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特開2024-174818複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加
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  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図1A
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図1B
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図2A
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図2B
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図2C
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図3
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図4A
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図4B
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図5
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図6
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図7
  • 特開-複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174818
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】複合材料アセンブリ用の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性ピールプライ付加
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/26 20060101AFI20241210BHJP
   B32B 5/28 20060101ALI20241210BHJP
   B32B 7/06 20190101ALI20241210BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20241210BHJP
   B64C 3/00 20060101ALI20241210BHJP
   B29C 70/34 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B32B5/26
B32B5/28
B32B7/06
B64C1/00 B
B64C3/00
B29C70/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024082923
(22)【出願日】2024-05-21
(31)【優先権主張番号】63/468,070
(32)【優先日】2023-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/502,387
(32)【優先日】2023-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラム, ベンジャミン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, メリンダ テ
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン, ジョン クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ウィズロー, ブライアン ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】グリンドン, ジェーソン ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ボールズ, ジェーソン アラン
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン, パトリス キャスリン
(72)【発明者】
【氏名】オーバン, ジョン レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, ケヴィン リー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体、前記前駆体を作製するための方法を提供する。
【解決手段】複合材料アセンブリを作製するために使用される、共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性複合材料アセンブリ前駆体が、相溶性がある共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ保護層を備え、ピールプライの除去及び複合材料前駆体をより大きなアセンブリに組み込む前に、選択された表面特性を、共硬化可能な及び共硬化される複合材料アセンブリ前駆体に与えることが提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体(20)(112)であって、
共硬化可能な複合材料基材(22)(112)(外板/スタック)、
共硬化可能なUV/可視光耐性層(24)(114)であって、前記複合材料基材に隣接して配置され、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を含み、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、石英、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、共硬化可能なUV/可視光耐性層(24)(114)、並びに
前記UV/可視光耐性層に隣接して配置された共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層(26)(116)であって、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、前記共硬化可能なUV/可視光耐性層と相溶性がある第2の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含む、ピールプライ繊維及び樹脂含有層(26)(116)を備える、共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項2】
前記共硬化可能な複合材料基材が、華氏約250度から華氏約410度の範囲の温度において、前記共硬化可能なUV/可視光耐性層と共硬化可能であり、前記共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層と更に共硬化可能である、請求項1に記載の共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項3】
前記共硬化可能な複合材料基材は、炭素繊維強化ポリマーを含む、請求項1に記載の共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項4】
前記共硬化可能な複合材料基材は、エポキシ樹脂系化合物を含み、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項5】
前記共硬化可能な複合材料基材は、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグを含む、請求項1に記載の共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項6】
前記共硬化可能な複合材料基材の第2の側面は、前記共硬化可能なUV/可視光耐性層と直接接触し、前記共硬化可能なUV/可視光耐性層は、前記共硬化可能な複合材料基材の第2の側面を完全にカバーする、請求項1に記載の共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項7】
共硬化される複合材料アセンブリ前駆体(30)(120)であって、
共硬化される複合材料基材(32)(122)と、
共硬化されるUV/可視光耐性層(34)(124)であって、第1の複合材料基材に隣接して配置され、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を含み、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、石英、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、共硬化されるUV/可視光耐性層(34)(124)と、
前記共硬化されるUV/可視光耐性層に隣接して配置された共硬化されるピールプライ繊維及び樹脂含有層(36)(126)であって、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、前記共硬化されるUV/可視光耐性層と相溶性がある第2の共硬化されるUV/可視光耐性樹脂を更に含む、共硬化されるピールプライ繊維及び樹脂含有層(36)(126)とを備え、
前記共硬化されるUV/可視光耐性層が、約2ミルから約6ミルの範囲の平均厚さを有するときに、約180nmから約800nmの範囲のUV/可視光波長に対して、前記共硬化されるUV/可視光耐性層は、約0%から約20%のUV/可視光透過率の範囲のUV/可視光透過率値を有し、
前記共硬化される複合材料基材は、華氏約250度から華氏約410度の範囲の温度において、前記共硬化されるUV/可視光耐性層と共硬化され、前記共硬化されるピールプライ繊維及び樹脂含有層と更に共硬化可能である、共硬化される複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項8】
前記共硬化される複合材料基材は、エポキシ樹脂系化合物を含み、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項7に記載の共硬化される複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項9】
前記共硬化される複合材料基材は、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグを含む、請求項7に記載の共硬化される複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項10】
共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体(144)であって、
共硬化可能な複合材料基材(140)(ストリンガ)と、
前記共硬化可能な複合材料基材に隣接して配置された共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層(142)とを備え、前記共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層は、共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含む、共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項11】
前記共硬化可能な複合材料基材は、炭素繊維強化ポリマーを含む、請求項10に記載の共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項12】
