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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174776
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】未来型家系図構築システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092796
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】515081936
【氏名又は名称】鈴木 心光
(74)【代理人】
【識別番号】100123489
【弁理士】
【氏名又は名称】大平 和幸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 心光
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】多岐にわたる属性を有する個人情報に基づいて、各個人の画像データを含む家系情報を、効率よく総合的に管理する。
【解決手段】インターネットに接続する端末とサーバを有し、該端末のブラウザからサーバ上のデータを出力できるシステムであって、個人毎に、種々の属性を有するデータについて、各属性を関連付けて管理するためのシステムであって、個人毎の基本データを記憶した個人別基本データベースと、属性に基づいて区分した管理データを、個人毎の基本データに関連付けて記憶した属性別データベースと、個人毎の基本データ及び管 理データを入力するデータ入力手段と、入力された検索条件を取得する検索条件取得手段と、個人別基本データベース及び属性別データベースを参照して、取得した検索条件に合致するデータを抽出するデータ抽出手段と、抽出したデータを、その関連を明示して出力する出力手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続する端末とサーバを有し、該端末のブラウザからサーバ上のデータを出力できるシステムであって、
個人毎の基本データを記憶した個人別基本データベースと、
属性に基づいて区分した、遺言書および/または遺言動画を含む管理データを、前記個人毎の基本データに関連付けて記憶する属性別データベースと、
前記個人毎の基本データ及び前記管理データを入力するデータ入力手段と、
本人を起点として親・本人・子の親子3代のデータを入力するデータ入力手段と、
該親子3代のデータに基づき、親子3代分の家系図を出力する手段と、
本人との距離を本人を起点として親等数により数値化する手段と、
入力された検索条件を取得する検索条件取得手段と、
前記個人別基本データベース及び前記属性別データベースを参照して、前記取得した検索条件に合致するデータを抽出するデータ抽出手段と、
前記抽出されたデータを、その関連を明示して出力する出力手段と、
前記数値化により、人のノードの位置を移動させる場合にそれに連動して他人の位置を相対的位置関係を保ったまま家系図のノードを移動させて表示できる手段と
を備えたことを特徴とする未来型家系図構築システム。
【請求項2】
前記個人別基本データベース及び属性別データベースは、複数箇所に分散して多重記憶することを特徴とする請求項1の未来型家系図構築システム。
【請求項3】
前記管理データは、静止画又は動画の少なくとも一方からなる画像データ、親族関係を示す家系データ、各個人の相関関係を示す相関データ、各個人が後世に伝承すべき伝承データ、各個人の慶弔に関する慶弔データ、各個人に関連するスケジュールデータ、各個人の住所データのうちの少なくとも一つ、および遺言書または遺言動画を含む、ことを特徴とする請求項2の未来型家系図構築システム。
【請求項4】
前記出力手段により出力されるデータは、アルバム、家系図、相関図、年表及び年譜、伝承、慶弔、カレンダー、住所録、個人情報のうちの少なくとも一つである、ことを特徴とする請求項1または3のいずれか1項の未来型家系図構築システム。
【請求項5】
前記データベースへのアクセスが、個人毎および/またはグループ毎にアクセス制限をかけられるものである請求項1または3のいずれか1項の未来型家計図構築システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未来型家系図構築システムに係り、特に個人情報に基づいて、家系図に関するデータを含む家系情報を総合的に管理するための未来型家系図構築システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、写真に代表される画像データを管理するためのシステムとして種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。特許文献1に記載された技術は、未整理の写真画像を、利用者が入力する検索語または文で検索することができるようにしたものである。このDBは写真画像と文章だけで、それ以外の情報保存用には適さないという問題があった。
