(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174704
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】プログラムと情報処理装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241210BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241210BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G06F3/12 331
G06F3/12 305
G06F3/12 330
G06F3/12 385
H04N1/00 127Z
H04N1/00 C
B41J29/38 401
B41J29/38 701
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092680
(22)【出願日】2023-06-05
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】右島 功
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061HJ08
2C061HN04
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN21
2C061HP06
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC42
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF02
(57)【要約】
【課題】新たに設置される機器の設定メニュー画面で移転済の設定も表示すると、設定が必要な項目に気づくまでに時間を要し、ユーザビリティ―が低下する。
【解決手段】情報処理装置と通信可能な画像処理装置のセットアップを行うためのプログラムであって、第1画像処理装置との間のネットワーク設定を実行してネットワーク接続を行い、ネットワーク接続した前記第1画像処理装置における所定の設定を行うことができる設定画面を表示するための接続先情報を前記第1画像処理装置から受信する。そして第2画像処理装置に設定されている設定値のインポート要求に基づいて、前記第2画像処理装置で設定されている設定値を取得し、前記接続先情報が示す接続先にアクセスして前記第1画像処理装置の設定画面を表示する際、前記取得工程で取得した設定値に対応する設定項目への入力を不要にした設定画面を表示する。そして前記設定画面を介して設定された設定値を前記第1画像処理装置に設定することで前記第1画像処理装置をセットアップする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と通信可能な画像処理装置のセットアップを行うためのプログラムであって、
第1画像処理装置との間のネットワーク設定を実行してネットワーク接続を行う接続工程と、
前記接続工程でネットワーク接続した前記第1画像処理装置における所定の設定を行うことができる設定画面を表示するための接続先情報を前記第1画像処理装置から受信する受信工程と、
第2画像処理装置に設定されている設定値のインポート要求に基づいて、前記第2画像処理装置で設定されている設定値を取得する取得工程と、
前記接続先情報が示す接続先にアクセスして前記第1画像処理装置の設定画面を表示する際、前記取得工程で取得した設定値に対応する設定項目への入力を不要にした設定画面を表示する表示工程と、を前記情報処理装置に実行させ、
前記設定画面を介して設定された設定値を前記第1画像処理装置に設定することで前記第1画像処理装置をセットアップすることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記表示工程では、前記情報処理装置にインストールされているWebブラウザに前記接続先情報が示す接続先にアクセスさせ、
前記Webブラウザは前記接続先から取得したデータに基づいて前記設定画面を表示することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記所定の設定は、前記第1画像処理装置の所定の機能に関する設定であることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記接続先情報は、前記第1画像処理装置によって生成されたURL(Uniform Resource Locator)であり、前記設定画面に対応するURLであることを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記設定値は、ネットワークの設定値とソフトウェアのインストールに関する設定値を含むことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記接続工程では、ネットワーク設定として前記第1画像処理装置のIPアドレスの設定を受け付け、前記URLは、設定された前記IPアドレスを含むことを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記表示工程では、前記取得工程で取得した設定値に対応していない設定項目の設定値の入力欄を空白にして表示することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記表示工程では、前記所定の設定の設定項目が全て、前記取得工程で取得した設定値に対応する設定項目を含む場合、当該所定の設定の設定画面を表示しないことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記インポート要求は、前記設定画面に含まれるインポートボタンが選択されることによりなされることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
情報処理装置と通信可能な第1画像処理装置と第2画像処理装置とを有するシステムで、前記第1画像処理装置のセットアップを行うことができる情報処理装置であって、
前記第1画像処理装置との間のネットワーク設定を実行してネットワーク接続を行う接続手段と、
前記接続手段でネットワーク接続した前記第1画像処理装置における所定の設定を行うことができる設定画面を表示するための接続先情報を前記第1画像処理装置から受信する受信手段と、
前記第2画像処理装置に設定されている設定値のインポート要求に基づいて、前記第2画像処理装置で設定されている設定値を取得する取得手段と、
前記接続先情報が示す接続先にアクセスして前記第1画像処理装置の設定画面を表示する際、前記取得手段が取得した設定値に対応する設定項目への入力を不要にした設定画面を表示する表示手段と、を有し、
前記設定画面を介して設定された設定値を前記第1画像処理装置に設定することで前記第1画像処理装置をセットアップすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
前記表示手段は、前記情報処理装置にインストールされているWebブラウザに前記接続先情報が示す接続先にアクセスさせ、
