IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社スタディストの特許一覧

特開2024-174799人材育成を支援するためのプログラムおよび装置
<>
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図1A
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図1B
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図1C
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図1D
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図1E
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図1F
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図1G
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図1H
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図2
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図3
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図4
  • 特開-人材育成を支援するためのプログラムおよび装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174799
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】人材育成を支援するためのプログラムおよび装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/105 20230101AFI20241210BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G06Q10/105
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206721
(22)【出願日】2023-12-07
(62)【分割の表示】P 2023092554の分割
【原出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】510130239
【氏名又は名称】株式会社スタディスト
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悟史
(72)【発明者】
【氏名】エルドーシュ バーリント
(72)【発明者】
【氏名】金澤 実
(57)【要約】
【課題】人材育成を支援するためのプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明のプログラムは、装置において実行され、前記装置は、前記装置の動作を制御するプロセッサ部を備え、前記プログラムは、表示されるべき作業マニュアルを特定することであって、前記作業マニュアルは、コンテンツを備える、ことと、前記作業マニュアルの前記コンテンツを第1の再生モードで再生することと、前記作業マニュアルの前記コンテンツの前記第1の再生モードでの再生を終了した後に、前記作業マニュアルの前記コンテンツを前記第1の再生モードと異なる第2の再生モードで再生することであって、前記第2の再生モードでは、少なくとも所定の期間の間、前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生が自動的に一時停止される、こととを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【選択図】図1G
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人材育成を支援するためのプログラムおよび装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マニュアルを使用した指導方法が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】株式会社テンダ、“仕事の指導を効率よくするなら!効果的なマニュアル作成がカギ”、[online]、[令和5年5月30日検索]、インターネット<URL:https://tepss.com/column/2017/09/21/284/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、トレーナーがマニュアルを使用して研修者を指導する場合において、研修者がマニュアルを読んでマニュアルの内容を「理解」できたと思っていても、実際には、研修者がマニュアルの内容を「実践」できないことが多くあった。その結果、トレーナーは、結局、研修者を付きっきりで直接指導する必要があるため、トレーナーの負担を軽減することができないという実情があった。このため、せっかくマニュアルを整備しても、そのマニュアルを効果的に利用することができていないという問題点があった。
【0005】
本発明は、人材育成を支援するためのプログラムおよび装置を提供することを目的とし、特に、マニュアルの内容の「理解」を促すとともにマニュアルの内容の「実践」を支援することを可能にするプログラムおよび装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、人材育成を支援するためのプログラムであり、前記プログラムは、装置において実行され、前記装置は、前記装置の動作を制御するプロセッサ部を備え、前記プログラムは、表示されるべき作業マニュアルを特定することであって、前記作業マニュアルは、コンテンツを備える、ことと、前記作業マニュアルの前記コンテンツを第1の再生モードで再生することと、前記作業マニュアルの前記コンテンツの前記第1の再生モードでの再生を終了した後に、前記作業マニュアルの前記コンテンツを前記第1の再生モードと異なる第2の再生モードで再生することであって、前記第2の再生モードでは、少なくとも所定の期間の間、前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生が自動的に一時停止される、こととを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【0007】
本発明の一実施形態では、前記第2の再生モードでは、前記作業マニュアルの作業が実践されるべき制限時間が存在し、前記制限時間中、前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生が一時停止され、前記第1の再生モードでは、前記制限時間が存在しなくてもよいし、前記制限時間が存在する場合に前記制限時間が考慮されなくてもよい。
