20を構成する。換言すれば、本体12および第1アーム部14には、第1アーム部14をアーム収納位置P2に規制する規制部20を有する。
【0038】
第2アーム部15は、第1アーム部14に対して左右対称に形成されている。よって、第2アーム部15の各構成部に第1アーム部14と同じ符号を付して詳しい説明を省略する。第1アーム部14および第2アーム部15は、それぞれのアーム本体43に複数の貫通孔47が形成されることにより、アーム本体43の通気性が確保されている。
よって、図1に示すように、例えば、洗濯したYシャツ1を折畳み式ハンガー10に吊り下げ状態において、Yシャツ1の乾燥性を高めることができる。
また、本体12および第2アーム部15には、第2アーム部15をアーム収納位置P2に規制する規制部20を有する。
【0039】
<インナーパーツ>
図6は、実施形態の折畳み式ハンガーから本体を除去した状態を右側前方からみた斜視図である。図7は、実施形態の折畳み式ハンガーから本体を除去した状態を右側下後方からみた斜視図である。
図4図6図7に示すように、本体12の内部にインナーパーツ16が収納されている。インナーパーツ16は、支持部51と、第1操作部52と、軸支部53と、第2操作部54と、を備える。
【0040】
支持部51は、左右方向においてインナーパーツ16の中央に配置されている。支持部51は、断面矩形の柱状に形成されている。支持部51は、位置決め部57と、第1フラップ58と、係止部59と、を有する。位置決め部57は、支持部51の前壁51aから前方に向けて突出されている。第1フラップ58は、下端58aが支持部51の後壁51bに設けられ、前後方向へ弾性変形可能に形成されている。第1フラップ58の後面58bに係止部59が設けられている。係止部59は、第1フラップ58の後面58bから後方に向けて突出されている。
【0041】
本体12の内部にインナーパーツ16が収納された状態において、位置決め部57が前壁部22の位置決め孔36(図5参照)に係止する。これにより、インナーパーツ16を本体12に対して位置決めできる。また、位置決め部57が前壁部22の位置決め孔36に係止した状態において、第1フラップ58が弾性変形して係止部59が後壁部の係止孔38(図3参照)に係止する。
このように、位置決め部57が位置決め孔36に係止し、係止部59が係止孔38に係止する。これにより、インナーパーツ16を本体12に対して位置決めした状態において、本体12の内部にインナーパーツ16を保持(固定)できる。
【0042】
図2図6図7に示すように、支持部51の下端部には第1操作部52が設けられている。第1操作部52は、一対のレバー62,63と、一対の押下げ部64,65と、一対の係合部66,67と、を備える。
以下、一対のレバー62,63のうち、支持部51の右側に支持された一方のレバーを第1レバー62、支持部51の左側に支持された他方のレバーを第2レバー63として説明する。一対の押下げ部64,65のうち、第1レバー62に設けられた一方の押下げ部を第1押下げ部64、第2レバー63に設けられた他方の押下げ部を第2押下げ部65として説明する。一対の係合部66,67のうち、第1レバー62に設けられた一方の係合部を第1係合部66、第2レバー63に設けられた他方の係合部を第2係合部67として説明する。
【0043】
第1レバー62は、下端部(端部)62aが支持部51における右側壁51cの下端部に設けられている。第1レバー62は、下端部62aから上方へ向かうに従って支持部51から右方向へ離れるように傾斜状に延びている。第1レバー62は、下端部62aを軸にして左右方向へ弾性変形可能に形成されている。第2レバー63は、下端部(端部)63aが支持部51における左側壁51dの下端部に設けられている。第2レバー63は、下端部63aから上方へ向かうに従って支持部51から左方向へ離れるように傾斜状に設けられている。すなわち、第1レバー62および第2レバー63は、それぞれの下端部62a,63aから互いに離れるように傾斜状に延びている。また、第1レバー62および第2レバー63の間には支持部51が配置されている。
第2レバー63は、第1レバー62に対して左右対称に形成されている。よって、第2レバー63についての詳しい説明を省略する。
【0044】