前記Webブラウザは前記接続先から取得したデータに基づいて前記設定画面を表示することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記所定の設定は、前記第1画像処理装置の所定の機能に関する設定であることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記接続先情報は、前記第1画像処理装置によって生成されたURLであり、前記設定画面に対応するURLであることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記設定値は、ネットワークの設定値とソフトウェアのインストールに関する設定値を含むことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記接続手段は、ネットワーク設定として前記第1画像処理装置のIPアドレスの設定を受け付け、前記URLは、設定された前記IPアドレスを含むことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記表示手段は、前記取得手段が取得した設定値に対応していない設定項目の設定値の入力欄を空白にして表示することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記表示手段は、前記所定の設定の設定項目が全て、前記取得手段が取得した設定値に対応する設定項目を含む場合、当該所定の設定の設定画面を表示しないことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記インポート要求は、前記設定画面に含まれるインポートボタンが選択されることによりなされることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項19】
請求項10乃至18のいずれか一項に記載の情報処理装置と、当該情報処理装置と通信可能な第1画像処理装置と第2画像処理装置とを有するシステム。
【請求項20】
前記第1画像処理装置は、前記情報処理装置から設定された設定された設定内容を含む設定画面を表示する表示部を有し、
前記設定画面は、前記設定内容の編集を指示するためのオブジェクトを有することを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムと情報処理装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置を新規に設置してユーザが使用開始する場合、設置先のユーザ使用環境で画像形成装置が適正に動作するように各種の設定を行う必要がある。特許文献1には、引継ぎ機のジョブの履歴情報を新機種に移転させて設定内容を決定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記先行技術では、パスワードのような新機種の設定に必要な情報であるがジョブ履歴情報に含まれない項目を扱うことができない。そのため設定メニューを使用して設定作業を行う必要があり、ユーザや管理者の利便性を下げてしまう課題がある。更に、新たに設置される機器の設定メニュー画面で移転済の設定も表示すると、設定が必要な項目に気づくまでに時間を要し、ユーザビリティ―が低下するという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の課題の少なくとも一つを解決することにある。
【0006】
本発明の目的は、新規に設定される画像処理装置の設定を、既に設置されている画像処理装置の設定をインポートして行う際のユーザの操作性を高める技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係るプログラムは以下のような構成を備える。即ち、
情報処理装置と通信可能な画像処理装置のセットアップを行うためのプログラムであって、
第1画像処理装置との間のネットワーク設定を実行してネットワーク接続を行う接続工程と、
前記接続工程でネットワーク接続した前記第1画像処理装置における所定の設定を行うことができる設定画面を表示するための接続先情報を前記第1画像処理装置から受信する受信工程と、
第2画像処理装置に設定されている設定値のインポート要求に基づいて、前記第2画像処理装置で設定されている設定値を取得する取得工程と、
前記接続先情報が示す接続先にアクセスして前記第1画像処理装置の設定画面を表示する際、前記取得工程で取得した設定値に対応する設定項目への入力を不要にした設定画面を表示する表示工程と、を前記情報処理装置に実行させ、前記設定画面を介して設定された設定値を前記第1画像処理装置に設定することで前記第1画像処理装置をセットアップすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、設定が必要な項目の設定を容易にすることで、新規に設定される画像処理装置の設定を効率的に行うことができるという効果がある。
【0009】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【
図1】本発明の実施形態1に係るシステムの構成例を示す図。
【
図2】実施形態1に係るMFPのハードウェア構成の一例を説明するブロック図。
【
図3】実施形態1に係る情報処理端末のハードウェア構成の一例を説明するブロック図。
【
図4】実施形態1に係るMFP101の初期設定を、情報処理端末にインストールしたセットアップツールで行うときの処理シーケンスの一例を説明する図。
【
図5】実施形態1に係る情報処理端末で実行される初期設定処理の一例を説明するフローチャート。
【
図6】実施形態1に係るMFP101で実行される初期設定処理の一例を説明するフローチャート。
【
図7】実施形態1に係る情報処理端末の操作パネルに表示されるセットアップツールの設定画面の一例を示す図。
【
図8】実施形態1に係る情報処理端末のWebブラウザにより操作パネルに表示される初期設定画面の一例を示す図。
【
図9】
図5のS511で情報処理端末の操作パネルに表示されるスキャン設定メール設定画面の一例を示す図。
【
図10】実施形態1において、引継ぎデータとしてMFP101にインポートされる宛先名称とFAX電話番号の一例を示す図。
【
図11】実施形態1において、引継ぎデータとしてMFP101にインポートされるScanToEmailで使用されるメールサーバ設定値の一例を示す図。
【
図12】実施形態1に係る情報処理端末の操作パネルに表示されるスキャン設定のメール設定画面の一例を示す図。
【
図13】実施形態1に係る情報処理端末の操作パネルに表示されるスキャン設定のメール設定の内容確認画面の一例を示す図。
【
図14】S520で表示される設定値のインポート用のIPアドレスの設定画面の一例を示す図。
【
図15】実施形態1に係るMFP101の設定内容のインポート元となるMFP301の処理を説明するフローチャート。
【
図16】インポートによる設定値の設定が行われていない画面であるスキャン設定デフォルト設定画面の一例を示す図。
【
図17】インポートの結果、スキャン設定のデフォルト値の設定値の全てが設定された画面であるデフォルト設定確認画面の一例を示す図。
【
図18】デフォルトスキャン設定のインポートデータの一例を示す図。
【
図19】設定値修正ボタンを追加した初期設定画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これら複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。更に、添付図面においては、同一もしくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係るシステムの構成例を示す図である。
【0013】
このシステムは、端末装置の一例である情報処理端末200と、情報処理端末200とネットワーク100を介して通信可能な画像処理装置であるMFP(Multi Function Peripheral)101及びMFP301を有している。ここでMFP101は新規に設置されたMFP、MFP301はMFP101より以前に設置されていたMFPである。ここでは、MFP301と同じ設定内容をMFP101に設定する処理について説明する。PC等の情報処理端末200には、MFP101の設定を行うためのアプリケーションがインストールされている。尚、実施形態1に係るネットワーク100は、インターネットでもよいし、LAN(Local Area Network)でもよい。またネットワーク100は有線でも無線でも良く、またインターネットを介していても良い。また、MFP101、MFP301及び情報処理端末200は、例えばUSBケーブルを介して接続されてもよい。その場合、MFP101、MFP301及び情報処理端末200はそれぞれUSB通信部を有し、それぞれのUSB通信部にUSBケーブルをつなぐことで相互に通信が可能になる。またMFP101、MFP301及び情報処理端末200は、ダイレクト無線通信を介して接続されても良い。