【0008】
本発明の一実施形態では、前記作業マニュアルは、複数の作業ステップを含み、前記コンテンツは、各作業ステップに対応するように区分化されており、前記制限時間は、作業ステップ毎に予め設定されていてもよい。
【0009】
本発明の一実施形態では、前記作業マニュアルの前記コンテンツを前記第2の再生モードで再生することは、作業ステップ毎に、前記作業マニュアルの作業ステップに対応する区分化されたコンテンツの再生を開始した後に、前記制限時間中、前記区分化されたコンテンツの再生を一時停止することを含んでいてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態では、前記複数の作業ステップは、第1の作業ステップと、前記第1の作業ステップの次の第2の作業ステップとを少なくとも含み、前記作業マニュアルの前記コンテンツを前記第2の再生モードで再生することは、前記第1の作業ステップに対応する第1の区分化されたコンテンツの再生を開始した後に、前記第1の作業ステップに対応する制限時間中、前記第1の区分化されたコンテンツの再生を停止し、前記第1の作業ステップに対応する制限時間が経過した後に、前記第2の作業ステップに対応する第2の区分化されたコンテンツを再生することを含んでいてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態では、前記プログラムは、作業ステップ毎に、前記制限時間が設定されているか否かを判定することと、前記制限時間が設定されていない場合に、前記区分化されたコンテンツの再生を実行し、前記区分化されたコンテンツの再生の一時停止を実行しないこととをさらに実行することを前記プロセッサ部に行わせてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記複数の作業ステップは、第1の作業ステップと、前記第1の作業ステップの次の第2の作業ステップとを少なくとも含み、前記プログラムは、前記第1の作業ステップに対応する制限時間が設定されているか否かを判定することと、前記第1の作業ステップに対応する制限時間が設定されていない場合に、前記第1の区分化されたコンテンツの再生の停止を実行することなく、前記第1の区分化されたコンテンツの再生を実行することと、前記第1の区分化されたコンテンツの再生を終了した後に、前記第2の作業ステップに対応する制限時間が設定されているか否かを判定することとをさらに実行することを前記プロセッサ部に行わせてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態では、前記プログラムは、前記制限時間中、前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生の一時停止の残り時間を表示することをさらに実行することを前記プロセッサ部に行わせてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態では、前記作業マニュアルの前記コンテンツは、スキップを実行することができないように構成されていてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態では、前記プログラムは、前記作業マニュアルの前記コンテンツを再生している間、前記作業マニュアルの前記コンテンツに対応するテキスト情報を自動的に読み上げることをさらに実行することを前記プロセッサ部に行わせてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態では、前記第2の再生モードにおける前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生は、前記第1の再生モードにおける前記作業マニュアルの前記動コンテンツ画の再生が終了したことに応答して、自動的に実行されてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態では、前記プログラムは、前記作業マニュアルの前記コンテンツの前記第1の再生モードでの再生を終了した後に、前記作業マニュアルの理解度を確認するためのテストを実行することをさらに実行することを前記プロセッサ部に行わせ、前記第2の再生モードにおける前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生は、前記テストが終了した後に、自動的に実行されてもよい。
【0018】
本発明の1つの局面において、本発明の装置は、人材育成を支援するための装置であり、前記装置は、前記装置の動作を制御するプロセッサ部を備え、前記プロセッサ部は、表示されるべき作業マニュアルを特定することであって、前記作業マニュアルは、コンテンツを備える、ことと、前記作業マニュアルの前記コンテンツを第1の再生モードで再生することと、前記作業マニュアルの前記コンテンツの前記第1の再生モードでの再生を終了した後に、前記作業マニュアルの前記コンテンツを前記第1の再生モードと異なる第2の再生モードで再生することであって、前記第2の再生モードでは、少なくとも所定の期間の間、前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生が一時停止される、こととを少なくとも実行するように構成されている。
【0019】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、人材育成を支援するためのプログラムであり、前記プログラムは、装置において実行され、前記装置は、前記装置の動作を制御するプロセッサ部を備え、前記プログラムは、表示されるべき作業マニュアルを特定することであって、前記作業マニュアルは、コンテンツを備える、ことと、前記作業マニュアルの前記コンテンツを再生することであって、前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生は、少なくとも所定の期間の間、自動的に一時停止される、こととを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【0020】
