(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174781
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】セリサイトを配合した石鹸、洗顔料、ボディーソープ、シェービングフォームおよび、石鹸等の製造方法
(51)【国際特許分類】
C11D 9/20 20060101AFI20241210BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20241210BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
C11D9/20
C11D17/08
A61K8/25
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023104545
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】519332818
【氏名又は名称】福田 美幸
(72)【発明者】
【氏名】福田 美幸
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB441
4C083AB442
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD21
4C083DD23
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE06
4C083EE10
4C083EE12
4C083FF04
4H003AB03
4H003DA02
4H003EA27
4H003ED02
4H003FA17
(57)【要約】
【課題】本発明は泡立ちが良く、肌の毛穴汚れや古い角質、過剰な皮脂を取り除きつつ、洗い上がりがマイルドで、シェービング時に使用すると摩擦によるカミソリ負けを防ぐ効果を持つ石鹸、ボディーソープ、シェービングフォームを開発することを目的とする。
【解決手段】本発明の石鹸は、石鹸組成物にセリサイトを混合したものであり、例えば固形石鹸、洗顔料、ボディーソープ、シェービングフォーム等を挙げることができる。石鹸液を作る際、セリサイト(別名、マイカ・絹雲母)の重量を、石鹸組成物のひとつである油脂の重量に対して望ましくは0.6~0.7%配合し、所定期間熟成させて石鹸を製造する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セリサイトを含有することを特徴とする石鹸。
【請求項2】
セリサイトを含有することを特徴とする洗顔料。
【請求項3】
セリサイトを含有することを特徴とするボディーソープ。
【請求項4】
セリサイトを含有することを特徴とするシェービングフォーム。
【請求項5】
セリサイト含有する石鹸液を造り、前記石鹸液を容器に入れて熟成させる工程を含むことを特徴とする石鹸等の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパウダー状のセリサイト(別名、マイカ・絹雲母)という主に化粧用ファンデーションの主原料として使用されている成分を石鹸に配合することにより、泡立ちが良く、肌の毛穴汚れや古い角質、過剰な皮脂を取り除きつつ、洗い上がりがマイルドで、シェービング時に使用すると摩擦によるカミソリ負けを防ぐ石鹸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石鹸の泡立ちや毛穴汚れの除去を目的としたクレイ(泥)石鹸や、スクラブ石鹸が存在する。これらは脂性肌や顔の部分的な洗浄には効果的だが、一般的な肌質や敏感肌の人が使用すると必要以上に肌の油分が吸い取られ、洗い上がりが突っ張ったり、スクラブの刺激により肌を痛めるという欠点がある。また、洗顔と同時に髭剃りを行うケースも多くあるが、通常の石鹸では十分な摩擦軽減の効果は得られず、カミソリ負けをする場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記のような肌の毛穴汚れを除去しつつ、必要な油分は残したまま洗い上げて肌への負担が少なく、しかも、カミソリ負けを防ぐ効果を持つ石鹸を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、この様な状況を鑑み、肌の細かい毛穴汚れや古い角質、過剰な皮脂を取り除きつつ、肌への刺激を抑え、洗い上がりが突っ張らないであろう成分を多数試した結果、セリサイト(別名、マイカ・絹雲母)を適量配合した石鹸が、このような効果をもたらすことを見出し、発明を完成させるに至った。
(1)セリサイト(別名、マイカ・絹雲母)の重量が、石鹸組成物のひとつである油脂の重量に対して望ましくは0.6~0.7%含有されることを特徴とする石鹸および、洗顔料、ボディーソープ、シェービングフォーム。
(2)苛性ソーダを使用して石鹸液を作る際、油脂を量る前にセリサイト(別名、マイカ・絹雲母)をボウルに量り入れ、その後、所定量の油脂と混ぜることで、細かい粒子が材料に均一に混ざり、より一定の効果をもたらすことが期待できる。詳しく述べると、石鹸液は強アルカリ性のため、アルカリに弱い材料を混ぜる場合は材料の変質を避けるため、製造手順の最後に混ぜるが、セリサイトはアルカリで変質することが無いため、製造手順の最初から混ぜ込むことで、パウダーが均一に分散された石鹸液を製造することができる。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、泡立ちが良く、肌の毛穴汚れや古い角質、過剰な皮脂を取り除きつつ、洗い上がりがマイルドで、シェービング時に使用すると摩擦によるカミソリ負けを防ぐ効果を持つ石鹸を提供することができる。
(1)使用するセリサイトは平均粒子径10μm前後という細かい粒子のため、肌への負担が少なく細かい毛穴の汚れを除去し、肌を清潔に保つことができる。
(2)セリサイトの微粒子が石鹸の泡に密着することで、ふんわりと軽い泡を作り上げるのと共に、その泡が持続するのを助ける。それにより、肌に負担を掛けることなく、泡で優しく洗浄することが可能となる。
(3)セリサイトはクレイ(泥)と比較すると、過剰に皮脂を吸着することが無いため、洗い上がりが突っ張るような影響を及ぼしづらい。
(4)セリサイトは昔、繊維工場で糸が機械との摩擦で切れるのを防ぐための緩衝材としても使われていたことがあるように、カミソリと肌の間で緩衝材となり、カミソリ負けを防ぐ効果が期待できる。
(5)特に愛知県北設楽郡東栄町産のセリサイトは海外産の物と比べると純度が高く、粒子も細かいため、肌への負担が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】セリサイトを含有する固形石鹸の製造方法の一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(1)本発明の石鹸の必須成分であるセリサイト
本発明の石鹸は、セリサイト(別名、マイカ・絹雲母)の重量が、石鹸組成物のひとつである油脂の重量に対して望ましくは0.6%~0.7%含有することを特徴とする。これ以上のセリサイトを含有すると、摩擦による肌への負担になる場合があり、これより少ない含有量では十分な効果が期待出来ない。
【0008】
(2)本発明の石鹸は中和法(コールドプロセス製法)を使用し、油脂の重量に対して水分25~35%、けん化率85~92%で製造することが望ましい。苛性ソーダを使用して石鹸液を作る際、油脂を量る前にセリサイト(別名、マイカ・絹雲母)をボウルに量り入れ、その後、所定量の油脂と混ぜることで、細かい粒子が材料に均一に混ざり、より一定の効果をもたらすことが期待できる。
【実施例0009】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
図1は、上記セリサイトを含有した固形のセリサイト含有石鹸の製造方法にかかる工程図である。この石鹸は、石鹸組成物にセリサイトを混合したものであり、例えば固形石鹸、洗顔料、ボディーソープ、シェービングフォーム等を挙げることができる。本実施形態においては、一例として固形石鹸を詳しく説明するが、本発明は固形石鹸に限定されるものではなく、その他、液体石鹸、粉状石鹸、ジェル状石鹸、クリーム状の石鹸にも適用可能であることはもちろんである。
(5)(2)のオイルと(4)の苛性ソーダ水が、それぞれ40~45℃位になったら、オイルの入ったボウルに少しずつ苛性ソーダ水を加え、ボウル内の石鹸液がカスタードクリーム状になるまで泡だて器等を使い、混ぜる。