【0014】
図2は、実施形態1に係るMFP101のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。尚、MFP301もMFP101と同じハードウェア構成を有するため、ここではMFP101について説明し、MFP301のハードウェア構成に関する説明は省略する。
【0015】
MFP101は、CPU111、ROM112、RAM113、ストレージ114、操作部I/F(インタフェース)115、操作部116、読取部I/F117、読取部118、印刷部I/F119、印刷部120を有する。更に、無線通信部I/F121、無線通信部122、FAX部I/F123、FAX通信部124、通信部I/F125、通信部126を備える。
【0016】
CPU111を含む制御部110は、MFP101全体の動作を制御する。CPU111は、ROM112又はストレージ114に記憶された制御プログラムをRAM113に展開し、それを実行することで読取制御や印刷制御などの各種制御を行う。ROM112は、CPU111で実行可能な制御プログラム等を格納する。またROM112は、ブートプログラムやフォントデータなども格納する。RAM113は主記憶メモリとして機能し、ワークエリア、ROM112及びストレージ114に格納された各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。ストレージ114は、画像データ、印刷データ、各種プログラム、及び各種設定情報を記憶する。実施形態1では、ストレージ114としてフラッシュメモリを想定しているが、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disc Drive)などの補助記憶装置を用いるようにしても良い。またeMMC(embedded Multi Media Card)を用いるようにしても良い。
【0017】
尚、実施形態1に係るMFP101は、1つのCPU111が1つのメモリ(RAM113)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、本発明はこれに限るものではない。例えば複数のCPU、RAM、ROM、及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行することもできる。またASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。
【0018】
操作部I/F115は、例えばタッチパネルのような表示部やハードキーを含む操作部116と制御部110とを接続する。操作部116は、ユーザに対して情報を表示したり、ユーザからの入力を検出したりする。読取部I/F117は、例えばスキャナのような読取部118と制御部110とを接続する。読取部118は、原稿の画像を読み取って原稿の画像データを取得し、CPU111がその画像データをバイナリーデータなどの画像データに変換する。読取部118によって読み取られた画像に基づき生成された画像データは、外部装置に送信されたり、記録紙上に印刷されたりする。印刷部I/F119は、例えばプリンタのような印刷部120と制御部110とを接続する。印刷時、CPU111は、RAM113に記憶された画像データ(印刷データ)を印刷部I/F119を介して印刷部120に転送する。印刷部120は、転送された画像データに基づく画像を、給紙カセットから給送された記録紙に印刷する。
【0019】
無線通信部I/F121は、無線通信部122を制御するためのI/Fで、制御部110と無線経由で外部の無線機器(ここでは情報処理端末102)と接続する。制御部110は、FAX部I/F123により、ファクシミリのようなFAX通信部124を制御することで公衆回線網107に接続される。FAX部I/F123は、FAX通信部124を制御するI/Fで、ファクシミリ通信用のモデムやNCUを制御して公衆回線網107への接続、ファクシミリ通信プロトコルの制御などを行うことができる。通信部I/F125は、通信部126を介して制御部110とネットワーク100とを接続する。通信部126は、ネットワーク100上の外部装置に画像データや装置内部の各種情報を送信したり、ネットワーク100上の情報処理装置から印刷データやネットワーク100上の情報を受信したりする。ネットワーク100を介した送受信の方法としては、電子メールを用いた送受信や、その他のプロトコル(例えば、FTPやSMB、WEBDAV等)を用いたファイル送信等がある。更に、情報処理端末200からのHTTP通信によるアクセスで、画像データや各種設定データをネットワーク100経由で送受信することもできる。
【0020】
図3は、実施形態1に係る情報処理端末200のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。尚、実施形態1に係る情報処理端末200は、例えばスマートフォンやタブレット、PC等の装置を想定しているが、MFP101と通信が可能な情報処理装置であれば他の装置であってもよい。
【0021】
CPU207は、ROM208が記憶している制御プログラムをRAM209に展開し、それを実行することで情報処理端末200の動作を制御するための様々な処理を実行する。ROM208は、制御プログラム等を記憶している。RAM209は、CPU207の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD210は、写真や電子文書等の様々なデータを記憶する。尚、HDDに代えて、例えばフラッシュメモリやSSD、或いはeMMCを採用しても良い。
【0022】
操作パネル201は、ユーザのタッチ操作を検出可能なタッチパネル機能を備え、OSやEメール送信アプリケーション等が提供する各種画面を表示する。また操作パネル201は、MFP101の初期設定アプリケーションであるセットアップツールを実行するために使用される。ユーザは操作パネル201にタッチ操作を入力することで、情報処理端末200に所望の操作指示を入力することができる。尚、情報処理端末200が不図示のハードウェアキーを備えていて、ユーザはこのハードウェアキーを用いて情報処理端末200に操作指示を入力できるようしても良い。
【0023】
カメラ204は、ユーザの撮像指示に応じて撮像する。カメラ204で撮像された写真は、HDD210の所定の領域に記憶される。また、QRコード(登録商標)解析が可能なプログラムを用いて、カメラ204で読み取ったQRコードから情報を取得することも可能である。
【0024】
情報処理端末200は、NFC通信部205、Bluetooth(登録商標)通信部206、無線LAN通信部211を介して各種周辺機器とデータの授受を行うことができる。情報処理端末200のBluetooth通信部206は、Bluetooth(登録商標)Low Energyに対応していてもよい。HDD210の所定の領域には、MFP101のセットアップツールがインストール(保存)されており、それがRAM209に展開されることによって実行される。
【0025】
図4は、実施形態1に係るMFP101の初期設定を、情報処理端末200にインストールしたセットアップツールで行うときの処理シーケンスの一例を説明する図である。
【0026】