【0003】
また、画像データに関連付けて、家系データや自分史データを管理する紙媒体ベースのアルバムシステムも提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。しかしながら、これらは紙媒体であることから、画質の劣化や、地震、津波などによる喪失のおそれがあり、分散保存ができないなどの問題があった。
【0004】
また、特許文献3に記載された技術は、経歴や親族関係が一目でわかるアルバムや、顔が判別可能な過去帳を作成する技術である。この家系アルバムは、見開き の右又は左の頁に写真を収容し、他方の頁に写真の人物の氏名、戒名、死亡時年令、経歴、親族の続柄を示す略系図、宗派等を記載することにより、アルバムを 製作するものであるが、やはり、写真の劣化や複製、分散して保存することが難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-235910号公報
【特許文献2】特開2012-37966号公報
【特許文献3】特開平9-123637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、画像データのみならず、家系図、動画、遺言書の写しなど、個人データをインターネットに連結したサーバ上に保管し、長期間安全に保管できるデータベースとプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の未来型家系図構築システムは、個人毎に、基本情報、少なくとも3代分の家系図データ、文書、画像、動画、遺言書、遺言動画など種々の属性を有するデータについて、前記各属性を関連付けて管理するためのシステムであって、個人毎の基本データを記憶した個人別の基本データベースと、属性に基づいて区分した管理データを、前記個人毎の基本データに関連付けて記憶した属性別データ ベースと、前記個人毎の基本データ及び前記管理データを入力するデータ入力手段(キーボード、マウス、タッチパネル、 イメージスキャナ、データ読込装置と、入力された検索条件に合ったデータを取得する検索条件取得手段と、前記個人別基本データベース及び前記属性別データベースを参照して、前記取得した検索条件に合致するデータを抽出するデータ抽出手段と、前記抽出された データを、その関連を明示して出力する出力手段(表示装置、プリンタ)と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記個人別基本データベース及び属性別データベースは、複数箇所に分散して多重記憶することが好ましい。あるいはクラウドに分散して記憶させる。この際、個人情報であることから、外部の物には見れないように暗号化して記憶させることが好ましい。さらに、物理的記憶媒体(CD、DVD、MD、テープなど)に記録して複数の地域に保管することが好ましい。
【0009】
前記管理データは、親族関係を示す家系データを含む。写真および/または動画データ、各個人の相関関係を示す相関データ、各個人が後世に伝承すべき伝承データ、各個人の慶弔に関する慶弔データ(過去本人の家族の結婚式、葬儀などに出席した人のデータ、葬儀の担当住職、寺、葬儀次第、教会などのデータ含む)、各個人に関連するスケジュールデータ(法事スケジュール含む)、各個人の住所データのうちの少なくとも一つを含ませることが 可能である。これらのデータを保存しておくことにより、子供や孫が田舎の実家で親などが死亡した場合でも容易に葬儀などを実行できる。
【0010】
前記出力手段により出力されるデータは、アルバム、家系図、相関図、年表及び年譜、伝承、遺言書、遺言動画、慶弔、カレンダー、業績集、住所録、個人情報のうちの少なくとも一つであることが可能である。
【発明の効果】
【0011】
上記構成の未来型家系図構築システムでは、個人毎に、種々の属性を有するデータについて、各属性を関連付けて管理する。本システムで管理するデータは、個人毎の基本データと、属性に基づいて区分した管理データとからなり、管理データは、個人毎の基本データに関連付けられている。そして、所望の検索条件を入力すると、検索条件に合致するデータが抽出され、画面表示データや印刷データとして出力することができる。これにより、多岐にわたる属性を有する個人情報に基づいて、各個人の画像データを含む家系情報を、未来にわたって効率よく総合的に管理することが可能となる。
【0012】
また、管理するデータを分散してクラウド型に多重記憶しておけば、たとえ1箇所のデータが損傷した場合であっても、他の場所に記憶されたデータから、所望のデータを復元することができるので、データの全てを失ってしまうおそれがない。
【0013】
