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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174750
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】シンプル濾過装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 63/04 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
A01K63/04 B
A01K63/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092750
(22)【出願日】2023-06-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】523206806
【氏名又は名称】西村 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】110002804
【氏名又は名称】弁理士法人フェニックス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 洋介
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104ED05
2B104ED19
(57)【要約】
【課題】気泡破裂による水槽周り等への水の飛散を防ぎ、構造簡素で分解清掃等のメンテナンス作業等も容易に行うことができ、使用時の静音性にも優れたシンプル濾過装置を提供すること。
【解決手段】上部に開口部を有する縦長の有底筒状の容器本体11とこの開口部を気密に閉鎖可能な蓋体12とから成る濾過容器1と、濾過容器1内に設けられた気泡発生部2及び濾過部3とを備え、濾過容器1の下部に吸水口13、濾過容器1の上部に縦長のスリット11aから成る噴出口14が開設され、気泡発生部2を作動させて上昇水流により吸水口13から水槽水を吸い込ませる一方、濾過部3を通過した濾過水を噴出口14の下部から噴出させると同時に濾過容器1内の気体を噴出口14の上部から噴出させるように構成した。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽内に貯留された水槽水に一部浸漬されて前記水槽水を循環濾過する濾過装置であって、
上部に開口部を有する縦長の有底筒状の容器本体と前記開口部を気密に閉鎖可能な蓋体とから成る濾過容器と、
前記濾過容器内に設けられ、水中に多数の気泡を発生させて当該濾過容器内に上昇水流を生起させる気泡発生部と、
前記濾過容器内に収容され、前記水槽水を濾過する濾過部と、
を備え、
前記濾過容器の下部に吸水口が開設され、
前記濾過容器の上部の筒壁部に縦長のスリットから成る噴出口が開設され、
使用時に、前記噴出口の上部を水槽水の水面よりも上方に、当該噴出口の下部を水槽水の水面よりも下方に位置させるように前記濾過容器が前記水槽内に配設され、
前記濾過容器内の水面位置において前記噴出口の幅が前記濾過容器の最小内のり寸法よりも小さくされており、
前記気泡発生部を作動させることによって、前記上昇水流を利用して前記吸水口から前記濾過容器内へ水槽水を吸い込ませる一方、前記濾過部を通過した濾過水を前記噴出口の下部から噴出させると同時に前記濾過容器内の水面上方の気体を前記噴出口へ向けて集中させるように導いて当該噴出口の上部から噴出させることを特徴としたシンプル濾過装置。
【請求項2】
前記濾過部が、前記濾過容器内に集積する多数の粒状濾過材を含み、
前記気泡発生部が、前記濾過部に埋没されていることを特徴とした請求項1に記載のシンプル濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽内に貯留された水槽水を循環濾過する簡易濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、観賞魚の飼育用水槽等において、水槽内に縦パイプを立設し、この縦パイプ内に設けたエアストーンによりエアレーションを行って水槽水に酸素等を供給すると同時に、縦パイプ内に上昇水流を生起させて水槽水を揚水しながらフィルター等で濾過する濾過装置が知られている(例えば、下記特許文献1)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の濾過装置は、縦パイプの上端部に設けた吐出パイプから、濾過水と共にエアレーションの気泡をそのまま放出していたため、水槽内の水面に拡がった気泡が破裂した際に、周囲に水が飛散して水槽周りや水槽ガラス面等を汚す問題があった。
