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  • 特開-情報処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174746
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20241210BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241210BHJP
【FI】
G16H50/30
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092744
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【識別番号】100220674
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】中三川 京弥
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザの身体活動に関する情報の取得確度を向上する。
【解決手段】情報処理装置は、通信部と、ユーザが用いる端末装置から当該ユーザの身体活動の計測結果を前記通信部により取得する制御部とを有し、 前記制御部は、前記計測結果を取得しない場合には、前記ユーザが訪問した複数の地点の位置及び種別と各地点への前記ユーザの訪問時刻とに関する訪問情報に基づいて前記ユーザが一の地点から他の地点へ移動したときの前記計測結果を推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
ユーザが用いる端末装置から当該ユーザの身体活動の計測結果を前記通信部により取得する制御部とを有し、
前記制御部は、前記計測結果を取得しない場合には、前記ユーザが訪問した複数の地点の位置及び種別と各地点への前記ユーザの訪問時刻とに関する訪問情報に基づいて前記ユーザが一の地点から他の地点へ移動したときの前記計測結果を推定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記身体活動が歩行であり、
前記計測結果が歩数であり、
前記制御部は、前記一の地点から前記他の地点への距離と、前記種別に対応する歩数とに基づいて前記計測結果を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記距離を前記ユーザの歩幅で除して当該距離に対応する前記歩数を導出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は前記ユーザの属性に応じて前記ユーザの前記歩幅を調整する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、取得または推定した前記計測結果の履歴に基づくライフログを記録する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歩数計機能を有する端末装置を用いてユーザの歩数を検出する技術が知られている。例えば特許文献1には、ユーザが装着する端末装置が検出した加速度に基づいて歩幅及び歩数を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-059315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの身体活動に関する情報の取得確度には向上の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑み、以下では、ユーザの身体活動に関する情報の取得確度を向上させることが可能な情報処理装置等が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、通信部と、ユーザが用いる端末装置から当該ユーザの身体活動の計測結果を前記通信部により取得する制御部とを有し、前記制御部は、前記計測結果を取得しない場合には、前記ユーザが訪問した複数の地点の位置及び種別と各地点への前記ユーザの訪問時刻とに関する訪問情報に基づいて前記ユーザが一の地点から他の地点へ移動したときの前記計測結果を推定する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の情報処理装置等によれば、ユーザの身体活動に関する情報の取得確度の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図3】計測結果の推定に用いる情報を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例について説明する図である。情報処理システム1は、情報処理装置10と、端末装置20と、サーバ装置40と、サーバ装置50と、サーバ装置60とを備える。情報処理装置10と端末装置20と、サーバ装置40と、サーバ装置50と、サーバ装置60とは、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク30と通信可能に接続される。
【0010】
情報処理装置10は、データセンタなどの施設に設置されるサーバコンピュータである。情報処理装置10は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0011】
端末装置20は、ユーザによって保持される、例えば、携帯電話機、スマートフォン、若しくはタブレットなどのモバイル機器である。端末装置20はウェアラブル端末を含む。端末装置20は、例えば歩数計機能等、ユーザの身体活動の計測結果を記録する機能を有する。端末装置20は、ネットワーク30を利用して端末装置20の位置を示す位置情報を取得する機能を有する。
【0012】
ネットワーク30は、インターネット、少なくとも1つのWAN(Wide Area Network)、少なくとも1つのMAN(metropolitan area network)、又はこれらの組合せを含む。ネットワーク30は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN(local area network)、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。ネットワーク30は、公衆ネットワーク及び専用ネットワークを含む。