図8は、実施形態の折畳み式ハンガーから本体および襟元固定部を除去した状態を右側前方からみた斜視図である。
図4図5図8に示すように、インナーパーツ16は、支持部51、第1レバー62、および第2レバー63によりW字状に形成されている。すなわち、支持部51は、左右方向において第1レバー62および第2レバー63の間に設けられている。
【0045】
第1レバー62の上端部には第1押下げ部64が設けられている。第1押下げ部64は、第1レバー62の上端部から右側方に向けて突出されている。ここで、インナーパーツ16は本体12の内部に収納されている。よって、第1押下げ部64を本体12の内側に配置することが可能である。すなわち、第1押下げ部64は、本体12の内側に配置され、右側壁部24の第1開口部27から本体12の外側に露出されている。第1開口部27から本体12の外側に露出された第1押下げ部64を、本体12の外側から本体12の内側に押し付けることにより、第1レバー62を支持部51側に弾性変形させることができる。
【0046】
第2レバー63の上端部には第2押下げ部65が設けられている。第2押下げ部65は、第1押下げ部64に対して左右対称に形成されている。第2押下げ部65についての詳しい説明を省略する。第2押下げ部65は、第1押下げ部64と同様に、本体12の内側に配置され、左側壁部25の第2開口部28から本体12の外側に露出されている。第2開口部28から本体12の外側に露出された第2押下げ部65を、本体12の外側から本体12の内側に押し付けることにより、第2レバー63を支持部51側に弾性変形させることができる。
【0047】
第1レバー62の中央には第1係合部66が設けられている。第1係合部66は、第1レバー62の中央から右側方に向けて突出されている。第1係合部66は、上先端66aが凸状湾曲に形成されている。また、第1係合部66は、係合面66bが第1レバー62に対して傾斜角度θが59°±5°に形成されている。第1係合部66の係合面66bは、アーム使用位置P1に配置された第1アーム部14のアーム係合部45に係合解除可能に係合する。
【0048】
図9は、実施形態の折畳み式ハンガーに備えた第1アーム部および第2アーム部をアーム収納位置に折り畳んだ状態を示す正面図である。
図8図9に示すように、第1アーム部14は、軸部44を中心にしてアーム使用位置P1とアーム収納位置P2とに移動可能に本体12に軸支されている。ここで、第1アーム部14がアーム使用位置P1に配置された状態において、アーム係合部45が第1係合部66の下方に位置する。また、第1アーム部14がアーム収納位置P2に配置された状態において、アーム係合部45が第1係合部66の上方に位置する。
よって、第1アーム部14がアーム収納位置P2からアーム使用位置P1に移動する際に、第1係合部66が第1係合部66の上方から下方に移動する。第1係合部66が下方に移動することにより、第1係合部66の上先端66aがアーム係合部45の湾曲部45aにより支持部51側に押圧される。
【0049】
第1係合部66の上先端66aが支持部51側に押圧されることにより、第1レバー62が支持部51側に弾性変形する。第1レバー62が弾性変形することにより、アーム係合部45が第1係合部66を乗り越えて第1係合部66の下方に位置する。アーム係合部45が第1係合部66の下方に配置された状態において、第1アーム部14がアーム使用位置P1に配置される。この状態において、第1レバー62が支持部51の反対側に復元してアーム係合部45に第1係合部66が係合する。これにより、第1アーム部14がアーム係合部45によりアーム使用位置P1に保持される。
【0050】
なお、つぎのように、第1アーム部14をアーム収納位置P2からアーム使用位置P1に保持することも可能である。まず、第1押下げ部64を本体12の外側から内側に押し付けることにより、第1レバー62を支持部51側に弾性変形させる。この状態において、第1アーム部14をアーム使用位置P1に移動させた後、第1押下げ部64への押圧を解除して第1レバー62を元の位置に復元させる。これにより、第1係合部66がアーム係合部45に係合して第1アーム部14をアーム使用位置P1に保持できる。
【0051】
