(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174749
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】サーバ装置及びシステムの動作方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0273 20230101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q30/0273
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092749
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】大瀧 翔
(72)【発明者】
【氏名】小西 和人
(72)【発明者】
【氏名】酒井 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】三浦 恵実
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】移動体に搭載する広告の訴求率向上を可能にする。
【解決手段】
サーバ装置は、通信部と、前記通信部により通信を行う制御部とを有し、前記制御部は、出店エリアに向かう移動店舗と出店者の端末装置とに、合流するための情報を送り、前記出店エリアでの前記移動店舗に広告を掲示する広告主の端末装置から前記広告の情報を受けて当該移動店舗へ送り、前記出店エリアでの前記出店者の知名度に応じて減額した出店料を当該出店者に課金する処理と当該知名度に応じた広告料を前記広告主に課金する処理とを行う。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
前記通信部により通信を行う制御部とを有し、
前記制御部は、出店エリアに向かう移動店舗と出店者の端末装置とに、合流するための情報を送り、前記出店エリアでの前記移動店舗に広告を掲示する広告主の端末装置から前記広告の情報を受けて当該移動店舗へ送り、前記出店エリアでの前記出店者の知名度に応じて減額した出店料を当該出店者に課金する処理と当該知名度に応じた広告料を前記広告主に課金する処理とを行う、
サーバ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、前記移動店舗の移動計画を前記出店者の第1の端末装置に送って当該第1の端末装置から前記出店の希望を受けると、前記知名度の情報を前記広告主の第2の端末装置へ送って当該第2の端末装置から前記広告掲示の希望を受ける、
サーバ装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記制御部は、前記移動店舗から前記エリアでの来客数の情報を受け、当該来客数に応じて前記広告料を増加させる、
サーバ装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記制御部は、前記移動店舗から前記エリアでの来客数の情報を受け、当該来客数に応じて前記知名度を変更する、
サーバ装置。
【請求項5】
互いに通信するサーバ装置、移動店舗、前記移動店舗に出店する出店者の第1の端末装置、及び前記移動店舗に広告を掲示する広告主の第2の端末装置とを有するシステムの動作方法であって、
前記サーバ装置が、出店エリアに向かう前記移動店舗と前記第1の端末装置とに、合流するための情報を送ることと、
前記サーバ装置が、前記第2の端末装置から前記広告の情報を受けて前記移動店舗へ送ることと、
前記サーバ装置が、前記出店エリアでの前記出店者の知名度に応じて減額した出店料を当該出店者に課金し、当該知名度に応じた広告料を前記広告主に課金することと、
を含む動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ装置及びシステムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
街路等を移動する車両を媒体手段として、広告を掲示する方法が知られている。例えば特許文献1には、車両の荷台に設置する宣伝広告部分を備えた車載用ボックスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両等の移動体に広告を掲示する場合において、広告の訴求率を向上させる余地がある。
【0005】
以下では、移動体に搭載する広告の訴求率向上を可能にするサーバ装置等が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示におけるサーバ装置は、通信部と、前記通信部により通信を行う制御部とを有し、前記制御部は、出店エリアに向かう移動店舗と出店者の端末装置とに、合流するための情報を送り、前記出店エリアでの前記移動店舗に広告を掲示する広告主の端末装置から前記広告の情報を受けて当該移動店舗へ送り、前記出店エリアでの前記出店者の知名度に応じて減額した出店料を当該出店者に課金する処理と当該知名度に応じた広告料を前記広告主に課金する処理とを行う。
【0007】