まずS401でMFP101は、ユーザから電源オンの指示を受け付けることにより起動する。次にS402に進みMFP101は、接続方法の選択画面を操作部116に表示する。この接続方法の選択画面では、MFP101と情報処理端末200との接続の方法が選択でき、ここではUSB接続、有線LAN接続、無線LAN接続(インフラ接続)、無線ダイレクト接続から任意の接続方法を選択することができるものとする。
【0027】
次にS403に進みMFP101は、S402で選択された接続方法の下でネットワーク設定待ち状態になる。具体的には、MFP101は、ネットワーク設定開始コマンドが、選択された接続方法のインターフェースを介して受信したかどうかを判定する。例えば、接続方法の選択画面でUSB接続が選択されていれば、MFP101のUSB通信部(不図示)を介してネットワーク設定開始コマンドを受信したかどうかをMFP101のCPU111が判定する。
【0028】
次に情報処理端末200の動作を説明する。
【0029】
まずS404で情報処理端末200は、ユーザ操作に基づいてMFP101の初期設定アプリケーションであるセットアップツールを起動する。そしてS405に進み情報処理端末200は、そのセットアップツールを実行し、操作パネル201にセットアップツールの画面を表示する。この画面でネットワーク設定の開始指示を受け付けたことによって、S406で、ネットワーク設定の実行要求をMFP101に送信する。具体的には、
図7の設定画面700,710,720,730で入力された設定に基づいて、ネットワーク設定や、ソフトウェアのインストールが実行される。
【0030】
図7は、実施形態1に係る情報処理端末200の操作パネル201に表示されるセットアップツールの設定画面の一例を示す図である。これら設定画面700,710,720,730は、情報処理端末200のCPU207がセットアップツールを起動することによって操作パネル201に表示される画面である。
【0031】
図7(A)は、セットアップツールの開始画面700を示す。この開始画面700には、セットアップ開始ボタン701が表示され、このセットアップ開始ボタン701が選択(押下)されることによって、セットアップ(初期設定)処理が開始される。以下の説明でボタン等の選択は、表示されているボタン或いはURL(Uniform Resource Locator)等の押下(タッチ)、或いはカーソルボタンなどによる指示(クリック)を含む。
【0032】
図7(B)は、セットアップツールのネットワーク設定画面710の一例を示す。ネットワーク設定画面710は、セットアップ開始ボタン701が選択されることによって表示される画面である。ネットワーク設定画面710では、MFP101のインターフェースの設定を行うことができる。ネットワーク設定画面710のボタン711,716,717は、MFP101で有効にする通信機能を選択するのに使用される。
図7の例では、ボタン711に対応する有線LAN機能が有効化されている。有線LAN機能が有効化されているときは、無線LAN機能、無線ダイレクト機能は有効にできないようにしても良く、或いは任意の機能を同時に有効化できるようにしても良い。
【0033】
入力欄712は、有線接続時のMFP101のIPアドレスを入力するためのエリアである。入力欄713は、有線接続時のMFP101のサブネットマスクを入力するためのエリアである。入力欄714は、有線接続時のMFP101のデフォルトGW(ゲートウエイ)を入力するためのエリアである。設定ボタン715は、DHCP機能をオンにするか否かを設定するためのボタンである。
図7(B)では、DHCP機能はオフになっている。設定ボタン715でDHCP機能がオンに設定された場合、入力欄712~714で入力された設定値は無効になり修正もできなくなる。キャンセルボタン718が選択されると、セットアップツールは、この設定画面710を介したネットワーク設定をキャンセルする。OKボタン719が選択されると、セットアップツールは、この設定画面710を介して入力された設定値を情報処理端末200のHDD210に記憶する。そしてMFP101に、ネットワーク設定情報として設定画面710で入力された設定値を送信する。このとき情報処理端末200(セットアップツール)は、USB通信で設定値を送信しても良く、或いは、有線LANや無線LANなどの通信で送信しても良い。
【0034】
図7(C)は、セットアップツールのソフトウェア設定画面720の一例を示す。このソフトウェア設定画面720は、ネットワーク設定画面710のOKボタン719が選択されたことによって表示される画面で、情報処理端末200にインストールするソフトウェア等を選択するための画面である。ソフトウェア設定画面720には、ボタン721~723が表示されている。ボタン721は、MFP101に対応するプリンタドライバをインストールするためのボタンである。ボタン722は、MFP101に対応するスキャンドライバをインストールするためのボタンである。ボタン723は、MFP101の取扱説明書をダウンロードするためのボタンである。これらボタン721~723のうち少なくとも1つのボタンが選択された状態でOKボタン725が選択されると、選択されたボタンに対応するソフトウェア等が情報処理端末200にインストール(ダウンロード)される。一方、キャンセルボタン724が選択されると、この画面720によるソフトウェア設定がキャンセルされる。
【0035】
図7(D)は、セットアップツールの設定完了画面730の一例を示す。この設定完了画面730は、ソフトウェア設定画面720のOKボタン725が選択されることによって表示される。設定完了画面730には、リンク731が表示される。このリンク731が選択されると、情報処理端末200にインストールされているWebブラウザが起動し、Webブラウザがリンク731に対応するURL「http:192.168.1.2/Jinitial_setting.html」にアクセスする。尚、このリンク731は、ボタンのようなオブジェクトであっても良い。また、ユーザがリンク731を選択しなくても、ソフトウェア設定画面720のOKボタン725が選択されたことによって接続先情報URLにアクセスさせてもよい。即ち、OKボタン725が選択されると、セットアップツールが情報処理端末200にインストールされているWebブラウザを起動させてリンク731に対応する接続先情報URLにアクセスさせてもよい。設定完了画面730が表示されるトリガーやWebブラウザにURLにアクセスさせるトリガーは、OKボタン725が選択されたことであっても良く、或いはMFP101のネットワーク設定が完了したタイミングであっても良い。MFP101のネットワーク設定の完了は、情報処理端末200がMFP101からネットワーク設定の完了通知を受信したことによって判定される。
【0036】
このようにして
図4のS406では、ネットワーク設定画面710で設定された設定値が情報処理端末200からMFP101に送信される。これによりMFP101は、受信した設定値に基づいてネットワーク設定を行う。
【0037】
そしてS407で情報処理端末200は、MFP101に対して、ネットワーク設定の完了指示を行う。これによりMFP101は、ネットワーク設定待ち状態ではなく通常状態になる。そしてS408でMFP101は、初期設置完了待ち状態になる。
【0038】
次にS409に進み情報処理端末200は、MFP101に対して、ネットワーク接続確認処理を開始する。そしてS410で情報処理端末200はセットアップツールを実行し、MFP101とのネットワーク接続を確認するために、ネットワーク設定画面710で設定されたIPアドレスにPingコマンドを送信し、応答があるかどうかを確認する。そしてS411でMFP101は、ネットワーク接続の確認を送信してきた情報処理端末200に対して接続OKであることを示す情報を送信する。尚、S409のネットワークの疎通確認は、SNMPのようなプロトコルで実行されても良い。これにより情報処理端末200は、MFP101との間でのネットワーク接続が確認できたことになる。
