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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174748
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q20/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092748
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】大瀧 翔
(72)【発明者】
【氏名】三浦 恵実
(72)【発明者】
【氏名】酒井 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】小西 和人
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA22
5L055AA22
(57)【要約】
【課題】特定の決済手段の普及率の上昇を支援する。
【解決手段】情報処理装置1による情報処理方法であって、情報処理装置1は制御部と通信部と記憶部とを含み、通信部を介してネットワークと通信可能であり、制御部によって、出店対象エリアを記憶部において特定することと、出店対象エリアにおける各決済手段の普及率を示す普及率情報を記憶部から取得することと、普及率情報から、第1の決済手段の普及率が第1所定値以下であると判定すると、第1の決済手段を利用可能な事業者の車両2を出店対象エリアに配車することと、を含む、情報処理方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置による情報処理方法であって、
前記情報処理装置は制御部と通信部と記憶部とを含み、前記通信部を介してネットワークと通信可能であり、
前記制御部によって、
出店対象エリアを前記記憶部において特定することと、
前記出店対象エリアにおける各決済手段の普及率を示す普及率情報を前記記憶部から取得することと、
前記普及率情報から、第1の決済手段の普及率が第1所定値以下であると判定すると、前記第1の決済手段を利用可能な事業者の車両を前記出店対象エリアに配車することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1の決済手段の普及率が前記第1所定値よりも低い第2所定値以下であると判定すると、前記車両にて前記第1の決済手段が使用される場合の払い戻し率を前記記憶部において増加させることを含む、情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法において、
ユーザによって利用可能な決済手段を前記記憶部において検出することと、
前記利用可能な決済手段の中に、払い戻し対象である前記第1の決済手段が含まれていないと判定すると、前記車両の出力部を介して、前記払い戻し対象の前記第1の決済手段を前記ユーザに報知することを含む、情報処理方法。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理方法において、
払い戻し対象である前記第1の決済手段の使用方法又は登録方法を報知可能な車両を配車することを含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動販売店舗で使用される決済システムであって、顔パス決済を利用した利用者に対して高い割合でポイント付与を行う決済システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-203215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術では、決済手段の普及率に言及がなく改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、特定の決済手段の普及率の上昇を支援することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
情報処理装置による情報処理方法であって、
前記情報処理装置は制御部と通信部と記憶部とを含み、前記通信部を介してネットワークと通信可能であり、
前記制御部によって、
出店対象エリアを前記記憶部において特定することと、
前記出店対象エリアにおける各決済手段の普及率を示す普及率情報を前記記憶部から取得することと、
前記普及率情報から、第1の決済手段の普及率が第1所定値以下であると判定すると、前記第1の決済手段を利用可能な事業者の車両を前記出店対象エリアに配車することと、
を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、特定の決済手段の普及率の上昇を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の情報処理システムの概略図である。
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図4】普及率情報DB(database)のデータ構造を示す図である。
図5】決済手段DBのデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは、ネットワークNWを介して互いに通信可能な情報処理装置1と車両2とを含む。ネットワークNWは、例えば移動体通信網、インターネット又は固定通信網を含む。
【0010】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置1と車両2とは1つずつ図示される。しかし、情報処理装置1と車両2とのそれぞれの数はこれに限られない。例えば、情報処理装置1が実行する処理は、分散配置された複数の情報処理装置1によって実行されてよい。情報処理装置1は、複数の車両2と通信可能であってよい。複数の車両2がネットワークNWに接続されてよい。
【0011】
情報処理装置1は、事業者によるサービスの提供を支援するサーバであってよい。情報処理装置1は例えば、事業者専用の施設、又はデータセンタを含む共用の施設に設置されてよい。代替例として、情報処理装置1は車両2に搭載されてよい。情報処理装置1はセンタサーバ又は点呼システムと称されてもよい。
【0012】
車両2は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、HEV、PHEV、BEV、又はFCEVなどの任意の種類の自動車を含む。「HEV」は、hybrid electric vehicleの略語である。「PHEV」は、plug-in hybrid electric vehicleの略語である。「BEV」は、battery electric vehicleの略語である。「FCEV」は、fuel cell electric vehicleの略語である。車両2の運転は、任意のレベルで自動化されてよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両2は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。代替例として車両2は運転者によって運転されてよい。
