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  • 特開-無線機及びその音量変更方法 図1
  • 特開-無線機及びその音量変更方法 図2
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  • 特開-無線機及びその音量変更方法 図4
  • 特開-無線機及びその音量変更方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174751
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】無線機及びその音量変更方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
H04M1/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092751
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000100746
【氏名又は名称】アイコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼砂 享平
(72)【発明者】
【氏名】村上 晋介
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127BA03
5K127BA17
5K127GA29
5K127GB47
5K127GB73
5K127MA05
(57)【要約】
【課題】無線機のハンズフリー通話機能がオンかオフかに応じて音量変更操作を容易に行えるようにする。
【解決手段】無線機において、回転角度に応じた音量値に変更するボリュームつまみ2と、キーの押下によって音量値を変更する音量変更キー3と、ハンズフリー通話機能のオン/オフを切り替えるオン/オフ切り替え手段4と、無線機を制御する制御手段5と、を備え、制御手段5は、ハンズフリー通話機能のオン/オフを監視し、ハンズフリー通話機能がオン時は、ボリュームつまみ2の操作による音量変更を可能とし、ハンズフリー通話機能がオフ時は、音量変更キー3による音量変更を可能とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御手段と、
回転角度に応じて第1音量値を変更するボリュームつまみと、
キーの押下によって第2音量値を変更する音量変更キーと、
を備える無線機において、
前記制御手段は、前記ハンズフリー通話機能のオン/オフを制御し、前記ハンズフリー通話機能がオン時は、前記ボリュームつまみの操作による前記第1音量値の変更を可能とし、前記ハンズフリー通話機能がオフ時は、前記音量変更キーによる前記第2音量値の変更を可能とする、無線機。
【請求項2】
前記無線機は、トランシーバー機能と電話機能を持ち、
前記制御手段は、前記トランシーバー機能による通話開始時に前記ハンズフリー通話機能をオンとし、前記電話機能による通話開始時は前記ハンズフリー通話機能をオフとする、請求項1に記載の無線機。
【請求項3】
前記無線機は、ユーザによる操作が可能なオン/オフ切り替え手段をさらに備え、
前記制御手段は、通話中に前記オン/オフ切り替え手段が操作されると、前記ハンズフリー通話機能のオン/オフを切り替える、請求項2に記載の無線機。
【請求項4】
前記制御手段は、通話終了時に前記ハンズフリー通話機能をオンとする、請求項3に記載の無線機。
【請求項5】
前記ボリュームつまみは、前記無線機の本体上面に設けられ、
前記音量変更キーは、前記無線機の本体側面に設けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線機。
【請求項6】
オン/オフ切り替え自在なハンズフリー通話機能を持つ無線機の音量変更方法において、
ハンズフリー通話機能がオン時は、ボリュームつまみの回転角度を操作して音量変更を行い、
ハンズフリー通話機能がオフ時は、音量変更キーの押下によって音量変更を行う、無線機の音量変更方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンズフリー通話機能を持つ無線機において音量値を変更操作するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から携帯電話等の無線機の音量値の変更に関して、使用者がコンテンツ等の映像や音声を視聴しているときに電話の着信があったとき、コンテンツ等の再生音量を小さくできるものが知られている。また、複数の音声出力先を有する無線機において、通話中に、通話の音声とコンテンツ等の音声の両方を夫々の音声出力先に出す場合に、コンテンツ等の音量を使用者の好みに設定できるようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4369400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示される無線機は、複数の音声出力先の音声出力を、音声出力先毎に予め関連付け設定した音量設定値に応じて変更するものであるが、音量設定値の設定操作を容易に行えるようにするものではない。