【0039】
こうしてMFP101とのネットワーク接続が確認できるとS412で情報処理端末200は、MFP101に対して、初期設定ページ(リモートUI)のURLの取得要求を行う。ここで取得されるURLには、ネットワーク設定画面710でユーザによって設定されたIPアドレスが含まれている。そのため、ネットワークの初期設定が終わってからMFP101のリモートUIにアクセスできるようになる。尚、情報処理端末200は、URLをMFP101から取得せずに、セットアップツールがネットワーク設定画面710で入力された設定値を記憶しておいても良い。その場合、セットアップツールがWebブラウザを起動させ、記憶したIPアドレスにアクセスするようにしても良い。それにより、MFP101のリモートUIのトップページが表示され、そこから初期設定用ページに自動的にジャンプするようにしても良い。
【0040】
そしてS413でMFP101は、初期設定用のWebページ(リモートUI)を生成する。このWebページには、HTML(Hyper Text Markup Language)、CSS(Cascading Style Sheets)、Javascript、画像ファイルが含まれる。そしてS414でMFP101は、その生成したWebページのURLを、URL要求を送信してきた情報処理端末200に送信する。ここで送信されるURLは、後述する
図8の初期設定画面801を表示するためのURLである。
【0041】
これによりS415で情報処理端末200は、S414で受信したURLに基づいてリンク731を生成し、情報処理端末200の操作パネル201に設定完了画面730(
図7(D))を表示する。
【0042】
そして情報処理端末200はセットアップツール上でリンク731の選択を受け付けるとWebブラウザを起動し、送信されたURLにアクセスする。そして、情報処理端末200上のWebブラウザで各種初期設定を受け付ける。ここでMFP101は、MFP301の置き換え機であるためMFP301の設定値を引き継ぐために設定値のインポート処理を行う。
【0043】
次にMFP301の動作について説明する。
【0044】
S416でMFP301は、ユーザから電源オンの指示を受け付けることにより、起動する。そしてS417に進みMFP301は、S402と同様に接続方法の選択を行った後、待機状態に移行する。
【0045】
そして情報処理端末200で設定値のインポートが指示されると、S418で情報処理端末200からMFP301に対してインポート要求を行う。MFP301は、このインポート要求を受信するとS419で設定内容のエクスポート処理を行う。そしてS420で設定内容を情報処理端末200に送信する。こうしてMFP301はエクスポート処理を終了する。
【0046】
S420で送信される設定内容のデータは、宛先名称、FAX電話番号、デフォルトのスキャン設定、ScanToEmailで使用されるメールサーバ設定値などを含む。こうして受け付けた設定内容は、情報処理端末200からMFP101に送信され、MFP101がそれら設定値を設定する。こうして初期設定の完了がユーザにより指示されると、S421で情報処理端末200から設置完了を示す通知がMFP101に送信される。こうしてS422でMFP101は、S421で送信された通知に基づいて、設置完了状態に移行する。
【0047】
このようにして、次回、MFP101の電源がオンになった際に、初期設置のフローではない通常の起動処理が行われる。またMFP101の初期設置完了待ち状態は、ユーザの指示なく時間経過に伴って完了状態になってもよい。
【0048】
図5は、実施形態1に係る情報処理端末200で実行される初期設定処理の一例を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートで示す処理は、CPU207がROM208に記憶されたセットアップツールやWebブラウザなどのプログラムをRAM209に展開して実行することで実現される。
【0049】
まずS501でセットアップツールを実行するCPU207は、ネットワーク設定待ち機器の探索を行う。このとき、USB通信を介して探索を行っても良いし、有線LAN、無線LAN、無線ダイレクト通信で探索を行ってもよい。そしてS502に進みCPU207は、探索によりMFPが見つかったかどうか判定する。ここでMFPが見つかったと判定した場合はS503に進み、そうでない場合はS502に戻る。
【0050】
S503でCPU207は、ネットワーク設定を実行する。具体的には、S502でMFPが見つかったことにより、
図7(A)に示す開始画面700を操作パネル201に表示する。そして、この開始画面700でセットアップ開始ボタン701が選択されることによってネットワーク設定画面710を表示する。そしてこの設定画面710において、MFP101において有効にする通信機能(有線LAN、無線LAN、無線ダイレクト)と、各機能に対応する設定値の入力を受け付ける。そしてOKボタンが719が押下されるとCPU207は、入力された設定値をMFP101に送信する。そしてS504に進みCPU207は、MFP101にネットワーク設定の完了を通知する(
図4のS407)。
【0051】
次にS505に進みCPU207は、MFP101に対してネットワーク接続確認を行う。これは前述の
図4のS410に相当する。そしてS411でMFP101からネットワーク応答がある場合(S411)はS505からS506に進む。そうでない場合はS505で待ち続ける。
【0052】
S506でCPU207は、MFP101にURLの取得を要求し、MFP101で生成された初期設定のWebページを表示するためのURLをMFP101から受信する。これは前述の
図4のS412,S414に相当する。
【0053】
次にS507に進みCPU207は、取得したURLに対してWebページの取得要求を行い、MFP101内のWebサーバからWebページ(HTMLファイル等)を受信する。このURLには、初期設定画面を示すロケール名が付与されていてもよい。尚、ここでWebページの取得要求を送信するURLは、セットアップツールが生成したURLであってもよい。その場合、ネットワーク設定画面710で入力されたIPアドレスに基づいて生成されたURLに対してWebページ取得要求が送信される。
【0054】
そしてS508に進みCPU207はWebブラウザを起動する。Webブラウザは、MFP101から取得したWebページを操作パネル201に表示する。具体的には、
図8の初期設定画面801がWebブラウザ上に表示される。
【0055】
図8は、実施形態1に係る情報処理端末200のWebブラウザにより操作パネル201に表示される初期設定画面801の一例を示す図である。
【0056】
この初期設定画面801には、FAXボタン802、スキャンボタン803、クラウドボタン804、その他ボタン805、設定値インポートボタン806、終了ボタン807が表示される。
【0057】
次にS509に進みWebブラウザを実行するCPU207は、ユーザから初期設定したい機能の選択を受け付け、ユーザから初期設定したい機能が選択される(ボタン802~805のいずれか)とS510に進み、そうでない場合はS519に進む。S519でCPU207は、引継ぎ機の設定情報の読込を行うために設定値インポートボタン806が押されたかどうか判定し、設定値インポートボタン806が押されたときはS520に進み、そうでないときはS509に戻って入力を待ち続ける。S520でCPU207は、設定値のインポート用のIPアドレスを設定するための画面を操作パネル201に表示してS508に進む。
【0058】
図14は、S520で表示される設定値のインポート用のIPアドレスの設定画面1401の一例を示す図である。
【0059】