一方、第1アーム部14をアーム使用位置P1からアーム収納位置P2に折り畳む際には、まず、第1押下げ部64を本体12の外側から内側に押し付ける。第1押下げ部64を本体12の内側に押し付けることにより、第1レバー62を支持部51側に弾性変形させる。よって、アーム係合部45に対する第1係合部66による係合を解除できる。これにより、第1アーム部14をアーム使用位置P1から軸部44を中心にして自重により下方へ折り畳むことによりアーム収納位置P2に配置できる。
【0052】
ここで、図3図9に示すように、本体12および第1アーム部14には、第1アーム部14をアーム収納位置P2に規制する規制部20を有する。これにより、第1アーム部14を規制部20によりアーム収納位置P2に確実に配置できる。
【0053】
図8図9に戻って、第2レバー63の中央には第2係合部67が設けられている。第2係合部67は、第1係合部66に対して左右対称に形成されている。よって、第2係合部67についての詳しい説明を省略する。
第2係合部67によれば、第1係合部66と同様に、第2アーム部15のアーム係合部45に係合することにより、第2アーム部15をアーム使用位置P1に保持できる。また、第2アーム部15をアーム収納位置P2に配置できる。
さらに、図3図9に示すように、本体12および第2アーム部15には、第2アーム部15をアーム収納位置P2に規制する規制部20を有する。これにより、第2アーム部15を規制部20によりアーム収納位置P2に確実に配置できる。
【0054】
このように、第1アーム部14および第2アーム部15をアーム使用位置P1に保持することにより、Yシャツ1を吊り下げ可能に第1アーム部14および第2アーム部15を張り出すことができる。さらに、第1アーム部14および第2アーム部15を折り畳むことによりアーム収納位置P2に収納できる。
【0055】
図7に示すように、支持部51の後下端部51eには軸支部53が設けられている。軸支部53は、支持部51の後下端部51eにおいて、右側壁51cに第1受部71が形成され、左側壁51dに第2受部72が形成されている。第1受部71は、右側壁51cにおいて後方が開口された溝状に形成され、溝状の底部が半円弧状に形成されている。第2受部72は、左側壁51dにおいて後方が開口された溝状に形成され、溝状の底部が半円弧状に形成されている。すなわち、第2受部72は、第1受部71と同様に形成されている。
第1受部71および第2受部72には、襟元固定部18が前後方向に回動可能に軸支された状態に設けられている。襟元固定部18については後で詳しく説明する。
【0056】
図6図8に示すように、支持部51の前壁51aには第2操作部54が設けられている。第2操作部54は、第2フラップ75と、係合部76と、押ボタン77と、を有する。第2操作部54の係合部76および押ボタン77は、本体12における前壁部22の第1凹部37(図5参照)から本体12の前方に露出されている。第2フラップ75は、上端75aが支持部51の前壁51aに設けられ、前後方向へ弾性変形可能に形成されている。第2フラップ75の下端部において前面75bに係合部76が設けられている。
【0057】
係合部76は、第2フラップ75の前面75bから前方に向けて突出されている。係合部76は、襟元固定部18が使用位置P3に配置された状態において、襟元固定部18のフック部86(後述する)に係合解除可能に係合するように形成されている。
なお、襟元固定部18が使用位置P3に配置された状態において、襟元固定部18は、前壁部22の第1凹部37(図5参照)に下方から配置される。よって、襟元固定部18が前壁部22に干渉することを第1凹部37により防止できる。
【0058】
また、第2フラップ75の前面75bにおいて係合部76の上方に押ボタン77が設けられている。押ボタン77は、第2フラップ75の前面75bから前方に向けて突出されている。押ボタン77を前方から後方に向けて押すことにより、第2フラップ75を後方に弾性変形させることができる。これにより、係合部76による襟元固定部18のフック部86への係合を解除できる。
【0059】
<襟元固定部>
図6図7に示すように、支持部51の軸支部53には襟元固定部18が連結されている。襟元固定部18は、連結バー81と、襟元固定部本体82と、を備える。連結バー81は、バー本体85と、フック部86と、を有する。バー本体85は、支持部51の下端部において右側壁51cと左側壁51dとの間に基端部85aが配置可能に形成されている。