本開示におけるシステムの動作方法は、互いに通信するサーバ装置、移動店舗、前記移動店舗に出店する出店者の第1の端末装置、及び前記移動店舗に広告を掲示する広告主の第2の端末装置とを有するシステムの動作方法であって、前記サーバ装置が、出店エリアに向かう前記移動店舗と前記第1の端末装置とに、合流するための情報を送ることと、前記サーバ装置が、前記第2の端末装置から前記広告の情報を受けて前記移動店舗へ送ることと、前記サーバ装置が、前記出店エリアでの前記出店者の知名度に応じて減額した出店料を当該出店者に課金し、当該知名度に応じた広告料を前記広告主に課金することと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示におけるサーバ装置等によれば、移動体に搭載する広告の訴求率向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2A】情報処理システムの動作手順例を示す図である。
【
図2B】情報処理システムの動作手順例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、一実施形態における情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム1は、ネットワーク11を介して互いに情報通信可能に接続される、それぞれ一以上のサーバ装置10、移動店舗12、端末装置13及び14を有する。
【0012】
サーバ装置10は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属し、各種機能を実装するサーバとして機能するサーバコンピュータである。
【0013】
移動店舗12は、移動通信ネットワークを介してネットワーク11に接続される車両であって、例えばガソリン自動車、電気自動車(BEV;Battery Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、燃料電池自動車(FCEV;Fuel Cell Electric Vehicle)等である。移動店舗12は、手動により運転されるが、運転の一部が自動化されていてもよい。移動店舗12は、種々の店舗を設定可能な店舗設備127と、広告情報を掲示可能な広告掲示部128とを搭載する。
【0014】
端末装置13は、移動店舗12に出店する出店者により使用される情報処理装置である。端末装置13は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)等である。
【0015】
端末装置14は、移動店舗12に広告を掲示する広告主により使用される情報処理装置である。端末装置14は、端末装置13と同様、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC等である。
【0016】
以下では、端末装置13及び14を区別して、それぞれ出店者端末装置13及び広告主端末装置14という。
【0017】
ネットワーク11は、例えばインターネットであるが、アドホックネットワーク、LAN、MAN(Metropolitan Area Network)、もしくは他のネットワーク又はこれらいずれかの組合せであってもよい。
【0018】
本実施形態では、サーバ装置10は、通信部101と、通信部101により通信を行う制御部103とを有する。制御部103は、出店エリアに向かう移動店舗12と出店者の出店者端末装置13とに、合流するための情報を送り、出店エリアでの移動店舗12に広告を掲示する広告主の広告主端末装置14から広告の情報を受けて移動店舗12へ送り、出店エリアでの出店者の知名度に応じて減額した出店料を出店者に課金する処理と出店者の知名度に応じた広告料を広告主に課金する処理とを行う。出店者の知名度は出店エリア毎に異なり得るが、出店者の知名度が高い出店エリアでは、移動店舗12へより多くの来客が見込まれる。よって、そのような出店エリアでは、移動店舗12に掲示する広告のより高頻度な露出が期待できる。よって、移動店舗12に掲示する広告の訴求率向上が可能となる。また、出店エリアにおける出店者の知名度に応じて出店料を減額しても広告主に課金する広告料を増額することで、出店者と広告主の納得感を維持しながら、移動店舗12の運営事業者にとっての収益機会を担保することが可能となる。
【0019】
[サーバ装置10の構成例]
サーバ装置10は、通信部101、記憶部102、及び制御部103を有する。サーバ装置10は、例えば、一のコンピュータである。または、サーバ装置10は、情報通信可能に接続されて連携動作する二以上のサーバコンピュータで構成されてもよい。その場合、
図1示す構成は二以上のサーバコンピュータに適宜に配置される。
【0020】
通信部101は、一以上の通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、有線又は無線LAN規格に対応するインタフェースである。通信部101は、サーバ装置10の動作に用いられる情報を受信し、またサーバ装置10の動作によって得られる情報を送信する。サーバ装置10は、通信部101によりネットワーク11に接続され、ネットワーク11経由で移動店舗12又は出店者端末装置13と情報通信を行う。
【0021】
記憶部102は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する一以上の半導体メモリ、一以上の磁気メモリ、一以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)である。RAMは、例えば、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)である。ROMは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)である。記憶部102は、サーバ装置10の動作に用いられる情報と、サーバ装置10の動作によって得られた情報とを格納する。