【0004】
そこで、現在までに、吐出パイプの先端に気水分離器を設け、気水分離器の筐体内部で気泡を破裂させることによって水槽内外への水の飛散を防ぐことが提案されている(下記特許文献2)。
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の気水分離器は、筐体内部の濾過水を筐体外部へ流出させる排水孔と、筐体内部の気体を筐体外部へ排出させる排気孔とがそれぞれ別個に設けられているなど、その構造、形状が複雑なものとなり、この気水分離器の分解清掃等のメンテナンス作業が容易でない難点があった。
【0006】
また、従来、飼育用水槽等に対し静音性を求めるユーザーも少なくないところ、かかるユーザーにとっては、エアストーンに接続したエアポンプの作動音だけでなく、水面上の気泡が破裂する際の破裂音も耳障りになっていたのが実情である。上記特許文献1は勿論、特許文献2に記載の気水分離器においても、この気泡の破裂音については特に対策されておらず、静音性のニーズに応えることができていない難点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-146773号公報
【特許文献2】特開2022-80247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の濾過装置に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、気泡破裂による水槽周り等への水の飛散を防ぐだけでなく、構造簡素で分解清掃等のメンテナンス作業等も容易に行うことができ、なお且つ、使用時の静音性にも優れたシンプル濾過装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水槽内に貯留された水槽水に一部浸漬されて前記水槽水を循環濾過する濾過装置であって、
上部に開口部を有する縦長の有底筒状の容器本体と前記開口部を気密に閉鎖可能な蓋体とから成る濾過容器と、前記濾過容器内に設けられ、水中に多数の気泡を発生させて当該濾過容器内に上昇水流を生起させる気泡発生部と、前記濾過容器内に収容され、前記水槽水を濾過する濾過部と、を備え、
前記濾過容器の下部に吸水口が開設され、前記濾過容器の上部の筒壁部に縦長のスリットから成る噴出口が開設され、使用時に、前記噴出口の上部を水槽水の水面よりも上方に、当該噴出口の下部を水槽水の水面よりも下方に位置させるように前記濾過容器が前記水槽内に配設され、前記濾過容器内の水面位置において前記噴出口の幅が前記濾過容器の最小内のり寸法よりも小さくされており、
前記気泡発生部を作動させることによって、前記上昇水流を利用して前記吸水口から前記濾過容器内へ水槽水を吸い込ませる一方、前記濾過部を通過した濾過水を前記噴出口の下部から噴出させると同時に前記濾過容器内の水面上方の気体を前記噴出口へ向けて集中させるように導いて当該噴出口の上部から噴出させることを特徴としている。
【0010】
また、本発明は、前記濾過部が、前記濾過容器内に集積する多数の粒状濾過材を含み、 前記気泡発生部が、前記濾過部に埋没されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るシンプル濾過装置によれば、濾過容器の噴出口から濾過容器内の濾過水だけでなく、気体も同時に噴出させることができるので、装置の構造、形状を格段に簡素化することができ、分解清掃等のメンテナンス作業を頗る容易に行うことができる。
【0012】
また、濾過容器の開口部が蓋体により閉鎖され、濾過容器内の水面上に浮かぶ多数の気泡の殆どが濾過容器内で破裂し、噴出口まで移動した一部の気泡も幅の狭いスリットから成る噴出口の開口縁部に付着して其処で破裂するので、多数の気泡がそのまま水槽へ放出されることもなく気泡破裂による水槽周り等への水の飛散を確実に防ぐことができる。
【0013】
さらに、濾過容器の開口部が蓋体により気密状態に閉鎖され、濾過容器の内部空間は、幅の狭いスリットから成る噴出口の上部でのみ外部と連通することになるので、濾過容器内で発生する気泡破裂音の外部拡散を大幅に抑制することができ、使用時の静音性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る実施形態のシンプル濾過装置の側面図である。
図2】同シンプル濾過装置の分解状態を示す一部省略側面図である。
図3】同シンプル濾過装置の濾過容器の噴出口位置の横断面図である。