また、管理データとして、静止画又は動画の少なくとも一方からなる画像データ、親族関係を示す家系図データ、各個人の相関関係を示す相関データ、各個人が遺族に承継する承継データ、各個人が後世に継承すべき継承データ、各個人の慶弔に関する慶弔データ、各個人に関連するスケジュールデータを含ませるとともに、所望のデータ を出力することにより、各個人に関連したデータをさらに一層効率よく総合的に管理して利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の未来型家系図構築システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の未来型家系図構築システムにおける表紙画面の一例を示す模式図である。
図3】本発明の未来型家系図構築システムにおけるメニュー画面の一例を示す図である。
図4】本発明の未来型家系図構築システムにおける3代家系図の例を示す図である。
図5】本発明の未来型家系図構築システムにおける写真アルバムの一例を示す図である。
図6】本発明の未来型家系図構築システムにおける登録情報の登録画面の一例である。
図7】本発明の未来型家系図構築システムにおける登録情報の登録画面の続きの一例である。
図8】本発明の未来型家系図構築システムにおける遺言書の内容の一例である。
図9】本発明の未来型家系図構築システムにおける遺言書の内容の一例である。
図10】本発明の未来型家系図構築システムにおける遺言書の内容の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<システムの概要>
本発明は、個人毎に、種々の属性を有するデータについて、各属性を関連付けて管理するためのシステムである。オンラインで編集・保存ができるエンディングノートの役割も担うことができる。管理するデータは、例えば、個人毎の基本データ及び属性に基づいて区分した管理データである。管理データは、静止画又は動画の少なくとも一方からなる画像データ、遺言書の写し(電子認証システムや電子サインを利用してもよい)、遺言動画、親族関係を示す家系データ、各個人の相関関係を示す相関データ、各個人が後世に伝承すべき伝承データ、各個人の慶弔に関する慶弔データ、各個人に関連するスケジュールデータ、各個人の住所 データのうちの少なくとも一つを含んでいる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
<システムの構成>
本発明の実施形態に係る未来型家系図構築システムは、コンピュータシステム及びその周辺機器、ネットワーク回線等により接続された外部サーバなどにより構成されるシステムである。この未来型家系図構築システムは、図1に示すように、個人別基本データベース13と、属性別データベース14と、データ入力手段(キーボード、マウス、タッチパネル、イメージスキャナ、データ読込装置(図示せず))と、検索条件取得手段9と、データ抽出手段10と、出力手段(表示装置、プリンタ(図示せず))等とを備えている。
【0017】
<コンピュータシステム>
本発明の実施形態に係る未来型家系図構築システムは、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)に未来型家系図構築プログラムをインストールすることにより実現されるローカルなシステムであってもよく、インターネット上のサーバに端末からアクセスしてウェブブラウザ上で作動するシステムであってもよい。さらに端末はPCであってもよく、また、携帯情報端末、例えば、携帯電話、スマートフォン、ウエアラブルコンピュータなどであってもよい。パーソナルコンピュータは、送受信手段、中央演算手段、ROM、RAM、 HDD、入力I/F、出力I/F、検索条件入力手段、データ抽出指令手段を備えており、付帯機器として、データ入力手段であるキーボード、マウス、タッチパネル、イメージスキャナ、データ読込装置等と、出力手段である表示装置、プリンタ等を備えている。
【0018】
送受信手段は、ルータを介して、LAN接続されたNAS、ネットワークプリンタ、ネットワークイメージスキャナや、インターネットで接続されたサーバ等との間でデータの送受信を行うための機器及びプログラム等からなる。なお、データの送受信を行うための送受信回線は、有線方式であってもよいし、無線方式であってもよい。
【0019】
中央演算手段は、CPU及びキャッシュメモリ等を備えており、ROM等に記憶されたプログラム(本実施形態では、未来型家系図構築プログラム)に従ってパーソナルコンピュータ及びその付帯機器を総合的に制御するための機器からなる。ROM、RAMは半導体メモリ等からなり、プログラムデータや各種データを記憶するための機器である。HDDは、大容量記憶装置であり、各種データを記憶するための機器であり、本実施形態では、個人別基本データベース及び属性別データベースが格納されているが、HDDはローカルであっても、ネットワーク上のサーバに付属するHDDであってもよい。なお、属性別データベースは、1つに限られず、複数存在していてもよい。入力 I/Fは入力装置からのデータを受信するための電子機器であり、出力I/Fは出力装置へデータを送信するための電子機器である。