【0022】
制御部103は、一以上のプロセッサ、一以上の専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化したGPU(Graphics Processing Unit)等の専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。制御部103は、サーバ装置10の各部を制御しながら、サーバ装置10の動作に係る情報処理を実行する。
【0023】
サーバ装置10の機能は、制御プログラムを、制御部103に含まれるプロセッサで実行することにより実現される。制御プログラムは、サーバ装置10の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、そのステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータをサーバ装置10として機能させるためのプログラムである。また、サーバ装置10の一部又は全ての機能が、制御部103に含まれる専用回路により実現されてもよい。また、制御プログラムは、サーバ装置10に読取り可能な非一過性の記録・記憶媒体に格納され、サーバ装置10が媒体から読み取ってもよい。
【0024】
[移動店舗12の構成例]
移動店舗12は、通信部121、記憶部122、制御部123、測位部124、入力部125、及び出力部126に加え、店舗設備127及び広告掲示部128を有する。これらは、一の制御装置として構成されてもよいし、二以上の制御装置により、又は制御装置と通信機等、他の装置とで構成されてもよい。制御装置は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)等を含む。通信機は、例えば、DCM(Data Communication Module)等を含む。また、制御装置は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン端末、ナビゲーション装置等を含んで構成されてもよい。各部は、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内ネットワークにより、互いに、又は移動店舗12の他の機器、装置と情報通信可能に接続される。
【0025】
通信部121は、一以上の通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、若しくは5G(5th Generation)などの移動通信規格に対応したインタフェースである。通信部121は、制御部123の動作に用いられる情報を受信し、また制御部123の動作によって得られる情報を送信する。制御部123は、通信部121により、移動体通信の基地局を介してネットワーク11に接続され、ネットワーク11経由で他の装置と情報通信を行う。
【0026】
記憶部122は、一以上の半導体メモリ、一以上の磁気メモリ、一以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部122は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部122は、制御部123の動作に用いられる情報と、制御部123の動作によって得られた情報とを格納する。
【0027】
制御部123は、一以上のプロセッサ、一以上の専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部123は、移動店舗12の動作に係る情報処理を実行する。
【0028】
測位部124は、一以上のGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を含む。GNSSには、例えば、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、BeiDou、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。測位部124は、移動店舗12の位置情報を取得して、制御部123へ送る。
【0029】
入力部125は、一以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力インタフェースは、さらに、撮像画像又は画像コードを取り込むカメラ、又はICカードリーダーを含んでもよい。入力部125は、制御部123の動作に用いられる情報を入力するためのユーザによる操作を受け付け、入力される情報を制御部123へ送る。
【0030】
出力部126には、一以上の出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。出力部126は、制御部123の動作によって得られる情報を例えばユーザに向けて出力する。
【0031】
制御部123の機能は、制御プログラムを、制御部123に含まれるプロセッサで実行することにより実現される。制御プログラムは、制御部123の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、そのステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータを制御部123として機能させるためのプログラムである。また、制御部123の一部又は全ての機能が、制御部123に含まれる専用回路により実現されてもよい。制御部123は、移動店舗12の各種機構、装置を制御するための情報を生成し、各種機構、装置の制御回路へ制御のための情報を送ってそれらを制御する。