インポート用IPアドレス設定画面1401では、IPアドレス入力欄1402にIPアドレスが入力され、設定ボタン1403が押下されるとS521に進む。S521でCPU207は、S520で設定画面1401を介して設定されたIPアドレスを使って設定値のインポートが行われる。ここでインポートされる設定値データは、例えば
図10の宛先名称とFAX電話番号1001や
図18のデフォルトスキャン設定1801、
図11のScanToEmailで使用されるメールサーバ設定値1101等である。インポート完了後にS508に進んで設定画面の再表示が行われる。
【0060】
図10は、FAX機能の初期設定情報の一例を示し、各宛先(FAX1~FAX5)に対応するFAX電話番号が含まれている。
【0061】
図11は、スキャン機能の初期設定情報の一例を示し、ScanToEmailで使用される送信メールサーバと受信メールサーバの情報が含まれている。
【0062】
図18は、スキャン機能のデフォルト設定情報の一例を示し、スキャン機能で使用される読み取りサイズ、ファイル形式、濃度、原稿の向き、種類及びシャープネス等の情報が含まれている。
【0063】
S509で初期設定したい機能が選択されるとS510に進み、セットアップツールを実行するCPU207は、S509で選択された設定値がインポート済みかどうか判定する。ここでインポート済みでないと判定した場合はS511に進み、インポート済みの場合はS514に進む。S511でCPU207は、S509でユーザにより選択された機能の初期設定画面を表示する。
【0064】
ここでは例えば
図8の初期設定画面801でFAXボタン802が選択されていた場合は、不図示のFAX設定画面が表示される、またスキャンボタン803が選択されていた場合は
図9のスキャン設定メール設定画面901が操作パネル201に表示される。また初期設定画面801でクラウドボタン804が選択された場合は、不図示のクラウド設定画面が表示される。またその他ボタン805が選択された場合、MFP101のその他の機能に関する設定画面が表示される。
【0065】
図9は、
図5のS511で情報処理端末200の操作パネル201に表示されるスキャン設定メール設定画面901の一例を示す図である。尚、
図9では、インポートされていないメール機能に関する設定項目902の設定画面例を示している。
【0066】
このスキャン設定画面901では、メール送信用のサーバ(SMTPサーバ)のホスト名を入力するための入力欄903、そのサーバ上での認証に使用されるIDの入力欄904、パスワードの入力欄905が表示される。更に、受信メールサーバ(POPサーバ)のホスト名を入力するための入力欄906、そのサーバ上での認証に使用されるIDの入力欄907、パスワードの入力欄908が表示される。このようにスキャン設定メール設定画面901では、MFP101の読取部118が原稿をスキャンして生成した画像データを通信部126が送信する機能(メール送信、FTP送信、SMB送信)やスキャン機能の設定を行うことができる。そして登録ボタン909が選択されると、このスキャン設定メール設定画面901で入力された設定値は、情報処理端末200からMFP101にHTTP通信を介して送信されてS512に進む。キャンセルボタン910が選択されると、この画面での設定を破棄してS508に進む。
【0067】
S512でWebブラウザを実行するCPU207は、ユーザに対して初期設定のトップ画面への遷移か、初期設置終了かの選択肢を提示する。ここで初期設置終了が選択された場合はS513に進み、そうでない場合はS508に戻る。この画面遷移は、情報処理端末200のWebブラウザがMFP101のWebサーバと通信を行うことによって実行される。S513でWebブラウザを実行するCPU207は、MFP101に対して初期設置終了の指示を送る。
【0068】
S510で、選択された機能がインポート済であればS514に進みセットアップツールを実行するCPU207は、Webブラウザに表示する設定画面を表示するにあたって入力が必要な項目があるか否か判定する。S514でインポートする対象機能の全項目が設定済みの場合はS515をスキップしてS516に進む。一方、S514で、入力が必要な項目があるときはS515に進み、その対象機能の項目を設定する画面を表示する。
【0069】
図16は、インポートによる設定値の設定が行われていない画面であるスキャン設定デフォルト設定画面1601の一例を示す図である。
【0070】
図16では、スキャン設定のデフォルト設定1602として、1603~1608で示す設定値の入力欄が表示されている。この画面でユーザは、各設定値を入力して登録ボタン1609を選択することで、スキャン設定のデフォルト設定1602である各設定値を設定することができる。
【0071】
図17は、インポートの結果、スキャン設定のデフォルト値の設定値の全てが設定された画面であるデフォルト設定確認画面1701の一例を示す図である。
【0072】
図17では、スキャン設定のデフォルト設定1702として、1703~1608で示すようにそれぞれの設定値が表示されている。
【0073】
スキャン設定のデフォルト設定確認画面1701では、設定すべき内容がすべて設定されているためS515の表示処理がスキップされてS516に進む。
図17のデフォルト設定確認画面1701で登録ボタン1709が選択されると、これら設定値がスキャン設定のデフォルト値の設定値として登録される。
【0074】
図12は、実施形態1に係る情報処理端末200の操作パネル201に表示されるスキャン設定のメール設定画面1201の一例を示す図である。
【0075】
図12の例では、インポートの結果、送信メールサーバの設定1203、ID1204、受信メールサーバの設定1206及びID1207が設定済である。そしてパスワードの入力欄1205,1208が未設定である。このように入力欄1205,1208のように未入力項目がある場合は、S514からS515に進む。S515でCPU207が対象機能の設定画面を表示する。このように
図12は、設定内容のインポートによって既に設定済みの内容を含む設定画面の例を示す。これら設定1203,ID1204,設定1206,ID1207のそれぞれは設定値としてインポート済みであるため設定値が表示される。これらは誤って変更されないように設定画面1201では変更が禁止される。そしてインポート処理によって設定されていない入力欄1205,1208だけが空白表示となり、それらの欄への入力が可能な状態となる。そして必要な事項が入力されて登録ボタン1209が選択されるとS516に進む。S516でセットアップツールを実行するCPU207は、次の設定画面があるか否か判定し、次ページがあると判定した場合はS518に進む。S518でセットアップツールを実行するCPU207は、その設定画面で設定された内容をMFP101にHTTP通信を介して送信して次ページへの遷移処理を行ってS514に進む。一方、次ページが無いと判定した場合はS517に進む。S517でセットアップツールを実行するCPU207は、設定値の内容確認を行う。ここで表示される画面は、例えば前述の
図17のスキャン設定のデフォルト設定確認画面1701、或いは
図13のスキャン設定のメール設定の内容確認画面1301である。
【0076】
図13は、実施形態1に係る情報処理端末200の操作パネル201に表示されるスキャン設定のメール設定の内容確認画面1301の一例を示す図である。
図13において、前述の
図12と共通する部分は同じ参照番号を付して、それらの説明を省略する。
【0077】
パスワード1205及び1208は、表示内容をアスタリスク(*)で表示しているが、設定したユーザが内容を確認するために実際の設定内容を表示しても良い。登録ボタン1209又はキャンセルボタン1210の押下によってS512に進む。尚、キャンセルボタン1210が選択されたときは、その設定画面で入力された内容を破棄してS512に進む。
【0078】