本発明の一実施形態では、前記作業マニュアルの作業が実践されるべき制限時間が存在し、前記制限時間中、前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生が一時停止されてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態では、前記作業マニュアルは、複数の作業ステップを含み、前記コンテンツは、各作業ステップに対応するように区分化されており、前記制限時間は、作業ステップ毎に予め設定されていてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態では、前記作業マニュアルの前記コンテンツを再生することは、作業ステップ毎に、前記作業マニュアルの作業ステップに対応する区分化されたコンテンツの再生を開始した後に、前記制限時間中、前記区分化されたコンテンツの再生を一時停止することを含んでいてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態では、前記複数の作業ステップは、第1の作業ステップと、前記第1の作業ステップの次の第2の作業ステップとを少なくとも含み、前記作業マニュアルの前記コンテンツを再生することは、前記第1の作業ステップに対応する第1の区分化されたコンテンツの再生を開始した後に、前記第1の作業ステップに対応する制限時間中、前記第1の区分化されたコンテンツの再生を停止し、前記第1の作業ステップに対応する制限時間が経過した後に、前記第2の作業ステップに対応する第2の区分化されたコンテンツを再生することを含んでいてもよい。
【0024】
本発明の一実施形態では、前記プログラムは、作業ステップ毎に、前記制限時間が設定されているか否かを判定することと、前記制限時間が設定されていない場合に、前記区分化されたコンテンツの再生を実行し、前記区分化されたコンテンツの再生の一時停止を実行しないこととをさらに実行することを前記プロセッサ部に行わせてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態では、前記複数の作業ステップは、第1の作業ステップと、前記第1の作業ステップの次の第2の作業ステップとを少なくとも含み、前記プログラムは、前記第1の作業ステップに対応する制限時間が設定されているか否かを判定することと、前記第1の作業ステップに対応する制限時間が設定されていない場合に、前記第1の区分化されたコンテンツの再生の停止を実行することなく、前記第1の区分化されたコンテンツの再生を実行することと、前記第1の区分化されたコンテンツの再生を終了した後に、前記第2の作業ステップに対応する制限時間が設定されているか否かを判定することとをさらに実行することを前記プロセッサ部に行わせてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態では、前記プログラムは、前記制限時間中、前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生の一時停止の残り時間を表示することをさらに実行することを前記プロセッサ部に行わせてもよい。
【0027】
本発明の一実施形態では、前記作業マニュアルの前記コンテンツは、スキップを実行することができないように構成されていてもよい。
【0028】
本発明の一実施形態では、前記プログラムは、前記作業マニュアルの前記コンテンツを再生している間、前記作業マニュアルの前記コンテンツに対応するテキスト情報を自動的に読み上げることをさらに実行することを前記プロセッサ部に行わせてもよい。
【0029】
本発明の1つの局面において、本発明の装置は、人材育成を支援するための装置であり、前記装置は、前記装置の動作を制御するプロセッサ部を備え、前記プロセッサ部は、表示されるべき作業マニュアルを特定することであって、前記作業マニュアルは、コンテンツを備える、ことと、前記作業マニュアルの前記コンテンツを再生することであって、前記前記作業マニュアルの前記コンテンツの再生は、少なくとも所定の期間の間、自動的に一時停止される、こととを少なくとも実行するように構成されている。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、人材育成を支援するためのプログラムおよび装置を提供することが可能であり、特に、マニュアルの内容の「理解」を促すとともにマニュアルの内容の「実践」を支援することを可能にするプログラムおよび装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A】装置に表示される画面100の一例を示す図
図1B】装置に表示される画面110の一例を示す図
図1C】装置に表示される画面120の一例を示す図
図1D】装置に表示される画面130の一例を示す図
図1E】装置に表示される画面140の一例を示す図
図1F】装置に表示される画面150の一例を示す図
図1G】装置に表示される画面160の一例を示す図
図1H】装置に表示される画面170の一例を示す図
図2】人材育成を支援するための装置200の構成の一例を示す図
図3】メモリ部230に格納されている情報の構成の一例を示す図
図4】装置200において実行される処理の一例を示す図
図5】装置200において実行される処理の他の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本明細書において用いられる用語の定義を説明する。
【0033】
「動画」とは、連続した画像を高速に切り替えることにより人間の視覚の錯覚を利用して動いているように見える画像をいう。また、スライドショーのような複数の画像が所定の間隔で切り替えられるものもまた、本明細書では「動画」という。
【0034】
「静止画」とは、動かない画像のことをいう。「静止画」は、「動画」を構成する構成要素でもある。
【0035】
「コンテンツ」とは、静止画または動画をいう。
【0036】
「コンテンツを再生する」とは、静止画を表示すること、または、動画を再生することをいう。
【0037】
「コンテンツの再生を停止する」とは、静止画の表示を停止すること、または、動画の再生を停止することをいう。コンテンツの再生を停止した時点で画面に何が表示されているか(例えば、停止直前の画面が維持されたままであるか、停止直前の画面から他の画面(例えば、黒画面)に遷移するか)は問わない。
【0038】
「コンテンツの再生を一時停止する」とは、静止画を表示を一時的に停止すること、または、動画の再生を一時的に停止することをいう。コンテンツの再生を一次停止した時点で画面に何が表示されているか(例えば、一時停止直前の画面が維持されたままであるか、一時停止直前の画面から他の画面(例えば、黒画面)に遷移するか)は問わない。コンテンツが動画である場合、一時停止された動画が再び再生されるときには、動画はその一時停止された時点から再生される。
【0039】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0040】
1.装置に表示される画面の遷移
図1Aは、装置に表示される画面100の一例を示す。画面100は、表示されるべき作業マニュアルを選択するための初期画面である。なお、この装置には、本発明のプログラムが予めインストールされているものとする。
【0041】
図1Aに示される例では、画面100には、表示するために選択することが可能である作業マニュアルの一覧が表示されている。画面100は、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」のための領域101と、作業マニュアル「肉の裁断の仕方」のための領域102と、作業マニュアル「冷凍庫の使い方」のための領域103と、作業マニュアル「棚卸しの仕方」のための領域104と、作業マニュアル「在庫確認のための仕方」のための領域105と、作業マニュアル「セキュリティカードの使い方」のための領域106とを含む。領域101、領域102、領域103、領域104、領域105、および領域106は、選択可能なように構成されている。