【0020】
なお、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。また、本発明のシステムは、ローカルで機能する場合だけでなく、端末からサーバにアクセスしてプログラムを動かしてデータ入力や必要なデータを出力させることも含まれる。
【0021】
本実施形態では、データを分散して多重記憶するため、HDD等を用いたRAIDシステムや、ネットワーク(インターネット等)を介して接続されたクラウドサーバ等に、個人別基本データベース及び属性別データベースを多重記憶することが好ましい。この場合、個人宅内でLAN接続された複数のパーソナルコンピュータに内蔵されたHDDやNASを用いて、各データベースを多重記憶してもよいし、インターネットを介して接続された サーバに、各データベースを記憶してもよい。一般的に、インターネットを介してパーソナルコンピュータと接続された商用の記憶サーバは、データの冗長化システムを採用しているため、データの喪失を防止するためには、商用の記憶サーバを利用するのも有用な方法である。この場合、個人情報であることを考慮すれば、高度なセキュリティを有する形態で接続するのが好ましい。例えば、VPN回線で接続したり、特殊なUSBを接続した場合のみアクセスできるような形態が好ましい。また、セキュリティの高いオンラインストーレジを用いてもよい。マイクロソフトのOneDriveのセキュリティの高いストーレジのようなシステムを利用することもできる。
【0022】
<個人別基本データベース>
個人別基本データベースは、個人毎の基本データを記憶したデータベースである。個人毎の基本データとは、個人ID、氏名、生年月日、性別、住所、ニックネーム、ペンネーム、血液型、配偶者、父親、母親、兄弟姉妹、子供、孫、各人の本人からの距離(親等数など)を表す数字、基本データにアクセスを許可する個人の氏名および住所、本籍、出生地、固定電話番号、携帯電話番号、ファクシミリ番号、メールアドレス、ホームページアドレス、出生記録(時間、体重、病院名)、星座、干支、身体測定記録、学歴、マイブーム、好物、愛好品、宗派、主たるお寺または教会、主治医、基本台帳番号、印鑑登録印影、戒名等である。 さらに、病歴、ゲノム情報、指紋、光彩、音声、手形、足形、歯の治療履歴、命名書、作品、賞状、(短い)動画等のデータを付加してもよい。
【0023】
なお、個人別の基本データは、例示したデータの内の一部のデータのみであってもよいし、他のデータを含んでいてもよい。また、年齢は、生年月日データと パーソナルコンピュータの時計機能から取得した現在日時データとに基づいて算出して表示することができる。この個人別基本データベースは、例えば、当該個人が所有するパーソナルコンピュータに内蔵したHDD等に記憶してもよく、インターネットを通じて接続されるサーバに記憶してもよい。インターネットを使用してサーバに保存する場合は、個人情報であることを考慮して、VPNなど高いセキュリティレベルの接続が好ましい。
【0024】
家系図データは、記憶のある限り本人から見て、曾祖父、高祖父母などまで延長することも可能ではあるが、本発明では、基本的に3代の家系図を作成することを基本とする。すなわち、本人、父、母、子供の3代である。この範囲であれば、通常の家庭であれば間違うことはほとんどありえないためである。
【0025】
もっと前に遡りたい場合には、父母本人、曾祖父母本人、高祖父母(生残していれば)に直接聞いて作成することが好ましい。それ以前については、各家系に記録があれば遡ることが可能であるし、お寺に記録がある場合もある。そうした家系図のない家系については、伝聞レベルの情報しかない場合もある。そのため、確実に作れる3代の家系図を基本とする。
【0026】
ただし、この3代分の家系図を連結してより多くの代の家系図を作成することも可能である。そのためには、3代家系図のマージ機能を使えば良い。このマージは手動でやってもよく、AIなどを使って自動でマージできるようにしてもよい。
【0027】
<属性別データベース>
属性別データベース14は、属性に基づいて区分した複数の管理データを、個人毎の基本データ13に関連付けて記憶したデータベースである。属性とは、データの種類を示すもので、例えば、画像データ、動画データ、親族関係を示す家系データ、各個人の相関関係を示す相関データ、各個人が後世に伝承すべき伝承データ、遺言データ、各個人の慶弔に関する慶弔データ、各個人に関連するスケジュールデータ、各個人の住所データ、その他のデータのことである。属性別データベースを構成する各データについては、後に詳述する。
【0028】
<データ入力手段>