前記共硬化可能な複合材料基材は、エポキシ樹脂系化合物を含み、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項10に記載の共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項13】
前記共硬化可能な複合材料基材は、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグを含む、請求項10に記載の共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項14】
共硬化される複合材料アセンブリ前駆体(154)であって、
共硬化される複合材料基材(150)(ストリンガ)と、
前記共硬化される複合材料基材に隣接して配置された共硬化されるピールプライ繊維及び樹脂含有層(152)とを備え、前記共硬化されるピールプライ繊維及び樹脂含有層は、共硬化されるUV/可視光耐性樹脂を更に含む、共硬化される複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項15】
前記共硬化される複合材料基材は、炭素繊維強化ポリマーを含む、請求項14に記載の共硬化される複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項16】
前記共硬化される複合材料基材は、エポキシ樹脂系化合物を含み、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項14に記載の共硬化される複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項17】
前記共硬化される複合材料基材は、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグを含む、請求項14に記載の共硬化される複合材料アセンブリ前駆体。
【請求項18】
(ピールプライを外板/スタックに付加することによって、共硬化された複合材料アセンブリの「第1の」前駆体を作製するための)方法(200)であって、
第1の共硬化可能な複合材料基材を提供すること(202)、
共硬化可能なUV/可視光耐性層を前記第1の共硬化可能な複合材料基材の上に付加すること(204)であって、前記共硬化可能なUV/可視光耐性層は、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を含み、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、石英、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、共硬化可能なUV/可視光耐性層を前記第1の共硬化可能な複合材料基材の上に付加すること(204)、
共硬化可能な複合材料アセンブリの第1の前駆体を形成するために、前記共硬化可能なUV/可視光耐性層に隣接して配置するように共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を付加すること(206)であって、前記共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層は、前記共硬化可能なUV/可視光耐性層と相溶性がある第2の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含み、前記共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層をカバーするピールプライ裏打ち層を更に含む、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を付加すること(206)、並びに
共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体を形成するために、前記共硬化可能な複合材料基材を、前記共硬化可能なUV/可視光耐性層並びに前記共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層と共硬化させること(208)を含む、方法。
【請求項19】
前記共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体は、前記共硬化可能なUV/可視光耐性層が、約2ミルから約6ミルの範囲の平均厚さを有するときに、約180nmから約800nmの範囲のUV/可視光波長に対して、約0%から約20%のUV/可視光透過率の範囲のUV/可視光透過率値を有する、前記共硬化可能なUV/可視光耐性層を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記共硬化可能なUV/可視光耐性層は、単一のプライとして前記共硬化可能な複合材料基材に付加される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記共硬化可能な複合材料基材は、炭素繊維強化ポリマー複合材料基材を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記共硬化可能な複合材料基材は、繊維強化エポキシ樹脂マトリクスを含み、前記繊維強化エポキシ樹脂マトリクスは、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法に従って作製された共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体(30)(124)。
【請求項24】
請求項18に記載の(ピールプライをストリンガに付加することによって、共硬化された複合材料アセンブリの「第2の」ストリンガ前駆体を作製するための)方法(300)であって、
第2の共硬化可能な複合材料基材を提供すること(302)と、
共硬化可能な複合材料の第2の前駆体を形成するために、前記共硬化可能な第2の複合材料基材に隣接して配置するように共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を付加すること(304)であって、前記共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層は、共硬化された状態において前記第1の共硬化可能な複合材料基材内の前記共硬化可能なUV/可視光耐性層と相溶性がある第2の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含み、前記共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層をカバーするピールプライ裏打ち層を更に含む、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を付加すること(304)と、
共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体を形成するために、前記共硬化可能な第2の複合材料基材を前記共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層と共硬化させること(306)とを更に含む、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法に従って作製された共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体(30)(154)。
【請求項26】
請求項24に記載の方法(400)であって、
共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面を形成するために、前記共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体から前記ピールプライ裏打ち層を除去すること(402)、
共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面を形成するために、前記共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体から前記ピールプライ裏打ち層を除去すること(404)、
前記共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面と前記共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面のうちの少なくとも一方に接着剤層を付加すること(406)、及び
複合材料アセンブリ(13)(180)を形成するために、前記共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体を前記共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体に接合すること(408)を更に含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法に従って作製された複合材料アセンブリ(13)(180)。
【請求項28】
請求項27に記載の複合材料アセンブリを備えるビークル(10)。
【請求項29】
請求項27に記載の複合材料アセンブリを備える航空機(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001] 本出願は、2023年5月22日に出願された米国仮特許出願第63/468,070号の優先権を主張し、当該仮特許出願の全内容は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本開示は、広くは、複合材料の分野に関し、大きな構造構成要素及びアセンブリを製造するために使用される複合材料の分野に関する。特に、本開示は、大きな構造航空機部品及びアセンブリ用の構造材料に使用される共硬化可能な及び共硬化される複合材料の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 様々な構造構成要素部品の製造における複合材料の使用は、増え続けている。少なくとも強度対重量比のために、複合材料は、例えば、金属や金属合金などのような高密度材料の代替品としての利点を提供する。完成した構造物の全体の重量(若しくは完成した構造物の構成要素部品の重量)は、そのような完成した構造物の製造、又は完成した構造物の構成要素の製造において使用される材料の選択において重要な考慮事項とされる。
【0004】
[0004] 複合材料に典型的に付加されるコーティング層は、そのようなコーティング層が付加される複合材料ほど耐久性がなく、またその寿命も長くはない。複合材料アセンブリは、その他に、例えば、保護コーティング又は他のコーティング層を含み得る外部層又は内部層を含んでよい。
【0005】
[0005] 特段の明示がない場合、本明細書の記述が、単に技術分野及び/又は背景技術に含まれていることによって、先行技術であると認められることはない。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本開示の装置、システム、及び方法は、UV/可視光耐性層を含む共硬化可能な及び共硬化される複合材料前駆体であって、複合材料前駆体内のUV/可視光耐性層と相溶性がある除去可能で共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ層を使用して、複合材料前駆体表面界面における増大した表面エネルギー及び向上した二次的な接合を与える複合材料前駆体の表面改質を対象とする。
【0007】