以上説明したように
図5のフローチャートで示す処理によれば、MFP301からインポートした各種設定値をMFP101に設定することができる。そして初期設定のメニュー画面で、設定値がインポート済の設定したい機能が選択されると、その機能の全ての設定値がインポート済で、更なる入力の必要が無ければ、その機能の設定値を入力する画面を表示しないようにできる。一方、その機能の未設定の項目があれば、その項目の設定値を入力する画面を表示する。その際、未設定の項目の入力欄は空欄で表示することで、入力が必要な設定値の欄を容易に判別できる。
【0079】
図6は、実施形態1に係るMFP101で実行される初期設定処理の一例を説明するフローチャートである。このフローチャートで示す処理は、MFP101のCPU111がROM112に記憶されたプログラムをRAM113に展開して実行することで実現される。
【0080】
まずS601でCPU111は、ストレージ114に格納された、初期設定処理が完了済みか否かを示す情報を確認する。ここで初期設定処理が完了していない場合はS602に進み、初期設定処理が完了していればS614に進んでこの処理を終了する。
【0081】
S602でCPU111は、ユーザ接続方法を選択させる選択画面を操作部116に表示してS603に進みCPU111は、その画面を介して接続方法が選択されたか否か判定する。ここで接続方法が選択されたと判定するとS604に進み、そうでない場合はS603に戻り接続方法の選択を待つ。これら
図4のS402に相当している。
【0082】
S604でCPU111は、ネットワーク設定待ちモードに移行する。これら
図4のS403に相当している。そしてS605に進みCPU111は、ネットワーク設定の受け付けてネットワーク設定がされたかどうかを判定する。ここでネットワーク設定がなされたと判定するとS606に進み、そうでない場合はS605に戻ってネットワーク設定の受け付けを待つ。尚、S605では、情報処理端末200からネットワーク設定画面710で設定された設定値を受信する。そしてネットワーク設定を受け付けた場合はS606に進み、そうでない場合はS605で待つ。
【0083】
S606でCPU111は、ネットワーク設定の完了通知を待ち、ネットワーク設定の完了通知を受けるとS607に進み、そうでない場合はS606で待つ。S607でCPU111は、設置完了待ちモードに移行する。そしてS608でCPU111は、ネットワーク接続を確認するのを待ち、ネットワーク接続が確認されるとS609に進み、URLの取得要求を受け付けるのを待つ。これは
図4のS412でURL取得要求を受信することに相当する。S609でURLの取得要求を受信するとS610に進み、そうでない場合はS609に戻る。S610でCPU111は、URL取得要求に基づいてWebページの生成と、生成したWebページのURLを生成して要求元に送信してS611に進む。これは
図4のS414に該当している。尚、Webページは事前に生成されていても良い。
【0084】
またS608でCPU111は、ネットワーク接続が確認できないときはS615に進みCPU111は、S607で設置完了待ちモードに移行してから所定の時間が経過したか否かを判定する。ここで所定の時間が経過したと判定した場合はS614に進み、そうでない場合はS608に戻る。
【0085】
S611でCPU111は、通信部126を介してWebページの取得要求を受信したか否かを判定する。つまりS610で生成したURLに対してHTTP通信でアクセスがあったか否かを判定する。S611で取得要求を受信した場合はS612に進み、そうでない場合はS616に進む。S616でCPU111は、S607で設置完了待ちモードに移行してから所定の時間が経過したか否かを判定する。ここで所定の時間が経過したと判定した場合はS614に進み、そうでない場合はS611に戻る。
【0086】
S612でCPU111は、通信部126を介してWebページ取得要求を送信してきた情報処理端末200にHTTPのPOSTメソッドでWebページ(HTMLファイル等)を送信する。そしてS613に進みCPU111は、初期設置の完了指示を受け付けたか否かを判定する。完了指示を受け付けたと判定した場合はS614に進み、そうでない場合はS617に進む。S617でCPU111は、S607で設置完了待ちモードに移行してから所定の時間が経過したか否かを判定する。ここで所定の時間が経過したと判定した場合はS614に進み、そうでない場合はS613に戻る。S614でCPU111は、初期設置が完了したことを示す情報をストレージ114に記憶して、この処理を終了する。尚、S615,S616,S617の所定の時間は、同じ時間であっても良いし、互いに異なる時間であっても良い。
【0087】
この処理により、MFP301と同じ設定内容が設定されるMFP101の初期設置が完了する。
【0088】
図15は、実施形態1に係るMFP101の設定内容のインポート元となるMFP301の処理を説明するフローチャートである。この処理はMFP301がMFP101と同様に起動された後に実行される。このフローチャートで示す処理は、MFP301のCPU111がROM112に記憶されたプログラムをRAM113に展開して実行することで実現される。
【0089】
まずS1501でMFP301のCPU111は、情報処理端末200からエクスポート要求を受け取るのを待ち、設定値のエクスポート要求を受け取るとS1502に進む。S1502でCPU111は、設定値のエクスポートを行うためのエクスポートデータの作成を行う。そしてS1503に進みCPU111は、情報処理端末200に対して設定データを送信して、この設定データのエクスポート処理を終了する。これは
図4のS419の処理に相当している。
【0090】
このエクスポート処理で転送されるデータの内容は、例えば
図10のFAX電話番号の一例1001や、
図18のデフォルトスキャン設定1801、
図11のScanToEmailで使用されるメールサーバ設定値の一例1101を含む。尚、
図11のメールサーバ設定値の一例1101のパスワード1112及び1115は、その内容が格納されていない。ここでは、パスワードは設定データとしてエクスポートされないものとしている。従って、エクスポートすることが無いことを根拠として、パスワード1112及び1115の領域を持たない転送データ形式でもよい。
【0091】
以上説明したように本実施形態によれば、初期設定画面で設定値を設定したい機能を選択することで、その選択された機能に対応する設定画面が表示されるため、設定項目の入力を速やかに行うことが可能となる。また、その選択された機能でインポート済の設定値があれば、その設定済の項目への入力が不要、或いは変更不可として表示することで、入力が必要な項目のみ注力させることができる。これにより、誤操作による設定値の変更により動作不全となるリスクを避けることが可能となる。
【0092】
[実施形態1の変形例]
また、設定済み項目の内容変更は、MFP101の操作部116からの操作で行うことができるようにしても良い。
【0093】
図19は、実施形態1の変形例に係るMFP101の操作部116に表示される初期設定画面1901の一例を示す図である。尚、
図19において、ボタン1902~1906,1907は、
図8のボタン802~806,807と同じであるため、その説明を省略する。
【0094】
図19に示すように、初期設定画面1901に設定値修正ボタン(オブジェクト)1908を追加することで、設定済み項目の内容を容易に変更することも可能である。即ち、オペレータは設定値修正ボタン1908を選択した後、設定値を変更したい機能ボタン1902~1905のいずれかを選択する。ここで例えばスキャンボタン1903が選択されると、例えば
図17に示すような、設定済のデフォルト設定値が編集可能に表示される。そしてオペレータは、その画面で必要な項目を変更した後、登録ボタン1709を選択することで、スキャン機能のデフォルトの設定値を変更することができる。