【0032】
店舗設備127は、各種店舗を任意に設定可能な設備である。店舗設備127に設定される店舗は、各種物品販売のための店舗、飲食、美容等の各種サービス提供のための店舗等である。店舗設備127は、物品を陳列可能な陳列台、客がサービス提供を受けるために着席可能な座席、テーブル等の設備、サービス提供のための調理、給水等の設備を備えるか又はこれらが設置可能であり、客及び販売員が滞在可能な室内空間を有する。
【0033】
広告掲示部128は、広告情報を表示することで広告を掲示可能に構成されるデジタルサイネージ等である。広告掲示部128は、客が移動店舗12に来店するとき、又は店舗設備127に滞在するときに、客の目に触れる位置、例えば、移動店舗12の外壁面又は天板上、店舗設備127の内部壁面等に設置される。広告掲示部128に掲示する広告の情報は、制御部123から送られる。
【0034】
[出店者端末装置13及び広告主端末装置14の構成例]
出店者端末装置13は、例えばスマートフォン、タブレット端末装置、パーソナルコンピュータ等の、情報端末装置である。出店者端末装置13は、通信部131、記憶部132、制御部133、測位部134、入力部135、及び出力部136を有する。広告主端末装置14は、出店者端末装置13と同等の構成を有し、以下の出店者端末装置13の構成例についての説明が同様に適用される。
【0035】
通信部131は、有線又は無線LAN規格に対応する通信モジュール、LTE、4G、5G等の移動体通信規格に対応するモジュール等を有する。出店者端末装置13は、通信部131により、近傍のルータ装置又は移動体通信の基地局を介してネットワーク11に接続され、ネットワーク11経由で他の装置と情報通信を行う。
【0036】
記憶部132は一以上の半導体メモリ、一以上の磁気メモリ、一以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部132は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部132は、制御部133の動作に用いられる情報と、制御部133の動作によって得られた情報とを格納する。
【0037】
制御部133は、例えば、CPU、MPU(Micro Processing Unit)等の一以上の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した一以上の専用プロセッサを有する。あるいは、制御部133は、一以上の、FPGA、ASIC等の専用回路を有してもよい。制御部133は、制御・処理プログラムに従って動作したり、あるいは、回路として実装された動作手順に従って動作したりすることで、出店者端末装置13の動作を統括的に制御する。そして、制御部133は、通信部131を介してサーバ装置10等と各種情報を送受し、本実施形態にかかる動作を実行する。
【0038】
測位部134は、一以上のGNSS受信機を含む。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。測位部134は、出店者端末装置13の位置情報を取得して制御部133へ送る。
【0039】
入力部135は、一以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力インタフェースは、さらに、撮像画像又は画像コードを取り込むカメラ、又はICカードリーダーを含んでもよい。入力部135は、制御部133の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、入力される情報を制御部133へ送る。
【0040】
出力部136には、一以上の出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部136は、制御部133の動作によって得られる情報を出力する。
【0041】
制御部133の機能は、制御部133に含まれるプロセッサが制御プログラムを実行することにより実現される。制御プログラムは、プロセッサを制御部133として機能させるためのプログラムである。また、制御部133の一部又は全ての機能が、制御部133に含まれる専用回路により実現されてもよい。
【0042】
[情報処理システム1の動作例]
図2A及び2Bは、本実施形態における情報処理システム1の動作手順を説明するためのシーケンス図である。
図2A及び2Bは、サーバ装置10、移動店舗12、出店者端末装置13、及び広告主端末装置14の連係動作にかかる手順を示す。ここでは、一のサーバ装置10、一の移動店舗12、並びにそれぞれ一以上の出店者端末装置13及び広告主端末装置14との連携動作の例が示される。
図2A及び2Bにおけるサーバ装置10、移動店舗12、出店者端末装置13及び広告主端末装置14の各種情報処理に係るステップは、それぞれの制御部103、123、133及び133により実行される。また、サーバ装置10、移動店舗12、出店者端末装置13及び広告主端末装置14の各種情報の送受に係るステップは、それぞれの制御部103、123、133及び133が、それぞれ通信部101、121、131及び131を介して互いに情報を送受することにより実行される。サーバ装置10、移動店舗12、出店者端末装置13及び広告主端末装置14では、それぞれ制御部103、123、133及び133が、それぞれ送受する情報を記憶部102、122、132、及び132に適宜格納する。さらに、移動店舗12、出店者端末装置13及び広告主端末装置14では、制御部123、133及び133は、それぞれ入力部125、135及び135により各種情報の入力を受け付け、それぞれ出力部126、136及び136により各種情報を出力する。