【0005】
従来のハンディ無線機は、本体上面に設けられたボリュームつまみを回転させて、回転位置に応じた音量値に変更するか、あるいは、本体側面の押下可能なキーを音量変更用キーとして設定して音量値を変更するか、どちらか1つの音量変更手段しか持っていない。
【0006】
そして、上記ボリュームつまみによる音量変更手段は、ボリュームつまみの回転位置に応じた音量値に変更するため、無線機を胸や腰などに固定した状態で、音量値を把握し、音量値を変更するときに適している。一方、無線機の本体側面のキーを音量変更手段としている場合は、無線機を電話の受話器のように耳に当てながら、本体側面のキーを押下して音量変更するときに適している。
【0007】
ところが、トランシーバー機能と電話機能(特にIP電話機能)の両方を持つ無線機において、音量変更手段がボリュームつまみの場合、無線機を電話の受話器のように耳に当てながら音量値を変更するとき、ボリュームつまみを視認しにくく、また、無線機を持っていない手をボリュームつまみまで持っていくといった動作が必要で、音量値の変更操作をすることが難しくなる。一方、本体側面のキーを音量変更用キーとしている場合、無線機を胸や腰などに固定した状態で、音量値を変更すると、音量値を表す画面表示を視認しにくく、音量値の把握が難しくなる問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解消するものであり、ハンズフリー通話機能がオンかオフかに応じて音量値の変更操作を容易に行えるようにした、無線機及びその音量変更方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、制御手段と、回転角度に応じて第1音量値を変更するボリュームつまみと、キーの押下によって第2音量値を変更する音量変更キーと、を備える無線機において、
前記制御手段は、前記ハンズフリー通話機能のオン/オフを制御し、前記ハンズフリー通話機能がオン時は、前記ボリュームつまみの操作による前記第1音量値の変更を可能とし、前記ハンズフリー通話機能がオフ時は、前記音量変更キーによる前記第2音量値の変更を可能とする、ものである。
【0010】
上記無線機は、トランシーバー機能と電話機能を持ち、制御手段は、トランシーバー機能による通話開始時にハンズフリー通話機能をオンとし、電話機能による通話開始時はハンズフリー通話機能をオフとする、ことが望ましい。
【0011】
上記無線機は、ユーザによる操作が可能なオン/オフ切り替え手段をさらに備え、制御手段は、通話中に前記オン/オフ切り替え手段が操作されると、ハンズフリー通話機能のオン/オフを切り替える、ことが望ましい。
【0012】
上記無線機において、制御手段は、通話終了時にハンズフリー通話機能をオンとする、ことが望ましい。
【0013】
上記無線機において、ボリュームつまみは、無線機の本体上面に設けられ、音量変更キーは、無線機の本体側面に設けられている、ことが望ましい。
【0014】
また、本発明は、オン/オフ切り替え自在なハンズフリー通話機能を持つ無線機の音量変更方法において、
ハンズフリー通話機能がオン時は、ボリュームつまみの回転角度を操作して音量変更を行い、
ハンズフリー通話機能がオフ時は、音量変更キーの押下によって音量変更を行う、ものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の無線機、又はその音量変更方法によれば、ハンズフリー通話機能がオン時は、無線機をトランシーバーとして顔から離して通話でき、ボリュームつまみを操作して容易に第1音量値を変更することができる。一方、ハンズフリー通話機能がオフ時は、無線機を電話機として耳に当てて通話し、無線機を持っている手指で音量変更キーを操作して容易に第2音量値を変更することができる。したがって、従来の音量変更のためにボリュームつまみしかない無線機と比べ、電話機として耳に当てて使用しているとき、無線機を持っていない手をボリュームつまみまで伸ばす必要がなくなり、容易に音量値の変更操作をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は本発明の一実施形態に係るトランシーバー機能と電話機能を持つ無線機の側面図、(b)は同無線機の正面図。
図2】同無線機の制御手段の音量変更に関わる概略構成を示す図。
図3】同無線機のボリュームつまみの操作による音量変更動作のフローチャート。