ここで、本体12における後壁部23の第2凹部39(図3参照)が形成されている。第2凹部39にバー本体85の基端部85aが配置される。よって、バー本体85の基端部85aが後壁部23に干渉することを第2凹部39により防止できる。
【0060】
バー本体85は、基端部85aの後部に一対の支持軸88が設けられている。一対の支持軸88は、基端部85aから左右方向にそれぞれ突出されて、第1受部71および第2受部72に嵌め込まれている。
この状態において、第1受部71は、本体12の後壁部23(図3参照)により開口部が閉じられる。また、第2受部72は、本体12の後壁部23(図3参照)により開口部が閉じられる。よって、支持軸88が第1受部71の開口部および第2受部72の開口部から抜け出すことを後壁部23により防止できる。これにより、支持軸88は、第1受部71および第2受部72において回動可能に軸支される。
【0061】
図10は、実施形態の折畳み式ハンガーを右側方からみた側面図である。
図6図10に示すように、バー本体85は、基端部85aから延長部85bが直線状に延びている。延長部85bの上面にはフック部86が設けられている。フック部86は、襟元固定部18が使用位置P3に配置された状態において、第2操作部54の係合部76に係合解除可能に係合するように形成されている。
【0062】
バー本体85の延長部85bに襟元固定部本体82が支持されている。襟元固定部本体82は、襟元受入部92と、回動部93と、弾性部材(図示せず)と、を備える。襟元受入部92は、スライド部95と、受入本体96と、を有する。スライド部95は、バー本体85の延長部85bに先端側から嵌め込まれることにより、延長部85bの長手方向(矢印A方向)にスライド移動可能に支持されている。すなわち、襟元固定部18は伸縮可能に形成されている。
【0063】
受入本体96は、Yシャツ1の襟元2(双方、図1参照)を受け入れる襟元受入溝99を有する。襟元受入溝99は、襟元固定部18が使用位置P3に配置された状態において、下方に位置する開口部99aと、上方に位置する頂部99bとを有する。襟元受入溝99は、開口部99aから頂部99bに向かうに従って後方へ移動するように傾斜されている。よって、襟元受入溝99は、襟元固定部18が使用位置P3に配置された状態において、Yシャツ1の襟元2を型崩れのない状態において、襟元受入溝99に開口部99aから受け入れることができる。
【0064】
受入本体96に回動部93が設けられている。回動部93は、襟元受入部92(具体的には、受入本体96)において左右の側壁92a,92bの間に配置されている。回動部93は、回動軸101を介して上下方向(前後方向も含む)に回動可能に支持されている。回動部93は、襟元押付部102と、レバー103と、を有する。
襟元押付部102は、襟元受入溝99の内部に配置されている。襟元押付部102は、回動部93が回動軸101を軸にして上下方向(前後方向も含む)に回動することにより、襟元受入溝99の溝辺99cに接触する位置と、溝辺99cから離れた位置とに移動可能である。襟元押付部102は、周辺に形成された複数の凹凸部102aを有する。
【0065】
レバー103は、受入本体96から襟元受入溝99の反対側に突出されている。レバー103が矢印B方向に移動することにより、襟元押付部102の凹凸部102aが襟元受入溝99の溝辺99cに接触する方向に移動する。また、レバー103が矢印C方向に移動することにより、襟元押付部102の凹凸部102aが襟元受入溝99の溝辺99cから離れる方向に移動する。
【0066】
受入本体96の内部には、不図示の弾性部材が設けられている。弾性部材は、例えば回動軸101に支持される捩じりコイルばねが使用される。弾性部材は、一端が受入本体96に係止され、他端がレバー103に支持されることにより、襟元押付部102が襟元受入溝99の溝辺99cに接触する方向に付勢する。よって、襟元受入溝99に受け入れたYシャツ1の襟元2(双方、図1参照)に、襟元押付部102の凹凸部102aを押し付けることができる。これにより、Yシャツ1の襟元2を溝辺99cと凹凸部102aとにより挟持して、襟元2を襟元受入溝99に固定できる。