【0013】
サーバ装置40、サーバ装置50及びサーバ装置60は、データセンタなどの施設に設置されるサーバコンピュータである。サーバ装置40、サーバ装置50及びサーバ装置60は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0014】
情報処理システム1は、ユーザのライフログ取得を支援する。ライフログは、ユーザの身体活動の計測結果の履歴である。身体活動は、具体的には歩行であって、計測結果は、歩数である。ライフログは歩数に基づく歩行距離、消費カロリー等を含む。ライフログは、非活動時の計測結果としての睡眠時間、食事時間等を含んでもよい。身体活動はユーザの端末装置20により計測される。本実施形態では、ユーザが端末装置20を持ち歩くことを忘れていたこと等により、身体活動の計測結果が取得されない場合でも、情報処理システム1が計測結果を推定するので、ライフログが補完される。
【0015】
情報処理装置10は、通信部13と、ユーザが用いる端末装置20からユーザの身体活動の計測結果を通信部13により取得する制御部11とを有する。制御部11は、計測結果を取得しない場合には、ユーザが訪問した複数の地点の位置及び種別と各地点へのユーザの訪問時刻とに関する訪問情報に基づいて、ユーザが一の地点から他の地点へ移動したときの計測結果を推定する。歩数は移動距離に比例し、また各地点の種別に応じて大きく変動しない蓋然性が高い。よって、情報処理装置10によれば、ユーザが端末装置20を持ち歩くことを忘れていたこと等により、歩数が取得できていない場合でも、地点間の距離と各地点の種別に予め対応付けられた計測値とを用いて歩数を推定することができる。よって、ユーザの身体活動に関する情報の取得確度の向上が可能となる。
【0016】
<情報処理装置10の構成例>
情報処理装置10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を備える。
【0017】
制御部11には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサはCPU(central processing unit)若しくはGPU(graphics processing unit)等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は例えば、FPGA(field-programmable gate array)又はASIC(application specific integrated circuit)である。制御部11は情報処理装置10の各部を制御しながら、情報処理装置10の動作に関わる処理を実行する。
【0018】
記憶部12には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは例えばRAM(random access memory)又はROM(read only memory)である。RAMは例えばSRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。ROMは例えばEEPROM(electrically erasable programmable read only memory)である。記憶部12は例えば主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部12には情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報、制御・処理プログラム等と、情報処理装置10の動作によって得られた情報とが記憶される。
【0019】
通信部13は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースを含む。通信インタフェースは、LTE(Long Term Evolution)、4G(4thGeneration)、若しくは5G(5thGeneration)などの移動通信規格に対応したインタフェースを含んでもよい。通信部13は、情報処理装置10の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置10の動作によって得られるデータを送信する。
【0020】
<端末装置20の構成例>
【0021】
端末装置20は、制御部21、記憶部22、通信部23、入出力部24、及びセンサ部25を備える。
【0022】
制御部21には、CPU、MPU(Micro Processing Unit)等、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は例えば、FPGA又はASICである。制御部11は情報処理装置10の各部を制御しながら、情報処理装置10の動作に関わる処理を実行する。
【0023】
記憶部22には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは例えばRAM又はROMである。RAMは例えばSRAM又はDRAMである。ROMは例えばEEPROMである。記憶部32は例えば主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には端末装置20の動作に用いられる任意の情報、制御・処理プログラム等と、端末装置20の動作によって得られた情報とが記憶される。
【0024】
通信部23は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェース、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th generation)、若しくは5G(5th generation)などの移動通信規格に対応したインタフェースを含む。通信部23は、端末装置20の動作に用いられるデータを受信し、また端末装置20の動作によって得られるデータを送信する。
【0025】