[0007] 複数の本態様は、第1の共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体を対象とする。第1の共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体は、共硬化可能な複合材料スタックを含む、共硬化可能な複合材料スタックは、共硬化可能な複合材料基材、及び共硬化可能なUV/可視光耐性層を含む。第1の共硬化可能なUV/可視光耐性層が、共硬化可能な複合材料基材に隣接して配置される。共硬化可能なUV/可視光耐性層は、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を含み、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、石英、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む。共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体は、UV/可視光耐性層に隣接して配置された共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を更に含む。共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層は、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、共硬化可能なUV/可視光耐性層と相溶性がある第2の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含む。
【0008】
[0008] 別の一態様では、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂が、第2の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂と同じである。
【0009】
[0009] 別の一態様では、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂が、第2の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂と同じではない。
【0010】
[0010] 別の一態様では、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂が、第2の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂と相溶性がある。
【0011】
[0011] 別の一態様では、共硬化可能な複合材料基材が、華氏約250度から華氏約410度の範囲の温度において、共硬化可能なUV/可視光耐性層と共硬化可能であり、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層と更に共硬化可能である。
【0012】
[0012] 更なる一態様では、共硬化可能な複合材料基材が、炭素繊維強化ポリマーを含む。
【0013】
[0013] 別の一態様では、共硬化可能な複合材料基材が、エポキシ樹脂系化合物を含み、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む。
【0014】
[0014] 別の一態様では、共硬化可能な複合材料基材が、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグを含む。
【0015】
[0015] 別の一態様では、共硬化可能な複合材料基材が、共硬化可能なUV/可視光耐性層と直接接触している。
【0016】
[0016] 更なる一態様では、共硬化可能なUV/可視光耐性層が、共硬化可能な複合材料基材の少なくとも一側面を完全にカバーする。
【0017】
[0017] 本開示の複数の態様は、共硬化される複合材料アセンブリ前駆体(共硬化されるピールプライを有する共硬化される複合材料「スタック」)を更に対象とする。共硬化される複合材料アセンブリ前駆体は、共硬化される複合材料基材と、共硬化されるUV/可視光耐性層とを含む。共硬化可能なUV/可視光耐性層は、第1の複合材料基材に隣接して配置され、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を含み、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、石英、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む。共硬化される複合材料アセンブリ前駆体は、共硬化されるUV/可視光耐性層に隣接して配置された共硬化されるピールプライ及び樹脂含有層を更に含む。共硬化されるピールプライ及び樹脂含有層は、共硬化可能なUV/可視光耐性層と相溶性がある第2の共硬化されるUV/可視光耐性樹脂を更に含む。
【0018】
[0018] 別の一態様では、共硬化されるピールプライ及び樹脂含有層が、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0019】

[0019] 別の一態様では、共硬化可能なUV/可視光耐性層が、約2ミルから約6ミルの範囲の平均厚さを有するときに、約180nmから約800nmの範囲のUV/可視光波長に対して、共硬化されるUV/可視光耐性層は、約0%から約20%のUV/可視光透過率の範囲の光透過率値を有する。
【0020】
[0020] 別の一態様では、共硬化される複合材料基材が、華氏約250度から華氏約410度の範囲の温度において、共硬化可能なUV/可視光耐性層と共硬化され、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層と更に共硬化可能である。
【0021】
[0021] 更なる一態様では、共硬化される複合材料基材が、エポキシ樹脂系化合物を含み、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む。
【0022】
[0022] 別の一態様では、共硬化される複合材料基材が、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグから形成される。
【0023】
[0023] 更なる複数の本態様は、(ピールプライを有する共硬化可能な「ストリンガ/アセンブリ前駆体」)共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体を対象とする。共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体は、共硬化可能な複合材料基材(ストリンガ)、並びに共硬化可能な複合材基材に隣接して配置された共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を含む。前記共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層は、共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含む。
【0024】
[0024] 別の一態様では、共硬化可能な複合材料基材が、炭素繊維強化ポリマーを含む。
【0025】
[0025] 別の一態様では、共硬化可能な複合材料基材が、エポキシ樹脂系化合物を含み、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む。
【0026】
[0026] 別の一態様では、共硬化可能な複合材料基材が、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグを含む。
【0027】
[0027] 更なる複数の本態様は、共硬化される航空機アセンブリ前駆体を対象とする。共硬化される航空機アセンブリ前駆体は、共硬化される(「ストリンガ/アセンブリ前駆体」)複合材料基材(ストリンガ)、並びに共硬化可能な複合材料基材に隣接して配置された共硬化されるピールプライ繊維及び樹脂含有層を含む。共硬化されるピールプライ繊維及び樹脂含有層は、共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含む。
【0028】
[0028] 別の一態様では、共硬化される複合材料基材が、炭素繊維強化ポリマーを含む。
【0029】
[0029] 更なる一態様では、共硬化される複合材料基材が、エポキシ樹脂系化合物を含み、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む。
【0030】
[0030] 更なる一態様では、共硬化される複合材料基材が、複数の炭素繊維強化ポリマープリプレグを含む。
【0031】
[0031] 別の1つの本態様は、(ピールプライを外板/スタックに付加することによって、共硬化された複合材料アセンブリの「第1の」前駆体を作製するための)方法を対象とする。該方法は、第1の共硬化可能な複合材料基材を提供することと、共硬化可能なUV/可視光耐性層を第1の複合材料基材の上に付加することとを含む。前記共硬化可能なUV/可視光耐性層は、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂、及び、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、石英、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。該方法は、共硬化可能な複合材料アセンブリの第1の前駆体を形成するために、共硬化可能なUV/可視光耐性層に隣接して配置するように共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を付加することを更に含む。共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層は、共硬化可能なUV/可視光耐性層と相溶性がある第2の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含み、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層をカバーするピールプライ裏打ち層を更に含む。該方法は、共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体を形成するために、共硬化可能な複合材料基材を、共硬化可能なUV/可視光耐性層並びに共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層と共硬化させることを更に含む。
【0032】
[0032] 更なる一態様では、共硬化可能なUV/可視光耐性層が、約2ミルから約6ミルの範囲の平均厚さを有するときに、約180nmから約800nmの範囲のUV/可視光波長に対して、共硬化される複合材料アセンブリの第1の前駆体内の共硬化されるUV/可視光耐性層が、約0%から約20%のUV/可視光透過率の範囲のUV/可視光透過率値を有する。
【0033】
[0033] 別の一態様では、共硬化可能なUV/可視光耐性層が、単一のプライとして共硬化可能な複合材料基材に付加される。
【0034】
[0034] 別の一態様では、共硬化可能な複合材料基材が、炭素繊維強化ポリマー複合材料基材を含む。
【0035】
[0035] 別の一態様では、共硬化可能な複合材料基材が、繊維強化エポキシ樹脂マトリクスを含む。前記繊維強化エポキシ樹脂マトリクスは、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0036】
[0036] 更なる1つの本態様は、本明細書で提示される方法に従って作製された共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体を対象とする。
【0037】