また、レバー103を捩じりコイルばねの付勢力(ばね力)に抗して回動軸101を中心にして矢印C方向に移動することにより、襟元押付部102の凹凸部102aを襟元受入溝99の溝辺99cから離す方向に移動できる。
【0067】
図2図6に示すように、襟元固定部18を使用位置P3から収納位置P4に配置する際には、襟元固定部18が使用位置P3に配置された状態において、押ボタン77を前方から後方に向けて押す。押ボタン77を押すことにより第2フラップ75を後方に弾性変形させる。第2フラップ75が弾性変形することにより、係合部76によるフック部86への係合が解除される。
係合部76がフック部86から解除されることにより、襟元固定部18が自重により支持軸88(図7参照)を中心にして使用位置P3から下方に折り畳まれて収納位置P4に配置される。
【0068】
一方、襟元固定部18を収納位置P4から使用位置P3に配置する際には、襟元固定部18を収納位置P4から支持軸88(図7参照)を中心にして上方に持ち上げる。襟元固定部18を上方に持ち上げることにより、フック部86が係合部76に下方から接触して第2フラップ75を後方に弾性変形させる。第2フラップ75が弾性変形することにより、フック部86が係合部76を乗り越えて係合部76の上方に位置する。
フック部86が係合部76の上方に位置することにより、第2フラップ75が元の位置に復元する。第2フラップ75が復元することにより、係合部76がフック部86に係合する。これにより、襟元固定部18が使用位置P3に配置された状態に保持される。
【0069】
図1図10に示すように、襟元固定部18が使用位置P3に配置された状態において、襟元受入溝99にYシャツ1の襟元2を固定することにより、襟元2を首回りに配置した形状に保持することができる。以下、「襟元2を首回りに配置した形状に保持する」ことを「襟元2を保持する」と略記することがある。
このように、襟元固定部18は、襟元2を保持する使用位置P3と、使用位置P3から折り畳まれた収納位置P4とに移動可能に、支持部51の軸支部53に支持軸88(図7参照)が軸支されている。
【0070】
以上説明したように、実施形態の折畳み式ハンガー10によれば、図5に示すように、第1押下げ部64および第2押下げ部65を本体12の内側に配置した。よって、第1押下げ部64および第2押下げ部65を誤操作することを本体12で防止することができる。これにより、例えば、第1押下げ部64の誤操作による第1アーム部14の折畳みを防止できる。また、例えば、第2押下げ部65の誤操作による第2アーム部15の折畳みを防止できる。
さらに、第1押下げ部64および第2押下げ部65を本体12の内側に配置することにより折畳み式ハンガー10の意匠性を高めることができる。
【0071】
また、図6図5に示すように、インナーパーツ16に位置決め部57を有することにより、インナーパーツ16を位置決め部57で本体12に対して位置決めできるようにした。これにより、インナーパーツ16を本体12に対して正確な位置に容易に、かつ確実に取り付けることができる。
【0072】
さらに、図3図5図9に示すように、本体12および第1アーム部14に規制部20を有し、規制部20により第1アーム部14をアーム収納位置P2に規制するようにした。同様に、本体12および第2アーム部15に規制部20を有し、規制部20により第2アーム部15をアーム収納位置P2に規制するようにした。よって、第1アーム部14および第2アーム部15をアーム収納位置P2に確実に配置できる。これにより、折畳み式ハンガー10の使い勝手を高めることができる。
【0073】
加えて、図1図4に示すように、インナーパーツ16に襟元固定部18を設け、襟元固定部18によりYシャツ1の襟元2を保持するようにした。これにより、第1アーム部14および第2アーム部15(すなわち、折畳み式ハンガー10)に吊り下げられたYシャツ1における襟元2の形状を襟元固定部18により保持できる。
さらに、襟元固定部18によりYシャツ1の襟元2を保持することにより、折畳み式ハンガー10に吊り下げたYシャツ1において、背中側に位置する後側部(図示せず)と、胸側に位置する前側部3とを離間させて配置できる。これにより、Yシャツ1の乾燥性を襟元固定部18により高めることができる。
【0074】