図4】同シンプル濾過装置の使用状態を示す側面図である。
図5】同シンプル濾過装置の使用状態を示す部分拡大縦断面図である。
図6】同シンプル濾過装置の使用状態を示す部分拡大横断面図である。
図7】本発明に係る他の実施形態のシンプル濾過装置の噴出口位置の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び図2に示すように、本実施形態のシンプル濾過装置10は、濾過容器1と、濾過容器1内に設けられた気泡発生部2と、濾過容器1内に収容された濾過部3と、から構成されており、水槽内に貯留された水槽水に一部浸漬されてこの水槽水を循環濾過するものである。
【0016】
濾過容器1は、図2に示すように、上部に開口部11aを有する縦長の有底筒状の容器本体11と、この開口部11aを気密に閉鎖可能な蓋体12とから構成されている。本実施形態の容器本体11は、透明な合成樹脂製の有底円筒体から成り、円形の開口部11aの開口縁部に形成された雄ネジ部に、不透明な合成樹脂製の蓋体12に形成された雌ネジ部を螺合することによって、容器本体11の開口部11aを蓋体12で着脱自在に気密に閉鎖することができる。
【0017】
濾過容器1の容器本体11の上部の筒壁部には、縦長のスリット14aから成る噴出口14が開設されている。図3に示すように、噴出口14の幅W1は、濾過容器1の容器本体11の内径(最小内のり寸法)W2よりも小さくされている。本実施形態の噴出口14は、幅約1mm、長さ約30mmの一本の縦長スリット14aから構成されており、円筒形状の容器本体11の軸線と平行に設けられている。
【0018】
また、濾過容器1の容器本体11の下部の筒壁部には、図2に示すように、複数の吸水口13・13…が開設されている。本実施形態の吸水口13は、口径約3mmの円形孔から成り、計12個の吸水口13・13…が容器本体11の筒周壁に等間隔に設けられている。
【0019】
気泡発生部2は、図2に示すように、水中に多数の気泡を発生させる気泡発生部本体21と、この気泡発生部本体21に一端部が接続された柔軟なエアチューブ22とから構成されている。本実施形態の気泡発生部本体21は、周知のエアストーンから成り、エアチューブ22の他端部に接続した周知のエアポンプPを作動させることによって、気体をエアチューブ22を通してエアストーンへ供給し、水中に多数の気泡を発生させることができる。
【0020】
なお、本実施形態では、濾過容器1内に設けられた気泡発生部本体21(エアストーン)と外部のエアポンプPとを繋ぐエアチューブ22が、濾過容器1の蓋体12を貫通しているが、これに代え、エアチューブ22が濾過容器1の容器本体11の筒壁部を貫通していてもよい。図中、符号23で指示するものは、エアチューブ22の外周面と蓋体12との隙間を気密状態に埋めるブッシュである。
【0021】
濾過部3は、濾過容器1内に集積する多数の粒状濾過材(31・32)を含んで構成されており、図2に示すように、これら粒状濾過材(31・32)によって、気泡発生部2の気泡発生部本体21が埋没されている。本実施形態では、粒状濾過材として、多孔質セラミックス製の短円筒形状の第一濾過材31と、同じく多孔質セラミックス製の球形状の第二濾過材32とを混合して使用しており、これら粒状濾過材(31・32)が有する多数の微細孔の吸着による物理濾過や、微細孔に棲息するバクテリアによる生物濾過を利用して水槽水を濾過する。
【0022】
本実施形態のシンプル濾過装置10を使用する場合、まず、図4に示すように、濾過容器1を、その噴出口14の上部を水槽水の水面WS1よりも上方に、噴出口14の下部を水槽水の水面WS1よりも下方に位置させるように水槽内に配設する。このとき、図4に示すように、濾過容器1を水槽内の底砂BS上に直接載置する他、底砂BS上に置いた他の基台上に濾過容器1を載置してもよい。また、濾過容器1を底砂BS上に載置せず、濾過容器1に設けた吸盤等の固定手段によって濾過容器1を水槽の内壁面等に固定するようにしてもよい。
【0023】
次いで、このように濾過容器1を水槽内に貯留された水槽水に一部浸漬させた状態で、エアポンプPを作動させる。このことで、気泡発生部2により濾過容器1内に多数の気泡(41・41…)が発生し、これら気泡41の上昇に伴って濾過容器1内に上昇水流が生起される。この上昇水流を利用することによって、濾過容器1の下部の吸水口13から濾過容器1内へ水槽水を吸い込み、吸い込んだ水槽水の上昇水流を濾過部3で濾過する。
【0024】