【0042】
図1Bは、装置に表示される画面110の一例を示す。画面110は、図1Aに示される画面100内の領域101がユーザによって選択された際に、図1Aに示される画面100から遷移した画面の一例である。
【0043】
ユーザが画面100内の領域101を選択することによって、画面110に示されるように、研修モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の再生が開始される。画面110は、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」を研修モードで再生するためのトップ画面である。
【0044】
研修モードは、作業マニュアルの内容の全体的な理解を促し、作業マニュアルの内容を知識として蓄積すること(すなわち、知識学習)を目的としたモードである。従って、研修モードでは、作業マニュアルは、スキップすることができないように構成されている。これにより、研修者が作業マニュアルを読み飛ばして読んだ気になる(すなわち、作業マニュアルの内容を正確に理解していないにもかかわらず理解した気になる)ことを避けることが可能である。研修モードにおいて、作業マニュアルの巻き戻しは可能であってもよい。
【0045】
図1Cは、装置に表示される画面120の一例を示す。画面120は、図1Bに示される画面110が表示されてから所定の時間経過後に、図1Bに示される画面110から遷移した画面の一例である。
【0046】
図1Cに示される例では、画面120は、作業マニュアルの静止画または動画を表示するための画像領域121と、テキストを表示するためのテキスト領域122と、作業マニュアルに対応する複数の作業ステップの一覧を表示するためのステップ領域123とを含む。図1Cに示される例では、画面120において、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の1つ目の作業ステップ「Step1 材料を準備」が進行または再生しており、画面120の画像領域121には、ステップ領域123内の「Step1 材料を準備」に対応する静止画または動画が表示されており、画面120のテキスト領域122には、ステップ領域123内の「Step1 材料を準備」に対応するテキストが表示されている。
【0047】
なお、未進行または未再生の作業ステップは、画面120に示されるように、進行中または再生中の作業ステップ(例えば、図1Cに示される例では、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の1つ目の作業ステップ「Step1 材料を準備」)と異なる表示態様で表示されてもよい。例えば、未進行または未再生の作業ステップは、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」以降の作業ステップのように、進行中または再生中の作業ステップより薄いテキストを用いて表示されてもよい。あるいは、例えば、未進行または未再生の作業ステップの枠は、網掛けされない一方で、進行中または再生中の作業ステップの枠は、網掛けされるようにしてもよい。これにより、進行中または再生中の作業ステップの視認度を高めることが可能である。
【0048】
また、ステップ領域123は、×ボタンを選択することによって、非表示にされることが可能である。
【0049】
図1Dは、装置に表示される画面130の一例を示す。画面130は、図1Cに示される画面120が表示されてから所定の時間経過後に(すなわち、研修モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の1つ目の作業ステップ「Step1 材料を準備」の静止画の表示または動画の再生が終了した後に)、図1Cに示される画面120から遷移した画面の一例である。
【0050】
図1Dに示される例では、画面130において、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」が進行または再生しており、画面130の画像領域121には、ステップ領域123内の「Step2 白菜、ニラをみじん切り」に対応する静止画または動画が表示されており、画面130のテキスト領域122には、ステップ領域123内の「Step2 白菜、ニラをみじん切り」に対応するテキストが表示されている。
【0051】
このように、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の1つ目の作業ステップおよび2つ目の作業ステップと同様に、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の3つ目以降の作業ステップに対応する静止画または動画が、画像領域121に表示される。作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の最後の作業ステップに対応する静止画の表示または動画の再生が終了すると、研修モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の再生が終了する。
【0052】
図1Eは、装置に表示される画面140の一例を示す。画面140は、研修モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の再生が終了した後に、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の最後の作業ステップの画面から自動的に遷移した画面の一例である。
【0053】
研修モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の再生が終了すると、画面140に示されるように、実践モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の再生が開始される。画面140は、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」を実践モードで再生するためのトップ画面である。
【0054】
実践モードは、作業マニュアルの内容を閲覧しながら、作業マニュアルに記載される作業を行うことによって、動作の習得を促すこと(すなわち、実践学習)を目的としたモードである。従って、実践モードでは、作業マニュアルの作業が実践されるべき制限時間が存在する(すなわち、制限時間が機能する)。その制限時間中(すなわち、研修者が作業マニュアルの作業を実践している間)、作業マニュアルの静止画の表示または動画の再生が一時停止または停止される。
【0055】