また、図2図7図8に示すように、インナーパーツ16において第1レバー62および第2レバー63の間に支持部51を設けた。この支持部51に襟元固定部18を使用位置P3と収納位置P4とに移動可能に軸支させた。インナーパーツ16は、本体12の内部に収納されている。よって、襟元固定部18を軸支する部位を本体12で隠すことができる。これにより、折畳み式ハンガー10の意匠性を高めることができる。
【0075】
さらに、支持部51に係合部76を設け、使用位置P3に配置された襟元固定部18に係合部76を係合解除可能に係合するようにした。すなわち、支持部51に襟元固定部18を回動可能に軸支し、かつ、支持部51に係合部76を設けた。このように、襟元固定部18および係合部76を同一部材(すなわち、支持部51)に設けた。よって、係合部76を襟元固定部18のフック部86に対して精度よく配置できる。これにより、係合部76をフック部86に確実に係合させることができる。したがって、襟元固定部18を使用位置P3に係合部76により確実に固定できる。
【0076】
加えて、折畳み式ハンガー10を使用しない場合に、係合部76によるフック部86への係合を解除することにより、襟元固定部18を収納位置P4に折り畳むことができる。これにより、折畳み式ハンガー10の使い勝手を高めることができる。
【0077】
また、図4に示すように、第1係合部66において係合面66bの傾斜角度θを、第1レバー62に対して59°±5°になるように形成した。よって、係合面66b(すなわち、第1係合部66)に第1アーム部14を安定的に係合させることができる。これにより、第1アーム部14をアーム使用位置P1に安定させた状態に保持できる。
実施形態では、係合面66bの傾斜角度θを59°±5°に設定する例について説明するが、例えば傾斜角度θの角度範囲を59°を基準にして±1°、±2°などの±5°未満に抑えることがより好ましい。
また、第2係合部67の係合面67aも第1係合部66の係合面66bと同様に形成されている。これにより、第2アーム部15をアーム使用位置P1に安定させた状態に保持できる。
【0078】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
前記実施形態では、折畳み式ハンガー10(具体的には、インナーパーツ16)に襟元固定部18を設けた例について説明したが、折畳み式ハンガー10に襟元固定部18を設けなくてもよい。
【0079】
また、前記実施形態では、係合部76をインナーパーツ16の支持部51に設けた例について説明したが、係合部76を本体12に設けてもよい。
【0080】
さらに、前記実施形態では、襟元固定部18をインナーパーツ16に設けた例について説明したが、襟元固定部18を本体12に設けてもよい。
これにより、前記実施形態と同様に、第1アーム部14および第2アーム部15(すなわち、ハンガー10)に吊り下げられたYシャツ1における襟元2の形状を襟元固定部18により保持できる。
さらに、襟元固定部18によりYシャツ1の襟元2を保持することにより、ハンガー10に吊り下げて干したYシャツ1において、背中側に位置する後側部(図示せず)と、胸側に位置する前側部3とを離間させて配置できる。これにより、Yシャツ1の乾燥性を襟元固定部18により高めることができる。
【0081】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 Yシャツ(衣服)
2 襟元
10 折畳み式ハンガー
12 本体
14 第1アーム部(一対のアーム部の一方)
15 第2アーム部(一対のアーム部の他方)
16 インナーパーツ
18 襟元固定部
20 規制部
51 支持部
53 軸支部
57 位置決め部
62 第1レバー(一対のレバーの一方)
62a 第1レバーの下端部(端部)
63 第2レバー(一対のレバーの他方)
63a 第2レバーの下端部(端部)
64 第1押下げ部(一対の押下げ部の一方)
65 第2押下げ部(一対の押下げ部の他方)
66 第1係合部(一対の係合部の一方)
67 第2係合部(一対の係合部の他方)
76 係合部
P1 アーム使用位置
P2 アーム収納位置
P3 使用位置
P4 収納位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10