そして、図5に示すように、濾過部3を通過した濾過水を噴出口14の下部から濾過容器1外へ噴出させる(黒塗矢印WF)と同時に、濾過容器1内の水面WS2上方の気体を噴出口14の上部から濾過容器1外へ噴出させる(白抜矢印AF)。こうして本実施形態のシンプル濾過装置10によって水槽内に貯留された水槽水が循環濾過される。
【0025】
このように本実施形態のシンプル濾過装置10によれば、濾過容器1の噴出口14から、濾過容器1内の濾過水だけでなく、気体も同時に噴出させることができるので、装置の構造、形状を格段に簡素化することができ、分解清掃等のメンテナンス作業を頗る容易に行うことができる。従来品のように排水孔と排気孔とを別個に設けて構造、形状が複雑化する難点もない。
【0026】
また、本実施形態のシンプル濾過装置10は、濾過容器1の開口部11aが蓋体12により閉鎖されており、濾過容器1内の水面WS2上に浮かぶ多数の気泡(42・42…)の殆どが濾過容器1内で破裂し、噴出口14まで移動した一部の気泡42も幅の狭いスリット14aから成る噴出口14の開口縁部に付着して其処で破裂する。したがって、従来品のように多数の気泡がそのまま水槽へ放出されることもなく、気泡破裂による水槽周り等への水の飛散を確実に防ぐことができる。
【0027】
さらに、本実施形態のシンプル濾過装置10は、濾過容器1内の水面WS2位置における噴出口14の幅が、濾過容器1の内径よりも小さくされているので、図6中の白抜矢印AFで示すように、濾過容器1内の水面WS2上方の気体を噴出口14へ向けて集中させるように導いて噴出口14から噴出させることができる。このことで、水面WS2上に浮かぶ気泡42同士を集合、合体させてその破裂を促し、また、気泡42の大径化を図ってスリット14aによる消泡を確実に行わせることができる。
【0028】
しかも、本実施形態のシンプル濾過装置10は、濾過容器1の開口部11aが蓋体12により気密状態に閉鎖され、噴出口14が幅の狭いスリット14aから構成されているので、図5に示すように、使用時に濾過容器1内の水面WS2上方の内部空間Sの気圧を高めて噴出口14上部からの気体の噴出力を向上させることができ、更には、この噴出気体との接触によって、噴出口14下部から噴出する濾過水の噴出力も向上させることができる。したがって、本実施形態のシンプル濾過装置10によれば、噴出口14から勢い良く噴出された気体及び濾過水によって、水槽内に貯留された水槽水の循環も促進させることができ、水槽内環境の向上にも貢献することができる。
【0029】
また、本実施形態のシンプル濾過装置10は、濾過容器1の開口部11aが蓋体12により気密状態に閉鎖され、濾過容器1の内部空間Sは、幅の狭いスリット14aから成る噴出口14の上部でのみ外部と連通することになるので、濾過容器1内で発生する気泡破裂音の外部拡散を大幅に抑制することができ、使用時の静音性に優れている。
【0030】
また、本実施形態のシンプル濾過装置10は、濾過部3が多数の粒状濾過材(31・32)を含んで構成され、これら粒状濾過材(31・32)によって気泡発生部2の気泡発生部本体21が埋没されているので、生物濾過を担うバクテリア等への酸素供給を効率的に行うことができ、濾過部3による濾過効率を向上させることができる。また、濾過容器1全体をコンパクト化することができ、シンプル濾過装置10の分解清掃等のメンテナンス作業性や取扱い性をより向上させることができる。
【0031】
なお、このように気泡発生部2が濾過部3に埋没されている場合、濾過部3の粒状濾過材(31・32)が、気泡発生部2により発生した気泡の上昇移動の抵抗となるため、気泡発生部2が濾過部3に埋没していない場合に比べ、濾過容器1内に生起される上昇水流の勢いは弱まることになるが、上述したように、濾過容器1のスリット14aから成る噴出口14によって気体及び濾過水の噴出力を向上させることができるので、水槽水の循環濾過が滞るおそれはない。
【0032】
また、このようにスリット14aから成る噴出口14によって気体及び濾過水の噴出力を向上させることができるので、濾過容器1内の上昇水流の勢いを補うために、必ずしもエアポンプPの気体供給量を増加させる必要がない。したがって、本実施形態のシンプル濾過装置10によれば、エアポンプPの出力増加に伴う作動音の増大を招くこともなく、この点においても使用時の静音性に優れている。
【0033】
以上、本実施形態のシンプル濾過装置10について説明したが、本発明は他の実施形態でも実施することができる。
【0034】