【0043】
ステップS200において、サーバ装置10は、一以上の出店者端末装置13に、移送計画を送る。移動計画は、移動店舗12の移動計画であって、出店先エリアを特定する情報、出店先エリアに滞在する時間帯等の情報を含む。各出店者端末装置13は、移動計画を出店者に提示する。出店者は、移動計画に基づき出店を希望するか否かを判断する。例えば、出店者は、出店先エリアがビジネス展開を希望するエリアであるかを判断することが可能となる。
【0044】
ステップS202において、出店者端末装置13は、サーバ装置10へ、出店希望を示す情報を送る。出店者は、出店を希望する場合には出店希望を示す情報を出店者端末装置13に入力する。出店希望を示す情報には、出店を希望する移動店舗12を特定する情報、及び出店者端末装置13と出店者の識別情報が付加される。出店者端末装置13は、出店者の入力に応答して、出店希望を示す情報をサーバ装置10へ送る。
【0045】
ステップS203において、サーバ装置10は、出店者を特定する。サーバ装置10は、移動店舗12について、出店希望を示す情報に付加された識別情報に基づいて出店者を特定する。サーバ装置10は、複数の出店者端末装置13から出店希望の情報を受けた場合には、任意のアルゴリズムにより一の出店者を選定する。例えば、サーバ装置10は、最先に出店希望を示す情報を送った出店者端末装置13の出店者を特定する。あるいは、サーバ装置10は、出店頻度が低い出店者を優先的に特定してもよい。
【0046】
ステップS204において、サーバ装置10は、移動店舗12への出店者の知名度を導出する。サーバ装置10は、特定した出店者に対応する知名度を、例えば、記憶部102に格納される知名度情報から取得する。例えば、
図3で示すような知名度情報のテーブル30が記憶部102に格納される。テーブル30は、各出店者の出店エリア毎の知名度を示すスコアを有する。例えば、出店者a、出店者b、出店者c、・・・といった出店者それぞれの、中央区A町、中央区B町、中央区C町、・・・、南区X町、南区Y町、南区Z町、・・・といった出店エリア毎の知名度を1~5の5段階で示すスコアを含む。ここでは、知名度のスコアが大きいほど高い知名度を示す。サーバ装置10は、例えば、特定した出店者の知名度を表すスコアをテーブル30から導出する。
【0047】
ステップS205において、サーバ装置10は、出店料と広告料とを導出する。出店料は、移動店舗12に出店することの対価として出店者に課金するために任意に設定される料金である。広告料は、移動店舗12に広告を掲示する広告主に課金するために任意に設定される料金である。サーバ装置10は、任意のアルゴリズムにより、知名度に応じて減額した出店料を導出する。例えば、サーバ装置10は、任意に設定される基準料金に知名度のスコアに応じた係数を乗じて基準料金からの減額分を導出する。そして、サーバ装置10は、基準料金から減額分を減じた出店料を導出する。また、サーバ装置10は、知名度に応じた広告料を導出する。例えば、サーバ装置10は、任意に設定される基準料金に知名度のスコアの大きさに応じた大きさの係数を乗じて広告料を導出する。
【0048】
ステップS206において、サーバ装置10は、出店者の知名度の知名度情報と、知名度情報に基づき導出した広告料の情報とを一以上の広告主端末装置14へ送る。知名度情報は、出店者を特定する出店者名等の情報、その出店者の知名度のスコア、及び移動店舗12の出店先エリアの情報を含む。各広告主端末装置14は、知名度情報と広告料の情報とを広告主に提示する。出店先エリアにおける出店者の知名度が高いほど多くの来客が予想され、掲示した広告のより高効率での露出が期待される。かかる露出の期待と広告料とを勘案して、広告主は広告掲示を検討することが可能となる。
【0049】
ステップS208において、広告主端末装置14は、サーバ装置10へ、広告掲示希望を示す情報を送る。広告主は、広告掲示を希望する場合には広告掲示希望を示す情報を広告主端末装置14に入力する。広告掲示希望を示す情報には、広告主端末装置14と広告主の識別情報が付加される。広告主端末装置14は、広告主の入力に応答して、広告掲示希望を示す情報をサーバ装置10へ送る。
【0050】
ステップS209において、サーバ装置10は、広告主を特定する。サーバ装置10は、移動店舗12と出店者の組み合わせについて、広告掲示希望を示す情報に付加された識別情報に基づいて広告主を特定する。サーバ装置10は、複数の広告主端末装置14から広告掲示希望の情報を受けた場合には、任意のアルゴリズムにより一の広告主を選定する。例えば、サーバ装置10は、最先に広告掲示希望を示す情報を送った広告主端末装置14の広告主を特定する。あるいは、サーバ装置10は、広告掲示頻度が低い広告主を優先的に特定してもよい。
【0051】
ステップS210において、サーバ装置10は、出店料請求の情報を特定した出店者の出店者端末装置13へ送る。出店料請求の情報は、出店料と、支払案内の情報等を含む。出店者端末装置13は、出店料請求の情報を出店者に提示する。
【0052】