図4】同無線機の音量変更キーの操作による音量変更動作のフローチャート。
図5】同無線機の制御手段によるハンズフリー通話機能の状態の遷移例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係るトランシーバー機能と電話機能(特に、IP電話機能)を持つ無線機及びその音量変更方法について図面を参照して説明する。図1(a)(b)は、一実施形態に係る無線機1の側面及び正面を示す。同図において、無線機1は、回転角度に応じた第1音量値に変更するボリュームつまみ2と、押下によって第2音量値を変更する音量変更キー3と、ハンズフリー通話機能のオン/オフを切り替えるオン/オフ切り替え手段4として設定された通話キー4aと、無線機1を制御する制御手段5と、を備える。ここに、ハンズフリー通話機能とは、オンのとき使用者は無線機1を顔から離して通話をすることができる機能である。一方、ハンズフリー通話機能オフのときは、使用者が無線機1を耳に当てた状態で通話することに適している。例えば、ハンズフリー通話機能は、オンとオフでそれぞれ異なる音量値を備えることで、ハンズフリー通話機能がオンのときは、使用者は無線機1を顔から離して通話をすることに適した音量値とし、ハンズフリー通話機能オフのときは、使用者が無線機1を耳に当てた状態で通話することに適した音量値とすることができる。
【0018】
ボリュームつまみ2は、無線機1の外装ケース(以下、無線機本体という)の上面に突出して設けられ、手指で握って回し易い形状とされている。無線機本体の上面につまみの回転方向に沿って音量目盛りが表示されていてもよい。音量変更キー3は、無線機本体の側面(無線機本体を正面から見て左側面)に設けられ、キーの上部が押下されると音量値を1段上げ、キーの下部が押下されると音量値を1段下げるように作用する。音量変更キー3は、タンブラー形状の他、上下2つに分かれたボタンでもよく、無線機本体を背面側から左右側面部を手指で保持したとき、空いている指で操作しやすい位置に配置されることが望ましい。
【0019】
ハンズフリー通話機能のオン/オフ切り替え手段4は、本実施形態では、各種操作ボタン6中の通話キー4aに設定している。この通話キー4aは、無線機1を電話機として使用するために着信や発信する際に押されるキーであり、長押しされることでハンズフリー通話機能のオン/オフを切り替えできるように設定されている。
【0020】
無線機1は、その本体正面に各種操作ボタン6及びLCD表示器7が設けられ、本体内に制御手段5、スピーカー8及びマイク9が設けられ、本体背面にベルトクリップ10及びバッテリー11が装着される。各種操作ボタン6には、電話での通話を終了するオンフックキー4b、数字キー、メニュー選択ボタン等が含まれる。無線機本体の側面には、音量変更キー3に隣接してトランシーバー機能での通話時に押されるPTT(Push To Talk)キー12が設けられている。無線機本体の上面には、ボリュームつまみ2に隣接してアンテナ13が設けられている。LCD表示器7には、ボリュームつまみ2、音量変更キー3のいずれの操作によっても音量値が表示され、また、ハンズフリー通話機能のオン/オフも表示される。
【0021】
図2は、無線機1の制御手段5の音量変更に関わる概略構成を示す。図2において、制御手段5は、CPU51、無線機動作や音量変更処理のプログラム、音量値を含むユーザの設定等を記憶したROM(read only memory)、RAM(random access memory)などから構成されるメモリ52、音量変更のためのコーデックIC53等により構成される。CPU51は、音量変更処理として所定の周期で、ボリュームつまみ2、音量変更キー3、及び通話キー4a(ハンズフリー通話機能のオン/オフ切り替え手段4)の状態を監視し、無線機1のハンズフリー通話機能のオン/オフに応じて、ボリュームつまみ2又は音量変更キー3の操作量に基づき音量値を増減し、コーデックIC53に通知し、スピーカー8に出力する。
【0022】
詳細には、CPU51は、ハンズフリー通話機能がオン時の、ボリュームつまみ2によって変更する第1音量値と、ハンズフリー通話機能オフ時の、音量変更キー3によって変更する第2音量値を持ち、各音量値に対応したコーデックIC53のレジスタ値に変換し、コーデックIC53に通知することで、スピーカー8から出力される音の大きさが変わる。
【0023】
第1音量値は、つまみの回転角度に応じた音量値をCPU51が逐次直接見ており、また、第2音量値は、メモリ52に記憶されている。
【0024】
ここに、無線機1は、トランシーバー機能使用時にはハンズフリー通話機能がオンとなり、電話機能使用時にはハンズフリー通話機能がオフとなることを基本動作として設定されている。そして、ハンズフリー通話機能がオンの時は、無線機本体上面のボリュームつまみ2の操作による第1音量値の変更を可能とし、ハンズフリー通話機能がオフの時は、自動で無線機本体側面の音量変更キー3に切り替え、それによる第2音量値の変更を可能とする。