【0013】
図2において情報処理装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0014】
情報処理装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13と表示部14とを含む。情報処理装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0015】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部11は通信部12を介して任意の情報を送受信する。
【0016】
通信部12は、ネットワークに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0017】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれるが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、情報処理装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。記憶部13は情報処理装置1の外部に設けられて、情報処理装置1からアクセスされてよい。記憶部13は普及率情報DB及び決済手段DBを含む。
【0018】
本実施形態の情報処理システムSで実行される情報処理方法が詳細に説明される。ここでは一例として、車両2は事業者によって使用される。事業は例えばレストランである。車両2は移動可能であり、出店対象エリアにて店舗として商品又は役務を提供する。
【0019】
図3のS1にて情報処理装置1の制御部11は、記憶部13を参照して、出店対象エリアを特定する。出店対象エリアは、ユーザによって指定される。
【0020】
S2にて制御部11は、出店対象エリアにおける各決済手段の普及率を示す普及率情報を記憶部13から取得する。図4に示されるように普及率情報DBには、出店対象エリアに関連付けて、各決済手段の普及率が記憶される。
【0021】
決済手段は決済業者によって提供される。事業者ごとに、契約する決済業者は違ってよい。決済手段は例えば、電子マネー、二次元コード、クレジットカード、デビットカード、又は暗号資産であってよい。事業者と車両2の所有者と決済業者とは別であってよい。事業者と車両2の所有者と決済業者とは情報処理装置1によって記憶部13において組み合わされて記憶されてよい。
【0022】
S3にて制御部11は、取得された普及率情報から、第1の決済手段の普及率が第1所定値以下であるか否かを判定する。第1の決済手段は、ユーザによって指定されてもよいし、情報処理装置1によって任意に設定されてもよい。第1所定値は任意に設定可能である
【0023】
S3にてNoのとき制御部11は、S4を実行しない。
【0024】
図5に示されるように、決済手段DBにおいては、車両2ごとに、車両2の事業者が利用可能な決済手段が関連付けて記憶される。S3にてYesのとき制御部11は、S4にて、第1の決済手段を利用可能な事業者の車両を特定し、特定された車両2を出店対象エリアに配車する。制御部11は、自動運転車両である車両2を制御して出店対象エリアまで移動させてもよいし、車両2を出店対象エリアまで移動させるようにユーザに指示してもよい。
【0025】
追加例として又は代替例として制御部11は、第1の決済手段の普及率が第1所定値よりも更に低い第2所定値以下であると判定すると、車両2にて第1の決済手段が使用される場合の払い戻し率を記憶部13において増加させてもよい。払い戻しは、第1の決済手段を用いてユーザによって支払われた資金の一部又は全部を同一のユーザに返すことを示す。払い戻しはキャッシュバックと称されてよい。
【0026】
追加例として又は代替例として制御部11は、ユーザ(ここでは顧客)によって利用可能な決済手段を検出してよい。ユーザによって利用可能な決済手段は、記憶部13において検出されてよいし、ユーザによって操作される端末によって検出されてよい。制御部11は、利用可能な決済手段の中に、払い戻し対象である第1の決済手段が含まれていないと判定すると、車両2の出力部を介して、払い戻し対象の第1の決済手段をユーザに報知してよい。車両2の出力部は例えば、スピーカ又はディスプレイであってよい。
【0027】
追加例として又は代替例として制御部11は、S4において、払い戻し対象である第1の決済手段の使用方法又は登録方法を報知可能な車両2を配車してよい。報知は、車両2の出力部を介して行われてよい。
【0028】
以上述べたように本実施形態によれば、制御部11の動作は、出店対象エリアを記憶部13において特定することと、出店対象エリアにおける各決済手段の普及率を示す普及率情報を記憶部13から取得することと、普及率情報から、第1の決済手段の普及率が第1所定値以下であると判定すると、第1の決済手段を利用可能な事業者の車両2を出店対象エリアに配車することと、を含む。この構成により情報処理装置1は、出店対象エリアにおいて、特定の決済手段の普及率の上昇を支援することができる。
【0029】
また本実施形態によれば、制御部11の動作は、第1の決済手段の普及率が第1所定値よりも低い第2所定値以下であると判定すると、車両2にて第1の決済手段が使用される場合の払い戻し率を記憶部13において増加させることを含む。この構成により情報処理装置1は、第1の決済手段を利用する動機をユーザに与えることができる。
【0030】
また本実施形態によれば、制御部11の動作は、ユーザによって利用可能な決済手段を記憶部13において検出することと、利用可能な決済手段の中に、払い戻し対象である第1の決済手段が含まれていないと判定すると、車両2の出力部を介して、払い戻し対象の第1の決済手段をユーザに報知することを含む。この構成により情報処理装置1は、第1の決済手段を利用する動機をユーザに与えることができる。
【0031】
また本実施形態によれば、制御部11の動作は、払い戻し対象である第1の決済手段の使用方法又は登録方法を報知可能な車両2を配車することを含む。この構成により情報処理装置1は、第1の決済手段の利用を支援することができる。
【0032】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0033】
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置1及び車両2の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0034】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0035】
S 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5