ステップS212において、出店者端末装置13は、サーバ装置10へ、出店料支払情報を送る。出店者は、出店料の支払いを指示する情報を出店者端末装置13に入力する。支払情報には、出店者の金融機関の口座情報等が含まれる。出店者端末装置13は、出店者の入力に応答して、出店料支払情報をサーバ装置10へ送る。
【0053】
ステップS214において、サーバ装置10は、広告料請求の情報を特定した広告主者の広告主端末装置14へ送る。広告料請求の情報は、広告料と、支払案内の情報等を含む。広告主端末装置14は、広告料請求の情報を広告主に提示する。
【0054】
ステップS216において、広告主端末装置14は、サーバ装置10へ、広告料支払情報を送る。広告主は、広告料の支払いを指示する情報を広告主端末装置14に入力する。支払情報には、広告主の金融機関の口座情報等が含まれる。広告主端末装置14は、広告主の入力に応答して、広告料支払情報をサーバ装置10へ送る。
【0055】
ステップS218において、サーバ装置10は、広告料及び出店料の課金処理を実行する。サーバ装置10は、それぞれ出店料支払い情報及び広告料支払情報に基づいて、出店者及び広告主の金融機関の口座に課金するための処理を、それぞれの金融機関のサーバと連係して実行する。
【0056】
ステップS220において、サーバ装置10は、広告情報の要求を広告主端末装置14へ送る。広告主端末装置14は、広告情報の入力を促す情報を広告主に提示する。
【0057】
ステップS222において、広告主端末装置14は、サーバ装置10へ、広告情報を送る。広告主は、広告情報を広告主端末装置14に入力する。広告情報は、掲示する広告を構成するための文言、画像等の情報を含む。広告主端末装置14は、広告主の入力に応答して、広告情報をサーバ装置10へ送る。
【0058】
ステップS224において、サーバ装置10は、広告情報と、広告情報掲示指示とを移動店舗12へ送る。
【0059】
ステップS226とS228において、サーバ装置10は、合流指示をそれぞれ出店者端末装置13と移動店舗12へ送る。合流指示は、出店者が移動店舗12に合流して店舗設備を設定するための指示であって、合流地点、合流時刻等の情報を含む。出店者端末装置13が合流指示を出店者に向けて提示することで、出店者は合流に必要な情報を取得する。また、移動店舗12が合流指示を乗員に向けて提示することで、乗員が合流に必要な情報を取得する。あるいは、移動店舗12が自動運転される場合には、制御部123が合流指示を取得する。
【0060】
ステップS230において、移動店舗12は、広告情報を広告掲示部128に掲示し、合流指示に基づいて移動を開始する。そして、移動店舗12が出店者と合流することで、出店者による出店が可能となる。
【0061】
複数の移動店舗12が存在する場合には、
図2A及び2Bで示した手順は移動店舗12毎に実行される。
【0062】
なお、サーバ装置10、出店者による出店の後に、来店者数に応じて出店者の知名度を更新することが可能である。例えば、移動店舗12は、例えば人感センサ、画像処理等により来店者数を検出し、出店者数の情報をサーバ装置10へ送る。サーバ装置10は、例えば、出店者数をランク分けして知名度のスコアとを予め対応付けて記憶しておき、来店者数に応じたランクを特定して、ランクに応じたスコアに更新することが可能である。
【0063】
[変形例]
変形例では、広告料の導出に係る手順(ステップS205)と、広告料の請求・課金に係る手順(ステップS214、S216、S218)が、出店者による出店の後に実行されてもよい。その場合、移動店舗12は、来店者数を検出してその情報をサーバ装置10へ送る。そして、サーバ装置10は、出店者の知名度に応じた広告料に、更に、来店者数に応じた増加分を加える。増加分は、例えば、来店者数に対応する任意の係数を当初の基準料金に乗じるなど、任意のアルゴリズムにより導出される。サーバ装置10は、増加させた広告料を広告主に課金する。来店者に応じて広告の訴求率が向上するところ、来店者数に応じた広告料を広告主に課金することで、広告主の一定の納得感を得つつ、移動店舗12の運営事業者にとっての収益を増加させることが可能となる。なお、広告料の増加分に任意に設定される上限値を設けてもよい。そうすることで、広告主の支出に一定の予見性を担保することが可能となる。
【0064】
上述の手順によれば、移動店舗12に掲示する広告の訴求率向上が可能となる。また、出店エリアにおける出店者の知名度に応じて出店料を減額しても広告主に課金する広告料を増額することで、出店者と広告主の納得感を維持しながら、移動店舗12の運営事業者にとっての収益機会を担保することが可能となる。
【0065】
上述の実施形態において、移動店舗12及び出店者端末装置13及び広告主端末装置14の動作を規定する処理・制御プログラムは、サーバ装置10の記憶部102又は他のサーバ装置の記憶部に記憶されていて、ネットワーク11経由で各装置にダウンロードされてもよいし、各装置に読取り可能な非一過性の記録・記憶媒体に格納され、各装置が媒体から読み取ってもよい。
【0066】
上述において、実施形態を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段、ステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 情報処理システム
10 サーバ装置
11 ネットワーク
12 移動店舗
13、14 端末装置
101、121、131 通信部
102、122、132 記憶部
103、123、133 制御部
124、134 測位部
125、135 入力部
126、136 出力部
30 テーブル