[0037] 別の1つの本態様では、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体を作製するための方法が提示される。共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体は、共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体に接合されるように構成されている。該方法は、共硬化可能な第2の複合材料基材を提供することと、共硬化可能な複合材料の第2の前駆体を形成するために、共硬化可能な第2の複合材料基材に隣接して配置するように共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を付加することとを含む。共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層は、共硬化された状態で共硬化可能なUV/可視光耐性層と相溶性がある共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含み、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層をカバーするピールプライ裏打ち層を更に含む。該方法は、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体を形成するために、共硬化可能な第2の複合材料基材を、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層と共硬化させることを更に含む。
【0038】
[0038] 更なる複数の本態様は、本明細書で提示される方法に従って作製された共硬化された第2の複合材料アセンブリ前駆体を対象とする。
【0039】
[0039] 別の一態様では、共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体に接合されるように構成された共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体を作製するための方法が、共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面を形成するために、共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体からピールプライ裏打ち層を除去すること、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面を形成するために、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体からピールプライ裏打ち層を除去すること、共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面と共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面のうちの少なくとも一方に接着剤層を付加すること、及び、複合材料アセンブリを形成するために、共硬化された第1の複合材料アセンブリ前駆体を共硬化された第2の複合材料アセンブリ前駆体に接合することを更に含む。
【0040】
[0040] 更なる一態様は、本明細書で開示される方法に従って作製された複合材料アセンブリを対象とする。
【0041】
[0041] 更なる一態様は、本方法に従って作製された複合材料アセンブリを含むビークルを対象とする。
【0042】
[0042] 別の1つの本態様は、本方法に従って作製された複合材料アセンブリを含む航空機を対象とする。
【0043】
[0043] 上述の特徴、機能、及び利点は、様々な態様において単独で実現することができ、又は、更に別の複数の態様において組み合わせることができるが、これらの詳細は、以下の説明及び添付図面を参照することによって確認することができる。
【0044】
[0044] 本開示の変形例について一般的な用語で説明してきたが、これから添付の図面を参照する。これらは必ずしも縮尺通りに描かれている訳ではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1A】[0045] 複数の本態様による航空機の形態を採るビークルの図である。
図1B】[0046] 複数の本態様による航空機の主翼内の航空機燃料タンク内の断面図である。
図2A】[0047] 複数の本態様によるUV/可視光耐性の共硬化可能な複合材料スタックの拡大された断面代表側面図である。
図2B】[0048] 複数の本態様によるUV/可視光耐性の共硬化される複合材料スタックの拡大された断面代表側面図である。
図2C】[0049] 複数の本態様によるUV/可視光耐性の共硬化される複合材料スタックの拡大された断面代表側面図である。
図3】[0050] 複数の本態様による、共硬化された複合材料スタックを形成するために、硬化段階を通って進む共硬化可能な合材料スタックの断面代表側面図である。
図4A】[0051] 複数の本態様による、航空機アセンブリを形成するために、製造段階を通って進む共硬化可能な複合材料スタック前駆体及び航空機構造前駆体の断面代表側面図である。
図4B】[0052] 複数の本態様による、航空機アセンブリを形成するために、製造段階を通って進む共硬化可能な複合材料スタック前駆体及び航空機構造前駆体の断面代表側面図である。
図5】[0053] 複数の本態様による方法を概説するフローチャートである。
図6】[0054] 複数の本態様による方法を概説するフローチャートである。
図7】[0055] 複数の本態様による方法を概説するフローチャートである。
図8】[0056] 複数の本態様による方法を概説するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
[0057] 複数の本態様は、例えば、構造アセンブリであり得る複合材料アセンブリの製造において使用される共硬化可能な及び共硬化される複合材料前駆体(本明細書で等価的に「複合材料アセンブリ前駆体」と呼ばれる)の表面処理を対象とする。本表面処理は、UV/可視光耐性材料を含む複合材料と相溶性がある共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ層の付加を介して、処理された複合材料前駆体露出面の表面エネルギーを増大させ、この露出面の二次的な接合を大幅に改善することができる。それ自体(ピールプライ)が、UV/可視光耐性材料を含む。そのUV/可視光耐性材料は、UV/可視光耐性材料含有複合材料と相溶性があり、共硬化可能である。
【0047】
[0058] より大きな構造アセンブリ(例えば、航空機の中に組み込まれる航空機アセンブリなど)を製造するために使用され得る複合材料部品の製造中に、複合材料部品(例えば、エポキシ系複合材料や炭素繊維強化ポリマー材料などを含み得る)の複合材料面は、周囲の紫外線/可視光(UV/可視光)放射への曝露により劣化し始めることがある。UV/可視光放射への複合材料の曝露によって、少なくとも部分的にもたらされ得る複合材料の表面又は他の特性の変化(例えば、変色などを含む)を回避するために、複合材料表面は、しばしば、ポリマーカバーによって保護されるか、又は、例えば、スプレーで噴霧されるサーフェーサーやプライマー層などの少なくとも1つの保護層でコーティングされる。この保護層は、例えば、UV「遮断」剤を含有している。
【0048】
[0059] UV緩和又は「遮断」剤を層として複合材料表面に付加することは、しばしば、少なくとも、製造時間を増加させ、再作業時間を増加させ、全体の生産費用を増加させるなどの様態で、製造の複雑さを追加する。というのも、そのように付加されたUV遮断材料カバーは、典型的には、更なる複合材料アセンブリの処理が行われる前に、複合材料から除去されるか、又は化学的若しくは機械的に再活性化されるからである。
【0049】
[0060] 使用(例えば、アセンブリの中への組み込み)前に複合材料露出面及びコーティングに衝撃を与えるUV/可視光波長からのUV/可視光による損傷は、複合材料に材料の再作業を必要とさせる可能性がある。加えて、UV/可視光放射への曝露はまた、経時的に材料の特性を変化させ得る。例えば、層又は複合材料が例えば機械的塗料除去技法などに晒されるときなどに、UV/可視光放射は、コーティング層又は複合材料を処理による損傷に対して脆弱にし得る。UV/可視光による損傷を含む環境損傷に対する防御のための大きな構造用の材料層の選択は、結果として一連のコーティング層の付加を必要とし得る。このようなコーティング層の各々の付加は、結果として、時間や費用を大幅に高め、例えば、航空機を含む大きな構造に重量を追加し得る(重量を考慮すると、使用される燃料、貨物及び乗客の収容量、航空機の航続距離などが、更に影響を受け得る)。
【0050】
[0061] 共硬化可能な又は共硬化される複合材料基材と直に接触する共硬化可能なUV/可視光耐性層又は共硬化されるUV/可視光耐性層を含む共硬化可能な及び共硬化される複合材料を対象とする複数の本態様が開示される。共硬化された及び共硬化可能なUV/可視光耐性層の複合材料基材への組み込みは、UV/可視光損傷から複合材料を保護するために、及び、例えば、航空機を含むビークルの内面及び外面を含む、より大きな構成要素用の構造アセンブリで使用される複合材料システムの準備においてなど、複合材料基材に以前に付加されていた別個のUV耐性コーティングを含む必要性を少なくともなくすことによって、複合材料製造に著しい影響を与え、性能を改善し、構造的複合材料の重量を低減させる。
【0051】
[0062] 更なる複数の本態様によれば、UV/可視光耐性層を組み込んだ共硬化可能な及び共硬化される複合材料は、より大きなアセンブリの製造において使用される共硬化可能な及び共硬化される複合材料前駆体であり得る。このような複合材料アセンブリ前駆体をより大きなアセンブリ内に共に接合するときに、このような複合材料部品の二次的な接合能力を高めることが望ましい。共に接合され又は共に接着される複合材料部品の二次的な接合能力は、露出面の表面エネルギー(及び表面積)を増加させることによって、二次的な接合の向上を示し得る。このような表面エネルギーの増大(及び表面積の増大)は、例えば、接着剤が付加され得る露出面を「粗面化」するために露出面を機械加工することなどによって、例えば、複合材料表面に与えられ得る。このような更なる機械加工は、処理の追加及び費用の追加を大幅に必要とし得る。加えて、このような機械加工された表面変化は、不正確であったり、複合材料表面に不均一でランダムな表面変化を生じさせたりすることがある。このような凹凸のある表面処理は、複合材料の表面における二次的な接合や接合強度に悪影響を及ぼし得る。
【0052】
[0063] 複数の本態様によれば、複合材料アセンブリ前駆体製造中に、共硬化可能なピールプライ層が、共硬化可能な(例えば、未硬化の)複合材料アセンブリ前駆体「スタック」の最外面に積層され、付加されたピールプライ層を含む複合材料「スタック」全体が、選択された硬化レジメンにおいて共に共硬化され得る。共硬化可能なピールプライ層は、ピールプライ外面においてあるテクスチャー及び表面特性を有するように選択された繊維及び樹脂系を含む。このテクスチャー及び表面特性は、均一であるように選択されることができ、ピールプライ層が配置され圧縮される共硬化可能な複合材料表面にこのようなテクスチャー及び表面特性を与えるように選択され得る。
【0053】
[0064] 一実施例によれば、共硬化後、かつ、複合材料アセンブリ前駆体を別のアセンブリ構成要素/部品に接合する直前に、共硬化されたピールプライ層は、共硬化された複合材料アセンブリ前駆体から除去(「剥離」)されて、共硬化された複合材料アセンブリ前駆体接合面を現す。共硬化された複合材料前駆体接合面の表面エネルギーは、共硬化可能な及び共硬化されるピールプライの付加を介して、選択された程度まで高められる。
【0054】
[0065] 共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ層は、選択された表面テクスチャーを有する布の乾燥した未含侵シートを組み込むことができる。別の一態様では、ピールプライ層が、「湿った」予め含侵された材料を組み込み得る。この材料は、樹脂系材料であって、例えば、複合材料基材の中に組み込まれ、複合材料基材に選択された量のUV/可視光保護を提供する役割を担う、共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性材料と相溶性がある樹脂系材料で含侵され得る。ピールプライ層材料の中に含侵された樹脂系材料は、(例えば、分離層又は膜プライなどとして)複合材料アセンブリ前駆体の複合材料基材の中に又は上に組み込まれたUV/可視光耐性材料と同じ又は異なるUV/可視光耐性樹脂系であり得る。