【0025】
また、上記の基本動作とは異なる動作として、ハンズフリー通話機能のオン/オフは、通話中に通話キー4aを長押しすることによって切り替えることができ、通話が終了すると、待ち受け状態に移行し、再びトランシーバー機能あるいは通話機能による通話が開始されたときに、自動的に基本動作に戻るようにすることができる。なお、ここでの通話の終了とは、例えば、トランシーバー機能使用時では送信/受信がない状態で所定の時間経過した場合とし、電話機能使用時には電源(オンフック)キー4bを押下した場合、または通話が切断された場合としてもよい。例えば、トランシーバー機能使用時の基本動作がハンズフリー通話機能オンの場合、通話キー4aの長押しによって、ハンズフリー通話機能をオフし、ハンズフリー通話機能オフの状態で、通話が終了すると、基本動作に自動的に戻ることで、再度、トランシーバー機能による通話が開始されたときにハンズフリー通話機能オンとすることができる。
【0026】
また、使用者がトランシーバー機能を使用するために、PTT(Push To Talk)キー12を押している間は、CPU51はハンズフリー通話機能がオンと判断する。また、使用者が電話機能を使用するためにテンキーを操作した段階で、ハンズフリー通話機能がオフとなるように設定することができる。
【0027】
図3は、ボリュームつまみ2の操作による第1音量値変更動作を示す。図3において、CPU51は、定期的にボリュームつまみ2からの入力電圧をAD変換し、ボリュームつまみ2が回転操作されると、入力電圧値がAD変換され(#1)、変換値に従って第1音量値を更新する(#2)。ハンズフリー通話機能がオンの場合(#3でON)、CPU51は更新した第1音量値をコーデックIC53のレジスタ値に変換し(#4)、これをコーデックIC53に通知し(#5)、第1音量値の変更を行う。ハンズフリー通話機能がオフの場合(#3でOFF)、CPU51は更新した第1音量値をコーデックIC53に通知せず、音量の変更を行わない。
【0028】
図4は、音量変更キー3の操作による第2音量値変更動作を示す。図4において、使用者が音量変更キー3を押下した場合(#11)、CPU51はハンズフリー通話機能のオン/オフ状態を監視しており、ハンズフリー通話機能がオンの場合(#12でON)、CPU51は音量変更キー3の押下による第2音量値の変更処理を行わない。ハンズフリー通話機能がオフの場合(#12でOFF)、CPU51は音量変更キー3の押下による音量変更処理を行う。音量変更処理では、CPU51はメモリ52に記憶している第2音量値を+1、又は-1し(#13)、更新した第2音量値をコーデックIC53のレジスタ値に変換し(#14)、これをコーデックIC53に通知し(#15)、音量の変更を行う。
【0029】
上述したように、無線機1は、トランシーバー機能使用時はハンズフリー通話機能がオン、電話機能使用時はハンズフリー通話機能がオフであることを基本動作としているので、ハンズフリー通話機能オン時(トランシーバー機能使用時)は、ボリュームつまみ2の回転角度に応じて第1音量値の変更を行うが、音量変更用キー3による操作は受け付けない。また、ハンズフリー通話機能オフ時(電話機能使用時)は、電話通話開始時に自動的に音量変更キー3の操作が有効となり、その押し下げ操作を受け付けて第2音量値を変更するが、ボリュームつまみ2の回転操作では回転角度に応じた第1音量値に更新するが、音量の変更は行われない。
【0030】
音量変更手段としてボリュームつまみしか有していない従来の無線機では、無線機を耳に当てて通話する時に音量変更を行うには、無線機を持っていない手をボリュームつまみまで伸ばしてつまみを回す必要があり、その操作は容易ではない。それに対し、本実施形態の無線機1によれば、電話機として無線機1を耳に当てて通話する時、自動で音量変更手段が音量変更用キー3に切り替わるので、無線機1を持っている手の指でキー3を押し下げすればよく、その操作は簡単になる。また、トランシーバーとして無線機1を顔から離して通話する時の音量値の変更は、ボリュームつまみ2を回転操作すればよい。かくして、無線機1を耳に当てて通話する時も無線機1を顔から離して通話する時も、音量値の変更操作が容易になる。
【0031】
以下に、図5を参照して、無線機1の制御手段によるハンズフリー状態の遷移例を説明する。図5において、無線機1は、その電源が投入されると待ち受け状態となり、ハンズフリー通話機能がオン(以下、ONと記す)となる(#30)。この待ち受け状態では、ボリュームつまみ2の操作は有効であるが、音量変更キー3(図5では側面キーと記す)の操作と、通話キー4a(オン/オフ切り替え手段4)の長押し操作は無効とされる。待ち受け状態から、PTTキー12を押下して無線送信すると(#31)、トランシーバー機能としてハンズフリー通話機能ONのトランシーバー機能による無線通話状態となる(#32)。