また、実践モードでは、作業マニュアルは、スキップすることができないように構成されている。これにより、研修者が作業マニュアルの作業を実践する時間を確保することが可能である。実践モードにおいて、作業マニュアルの巻き戻しは可能であってもよい。
【0056】
図1Fは、装置に表示される画面150の一例を示す。画面150は、図1Eに示される画面140が表示されてから所定の時間経過後に、図1Eに示される画面140から遷移した画面の一例である。
【0057】
図1Fに示される例では、画面150は、作業マニュアルの静止画または動画を表示するための画像領域151と、テキストを表示するためのテキスト領域152と、作業マニュアルに対応する複数の作業ステップの一覧を表示するためのステップ領域153と、作業マニュアルの作業が実践されるべき制限時間を表示するためのタイマ領域154とを含む。図1Fに示される例では、画面150において、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の1つ目の作業ステップ「Step1 材料を準備」が進行または再生しており、画面150の画像領域151には、ステップ領域153内の「Step1 材料を準備」に対応する静止画または動画が表示されており、画面150のテキスト領域152には、ステップ領域153内の「Step1 材料を準備」に対応するテキストが表示されている。作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の1つ目の作業ステップ「Step1 材料を準備」には制限時間が設定されていないため、画面150では、タイマ領域154において制限時間は示されていない。
【0058】
図1Gは、装置に表示される画面160の一例を示す。画面160は、図1Fに示される画面150が表示されてから所定の時間経過後に(すなわち、実践モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の1つ目の作業ステップ「Step1 材料を準備」の静止画の表示または動画の再生が終了した後に)、図1Fに示される画面150から遷移した画面の一例である。
【0059】
図1Gに示される例では、画面160において、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」が進行または再生しており、画面160の画像領域151には、ステップ領域153内の「Step2 白菜、ニラをみじん切り」に対応する静止画または動画が表示されており、画面160のテキスト領域152には、ステップ領域153内の「Step2 白菜、ニラをみじん切り」に対応するテキストが表示されており、タイマ領域154には、ステップ領域153内の「Step2 白菜、ニラをみじん切り」に対して設定された制限時間が表示されている。
【0060】
画面160において、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」の静止画の表示または動画の再生が終了すると、その再生終了時点の状態で、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」の静止画の表示または動画の再生が停止され、「Step2 白菜、ニラをみじん切り」に対して設定された制限時間中、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」の静止画が表示され続ける、または、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」の動画の再生が停止され続ける(すなわち、「Step2 白菜、ニラをみじん切り」に対して設定された制限時間中、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の3つ目の作業ステップ「Step3 タレを投入」の再生に移行しない)。
【0061】
作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」の静止画が表示され始めてから所定の時間経過後、または、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」の動画の再生が停止されると、制限時間が徐々に減少するようにタイマ領域154内の制限時間表示が作動し、タイマ領域154内の制限時間表示がゼロになるまで制限時間が減少し続ける。この制限時間中、研修者は、「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」の静止画または動画の内容を実践することが可能である。その制限時間が経過すると、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の2つ目の作業ステップ「Step2 白菜、ニラをみじん切り」の静止画の表示または動画の再生は終了する。
【0062】
このように、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の1つ目の作業ステップおよび2つ目の作業ステップと同様に、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の3つ目以降の作業ステップに対応する静止画または動画が、画像領域151に表示される。作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の最後の作業ステップに対応する静止画の表示または動画の再生が終了すると(作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の最後の作業ステップに対して制限時間が設定されている場合には、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の最後の作業ステップに対応する静止画の表示または動画の再生の後で、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の最後の作業ステップに対応する制限時間が経過すると)、実践モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の静止画の表示または動画の再生が終了する。
【0063】
図1Hは、装置に表示される画面170の一例を示す。画面170は、実践モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の静止画の表示または動画の再生が終了すると、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の最後の作業ステップの画面から自動的に遷移した画面の一例である。
【0064】