【0055】
[0066] 共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ層内の材料に関する「相溶性がある」(複合材料基材内のUV/可視光耐性材料と「相溶性がある」)という用語は、次のことを意味する。すなわち、(裏打ち層を組み込み得る)共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ層の成分は、共硬化中又は後に、共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性材料と干渉することがなく、干渉しないように特に選択されている。言い換えると、共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ層の組成は、少なくとも、共硬化される複合材料アセンブリ前駆体の露出面において選択され結果として生じる二次的な接合特性と干渉しない(好適には強化する又はさもなければ改善する)ように構成されている。
【0056】
[0067] 二次的な接合特性は、例えば、表面エネルギーを高めることなどによって二次的な接合を改善する複合材料前駆体表面における選択された物理的トポグラフィーを含み得る。二次的な接合特性はまた、例えば、後に付加される接着剤などとの二次的な接合を向上させるように設計された複合材料アセンブリ前駆体表面において配置されたUV/可視光耐性材料層によって、例えば与えられ得る複合材料前駆体表面の化学特性も含み得る。
【0057】
[0068] 1つの本態様によれば、共硬化可能なピールプライ層の選択された表面特性は、複合材料が接合、共接合、及び接着などされることになる表面との著しく改善された二次的な接合及び共接合のために複合材料表面を調整し、さもなければ変化させ、「準備」するように選択される。それは、例えば、本複合材料アセンブリ前駆体を含む本開示の複合材料アセンブリの準備及び製造において、例えば、他の構造に本開示の複合材料アセンブリ前駆体を接合することを含む。加えて、共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ層は、複合材料アセンブリを汚染物質への曝露から、及び/又は物理的損傷、酸化などから保護し得る。それらは、例えば、製造及び/又は保存中に生じる可能性があり、複合材料アセンブリ前駆体の接合エリアにおける二次的な接合を弱くし得る。
【0058】
[0069] 加えて、複数の本態様によれば、共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ層の繊維及び樹脂構造の選択された繊維成分は、選択された表面テクスチャー及び選択された表面積を生成することによって、共硬化される複合材料アセンブリ前駆体の接合面の表面エネルギーを高めるように選択される。その特性は、ピールプライ層から、ピールプライ層に接触する複合材料アセンブリ前駆体の表面に「転写」され得る。
【0059】
[0070] 図1Aは、複数の本態様による航空機の形態を採るビークルの図である。図1で示されているように、航空機10は、主翼アセンブリ12、主翼アセンブリ燃料タンクアセンブリ13、水平安定板アセンブリ14、及び垂直安定板アセンブリ16を含む。本開示の複合材料は、図1Aで示されているものを含む様々な航空機アセンブリを形成するように構成され、さもなければ形成するように構成されるように構成されている。図1Aで更に示されているように、航空機主翼アセンブリ12は、主翼アセンブリ内の航空機燃料タンク(本明細書で、航空機主翼アセンブリ燃料タンクと呼ばれる)の形態を採るビークル燃料タンクを含む。図1Bは、線1B‐1Bに沿った主翼アセンブリ13の断面側面図を示している。
【0060】
[0071] 図1Bで示されているように、航空機主翼アセンブリ燃料タンク13は、主翼アセンブリ燃料タンク外面13a及び主翼アセンブリ燃料タンク内面13bを含む。図1Bは、主翼アセンブリ燃料タンク空洞13dを更に示している。主翼アセンブリ燃料タンク空洞13dは、航空機主翼アセンブリ燃料タンク内面13bによって画定される(例えば、囲まれる、境界付けられる)。本開示の複合材料アセンブリ前駆体は、図1A及び図1Bで示されているものを含む様々な航空機アセンブリを形成するように構成され得るか、又はさもなければ形成するように構成されるように構成され得る。
【0061】
[0072] 複数の本態様によれば、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ポリエステル繊維、及びそれらの組み合わせを含み得るマトリクス状の繊維と組み合わされたエポキシ樹脂系複合材料を含み得る共硬化可能な複合材料基材が提供される。炭素繊維は特に好適であり、共硬化可能な炭素繊維強化ポリマー複合材料は、特に好適な複合材料基材である。
【0062】
[0073] 更なる本開示の複数の態様によれば、複合材料アセンブリの製造において使用される共硬化可能な及び共硬化される複合材料アセンブリ前駆体は、共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性層(本明細書で等価的にUV/可視光抑制層と呼ばれる)を更に含む。UV/可視光耐性層は、例えば、共硬化可能なUV/可視光耐性層として、単一の共硬化可能なUV/可視光耐性層プライ(例えば、単一のプライ膜層の形態を採る)であり得る、共硬化可能なUV/可視光耐性層の形態を排他的に採る複合材料に提供される。
【0063】
[0074] 更なる複数の本態様によれば、共硬化可能なUV/可視光耐性層は、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、石英、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。更なる複数の本態様によれば、共硬化可能なUV/可視光耐性層は、共硬化可能な複合材料基材材料と密接に接触するように提供される。共硬化可能なUV/可視光耐性コーティングされた複合材料アセンブリ前駆体を形成するために、複合材料基材は、共硬化可能なUV/可視光耐性層と共硬化可能である。
【0064】
[0075] 複数の本態様によれば、「共硬化可能な」材料は、別の材料と共硬化され得る材料であると規定される。それによって、2つの共硬化可能な材料は、共通の硬化条件に晒されたときに共硬化することになる。例えば、「共硬化された」組成を形成するために、所定の硬化レジメン(選択された温度、圧力、ランプアップ温度/速度、滞留時間など)によって課され得る条件などである。
【0065】
[0076] 本明細書で等価的にベース層若しくは下層又は複合材料基材層とも呼ばれる複合材料基材は、エポキシ樹脂系マトリクスを有し得る繊維強化ポリマー複合材料を含むエポキシ樹脂系材料で有り得るとともに、炭素繊維強化複合材料を含み得る、共硬化可能な複合材料であり得る。複数の本態様では、共硬化可能な複合材料が、華氏約250度から華氏約410度の範囲の温度で、共硬化可能な材料層と共硬化され得る任意の適切な複合材料であり得る。
【0066】
[0077] 複合材料は、しばしば、選択された数の複合材料層(しばしば「プリプレグ」と呼ばれる)を有する積層体に積層される。プリプレグは、エポキシ樹脂系材料などのマトリクス材料が既に存在する「予め含侵された」複合材繊維であり得る。繊維は、しばしば、織物の形態を取り、マトリクスは、製造中にそれらを共に及び他の構成要素と接合するために使用される。複合マトリクス材料は、典型的には、容易な取り扱いを可能とするために、部分的に硬化される。このような複合マトリクス材料は、更なる部分的な硬化又は完全に硬化されることを防止するために、冷却又は冷蔵を必要としてよく、そのような複合材マトリクス材料は、Bステージ材料と呼ばれる。結局、Bステージプリプレグは、冷却された又は冷蔵エリア内に保存される。というのも、周囲の熱は、完全な重合を促進し得るからである。プリプレグはまた、バルク量の繊維を含侵させ、次いで、後の硬化まで長時間にわたり冷却された又は冷蔵エリア内にプリプレグを保存させることが可能である。プリプレグプライは、使用される製造プロセスに応じて、平坦な又は輪郭のある工具に付加され得る。複数層のプリプレグプライは、マンドレルとも呼ばれる成形又は形成工具を使用して所望の形状を作るために使用される。複数の本態様は、非限定的に、相溶性がある複合材料表面エネルギーが高められた共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ層を組み込んだ、共硬化可能な及び共硬化される複合材料基材前駆体を形成するために、複合材料プリプレグの積層された層の使用を企図する。
【0067】
[0078] 複数の本態様によれば、共硬化可能な複合材料表面を共硬化可能なUV/可視光耐性層と直に接触させることによって、例えば、共硬化可能なUV/可視光耐性複合材料を共硬化形成した後で、選択された程度のUV/可視光耐性及びUV/可視光保護が、複合材料基材に排他的に与えられ得る。すなわち、複数の本態様によれば、以前に必要とされていたUV/可視光耐性プライマーやUV遮断ペイントなどは、排除され得、さもなければそれらの存在は省略される。というのも、UV/可視光耐性複合材料内でのそれらのUV保護機能は、共硬化可能な複合材料基材と直に接触するように提供される、共硬化可能なUV/可視光耐性層の追加及び配置によって、排他的に満たされるからである。
【0068】
[0079] 共硬化可能なUV/可視光耐性層を、共硬化可能な複合材料並びに選択された相溶性がある共硬化可能な及び共硬化されるピールプライ層と共硬化させることによって、複合材料アセンブリを形成するために、他の複合材料アセンブリ前駆体と共接合される前駆体として使用されるときに、複数の利点が本開示の共硬化されるUV可視光耐性層によって、少なくとも下層のエポキシ系複合材料、ならびに共硬化される複合材料アセンブリ前駆体の露出面特性に与えられる。
【0069】
[0080] 複数の本態様によれば、そのような与えられた複数の利点は、非限定的に、例えば、エポキシ系複合材料のUV/可視光保護、及び、保存中などの複合材料アセンブリ前駆体の有害な表面効果からの保護、ならびに相溶性がある共硬化可能なピールプライ層を共硬化可能なUV/可視光耐性複合材料アセンブリ前駆体の露出面に付加することによって共硬化可能なUV/可視光耐性複合材料アセンブリ前駆体の最終的な露出面に高められた表面エネルギーを導入することを含む。相溶性がある共硬化可能なピールプライ層は、繊維及び樹脂系であって、UV/可視光耐性樹脂を含み得るとともに、ピールプライが付加され共硬化される共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体に組み込まれた共硬化可能なUV/可視光耐性材料と相溶性があるように選択され得る繊維及び樹脂系を含む。
【0070】
[0081] 相溶性があるピールプライ層を有する本開示の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性複合材料アセンブリ前駆体の使用を介して、普通であれば必要とされ、以前は必要とされてきた著しい数の手順ステップが省略される。その結果、例えば、UV/可視光によって損傷を受けた層の交換のための材料費、個々の層の付加処理のために以前は必要とされたマンパワーアワー(例えば、個々の層の表面前処理ステップ、層付加ステップ、層の表面後処理ステップに関連付けられた費用、遅延、及び処理の複雑さ、それらは、化学物質付加、物理的表面処理、例えば、砂によるものなど、堆積された層の検査などを含む)を含む資源の実質的な低減をもたらす。
【0071】