【0032】
このトランシーバー機能による無線通話状態では、ボリュームつまみ2の操作による第1音量値の変更が可能である(#33)。この状態で通話キー4aが長押しされると(#34)、トランシーバー機能による無線通話状態のままハンズフリー通話機能がオフ(以下、OFFと記す)に切り替わる(#35)。この状態では側面キーの操作による第2音量値の変更が可能である(#36)。トランシーバー機能による無線通話状態でPTTキー12の押下を止めると無線通話を終了し(#37)、待ち受け状態に戻る。無線機1が待ち受け状態で無線着信したときも(#38)、ハンズフリー通話機能ONのトランシーバー機能による無線通話状態となる(#32)。
【0033】
無線機1が待ち受け状態(#30)で電話番号を入力し、通話キー4aを押下して電話発信すると(#41)、ハンズフリー通話機能OFFの電話機能による電話発信状態となる(#42)。相手機から電話応答があると(#43)、ハンズフリー通話機能OFFのまま電話機能による電話通話状態となる(#44)。上記の電話機能による電話発信状態(#42)では側面キーの操作による第2音量値の変更が可能である(#45)。この電話機能による電話発信状態で通話キー4aが長押しされると(#46)、電話機能による電話発信状態のままハンズフリー通話機能ONに切り替わる(#47)。この状態ではボリュームつまみ2の操作による第1音量値の変更が可能である(#48)。
【0034】
上記のハンズフリー通話機能ONの電話機能による電話発信状態(#47)で相手機から電話応答があると(#49)、ハンズフリー通話機能ONのまま電話機能による電話通話状態となる(#50)。上記のハンズフリー通話機能OFFの電話機能による電話通話状態(#44)では側面キーの操作による第2音量値の変更が可能である(#51)。また、ハンズフリー通話機能ONの電話機能による電話通話状態(#50)ではボリュームつまみ2の操作による第1音量値の変更が可能である(#53)。ハンズフリー通話機能OFFの電話機能による電話通話状態(#44)とハンズフリー通話機能ONの電話機能による電話通話状態(#50)との間は、通話キー4aの長押し(#52)により切り替えることができる。電話機能による電話通話状態(#50)からオンフックキー4bの押下げで電話機能による電話通話状態は終了し(#54)、無線機1は待ち受け状態(#30)となる。
【0035】
無線機1が待ち受け状態(#30)で相手機から電話着信すると(#55)、ハンズフリー通話機能ONの電話機能による電話着信状態となり(#56)、ボリュームつまみ2の操作による音量変更が可能となる(#57)。この電話機能による電話着信状態(#56)で通話キー4aを押下して電話応答すると(#58)、自動でハンズフリー通話機能OFFに切り替わって電話機能による電話通話状態となる(#44)。なお、相手機も同等の無線機である場合は、無線機間での直接通話でなく、無線コントローラ(サーバ)、又はSIPサーバを介しての通話となる。また、上記はハンズフリー状態の遷移の一例であって適宜に変更することが可能である。
【0036】
本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。上記では、ボリュームつまみ2は無線機本体の上面に設けられ、音量変更キー3は無線機本体の側面に設けられた形態を示したが、トランシーバー機能と電話機能のそれぞれの機能使用時における音量値の変更操作に適した形態であれば、任意に配置構成することができる。また、ハンズフリー通話機能のオン/オフ切り替え手段4として、上記では各種操作ボタン6中の通話キー4aの長押しにより行う形態を示したが、これに限られることなく、任意に構成することができる。
【0037】
また、無線機1は、基本動作から設定を変更することにより、トランシーバー機能のみとし、又は電話機能のみとするものであっても構わない。また、音声出力がスピーカーに替えてイヤホンジャックから出力する構成を備えていて、イヤホンジャックから音声出力する時は、音量変更手段の切り替えは行なわず、ボリュームつまみ2による第1音量値の変更操作のみを有効とすればよい。
【符号の説明】
【0038】
1 無線機
2 ボリュームつまみ
3 音量変更キー(側面キー)
4 ハンズフリー通話機能のオン/オフ切り替え手段
4a 通話キー(オン/オフ切り替え手段)
4b オンフックキー
5 制御手段
51 CPU
52 メモリ
53 コーデックIC
6 各種操作ボタン
7 LCD表示器
8 スピーカー
9 マイク
10 ベルトクリップ
11 バッテリー
12 PTTキー
13 アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5