データ入力手段は、個人毎の基本データ及び管理データを入力するための機器からなり、パーソナルコンピュータに接続したキーボード、マウス、 タッチパネル、イメージスキャナ等により構成することができる。入力画面の一例として、図2図5図10が一例としてあげられる。また、デジタルカメラ等により撮影した画像データの場合には、画像データを記憶したデータ記憶媒体(SDカード、DVD、CD、可搬型メモリ等)から、画像データを取り込むためのインターフェースをデータ入力手段として機能させてもよ い。または、画像や動画などを保存したハードディスク、フロッピーディスク、CD,DVD、MD、USBなどの記録媒体、またはカメラなどの撮影機器からのアップロードや、クラウドに保存した画像や動画をインターネット経由で取り込んでもよい。これらを取り込み、アルバム形式にして画像を整理してもよい(図5)。
【0029】
<検索条件取得手段>
未来型家系図構築プログラムは個人情報を含むので、特定の個人のデータを検索できる人は親族または一定の親等数内の個人および管理者に限る設定とするのが好ましい。しかし、氏名および/または住所までは本人の意志により、データベース上に存在するかどうかは検索で調査できるように設定できるようにしてもよい。そのためには、検索データベース上の氏名および/または住所を検索可能または不可能に設定できるようにすればよい。
【0030】
本人がデータベース上での存在そのものを知られたくない場合には、検索にはヒットしないように設定し、本人がアクセス可能なメンバーのID、メールアドレスまたは氏名と住所等を入力することにより、そのメンバーに、本人データにアクセス可能になるようにしてもよい。遺言書の写しや遺言動画などデータによっては、存命中はアクセスできないようにロックし、死亡が確認された後、特定の個人にのみ閲覧可能にしてもよい。死亡の確認は、医師の死亡診断書などをシステムの管理者に提出することなどによりすることができる。遺言書、遺言動画などのデータは、電子認証による本人署名、記録日付の証明を付し、改竄できないようにロックすることが好ましい。ブロックチェーン技術を用いて改竄できないようにしてもよい。将来的に電子認証による遺言書が法律的に認められるようになれば、その法律にしたがってシステムを構築し、本発明のシステムを法律的に有効な遺言も含むシステムにしてもよい。さらに、父母の遺言書、生前贈与の記録、銀行通帳、不動産売買契約書、不動産に関する契約書類(境界に関する合意書など)も父母のフォルダに保管しておけば、後に不動産売買時に取引がスムーズにでき、財産分与でも持ち分の確定が容易にできるというメリットがある。
【0031】
さらに、IDによりアクセス権限を設定する場合、相続権を有する人のみ、同居の家族、3親等内の親族、4親等以上の遠い親族、親友、保証人(または連帯保証人)、債権債務者など目的に応じて、アクセスできるデータの範囲を設定できるようにしてもよい。
【0032】
さらに、個人ごとにアクセス可能なデータを指定できるようにしてもよい。それには、例えば、本人の管理画面で、メンバー毎にデータリストを表示し、そこにチェックボックスなどを設け、メンバー毎にアクセス可否をチェックして設定できるようにすればよい。そのための手段としては、保存領域のディレクトリを階層式にし、階層毎にアクセス権限を設定することもできる。最も浅い階層が氏名(および/または住所)の階層であり、この部分のみ検索でヒットできるように設定し、検索でヒットした場合、本人に連絡して、閲覧可能なデータを拡張してもらうよう交渉することができる。
【0033】
検索システムにアクセスするには、その権限を有するIDでログインする必要がある。検索条件取得手段は、入力された検索条件を取得するためのプログラムからなる。この検索条件取得手段は、未来型家系図構築プログラムの要素である。具体的には、端末であるパーソナルコンピュータに接続された表示装置の表示画面に、検索条件の入力画面を表示し、利用者がデータ入力手段を用いて検索条件となるデータを入力すると、当該入力データを未来型家系図構築プログラムにおける検索条件として取得する。その検索条件にヒットしたデータを、ローカルまたはサーバから取得して表示する。
【0034】
本発明の家系図構築プログラムは本人を起点として親等数により数値化することで、本人との距離を数値化してもよい。例えば、1親等を1、2親等を2などとし、さらに、必要に応じて、1.1、1.2等と各人に割り振ることで、本人との近さを表すこともできる。
【0035】
距離を数値化することで、各人のノードを動かしても相対的な位置関係をノードの距離で表すことができる。さらに、過去と未来をプラスとマイナスの数値とすることで、本人よりも過去の世代と未来の世代とで位置関係をつけることができる。これらの数値を入れておけば容易に家系図を作成できる。3代家系図の一例を図4に示す。
【0036】