[0082] 共硬化されるUV/可視光耐性複合材アセンブリ前駆体は、より大きな複合材料アセンブリに接合され、それらの中に一体化される。より大きな複合材料アセンブリは、例えば、航空機アセンブリを含む。航空機アセンブリは、例えば、航空機主翼アセンブリを含む。航空機主翼アセンブリは、例えば、ストリンガを含み得る。ストリンガは、複合材料ストリンガやスパーであり得る。スパーは、複合材料外板に共接合される複合材料スパーなどであり得る。このような複合材料前駆体は、複合材料前駆体を、例えば、硬化され得る介在する接着材料と共に接着することによって共に接合され得る。複合材料前駆体の露出面は、典型的には、露出面において生じる二次的な接合を向上させるために個別に処理される。典型的な処理は、露出面の表面エネルギー及び表面積を著しく増大させるが、同時に処理の複雑さ、費用、重量などを著しく増大させる個別の処理を含み得る。
【0072】
[0083] 露出した複合材料表面の表面エネルギーを高める1つの費用効果に優れた方法は、複合材料露出面に付加される保護ピールプライ層の使用を含む。複合材料露出面において又はその近傍にUV/可視光耐性層を有する共硬化可能な複合材料「スタック」を保護するために付加された共硬化可能なピールプライ層を共硬化させる試みは、共硬化中に不均一な結果を経験した。特定の理論に束縛されるものではないが、複合材料に組み込まれた共硬化可能なUV/可視光耐性層は、使用するまで(例えば、表面損傷、変色、環境への悪影響、酸化などから)露出された共硬化可能な及び共硬化される複合材料表面を保護するために使用される利用可能なピールプライ層と相溶性がなかったと考えられる。
【0073】
[0084] 複数の本態様は、相溶性があるピールプライ層を有する著しく優れた共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性複合材料アセンブリ前駆体、本共硬化されるUV/可視光耐性複合材料前駆体を組み込んだ複合材料アセンブリ、及び本開示の共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性複合材アセンブリ前駆体を作製し、使用し、本複合材料アセンブリに組み込むための方法を対象とする。
【0074】
[0085] 複数の本態様によれば、図2Aは、共硬化可能なUV/可視光耐性層24が共硬化可能な複合材料22の上に配置された共硬化可能な複合材料基材22を含む共硬化可能な複合材料前駆体「スタック」20の拡大された断面代表側面図を示す。図2Aは、共硬化可能なUV/可視光耐性層24の上に配置された相溶性がある共硬化可能なピールプライ層26を更に示す。共硬化可能なピールプライ層26は、共硬化可能なUV/可視光耐性層24と相溶性がある繊維及び樹脂系を含み、共硬化可能なピールプライ層26は、テクスチャー付きピールプライ層繊維成分の選択された程度の表面特性を、共硬化可能なUV/可視光耐性層24に転写することになる。複数の本態様によれば、共硬化され、共硬化されたUV/可視光耐性層34(図2Bで示されている)からピールプライ層が除去されると、硬化された複合材料アセンブリ40(例えば、図2Cで示されている)の露出された共硬化されたUV/可視光耐性層の表面エネルギーの著しい増加が実現される。
【0075】
[0086] 共硬化可能な複合材料20は、共硬化レジメンに従い得る。その場合、例えば、共硬化可能なUV/可視光耐性層24、共硬化可能な複合材料基材22、及び相溶性がある共硬化可能なピールプライ層は、共硬化されたUV/可視光耐性複合材料アセンブリ前駆体を形成するために、構成要素を共硬化させるのに適した期間にわたり、華氏410度未満の硬化温度で、より好適には華氏約250度から華氏約410度の範囲の温度で共硬化される。図2Aで示されているように、共硬化可能な複合材料基材22は、共硬化可能な炭素繊維強化ポリマー複合材料基材であり得る。それは、更に、共硬化可能なエポキシ樹脂系複合材料基材であり得る。
【0076】
[0087] 図2Bは、図2Aで示されている未硬化構成要素から形成され、今や選択された共硬化レジメンにおいて共硬化された、共硬化されたUV/可視光耐性複合材料アセンブリ前駆体30(相溶性がある共硬化されたピールプライ層26が未だ適所にある)を示す。図2Bで示されているように、共硬化されたUV/可視光耐性層34は、共硬化された複合材料基材32と、及び適所にある相溶性がある共硬化されたピールプライ層36と共硬化されている。複数の本態様によれば、共硬化されたUV/可視光耐性層34は、単一のプライであり得るか、又は2つ以上のプライであり得る。共硬化されたUV/可視光耐性層34は、下層の共硬化された複合材料基材32に、選択された程度のUV/可視光保護を排他的に与える(すなわち、与えることに本質的に100%の責務を有する)ことができる。それによって、共硬化されたUV/可視光耐性層が、約2ミルから約6ミルの範囲の平均厚さを有するときに、約180nmから約800nmの範囲のUV/可視光波長に対して、共硬化されたUV/可視光耐性層は、約0%から約20%のUV/可視光透過率の範囲のUV/可視光透過率値を有する。すなわち、複数の本態様によれば、共硬化されたUV/可視光耐性層のUV/可視光遮断能力は、複合材料システム内に任意の更なるUV/可視光耐性層の存在に対する必要性を排除し、冗長にし、さもなければその存在を省略する。それらは、例えば、UV/可視光耐性ペイント、UV/可視光耐性プライマー、UV/可視光耐性トップコートを含む。ならびに該能力は、UV/可視光遮断剤を複合材料基材前駆体の中に組み込む必要性を不用にする。代わりに、複合材料アセンブリ用の本開示の共硬化された複合材料前駆体、及び本開示の共硬化された複合材料アセンブリを組み込んだ構造に対する、UV/可視光遮断機能の全体は、例えば、単一プライUV/可視光耐性層であり得る共硬化可能な及び共硬化されるUV/可視光耐性層によって、結果として生じる共硬化された複合材料アセンブリに導入されたUV/可視光遮断能力によって完全に満たされ得る。再び、本態様によれば、本開示の共硬化された複合材料アセンブリに対する所望の及び選択されたUV/可視光遮断機能を実現するために、更なるUV/可視光耐性層は必要とされない。
【0077】
[0088] 別の一実施例では、下層の共硬化された複合材料基材32に与えられる選択された部分又は程度のUV/可視光保護は、例えば、相溶性がある共硬化可能なピールプライ26内の繊維マトリクス内に含侵された共硬化可能なUV/可視光耐性材料(例えば、共硬化可能な複合材料アセンブリ前駆体の露出面に付加された本ピールプライ層に関連付けられるUV/可視光耐性繊維及び樹脂系)によって、共硬化された複合材料基材に供給され、さもなければ与えられ得る。
【0078】
[0089] 複数の本態様によれば、図2B(例えば、共硬化されたピールプライ層の除去後)に示される種類の共硬化されたUV/可視光耐性複合材料アセンブリ前駆体は、以下のような複合材料アセンブリ及び/又はサブアセンブリの製造のための構造複合材料前駆体として使用され得る。例えば、航空機を含むビークルの構造アセンブリ及び/又はサブアセンブリであり得、例えば、航空機主翼アセンブリ、航空機水平安定板、及び航空機垂直安定板、航空機主翼翼燃料タンクなどを含み得る。
【0079】
[0090] 図2Cは、(非テクスチャー付きの露出された複合材料表面又は非相溶性のピールプライと共硬化された後のテクスチャー付き若しくは非テクスチャー付き複合材料表面と比較して)テクスチャー付き複合材料前駆体の(例えば、構造複合材料アセンブリであり得る複合材料アセンブリを形成するための別の複合材料前駆体との)選択された程度の二次的な接合を著しく向上させるために、選択された表面エネルギー(例えば、表面積)を有する露出面を有する共硬化されたUV/可視光耐性複合材料層34を更に含む、共硬化された複合材料システムの形態を採る共硬化されたUV/可視光耐性複合材料アセンブリ前駆体40の拡大された断面代表側面図である。すなわち、図2Cは、共硬化されたエポキシ樹脂複合材料基材32の上に配置された共硬化されたUV/可視光耐性層34を有する、共硬化された複合材料アセンブリ前駆体40を示す。共硬化されたピールプライ層は今や除去され、共硬化された複合材料前駆体は今や、例えば、共硬化された複合材料アセンブリ前駆体40を組み込んだ複合材料アセンブリの製造を含む、更なる処理の準備ができている。
【0080】
[0091] 図3は、例えば、複合材料外板であり得る共硬化された複合材料前駆体130(図2Cで示されている共硬化された複合材料アセンブリ前駆体40と同様な)を作製するためのプロセスを含む、共硬化された複合材料前駆体を作製することにおいて有用な種類の代表的で非限定的な共硬化プロセスの部分断面側面図である。図3で示されているように、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体110(例えば、共硬化可能な複合材料「スタック」の形態を採る)は、共硬化可能な炭素繊維強化ポリマー材料基材であり得、共硬化可能なエポキシ樹脂系繊維強化複合材料基材であり得る、共硬化可能な複合材料基材112を含む。共硬化可能なUV/可視光耐性層114が、共硬化可能な複合材料112の上に配置されるように図示されている。共硬化可能なピールプライ層116は、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体110を形成するために、共硬化可能なUV/可視光耐性材料層114をカバーするように配置され、さもなければ位置決めされる。共硬化可能なピールプライ層は、UV/可視光耐性材料層と相溶性があり、UV/可視光耐性材料層と更に共硬化可能であるように選択された、繊維及び樹脂系を含む。共硬化可能な状態では、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体が、保存され得る(例えば、冷却貯蔵又は冷蔵)。共硬化可能なピールプライ層は、保存環境内での保存中に複合材料前駆体外面のための保護層として作用する。
【0081】
[0092] 図3で更に示されるように、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体110は、次いで、オートクレーブ118の中に導入される。その場合、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体110は、選択された共硬化レジメンに晒される。例えば、華氏約250度から華氏約410度の範囲の温度における共硬化レジメンである。
【0082】
[0093] 共硬化後、今や共硬化された複合材料の第1の前駆体120は、相溶性がある共硬化されたピールプライ層126によってカバーされたUV/可視光耐性材料124の共硬化された領域を含む、共硬化された複合材基材122を含む。図3で示されている最後の段階では、共硬化された材料の第1の前駆体120が、例えば、複合材料アセンブリの中に組み込まれる準備ができている場合である。共硬化されたピールプライ層126は、相溶性があるピールプライ層(今や除去される)によって与えられた特性を有する露出された外面を今や有する、共硬化された複合材料の第1の前駆体130を形成するために、共硬化された複合材料前駆体120から除去され得る。与えられた表面特性は、例えば、共硬化された複合材料の第1の前駆体130の共硬化されたUV/可視光耐性材料層124の今や露出面における二次的な接合を著しく改善し得る選択された表面エネルギーを含み得る。
【0083】
[0094] 図4Aは、本明細書で開示される共硬化された複合材料の第1及び第2の前駆体を作製し、次いで、組み立てる(例えば、複合材料アセンブリに)ことにおいて有用な種類の代表的で非限定的な共硬化プロセスの部分断面側面図である。共硬化された複合材料の第1の前駆体130(図3で示されている)用の例示的な処理プロトコルが、共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体130(図4Aでは、例えば、複合材料「外板」であり得る製品又は共硬化された複合材料アセンブリ前駆体「B」としても指定されている)を得るために、例示的なプロセスとして図4Aで再び示されている。
【0084】