入出力部24には、少なくとも1つの入出力用インタフェースが含まれる。入出力用インタフェースは、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーンを含む。入出力部24は、端末装置20の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、端末装置20の動作によって得られる情報を出力する。入出力部24は、端末装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。入出力部24は、一体化されずに、別個の入力部と出力部とにより構成されてもよい。この場合、入力部には、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、又はマイク等の少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。出力部には、ディスプレイ又はスピーカ等の少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。
【0026】
センサ部25は、端末装置20の状態を検知するセンサ類を含む。センサ類は、加速度センサ、ジャイロスコープ等である。センサ部25は検知したデータを制御部21に送る。センサ部25は、一以上のGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を含む。GNSSには、例えば、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、BeiDou、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。センサ部25が測位結果を制御部21に送って、制御部21にて端末装置20の位置情報が求められる。
【0027】
制御部21は、例えばセンサ部25により検知されたデータを任意のアルゴリズムにより処理し、ユーザの歩行動作を識別して、歩数と、歩数を計測した時刻とを記憶部22に格納する。
【0028】
<プログラムの構成例>
情報処理装置10又は端末装置20の機能は、本実施形態に係るプログラムを制御部11又は制御部21又に相当するプロセッサで実行することにより実現される。プログラムはコンピュータを情報処理装置10又は端末装置20として機能させるためのプログラムである。プログラムは、ROM等の非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に格納しておくことができる。コンピュータ読取り可能な媒体は、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体を含んでもよい。プログラムは、可搬型媒体により流通させてもよいし、サーバ等からネットワーク経由で流通させてもよい。あるいは、プログラムはサーバ等に格納され、情報処理装置10からの実行指示及び結果取得によって機能が実現される、いわゆるASP(application service provider)型のサービスによって実行されてもよい。
【0029】
<情報処理装置10の動作例>
図2は、情報処理装置10の動作手順例を示すフローチャート図である。図2の手順は、情報処理装置10の制御部11が実行する情報処理に係る手順であって、例えば数秒~数十秒周期で実行される。
【0030】
ステップS1において、制御部11は、ユーザ毎の訪問情報を取得する。訪問情報は、各ユーザが訪問した複数の地点の位置及び種別と、各地点への訪問時刻とに関する情報である。制御部11は、任意の方法により各ユーザが訪問した複数の地点の位置と訪問時刻とを取得し、地点の位置に対応する地点の種別を、地図情報を用いて決定する。例えば制御部11は、任意の施設の入場記録を管理するサーバ装置40から、各施設の位置と各ユーザの入場時刻、すなわち訪問時刻の情報を取得する。各施設においては、例えば入場ゲートが入場するユーザのIDカード等を読み取ったり、生体認証をしたりしてユーザの訪問を検出する。また、例えば制御部11は、任意の地点に設置されたカメラから、カメラの位置の情報と撮像画像及び撮像時刻の情報とを取得し、撮像画像からユーザの訪問を認識して、訪問時刻を決定してもよい。さらに、例えば制御部11は、各ユーザのクレジットカード等の決済履歴を管理するサーバ装置50から、決済が行われた地点の位置及び決済時刻の情報を取得し、決済時刻を訪問時刻として用いてもよい。訪問情報は、各地点での滞在時間をさらに含んでもよい。この場合、入退場履歴情報が示すユーザの入場時刻と退場時刻との差分が滞在時間として含まれる。例えば制御部11は、地図情報を提供する事業者のサーバ装置60から地図情報を取得する。地点の種別は、小売店、運動施設、公共施設等である。小売店は、スーパー、百貨店、コンビニエンスストア、ショッピングモール等を含む。運動施設は、ジム、プール等を含む。公共施設は、駅、学校、図書館等を含む。地点の種別はユーザによって予め設定され、記憶部12に格納されていてもよい。
【0031】
ステップS2において、制御部11は、各ユーザが一の地点から他の地点に移動する間の身体活動、つまり歩行を、ユーザが保持する端末装置20が計測していたかを判断する。制御部11は、一の訪問時刻と他の訪問時刻との間における計測結果を取得した場合には、端末装置20が歩行を計測していたと判断する。取得できなかった場合には、制御部11は、端末装置20が歩行を計測していなかったと判断する。歩行が計測されていたと判断した場合、制御部11の処理の動作は、ステップS3に進む。歩行が計測されていなかったと判断した場合、制御部11の処理の動作は、ステップS5へ進む。
【0032】
ステップS3において、制御部11は、端末装置20による計測結果、つまり歩数をライフログとして記憶部12に格納する。ステップS2とステップS3に示すように、端末装置20が歩行を計測していた場合には、制御部11は、端末装置20が計測した歩数をライフログとして優先して採用する。
【0033】
ステップS4において、制御部11は、訪問情報が示す訪問時刻のうち、端末装置20が計測していたか判断していない訪問時刻があるか判断する。本実施形態では、端末装置20によりライフログの計測が行われる場合には、計測は訪問時刻と訪問時刻との間において継続して行われるものとする。端末装置20が計測していたか判断していない訪問時刻がある場合、制御部11の処理の動作はステップS2戻る。端末装置が計測していたか判断していない訪問時刻が無い場合、制御部11の処理の動作はステップ5に進む。
【0034】