また、人の位置を動かした場合でも、それに連動して、他人の位置も相対的位置関係を保ったままノードの位置を変更することができる。さらに、本人が、親の場合、子の場合、孫の場合でも親等数を自動的に再計算することで未来に向けて無限に延長できるという利点を有する。そして例えば、-1の位置にいる子供が家系図を引きついだ場合、自分を0とし、過去の世代はそれぞれ+1が追加される。孫が引き継いだ場合は、各人の数値に+2が追加されるようにすれば、将来にわたって連続的に家系図を容易に継続して作ることができる。
【0037】
この場合、複雑化を避けるために甥っ子や姪っ子は家系図には表示しないようにしてもよい。あるいは、甥っ子などについては、1.1または1.01などと小数点で表示するようにしてもよい。そのさらに後代には、1.11または1.011などと番号を割り振ってもよい。
【0038】
また、子供や孫が結婚することで、従来無関係であった家系が連結する場合も想定されるが、その場合も、配偶者の親等数のデータから連結し、家系図を統合することができる。
【0039】
本人を家系図ツリーの中心におき、父母を上側、子供を下側に記載するのが好ましい。本人や子供を一番下に入れるのが一般的な家系図であるが、本人を一番上に置き、そこから下に向かってツリーが伸びるようにしてもよい。つまり、一般的には、家系図は自分から過去の家系を見るものであるが、自分を上に持ってくることで、子供や孫をさらに上に持ってくることができ、未来型家系図としては過去が下に来る形になり、今が一番重要な位置にできる。
【0040】
他人が家系図を見ることができるかどうかを設定できる。名前で検索し、相手に直接見れるようにできるかの問い合わせを1クリックでできるようにしてもよい。相手が承認すれば、その家系図を見、自分の家系図と連結できる人がいれば、連結してよいか、相手に問い合わせでき、問題なければ家系図を連結できる仕様にしてもよい。
【0041】
<データ抽出手段>
データ抽出手段10は、個人別基本データベース及び属性別データベースを参照して、検索条件取得手段により取得した検索条件に合致するデータを抽出するためのプログラムからなる。このデータ抽出手段は、例えば、未来型家系図構築プログラムの要素である。具体的には、未来型家系図構築プログラムの機能により、検索条件として入力されたデータに基づいて、個人別基本データベース13及び属性別データベース14にアクセスし、入力された条件と一致するデータを抽出する。
【0042】
<出力手段>
出力手段は、抽出されたデータを、その関連を明示して出力するための機器からなる。この出力手段は、例えば、パーソナルコンピュータに接続された表示装置、プリンタ、記録媒体書込装置などにより構成される。また、データの関連を明示して出力するとは、例えば、個人を特定するデータと、 家系、相関関係、伝承、慶弔、スケジュール、住所等を関連付けて、その関係が解るように出力することをいう。出力されたデータは、表示装置の表示画面に表示したり、プリンタにより印刷したり、DVD、CD、可搬型メモリ等からなる記憶媒体に記憶したりする。
【0043】
<管理データの構成>
上述したように、管理データは、属性に基づいて区分したデータを、個人毎の基本データに関連付けて構成したデータである。具体的には、図1に示すように、画像データ、親族関係を示す家系データ、各個人の相関関係を示す相関データ、各個人が後世に伝承すべき伝承データ、各個人の慶弔に関する慶弔データ、各個人に関連するスケジュールデータ、各個人の住所データ等が管理データとなる。
【0044】
<画像データ>
画像データは、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等により撮影した写真データ又は動画データ、イメージスキャナから取り込んだスキャニングデータ、記録媒体から取り込んだ画像に関する種々のデータからなる。この画像データには、画像ID、データ取得日時(撮影日時)、ファイルの種類、ファイルのサイズ、設定データ(デジタルカメラの設定値)、画像の内容、所有者ID(撮影者ID)、その他の関連情報等、種々のデータを含ませることができる。画像データを構成する種々のデータを他のデータと連携させて、所望のデータを抽出することができる。これらはメニューから画像や動画を選択することで容易に閲覧することができる。写真については、ウェブ上のアルバムのように構成してもよい。また、アルバムは何冊でも設定でき、時期毎、イベント毎、学年毎などにまとめることができる。
【0045】
<家系データ>
家系データは、個人別の基本データを拡張したデータであり、各個人の家系的繋がりを示すデータである。したがって、家系データを個人別の基本データに含めることもできる。この家系データには、家系ID、家系的繋がりがある個人ID、各個人IDの家系的繋がりを表す識別値(各個人間の親等数)、各個人の顔画像の画像ID、その他の関連情報等、種々のデータを含ませることができる。本発明においては、基本的に、本人、兄弟姉妹、両親、子供の3世代のデータを主な入力項目とする。この範囲であれば、間違える可能性が非常に低いので、信頼性の高い家系図が作成できるからである。家系データを構成する種々のデータを他のデータと連携させて、所望のデータを抽出することができる。特に、家系データを用いることにより、各個人の顔写真等を含む家系図を作成することができる。