画面170は、実践モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の作業が終了したことを研修者に知らせるための画面である。図1Hに示される例では、画面170は、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の内容を研修モードでもう1度閲覧するための領域171と、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の内容を実践モードでもう1度閲覧するための領域172とを含む。研修者は、領域171を選択することによって、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の内容を研修モードでもう1度閲覧することが可能である。また、研修者は、領域172を選択することによって、作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の内容を実践モードでもう1度閲覧することが可能である。
【0065】
このように、研修モードで作業マニュアルの再生を終了した後に自動的に実践モードでその作業マニュアルを再生する2サイクル再生によって、研修者は、研修モードで作業マニュアルの内容を予習した後に実践モードで作業マニュアルの内容を実践することが可能であるため、その作業マニュアルの内容を自然と反転学習することが可能である。反転学習は、指導内容を後で復習する従来の学習と比べて、知識定着率が高いという実績があるため、そのような反転学習を自然と実現することができる仕組みは、非常に有意である。また、このような作業マニュアルの2サイクル再生により、どのトレーナーが研修者に対して研修を行ったとしても、反転学習型トレーニングを研修者に提供することが可能である。トレーナーは、研修モードを開始し、実践モードでの研修者の作業マニュアルの最終成果物を確認するのみで良いため(すなわち、作業マニュアルの研修の最初と最後のみの動作で十分であるため)、結局トレーナーが付きっきりで研修者に直接指導している従来の手法と比較して、トレーナーの負担を軽減することが可能である。
【0066】
また、反転学習型研修を提供することによって、人材育成の効果が向上し、研修者によるミス・トラブルを減少させることが可能である。さらに、装置が作業マニュアルを再生するため、トレーナーが直接指導する機会の減少を図ることが可能であり、人間関係に起因する離職を低減させることが可能である。
【0067】
なお、図1A図1Hに示される各画面内のテキストは、自動的に、または、研修者による選択に応じて、研修者が読み取ることができる言語に翻訳されてもよい。これは、例えば、機械翻訳によって実現され得る。これにより、例えば、日本語をはっきりと理解することができない外国人研修者であっても、作業マニュアルの内容を正確に理解することが可能である。
【0068】
また、画面120および画面130のテキスト領域122に表示されるテキスト、および、画面150および画面160のテキスト領域152に表示されるテキストは、自動的に音声出力することによって読み上げられてもよい。これにより、研修者が画面から目をそらしたとしても、作業マニュアルの作業の内容を研修者に伝えることが可能である。音声出力の言語は、各テキスト領域に表示されている言語に自動的に合わせられ得る。
【0069】
テキストが読み上げられ始めるタイミングは、画像領域121および画像領域151に静止画または動画が表示される前であってもよいし、画像領域121および画像領域151に静止画または動画が表示されると同時であってもよいし、画像領域121および画像領域151に静止画または動画が表示されてから所定の時間経過後であってもよい。すなわち、静止画または動画は、テキストの読み上げが完了した後に表示されてもよいし、テキストの読み上げの開始と同時に表示されてもよいし、テキストの読み上げの開始より所定の時間前に表示されてもよい。
【0070】
また、画像領域121および画像領域151に静止画が表示される場合、静止画の表示は、テキストの読み上げが終了すると同時に終了し、または、テキストの読み上げが終了してから所定の時間経過後に終了し、画面は、次の作業ステップのための画面に遷移し得る。また、画像領域121および画像領域151に動画が表示される場合、動画の再生の終了またはテキストの読み上げの終了のうちのどちらか遅い方の時点で、または、動画の再生の終了またはテキストの読み上げの終了のうちのどちらか遅い方の時点から所定の時間経過後に、画面は、次の作業ステップのための画面に遷移し得る。
【0071】
また、図1A図1Hに示される実施形態では、研修モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の再生が終了すると実践モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の再生が自動的に開始される例が説明されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、研修モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の再生が終了すると、研修モードでの作業マニュアル「餃子の餡の仕込み方」の再生をもう1度実行するか否かを研修者に確認するための画面が研修者に表示されてもよい。
【0072】
また、装置は、例えば、複数の研修者が同時に視聴することが可能な大きな表示部を備える装置であり得る。これにより、作業マニュアルを用いた研修をグループワーク型で行うことが可能である。あるいは、装置は、スマートフォンまたはタブレット端末のような携帯端末であってもよい。これにより、作業マニュアルを用いた研修を省スペース型で行うことが可能である。
【0073】
また、各画面内の各領域の選択は、例えば、領域をタップすることによって実現されてもよいし、装置と通信可能なリモートコントローラを用いて領域に対する選択を実行することによって実現されてもよい。
【0074】
また、図1A図1Hに示される実施形態では、作業マニュアルの2サイクル再生が説明されたが、作業マニュアルを実践モードでのみ再生することもまた、本発明の範囲内である。すなわち、作業マニュアルの再生が、図1Eの画面140から開始されてもよい。これにより、例えば、作業マニュアルの内容を予習済みの勤勉な研修者は、いきなり実践モードで作業マニュアルの再生を開始することが可能である。
【0075】
2.人材育成を支援するための装置の構成
図2は、人材育成を支援するための装置200の構成の一例を示す。
【0076】
図2に示される実施形態では、装置200は、インターフェース部210と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部220と、メモリ部230と、表示部240と、入力部250と、音声出力部260とを備える。
【0077】
インターフェース部210は、インターネットなどの任意のタイプのネットワークを介した外部の他の装置(例えば、リモートコントローラ)との通信を制御する。
【0078】