例えば、上記実施形態では、濾過容器1の容器本体11として、横断面円形状の有底円筒体を採用しているが、本発明は決してこれに限定されるものではなく、図7に示すように、濾過容器4の容器本体41として、例えば横断面長方形状の有底角筒体など、他の横断面形状の有底筒体を使用してもよい。また、上記実施形態では、容器本体11の開口部11aを螺合式の蓋体12で気密に閉鎖しているが、これに代え、ヒンジ開閉式の蓋体で容器本体の開口部を気密に閉鎖するようにしてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、容器本体11に開設された噴出口14が、一本の縦長のスリット14aから構成されているが、図7に示すように、容器本体41に開設された噴出口15が、互いに並列する複数の縦長のスリット15a・15a…から構成されていてもよい。この変形例のように、複数のスリット15aから成る噴出口15の幅W3が、濾過容器4の容器本体41の最小内のり寸法W4よりも小さくされていればよく、噴出口15の幅、スリット15aの数、各スリット15aのスリット幅等については、噴出口15から噴出される気体や濾過水の噴出力等を考慮して種々の設計変更が可能である。
【0036】
また、本発明に係るシンプル濾過装置を水槽内により安定に配設するために、濾過容器1の下部に比重の大きいウエイトを設けるようにしてもよい。
【0037】
本発明は、その他、その趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施してもよく、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施したりしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
10 シンプル濾過装置
1、4 濾過容器
11、41 容器本体
11a 開口部
12 蓋体
13 吸水口
14、15 噴出口
14a、15a スリット
2 気泡発生部
21 気泡発生部本体
22 エアチューブ
3 濾過部
31、32 粒状濾過材
41、42 気泡
WS1(水槽水の)水面
WS2(濾過容器内の)水面
W1、W3(噴出口の)幅
W2、W4(濾過容器の)最小内のり寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
水槽内に貯留された水槽水に一部浸漬されて前記水槽水を循環濾過する濾過装置であって、
上部に開口部を有する縦長の有底筒状の容器本体と前記開口部を気密に閉鎖可能な蓋体とから成る濾過容器と、
前記濾過容器内に設けられ、水中に多数の気泡を発生させて当該濾過容器内に上昇水流を生起させる気泡発生部と、
前記濾過容器内に収容され、前記水槽水を濾過する濾過部と、
を備え、
前記濾過容器の下部に吸水口が開設され、
前記濾過容器の上部の筒壁部に縦長のスリットから成る噴出口が開設され、
使用時に、前記噴出口の上部を水槽水の水面よりも上方に、当該噴出口の下部を水槽水の水面よりも下方に位置させるように前記濾過容器が前記水槽内に配設され、
前記濾過容器内の水面位置において前記噴出口の幅が前記濾過容器の最小内のり寸法よりも小さくされており、
前記気泡発生部を作動させることによって、前記上昇水流を利用して前記吸水口から前記濾過容器内へ水槽水を吸い込ませる一方、前記濾過部を通過した濾過水を前記噴出口の下部から噴出させると同時に前記濾過容器内の水面上方の気体を当該噴出口の上部へ向けて集中させるように導いて当該噴出口の上部のみから噴出させることを特徴としたシンプル濾過装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明は、水槽内に貯留された水槽水に一部浸漬されて前記水槽水を循環濾過する濾過装置であって、
上部に開口部を有する縦長の有底筒状の容器本体と前記開口部を気密に閉鎖可能な蓋体とから成る濾過容器と、前記濾過容器内に設けられ、水中に多数の気泡を発生させて当該濾過容器内に上昇水流を生起させる気泡発生部と、前記濾過容器内に収容され、前記水槽水を濾過する濾過部と、を備え、
前記濾過容器の下部に吸水口が開設され、前記濾過容器の上部の筒壁部に縦長のスリットから成る噴出口が開設され、使用時に、前記噴出口の上部を水槽水の水面よりも上方に、当該噴出口の下部を水槽水の水面よりも下方に位置させるように前記濾過容器が前記水槽内に配設され、前記濾過容器内の水面位置において前記噴出口の幅が前記濾過容器の最小内のり寸法よりも小さくされており、
前記気泡発生部を作動させることによって、前記上昇水流を利用して前記吸水口から前記濾過容器内へ水槽水を吸い込ませる一方、前記濾過部を通過した濾過水を前記噴出口の下部から噴出させると同時に前記濾過容器内の水面上方の気体を当該噴出口の上部へ向けて集中させるように導いて当該噴出口の上部のみから噴出させることを特徴としている。