【0046】
<相関データ>
相関データは、個人別の基本データを拡張したデータであり、各個人の相関関係(友人・知人関係、取引関係等)を示すデータである。したがって、相関データを個人別の基本データに含めることもできる。この相関データには、相関ID、相関関係がある個人ID、各個人IDの相関関係を表す識別値、各個人の顔画像の画像ID、その他の関連情報等、種々のデータを含ませることができる。相関データを構成する種々のデータを他のデータと連携させて、所望のデータを抽出することができる。特に、相関データを用いることにより、各個人の顔写真等を含む相関図を作成することができる。相関データの作成には人工知能(AI)を用いて共通点の多い人を総監候補として表示できるようにしてもよい。これには、種々のSNSなどで、友達かも、と表示されるのと類似のプログラムを用いてもよい。
【0047】
<伝承データ>
伝承データは、個人別の基本データを拡張したデータであり、各個人が後世(他人)に伝えるべき各種のデータからなる。したがって、伝承データを個人別の基本データに含めることもできる。この伝承データには、伝承ID、個人ID、伝承内容(家紋、家訓、秘伝、承継事項等)、その他の関連情報等、種々のデータ を含ませることができる。伝承データを構成する種々のデータを他のデータと連携させて、所望のデータを抽出することができる。特に、伝承データを用いることにより、各個人が後世(他人)に伝えたい各種の情報を提供することができる。
【0048】
<慶弔データ>
慶弔データは、個人別の基本データを拡張したデータであり、慶弔費管理台帳として用いることができる各種のデータからなる。したがって、慶弔データを個人別の基本データに含めることもできる。この慶弔データには、慶弔ID、自らの個人ID、対象となる相手の個人ID、支払った祝金額、香典額、墓地の位置データ(GPSデータ)、墓地の画像データ又は画像ID、その他の関連情報等、種々のデータを含ませることができる。慶弔データを構成する種々のデータを他のデータと連携させて、所望のデータを抽出することができる。特に、慶弔データを用いることにより、各個人と交友関係にある人の慶弔費等を管理すること ができる。
【0049】
<スケジュールデータ>
スケジュールデータは、個人別の基本データを拡張したデータであり、カレンダー管理等に用いることができる各種のデータからなる。したがって、スケジュールデータを個人別の基本データに含めることもできる。このスケジュールデータには、スケジュールID、個人ID、誕生日、記念日、法事日、進学日、親族・ 友人・ペットの誕生日、世界・日本国における行事予定、その他の関連情報等、種々のデータを含ませることができる。スケジュールデータを構成する種々のデータを他のデータと連携させて、所望のデータを抽出することができる。特に、スケジュールデータを用いることにより、各個人の予定を管理することができ る。
【0050】
<住所データ>
住所データは、個人別の基本データを拡張したデータであり、住所録管理に用いることができる各種のデータからなる。したがって、住所データを個人別の基本データに含めることもできる。この住所データには、住所ID、個人ID、友人・知人等の住所、友人・知人等の電話番号、年賀状や挨拶状等のスキャニングデータ、その他の関連情報等、種々のデータを含ませることができる。住所データを構成する種々のデータを他のデータと連携させて、所望のデータを抽出することができる。特に、住所データを用いることにより、年賀状や暑中見舞の送付管理等を行うことができる。なお、住所データは、葉書印刷ソフトに代表される住所録管理ソフトのデータとリンクさせてもよい。一般的に、葉書印刷ソフト等の住所録管理ソフトは、出力データの形式としてcsv方式を選択することが可能である。したがって、csv方式で出力された住所データを取り込むことにより、本発明における住所データを容易に作成することができる。
【0051】
<出力画面>
本発明の実施形態に係る未来型家系図構築システムでは、検索条件取得手段及びデータ抽出手段の機能により、所望のデータを取り出すことができる。抽出するデータの内容は、入力する検索条件により異なるが、上述したように、アルバム、家系図、相関図、伝承図、慶弔記録表、スケジュール管理表、住所録等、種々のデータを出力することができる。
【0052】