メモリ部230には、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部230に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部230にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネットなどのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部230にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部230にインストールされるようにしてもよい。
【0079】
プロセッサ部220は、装置200全体の動作を制御する。プロセッサ部220は、メモリ部230に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、装置200は、所望のステップを実行する装置として機能することが可能であり、装置200のプロセッサ部220は、所望の機能を達成する手段として動作することが可能である。
【0080】
図3は、メモリ部230に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0081】
メモリ部230には、作業マニュアルに関する情報が格納されている。作業マニュアルに関する情報は、作業マニュアルを識別するための情報(作業マニュアルID)によって識別されることが可能である。作業マニュアルに関する情報は、作業マニュアルの複数の作業ステップに関する情報を含む。作業マニュアルの複数の作業ステップに関する情報は、作業ステップを識別するための情報(作業ステップID)によって作業ステップ毎に識別されることが可能である。各作業ステップに関する情報は、作業マニュアル内のステップの表示順序を示す情報、コンテンツを示す情報、テキストを示す情報、制限時間の有無、制限時間の長さなどを含む。制限時間は、作業ステップ毎に設定されていてもよいし、作業ステップに応じて設定されていなくてもよい。
【0082】
なお、図2および図3に示される実施形態では、作業マニュアルに関する情報が装置200のメモリ部230に格納されている例を説明したが、本発明はこれに限定されない。作業マニュアルに関する情報は、プロセッサ部220が読み出すことが可能である限り、任意の場所に格納され得る。作業マニュアルに関する情報は、例えば、装置200に接続された外部のデータベース部に格納されていてもよいし、装置200に接続された内部のデータベース部に格納されていてもよい。また、作業マニュアルに関する情報は、例えば、装置200の単一の外付けハードディスク装置に格納されていてもよいし、ネットワークを介して装置200に接続されるクラウド上のストレージに格納されていてもよい。
【0083】
3.装置において実行される処理
図4は、装置200において実行される処理の一例を示す。図4に示される各ステップは、例えば、装置200のプロセッサ部220によって実行される。以下、図4に示される各ステップを説明する。
【0084】
ステップS401:表示されるべき作業マニュアルが特定される。この処理は、装置200のプロセッサ部220が、例えば、表示されるべき作業マニュアルを選択する入力を受信することによって、達成される。この処理は、図1Aに示される画像100上の操作に対応し得る。
【0085】
ステップS402:作業マニュアルのコンテンツが、第1の再生モードで再生される。第1の再生モードでは、作業マニュアルのコンテンツの再生が一時停止されることはない。これは、例えば、第1の再生モードでは、作業マニュアルの作業が実践されるべき制限時間が存在しないからである、あるいは、作業マニュアルのその作業ステップに設定されていたとしても、作業マニュアルの作業が実践されるべき制限時間が考慮されず機能しない(すなわち、第1の再生モードでは、装置200のプロセッサ部220は、作業マニュアルの作業が実践されるべき制限時間を機能させないように構成されている)からである。この処理は、図1B図Dに示される画像110~画面130に対応し得る。
【0086】
ステップS403:作業マニュアルのコンテンツが、第1の再生モードと異なる第2の再生モードで再生される。第2の再生モードでは、少なくとも所定の期間の間、作業マニュアルのコンテンツの再生が一時停止される。例えば、第2の再生モードでは、作業マニュアルの作業が実践されるべき制限時間が存在し(すなわち、第2の再生モードでは、装置200のプロセッサ部220は、作業マニュアルの作業が実践されるべき制限時間を機能させるように構成されており)、その制限時間中、作業マニュアルのコンテンツの再生が一時停止される。この処理は、図1E図Gに示される画像140~画面160に対応し得る。
【0087】
なお、第2の再生モードにおける作業マニュアルのコンテンツの再生は、第1の再生モードにおける作業マニュアルのコンテンツの再生が終了した(すなわち、第1の表示モードにおける作業マニュアルのコンテンツの再生が停止された)ことに応答して、自動的に実行されてもよい。これにより、反転学習型の研修をスムーズに行うことが可能である。
【0088】
あるいは、第1の再生モードにおける作業マニュアルのコンテンツの再生が終了した時点で、装置200のプロセッサ部220は、作業マニュアルの理解度を確認するためのテストを実行するように構成されていてもよい。これにより、研修者自身の実践前の知識定着率(すなわち、第1の再生モードでのコンテンツの再生によって研修者が作業マニュアルのコンテンツの内容をどの程度把握しているか)を図ることが可能である。この場合、第2の再生モードにおける作業マニュアルのコンテンツの再生は、そのテストが終了した後に、自動的に実行され得る。テストは、例えば、装置200のプロセッサ部220が、設問と選択肢とを研修者に提示する一方で、設問と選択肢とを音声出力で読み上げることによって、実現されてもよい。テストの設問に対する回答は、例えば、装置200のプロセッサ部220が研修者からの入力を受信することによって、達成され得る。また、装置200のプロセッサ部220は、任意のタイミングで、作業マニュアルの理解度を確認するためのテストの実行のON・OFFを切り替えることができるように構成されていてもよい。
【0089】
また、第1の再生モードおよび第2の再生モードにおいて、作業マニュアルのコンテンツは、スキップを実行することができないように構成されている。また、第1の再生モードおよび第2の再生モードにおいて、作業マニュアルの各作業ステップに対応するテキストが、字幕として表示され得る。また、第1の再生モードおよび第2の再生モードにおいて、作業マニュアルの各作業ステップに対応するテキストが、音声出力されて読み上げられ得る。
【0090】
なお、図4に示される実施形態では、ステップS401~S403を実施することによって2サイクル再生による自然な反転学習が実現される例を説明したが、ステップS402が省略された実施形態もまた、本発明の範囲内である。すなわち、ステップS401の後にステップS403が実行されてもよい。これにより、装置200は、研修モードを不要とする研修者に対して、作業マニュアルのコンテンツをいきなり実践モードで提供することが可能である。
【0091】