[0095] 図4Aは、例えば、航空機主翼アセンブリであり得る複合材料アセンブリ180を形成するために、「外板」、「B」(第1の前駆体)と組み合わされるストリンガの形態を採るように例えば示されている、共硬化可能な複合材料アセンブリの第2の前駆体140の例示的で非限定的な準備を更に示す。図4Aで示されているように、相溶性がある共硬化可能なピールプライは、共硬化可能な複合材料アセンブリの第2の前駆体144を形成するために、共硬化可能な複合材料構成要素140の露出端(例えば、共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体130と接合される)に付加される。共硬化可能な複合材料構成要素140及び相溶性がある共硬化可能なピールプライ142(共に共硬化可能な複合材料アセンブリの第2の前駆体144を形成する)は、オートクレーブ118に供給され、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体154(例えば、共硬化された複合材料「ストリンガ」であり得る、製品又は複合材料アセンブリ前駆体「A」としても図4Aで指定されている)を形成するために、相溶性がある共硬化可能なピールプライ152を有する共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体150を形成するための、選択された共硬化レジメンに従って共硬化される。
【0085】
[0096] 更なる処理並びに第1の及び第2の複合材料アセンブリ前駆体を複合材料アセンブリに組み合わせる前(例えば、所望であれば直前)に、図4Aは、相溶性があるピールプライ層(今や除去される)によって与えられた表面テクスチャー付き特性を有する露出された外面を今や有する共硬化された複合材料の第2の前駆体160を形成するために、複合材料アセンブリの第2の前駆体154から共硬化されたピールプライ層152を除去することを更に示す。第2の前駆体の露出面は、例えば、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体160(複合材料前駆体「A」としても図4Aで指定されている)の今や露出面において、共硬化された複合材料の第2の前駆体に選択された著しく改善された接合面を与える選択された表面エネルギーを含む。
【0086】
[0097] 図4Aは、共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体130と共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体160の露出面の間に接着剤層170を介在させることによって形成された複合材料アセンブリを形成するために、前駆体AとBを共に組み合わせることを更に示す。接着された複合材料前駆体と接着剤層とを選択された接着硬化レジメンのためにオートクレーブ118にかけた後で、仕上げられた複合材料アセンブリ180が、複合材料の第1の前駆体130と複合材料の第2の前駆体160を含むように形成される。
【0087】
[0098] 別の一実施例では、複合材料アセンブリ内の前駆体の二次的な接合性能を向上させるための、共硬化可能な及び/又は共硬化される複合材料前駆体(例えば、特に相溶性がある共硬化可能なピールプライ層なしに、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体110として、図4Aで示されている第1の前駆体)の表面上に生成された表面積の増大及び表面エネルギーの増大は、図4Aで示される例示的なプロセスを超える代替的なやり方で実現され得る。
【0088】
[0099] 図4Bで示されているように、別の1つの本態様によれば、共硬化可能な(例えば、未硬化の)複合材料の第1の前駆体110aは、特に、第1の前駆体110aと共硬化された複合材料の第2の前駆体160との組み立ての前に、共硬化可能に導入されたピールプライ層を含まない。すなわち、図4Bで示されているように、図4Bは、例えば、航空機主翼アセンブリであり得る複合材料アセンブリ180を形成するために、「外板」、「B」(複合材料の第1の前駆体)と組み合わされるストリンガの形態を例えば採るように示されている、共硬化可能な複合材料アセンブリの第2の前駆体140の例示的で非限定的な準備を更に示す。
【0089】
[00100] 図4Bで示されているように、共硬化可能な複合材料アセンブリの第2の前駆体144を形成するために、共硬化可能な複合材料構成要素140の露出面(例えば、共硬化可能な複合材料アセンブリの第1の前駆体110aに接合される)に、相溶性がある共硬化可能なピールプライが付加される。共硬化可能な複合材料構成要素140及び相溶性がある共硬化可能なピールプライ142(共に共硬化可能な複合材料アセンブリの第2の前駆体144を形成する)は、オートクレーブ118に供給され、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体154(例えば、共硬化された複合材料「ストリンガ」であり得る、製品又は複合材料アセンブリ前駆体「A」としても図4Bで指定されている)を形成するために、相溶性がある共硬化可能なピールプライ152を有する共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体150を形成するための、選択された共硬化レジメンに従って共硬化される。
【0090】
[00101] 更なる処理並びに第1及び第2の複合材料アセンブリ前駆体を複合材料アセンブリに組み合わせる前(例えば、所望であれば直前)に、図4Bは、相溶性があるピールプライ層(今や除去される)によって与えられた表面テクスチャー付き特性を有する露出された外面を今や有する共硬化された複合材料の第2の前駆体160を形成するために、複合材料アセンブリの第2の前駆体154から共硬化されたピールプライ層152を除去することを更に示す。第2の前駆体の露出面は、今や、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体160(複合材料前駆体「A」としても図4Bで指定されている)の露出面において、例えば、共硬化された複合材料の第2の前駆体に選択された著しく改善された接合面を与える選択された表面エネルギーを含む。
【0091】
[00102] 図4Bは、共硬化された複合材料アセンブリの第1の前駆体110aと共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体160の露出面の間に接着剤層170aを介在させることによって形成された複合材料アセンブリを形成するために、前駆体AとBを共に組み合わせることを更に示す。複数の本実施例によれば、接着剤層は、接着剤層170が第1及び第2の前駆体接合面の間に介在する限り、複合材料「A」及び/又は「B」の一方又は両方に追加され得る。接着された複合材料の第1及び第2の前駆体と接着剤層とを選択された接着硬化レジメンにわたりオートクレーブ118にかけた後で、仕上げられた硬化された複合材料アセンブリ180aは、硬化された複合材料の第2の前駆体160に接合された今や硬化された複合材料の第1の前駆体110aを含むように形成される。
【0092】
[00103] 複数の本開示によれば、硬化及び共硬化レジメンは、接合される第1及び第2の複合材料の材料相溶性及び二次的な接合を改善し、ならびに共硬化可能なピールプライ層の中に組み込まれた相溶性がある構成材料の処理能力を改善するように選択され得る。それは、複合材料の第1の前駆体の中に組み込まれる(1以上の)UV/可視光耐性構成材料及び複数の層とのピールプライ層の相溶性に関することも含む。
【0093】
[00104] このように選択された硬化レジメンは、第1及び第2の前駆体を接合すること(例えば、第1及び第2の前駆体を介在する接着剤層と接合することを含む)の前後に、第1及び第2の前駆体の部分的又は不完全な硬化を含み得る。例えば、複数の本態様によれば、本明細書で開示されるように、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体は、共硬化可能な構造複合材料基材と呼ばれ得る共硬化可能な複合材料基材を含み得る。複数の本態様によれば、本明細書で開示されるように、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体は、UV/可視光耐性材料層であって、共硬化可能な複合材料基材を実質的に完全にカバーするように配置され得、共硬化可能な複合材料基材を、例えばUV/可視光劣化の環境的に有害な効果から保護するように構成され得る、UV/可視光耐性材料表面層と本明細書で等価的に呼ばれ得るUV/可視光耐性材料層を更に含む。
【0094】
[00105] 幾つかの本実施例によれば、少なくとも共硬化可能な複合材料の第1の前駆体は、繊維及び樹脂系を含み得る。この繊維及び樹脂系は、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体にUV/可視光耐性(表面)層内の樹脂成分を提供するように選択される。この樹脂成分は、UV/可視光耐性(表面)層の下にある共硬化可能な複合材料基材内に組み込まれた樹脂系及び成分の選択されたゲル温度におけるゲル時間よりも短い(例えば、より速い)選択されたゲル温度におけるゲル時間を促進する。複数の本態様は、初期及び後続の硬化レジメンを組み込んだ硬化レジメンを選択することを考慮する。それによって、例えば、UV/可視光耐性(表面)層は、UV/可視光耐性(表面)層の下にある共硬化可能な複合材料基材を少なくとも部分的に硬化させる前に少なくとも部分的に硬化される(例えば、初期硬化段階中に)。加えて、複数の本態様は、初期及び後続の硬化レジメンを組み込んだ硬化レジメンを選択することを更に考慮する。それによって、例えば、後続の硬化中、UV/可視光耐性(表面)層は、UV/可視光耐性(表面)層の下にある共硬化可能な複合材料基材を完全に硬化させる前に完全に硬化される。
【0095】
[00106] 複数の本態様によれば、複合材料の第1の前駆体の未硬化UV/可視光耐性(表面)層の選択されたゲル時間が、複合材料の第1の前駆体の複合材料基材の選択されたゲル時間よりも短い(例えば、より速い)ときに、未硬化UV/可視光耐性(表面)層は、所与の温度でより速くゲル化し得る。すなわち、未硬化のUV/可視光耐性(表面)層における選択された樹脂の硬化反応速度は、複合材料の第1の前駆体の複合材料基材内の選択された樹脂の硬化反応速度よりも比較的速くなり得る。未硬化UV/可視光耐性(表面)層のより早いゲル化は、UV/可視光耐性(表面)層内の硬化される樹脂と複合材料の第1の前駆体の複合材料基材内の硬化される樹脂との間の少なくとも部分的な分離を促進することによって、未硬化複合材料基材層を、少なくともUV/可視光劣化などから更に保護し得る。
【0096】
[00107] 複合材料の第1の前駆体内の構成要素層の間のゲル時間がばらつくように選択することによって、共硬化可能なUV/可視光耐性(表面)層と下層の共硬化可能な複合材料基材との間の混合、混和、及び/又は拡散が、露出面の選択された特性の均一性を高め、複合材料の第1の前駆体と複合材料の第2の前駆体との改善された、及び選択された二次的な接合特性を更に促進して、改善された複合材料アセンブリを形成する。
【0097】
[00108] 更なる複数の態様によれば、複合材料の第1の前駆体の露出された接合面においてUV/可視光耐性層と相溶性がある繊維及び樹脂系を含む本ピールプライ層は、例えば、ゲル時間やゲル温度を含む、構成材料と構成材料特性との両方に関して、第1の前駆体内のUV/可視光耐性層と相溶性があることになる選択された量のUV/可視光耐性樹脂材料を更に含み得る。第1の前駆体材料とのピールプライ層成分の相溶性は、第1及び第2の複合材料前駆体の接合面における二次的な接合を更に強化し、さもなければ高め得る。
【0098】