図2は、本発明のシステムの表紙画面を示すものである。ここのさん本線などから目次(項目)を表示させることができる(図4)。各項目を選択し、例えば家系図(図4)、アルバム(図5)などを表示させることができる。最初に図6の登録画面から自分の登録情報を入力する。登録情報としては、例えば、姓名、ふりがな、国籍、ニックネーム、生年月日、戸籍、性別、利き腕、好きな言葉・座右の銘、学歴(保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、大学院、専門学校など)、就職先の企業名、役職履歴、出生地住所、出生時間、現住所、メールアドレス、ID、パスワードなどが挙げられる。
【0053】
図4の家系図では、特定の個人の家系について、親族関係を一覧表示している。これにより、特定の個人について、親族関係及びその詳細が一目瞭然となり、各個人の記憶のみに頼ることなく、容易に親族関係を知ることができる。他の図表においても、同様に、容易かつ確実にデータ管理を行うことができる。
【0054】
毎年一定時期に、本発明のシステムを管理する管理者から、自動的にメールアドレス宛に挨拶状を送付し、その開封通知があればそのままデータベースを維持し、開封通知が届かない場合は、その後、2日目、5日目、14日目、30日目まで開封通知があるまでメールを自動送信する。30日目のメールを送信して7日以内に開封通知が返送されない場合は、自動的にはがきまたは手紙の印刷を要求するアラームが表示され、これに基づいて、本人住所にはがきまたは手紙を送付するか、電話または訪問などにより存命確認を行うことができる。この連絡の頻度は、適宜利用者の状況により変更してよい。認知症の可能性がある場合は、その親族や成年後見人宛てにメールを送るようにしてもよい。また、ガンや老衰などで死期が近い可能性のある利用者に対してはより高頻度に連絡するようにメールの送信頻度や連絡頻度を設定してもよい。電話は自動音声の電話をシステムから発信するようにしてもよい。
【0055】
遺言書については、特別文書として入力する。入力項目は、例えば、土地、建物、預貯金、現金、貴金属、株式、車、などの財産を誰(配偶者、子など)にどれだけ相続するか、を記載する。可能であれば、電子署名あるいは、画面上で自筆で署名する。必要により、別途公証役場で公正証書を作成するなどして、その写しを本発明のシステムに保管してもよい。
【0056】
もし、本人の死亡が確認された場合、あらかじめ本人からの申請による親族に必要なデータにアクセス可能にする。これは管理者が個別に解除してもよく、あるいは、本人が存命中に設定しておき、死亡したことが確認された時点で一括してメンバーのレベルに応じて解除できるようにしてもよい。
【0057】
本発明の未来型家系図構築システムはインターネット上のお墓の役割も果たす。お墓の位置をGPSデータで記憶し、本物のお墓と連動させてもよい。
【0058】
また、本発明の未来型家系図構築システムを銀行の口座と連動させ、死亡を入力することにより、すべての銀行口座や郵便貯金、投資口座、カードなどを凍結させることができるようにしてもよい。
【0059】
さらに、銀行の貸金庫キーが電子ロックシステムになっている場合は、死亡入力と同時に電子ロック解除が指定した親族により可能となるように設定してもよい。あるいは、死亡入力により、本人の指定した相続人に銀行から連絡が行き、貸金庫を開錠できるキーやカードなどを直接受け取るか、キーとカードなどの貸金庫の開錠手段が郵送されるように設定してもよい。
【0060】
本発明の永劫回帰における意味
過去世の記憶を持ったまま生まれてくる人がいることが報告されている。その場合に、本発明のデータベースがあれば、過去世での体験をより正確に思い出せるという効果がある。将来的に人間が生まれ変わる(輪廻転生)が証明される可能性もある。その場合に、過去の記録があれば、より詳細に検証できると考えられる。
【0061】
また、将来生まれ変わった際に、現在の自分が伝えたいことを文書や動画で保存しておくことも可能である。本発明は、時代に応じてデータを最新の保存形式にアップグレードするので、数百年後でも再生可能である。
【0062】
また、現状、家系図を作る場合、その資料を探そうとすると、官公庁の戸籍か、お寺の過去帳で見るしかない。しかしながら、戸籍謄本の保存期間は80年~150年と言われ、それ以上あとの子孫が家系図を作ろうとすると非常に困難である。しかし、本発明の家系図を永続させるシステムによれば最低200年以上データを保管するので、会員である限り未来永劫にわたって自然に家系図ができて行くという効果がある。
【符号の説明】
【0063】
1.端末
2.ネットワーク回線
3.インターネット
4.サーバ
5.認証手段
6.顧客情報取得手段
7.家系図描画手段
8.認証DB(データベース)
9.検索手段
10.データ抽出手段
11.データ送信手段
12.スケジュール算出・管理手段
13.顧客情報基本情報DB
14.属性別DB
図1
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