ステップS5において、制御部11は、ユーザが一の地点から他の地点までを徒歩で移動したかどうかを判断する。制御部11は、訪問地の間の距離を訪問時刻の差分で除した値、すなわちユーザの移動の速さが、所定値未満以であるか判断する。一の地点から他の地点までの距離は具体的には、地図上の徒歩で移動可能な経路の距離である。制御部11は、訪問情報が含む位置情報に基づいて、地図情報を提供する事業者のサーバ装置60から取得した地図情報に基づき、該経路の距離を取得してもよい。経路が複数ある場合は、制御部11は、複数の経路の平均距離を算出して取得してもよい。制御部11は、ユーザの移動の速さが所定値未満である場合にユーザが地点間を徒歩で移動したと判断し、所定値以上である場合には、何等かの移動手段が用いられた蓋然性が大きいので、ユーザが地点間を徒歩で移動していないと判断する。制御部11は、訪問情報が複数の地点を含む場合、全ての地点間についてユーザが徒歩で移動したかどうかを判断する。所定値は予め任意に設定されて記憶部12に格納される。あるいは、制御部11は、支払い履歴情報が含む、交通機関の利用履歴に基づいてユーザが徒歩で移動したかを判断してもよい。この場合、交通機関へユーザが乗車又は降車した駅、バス停等が、支払い履歴情報が示す地点として含まれる。制御部11は、支払い履歴情報が示すユーザが乗車した駅、バス停等の地点から、ユーザが降車した駅、バス停等の地点まではユーザが地点間を徒歩で移動していないと判断する。徒歩で移動したと判断した場合、制御部11の処理の動作はステップS6に進む。徒歩で移動していないと判断した場合、制御部11の処理の動作はステップS10に進む。
【0035】
ユーザが地点間を徒歩で移動したと判断した場合、ステップS6において、制御部11は、ユーザの歩幅を取得する。歩幅は予め設定されて記憶部12に格納されている。本例では歩幅として70cmの値を取得する。
【0036】
ステップS7において、制御部11は、属性情報をさらに取得し、該属性情報に基づいてユーザの歩幅を調整する。属性情報は、性別、年齢、身長、体重等のユーザの属性を示す情報である。制御部11は、属性を変数として歩幅を算出する任意の関数を用いてユーザの歩幅を算出する。該関数は予め記憶部12に格納されている。本例では、制御部11は、算出した歩幅「60cm」で、ステップS5で取得した歩幅「70cm」を変更して調整する。
【0037】
ステップS8において、制御部11は一の地点から他の地点までの距離をユーザの歩幅で除して歩数を算出することで、一の地点から他の地点へ移動したときの計測結果を推定する。制御部11は、訪問情報が含む位置情報に基づいて、地図情報を提供する事業者のサーバ装置60から取得した地図情報に基づき、一の地点から他の地点までの経路の距離を取得し、該距離を歩幅で除算して歩数を導出する。
【0038】
ステップS7及びステップS8に示すように、制御部11は、ユーザの実際の歩幅により近似する歩幅で地点から地点までの距離を除することで、より精度よく地点間のユーザの歩数を推定することができる。
【0039】
制御部11は、ユーザが徒歩で移動したと判断した全ての地点間のユーザの歩数を算出して取得する。図3には、本例において制御部11が取得した訪問情報T1が示される。制御部11は、ユーザが徒歩で移動したと判断した、AマーケットからB駅へ移動したときの歩数、及びC駅からDクラブへ移動したときの歩数を算出し、計測結果を推定する。本例では制御部11は、AマーケットからB駅までの距離1200mを、ユーザの歩幅60cmで除して算出した歩数「2000歩」と、C駅からからDフィットネスクラブまでの距離1500mを歩幅60cmで除して算出した歩数「2500歩」とを算出する。制御部11は、算出した歩数を記憶部12に格納する。
【0040】
ステップS9において、制御部11は、ユーザが訪問した地点における代表的な計測結果を取得する。制御部11は、地点の種別に対応付けて代表的な計測結果が記録された情報を取得する。制御部11は、かかる情報を記憶部12またはユーザの端末装置20から取得する。代表的な計測結果は、任意の種別が含む各地点におけるユーザの過去の歩数の平均値、最新の歩数等である。また、制御部11は、施設に設置されたカメラによる撮像画像から予め取得したユーザの画像を認識することで、ユーザの移動中の歩数を推測し、代表的な計測結果としてもよい。さらに、代表的な計測結果は、地点の種別の代わりに、地点自体に対応付けてもよい。図3には、地点の種別に対応付けられた代表的な計測結果、つまり歩数が記録された情報T2が示される。制御部11は、情報T2に基づき、訪問情報T1が示す地点の種別スーパー、駅、及びジムのそれぞれに対応する歩数「1000歩」「500歩」「2000歩」のライフログを取得する。
【0041】
訪問情報が各地点での滞在時間を含む場合、制御部11はさらに、地点の種別に対応付けてユーザの単位時間当たりの計測結果が記録された情報を読出し、その計測結果に滞在時間に応じた係数を乗じて、代表的な計測結果を導出してもよい。例えば、該情報に種別「図書館」に対応付けてユーザの単位時間当たりのライフログ「500歩」が記録されていて、訪問情報が、種別「図書館」の地点におけるユーザの滞在時間が2時間であることを示す場合、制御部11は、500歩に2時間に対応する係数2.0を乗じて歩数「1000歩」を算出する。
【0042】
ステップS10において、制御部11は、ステップS2で端末装置20が計測していたと判断した計測結果と、ステップS8で推定した計測結果と、ステップS9で取得した計測結果とを合計した値を記憶部12に格納する。
【0043】
本例では制御部11は、ステップS8で推定した2000歩及び2500歩と、ステップS9で取得した1000歩、500歩、及び2000歩とを合計し、総歩数「8000歩」を記憶部12に格納する。制御部11は、総歩数をユーザの端末装置20に送信してもよい。その後、制御部11の動作は終了する。
【0044】
制御部11は、ステップS10で取得した総歩数を用いてユーザが消費したカロリーをさらに算出し、ライフログとして記憶部12に格納してもよい。制御部11は、歩数とユーザの体重、身長等を変数とする、記憶部12に予め格納された任意の関数を算出に用いてもよい。制御部11は、ステップS7で取得したユーザの属性情報に基づいてカロリーを算出してもよい。制御部11は、ステップS10で取得した総歩数にユーザの歩幅を乗じてユーザの総移動距離を算出し、ライフログとして記憶部12に格納してもよい。
【0045】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 端末装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入出力部
25 センサ部
30 ネットワーク
40,50,60 サーバ装置
図1
図2
図3