図5は、装置200において実行される処理の他の一例を示す。図5に示される各ステップは、図4のステップS403の詳細の一例である。図5に示される各ステップは、例えば、装置200のプロセッサ部220によって実行される。なお、図5に示される実施形態では、作業マニュアルは、n個の作業ステップを含み、作業マニュアルのコンテンツは、n個の作業ステップに対応するようにn個のコンテンツに区分化されているものとする。ここで、nは、2以上の整数である。なお、n個の作業ステップに対応するn個の区分化されたコンテンツは、例えば、株式会社スタディストの製品「Teachme Biz」で作成されたコンテンツであってもよいが、本発明はこれに限定されない。以下、図5に示される各ステップを説明する。
【0092】
ステップS501:kの値が1に設定される。
【0093】
ステップS502:第kの作業ステップに対応する制限時間が設定されているか否かが判定される。この処理は、作業マニュアルに関する情報(特に、制限時間の有無を示す情報)を参照して実行される。判定結果が「Yes」の場合には、処理はステップS503に進み、判定結果が「No」の場合には、処理はステップS506に進み、第kの作業ステップに対応する第kの区分化されたコンテンツの再生は一時停止されない。
【0094】
ステップS503:第kの作業ステップに対応する第kの区分化されたコンテンツが再生される。
【0095】
ステップS504:第kの作業ステップに対応する第kの区分化されたコンテンツが再生された後に、第kの作業ステップに対応する制限時間中、第kの作業ステップに対応する第kの区分化されたコンテンツの再生が一時停止される。すなわち、第kの作業ステップに対応する第kの区分化されたコンテンツの再生が終了すると、その再生終了時点の状態で、第kの作業ステップに対応する第kの区分化されたコンテンツの再生が一時停止され、制限時間中、第kの作業ステップに対応する第kの区分化されたコンテンツの再生が一時停止され続ける。これにより、その制限時間中、研修者は、第kの作業ステップに対応する第kの区分化されたコンテンツの内容を実践することが可能である。
【0096】
装置200のプロセッサ部220は、第kの作業ステップに対応する制限時間中、制限時間の残り時間(すなわち、作業マニュアルのコンテンツの一時停止の残り時間)を表示部240に表示してもよい。この処理は、図1Gの画面160に対応し得る。
【0097】
ステップS505:第kの作業ステップに対応する制限時間が経過したか否かが判定される。判定結果が「Yes」の場合には、第kの作業ステップに対応する第kの区分化されたコンテンツの再生が停止され、処理はステップS507に進み、判定結果が「No」の場合には、処理はステップS505に戻る。
【0098】
ステップS506:第kの作業ステップに対応する第kの区分化されたコンテンツが再生される。
【0099】
ステップS507:kがnに等しいか否かが判定される。判定結果が「Yes」の場合には、処理は終了(正常終了)し、判定結果が「No」の場合には、ステップS508において、kの値が1つだけインクリメントされ、その後、処理はステップS502に戻る。
【0100】
このように、作業ステップに対応する制限時間が設定されている場合には、作業ステップに対応するコンテンツが再生された後にその制限時間分だけ作業マニュアルのコンテンツが進行しないことにより、その制限時間の間、研修者の実践時間を確保することが可能である一方で、作業ステップに対応する制限時間が設定されている場合には、その作業ステップに対応するコンテンツの再生が終了した(すなわち、その作業ステップに対応するコンテンツの再生が停止された)後に次の作業ステップのコンテンツを自動的に再生することが可能である。
【0101】
なお、図5に示される実施形態では、第kの作業ステップに対応する制限時間が設定されているか否かの判定処理(ステップS502)が第kの作業ステップのコンテンツの再生の開始(ステップS503)の前に実行される例を説明したが、本発明は、これに限定されない。図5のステップS502は、図5のステップS504より前の任意のタイミングで実行され得る。例えば、図5のステップS502は、図5のステップS503を実行している間(すなわち、第kの作業ステップのコンテンツを再生している間)に実行されてもよい。
【0102】
また、図5のステップS505の後かつステップS506の前の任意のタイミングにおいて、装置200のプロセッサ部220は、第kの作業ステップに対応する制限時間が経過した旨を示す警告を研修者に提示するようにしてもよい。これにより、研修者は、第kの作業ステップの作業を制限時間内に終えることができたか否かを容易に理解することが可能である。
【0103】
また、図5に示される実施形態では、作業マニュアルのコンテンツがn個のコンテンツに区分化されている例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、作業マニュアルのコンテンツが、n個の作業ステップに対応するようにn個の別個のコンテンツから構成されている場合、第kの作業ステップに対応する制限時間が設定されているとき、第kの作業ステップに対応する第kのコンテンツを再生した後に、第kの作業ステップに対応する制限時間中、第kのコンテンツの再生を(完全に)停止し、第kの作業ステップに対応する制限時間が経過した後に、第k+1の作業ステップに対応する第k+1のコンテンツの再生を開始し、このとき、図5のステップS502のように第k+1の作業ステップに対応する制限時間が設定されているか否かを判定してもよい。このように、作業マニュアルのコンテンツが、n個の作業ステップに対応するようにn個の別個のコンテンツから構成されている場合であっても、作業マニュアルのコンテンツがn個のコンテンツに区分化されている場合と同様に処理することが可能である。
【0104】
なお、図4図5に示される実施形態では、メモリ部に格納されたプログラムをプロセッサ部が実行することによって、図4図5に示される各ステップの処理が実現される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。図4図5に示される各ステップのうちの少なくとも一部の処理が制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0105】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、人材育成を支援するためのプログラムおよび装置等を提供するものとして有用であり、特に、マニュアルの内容の「理解」を促すとともにマニュアルの内容の「実践」を支援することを可能にするプログラムおよび装置等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0107】
200 装置
210 インターフェース部
220 プロセッサ部
230 メモリ部
240 表示部
250 入力部
260 音声出力部
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2
図3
図4
図5