【0095】
尚、上記実施形態では、インポート済でない、入力が必要な入力欄を空白で表示したが本発明はこれに限らず、例えば、ある機能の設定項目が全て設定不要な項目であれば、その設定画面の表示をスキップするようにしても良い。また、インポート済で、設定不要な項目は編集不可として表示しても良い。また最終的な設定内容を、入力した最終の設定画面で確認できるように表示しても良い。また、設定済みの項目の再設定を選択すると、通常の設定表示に移行するようにしても良い。
【0096】
<その他の実施形態>
本発明のMFP101及びMFP301は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0097】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0098】
本明細書及び図面は、以下のプログラムと情報処理装置及びシステムを開示する。
【0099】
[項目1]
情報処理装置と通信可能な画像処理装置のセットアップを行うためのプログラムであって、
第1画像処理装置との間のネットワーク設定を実行してネットワーク接続を行う接続工程と、
前記接続工程でネットワーク接続した前記第1画像処理装置における所定の設定を行うことができる設定画面を表示するための接続先情報を前記第1画像処理装置から受信する受信工程と、
第2画像処理装置に設定されている設定値のインポート要求に基づいて、前記第2画像処理装置で設定されている設定値を取得する取得工程と、
前記接続先情報が示す接続先にアクセスして前記第1画像処理装置の設定画面を表示する際、前記取得工程で取得した設定値に対応する設定項目への入力を不要にした設定画面を表示する表示工程と、を前記情報処理装置に実行させ、
前記設定画面を介して設定された設定値を前記第1画像処理装置に設定することで前記第1画像処理装置をセットアップすることを特徴とするプログラム。
【0100】
[項目2]
前記表示工程では、前記情報処理装置にインストールされているWebブラウザに前記接続先情報が示す接続先にアクセスさせ、
前記Webブラウザは前記接続先から取得したデータに基づいて前記設定画面を表示することを特徴とする項目1に記載のプログラム。
【0101】
[項目3]
前記所定の設定は、前記第1画像処理装置の所定の機能に関する設定であることを特徴とする項目1又は2に記載のプログラム。
【0102】
[項目4]
前記接続先情報は、前記第1画像処理装置によって生成されたURL(Uniform Resource Locator)であり、前記設定画面に対応するURLであることを特徴とする項目2に記載のプログラム。
【0103】
[項目5]
前記設定値は、ネットワークの設定値とソフトウェアのインストールに関する設定値を含むことを特徴とする項目1乃至4のいずれか一項に記載のプログラム。
【0104】
[項目6]
前記接続工程では、ネットワーク設定として前記第1画像処理装置のIPアドレスの設定を受け付け、前記URLは、設定された前記IPアドレスを含むことを特徴とする項目4に記載のプログラム。
【0105】
[項目7]
前記表示工程では、前記取得工程で取得した設定値に対応していない設定項目の設定値の入力欄を空白にして表示することを特徴とする項目1乃至6のいずれか一項に記載のプログラム。
【0106】
[項目8]
前記表示工程では、前記所定の設定の設定項目が全て、前記取得工程で取得した設定値に対応する設定項目を含む場合、当該所定の設定の設定画面を表示しないことを特徴とする項目1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム。
【0107】
[項目9]
前記インポート要求は、前記設定画面に含まれるインポートボタンが選択されることによりなされることを特徴とする項目1乃至8のいずれか一項に記載のプログラム。
【0108】
[項目10]
情報処理装置と通信可能な第1画像処理装置と第2画像処理装置とを有するシステムで、前記第1画像処理装置のセットアップを行うことができる情報処理装置であって、
前記第1画像処理装置との間のネットワーク設定を実行してネットワーク接続を行う接続手段と、
前記接続手段でネットワーク接続した前記第1画像処理装置における所定の設定を行うことができる設定画面を表示するための接続先情報を前記第1画像処理装置から受信する受信手段と、
前記第2画像処理装置に設定されている設定値のインポート要求に基づいて、前記第2画像処理装置で設定されている設定値を取得する取得手段と、
前記接続先情報が示す接続先にアクセスして前記第1画像処理装置の設定画面を表示する際、前記取得手段が取得した設定値に対応する設定項目への入力を不要にした設定画面を表示する表示手段と、を有し、
前記設定画面を介して設定された設定値を前記第1画像処理装置に設定することで前記第1画像処理装置をセットアップすることを特徴とする情報処理装置。
【0109】
[項目11]
前記表示手段は、前記情報処理装置にインストールされているWebブラウザに前記接続先情報が示す接続先にアクセスさせ、
前記Webブラウザは前記接続先から取得したデータに基づいて前記設定画面を表示することを特徴とする項目10に記載の情報処理装置。
【0110】
[項目12]
前記所定の設定は、前記第1画像処理装置の所定の機能に関する設定であることを特徴とする項目10又は11に記載の情報処理装置。
【0111】
[項目13]
前記接続先情報は、前記第1画像処理装置によって生成されたURLであり、前記設定画面に対応するURLであることを特徴とする項目11に記載の情報処理装置。
【0112】
[項目14]
前記設定値は、ネットワークの設定値とソフトウェアのインストールに関する設定値を含むことを特徴とする項目10乃至14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0113】
[項目15]
前記接続手段は、ネットワーク設定として前記第1画像処理装置のIPアドレスの設定を受け付け、前記URLは、設定された前記IPアドレスを含むことを特徴とする項目13に記載の情報処理装置。
【0114】
[項目16]
前記表示手段は、前記取得手段が取得した設定値に対応していない設定項目の設定値の入力欄を空白にして表示することを特徴とする項目10乃至15のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0115】
[項目17]
前記表示手段は、前記所定の設定の設定項目が全て、前記取得手段が取得した設定値に対応する設定項目を含む場合、当該所定の設定の設定画面を表示しないことを特徴とする項目10乃至16のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0116】
[項目18]
前記インポート要求は、前記設定画面に含まれるインポートボタンが選択されることによりなされることを特徴とする項目10乃至17のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0117】
[項目19]
請求項10乃至18のいずれか一項に記載の情報処理装置と、当該情報処理装置と通信可能な第1画像処理装置と第2画像処理装置とを有するシステム。
【0118】
[項目20]
前記第1画像処理装置は、前記情報処理装置から設定された設定された設定内容を含む設定画面を表示する表示部を有し、
前記設定画面は、前記設定内容の編集を指示するためのオブジェクトを有することを特徴とする項目19に記載のシステム。
【0119】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【符号の説明】
【0120】
101,301…MFP、200…情報処理端末、111…CPU(MFP)、201…操作パネル、207…CPU(情報処理装置)