[00109] 複数の本態様によれば、図5は、複合材料アセンブリ内で使用される共硬化されるUV/可視光耐性複合材料前駆体を形成するために、相溶性があるピールプライ層を用いて共硬化可能なUV/可視光耐性複合材料基材を処理するための方法を概説するフローチャートである。図5で示されているように、方法200は、第1の共硬化可能な複合材料基材を提供すること202と、共硬化可能なUV/可視光耐性層を第1の複合材料基材の上に付加すること204とを含む。共硬化可能なUV/可視光耐性層は、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を含む。第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂であり得る。共硬化可能なUV/可視光耐性層は、更に、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、石英、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。該方法は、共硬化可能な複合材料アセンブリの第1の前駆体を形成するために、共硬化可能なUV/可視光耐性層に隣接して配置するように共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を付加すること206を更に含む。共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層は、共硬化可能なUV/可視光耐性層と相溶性がある第2の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含み、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層をカバーするピールプライ裏打ち層を更に含む。該方法は、例えば、複合材料アセンブリ内で使用される共硬化された複合材の第1の前駆体を形成するために、共硬化可能な複合材料基材を、共硬化可能なUV/可視光耐性層並びに共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層と共硬化させること208を更に含む。
【0099】
[00110] 更なる一態様では、共硬化可能なUV/可視光耐性層が、約2ミルから約6ミルの範囲の平均厚さを有するときに、約180nmから約800nmの範囲のUV/可視光波長に対して、共硬化される複合材料アセンブリの第1の前駆体内の共硬化されるUV/可視光耐性層が、約0%から約20%のUV/可視光透過率の範囲のUV/可視光透過率値を有する。
【0100】
[00111] 図6は、方法200を含む方法300を用いて開示される複合材料の第1及び第2の前駆体を作製するための方法を概説するフローチャートである。方法300は、共硬化可能な第2の複合材料基材を提供すること302と、共硬化可能な複合材料の第2の前駆体を形成するために、共硬化可能な第2の複合材料基材に隣接して配置するように共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を付加すること304とを更に含む。共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層は、共硬化された状態で共硬化可能なUV/可視光耐性層と相溶性がある共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含み、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層をカバーするピールプライ裏打ち層を更に含む。
方法300は、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体を形成するために、共硬化可能な第2の複合材料基材を、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層と共硬化させること306を更に含む。
【0101】
[00112] 図7は、本明細書で開示される共硬化された第1及び第2の前駆体を含む複合材料アセンブリの製造を概説するフローチャートである。図7で示されているように、方法400によれば、第1及び第2の複合材料前駆体は、図5及び図6に関して本明細書で示され、説明されるように、方法200、300に従って形成され得る。方法400は、共硬化された複合材料の第1の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面を形成するために、共硬化された複合材料の第1の前駆体からピールプライ裏打ち層を除去すること402、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体の露出面を形成するために、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体からピールプライ裏打ち層を除去すること404、共硬化された複合材料の第1の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面と共硬化された複合材料の第2の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面とのうちの少なくとも一方に接着剤層を付加すること406、及び、複合材料アセンブリを形成するために、共硬化された第1の複合材料アセンブリ前駆体を共硬化された第2の複合材料アセンブリ前駆体に接合すること408を含む。
【0102】
[00113] 図8は、本明細書で開示される共硬化された第1及び第2の前駆体を含む複合材料アセンブリの製造を概説するフローチャートである。図8で示されているように、方法500は、第1の共硬化可能な複合材料基材を提供すること202と、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体を形成するために、共硬化可能なUV/可視光耐性層を第1の複合材料基材の上に付加すること204とを含む。共硬化可能なUV/可視光耐性層は、第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を含む。第1の共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂であり得る。共硬化可能なUV/可視光耐性層は、更に、繊維ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、石英、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。方法500は、共硬化可能な第2の複合材料基材を提供すること302と、共硬化可能な複合材料の第2の前駆体を形成するために、共硬化可能な第2の複合材料基材に隣接して配置するように共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層を付加すること304とを更に含む。共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層は、共硬化可能な及び共硬化された状態で共硬化可能な複合材料の第1の前駆体内の共硬化可能なUV/可視光耐性層と相溶性がある共硬化可能なUV/可視光耐性樹脂を更に含み、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層をカバーするピールプライ裏打ち層を更に含む。方法500は、共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体を少なくとも部分的に形成するために、共硬化可能な第2の複合材料基材を、共硬化可能なピールプライ繊維及び樹脂含有層と少なくとも部分的に共硬化させること306を更に含む。
【0103】
[00114] 方法500は、少なくとも部分的に共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体の露出面を形成するために、少なくとも部分的に共硬化された複合材料アセンブリの第2の前駆体からピールプライ裏打ち層を除去すること404、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面と、少なくとも部分的に共硬化された複合材料の第2の前駆体のUV/可視光耐性樹脂層の露出面と、のうちの少なくとも一方に接着剤層502を付加すること、少なくとも部分的に硬化された複合材料アセンブリを形成するために、少なくとも部分的に共硬化された第2の複合材料アセンブリ前駆体に共硬化可能な第1の複合材料アセンブリの前駆体を接合すること504、及び、硬化された複合材料アセンブリを形成するために、共硬化可能な複合材料の第1の前駆体を硬化させること506を更に含む。
【0104】
[00115] 更なる本態様は、共硬化可能な複合材料及び共硬化された複合材料、共硬化された複合材料を含むアセンブリ、共硬化された複合材料を含むサブアセンブリ、並びに、本明細書で説明される方法に従って作製された共硬化されたUV/可視光耐性複合材料を含むアセンブリ及び/又はサブアセンブリのうちの少なくとも一方を含む構造物を考慮する。該構造物は、例えば、有人航空機、無人航空機、有人宇宙船、無人宇宙船、有人回転翼航空機、無人回転翼航空機、有人地上ビークル、無人地上ビークル、有人水上ビークル、無人水上ビークル、有人水中ビークル、無人水中ビークル、人工衛星、及びこれらの組み合わせを含む。
【0105】
[00116] 図5図6図7図8で示されているように、方法200、300、400、500は、概説されたように、共硬化可能な炭素繊維強化ポリマー材料基材であり得るとともに、更に共硬化可能なエポキシ樹脂系繊維強化複合材料基材であり得る、共硬化可能な複合材料の第1及び第2の基材を含む。更なる複数の本態様によれば、複合材料の第1及び第2の基材(第1及び第2の前駆体を形成するために使用される)の一方又は両方は、共硬化可能なUV/可視光耐性層を含み得る。共硬化可能なUV/可視光耐性層は、共硬化可能なエポキシ樹脂系複合基材材料であり得、更に炭素繊維強化ポリマーであり得る。
【0106】
[00117] 複数の本態様によれば、共硬化可能なUV/可視光耐性層は、単一のプライであり得、複数のプライであり得る。それによって、共硬化可能なUV/可視光耐性層は、硬化されると、共硬化されたUV/可視光耐性層が、約2ミルから約6ミルの範囲の平均厚さを有するときに、約180nmから約800nmの範囲のUV/可視光波長に対して、約0%から約20%のUV/可視光透過率の範囲のUV/可視光透過率値を有する。すなわち、相溶性があるピールプライ層及び複合材料アセンブリを含み、図1A図1B図2A図2B図2C図3図4A、及び図4Bで示されているような開示された複合材料アセンブリから作製されたビークルを含む、より大きなアセンブリを含む、共硬化可能な複合材料の第1及び第2の前駆体が、図5図6図7、及び図8で概説された方法のうちの1以上に従って形成され、使用され得る。
【0107】
[00118] 相溶的に樹脂がチャージされた共硬化可能なピールプライ層と組み合わされたUV/可視光耐性層を含む共硬化可能なUV/可視光耐性複合材料は、共硬化可能なエポキシ樹脂系複合材料基材であり得る。共硬化可能なUV/可視光耐性層は、華氏約250度から華氏約410度の範囲の温度で、少なくとも、図2B図2C図3図4A、及び図4Bで示され、説明され、本明細書で説明された種類の共硬化されたUV/可視光耐性複合材料の第1の前駆体を形成する。
【0108】
[00119] 複数の本態様は、開示された複合材料アセンブリを、例えば、航空機主翼アセンブリ、水平安定板アセンブリ、垂直安定板アセンブリ、胴体、主翼アセンブリ内の燃料タンク、ナセル、並びに複合材料を含む他の航空機構造及び構造構成要素を含む、ビークル及びビークルアセンブリの製造において有用であると企図する。
【0109】
[00120] 複数の本態様は、当然ながら、本開示の本質的な特徴から逸脱しない限り、本明細書で具体的に説明された方法とは異なる他のやり方で実施することが可能である。複数の本態様は、あらゆる点で、全て例示的かつ非限定的であるとみなすべきであり、特許請求の範囲の意味及び均等性の範囲内に入る全ての変更は、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】